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特開2024-127220モデル生成装置、モデル生成方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127220
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】モデル生成装置、モデル生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20240912BHJP
   G06T 7/50 20170101ALI20240912BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06T7/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036224
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹原 裕也
【テーマコード(参考)】
5B050
5L096
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050DA04
5B050EA09
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5L096DA02
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA30
(57)【要約】
【課題】生成した3次元モデルを適切に更新すること。
【解決手段】モデル生成装置は、被写体を撮像した入力画像を取得する画像取得部と、前記入力画像の対象範囲の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、複数の周囲画像の信頼度に基づいて、合成画像の信頼度を算出する信頼度算出部と、対象範囲の画像の信頼度と、合成画像の信頼度とを比較する信頼度比較部と、合成画像の信頼度が対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、対象範囲の画像を前記合成画像に更新するモデル更新部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像した入力画像を取得する画像取得部と、
前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、
複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出する信頼度算出部と、
前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較する信頼度比較部と、
前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するモデル更新部と、
を備える、モデル生成装置。
【請求項2】
前記信頼度算出部は、前記対象範囲の表面に基づく前記入力画像の撮影角度の傾きにより、前記合成画像の信頼度を算出する、
請求項1に記載のモデル生成装置。
【請求項3】
前記モデル更新部は、前記合成画像の信頼度が予め定めた閾値以上である場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新する、
請求項1または2に記載のモデル生成装置。
【請求項4】
被写体を撮像した入力画像を取得するステップと、
前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成するステップと、
複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出するステップと、
前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較するステップと、
前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するステップと、
を含む、モデル生成方法。
【請求項5】
被写体を撮像した入力画像を取得するステップと、
前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成するステップと、
複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出するステップと、
前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較するステップと、
前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モデル生成装置、モデル生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮像した撮像画像に基づいて、3次元モデルを生成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-44870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
3次元モデルを生成する技術としては、一枚の画像から生成するもの、複数の画像から生成するもの、動画から生成するもの等、様々な手法が提案されている。しかしながら、生成された3次元モデルには入力画像として使用されたものの情報が残っていない。そのため、3次元モデル生成後に追加の入力画像が得られた場合においても、生成した3次元モデルを一新することでしか3次元モデルを更新できなかった。
