(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127184
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】画像付き箔フィルム製造装置、画像付き箔フィルムの製造方法および箔転写方法
(51)【国際特許分類】
B26D 7/32 20060101AFI20240912BHJP
G03G 15/22 20060101ALI20240912BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20240912BHJP
B26D 1/04 20060101ALI20240912BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B26D7/32 B
G03G15/22 103Z
G03G21/14
B26D1/04 Z
B26D3/00 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036162
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】池上 悠介
(72)【発明者】
【氏名】中西 有樹子
(72)【発明者】
【氏名】市川 智也
【テーマコード(参考)】
2H078
2H270
3C021
3C027
【Fターム(参考)】
2H078AA15
2H078AA20
2H078BB12
2H078DD03
2H078DD15
2H078DD31
2H078DD39
2H078DD40
2H078DD42
2H078DD53
2H078DD57
2H078DD61
2H078DD64
2H078DD72
2H078DD73
2H078DD75
2H078EE04
2H078FF60
2H270KA57
2H270MC55
2H270PA14
2H270PA34
3C021LB01
3C027GG01
3C027GG04
3C027GG09
(57)【要約】
【課題】様々な媒体への箔転写を容易にすることに貢献する画像付き箔フィルム製造装置、画像付き箔フィルムの製造方法および箔転写方法を提供することを目的とする。
【解決手段】画像付き箔フィルム製造装置1は、筐体10と、供給リール21と、転写部(プロセスカートリッジ50)と、定着部80と、巻取リール22と、カッター90とを備える。供給リール21には、箔フィルムFが巻回される。箔フィルムは、箔を含む。転写部は、箔フィルムFにトナー像を転写する。定着部80は、箔フィルムFにトナー像を定着させる。巻取リール22は、トナー像が定着された箔フィルムFを巻き取る。カッター90は、供給リール21と巻取リール22の間に位置する箔フィルムFを切断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
箔を含む箔フィルムが巻回される供給リールと、
箔フィルムにトナー像を転写する転写部と、
箔フィルムにトナー像を定着させる定着部と、
トナー像が定着された箔フィルムを巻き取るための巻取リールと、
前記供給リールと前記巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断するカッターと、を備えることを特徴とする画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項2】
前記カッターは、前記筐体内に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項3】
前記カッターは、前記定着部と前記巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断することを特徴とする請求項1に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項4】
前記巻取リールは、前記箔フィルムが巻かれる巻き芯を有し、
前記箔フィルムが取り付けられていないときの前記巻き芯の周速は、前記定着部で搬送される箔フィルムの速度よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項5】
箔フィルムの搬送方向において前記定着部の下流側に位置する下流側搬送ローラであって、箔フィルムを前記巻取リールに搬送するための下流側搬送ローラをさらに備え、
前記下流側搬送ローラは、
箔フィルムと接触する外周面であって、箔フィルムの幅方向における大きさが箔フィルムの幅よりも大きい外周面を有することを特徴とする請求項1に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項6】
前記転写部は、トナー像が形成される感光ドラムを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項7】
前記定着部は、
第1定着部材と、
前記第1定着部材との間で箔フィルムを挟む第2定着部材とを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像付き箔フィルム製造装置。
【請求項8】
供給リールから引き出された箔フィルムにトナー像を転写する転写工程と、
定着部によって箔フィルムにトナー像を定着させる定着工程と、
トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取る巻取工程と、
前記供給リールと前記巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する切断工程と、を備えることを特徴とする画像付き箔フィルムの製造方法。
【請求項9】
前記切断工程において、前記定着部と前記巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断することを特徴とする請求項8に記載の画像付き箔フィルムの製造方法。
【請求項10】
