(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127270
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】液体加熱装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/20 20220101AFI20240912BHJP
B60H 1/22 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F24H1/20 F
B60H1/22 611C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036304
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100187045
【弁理士】
【氏名又は名称】梅澤 奈菜
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】荒木 大助
(72)【発明者】
【氏名】辻 輝明
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 竜
(72)【発明者】
【氏名】井田 博之
(72)【発明者】
【氏名】石野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】畠山 淳
【テーマコード(参考)】
3L122
3L211
【Fターム(参考)】
3L122AA03
3L122AA33
3L122AB30
3L122AB66
3L122DA01
3L122EA01
3L211DA43
3L211DA50
(57)【要約】
【課題】本開示は、異なる温度の液状熱媒体を供給できる液体加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る液体加熱装置1は、液状熱媒体が流れるタンク2と、液状熱媒体を加熱するヒータ3と、を備える液体加熱装置において、タンクは、第1室2Aと第2室2Bとを有し、第1室は、第1流路10と、第1流路入口11と、第1流路出口12と、を有し、第2室は、第2流路20と、第2流路入口21と、第2流路出口22と、を有し、第2流路は、筒状の第2側壁24と、第2側壁の両端部をそれぞれ塞ぐ一対の第2端壁25(25a,25b)と、を有し、ヒータは、第2流路内に配置され、第2流路出口は、第2流路入口よりも第2流路の下流側に設けられ、第1流路は、第2側壁に隣接し、かつ、第1流路と第2流路とを隔てる第2側壁は、熱交換壁である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状熱媒体が流れるタンク(2)と、
前記液状熱媒体を加熱するヒータ(3)と、を備える液体加熱装置(1)において、
前記タンク(2)は、第1室(2A)と、該第1室(2A)と区画された第2室(2B)と、を有し、
前記第1室(2A)は、第1流路(10)と、第1流路入口(11)と、第1流路出口(12)と、を有し、
前記第2室(2B)は、第2流路(20)と、第2流路入口(21)と、第2流路出口(22)と、を有し、
前記第2流路(20)は、筒状の第2側壁(24)と、該第2側壁(24)の両端部をそれぞれ塞ぐ一対の第2端壁(25a,25b)と、を有し、
前記ヒータ(3)は、前記第2流路(20)内に配置され、
前記第2流路出口(22)は、前記第2流路入口(21)よりも前記第2流路(20)の下流側に設けられ、
前記第1流路(10)は、前記第2側壁(24)に隣接し、かつ、該第1流路(10)と前記第2流路(20)とを隔てる前記第2側壁(24)は、熱交換壁であることを特徴とする液体加熱装置。
【請求項2】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第2側壁(24)の周方向の一部分は、前記電装室(30)に隣接し、
前記第1流路(10)は、前記第2側壁(24)の周方向のうち前記電装室(30)に隣接していない部分に隣接するとともに、前記第2流路(20)の流れ方向の一部分に隣接し、
前記第2流路入口(21)は、前記第2側壁(24)のうち前記第1流路(10)が隣接していない部分に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体加熱装置。
【請求項3】
前記第2流路入口(21)は、第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液体加熱装置。
【請求項4】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第1流路(10)は、前記電装室(30)に隣接するとともに、前記第2側壁(24)の周方向のうち一部分と隣接し、
前記第2流路入口(21)は、前記第2側壁(24)のうち前記第1流路(10)が隣接していない部分に設けられることを特徴とする請求項1に記載の液体加熱装置。
【請求項5】
前記第2流路入口(21)は、前記第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の液体加熱装置。
【請求項6】
前記電子回路基板(31)は、前記第1流路(10)と前記電装室(30)とを区画する区画壁(33a)に熱的に結合し、該区画壁(33a)は熱交換壁であることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体加熱装置。
【請求項7】
前記第1流路(10)は、前記第2側壁(24)を取り囲んでおり、前記第1流路(10)と前記第2流路(20)とが2重筒構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の液体加熱装置。
【請求項8】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第2流路入口(21)は、前記第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液体加熱装置。
【請求項9】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第2流路入口(21)は、前記第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液体加熱装置。
【請求項10】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
該電子回路基板(31)は、前記第1流路(10)と前記電装室(30)とを区画する区画壁(33a)に熱的に結合し、該区画壁(33a)は熱交換壁であることを特徴とする請求項7~9のいずれか一つに記載の液体加熱装置。
【請求項11】
前記第2側壁(24)は、筒状の内壁(24a)と該内壁(24a)の外側に設けられた筒状の外壁(24b)とを有し、
前記第1流路(10)は、前記内壁(24a)内の空間であり、前記第1流路(10)と前記第2流路(20)とが2重筒構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の液体加熱装置。
【請求項12】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第2流路入口(21)は、前記第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液体加熱装置。