【0005】
本発明は、生成した3次元モデルを適切に更新することのできるモデル生成装置、モデル生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモデル生成装置は、被写体を撮像した入力画像を取得する画像取得部と、前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出する信頼度算出部と、前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較する信頼度比較部と、前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するモデル更新部と、を備える。
【0007】
本発明のモデル生成方法は、被写体を撮像した入力画像を取得するステップと、前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成するステップと、複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出するステップと、前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較するステップと、前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するステップと、を含む。
【0008】
本発明のプログラムは、被写体を撮像した入力画像を取得するステップと、前記入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成するステップと、複数の前記周囲画像の信頼度に基づいて、前記合成画像の信頼度を算出するステップと、前記対象範囲の画像の信頼度と、前記合成画像の信頼度とを比較するステップと、前記合成画像の信頼度が前記対象範囲の画像の信頼度よりも高い場合、前記対象範囲の画像を前記合成画像に更新するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生成した3次元モデルを適切に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係るモデル生成装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係るモデル生成方法を説明するための図である。
図3図3は、第1実施形態に係る3次元モデルの一例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係るテクスチャ画像を生成する方法を説明するための図である。
図5図5は、第1実施形態に係るテクスチャ画像に信頼度の情報をマッピングする方法を説明するための図である。
図6図6は、第1実施形態に係る3次元モデル生成処理を示すフローチャートである。
図7図7は、第1実施形態に係る3次元モデルの信頼度を算出する方法の一例を説明するための図である。
図8図8は、第1実施形態の第1の例に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
図9図9は、第1実施形態の第2の例に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
図10図10は、第1実施形態に係る合成画像を説明するための図である。
図11図11は、第2実施形態に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
(モデル生成装置)
図1を用いて、第1実施形態に係るモデル生成装置の構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係るモデル生成装置の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、モデル生成装置10は、入力部20と、出力部22と、通信部24と、記憶部26と、制御部28と、を備える。モデル生成装置10は、コンピュータで実現される。モデル生成装置10は、被写体を撮像した入力画像に基づいて、被写体の3次元モデルを生成する。モデル生成装置10は、新たに撮像された被写体の入力画像の信頼度を判定した、信頼度の判定結果に基づいて、生成した被写体の3次元モデルを更新する。
【0014】
入力部20は、モデル生成装置10に対する各種の入力操作を受け付ける。入力部20は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイクなどで実現される。
【0015】
出力部22は、各種の情報を出力する。出力部22は、例えば、画像を表示する液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)などを含むディスプレイを含んでよい。出力部22は、例えば、音声を出力するスピーカを含んでよい。
【0016】
通信部24は、モデル生成装置10と、外部装置との間の通信を実行する通信インターフェースである。通信部24は、例えば、モデル生成装置10と、被写体を撮像する撮像装置との間の通信を実行する。
【0017】
記憶部26は、各種の情報を記憶している。記憶部26は、制御部28の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0018】
記憶部26は、例えば、モデル生成装置10が生成した3次元モデルに関する情報を記憶している。
【0019】