供給リールから引き出された箔フィルムにトナー像を転写する転写工程と、
箔フィルムにトナー像を定着させる定着工程と、
トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取る巻取工程と、
前記供給リールと前記巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する切断工程と、
トナー像が定着された箔フィルムに被転写物を重ね、被転写物にトナー像および箔を転写させる箔転写工程と、を備えることを特徴とする箔転写方法。
【請求項11】
前記切断工程の後、前記巻取リールを筐体から取り外す取り外し工程と、
前記巻取リールから引き出された箔フィルムを切断して、所定長さのシート状の画像付き箔フィルムを得る第2切断工程と、をさらに備え、
前記第2切断工程の後、シート状の前記画像付き箔フィルムを使って前記箔転写工程を行うことを特徴とする請求項10に記載の箔転写方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像が定着された箔フィルムを製造するための画像付き箔フィルム製造装置および画像付き箔フィルムの製造方法と、画像付き箔フィルムを用いた箔転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートへの箔転写が可能なレーザプリンタが知られている(特許文献1参照)。具体的に、レーザプリンタは、ホットスタンプ箔を搬送するための供給リールおよび巻取リールと、トナー像が形成される感光ドラムと、感光ドラム上のトナー像をホットスタンプ箔に転写する転写部と、ホットスタンプ箔の箔を、ホットスタンプ箔上のトナーとともにシートに転写して定着させる定着部とを備えている。また、特許文献1では、変形例として、レーザプリンタに定着部とは別の熱圧着装置を組み込み、定着部でホットスタンプ箔にトナーを定着し、熱圧着装置で、箔とトナーをシートに転写して定着させるものが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、レーザプリンタの装置内で、箔とトナーをシートに転写するので、様々な媒体への箔転写に利用しにくいという問題がある。例えば、表面が凹凸となる媒体に対して、供給リールと巻取リールの間で搬送されるホットスタンプ箔を合わせて、箔転写を行うのが難しいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、様々な媒体への箔転写を容易にすることに貢献する画像付き箔フィルム製造装置、画像付き箔フィルムの製造方法および箔転写方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本願の第1の開示に係る画像付き箔フィルム製造装置は、筐体と、供給リールと、転写部と、定着部と、巻取リールと、カッターと、を備える。
供給リールには、箔フィルムが巻回される。箔フィルムは、箔を含む。
転写部は、箔フィルムにトナー像を転写する。
定着部は、箔フィルムにトナー像を定着させる。
巻取リールは、トナー像が定着された箔フィルムを巻き取る。
カッターは、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する。
【0007】
第1の開示の構成によれば、トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取り、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムをカッターで切断するので、トナー像付きの箔フィルムが巻かれた巻取リールを、様々な被転写物への箔転写に利用することができ、様々な被転写物への箔転写を容易にすることができる。例えば、巻取リールに巻かれた箔フィルムをシート状に切断することで、シート状の箔フィルムを用いて表面が凹凸となる被転写物に対して容易に箔転写を行うことができる。
【0008】
また、本願の第2の開示は、第1の開示の画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
カッターは、筐体内に位置する。
【0009】
第2の開示の構成によれば、カッターが筐体内に位置するので、カッターに塵埃が付着することを抑制できる。
【0010】
また、本願の第3の開示は、第1の開示の画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
カッターは、定着部と巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する。
【0011】
第3の開示の構成によれば、例えば箔フィルムの搬送方向において定着部より上流に位置する箔フィルムをカッターで切断する構成と比べ、トナーが定着されていない箔フィルムを巻取リールで巻き取る量を小さく抑えることができる。
【0012】
また、本願の第4の開示は、第3の開示の画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
巻取リールは、箔フィルムが巻かれる巻き芯を有する。
箔フィルムが取り付けられていないときの巻き芯の周速は、定着部で搬送される箔フィルムの速度よりも大きい。
【0013】
第4の開示の構成によれば、箔フィルムが取り付けられていないときの巻き芯の周速が、定着部で搬送される箔フィルムの速度よりも大きいことで、箔フィルムが巻き芯に取り付けられた状態において巻取リールおよび定着部を動作させると、定着部と巻取リールの間で箔フィルムが張られるので、張った状態の箔フィルムをカッターできれいに切断することができる。
【0014】
また、本願の第5の開示は、第1の開示の画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
画像付き箔フィルム製造装置は、下流側搬送ローラをさらに備える。
下流側搬送ローラは、箔フィルムの搬送方向において定着部の下流側に位置する。下流側搬送ローラは、箔フィルムを巻取リールに搬送する。下流側搬送ローラは、外周面を有する。
