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特開2024-127232エレベーター装置及び案内音声調整方法
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  • 特開-エレベーター装置及び案内音声調整方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127232
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】エレベーター装置及び案内音声調整方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B66B3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036239
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高星 知和
(72)【発明者】
【氏名】峰尾 智昭
(72)【発明者】
【氏名】松本 恵治
(72)【発明者】
【氏名】高木 豊和
(72)【発明者】
【氏名】出野 正樹
(72)【発明者】
【氏名】大沢 卓也
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303BA01
3F303DB01
3F303DB27
3F303DC23
3F303DC34
3F303EA01
(57)【要約】
【課題】案内音声の乗かご毎の調整を効率化すること。
【解決手段】エレベーターの乗かごに設けられるエレベーター装置であって、乗客に案内音声を出力するスピーカーと接続するスピーカー出力機能部と、前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクに接続するマイク入出力機能部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記スピーカー出力機能部を介して前記スピーカーから試験用音声を出力し、前記非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を前記マイク入出力機能部から取得し、前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの乗かごに設けられるエレベーター装置であって、
乗客に案内音声を出力するスピーカーと接続するスピーカー出力機能部と、
前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクに接続するマイク入出力機能部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記スピーカー出力機能部を介して前記スピーカーから試験用音声を出力し、
前記非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を前記マイク入出力機能部から取得し、
前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整する
ことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベーター装置であって、
前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報と前記試験用音声とを用いて前記非常用インターホンマイクによる集音結果を予測した予測データを生成し、
前記制御部は、前記予測データと前記非常用インターホンマイクによる実際の集音結果である集音結果データとを比較して、前記案内音声の調整の要否を判定することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエレベーター装置であって、
前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報は、前記乗かごの大きさと前記スピーカーの位置とを少なくとも含むことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項4】
請求項2に記載のエレベーター装置であって、
前記制御部は、前記予測データと前記集音結果データとの比較を音量及び/又は音階について行うことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項5】
請求項1に記載のエレベーター装置であって、
前記制御部は、前記案内音声の調整結果を保守項目の一部として出力することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項6】
請求項1に記載のエレベーター装置であって、
前記制御部は、前記案内音声に対して適用する補正データを変更することで前記案内音声を調整することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項7】
請求項1に記載のエレベーター装置であって、
前記制御部は、案内の内容が同一である複数の音声データから使用する音声データを選択することで前記案内音声を調整することを特徴とするエレベーター装置。
【請求項8】
請求項1に記載のエレベーター装置であって、
前記制御部は、前記エレベーターが非稼働状態又は保守状態であることを条件に前記試験用音声の出力を行うことを特徴とするエレベーター装置。
【請求項9】
エレベーターの乗かごに設けられたエレベーター装置が、
乗客に案内音声を出力するスピーカーから試験用音声を出力するステップと、
前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を取得するステップと、
前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整するステップと
