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  • 特開-カニ分別方法およびカニ分別装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127186
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】カニ分別方法およびカニ分別装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01N27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036166
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】307016180
【氏名又は名称】地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
(74)【代理人】
【識別番号】100116861
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 義博
(72)【発明者】
【氏名】藤光 洋志
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA15
2G060AD09
2G060AF06
2G060AG03
2G060HC15
2G060KA09
(57)【要約】
【課題】カニのあまみ、塩味、身詰まり、または、身離れを判定ないし分類可能とすること。
【解決手段】 海で捕れるカニの分別方法であって、海水より低濃度の塩水槽二つに、左右の脚の群をそれぞれ浸し、塩水槽間のインピーダンスに基づいて、カニのあまみの強弱、塩味の弱強、身詰まりの良し悪し、または、脚の身離れの悪し良し、を判定ないし分類することを特徴するカニ分別方法である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海で捕れるカニの分別方法であって、
海水より低濃度の塩水槽二つに、左右の脚の群をそれぞれ浸し、
塩水槽間のインピーダンスに基づいて、カニのあまみの強弱、塩味の弱強、身詰まりの良し悪し、または、脚の身離れの悪し良し、を判定ないし分類することを特徴するカニ分別方法。
【請求項2】
海水より低濃度の塩水槽二つに、海で捕れたカニの左右の脚の群をそれぞれ浸し、
塩水槽間に交流電圧を印加してインピーダンスを測定し、
当該測定値に基づいて、あまみ、塩味、身詰まり、または、脚の身離れを指標としてカニを2以上のクラスに分別することを特徴するカニ分別方法。
【請求項3】
脚の張り出し方向を移送方向に直交する向きにしてカニを載置し、
当該載置したカニを順次移送させて、浸し、測定し、分別することを特徴とする請求項2に記載のカニ分別方法。
【請求項4】
海で捕れたカニの分別装置であって、
脚の張り出し方向を移送方向に直交させて所定間隔にて載置したカニを順次移送する移送手段と、
移送中にカニの左右の脚の群をそれぞれ浸す、海水より低濃度の二つの塩水槽と、
塩水槽間に交流電圧を印加してカニの脚がそれぞれ浸かっている塩水槽間のインピーダンスを測定する測定手段と、
測定手段より下流にて、当該測定値に基づいて、あまみ、塩味、身詰まり、または、脚の身離れを指標として、カニを2以上のクラスに分別する分別手段と、
を具備したことを特徴するカニ分別装置。
【請求項5】
カニは、ズワイガニ、ベニズワイガニ、または、タラバガニであることを特徴とする請求項4に記載のカニ分別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カニ分別方法およびカニ分別装置に関し、特に、これまで事前にあたりをつけることが困難であった、身入りや味、脚むき身(棒肉)への加工のしやすさなどの観点に基づいたクラス分けを実現するカニ分別方法およびカニ分別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ズワイガニなどの海のカニは、需要者によって要求指標が異なっていた。
例えば、一般消費者には、ゆでた姿ガニについては、身入りがよいものが当然ながら好まれる。また、塩味が強く感じられるカニを好む者もいれば、いわゆる甘みの強いカニを好む者もいる(甘みの指標はアラニンやグリシンの含有量の多さである)。
一方、加工業者、例えば脚のむき身を抜き出す加工の場合には、身入りが良くはない方が作業性に優れる。
【0003】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
姿ガニの場合は、甲羅に覆われているので、身入りの良し悪しは、消費者はもとより、売り手側であってもわかりにくいという問題点があった。
同様に、ゆでた後等そのカニの身離れがよい(身入りがよくはない)かどうかは事前に把握するのは困難であるという問題点があった。