外周面は、箔フィルムと接触する。外周面は、箔フィルムの幅方向における大きさが箔フィルムの幅よりも大きい。
【0015】
第5の開示の構成によれば、下流側搬送ローラの外周面の幅方向における大きさが、箔フィルムの幅よりも大きいので、箔フィルムに皺が生じるのを抑制できる。
【0016】
また、本願の第6の開示は、第1の開示の画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
転写部は、感光ドラムを備える。
感光ドラムには、トナー像が形成される。
【0017】
また、本願の第7の開示は、第1の開示から第6の開示のいずれかの画像付き箔フィルム製造装置の構成を有する他、以下の構成を有する。
定着部は、第1定着部材と、第2定着部材とを備える。
第2定着部材は、第1定着部材との間で箔フィルムを挟む。
【0018】
また、本願の第8の開示は、画像付き箔フィルムの製造方法である。
画像付き箔フィルムの製造方法は、転写工程と、定着工程と、巻取工程と、切断工程と、を備える。
転写工程は、供給リールから引き出された箔フィルムにトナー像を転写する工程である。
定着工程は、定着部によって箔フィルムにトナー像を定着させる工程である。
巻取工程は、トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取る工程である。
切断工程は、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する工程である。
【0019】
第8の開示の構成によれば、トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取り、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断するので、トナー像付きの箔フィルムが巻かれた巻取リールを、様々な被転写物への箔転写に利用することができ、様々な被転写物への箔転写を容易にすることができる。例えば、巻取リールに巻かれた箔フィルムをシート状に切断することで、シート状の箔フィルムを用いて表面が凹凸となる被転写物に対して容易に箔転写を行うことができる。
【0020】
また、本願の第7の開示は、第8の開示の画像付き箔フィルムの製造方法の構成を有する他、以下の構成を有する。
切断工程において、定着部と巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する。
【0021】
第7の開示の構成によれば、例えば箔フィルムの搬送方向において定着部より上流に位置する箔フィルムを切断する方法と比べ、トナーが定着されていない箔フィルムを巻取リールで巻き取る量を小さく抑えることができる。
【0022】
また、本願の第10の開示は、箔転写方法である。
箔転写方法は、転写工程と、定着工程と、巻取工程と、切断工程と、箔転写工程と、を備える。
転写工程は、供給リールから引き出された箔フィルムにトナー像を転写する工程である。
定着工程は、箔フィルムにトナー像を定着させる工程である。
巻取工程は、トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取る工程である。
切断工程は、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断する工程である。
箔転写工程は、トナー像が定着された箔フィルムに被転写物を重ね、被転写物にトナー像および箔を転写させる工程である。
【0023】
第10の開示の構成によれば、トナー像が定着された箔フィルムを巻取リールで巻き取り、供給リールと巻取リールの間に位置する箔フィルムを切断するので、トナー像付きの箔フィルムが巻かれた巻取リールを、様々な被転写物への箔転写に利用することができ、様々な被転写物への箔転写を容易にすることができる。例えば、巻取リールに巻かれた箔フィルムをシート状に切断することで、シート状の箔フィルムを用いて表面が凹凸となる被転写物に対して容易に箔転写を行うことができる。
【0024】
また、本願の第11の開示は、第10の開示の箔転写方法の構成を有する他、以下の構成を有する。
箔転写方法は、取り外し工程と、第2切断工程と、をさらに備える。
取り外し工程は、切断工程の後、巻取リールを筐体から取り外す工程である。
第2切断工程は、巻取リールから引き出された箔フィルムを切断して、所定長さのシート状の画像付き箔フィルムを得る工程である。
第2切断工程の後、シート状の画像付き箔フィルムを使って箔転写工程を行う。
【0025】
第11の開示の構成によれば、シート状の画像付き箔フィルムを使って箔転写工程を行うので、凹凸を有する被転写物にも、箔転写を良好に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、様々な媒体への箔転写を容易にすることに貢献する画像付き箔フィルム製造装置、画像付き箔フィルムの製造方法および箔転写方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態に係る画像付き箔フィルム製造装置を示す図である。
【
図2】供給リールを収容する供給ケースと巻取リールを示す斜視図である。
【
図3】第1供給アームと第2供給アームを示す斜視図である。
【
図4】巻取リールが装着された状態の第1巻取アームおよび第2巻取アーム周りの構造を示す斜視図である。
【
図5】第1巻取アームおよび第2巻取アームから巻取リールを取り外す過程の状態を示す斜視図である。
【
図6】第1巻取アームおよび第2巻取アームに巻取リールが装着された状態を示す断面図(a)と、巻取リールをカップリングから外した状態を示す断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像付き箔フィルム製造装置1は、筐体10と、フィルム搬送部20と、画像形成部30と、カッター90とを備えている。
【0029】
