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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127203
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/50 20200101AFI20240912BHJP
【FI】
D06F33/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036193
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 賀貴
(72)【発明者】
【氏名】丹野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】吉川 政志
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AB22
3B167AB23
3B167AB33
3B167AB43
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167BA78
3B167BA82
3B167LA06
3B167LC01
3B167LC02
3B167LC11
3B167LC14
3B167LC15
3B167LC19
3B167LC20
(57)【要約】
【課題】除菌していないときでも内槽内を加湿することが可能で、加湿行為による除菌手段の性能や寿命への影響を抑制可能とする洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】衣類を収容するドラム3と、ドラム3内に空気を送風する送風ファン26と、ドラム3内に送風する空気を加熱するヒータ28と、ドラム3内を加湿する給水弁41および給水路42と、ドラム3内に銀イオンを放出する銀イオン放出ユニット43と、を備え、ドラム3内を加湿するか否かに関わらず、銀イオンの放出有無を制御する。加湿手段と銀イオン放出ユニット43とは別経路である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を収容する内槽と、前記内槽内に空気を送風する送風手段と、前記内槽内に送風する空気を加熱する加熱手段と、前記内槽内を加湿する加湿手段と、前記内槽内に金属イオンを放出する金属イオン放出手段と、を備え、
前記内槽内を加湿するか否かに関わらず、金属イオンの放出有無を制御することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記加湿手段と前記金属イオン放出手段とは、別経路であることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記内槽内に金属イオンを放出する時間は、前記加湿手段で前記内槽内を加湿する時間よりも短いことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項1に記載の洗濯乾燥機において、
前記加湿手段は、水を液滴化するノズルであり、
前記送風手段の経路内に水を供給し、前記ノズルから前記内槽内に滴下することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記金属イオン放出手段は、金属イオンを発生させる金属イオン発生部と、前記金属イオン発生部に水を供給する供給部と、金属イオンを含む水を前記内槽側に向けて放出する放出部と、を含むことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項5に記載の洗濯乾燥機において、
前記金属イオン発生部は、金属イオンを担持した金属イオン担持物を有し、前記供給部から供給された水によって前記金属イオン担持物を溶解することで金属イオンを発生させることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項7】
請求項5に記載の洗濯乾燥機において、
前記金属イオン発生部は、金属電極を有し、前記供給部から供給された水を前記金属電極において電気分解することで金属イオンを発生させることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項8】
請求項5に記載の洗濯乾燥機において、
前記放出部は上流の前記供給部よりも上方に位置し、給水時は前記金属イオン発生部内に水が溜まり、給水を停止すると前記金属イオン発生部内に水が残らない構造であることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記加湿手段と、前記金属イオン放出手段との、どちらに水を流すかを制御する分岐手段を備え、
前記分岐手段は、前記金属イオン放出手段の上流に設けることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項10】
請求項9に記載の洗濯乾燥機において、
