(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127225
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】部品検索システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240912BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240912BHJP
G06F 16/903 20190101ALI20240912BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q30/0601 302
G06F16/903
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036230
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154380
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100081972
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 豊
(72)【発明者】
【氏名】酒井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 健太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 応樹
(72)【発明者】
【氏名】山岡 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】舛屋 和也
【テーマコード(参考)】
5B175
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5L030BB58
5L049BB58
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】サービスマニュアルに記載される部品の部品番号等の特定を容易に行うこと。
【解決手段】部品を検索する部品検索システム100は、点検作業方法、修理作業方法、および交換作業方法を記録したサービスマニュアル情報を保存するサービスマニュアルDB150と、部品の部品情報を記録したパーツカタログ情報を保存するパーツカタログDB160と、パーツカタログDB160から読み出された所定部品の部品情報のリストを作成する部品リスト作成部110と、を含み、部品リスト作成部110は、サービスマニュアル情報に記録された作業方法に記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたリストを作成し、リストを表示部21に表示させるリスト表示信号を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を検索する部品検索システムであって、
点検作業方法、修理作業方法、および交換作業方法を記録したサービスマニュアル情報を保存するサービスマニュアルデータベースと、
前記部品の部品情報を記録したパーツカタログ情報を保存するパーツカタログデータベースと、
前記パーツカタログデータベースから読み出された所定部品の部品情報のリストを作成する部品リスト作成部と、を含み、
前記部品リスト作成部は、前記サービスマニュアル情報に記録された作業方法に記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、前記部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたリストを作成し、前記リストを表示部に表示させるリスト表示信号を出力することを特徴とする部品検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品リスト作成部は、前記リストに載る部品の発注処理を指示するための操作ボタンを表示させる発注ボタン表示信号を前記リスト表示信号に含めることを特徴とする部品検索システム。
【請求項3】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品情報は、少なくとも部品の名称、部品番号、および必要個数を含み、
前記部品リスト作成部は、前記部品選択信号に対応する部品の中に複数の部品で構成される組み立て部品が含まれる場合、その組み立て部品については前記部品番号を空欄にした前記リストを作成することを特徴とする部品検索システム。
【請求項4】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品リスト作成部は、前記リストに載る部品の交換作業方法を表示する前記サービスマニュアル情報のページを示すテキスト情報と、当該ページを前記表示部に表示させるためのURL情報と、を前記リスト表示信号に含めることを特徴とする部品検索システム。