筐体10は、第1側壁11と、第2側壁12とを有する。画像形成部30は、第1側壁11と第2側壁12の間に位置する。
【0030】
第1側壁11は、第1開口11Aを有する。第2側壁12は、第2開口12Aを有する。
【0031】
フィルム搬送部20は、箔フィルムFを搬送する機能を有する。フィルム搬送部20は、供給リール21と、巻取リール22と、第1案内シャフト23と、下流側搬送ローラ24と、第2案内シャフト25とを備えている。
【0032】
供給リール21は、箔フィルムFが巻回されるリールである。
巻取リール22は、箔フィルムFを巻き取るためのリールである。巻取リール22は、巻き芯22Aを有する。巻き芯22Aは、箔フィルムFが巻かれる円筒状の部位である。
【0033】
箔フィルムFは、箔を有する箔含有層と、箔含有層を支持する支持層とを備える。箔フィルムFは、一端が供給リール21に固定され、他端が巻取リール22に固定される。
【0034】
供給リール21、巻取リール22および第2案内シャフト25は、筐体10の外に位置する。第1案内シャフト23および下流側搬送ローラ24は、筐体10内に位置する。筐体10は、供給リール21と巻取リール22の間に位置する。
【0035】
第1案内シャフト23は、供給リール21から引き出された箔フィルムFの進行方向を変えて画像形成部30に案内する部材である。第1案内シャフト23は、筐体10に固定される。第1案内シャフト23は、箔フィルムFの搬送方向において、供給リール21の下流側、かつ、画像形成部30の上流側に位置する。以下の説明では、「箔フィルムFの搬送方向」を、単に「搬送方向」ともいう。
【0036】
筐体10の第1側壁11は、搬送方向において、供給リール21と第1案内シャフト23の間に位置する。供給リール21から引き出される箔フィルムFは、第1側壁11の第1開口11Aを通って第1案内シャフト23に向かう。第1案内シャフト23で案内された箔フィルムFは、画像形成部30を通った後、下流側搬送ローラ24に向かう。
【0037】
下流側搬送ローラ24は、後述する定着部80から排出された箔フィルムFを巻取リール22に搬送するためのローラである。下流側搬送ローラ24は、搬送方向において、定着部80の下流側に位置する。
【0038】
下流側搬送ローラ24は、外周面24Aを有する。外周面24Aは、箔フィルムFと接触する。
図4に示すように、外周面24Aは、箔フィルムFの幅方向における大きさが箔フィルムFの幅よりも大きい。
【0039】
図1に戻って、第2案内シャフト25は、定着部80から排出された箔フィルムFの進行方向を変えて巻取リール22に案内する部材である。第2案内シャフト25は、筐体10に固定される。第2案内シャフト25は、搬送方向において、定着部80と巻取リール22の間に配置される。詳しくは、第2案内シャフト25は、搬送方向において、下流側搬送ローラ24と巻取リール22の間に配置される。第2案内シャフト25が定着部80と巻取リール22の間に配置されることで、第2案内シャフト25の搬送方向下流側の箔フィルムFは、巻取リール22で巻かれた箔フィルムFの径が変化することで向きが変わるが、第2案内シャフト25の搬送方向上流側の箔フィルムFは、巻取リール22で巻かれた箔フィルムFの径の変化を受けずに、一定の向きを保っている。
【0040】
筐体10の第2側壁12は、搬送方向において、下流側搬送ローラ24と第2案内シャフト25の間に位置する。下流側搬送ローラ24で搬送された箔フィルムFは、第2側壁12の第2開口12Aを通って第2案内シャフト25に向かう。
【0041】
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、転写部の一例としての4つのプロセスカートリッジ50と、ベルトユニット70と、定着部80とを備えている。
【0042】
LEDユニット40は、複数のLEDを有する。LEDユニット40は、後述する感光ドラム51を露光する。
【0043】
プロセスカートリッジ50は、ベルトユニット70とともに動作することで、箔フィルムFにトナー像を転写する機能を有する。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51、帯電器52、符号を省略して示す現像ローラ、トナーを収容するトナー収容室などを備えている。プロセスカートリッジ50は、筐体10に着脱可能である。
【0044】
複数のプロセスカートリッジ50のそれぞれに充填するトナーは、同じ種類のトナーであってもよいし、異なる種類のトナーであってもよい。同じ種類のトナーを複数のプロセスカートリッジ50に充填する場合には、例えば、制御部は、第1の感光ドラム51で所定形状のトナー像を箔フィルムFに転写した後、第2の感光ドラム51で前記所定形状のトナー像の上に同じ形状のトナー像を転写することができる。これにより、箔の接着剤として機能するトナーの厚さを大きくすることができる。
【0045】
また、異なる種類のトナーを複数のプロセスカートリッジ50に振り分けて充填する場合には、例えば、制御部は、箔フィルムFの種類に適したトナーが入っているプロセスカートリッジ50を選択し、選択したプロセスカートリッジ50を使用して箔フィルムFにトナー像を転写することができる。これにより、1台の装置で、異なる種類の箔フィルムFに対して、適切なトナーを転写することができる。
【0046】
ベルトユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0047】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、ベルト73を回転させるローラである。駆動ローラ71および従動ローラ72は、ベルト73の内周面に接触する。
【0048】
ベルト73は、各感光ドラム51との間で箔フィルムFを搬送するベルトである。ベルト73の外周面は、各感光ドラム51と接触している。転写ローラ74は、感光ドラム51との間でベルト73を挟んでいる。転写ローラ74には、転写バイアスが印加される。
【0049】