前記分岐手段は、前記金属イオン放出手段の上流に設けられる第1切替制御弁と、前記加湿手段と前記内槽内への放出部との間に設けられる第2切替制御弁と、を有することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項11】
請求項10に記載の洗濯乾燥機において、
前記金属イオン放出手段は、前記加湿手段より上方に位置し、
前記第1切替制御弁が開かつ前記第2切替制御弁が閉の場合、前記金属イオンを放出し、
前記第1切替制御弁が開かつ前記第2切替制御弁が開の場合、前記加湿手段に水を流し、
前記第1切替制御弁が閉かつ前記第2切替制御弁が開の場合、前記金属イオンを含む残水を前記加湿手段に排出することを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記加湿手段からの前記内槽内への放出経路と前記金属イオン放出手段からの前記内槽内への放出経路とはそれぞれ別の経路であることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項13】
請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機において、
前記金属イオン放出手段を通過後の水が、前記加湿手段の経路に合流する合流部を備え、
前記合流部は、前記金属イオン放出手段の下流と前記内槽内への放出部の間に位置することを特徴とする洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衣類を清潔に保つことに対するニーズが増加している。例えば、特許文献1には、衣類の除菌手段として、循環送風経路内に、オゾンを供給するオゾン発生手段と、微粒子水を供給するミスト発生手段とを設ける洗濯乾燥機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-54156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯乾燥機では、除菌手段であるオゾン発生手段とミスト発生手段とが同じ循環送風経路内に設けられているため、ミスト発生手段によって加湿させたいときでもオゾン発生手段が浸水し所望の機能が十分に発揮されないことや、オゾン発生手段以外の除菌手段を用いた際に、その除菌手段が浸水によって消耗する課題があった。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、内槽内を加湿することが除菌手段の性能や寿命への影響を抑制可能な洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、衣類を収容する内槽と、前記内槽内に空気を送風する送風手段と、前記内槽内に送風する空気を加熱する加熱手段と、前記内槽内を加湿する加湿手段と、前記内槽内に金属イオンを放出する金属イオン放出手段と、を備え、前記内槽内を加湿するか否かに関わらず、金属イオンの放出有無を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、除菌していないときでも内槽内を加湿することが可能で、加湿行為による除菌手段の性能や寿命への影響を抑制可能とする洗濯乾燥機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る洗濯乾燥機の内部を示す構成図である。
図2】本実施形態の洗濯乾燥機の上部の内部を示す斜視図である。
図3】本実施形態の洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。
図4】除菌コースにおける温度と湿度の状態を示すタイムチャートである。
図5】本実施形態の洗濯乾燥機の動作を示す別のフローチャートである。
図6】他の加湿手段を示す構成図である。
図7A】銀イオン放出ユニットの構成図である。
図7B】銀イオン放出ユニットに給水された状態を示す図である。
図8】銀イオン放出ユニットと加湿手段の分岐手段を示す構成図である。
図9】銀イオン放出ユニットと加湿手段の別の分岐手段を示す構成図である。
図10】加湿手段からドラム内への放出経路と銀イオン放出ユニットからのドラム内への放出経路とが別の経路である構成図である。
図11】加湿手段からドラム内への放出経路と銀イオン放出ユニットからのドラム内への放出経路とが同じ経路である構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態例について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。なお、以下では、図1に示す方向を基準にして説明する。また、図1において紙面に垂直な方向は左右方向である。
図1は、本実施形態に係る洗濯乾燥機の内部を示す構成図である。
図1に示すように、洗濯乾燥機100は、ドラム式の洗濯乾燥機であり、筐体1と、ドラム3(内槽)と、ドラム3内に空気を送風する送風ファン26(送風手段)と、ドラム3内に送風する空気を加熱するヒータ28(加熱手段)と、ドラム3内を加湿する加湿手段と、制御装置30(制御部)と、を備えて構成されている。