【請求項13】
前記液体加熱装置(1)は、少なくとも電子回路基板(31)を収容する電装室(30)を更に備え、
前記第2流路入口(21)は、前記第1流路入口(11)と比較して前記電装室(30)から遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液体加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液状熱媒体として温水が流通するタンク内に電熱式ヒータが収容された液体加熱装置が開示されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。特許文献1,2の液体加熱装置は、車両用空調装置に適用されて、暖房運転を実行するために熱媒体として温水を加熱する装置であり、温水が流入口からタンク内へ供給されて加熱され、加熱された温水が一つの流出口から流出される。
【0003】
走行用エンジンの冷却水の循環ループに2つのヒーターコア(放熱用熱交換器)が接続された車両用空調装置が開示されている(例えば、特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-31069号公報
【特許文献2】特開2017-211093号公報
【特許文献3】特開平7-25219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3のように複数の放熱用熱交換器に液状熱媒体を供給するにあたり、各放熱用熱交換器で相互に異なる温度の液状熱媒体を要求される場合がある。しかし、特許文献1,2に開示されたような従来の液体加熱装置では、複数の放熱用熱交換器に供給される液状熱媒体の温度は相互に同じであり、前記の要求に応えられなかった。
【0006】
本開示は、異なる温度の液状熱媒体を供給できる液体加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る液体加熱装置は、液状熱媒体が流れるタンクと、前記液状熱媒体を加熱するヒータと、を備える液体加熱装置において、前記タンクは、第1室と、該第1室と区画された第2室と、を有し、前記第1室は、第1流路と、第1流路入口と、第1流路出口と、を有し、前記第2室は、第2流路と、第2流路入口と、第2流路出口と、を有し、前記第2流路は、筒状の第2側壁と、該第2側壁の両端部をそれぞれ塞ぐ一対の第2端壁と、を有し、前記ヒータは、前記第2流路内に配置され、前記第2流路出口は、前記第2流路入口よりも前記第2流路の下流側に設けられ、前記第1流路は、前記第2側壁に隣接し、かつ、該第1流路と前記第2流路とを隔てる前記第2側壁は、熱交換壁であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第2側壁の周方向の一部分は、前記電装室に隣接し、前記第1流路は、前記第2側壁の周方向のうち前記電装室に隣接していない部分に隣接するとともに、前記第2流路の流れ方向の一部分に隣接し、前記第2流路入口は、前記第2側壁のうち前記第1流路が隣接していない部分に設けられることが好ましい。第1流路が第2側壁の周方向及び流れ方向の一部分に隣接することによって装置を小型化及び軽量化することができる。第2流路入口が第2側壁のうち第1流路が隣接していない部分に設けられることによって成型加工を容易に行うことができる。
【0009】
本発明に係る液体加熱装置では、前記第2流路入口は、第1流路入口と比較して前記電装室に近い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【0010】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第1流路は、前記電装室に隣接するとともに、前記第2側壁の周方向のうち一部分と隣接し、前記第2流路入口は、前記第2側壁のうち前記第1流路が隣接していない部分に設けられることが好ましい。第1流路が第2側壁の周方向の一部分に隣接することによって装置を小型化及び軽量化することができる。第2流路入口が第2側壁のうち第1流路が隣接していない部分に設けられることによって成型加工を容易に行うことができる。
【0011】
本発明に係る液体加熱装置では、前記第2流路入口は、第1流路入口と比較して前記電装室から遠い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【0012】
本発明に係る液体加熱装置では、前記電子回路基板は、前記第1流路と前記電装室とを区画する区画壁に熱的に結合し、該区画壁は熱交換壁であることが好ましい。電子回路基板の放熱を促進し、熱環境を改善することができる。
【0013】
本発明に係る液体加熱装置では、前記第1流路は、前記第2側壁を取り囲んでおり、前記第1流路と前記第2流路とが2重筒構造をなしていることが好ましい。第2流路で加熱された液状熱媒体の熱損失を最小化しつつ第1流路を流れる液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
【0014】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第2流路入口は、第1流路入口と比較して前記電装室に近い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【0015】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第2流路入口は、前記第1流路入口と比較して前記電装室から遠い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【0016】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、該電子回路基板は、前記第1流路と前記電装室とを区画する区画壁に熱的に結合し、該区画壁は熱交換壁であることが好ましい。電子回路基板の放熱を促進し、熱環境を改善することができる。
【0017】
本発明に係る液体加熱装置では、前記第2側壁は、筒状の内壁と該内壁の外側に設けられた筒状の外壁とを有し、前記第1流路は、前記内壁内の空間であり、前記第1流路と前記第2流路とが2重筒構造をなしていることが好ましい。第1流路を流れる液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
【0018】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第2流路入口は、前記第1流路入口と比較して前記電装室に近い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の内壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【0019】
本発明に係る液体加熱装置は、少なくとも電子回路基板を収容する電装室を更に備え、前記第2流路入口は、前記第1流路入口と比較して前記電装室から遠い位置に配置されていることが好ましい。第2側壁の内壁の周方向を基準として、第1流路における液状熱媒体の流れ方向と第2流路における液状熱媒体の流れ方向とを相互に逆方向とすることができる。その結果、熱交換量をより大きくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、異なる温度の液状熱媒体を供給できる液体加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態に係る液体加熱装置の第一例を示す平面概略図である。
