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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127320
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20240912BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B25J15/08 H
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036405
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 安直
(72)【発明者】
【氏名】金田 侑
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707DS01
3C707ES03
3C707EU07
3C707EU11
3C707EV13
3C707HS27
3C707KS29
3C707KS30
3C707KV01
3C707KW03
3C707KX08
3C707LV10
3C707LV15
3C707LW02
3C707LW03
3C707LW07
3C707NS26
(57)【要約】
【課題】画像認識などの高度で高価なシステムを導入することなく把持状態の確認を可能とし、安定把持状態などの目的の姿勢に把持物体を調整・移行できるロボットハンドを提供する。
【解決手段】少なくとも2本の指を有するハンド機構と、指に配設され、把持物体を動かす並進駆動機構と、ロボットハンドの把持力に基づき、指の把持幅を制御する力制御手段と、力制御手段で制御しながら並進駆動機構で把持物体を動かしたときに得られる動作データに基づき、ハンド機構に把持動作を実行させる把持動作制御手段と、を有する、ロボットハンド。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2本の指を有するハンド機構と、
前記指に配設され、把持物体を動かす並進駆動機構と、
前記ハンド機構の把持力に基づき、前記指の把持幅を制御する力制御手段と、
前記力制御手段で制御しながら前記並進駆動機構で把持物体を動かしたときに得られる動作データに基づき、前記ハンド機構に把持動作を実行させる把持動作制御手段と、を有する、
ロボットハンド。
【請求項2】
前記指に配設され、前記把持力を検知する力センサーをさらに有する、
請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記動作データは、前記指の把持幅である、
請求項1記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記把持動作制御手段は、前記把持幅の時系列データの変化に基づき把持状態を推定する、
請求項3記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記把持動作制御手段は、前記把持幅の時系列データの変化の特徴点として極小点に基づき把持状態を推定する、
請求項4記載のロボットハンド。
【請求項6】
前記把持動作制御手段は、前記把持幅の時系列データの極小点の出現順序に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定する、
請求項5記載のロボットハンド。
【請求項7】
前記把持動作制御手段は、前記把持幅の時系列データの平均値に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定する、
請求項4記載のロボットハンド。
【請求項8】
前記把持動作制御手段は、前記把持幅の時系列データの変動幅に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定する、
請求項4記載のロボットハンド。
【請求項9】
前記把持動作制御手段は、把持状態として、3点以上の個所で接する安定把持状態であるかどうかを推定する、
請求項4~8のいずれか1項記載のロボットハンド。
【請求項10】
前記動作データは、前記力センサーにより検知された把持力である、
請求項2記載のロボットハンド。
【請求項11】
前記把持動作制御手段は、前記把持力の時系列データの変化に基づき把持状態を推定する、
請求項10記載のロボットハンド。
【請求項12】
前記把持動作制御手段は、前記力センサーにより検知された把持力が目標力より大きな値から小さな値に反転あるいは小さな値から大きな値に反転する点を変化の特徴点として把持状態を推定する、
請求項11記載のロボットハンド。
【請求項13】
前記把持動作制御手段は、把持状態として、3点以上の個所で接する安定把持状態であるかどうかを推定する、
請求項11または12記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームのエンドエフェクタとして物体の把持を行うロボットハンドに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
