(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127206
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示方法、表示プログラムおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
B25J 13/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036196
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 馨
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707AS06
3C707AS12
3C707AS13
3C707BS12
3C707BS15
3C707BS26
3C707CT05
3C707CV08
3C707CW08
3C707CX01
3C707DS01
3C707ES03
3C707FS01
3C707HS27
3C707JS03
3C707JU02
3C707KS28
3C707KS34
3C707KS35
3C707KS38
3C707KV01
3C707KX06
3C707MT13
(57)【要約】
【課題】作業時間の短縮、消費電力の削減に寄与する表示方法、表示プログラムおよび表示装置を提供すること。
【解決手段】ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を有することを特徴とする表示方法。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を有することを特徴とする表示方法。
【請求項2】
前記表示画像は、前記第1状態を示す第1パターンと、前記第2状態を示す第2パターンと、前記第3状態を示す第3パターンとが、前記動作プログラムにおける時間軸の方向に沿って配置されたものであり、
前記第1パターン、前記第2パターンおよび前記第3パターンは、前記時間軸方向の長さが、時間の長さを示している請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記第1パターン、前記第2パターンおよび前記第3パターンの少なくとも1つは、他の2つと表示形態が異なる請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記表示画像は、前記動作プログラムにおける前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの対応箇所を示す情報を含む請求項2に記載の表示方法。
【請求項5】
前記第1状態の対応箇所は、前記第1パターンに対応して表示され、
前記第2状態の対応箇所は、前記第2パターンに対応して表示され、
前記第3状態の対応箇所は、前記第3パターンに対応して表示される請求項4に記載の表示方法。
【請求項6】
前記表示画像は、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれにおいて、前記駆動部が消費する消費電力の情報を含む請求項2に記載の表示方法。
【請求項7】
前記第1状態における前記消費電力は、前記第1パターンの前記時間軸と直交する方向の長さで示され、
前記第2状態における前記消費電力は、前記第2パターンの前記時間軸と直交する方向の長さで示され、
前記第3状態における前記消費電力は、前記第3パターンの前記時間軸と直交する方向の長さで示される請求項6に記載の表示方法。
【請求項8】
前記第3状態は、第1単位動作と、前記第1単位動作とは異なる第2単位動作とを含み、
前記第3パターンは、前記第1単位動作の時間の長さおよび前記消費電力と、前記第2単位動作との時間の長さおよび前記消費電力と、をそれぞれ示している請求項7に記載の表示方法。
【請求項9】
前記表示画像には、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態のうち、選択された状態に対応する時間、および前記動作プログラムにおける対応箇所のうちの少なくとも1つを含む詳細パターンが表示される請求項8に記載の表示方法。
【請求項10】
ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を実行するための表示プログラム。
【請求項11】
ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記動作プログラムに基づいて生成され、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第2状態の時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を有することを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法、表示プログラムおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場では人件費の高騰や人材不足により、ロボットアームを有するロボットによって製造、加工、組み立て、搬送等の作業が行われるようになり、人手で行われてきた作業の自動化がなされている。このようなロボットでは、予め設定された動作プログラムを実行することにより、ロボット各部が作動し、ロボットアームが所望の動作を行い、上記作業が行われる。特許文献1に記載されている教示装置では、これから実行する動作プログラムを実行した場合のロボットの消費電力量、すなわち、ロボットを駆動するサーボモーターの消費電力量を表示する。消費電力量を把握することにより、例えば、消費電力量を節減するように動作プログラムを修正することができる。ロボットのロボットアームは、複数のアームがサーボモーターを有する関節を介して回転可能に連結されたものである。ロボットアームは、例えば、姿勢維持を目的とする場合等、ロボットアームが動作していない状態、すなわち停止している状態であっても、アームを回転駆動するサーボモーターへの通電がなされていることがある。この状態では、ロボットアームが停止しているにもかかわらずサーボモーターが電力を消費しているため、この状態の継続時間をより短くすることにより、トータルの消費電力量を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている教示装置では、ロボットアームが停止している状態の時間を把握することはできるものの、サーボモーターが電力を消費している状態とサーボモーターが電力を消費していない状態とを区別することができない。すなわち、ロボットアームが停止しておりかつサーボモーターが電力を消費している状態を把握することができない。このため、作業時間の短縮や、消費電力の削減を十分に行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示方法は、ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を有する。
【0006】
本発明の表示プログラムは、ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を実行するためのものである。
【0007】
本発明の表示装置は、ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされていない第1状態、前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態、および前記駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記動作プログラムに基づいて生成され、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像を表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の表示方法は、ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有する駆動部への通電がなされておりかつ前記ロボットアームが静止している第2状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記動作プログラムに基づいて、前記第2状態の時間の長さの情報を示す表示画像を生成し、表示する第2ステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第1実施形態を備えるロボットシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すロボットシステムのブロック図である。
