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特開2024-127324通行管理装置、プログラム、通行管理システム及び通行管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127324
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】通行管理装置、プログラム、通行管理システム及び通行管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036414
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】504158881
【氏名又は名称】東京地下鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 巧弥
(72)【発明者】
【氏名】金子 航大
(72)【発明者】
【氏名】西川 祥子
(72)【発明者】
【氏名】塩原 岳
(72)【発明者】
【氏名】上坂 直行
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩貴
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】乗車券の多様化に対応可能な通行管理装置、プログラム、通行管理システム及び通行管理方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の通行管理装置は、取得部、判定部、追跡部及び通行許可部を備える。取得部は、旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得する。判定部は、前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する。追跡部は、少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡する。通行許可部は、前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得するリーダー取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡する追跡部と、
前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する通行許可部と、を備える通行管理装置。
【請求項2】
範囲内に入った旅客を前記通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲に入った旅客が、前記チケットを所持した前記旅客であることを特定する特定部をさらに備え、
前記通行許可部は、前記特定部が前記旅客であると特定した場合、且つ前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する、請求項1に記載の通行管理装置。
【請求項3】
旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得するリーダー取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
前記リーダーを使用した前記旅客の特徴量を抽出する第1の抽出部と、
進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内の旅客の特徴量を抽出する第2の抽出部と、
前記第1の抽出部によって抽出された前記特徴量と前記第2の抽出部によって抽出された前記特徴量が同一人物の特徴量であることを判定する特徴量判定部と、
前記特徴量判定部が同一人物であると判定した場合、且つ前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する通行許可部と、を備える通行管理装置。
【請求項4】
旅客が所持する端末装置と通信する通信部と、
前記通信を用いて前記端末装置の位置を特定する端末位置特定部と、
前記通信を用いて旅客が所持するチケットの情報を取得する取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内に前記端末装置が入ったことを、前記端末位置特定部によって特定された前記位置を用いて判定する、端末位置判定部と、
前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する通行許可部と、を備える通行管理装置。
【請求項5】
旅客が所持する端末装置と通信する通信部と、
前記通信を用いて前記端末装置の位置を特定する端末位置特定部と、
前記通信を用いて旅客が所持するチケットの情報を取得する取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
旅客の位置を特定する旅客位置特定部と、
前記端末位置特定部によって特定された位置と前記旅客位置特定部によって特定された位置が同一であるとみなすことを判定する同一位置判定部と、
前記同一位置判定部によって位置が同一であるとみなすと判定された前記旅客が、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内に入った場合、且つ前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する通行許可部と、を備える通行管理装置。
【請求項6】
前記通行許可部は、前記通路の通行を許可することを決定した場合、前記通路の開放及び閉塞を切り替えることで前記通路の通行を制御する通路開閉装置を制御して、前記通路を開放させる、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の通行管理装置。
【請求項7】
前記通行許可部は、前記チケットが無効である場合、前記旅客の前記通路の通行を禁止することを決定し、前記通路の通行を禁止することを決定した場合、前記通路開閉装置を制御して、前記通路を閉塞させる、請求項6に記載の通行管理装置。
【請求項8】
通行管理装置が備えるプロセッサーを、
旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得する取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡する追跡部と、
前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する通行許可部と、して機能させるプログラム。
【請求項9】
通行管理装置及び通路開閉装置を含み、
前記通行管理装置は、
旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得する取得部と、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部と、
少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡する追跡部と、
前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定し、前記通路の通行を許可することを決定した場合、前記通路の開放及び閉塞を切り替えることで前記通路の通行を制御する通路開閉装置を制御して、前記通路を開放させる通行許可部と、を備え
前記通路開閉装置は、前記通行許可部による制御に従い前記通路を開放する開閉部を備える、通行管理システム。
【請求項10】
旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得し、
前記チケットが有効であるか無効であるかを判定し、
少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡し、
前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する、通行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通行管理装置、プログラム、通行管理システム及び通行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、交通系ICカード及び磁気式乗車券を対象として自動改札機が普及している。また、新たな乗車券としてQRコード(登録商標)乗車券やクレジットカード式乗車券などさまざまな乗車券が実用化されつつある。このような新たな乗車券を自動改札機に対応させる方法としては、例えばQRコードリーダーと交通系IC(integrated circuit)カードリーダーを自動改札機の入り口に組み込む方法がある(特許文献1)。また、このような方法として、例えば自動改札機の手前にポールを設置し、QRコードリーダーとタッチ式ICカードリーダーを設置し、自動改札機に接続して一体化する方法がある(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-186687号広報
【特許文献2】特開2005-018286号広報
【特許文献3】特開平10-143687号広報
【特許文献4】特開2015-111321号広報
【特許文献5】特開昭53-038398号広報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】南海電気鉄道株式会社2020年12月24日プレスリリース(2021年春より南海電鉄の改札機で「Visaのタッチ決済」、「QRコード」利用の実証実験を実施します), 2020年12月24日 [2023年1月19日検索] インターネット <URL: https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/201224.pdf>
【非特許文献2】椎橋章夫著, 「自動改札のひみつ」(ISBN978-4-425-76132-6), 改定再版, 成山堂書店,平成19年1月18日
【非特許文献3】情報処理学会デジタルプラクティスVol.8 No.2(構内モニタカメラを用いた混雑度可視化技術)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
新たな乗車券リーダーを自動改札機に組み込むには、筐体の構造変更が発生し改造費用が高額となる。また、様々な乗車券対応のリーダーが近接して設置されることで旅客に対して分かりにくさをもたらす場合がある。このため、旅客が間違った乗車券リーダーにタッチする場合がある。また、例えばQRコード乗車券読み取り部とNFC方式のICカード読み取り部が近接した配置(特許文献1)の場合、NFC機能を有するスマートフォンでQRコード乗車券を読み取らせようとした際に誤ってNFC乗車券リーダーが反応することがある。以上より、新たな乗車券リーダーを自動改札機に組み込むことで、自動改札機周辺で戸惑う旅客が発生するなど旅客利用効率の低下及びサービス品質の低下を引き起こすと考えられる。
【0006】
また、自動改札機入口手前に新たな乗車券対応のリーダーを組み込んだポール等を設置する場合は自動改札機前のスペースを余分に確保する必要がある。このため、設置工事のコスト発生や自動改札機の手前で立ち止まる旅客による自動改札機の旅客利用効率の低下を生ずる。
【0007】
また、新たな乗車券リーダーを例えば改札口のカウンターなどに設置し、旅客が所持する乗車券を当該乗車券リーダーに読み込ませたのち当該旅客が自動改札機を通るタイミングに合わせて駅員が強制的にゲートを開く操作を行う方法もある。この場合、駅員の配置や業務負担増加をきたすという課題がある。
【0008】
前記の方法を遠隔で行う方法として例えば自動改札機の状態が確認できるモニターと自動改札機を集中管理制御する装置により離れた場所から自動改札機の開閉を制御する方法がある(特許文献5)。しかしながら、この方法は係員によるモニター確認と遠隔操作が前提である。
【0009】
また、改札口カウンター等に設置した乗車券リーダーを自動改札機に接続し駅員の配置なく自動改札機のゲートを制御することも考えられる。この場合は、改札口のカウンターに設置した乗車券リーダーを操作した旅客が当該自動改札機に入ろうとするまでの間に他の旅客が当該自動改札機に入ってしまうことがあり1台の自動改札機を複数の旅客が利用する際の競合状態により旅客間のトラブルを起す可能性がある。
【0010】
以上のように、新たな乗車券方式への対応のために自動改札機を複数の乗車券リーダーで使用する方法として、自動改札機に新たな乗車券リーダーを組み込む場合は限られたスペースに複数の乗車券リーダーを設置することによる異なる乗車券リーダー間の空間的干渉の課題がある。また、新たな乗車券方式への対応のために自動改札機を複数の乗車券リーダーで使用する方法として、自動改札機と離れた場所に新たな乗車券リーダーを設置し、自動改札機を共用する場合は、利用者間で発生する競合関係と複数の旅客が自動改札機を通過する順番に応じた待ち行列の処理の課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、乗車券の多様化に対応可能な通行管理装置、プログラム、通行管理システム及び通行管理方法を提供することである。
【0012】
実施形態の通行管理装置は、取得部、判定部、追跡部及び通行許可部を備える。取得部は、旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得する。判定部は、前記チケットが有効であるか無効であるかを判定する。追跡部は、少なくとも、前記リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、前記リーダーを使用した前記旅客の位置を追跡する。通行許可部は、前記チケットが有効である場合、前記旅客の前記通路の通行を許可することを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る改札システム及び当該改札システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係る改札システム及び当該改札システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図3】第1実施形態に係る改札システムの機器配置の一例を示す正面図。
図4】第1実施形態に係る改札システムの機器配置の一例を示す平面図。
図5】自動改札機の構造の一例を示す図。
図6】カメラ画像に映る旅客を追跡する方法を説明するための図。
図7】旅客オブジェクトの位置する範囲と自動改札機の位置関係の例を説明するための図。
図8】改札フロアの一例を示す図。
図9】自動改札機のプロセッサーによる第1実施形態~第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図10】自動改札機のプロセッサーによる第1実施形態~第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図11】自動改札機のプロセッサーによる第1実施形態~第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図12】管理システムのプロセッサーによる第1実施形態~第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図13】外部処理装置のプロセッサーによる第1実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図14】外部処理装置のプロセッサーによる第1実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図15】外部処理装置のプロセッサーによる第1実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図16】管理システムのプロセッサーによる第1実施形態~第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図17】第1実施形態に係るオブジェクトテーブルの一例を示す図。
図18】第1実施形態に係る待ち行列テーブルの一例を示す図。
図19】第1実施形態に係る制御テーブルの一例を示す図。
図20】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図21】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図22】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図23】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図24】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図25】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図26】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図27】第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図。
図28】第2実施形態に係る改札システム及び当該改札システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図29】第2実施形態の機器配置の一例を示す正面図。
図30】第2実施形態の機器配置の一例を示す平面図。
図31】第2実施形態のカメラの設置場所の例を示した図。
図32】外部処理装置のプロセッサーによる第2実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図33】外部処理装置のプロセッサーによる第2実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図34】第2実施形態に係る旅客テーブルの一例を示す図。
図35】第2実施形態に係る特徴量テーブルの一例を示す図。
図36】第2実施形態に係る制御テーブルの一例を示す図。
図37】第2実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図38】第2実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図39】第2実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図40】第2実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図41】第2実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図42】第3実施形態に係る改札システム及び当該改札システムに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図。
図43】第3実施形態の機器配置の一例を示す正面図。
図44】第3実施形態の機器配置の一例を示す平面図。
図45】外部処理装置のプロセッサーによる第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図46】外部処理装置のプロセッサーによる第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図47】端末装置のプロセッサーによる第3実施形態に係る処理の一例を示すフローチャート。
図48】第3実施形態に係るオブジェクトテーブルの一例を示す図。
図49】第3実施形態に係るカメラテーブルの一例を示す図。
図50】第3実施形態に係る紐付けテーブルの一例を示す図。
図51】第3実施形態に係る待ち行列テーブルの一例を示す図。
図52】第3実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図53】第3実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図54】第3実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
図55】第3実施形態説明における旅客の移動の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、いくつかの実施形態に係る改札システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0015】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る改札システム1の構成例を図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る改札システム1及び改札システム1に含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。改札システム1は、一例として、管理システム100、管理システム200、自動改札機300及び外部処理装置400を含む。なお、管理システム100、管理システム200、自動改札機300及び外部処理装置400それぞれの数は限定しない。なお、改札システム1は、通行管理システムの一例である。
【0016】
管理システム100、管理システム200、自動改札機300及び外部処理装置400は、ネットワークNW1に接続する。ネットワークNW1は、例えば、イントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNW1は、例えば、LAN(local area network)を含む通信網である。ネットワークNW1は、例えば、インターネットを含む通信網である。
【0017】
自動改札機300及び外部処理装置400は、ネットワークNW2に接続する。ネットワークNW2は、例えば、駅内の機器同士を接続する駅内ネットワークである。ネットワークNWは、例えば、LANを含む通信網である。ネットワークNW2は、例えば、イントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNWは、インターネットを含む通信網であっても良い。
【0018】
管理システム100は、鉄道などの乗り物に乗車するための乗車券の管理を行うシステムである。管理システム100が対象とする乗車券は、例えば、自動改札機300で使用可能な乗車券(以下「改札機乗車券」という。)である。管理システム100は、改札機乗車券の有効及び無効の判定を行う。改札機乗車券は、例えば、交通系ICカード及び磁気式乗車券などである。なお、交通系ICカードは、カード型に限らず、スマートフォン又はスマートウォッチなどの携帯型電子機器を用いたものであっても良い。例えば、1又は複数台のサーバー装置が管理システム100を構成する。管理システム100の数は、例えば、1つの鉄道会社に対して1つであるがこの限りではない。管理システム100は、一例として、プロセッサー101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、補助記憶装置104及び通信インターフェース105を含む。そして、バス106などが、これら各部を接続する。
【0019】
プロセッサー101は、管理システム100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー101は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー101は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー101は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー101は、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、管理システム100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー101は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー101の回路内に組み込まれていても良い。
【0020】
ROM102及びRAM103は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM102は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM102は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM103は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM103は、典型的には揮発性メモリである。
【0021】
補助記憶装置104は、プロセッサー101を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置104は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置104は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置104は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー101での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0022】
補助記憶装置104は、改札機乗車券についての情報を記憶及び管理するデータベースを記憶する。
【0023】
通信インターフェース105は、管理システム100がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。
【0024】
バス106は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、管理システム100の各部で授受される信号を伝送する。
【0025】
管理システム200は、乗車券の管理を行うシステムである。管理システム200が対象とする乗車券は、外部処理装置400で使用可能な乗車券(以下「外部乗車券」という。)である。管理システム200は、外部乗車券の有効及び無効の判定を行う。なお、外部乗車券は、自動改札機300及び外部処理装置400の両方で使用可能な乗車券を含んでも良い。また、外部乗車券は、自動改札機300では使用できない乗車券を含んでも良い。外部処理装置400で使用可能な乗車券は、例えば、QRコード乗車券及びクレジットカード式乗車券などである。QRコード乗車券は、切符型及びカード型並びに携帯型電子機器などの画面に表示するタイプのいずれであっても良い。
【0026】
旅客は、QRコード乗車券を利用する場合、スマートフォン等の端末を用いて予めQRコード乗車券を購入することができる。また、旅客は、自動券売機を用いてQRコード乗車券を購入することができても良い。管理システム200は、QRコード乗車券の販売にかかる処理を行う。管理システム200は、QRコード乗車券を購入した旅客に対しQRコードを発行する。そして、管理システム200は、当該旅客がQRコード乗車券の購入に使用した端末又は自動券売機などに当該QRコードを送信する。当該QRコードは、改札(ラッチ)内への入場及び列車へ乗車することができる権利を表章するデータを記憶する。自動券売機の場合、例えば、紙などに当該QRコードを印刷し、旅客に譲渡又は貸与する。旅客は、駅で改札を入場及び出場する際に外部処理装置400に当該QRコードを読み込ませる。外部処理装置400は、当該QRコードから読み取った情報を管理システム200に対して送信することで、QRコード乗車券が有効であるかを問い合わせる。管理システム200は、当該QRコード乗車券が有効か無効かの判定を行いその結果を外部処理装置400に返す機能を有する。
【0027】
例えば、1又は複数台のサーバー装置が管理システム200を構成する。管理システム200の数は、例えば、1つの鉄道会社に対して1つであるがこの限りではない。なお、管理システム100が管理システム200を兼ねていても良い。管理システム200は、一例として、プロセッサー201、ROM202、RAM203、補助記憶装置204及び通信インターフェース205を含む。そして、バス206などが、これら各部を接続する。
【0028】