2指グリッパなどのロボットハンドはロボットアームのエンドエフェクタとして様々な形式が開発され、工場作業などで活用されている。
【0003】
ロボットハンドでは組立作業や設置・陳列作業のため把持物品の姿勢の調整・変換を行う機能を有することが望ましい。
【0004】
把持物品の姿勢の調整・変換機能に関しては特許文献1において、平行リンク機構による平行グリッパ構造で片指を位置制御し把持位置を移動し、もう片指を力制御で追従させることで把持物体の姿勢を回転させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-171532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、把持物体の姿勢を回転させることはできるが、把持状態を確認することができず3点以上の接触で把持する安定把持状態にすることができないという課題がある。
【0007】
本開示の目的は、上記従来の課題を解決し、画像認識などの高度で高価なシステムを導入することなく把持状態の確認を可能とし、安定把持状態などの目的の姿勢に把持物体を調整・移行できるロボットハンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示のロボットハンドは、少なくとも2本の指を有するハンド機構と、前記指に配設され、把持物体を動かす並進駆動機構と、前記ハンド機構の把持力に基づき、前記指の把持幅を制御する力制御手段と、前記力制御手段で制御しながら前記並進駆動機構で把持物体を動かしたときに得られる動作データに基づき、前記ハンド機構に把持動作を実行させる把持動作制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示のロボットハンドによれば、画像認識などの高度で高価なシステムを導入することなく把持状態の確認を可能とし、安定把持状態などの目的の姿勢に把持物体を調整・移行できるロボットハンドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの構成を示す図
図2A】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの開閉動作を示す図
図2B】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの開閉動作を示す図
図3】本発明の第1実施形態におけるロボットハンド制御手段の構成を示すブロック線図
図4】本発明の第1実施形態におけるロボットハンド制御手段の動作制御手段の構成を示すブロック線図
図5】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの動作を示す図
図6】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの動作を説明するフローチャート
図7】本発明の第1実施形態におけるロボットハンドの把持幅の時系列データを示すグラフ
図8】本発明の第2実施形態におけるロボットハンドの把持幅の時系列データを示すグラフ
図9A】本発明の第3実施形態におけるロボットハンドの把持幅の時系列データを示すグラフ
図9B】本発明の第3実施形態におけるロボットハンドの把持幅の時系列データを示すグラフ
図10】本発明の第4実施形態におけるロボットハンドの把持力の時系列データを示すグラフ
図11A】本発明の第5実施形態におけるロボットハンドの左指機構の力センサー出力および把持幅の時系列データを示すグラフ
図11B】本発明の第5実施形態におけるロボットハンドの左指機構の力センサー出力および把持幅の時系列データを示すグラフ
図12】本発明の第6実施形態におけるロボットハンドの把持幅の時系列データを示すグラフ
図13】本発明の第6実施形態におけるロボットハンドの把持幅の他の時系列データを示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
【0013】
本発明の一態様に係るロボットハンドは、少なくとも2本の指を有するハンド機構と、前記指に配設され、把持物体を動かす並進駆動機構と、前記ロボットハンドの把持力に基づき、前記指の把持幅を制御する力制御手段と、前記力制御手段で制御しながら前記並進駆動機構で把持物体を動かしたときに得られる動作データに基づき、前記ハンド機構に把持動作を実行させる把持動作制御手段と、を有する。
【0014】
本態様によれば、力制御手段が把持力の力制御を行いながら、把持動作制御手段が並進駆動機構で把持物体の姿勢を回転し、動作データを取得することにより把持物体の外形に関わる情報を得ることができ、把持状態を推定することが可能となる。
【0015】
上記態様において、指に配設され、前記把持力を検知する力センサーをさらに有していてもよい。
【0016】
上記態様において、前記動作データは指の把持幅であってもよい。
【0017】
ロボットハンドの位置制御のため備えたセンサーよりデータが得られるため、画像認識などの他の手段が不要となり、低コストで把持状態の推定が可能となる。
【0018】
上記態様において、前記動作データは前記力センサーにより検知された把持力であってもよい。
【0019】