【0010】
筐体1は、ベース1hの上部に、主に鋼板と樹脂成形品で作られた側板(図示せず)及び補強材(図示せず)を組み合わせて骨格を構成し、さらにその上に樹脂成形品で作られた前面カバー1a、下部前面カバー1b、上面カバー1cを取り付けることで構成されている。また、前面カバー1aには、洗濯物(衣類)を出し入れする際に開閉されるドア9が設けられている。
【0011】
筐体1の内部には、ほぼ中央部に水を溜める外槽2を備えている。外槽2は、有底円筒状に形成され、下部に設けられた複数個のダンパ(図示せず)によって弾性支持されている。外槽2には、前面側に形成された前面開口(ドア9側)に外槽カバー2aが取り付けられている。外槽カバー2aは、後側が外槽2の前面開口と接続され、前側に洗濯物が出し入れされる円形の開口部2a1が形成されている。
【0012】
また、外槽2の内側には、回転可能に支持されたドラム3が設けられている。ドラム3は、有底円筒状に形成された洗濯物(衣類35)を収容可能であり、前側に開口3aが位置している。また、ドラム3の回転軸Oは、前側が後側よりも高くなるように傾斜している。なお、ドラム3の回転軸は、略水平となるように構成されていてもよい。
【0013】
ドア9は、樹脂製のドア枠9bに、ドアガラス9aを固定したものであり、ヒンジ(図示せず)によって筐体1に開閉自在に取り付けられている。また、ドア9は、ドア枠9bが筐体1に形成された円形の開口1sの周縁部に当接する。また、ドアガラス9aは、筐体1の開口1sよりも奥側(後側)に入り込むように凸形状を成すようにして構成されている。
【0014】
ドラム3の開口3aの外周には、脱水時の洗濯物のアンバランスによる振動を低減するための、流体バランサ(図示省略)が設けられている。また、ドラム3の側壁(周壁)には、洗濯物を持ち上げる複数個のリフタ(図示せず)が等間隔に設けられている。また、ドラム3は、ドラム駆動用のモータ(図示せず)に直結されている。また、ドラム3は、側壁である円筒部に遠心脱水および通風用の多数の小孔(図示せず)を有している。
【0015】
外槽カバー2aには、弾性体からなるゴム製のドアパッキン(図示せず)が取付けられている。このドアパッキンは、略円環状に形成され、奥側(後側)の開口縁部が外槽カバー2aの開口部に取り付けられ、手前側(前側)の開口縁部が筐体1の開口1sの縁部に取り付けられている。ドア9を閉じることで、ドアガラス9aがドアパッキンに密着し、外槽2とドア9との水密性を維持する役割をしている。これにより、洗い、すすぎ及び脱水時の水漏れの防止が図られている。
【0016】
また、外槽2の下方には、循環ポンプ18が設けられている。この循環ポンプ18は、筐体1のベース1h側に固定されている。また、循環ポンプ18は、洗濯水を外槽2の上部までくみ上げて、ドラム3内の洗濯物に散布する機能を有している。洗濯水は、外槽2の下部に設けられた水受け部(図示せず)の排水口20から配管21を通して糸屑フィルタ22に送られる。糸屑フィルタ22を通過した洗濯水は、循環ポンプ18の吸込口側に入り、循環ポンプ18で昇圧されたのち、散水ノズル(図示せず)からドラム3内に向けて散水される。また、排水口20は、糸屑フィルタ22と排水弁23を介して、排水ホース24に通じており、外槽2内の水を機外に排水できるようになっている。
【0017】
また、外槽2の背部には、外槽2と送風ファン26(送風手段)とを接続する送風ダクト25aが設けられている。送風ダクト25aは、ドラム3内の洗濯物に気流を導くものであり、一端が外槽2の背面下部に接続されている。送風ファン26は、乾燥フィルタ27を介して送風ダクト25aの他端と接続されている。また、送風ファン26および乾燥フィルタ27は、筐体1に固定されている。送風ファン26によって生成された風は、ヒータ28によって加熱された後に温風となって、送風ダクト25bを通って、ノズル29からドラム3内に吐出される。洗濯物(衣類)に吹き付けられた温風は、高温多湿の空気となって、送風ダクト25aに吸い込まれ、送風ダクト25aに設けられた水冷除湿機構(不図示)で冷却除湿されて低温空気となる。なお、ヒータ28および水冷除湿機構の替わりにヒートポンプを用いてもよい。また、本実施形態では、水冷除湿機構(不図示)およびヒータ28によって、衣類を乾燥するための乾燥手段が構成されている。
【0018】
ノズル29は、外槽2の上部に設けられ、スリット形状の開口を有している。また、ノズル29は、ドラム3の開口3aからドラム3の背面3bに向けて温風が吐出されるようになっている。
【0019】
また、ノズル29と送風ダクト25bとの間は、柔軟構造のゴム製の蛇腹管25cによって接続されている。また、送風ダクト25aの上端と乾燥フィルタ27との間は、柔軟構造のゴム製の蛇腹管25dによって接続されている。また、図示していないが、排水口20と循環ポンプ18との間の配管21も蛇腹管(図示せず)によって接続されている。これら蛇腹管25c,25d、外槽2の下部のダンパ(不図示)などによって、運転時の外槽2の振動を吸収している。
【0020】