【
図3】
図3は、表示装置の表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、動作プログラムを記憶したデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の表示方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第2実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第3実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第4実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第1実施形態を備えるロボットシステムの全体構成を示す図である。
図2は、
図1に示すロボットシステムのブロック図である。
図3は、表示装置の表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
図4は、動作プログラムを記憶したデータの一例を示す図である。
図5は、本発明の表示方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【0012】
なお、以下では、説明の便宜上、ロボットアームについては、
図1中の基台11側を「基端」、その反対側、すなわちエンドエフェクター20側を「先端」とも言う。また、以下では、説明の便宜上、
図1中、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸であり、+Z軸方向、すなわち
図1中上側を「上」、-Z軸方向、すなわち
図1中下側を「下」とも言う。また、
図1中のZ軸方向、すなわち上下方向を「鉛直方向」とし、X軸方向およびY軸方向、あるいはXY平面の面上の任意の方向を「水平方向」とする。
【0013】
また、
図3において、図中上側を「上」または「上側」、図中下側を「下」、「下側」または「下方」、図中右側を「右」、図中左側を「左」とも言う。
図6および
図7についても同様とする。
【0014】
図1に示すように、ロボットシステム100は、ロボット1と、ロボット1を制御する制御装置3と、本発明の表示装置4と、を備える。
【0015】
まず、ロボット1について説明する。
図1に示すロボット1は、本実施形態では単腕の6軸垂直多関節ロボットであり、基台11と、ロボットアーム10と、を有する。また、ロボットアーム10の先端部にエンドエフェクター20を装着することができる。なお、エンドエフェクター20は、ロボット1の構成要件であってもよく、ロボット1とは別部材、すなわち、ロボット1の構成要件でなくてもよい。
【0016】
ロボット1は、後述する動作プログラムに従ってロボットアーム10を動作させ、例えば、物品の製造、加工、組み立て、搬送等の作業(以下単に「作業」と言うことがある。)を行う。
【0017】
なお、ロボット1は、図示の構成に限定されず、ロボットアームを駆動する少なくとも1つのサーボモーターを有するロボットであればよい。例えば、双腕型の多関節ロボットであってもよい。また、ロボット1は、水平多関節ロボットであってもよい。
【0018】
基台11は、ロボットアーム10をその基端側において、駆動可能に支持する支持体であり、例えば工場内の床に固定されている。ロボット1は、基台11が中継ケーブルを介して制御装置3と電気的に接続されている。なお、ロボット1と制御装置3との接続は、
図1に示す構成のように有線による接続に限定されず、例えば、無線による接続であってもよい。また、インターネット等のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0019】
本実施形態では、ロボットアーム10は、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14と、第4アーム15と、第5アーム16と、第6アーム17とを有し、これらのアームが基台11側からこの順に連結されている。
【0020】
基台11と第1アーム12とは、関節171を介して連結されている。そして、第1アーム12は、基台11に対し、Z軸方向に延びる第1回動軸を回動中心とし、その第1回動軸回りに回動可能となっている。このように、第1回動軸は、基台11が固定される床の床面の法線と一致しており、ロボットアーム10の全体が第1回動軸の軸回りに正方向・逆方向のいずれへも回転することができる。
【0021】
第1アーム12と第2アーム13とは、関節172を介して連結されている。そして、第2アーム13は、第1アーム12に対し、水平方向に延びる第2回動軸を回動中心として回動可能となっている。
【0022】
第2アーム13と第3アーム14とは、関節173を介して連結されている。そして、第3アーム14は、第2アーム13に対し水平方向に延びる第3回動軸を回動中心として回動可能となっている。第3回動軸は、第2回動軸と平行である。
【0023】
第3アーム14と第4アーム15とは、関節174を介して連結されている。そして、第4アーム15は、第3アーム14に対し、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸を回動中心として回動可能となっている。第4回動軸は、第3回動軸と直交している。
【0024】
第4アーム15と第5アーム16とは、関節175を介して連結されている。そして、第5アーム16は、第4アーム15に対して第5回動軸を回動中心として回動可能となっている。第5回動軸は、第4回動軸と直交している。
【0025】
第5アーム16と第6アーム17とは、関節176を介して連結されている。そして、第6アーム17は、第5アーム16に対して第6回動軸を回動中心として回動可能となっている。第6回動軸は、第5回動軸と直交している。
【0026】
また、第6アーム17は、ロボットアーム10の中で最も先端側に位置するロボット先端部となっている。この第6アーム17は、ロボットアーム10の駆動により、エンドエフェクター20ごと変位することができる。
【0027】
図1に示すエンドエフェクター20は、ワークまたは工具を把持することができる把持部を有する構成である。第6アーム17にエンドエフェクター20を装着した状態では、エンドエフェクター20の先端部は、ツールセンターポイントTCPとなる。
【0028】
ロボット1は、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6と、エンコーダーE1、エンコーダーE2、エンコーダーE3、エンコーダーE4、エンコーダーE5およびエンコーダーE6とを備える。サーボモーターM1は、関節171に内蔵され、基台11に対し第1アーム12を前記第1回動軸回りに回転させる。サーボモーターM2は、関節172に内蔵され、第1アーム12と第2アーム13とを前記第2回動軸回りに相対的に回転させる。サーボモーターM3は、関節173に内蔵され、第2アーム13と第3アーム14とを前記第3回動軸回りに相対的に回転させる。サーボモーターM4は、関節174に内蔵され、第3アーム14と第4アーム15とを前記第4回動軸回りに相対的に回転させる。サーボモーターM5は、関節175に内蔵され、第4アーム15と第5アーム16とを前記第5回動軸回りに相対的に回転させる。サーボモーターM6は、関節176に内蔵され、第5アーム16と第6アーム17とを前記第6回動軸回りに相対的に回転させる。
【0029】
以下では、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6を総称して、「駆動部50」とも言う。すなわち、駆動部50は、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6を有している。
【0030】