プロセッサー201は、管理システム200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー201は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー201は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー201は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー201は、ROM202又は補助記憶装置204などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、管理システム200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー201は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー201の回路内に組み込まれていても良い。
【0029】
ROM202及びRAM203は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM202は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM202は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM202は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM203は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM203は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM203は、典型的には揮発性メモリである。
【0030】
補助記憶装置204は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置204は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置204は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置204は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー201での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0031】
補助記憶装置204は、外部乗車券についての情報を記憶及び管理するデータベースを記憶する。
【0032】
通信インターフェース205は、管理システム200がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。
【0033】
バス206は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、管理システム200の各部で授受される信号を伝送する。
【0034】
自動改札機300及び外部処理装置400については、図1及び図2に加えて図3及び図4も用いて説明する。図3及び図4は、第1実施形態における機器配置の一例を説明するために用いる。
図3及び図4は、第1実施形態に係る改札システム1の機器配置の一例を示す二面図である。このうち、図3は、正面図である。図4は、上方から見た平面図である。ただし、図4では天井CEは透過して示している。また、図3及び図4では、自動改札機300及び外部処理装置400のリーダー407を各1台のみ例示している。また、図3及び図4には、旅客PAも示している。旅客PA1は、改札機乗車券TI1を使用する旅客PAである。旅客PA2は、外部乗車券TI2を使用する旅客PAである。なお、改札機乗車券TI1と外部乗車券TI2を総称して乗車券TIという。
【0035】
また、自動改札機300についてはさらに図5も用いて説明する。図5は、自動改札機300の構造の一例を示す図である。なお、図5に示す自動改札機300は、自動改札機を側方から見た側面図である。
【0036】
自動改札機300は、改札機乗車券TI1を用いた改札などを行うための装置である。自動改札機300は、例えば、旅客PAの改札外(ラッチ外)から改札内(ラッチ内)へ入場する通行及び改札内から改札外へ出場する通行を制御する。改札内への入場及び改札外への出場には、例えば自動改札機300の設置位置に設けられた入出場用通路EPを用いる。なお、図3及び図4には、改札内と改札外とを入出場用通路EPを通らずに行き来できないようにするための柵FEも示している。また、自動改札機300は、乗り換えに用いる自動改札機であっても良い。自動改札機300は、例えば、1つの改札口ごと又は1つの駅ごとに1又は複数設置される。なお、それぞれの自動改札機300は、入場用、出場用並びに入場及び出場の双方に使える入出場兼用のいずれであっても良い。自動改札機300は、入出場兼用の場合、改札内に入場する旅客PAが自動改札機300を利用する状態ではリーダー308による改札出場のための改札機乗車券TI1の読み込みを止める。そして、自動改札機300は、改札出場のための改札機乗車券TI1の読み込みを止めていることを、改札出場のために当該自動改札機を使用しようとする旅客PAに報知装置310を用いて報知する。自動改札機300は、逆に改札内から出場する旅客PAが自動改札機300を利用する状態ではリーダー308による改札入場のための改札機乗車券TI1の読み込みを止める。そして、自動改札機300は、改札入場のための改札機乗車券TI1の読み込みを止めていることを、改札入場のために当該自動改札機を使用しようとする旅客PAに報知装置310を用いて報知する。なお、自動改札機300は、入場及び出場に限らず、乗り換え用のものであっても良い。
【0037】
自動改札機300は、一例として、プロセッサー301、ROM302、RAM303、補助記憶装置304、通信インターフェース305、外部インターフェース306、センサー307、リーダー308、ゲート部309及び報知装置310を含む。そして、バス311などが、これら各部を接続する。なお、自動改札機300は、通路の開放及び閉塞を切り替えることで通路の通行を制御する通路開閉装置の一例である。
【0038】
プロセッサー301は、自動改札機300の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー301は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー301は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー301は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー301は、ROM302又は補助記憶装置304などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、自動改札機300の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー301は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー301の回路内に組み込まれていても良い。
【0039】
ROM302及びRAM303は、プロセッサー301を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM302は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM302は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM302は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM303は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM303は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM303は、典型的には揮発性メモリである。
【0040】
補助記憶装置304は、プロセッサー301を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置304は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置304は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置304は、プロセッサー301が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー301での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0041】
補助記憶装置304は、この補助記憶装置304を備える自動改札機300が設置されている駅の駅ID(identifier)を記憶する。
【0042】
RAM303又は補助記憶装置304は、可否変数を記憶する。可否変数は、入出場用通路EPの通過の可否を示す変数である。可否変数は、通過許可状態と通過禁止状態の2種類の状態をとる。通過許可状態の可否変数は、入出場用通路EPの通過を許可することを示す。通過禁止状態の可否変数は、入出場用通路EPの通過を禁止することを示す。
【0043】
通信インターフェース305は、自動改札機300がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。
【0044】
外部インターフェース306は、自動改札機300がネットワークNW2を介して外部処理装置400などと通信するためのインターフェースである。自動改札機300は、外部インターフェース306を介して外部処理装置400などからの制御を受ける。例えば、自動改札機300は、外部処理装置400からの制御によりゲート部309を開閉する。なお、外部インターフェース306は、ネットワークNW2を介さずに外部処理装置400と接続しても良い。
【0045】
自動改札機を外部制御する例としては、駅員が改札口のカウンターCOで遠隔操作によりゲート部309を開閉する機能、及び特許文献5に示す集中管理制御などがある。
【0046】
なお、通信インターフェース305が外部インターフェース306を兼ねていても良い。
【0047】
センサー307は、自動改札機300の周囲の人間及び入出場用通路EPを通過する人間などを検知するセンサーである。センサー307は、これら人間の位置などを計測する。センサー307は、例えば、自動改札機300筐体の入出場世通路EP側の側面に列状に配置される。
【0048】
リーダー308は、改札機乗車券TI1に記録された情報の読み取りを行う。また、リーダー308は、改札機乗車券TI1に情報を書き込むことができても良い。リーダー308は、例えば、自動改札機300の筐体に組み込まれ、旅客PA1が改札に入るタイミングで改札機乗車券TI1をタッチしやすい場所に設置される。
【0049】
ゲート部309は、旅客PAの入出場用通路EPの通行を制御する。ゲートは、ターンスタイル型、リトラクタブル型、フラップドア型又はその他の方式のいずれであっても良い。ゲート部309は、例えば、開閉可能なゲートを制御し、当該ゲートの開閉により通行の制御を行う。あるいは、ゲート部309は、例えば、回転可能な棒を固定又は非固定とすることで通行の制御を行う。ゲート部309は、例えば、ゲートを閉じる又は回転可能な棒を固定することで入出場用通路EPを閉塞することにより、旅客PAの入出場用通路EPの通過を禁止する。対して、ゲート部309は、例えば、ゲートを開く又は回転可能な棒を非固定とすることで入出場用通路EPを開放することにより、旅客PAの入出場用通路EPの通過を許可する。
【0050】
なお、自動改札機300が入場用のゲート部309と出場用のゲート部309を備える場合、自動改札機300は、入場用及び出場用のゲート部309の少なくともいずれかを入出場用通路EPの閉塞のための状態にする。自動改札機300が入場用のゲート部309と出場用のゲート部309を備える場合、自動改札機300は、入場用及び出場用の両方のゲート部309を入出場用通路EPの開放のための状態にする。
【0051】
プロセッサー301は、乗車券の有効及び無効の判定結果にもとづきセンサー307から得られる旅客PAの位置に従いゲート部309を制御する。なお、自動改札機300は、ゲート部309を備えないものであっても良い。
【0052】
プロセッサー301は、センサー307の検知結果を用いてゲート部309を制御することができる。センサー307を用いたゲート部309の制御の方法は、例えば特許文献2に示された方法などがある。
【0053】
報知装置310は、旅客PAへ各種情報を報知する。報知装置310は、例えば、音及び映像の少なくともいずれかを用いて報知する。報知装置310は、例えば、スピーカー及びディスプレイの少なくともいずれかを備える。報知装置310は、例えば、乗車券が有効及び無効であること並びに入出場用通路EPの通過を許可及び禁止することを、ゲート位置に至る前に旅客PAに報知する。
【0054】
バス311は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、自動改札機300の各部で授受される信号を伝送する。
【0055】
また、自動改札機300は、処理部320を含む。処理部320は、自動改札機300の構成要素のうち、一例として、プロセッサー301、ROM302、RAM303、補助記憶装置304、通信インターフェース305、外部インターフェース306を含む。
【0056】
外部処理装置400は、外部乗車券TI2を用いた改札などを行うための装置である。外部処理装置400は、例えば、1つの改札口又は1つの駅に1つ設置される。あるいは、外部処理装置400は、1つの改札口又は1つの駅に複数設置されても良い。外部処理装置400は、必要に応じて1又は複数の自動改札機300を制御する。外部処理装置400は、当該外部処理装置400が設置されている改札口に設置されている自動改札機300のうち、一部の自動改札機300のみを制御しても良いし、全ての自動改札機300を制御しても良い。また、外部処理装置400は、当該外部処理装置400が設置されている改札口とは異なる改札口に設置されている自動改札機300を制御できても良い。外部処理装置400がどの自動改札機300を制御するかは設定により変更が可能である。また、外部処理装置400が制御する自動改札機300は、時間帯、改札通過旅客数又はリーダー407を使用する旅客数等により制御する自動改札機300の割り当て台数を増減することができる設定が可能であっても良い。外部処理装置400は、一例として、プロセッサー401、ROM402、RAM403、補助記憶装置404、通信インターフェース405、制御インターフェース406、リーダー407、カメラ408、画像処理部409及び報知装置410を含む。そして、バス411などが、これら各部を接続する。なお、外部処理装置400は、通行管理装置の一例である。
【0057】
プロセッサー401は、外部処理装置400の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー401は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー401は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー401は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー401は、ROM402又は補助記憶装置404などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、外部処理装置400の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー401は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー401の回路内に組み込まれていても良い。
【0058】
ROM402及びRAM403は、プロセッサー401を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM402は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM402は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM402は、プロセッサー401が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM403は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM403は、プロセッサー401が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM403は、典型的には揮発性メモリである。
【0059】
補助記憶装置404は、プロセッサー401を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置404は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置404は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置404は、プロセッサー401が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー401での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0060】
補助記憶装置404は、この補助記憶装置404を備える外部処理装置400が設置されている駅の駅IDを記憶する。
【0061】
補助記憶装置404は、後述のオブジェクトテーブルT1、待ち行列テーブルT2及び制御テーブルT3を記憶する。
【0062】
通信インターフェース405は、外部処理装置400がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。
【0063】
制御インターフェース406は、外部処理装置400がネットワークNW2を介して自動改札機300などと通信するためのインターフェースである。外部処理装置400は、制御インターフェース406を介して自動改札機300などを制御する。なお、制御インターフェース406は、ネットワークNW2を介さずに自動改札機300と接続しても良い。
【0064】
リーダー407は、外部乗車券TI2に記録された情報の読み取りを行う。また、リーダー407は、外部乗車券TI2読み取った当該情報を出力する。また、リーダー407は、外部乗車券TI2に情報を書き込むことができても良い。外部処理装置400は、複数のリーダー407を備えていても良い。リーダー407は、例えば、改札口のカウンターCOなどに設置される。リーダー407は、例えば、ある旅客PA2がリーダー407を使用している間に別の旅客PAが自動改札機300の入出場用通路EPを通過することを妨げない程度に自動改札機300から離れた位置に設置される。
【0065】
カメラ408は、旅客PAなどを撮影するために画像を撮影する。カメラ408は、例えば、リーダー407及び自動改札機300が設置されたエリアを撮影する。カメラ408は、リーダー407で読み取った外部乗車券TI2の使用者である旅客PA2がその後自動改札機300の入出場用通路EPを通過する動線が観測可能なように配置されていることが好ましい。すなわち、カメラ408は、当該動線として想定される範囲を含む範囲を撮影するように設置されていることが好ましい。リーダー407がカウンターCOに設置されている場合であれば、カメラ408の撮影範囲は、カウンターCOの周辺を含むことが好ましい。外部処理装置400は、複数のカメラ408を備えていても良い。そして、外部処理装置400は、複数のカメラ408によって前述の範囲を撮影しても良い。カメラ408は、例えば、駅の改札口の天井CE、壁又はカウンターCOなどに設置される。図3及び図4では、天井CEに設置されたカメラ408を示している。外部処理装置400は、監視カメラなどの、他の目的で設置されたものをカメラ408として利用しても良い。また、カメラ408は、撮影した画像データを出力する。カメラ408が撮影し、出力した画像を以下「カメラ画像」というものとする。なお、動画像は、画像の一種である。
【0066】
画像処理部409は、カメラ画像に対して画像解析などの画像処理を行うプロセッサー又はICなどである。画像処理部409は、例えば、プロセッサー401の制御に基づき画像処理を行う。画像処理部409は、画像解析により、旅客オブジェクトを検出する。また、画像処理部409は、画像解析により、検出した旅客オブジェクトの位置を測位する。なお、画像処理部409は、例えば、当該位置を座標により示す。また、画像処理部409は、画像解析により、検出した旅客オブジェクトを追跡する。旅客オブジェクトは、画像解析によって検出されたオブジェクトであり、旅客PAを示すオブジェクトである。なお、プロセッサー401と画像処理部409が共同して画像処理を行っても良い。また、プロセッサー401が画像処理部409を兼ねていても良い。
【0067】
非特許文献3に駅構内モニタカメラより得られる画像から人の検出及びその追跡技術が開示されている。画像処理部409は、非特許文献3に開示の方法を用いても良い。
【0068】
なお、天井CEに設置されたカメラ408で撮影した映像から旅客オブジェクトを検出し追跡する方法として、カメラ映像の各フレーム画像から人間として検出される旅客オブジェクトの座標関係をフレーム間で比較し旅客オブジェクトの移動距離が最小のものを同一旅客オブジェクトと判定することで連続した画像より旅客の移動をリアルタイムに検知する方法を用いることができる。リアルタイム画像から旅客オブジェクトを検出する方法としては例えばYOLO(You Only Look Once)と呼ばれるアルゴリズムが実用化されている。旅客オブジェクトの検出アルゴリズムを以下「検出アルゴリズム」という。
【0069】
図6は、カメラ画像に映る旅客を追跡する方法を説明するための図である。図6は、カメラ画像の連続する2フレームの画像を重ねた画像IM1を示す。当該2フレームの画像のうち、1フレーム目を画像IM11、2フレーム目を画像IM12とする。画像IM11及び画像IM12には、それぞれ旅客PAX及び旅客PAYが映っている。旅客PAX11は、画像IM11に映っている旅客PAXである。旅客PAX12は、画像IM12に映っている旅客PAXである。旅客PAY11は、画像IM11に映っている旅客PAYである。旅客PAY12は、画像IM12に映っている旅客PAYである。画像処理部409は、検出アルゴリズムを用いて、カメラ画像に映る旅客PAX及び旅客PAYを旅客オブジェクトPOとして検出する。旅客オブジェクトPO11は旅客PAX1に、旅客オブジェクトPO12は旅客PAX2に、旅客オブジェクトPO21は旅客PAY1に、旅客オブジェクトPO22は旅客PAY2にそれぞれ対応する旅客オブジェクトPOである。画像処理部409は、旅客オブジェクトPOを、例えば、図6に示すように旅客を囲む長方形のオブジェクトとして検出する。また、画像処理部409は、各旅客オブジェクトPOの中心としてオブジェクト中心OCも検出する。
【0070】
画像処理部409は、新たに旅客オブジェクトPOが検出されるごとにオブジェクトIDを発行して付与する。オブジェクトIDは、新たに検出される旅客オブジェクトPOごとにユニークに付与される識別情報である。一例として、旅客PAXにはID01番、旅客PAYにはID02番が付与されているものとする。例えば、カメラ408が毎秒10フレーム撮影する場合、1フレーム100ミリ秒である。この場合、1フレームの間に旅客が移動する距離はたかだか10~20cm以下である。すなわち、1フレームの間の旅客オブジェクトPOの移動距離はたかだか10~20cm以下である。このため、画像処理部409は、例えば、連続する2フレームの画像のそれぞれに映っている旅客オブジェクトPOが、連続する2フレームの画像間でのオブジェクト中心OCのずれが一定値以下である場合、同一の旅客オブジェクトPOが移動したものと判定することができる。画像処理部409は、前述の処理を連続するフレーム間で繰り返し実行することで、カメラ画像を用いて旅客などの人の移動を追跡することが可能となる。なお、画像処理部409は、連続した2つのフレームに代えて、間のフレームを間引いた2つのフレームを使用しても良い。
【0071】
プロセッサー401及び画像処理部409は、旅客オブジェクトの位置が改札のどの範囲にあるかを特定する。
図7は、旅客オブジェクトPOの位置する範囲と自動改札機300の位置関係の例を説明するための図である。また、図7には、検知範囲AR1も示している。検知範囲AR1は、センサー307の検知範囲を示す。検知範囲AR1の一端は、例えば、境界BO1である。そして、検知範囲AR1の他端は、境界BO2である。境界BO1は、検知範囲AR1の入出場用通路EPの入り口側の端である。境界BO2は、検知範囲AR1の入出場用通路EPの出口側の端である。境界BO1及び境界BO2のそれぞれは、例えば、入出場用通路EP内にあっても良いし、入出場用通路EPの外側にあっても良い。
【0072】
自動改札機300ごとに改札判定エリアAR10が設定される。改札判定エリアAR10は、入出場用通路EP及びその前後を含む範囲である。当該前後は、入出場用通路EPの入り口の外側の所定の範囲と入出場用通路EPの出口の外側の所定の範囲である。これら所定の範囲は、例えば、改札システム1の設計者又は管理者などによって定められる。また、入出場用通路EPの入り口の外側とは、入場用の自動改札機300であれば、改札外の側である。入出場用通路EPの入り口の外側は、出場用の自動改札機300であれば、改札内の側である。また、入出場用通路EPの出口の外側とは、入場用の自動改札機300であれば、改札内の側である。入出場用通路EPの出口の外側は、出場用の自動改札機300であれば、改札外の側である。改札判定エリアAR10は、改札判定エリアAR10内に入った旅客を入出場用通路EPを通行する旅客であるとみなす所定の範囲である。
【0073】
改札判定エリアAR10は、例えば、一端が境界BO11であり、他端が境界BO15である。境界BO11は、入出場用通路EPの入り口の外側である。境界BO15は、入出場用通路EPの出口の外側である。
【0074】
改札判定エリアAR10は、一例として、競合判定区間AR11、乗車券判定区間AR12、通過中区間AR13、及び完了判定区間AR14の4つのエリアに分けることができる。競合判定区間AR11、乗車券判定区間AR12、通過中区間AR13、及び完了判定区間AR14は、入出場用通路EPの入り口の手前側から入出場用通路EPの出口の後ろに向けてこの順で並んでいる。したがって、入出場用通路EPを通る旅客オブジェクトPOは、競合判定区間AR11、乗車券判定区間AR12、通過中区間AR13、及び完了判定区間AR14の順で通過する。図7には、競合判定区間AR11内にいる間の旅客オブジェクトPOを旅客オブジェクトPO1、乗車券判定区間AR12内にいる間の旅客オブジェクトPOを旅客オブジェクトPO2、通過中区間AR13内にいる間の旅客オブジェクトPOを旅客オブジェクトPO3、完了判定区間AR14内にいる間の旅客オブジェクトPOを旅客オブジェクトPO4として示している。
【0075】
競合判定区間AR11は、複数の旅客が同時に自動改札機300に入ろうとした場合でも自動改札機300の入り口には一人だけが入場できる状態にする区間である。競合判定区間AR11は、入場できる一人の旅客を決定する区間である。競合判定区間AR11は、外部処理装置400で乗車券判定された旅客かそうでない旅客かを判定する区間である。
競合判定区間AR11は、例えば、一端が境界BO11であり、他端が境界BO12である。境界BO12は、競合判定区間AR11と乗車券判定区間AR12との境界である。境界BO12は、例えば、入出場用通路EP内にある。境界BO12は、例えば、境界BO1よりも入出場用通路EPの出口に近い側にある。すなわち、競合判定区間AR11は、境界BO1を含む。ただし、境界BO1の一部又は全部は、境界BO11上又は改札判定エリアAR10の外側にあっても良い。検知範囲AR1は、例えば、競合判定区間AR11内で決定された旅客が使用した乗車券TIの有効及び無効の判定結果並びに無札状態であるか否かの判定結果に応じてゲート制御可能なように設定される。
【0076】
乗車券判定区間AR12は、旅客が使用した乗車券TIの乗車券処理結果に応じてゲートの開閉制御を行う区間である。当該旅客は、競合判定区間AR11において決定された一人の旅客である。