を含むことを特徴とする案内音声調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター装置及び案内音声調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターの乗かご内に出力する音声を調整するため、特開2022-158175号公報(特許文献1)に記載の技術がある。この公報には、「かご内で流れる音声案内や音楽を適切に調整できるエレベーターの放送調整装置を提供する。」「本発明は、かごの昇降距離及びかごの速度の少なくとも一方に応じて、かご内における放送音を変化させる音調整部を備える。例えば、音調整部は、前記かごの昇降距離及びかごの速度の少なくとも一方に応じて、前記かご内における放送音の大きさ、放送音の周波数、音声案内の速度、及び、放送内容の少なくとも一つを変化させる。」という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-158175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、エレベーターの動作状態に応じて音声等を調整することができる。しかしながら、元々の音声等が適切であるかについては考慮されていない。エレベーターの乗かごは、大きさが多様である。また、乗かごの大きさが同じでも、スピーカーの取り付け位置が異なる場合がある。このため、同一の音声データをスピーカーから出力したとしても、乗客にとって適切な音声出力となるとは限らない。そこで、従来は、保守員が乗かご毎に音声の調整を行っていた。保守員が現地で音声を確認し、個別に修正するのは、多大な作業負担である。
【0005】
そこで、本発明では、案内音声の乗かご毎の調整を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、代表的な本発明のエレベーター装置の一つは、エレベーターの乗かごに設けられるエレベーター装置であって、乗客に案内音声を出力するスピーカーと接続するスピーカー出力機能部と、前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクに接続するマイク入出力機能部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記スピーカー出力機能部を介して前記スピーカーから試験用音声を出力し、前記非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を前記マイク入出力機能部から取得し、前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整することを特徴とする。
また、代表的な本発明の案内音声調整方法の一つは、エレベーターの乗かごに設けられたエレベーター装置が、乗客に案内音声を出力するスピーカーから試験用音声を出力するステップと、前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を取得するステップと、前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、案内音声の乗かご毎の調整を効率化できる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】装置の配置の説明図
図2】案内音声の調整の説明図
図3】かご内制御装置の構成図
図4】かご内制御部の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例0010】
図1は、実施例1に係る装置の配置の説明図である。
図1では、エレベーターの乗かご内の操作パネルに、非常用のインターホンマイク30が設けられている。また、スピーカー40とかご内制御装置20とが、乗かごの天井部に設けられている。スピーカー40とかご内制御装置20の配置は、乗かご毎に適宜決定されるものである。
【0011】
かご内制御装置20は、請求の範囲のエレベーター装置に対応する装置である。かご内制御装置20は、スピーカー40から乗かごの乗員に対して案内音声を出力する。案内音声は、「3階です」等の現在の階床を伝える内容や、停止階を伝える内容、重量超過を伝える内容など任意の内容とすることができる。
また、かご内制御装置20は、非常通話ボタンが操作された場合に、インターホンマイク30による外部との通話を確立する。
【0012】
インターホンマイク30による外部との通話は、非常時に備えるものである。このため、運用中には、インターホンマイク30を他の用途に用いるべきではない。一方で、エレベーターのメンテナンスを行っている間や、稼働時間外等であれば、インターホンマイク30を用いた非常通話の必要が無いため、他用途に用いることができる。そこで、かご内制御装置20は、インターホンマイク30を案内音声の調整に利用している。
【0013】
図2は、かご内制御装置20による案内音声の調整の説明図である。この調整は、例えばエレベーターの据え付け時や、定期メンテナンス時に行う。まず、かご内制御装置20は、スピーカー40に試験用音声を再生させる(1)。そして、インターホンマイク30をオンにする(2)。かご内制御装置20はインターホンマイク30が集音した試験用音声を傍受し、乗かご内の音量を自動調整する(3)。
【0014】
図3は、かご内制御装置20の構成図である。かご内制御装置20は、エレベーター制御装置10は、スピーカー40、インターホンマイク30及びエレベーター制御装置10と接続する。
【0015】
エレベーター制御装置10は、建物内に設置された1又は複数の乗かごの動作状態を統合して管理する装置である。エレベーター制御装置10は、乗り場からの呼びを受け付けた場合に、建物内の各乗かごの動作状態を参照し、いずれかの乗かごに呼びを割り当てる。エレベーター制御装置10は、呼びを割り当てた乗かごのかご内制御装置20に対して、呼び元の階を出発階として通知する。また、かご内制御装置20から目的階や現在位置の通知を受けて当該乗かごの動作状態を更新する。この他、エレベーター制御装置10は、乗かごの動作や保守に関する各種データをかご内制御装置20と送受信することができる。