また、エンコーダーE1は、関節171に内蔵され、サーボモーターM1の位置を検出する。エンコーダーE2は、関節172に内蔵され、サーボモーターM2の位置を検出する。エンコーダーE3は、関節173に内蔵され、サーボモーターM3の位置を検出する。エンコーダーE4は、関節174に内蔵され、サーボモーターM4の位置を検出する。エンコーダーE5は、第5アーム16に内蔵され、サーボモーターM5の位置を検出する。エンコーダーE6は、第6アーム17に内蔵され、サーボモーターM6の位置を検出する。なお、ここで言う「位置を検出」とは、サーボモーターの回転角すなわち正逆を含む回転量および角速度を検出することを言い、当該検出された情報を「位置情報」と言う。
【0031】
図2に示すように、モータードライバーD1、D2、D3、D4、D5、D6は、それぞれ、対応するサーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6に接続され、これら各モーターの駆動を制御する。モータードライバーD1、D2、D3、D4、D5、D6は、それぞれ、関節171、関節172、関節173、関節174、第5アーム16および第6アーム17に内蔵されている。
【0032】
エンコーダーE1、E2、E3、E4、E5、E6、サーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6、モータードライバーD1、D2、D3、D4、D5、D6は、それぞれ、制御装置3と電気的に接続されている。エンコーダーE1、E2、E3、E4、E5、E6で検出されたサーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6の位置情報、すなわち、回転量は、制御装置3に電気信号として送信される。そして、この位置情報に基づいて、制御装置3は、
図2に示すサーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6に制御信号を出力し、サーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6を駆動させる。すなわち、ロボットアーム10を制御するということは、サーボモーターM1、M2、M3、M4、M5、M6の駆動を制御して、ロボットアーム10に属する第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16、第6アーム17の作動を制御することである。
【0033】
また、ロボット1では、基台11またはロボットアーム10に、力を検出する力検出部19が着脱自在に設置される。力検出部19は、少なくとも1つの力検出器を有する。ロボットアーム10は、力検出部19が設置された状態で駆動することができる。
【0034】
力検出部19を構成する力検出器は、力およびその方向を検出し得るセンサーであり、本実施形態では、6軸力覚センサーである。力検出部19の力検出器は、互いに直交する3個の検出軸上の力の大きさと、当該3個の検出軸回りのトルクの大きさとを検出する。すなわち、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の各軸方向の力成分と、X軸回りとなるW方向の力成分と、Y軸回りとなるV方向の力成分と、Z軸回りとなるU方向の力成分とを検出する。これらのX軸、Y軸、Z軸は、ロボット座標系における軸である。
【0035】
なお、力検出部19の力検出器は、6軸力覚センサーに限定されず、他の構成のものであってもよい。また、力検出部19の力検出器は、基台11またはロボットアーム10の内部に予め設置されていてもよい。
【0036】
力検出部19の力検出器は、エンドエフェクター20に着脱可能に装着することができる。本実施形態では、エンドエフェクター20は、互いに接近離間可能な一対の爪部を有し、各爪部によりワークまたは工具を把持、解除するハンドで構成される。このエンドエフェクター20に装着された力検出器は、両爪部でワークを把持した際の把持力の反力の大きさや向きを検出することができる。
【0037】
なお、エンドエフェクター20としては、図示の構成に限定されず、例えば吸着部を有し、該吸着部の吸着によりワークまたは工具を把持する構成のものであってもよい。また、エンドエフェクター20としては、例えば、研磨機、研削機、切削機、スプレーガン、レーザー光照射器、ドライバー、レンチ等の工具であってもよい。
【0038】
次に、制御装置3および表示装置4について説明する。
図1に示すように、制御装置3は、本実施形態では、ロボット1と離れた位置に設置されている。ただし、この構成に限定されず、制御装置3は、ロボット1の内部、例えば基台11の内部に設置されていてもよい。また、制御装置3は、ロボット1の各部と電気的に接続されており、ロボット1の各部の駆動を制御する機能を有する。
【0039】
図2に示すように、制御装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、を有する。これらの各部は、例えばバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0040】
制御部31は、1以上のプロセッサーを備える。制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部32に記憶されている動作プログラム等の各種プログラムを読み出し、実行する。制御部31で生成された信号は、通信部33を介してロボット1の各部に送信され、ロボット1の各部からの信号は、通信部33を介して制御部31で受信される。これにより、ロボットアーム10が所定の作業を所定の条件で実行することができる。
【0041】
記憶部32は、制御部31で実行される各種プログラム等を保存する。記憶部32としては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置等を有する構成のものが挙げられる。
【0042】
通信部33は、インターフェース回路を備え、例えば有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の外部インターフェースを用いて制御装置3との間で信号の送受信を行う。通信部33は、有線での通信を行うケーブルを接続するための端子や、無線での通信を行うためのアンテナを備えていてもよい。この場合、図示しないサーバーを介して通信を行ってもよく、また、インターネット等のネットワークを介して通信を行ってもよい。
【0043】
図1および
図2に示すように、表示装置4は、本発明の表示方法を実行する装置であり、ディスプレイである表示部40と、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力操作部44と、取得部45とを有するノート型パソコンで構成される。なお、表示装置4としては、デスクトップ型のパソコンであってもよく、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等であってもよい。また、表示装置4は、ロボットアーム10に対して動作プログラムの教示を行う教示装置としての機能を兼ねていてもよい。
【0044】
表示部40は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により構成され、各種表示画像をカラーまたはモノクロで表示することができる。表示部40には、後述する表示画像Ds等が表示される。入力操作部44は、例えば、キーボードおよび図示しないマウス等で構成され、作業者がこれらを操作することによって、各種情報の入力操作が行われる。作業者の入力操作の結果は、表示部40に表示され、視認することができる。
【0045】
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の少なくとも1つのプロセッサーで構成され、記憶部42に記憶されている各種プログラムを読み出し、実行する。また、制御部41は、表示部40の作動を制御する機能を有する。
【0046】
記憶部42は、制御部41が実行可能な各種のコンピュータープログラム等を保存する。その中には、表示部40の駆動を制御する本発明の表示プログラムが含まれる。すなわち、記憶部42は、表示プログラムを記憶する記憶媒体である。この表示プログラムを起動することにより、表示部40に所望の画像が表示される。なお、表示プログラムには、文字、数字、形状パターン等を特定するための各種データ、その他サブプログラム、補助プログラム等も含まれる。
【0047】
本実施形態では、表示プログラムは、記憶部42に記憶されているが、本発明ではこれに限定されず、記憶部32に記憶されていてもよく、外部の記憶装置や記憶媒体に記憶されていてもよい。また、表示プログラムは、記憶部42、記憶部32、外部の記憶装置等、複数の箇所に分散して記憶されていてもよい。