乗車券判定区間AR12は、例えば、一端が境界BO12であり、他端が境界BO13である。境界BO13は、例えば、入出場用通路EP内にある。境界BO13は、例えば、ゲート部309よりも入出場用通路EPの入り口に近い側にある。
【0077】
通過中区間AR13は、自動改札機300のゲート開閉により旅客の通行を制御するエリアである。通過中区間AR13は、旅客の歩行状態でゲートが閉じる動作が通過中の旅客に当たらないよう適切に定められた範囲である。改札システム1は、通過中区間AR13内に旅客が位置する間はゲートの開閉状態を維持する。
通過中区間AR13は、例えば、一端が境界BO13であり、他端が境界BO14である。境界BO14は、例えば、入出場用通路EP内にある。境界BO14は、例えば、ゲート部309よりも入出場用通路EPの出口に近い側にある。境界BO14は、例えば、境界BO1よりも入出場用通路EPの入り口に近い側にある。すなわち、完了判定区間AR14は、境界BO2を含む。ただし、境界BO2の一部又は全部は、境界BO15上又は改札判定エリアAR10の外側にあっても良い。
【0078】
完了判定区間AR14は、旅客がゲート部309の通過を完了したこと、あるいは入出場用通路EPの通行を完了したことを示す範囲である。改札システム1は、例えば、旅客が完了判定区間AR14に入ったことを検知した場合、次の旅客が入出場用通路EPを通過することに備えるためにゲート部309を待機状態にしても良い。
完了判定区間AR14は、例えば、一端が境界BO14であり、他端が境界BO15である。
【0079】
図8を用いて、改札フロアTF1について説明する。改札フロアTF1は、自動改札機300及びリーダー407が設置された改札口の一例である。
図8は、改札フロアTF1の一例を示す図である。図8には、天井に設置されたカメラ408により撮影される改札フロアTF1を示している。改札フロアTF1は、少なくとも、自動改札機300-1及び自動改札機300-2の2台の自動改札機300並びにリーダー407-1及びリーダー407-2の2台のリーダー407が設置されている。図8には、旅客PA31及び旅客PA32の2人の旅客PAも示している。また、図8には、改札フロアTF1上の位置を示すxy座標も示している。
【0080】
旅客オブジェクトPO31は、旅客PA31に対応する旅客オブジェクトPOである。旅客オブジェクトPO31の座標(x、y)は、(2,5)である。なお、旅客オブジェクトPOの座標は、オブジェクト中心OCの座標である。また、座標の値は、整数には限らない。
旅客オブジェクトPO32は、旅客PA32に対応する旅客オブジェクトPOである。旅客オブジェクトPO32の座標は、(6,3)である。
【0081】
なお、自動改札機300-1は車椅子利用者なども通りやすい改札機として、自動改札機300-2と比べ入出場用通路EPの通路幅が広めの自動改札機300としている。自動改札機300-1は、入出場兼用である。自動改札機300-1は、リーダー308-1o及びリーダー308-1iの2つのリーダー308を備える。リーダー308-1oは、改札内IN1から改札外OU1への出場用である。リーダー308-1iは、改札外OU1から改札内IN1への入場用である。自動改札機300-1は、ゲート部309-1o及びゲート部309-1iの2つのゲート部309を備える。ゲート部309-1oは、改札内IN1から改札外OU1への出場用である。ゲート部309-1iは、改札外OU1から改札内IN1への入場用である。また、自動改札機300-1の改札判定エリアAR10を改札判定エリアAR10-1とする。
【0082】
自動改札機300-2は、改札内IN1から改札外OU1への出場用である。自動改札機300-2は、リーダー308-2及びゲート部309-2を備える。リーダー308-2は、リーダー308である。ゲート部309-2は、ゲート部309である。また、自動改札機300-2の改札判定エリアAR10を改札判定エリアAR10-2とする。
【0083】
改札判定エリアAR10は、一例として、ゾーンZ1からゾーンZ4の4つのゾーンZを含む。自動改札機300-1が出場用として動作している場合、すなわち旅客PAが図の左側の改札内IN1から右側の改札外OU1へと出場する場合、改札判定エリアAR10-1は、ゾーンZ1が競合判定区間AR11に、ゾーンZ2が乗車券判定区間AR12に、ゾーンZ3が通過中区間AR13に、ゾーンZ4が完了判定区間AR14に相当する。
【0084】
一方、自動改札機300-1が出場用として動作している場合、すなわち旅客PAが右側の改札外OU1から左側の改札内IN1へと入場する場合、改札判定エリアAR10-1は、ゾーンZ4が競合判定区間AR11に、ゾーンZ3が乗車券判定区間AR12に、ゾーンZ2が通過中区間AR13に、ゾーンZ1が完了判定区間AR14に相当する。このように、改札判定エリアAR10-1は、リーダー407を使用した旅客がどちらの方向から利用するかによってゾーンが切り替わる。なお、自動改札機300-1が入場用の場合と出場用の場合とで各ゾーンZの面積、形状及び境界が変化しても良い。また、各ゾーンZの形状は、長方形に限らない。
【0085】
改札判定エリアAR10-2は、ゾーンZ1が競合判定区間AR11に、ゾーンZ2が乗車券判定区間AR12に、ゾーンZ3が通過中区間AR13に、ゾーンZ4が完了判定区間AR14に相当する。
【0086】
リーダー407-1及びリーダー407-2は、改札フロアTF1のカウンターCO上に設置されている。リーダー407-1は、改札内IN1から改札外OU1への出場用である。リーダー407-2は、改札外OU1から改札内IN1への入場用である。
【0087】
なお、改札外OU1から見て改札内IN1は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。また、改札内IN1から見て改札外OU1は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。
【0088】
報知装置410は、旅客PAへ各種情報を報知する。報知装置410は、例えば、音及び映像の少なくともいずれかを用いて報知する。報知装置410は、例えば、スピーカー及びディスプレイの少なくともいずれかを備える。当該ディスプレイは、タッチパネルであっても良い。報知装置410は、例えば、乗車券が有効及び無効であること並びに自動改札機の通過を許可及び禁止することを、旅客PAに報知する。
【0089】
バス411は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、外部処理装置400の各部で授受される信号を伝送する。
【0090】
以下、実施形態に係る改札システム1の動作を図9図16などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図9図11は、自動改札機300のプロセッサー301による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー301は、例えば、ROM302又は補助記憶装置304などに記憶されたプログラムに基づいて図9図11の処理を実行する。自動改札機300のプロセッサー301は、例えば、図9図11の処理を並行又は並列で実行する。図12は、管理システム100のプロセッサー101による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー101は、例えば、ROM102又は補助記憶装置104などに記憶されたプログラムに基づいて図12の処理を実行する。図13図15は、外部処理装置400のプロセッサー401による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー401は、例えば、ROM402又は補助記憶装置404などに記憶されたプログラムに基づいて図13図15の処理を実行する。外部処理装置400のプロセッサー401、例えば、図13図15の処理を並行又は並列で実行する。図16は、管理システム200のプロセッサー201による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー201は、例えば、ROM202又は補助記憶装置204などに記憶されたプログラムに基づいて図16の処理を実行する。
【0091】
旅客PA1は、使用する改札機乗車券TI1をリーダー308に読み込ませる。
図9のステップST11において自動改札機300のプロセッサー301は、改札機乗車券TI1を読み込んだ、すなわちリーダー308によって改札機乗車券TI1が記憶するデータを読み取ったか否かを判定する。プロセッサー301は、改札機乗車券TI1を読み込んでいないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST12へと進む。
【0092】
ステップST12においてプロセッサー301は、可否変数を通過禁止状態にする。プロセッサー301は、ステップST12の処理の後、ステップST11へと戻る。なお、可否変数の初期値は、通過禁止状態とする。
【0093】
対して、プロセッサー301は、改札機乗車券TI1を読み込んだならば、ステップST11においてYesと判定してステップST13へと進む。
【0094】
ステップST13においてプロセッサー301は、ステップST11で読み込んだ改札機乗車券TI1について、管理システム100に問い合わせを行う。このために、プロセッサー301は、改札情報を生成する。改札情報は、当該改札機乗車券TI1から読み取られたデータ、補助記憶装置304に記憶された駅ID及び区分情報を含む。区分情報は、改札機乗車券TI1を用いて改札内に入場するのか改札外へ出場するのかを示す。改札情報は、当該改札機乗車券TI1の有効及び無効の判定を行うように指示する情報である。プロセッサー301は、改札情報を生成した後、当該改札情報を管理システム100に送信するように通信インターフェース305に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース305は、当該改札情報を管理システム100に送信する。送信された当該改札情報は、管理システム100の通信インターフェース105によって受信される。
【0095】
一方、図12のステップST41において管理システム100のプロセッサー101は、通信インターフェース105によって改札情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー101は、改札情報が受信されたならば、ステップST41においてYesと判定してステップST42へと進む。
【0096】
ステップST42においてプロセッサー101は、ステップST41で受信された改札情報に基づき、改札機乗車券TI1が有効であるか無効であるかの判定を行う。プロセッサー101は、例えば、公知の方法により、改札機乗車券TI1が有効であるか無効であるかの判定を行う。プロセッサー101は、例えば、改札機乗車券TI1の有効区間及び有効期限などが正しい場合に改札機乗車券TI1が有効であると判定する。
【0097】
ステップST43においてプロセッサー101は、改札結果情報を生成する。改札結果情報は、ステップST42の判定結果を含む。改札結果情報は、当該判定結果を通知する情報である。プロセッサー101は、改札結果情報を生成した後、当該改札結果情報を自動改札機300に送信するように通信インターフェース105に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース105は、当該改札結果情報を自動改札機300に送信する。送信された当該改札結果情報は、自動改札機300の通信インターフェース305によって受信される。プロセッサー101は、ステップST43の処理の後、ステップST41へと戻る。
【0098】
一方、図9のステップST14において自動改札機300のプロセッサー301は、通信インターフェース305によって改札結果情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー301は、改札結果情報が受信されたならば、ステップST14においてYesと判定してステップST15へと進む。
【0099】
ステップST15においてプロセッサー301は、ステップST14で受信された改札結果情報に基づき読み込んだ乗車券が有効であるか否かを判定する。プロセッサー301は、読み込んだ乗車券が有効でないならば、ステップST15においてNoと判定してステップST12へと進む。対して、プロセッサー301は、読み込んだ乗車券が有効であるならば、ステップST15においてYesと判定してステップST16へと進む。
【0100】
ステップST16においてプロセッサー301は、可否変数を通過許可状態にする。プロセッサー301は、ステップST16の処理の後、ステップST11へと戻る。
【0101】
一方、図10のステップST21においてプロセッサー301は、センサー307が人間を検知したか否かを判定する。プロセッサー301は、センサー307が人間を検知していないならば、ステップST21においてNoと判定してステップST22へと進む。
【0102】
ステップST22においてプロセッサー301は、ゲート部309をデフォルトの状態にする。ゲート部309のデフォルトの状態は、例えば、自動改札機300ごとに設定される。デフォルトの状態は、入出場用通路EPの閉塞又は開放のいずれかである。プロセッサー301は、ステップST22の処理の後、ステップST21へと戻る。
【0103】
対して、プロセッサー301は、センサー307が人間を検知したならば、ステップST21においてYesと判定してステップST23へと進む。
【0104】
ステップST23においてプロセッサー301は、自動改札機300が外部制御中であるか否かを判定する。外部制御についての詳細は後述する。プロセッサー301は、外部制御中であるならば、ステップST23においてYesと判定してステップST21へと戻る。対して、プロセッサー301は、外部制御中でないならば、ステップST23においてNoと判定してステップST24へと進む。
【0105】
ステップST24においてプロセッサー301は、入出場用通路EPの通過が許可されているか否かを判定する。プロセッサー301は、入出場用通路EPの通過が許可されていないならば、すなわち可否変数が通過拒否状態であるならば、ステップST24においてNoと判定してステップST25へと進む。
【0106】
ステップST25においてプロセッサー301は、ゲート部309を制御して入出場用通路EPを閉塞する。プロセッサー301は、ステップST25の処理の後、ステップST21へと戻る。
【0107】
対して、プロセッサー301は、入出場用通路EPの通過が許可されているならば、すなわち可否変数が通過許可状態であるならば、ステップST24においてYesと判定してステップST26へと進む。
【0108】
ステップST26においてプロセッサー301は、検知した人間が改札の通過を完了したところであるか否かを判定する。プロセッサー301は、当該人間が改札の通過を完了したところでない、すなわち当該人間が入出場用通路EPを通過中であると判定するならば、ステップST26においてNoと判定してステップST27へと進む。
【0109】
ステップST27においてプロセッサー301は、ゲート部309を制御して入出場用通路EPを開放する。プロセッサー301は、ステップST27の処理の後、ステップST21へと戻る。
【0110】
以上のように、プロセッサー301は、外部制御中でないならば、可否変数に基づき通路の閉塞及び開放を行う。
【0111】
また、プロセッサー301は、検知した人間が改札の通過を完了したところであると判定するならば、ステップST26においてYesと判定してステップST28へと進む。
【0112】
ステップST28においてプロセッサー301は、可否変数を通過禁止状態にする。これにより、プロセッサー301は、次にセンサー307によって検知された人間が入出場用通路EPを無許可で通過することを防ぐ。プロセッサー301は、ステップST28の処理の後、ステップST21へと戻る。
【0113】
一方、図13のステップST51において外部処理装置400のプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、最新のカメラ画像を取得する。
【0114】
ステップST52においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、ステップST51で取得したカメラ画像から旅客オブジェクトを検出する。なお、画像処理部409は、カメラ画像に複数の旅客が映っている場合、複数の旅客オブジェクトを検出する。
【0115】
ステップST53においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、ステップST52で検出した各旅客オブジェクトの座標を特定する。
【0116】
ステップST54においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、例えば、今回のステップST51~ステップST53の処理結果と前回のステップST51~ステップST54の処理結果とを用い、前述した方法などを用いて各旅客オブジェクトを追跡する。なお、画像処理部409は、前回以前のステップST51~ステップST54の処理結果を用いても旅客オブジェクトを追跡しても良い。
【0117】
プロセッサー401は、画像処理部409と協働して、ステップST54の処理を行うことで、少なくとも、リーダーの設置場所から、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路まで、リーダーを使用した旅客の位置を追跡する追跡部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー401は、ステップST54の処理を行うことで、追跡部の一例として機能する。
【0118】
ステップST55においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、ステップST52で新規な旅客オブジェクトを1つ以上検出したか否かを判定する。新規な旅客オブジェクトとは、例えば、今回のステップST52で検出された旅客オブジェクトのうち、前回のステップST52で検出されていない旅客オブジェクトである。ただし、画像処理部409は、誤検出を防ぐために、3回以上のステップST52の処理を合わせて新規な旅客オブジェクトであるか否かの判定を行っても良い。新規な旅客オブジェクトは、ステップST53の処理において追跡できない。したがって、画像処理部409は、例えば、ステップST54の処理結果を用いてステップST55の判定を行う。プロセッサー401は、画像処理部409が新規な旅客オブジェクトを1つ以上検出したならば、ステップST55においてYesと判定してステップST56へと進む。
【0119】
ステップST56においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、画像解析により新規な旅客オブジェクトの属性を特定する。属性は、旅客がどのような性質を持つかを示す。属性は、例えば、旅客が車椅子を使用していること、大きな荷物を持っていること、又は白杖を使用していることなどである。また、画像処理部409は、新規な旅客オブジェクトについて、検出可能ないずれの属性にも該当しない場合にはそのことを特定する。
【0120】
ステップST57においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、新規に検出した旅客オブジェクトそれぞれにオブジェクトIDを発行して付与する。そして、画像処理部409は、新規に検出した旅客オブジェクトを図17に示すようなオブジェクトテーブルT1などに登録する。
【0121】
図17は、オブジェクトテーブルT1の一例を示す図である。オブジェクトテーブルT1は、追跡中の旅客オブジェクトを記憶するテーブルである。オブジェクトテーブルT1は、追跡中の旅客オブジェクトのリストである。オブジェクトテーブルT1は、一例として、オブジェクトIDに座標及び属性を関連付ける(紐付ける)。当該座標は、ステップST53で特定されるものである。当該属性は、ステップST57において特定されるものである。属性の「指定なし」は、いずれの属性にも該当しないことを示す。
【0122】
プロセッサー401は、ステップST57の処理の後、ステップST58へと進む。また、プロセッサー401は、画像処理部409が新規な旅客オブジェクトを1つも検出していないならば、ステップST55においてNoと判定してステップST58へと進む。
【0123】
ステップST58においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが1つ以上あるか否かを判定する。検知範囲から退出した旅客オブジェクトとは、例えば、前回のステップST52で検出された旅客オブジェクトのうち、今回のステップST52で検出されなかった旅客オブジェクトである。ただし、画像処理部409は、誤検出を防ぐために、3回以上のステップST52の処理を用いて検知範囲から退出した旅客オブジェクトであるか否かの判定を行っても良い。検知範囲から退出した旅客オブジェクトは、ステップST53の処理において追跡できない。したがって、画像処理部409は、例えば、ステップST54の処理結果を用いてステップST58の判定を行う。
【0124】
プロセッサー401は、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが無いならば、ステップST58においてNoと判定してステップST59へと進む。
【0125】
ステップST59においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、オブジェクトテーブルT1を更新する。すなわち、プロセッサー401は、各旅客オブジェクトについて、ステップST53で特定した座標に更新する。プロセッサー401は、ステップST59の処理の後、ステップST51へと戻る。
【0126】
旅客PA2は、使用する外部乗車券TI2をリーダー407に読み込ませる。リーダー407は、外部乗車券TI2から、当該外部乗車券TI2が記憶するデータを読み取る。
図14のステップST71においてプロセッサー401は、外部乗車券TI2を読み込んだ、すなわちリーダー407によって外部乗車券TI2が記憶するデータを読み取ったか否かを判定する。プロセッサー401は、外部乗車券TI2を読み込んでいないならば、ステップST71においてNoと判定してステップST71の処理を繰り返す。対して、プロセッサー401は、外部乗車券TI2を読み込んだならば、ステップST71においてYesと判定してステップST72へと進む。
【0127】
プロセッサー401は、リーダー407を用いて外部乗車券TI2からデータを読み取ることで、旅客が所持するチケットの情報をリーダーを用いて取得するリーダー取得部の一例として機能する。
【0128】
ステップST72においてプロセッサー401は、ステップST71で読み込んだ外部乗車券TI2について、管理システム200に問い合わせを行う。このために、プロセッサー301は、外部情報を生成する。外部情報は、リーダー407によって当該外部乗車券TI2から読み取られたデータ、補助記憶装置404に記憶された駅ID及び区分情報を含む。当該データは、例えば、当該外部乗車券TI2の乗車券IDを含む。乗車券IDは、乗車券TIごとにユニークな識別符号である。外部情報は、当該外部乗車券TI2の有効及び無効の判定を行うように指示する情報である。プロセッサー401は、外部情報を生成した後、当該外部情報を管理システム200に送信するように通信インターフェース405に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース405は、当該外部情報を管理システム200に送信する。送信された当該外部情報は、管理システム200の通信インターフェース205によって受信される。
【0129】
一方、図16のステップST101において管理システム200のプロセッサー201は、通信インターフェース205によって外部情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー201は、外部情報が受信されないならば、ステップST101においてNoと判定してステップST102へと進む。
【0130】
ステップST102においてプロセッサー201は、通信インターフェース205によって完了通知が受信されたか否かを判定する。プロセッサー201は、完了通知が受信されないならば、ステップST102においてNoと判定してステップST101へと戻る。
【0131】
ステップST103においてプロセッサー201は、通信インターフェース205によってキャンセル通知が受信されか否かを判定する。プロセッサー201は、キャンセル通知が受信されないならば、ステップST103においてNoと判定してステップST101へと戻る。かくして、プロセッサー201は、外部情報、完了通知又はキャンセル通知が受信されるまでステップST101~ステップST103を繰り返す待受状態となる。なお、完了通知及びキャンセル通知については後述する。
【0132】
プロセッサー201は、ステップST101~ステップST103を繰り返す待受状態にあるときに外部情報が受信されたならば、ステップST101においてYesと判定してステップST103へと進む。
【0133】
ステップST104においてプロセッサー201は、ステップST101で受信された外部情報に基づき、外部乗車券TI2が有効であるか無効であるかの判定を行う。プロセッサー201は、例えば、公知の方法により、外部乗車券TI2が有効であるか無効であるかの判定を行う。プロセッサー201は、例えば、外部乗車券TI2の有効区間及び有効期限などが正しい場合に外部乗車券TI2が有効であると判定する。
【0134】
また、プロセッサー201は、外部乗車券TI2が有効であると判定した場合、当該外部乗車券TI2が自動改札機300を読み込み済みであることを補助記憶装置204などに記憶しても良い。プロセッサー201は、読み込み済みとなっている外部乗車券TI2については無効と判定する。
【0135】
ステップST105においてプロセッサー201は、外部結果情報を生成する。外部結果情報は、ステップST104の判定結果を含む。外部結果情報は、当該判定結果を通知する情報である。プロセッサー201は、外部結果情報を生成した後、当該外部結果情報を外部処理装置400に送信するように通信インターフェース205に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース205は、当該外部結果情報を外部処理装置400に送信する。送信された当該外部結果情報は、外部処理装置400の通信インターフェース405によって受信される。プロセッサー201は、ステップST105の処理の後、ステップST101へと戻る。
【0136】
一方、図14のステップST73において外部処理装置400のプロセッサー401は、通信インターフェース405によって外部結果情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー401は、外部結果情報が受信されたならば、ステップST73においてYesと判定してステップST74へと進む。
【0137】
ステップST74においてプロセッサー401は、ステップST73で受信された外部結果情報に基づき読み込んだ乗車券が有効であるか否かを判定する。プロセッサー401は、読み込んだ乗車券が有効でないならば、ステップST74においてNoと判定してステップST75へと進む。
【0138】
以上より、プロセッサー401は、ステップST72~ステップST74の処理を行うことで、チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部の一例として機能する。
【0139】
ステップST75においてプロセッサー401は、読み込んだ乗車券が無効であることを示すエラー処理を行う。プロセッサー401は、例えば、当該エラー処理として、報知装置410を用いて乗車券が無効であることを旅客に報知する。プロセッサー401は、ステップST75の処理の後、ステップST71へと戻る。
【0140】
対して、プロセッサー401は、読み込んだ乗車券が有効であるならば、ステップST74においてYesと判定してステップST76へと進む。
【0141】