【
図4】本実施形態に係る液体加熱装置の第二例を示す平面概略図である。
【
図7】本実施形態に係る液体加熱装置の第三例を示す平面概略図である。
【
図10】本実施形態に係る液体加熱装置の第四例を示す平面概略図である。
【
図13】本実施形態に係る液体加熱装置の変形例を示す平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
【0023】
本実施形態に係る液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、
図1~
図3に示す第一例の液体加熱装置1A、
図4~
図6に示す第二例の液体加熱装置1B、
図7~
図9に示す第三例の液体加熱装置1C、及び
図10~
図12に示す第四例の液体加熱装置1Dを包含する。液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、液状熱媒体を加熱する装置であり、例えば、車両用空調装置に適用される。液状熱媒体は、常温で液体の熱媒体であり、例えば、水又はクーラントである。
【0024】
まず、代表して
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る第一例~第四例の液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)に共通する全体構成について説明する。本実施形態に係る液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、
図1~
図3に示すように、液状熱媒体が流れるタンク2と、液状熱媒体を加熱するヒータ3(
図2、
図3に図示)と、を備える液体加熱装置において、タンク2は、第1室2Aと、第1室2Aと区画された第2室2Bと、を有し、第1室2Aは、第1流路10と、第1流路入口11と、第1流路出口12と、を有し、第2室2Bは、第2流路20と、第2流路入口21と、第2流路出口22と、を有し、第2流路20は、筒状の第2側壁24と、第2側壁24の両端部をそれぞれ塞ぐ一対の第2端壁25a,25bと、を有し、ヒータ3は、第2流路20内に配置され、第2流路出口22は、第2流路入口21よりも第2流路20の下流側に設けられ、第1流路10は、第2側壁24に隣接し、かつ、第1流路10と第2流路20とを隔てる第2側壁24は、熱交換壁である。
【0025】
液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、
図2に示すように、少なくとも電子回路基板31を収容する電装室30を更に備えることが好ましい。電装室30は、タンク2の上部に設けられる。電装室30は、電装室隔壁33で形成されており、電装室隔壁33は、底部として電装室30とタンク2と隔てる区画壁33aを有する。電子回路基板31は、例えば、トランジスタ(例えばIGBT)32などの電装部品が接続され、ヒータ3の通電を制御する制御部となる。
【0026】
タンク2は、液状熱媒体を流通可能な内部空間を有し、該内部空間は第1室2Aと第2室2Bとに区画されている。第1室2Aを流れる液状熱媒体と第2室2Bを流れる液状熱媒体とは混合することなく、別系統で供給される。タンク2内を区画することで、複数系統で液状熱媒体の温度を相互に変えたり、液状熱媒体の成分を相互に変えたりすることができる。具体例としては、放熱用熱交換器の要求する放熱量に応じて、一つの液体加熱装置が、2系統で相対的に高温の液状熱媒体と相対的に低温の液状熱媒体とを供給することができる。また、例えば、放熱用熱交換器の特性に応じて、一つの液体加熱装置が、2系統で相対的に導電性が高い液状熱媒体と相対的に導電性が低い液状熱媒体とを供給することができる。
【0027】
第1室2Aは、相対的に低温の液状熱媒体を生成する低温室である。第1流路10は
図2に示すように第1周壁13で囲まれており、上流側から下流側に向けて液状熱媒体が通流する。第1周壁13は、第2側壁24の軸方向X2と同じ方向に延在する筒状の第1側壁14を有することが好ましい。第1側壁14の形状は、例えば、略円筒形状又は略楕円筒形状であることが好ましい。本明細書において、略円筒又は略楕円筒とは、細部にこだわらずおおよその外形状が円柱若しくは楕円柱又はこれらを傾斜させた柱状であることを意味しており、断面形状が真円又は真楕円である形状に限定されず、断面形状が歪んだ円若しくは楕円である形状、又は外形状が中心軸に対して内径を変化させた円錐台若しくは楕円錐台のような形状を包含することを意味している。また、
図2に示す第1側壁14のように、筒の一部が欠けている形状を包含する。第1流路入口11及び第1流路出口12は、第1周壁13に設けられ第1流路10に連通する開口であり、該開口から延びる筒状の接続部11a,12a(
図1に図示)を包含する。第1流路出口12は、第1流路入口11よりも第1流路10の下流側に設けられることが好ましい。第1側壁14の軸方向X1で第1流路入口11の位置及び第1流路出口12の位置を相互にずらすことがより好ましく、第1流路入口11を第1側壁14の軸方向X1の一方の端部側に設け、第1流路出口12を第1側壁14の軸方向X1の他方の端部側に設けることが特に好ましい。第1流路10が第2側壁24に隣接する距離をより長く確保することができ、第1流路10を流れる液状熱媒体が第2流路20を流れる液状熱媒体から受ける熱交換量をより大きくすることができる。ここで、第1側壁14の軸方向X1とは、第1側壁14の延在方向、言い換えると第1側壁14を構成する筒の長さ方向をいう。第1流路出口12は、第1流路入口11と比較して電装室30に近い位置に配置されていることが好ましい。これによって、第1流路10内に液状熱媒体が停留することを抑制することができる。また、第1流路10内に混入した気泡を効率的に排出することができる。第1室2Aでは、液状熱媒体が第1流路入口11から第1流路10に流入されて第1流路出口12から流出される。
【0028】
第2室2Bは、相対的に高温の液状熱媒体を生成する高温室である。第2流路20は
図2に示すように第2周壁23で囲まれており、内部にヒータ3が配置されるとともに上流側から下流側に向けて液状熱媒体が通流する。第2周壁23は、両端が閉塞した筒状であり、第2側壁24と一対の第2端壁25a,25bとを有する。第2側壁24は、筒状の側面となる壁である。第2側壁24の形状は、例えば、略円筒形状又は略楕円筒形状であることが好ましい。第2側壁24は、ヒータ3の軸方向に沿って延在することが好ましい。第2端壁25a,25bは、第2側壁24の両端の開口を閉塞する壁である。第2流路入口21及び第2流路出口22は、第2周壁23に設けられ第2流路20に連通する開口である。第2流路入口21及び第2流路出口22は、第2側壁24に設けられることが好ましい。特に、第2流路入口21が、第2側壁24に設けられることが好ましい。これによって、第2流路20を流れる液状熱媒体の流れを旋回流とすることができ、第1流路10を流れる液状熱媒体と効率的に熱交換することができる。第2流路出口22は、第2流路入口21よりも第2流路20の下流側に設けられる。第2側壁24の軸方向X2で第2流路入口21の位置及び第2流路出口22の位置を相互にずらすことがより好ましく、第2流路入口21を第2側壁24の軸方向X2の一方の端部側に設け、第2流路出口22を第2側壁24の軸方向X2の他方の端部側に設けることが特に好ましい。第2流路20を流れる液状熱媒体がヒータ3に接する時間をより長く確保することができ、液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。ここで、第2側壁24の軸方向X2とは、第2側壁24の延在方向、言い換えると第2側壁24を構成する筒の長さ方向をいう。第2流路出口22は、第2流路入口21と比較して電装室30に近い位置に配置されていることが好ましい。これによって、第2流路20内に液状熱媒体が停留することを抑制することができる。また、第2流路20内に混入した気泡を効率的に排出することができる。第2室2Bでは、液状熱媒体が第2流路入口21から第2流路20に流入されて第2流路出口22から流出される。