ベルト73は、転写ローラ74によって帯電する。これにより、ベルト73は、箔フィルムFを静電吸着して搬送する。ベルト73は、箔フィルムFの支持層に接触する。ベルト73で箔フィルムFを搬送するとき、箔含有層は、感光ドラム51と支持層の間に位置する。
【0050】
定着部80は、箔フィルムFにトナー像を定着させる機能を有する。定着部80は、第1定着部材の一例としての加熱ローラ81と、第2定着部材の一例としての加圧ローラ82とを備えている。加熱ローラ81は、ヒータ81Aを内部に備える。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間で箔フィルムFを挟む。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間で箔フィルムFを搬送する。加圧ローラ82と加熱ローラ81の間で箔フィルムFを搬送するとき、箔含有層は、加熱ローラ81と支持層の間に位置する。
【0051】
画像形成部30では、まず、感光ドラム51の表面が、帯電器52により帯電された後、LEDユニット40で露光される。これにより、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラからトナーが供給されることで、感光ドラム51上にトナー像が形成される。
【0052】
次に、ベルト73で搬送される箔フィルムFが感光ドラム51と転写ローラ74との間を通過することで、感光ドラム51上に形成されたトナー像が箔フィルムFに転写される。そして、箔フィルムFが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、箔フィルムFにトナー像が定着される。
【0053】
トナー像が定着された箔フィルムFは、下流側搬送ローラ24および第2案内シャフト25を介して、巻取リール22に巻き取られる。
【0054】
本実施形態において、箔フィルムFを搬送するための部材は、巻取リール22と、下流側搬送ローラ24と、加熱ローラ81および加圧ローラ82の少なくとも一方と、各感光ドラム51と、駆動ローラ71で回転するベルト73である。箔フィルムFを搬送するための部材は、図示せぬモータの駆動力によって回転する。
【0055】
箔フィルムFが取り付けられていないときの巻き芯22Aの周速は、定着部80で搬送される箔フィルムFの速度よりも大きくなるように設定されている。具体的には、例えば、巻取リール22と定着部80が共通のモータで駆動する場合、モータと巻取リール22間のギヤ比と、モータと定着部80間のギヤ比を調整することで、前述した速度の関係を設定してもよい。また、例えば、巻取リール22を第1モータで駆動し、定着部80を第1モータとは別の第2モータで駆動する場合には、第1モータの回転速度と第2モータの回転速度を予め設定しておき、制御部が設定された速度で各モータを駆動してもよい。このように速度の関係を設定することで、巻き芯22Aに箔フィルムFが取り付けられているときには、巻き芯22Aと定着部80の間で箔フィルムFを張った状態にすることが可能となっている。
【0056】
カッター90は、供給リール21と巻取リール22の間に位置する箔フィルムFを切断する部材である。カッター90は、筐体10内に位置する。カッター90は、定着部80と巻取リール22の間に位置する箔フィルムFを切断する。詳しくは、カッター90は、定着部80と下流側搬送ローラ24の間に位置する箔フィルムFを切断する。
【0057】
図2に示すように、カッター90は、例えば、巻取リール22の軸線方向に移動可能である。カッター90は、図示せぬ駆動機構によって、箔フィルムFの幅方向の一端から他端まで移動して、箔フィルムFを切断する。制御部は、箔フィルムFを搬送するための部材の回転を止めた後、駆動機構を作動して、カッター90を移動させるように構成されている。
【0058】
供給リール21は、供給ケース32内に収容されている。供給ケース32は、樹脂などからなる。供給ケース32は、略円筒状の外周壁32Aと、外周壁32Aの両端に設けられる略円板状の2つの側壁32Bとを有する。供給リール21は、供給ケース32の各側壁32Bに回転可能に支持されている。
【0059】
外周壁32Aは、供給リール21の箔フィルムFを外部に引き出すための開口32Dを有している。
【0060】
各側壁32Bは、供給リール21の軸方向から見て長尺状の係合部32Cを有している。各係合部32Cは、後述する着脱ガイドGによってガイドされる部位であり、角丸長方形状に形成されている。
【0061】
巻取リール22は、前述した巻き芯22Aと、第1フランジ22Bと、第2フランジ22Cと、シャフト22Dとを有している。
【0062】
第1フランジ22Bおよび第2フランジ22Cは、巻き芯22Aに巻かれた箔フィルムFの幅方向の移動を止めるための部位である。第1フランジ22Bおよび第2フランジ22Cは、巻き芯22Aよりも大径の円板状に形成されている。
【0063】
第1フランジ22Bは、巻き芯22Aの一端に位置する。第2フランジ22Cは、巻き芯22Aの他端に位置する。
【0064】
シャフト22Dは、第1フランジ22Bに位置する。シャフト22Dは、第1フランジ22Bから巻き芯22Aとは反対側に突出する。シャフト22Dは、大径部D1と、小径部D2とを有する。大径部D1および小径部D2は、円柱状である。
【0065】
大径部D1は、第1フランジ22Bから突出する。
小径部D2は、大径部D1よりも直径が小さい。小径部D2は、大径部D1の第1フランジ22Bとは反対の端に位置する。
【0066】
図3に示すように、画像付き箔フィルム製造装置1は、第1供給アーム110と、第2供給アーム120とをさらに備えている。筐体10の第1側壁11は、第1外面11Bを有している。第1供給アーム110および第2供給アーム120は、第1外面11Bから突出する。
【0067】
第1供給アーム110は、供給リール21の一端部を着脱可能に支持する。詳しくは、第1供給アーム110は、供給リール21の一端部を供給ケース32の一端部を介して支持する。供給ケース32の一端部は、第1供給アーム110に着脱可能である。