【0016】
かご内制御装置20は、その内部に、エレベーター制御通信機能21、かご内制御部22、かご情報保存メモリ23、音データ保存メモリ24、スピーカー出力機能25、マイク入力機能26及びマイク出力機能27を有する。
【0017】
エレベーター制御通信機能21は、エレベーター制御装置10と通信接続する機能部である。エレベーター制御通信機能21は、エレベーター制御装置10から受信した各種データをかご内制御部22に出力する。また、エレベーター制御通信機能21は、かご内制御部22から受け付けた各種データをエレベーター制御装置10に送信する。
【0018】
かご情報保存メモリ23は、乗かご及びスピーカー40に関する各種データを記憶する記憶部である。乗かご及びスピーカー40に関する各種データには、乗かごの大きさ、形状、スピーカー40の設置位置、スピーカー40の機種、スピーカー40の特性、インターホンマイク30の設置位置、インターホンマイク30の機種、インターホンマイク30の特性などを含むことができる。これらのデータは、予めエレベーター制御装置10から受信し、格納しておく。
【0019】
音データ保存メモリ24は、案内音声の音声データ、案内音声の補正データ、試験用音声データを保持する。案内音声の音声データは、例えば「1階です。」「2階です。」などの階床を告げる音声や、到着を示す音、重量オーバーを示す音など、案内の内容ごとに予め用意し、格納する。また、案内の内容が同一で音量や音階が異なる音声データを複数用意してもよい。
【0020】
スピーカー出力機能25は、乗客に案内音声を出力するスピーカー40と接続する機能部である。マイク入力機能26及びマイク出力機能27は、乗かご内に設置された非常用のインターホンマイク30に接続するマイク入出力機能部である。マイク入力機能26は、インターホンマイク30が集音した音声の入力を受け付け、かご内制御部22に出力する。マイク出力機能27は、インターホンマイク30に対して音声を出力する。
【0021】
かご内制御部22は、乗かごの制御を行う。かご内制御部22は、エレベーター制御装置10から出発階の通知を受けた場合に、乗かごを出発階に移動させ、出発階で扉を開く。その後、目的階の指定を受け付けたならば、かご内制御部22は、目的階に移動し、扉を開く。また、かご内制御部22は、目的階、現在位置、重量などのデータを適宜エレベーター制御装置10に送信する。
【0022】
かご内制御部22は、目的階への到着時や、最大積載量を超えたときなど、適宜案内音声を出力する。案内音声は、音データ保存メモリ24に予め格納した音声データを選択して読み出し、スピーカー出力機能25を介してスピーカー40に再生させる。このとき、かご内制御部22は、音声データをそのまま再生させるのではなく、補正データの適用名などにより、音量や音階を変更できる。
【0023】
また、かご内制御部22は、非常通話ボタンが操作された場合に、インターホンマイク30による外部との通話を確立する。外部との通話は、図示しない電話回線網などを用いて行えばよい。インターホンマイク30による集音結果は、マイク入力機能26を介して取得する。インターホンマイク30からの音声出力は、マイク出力機能27を介して行う。
【0024】
さらに、かご内制御部22は、案内音声の調整が可能である。具体的には、かご内制御部22は、スピーカー出力機能25を介してスピーカー40から試験用音声を出力する。そして、インターホンマイク30による試験用音声の集音結果をマイク入力機能26から取得し、インターホンマイク30による集音結果に基づいて案内音声を調整する。
【0025】
より詳細には、かご内制御部22は、かご情報保存メモリ23に格納された乗かご及びスピーカー40に関する情報と音データ保存メモリ24に格納された試験用音声とを用いてインターホンマイク30による集音結果を予測した予測データを生成する。
かご内制御部22は、予測データとインターホンマイク30による実際の集音結果である集音結果データとを比較して、案内音声の調整の要否を判定する。予測データと集音結果データとの比較は、音量と音階の双方について行うことが好適であるが、一方であってもよい。また、他のパラメータを用いることができる。
【0026】
かご内制御部22は、予測データと集音結果データと差が所定範囲外であれば、案内音声の調整が必要であると判定する。案内音声の調整は、例えば音量設定や、音声データに適用する補正データの変更によって行う。また、案内の内容が同一である複数の音声データから使用する音声データを選択することで案内音声を調整してもよい。
かご内制御部22は、調整後の案内音声をスピーカー40に再生させ、インターホンマイク30による実際の集音結果である集音結果データと予測データとを比較する。この繰り返しにより、予測データと集音結果データと差が所定範囲内となったならば、かご内制御部22は、案内音声の調整が不要であると判定し、調整を終了する。
【0027】
案内音声の調整は、インターホンマイク30の集音結果を傍受して利用するため、エレベーターが非稼働状態又は保守状態であることを条件に行う。したがって、エレベーターの運用中には、非常用に備えられているインターホンマイク30を、他の用途に用いることはない。
【0028】
かご内制御部22は、案内音声の調整結果をエレベーターの保守項目の一部として出力する。この出力は、エレベーター制御装置10を介して行うことも可能である。保守員は、個別の乗かごについて現地で作業することなく、案内音声の保守を行うことができ、作業負担が軽減される。なお、他の保守項目は、例えば乗かごの床と乗り場の床の段差、乗かごの速度など、任意の項目を用いることができる。
【0029】