【請求項5】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品リスト作成部は、前記部品選択信号に対応する部品および周辺部品の部品情報を表示する前記パーツカタログ情報のページを示すテキスト情報と、当該ページを前記表示部に表示させるためのURL情報と、を前記リスト表示信号に含めることを特徴とする部品検索システム。
【請求項6】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品リスト作成部は、前記パーツカタログに記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、前記部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せた前記リストを前記表示部に表示させる前記リスト表示信号を出力することを特徴とする部品検索システム。
【請求項7】
請求項6に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品情報は、少なくとも部品の名称、部品番号、および必要個数を含み、
前記部品リスト作成部は、前記部品選択信号に対応する部品の中に複数の部品で構成される組み立て部品が含まれる場合、その組み立て部品については前記部品の名称として前記組み立て部品であることを示した前記リストを作成することを特徴とする部品検索システム。
【請求項8】
請求項1に記載の部品検索システムにおいて、
前記部品は車両の部品であって、
前記サービスマニュアルデータベースは、故障診断機から故障コードを受けると、その故障コードに対応する前記作業方法を前記表示部に表示させる作業方法表示信号を出力するとともに、前記作業方法を選択する選択信号を受けると、その選択信号に対応する前記車両の構造図を前記表示部に表示させる構造図表示信号を出力し、
前記部品リスト作成部は、前記構造図に記載されている部品を選択する前記部品選択信号を受けると、前記部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せた前記リストを前記表示部に表示させる前記リスト表示信号を出力する、ことを特徴とする部品検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修理に必要な部品を検索する部品検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、ユーザ端末からの検索要求部品を部品データベース(パーツカタログ)から検索し、検索要求部品およびその周辺部品をユーザ端末に表示する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、サービスマニュアル(修理作業マニュアル)に沿って修理作業を進める中で部品交換の必要が判明した場合には、その都度パーツカタログを検索して部品の部品番号等を調べる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、部品を検索する部品検索システムであって、点検作業方法、修理作業方法、および交換作業方法を記録したサービスマニュアル情報を保存するサービスマニュアルデータベースと、部品の部品情報を記録したパーツカタログ情報を保存するパーツカタログデータベースと、パーツカタログデータベースから読み出された所定部品の部品情報のリストを作成する部品リスト作成部と、を含み、部品リスト作成部は、サービスマニュアル情報に記録された作業方法に記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたリストを作成し、リストを表示部に表示させるリスト表示信号を出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、サービスマニュアルに記載されている部品の部品番号等を容易に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】部品検索システムで得られるパーツリストの一例を示す図。
【
図3A】
図2の部品検索システムで実行されるパーツリスト作成処理の一例を示すフローチャート。
【
図3B】
図2の部品検索システムで実行されるパーツリスト作成処理の一例を示すフローチャート。
【
図8】部品検索システムで得られるパーツリストの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して発明の実施の形態について説明する。
<部品検索システムの概要>
発明の実施の形態に係る部品検索システムは、例えば、車両の点検作業方法、車両の修理作業方法、および車両の部品の交換作業方法等の作業方法を記録したサービスマニュアル(略称:SM)と、車両の部品の部品情報を記録したパーツカタログ(略称:PC)とを連携させて、サービスマニュアルからパーツカタログを検索し、車両の修理で必要な部品を選択し、選択した部品のリスト(以後パーツリストと呼ぶ)を作成する。部品情報は、例えばその部品の名称、部品番号、必要個数、および単価等を含む。