【0048】
記憶部42としては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー、着脱式の外部記憶装置等を有する構成のものが挙げられる。
【0049】
通信部43は、インターフェース回路を備え、例えば有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の外部インターフェースを用いて制御装置3との間で信号の送受信を行う。この場合、図示しないサーバーを介して通信を行ってもよく、また、インターネット等のネットワークを介して通信を行ってもよい。通信部43は、記憶部42に記憶された動作プログラムに関する情報等を制御装置3に送信する。また、通信部43は、記憶部32に記憶された情報を受信し、記憶部42に当該情報を記憶することもできる。
【0050】
取得部45は、作業者が入力した動作プログラムを取得し、取り込む端子または端子群である。取得した動作プログラムは、記憶部42に記憶される。以下、取得した動作プログラムを「動作プログラムP」と言う。
【0051】
動作プログラムPは、ロボットアーム10に所望の動作を行わせるための動作プログラムである。ここで、所望の動作とは、例えばロボットアーム10の先端に装着されたエンドエフェクター20によりワークを把持し、搬送開始位置から搬送完了位置まで搬送する作業を行うための一連の動作である。
【0052】
動作プログラムPは、以下に述べる第1状態、第2状態および第3状態を含むものであり、これらの状態を含む一連の動作を実行するためのプログラムである。
【0053】
第1状態は、駆動部50への通電がなされておらず、かつ、ロボットアーム10が静止している状態である。すなわち、第1状態は、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6のうち、全てのサーボモーターへの通電がなされておらず、かつ、ロボットアーム10が静止している状態である。
【0054】
なお、本明細書における「静止している」とは、駆動部50の駆動力に起因してロボットアーム10の全部のアームが動作していない状態のことを言う。
【0055】
第2状態は、駆動部50への通電がなされており、かつロボットアーム10が静止している状態である。すなわち、第2状態は、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6のうちの少なくとも1つのサーボモーターに通電がなされており、かつロボットアーム10が静止している状態である。この場合、サーボモーターへの通電は、第3状態に比べて微弱であるため、当該サーボモーターによるアームの回転駆動には至らず、ロボットアーム10は静止状態を維持するにとどまる。
【0056】
第3状態は、駆動部50への通電がなされており、かつロボットアーム10が動作している状態である。すなわち、第3状態は、サーボモーターM1、サーボモーターM2、サーボモーターM3、サーボモーターM4、サーボモーターM5およびサーボモーターM6のうちの少なくとも1つのサーボモーターに通電がなされており、かつロボットアーム10が動作している状態である。ロボットアーム10は、通電がなされたサーボモーターの駆動により動作する。
【0057】
なお、本明細書における「動作している」とは、駆動部50の駆動力に起因してロボットアーム10の一部または全部のアームが動作している状態のことを言う。
【0058】
このような第1状態、第2状態および第3状態を含む動作プログラムPを実行すると、第1状態、第2状態および第3状態が所望の順序で、所望の時間実行される。
【0059】
なお、本明細書では、第1状態、第2状態および第3状態の各状態を、単に「状態」と言うことがある。
【0060】
以上のような動作プログラムPを取得すると、制御部41は、動作プログラムPに基づいて、表示画像Dsのデータを生成し、表示部40に表示するよう表示部40の作動を制御する。
【0061】
次に、表示画像Dsについて説明する。
図3に示すように、表示部40に表示される表示画像Dsは、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す画像である。表示画像Dsは、第1状態を示す第1パターンP1と、第2状態を示す第2パターンP2と、第3状態を示す第3パターンP3とを含んでいる。第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、動作プログラムPにおける時間軸Tの方向に沿って配置されたものである。すなわち、
図3中のグラフの横軸が時間軸Tであり、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、動作プログラムPを実行した際の時系列の順に、
図3中左側から右側に向かって並んで配置されたものである。
【0062】
図3に示す構成では、第1パターンP1、第2パターンP2、第3パターンP3、第2パターンP2および第1パターンP1の順で左側から右側に向かって並んで配置されている。すなわち、動作プログラムPを実行すると、第1状態、第2状態、第3状態、第2状態および第1状態の順で進行する。
【0063】
表示画像Dsにおいて、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、それぞれ、横長の長方形である。第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、その下端が時間軸Tに一致して表示され、その上端の位置、すなわち
図3中上下方向(縦方向)の位置も揃っている。
【0064】
第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、それぞれ、時間軸Tに沿った方向の長さ、すなわち、
図3中左右方向の長さが、対応する状態の時間の長さを示している。
【0065】
このような表示画像Dsを表示することにより、以下のような利点がある。
第2状態は、前述したように、駆動部50への通電がなされており、かつロボットアーム10が静止している状態であるが、この第2状態は、本来不必要であるかまたは第2状態の継続時間が長すぎる可能性がある。本発明では、このような第2状態の存在と、第2状態の時間的な長さとを表示することにより、作業者は、動作プログラムPを見直して、当該第2状態が必要か否かを再確認することができる。よって、不必要な第2状態を動作プログラムPから削除したり、第2状態の継続時間を短縮したりする修正を行うことにより、動作プログラムPを実行するのに必要なトータルの時間を削減することができるとともに、動作プログラムPを実行するのに必要な消費電力を削減することができる。
【0066】
これに対し、従来では、第2状態に相当する状態の時間の長さを示す情報が表示されていなかった。このため、第2状態の存在を認識すること、さらには第2状態の時間的な長さを認識することができず、上述したような動作プログラムの修正を行うこともできない。
【0067】
以上より、本発明によれば、動作プログラムPのうち、第1状態および第3状態についてはもちろんのこと、第2状態についても、その存在および時間の長さを把握することができ、必要に応じて動作プログラムPを修正することができる。よって、修正された動作プログラムPを実行することで、作業時間の短縮、あるいは消費電力の削減を図ることができる。
【0068】
このように、表示装置4は、ロボットアーム10を駆動する少なくとも1つのサーボモーター、本実施形態では、6つのサーボモーターを有する駆動部50への通電がなされていない第1状態、駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が静止している第2状態、および駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムPを取得する取得部45と、取得部45が取得した動作プログラムPに基づいて、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像Dsを生成し、表示する表示部40と、を備える。これにより、作業者等は、動作プログラムのうち、第1状態および第3状態についてはもちろんのこと、第2状態についても、その存在および時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正すること、特に動作プログラムの第2状態に関する箇所を修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0069】