甘みの強さは、アミノ酸の総量やタンパク質の総量を測定すれば判別ができるが、個々のカニを測定することは現実的ではない、という問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-117177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、カニのあまみ、塩味、身詰まり、または、身離れを判定ないし分類可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のかに分別方法は、海で捕れるカニの分別方法であって、海水より低濃度の塩水槽二つに、左右の脚の群をそれぞれ浸し、塩水槽間のインピーダンスに基づいて、カニのあまみの強弱、塩味の弱強、身詰まりの良し悪し、または、脚の身離れの悪し良し、を判定ないし分類することを特徴する。
【0007】
すなわち、請求項1に係る発明は、抵抗値に基づいてカニの分別を可能とする。
【0008】
カニは広義であってタラバガニ科も含むものとする。
海水より低濃度とは、例えば0.1wt%とすることができるが、インピーダンスにばらつきが出なければ、塩分濃度0であることも妨げない。海水より高濃度(概ね3.4wt%超)とすることも可能であるが、溶解させる塩が多くなること、浸透圧の違いでカニの味に影響を及ぼす可能性があること、また、多数のカニを処理すると塩水濃度が順次薄まってくる可能性があること、を考慮し、海水より低濃度とするのが好ましい。
脚の群とは、親爪を含ませても含ませ無くても良く、また、カニの種類によっては小指(親爪に対極する脚)が小さいためこれを含ませても含ませなくても良く、左右対象に同数の脚を浸けるようにするのが好ましい(複数のカニを分別していくときは、どのカニも同数本浸からせるようにすることが好ましい)。ただし、海水より低濃度の塩水よりカニの方が電流が流れやすく、かつ、電流は低抵抗な流路を流れるので、多少の浸漬の本数や浸漬深さの違いはインピーダンスに影響を与えない。
インピーダンス(抵抗値)は、適宜レジスタンス(実成分)として測定しても良く、必要に応じてリアクタンスを測定する様にすることもできる。
なお、本願発明者は検討の結果、インピーダンスが高いと、あまみが強く、また、身入り(身詰まり)がよい傾向にあり、反対に、インピーダンスが低いと、塩味が強く、身離れがよい傾向にある関係にあることを見いだした。
あまみはうまみと表現することもできる。
【0009】
請求項2に記載のかに分別方法は、海水より低濃度の塩水槽二つに、海で捕れたカニの左右の脚の群をそれぞれ浸し、塩水槽間に交流電圧を印加してインピーダンスを測定し、当該測定値に基づいて、あまみ、塩味、身詰まり、または、脚の身離れを指標としてカニを2以上のクラスに分別することを特徴する。
【0010】
すなわち、請求項2に係る発明は、抵抗値に基づいてカニの分別を可能とする。なお、塩水槽間のインピーダンスを測定することは、事実上、塩水槽を橋渡ししているカニのインピーダンスを測定することとなる。
【0011】
クラス分けは、例えば、あまみであれば、あまみが強い、強くはない、の二分とすることができ、また、あまみがとても強い、強い、普通、の三区分とすることもできる。
インピーダンスの値ないし巾は、測定系に応じて適宜設定すれば良い。
【0012】
請求項3に記載のかに分別方法は、請求項2に記載のカニ分別方法において、脚の張り出し方向を移送方向に直交する向きにしてカニを載置し、当該載置したカニを順次移送させて、浸し、測定し、分別することを特徴とする。
【0013】
すなわち、請求項3に係る発明は、連続的にカニを分別することができる。
【0014】
請求項4に記載のカニ分別装置は、海で捕れたカニの分別装置であって、脚の張り出し方向を移送方向に直交させて所定間隔にて載置したカニを順次移送する移送手段と、移送中にカニの左右の脚の群をそれぞれ浸す、海水より低濃度の二つの塩水槽と、塩水槽間に交流電圧を印加してカニの脚がそれぞれ浸かっている塩水槽間のインピーダンスを測定する測定手段と、測定手段より下流にて、当該測定値に基づいて、あまみ、塩味、身詰まり、または、脚の身離れを指標として、カニを2以上のクラスに分別する分別手段と、を具備したことを特徴する。
【0015】
すなわち、請求項4に係る発明は、抵抗値に基づいてカニの分別を可能とする。
【0016】
所定間隔とは、必ずしも等間隔を意味せず、塩水槽に浸かっているカニが一杯となる間隔(二杯以上が浸からない間隔)であれば特に限定されない。
カニは種類にもよるが、甲羅を上に向けて載置していく態様であっても、下に向けて載置していく態様であってもよい。脚が左右基本的に同数塩水槽に浸かれば上向きでも下向きでもよい(ただし、複数のカニを分別していく場合には、上向き(下向き)載置なら全数上向き(下向き)載置とするようにする)。
移送手段において適宜昇降機構を介在させてもよく、また、なだらかに下って昇る軌跡を描き自然に脚が塩水槽に浸かるコンベア等を採用することもできる。
分別手段は、適宜プッシャによってクラス毎に振り分ける態様を挙げることができる。
【0017】
請求項5に記載のカニ分別装置は、請求項4に記載のカニ分別装置において、カニは、ズワイガニ、ベニズワイガニ、または、タラバガニであることを特徴とする。
【0018】