【0009】
図1は、部品検索システムで得られるパーツリストの一例を示す図である。例示したパーツリストは、整備対象の車両に用いられる部品のリストであり、例えば、ユーザ(車両を整備する整備工場等の整備士)が使用する端末の表示部に、車両の整備対象部位に使用されている部品群のリストとして表示される。パーツリストには、少なくとも部品番号(Parts number)欄、名称(Parts Name)欄、発注数量(Unit)欄、必要数量(Unit QTY)欄、およびリンク(Link)欄が設けられている。発注数量(Unit)は、発注したい数を示し、ユーザが任意に設定可能である。必要数量(Unit QTY)は、車両1台分として必要な数量を示す。
【0010】
パーツリストのうちの少なくとも名称欄およびリンク欄は上下2行に分けられている。名称欄の上の行には、サービスマニュアルにおいて記載されている当該部品の名称が表示される。また、名称欄の下の行には、パーツカタログにおいて記載されている当該部品の名称が表示される。同様に、リンク欄の上の行には、サービスマニュアルにおいて当該部品が記載されているページ名(エリア名でもよい)が表示される。さらに、リンク欄の下の行には、パーツカタログにおいて当該部品が記載されているページ名が表示される。
また、パーツリストとともに注文(order)ボタン30が表示される。
【0011】
リンク欄に表示する各ページ名等の下線を引いたテキスト(文字情報)には、いわゆるリンクが張られており、対応するサービスマニュアルまたはパーツカタログの記載情報が格納されている場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が組み込まれている。これにより、ユーザが端末の表示部に表示されているリンク欄のページ名をタップ操作することで、サービスマニュアルまたはパーツカタログの対応するページが端末の表示部に表示される。
同様に、注文ボタン30を示す絵(イメージ情報)には、パーツリスト上で選択操作された部品の発注処理を実行するためのリンクが張られている。これにより、ユーザが端末の表示部に表示されている注文ボタンをタップ操作することで、部品検索システムが部品発注システムに対して対応する部品の発注を指示する。注文ボタンを発注ボタンと呼んでもよい。
【0012】
図1に例示したパーツリストにおいて、部品番号欄の3行目でブランクとなっている部品は、ASSY(assembly)部品であることを示す。ASSY部品は、複数の部品を組み合わせた構成部品(ユニットと呼んでもよい)である。なお、ASSY部品だけでなく、左右の設定がある部品(例えばドアミラー等)、サイズ設定がある部品(例えばクランクメタル等、ミクロン単位で数種類用意されている部品)等も、部品番号欄をブランクにしてもよい。そのため、以降の説明ではASSY部品等と記載する。
上記ブランクの下の4行目には、上記ASSY部品等の部品情報が表示される。すなわち、部品番号欄には上記ASSY部品等の部品番号が、名称欄には上記ASSY部品等の名称が、それぞれ表示される。
なお、ユーザの操作(例えば統合表示操作)により、上記3行目のブランク部分に上記4行目の情報を表示させるようにしてもよい。
以上のようなパーツリストをユーザに提供する部品検索システムについて、さらに詳細に説明する。
【0013】
<部品検索システムの構成>
図2は、部品検索システムの要部構成を示すブロック図である。部品検索システム100は、例えば1台または複数台のサーバ装置によって構成され、部品リスト作成部110と、サービスマニュアル(SM)DB(Data Base)150と、パーツカタログ(PC)DB160とを含む。サーバ装置は、例えば、車両の整備サービスを提供する事業体等で管理される。サーバ装置は、クラウド上の仮想サーバ機能を利用して構成しても、複数の端末に分散して構成してもよい。一例として、所定の管理区域毎、あるいは所定の車種毎に分散して配置してもよい。
【0014】
部品リスト作成部110は、
図1に例示したパーツリストを作成する。
サービスマニュアルDB150は、車両の点検作業方法、車両の修理作業方法、および車両の部品の交換作業方法等の作業方法を記録する。例えば、過去に行われた修理および部品交換等の作業方法が、対応する車種毎、型式毎、DTC(Diagnostic Trouble Code)毎、故障の症例毎等に分類され、解決策の候補として参照しやすくなるように記録されている。サービスマニュアルDB150は、例えば、車種別、型式別、年式別、または生産国別に分けられていてもよい。
パーツカタログDB160は、車両の部品の部品情報を記録する。パーツカタログDB160は、例えば、車種別、型式別、年式別、または生産国別に分けられていてもよい。
【0015】