ステップST76においてプロセッサー401は、ステップST71において乗車券を読み込んだリーダー407を使用した旅客のオブジェクトIDを特定する。プロセッサー401は、例えば、当該リーダー407の正面前方などの当該リーダー407の操作者が通常いる座標に位置する旅客オブジェクトを、当該リーダー407を使用した旅客の旅客オブジェクトとみなす。そして、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT1を参照して、当該リーダー407を使用した旅客の旅客オブジェクトのオブジェクトIDを取得する。
【0142】
ステップST77においてプロセッサー401は、ステップST76で特定したオブジェクトIDに対応する旅客に割り当てる自動改札機300(以下「割り当て改札」という。)を1つ又は複数決定する。割り当て改札は、当該旅客が使用して良い自動改札機300である。プロセッサー401は、旅客の入出場方向が合致する自動改札機300の中から割り当て改札を決定する。旅客の入出場方向とは、旅客が改札内に入場するのか改札外へ出場するのかを示す。なお、入出場方向が入場である割り当て改札を、以下「入場割り当て改札」という。また、入出場方向が出場である割り当て改札を、以下「出場割り当て改札」という。プロセッサー401は、例えば、当該旅客が使用したリーダー407から近い自動改札機300を割り当て改札に決定する。プロセッサー401は、例えば、割り当てられた旅客の数が少ない方からN台の自動改札機300を割り当て改札として決定する。なお、Nは、割り当て改札に決定する自動改札機300の数である。プロセッサー401は、例えば、当該旅客の属性に応じて割り当て改札を決定しても良い。例えば、プロセッサー401は、例えば、当該旅客の属性が車椅子を使用していることであるならば、車椅子に乗ったまま通過可能な通路幅が広めの自動改札機300を割り当て改札に決定する。また、プロセッサー401は、例えば、当該旅客の属性が白杖を使用していることであるならば、白杖を使用していても通過しやすい通路幅が広めの自動改札機300を割り当て改札に決定する。また、プロセッサー401は、その他の条件で自動改札機300を割り当て改札に決定しても良い。プロセッサー401は、制御テーブルT3を用いて割り当て改札を決定しても良い。
【0143】
また、プロセッサー401は、制御テーブルT3を更新する。すなわち、プロセッサー401は、入場割り当て改札として決定した自動改札機300について、入場待ち情報の値を1増加させる。そして、プロセッサー401は、出場割り当て改札として決定した自動改札機300について、出場待ち情報の値を1増加させる。なお、制御テーブルT3の詳細については後述する。
【0144】
ステップST78においてプロセッサー401は、ステップST76で特定したオブジェクトIDに対応する旅客を図18に示すような待ち行列テーブルT2などに登録する。
【0145】
図18は、待ち行列テーブルT2の一例を示す図である。待ち行列テーブルT2は、改札待ち旅客を記憶するテーブルである。待ち行列テーブルT2は、改札待ち旅客のリストである。改札待ち旅客は、リーダー407に有効な外部乗車券TI2を読み込ませた後、入出場用通路EPを通過していない旅客である。ステップST78で登録される旅客は、改札待ち旅客である。待ち行列テーブルT2は、オブジェクトIDに、ステータス、リーダーID、乗車券ID、入出場指定情報及び改札IDを関連付ける。待ち行列テーブルT2中のオブジェクトIDは、改札待ち旅客のオブジェクトIDである。待ち行列テーブルT2中のステータスは、関連付けられたオブジェクトIDで特定される改札待ち旅客が現在どのような状態であるかを示す。待ち行列テーブルT2中のリーダーIDは、ステップST71で外部乗車券TI2を読み込んだリーダー407のリーダーIDである。リーダーIDは、リーダー407ごとにユニークな識別情報である。待ち行列テーブルT2中の乗車券IDは、ステップST71で読み込まれた外部乗車券TI2の乗車券IDである。入出場指定情報は、関連付けられたオブジェクトIDで特定される改札待ち旅客が改札内に入場をするのか改札外へ出場するのかを示す。あるいは、入出場指定情報は、入場及び出場以外に乗り換えをすることを示しても良い。この場合の乗り換えは、入出場用通路EPを通過する乗り換えである。待ち行列テーブルT2中の改札IDは、関連付けられたオブジェクトIDで特定される改札待ち旅客に割り当てられた割り当て改札である。なお、待ち行列テーブルT2は、オブジェクトIDに乗車券IDも関連付けても良い。待ち行列テーブルT2中の乗車券IDは、関連付けられたオブジェクトIDで特定される改札待ち旅客がリーダー407に読み込ませた外部乗車券TI2の乗車券IDである。待ち行列テーブルT2に登録される乗車券IDは、ステップST71において外部乗車券TI2から読み込まれたものである。
【0146】
ステップST79においてプロセッサー401は、報知装置410を用いて、割り当て改札がどの自動改札機300であるかを報知する。報知装置410は、例えば、割り当て改札の位置を示した地図又は画像などを表示する。プロセッサー401は、ステップST79の処理の後、ステップST71へと戻る。
【0147】
プロセッサー401は、例えば、外部制御可能な自動改札機300それぞれについて、対象として図15の処理を実行する。第1実施形態において、プロセッサー401が図15の処理を実行する際に、その図15の処理の対象としている自動改札機300を以下「対象改札機」という。
【0148】
図15のステップST81においてプロセッサー401は、対象改札機の改札判定エリアAR10内に旅客オブジェクトがあるか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、オブジェクトテーブルT1を参照して、オブジェクトテーブルT1に登録されたいずれかの旅客オブジェクトの座標が対象改札機の改札判定エリアの範囲内である場合に、対象改札機の改札判定エリアAR10内に旅客オブジェクトがあると判定する。なお、補助記憶装置404などは、各自動改札機300の改札判定エリアAR10、競合判定区間AR11、乗車券判定区間AR12、通過中区間AR13、及び完了判定区間AR14それぞれについて範囲を示す座標を記憶する。また、補助記憶装置404などは、各ゾーンZの範囲を示す座標を記憶する。プロセッサー401は、改札判定エリアAR10内に旅客オブジェクトがないならば、ステップST81においてNoと判定してステップST81の処理を繰り返す。対して、プロセッサー401は、改札判定エリアAR10内に旅客オブジェクトがあるならば、ステップST81においてYesと判定してステップST82へと進む。
【0149】
ステップST82においてプロセッサー401は、対象改札機の改札判定エリアAR10内の旅客オブジェクトが当該改札判定エリアAR10内のどのゾーンZにあるかを特定する。また、プロセッサー401は、当該旅客オブジェクトが当該改札判定エリアAR10内の競合判定区間AR11、乗車券判定区間AR12、通過中区間AR13、及び完了判定区間AR14のどのエリアにあるかを特定する。プロセッサー401は、旅客オブジェクトの座標を用いてどのゾーンZにあるか及びどのエリアにあるかを判定する。
【0150】
ステップST83においてプロセッサー401は、ステップST82の処理に基づき制御テーブルT3を最新の情報に更新する。
【0151】
図19は、制御テーブルT3の一例を示す図である。制御テーブルT3は、各自動改札機300についての情報を記憶するテーブルである。制御テーブルT3は、一例として、改札IDに通過可能指定情報、外部制御指定情報、入場待ち情報、出場待ち情報、ゾーンZ1情報、ゾーンZ2情報、ゾーンZ3情報及びゾーンZ4情報を関連付ける。当該改札IDに関連付けられた各情報は、当該改札IDで特定される自動改札機300についての情報を示す。通過可能指定情報は、自動改札機300が入場用、出場用、入出場兼用のいずれであるかを示す。外部制御指定情報は、自動改札機300がどのような外部制御状態にあるかを示す。外部制御状態は、例えば、解除状態、開始状態、開放状態(入場開状態及び出場開状態)及び閉塞状態の4種類を含む。解除状態は、外部制御が解除された状態を示す。解除状態の自動改札機300は、自動改札機300自身の制御に従う。開始状態、開放状態及び閉塞状態は、外部制御を受け入れている状態を示す。開放状態は、外部制御によって入出場用通路EPを開放している状態を示す。また、入場開状態は、改札内への入場のために入出場用通路EPを開放している状態を示す。出場開状態は、改札外への出場のために入出場用通路EPを開放している状態を示す。閉塞状態は、外部制御によって入出場用通路EPを閉塞している状態を示す。入場待ち情報及び出場待ち情報は、外部処理装置400によって割り当て改札として割り当てられている数を示す。入場待ち情報の値と出場待ち情報の値を足した数が割り当て改札として割り当てられている数である。入場待ち情報は、外部制御装置400によって入場割り当て改札として割り当てられている数を示す。出場待ち情報は、外部制御装置400によって出場割り当て改札として割り当てられている数を示す。ゾーンZ1情報は、ゾーンZ1内に旅客オブジェクトがある否かを示す。ゾーンZ1情報は、ゾーンZ1内にある旅客オブジェクトのオブジェクトIDを示す。ゾーンZ2情報は、ゾーンZ2内に旅客オブジェクトがある否かを示す。ゾーンZ2情報は、ゾーンZ2内にある旅客オブジェクトのオブジェクトIDを示す。ゾーンZ3情報は、ゾーンZ3内に旅客オブジェクトがある否かを示す。ゾーンZ3情報は、ゾーンZ3内にある旅客オブジェクトのオブジェクトIDを示す。ゾーンZ4情報は、ゾーンZ4内に旅客オブジェクトがある否かを示す。ゾーンZ4情報は、ゾーンZ4内にある旅客オブジェクトのオブジェクトIDを示す。
【0152】
プロセッサー401は、ステップST84以降の処理を、対象改札機の改札判定エリアAR10内の旅客オブジェクトを対象に行う。なお、改札判定エリアAR10内に複数の旅客オブジェクトがある場合、プロセッサー401は、例えば、入出場用通路EPの出口に最も近い旅客オブジェクトを対象にステップST84以降の処理を実行する。ステップST84以降の処理の対象とする旅客オブジェクトを以下「対象オブジェクト」という。
【0153】
ステップST84においてプロセッサー401は、対象オブジェクトが改札待ち旅客であるか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、待ち行列テーブルT2を参照して、対象オブジェクトが登録されている場合に対象オブジェクトが改札待ち旅客であると判定する。プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札待ち旅客であると判定しないならば、ステップST84においてNoと判定してステップST85へと進む。
【0154】
以上より、プロセッサー401は、ステップST81及びステップST84の処理を行うことで、範囲内に入った旅客を通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲に入った旅客が、チケットを所持した旅客であることを特定する特定部の一例として機能する。
【0155】
ステップST85においてプロセッサー401は、対象改札機の外部制御を解除する。ただし、プロセッサー401は、対象改札機の外部制御が既に解除状態であるならばこの処理をスキップしても良い。プロセッサー401は、対象改札機の外部制御を解除するために、解除要求を対象改札機に送信するように制御インターフェース406に対して指示する。解除要求は、外部制御の受け入れを解除するように要求する情報である。この送信の指示を受けて制御インターフェース406は、当該解除要求を対象改札機に送信する。送信された当該解除要求は、対象改札機の外部インターフェース306によって受信される。また、プロセッサー401は、制御テーブルT3を更新して、対象改札機の外部制御指定情報を、解除状態にする。プロセッサー401は、ステップST85の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0156】
プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札待ち旅客であると判定するならば、ステップST84においてYesと判定してステップST86へと進む。
【0157】
ステップST86においてプロセッサー401は、対象改札機の外部制御を開始する。ただし、プロセッサー401は、対象改札機の外部制御が既に外部制御状態であるならばこの処理をスキップしても良い。プロセッサー401は、対象改札機の外部制御を開始するために、開始要求を対象改札機に送信するように制御インターフェース406に対して指示する。開始要求は、外部制御を受け入れるように要求する情報である。この送信の指示を受けて制御インターフェース406は、当該開始要求を対象改札機に送信する。送信された当該開始要求は、対象改札機の外部インターフェース306によって受信される。また、プロセッサー401は、制御テーブルT3を更新して、対象改札機の外部制御指定情報を、開始状態にする。
【0158】
ステップST87においてプロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機入場中又は改札機通過中であるか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、対象オブジェクトの座標が乗車券判定区間AR12内である場合に対象オブジェクトが改札機入場中であるとみなす。プロセッサー401は、例えば、対象オブジェクトの座標が通過中区間AR13内である場合に対象オブジェクトが改札機入場中であるとみなす。プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機入場中及び改札機通過中のいずれでもないならば、ステップST87においてNoと判定してステップST88へと進む。
【0159】
ステップST88においてプロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機出場中であるか否かを判定する。プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機出場中でないならば、すなわち対象オブジェクトの座標が競合判定区間AR11内であるならば、ステップST88においてNoと判定してステップST89へと進む。
【0160】
ステップST89においてプロセッサー401は、対象改札機の外部制御を解除する。プロセッサー401は、ステップST85と同様にして解除要求を対象改札機に送信する。ただし、当該解除要求は、ステップST85とは異なり占有情報を含んでも良い。占有情報は、対象オブジェクトが対象改札機を占有できるようにするための処理を実行するように要求する情報である。プロセッサー401は、ステップST89の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0161】
プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機入場中又は改札機通過中であるならば、ステップST87においてYesと判定してステップST90へと進む。
【0162】
ステップST90においてプロセッサー401は、対象改札機の入出場用通路EPの通行を許可することを決定する。そして、プロセッサー401は、対象改札機の入出場用通路EPを開放する。このために、プロセッサー401は、開放要求を対象改札機に送信するように制御インターフェース406に対して指示する。開放要求は、入出場用通路EPを開放するように要求する情報である。この送信の指示を受けて制御インターフェース406は、当該開放要求を対象改札機に送信する。送信された当該開放要求は、対象改札機の外部インターフェース306によって受信される。また、プロセッサー401は、制御テーブルT3を更新して、対象改札機の外部制御指定情報を、開放状態にする。プロセッサー401は、ステップST90の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0163】
以上より、プロセッサー401は、ステップST90の処理を行うことで、チケットが有効である場合、旅客の通路の通行を許可することを決定する通行許可部の一例として機能する。
【0164】
プロセッサー401は、対象オブジェクトが改札機出場中であるならば、ステップST88においてYesと判定してステップST91へと進む。
【0165】
ステップST91においてプロセッサー401は、ステップST85と同様にして対象改札機の外部制御を開始する。なお、自動改札機300は、外部制御解除後も自動改札機300を通過した旅客がゲート部309近辺に位置する場合は内蔵するセンサー307の働きにより入出場用通路EPを閉塞しないよう安全設計が行われていることが好ましい。
【0166】
ステップST92においてプロセッサー401は、完了通知を生成する。完了通知は、旅客PAが自動改札機300の通過を完了したことを通知する情報である。完了通知は、当該旅客PAが使用した外部乗車券TI2からリーダー407によって読み取られたデータ及び入出場情報を含む。入出場情報は、当該旅客PAが改札内に入場したか改札内から出場したかを示す。プロセッサー401は、完了通知を生成した後、当該完了通知を管理システム200に送信するように通信インターフェース405に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース405は、当該完了通知を管理システム200に送信する。送信された当該完了通知は、管理システム200の通信インターフェース205によって受信される。
【0167】
ステップST93においてプロセッサー401は、各テーブルを更新する。すなわち、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して、対象オブジェクトに対応する旅客に割り当てられた割り当て改札を特定する。そして、プロセッサー401は、当該旅客が入場した場合には、制御テーブルT3を更新して、当該各割り当て改札について、入場待ち情報の値を1減少させる。対して、プロセッサー401は、当該旅客が出場した場合には、制御テーブルT3を更新して、当該各割り当て改札について、出場待ち情報の値を1減少させる。また、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT1及び待ち行列テーブルT2から対象オブジェクトについてのレコードを削除する。プロセッサー401は、ステップST93の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0168】
一方、管理システム200のプロセッサー201は、ステップST101~ステップST103を繰り返す待受状態にあるときに完了通知が受信されたならば、ステップST102においてYesと判定してステップST106へと進む。
【0169】
ステップST106においてプロセッサー201は、ステップST102で受信された完了通知に含まれる乗車券IDで特定される外部乗車券TI2が、自動改札機300を通過したことを補助記憶装置204などに記憶する。また、プロセッサー201は、当該完了通知に含まれる入出場情報を当該乗車券IDと関連付けて記憶する。プロセッサー201は、ステップST106の処理の後、ステップST101へと戻る。
【0170】
また、図15には示していないが、プロセッサー401は、外部制御により自動改札機300の入出場用通路EPを閉塞することもできる。この場合、プロセッサー401は、閉塞要求を自動改札機300に送信するように制御インターフェース406に対して指示する。閉塞要求は、入出場用通路EPを閉塞するように要求する情報である。なお、プロセッサー401は、閉塞要求として、入場閉塞要求及び出場閉塞要求を送信することもできる。入場閉塞要求は、入場用のゲート部309を用いて入出場通路EPを閉塞するように要求する情報である。出場閉塞要求は、出場用のゲート部309を用いて入出場通路EPを開放するように要求する情報である。この送信の指示を受けて制御インターフェース406は、当該閉塞要求を自動改札機300に送信する。送信された当該閉塞要求は、自動改札機300の外部インターフェース306によって受信される。
【0171】
一方、図11のステップST31において自動改札機300のプロセッサー301は、外部インターフェース306によって開始要求が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー301は、開始要求が受信されたならば、ステップST31においてYesと判定してステップST32へと進む。
【0172】
ステップST32においてプロセッサー301は、外部制御の受け入れを開始する。これにより、プロセッサー301は、外部制御中の状態となる。この状態では、プロセッサー301は、図10のステップST23においてYesと判定する。すなわち、プロセッサー301は、この状態ではステップST24以降の処理を行わないので、センサー307が人間を検知している状態では外部制御以外での通路の開放及び閉塞を行わない。
【0173】
ステップST33においてプロセッサー301は、入出場用通路EPを閉塞するか否かを判定する。プロセッサー301は、例えば、通信インターフェース305によって閉塞要求が受信された場合に入出場用通路EPを閉塞すると判定する。あるいは、プロセッサー301は、制御テーブルT3のレコードを参照して、外部制御指定情報が閉塞状態となっている場合に入出場用通路EPを閉塞すると判定する。プロセッサー301が参照するレコードは、プロセッサー301自身を備える自動改札機300についての情報を記憶するレコードである。プロセッサー301は、入出場用通路EPを閉塞すると判定しないならば、ステップST33においてNoと判定してステップST34へと進む。
【0174】
ステップST34においてプロセッサー301は、入出場用通路EPを開放するか否かを判定する。プロセッサー301は、例えば、通信インターフェース305によって開放要求が受信された場合に入出場用通路EPを開放すると判定する。あるいは、プロセッサー301は、制御テーブルT3のレコードを参照して、外部制御指定情報が開放状態となっている場合に入出場用通路EPを開放すると判定する。プロセッサー301が参照するレコードは、プロセッサー301自身を備える自動改札機300についての情報を記憶するレコードである。プロセッサー301は、入出場用通路EPを開放すると判定しないならば、ステップST34においてNoと判定してステップST35へと進む。
【0175】
ステップST35においてプロセッサー301は、通信インターフェース305によって解除要求が受信されたか否かを判定する。プロセッサー301は、解除要求が受信されないならば、ステップST35においてNoと判定してステップST33へと戻る。かくして、プロセッサー301は、入出場用通路EPを閉塞すると判定する、入出場用通路EPを開放すると判定する又は解除要求が受信されるまでステップST33~ステップST35を繰り返す待受状態となる。
【0176】
プロセッサー301は、ステップST33~ステップST35を繰り返す待受状態にあるときに入出場用通路EPを閉塞すると判定するならば、ステップST33においてYesと判定してステップST36へと進む。
【0177】
ステップST36においてプロセッサー301は、ゲート部309を制御して入出場用通路EPを閉塞する。なお、プロセッサー301は、ステップST33において受信された閉塞要求が入場閉塞要求であるならば、入場用のゲート部309を用いて入出場用通路EPを閉塞する。プロセッサー301は、ステップST33において受信された閉塞要求が出場閉塞要求であるならば、出場用のゲート部309を用いて入出場用通路EPを閉塞する。プロセッサー301は、ステップST36の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0178】
プロセッサー301は、ステップST33~ステップST35を繰り返す待受状態にあるときに入出場用通路EPを開放すると判定するならば、ステップST34においてYesと判定してステップST37へと進む。
【0179】
ステップST37においてプロセッサー301は、ゲート部309を制御して入出場用通路EPを開放する。プロセッサー301は、ステップST37の処理の後、ステップST33へと戻る。
【0180】
プロセッサー301は、ステップST37の処理を行うことで、前記通行許可部による制御に従い通路を開放する開閉部の一例として機能する。
【0181】
プロセッサー301は、ステップST33~ステップST35を繰り返す待受状態にあるときに解除要求が受信されたならば、ステップST35においてYesと判定してステップST38へと進む。
【0182】
ステップST38においてプロセッサー301は、外部制御の受け入れを解除する。これにより、プロセッサー301は、外部制御中でない状態、すなわち外部制御解除状態となる。なお、プロセッサー301は、自動改札機300が入出場兼用である場合、且つ解除要求が占有情報を含む場合、改札判定エリアAR10内に入った旅客PAとは別の旅客PAが、改札判定エリアAR10内に入った旅客PAが入った側とは逆側から改札判定エリアAR10内に入ることを防ぐための処理を行う。当該処理として、プロセッサー301は、例えば、当該逆側から入る旅客PA用のリーダー308による乗車券の読み込みを停止する。また、当該処理として、プロセッサー301は、例えば、当該逆側から入る旅客PA用の報知装置310を制御して、自動改札機300が占有されていること及び入出場通路EPに入らないように案内することを示す画像を表示する。プロセッサー301は、ステップST38の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0183】
一方、外部処理装置400のプロセッサー401は、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが1つ以上あるならば、図13のステップST58においてYesと判定してステップST60へと進む。なお、プロセッサー401は、検知範囲から退出した旅客オブジェクトそれぞれに対してステップST60及びステップST61の処理を行う。
【0184】
ステップST60においてプロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが登録されているか確認する。登録されていた場合、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して、当該旅客オブジェクトに関連付けられた乗車券IDを取得する。そして、プロセッサー401は、当該乗車券IDを含むキャンセル通知を生成する。キャンセル通知は、当該乗車券IDで特定される乗車券を使った入場又は出場をキャンセルすることを示す。プロセッサー401は、キャンセル通知を生成した後、当該キャンセル通知を管理システム200に送信するように通信インターフェース405に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース405は、当該キャンセル通知を管理システム200に送信する。送信された当該キャンセル通知は、管理システム200の通信インターフェース205によって受信される。
【0185】
一方、管理システム200のプロセッサー201は、ステップST101~ステップST103を繰り返す待受状態にあるときにキャンセル通知が受信されたならば、ステップST103においてYesと判定してステップST107へと進む。
【0186】
ステップST107においてプロセッサー201は、キャンセル通知に含まれる乗車券IDで特定される外部乗車券TI2について、読み込み済みの状態を解除する。プロセッサー201は、ステップST107の処理の後、ステップST101へと戻る。
【0187】
ステップST61においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、オブジェクトテーブルT1から、検知範囲から退出した旅客オブジェクトを削除する。プロセッサー401は、ステップST61の処理の後、ステップST59へと進む。
【0188】
以下、改札フロアTF1における具体的な旅客の位置及び行動の一例を用いて、当該旅客の位置及び行動により改札システム1がどのように動作するかを図20図27を用いて説明する。
【0189】
図20図27は、第1実施形態における旅客の移動の一例を示す図である。また、図20図27は、旅客PA11~旅客PA14の4人の旅客PAが改札を入出場する流れを示している。ただし、図21図27は、図20に示した符号の図示を一部省略している。また、図21図27中の、丸数字は、それぞれが旅客PAを示す。図21図27中の丸数字の1は、旅客PA11を示す。図21図27中の丸数字の2は、旅客PA12を示す。図21図27中の丸数字の3は、旅客PA13を示す。図21図27中の丸数字の4は、旅客PA14を示す。また、図21図27中の実線矢印は、旅客PAの移動経路を示す。また、図21図27中の、旅客PAとリーダーとを結ぶ破線矢印は、当該旅客PAが当該リーダーを使用することを示す。