本態様によれば、動作データとして把持力が使用されることにより、ロボットハンドの力制御のために備えられたセンサーよりデータが得られるため、画像認識などの他の手段が不要となり、低コストで把持状態の推定が可能となる。
【0020】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持幅の時系列データの変化の特徴点に基づき把持状態を推定してもよい。
【0021】
本態様によれば、前記把持幅の時系列データの変化の特徴点に基づくことにより、把持物体の外形の特徴点に対応する姿勢を抽出することができる。
【0022】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持幅の時系列データの変化の特徴点として極小点に基づき把持状態を推定してもよい。
【0023】
本態様によれば、把持幅の極小点は安定把持点に対応しており、安定把持点の抽出が可能となる。
【0024】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持力の時系列データの変化の特徴点に基づき把持状態を推定してもよい。
【0025】
本態様によれば、前記把持力の時系列データの変化の特徴点に基づくことにより、把持物体の外形の特徴点に対応する姿勢を抽出することができる。
【0026】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記力センサーにより検知された把持力が力制御の目標力より大きな値から小さな値に反転あるいは小さな値から大きな値に反転する点を変化の特徴点として把持状態を推定してもよい。
【0027】
本態様によれば、上記力が反転する点は安定把持点に対応しており、安定把持点の抽出が可能となる。
【0028】
上記態様において、前記把持動作制御手段は把持状態として3点以上の個所で接する安定把持状態であるかどうかを推定してもよい。
【0029】
本態様によれば、3点以上の個所で接する把持状態であれば、把持物体の姿勢は固定されるため安定した状態で把持が可能となる。
【0030】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持幅の時系列データの極小点の出現順序に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定してもよい。
【0031】
上記態様によれば、非対称形状において極小点の出現順序に特徴が出るため、姿勢に対する把持方向の推定が可能となる。
【0032】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持幅の時系列データの平均値に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定してもよい。
【0033】
本態様によれば、把持方向の違いによって姿勢回転時の外形寸法が異なる把持物体の場合において、時系列データの平均値に基づくことにより把持方向の推定が可能となる。
【0034】
上記態様において、前記把持動作制御手段は前記把持幅の時系列データの変動幅に基づき物体の姿勢に対する把持方向を推定してもよい。
【0035】
本態様によれば、円周状外形領域では回転半径の変動が少なく、時系列データの変動幅に基づくことにより把持方向の推定が可能となる。
【0036】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態におけるロボットハンド1の構成を示す図である。ロボットハンド1は2指のグリッパであり、ハンド土台部2、平行リンク機構6R、6Lと指先機構7R、7Lからなる指機構3R、3L、ロボットハンド制御手段8(図3参照)を含む。
【0038】
ハンド土台部2には手首接続部5があり、多自由度ロボットアーム等に接続しエンドエフェクタとして機能することが可能である。また、ハンド土台部2には指駆動サーボモーター9R、9Lが配設され、その出力軸には平行リンク機構6R、6Lが接続されており、指関節4R、4Lが構成されている。
【0039】
平行リンク機構6R、6Lは、能動リンク10R、10Lと受動リンク11R、11Lから構成される。能動リンク10R、10Lは、指駆動サーボモーター9R、9Lの出力軸に接続され駆動力を伝える。受動リンク11R、11Lは、サーボモーターの出力軸に接続されない。
【0040】
平行リンク機構6R、6Lの先には、指先機構7R、7Lが接続されている。指先機構7R、7Lは、指骨格12R、12L、指内側並進駆動機構13R、13Lと力センサー14R、14Lとから構成される。
【0041】
指内側並進駆動機構13R、13Lは指骨格12R、12Lの内側を通る並進駆動ベルト15R、15Lを駆動する機構である。並進駆動ベルト15R、15Lは、両端をそれぞれ、モーター側巻取りローラー17R、17Lとばね側巻取りローラー19R、19Lに固定されており、指骨格12R、12Lの先端に配設された受動ローラー20R、20Lに掛かるように取り廻されている。モーター側巻取りローラー17R、17Lのそれぞれは、指骨格12R、12Lに配設された並進駆動機構サーボモーター16R、16Lの出力軸に接続される。ばね側巻取りローラー19R、19Lは、並進駆動機構巻きばね18R、18Lの出力軸に接続される。