部品検索システム100は、整備工場等に配備されている車両の故障診断機10およびユーザが使用する端末20と、不図示の通信網を介して互いに通信可能に構成される。通信網には、インターネット網や携帯電話網等に代表される公衆無線通信網だけでなく、所定の管理地域毎に設けられた閉鎖的な通信網、例えば無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)等も含まれる。
図2では、1台の故障診断機10および1台の端末20のみを表示しているが、故障診断機10および端末20はそれぞれ複数台が存在してもよい。端末20は、例えばタブレット型コンピュータで構成される。端末20は、部品検索システム100から提供されたパーツリストを表示する表示部21と、一例として、表示部21の表示面に設けられたタッチ操作部材としての操作部22とを含む。
【0016】
<フローチャートの説明>
図3Aおよび
図3Bは、部品検索システム100のサーバ装置で行われるパーツリスト作成処理の流れを説明するフローチャートである。部品検索システム100は、
図3Aおよび
図3Bに例示する処理を繰り返し実行する。
ステップS10において、部品検索システム100は、故障診断機10から送信されたDTCを入力し、ステップS20へ進む。ステップS20において、部品検索システム100は、サービスマニュアルDB150を参照し、DTCに対応する症例に対する解決策一覧情報を作成し、作成した解決策一覧をユーザの端末20の表示部21に表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信する。これにより、端末20の表示部21に解決策一覧が表示される。解決策一覧を、トラブルシューティング(Troubleshooting)一覧と呼んでもよい。
【0017】
図4は、ユーザの端末20の表示部21に表示された解決策一覧の一例を示す図である。同じDTCに対して過去に行われた点検作業、修理作業、交換作業の内容が複数表示されている。ユーザは、例えば、端末20の表示部21に表示された解決策一覧の中から、点検中の車両の症例と関係がありそうな事例を選択する。
【0018】
ステップS30において、部品検索システム100は、ユーザが事例を選択操作することによって端末20から送信された事例選択情報を受け付けてステップS40へ進む。
ステップS40において、部品検索システム100は、サービスマニュアルDB150を参照し、選択された事例に対応する点検部位情報を作成し、作成した点検部位情報をユーザの端末20の表示部21に表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信する。これにより、点検部位情報に基づく車両の点検部位の一覧が、端末20の表示部21に表示される。
【0019】
図5は、ユーザの端末20の表示部21に表示された点検部位表示の一例を示す図である。そのDTCに対する推定故障部位が複数表示されている。ユーザは、例えば、点検中の車両の症例と関係がありそうな点検部位を選択することが可能である。
【0020】
ステップS50において、部品検索システム100は、点検方法を表示するか否かを判定する。部品検索システム100は、ユーザの端末20から点検方法の表示を要求する信号が送信されると、ステップS50を肯定判定してステップS60へ進む。部品検索システム100は、ユーザの端末20から点検方法の表示を要求する信号が送信されない場合は、ステップS50を否定判定してステップS70へ進む。
【0021】
ステップS60において、部品検索システム100は、端末20から要求された信号に対応する点検部位の点検方法が記載されたページをサービスマニュアルDB150から読み出し、その点検方法をユーザの端末20の表示部21に表示させてステップS70へ進む。換言すると、端末20から要求された信号に対応する点検部位の点検方法が記載されたページを表示するための表示信号を、ユーザの端末20へ送信してステップS70へ進む。
【0022】
図5において、各点検部位名等の中で下線を引いたテキスト(文字情報)には、リンクが張られており、それぞれの点検部位に対応する点検方法を記載したサービスマニュアルの情報の格納場所を示すURLが組み込まれている。これにより、端末20の表示部21に表示されている任意の点検部位名をユーザがタップ操作することで、その点検部位の点検方法が記載されたサービスマニュアルのページが端末20の表示部21に表示される。
図6は、ユーザの端末20の表示部21に表示された点検方法表示の一例を示す図である。
【0023】
また、ユーザは、
図5の点検部位表示から、対象部品が車両のどこにあるかを示す構成図を表示させることも可能である。
ステップS70において、部品検索システム100は、端末20から要求された信号に対応する対象部品の位置を示す構成図が記載されたページをサービスマニュアルDB150から読み出し、その構成図(例えば広範囲表示)をユーザの端末20の表示部21に表示させてステップS80へ進む。換言すると、端末20から要求された信号に対応する対象部品の位置を示す広範囲の構成図が記載されたページを表示するための表示信号を、ユーザの端末20へ送信してステップS80へ進む。