また、表示画像Dsは、第1状態を示す第1パターンP1と、第2状態を示す第2パターンP2と、第3状態を示す第3パターンP3とが、動作プログラムPにおける時間軸Tの方向に沿って配置されたものであり、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、時間軸T方向の長さが、時間の長さを示している。これにより、表示画像Dsを見た作業者等が、第1パターンP1および第3パターンP3に対する第2パターンP2の相対的な長さを容易かつ正確に、迅速に把握することができる。よって、第2状態を削減すべきか否かの判断や、第2状態の短縮時間の検討、決定等を正確かつ迅速に行うことができる。
【0070】
第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、表示形態が異なっている。図示の構成では、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、それぞれ、色彩が異なっている。これにより、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を区別して正確に認識することができる。
【0071】
なお、表示形態が異なることの一例として、色彩が異なっている場合について説明したが、本発明ではこれに限定されず、色彩を含め、明度、形状、模様のうちの少なくとも1つが異なっていればよく、この場合も上記と同様の効果を発揮することができる。
【0072】
また、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3のうち、隣り合うパターンの表示形態が異なっていれば、同じ表示形態のパターンが2つ存在していてもよい。
【0073】
また、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、隣り合うパターン同士が接する状態で表示されている。ただし、この構成に限定されず、隣り合うパターンの間には隙間が存在していてもよい。この場合、第2パターンP2と隣接するパターンとの間に隙間が存在していることが好ましい。
【0074】
このように、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3の少なくとも1つは、他の2つと表示形態が異なる。これにより、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を区別して正確に認識することができる。よって、第1パターンP1および第3パターンP3に対する第2パターンP2の相対的な長さを区別して正確に認識することができる。
【0075】
図3に示すように、表示画像Dsにおける時間軸Tには、目盛りMが表示されている。また、目盛りMと併せて目幅を示す数字が表示されている。図示の構成では、10秒間隔で、左側から「10」、「20」、「30」および「40」の数字が表示されている。このように、時間を示す目盛りMおよび数字が付されていることにより、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3のそれぞれの絶対的な長さ、開始時間、終了時間等を把握する目安となる。
【0076】
なお、上記構成に限定されず、例えば、1秒間隔で目盛りMおよび目幅の数字が付されていてもよく、5秒間隔で目盛りMおよび目幅の数字が付されていてもよい。また、目盛りMおよび目幅の数字は、作業開始から終了までのトータルの時間に対する割合を例えば%の単位で表示してもよい。また、目盛りMおよび目幅の数字のうちの少なくとも1つが省略されていてもよい。
【0077】
図3に示すように、表示画像Dsにおける時間軸Tの下側には、動作プログラムPにおける第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの対応箇所を示す情報P4が表示されている。図示の構成では、情報P4として、動作プログラムPのソースコードにおけるプログラム行数(以下単に「プログラム行数」または「行数」と言う。)が、時間軸Tに沿う方向に数字で表示されている。プログラム行数は、第1状態、第2状態および第3状態の各状態が切り替わるタイミングが、動作プログラムPのプログラム画面において何行目に該当するかを示している。従って、プログラム行数の数字は、
図3中点線で示す、各状態の開始位置および終了位置の下方に表示されている。
【0078】
図3に示すプログラム行数の数字について具体的に説明すると、第1状態が開始するタイミング、すなわち、第1パターンP1の左側の端部の下方に「1」が付されている。第1状態から第2状態に切り替わるタイミング、すなわち、第1パターンP1および第2パターンP2の境界の下方に「6」が付されている。第2状態から第3状態に切り替わるタイミング、すなわち、第2パターンP2および第3パターンP3の境界の下方に「15」が付されている。第3状態から2回目の第2状態に切り替わるタイミング、すなわち、第3パターンP3および第2パターンP2の境界の下方に「16」が付されている。2回目の第2状態から2回目の第1状態に切り替わるタイミング、すなわち、第2パターンP2および第1パターンP1の境界の下方に「30」が付されている。2回目の第1状態が終了するタイミング、すなわち、第1パターンP1の右側の端部の下方に「43」が付されている。このような数字「1」、「6」、「15」、「16」、「30」および「43」は、動作プログラムPのソースコードにおけるプログラム行数を示している。上記目盛りMの目幅の数字は、時間軸Tに沿って増加率が一定であるが、上記プログラム行数の数字は、時間軸Tに沿った増加率が必ずしも一定ではない。
【0079】
このように、表示画像Dsは、動作プログラムPにおける第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの対応箇所を示す情報P4を含んでいる。これにより、動作プログラムPを修正する際、修正したい箇所、例えば第2パターンP2に対応する第2状態が動作プログラムP中のどこに存在しているかを容易かつ迅速に把握することができる。よって、迅速かつ的確に動作プログラムの修正を行うことができる。
【0080】
なお、上記では、動作プログラムP中の対応箇所の一例として、プログラム行数を例に挙げて説明したが、本発明ではこれに限定されない。動作プログラムP中の対応箇所の他の例としては、ブロック式プログラムの場合、ブロック数やブロック名を表示する構成が挙げられる。
【0081】
また、第1状態の対応箇所は、第1パターンP1に対応して、すなわち、第1パターンP1の下方に表示され、第2状態の対応箇所は、第2パターンに対応して、すなわち、第2パターンP2の下方に表示され、第3状態の対応箇所は、第3パターンに対応して、すなわち、第3パターンP3の下方に表示される。これにより、動作プログラムP中の対応箇所の把握を、迅速かつ的確に行うことができる。
【0082】
また、動作プログラムPを取得して表示画像Dsを生成する際、動作プログラムPのデータを記憶部42や、その他の記憶装置に記憶してもよい。この場合、例えば、
図4に示すようなテーブルデータとして記憶することができる。
図4に示すデータは、第1状態、第2状態および第3状態の各状態の開始時刻、経過時間、状態および命令内容が時系列で記憶されたものである。なお、
図4中「状態」の列が、第1状態(サーボOFF)、第2状態(サーボON)および第3状態(動作実行)のいずれであるかを表している。
【0083】
次に、
図5に示すフローチャートを参照しつつ、本発明の表示方法の一例について説明する。
【0084】
まず、ステップS101において、動作プログラムPを取得する。すなわち、作業者は、入力操作部44を用いて動作プログラムPを入力し、取得部45がその情報を取得する。このステップS101が第1ステップである。
【0085】
次いで、ステップS102において、取得した動作プログラムPに基づいて
図3に示すような表示画像Dsのデータを生成し、表示部40に表示画像Dsが表示されるよう表示部40の作動を制御する。このステップS102が第2ステップである。このような第22ステップにより、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を表示することができる。よって、動作プログラムPのうち、第2状態に関する箇所を必要に応じて修正することができる。その結果、より適正な動作プログラムが得られ、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0086】