【0042】
力センサー14R、14Lは、指骨格12R、12Lと並進駆動ベルト15R、15Lの間に配設された圧力に応じた電圧を出力する感圧シートである。
【0043】
以上の機構構成によれば、指駆動サーボモーター9R、9Lを駆動することにより平行リンク機構6R、6Lが揺動動作し、指先機構7R、7Lが平行移動し、図2Aおよび図2Bに示すように、ロボットハンド1の開閉動作が実現する。図2Aは、ロボットハンド1が開いた状態を示す図であり、図2Bは、ロボットハンド1が閉じた状態を示す図である。
【0044】
また、並進駆動機構サーボモーター16R、16Lを駆動することにより、並進駆動ベルト15R、15Lは、モーター側巻取りローラー17R、17Lに巻き取られて行き指先側から奥側へと並進移動する。一方、並進駆動機構サーボモーター16R、16Lを前記とは逆回転させると、並進駆動ベルト15R、15Lは、モーター側巻取りローラー17R、17Lから解放され、並進駆動機構巻きばね18R、18Lによる回転張力のためばね側巻取りローラー19R、19Lに巻き取られ、奥側から指先側へと並進移動する。
【0045】
図3はロボットハンド制御手段8の構成を示すブロック線図である。
【0046】
ロボットハンド制御手段8は、図1に示す指先機構7R、7Lの位置h=(h,h)と把持力f、並進駆動ベルト15R、15Lの位置b=(b,b)を制御する。
【0047】
動作制御手段21は、指先機構7R、7Lの目標位置h=(hRd,hLd)と目標把持力fd、並進駆動ベルト15R、15Lの目標位置b=(bRd,bLd)を出力する。
【0048】
指逆運動学計算手段22は、指先機構7R、7Lの目標位置h=(hRd,hLd)を逆運動学計算により目標指関節角度qhd=(qhRd、qhLd)に変換する。
【0049】
指関節角度誤差計算手段23は、指関節角度誤差qhe=(qhRe、qhLe)=qhd-qを計算する。
【0050】
指関節角度誤差補償手段24は、PDコントローラーであり、
【数1】
により指関節角度制御指令トルクτが出力される。ただし、Kは比例ゲイン、Kは微分ゲインである。
【0051】
把持力誤差計算手段25は、把持力誤差f=f-fを計算する。
【0052】
把持力誤差補償手段26は、PDコントローラーであり、
【数2】
により把持力制御指令力fが出力され、力-トルク変換手段27により把持力制御トルクτに変換され出力される。ただし、Kfpは比例ゲイン、Kfdは微分ゲインである。制御トルクτfへの変換は、
【数3】
によって行われる。ただし、lは平行リンク機構6R、6Lのリンク長である。
【0053】
位置・力制御選択手段28は、動作制御手段21からの位置・力制御選択指令sに基づき出力値を選択して切り替える。s=0の場合、τを出力し、s=1の場合、τを出力する。これにより指位置を制御する位置制御と把持力を制御する力制御の切り替えが行われる。
【0054】
ベルト逆運動学計算手段29は、逆運動学計算により目標ベルト位置bd=(bRd,bLd)から目標巻取りローラー角qbd=(qbRd,qbLd)に変換する。
【0055】
ベルトローラー角度誤差計算手段30は、qbe=(qbRe,qbLe)=qbd-qを計算する。
【0056】
ベルトローラー角度誤差補償手段31は、PDコントローラーであり、
【数4】
によりベルトローラー角度制御指令力τが出力される。ただし、Kbpは比例ゲイン、Kbdは微分ゲインである。
【0057】
以上の制御指令τまたはτ、およびτはロボットハンドI/O34に入力され、モータードライバー36hR,36hL,36bR,36bLに指令され、指駆動サーボモーター9R、9Lおよび並進駆動機構サーボモーター16R、16Lが駆動される。
【0058】
また、ロボットハンドI/O34は、モータードライバーから送信される指駆動サーボモーター9R、9Lおよび並進駆動機構サーボモーター16R、16Lのエンコーダ値の入力を受け、現在の指関節角度q=(qhR、qhL)、現在のベルトローラー角度q=(qbR、qbL)へ変換し出力する。さらに、ロボットハンドI/O34は、力センサーから出力される電圧値の入力を受け、現在の把持力fに変換して出力する。
【0059】
指順運動学計算手段32は、現在の指関節角度q=(qhR、qhL)から現在の指位置h=(h,h)へと変換する。
【0060】
ベルト順運動学計算手段33は、現在のベルトローラー角度q=(qbR、qbL)から現在のベルト位置b=(b,b)へと変換する。
【0061】
以上説明した図3に示すフィードバック制御系により、指先機構7R、7Lの現在の指位置h=(h,h)が、目標位置h=(hRd,hLd)へと制御される。また、指先機構7R、7Lによる現在の把持力fが、目標把持力fに制御される。さらに、並進駆動ベルト15R、15Lの現在のベルト位置b=(b,b)が、目標ベルト位置b=(bRd,bLd)に制御される。
【0062】
次に、図4に基づき動作制御手段の詳細構成について説明する。
【0063】
把持状態推定手段40は、指先機構7R、7Lの位置h=(h,h)と並進駆動ベルト15R、15Lの位置b=(b,b)より把持状態の推定を行い、推定結果として推定ベルト位置b=(bRs、bLs)を出力する。把持状態推定手段40の詳細動作については後述する。