【0024】
図5において、関連情報の中で下線を引いたテキスト(文字情報)には、リンクが張られており、それぞれの対象部品の位置を示す構成図等を記載したサービスマニュアルの情報の格納場所を示すURLが組み込まれている。これにより、例えば、端末20の表示部21に表示されている任意の対象部品名等をユーザがタップ操作することで、その部品位置を示す構成図が記載されたサービスマニュアルのページが端末20の表示部21に表示される。
【0025】
ステップS80において、部品検索システム100は、端末20から要求された信号に対応して、その部品位置を示す別の構成図(例えば細部表示)をユーザの端末20の表示部21に表示させてステップS90へ進む。換言すると、端末20から要求された信号に対応する対象部品の位置を示す細部の構成図が記載されたページを表示するための表示信号を、ユーザの端末20へ送信してステップS90へ進む。
【0026】
図7は、ユーザの端末20の表示部21に表示された構成図の一例(細部表示)を示す図である。構成図は、
図7に例示した細部表示と、
図7に例示する構成図よりも広範囲を示す広範囲表示(図示省略)とを、相互に切り換えて表示可能に構成してもよい。
【0027】
ステップS90において、部品検索システム100は、端末20から要求された信号に対応する選択部品(対象部品およびその周辺で用いられている周辺部品)の部品情報を、対象部品情報としてユーザの端末20の表示部21に表示させるとともに、選択して部品リスト作成部110に登録してステップS100へ進む。換言すると、端末20から要求された信号に対応する選択部品の部品情報を部品リスト作成部110に登録し、部品情報を記載したパーツリストを作成し、作成したパーツリストを表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信してステップS100へ進む。ステップS90の処理の詳細については、
図3Bのフローチャートを参照して後述する。
【0028】
ステップS100において、部品検索システム100は、
図3Aによる処理を終了するか否かを判定する。部品検索システム100は、処理を終了する場合にはステップS100を肯定判定し、
図3Aによる処理を終了する。部品検索システム100は、例えば、端末20から他の事例を選択する事例選択情報が送信された場合には、ステップS100を否定判定してステップS30へ戻り、上述した処理を繰り返す。
【0029】
上述したステップS90で対象部品情報を表示する処理の詳細について、
図3Bに例示するフローチャートを参照して説明する。
図3BのステップS901において、部品検索システム100は、端末20から要求された信号に対応する選択部品(対象部品およびその周辺で用いられている周辺部品)の部品情報を部品リスト作成部110に登録し、部品情報の一覧を、パーツリストとしてユーザの端末20の表示部21に表示させてステップS903へ進む。換言すると、端末20から要求された信号に対応する選択部品の部品情報を、パーツカタログDB160を参照してそれぞれ取得し、部品リスト作成部110に登録し、部品情報を記載したパーツリストを作成し、作成したパーツリストを表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信してステップS903へ進む。
図8は、ユーザの端末20の表示部21に表示されたパーツリストを例示する図である。パーツリストは、部品リスト作成部110が、各選択部品の部品情報をパーツカタログDB160からそれぞれ読み出して作成する。部品リスト作成部110は、ステップS901においてパーツリストを作成する際、ASSY部品等については部品番号をブランクとする。
【0030】
ステップS903において、部品検索システム100は、ASSY部品等の情報が必要か否かを判定する。部品検索システム100は、例えば、ユーザの端末20の表示部21に表示されているパーツリスト(
図8)の表示画面で、部品番号がブランクにされている部品のリンク欄に表示されているパーツカタログのページ名がタップ操作されたことを示す信号(換言すると、ASSY部品等の情報を要求する信号)がユーザの端末20から送信されると、ステップS903を肯定判定してステップS905へ進む。部品検索システム100は、ASSY部品等の情報を要求する信号がユーザの端末20から送信されない場合は、ステップS903を否定判定してステップS909へ進む。
【0031】
ステップS905において、部品検索システム100は、対応部品のパーツカタログをユーザの端末20の表示部21に表示させてステップS907へ進む。より詳しくは、上記タップ操作されたページ名のテキストに組み込まれたURLに格納されている、ASSY部品等に関するパーツカタログの記載ページを表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信してステップS907へ進む。