以上述べたように、本発明の表示方法は、ロボットアーム10を駆動する少なくとも1つのサーボモーター、本実施形態では、6つのサーボモーターを有する駆動部50への通電がなされていない第1状態、駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が静止している第2状態、および駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムPを取得する第1ステップと、第1ステップで取得した動作プログラムPに基づいて、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像Dsを生成し、表示する第2ステップと、を有する。これにより、作業者等は、動作プログラムのうち、第2状態の存在およびその時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正すること、特に動作プログラムの第2状態に関する箇所を修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0087】
また、本発明の表示プログラムは、ロボットアーム10を駆動する少なくとも1つのサーボモーター、本実施形態では、6つのサーボモーターを有する駆動部50への通電がなされていない第1状態、駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が静止している第2状態、および駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が動作している第3状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムPを取得する第1ステップと、第1ステップで取得した動作プログラムPに基づいて、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像Dsを生成し、表示する第2ステップと、を実行するためのものである。このような表示プログラムを実行することにより、作業者等は、動作プログラムのうち、第2状態の存在およびその時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正すること、特に動作プログラムの第2状態に関する箇所を修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0088】
本実施形態では、本発明の表示プログラムは、記憶部42に記憶されているが、本発明ではこれに限定されず、記憶部32に記憶されていてもよく、外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0089】
<第2実施形態>
図6は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第2実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【0090】
以下、
図6を参照しつつ本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置の第2実施形態について説明するが、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0091】
図6に示すように、表示画像Dsには、第1状態、第2状態および第3状態のうち、選択された状態に対応する詳細パターンPsが、常時または必要時に表示される。例えば、図示しないカーソルを第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3のうち、所望のパターンに重ねることにより、詳細パターンPsが表示される。
図6に示す構成では、第2パターンP2にカーソルを合わせ、第2状態の詳細パターンPsがポップアップ画像として表示された状態である。
【0092】
詳細パターンPsには、選択した状態である第2状態の実行時間、開始時刻、終了時刻、開始タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)、終了タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)および命令内容の各項目が表示される。各項目は、表にまとめられて表示される。このような詳細パターンPsを表示することにより、選択した状態、図示の例では第2状態の詳細情報を知ることができる。よって、例えば、動作プログラムPの修正内容を事前に予測することができ、より円滑で適正な修正を行うことができる。
第2状態の選択を解除し、第1状態または第3状態を選択した場合も、それに対応した同様の詳細パターンPsが表示される。
【0093】
このように、表示画像Dsには、第1状態、第2状態および第3状態のうち、選択された状態に対応する時間、および動作プログラムにおける対応箇所のうちの少なくとも1つ、本実施形態では、全部を含む詳細パターンPsが表示される。これにより、選択した状態の詳細情報を知ることができる。よって、例えば、動作プログラムPの修正内容を事前に予測することができ、より円滑で適正な修正を行うことができる。
なお、詳細パターンPsの表示項目は、上記に限定されず、上記各項目のうちの一部であってもよく、あるいは、さらに他の項目が付加されていてもよい。
また、詳細パターンPsの表示方法も、本実施形態のようなポップアップ画像に限られない。
【0094】
<第3実施形態>
図7は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第3実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【0095】
以下、
図7を参照しつつ本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置の第3実施形態について説明するが、以下では、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0096】
図7に示すように、表示画像Dsは、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれにおいて、駆動部50が消費する消費電力、特に単位時間当たりの消費電力の情報を含む。具体的には、第1状態、第2状態および第3状態の消費電力は、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3A、P3Bの、時間軸Tと直交する方向の長さ、すなわち
図7中縦方向の長さで表される。
【0097】
表示画像Dsにおいて、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3は、その下端が時間軸Tに一致して表示され、その上端の位置が消費電力量に応じて異なっている。
【0098】
なお、第1状態、第2状態および第3状態の各状態における消費電力の情報は、取得した動作プログラムPに含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。含まれていない場合、動作プログラムPに含まれている位置情報、速度情報から推定することができる。
【0099】
第1パターンP1と第2パターンP2とを比較すると、第2パターンP2の方が第1パターンP1よりも縦方向の長さが長い。すなわち、第2パターンP2の方が第1パターンP1よりも消費電力が大きい。第2パターンP2と第3パターンP3とを比較すると、第3パターンP3の方が第2パターンP2よりも縦方向の長さが長い。すなわち、第3パターンP3の方が第2パターンP2よりも消費電力が大きい。
【0100】
また、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3の縦方向の長さは、消費電力の大きさと比例している。このため、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を比較して、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれがどの程度の消費電力であるか、あるいは第1状態、第2状態および第3状態の消費電力の比率等、消費電力に関する情報を容易に知得することができる。