【0064】
動作シーケンス制御手段38は、起動後のホームポジションへの移動動作、上位系41(図3参照)からの開閉指示Cおよび目標把持力fに基づく指先機構7R、7Lの開閉動作、把持状態推定手段40の推定結果に基づく並進駆動ベルト15R、15Lの動作の制御を行う。また、動作シーケンス制御手段38は、ロボットアーム制御系などの上位系よりロボットハンド開閉の指示cuを、通信インターフェースを通じて受け、開閉動作を実行し、開閉状態Rを上位系41へと通知する。
【0065】
目標軌道生成手段39は、位置制御により指先機構7R、7Lの位置h=(h,h)を目標到達位置h=(hRp,hLp)へ動作させるための目標位置h=(hRd,hLd)を、多項式補間を使用し時系列データとして時々刻々生成する。また、目標軌道生成手段39は、並進駆動ベルト15R、15Lの位置b=(b,b)を目標到達位置b=(bRp,bLp)へ動作させるための目標ベルト位置b=(bRd,bLd)を、多項式補間を使用し時系列データとして時々刻々生成する。
【0066】
ロボットハンド制御手段8は、ハードウェア的には制御プログラムを実行する制御コンピュータ35とモータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLとA/D変換器37により構成されている(図3参照)。そして、ロボットハンド制御手段8のうちのモータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLとA/D変換器37を除く部分は、制御コンピュータ35で実行される制御プログラムとしてソフトウェア的に実現される。よって、例えば、それぞれの動作を構成するステップを有するコンピュータプログラムとして、記憶装置(ハードディスク等)などの記録媒体に読み取り可能に記憶させ、そのコンピュータプログラムをコンピュータの一時記憶装置(半導体メモリ等)に読み込んでCPUを用いて実行することにより、後述する各ステップを実行することができる。
【0067】
指関節4R,4Lを駆動する指駆動サーボモーター9R,9Lに内蔵された関節角度センサーであるエンコーダにより指関節4R,4Lの角度パルス情報PhR、PhLが得られる。また、モーター側巻き取りローラー17R,17Lを駆動する並進駆動機構サーボモーター16R,16Lに内蔵されたエンコーダによりモーター側巻き取りローラー17R,17Lの角度パルス情報PbR、PbLが得られる。これらの指駆動サーボモーター9R、9L、並進駆動機構サーボモーター16R、16Lのエンコーダより出力される角度パルス情報PhR,PhL,PbR、PbLは、モータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLに取り込まれ、角度情報αhR、αhL,αbR、αbLへと変換され、ロボットハンド制御手段8に出力される。
【0068】
ロボットハンド制御手段8は、取り込んだ角度情報に基づいて、指関節4R,4Lおよびモーター側巻取りローラー17R、17Lの制御指令値をそれぞれ算出する。算出された各制御指令値は、モータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLに与えられ、モータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLによってロボットハンド1の指駆動サーボモーター9R、9L、並進駆動機構サーボモーター16R、16Lが駆動される。
【0069】
モータードライバー36hR、36hL、36bR、36bLおよびA/D変換器37は、EtherCAT(登録商標)などのネットワーク通信により制御コンピュータ35に接続されており、角度情報や制御指令値のやり取りが可能である。
【0070】
図5に示す動作を例に、ロボットハンド1の動作について図6のフローチャートを使って説明する。
【0071】
ステップS1では、ロボットハンド1の起動後、モータードライバーの原点出し機能により指先機構7R、7Lおよび並進駆動ベルト15R、15Lの可動機構限界まで動作させ当てて停止させる(図5のS-1の動作)。
【0072】
ステップS2では、ロボットハンドI/O34は、可動機構限界で停止した状態を受け、ロボットハンド1の中央線が指先機構7R、7Lの原点になるように、かつ、並進駆動ベルト15R、15Lの全長の中央が原点になるように、現在の指関節角度q=(qhR、qhL)、ベルトローラー角度q=(qbR、qbL)を調整し出力する。
【0073】
ステップS3では、可動機構限界への移動完了後、動作制御手段21は、指先機構7R、7Lをホームポジションh=(hHR,hHL)へ移動する動作、および、並進駆動ベルト15R、15Lをホームポジションb=(0、0)へ移動する動作を生成し、動作させる(図5のS-3の動作)。
【0074】
その後、ステップS4では、ロボットアームにより物体を把持するための位置にロボットハンド1が移動され、上位系41からの把持指令がCg=1に切り替わったらステップS5に進む(図5のS-4の動作)。
【0075】
ステップS5では、動作シーケンス制御手段38が、s=1を出力して制御系を把持力制御に切り替える。