図4は、かご内制御部22の処理手順を示すフローチャートである。かご内制御部22は、案内音声の調整において、次のステップS101~S113を順次実行する。
【0030】
ステップS101 かご内制御部22は、エレベーター制御装置10から音声自動調整開始の指示を受信する。その後、ステップS102に進む。
ステップS102 かご内制御部22は、エレベーター制御装置からかご情報(かご大きさ、スピーカーの位置等)を取得する。その後、ステップS103に進む。
【0031】
ステップS103 かご内制御部22は、音データ保存メモリ24から試験用音声データを取得する。その後、ステップS104に進む。
ステップS104 かご内制御部22は、かご情報の大きさ、スピーカーの位置、試験用音声データから音声判定値(音階、音の大きさ)を算出する。その後、ステップS105に進む。
【0032】
ステップS105 かご内制御部22は、算出した音声判定値(音階、音の大きさ)をかご情報保存メモリ23に記録する。ここで算出した音声判定値が、インターホンマイク30による集音結果を予測した予測データである。その後、ステップS106に進む。
ステップS106 かご内制御部22は、音データ保存メモリ24内の試験用音声データをスピーカー40から再生させる。このとき、音データ保存メモリ24内に補正データが存在すれば、補正データによる補正を適用した上で試験用音声データを再生する。その後、ステップS107に進む。
【0033】
ステップS107 かご内制御部22は、インターホンマイク30を介してマイク入力機能26にて試験用音声を取得する。その後、ステップS108に進む。
ステップS108 かご内制御部22は、取得した試験音声より取得音声の判定値(音階、音の大きさ)を算出する。ここで算出した判定値が、インターホンマイク30が実際に集音した集音結果データに対応する。その後、ステップS109に進む。
【0034】
ステップS109 かご内制御部22は、集音結果データと予測データの判定値を比較する。予測データと集音結果データと差が所定範囲外であれば、かご内制御部22は、調整が必要であると判定し、ステップS110に進む。予測データと集音結果データと差が所定範囲外であれば、かご内制御部22は、調整が不要であると判定し、ステップS112に進む。
【0035】
ステップS110 かご内制御部22は、予測データと集音結果データの比較結果から音階、音の大きさの差分情報を算出する。その後、ステップS111に進む。
ステップS111 かご内制御部22は、差分情報から音データ保存メモリ内の補正データを修正する。その後、ステップS106に戻る。以降、案内音声の音声データや試験用音声データの再生時には、修正された補正データを適用する。
【0036】
ステップS112 かご内制御部22は、エレベーター制御装置10に音声自動調整完了を通知する。その後、ステップS113に進む。
ステップS113 かご内制御部22は、音声の修正結果を含め保守作業記録を出力する。
【0037】
上述してきたように、実施例に開示したかご内制御装置20は、エレベーターの乗かごに設けられるエレベーター装置であって、乗客に案内音声を出力するスピーカーと接続するスピーカー出力機能部と、前記乗かご内に設置された非常用インターホンマイクに接続するマイク入出力機能部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記スピーカー出力機能部を介して前記スピーカーから試験用音声を出力し、前記非常用インターホンマイクによる前記試験用音声の集音結果を前記マイク入出力機能部から取得し、前記非常用インターホンマイクによる集音結果に基づいて前記案内音声を調整することを特徴とする。
この構成及び動作によれば、非常用インターホンマイクを利用して、案内音声の乗かご毎の調整を効率化できる。
【0038】
また、開示のエレベーター装置は、前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報と前記試験用音声とを用いて前記非常用インターホンマイクによる集音結果を予測した予測データを生成し、前記制御部は、前記予測データと前記非常用インターホンマイクによる実際の集音結果である集音結果データとを比較して、前記案内音声の調整の要否を判定する。
また、前記乗かご及び前記スピーカーに関する情報は、前記乗かごの大きさと前記スピーカーの位置とを少なくとも含む。
このため、乗かごやスピーカーの特性に適応させて案内音声を効率よく調整できる。
【0039】
前記制御部は、前記予測データと前記集音結果データとの比較を音量及び/又は音階について行う。
このため、乗かごに合わせた大きさや音階に調整し、聞き取りやすい案内音声を出力する。
【0040】
また、前記制御部は、前記案内音声の調整結果を保守項目の一部として出力することを特徴とする。
このため、保守の一環として案内音声を調整し、保守員の作業負担を軽減できる。
【0041】
また、前記制御部は、前記案内音声に対して適用する補正データを変更することで前記案内音声を調整する。
もしくは、前記制御部は、案内の内容が同一である複数の音声データから使用する音声データを選択する。
このため、案内音声を簡易に調整することができる。
【0042】
また、前記制御部は、前記エレベーターが非稼働状態又は保守状態であることを条件に前記試験用音声の出力を行う。
このため、運用時における非常用インターホンマイクの動作を阻害することなく、案内音声を調整できる。
【0043】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、かかる構成の削除に限らず、構成の置き換えや追加も可能である。
【符号の説明】
【0044】
10:エレベーター制御装置、20:かご内制御装置、21:かご内制御通信機能、22:かご内制御部、23:かご情報保存メモリ、24:音データ保存メモリ、25:スピーカー出力機能、26:マイク入力機能、27:マイク出力機能、30:インターホンマイク、40:スピーカー
図1
図2
図3
図4