【0101】
このように、表示画像Dsは、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれにおいて、駆動部50が消費する消費電力の情報を含む。これにより、作業者は、第1状態、第2状態および第3状態における消費電力に関する情報を容易に把握することができる。よって、この情報を、例えば、動作プログラムPの修正を行うか否かの判断に用いることができる。
【0102】
また、第1状態における消費電力は、第1パターンP1の時間軸Tと直交する方向の長さで示され、第2状態における消費電力は、第2パターンP2の時間軸Tと直交する方向の長さで示され、第3状態における消費電力は、第3パターンP3の時間軸Tと直交する方向の長さで示される。これにより、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を比較して、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれがどの程度の消費電力であるか、あるいは第1状態、第2状態および第3状態の消費電力の比率等を、容易に、迅速に把握することができる。
【0103】
本実施形態においても第2実施形態と同様に、表示画像Dsには、第1状態、第2状態および第3状態のうち、選択された状態に対応する詳細パターンPsが、常時または必要時に表示される。
【0104】
詳細パターンPsには、選択した状態である第3状態の実行時間、開始時刻、終了時刻、開始タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)、終了タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)および命令内容に加え、選択した第3状態における消費電力量が表示される。消費電力量は、単位が(kWh)で表される実数値で表示される。このような詳細パターンPsを表示することにより、選択した状態、図示の例では第3状態の詳細情報、特に、消費電力量の実数値を知ることができる。よって、例えば、動作プログラムPの修正を行うか否かの判断に用いることができ、また、動作プログラムPの修正内容を事前に予測することができ、より円滑で適正な修正を行うことができる。
【0105】
第3状態の選択を解除し、第1状態または第2状態を選択した場合も、それに対応した同様の詳細パターンPsが表示される。
【0106】
また、本実施形態では、第3状態は、第1単位動作と、第1単位動作とは異なる第2単位動作とを含んでいる。第1単位動作と第2単位動作とは、ロボットアーム10の位置、姿勢および速度のうちの少なくとも1つが異なっている。すなわち、本実施形態では、第3状態は、消費電力が異なる2つの単位動作を含んでいる。
【0107】
前述したように、第3状態は、第3パターンP3で示されるが、第3パターンP3は、第1単位動作および第2単位動作にそれぞれ対応する第3パターンP3Aおよび第3パターンP3Bを有する。第1単位動作を行っている状態を示すパターンが第3パターンP3Aであり、第2単位動作を行っている状態を示すパターンが第3パターンP3Bである。第3パターンP3Aと第3パターンP3Bとは、時間軸Tの方向に沿ってこの順で並んで配置されている。
【0108】
なお、
図7に示す詳細パターンPsは、第3状態のうちの第1単位動作に対応する第3パターンP3Aを選択した場合を示している。第3状態のうちの第2単位動作に対応する第3パターンP3Bを選択した場合は、それに対応した詳細パターンPsが表示される。
【0109】
図7に示すように、第3パターンP3Aおよび第3パターンP3Bは、時間軸Tの方向に沿った長さが時間の長さを表し、
図7中縦方向の長さが消費電力の大きさを表している。図示の構成では、第3パターンP3Aで示される第1単位動作の方が、第3パターンP3Bで示される第2単位動作よりも単位時間当たりの消費電力が大きい。
【0110】
このような構成によれば、第3状態における消費電力を削減したい場合、第1単位動作および第2単位動作のいずれの単位動作を修正すればより効果的に消費電力を削減することができるかを、容易に、迅速に把握することができる。第3状態は、第1状態および第2状態に比べて消費電力が大きいため、全体の消費電力量を削減したい場合、このような構成が有利である。
【0111】
このように、第3状態は、第1単位動作と、第1単位動作とは異なる第2単位動作とを含み、第3パターンP3は、第1単位動作の時間の長さおよび消費電力と、第2単位動作との時間の長さおよび消費電力と、をそれぞれ示している。これにより、例えば、第3状態における消費電力を削減したい場合、第1単位動作および第2単位動作のいずれの単位動作を修正すればより効果的に消費電力を削減することができるかを、容易に、迅速に把握することができる。
【0112】
<第4実施形態>
図8は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第4実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
【0113】
以下、
図8を参照しつつ本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置の第4実施形態について説明するが、以下では、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0114】
図8に示すように、表示画像Dsは、円グラフ表示されている。すなわち、時間軸Tが円の周方向に沿った軸であり、時間軸Tに沿って、扇状をなす第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3が全体としてリング状に配置されている。図示の構成では、12時の位置が開始位置であり、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3が時計回りに時系列で配置されている。また、11時の位置で動作プログラムPが終了する構成である。
【0115】
円形をなす時間軸Tには、第1実施形態と同様に、目盛りMが表示されている。また、時間軸Tの内側には、目盛りMと併せて目幅を示す数字が表示されている。図示の構成では、10秒間隔で、「10」、「20」、「30」、「40」および「50」の数字が時計回りに表示されている。このように、時間を示す目盛りMおよび数字が付されていることにより、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3のそれぞれの絶対的な長さ、開始時間、終了時間等を把握する目安となる。
【0116】
本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に、作業者等は、動作プログラムのうち、第1状態および第3状態についてはもちろんのこと、第2状態についても、その存在および時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正すること、特に動作プログラムの第2状態に関する箇所を修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0117】
特に、表示画像Dsを円グラフの形式で表示することにより、作業者等は、動作全体に対する第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3のそれぞれが占める時間的な割合を把握し易いという利点がある。
【0118】
図示されていないが、本実施形態においても第2実施形態と同様に、表示画像Dsには、第1状態、第2状態および第3状態のうち、選択された状態に対応する詳細パターンPsが、常時または必要時に表示される。後者の場合、例えば、図示しないカーソルを第3パターンP3に重ねると、第3状態の詳細パターンPsがポップアップ画像として表示される。
【0119】
図示されていないが、本実施形態においても第3実施形態と同様に、第1状態、第2状態および第3状態のそれぞれにおいて、駆動部50が消費する消費電力、特に単位時間当たりの消費電力の情報を含む表示画像Dsを表示することができる。すなわち、第1状態、第2状態および第3状態の消費電力は、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3の、時間軸Tと直交する方向、すなわち円グラフの半径方向の長さで表すことができる。