【0076】
ステップS6では、位置・力制御選択手段28がτを選択してトルク指令τとして出力することで、指先機構7R、7Lが動作し、物体を力fにて把持する(図5のS-6の動作)。
【0077】
ステップS7では、動作シーケンス制御手段38が、到達時間tbpu、目標到達位置bp=(bpu、bpu)を出力し、並進駆動ベルト15R、15Lを動作させ把持物体を距離bpuだけ引き上げる(図5のS-7の動作)。
【0078】
ステップS8では、動作シーケンス制御手段38が、到達時間tbpr、目標到達位置b=(bpu+bpr、bpu-bpr)を出力し、並進駆動ベルト15R、15Lをbprずつ逆向きに動作させることで把持物体の姿勢を回転させる(図5のS-8の動作)。
【0079】
ステップS9では、ステップS8による把持物体の姿勢を回転させる動作時に、現在の指先機構7R、7Lの位置h=(h,h)と現在の並進駆動ベルト15R、15Lの位置b=(b,b)が把持状態推定手段40に取り込まれ、把持状態の推定が行われる。
【0080】
ここで把持状態の推定についての詳細を説明する。図7のグラフは、並進駆動ベルト15R、15Lを逆向きに動作させ、把持物体の姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データであり、横軸は時間、縦軸は指先機構7R、7Lの間の距離である把持幅hR-hLである。
【0081】
把持物体の姿勢が回転すると、力制御の機能により把持物体の幅に応じて把持幅が変化する。この把持幅の変化を示すグラフの特徴として現れるのが極小点である。把持物体が立方体である場合、この極小点におけるロボットハンド1の把持状態は、図5のS-11-2に示す辺同士を把持した安定把持状態に相当する。
【0082】
ステップS10では、把持状態推定手段40は、極小点に相当する並進駆動ベルト15R、15Lの位置b=(b,b)を把持状態推定結果b=(bRs,bLs)として出力する。本実施形態では把持物体の姿勢を回転して1つめに遭遇する極小点1の位置が出力される。
【0083】
ステップS11では、動作シーケンス制御手段38が、把持状態推定結果b=(bRs,bLs)を受け、bpb=b、tbp=tとして出力し、bへと並進駆動ベルト15R、15Lの位置を移動し、安定把持状態とする。ただし、tは安定把持状態に到達するまでの時間である。動作としては安定把持状態を一旦通り越して戻るような動作となる(図5のS-11-1、図5のS-11-2の動作)。
【0084】
ステップS12では、把持状態が安定把持状態に到達すると、動作シーケンス制御手段38が上位系41に把持完了信号としてRh=1を返す。すると、上位系41はロボットアームの手先位置を把持物体を設置する目的位置へと移動させる。その後、ステップS13では、動作シーケンス制御手段38は、上位系41からの把持開放信号cu=0を受けるのを待機し、把持開放信号を受け取ったらステップS14へと進める。
【0085】
ステップS14では、動作シーケンス制御手段38は、bpb=(bRs-bpu、bLs-bpu)、tpb=topを出力し、並進駆動ベルト15R、15Lの動作により把持物体をtopの移動時間で指先へと移動させる(図5のS-14の動作)。
【0086】
ステップS15では動作シーケンス制御手段38は、s=0を出力することで指先機構7R、7Lの制御を位置制御に切り替え、hpb=(hHR,hHL)、tph=tを出力すると、指先機構7R、7Lは、tの移動時間でホームポジションへと移動し把持物体を開放する(図5のS-15の動作)。
【0087】
ステップS16では、動作シーケンス制御手段38は、上位系41に把持開放完了信号R=0を出力し、ステップS4に戻り次の動作へ進む。
【0088】
極小点は、図7の把持幅のグラフの接線の傾きを調べることで抽出され、この傾きがマイナスからプラスに反転する点が極小点とされている。しかし、実機では微小な変動が観測されるため、時間tにおける把持幅hw(t)と、微小な時間ずらした時間t+dtにおける把持幅hw(t+dt)との差dhw(t)=hw(t+dt)-hw(t)が傾きとされ、傾きの反転に関してもdhw(t+dts)- dhw(t)> ddhwで判断した。ただし、ddhwは微小な値である。例えば、図のグラフデータの動作の時は、dt=0.4sec、dts=0.002sec、ddhw=1.0e-6としている。
【0089】
以上、本発明によれば、把持力の力制御を行いながら、並進駆動ベルト15R、15で把持物体の姿勢を回転し、把持幅のデータより極小点を抽出することにより安定把持状態に移行することができ、落下などのない確実で信頼性の高い把持が可能となる。
【0090】
また、把持物体の姿勢認識に画像認識システムなどの高度で高価なシステムが必要なく、感圧シートセンサーなどの安価な力センサーとサーボモーターのエンコーダ情報より姿勢認識が可能であり、簡潔で安価なシステム構成とすることができる。