【0029】
ヒータ3は、電気発熱式のヒータであり、液状熱媒体と熱交換して加熱可能なものであれば特に限定されないが、例えば、シーズヒータ又はPTCヒータである。ヒータ3は、発熱部3aと端子部3bとを有する。発熱部3aは、例えば、第2側壁24の軸方向X2に沿って配置されることが好ましい。発熱部3aの形状は、特に限定されないが、コイル状であるか(例えば
図2に図示)、直線状(不図示)又は第2流路20内を往復する形状(不図示)であってもよい。端子部3bは、例えば、一方の第2端壁25aを貫通して固定される。端子部3bには、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのトランジスタ32を介して電力が供給される。トランジスタ32はスイッチング動作によってヒータ3への電力の供給を制御する。これによって、ヒータ3は所望の温度に調整される。その結果、第2流路出口22から流出される液状熱媒体が所望の温度に調整される。
【0030】
第1流路10は、第2側壁24を介して第2流路20に隣接する。第1流路10と第2流路20とを隔てる第2側壁24は、熱交換壁である。本明細書において、熱交換壁とは、熱伝導率が高い部材からなる壁であり、当該壁を介して第2流路20を流れる液状熱媒体から第1流路10を流れる液状熱媒体へ熱エネルギーが移動可能な壁をいう。熱交換壁の材質は、例えば、アルミニウム若しくは銅などの金属材料又はこれらの合金材料である。第2側壁24は全体が熱交換壁となっているか、又は第1流路10と第2流路20とを隔てる部分だけが熱交換壁となっていてもよい。第1流路10が熱交換壁を介して第2流路20に隣接することで、例えば
図2に示す破線矢印h1のように第2流路20を流れる液状熱媒体の熱が第1流路10を流れる液状熱媒体に移動して、第1流路10を流れる液状熱媒体が温められる。第1流路10と第2流路20とを隔てる部分だけが熱交換壁となっている場合、タンク2は、一定の剛性を有し、加熱された液状熱媒体による腐食及び含浸に耐えられる材料であればよい。タンク2の熱交換壁以外の材質は、特に限定されないが、例えば、ナイロン6又はナイロン6,6が好適に用いられる。
【0031】
液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、第2流路入口21が、第1流路入口11と比較して電装室30に近い位置に配置されているか、第1流路入口11と比較して電装室30から遠い位置に配置されているか、又は第1流路入口11と同じ高さ位置に配置されていてもよい。
【0032】
液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、第2側壁24の軸方向X2を略水平方向に配置した状態が設置状態とされることが好ましい。ここで、略水平方向とは、第1室2Aと第1流路出口12との接続部分又は第2室2Bと第2流路出口22との接続部分がタンク2の概ね上方に位置する状態であれば特に限定はしないが、水平方向及び水平に対してなす角の大きさが20度以内の範囲にある向きを含む。液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)をこのように配置することで、タンク2の内部に意図せずに発生、あるいは侵入した気泡を円滑に排出することができる。本明細書では、上記設置状態における上下方向を、上方、下方ということがある。
【0033】
本実施形態に係る液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は次のように作用する。液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)では、液状熱媒体がタンク2の第1室2A及び第2室2Bを通流する。このとき、液状熱媒体は、第1流路入口11から第1流路10に流入するとともに、第2流路入口21から第2流路20に流入する。第2流路20に流入した液状熱媒体は、ヒータ3によって加熱される。これによって、所定の温度に加熱された液状熱媒体が第2流路出口22から流出する。一方、第1流路10に流入した液状熱媒体は、第2流路20を流れる液状熱媒体からの熱移動によって温められる。これによって、温められた液状熱媒体が第1流路出口12から流出する。第1流路出口12から流出する液状熱媒体の温度は、第2流路出口22から流出する液状熱媒体の温度よりも低い。以上の作用によって、液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、2系統で異なる温度の液状熱媒体を供給することができる。
【0034】
また、第1室2Aを通流する液状熱媒体と第2室2Bとで成分を変えることもできる。例えば、第1室2Aを通流する液状熱媒体を導電性が低い成分とし、第2室2Bを通流する液状熱媒体を導電性が高い成分とするか、又は第1室2Aを通流する液状熱媒体を導電性が高い成分とし、第2室2Bを通流する液状熱媒体を導電性が低い成分としてもよい。あるいは、第1室2Aを通流する液状熱媒体を一般的な成分(例えば、一般的な凍結防止剤や耐腐食剤)のみが添加された並級なものとし、第2室2Bを通流する液状熱媒体をヒータ3による熱分解が発生しにくい成分が添加された高級ものとしてもよい。
【0035】
(第一例の液体加熱装置)
次に、
図1~
図3を参照して第一例の液体加熱装置1Aについてより詳細に説明する。本実施形態に係る第一例の液体加熱装置1Aは、
図1に示すように、少なくとも電子回路基板31を収容する電装室30を更に備え、第2側壁24の周方向の一部分は、
図3に示すように電装室30に隣接し、第1流路10は、第2側壁24の周方向のうち電装室30に隣接していない部分に隣接するとともに、
図2に示すように第2流路20の流れ方向の一部分に隣接し、第2流路入口21は、第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられることが好ましい。
【0036】
第一例の液体加熱装置1Aでは、電装室隔壁33の区画壁33aは、第1側壁14及び第2側壁24と一体であるか、又は第1側壁14及び第2側壁24と別体であり第1側壁14及び第2側壁24に接合されていてもよい。電装室隔壁33の区画壁33aは、成形性の観点から、第1側壁14及び第2側壁24と一体であることがより好ましい。区画壁33aが第1側壁14及び第2側壁24と一体である形態とは、一つの隔壁が第1側壁14の一部及び第2側壁24の一部と区画壁33aの一部とを兼用している形態をいう。