すなわち、請求項5に係る発明は、脚が比較的長く、大量に漁獲されるカニを効率的に分別することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によればカニのあまみ、塩味、身詰まり、または、身離れを判定ないし分類可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明のカニ分別装置の概要平面図である。
図2図2は、本発明のカニ分別方法を説明するフローチャートである。
図3図3は、カニの脚が塩水槽に浸かっている様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明者は、まず、姿売りも加工用途にも広く利用されるベニズワイガニに着目し、30個体分の生の脚肉を分析した。
すると、塩分%として、最大値2.18%最小値0.83%(平均1.58%、標準偏差0.37)とかなり幅があることがわかった。同様に、遊離アミノ酸は最大値2152mg%最小値713mg%(平均1349mg%、標準偏差455)、あまみアミノ酸(グリシンおよびアラニンの合計量)は最大値1149mg%最小値307mg%(平均値620mg%、標準偏差253)と、幅があることを確認した。
一方、水分については、最大値90.2%最小値82.5%(平均値87.7%、標準偏差2.1)とあまり差が無い。また、カニは殻に覆われているので、ボイルしたとしても、この傾向は変化しない。
【0022】
次に、カニのインピーダンスについて、周波数を4.16MHz(高周波数)、198kHz(低周波数)として測定した。水産業ないし水産加工業において特にカニに関しては、カニの甲羅は導電性のないキチン質であるので電気抵抗値しかも交流電気抵抗値(インピーダンス)を測定するという着想はないものと考えられたが、測定をおこなってみた。
併せて、塩分濃度とあまみアミノ酸(アラニンとグリシンの合計量)を測定した。
【0023】
具体的には、カニを100杯用意して、塩分濃度0.1%の18リットル水槽二つに、甲羅を下向けにして左右の脚の群がそれぞれの水槽に浸かるように橋渡しする状態として、交流電圧を印加してインピーダンスを測定した。
【0024】
結果を表にしめす。
表は、低周波数印加の結果をインピーダンスが高い順に並べた上位と下位6試験体を示しているが、高抵抗であると、あまみが強く、塩味が強くはない、逆に、低抵抗であると、塩味が強く、あまみが強くはない、という従来に無い知見であるところの相関関係が得られた。
なお、表から高周波数印加の場合の方がばらつき小さいことも確認できる。
別途、試験体を蒸す、または、煮る、という処理をおこなったが、相関関係は同様であることを確認した。
【0025】
また、蒸した試験体と煮た試験体について、身を向いたところ、いずれも、インピーダンスが高いカニは、身入りが良く、インピーダンスが低いカニには特に脚の身離れが良いことを確認した。
【0026】
次に、以上の知見に基づく、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
ここでは、本発明のカニ分別方法を、ベニズワイガニを分別する分別装置として実現する例について説明する。
図1は、本発明のカニ分別装置の概要平面図である。図2は、本発明のカニ分別方法を説明するフローチャートである。図3は、カニの脚が塩水槽に浸かっている様子を示す断面図である。
【0027】
カニ分別装置1は、仕分部10と、分別部20と、を主要な構成としている。
仕分部10は、移送部11と、判定部12と、分岐部13と、を有し、カニを大きさで前さばきする構成部である。本実施の形態では、大中小の3つに分ける例を説明する。
分別部20は、移送部21、塩水槽22、測定部23と、振分部24と、を有し、仕分部10で大中小に分けられた各レーンについて、身入りを指標としてカニを分別する構成部である。
【0028】
仕分部10について説明する。
移送部11では、図示しない駆動ローラに捲回された無端ベルト111により所定速度でカニを下流に移送する。無端ベルト111には皿112が載せられており、作業員は無選別にて順次ベニズワイガニを甲羅を下にして皿112に載せてゆく。
【0029】
判定部12では、無端ベルト111上空に配されたカメラ121にてカニを撮像し、PC等により構成される処理部122によりにて、順次撮影されるカニそれぞれの大きさおよび進行方向に対する傾き(回転角)を把握する。処理部122のアルゴリズムは特に限定されないが、大きさおよび傾きを、カニ裏面のパターンマッチングにより高速判定する例を挙げることができる。
【0030】
分岐部13では、判定部12における判定結果に基づき、中サイズ品はそのまま流し、大サイズ品と小サイズ品については皿112ごと両サイドのレーン(片側が大サイズレーン、他方が小サイズレーン)にプッシャ131が押し出す。このとき、中サイズレーンも含めて、3レーンともカニの脚の張り出し方向が進行方向に直交するように皿112を回転させる。回転機構は特に限定されない。皿112を下から回転させても良く、適宜設けたアームが上から降りてきてカニ自体を回転させるようにしてもよい。
【0031】
次に分別部20について説明する。
仕分部10により、カニは3サイズに分けられているので、分別部20は3レーンに分かれ、各構成は3つずつ備わるが、同等の構成であるので、以降では特に断らない限り区別せず説明する。
【0032】