制御装置30(制御部)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インタフェース等の電子回路を含んで構成されている。そして、ROMに記憶されたプログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが各種処理を実行するようになっている。また、制御装置30は、循環ポンプ18、排水弁23、送風ファン26、ドラム駆動用のモータ(不図示)、ヒータ28、後記する給水弁41を制御するとともに、湿度センサ31によって検知された検出値を取得する。
【0021】
図2は、本実施形態の洗濯乾燥機の上部の内部を示す斜視図である。
図2に示すように、洗濯乾燥機100は、外槽2の上部に、給水弁41、給水路42、銀イオン放出ユニット43(金属イオン放出手段)を備えている。
【0022】
給水弁41は、開くことにより水が給水路42を介して送風ダクト25b(図1参照)に供給されるようになっている。給水路42からの水が供給される送風ダクト25bの位置は、ヒータ28よりも下流である。給水弁41が開弁され、給水路42から送風ダクト25bに供給された水は、送風ファン26からの気流によって、ノズル29に運ばれ、ノズル29からミストとなってドラム3内に供給される。
【0023】
銀イオン放出ユニット43は、銀イオン(金属イオン)を発生させる銀イオン発生部43a(金属イオン発生部)と、銀イオン発生部43aに水を供給する供給部43bと、銀イオンを含む水をドラム3側に向けて放出する放出部43c(放出手段)と、を備える。銀イオン発生部43aは、銀イオンを担持した銀イオン担持物43a1と、銀イオン担持物43a1を収容するケース43a2とで構成されている。なお、金属イオン担持物は、銀イオンに限定されるものではなく、除菌効果を付与できるものであれば、銅、亜鉛、チタンなど他の種類の金属であってもよい。
【0024】
なお、前記した実施形態では、銀イオン担持物43a1の場合を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されるものではなく、金属イオン担持物に替えて金属電極としてもよい。この場合には、供給部43bから金属電極に水を供給して電気分解することで銀イオンなどの金属イオンが発生する。
【0025】
図3は、本実施形態の洗濯乾燥機の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザは、ドア9を開いて、ドラム3内に除菌を行いたい衣類35を投入する。このとき、ドラム3の底側に位置する面(曲面)に衣類35を広げて載置する。そして、制御装置30は、ユーザによって電源スイッチがオンされると起動し、操作パネルから除菌コースが選択されることで、ROMから除菌コースの制御プログラムを読み出して実行する。
【0026】
図3に示すように、制御装置30は、ステップS10において、ドラム3内に温風を供給する。すなわち、送風ファン26とヒータ28をオンにすることで、温風が生成され、ノズル29からドラム3内に温風が衣類35に向けて供給される。このステップS10の処理によって、衣類35が加熱される。なお、このとき、ドラム3内の温度が温度T1に設定される。
【0027】
ステップS20において、制御装置30は、ドラム3内を加湿する。すなわち、給水弁41が開弁されることで、水が給水路42に流れ、送風ダクト25bに供給される。送風ダクト25bに導入された水は、送風ファン26から供給される高速の風に乗ってノズル29まで運ばれ、ノズル29からミスト水となってドラム3内に供給される。このステップS20の処理によって、衣類35が加湿される。
【0028】
なお、本実施形態では、温風を供給した後に加湿する構成を例に挙げて説明したが、加湿した後に温風を供給するようにしてもよく、または温風の供給と加湿を同時に行ってもよい。
【0029】
ステップS30において、制御装置30は、ステップS10を開始してからの経過時間t1が、予め決められた設定時間taを超えていると判定した場合には(Yes)、ステップS40に進み、経過時間t1が設定時間ta以下であると判定した場合には(No)、ステップS10の処理に戻る。なお、設定時間taは、事前の試験によって決められる。
【0030】
ステップS40において、制御装置30は、加湿を停止する。すなわち、給水弁41が閉じられ、給水路42および送風ダクト25bへの給水が停止される。これによって、ノズル29からのミスト水の供給が停止する。なお、送風ファン26は継続して動作させる。このようにして加湿が停止することで、ドラム3内の湿度が低下する。
【0031】
ステップS50において、制御装置30は、ドラム3内を昇温する。例えば、ヒータ28の出力を増加させることで、ドラム3内の温度がステップS10の昇温時の温度T1よりも高い温度T2に設定される。これにより、ドラム3内の温度が上昇する。
【0032】