【0037】
第一例の液体加熱装置1Aでは、第2側壁24の周方向の一部分は、区画壁33aの一部分となっているか又は区画壁33aの一部分と接合することで、第2流路20と電装室30とが区画壁33aを介して隣接する。本明細書において、第2側壁24の周方向とは、第2側壁24を構成する筒の外周に沿った方向をいう。電装室30は、
図2に示すように、第2流路20の流れ方向の全体に隣接するか、又は第2流路20の流れ方向の一部分に隣接してもよい(不図示)。
【0038】
第一例の液体加熱装置1Aでは、第2側壁24の周方向の残りの部分のうち第2側壁24の軸方向X2の一部分は、第1流路10に隣接する。言い換えると、第1流路10が、第2側壁24の電装室30に隣接していない部分のうち第2側壁24の軸方向X2の一部分を囲むように設けられる。そして、第1室2A及び第2室2Bが区画壁33aから下方にかけて設けられる。第1流路10が第2流路20の上方に隣接せず下方だけに隣接する。これによって、液体加熱装置1Aの大型化が防止される。また、第1流路10は第2流路20の流れ方向の全部には隣接せず一部分だけに隣接するので、より確実に液体加熱装置1Aの大型化が防止される。第1流路10が第2流路20の流れ方向に隣接する範囲は、特に限定されないが、第2側壁24の軸方向X2の長さの40~90%の範囲であることが好ましい。さらに、第1流路10が第2流路20の流れ方向に隣接する範囲が、第2側壁24の軸方向X2の長さの40~70%の範囲であることで、小型化及び軽量化するうえで好ましい。あるいは、第1流路10が第2流路20の流れ方向に隣接する範囲が、第2側壁24の軸方向X2の長さの70~90%の範囲であることで、大きな熱交換量を確保するうえで好ましい。第1流路10は、
図2に示すように第2側壁24の一方の端部に設けられた第2端壁25bよりも外側に延在していてもよい。第2流路20を流れる液状熱媒体の熱は、例えば
図2に示す破線矢印h1のように第1流路10を流れる液状熱媒体に移動して、第1流路10を流れる液状熱媒体が温められる。
【0039】
第一例の液体加熱装置1Aでは、第2流路入口21は、第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられる。これによって、第1流路10を貫通するような製作過程が不要となり、生産を容易化できる。
【0040】
第一例の液体加熱装置1Aでは、第2側壁24の外形状は、テーパー状であることが好ましい。製造時の型抜きをよりスムーズに行うことができる。
【0041】
第一例の液体加熱装置1Aでは、
図3に示すように、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30に近い位置に配置されていることが好ましい。このように構成することによって、第1流路入口11から第1流路10に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の外面(第1流路10側の面)にぶつかり、第2側壁24の外面に沿って流れ、その流れは
図3に示す断面において矢印R1のような時計回りの旋回流となる。一方、第2流路入口21から第2流路20に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の内面(第2流路20側の面)に当たって、第2側壁24の内面に沿って流れ、その流れは
図3に示す断面において矢印R2のような反時計回りの旋回流となる。このように、第2側壁24の周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。本明細書において、対向流とは、第1流路10における液状熱媒体の流れ方向と第2流路20における液状熱媒体の流れ方向とが相互に逆方向であることをいう。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0042】
第1流路出口12は、
図2に示すように、第1側壁14のうち第2側壁24よりも第1側壁14の軸方向X1における外側に延出した部分に設けられ、かつ、第1流路入口11は第1側壁14のうち第1流路出口12が設けられた側とは第1側壁14の軸方向の反対側の端部に設けられることが好ましい。あるいは、図示しないが、第1流路入口11は、第1側壁14のうち第2側壁24よりも第1側壁14の軸方向X1における外側に延出した部分に設けられ、かつ、第1流路出口12は第1側壁14のうち第1流路入口11が設けられた側とは第1側壁14の軸方向の反対側の端部に設けられることが好ましい。これらによって、第1流路10が第2側壁24に隣接する距離をより長く確保することができ、第1流路10を流れる液状熱媒体が第2流路20を流れる液状熱媒体から受ける熱交換量をより大きくすることができる。
【0043】
第2流路入口21は、
図2に示すように、第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は第1流路10が隣接する部分側の第2端壁25bに設けられることが好ましい。これによって、第2流路20を流れる液状熱媒体がヒータ3に接する時間をより長く確保することができ、液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
図2では、一例として第2流路出口22が第2端壁25bに設けられ、第2端壁25bから電装室30の横を通って液体加熱装置1Aの上方に向けて液状熱媒体を流出させるように構成されている形態を示した。
【0044】
第2流路入口21は
図2に示すように第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は第1流路10が隣接する部分側の第2端壁25bに設けられるとともに、第1流路入口11は図示しないが第1側壁14のうち第2側壁24よりも第1側壁14の軸方向X1における外側に延出した部分に設けられ、かつ、第1流路出口12は第1側壁14のうち第1流路入口11が設けられた側とは第1側壁14の軸方向の反対側の端部に設けられることが好ましい。この好ましい形態における第1流路入口11及び第1流路出口12の位置は
図2では図示されていないが、第1流路入口11は
図2における第1流路出口12の下方に位置する部分に設け、第1流路出口12は
図2における第1流路入口11の上方に位置する部分に設けることが好ましい。これによって、第1流路10における液状熱媒体の温度の高低分布と第2流路20における液状熱媒体の温度の高低分布とが逆方向となる。例えば、
図2に示す断面において、第1流路10では、液状熱媒体の温度は、右側が最も低く、左側へ行くほど高くなる。一方、第2流路20では、液状熱媒体の温度は、左側が最も低く、右側へ行くほど高くなる。このように構成することで、第2流路20を流れる液状熱媒体の熱エネルギーを、第1流路10を流れる液状熱媒体へより効率的に移動させることができる。
【0045】
(第二例の液体加熱装置)
次に、
図4~
図6を参照して第二例の液体加熱装置1Bについてより詳細に説明する。本実施形態に係る第二例の液体加熱装置1Bは、少なくとも電子回路基板31を収容する電装室30を更に備え、第1流路10は、電装室30に隣接するとともに、第2側壁24の周方向のうち一部分と隣接し、第2流路入口21は、第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられることが好ましい。