制御部28は、モデル生成装置10の各部を制御する。制御部28は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などの記憶装置とを有する。制御部28は、本発明に係るモデル生成装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部28は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部28は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0020】
制御部28は、画像取得部30と、モデル生成部32と、テクスチャ画像生成部34と、信頼度算出部36と、合成画像生成部38と、信頼度比較部40と、モデル更新部42と、を備える。
【0021】
画像取得部30は、通信部24を介して、被写体を撮像した入力画像を取得する。
【0022】
モデル生成部32は、画像取得部30が取得た入力画像に基づいて、被写体の3次元モデルを生成する。図2は、第1実施形態に係るモデル生成方法を説明するための図である。図2に示すように、例えば、画像取得部30は、被写体101を撮像した入力画像100を取得する。入力画像100は、通常の可視光カメラで撮像された画像であってよい。モデル生成部32は、入力画像100に基づいて被写体101の3次元モデル102を生成する。モデル生成部32は、例えば、ボリュメトリックキャプチャの手法および入力画像に含まれる被写体の構造に基づいた基本モデルを規定し、パラメータによって変形するパラメトリックな手法を用いて生成すればよい。
【0023】
テクスチャ画像生成部34は、モデル生成部32が生成した3次元モデルのテクスチャ画像を生成する。テクスチャ画像生成部34は、モデル生成部32が生成した3次元モデルの表面の色および模様などを表現したテクスチャ画像を生成する。テクスチャ画像生成部34は、例えば、図2に示す3次元モデル102の表面をUV展開によって一枚の画像に対応付けし、その画像に入力画像100から得られる表面情報をマッピングする。なお、UV展開とは、3次元モデルの網目構造を展開し、2次元のU、Vの座標に対応させる作業のことである。テクスチャ画像生成部34は、例えば、入力画像100に映っていない部分については写っている部分からの転写および補足情報の生成を行い、3次元モデル102の全体をカバーするようにテクスチャ画像を生成する。
【0024】
信頼度算出部36は、モデル生成部32が生成した3次元モデルの信頼度を算出する。信頼度算出部36は、図2に示す例でいえば、被写体101と、3次元モデル102とに基づいて、3次元モデル102の信頼度を算出する。信頼度算出部36は、例えば、被写体101と、3次元モデル102とを比較して、3次元モデル102の各点において、入力画像100に写っている点の信頼度を1、写っていない点の信頼度を0と算出する。ここで、点とは、対象範囲の中心点である。また、対象範囲とは、ピクセル単位または数ピクセル四方のブロック単位の範囲である。信頼度算出部36は、3次元モデル102の各点における法線を求め、入力画像100において真正面から見えている点の信頼度を1、全く見えていない点の信頼度を0と算出してもよい。すなわち、信頼度算出部36は、3次元モデル102の各点における法線に対する角度に応じて重み付けを行ってもよい。信頼度を算出する方法の詳細は、後述する。信頼度算出部36は、3次元モデル102と入力画像100の被写体101との特徴点に基づく形状の一致度合いに基づいて信頼度を算出してもよいし、被写体101のピントの一致度合いに基づいて、信頼度を算出してもよい。信頼度が算出した各点の信頼度は、UV展開されたテクスチャ情報と対応付ける事ができる。例えば、信頼度算出部36は、テクスチャ画像生成部34が生成したテクスチャ画像に、色情報の代わりに信頼度の情報をマッピングする。
【0025】
図3と、図4と、図5とを用いて、第1実施形態に係るテクスチャ画像を生成する方法について説明する。図3は、第1実施形態に係る3次元モデルの一例を示す図である。図4は、第1実施形態に係るテクスチャ画像を生成する方法を説明するための図である。図5は、第1実施形態に係るテクスチャ画像に信頼度の情報をマッピングする方法を説明するための図である。
【0026】
図3は、人物の顔部分の3次元モデル201を示す。モデル生成部32は、画像取得部30が取得した入力画像に基づいて、3次元モデル201を生成する。図3に示す例では、顔部分の3次元モデルを示しているが、実際には、人物の全体の3次元モデルが想定され得る。また、第1実施形態に係る3次元モデルは、動物または物体であってもよい。
【0027】
テクスチャ画像生成部34は、例えば、図3に示す3次元モデル201をUV展開して、図4に示すテクスチャ画像202を生成する。
【0028】
信頼度算出部36は、3次元モデル201の各点の信頼度を算出し、テクスチャ画像202に、信頼度の情報をマッピングする。信頼度算出部36は、例えば、図5示すように、画像取得部30が取得した入力画像で見えている点(信頼度の高い点)を白、見えていない点(信頼度の低い点)を黒としてテクスチャ画像202の信頼度テクスチャ画像203を表現する。図5に示す例では、信頼度算出部36は、信頼度情報を白と黒との2値のみで表現したが、見える角度を考慮して角度に応じたグラデーション表現として信頼度情報を表現してもよい。または、信頼度算出部36は、3次元モデル201の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像の信頼度に基づいて、3次元モデル201の対象範囲の画像に対応する合成画像の信頼度を算出する。
【0029】