【0190】
図20は、改札フロアTF1内に未だ旅客PAがいない初期状態である。
【0191】
図21は、旅客PA11、旅客PA12、旅客PA13が順にカメラ画像内に入って来た後の状態である。旅客PA11は、改札内IN1で自動改札機300-2へ向かっている。旅客PA12は、改札外OU1でリーダー407-2へ向かっている。旅客PA13は、改札内IN1でリーダー407-1へ向かっている。
【0192】
外部処理装置400の画像処理部409は、図13の処理を実行することでカメラ画像内に入った各旅客PAを新たな旅客オブジェクトとして検出する。そして、画像処理部409は、旅客PA11にID01、旅客PA12にID02、旅客PA13にID03をそれぞれオブジェクトIDとして付与する。さらに、画像処理部409は、各旅客の旅客オブジェクトをその座標とともにオブジェクトテーブルT1に登録する。
【0193】
図22の旅客PA11は、自動改札機300-2の競合判定区間AR11(ゾーンZ1)に入ろうとしている。画像処理部409は、旅客PA11の旅客オブジェクトの座標を(3,11)に更新する。プロセッサー401は、図15の処理によって、旅客PA11の座標が自動改札機300-2のゾーンZ1内となった場合、旅客PA11がゾーンZ1内にあることを判定する。そして、プロセッサー401は、制御テーブルT3の自動改札機300-2のゾーンZ1にID01を設定し、引き続き当該IDが改札処理待ち旅客か否か判定する。
【0194】
図22の旅客PA11は、リーダー407ではなく自動改札機300-2のリーダー308-2に改札機乗車券TI1を読み込ませる。このため、旅客PA11は、改札処理待ち旅客として登録されていない。したがって、プロセッサー401は、図15に示す処理で自動改札機300-2の外部制御を解除する。
【0195】
一方、自動改札機300-2は、図9に示す処理において、リーダー308-2で読み取った改札機乗車券TI1について管理システム100に問い合わせる。自動改札機300-2は、当該改札機乗車券TI1が有効である場合、ゲート部309-2を制御して入出場用通路EPを開放する。
【0196】
自動改札機300-2は、当該改札機乗車券TI1が無効な場合又は乗車券の読み込みを行わなかった場合、ゲート部309-2を制御して入出場用通路EPを閉塞する。
【0197】
なお、旅客PA11は、リーダー407を使用していない。したがって、外部処理装置400は、旅客PA11を待ち行列テーブルT2に登録しない。このため、旅客PA11が使用中の自動改札機300-2の外部制御状態は解除状態である。
【0198】
図22の旅客PA12は、所持する外部乗車券TI2をリーダー407-2に読み込ませ改札内IN1へ入場しようとしている。外部処理装置400は、図14の処理で、リーダー407-2により読み込んだ外部乗車券TI2について管理システム200に問い合わせることで、その有効及び無効を判定することになる。当該外部乗車券TI2が無効の場合、外部処理装置400は、旅客PA12に対してエラーであったことを例えば音及び表示などで旅客PA12に報知する。そして、外部処理装置400は、次の外部乗車券TI2の読み込みの待機状態となる。一方、当該外部乗車券TI2が有効の場合、外部処理装置400は、オブジェクトテーブルT1を参照してリーダー407-2を操作する位置の座標にいる旅客オブジェクトのオブジェクトIDを、旅客PA12のオブジェクトIDとして取得する。当該オブジェクトIDは、一例としてID02であるとする。そして、外部処理装置400は、制御テーブルT3を参照し、例えば自動改札機300-1を割り当て改札として選択する。外部処理装置400は、待ち行列テーブルT2に旅客PA12を登録する。すなわち、外部処理装置400は、オブジェクトIDフィールドをID02、改札IDフィールドをTG01、入出場指定フィールドを入場、ステータスフィールドを乗車券判定済みとしたレコードを追加する。なお、TG01は、自動改札機300-1の改札IDである。そして、外部処理装置400は、報知装置410を用いて、旅客PA12に対して利用可能な自動改札機300について報知する。
【0199】
図22の旅客PA13は、旅客PA12に続いて、所持する外部乗車券TI2をリーダー407-1に読み込ませ改札外OU1へ出場しようとしている。外部処理装置400は、旅客PA12の場合と同様に旅客PA13に対して図14の処理を行う。これにより、外部処理装置400は、待ち行列テーブルT2に旅客PA13を登録する。すなわち、外部処理装置400は、オブジェクトIDフィールドをID03、改札IDフィールドをTG02、入出場指定フィールドを出場、ステータスフィールドを乗車券判定済みとしたレコードを追加する。なお、ID03は、旅客PA13のオブジェクトIDである。TG02は、自動改札機300-2の改札IDである。そして、外部処理装置400は、報知装置410を用いて、旅客PA13に対して利用可能な自動改札機300について報知する。
【0200】
図23の旅客PA11は、自動改札機300-2を通過中である。図23の旅客PA12は、改札内IN1へ入場するためリーダー407-2から自動改札機300-1へ向かって移動中である。図23の旅客PA13は、改札外OU1へ出場するためリーダー407-1から自動改札機300-2へ向かって移動中である。図23の旅客PA14は、新たにカメラ画像内に入りリーダー407-1へ向かっている状態である。なお、旅客PA14は、車椅子を使用中である。
【0201】
外部処理装置400の画像処理部409は、図22の状態から図23の状態へ変化する間の旅客PA11~旅客PA13の移動を検知し、オブジェクトテーブルT1の座標を更新している。画像処理部409は、旅客PA14については新たな旅客オブジェクトとして検出した時点でオブジェクトテーブルT1に登録する。なお、旅客PA14のオブジェクトIDは、ID04とする。また、旅客PA14の属性は、車椅子である。また、旅客PA14の座標は、(2,1)である。
【0202】
図24の旅客PA11は、自動改札機300-2の通過を完了した状態である。図24の旅客PA12は、自動改札機300-1の競合判定区間AR11を通過し乗車券判定区間AR12に入る状態である。図24の旅客PA13は、自動改札機300-2の改札判定エリアAR10の競合判定区間AR11に入った状態である。図24の旅客PA14は、所持する外部乗車券TI2をリーダー407-1に読み込ませた状態である。
【0203】
図24の状態では、自動改札機300-1は、入場用として動作している。したがって、ゾーンZ1が競合判定区間AR11に、ゾーンZ2が乗車券判定区間AR12に、ゾーンZ3が通過中区間AR13に、ゾーンZ4が完了判定区間AR14になっている。
【0204】
また、外部処理装置400の画像処理部409は、図23の状態から図24の状態へ変化する間の旅客PA11~旅客PA14の移動を検知し、各テーブルの値を更新している。
【0205】
自動改札機300-2は、図10の処理により旅客PA11の通過完了をセンサー307により検知する。その後、自動改札機300-2は、可否変数を改札通過禁止状態とする。
【0206】
なお、図24の旅客PA13が未だ乗車券判定区間AR12に入っておらず自動改札機300-2のセンサー307によって検知されていない状態である場合、前述のゲート部309-2に対する制御により入出場用通路EPは閉塞状態となる。対して、旅客PA13が既に乗車券判定区間AR12に入っている場合、自動改札機300は外部処理装置400からの外部制御が有効となる。この外部制御により、旅客PA11の通過のために入出場用通路EPの開放状態が継続されることになる。
【0207】
自動改札機300-1に入った旅客PA12は、改札判定エリアAR10の乗車券判定区間AR12に位置している。外部処理装置400は、図15の処理に従い、待ち行列テーブルT2を参照して、旅客PA12が改札待ち旅客であることを判定する。また、外部処理装置400は、旅客PA12の入出場指定が入場であることを特定する。そして、外部処理装置400は、制御テーブルT3を更新して、自動改札機300-1の外部制御指定情報を開放状態にする。
【0208】
そして、外部処理装置400は、自動改札機300-1に対して入出場用通路EPを開放するようにゲート部309-1i及びゲート部309-1oを制御する。
【0209】
なお、自動改札機300-1は、ゲート部309-1のデフォルトの状態が入出場通路EPを開放した状態である。したがって、自動改札機300-1は、旅客PA12が改札通過中、他の旅客が改札内IN1から改札外OU1へ出場しようとすることを防ぐためにリーダー308-1oによる乗車券の読み取りを一時停止する。また、自動改札機300-1は、報知装置310を用いて、改札内IN1への入場用として占有されていることを報知しても良い。
【0210】
図25の旅客PA12は、自動改札機300-1の通過中区間AR13から完了判定区間AR14に移動する状態である。図25の旅客PA13は、自動改札機300-2の通過中区間AR13から完了判定区間AR14に移動する状態である。旅客PA14は、自動改札機300-1近くへ移動し旅客PA12が自動改札機300-1から出るのを待っている状態である。
【0211】
図25の状態では、自動改札機300-1及び自動改札機300-2は外部処理装置400の外部制御状態にある。外部処理装置400は、自動改札機300-1及び自動改札機300-2のいずれも旅客PAが通過中区間AR13にあるため開放状態を維持している。
【0212】
図26の旅客PA12は、自動改札機300-1の完了判定区間AR14の通過を完了した状態である。図26の旅客PA13は、自動改札機300-2の完了判定区間AR14の通過を完了した状態である。図26の旅客PA14は、自動改札機300-1に向かって移動している状態である。
【0213】
自動改札機300-2は、旅客PA13が完了判定区間AR14に位置する段階で外部制御が解除された状態となる。自動改札機300-2は、センサー307が無検知である。このため、自動改札機300-2のゲート部309-2は、デフォルトの状態であり、入出場用通路EPが閉塞状態となっている。
【0214】
外部処理装置400は、旅客PA13が改札機通過を完了したことをもって管理システム200に対して旅客PA13の改札機通過完了(改札出場完了又は改札入場完了)の通知を行い、待ち行列テーブルT2及びオブジェクト管理テーブルから旅客PA13についてのデータを削除する。
【0215】
自動改札機300-1は、旅客PA12が完了判定区間AR14に位置する段階で外部制御が解除された状態となる。自動改札機300-1は、センサー307が無検知である。このため、自動改札機300-1のゲート部309-1は、デフォルトの状態であり、入出場通路EPが開放状態となっている。
【0216】
外部処理装置400は、旅客PA12が改札機通過を完了したことをもって管理システム200に対して旅客PA12の改札機通過完了の通知を行い、待ち行列テーブルT2及びオブジェクト管理テーブルから旅客PA12についてのデータを削除する。
【0217】
なお、自動改札機300-1のゲート部309-1のデフォルトの状態は、入出場通路EPを開放した状態である。これは、自動改札機300-1が入出場兼用となっているから、改札内IN1の旅客が改札外OU1に、改札外OU1の旅客が改札内IN1にスムーズに通行できるようにするためである。
【0218】
図27の旅客PA14は、自動改札機300-1から旅客PA12が完全に離れるのを待った後、自動改札機300-1に入り通過中区間AR13を移動中の状態である。
【0219】
旅客PA14は、旅客PA12が自動改札機300-1を出たことを見た後、改札判定エリアAR10に入る。旅客PA14のオブジェクトIDは、ID04とする。待ち行列テーブルT2においてオブジェクトID「ID04」と関連付けられた値は、ステータスが乗車券判定済、入出場指定が出場、割り当て改札の改札IDがTG01である。制御テーブルT3において改札ID「TG01」に関連付けられた値は、出場待ちが1、ゾーンZ1~ゾーンZ4は無人を示す0となっている。
【0220】
旅客PA14が改札判定エリアAR10-1に入った段階で、制御テーブルT3の値は競合判定区間AR11であるゾーンZ1の値が1となる。これにより、自動改札機300-1は、旅客PA14が改札外OU1へ出場するために占有された状態となる。
【0221】
なお、自動改札機300-1は、ゲート部309-1のデフォルトの状態が入出場通路EPを開放した状態である。したがって、自動改札機300-1は、旅客PA14が改札機通過中、他の旅客が改札外OU1から改札内IN1へ入場しようとすることを防ぐためにリーダー308-1iによる乗車券の読み取りを一時停止する。また、自動改札機300-1は、報知装置310を用いて、改札外OU1への出場用として占有されていることを報知しても良い。
【0222】
次に、外部処理装置400は、旅客PA14が乗車券判定区間AR12(ゾーンZ2)に入った段階で、旅客PA14が通過できるよう、自動改札機300-1のゲート部309-1i及びゲート部309-1oを制御して入出場通路EPを開放する。そして、外部処理装置400は、旅客PA14が自動改札機300-1の完了判定区間AR14に入るまで入出場通路EPを開放した状態を維持する。
【0223】
その後、外部処理装置400は、旅客PA14が完了判定区間AR14に入った段階で、旅客PA14の改札機出場完了処理として管理システム200に対して旅客PA14の改札機通過完了の通知を行う。また、外部処理装置400は、オブジェクトテーブルT1及び待ち行列テーブルT2から旅客PA14に対応するデータを削除する。
【0224】
以上のように、第1実施形態の改札システム1では自動改札機300のリーダー308を使用した旅客PA1と、外部処理装置400のリーダー407を使用した旅客PA2が同一の自動改札機300を混乱なく、スムーズに改札通過を可能とすることができる。また、第1実施形態の改札システム1は、従来の自動改札機を改造して自動改札機300として利用可能である。
【0225】
また、第1実施形態の改札システム1は、自動改札機300と異なる場所にリーダー407を設置する。したがって、第1実施形態の改札システム1は、新たな乗車券リーダーを自動改札機300に組み込む場合などと比べて少ない改造量によって当該改造を実現できるため、乗車券の多様化に低コストで対応することができる。
【0226】
乗車券方式が多様化することに対して自動改札機を各種乗車券方式に対応させるには複数の乗車券リーダー間での干渉及び旅客の乗車券読み込み操作の分かりにくさがあるとともに自動改札機の改造コストが高額となる課題がある。また、自動改札機とは異なる場所に乗車券リーダーを設置し自動改札機と接続することで当該自動改札機を併用する場合は自動改札機の乗車券リーダーを使用する旅客とこれとは別に設置される乗車券リーダーを使用する旅客は同一の自動改札機を使用する際に競合状態が発生するため旅客間のトラブルや誤った乗車券処理が発生する課題がある。
【0227】
第1実施形態の改札システム1は、自動改札機300に内蔵するリーダー308と異なるリーダー407を使用する旅客の位置を検知する手段と自動改札機を使用する旅客の待ち行列を管理する手段と自動改札機のエリアにおける旅客の位置により当該自動改札機のゲートを外部より制御することにより自動改札機の利用を円滑にし、かつ多様な乗車券方式に対してコストを抑えた対応を可能とすることができる。
【0228】
また、交通系ICカードなどとは異なる外部乗車券TI2の利用者は一般的に海外や地方からの旅行客や交通機関の利用頻度が低い旅客が多いと想定される。このため、乗車券取り扱い及びリーダー407への外部乗車券TI2の読み込み操作に時間を要する傾向があると考えられる。改札システム1は、これら旅客を自動改札機300の外部で乗車券処理を行い自動改札機300の通過時に特段の操作をすることなく通過できることで自動改札機300における人流の円滑化が確保できる。
【0229】
さらに、第1実施形態の改札システム1は、自動改札機300の外部で乗車券処理を行うことで、不慣れな旅客に対して乗車券読み込み操作時点で乗車券情報と関連したご案内情報の提供を円滑な人流を阻害することなく実現することができるためサービス向上にも寄与できる。
【0230】
さらに、第1実施形態の改札システム1は、リーダー407の設置場所が自由に選べることができるため、狭い駅構内への導入も容易となる。
【0231】
また、第1実施形態の改札システム1は、複数の自動改札機300を備えても良い。この場合、第1実施形態の改札システム1は、リーダー407を利用した旅客の自動改札機300通過の待ち行列管理において、複数の自動改札機300に対して適切に割り当て改札を割り振ることで、利用者が多い場合にも円滑な旅客フローを得ることが可能となる。
【0232】
また、従来は自動改札機300で対応しない乗車券に対して改札口のカウンター等で駅員により乗車券処理を行い、当該旅客が自動改札機を通過するタイミングで自動改札機のゲートを開ける操作を行っていた。第1実施形態の改札システム1は、これら操作を自動化するものであり駅改札業務の省力化にも寄与することができる。
【0233】
また、第1実施形態の改札システム1は、リーダー407で読み込んだ乗車券の有効及び無効判定の結果と、当該旅客が自動改札機を通過した結果を合わせて当該乗車券処理を完結することで、自動改札機の通過の途中で立ち止まったり、一旦引き返したりした際にもゲート制御を誤ることがなく、かつ、当該乗車券の処理を正しく完了することができるため乗車券処理におけるトラブル軽減にも寄与することができる。
【0234】
また、第1実施形態の改札システム1は、自動改札機300の外部での乗車券処理により自動改札機300を通過時に旅客は特段の乗車券の操作をする必要が無い。このため、第1実施形態の改札システム1は、自動改札機300のタッチレス化にも活用することができる。
【0235】
第1実施形態は、以下のような変形も可能である。
[変形例1-1]
第1実施形態の外部処理装置400は、自動改札機300のゲート部309を外部制御して入出場通路EPの開放及び閉塞を切り替える手段を用いた。しかしながら、外部処理装置400は、例えば特許文献3に記載されている正券カウンターを用いた方式を用いても良い。すなわち、外部処理装置400は、旅客PA2が改札を通過する際に、入出場通路EPを開放することに代えて1回だけ正券カウンターを1増加させる。自動改札機300は、正券カウンターが正の数である場合、ゲート部309を制御して入出場通路EPを開放する。自動改札機300は、正券カウンターが0以下である場合、ゲート部309をデフォルトの状態にする場合以外、ゲート部309を制御して入出場通路EPを閉塞する。自動改札機300は、旅客PAが改札を通過完了する度に、正券カウンターを1減少させる。なお、正券カウンターの初期値は0である。
【0236】
[変形例1-2]
また、第1実施形態では旅客1人に対して乗車券が1枚の場合について述べた。しかしながら、改札システム1は、複数の人数で構成される旅客グループ用の乗車券などの、複数の旅客が改札を通過可能な乗車券(以下「複数用乗車券」という。)が使用可能であっても良い。外部処理装置400は、複数用乗車券を読み込んだ場合、例えば、カメラ画像に映る複数の旅客オブジェクトそれぞれに対して図13のステップST76~ステップST78の処理を行うことで、当該複数の旅客オブジェクトを待ち行列テーブルT2に登録する。これにより、改札システム1は、複数の旅客が自動改札機300を通過することを可能とする。
【0237】
複数用乗車券を使用する旅客は、例えば、リーダー407の近くに設置されたタッチパネルを操作することで、当該複数用乗車券を用いて改札を通過する旅客を指定する。プロセッサー401は、例えば、タッチパネルにカメラ画像を表示する。旅客は、例えば、当該カメラ画像に映っている旅客の中から、タッチ操作によって改札を通過する旅客を指定する。プロセッサー401は、旅客によって指定された旅客オブジェクトそれぞれに対して図13のステップST76~ステップST78の処理を行うことで、当該複数の旅客オブジェクトを待ち行列テーブルT2に登録する。
【0238】
[変形例1-3]
外部処理装置400は、カメラ408に代えて、その他のセンサーを用いても良い。当該その他のセンサーは、例えば、LIDAR(light detection and ranging)、赤外線センサー又はレーダーなどである。
【0239】
[変形例1-4]
上記の第1実施形態では、改札判定エリアAR10は、入出場用通路EP及びその前後を含む範囲である。すなわち、境界BO11は、入出場用通路EPの入り口の外側である。境界BO15は、入出場用通路EPの出口の外側である。しかしながら、境界BO11は、入出場用通路EPの入り口の内側であっても良い。境界BO15は、入出場用通路EPの出口の内側であっても良い。
【0240】
[変形例1-5]
外部処理装置400は、自動精算機としての機能を備えていても良い。外部処理装置400は、リーダー407で外部乗車券TI2を読み込んだ際に、当該外部乗車券TI2について精算を行っても良い。この場合、従来の精算機で発行するような出場用チケットなどの印刷物が不要である。したがって、このような外部処理装置400は、環境保護にも寄与することができる。
【0241】
[変形例1-6]
上記の第1実施形態では、外部処理装置400は、旅客PA2が改札の通過を完了した場合に完了通知を送信する。しかしながら、外部処理装置400は、このタイミングでは完了通知を送信せず、旅客PA2が改札通過完了後に検知範囲から退出した場合に完了通知を送信しても良い。この場合、外部処理装置400のプロセッサー401は、図15のステップST93の処理において、オブジェクトテーブルT1及び待ち行列テーブルT2から対象オブジェクトについてのレコードを削除する処理を行わない。また、プロセッサー401は、ステップST93の処理において、待ち行列テーブルT2を更新し、対象オブジェクトのステータスの値を、改札通過完了を示す値にする。そして、プロセッサー401は、図13のステップST58においてYesと判定したならば、待ち行列テーブルT2を参照して、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが登録されている確認する。登録されていた場合、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して、当該旅客オブジェクトに関連付けられたステータスを確認する。プロセッサー401は、当該ステータスが改札通過完了を示す場合、待ち行列テーブルT2を参照して、当該旅客オブジェクトに関連付けられた乗車券ID及び入出場指定情報を取得する。そして、プロセッサー401は、完了通知を生成する。当該完了通知は、当該乗車券ID及び入出場情報を含む。当該入出場情報は、例えば、当該入出場指定情報に基づく。プロセッサー401は、図15のステップST92と同様にして生成した完了通知を送信する。その後、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT1及び待ち行列テーブルT2から対象オブジェクトについてのレコードを削除し、図13のステップST51へと戻る。なお、プロセッサー401は、検知範囲から退出した旅客オブジェクトが待ち行列テーブルT2に登録されていなかった場合は、ステップST61へと進む。また、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して確認したステータスが改札通過完了以外を示す場合、ステップST60へと進む。
【0242】
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
外部処理装置400のリーダー407と自動改札機300の設置場所が離れているなどの理由から、第1実施形態のようにリーダー407を使用した旅客が自動改札機300を通過するまでの移動を追跡することが困難な場合がある。第2実施形態に係る改札システム1bは、このような場合の解決策を提供するものである。改札システム1bは、リーダー407付近で旅客を撮影したカメラ画像から当該旅客の特徴量を抽出する。そして、改札システム1bは、自動改札機300付近で撮影したカメラ画像から当該特徴量を用いて当該旅客を認識することで、旅客の追跡を行う。
【0243】
第2実施形態では、外部処理装置400のリーダー407を使用した旅客PAの画像情報から得られる特徴量を記憶するデータベースを備える。自動改札機300近くに設置されたカメラより取得した旅客の画像から得られる特徴量に対して前記データベースを検索し該当する旅客の乗車券処理の結果をもとに当該自動改札機を制御することを特徴とする。
【0244】
第2実施形態に係る改札システム1bの構成例を図28を用いて説明する。図28は、第2実施形態に係る改札システム1b及び改札システム1bに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。また、図29及び図30を用いて第2実施形態における機器配置の一例を説明する。図29及び図30は、第2実施形態の機器配置の一例を示す二面図である。このうち、図29は、正面図である。図30は、上方から見た平面図である。ただし、図30では天井CEは透過して示している。また、図29及び図30では、自動改札機300及び外部処理装置400bのリーダー407を各1台のみ例示している。
【0245】
改札システム1bは、一例として、管理システム100、管理システム200、自動改札機300及び外部処理装置400bを含む。なお、管理システム100、管理システム200、自動改札機300及び外部処理装置400bそれぞれの数は限定しない。なお、改札システム1bは、通行管理システムの一例である。
【0246】
自動改札機300の設置場所と外部処理装置400bのリーダー407の設置場所とは、離れていても良い。なお、この場合の離れているとは、例えば、1つのカメラでは自動改札機300周辺とリーダー407周辺の両方を撮影することができない又は困難である位置関係にあることを示す。
【0247】
外部処理装置400bは、第1実施形態の外部処理装置400とは異なり、カメラ408a及びカメラ408bの2種類のカメラ408を備える。また、外部処理装置400bは、第1実施形態の外部処理装置400とは異なり、画像処理部409a及び画像処理部409bを備える。なお、外部処理装置400bは、通行管理装置の一例である。
【0248】
外部処理装置400bの補助記憶装置404は、待ち行列テーブルT2、旅客テーブルT11、顔認識DB(database)及び制御テーブルT13を記憶する。旅客テーブルT11及び制御テーブルT13については後述する。
【0249】
顔認識DBは、顔認識のために用いるデータを記憶及び管理するデータベースである。顔認識DBは、後述の特徴量テーブルT12を含む。
【0250】
なお、顔認識DBは駅単位で検索が容易なようにディレクトリが構成される。また、プロセッサー401は、顔認識DBに対し、旅客の改札通過後又はデータベースへの登録成後一定時間を経過したデータは削除するよう更新を行う。このように、顔認識DBは、検索対象の数を低減することにより、検索の高速化、誤検出率の軽減、及び個人情報の必要以上の保持を行わないことを実現する。
【0251】
外部処理装置400bのリーダー407は、例えば、精算機AM又は自動券売機などに組み込まれる。当該リーダー407は、第1実施形態と同様にカウンターCOなどに設置されていても良い。
【0252】
カメラ408aは、例えば、自動改札機300付近に設置される。カメラ408aは、例えば、自動改札機300の入出場用通路EPを通過しようする旅客PAの顔認識が可能なように、旅客PAの顔及び上半身を撮影可能な位置に設置される。カメラ408aの設置場所の例を、図31を用いて説明する。
【0253】
図31は、自動改札機300を利用する旅客PAを撮影するカメラ408aの設置場所の例を示した図である。図31は、異なる3種類の位置に設置されたカメラ408aとしてカメラ408aa~カメラ408acを示す。カメラ408aaは、天井CEに設置されたカメラ408である。カメラ408abは、例えば、自動改札機300の筐体上部などに設置されたカメラ408である。カメラ408acは、自動改札機300の入り口の手前などに設置されたポールPL上に設置されたカメラ408である。
【0254】
また、図31には、顔認識対象エリアAR31及び顔認識エリアFA1を示している。