ステップS60において、制御装置30は、加湿を停止してからの経過時間t2が、予め決められた設定時間tbを超えている場合には(Yes)、除菌運転を終了し、経過時間t2が設定時間tb以下であると判定した場合には(No)、ステップS50の処理に戻る。なお、設定時間tbは、事前の試験によって決められる。
【0033】
図4は、除菌コースにおけるドラム内の温度と湿度の状態を示すタイムチャートである。なお、上図は温度のタイムチャートであり、下図は湿度のタイムチャートである。
図4に示すように、除菌コースでは、第一工程において、ヒータ28と送風ファン26によって温風が生成され、ドラム3内が温度T1で加熱される。また、第一工程では、給水弁41が開弁され、ノズル29からミスト水がドラム3内に供給されることで、衣類35に対して加湿が行われる。第一工程では、例えば、ドラム3内の湿度H1が100%に設定され、温度T1が60℃に設定される。
【0034】
そして、第二工程において、給水弁41が閉じられ、衣類35に対する加湿が停止される。また、ヒータ28の温度を上昇させ、衣類35が温度T2で加熱される(T2>T1)。第二工程では、例えば、ドラム3内の湿度H2が10%に設定され、温度T2が70~80℃に設定される。
【0035】
このように、洗濯乾燥機100の除菌コースでは、第一工程において、衣類35に対して加熱と加湿を行う湿熱除菌が行われる。そして、第二工程において、衣類35に対する加湿を停止して、衣類35を昇温させる乾熱除菌が行われる。このように、第一工程においてエネルギ伝達効率の高い湿熱除菌を行うことによって除菌力を向上させることができ、第二工程において乾熱除菌によって昇温させることで除菌力を回復させることができる。なお、第二工程は第一工程において湿った衣類35を乾燥させる工程でもあり、加湿を停止させている。このように、第一工程の湿熱除菌(低温高湿)と第二工程の乾熱除菌(高温低湿)を組み合わせることで、運転開始から運転終了まで乾熱除菌(例えば、衣類湿度が10%、衣類温度が80℃)のみを行う場合と比較して、運転全体の平均温度低下や時間短縮を図ることができる。その結果、衣類35の傷みや縮みを抑えることができる。
【0036】
以下、湿熱による除菌のメカニズムを記載すると、以下の3点を挙げることができる。(1)水分子による酵素の化学的な変性作用、(2)水蒸気から水に変化する際の潜熱効果、および、(3)水の熱伝導率が空気と比較して高いこと、が関係していると考えられる。化学的変性作用に関しては、加熱された水分子が細菌の酵素の水素結合やイオン結合に作用し結合を切断することで、細胞の高次構造が損傷し、細菌が死滅すると考えられている。なお、水分子が実質的にない乾燥した状態の場合は、加熱により細胞内の水分が蒸発し、酵素分子やDNA分子の共有結合が切断され、細菌が死滅すると考えられており、これには湿熱よりも高温かつ長時間の熱処理が必要となる。また、潜熱効果に関しては、水の顕熱に対して凝縮潜熱は約5倍高く、熱伝導率に関しても、水の方が空気よりも約20倍高いため、水分が存在することで乾燥した状態と比較し効率的に細菌に熱を伝えることができると考えられる。
【0037】
以上説明したように、洗濯乾燥機100は、衣類35を収容するドラム3と、ドラム3内に空気を送風する送風ファン26(送風手段)と、ドラム3内に送風する空気を加熱するヒータ28(加熱手段)と、ドラム3内を加湿するノズル29(加湿手段)と、送風ファン26、ヒータ28および給水弁41(加湿手段)を制御する制御装置30(制御部)と、を備える。また、加熱工程は、ドラム3内の温度(T1,T2)が異なる第一工程と第二工程がある。2つの工程のドラム3内の温度は、加熱工程における第一工程よりも第二工程(最終工程)の方がドラム3内の温度が高い(T1<T2)。制御装置30は、第一工程において、ヒータ28による加熱と加湿手段による加湿を行う(図3参照)。これによれば、エネルギ伝達効率の高い湿熱除菌を行うことにより除菌力を向上させることができる。第一工程の湿熱除菌(低温高湿)と第二工程の乾熱除菌(高温低湿)とを組み合わせることで、運転全体の平均温度低下と運転時間短縮を図ることができる。
【0038】
また、洗濯乾燥機100は、最終工程は、第一工程に続く第二工程であり、制御装置30(制御部)は、第二工程において加熱を開始するとともに、第一工程の加湿を停止する(図3参照)。これによれば、加湿を停止することによって除菌力が低下するが、加熱によって昇温することで除菌力を回復させることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、加熱工程として第一工程と第二工程とを備えた場合を例に挙げて説明したが、第一工程と第二工程との間に他の工程が入ってもよい。
【0040】
また、洗濯乾燥機100において、加湿手段は、水を液滴化するノズル29を含み、ドラム3内に収容された衣類35にノズル29から液滴を滴下する。これによれば、液滴を直接衣類35に滴下することで、衣類35を確実に湿らせることができ、湿熱除菌効果が向上する。なお、液滴量は、ドラム3内の湿度に応じて調整してよい。また、液滴を滴下するタイミングは、常時でも間欠でもよい。
【0041】