合成画像生成部38は、3次元モデル201を更新するために、3次元モデル201の対象範囲の画像に対応する、新たに画像取得部30が取得した入力画像の対象範囲の画像の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成する。周囲画像とは、対象範囲の画像の周囲を囲む画像である。
【0030】
信頼度比較部40は、記憶部26に記憶されている3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度と、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度とを比較する。または、記憶部26に記憶されている3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度と、合成画像生成部38が生成した合成画像の信頼度とを比較する。
【0031】
モデル更新部42は、信頼度比較部40により、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度が記憶部26に記憶されている3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度よりも高いと判定された場合、3次元モデル201の対象範囲の画像を新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデル201の対象範囲の画像に更新する。または、合成画像生成部38が生成した合成画像の信頼度が3次元モデル201の対象範囲の画像の信頼度よりも高いと判定された場合、3次元モデル201の対象範囲の画像を合成画像生成部38が生成した合成画像に更新する。
【0032】
(3次元モデル生成処理)
図6を用いて、第1実施形態に係る3次元モデル生成処理について説明する。図6は、第1実施形態に係る3次元モデル生成処理を示すフローチャートである。
【0033】
画像取得部30は、3次元モデルの生成対象となる被写体を撮影した入力画像を取得する(ステップS10)。そして、ステップS12に進む。
【0034】
モデル生成部32は、画像取得部30が取得した入力画像に基づいて、入力画像に含まれる被写体の3次元モデルを生成する(ステップS12)。モデル生成部32は、例えば、生成した3次元モデルを記憶部26に記憶させる。そして、ステップS14に進む。
【0035】
テクスチャ画像生成部34は、モデル生成部32が生成した3次元モデルに基づいて、3次元モデルのテクスチャ画像を生成する(ステップS14)。テクスチャ画像生成部34は、例えば、生成したテクスチャ画像を記憶部26に記憶させる。そして、ステップS16に進む。
【0036】
信頼度算出部36は、画像取得部30が取得した入力画像に基づいて、モデル生成部32が生成した3次元モデルの各点における信頼度を算出する(ステップS16)。図7は、第1実施形態に係る3次元モデルの信頼度を算出する方法の一例を説明するための図である。図7は、モデル生成部32が生成した3次元モデルの表面51を示している。図7に示すように、表面51の点52からの法線53に対する被写体の撮像装置12における撮影角度の傾きをφとする。撮像装置12は、通常の可視光カメラであってよい。第1実施形態では、信頼度算出部36は、3次元モデルの表面51の点52の信頼度Kを、表面51の点52からの法線53に対する被写体の撮像装置12における撮影角度の傾きφに基づいて、K=(cosφ)、と算出する。撮影角度の傾きφは、0度から90度の範囲とする。例えば、撮影角度の傾きφが0度であれば、信頼度Kは1となる。例えば、撮影角度の傾きφが15度であれば、信頼度Kは0.93となる。例えば、撮影角度の傾きφが30度であれば、信頼度Kは0.75となる。例えば、撮影角度の傾きφが45度であれば、信頼度Kは0.5となる。例えば、撮影角度の傾きφが60度であれば、信頼度Kは0.25となる。例えば、撮影角度の傾きφが90度であれば、信頼度Kは0となる。信頼度算出部36は、例えば、生成した3次元モデルの信頼度に関する情報を記憶部26に記憶させる。そして、ステップS18に進む。
【0037】
テクスチャ画像生成部34は、信頼度算出部36が算出した信頼度を、テクスチャ画像に対応付けて、信頼度テクスチャ画像を生成する(ステップS18)。テクスチャ画像生成部34は、例えば、生成した信頼度テクスチャ画像を記憶部26に記憶させる。そして、図6の処理を終了する。
【0038】
(第1の例に係るモデル更新処理)
図8を用いて、第1実施形態の第1の例に係るモデル更新処理について説明する。図8は、第1実施形態の第1の例に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
【0039】
画像取得部30は、生成済の3次元モデルの元の被写体と同一の被写体を撮像した、新たな入力画像を取得する(ステップS30)。そして、ステップS32に進む。
【0040】
モデル生成部32は、画像取得部30が取得した新たな入力画像に基づいて、モデル生成処理を実行する(ステップS32)。具体的には、モデル生成部32は、新たな入力画像に基づいて、図6に示す3次元モデルの生成処理を実行する。そして、ステップS34に進む。
【0041】
信頼度比較部40は、記憶部26に記憶されている前回生成した3次元モデルの信頼度と、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルの信頼度とを、3次元モデルの表面の各点ごとに比較する(ステップS34)。そして、ステップS36に進む。
【0042】