【0046】
第二例の液体加熱装置1Bでは、第1流路10が区画壁33aを介して電装室30に隣接する。第1流路10は、
図5に示すように、第1側壁14の軸方向X1における流れ方向の全体において電装室30に隣接するか、又は流れ方向の一部分において電装室30に隣接してもよい(不図示)。第1流路10は、
図5に示すように、電装室30よりも軸方向X1における外側に延在していてもよい。
【0047】
第二例の液体加熱装置1Bでは、電子回路基板31は、第1流路10と電装室30とを区画する区画壁33aに熱的に結合し、区画壁33aは熱交換壁であることが好ましい。電子回路基板31に接続される電装部品が区画壁33aに熱的に結合することがより好ましい。本明細書において、熱的に結合するとは、一方の物質から他方の物質へ熱を伝達可能な状態をいい、熱を伝達し合う物質同士は非接触状態であるか又は接触状態であってもよい。電子回路基板31は、区画壁33aと非接触状態であることが好ましい。電子回路基板31が区画壁33aに熱的に結合することで、電子回路基板31が発生する熱は、例えば
図5に示す破線矢印h2のように第1流路10を流れる液状熱媒体に伝達される。その結果、電子回路基板31の放熱を促進し、熱環境を改善することができる。一方で、第1流路10を流れる液状熱媒体は温められる。区画壁33aは、その全体が熱交換壁であってもよいし、区画壁33aのうち第1流路が隣接している部分だけが熱交換壁であってもよい。電子回路基板31に接続されるトランジスタ32などの電装部品は、電子回路基板31のうち第1流路10の上流側の上方に配置されることが好ましい。電装部品が第1流路10を流れる液状熱媒体のうちより低温の液状熱媒体と熱的に結合することで、電装部品をより効率的に放熱することができる。区画壁33aは、第1側壁14と一体であるか、又は第1側壁14と別体であり第1側壁14に接合されていてもよい。区画壁33aは、成形性の観点から、第1側壁14と一体であることがより好ましい。区画壁33aが第1側壁14と一体である形態とは、一つの隔壁が第1側壁14の一部と区画壁33aの一部とを兼用している形態をいう。区画壁33aが第1側壁14と別体である場合、第1側壁14及び区画壁33aの両方を熱交換壁とする。
【0048】
第二例の液体加熱装置1Bでは、第1流路10が、第2側壁24の周方向の一部分を囲むように設けられる。第1流路10は、第2流路20の下方に隣接せず上方だけに隣接する。これによって、液体加熱装置1Bの大型化が防止される。第二例の液体加熱装置1Bでは、第1流路10は、第2流路20の流れの方向の全体に隣接する。第2流路20を流れる液状熱媒体の熱は、例えば
図5に示す破線矢印h1のように第1流路10を流れる液状熱媒体に移動して、第1流路10を流れる液状熱媒体が温められる。
【0049】
第二例の液体加熱装置1Bでは、第2流路入口21は、第2側壁24のうち第1流路10が隣接していない部分に設けられる。これによって、第2流路20を貫通するような製作過程が不要となり、生産を容易化できる。
【0050】
第二例の液体加熱装置1Bでは、
図6に示すように、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30から遠い位置に配置されていることが好ましい。このように構成することによって、第1流路入口11から第1流路10に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の外面(第1流路10側の面)にぶつかり、第2側壁24の外面に沿って流れ、その流れは
図6に示す断面において矢印R1のように反時計回りの旋回流となる。一方、第2流路入口21から第2流路20に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の内面(第2流路20側の面)に当たって、第2側壁24の内面に沿って流れ、その流れは
図6に示す断面において矢印R2のように時計回りの旋回流となる。このように、第2側壁24の周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0051】
第1流路出口12は、
図4に示すように、第1側壁14のうち第1側壁14の軸方向X1の一方の端部に設けられ、かつ、第1流路入口11は第1側壁14のうち第1側壁14の軸方向X1の他方の端部に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10が第2側壁24に隣接する距離をより長く確保することができ、第1流路10を流れる液状熱媒体が第2流路20を流れる液状熱媒体から受ける熱交換量をより大きくすることができる。
【0052】
第2流路入口21は、
図5に示すように、第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は他方の第2端壁25bに設けられることが好ましい。これによって、第2流路20を流れる液状熱媒体がヒータ3に接する時間をより長く確保することができ、液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
図5では、一例として第2流路出口22が第2端壁25bに設けられ、第2端壁25bから第1流路10側とは反対側、すなわち液体加熱装置1Bの下方に向けて液状熱媒体を流出させるように構成されている形態を示した。
【0053】
第2流路入口21は、
図5に示すように、第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は他方の第2端壁25bに設けられるとともに、第1流路入口11は第1側壁14のうち第2端壁25bに近い部分に設けられ、かつ、第1流路出口12は第1側壁14のうち第1流路入口11が設けられた側とは第1側壁14の軸方向X1の反対側の端部に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10における液状熱媒体の温度の高低分布と第2流路20における液状熱媒体の温度の高低分布とが逆方向となる。例えば、
図5に示す断面において、第1流路10では、液状熱媒体の温度は、右側が最も低く、左側へ行くほど高くなる。一方、第2流路20では、液状熱媒体の温度は、左側が最も低く、右側へ行くほど高くなる。このように構成することで、第2流路20を流れる液状熱媒体の熱エネルギーを、第1流路10を流れる液状熱媒体へより効率的に移動させることができる。
【0054】
(第三例の液体加熱装置)
次に、
図7~
図9を参照して第三例の液体加熱装置1Cについてより詳細に説明する。本実施形態に係る第三例の液体加熱装置1Cでは、第1流路10は、第2側壁24を取り囲んでおり、第1流路10と第2流路20とが2重筒構造をなしていることが好ましい。
【0055】
第三例の液体加熱装置1Cでは、第1流路10が区画壁33aを介して電装室30に隣接することが好ましい。第1流路10は、
図8に示すように、第1側壁14の軸方向X1における流れ方向の全体において電装室30に隣接するか、又は流れ方向の一部分において電装室30に隣接してもよい(不図示)。第1流路10は、
図8に示すように、電装室30よりも軸方向X1における外側に延在していてもよい。
【0056】
第三例の液体加熱装置1Cでは、電子回路基板31は、第1流路10と電装室30とを区画する区画壁33aに熱的に結合し、区画壁33aは熱交換壁であることが好ましい。電子回路基板31が区画壁33aに熱的に結合することで、電子回路基板31が発生する熱は、例えば