顔認識対象エリアAR31は、入出場用通路EPを通過しようする旅客PAの顔認識が行われる範囲を示す。顔認識対象エリアAR31は、顔認識対象エリアAR31内に入った旅客を入出場用通路EPを通行する旅客であるとみなす所定の範囲である。顔認識対象エリアAR31は、例えば、図7に示す競合判定区間AR11を含む範囲とする。カメラ408aは、顔認識対象エリアAR31に入った旅客の顔認識が可能なように設置される。
【0255】
1台のカメラ408aは、例えば、1台又は複数台の自動改札機300用である。ある自動改札機300用のカメラ408aは、当該自動改札機300の顔認識対象エリアAR31内の旅客PAの顔認識のために用いられる。
【0256】
顔認識エリアFA1は、カメラ408aが撮影した画像を用いて顔認識が可能な範囲を示す。顔認識エリアFA1aは、カメラ408aaの顔認識エリアF1である。顔認識エリアFA1bは、カメラ408abの顔認識エリアF1である。顔認識エリアFA1cは、カメラ408acの顔認識エリアF1である。
【0257】
カメラ408bは、例えば、リーダー407付近に設置される。カメラ408bは、例えば、リーダー407を備える精算機AM又は自動券売機などに組み込まれる。カメラ408bは、例えば、リーダー407を使用中の旅客PAの顔認識が可能なように、旅客PAの顔を撮影可能な位置に設置される。顔認識エリアFA2は、カメラ408bが撮影した画像を用いて顔認識が可能な範囲を示す。
【0258】
画像処理部409aは、カメラ408a用の画像処理部409である。画像処理部409aは、カメラ408aが出力したカメラ画像に対して画像解析などの画像処理を行う。画像処理部409aは、画像解析により、旅客PAの顔を検出し、当該顔の特徴量を抽出する。なお、プロセッサー401と画像処理部409aが共同して画像処理を行っても良い。また、プロセッサー401が画像処理部409aを兼ねていても良い。
【0259】
画像処理部409bは、カメラ408b用の画像処理部409である。画像処理部409bは、カメラ408bが出力したカメラ画像に対して画像解析などの画像処理を行う。画像処理部409bは、画像解析により、旅客PAの顔を検出し、当該顔の特徴量を抽出する。なお、プロセッサー401と画像処理部409bが共同して画像処理を行っても良い。また、プロセッサー401が画像処理部409bを兼ねていても良い。また、画像処理部408aが画像処理部408bを兼ねていても良い。
【0260】
以下、第2実施形態に係る改札システム1bの動作を図9図12図16図32及び図33などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。自動改札機300は、第1実施形態と同様に図9図11の処理を実行する。管理システム100は、第1実施形態と同様に図12の処理を実行する。管理システム200は、第1実施形態と同様に図16の処理を実行する。図32及び図33は、外部処理装置400bのプロセッサー401による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー401は、例えば、ROM402又は補助記憶装置404などに記憶されたプログラムに基づいて図32及び図33の処理を実行する。外部処理装置400bのプロセッサー401、例えば、図32及び図33の処理を並行又は並列で実行する。
【0261】
第2実施形態では、外部処理装置400bのプロセッサー401は、図32のステップST74においてYesと判定したならば、ステップST111へと進む。
【0262】
ステップST111においてプロセッサー401は、画像処理部409bを制御する。当該制御に基づき、画像処理部409bは、カメラ408bからカメラ画像を取得する。当該カメラ画像には、リーダー407を使用した旅客の顔が映っているはずである。なお、プロセッサー401は、カメラ画像の取得の前に、報知装置410を用いて、顔を撮影すること及び撮影したカメラ画像を取得することを旅客に報知しても良い。また、カメラ408bは、常時撮影を続けていても良いし、ステップST111の処理時にプロセッサー401の制御に応じて撮影を行っても良い。
【0263】
ステップST112においてプロセッサー401は、画像処理部409bを制御する。当該制御に基づき、画像処理部409bは、ステップST111で取得したカメラ画像を用いて、リーダー407を使用した旅客の顔を検知する。そして、画像処理部409bは、当該旅客の顔の特徴量を抽出する。また、画像処理部409bは、画像解析により当該旅客の属性を特定する。当該属性は、図13のステップST56などで説明したものと同様である。
【0264】
以上より、プロセッサー401は、画像処理部409bと協働して、ステップST112の処理を行うことで、リーダーを使用した旅客の特徴量を抽出する第1の抽出部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー401は、ステップST112の処理を行うことで、第1の抽出部の一例として機能する。
【0265】
図32のステップST113においてプロセッサー401は、ステップST112において顔の検知と特徴量の抽出が正常に行われたか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、ステップST111で取得したカメラ画像の画質が所定よりも悪い場合、顔の検知ができなかった場合、特徴量の抽出に失敗した場合、抽出した特徴量が明らかな外れ値である場合、及び抽出した特徴量が、顔認識DBに既に登録されている顔の特徴量と所定以上に類似している場合に顔の検知と特徴量の抽出が正常に行われていないと判定する。所定以上に類似しているとは、例えば、照合スコアが予め定められた閾値TH1以上であることである。
【0266】
プロセッサー401は、ステップST112において顔の検知と特徴量の抽出が正常に行われていないと判定するならば、ステップST113においてNoと判定してステップST114へと進む。
【0267】
ステップST114においてプロセッサー401は、顔検知及び特徴量抽出を再度行うため、リトライ処理を実行する。すなわち、プロセッサー401は、報知装置410を用いて、カメラ408bに顔が映る位置に移動すること、カメラ408bの方を向くこと、及び顔認識を阻害するような被服を取ることなどを求める内容の報知を行う。そして、プロセッサー401は、ステップST111へと戻る。
【0268】
なお、リトライの回数には上限が定められていても良い。プロセッサー401は、例えば、リトライ処理を実行するたびにリトライ回数をカウントする。そして、プロセッサー401は、当該カウントがリトライ回数の上限以上である場合、リトライ処理に代えてエラー処理を実行する。プロセッサー401は、当該エラー処理として、例えば、報知装置410を用いて外部処理装置400bにエラーが起きていることを報知する。そして、プロセッサー401は、例えば、ステップST114からステップST111に戻らずに待機する。
【0269】
プロセッサー401は、ステップST112において顔の検知と特徴量の抽出が正常に行われたと判定するならば、ステップST113においてYesと判定してステップST115へと進む。
【0270】
ステップST115においてプロセッサー401は、ステップST112で顔を検知した旅客に、旅客IDを発行して付与する。旅客IDは、リーダー407を使用した旅客ごとにユニークな識別情報である。そして、プロセッサー401は、当該旅客IDを図34に示すような旅客テーブルT11に登録する。
図34は、第2実施形態に係る旅客テーブルT11の一例を示す図である。旅客テーブルT11は、リーダー407を使用した旅客についての情報を記憶するテーブルである。旅客テーブルT11は、例えば、旅客IDに画像ID及び旅客の属性を関連付けて記憶する。なお、画像IDは、ステップST111で取得された画像ごと、又はカメラ408bによって撮影された画像ごとにユニークな識別情報である。画像IDで特定される画像自体については、補助記憶装置404などに記憶しても記憶しなくても良い。プロセッサー401は、個人情報保護などの観点から当該画像を記憶せず削除しても良い。プロセッサー401は、旅客に付与した旅客IDに、ステップST111で取得された画像の画像ID及びステップST112で特定された属性を関連付けて旅客テーブルT11に記憶する。
【0271】
ステップST116においてプロセッサー401は、ステップST112で抽出した特徴量を顔認識DBに登録する。顔認識DBへの特徴量の登録方法について以下説明する。
【0272】
顔認識DBは、例えば、図35に示すような特徴量テーブルT12を含む。
図35は、第2実施形態に係る特徴量テーブルT12の一例を示す図である。特徴量テーブルT12は、画像IDと画像特徴データ格納先を関連付けることで、当該画像IDで特定される画像から抽出した特徴量の格納先を記憶する。当該格納先は、例えば、当該特徴量を記憶したファイルのファイル名又はパスなどである。なお、1つのファイルが複数の顔の特徴量を記憶しても良い。この場合の格納先は、ファイル内のどの特徴量かを特定する情報を含む。
【0273】
プロセッサー401は、ステップST112で抽出した特徴量を記憶したファイルを顔認識DBに記憶する。そして、プロセッサー401は、ステップST111で取得された画像の画像IDと当該ファイルの格納先を関連付けて特徴量テーブルT12に記憶する。このようにしてプロセッサー401は、特徴量を顔認識DBに登録するプロセッサー401は、ステップST116の処理の後、ステップST77へと進む。
【0274】
ただし、第2実施形態のステップST77及びステップST78では、第1実施形態の説明における「ステップST76で特定したオブジェクトIDに対応する旅客」を「ステップST112で顔を検知した旅客」、「制御テーブルT3」を「制御テーブルT13」に読み替えるものとする。図36は、第2実施形態に係る制御テーブルT13の一例を示す図である。
また、第2実施形態の待ち行列テーブルT2は、オブジェクトIDに代えて旅客IDを用いる。
【0275】
プロセッサー401は、例えば、外部制御可能な自動改札機300それぞれを対象として図33の処理を実行する。第2実施形態において、プロセッサー401が図33の処理を実行する際に、その図33の処理の対象としている自動改札機300を以下「対象改札機」という。
【0276】
図33のステップST121において外部処理装置400bのプロセッサー401は、画像処理部409aを制御する。当該制御に基づき、画像処理部409aは、対象改札機用のカメラ408aからカメラ画像を取得する。
【0277】
ステップST122においてプロセッサー401は、画像処理部409aを制御する。当該制御に基づき、画像処理部409aは、ステップST121で取得したカメラ画像を用いて顔認識処理を行う。画像処理部409aは、顔認識処理として、例えば、顔のカメラ画像中の位置を検出する。なお、プロセッサー401は、顔認識対象エリアAR31内に複数人いる場合、例えば、いずれか一人を選択して顔認識を行っても良い。この場合、プロセッサー401は、例えば、最も自動改札機300の入口に近い旅客を選択する。そして、画像処理部409aは、当該顔の特徴量を抽出する。
【0278】
以上より、プロセッサー401は、画像処理部409bと協働して、ステップST122の処理を行うことで、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内の旅客の特徴量を抽出する第2の抽出部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー401は、ステップST122の処理を行うことで、第2の抽出部の一例として機能する。
【0279】
ステップST123においてプロセッサー401は、画像処理部409aによる顔認識処理により、カメラ画像から対象改札機の顔認識対象エリアAR31内の旅客の顔を検出したか否かを判定する。プロセッサー401は、当該顔が検出されていないならば、ステップST123においてNoと判定してステップST121へと戻る。以上のように、プロセッサー401は、画像処理部409aがカメラ画像から当該顔を検出するまでステップST121~ステップST123を繰り返す。
【0280】
プロセッサー401は、画像処理部409aによって当該顔が検出されたならば、ステップST123においてYesと判定してステップST124へと進む。
【0281】
ステップST124においてプロセッサー401は、顔認識処理によって認識された顔が顔認識DBに登録されているか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、ステップST122の顔認識処理によって抽出された特徴量と、顔認識DBに登録されている顔の特徴量とを照合する。そして、プロセッサー401は、当該2つの特徴量が所定以上に類似している場合、顔認識DBに登録されていると判定する。所定以上に類似しているとは、例えば、照合スコアが予め定められた閾値TH2以上であることである。また、プロセッサー401は、最も類似している、すなわち照合スコアが最も高い特徴量を、ステップST122の顔認識処理によって抽出された特徴量と同一人物のものであるとみなす。また、プロセッサー401は、旅客テーブルT11及び特徴量テーブルT12を参照して、同一人物であるとみなした旅客の旅客IDを取得する。プロセッサー401は、認識された顔が顔認識DBに登録されていないならば、ステップST124においてNoと判定してステップST85へと進む。以上のように、プロセッサー401は、顔認識DBに登録された顔を認識するまでステップST121~ステップST124を繰り返す。なお、プロセッサー401は、検出した顔が顔認識DBに登録されていないことを判定した場合、以降、当該顔とは別の顔を検出するまで、ステップST123でNoと判定しても良い。
【0282】
以上より、プロセッサー401は、ステップST124の処理を行うことで、第1の抽出部によって抽出された特徴量と前記第2の抽出部によって抽出された特徴量が同一人物の特徴量であることを判定する特徴量判定部の一例として機能する。
【0283】
プロセッサー401は、ステップST85の処理の後、ステップST121へと戻る。
【0284】
対して、プロセッサー401は、認識された顔が顔認識DBに登録されているならば、ステップST124においてYesと判定してステップST125へと進む。
【0285】
ステップST125においてプロセッサー401は、ステップST124で取得した旅客IDで特定される旅客(以下「対象旅客」という。)について、改札待ち旅客であるか否かを判定する。プロセッサー401は、例えば、待ち行列テーブルT2を参照して、対象旅客が登録されている場合に対象旅客が改札待ち旅客であると判定する。プロセッサー401は、対象旅客が改札待ち旅客であると判定しないならば、ステップST125においてNoと判定してステップST85へと進む。対して、プロセッサー401は、対象旅客が改札待ち旅客であると判定するならば、ステップST125においてYesと判定してステップST126へと進む。以上のように、プロセッサー401は、改札待ち旅客の顔を認識するまでステップST121~ステップST125を繰り返す。なお、プロセッサー401は、検出した顔が改札待ち旅客の顔でないことを判定した場合、以降、当該顔とは別の顔を検出するまで、ステップST123でNoと判定しても良い。
【0286】
ステップST126においてプロセッサー401は、図15のステップST86と同様にして対象改札機の外部制御を開始する。
【0287】
図33のステップST127においてプロセッサー401は、図15のステップST90と同様にして対象改札機の入出場用通路EPを開放する。
【0288】
以上より、プロセッサー401は、ステップST127の処理を行うことで、特徴量判定部が同一人物であると判定した場合、且つチケットが有効である場合、旅客の通路の通行を許可することを決定する通行許可部の一例として機能する。
【0289】
図33のステップST128においてプロセッサー401は、予め定められた一定の時間待機する。当該時間は、例えば、旅客が自動改札機を通過するのに余裕のある時間として改札システム1の設計者又は管理者などによって設定される。なお、当該時間は、旅客の属性によって異なるものであっても良い。例えば、プロセッサー401は、旅客の属性が車椅子を使用していることである場合、いずれの属性にも該当しない旅客よりも長い時間待機しても良い。
【0290】
ステップST129においてプロセッサー401は、図15のステップST91と同様にして対象改札機の外部制御を解除する。なお、自動改札機300は、外部制御解除後も改札を通過した旅客がゲート部309近辺に位置する場合は内蔵するセンサー307の働きにより入出場用通路EPを閉塞しないよう安全設計が行われていることが好ましい。
【0291】
図33のステップST130においてプロセッサー401は、顔認識DBから、ステップST122の顔認識処理によって抽出された特徴量と最も類似した特徴量を削除する。プロセッサー401は、特徴量テーブルT12から、当該特徴量の格納先を記憶したレコードを削除する。プロセッサー401は、ステップST130の処理の後、ステップST92へと進む。第2実施形態では、プロセッサー401は、ステップST92の処理の後ステップST131へと進む。
【0292】
ステップST131においてプロセッサー401は、各テーブルを更新する。すなわち、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2を参照して、対象オブジェクトに対応する旅客に割り当てられた割り当て改札を特定する。そして、プロセッサー401は、当該旅客が入場した場合には、制御テーブルT13を更新して、当該各割り当て改札について、入場待ち情報の値を1減少させる。対して、プロセッサー401は、当該旅客が出場した場合には、制御テーブルT13を更新して、当該各割り当て改札について、出場待ち情報の値を1減少させる。また、プロセッサー401は、待ち行列テーブルT2から対象旅客についてのレコードを削除する。プロセッサー401は、旅客テーブルT11から、対象旅客についてのレコードを削除する。プロセッサー401は、ステップST131の処理の後、ステップST121へと戻る。
【0293】
以下、改札フロアTF2における具体的な旅客の位置及び行動の一例を用いて、当該旅客の位置及び行動により改札システム1bがどのように動作するかを図37図41を用いて説明する。
【0294】
図37図41は、第2実施形態における旅客の移動の一例を示す図である。また、図37図41は、旅客PA41及び旅客PA42の2人の旅客PAが改札を出場する流れを示している。ただし、図38図41は、図37に示した符号の図示を一部省略している。また、図37図41中の、丸数字は、それぞれが旅客PAを示す。図37図41中の丸数字の1は、旅客PA41を示す。図37図41中の丸数字の2は、旅客PA42を示す。また、図38図41中の実線矢印は、旅客PAの移動経路を示す。また、図38図41中の、旅客PAとリーダーとを結ぶ破線矢印は、当該旅客PAが当該リーダーを使用することを示す。
【0295】
図37は、第2実施形態の改札システム1bを適用する改札フロアTF2の配置一例を示す。改札フロアTF2は、自動改札機300及びリーダー407が設置された改札口の一例である。改札フロアTF2は、自動改札機300-3を含む少なくとも1台の自動改札機300及びリーダー407-3を含む少なくとも1台のリーダー407が設置されている。また、改札フロアTF2は、自動改札機300-3と精算機AMが、離れた場所に設置されている。精算機AMは、リーダー407-3及びカメラ408bが組み込まれている。カメラ408bは、リーダー407-3を使用した旅客の顔が撮影できるように配置されている。
【0296】
自動改札機300-3は、改札内IN2から改札外OU2への出場用である。自動改札機300-3は、リーダー308-3及びゲート部309-3を備える。リーダー308-3は、リーダー308である。ゲート部309-3は、ゲート部309である。また、図37には、自動改札機300-3の顔認識対象エリアAR31も示している。また、自動改札機300-3の上方天井には、カメラ308aが設置されている。
【0297】
なお、改札外OU2から見て改札内IN2は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。また、改札内IN2から見て改札外OU2は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。
【0298】
図37の旅客PA41は、改札内IN2で自動改札機300-3へ向かっている。旅客PA41は、交通系ICカードなどの改札機乗車券TI1を利用する旅客である。旅客PA42は、改札外IN2でリーダー407-3へ向かっている。旅客PA42は、外部乗車券TI2を利用する旅客である。
【0299】
図38の旅客PA41は、自動改札機300-3の入口に進み、顔認識対象エリアAR31に入った状態である。画像処理部409aは、カメラ408aによって撮影されたカメラ画像を用いて旅客PA41の顔の検出と当該顔の特徴量の抽出を行う。そして、画像処理部409aは、抽出した当該特徴量と、顔認識DBに記憶されている特徴量との類似検索(照合)を行う。旅客PA41は、改札機乗車券TI1を利用する旅客であるため顔認識DBに登録されていない。したがって、外部処理装置400bは、自動改札機300-3の外部制御を解除し、ステップST121~ステップST123のループに戻る。
【0300】
図39の旅客PA41は、所持する改札機乗車券TI1をリーダー308-3に読み込ませている。図39の旅客PA42は、精算機AMに進み、所持する外部乗車券TI2をリーダー407-3に読み込ませている。
【0301】
自動改札機300-3は、旅客PA41の所持する改札機乗車券TI1を読み込んだことに応じて、当該改札機乗車券TI1の有効及び無効を管理システム100に問い合わせる。自動改札機300-3は、当該改札機乗車券TI1が有効であるという結果を受信したことに応じて、ゲート部309-2を制御して入出場用通路EPを開放する。
【0302】
外部処理装置400bは、旅客PA42の所持する外部乗車券TI2を読み込んだことに応じて、当該外部乗車券TI2の有効及び無効を管理システム200に問い合わせる。外部処理装置400bは、当該外部乗車券TI2が有効であるという結果を受信したことに応じて、当該旅客に対して顔を撮影することを知らせる。そして、画像処理部409bは、カメラ408bによって撮影されたカメラ画像を取得し、当該カメラ画像から旅客PA41の顔を検出し当該顔の特徴量を抽出する。
【0303】
外部装置400は、画像処理部409bによる特徴量の抽出が正常に行われた場合、旅客PA42に対して新たに旅客IDを付与し、図34に示すオブジェクトテーブルT1に登録する。また、外部装置400は、当該特徴量を顔認識DBに登録する。
【0304】
外部処理装置400bは、制御テーブルT13を参照し、例えば自動改札機300-3を割り当て改札として選択する。外部処理装置400bは、待ち行列テーブルT2に旅客PA42を登録する。すなわち、外部処理装置400bは、旅客IDフィールドに旅客PA42の旅客ID、改札IDフィールドに割り当て改札の改札ID、入出場指定フィールドを出場、ステータスフィールドを乗車券判定済みとしたレコードを追加する。そして、外部処理装置400bは、報知装置410を用いて、旅客PA42に対して利用可能な自動改札機300について報知する。
【0305】
図40の旅客PA41は、自動改札機300-3を出た状態である。図40の旅客PA42は、改札外OU2へ出るため自動改札機300-3に向かって移動している状態である。
【0306】
自動改札機300-3は、センサー307が旅客PA42の通過を検知しゲート部309-3をデフォルトの状態としている。ゲート部309-3のデフォルトの状態は、入出場通路EPを閉塞した状態である。
【0307】
図41の旅客PA42は、自動改札機300-3の入口に入り入出場通路EPを進み、顔認識対象エリアAR31に入っている状態である。画像処理部409aは、カメラ408aによって撮影されたカメラ画像を用いて旅客PA42の顔の検出と当該顔の特徴量の抽出を行う。そして、画像処理部409aは、抽出した当該特徴量と、顔認識DBに記憶されている特徴量との類似検索(照合)を行う。
【0308】
顔認識DBには図39の段階で旅客PA42の顔の特徴量が登録されている。したがって、外部処理装置400bは、類似検索にて旅客AP42の旅客IDを取得する。そして、外部処理装置400bは、図18の待ち行列テーブルの入出場指定情報を参照して、当該旅客が改札外OU2へ出場する予定であることを特定する。外部処理装置400bは、当該特定に基づき図36の制御テーブルT13を更新する。すなわち、外部処理装置400は、自動改札機300-3の外部制御指定情報を出場開状態に設定する。
【0309】
外部処理装置400bは、外部制御により、自動改札機300-3に対して入出場通路EPを開放するよう指示する。外部処理装置は、一定時間待機した後、自動改札機300-3の外部制御を解除する。
【0310】
外部処理装置400bでは、前述の改札制御を完了した後、旅客PA42の改札機出場完了処理として管理システム200に対して旅客PA42の改札機通過完了の通知を行う。そして、外部処理装置400bは、顔認識DB、旅客テーブルT11及び待ち行列テーブルT2から旅客PA42についてのデータを削除する。
【0311】
以上のように、第2実施形態の改札システム1bは、自動改札機300と離れた場所に設置されたリーダー407を使用した旅客が、自動改札機300を乗車券の読み込みをすることなく通過することができる。また、第2実施形態の改札システム1bは、精算機AMなどでの乗車券処理との連携が可能である。また、第2実施形態の改札システム1bは、従来の自動改札機を改造して自動改札機300として利用可能である。また、第2実施形態の改札システム1bは、新たな乗車券リーダーを自動改札機に組み込む場合などと比べて少ない改造量によって当該改造を実現できるため、乗車券の多様化に低コストで対応することができる。
【0312】
また、自動改札機に内蔵する乗車券リーダーでの乗車券処理は乗車券の読み込みとゲート通過が同一の旅客である前提が成立するため当該乗車券リーダーに乗車券を読み込ませたタイミングで当該乗車券の処理が完結する。これに対して、第2実施形態の改札システム1bは、自動改札機300と離れた場所に設置されたリーダー407を用いて乗車券処理を行う。第2実施形態の改札システム1bは、旅客がリーダー407に乗車券を読み込ませた際に当該乗車券の判定結果を旅客に報知する。そして、改札システム1bは、当該旅客が自動改札機300を通過したタイミングで当該乗車券に対する改札処理を完結する。これにより、第2実施形態の改札システム1bは、複数の旅客による自動改札機300の共用における乗車券処理のトラブルを回避することができる。
【0313】
第2実施形態は、以下のような変形も可能である。
[変形例2-1]
上記の第2実施形態における顔認識対象エリアAR31は、競合判定区間AR11を含む範囲である。しかしながら、顔認識対象エリアAR31は、図7に示す改札判定エリアAR10の外側などの他の範囲であっても良い。この場合、外部処理装置400bは、顔認識対象エリアAR31において顔認識により旅客を特定した後、当該旅客が改札判定エリアAR10内に入るまで第1実施形態で用いたカメラ画像による旅客オブジェクトの位置検知の方法を用いて追跡することで自動改札機に入る旅客を特定する。
【0314】
[変形例2-2]
変形例1-1と同様に第2実施形態でも正券カウンターを用いた方式を用いても良い。すなわち、外部処理装置400bのプロセッサー401は、ステップST127において入出場通路EPを開放することに代えて正券カウンターを1増加させる。自動改札機300は、旅客PAが改札機を通過完了する度に、正券カウンターを1減少させる。
【0315】
[変形例2-3]
変形例1-2と同様に第2実施形態でも複数用乗車券が使用可能であっても良い。外部処理装置400bは、複数用乗車券を読み込んだ場合、カメラ408bによって撮影されたカメラ画像に映る複数の旅客に旅客IDを付与し、旅客テーブルT11に登録する。また、外部処理装置400bは、当該複数の旅客の顔について、検出及び特徴量の抽出を行い、顔DBに登録する。また、外部処理装置400bは、待ち行列テーブルT2に当該複数の旅客を登録する。
【0316】
[変形例2-4]
複数の外部処理装置400bが、同じ顔認識DBを共用しても良い。改札システム1bは、外部の顔認識サービス又は顔認識DBを利用しても良い。また、改札システム1bは、カメラ408bのカメラ画像から特徴量を抽出するのではなく、予め顔認識DBに登録された特徴量を用いても良い。
【0317】
[変形例2-5]