【0120】
また、第3実施形態と同様に、第3状態は、第1単位動作と、第1単位動作とは異なる第2単位動作とを含んでいてもよい。この場合、第3状態を示す第3パターンP3は、第1単位動作に対応する図示しない第3パターンP3Aと、第2単位動作に対応する図示しない第3パターンP3Bとで構成され、これらは時間軸Tの方向に沿ってこの順で並んで配置されている。第3状態のうちの第1単位動作に対応する第3パターンP3Aを選択した場合と、第2単位動作に対応する第3パターンP3Bを選択した場合とで、それぞれ選択結果に対応した詳細パターンPsが表示される。
【0121】
本実施形態において、表示画像Dsに表示される詳細パターンPsには、選択した状態(例えば、第2状態、第3状態の第1単位動作)の実行時間、開始時刻、終了時刻、開始タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)、終了タイミングの動作プログラムPの対応箇所(行数)および命令内容が表示され、さらに選択した状態における消費電力量が表示されてもよい。
【0122】
<第5実施形態>
図9は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の一例を示す図である。
図10は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の他の例を示す図である。
図11は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部に表示される表示画像の他の例を示す図である。
【0123】
以下、
図9を参照しつつ本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置の第5実施形態について説明するが、以下では、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。
【0124】
図9に示すように、表示画像Dsは、前記第4実施形態と同様に、円グラフ表示されている。本実施形態では、第2パターンP2のみが表示されており、第1パターンP1および第3パターンP3の表示が省略されている。具体的には、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を時計回りに時系列で配置したと仮定したときに、第2パターンP2のみをその位置に表示し、第1パターンP1および第3パターンP3の表示を省略するように表示する。
【0125】
本実施形態によれば、第2状態の存在および時間の長さを際立たせて表示することができる。これにより、作業者等は、動作プログラムPのうち、第2状態の存在および時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0126】
図10は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部40に表示される表示画像の他の例を示す図である。図示の構成では、前記第1実施形態と同様に、左右方向に時間軸Tを有し、第2パターンP2のみが表示されており、第1パターンP1および第3パターンP3の表示が省略されている。具体的には、第1パターンP1、第2パターンP2および第3パターンP3を左右方向に時系列で配置したと仮定したときに、第2パターンP2のみをその位置に表示し、第1パターンP1および第3パターンP3の表示を省略するように表示する。このような構成によっても、作業者等は、動作プログラムPのうち、第2状態の存在および時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0127】
図11は、本発明の表示方法を実行する表示装置の第5実施形態が備える表示部40に表示される表示画像の他の例を示す図である。図示の構成では、左右方向に時間軸Tを有し、第2パターンP2のみが表示されており、第1パターンP1および第3パターンP3の表示が省略されている。具体的には、各第2パターンP2を左詰めに配置するように合併させた状態で表示する。このような構成によっても、作業者等は、動作プログラムPのうち、第2状態の存在および時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。特に、第2パターンP2の合計時間がわかりやすいため、上記効果をより顕著に発揮することができる。
【0128】
また、
図11に示す構成では、累積時間を示すパターンP5が表示される。図示の構成では、「16秒」と表示されている。これにより、動作プログラムの修正を行うか否かの判断をより正確に行うことができる。
【0129】
以上述べたように、本発明の表示方法は、ロボットアーム10を駆動する少なくとも1つのサーボモーター、本実施形態では、6つのサーボモーターを有する駆動部50への通電がなされておりかつロボットアーム10が静止している第2状態を含む一連の動作を実行する動作プログラムPを取得する第1ステップと、第1ステップで取得した動作プログラムPに基づいて、第2状態のそれぞれの時間の長さの情報を示す表示画像Dsを生成し、表示する第2ステップと、を有する。これにより、作業者等は、動作プログラムのうち、第2状態の存在およびその時間の長さを把握し、必要に応じて動作プログラムを修正すること、特に動作プログラムの第2状態に関する箇所を修正することができる。よって、作業時間の短縮や、消費電力の削減に寄与する。
【0130】
以上、本発明の表示方法、表示プログラムおよび表示装置を図示の各実施形態に基づいてついて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。表示装置やロボットシステムの各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構造物と置換することができ、また、任意の構造体が付加されていてもよい。
【0131】
また、本発明の表示方法および表示プログラムの各工程等は、同様の機能を有する任意の工程のものと置換することができ、また、任意の工程が任意の箇所に付加されていてもよい。
【0132】
また、第1実施形態に、第2実施形態、第3実施形態および第4実施形態のうちの少なくとも1つを任意に組み合わせてもよく、第2実施形態と第3実施形態とを任意に組み合わせてもよく、第2実施形態と第4実施形態とを任意に組み合わせてもよく、第3実施形態と第4実施形態とを任意に組み合わせてもよい。また、本発明では、各実施形態に他の任意の工程、構成が付加されていてもよい。
【0133】
なお、ロボットアーム10が有するアームの数は、6つに限定されず、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上であってもよい。また、各アームの全長等の大きさは、それぞれ、特に限定されず、適宜設定可能である。上記各実施形態では、駆動部50が有するサーボモーターの数は、アームの数に対応しているが、これに限定されず、駆動部50は、少なくとも1つのサーボモーターを有する構成であればよい。
【符号の説明】
【0134】
1…ロボット、3…制御装置、4…表示装置、10…ロボットアーム、11…基台、12…第1アーム、13…第2アーム、14…第3アーム、15…第4アーム、16…第5アーム、17…第6アーム、19…力検出部、20…エンドエフェクター、31…制御部、
32…記憶部、33…通信部、40…表示部、41…制御部、42…記憶部、43…通信部、44…入力操作部、45…取得部、50…駆動部、100…ロボットシステム、171…関節、172…関節、173…関節、174…関節、175…関節、176…関節、D1…モータードライバー、D2…モータードライバー、D3…モータードライバー、D4…モータードライバー、D5…モータードライバー、D6…モータードライバー、Ds…表示画像、E1…エンコーダー、E2…エンコーダー、E3…エンコーダー、E4…エンコーダー、E5…エンコーダー、E6…エンコーダー、M…目盛り、M1…サーボモーター、M2…サーボモーター、M3…サーボモーター、M4…サーボモーター、M5…サーボモーター、M6…サーボモーター、P…動作プログラム、P1…第1パターン、P2…第2パターン、P3…第3パターン、P3A…第3パターン、P3B…第3パターン、P4…情報、P5…パターン、Ps…詳細パターン、T…時間軸、TCP…ツールセンターポイント