また、洗濯乾燥機100において、ドラム3は回転させなくてもよい。これによれば、型くずれ防止のため、攪拌不可のスーツやコートでも除菌することができる。
【0042】
また、洗濯乾燥機100において、第一工程に入る前の衣類は乾燥していてもよい。これによれば、水洗い出来ない衣類でも除菌することができる。
【0043】
また、洗濯乾燥機100において、ドラム3内の温度は、第一工程(60℃)よりも第二工程(70~80℃)の方が10~20℃高い。これによれば、第一工程において温度低下させることができるので衣類35の布傷みを抑えることができ、第二工程において温度を高めているので除菌力を回復させることができる。
【0044】
なお、前記した実施形態では、洗濯乾燥機100における衣類の除菌を例に挙げて説明したが、洗濯乾燥機100に限定されるものではなく、食器洗い乾燥機、電子レンジなど温湿度を活用する各種家庭用電化製品に適用してもよい。
【0045】
図5は、本実施形態の洗濯乾燥機の動作を示す別のフローチャートである。なお、図5は、図3に示す動作にステップS45を追加したものである。
図5に示すように、ステップS40において、加湿を停止することで、衣類の湿度が低下する。そして、ステップS45において、制御装置30は、湿度センサ31(図1参照)によって検出される湿度が予め設定された閾値以下であるかを判定し、湿度が閾値以下でないと判定した場合には(No)、ステップS45の処理を繰り返し、湿度が閾値以下であると判定した場合には(Yes)、ステップS50に進む。なお、このときの閾値は、例えば、50%に設定される。そして、ステップS50において、制御装置30は、ドラム3内を昇温する。例えば、ヒータ28の出力を増加させることで、ドラム3内の温度がステップS10の昇温時の温度T1よりも高い温度T2に設定される。
【0046】
このように構成された洗濯乾燥機100は、ドラム3内の湿度を検知する湿度センサ31を備え、制御装置30は湿度が閾値以下となった際に、第二工程(次の加熱工程)に移行する。これによれば、実測した湿度に基づくことで、除菌に効率的な温度制御が可能になる。
【0047】
図6は、他の加湿手段を示す構成図である。なお、図1と同様の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図6に示すように、洗濯乾燥機100の加湿手段は、ドラム3を囲い、水を溜める外槽2と、水を加熱する加湿用ヒータ40とを備えて構成されている。この加湿用ヒータ40は、制御装置30によってオン・オフ制御される。外槽2の底部に給水され、加湿用ヒータ40がオンされる。なお、このときの水位は、ドラム3に水が触れない程度の低い水位である。そして、水が加湿用ヒータ40によって加熱されることで、蒸気が発生し、衣類35を加湿することができる。このように加湿用ヒータ40による加熱で蒸発した水分によって、ドラム3内を加湿する。なお、このとき、送風ファン26を駆動して、ドラム3内に風を送ることで、ドラム3内の衣類に満遍なく蒸気を与えることができる。
【0048】
なお、さらに他の加湿手段としては、超音波装置を用いてミストを噴霧してもよい。また、さらに他の加湿手段としては、図示しない水冷除湿手段において供給される冷却水を、送風ファン26を駆動して発生させた風によってミスト水にする構成であってもよい。
【0049】
図7Aは、銀イオン放出ユニットの構成図、図7Bは、銀イオン放出ユニットに給水された状態を示す図である。
図7Aに示すように、銀イオン発生部43aは、箱型のケース43a2内に銀イオン担持物43a1が充填されて構成されている。供給部43bは、ケース43a2の最下端に接続されている。放出部43cは、ケース43a2の最上端に接続されている。また、ケース43a2は、放出部43cが供給部43bよりも上下方向(鉛直方向)の高さ位置が高くなるように配置されている。また、ケース43a2は、供給部43bから放出部43cに向けて高さ位置が高くなるように傾斜して配置されている。
【0050】
図7Bに示すように、銀イオン放出ユニット43において銀イオンを発生させるには、給水弁41(図2参照)を開弁する。これにより、給水路42(図2参照)を通って、供給部43bからケース43a2内に給水される。このとき、供給部43bは、ケース43a2の最下端に位置しているので、ケース43a2内の下部から水Wが溜まる。このため、水は銀イオン担持物43a1に触れながらケース43a2内を通過するので、確実に銀イオンを発生させることができる。
【0051】
前記構成において、放出部43cは、ケース43a2の最上端にあることで、ケース43a2内を水で満たすことができるが、必ずしも放出部43cが、ケース43a2の最上端に位置する必要はなく、放出部43cが供給部43bよりも上下方向(鉛直方向)の高さ位置が高くなるように配置されていればよい。
【0052】
図8は、銀イオン放出ユニットと加湿手段の分岐手段を示す構成図である。
図8の上段図は、三方弁51が銀イオン放出ユニット43に切り替えられた状態、図8の中段図は、三方弁51が加湿手段に切り替えられた状態、図8の下段図は、三方弁51が銀イオン放出ユニット43内の残水を加湿手段に排水するように切り替えられた状態を示している。