信頼度比較部40は、前回生成した3次元モデルよりも、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルの方が信頼度の高い点の数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS36)。信頼度の高い点の数が所定数以上であると判定された場合(ステップS36;Yes)、ステップS38に進む。信頼度の高い点の数が所定数以上であると判定されない場合(ステップS36;No)、ステップS40に進む。
【0043】
ステップS36でYesと判定された場合、モデル更新部42は、前回生成された3次元モデルを新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルに更新する(ステップS38)。そして、図8の処理を終了する。
【0044】
ステップS36でNoと判定された場合、モデル更新部42は、前回生成した3次元モデルと、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルとで、3次元モデルの表面の各点の信頼度が高い方を用いた新たな3次元モデルに更新する(ステップS40)。そして、図8の処理を終了する。
【0045】
(第2の例に係るモデル更新処理)
図9を用いて、第1実施形態の第2の例に係るモデル更新処理について説明する。図9は、第1実施形態の第2の例に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS50およびステップS52の処理は、図8に示すステップS30およびステップS32の処理と同じなので、説明を省略する。
【0047】
合成画像生成部38は、新たに生成した3次元モデルのうち、所定未満の信頼度である対象範囲について、対象範囲の周囲の複数の周囲画像を合成して合成画像を生成する(ステップS54)。図10は、第1実施形態に係る合成画像を説明するための図である。図10は、3次元モデルの表面画像60を示す。合成画像生成部38は、対象範囲の周囲の周囲画像61と、周囲画像62と、周囲画像63と、周囲画像64と、周囲画像65と、周囲画像66と、周囲画像67と、周囲画像68とを合成して、合成画像70を生成する。合成画像70は、例えば、ピクセル単位または数ピクセル四方のブロック単位の大きさである。合成画像70は、例えば、前回生成した3次元モデルに合成した場合に、違和感を与えない大きさであればよい。そして、ステップS56に進む。
【0048】
信頼度算出部36は、合成画像生成部38が生成した合成画像の信頼度を算出する(ステップS56)。具体的には、信頼度算出部36は、合成画像の信頼度を信頼度Km、合成画像の周囲画像の信頼度を信頼度Knとする。この場合、信頼度算出部36は、信頼度Kmを、Km=(ΣKn)/n(nは周囲画像の数であり、1以上の任意の整数)、と算出する。図10に示す例でいえば、例えば、周囲画像61の信頼度を0.9、周囲画像62の信頼度を0.8、周囲画像63の信頼度を0.9、周囲画像64の信頼度を0.7、周囲画像65の信頼度を0.8、周囲画像66の信頼度を0.7、周囲画像67の信頼度を0.7、周囲画像68の信頼度を0.8とする。この場合、信頼度算出部36は、信頼度Kmを、(0.9+0.8+0.9+0.7+0.8+0.7+0.7+0.8)/8≒0.8、と算出する。そして、ステップS58に進む。
【0049】
信頼度算出部36は、合成画像の周囲画像の信頼度は所定以上(予め定めた閾値以上)であるか否かを判定する(ステップS58)。信頼度算出部36は、例えば、合成画像の周囲の全ての周囲画像の信頼度が0.7以上である場合、周囲画像の信頼度は所定以上であると判定する。信頼度が所定以上であると判定される信頼度の値は任意に設定してよい。合成画像の周囲画像の信頼度が所定以上であると判定された場合(ステップS58;Yes)、ステップS62に進む。合成画像の周囲画像の信頼度が所定以上であると判定されない場合(ステップS58;No)、ステップS60に進む。
【0050】
ステップS58でNoと判定された場合、信頼度算出部36は、算出した合成画像の信頼度を補正する(ステップS60)。具体的には、信頼度算出部36は、Km=((ΣKn)/n)+C、と信頼度Kmに補正値Cを加算することで合成画像の信頼度Kmを補正する。信頼度算出部36は、例えば、合成画像の信頼度が0.7を下回った場合には、合成画像の信頼度が約0.7となるように補正値Cを決定する。例えば、図10に示す例でいえば、周囲画像61の信頼度を0.8、周囲画像62の信頼度を0.6、周囲画像63の信頼度を0.5、周囲画像64の信頼度を0.7、周囲画像65の信頼度を0.8、周囲画像66の信頼度を0.6、周囲画像67の信頼度を0.6、周囲画像68の信頼度を0.8とする。この場合、信頼度算出部36は、((0.8+0.6+0.5+0.7+0.8+0.6+0.6+0.8)/8)+0.03=0.670+0.03≒0.7、と信頼度Kmを補正する。このとき、信頼度算出部36は、合成画像70の信頼度を0.7とするために、補正値Cは0.03と決定する。そして、ステップS62に進む。
【0051】
信頼度比較部40は、記憶部26に記憶されている前回生成した3次元モデルの信頼度と、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルの信頼度とを、3次元モデルの表面の合成画像ごとに比較する(ステップS62)。そして、ステップS64に進む。
【0052】