上記の第2実施形態では、改札システム1bは、旅客の特徴量として旅客の顔の特徴量を用いる。しかしながら、改札システム1bは、旅客の特徴量として、カメラ画像から抽出可能な顔以外の特徴量を用いても良い。顔以外の特徴量は、例えば、掌形の特徴量、耳介の形状の特徴量又は歩容などの行動的特徴の特徴量などである。
【0318】
[第3実施形態]
第3実施形態について、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第3実施形態の改札システム1cは、第1実施形態又は第2実施形態のようなリーダー407は備えていなくても良い。改札システム1cは、改札判定エリアAR10を含む範囲内のスマートフォンなどの端末装置と無線通信可能な通信装置を備える。改札システム1cは、旅客が所持する端末装置と無線通信することによって乗車券データを読み取る。また、改札システム1cは、端末装置の位置情報と乗車券データを関連付けて管理する。これにより、旅客は、リーダーにタッチするなどの乗車券を読み込ませる動作を行うことなく改札機を通過することが可能である。
【0319】
無線通信による位置測位の精度は数十センチクラスのものが実用化されており、所持者の位置特定が可能なレベルとなっている。このため、当該位置情報は、改札判定エリアAR10内及びその周辺での旅客の位置特定のために利用できる。第3実施形態の外部装置400cは、当該位置情報の利用と第1実施形態と同様の自動改札機300の外部制御とを組み合わせることで、旅客の位置に応じたゲート部309の制御が可能となる。
【0320】
しかしながら、旅客が端末装置を持つ手を大きく伸ばした場合などにおいて、端末装置の位置情報を利用して旅客の位置を特定する場合の端末装置の位置と旅客の位置のずれが大きくなる。このため、端末装置の位置情報を用いる改札システムは、例えば旅客が自身の通過する自動改札機300の隣の自動改札機300の方に手を伸ばしている場合、誤って当該旅客が隣の自動改札機300を通過しようとしていると判定してしまう可能性がある。これらを防ぐために、隣り合う通路間を仕切る構造的な対策、及び位置情報の変化をもとに旅客の移動ベクトルを算出して位置情報を補正するなどの工夫が必要になる。
【0321】
第3実施形態の改札システム1cは、第1実施形態と同様のカメラ画像による旅客位置の検知と端末装置の位置情報とを組み合わせて処理を行う。これにより、改札システム1cは、旅客が通過する自動改札機300を正しく判定することができる。
【0322】
第3実施形態に係る改札システム1cの構成例を図42を用いて説明する。図42は、第3実施形態に係る改札システム1c及び改札システム1cに含まれる構成要素の要部構成の一例を示すブロック図である。また、図43及び図44を用いて第3実施形態における機器配置の一例を説明する。図43及び図44は、第2実施形態の機器配置の一例を示す二面図である。このうち、図43は、正面図である。図44は、上方から見た平面図である。ただし、図44では天井CEは透過して示している。また、図43及び図44では、自動改札機300及び外部処理装置400bのリーダー407を各1台のみ例示している。
【0323】
改札システム1cは、一例として、管理システム100、管理システム200、自動改札機300、外部処理装置400c及び端末装置500を含む。なお、管理システム100、管理システム200、自動改札機300、外部処理装置400c及び端末装置500それぞれの数は限定しない。なお、改札システム1cは、通行管理システムの一例である。
【0324】
外部処理装置400cは、第1実施形態の外部処理装置400とは異なり、通信装置412及び測位部413を備える。また、外部処理装置400cは、リーダー407を備えていなくても良い。ただし、図42に示す外部処理装置400cは、リーダー407も示している。リーダー407を備える外部処理装置400cは、第1実施形態と同様の動作も可能である。なお、外部処理装置400cは、通行管理装置の一例である。
【0325】
外部処理装置400cの補助記憶装置404は、オブジェクトテーブルT21、カメラテーブルT22、紐付けテーブルT23、待ち行列テーブルT2c及び制御テーブルT3を記憶する。オブジェクトテーブルT21、カメラテーブルT22、紐付けテーブルT23、及び待ち行列テーブルT2cについては後述する。
【0326】
外部処理装置400cのカメラ408は、例えば、撮影範囲AR41が改札判定エリアAR10を含むように配置される。
【0327】
通信装置412は、端末装置500と無線通信するための装置である。通信装置412は、プロセッサー401による制御に基づき動作する。通信装置412は、無線通信のためのアンテナAN1などを備える。アンテナAN1は、例えば、改札フロアを含む範囲が通信範囲AR42となるよう配置される。なお、通信範囲AR42は、図43及び図44に図示するように明確な範囲でなく、環境及び端末装置500の通信性能などによって変動する。なお、通信装置412は、旅客が所持する端末装置と通信する通信部の一例である。
【0328】
測位部413は、通信装置412が端末装置500から受信する電波を用いて、端末装置500の位置を測位する測位処理を行う。なお、プロセッサー401が測位部413を兼ねていても良い。
【0329】
通信装置412及び測位部413は、通信を用いて前記端末装置の位置を特定する端末位置特定部の一例である。
【0330】
端末装置500は、旅客が所持して使用する装置である。端末装置500は、例えば、スマートフォン又はスマートウォッチなどの携帯型電子機器である。端末装置500は、乗車券データを記憶することで、外部乗車券TI2として使用可能である。なお、旅客PA3は、端末装置500を外部乗車券TI2として使用する旅客である。乗車券データは、例えば、乗車券IDなどを含む。端末装置500は、一例として、プロセッサー501、ROM502、RAM503、補助記憶装置504、通信インターフェース505、タッチパネル506及び位置デバイス507を含む。そして、バス508などが、これら各部を接続する。
【0331】
プロセッサー501は、端末装置500の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー501は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー501は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー501は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー501は、ROM502又は補助記憶装置504などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、端末装置500の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー501は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー501の回路内に組み込まれていても良い。
【0332】
ROM502及びRAM503は、プロセッサー501を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM502は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM502は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM502は、プロセッサー501が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM503は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM503は、プロセッサー501が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM503は、典型的には揮発性メモリである。
【0333】
補助記憶装置504は、プロセッサー501を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置504は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置504は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置504は、プロセッサー501が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー501での処理によって生成されたデータ、及び各種の設定値などを記憶する。
【0334】
補助記憶装置504に記憶されるアプリケーションソフトウェアは、乗車券アプリを含む。乗車券アプリは、端末装置500を外部乗車券TI2として機能させるためのアプリケーションソフトウェアである。乗車券アプリは、ネットワークを介して乗車券データをダウンロードして登録する機能を有する。乗車券アプリに乗車券データが登録された端末装置500は、当該乗車券データが示す外部乗車券TI2として使用可能である。外部乗車券TI2として使用可能である状態において、乗車券アプリは、外部乗車券TI2として機能すると言える。外部乗車券TI2として使用可能である状態において、端末装置500は、外部乗車券TI2として機能すると言える。
【0335】
乗車券アプリは、各種の設定が可能である。当該設定は、乗車券アプリの利用者の属性の設定を含む。当該属性は、例えば、当該利用者が車椅子を使用していること、又は白杖を使用していることなどである。プロセッサー501は、設定を変更することを指示する入力に応じて設定内容を補助記憶装置504などに記憶する。また、設定内容は、サーバーサイドに保存されても良い。この場合、プロセッサー501は、設定内容を、乗車券アプリを動作させるためのサーバーに送信する。当該サーバーは、設定内容を記憶し、必要に応じて端末装置500に送信する。当該サーバーは、管理システム200であっても良いしその他のサーバーであっても良い。
【0336】
また、ROM502、RAM503又は補助記憶装置504は、利用者IDを記憶する。利用者IDは、改札システム1cのユーザーごと、乗車券アプリのユーザーごと、端末装置500ごと、又はSIM(subscriber identity module)カードごとにユニークな識別情報である。なお、利用者IDとして、端末装置500又はSIMカードの発信番号、製造番号、シリアル番号、個体識別番号、MAC(media access control)アドレス又はIP(Internet Protocol)アドレスなどの既存のID又は番号を利用しても良い。
【0337】
通信インターフェース505は、端末装置500が通信装置412と通信するためのインターフェースである。また、通信インターフェース505は、端末装置500がインターネットなどの通信網を介して通信するためのインターフェースである。なお、通信装置412と通信するためのインターフェースと、インターネットなどの通信網を介して通信するためのインターフェースは、異なるインターフェースであっても良い。
【0338】
タッチパネル506は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層しているものである。タッチパネル506が備えるディスプレイは、端末装置500の操作者などに各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。また、タッチパネル506は、当該操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。なお、表示デバイス及び入力デバイスは、タッチパネルに限らない。なお、端末装置500は、タッチパネル506以外の表示デバイス及び入力デバイスを備えても良い。
【0339】
測位デバイス507は、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(global navigation satellite system)を用いて端末装置500の位置を測位して出力するICチップ、モジュール又は回路などである。測位デバイス507は、例えば、GNSS衛星からGNSS信号を受信するアンテナを含む。また、測位デバイス507は、測位のための演算を行う演算部を含む。測位デバイス507は、測位結果を出力する。なお、端末装置500は、プロセッサー101が測位のための演算を行う構成であっても良い。この場合、測位デバイス507は、演算部を備えていなくても良い。また、測位デバイス507は、GNSS以外の方法で端末装置500の位置を測位しても良い。また、端末装置500は、GNSSとGNSS以外の方法を併用して端末装置500の位置を測位しても良い。
【0340】
バス508は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、端末装置500の各部で授受される信号を伝送する。
【0341】
以下、第3実施形態に係る改札システム1cの動作を図9図12図15図16及び図45図47などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。自動改札機300は、第1実施形態と同様に図9図11の処理を実行する。管理システム100は、第1実施形態と同様に図12の処理を実行する。管理システム200は、第1実施形態と同様に図16の処理を実行する。図45及び図46は、外部処理装置400cのプロセッサー401による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー401は、例えば、ROM402又は補助記憶装置404などに記憶されたプログラムに基づいて図45及び図46の処理を実行する。また、プロセッサー401は、第1実施形態と同様に図15の処理を実行する。外部処理装置400cのプロセッサー401、例えば、図15図45及び図46の処理を並行又は並列で実行する。図47は、端末装置500のプロセッサー501による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー501は、例えば、ROM502又は補助記憶装置504などに記憶されたプログラムに基づいて図47の処理を実行する。
【0342】
図45のステップST141において外部処理装置400cのプロセッサー401は、通信装置412を制御して、電波の送出を開始させる。以下、当該電波を「開始電波」という。開始電波は、外部処理装置400cとの通信を開始するよう端末装置500に対して要求することを示す情報を含む電波である。また、開始電波は、端末装置500の測位に用いるための電波の送出の開始を要求することを示す情報を含む電波である。通信装置412は、例えば、開始電波をブロードキャストでアンテナAN1から送出する。
【0343】
一方、端末装置500のプロセッサー501は、例えば、乗車券アプリの実行にともない図47に示す処理を開始する。あるいは、プロセッサー501は、乗車券アプリにおいて特定の操作が行われた場合に図47に示す処理を開始する。
図47のステップST181において端末装置500のプロセッサー501は、外部乗車券TI2を利用するか否かを判定する。プロセッサー501は、例えば、使用可能な状態の外部乗車券TI2が乗車券アプリに登録されている場合、乗車券を利用すると判定する。使用可能な状態の外部乗車券TI2とは、例えば、使用中の外部乗車券TI2又は未使用の外部乗車券TI2である。なお、プロセッサー501は、有効期限外の外部乗車券TI2を使用可能な状態でない外部乗車券TI2とみなしても良い。また、乗車券アプリに登録された各外部乗車券TI2は、使用するか否かを設定可能であっても良い。端末装置500の使用者は、例えばタッチパネル506を操作して当該設定を行う。プロセッサー501は、使用しないと設定されている外部乗車券TI2を使用可能な状態でない外部乗車券TI2とみなしても良い。プロセッサー501は、外部乗車券TI2を利用しないと判定するならば、ステップST181においてNoと判定してステップST181の処理を繰り返す。したがって、プロセッサー501は、使用可能な状態の外部乗車券TI2が乗車券アプリに登録されるまでステップST181の処理を繰り返す。プロセッサー501は、外部乗車券TI2を利用すると判定するならば、ステップST181においてYesと判定してステップST182へと進む。
【0344】
ステップST182においてプロセッサー501は、通信インターフェース505によって開始電波が受信されたか否かを判定する。端末装置500が通信範囲AR42内にある場合、通信インターフェース505は、開始電波を受信可能である。なお、プロセッサー501は、開始電波の受信状態が所定より良い場合に開始電波が受信されたと判定しても良い。プロセッサー501は、例えば、開始電波の受信強度が所定以上である場合又は通信の安定度が所定以上である場合に開始電波の受信状態が所定より良いとみなす。プロセッサー501は、開始電波が受信されたと判定しないならば、ステップST182の処理を繰り返す。プロセッサー501は、開始電波が受信されたと判定するならば、ステップST182においてYesと判定してステップST183へと進む。
【0345】
ステップST183においてプロセッサー501は、開始応答を生成する。開始応答は、利用者ID及び乗車券データ及びを含む情報である。開始応答は、属性情報を含んでも良い。開始応答は、例えば、パケットを用いて送信される。当該乗車券データは、使用可能な状態の外部乗車券TI2の乗車券データである。開始応答は、使用可能な状態の外部乗車券TI2が複数ある場合は、当該複数の外部乗車券TI2の乗車券データを含んでも良い。属性情報は、補助記憶装置504に記憶された属性情報である。開始応答は、例えば、端末装置500の位置測位用のパケット(以下「測位パケット」)である。測位パケットは、データ領域を含む。当該データ領域は、当該乗車券データを含む。プロセッサー501は、開始応答を生成した後、当該開始応答を外部処理装置400cに繰り返し送信するように通信インターフェース505に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース505は、当該開始応答を外部処理装置400cに繰り返し送信する。あるいは、プロセッサー501は、当該開始応答をブロードキャストするように通信インターフェース505に対して指示しても良い。この送信の指示を受けて通信インターフェース505は、当該開始応答を繰り返しブロードキャストする。なお、所定の時間ごとに開始応答を送信することで繰り返し送信しても良いし、開始要求を受信するごとに開始応答を送信することで繰り返し送信しても良い。送信された当該開始応答は、外部処理装置400cの通信装置412のアンテナAN1によって受信される。
【0346】
一方、図45のステップST142において外部処理装置400cのプロセッサー401は、通信装置412によって開始応答が受信されたか否かを判定する。プロセッサー401は、開始応答が受信されないならば、ステップST142においてNoと判定してステップST143へと進む。
【0347】
ステップST143においてプロセッサー401は、通信範囲AR42内から退出した端末オブジェクトが1つ以上あるか否かを判定する。プロセッサー401は、通信範囲AR42内から退出した端末装置500が1つもないと判定するならば、ステップST143においてNoと判定してステップST142へと戻る。かくして、プロセッサー401は、開始応答が受信されるか、通信範囲AR42内から退出した端末装置500が1つ以上あると判定するまでステップST142及びステップST143を繰り返す待受状態となる。
【0348】
プロセッサー401は、ステップST142及びステップST143を繰り返す待受状態にあるときに開始応答が受信されたならば、ステップST142においてYesと判定してステップST144へと進む。
【0349】
なお、通信装置412は、受信した開始応答をプロセッサー401と測位部413に入力する。測位部413は、当該開始応答を用いて端末装置500の位置を測位することで端末装置500の位置情報を生成する。
【0350】
通信装置412によって受信された開始応答の送信元の端末装置500を対象にステップST144~ステップST155の処理を実行する。ステップST144~ステップST155の処理の対象とする端末装置500を以下「対象端末」という。また、対象端末が送信した開始応答を以下「対象応答」という。なお、プロセッサー501は、多数の端末装置500に対してステップST144~ステップST155の処理を実行するために、例えば、異なる端末装置500から開始応答を受信するたびに、新規のプロセス、スレッド又はタスクなどを生成しても良い。そして、プロセッサー501は、各端末装置500を対象とするステップST144~ステップST155をそれぞれ新規のプロセス、スレッド又はタスクで実行する。これにより、プロセッサー501は、各端末装置500を対象とするステップST144~ステップST155の処理それぞれとステップST141の処理とを並行又は並列で実行しても良い。
【0351】
ステップST144においてプロセッサー401は、対象端末が新規の端末オブジェクトであるか否かを判定する。端末オブジェクトは、通信範囲AR42内にあり、開始応答を送信している端末装置500である。端末オブジェクトは、オブジェクトテーブルT21に登録される。したがって、端末オブジェクトは、オブジェクトテーブルT21に登録された端末装置500である。プロセッサー401は、例えば、オブジェクトテーブルT21を参照して、対象端末の利用者IDが登録されていないならば、対象端末が新規の端末オブジェクトであると判定する。対象端末の利用者IDは、当該対象端末から送信された開始応答に含まれる利用者IDである。プロセッサー401は、対象端末が新規の端末オブジェクトであるならば、ステップST144においてYesと判定してステップST145へと進む。
【0352】
ステップST145においてプロセッサー401は、新規に端末オブジェクトIDを発行して対象端末に付与する。端末オブジェクトIDは、端末オブジェクトごとにユニークな識別情報である。
【0353】
ステップST146においてプロセッサー401は、対象応答から乗車券データを取得する。
【0354】
プロセッサー401は、ステップST142及びステップST146の処理を行うことで、通信を用いて旅客が所持するチケットの情報を取得する取得部の一例として機能する。
【0355】
ステップST147においてプロセッサー401は、ステップST146で取得した乗車券データが示す外部乗車券TI2について、管理システム200に問い合わせを行う。対象応答が複数の乗車券データを含む場合、プロセッサー401は、それぞれの乗車券データについて問い合わせを行う。管理システム200への問い合わせの方法は、第1実施形態と同様である。ただし、外部乗車券TI2から読み取られたデータに代えて乗車券データを用いる。
【0356】
ステップST148においてプロセッサー401は、通信装置412によって外部結果情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー401は、外部結果情報が受信されたならば、ステップST148においてYesと判定してステップST149へと進む。
【0357】
ステップST149においてプロセッサー401は、ステップST148で受信された外部結果情報に基づき乗車券データの示す外部乗車券TI2が有効であるか否かを判定する。プロセッサー401は、外部乗車券TI2が有効であるならば、ステップST149においてYesと判定してステップST150へと進む。
【0358】
以上より、プロセッサー401は、ステップST147~ステップST149の処理を行うことで、チケットが有効であるか無効であるかを判定する判定部の一例として機能する。
【0359】
ステップST150においてプロセッサー401は、許可情報を端末装置500に送信するように通信装置412に対して指示する。許可情報は、乗車券が有効であることを通知する情報である。この送信の指示を受けて通信装置412は、当該許可情報を端末装置500に送信する。送信された当該許可情報は、端末装置500の通信インターフェース505によって受信される。
【0360】
対して、プロセッサー401は、外部乗車券TI2が有効でないならば、ステップST149においてNoと判定してステップST151へと進む。
【0361】
ステップST151においてプロセッサー401は、不可情報を端末装置500に送信するように通信装置412に対して指示する。不可情報は、乗車券が無効であることを通知する情報である。この送信の指示を受けて通信装置412は、当該不可情報を端末装置500に送信する。送信された当該不可情報は、端末装置500の通信インターフェース505によって受信される。
【0362】
一方、図47のステップST184において端末装置500のプロセッサー501は、通信インターフェース505によって許可情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー501は、許可情報が受信されないならば、ステップST184においてNoと判定してステップST185へと進む。
【0363】
ステップST185においてプロセッサー501は、通信インターフェース505によって不可情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー501は、不可情報が受信されないならば、ステップST185においてNoと判定してステップST184へと戻る。かくして、プロセッサー501は、許可情報又は不可情報が受信されるまでステップST184及びステップST185を繰り返す待受状態となる。
【0364】
プロセッサー501は、ステップST184及びステップST185を繰り返す待受状態にあるときに許可情報が受信されたならば、ステップST184においてYesと判定してステップST187へと進む。
【0365】
また、プロセッサー501は、ステップST184及びステップST185を繰り返す待受状態にあるときに不可情報が受信されたならば、ステップST185においてYesと判定してステップST186へと進む。
【0366】
ステップST186においてプロセッサー501は、ステップST183で開始した開始応答の送信を停止するように通信インターフェース505に指示する。当該指示を受けて、通信インターフェース505は、開始応答の送信を停止する。なお、プロセッサー501は、ステップST183の処理から所定の時間が経過した場合にもステップST186の処理を実行しても良い。また、プロセッサー501は、所定の時間以上、通信インターフェース505によって開始電波が受信されない場合にもステップST186の処理を実行しても良い。プロセッサー501は、ステップST186の処理の後、ステップST181へと戻る。
【0367】
一方、外部処理装置400cのプロセッサー401は、図45のステップST149の処理の後、ステップST152へと進む。
ステップST152においてプロセッサー401は、対象端末を新規の端末オブジェクトとしてオブジェクトテーブルT21に登録する。
【0368】
図48は、オブジェクトテーブルT21の一例を示す図である。オブジェクトテーブルT21は、端末オブジェクトを記憶するテーブルである。オブジェクトテーブルT21は、一例として、各端末オブジェクトについて、利用者IDに、端末オブジェクトID、座標、属性、乗車券判定情報及び方向指定情報を関連付ける。座標は、端末オブジェクトの位置を示す。属性は、第1実施形態と同様である。乗車券判定情報は、乗車券が有効であるか無効であるかを示す。方向指定情報は、端末オブジェクトが改札内に入場するのか改札外へ出場するのかを示す。
【0369】
オブジェクトテーブルT21に登録する利用者IDは、対象応答に含まれる利用者IDである。当該利用者IDに関連付ける端末オブジェクトIDは、ステップST145で発行されたものである。当該利用者IDに関連付ける属性は、対象応答に含まれる属性情報である。当該利用者IDに関連付ける乗車券判定情報は、乗車券が有効であることを示す。当該利用者IDに関連付ける座標及び方向指定情報は、ステップST152の処理時点では空欄である、又は未決定であることを示す。
【0370】
また、プロセッサー401は、ステップST150の処理の後、ステップST153へと進む。
ステップST153においてプロセッサー401は、ステップST152と同様に対象端末をオブジェクトテーブルT21に登録する。ただし、ステップST153では、ステップST152とは異なり、乗車券判定情報は、乗車券が無効であることを示す。
【0371】