移送部21は、図示しない駆動ローラに捲回された無端ベルト211により、移送部11から引き受けたカニを下流に移送していく。
【0033】
無端ベルト211の途中には、両サイドに塩水槽22がそれぞれ設けられ、カニの脚が左右それぞれ4本ずつ浸かる高さおよび深さとしている。塩水槽22の塩水濃度は0.1%とする。なお、塩水濃度はモニタリングし、適時水を追加するなどして濃度が一定に保たれるようにしている。
また、塩水槽22は、脚の群が滑らかに塩水槽22に浸かるように、進行方向に対してそれぞれ斜面221が形成され、上流側には迎え入れのための傾斜したガイド222が縁設されている(図3)。このガイド222によっても、カニの姿勢が整えられる(脚の張り出し方向が移送方向に直交する向きとなる)。
【0034】
測定部23は、塩水槽22のそれぞれに浸漬する二枚の電極231と、電極231間に交流電圧を印加する電源232と、電極231間のインピーダンスを測定する測定器233と、を有する(図1では、表示の便宜上小サイズレーンのみに電源と測定器を描画している)。交流電圧の印加により、カニのインピーダンスの事実上の即時測定が可能となる。なお、水分や電解質の多いカニにおいては、周波数特性があり、高周波の方が評価のばらつきが少なく、MHz帯を用いることが好ましい。具体的には3MHz~4MHzとするのが好ましい。電圧は1Vとする。
【0035】
本実施の形態では、身入りを指標としてカニを分別していくが、実際の測定系において、測定インピーダンスが概ね450Ω~1150Ωである場合には、650Ω以上の測定値となったカニは身入りがよいと判定し、650Ω未満の測定値となったカニは身入りが普通と判定する。指標によって異なるが、身入りを指標とする場合は、上位30%のカニが身入りが良い判定となる抵抗値を採用する。
【0036】
振分部24では、塩水槽22を通過して更に下流に移送されてくるカニを測定部23の結果に基づいて振り分ける。具体的には、身入りがよいカニについては、プッシャ241によりコンテナ242gに押し出す。身入りが普通であるカニについては無端ベルト211末端にあるコンテナ242nに収容する。
なお、コンテナ242が所定重量を超える場合、または、カニが所定高さまで積み上がった場合には、それを検知してブザー等によって作業員にコンテナ242の交換を促すようにする。
【0037】
以上の構成により、カニ分別装置1は、カニのサイズ別に、身入りがよいものと普通であるものとを分別することができる。
このように処理すると、たとえば、市場のセリの段階でより適正な取引が実現され、ブランド構築にも資することとなる。
【0038】
次に、処理流れについて説明する。
まず、水揚げされたベニズワイガニを甲羅を下にして、無端ベルト111上の皿112に順次載せる(ステップS1)。
カニが載った皿112を下流に移送し、カメラ121の撮影像に基づき大きさを順次判別していく(ステップS2)。
次いで、大きさに基づいて、中サイズのカニはそのまま下流に流し、大サイズ品については大サイズレーンに、小サイズ品については小サイズレーンに皿112ごと押し出す(ステップS3)。併せてカニの向きを揃える。すなわち、カニの脚の張り出し方向が移送方向に直交する向きになるようにそれぞれ調整する(ステップS4)。
【0039】
各レーンとも、皿112に載ったカニをそのまま下流に流し、中途で左右に設けられた塩水槽22にそれぞれ左右の脚の群を浸す(ステップS5)。
塩水槽22間には、交流電圧が印加してあり、脚の浸漬中にカニのインピーダンスを測定する(ステップS6)。なお、移送は連続移送であり、カニ脚が塩水槽22に浸っている所定領域間のインピーダンスの時間平均を測定値とする。
【0040】
最後に、インピーダンスの値に基づいて、身入りのよいものを別コンテナ(身入りがよいカニ用コンテナ242gL(大サイズ)、242gM(中サイズ)、242gS(小サイズ))にプッシャ241で押し出す。身入りが普通であるカニについては、無端ベルト211の末端に備えた身入りが普通のカニ用コンテナ242nL(大サイズ)、242nM(中サイズ)、242nS(小サイズ)にそれぞれ自然落下させる。すなわち、カニを分別する(ステップS7)。
【0041】
以上の例は、身入りがよいカニを分別する例として説明したが、逆に身離れを指標とし、インピーダンスが概ね下位40%の割合のカニを、身離れがよいとして判定する抵抗値を採用しても良い。
同様に、上位30%については、甘みが強い、下位30%については塩味が強い、と判定するそのような抵抗値を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、要求指標によって所望のカニを購入できるので、信頼性の高い取引を実現する。
【符号の説明】
【0043】
1 カニ分別装置
10 仕分部
11 移送部
111 無端ベルト
112 皿
12 判定部
121 カメラ
122 処理部
13 分岐部
131 プッシャ
20 分別部
21 移送部
211 無端ベルト
22 塩水槽
221 斜面
222 ガイド
23 測定部
231 電極
232 交流電源
233 測定器
24 振分部
241 プッシャ
242 コンテナ
242g 身入りの良いカニ用のコンテナ
242n 身入りが普通であるカニ用のコンテナ

図1
図2
図3