信頼度比較部40は、前回生成した3次元モデルよりも、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルの方が信頼度の高い合成画像の数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS64)。信頼度の高い点の合成画像が所定数以上であると判定された場合(ステップS64;Yes)、ステップS66に進む。信頼度の高い点の数が所定数以上であると判定されない場合(ステップS64;No)、ステップS68に進む。
【0053】
ステップS64でYesと判定された場合、モデル更新部42は、前回生成された3次元モデルを新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルに更新する(ステップS66)。そして、図9の処理を終了する。
【0054】
ステップS64でNoと判定された場合、モデル更新部42は、前回生成した3次元モデルと、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルとで、信頼度の高い合成画像を用いて前回生成した3次元モデルを更新する(ステップS68)。そして、図9の処理を終了する。
【0055】
上述のとおり、第1実施形態は、前回生成した3次元モデルの信頼度と、新たに生成した3次元モデルの信頼度とを比較して、信頼度の高い点(合成画像)を用いて、3次元モデルを更新することができる。これにより、第1実施形態は、新たな入力画像が取得されると、3次元モデルを適切に更新することができる。
【0056】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態では、1つの信頼度に基づいて、3次元モデルを更新するか否かを判定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態の変形例では、3次元モデルの形状の信頼度と、テクスチャ画像の信頼度とを別々に規定してもよい。すなわち、第1実施形態の変形例では、複数の信頼度に基づいて、3次元モデルを更新するか否かを判定してもよい。
【0057】
第1実施形態の変形例では、例えば、信頼度を3次元モデルの詳細度と捉え、前回生成した3次元モデルの詳細度が所定以上である場合には、新たな入力画像に基づく3次元モデルが生成された場合に、3次元モデルの更新を行わないと決定してもよい。
【0058】
第1実施形態の変形例では、例えば、3次元モデルの生成時に入力画像を撮像した撮像装置と、入力画像の被写体との距離が十分に離れている場合には、信頼度を参照してモデルの描画解像度を落として負荷を低減させてもよい。
【0059】
[第2実施形態]
図11を用いて、第2実施形態に係るモデル更新処理について説明する。図11は、第2実施形態に係るモデル更新処理を示すフローチャートである。
【0060】
第2実施形態は、新たに生成された3次元モデルの信頼度が前回生成された3次元モデルの信頼度よりも高く、かつ所定以上で有る場合に、3次元モデルを更新する。
【0061】
ステップS80からステップS94の処理は、それぞれ、図9に示すステップS50からステップS64の処理と同じなので、説明を省略する。
【0062】
ステップS94でYesと判定された場合、モデル更新部42は、新たな入力画像に基づいて生成された3次元モデルにおける各合成画像の信頼度の平均値は所定以上であるか否かを判定する(ステップS96)。所定の平均値は、任意に設定してよい。例えば、前回生成された3次元モデルよりも少しでも精度が高い3次元モデルを生成したい場合には平均値を低く設定し、前回生成された3次元モデルよりも十分に精度が高い3次元モデルを生成した場合には平均値を高く設定すればよい。各合成画像の信頼度の平均値が所定以上であると判定された場合(ステップS96;Yes)、ステップS100に進む。各合成画像の信頼度の平均値が所定以上であると判定されない場合(ステップS96;No)、図11の処理を終了する。すなわち、第2実施形態では、各合成画像の信頼度の平均値が所定以上であると判定されない場合には、前回生成した3次元モデルを更新しない。
【0063】
ステップS94でNoと判定された場合、モデル更新部42は、信頼度が所定以上の合成画像があるか否かを判定する(ステップS98)。信頼度が所定以上の合成画像があると判定された場合(ステップS98;Yes)、ステップS102に進む。信頼度が所定以上の合成画像があると判定されない場合(ステップS98;No)、図11の処理を終了する。すなわち、第2実施形態では、所定以上の信頼度の合成画像がない場合には、前回生成した3次元モデルを更新しない。
【0064】
ステップS100の処理は、図9に示すステップS66の処理と同じなので、説明を省略する。
【0065】
ステップS98でYesと判定された場合、モデル更新部42は、所定以上の信頼度の合成画像のみを用いて、3次元モデルを更新する(ステップS102)。そして、図11の処理を終了する。
【0066】
上述のとおり、第2実施形態は、新たに生成された3次元モデルの信頼度が前回生成された3次元モデルの信頼度よりも高く、かつ所定以上で有る場合に、3次元モデルを更新する。これにより、第2実施形態は、ユーザの要求に応じて、適切に3次元モデルを更新することができる。
【0067】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0069】
10 モデル生成装置
20 入力部
22 出力部
24 通信部
26 記憶部
28 制御部
30 画像取得部
32 モデル生成部
34 テクスチャ画像生成部
36 信頼度算出部
38 合成画像生成部
40 信頼度比較部
42 モデル更新部
図1
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図10
図11