プロセッサー401は、ステップST152又はステップST153の処理の後、ステップST154へと進む。また、プロセッサー401は、例えば、オブジェクトテーブルT21を参照して、対象端末の端末IDが登録されていないならば、対象端末が新規の端末オブジェクトでないと判定する。プロセッサー401は、対象端末が新規の端末オブジェクトでないと判定するならば、ステップST144においてNoと判定してステップST152へと進む。
【0372】
ステップST154においてプロセッサー401は、対象端末の位置情報を測位部413から取得する。
【0373】
ステップST155においてプロセッサー401は、対象端末の座標を更新する。すなわち、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT21を更新して、対象端末の座標をステップST154で取得した位置情報が示す座標にする。また、プロセッサー401は、当該座標が改札内であるならば、オブジェクトテーブルT21を更新して、対象端末の方向指定情報を、出場を示す値にする。対して、プロセッサー401は、当該座標が改札外であるならば、オブジェクトテーブルT21を更新して、対象端末の方向指定情報を、入場を示す値にする。
【0374】
プロセッサー401は、ステップST155の処理の後、ステップST142へと戻る。あるいは、プロセッサー401は、ステップST144~ステップST155の処理を新規のプロセス、スレッド又はタスクで実行していた場合、当該プロセス、スレッド又はタスクを終了する。
【0375】
また、プロセッサー401は、例えば、オブジェクトテーブルT21に登録された端末オブジェクトのうち、当該端末オブジェクトから送信される開始応答を所定の時間以上受信していないものを通信範囲AR42内から退出した端末オブジェクトとみなす。プロセッサー401は、例えば、オブジェクトテーブルT21に登録された端末オブジェクトのうち、当該端末オブジェクトから送信される開始応答を所定の受信試行回数以上受信していないものを通信範囲AR42内から退出した端末オブジェクトとみなす。
【0376】
プロセッサー401は、ステップST142及びステップST143を繰り返す待受状態にあるときに通信範囲AR42内から退出した端末装置オブジェクトが1つ以上あると判定するならば、ステップST143においてYesと判定してステップST156へと進む。
【0377】
ステップST156においてプロセッサー401は、オブジェクトテーブルT21を更新して、通信範囲AR42内から退出したオブジェクトについてのレコードを削除する。プロセッサー401は、ステップST156の処理の後、ステップST141へと戻る。
【0378】
第3実施形態では、外部処理装置400cのプロセッサー401は、ステップST55でYesと判定したならばステップST161へと進む。
【0379】
ステップST161においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、新規に検出した旅客オブジェクトそれぞれにカメラオブジェクトIDを発行して付与する。そして、画像処理部409は、新規に検出した旅客オブジェクトを図49に示すようなカメラテーブルT22に登録する。なお、カメラオブジェクトIDは、新たに検出される旅客オブジェクトごとにユニークに付与される識別情報である。
【0380】
図49は、カメラテーブルT22の一例を示す図である。カメラテーブルT22は、追跡中の旅客オブジェクトを記憶するテーブルである。カメラテーブルT22は、追跡中の旅客オブジェクトのリストである。カメラテーブルT22は、一例として、カメラオブジェクトIDに座標を関連付ける。
【0381】
ステップST162においてプロセッサー401は、ステップST53で特定した座標と、オブジェクトテーブルT21に登録された端末オブジェクトの座標とを比較し、座標が同一である端末オブジェクトを特定する。なお、プロセッサー401は、当該2つの座標が所定の距離以内である場合に座標が同一であるとみなす。また、プロセッサー401は、所定の距離以内である端末オブジェクトが複数ある場合には、例えば、最も距離が近い端末オブジェクトを座標が同一であるとみなす。なお、プロセッサー401は、座標が同一である端末オブジェクトが無い場合には、座標が同一である端末オブジェクトを特定できない。
【0382】
以上より、プロセッサー401は、ステップST162の処理を行うことで、位置特定部によって特定された位置と旅客位置特定部によって特定された位置が同一であるとみなすことを判定する同一位置判定部の一例として機能する。
【0383】
ステップST163においてプロセッサー401は、ステップST162で座標が同一である端末オブジェクトを特定できたか否かを判定する。プロセッサー401は、座標が同一である端末オブジェクトを特定できたならば、ステップST163においてYesと判定してステップST164へと進む。
【0384】
ステップST164においてプロセッサー401は、新規に検出した旅客オブジェクトとステップST162で特定した端末オブジェクトとを関連付ける。このために、プロセッサー401は、例えば、図50に示すような紐付けテーブルT23に当該旅客オブジェクト及び当該端末オブジェクトを登録する。
【0385】
図50は、紐付けテーブルT23の一例を示す図である。紐付けテーブルT23は、カメラオブジェクトID、端末オブジェクトID及びオブジェクトIDを関連付けて記憶する。第3実施形態では、オブジェクトIDは、関連付けされた旅客オブジェクトと端末オブジェクトの組み合わせごとにユニークな識別情報である。
【0386】
プロセッサー401は、旅客オブジェクト及び端末オブジェクトの組み合わせを紐付けテーブルT23に登録するために、当該組み合わせに新規にオブジェクトIDを付与する。そして、プロセッサー401は、当該旅客オブジェクトのカメラオブジェクトID、当該端末オブジェクトの端末オブジェクトID、及び当該オブジェクトIDを関連付けて紐付けテーブルT23に登録する。
【0387】
ステップST165においてプロセッサー401は、第1実施形態のステップST77と同様に、ステップST164で新規に登録した組み合わせに対応する旅客に割り当てる割り当て改札を1つ又は複数決定する。プロセッサー401は、旅客の入出場方向が合致する自動改札機300の中から割り当て改札を決定する。なお、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT1の方向指定情報を参照して旅客の入出場方向を特定する。プロセッサー401は、例えば、当該旅客の座標から近い自動改札機300を割り当て改札に決定する。プロセッサー401は、例えば、割り当てられた旅客の数が少ない方からN台の自動改札機300を割り当て改札として決定する。プロセッサー401は、例えば、当該旅客の属性に応じて割り当て改札を決定しても良い。なお、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT1を参照して当該属性を特定する。また、プロセッサー401は、その他の条件で自動改札機300を割り当て改札に決定しても良い。プロセッサー401は、制御テーブルT3を用いて割り当て改札を決定しても良い。
【0388】
ステップST166においてプロセッサー401は、ステップST164で新規に登録した組み合わせに対応する旅客を図51に示すような待ち行列テーブルT2cに登録する。
【0389】
図51は、待ち行列テーブルT2cの一例を示す図である。待ち行列テーブルT2cは、第1実施形態の待ち行列テーブルT2と同様のテーブルである。ただし、待ち行列テーブルT2cは、待ち行列テーブルT2と異なり、リーダーIDに代えて乗車券リーダー情報を含む。乗車券リーダー情報は、旅客が使用する外部乗車券TI2を通信装置412が読み取ったかリーダー407が読み取ったかを示す情報である。図51の乗車券リーダー情報は、値が「Mobile」である場合に外部乗車券TI2を通信装置412が読み取ったことを示す。また、外部乗車券TI2をリーダー407が読み取った場合の乗車券リーダー情報の値は、第1実施形態と同様のリーダーIDである。プロセッサー401は、ステップST166の処理の後、ステップST58へと進む。
【0390】
また、プロセッサー401は、座標が同一である端末オブジェクトを特定できなかったならば、ステップST163においてNoと判定してステップST167へと進む。
【0391】
ステップST167においてプロセッサー401は、新規に検出した旅客オブジェクトを紐付けテーブルT23に登録する。ステップST167では、ステップST164と異なり、端末オブジェクトIDフィールドの値は、該当する端末オブジェクトが無いことを示す値である。図50では、当該値は「該当なし」で示している。また、プロセッサー401は、ステップST167では、ステップST155と異なり、オブジェクトIDを付与しない。したがって、ステップST167では、ステップST164と異なり、オブジェクトIDフィールドは、空欄である、又はオブジェクトIDが無いことを示す値を持つ。プロセッサー401は、ステップST167の処理の後、ステップST58へと進む。
【0392】
また、第3実施形態では、プロセッサー401は、図46のステップST58でNoと判定したならばステップST167へと進む。また、第3実施形態では、プロセッサー401は、ステップST61の処理の後ステップST168へと進む。
【0393】
ステップST168においてプロセッサー401は、画像処理部409を制御する。当該制御に基づき、画像処理部409は、カメラテーブルT22を更新する。すなわち、プロセッサー401は、各旅客オブジェクトについて、ステップST53で特定した座標に更新する。
【0394】
第3実施形態では、外部処理装置400cのプロセッサー401は、図15のステップST81において、オブジェクトテーブルT1に代えてカメラテーブルT22を用いる。
【0395】
第3実施形態においてプロセッサー401は、ステップST90の処理を行うことで、同一位置判定部によって位置が同一であるとみなすと判定された旅客が、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内に入った場合、且つチケットが有効である場合、旅客の通路の通行を許可することを決定する通行許可部の一例として機能する。
【0396】
また、第3実施形態では、プロセッサー401は、ステップST92において、第1実施形態と同様の処理に加えて、対象オブジェクトが使用する端末装置500に完了情報を送信する。このために、プロセッサー401は、紐付けテーブルT23を参照して、対象オブジェクトのオブジェクトIDと関連付けられた端末オブジェクトIDを特定する。そして、プロセッサー401は、オブジェクトテーブルT21を参照して、当該端末オブジェクトIDが関連付けられた利用者IDを特定する。当該利用者IDは、対象オブジェクトが使用する端末装置500を特定する利用者IDである。
【0397】
プロセッサー401は、完了情報を生成する。完了情報は、改札の通過が完了したことを通知する情報である。完了情報は、開始応答の送信を停止するように指示する情報である。プロセッサー401は、完了情報を生成した後、当該完了情報を端末装置500に送信するように通信装置412に対して指示する。この送信の指示を受けて通信装置412は、当該完了情報を端末装置500に送信する。送信された当該完了情報は、端末装置500の通信インターフェース505によって受信される。
【0398】
一方、図47のステップST177において端末装置500のプロセッサー501は、通信インターフェース505によって完了情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー501は、完了情報が受信されたならば、ステップST177においてYesと判定してステップST178へと進む。
【0399】
また、第3実施形態では、外部処理装置400cのプロセッサー401は、ステップST93において、オブジェクトテーブルT21、カメラテーブルT22、紐付けテーブルT23及び待ち行列テーブルT2cから対象オブジェクトのレコードを削除する。このために、プロセッサー401は、紐付けテーブルT23を参照して、対象オブジェクトのオブジェクトIDと関連付けられたカメラオブジェクトID及び端末オブジェクトIDを特定する。オブジェクトテーブルT21における対象オブジェクトのレコードは、当該端末オブジェクトIDを含むレコードである。カメラテーブルT22における対象オブジェクトのレコードは、当該カメラオブジェクトIDを含むレコードである。
【0400】
以下、改札フロアTF3における具体的な旅客の位置及び行動の一例を用いて、当該旅客の位置及び行動により改札システム1cがどのように動作するかを図52図55を用いて説明する。
【0401】
図52図55は、第3実施形態における旅客の移動の一例を示す図である。また、図52図55は、旅客PA51及び旅客PA52の2人の旅客PAが改札を出場する流れを示している。ただし、図53図55は、図52に示した符号の図示を一部省略している。また、図52図55中の、丸数字は、それぞれが旅客PAを示す。図52図55中の丸数字の1は、旅客PA51を示す。図52図55中の丸数字の2は、旅客PA52を示す。また、図52図55中の実線矢印は、旅客PAの移動経路を示す。
【0402】
図52は、第3実施形態の改札システム1cを適用する改札フロアTF3の配置の一例を示す。改札フロアTF3は、自動改札機300が設置された改札口の一例である。改札フロアTF3は、自動改札機300-4を含む少なくとも1台の自動改札機300が設置されている。また、改札フロアTF3には、カメラ408a及びアンテナAN1も設置されている。図52には、カメラ408aの撮影範囲AR41及びアンテナAN1の通信範囲AR42も示している。
【0403】
自動改札機300-4は、改札内IN3から改札外OU3への出場用である。自動改札機300-4は、リーダー308-4及びゲート部309-4を備える。リーダー308-4は、リーダー308である。ゲート部309-4は、ゲート部309である。
【0404】
なお、改札外OU3から見て改札内IN3は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。また、改札内IN3から見て改札外OU3は、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。
【0405】
図52の旅客PA51及び旅客PA52は、いずれも改札内IN3から改札外OU3へ出場するため、自動改札機300-4に向かっている。旅客PA51及び旅客PA52は、通信範囲AR42に入った状態である。旅客PA51は、乗車券として改札機乗車券TI1を使用する予定である。旅客PA52は、端末装置500を所持している。旅客PA52が所持する端末装置を以下「所持端末」という。旅客PA52は、所持端末を外部乗車券TI2として使用する予定である。
【0406】
所持端末は、乗車券アプリを実行する。旅客PA52は、乗車券アプリにおいて乗車券の利用の開始を指示する操作を行う。当該操作に基づき、乗車券アプリは、図47の処理を開始する。所持端末は、通信範囲AR42に入った後、通信装置412から送出された開始電波の受信状態が所定より良い場合、開始応答の送信を開始する。
【0407】
外部処理装置400cは、通信装置412によって受信された開始応答を測位部413及びプロセッサー401に入力する。外部処理装置400cは、開始応答の送出元の所持端末の座標算出を行う。また、外部処理装置400cは、図45に示す処理に従って開始応答を用いたデータ処理を行う。
【0408】
外部処理装置400cは、当該データ処理において所持端末の利用者IDオブジェクトテーブルT21に登録済みか否かを判定する。そして、外部処理装置400cは、登録済みであれば、オブジェクトテーブルT21について、所持端末に対応する端末オブジェクトの座標を更新する。また、外部処理装置400cは、未登録であれば開始応答に含まれる乗車券データを用いて管理システム200に当該乗車券データが示す乗車券の有効及び無効を問い合わせる。そして、外部処理装置400cは、その結果を所持端末に送信する。また、外部処理装置400cは、所持端末に対応する端末オブジェクトを、新たに発行したモバイルオブジェクトIDの乗車券判定結果及び測位処理で得られた座標とともにオブジェクトテーブルT21に登録する。
【0409】
また、外部処理装置400cは、所持端末が送信した属性情報に基づき、旅客52の属性もオブジェクトテーブルT21に登録する。
【0410】
図53の旅客PA51は、改札機乗車券TI1を自動改札機300-4のリーダー308-4に読み込ませた状態である。図53の旅客PA52は、撮影範囲AR41内に入った状態である。
【0411】
外部処理装置400cは、図46に示す処理において旅客PA51及び旅客PA52ともに撮影範囲AR41内に入ったことに応じて旅客オブジェクトとして検出する。そして、外部処理装置400cは、当該旅客オブジェクトに新規のカメラオブジェクトIDを付与して、カメラテーブルT22に登録する。
【0412】
外部処理装置400cは、旅客オブジェクトの座標を端末オブジェクトの座標と比較することにより、同一オブジェクトとみなされる端末オブジェクトを特定する。外部処理装置400cは、当該同一オブジェクトがある場合はオブジェクトIDを発行し、当該旅客オブジェクト、当該端末オブジェクト及び当該オブジェクトIDを紐付けテーブルT23に登録する。ここで、旅客PA52にはオブジェクトIDとして「ID01」が付与されているとする。対して、外部処理装置400cは、当同一オブジェクトとみなされる端末オブジェクトが無い場合は、当該端末オブジェクトに該当なしとして紐付けテーブルT23に当該旅客オブジェクトを登録する。
【0413】
外部処理装置400cは、紐付けテーブルT23にて新たに登録した旅客オブジェクトがある場合、その旅客オブジェクトの属性及び入出場方向を、オブジェクトテーブルT21を参照して特定する。そして、外部処理装置400cは、当該属性及び入出場方向を用いて自動改札機300-4を割り当て改札として決定する。外部処理装置400cは、旅客PA52を、割り当て改札とともに待ち行列テーブルT2cに登録する。さらに、外部処理装置400cは、制御テーブルT3を更新して割り当て改札である自動改札機300-4の出場待ち情報の値を1増加させる。
【0414】
外部処理装置400cは、図15に示す処理において、カメラテーブルT22を参照し改札判定エリアAR10内の旅客オブジェクトの有無を確認する。外部処理装置400cは、競合判定区間AR11内にいる旅客PA51を旅客オブジェクトとして検出する。なお、旅客PA51のカメラオブジェクトIDは、CID01とする。外部処理装置400cは、当該旅客オブジェクトが待ち行列テーブルT2cに登録されていない、すなわち改札待ち旅客でないため、自動改札機300-4の外部制御を解除状態とする。自動改札機300-4は、内蔵するリーダー308-4による乗車券判定結果と内蔵するセンサー307により旅客PA51が自動改札機300-4を通過する間、ゲート部309-4を制御して入出場用通路EPを開放状態とする。
【0415】
図54の旅客PA51は、自動改札機300-4の入出場用通路EPを通過して改札外OU3へ出た状態である。図54の旅客PA52は、自動改札機300-4の競合判定区間AR11内に入った状態である。
【0416】
自動改札機300-4は、内蔵するセンサー307で旅客PA51の改札機通過を検知後、入出場用通路EPを閉塞する。なお、自動改札機300-4は、自動改札機300-4の入出場用通路EP内に入った旅客PA52をセンサー307で検知しても、旅客PA52はリーダー308-4に乗車券を読み込ませる操作をしていないため入出場用通路EPを閉塞状態のままとする。
【0417】
外部処理装置400cは、図15に示す処理において改札判定エリアAR10内の旅客PA52を検知する。なお、旅客PA52のカメラオブジェクトIDは、CID02とする。外部処理装置400cは、紐付けテーブルT23を参照して、検知した旅客オブジェクトのカメラオブジェクトID(CID02)に関連付けられたオブジェクトID(ID01)を特定する。そして、外部処理装置400cは、待ち行列テーブルT2cを参照して、当該オブジェクトID(ID01)で特定される旅客PA52が改札処理待ちであることを特定する。また、外部処理装置400cは、待ち行列テーブルT2cを参照して、旅客PA52が乗車券判定済みで改札を出場する改札待ち旅客であることを特定する。外部処理装置400cは、この特定に応じて、制御テーブルT3を更新し、自動改札機300-4について、出場待ち情報の値を1増加させ、競合判定区間AR11に対応するゾーンZ1情報の値にID01を設定する。
【0418】
図55の旅客PA52は、乗車券判定区間AR12に入り、その後通過中区間AR13に入った状態である。
【0419】
外部処理装置400cは、旅客PA52が自動改札機300-4の入出場用通路EPを進むに従い、図46に示す処理により、カメラテーブルT22について、旅客PA52に対応する旅客オブジェクトの座標を更新する。外部処理装置400cは、当該座標が乗車券判定区間AR12に入った時点で制御テーブルT3のゾーンZ1情報の値を削除し、乗車券判定区間AR12に対応するゾーンZ2情報の値にID01を設定する。これにより、制御テーブルT3においてID01は、競合判定区間AR11(ゾーンZ1)から乗車券判定区間AR12(ゾーンZ2)へ移動する。
【0420】
外部処理装置400cは、図15に示す処理では、乗車券判定区間AR12に旅客PA52を検知したことに応じて制御テーブルT3の外部制御指定を出場開状態とする。これにより、外部処理装置400cは、自動改札機300-4に対して入出場用通路EPの開放を指示する。
【0421】
なお、外部処理装置400cは、旅客PA52が完了判定区間AR14に進んだ時点で、図15に示す処理より自動改札機300-4の外部制御を解除する。そして、外部処理装置400cは、改札機出場完了処理として管理システム200に対して旅客PA52の改札機出場完了を通知する。
【0422】
以上、第3実施形態の改札システム1cは、端末装置型の乗車券に対して無線通信により当該乗車券の判定及び位置測位を行うことで、自動改札機300のリーダー308又は駅に設置されたリーダー407へタッチすることなくスムーズに自動改札機300-4を通過することができる。
【0423】
また、第3実施形態の改札システム1cは、改札判定エリアAR10における旅客オブジェクトの改札通過制御を本発明の第1実施形態と同様の仕組みを利用するため、第1実施形態と第3実施形態の併用が可能である。
【0424】
また、第3実施形態の改札システム1cは、第1実施形態や第2実施形態でリーダー407を駅側に設置した場合の本発明の実施形態とシステムの共有化が図れ、乗車券の多様化において有利となる。
【0425】
第3実施形態は、以下のような変形も可能である。
[変形例3-1]
上記の第3実施形態では、外部処理装置400cは、端末装置500が送出する電波を用いて端末装置500の位置を測位する。外部処理装置400cは、これに代えて、端末装置500から端末装置500の位置情報を取得しても良い。端末装置500は、例えば、測位デバイス507を用いて当該端末装置500の位置を測位する。
【0426】
[変形例3-2]
上記の第3実施形態においてプロセッサー401が行う通信に関する処理の一部又は全部を、通信装置412が行っても良い。
【0427】
[変形例3-3]
改札システム1cは、端末オブジェクトIDを使用しなくても良い。この場合、の改札システム1cは、端末オブジェクトIDに代えて利用者IDを用いる。
【0428】
[変形例3-4]
外部処理装置400cは、第1実施形態と同様に画像解析により旅客オブジェクトの属性を特定しても良い。
【0429】
[変形例3-5]
乗車券データは、サーバーサイドに記憶されていても良い。この場合、乗車券アプリを動作させるためのサーバーは、利用者IDと関連付けることで各利用者が所有する乗車券の乗車券データを記憶する。外部処理装置400cは、当該サーバーから、開始応答に含まれる利用者IDに関連付けられた乗車券データを取得する。
【0430】
[変形例3-6]
上記の改札システム1cは、端末装置500を用いた入出場において、カメラ画像を用いた測位と、端末装置500から受信する電波を用いた測位を併用する。しかしながら、実施形態の改札システムは、カメラ画像を用いた測位を用いず、端末装置500から受信する電波を用いた測位を用いても良い。
【0431】
この場合、プロセッサー401は、端末装置500から受信する電波を用いて、旅客オブジェクトが改札判定エリアAR10に入ったことを判定する。プロセッサー401は、当該判定を行うことで、進入するためにチケットが必要であると定められている場所へ進入するための通路を通行する旅客であるとみなす所定の範囲内に端末装置が入ったことを、位置特定部によって特定された位置を用いて判定する、端末位置判定部の一例として機能する。
【0432】
上記の第1実施形態~第3実施形態は、以下のような変形も可能である。
実施形態の改札システムは、通路の開放及び閉塞以外の方法で旅客の入場及び出場を制御しても良い。例えば、実施形態の改札システムは、旅客又は係員などに入場又は出場の許可又は禁止することを報知することで当該制御を行う。
【0433】
画像処理部409は、上記の実施形態においてプロセッサー401が行う処理の一部又は全部を行っても良い。プロセッサー401は、上記の実施形態において画像処理部409が行う処理の一部又は全部を行っても良い。
【0434】
上記の第1実施形態~第3実施形態では、鉄道を例に改札システムについて説明した。しかしながら、実施形態の改札システムは、バス、船舶又は航空機などの鉄道以外の乗り物にも適用可能である。
【0435】
上記の第1実施形態~第3実施形態における改札システムは、鉄道などの乗り物に乗車するための改札内への入場及び出場を行う場合を例に説明した。しかしながら、実施形態の改札システムは、入場及び出場のうちの少なくともいずれかにおいて入場券又は整理券などのチケットが必要な場所への入場及び出場を行う場合にも適用可能である。
【0436】
入場においてチケットが必要な場所は、当該場所の外から見て、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。出場においてチケットが必要な場所の外は、当該場所の中から見て、進入するためにチケットが必要であると定められている場所の一例である。
【0437】
また、実施形態の改札システムにおいて、入場のためにチケットが必要な場所から出場するためにチケットが不要であっても良い。あるいは、実施形態の改札システムにおいて、入場のためにチケットが不要であり、出場にはチケットが必要であっても良い。
【0438】
プロセッサー101、プロセッサー201、プロセッサー301又はプロセッサー401は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0439】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置内の非一時的な記憶媒体に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルで非一時的な記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLANなどのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0440】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0441】
1,1b,1c 改札システム
100,200 管理システム
101,201,301,401,501 プロセッサー
102,202,302,402,502 ROM
103,203,303,403,503 RAM
104,204,304,404,504 補助記憶装置
105,205,305,405,505 通信インターフェース
106,206,311,411,508 バス
300 自動改札機
306 外部インターフェース
307 センサー
308,407 リーダー
309 ゲート部
310,410 報知装置
400,400b,400c 外部処理装置
406 制御インターフェース
408,408a,408b カメラ
409,409a,409b 画像処理部
412 通信装置
413 測位部
500 端末装置
506 タッチパネル
507 測位デバイス
EP 入出場用通路
TI1 改札機乗車券
TI2 外部乗車券
図1
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