【0068】
第2供給アーム120は、供給リール21の他端部を着脱可能に支持する。詳しくは、第2供給アーム120は、供給リール21の他端部を供給ケース32の他端部を介して支持する。供給ケース32の他端部は、第2供給アーム120に着脱可能である。供給リール21は、第1供給アーム110および第2供給アーム120に着脱可能となることで、筐体10に対して着脱可能となっている。
【0069】
第1供給アーム110および第2供給アーム120は、それぞれ、供給ケース32の着脱時に供給ケース32を所定方向にガイドする着脱ガイドGを有している。着脱ガイドGは、ガイド溝G1と、保持穴G2とを有している。ガイド溝G1は、係合部32Cを所定方向にガイドする溝である。ガイド溝G1は、係合部32Cの短手方向の面をガイドする。
【0070】
保持穴G2は、係合部32Cを回動可能に保持する円形の穴であり、ガイド溝G1に繋がっている。係合部32Cをガイド溝G1に通して保持穴G2内に入れた後、供給ケース32を回動させて、係合部32Cの長手方向を所定方向と交差させることで、供給ケース32が、第1供給アーム110および第2供給アーム120に装着される。供給ケース32を、第1供給アーム110および第2供給アーム120から外す場合には、前述した装着動作を逆に行えばよい。
【0071】
図4に示すように、画像付き箔フィルム製造装置1は、第1巻取アーム210と、第2巻取アーム220と、軸受230と、2つのアーム240とをさらに備えている。
図1に示すように、筐体10の第2側壁12は、第2外面12Bを有している。第1巻取アーム210、第2巻取アーム220および各アーム240は、第2外面12Bから突出する。
【0072】
図4に戻って、2つのうち一方のアーム240は、第2案内シャフト25の一端部を支持する。他方のアーム240は、第2案内シャフト25の他端部を支持する。
【0073】
第1巻取アーム210は、巻取リール22の一端部を軸受230を介して着脱可能に支持する。第2巻取アーム220は、巻取リール22の他端部を着脱可能に支持する。巻取リール22は、第1巻取アーム210および第2巻取アーム220に着脱可能となることで、筐体10に対して着脱可能となっている。
【0074】
軸受230は、巻取リール22のシャフト22Dを回転可能に支持する部材である。詳しくは、軸受230は、シャフト22Dの小径部D2を回転可能に支持する。軸受230が小径部D2を支持するとき、シャフト22Dの大径部D1は、巻取リール22の軸方向で軸受230と向かい合う。これにより、大径部D1が軸受230に近づく方向に、巻取リール22が移動しようとしても、大径部D1が軸受230に接触して、移動が止められるようになっている。
【0075】
図5に示すように、第1巻取アーム210は、孔211を有する。孔211は、軸受230が着脱可能な孔である。孔211は、シャフト22Dの大径部D1よりも直径が大きい。これにより、孔211から軸受230を外した状態においては、巻取リール22が、第2巻取アーム220から離れる方向に移動可能となっている。
【0076】
図6(a),(b)に示すように、第2巻取アーム220は、カップリングCPを備えている。カップリングCPは、巻取リール22の他端部と係合して、巻取リール22を回転させる部材である。巻取リール22の第2フランジ22Cは、係合凹部22Eを有する。係合凹部22Eは、カップリングCPが入る凹みである。カップリングCPが係合凹部22Eに入った状態において、係合凹部22Eは、巻取リール22の回転方向にカップリングCPと係合する。
【0077】
図4および
図6(b)に示すように、画像付き箔フィルム製造装置1は、第1プーリ310と、第2プーリ320と、駆動ベルト330とをさらに備えている。
【0078】
第1プーリ310は、カップリングCPとともに回転可能である。第1プーリ310の回転中心と、カップリングCPの回転中心は一致する。第1プーリ310は、第2巻取アーム220に位置する。第2巻取アーム220は、カップリングCPと第1プーリ310の間に位置する。
【0079】
第2プーリ320は、筐体10内に位置する。第2プーリ320には、図示せぬモータの駆動力が伝達される。
【0080】
駆動ベルト330は、モータの駆動力を、第2プーリ320から第1プーリ310に伝達する無端状のベルトである。第1プーリ310および第2プーリ320は、駆動ベルト330の内周面と接触する。
【0081】
次に、第1巻取アーム210および第2巻取アーム220への巻取リール22の着脱方法について説明する。
図5に示すように、巻取リール22を第1巻取アーム210および第2巻取アーム220に装着する場合には、ユーザは、まず、巻取リール22のシャフト22Dを第1巻取アーム210の孔211に通す。その後、ユーザは、
図6(b),(a)の順に示すように、巻取リール22を第2巻取アーム220に向けて巻取リール22の軸方向に移動させて、係合凹部22EをカップリングCPに係合させる。
【0082】
その後、ユーザは、
図4に示すように、軸受230の孔に巻取リール22の小径部D2を入れつつ、軸受230を第1巻取アーム210の孔211に嵌め込む。以上により、第1巻取アーム210および第2巻取アーム220への巻取リール22の装着作業が完了する。
【0083】
第1巻取アーム210および第2巻取アーム220から巻取リール22を取り外す場合には、
図4,5の順に示すように、ユーザは、まず、軸受230を第1巻取アーム210の孔211から取り外す。その後、ユーザは、
図6(a),(b)の順に示すように、巻取リール22を第2巻取アーム220から離すように巻取リール22の軸方向に移動させて、係合凹部22EをカップリングCPから外す。
【0084】
その後、ユーザは、巻取リール22の軸方向と直交する方向に巻取リール22を傾けつつ、巻取リール22のシャフト22Dを第1巻取アーム210の孔211から外す。以上により、第1巻取アーム210および第2巻取アーム220からの巻取リール22の取り外し作業が完了する。
【0085】