図9は、ユーザの端末20の表示部21に表示されたパーツカタログ表示の一例を示す図である。
【0032】
ステップS907において、部品検索システム100は、例えば、ユーザの端末20の表示部21に表示されているパーツカタログ(
図9)の表示画面で、ASSY部品等にチェックが付されたことを示す信号(換言すると、ASSY部品等の情報の登録とパーツリストの再表示を要求する信号)がユーザの端末20から送信されると、ASSY部品等の情報を部品リスト作成部110に登録し、
図8に例示したパーツリストにASSY部品等の部品情報を加えたパーツリスト(
図1)をユーザの端末20の表示部21に再表示させてステップS909へ進む。再表示についてより詳しく説明すると、ステップS901で作成したパーツリスト(
図8)に対し、部品番号欄がブランクであるASSY部品等の部品情報を加えたパーツリストを再作成し、再作成したパーツリストを表示するための表示信号をユーザの端末20へ送信する。ステップS907の登録は、部品番号欄がブランクであるASSY部品等の部品情報を部品リスト作成部110に加えることから、追加登録と呼んでもよい。また、ステップS907では、ステップS901において表示したパーツリスト(
図8)にASSY部品等の部品情報を加えることからパーツリストの再作成と呼び、再作成後のパーツリストを表示することから再表示と呼ぶ。
【0033】
ステップS909において、部品検索システム100は、部品の発注処理が必要か否かを判定する。部品検索システム100は、例えば、ユーザの端末20の表示部21に表示されているパーツリスト(
図1または
図8)の表示画面で、注文ボタン30を示す絵がタップ操作されたことを示す信号(換言すると、部品の発注処理を要求する信号)がユーザの端末20から送信されると、ステップS909を肯定判定してステップS90Bへ進む。部品検索システム100は、部品の発注処理を要求する信号がユーザの端末20から送信されない場合は、ステップS909を否定判定してステップS90Dへ進む。
【0034】
ステップS90Bにおいて、部品検索システム100は、不図示の部品発注システムに対し、パーツリストにおいてチェックが付された部品の発注を指示してステップS90Dへ進む。
【0035】
ステップS90Dにおいて、部品検索システム100は、
図3Bによる処理を繰り返すか否かを判定する。部品検索システム100は、例えば、端末20からパーツリスト表示を継続させる指示が送信される場合には、ステップS90Dを肯定判定してステップS901へ戻る。部品検索システム100は、端末20からパーツリスト表示を継続させる指示が送信されない場合には、ステップS90Dを否定判定して
図3Bによる処理を終了し、上述した
図3AのフローチャートのステップS100へ進む。
【0036】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏する。
(1)部品検索システム100は、点検作業方法、修理作業方法、および交換作業方法を記録したサービスマニュアル情報を保存するサービスマニュアルDB150と、部品の部品情報を記録したパーツカタログ情報を保存するパーツカタログDB160と、パーツカタログDB160から読み出された所定部品の部品情報のリストとしてのパーツリストを作成する部品リスト作成部110と、を含む。部品リスト作成部110は、サービスマニュアル情報に記録された作業方法に記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたパーツリスト(
図8)を作成し、パーツリストをユーザの端末20の表示部21に表示させるリスト表示信号を出力する。
このように構成したので、ユーザは、サービスマニュアルの作業方法に記載される部品の選択操作を行うだけで、当該部品の部品情報を端末20の表示部21を介して得ることが可能になる。つまり、表示部21に表示されたパーツリストの部品情報から当該部品の部品番号等を特定することが可能になるため、ユーザが当該部品の部品情報をパーツカタログで調べる必要がない。
【0037】
(2)上記(1)の部品検索システム100において、部品リスト作成部110は、パーツリストに載る部品の発注処理を指示するための操作ボタンとしての注文ボタン30を表示させる発注ボタン表示信号をリスト表示信号に含める。
このように構成したので、サービスマニュアルから特定した部品の発注操作を容易にすることが可能になる。
【0038】
(3)上記(1)の部品検索システム100において、部品情報は、少なくとも部品の名称、部品番号、および必要個数を含み、部品リスト作成部110は、部品選択信号に対応する部品の中に複数の部品で構成される組み立て部品としてのASSY部品等が含まれる場合、そのASSY部品等については部品番号を空欄にしたパーツリスト(
図8)を作成する。