図8に示す破線矢印h2のように第1流路10を流れる液状熱媒体に伝達される。その結果、電子回路基板31の放熱を促進し、熱環境を改善することができる。一方で第1流路10を流れる液状熱媒体は温められる。区画壁33aは、その全体が熱交換壁であってもよいし、区画壁33aのうち第1流路10が隣接している部分だけが熱交換壁であってもよい。電子回路基板31に接続されるトランジスタ32などの電装部品は、電子回路基板31のうち第1流路10の上流側の上方に配置されることが好ましい。電装部品が第1流路10を流れる液状熱媒体のうちより低温の液状熱媒体と熱的に結合することで、電装部品をより効率的に放熱することができる。区画壁33aは、第1側壁14と一体であるか、又は第1側壁14と別体であり第1側壁14に接合されていてもよい。区画壁33aは、成形性の観点から、第1側壁14と一体であることがより好ましい。区画壁33aが第1側壁14と一体である形態とは、一つの隔壁が第1側壁14の一部と区画壁33aの一部とを兼用している形態をいう。区画壁33aが第1側壁14と別体である場合、第1側壁14及び区画壁33aの両方を熱交換壁とする。
【0057】
第三例の液体加熱装置1Cでは、第1流路10は、
図9に示すように、第2側壁24を取り囲んでおり、第1流路10と第2流路20とが2重筒構造をなしている。第2流路20を流れる液状熱媒体の熱は、例えば
図8に示す破線矢印h1のように第1流路10を流れる液状熱媒体に移動して、第1流路10を流れる液状熱媒体が温められる。このように、第2室2Bで発生する熱を、第1室2Aを流れる液状熱媒体に十分に伝えることができる。第三例の液体加熱装置1Cでは、第1流路10は、第1側壁14の軸方向X1における第2流路20の流れの方向の全体に隣接する。第1流路10は、
図8に示すように第2側壁24の一方の端部に設けられた第2端壁25bよりも軸方向X1における外側に延在していてもよい。
【0058】
第三例の液体加熱装置1Cでは、
図9に示すように、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30から遠い位置に配置されていることが好ましい。このように構成することによって、第1流路入口11から第1流路10に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の外面(第1流路10側の面)にぶつかり、第2側壁24の外面に沿って流れ、その流れは
図9に示す断面において矢印R1のような反時計回りの旋回流となる。一方、第2流路入口21から第2流路20に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の内面(第2流路20側の面)に当たって、第2側壁24の内面に沿って流れ、その流れは
図9に示す断面において矢印R2のような時計回りの旋回流となる。このように、第2側壁24の周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0059】
また、第三例の液体加熱装置1Cでは、図示しないが、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30に近い位置に配置されていてもよい。このように構成することによって、第2側壁24の周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0060】
第1流路出口12は、
図8に示すように、第1側壁14のうち第1側壁14の軸方向X1の一方の端部に設けられ、かつ、第1流路入口11は第1側壁14のうち第1側壁14の軸方向X1の他方の端部に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10が第2側壁24に隣接する距離をより長く確保することができ、第1流路10を流れる液状熱媒体が第2流路20を流れる液状熱媒体から受ける熱交換量をより大きくすることができる。
【0061】
第2流路入口21は、
図8に示すように、第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は他方の第2端壁25bに設けられることが好ましい。これによって、第2流路20を流れる液状熱媒体がヒータ3に接する時間をより長く確保することができ、液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
図8では、一例として第2流路出口22が第2端壁25bに設けられ、第2端壁25bから第1流路10を貫通し、電装室30の横を通って液体加熱装置1Cの上方に向けて液状熱媒体を流出させるように構成されている形態を示した。
【0062】
第2流路入口21は、
図8に示すように、第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は他方の第2端壁25bに設けられるとともに、第1流路入口11は第1側壁14のうち第2端壁25bに近い部分に設けられ、かつ、第1流路出口12は第1側壁14のうち第1流路入口11が設けられた側とは第1側壁14の軸方向X1の反対側の端部に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10における液状熱媒体の温度の高低分布と第2流路20における液状熱媒体の温度の高低分布とが逆方向となる。例えば、
図8に示す断面において、第1流路10では、液状熱媒体の温度は、右側が最も低く、左側へ行くほど高くなる。一方、第2流路20では、液状熱媒体の温度は、左側が最も低く、右側へ行くほど高くなる。このように構成することで、第2流路20を流れる液状熱媒体の熱エネルギーを、第1流路10を流れる液状熱媒体へより効率的に移動させることができる。
【0063】
(第四例の液体加熱装置)
次に、
図10~
図12を参照して第四例の液体加熱装置1Dについてより詳細に説明する。本実施形態に係る第四例の液体加熱装置1Dでは、第2側壁24は、
図11、
図12に示すように、筒状の内壁24aと内壁24aの外側に設けられた筒状の外壁24bとを有し、第1流路10は、内壁24a内の空間であり、第1流路10と第2流路20とが2重筒構造をなしていることが好ましい。
【0064】
第四例の液体加熱装置1Dでは、第2流路20が区画壁33aを介して電装室30に隣接することが好ましい。第2流路20は、
図11に示すように、第1側壁14の軸方向X1における流れ方向の全体において電装室30に隣接するか、又は流れ方向の一部分において電装室30に隣接してもよい(不図示)。第2流路20は、
図11に示すように、電装室30よりも軸方向X1における外側に延在していてもよい。
【0065】
第四例の液体加熱装置1Dでは、第2側壁24の内壁24aが、
図12に示すように、第1側壁14をなしており、第2流路20は第1流路10を取り囲むように構成される。そして、第1流路10と第2流路20とが2重筒構造をなしている。第2流路20を流れる液状熱媒体の熱は、例えば
図11に示す破線矢印h1のように第1流路10を流れる液状熱媒体に移動して、第1流路10を流れる液状熱媒体が温められる。このようにして、第2室2Bで発生する熱を、第1室2Aを流れる液状熱媒体に十分に伝えることができる。第四例の液体加熱装置1Dでは、第2流路20は、軸方向X1における第1流路10の流れの方向の全体に隣接する。第2流路20は、