次に、箔フィルムFの筐体10内へのセッティング作業について説明する。
図1に示すように、ユーザは、供給リール21および巻取リール22を筐体10に対して装着した後、供給リール21から箔フィルムFを引き出す。その後、ユーザは、引き出した箔フィルムFを第1側壁11の第1開口11Aを通して筐体10内に入れる。
【0086】
その後、ユーザは、箔フィルムFを第1案内シャフト23に巻き掛け、搬送方向の最も上流側の感光ドラム51とベルト73の間に入れる。ここで、筐体10は、上部が開閉可能なカバーとなっており、LEDユニット40はカバーに支持されていることとする。この場合、ユーザは、まず、カバーを開けて、最も上流側のプロセスカートリッジ50を外す。次いで、ユーザは、ベルト73上に箔フィルムFを載せた後、最も上流側のプロセスカートリッジ50を筐体10に装着して、カバーを閉める。
【0087】
その後、ユーザは、パソコンや操作パネル等を操作することで、箔フィルムFを搬送させる指令を制御部に出力する。制御部は、モータを駆動して、箔フィルムFを搬送するための部材を所定時間回転させる。これにより、最も上流側の感光ドラム51とベルト73で挟まれた箔フィルムFは、その他の感光ドラム51、定着部80および下流側搬送ローラ24によって搬送され、箔フィルムFの先端が第2開口12Aから筐体10外に出た後に止まる。
【0088】
その後、ユーザは、第2開口12Aから筐体10外に出ている箔フィルムFを第2案内シャフト25に巻き掛けた後、箔フィルムFの先端を巻取リール22に固定する。
【0089】
次に、画像付き箔フィルムFGの製造方法について説明する。
ユーザは、パソコンや操作パネル等を操作することで、トナー像を箔フィルムF上に形成するための印刷指令を、制御部に出力する。制御部は、ヒータ81AをONにして、加熱ローラ81の温度を、定着に適した定着温度まで上昇させる。
【0090】
その後、制御部は、モータを駆動するとともに、所定数のLEDユニット40を作動させることで、供給リール21から引き出されて搬送される箔フィルムFに対して所定数の感光ドラム51からトナー像が転写される(転写工程)。トナー像が転写された箔フィルムFが定着部80を通過すると、定着部80によって箔フィルムF上にトナー像が定着される(定着工程)。トナー像が定着された箔フィルムFは、画像付き箔フィルムFGとして巻取リール22に巻き取られる(巻取工程)。
【0091】
その後、制御部は、巻取リール22などの箔フィルムFを搬送するための部材を停止させた後、カッター90を移動させることで、カッター90で箔フィルムFを切断する(切断工程)。これにより、画像付き箔フィルムFGが、トナー像が形成されていない箔フィルムFと分離するので、画像付き箔フィルムFGが巻かれた巻取リール22を筐体10から外すことが可能となる。
【0092】
ここで、箔フィルムFを搬送するための部材を停止するタイミングは、画像付き箔フィルムFGの後端、つまり箔フィルムFに形成された画像の後端が、カッター90による切断位置を過ぎた後であれば、どのようなタイミングであってもよい。具体的に、箔フィルムFを搬送するための部材を停止するタイミングは、例えば、以下のタイミングが挙げられる。
・箔フィルムFに形成された画像の後端が、巻き芯22Aに巻かれた画像付き箔フィルムFG上に位置したとき。
・箔フィルムFに形成された画像の後端が、巻き芯22Aと第2案内シャフト25の間に位置するとき。
・箔フィルムFに形成された画像の後端が、第2案内シャフト25と下流側搬送ローラ24の間に位置するとき。
・箔フィルムFに形成された画像の後端が、下流側搬送ローラ24とカッター90による切断位置の間に位置するとき。
【0093】
なお、カッター90で箔フィルムFを切断した後は、制御部が巻取リール22および下流側搬送ローラ24のうち少なくとも巻取リール22を回転させることで、巻取リール22に画像付き箔フィルムFGを巻き取ってもよい。また、カッター90で箔フィルムFを切断した後、ユーザが手動で巻取リール22を回転させることで、巻取リール22に画像付き箔フィルムFGを巻き取ってもよい。
【0094】
その後、ユーザは、前述した取り外し方法によって、巻取リール22を第1巻取アーム210および第2巻取アーム220から取り外す(取り外し工程)。
【0095】
次に、巻取リール22に巻かれた画像付き箔フィルムFGを利用した、被転写物への箔転写方法について説明する。箔転写方法は、前述した転写工程、定着工程、巻取工程、切断工程および取り外し工程を備える他、以下に示す第2切断工程および箔転写工程を備える。
【0096】
図7(a)に示すように、表面に凹凸を有する被転写物Mに箔転写を行う場合には、ユーザは、まず、巻取リール22から引き出した画像付き箔フィルムFGをカッターなどにより切断することで、所定長さのシート状の画像付き箔フィルムFGを得る(第2切断工程)。また、ユーザは、
図7(b)に示すように、熱圧着装置400の支持台410に被転写物Mをセットし、被転写物Mの上にシート状の画像付き箔フィルムFGを重ねる。詳しくは、画像付き箔フィルムFGのトナーTが付着した面が被転写物Mに向くように画像付き箔フィルムFGを被転写物Mに重ねる。
【0097】
その後、ユーザは、熱圧着装置400を作動させることで、熱圧着装置400の、加熱された加熱板420を画像付き箔フィルムFGに押し付け、被転写物Mにトナー像および箔を転写させる。なお、熱圧着装置としては、どのようなものでもよく、例えば、ローラによって画像付き箔フィルムを被転写物に熱圧着させるものであってもよい。
【0098】
以上、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
トナー像が定着された箔フィルムFを巻取リール22で巻き取り、箔フィルムFをカッター90で切断するので、画像付き箔フィルムFGが巻かれた巻取リール22を、様々な被転写物への箔転写に利用することができ、様々な被転写物への箔転写を容易にすることができる。例えば、巻取リール22に巻かれた画像付き箔フィルムFGをシート状に切断することで、シート状の画像付き箔フィルムFGを用いて表面が凹凸となる被転写物に対して容易に箔転写を行うことができる。