【0053】
図8の上段図に示すように、給水路42からは、銀イオン放出ユニット43が分岐して設けられている。この銀イオン放出ユニット43の供給部43bが給水路42に分岐して接続され、この分岐部に三方弁51(分岐手段)が設けられている。この三方弁51は、該三方弁51より上流の給水路42A(42)と銀イオン放出ユニット43とを連通させる第1の位置と、銀イオン放出ユニットを遮断する第2の位置と、銀イオン放出ユニット43と三方弁51より下流の給水路42B(42)とを連通させる第3の位置と、に切替可能に構成されている。また、放出部43cは、銀イオン放出ユニット43を通過した水がドラム3(図1参照)内に送られるようになっている。
【0054】
これにより、銀イオン発生部43aに水が通ることで、銀イオンが溶解して、銀イオンを含む水が生成される。銀イオンを含む水は、放出部43cを通って、ドラム3内に供給される。この銀イオンを含む水によってドラム3内の衣類35が除菌される。
【0055】
図8の中段図は、ドラム3内を加湿する場合であり、銀イオン放出ユニット43が遮断され、給水弁41から供給された水が、銀イオン放出ユニット43を通らずに、送風ダクト25b(図1参照)に供給される。これにより、銀イオンを含まない水がドラム3内に供給される。
【0056】
図8の下段図は、銀イオン発生部43a内の残水を排出する場合であり、供給部43bと、三方弁51の下流の給水路42とが接続された状態である。ところで、銀イオン放出ユニット43を使用した場合には、銀イオン発生部43a内に水が残り、銀イオン担持物43a1(図2参照)が残水に浸かった状態が続く。このため、銀イオンの溶解が進み、銀イオン担持物43a1が消耗し、銀イオン放出ユニット43の寿命が低下する。このため、図8の下段図に示すように、三方弁51を切り替えることによって、銀イオン発生部43a(ケース43a2)内の残水が、供給部43b、三方弁51、三方弁51の下流の給水路42Bを通って、送風ダクト25b内に向けて排出される。
【0057】
図9は、銀イオン放出ユニットと加湿手段の別の分岐手段を示す構成図である。
図9の上段図に示すように、銀イオン放出ユニットと加湿手段の分岐手段は、ON/OFF弁52(第1切替制御弁)とON/OFF弁53(第2切替制御弁)を備えて構成されている。ON/OFF弁52,53は、例えば全開と全閉のいずれかの状態に切り替えることができる電磁弁であり、制御装置30によって開閉制御される。
【0058】
ON/OFF弁52は、銀イオン放出ユニット43の上流、かつ、供給部43bと給水路42Bとの分岐部P1よりも上流に設けられている。ON/OFF弁53は、分岐部P1よりも下流の給水路42Bに設けられている。
【0059】
図9の上段図は、ON/OFF弁52がON(開)状態、かつ、ON/OFF弁53がOFF(閉)状態である。この場合、給水路42(図2参照)から供給された水は、銀イオン放出ユニット43に供給され、ドラム3内に銀イオンを含んだ水が放出される。なお、給水路42からの水は、ON/OFF弁53によって流れが遮断される。
【0060】
図9の中段図は、ON/OFF弁52がON(開)状態、かつ、ON/OFF弁53がON(開)状態である。この場合、給水弁41から供給された水は、給水路42B(加湿手段)に流れ、送風ダクト25b(図1参照)に流れ込む。なお、銀イオン放出ユニット43は、加湿手段(給水路42)よりも鉛直方向の上方に位置しているので、銀イオン放出ユニット43に水が流れ込むことはない。
【0061】
図9の下段図は、ON/OFF弁52がOFF(閉)状態、かつ、ON/OFF弁53がON(開)状態である。この場合、銀イオン放出ユニット43が加湿手段(給水路42)よりも鉛直方向の上方に位置しているので、銀イオン発生部43a内の残水が、供給部43bを逆流して、給水路42B(加湿手段)に流れ込む。
【0062】
図10は、加湿手段からのドラム内への放出経路と銀イオン放出ユニットからのドラム内への放出経路とが別の経路である構成図である。なお、図10に示す構成は、図8に示す構成と実質的に同じである。
図10に示すように、洗濯乾燥機100は、銀イオン放出ユニット43の放出部43cからドラム3内への放出経路43c1(内槽内への放出経路)と、給水路42(加湿手段)からのドラム3内への送風ダクト25b(内槽内への放出経路)とは、別の経路である。
【0063】
図11は、加湿手段からのドラム内への放出経路と銀イオン放出ユニットからのドラム内への放出経路とが同じ経路である構成図である。
図11に示すように、洗濯乾燥機100は、銀イオン放出ユニット43の放出部43cと、給水路42(加湿手段)とが合流する合流部55を備えている。この合流部55は、銀イオン放出ユニット43の下流と送風ダクト25bとの間に位置している。
【0064】