図11に示すように第1流路10よりも軸方向X1における外側に延在していてもよい。また、
図12に示すように、ヒータ3の螺旋状の発熱部3aが、内壁24a(第1側壁14)を取り囲むように配置されることが好ましい。ヒータ3の熱を、内壁24aの全周から第1流路10を流れる液状熱媒体に伝えることができる。
【0066】
第四例の液体加熱装置1Dでは、
図12に示すように、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30に近い位置に配置されていることが好ましい。このように構成することによって、第1流路入口11から第1流路10に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の内壁24aにぶつかり、内壁24aに沿って流れ、その流れは
図12に示す断面において矢印R1のような時計回りの旋回流となる。一方、第2流路入口21から第2流路20に流入した液状熱媒体の流れは、第2側壁24の内壁24aに当たって、内壁24aの外壁24b側の面に沿って流れ、その流れは
図12に示す断面において矢印R2のような反時計回りの旋回流となる。このように、第2側壁24の内壁24aの周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0067】
また、第四例の液体加熱装置1Dでは、図示しないが、第2流路入口21は、第1流路入口11と比較して電装室30から遠い位置に配置されていてもよい。このように構成することによって、第2側壁24の内壁24aの周方向を基準として、第1流路10における液状熱媒体の流れと第2流路20における液状熱媒体の流れとを対向流とすることができる。対向流によって、熱交換量をより大きくすることができる。
【0068】
第1流路出口12は、
図11に示すように、内壁24aのうち第2側壁24の軸方向X2の一方の端部に設けられ、かつ、第1流路入口11は内壁24aのうち第2側壁24の軸方向X2の他方の端部を塞ぐ第1端壁15に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10が第2側壁24に隣接する距離をより長く確保することができ、第1流路10を流れる液状熱媒体が第2流路20を流れる液状熱媒体から受ける熱交換量をより大きくすることができる。
図11では、一例として第1流路出口12が第1端壁15に設けられ、第1端壁15から第2流路20を貫通し、電装室30の横を通って液体加熱装置1Dの上方に向けて液状熱媒体を流出させるように構成されている形態を示した。
【0069】
第2流路入口21は、
図11に示すように、第2側壁24のうち他方の第2端壁25bに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられるか、又は、第2流路入口21は、第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は第2側壁24のうち他方の第2端壁25bに近い部分に設けられる(不図示)ことが好ましい。これによって、第2流路20を流れる液状熱媒体がヒータ3に接する時間をより長く確保することができ、液状熱媒体をより効率的に加熱することができる。
【0070】
第2流路入口21は、
図11に示すように、第2側壁24のうち他方の第2端壁25bに近い部分に設けられ、かつ、第2流路出口22は第2側壁24のうち一方の第2端壁25aに近い部分に設けられるとともに、第1流路出口12は、内壁24aのうち第2側壁24の軸方向X2の他方の端部に設けられ、かつ、第1流路入口11は内壁24aのうち第2側壁24の軸方向X2の一方の端部を塞ぐ第1端壁15に設けられることが好ましい。これによって、第1流路10における液状熱媒体の温度の高低分布と第2流路20における液状熱媒体の温度の高低分布とが逆方向となる。例えば、
図11に示す断面において、第1流路10では、液状熱媒体の温度は、左側が最も低く、右側へ行くほど高くなる。一方、第2流路20では、液状熱媒体の温度は、右側が最も低く、左側へ行くほど高くなる。このように構成することで、第2流路20を流れる液状熱媒体の熱エネルギーを、第1流路10を流れる液状熱媒体へより効率的に移動させることができる。
【0071】
ここまで、
図1~
図12を参照して液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)の実施形態の例を説明してきたが、これらは例示に過ぎず、本発明はこれらの構成のみに限定されない。本発明は、本発明の効果を奏する限り、種々の変形形態を包含する。変形形態の一例としては、液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)が複数の第1流路出口12を有していてもよい。
図13は、液体加熱装置の変形例を示す概略平面図である。
図13では代表して
図1~
図3に示す第一例の液体加熱装置1Aの変形例を示しているが、
図4~
図12に示す第二~第四例の液体加熱装置1B,1C,1Dにおいても同様の変形をすることができる。本実施形態に係る液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)では、
図13に示すように、第1流路出口12は、第1流路10の流れ方向に沿って、流れ方向の上流側から順に配置された配置された第1~第m(mは2以上の自然数である。)の第1流路出口12
1~12
mを含むことが好ましい。
図13では一例としてmが2である形態、すなわち、第1流路出口12が第1の第1流路出口12
1と第2の第1流路出口12
2である形態を示したが、本発明はこれに限定されず、mは3以上であってもよい。このとき、第1の第1流路出口12
1は、第1流路入口11と第mの第1流路出口12
mとの第1流路10の流れ方向の間にあることが好ましい。第1~第m(mは2以上の自然数である。)の第1流路出口12
1~12
mは、第1側壁14の軸方向X1に延びる同一直線上に配置されるか、又は第1側壁14の軸方向X1に延びる異なる直線上に配置されてもよい。
【0072】
第1流路出口12が、第1流路10の流れ方向に沿って、流れ方向の上流側から順に配置された配置された第1~第m(mは2以上の自然数である。)の第1流路出口12(121~12m)を含む場合、各第1流路出口12から排出される液状熱媒体の温度は、第1流路10の最上流側に配置された第1の第1流路出口12(121)から流出する液状熱媒体の温度が最も低く、第1流路10の最下流側に配置された第mの第1流路出口12(12m)から流出する液状熱媒体の温度が最も高くなる。これによって、液体加熱装置1(1A,1B,1C,1D)は、2系統で異なる温度の液状熱媒体を供給するとともに、目標温度に応じて第1流路出口12(121~12m)から流出する液状熱媒体の温度を調整することができる。
【符号の説明】
【0073】
1(1A,1B,1C,1D) 液体加熱装置
2 タンク
2A 第1室
2B 第2室
3 ヒータ
3a 発熱部
3b 端子部
10 第1流路
11 第1流路入口
12 第1流路出口
13 第1周壁
14 第1側壁
15 第1端壁
20 第2流路
21 第2流路入口
22 第2流路出口
23 第2周壁
24 第2側壁
24a 内壁
24b 外壁
25a,25b 第2端壁
30 電装室
31 電子回路基板
32 トランジスタ
33 電装室隔壁
33a 区画壁