【0091】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態におけるロボットハンド1は、動作制御手段21が把持幅の時系列データより複数の極小点を抽出し、それらの大小に基づき把持状態を推定する。また、第2実施形態におけるロボットハンド1は極小点に加え変曲点も特徴点として捉える。その他の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので詳細説明は省略する。
【0092】
図8は、T型形状の物体を把持し姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データである。T型形状の物体の場合は、複数の極小点と変曲点が抽出される。動作制御手段21はこれらの特徴点から、さらに把持幅の大小で把持状態を推定する。例えば、極小点1の把持状態を特定するには、極小点の内、最小幅のものを選択することによりT型形状の横棒の両端を把持する安定把持状態とすることができる。
【0093】
変曲点の抽出は、上記第1実施形態でも使用した把持幅の時系列データの傾きdhw(t)の変化量を使い、0<dhw(t)-dhw(t-dtm)<ddhwi、または-ddhwi<dhw(t)-dhw(t-dtm)<0を満たす点を変曲点と判断した。ただし、ddhwiは微小な値である。例えば、図のグラフデータの動作の時はdtm=0.01sec、ddhwi=3.0e-4としている。
【0094】
本発明の第2実施形態によれば、複数の極小点より複数の安定把持点を選択することができるようになり、より安定した把持が可能となる。
【0095】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態におけるロボットハンド1は、動作制御手段21が把持幅の時系列データより変曲点や極大点を抽出し、それらの時系列での出現順序に基づき把持状態を推定する。その他の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので詳細説明は省略する。
【0096】
図9A図9Bは、L型形状の物体を把持し姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データである。L型形状の物体の場合は、変曲点と極大点が抽出されるが、図9AのようにL型形状の把持方向がアルファベットのLと同じ方向の場合、変曲点が極大点より先に現れる。一方、図9BのようにアルファベットのLと逆方向の場合、極大点が変曲点より先に現れる。動作制御手段21は、これらの特徴点の出現順序から把持物体の把持方向を推定する。これにより、例えば、上位系に把持方向の誤りを通知し、把持のやり直し動作を行い、正しい方向への持ち替えが可能となる。
【0097】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態におけるロボットハンド1は、動作制御手段21が力センサー14により観測される把持力の時系列データに基づき把持状態を推定する。その他の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので詳細説明は省略する。
【0098】
図10は、立方体形状の物体を把持力目標値f=0.5Nで力制御しながら把持姿勢を回転させたときの力センサー14で観測される把持力の時系列データである。力制御系は、把持力fが0.5Nとなるように制御をかけるが、並進駆動ベルト15R、15Lによる把持姿勢の回転の影響を受け、制御誤差が発生し、把持力fの値は変動する。その中で、特徴点として現れるのは目標値である0.5Nより小さな値から大きな値に急激に変動し、0.5Nラインをクロスするクロス点があり、それらは辺同士を把持する安定把持状態に相当するため、これらのクロス点へ姿勢を持っていくことで安定把持が実現する。
【0099】
なお、このクロス点での把持力の変動は、把持幅が減少から増加に反転するため力のかかり具合が変動することで発生するものと考えられる。
【0100】
本発明の第4実施形態によれば、第1実施形態等の極小点での推定と併用することにより、さらに安定把持点の抽出の精度を高めることが可能となる。
【0101】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態におけるロボットハンド1は、右指機構に配設された力センサーの計測値に基づき把持力制御を行いつつ、左指機構にも力センサー14Lを配設し、把持幅の時系列データの特徴点と左指機構の力センサーの力の時系列データの特徴点とより把持状態を推定する。その他の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので詳細説明は省略する。
【0102】
図11A図11Bは、T型形状の物体を把持力目標値f=0.5Nで力制御しながら把持姿勢を回転させたときの左指機構の力センサー14Lで観測される把持力および把持幅の時系列データである。図11AはT型形状の物体を左側に横倒しした状態からのスタートであり、図11BはT型形状の物体を右側に横倒しした状態からのスタートである。
【0103】