以上説明した洗濯乾燥機100は、衣類を収容するドラム3(内槽)と、ドラム3内に空気を送風する送風ファン26(送風手段)と、ドラム3内に送風する空気を加熱するヒータ28(加熱手段)と、ドラム3内を加湿する給水路42および給水弁41(加湿手段)と、ドラム3内に銀イオンを放出する銀イオン放出ユニット43(金属イオン放出手段)と、を備え、ドラム3内を加湿するか否かに関わらず、銀イオン(金属イオン)の放出有無を制御する。これによれば、銀イオン放出ユニット43に影響を与えずにドラム内を加湿できるので、銀イオン放出ユニット43の寿命を延ばすことができる。また、加湿時に銀イオン放出ユニット43に給水することで、銀イオンによって衣類35を除菌することができる。
【0065】
また、洗濯乾燥機100では、給水弁41および給水路42(加湿手段)と、銀イオン放出ユニット43とは別経路である。これによれば、銀イオン放出ユニット43で銀イオンを放出していないときでもドラム内を加湿できるようになる。
【0066】
また、洗濯乾燥機100では、ドラム3内に銀イオンを放出する時間t1は、加湿手段(給水弁41および給水路42)でドラム3内を加湿する時間t2よりも短い。これによれば、銀イオン放出ユニット43(銀イオン担持物43a1)の消耗を抑えることができる。また、銀イオンの供給を抑えることで、衣類35の変色を防止できる。
【0067】
また、洗濯乾燥機100は、加湿手段は、水を液滴化するノズル29を含み、送風ファン26の経路内に水を供給し、ノズル29からドラム3内に滴下する。これによれば、衣類35に直接液滴を垂らすので、衣類を湿らし易くなる。
【0068】
また、洗濯乾燥機100は、銀イオン発生部43aは、銀イオンを担持した銀イオン担持物43a1を有し、供給部43bから供給された水によって銀イオン担持物43a1を溶解することで銀イオンを発生させる。これによれば、銀イオンを容易に発生させることができる。
【0069】
また、洗濯乾燥機100は、銀イオン発生部43aは、銀電極(金属電極)を有し、供給部43bから供給された水を銀電極において電気分解することで銀イオンを発生させる。これによれば、銀イオンを容易に発生させることができる。
【0070】
また、洗濯乾燥機100は、放出部43cは上流の供給部43bよりも上方に位置し、給水時は銀イオン発生部43a内に水が溜まり、給水を停止すると銀イオン発生部43a内に水が残らない構造である。これによれば、銀イオン発生部43aの消耗を抑えることができる。
【0071】
また、洗濯乾燥機100は、加湿手段(給水弁41、給水路42、ノズル29)と、銀イオン放出ユニット43との、どちらに水を流すかを制御する三方弁51(分岐手段)を備え、三方弁51は、銀イオン放出ユニット43の上流に設ける。これによれば、加湿手段と銀イオン放出ユニット43の切替を容易に行うことができ、銀イオン放出ユニット43の残水を排出することも可能になる。
【0072】
また、洗濯乾燥機100は、分岐手段は、銀イオン放出ユニット43と加湿手段との上流に設けられるON/OFF弁52(第1切替制御弁)と、加湿手段とドラム3内への放出部との間に設けられるON/OFF弁53(第2切替制御弁)と、を有する。これによれば、加湿手段と銀イオン放出ユニット43の切替を容易に行うことができ、銀イオン放出ユニット43の残水を排出することも可能になる。
【0073】
また、洗濯乾燥機100は、銀イオン放出ユニット43は、加湿手段より上方に位置し、ON/OFF弁52が開かつON/OFF弁53が閉の場合、銀イオンを放出し、ON/OFF弁52が開かつON/OFF弁53が開の場合、加湿手段に水を流し、ON/OFF弁52が閉かつON/OFF弁53が開の場合、銀イオンを含む残水を加湿手段に排出する。これにより、銀イオン放出ユニット43の消耗を抑えることができる。
【0074】
また、洗濯乾燥機100は、加湿手段からのドラム3内への送風ダクト25(放出経路)と、銀イオン放出ユニット43からドラム3内への放出経路43c1とはそれぞれ別の経路である。これによれば、放出経路の配置の自由度が増す。
【0075】
また、洗濯乾燥機100は、銀イオン放出ユニット43を通過後の水が、加湿手段の経路に合流する合流部55を備え、合流部55は、銀イオン放出ユニット43の下流とドラム3内への放出部との間に位置する。これによれば、銀イオン放出ユニット43の配置が容易になる。
【符号の説明】
【0076】
1 筐体
2 外槽
2a 外槽カバー
3 ドラム(内槽)
25a 送風ダクト
25b 送風ダクト(内槽内への放出経路)
26 送風ファン(送風手段)
28 ヒータ(加熱手段)
29 ノズル(加湿手段)
30 制御装置(制御部)
31 湿度センサ
41 給水弁(加湿手段)
42,42A,42B 給水路(加湿手段)
43 銀イオン放出ユニット(金属イオン放出手段)
43a 銀イオン発生部(金属イオン発生部)
43a1 銀イオン担持物(金属イオン担持物)
43a2 ケース
43b 供給部
43c 放出部(放出手段)
43c1 放出経路(内槽内への放出経路)
51 三方弁(分岐手段)
52 ON/OFF弁(第1切替制御弁、分岐手段)
53 ON/OFF弁(第2切替制御弁、分岐手段)
55 合流部
100 洗濯乾燥機
O 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11