【0099】
カッター90が筐体10内に位置するので、カッター90に塵埃が付着することを抑制できる。
【0100】
カッター90が、定着部80と巻取リール22の間に位置する箔フィルムFを切断するので、例えば箔フィルムの搬送方向において定着部より上流に位置する箔フィルムをカッターで切断する構成と比べ、トナーが定着されていない箔フィルムを巻取リール22で巻き取る量を小さく抑えることができる。
【0101】
箔フィルムFが取り付けられていないときの巻き芯22Aの周速が、定着部80で搬送される箔フィルムFの速度よりも大きいことで、箔フィルムFが巻き芯22Aに取り付けられた状態において巻取リール22および定着部80を動作させると、定着部80と巻取リール22の間で箔フィルムFが張られるので、張った状態の箔フィルムFを巻取リール22で巻き取ることができ、巻き取り時にシワになりにくい。また、張った状態の箔フィルムFをカッター90で切断することができるので、箔フィルムFをきれいに切断することができる。
【0102】
下流側搬送ローラ24の外周面24Aの幅方向における大きさが、箔フィルムFの幅よりも大きいので、箔フィルムFに皺が生じるのを抑制できる。
【0103】
筐体10の外に位置する巻取リール22が、筐体10に対して着脱可能となる構成とすることで、巻取リール22を筐体10に対して着脱する際に、カバーなどを開ける手間が不要となるので、巻取リール22の着脱作業を容易にすることができる。
【0104】
第1巻取アーム210の孔211に軸受230が着脱可能になる構成とすることで、軸受230を第1巻取アーム210から取り外すと巻取リール22のシャフト22Dと孔211の内周面の間に隙間ができるので、巻取リール22を軸方向に移動させた後、軸方向と直交する方向に傾けて容易に外すことができる。
【0105】
筐体10の外に位置する供給リール21が、筐体10に対して着脱可能となる構成とすることで、供給リール21を筐体10に対して着脱する際に、カバーなどを開ける手間が不要となるので、供給リール21の着脱作業を容易にすることができる。
【0106】
ベルト73が箔フィルムFを静電吸着して搬送するので、箔フィルムFを安定した状態で搬送することができる。
【0107】
画像付き箔フィルム製造装置1がプロセスカートリッジ50を複数備えるので、例えば、複数のプロセスカートリッジ50で箔フィルムF上にトナーを重ねて転写したり、異なる種類の箔フィルムFに対して異なる種類のトナーを選択的に転写することができる。
【0108】
第2案内シャフト25が、定着部80から排出された箔フィルムFの進行方向を変えて巻取リール22に案内するので、定着部80と下流側搬送ローラ24の間の箔フィルムFの向きと、下流側搬送ローラ24と第2案内シャフト25間の箔フィルムFの向きを一定にできる。そのため、定着部80から排出される箔フィルムFの向きが変わることによって生じる定着不良を抑制することができる。
【0109】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0110】
カッターは、箔フィルムに対して刃が動くものならどのようなものでもよく、例えば、2つの刃が回動することで箔フィルムを切断するはさみのようなものであってもよい。また、カッターは、例えば、レーザで箔フィルムを切断するレーザカッターであってもよい。カッターは、筐体の外に位置していてもよい。カッターは、搬送方向において定着部より上流に位置する箔フィルムを切断してもよい。
【0111】
画像付き箔フィルムの製造方法および箔転写方法における切断工程では、ユーザが、はさみなどを使って箔フィルムを切断してもよい。
【0112】
案内部材は、箔フィルムの進行方向を変えて案内するものであればよく、例えば、回転可能なコロまたはベルトであってもよい。また、案内部材は、シャフトとは異なる形状となる、箔フィルムを案内するシュートであってもよい。また、案内部材と定着部の間に、下流側搬送ローラはなくてもよい。
【0113】
巻取リールは、筐体内に位置していてもよい。この場合、巻取リールは、筐体に着脱可能となっていてもよい。供給リールも同様に、筐体内に位置していてもよいし、筐体に着脱可能となっていてもよい。
【0114】
巻取リールを筐体の外に位置させる部材は、第1巻取アームおよび第2巻取アームに限らない。例えば、筐体の外面から突出する支持台が、巻取リールを着脱可能に支持してもよい。供給リールも同様に、2つのアームとは異なる部材で支持されることで、筐体の外に位置していてもよい。
【0115】
転写部は1つであってもよい。転写部が1つの場合、シートを搬送するベルトは不要であり、感光ドラムと転写ローラの間で箔フィルムを挟んでもよい。
転写部は、例えば、トナー像が形成される中間転写ベルトを備える構成であってもよい。
【0116】
定着部は、赤外線オーブンのような、箔フィルムを加熱するが、加圧はしないものであってもよい。
【0117】
第1定着部材は、例えば、無端状のベルトと、ベルトの内側に位置するニップ板と、ベルトを加熱するヒータとを備える構成であってもよい。
【0118】
第2定着部材は、例えば、無端状のベルトと、ベルトの内側に位置するゴムパッドとを備える構成であってもよい。
【0119】
第1案内シャフトは、筐体の外に配置されていてもよい。第2案内シャフトは、筐体内に配置されていてもよい。
【0120】
第1供給アームおよび第2供給アームは、供給リールを直接支持してもよい。
巻取リールは、ケースに収容されていてもよい。この場合、第1巻取アームおよび第2巻取アームは、ケースを介して巻取リールを間接的に支持してもよい。
【0121】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 箔フィルム製造装置
10 筐体
21 供給リール
22 巻取リール
50 プロセスカートリッジ
80 定着部
90 カッター
F 箔フィルム