このように構成したので、ユーザは、パーツリスト中にASSY部品等が含まれることを容易に認識することが可能になる。なお、部品情報に部品の単価を含めてもよい。
【0039】
(4)上記(1)の部品検索システム100において、部品リスト作成部110は、パーツリストに載る部品の交換作業方法を表示するサービスマニュアル情報のページを示すテキスト情報に、例えばリンクを張ることによって、当該ページを表示部21に表示させるためのURL情報をリスト表示信号に含める。
このように構成したので、ユーザは、パーツリスト中の部品に関する作業方法の再確認を容易に行うことが可能になる。
【0040】
(5)上記(1)の部品検索システム100において、部品リスト作成部110は、部品選択信号に対応する部品および周辺部品の部品情報を表示するパーツカタログ情報のページを示すテキスト情報に、例えばリンクを張ることによって、当該ページを表示部21に表示させるためのURL情報をリスト表示信号に含める。
このように構成したので、ユーザは、パーツリスト中の部品に関するパーツカタログ情報の再確認を容易に行うことが可能になる。
【0041】
(6)上記(1)の部品検索システム100において、部品リスト作成部110は、パーツカタログに記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたパーツリスト(
図1)を表示部21に表示させるリスト表示信号を出力する。
このように構成したので、ユーザは、パーツカタログ情報の中の部品に関するパーツリストの再確認を容易に行うことが可能になる。
【0042】
(7)上記(6)の部品検索システム100において、部品情報は、少なくとも部品の名称、部品番号、および必要個数を含み、部品リスト作成部110は、部品選択信号に対応する部品の中に複数の部品で構成されるASSY部品等が含まれる場合、そのASSY部品等については部品の名称としてASSY部品等であることを示したパーツリスト(
図1)を作成する。
このように構成したので、ユーザは、パーツカタログ情報の中のASSY部品等に関する部品情報を含むパーツリストの再作成を容易に行わせることが可能になる。
【0043】
(8)上記(1)の部品検索システム100において、部品は車両の部品であって、サービスマニュアルDB150は、故障診断機10から故障コードとしてのDTCを受けると、そのDTCに対応する作業方法(
図4、
図5、
図6)を表示部21に表示させる作業方法表示信号を出力するとともに、作業方法を選択する選択信号を受けると、その選択信号に対応する車両の構造図(
図7)を表示部21に表示させる構造図表示信号を出力し、部品リスト作成部110は、構造図に記載されている部品を選択する部品選択信号を受けると、部品選択信号に対応する部品の部品情報を載せたパーツリスト(
図8)を表示部21に表示させるリスト表示信号を出力する。
このように構成したので、ユーザは、故障診断機10からDTCを送るだけでサービスマニュアル情報を端末20の表示部21を介して得ることが可能になる。また、端末20から作業方法を選択操作するだけで対応する車両の構造図を端末20の表示部21を介して得ることが可能になる。さらにまた、構造図に記載される部品の選択操作を行うだけで、当該部品の部品情報を載せたパーツリストを端末20の表示部21を介して得ることが可能になる。このように、表示部21に表示されたパーツリストの部品情報から当該部品の部品番号等を特定することが可能になるため、ユーザは、当該部品の部品情報をパーツカタログで調べることなく、短時間で得ることができる。
【0044】
上記実施の形態は、種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。
(変形例1)
上述した実施の形態では、DTCが故障診断機10を介して部品検索システム100へ送信される例を示したが、車両から無線通信により不図示の通信網にアクセスし、車両に搭載されている診断装置から部品検索システム100へ直接DTCを送信するように構成してもよい。
【0045】
(変形例2)
上述した実施の形態では、故障診断機10および端末20がそれぞれ通信網を介して部品検索システム100と通信を行う例を示したが、故障診断機10および端末20間をデータ通信可能に接続し、故障診断機10および端末20のうちの一方のみを部品検索システム100との間で通信させるように構成してもよい。
【0046】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施の形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施の形態と変形例の一つあるいは複数を任意に組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 故障診断機、20 端末、21 表示部、 22 操作部、30 注文ボタン、100 部品検索システム、110 部品リスト作成部、150 サービスマニュアルDB、160 パーツカタログDB