力制御系は、右指機構の力センサー14Rの値に基づき把持力fが0.5Nとなるように制御をかけるが、並進駆動ベルトによる把持姿勢の回転の影響を受け、制御誤差が発生し、左指機構の力センサー14Lで観測される力fLの値は変動する。その中で、特徴点として現れるのは力fLが0N近くまで急激に減少する急減点である。この急減点と把持幅の極小点の出現順序を比較すると、図11Aの場合は、極小点、急減点の順で現れるのに対し、図11Bの場合は逆になる。この極小点と急減点の出現順序を抽出することにより把持方向の違いを判断することが可能である。
【0104】
なお、図11A図11Bの左指機構の力センサー14Lの値fは、0.3N程度を主に変動しており、目標把持力0.5Nとは異なるが、これは各力センサーの14R、14L値を合わせこむキャリブレーションを行っておらず、各センサーの個別のばらつきが出たためである。
【0105】
本発明の第5実施形態によれば、T型のような複雑な形状の把持物体に対しても把持姿勢の方向を判断することが可能となり、陳列や組み立て作業など、より把持方向が重要となる作業への応用展開の可能性を高めることができる。
【0106】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態におけるロボットハンド1は、動作制御手段21が把持幅の時系列データより把持幅の大小により把持状態を推定するとともに、平坦区間を抽出することによっても把持状態を推定する。その他の構成は、第1実施形態の場合と同様であるので詳細説明は省略する。
【0107】
図12および図13は、苺を模したゴム製の食品サンプルを把持し姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データである。
【0108】
図12中の食品サンプルの図は、ロボットハンド1の指先側から見た把持の初期状態を示しており、各グラフはこれらの初期状態から姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データとなっている。図12にあるように、把持角と把持幅の平均的な大小は大まかに逆比例関係にあるため、把持幅の時系列データから把持角を算出し把持状態を推定することが可能である。
【0109】
次に、図13は、図12の把持角0°の場合を初期状態に姿勢を回転させたときの把持幅の時系列データである。図13中に円周状領域と示した部分を把持した状態では、回転半径の変化が少なくなるため、把持幅の時系列データとしては変化の少ない平坦区間として現れる。したがって、把持幅の時系列データより平坦区間が抽出され、その中央の位置を目標位置とすれば苺を立てた姿勢の状態にすることができる。
【0110】
以上2つの把持状態推定を使えば、図12で説明した推定により把持角を推定し、一旦把持を解除し、ロボットアームの手首自由度でロボットハンド1を回転し把持角が0°となるように再び把持しなおし、その後、図13で説明した推定により平坦区間の中央に持っていけば苺を立てた姿勢にすることができ、箱詰めや陳列、ケーキへ載せる作業などに応用することが可能である。
【0111】
なお、上記6つの実施形態では、指機構を平行リンク機構としたが、これに限られるわけではなく、例えば直動機構で平行指駆動を行うなど他の機構でも効果を発揮する。
【0112】
また、上記6つの実施形態では、力センサーとして感圧シートを使用するとしたが、これに限られるわけではなく、例えば指機構の関節部にトルクセンサーを設けるなど他のセンシング方法でも効果を発揮する。
【0113】
また、上記6つの実施形態では、力センサーが設けられていたが、これに限られるわけではなく、ハンド機構の把持力を他の方法で検知可能である場合、力センサーが設けられていなくてもよい。
【0114】
また、上記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のロボットハンド、ロボットハンドの制御装置、制御方法、及び制御プログラムは、ロボットアームのエンドエフェクタとして物品の把持に使用可能な、グリッパハンド、グリッパハンド制御装置、制御方法、及び制御プログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0116】
1 ロボットハンド
2 ハンド土台部
3 指機構
4 指関節
5 手首接続部
6 平行リンク機構
7 指先機構
8 ロボットハンド制御手段
9 指駆動サーボモーター
10 能動リンク
11 受動リンク
12 指骨格
13 指内側並進駆動機構
14 力センサー
15 並進駆動ベルト
16 並進駆動機構サーボモーター
17 モーター側巻取りローラー
18 並進駆動機構巻きばね
19 ばね側巻取りローラー
20 受動ローラー
21 動作制御手段
22 指逆運動学計算手段
23 指関節角度誤差計算手段
24 指関節角度誤差補償手段
25 把持力誤差計算手段
26 把持力誤差補償手段
27 力-トルク変換手段
28 位置・力制御選択手段
29 ベルト逆運動学計算手段
30 ベルトローラー角度誤差計算手段
31 ベルトローラー角度誤差補償手段
32 指順運動学計算手段
33 ベルト順運動学計算手段
34 ロボットハンドI/O
35 制御コンピュータ
36 モータードライバー
37 A/D変換器
38 動作シーケンス制御手段
39 目標軌道生成手段
40 把持状態推定手段
41 上位系
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13