(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127363
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】検査機構及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20240912BHJP
B65G 47/30 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G01N21/89 T
B65G47/30 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036483
(22)【出願日】2023-03-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年10月4日に名水美人ファクトリー株式会社(大分県竹田市大字門田241番地)が、同社の岡山工場(岡山県小田郡矢掛町中612-1)のもやしの自動化生産設備の一部の装置として、発明にかかる装置をNHK岡山放送局による岡山工場の新工場記念式典の取材において紹介した。 2022年10月4日にNHK岡山放送局が、名水美人ファクトリー株式会社の岡山工場の新工場記念式典の上記取材に基づき、NHK岡山放送局のウェブニュースのサイト(https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20221004/4020014296.html)で取材記事と共に、発明にかかる装置を含むもやしの自動化生産設備の一部の稼働状況の動画を掲載した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年3月15日に名水美人ファクトリー株式会社(大分県竹田市大字門田241番地)における岡山工場(岡山県小田郡矢掛町中612-1)に対して装置を販売・納品した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2022年5月10日に名水美人ファクトリー株式会社(大分県竹田市大字門田241番地)が、同社の岡山工場(岡山県小田郡矢掛町中612-1)のもやしの自動化生産設備の一部の装置として、発明にかかる装置を岡山工場のある岡山県小田郡矢掛町の住民説明会で住民に紹介した。
(71)【出願人】
【識別番号】599067053
【氏名又は名称】株式会社ピーエムティー
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】230110397
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 雅敏
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】角 喜代志
(72)【発明者】
【氏名】松尾 美樹春
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真也
【テーマコード(参考)】
2G051
3F081
【Fターム(参考)】
2G051AA28
2G051AB02
2G051CA04
2G051CB02
2G051DA06
3F081AA46
3F081BC01
3F081BF15
3F081CC08
3F081EA09
3F081EA10
(57)【要約】
【課題】ワークを安定した姿勢で検査領域に搬送することができる検査機構及び検査方法を提供する。
【解決手段】検査機構X1は、支持搬送ユニット1と、検査ユニット2を備えている。支持搬送ユニット1は、搬送用コンベア10と、姿勢制御用コンベア11を有しており、搬送用コンベア10は、ワークWを進行方向に向けて搬送し、姿勢制御用コンベア11は、搬送用コンベア10と協働して、ワークWを搬送すると共に、搬送されるワークWを支持して、姿勢を維持又は姿勢の崩れを矯正する。また、検査ユニット2は、検査カメラ20と、ガラス板21と、ライト22を有しており、搬送されてきたワークWのシーリング部を含む一部が、搬送用コンベア10より内側方向にはみ出して、はみ出した部分がガラス板21の上面に乗って検査カメラ22で撮像される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象となるワークを搬送経路で搬送しながら所定の検査を行う検査機構であって、
前記搬送経路となる第1の面を有する第1のコンベアと、
前記第1のコンベアと互いに平行に設けられると共に、前記第1の面と協働して前記搬送経路の一部を構成し、前記第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす第2の面を有する第2のコンベアと、
前記第1の面及び前記第2の面から外れた位置に設けられた検査領域で、前記ワークに対して前記所定の検査を行う検査部と、
を備える、検査機構。
【請求項2】
請求項1記載の検査機構において、
前記第2の面を構成するベルトの表面の摩擦係数が、前記第1の面を構成するベルトの表面の摩擦係数よりも大きい、検査機構。
【請求項3】
請求項1記載の検査機構において、
前記第2の面は、前記第1の面と35度以上、かつ、105度以下の角度をなす、検査機構。
【請求項4】
請求項1記載の検査機構において、
前記第1の面は、水平面と0度以上、かつ、90度以下の角度をなす、検査機構。
【請求項5】
請求項1記載の検査機構において、
前記搬送経路の範囲内で、前記ワークが供給される位置と、前記検査領域に対応する位置の間に、前記第1の面と前記第2の面とがなす角度が、前記検査領域に対応する位置の前記搬送経路における前記第1の面と前記第2の面とがなす角度よりも小さい領域が設けられた、検査機構。
【請求項6】
請求項1記載の検査機構において、
前記検査領域に搬送される前の前記ワークを検知するセンサー部、
をさらに備える、検査機構。
【請求項7】
請求項1記載の検査機構において、
前記検査領域への進入位置の手前に、前記ワークに対してエアーを吹き付けるエアブロー部、
をさらに備える、検査機構。
【請求項8】
請求項1記載の検査機構において、
前記ワークは、一部が光透過部で形成され、
前記所定の検査は、前記検査領域において、撮像手段と、光源及び光透過板で構成された照明部との間に、前記ワークの前記光透過部を配置して撮像する検査であり、
前記検査領域への進入位置の手前に、前記ワークを前記光透過板に押し付けるエアーを発生するエアブロー部、
をさらに備える、検査機構。
【請求項9】
対象となるワークを搬送経路で搬送しながら所定の検査を行う検査方法であって、
前記搬送経路に前記ワークを供給する供給工程と、
互いに平行に設けられた第1のコンベアと第2のコンベアにおいて、前記第1のコンベアにおける第1の面と、前記第2のコンベアにおける、前記第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす第2の面と、で前記搬送経路の一部を構成し、前記第1の面及び前記第2の面で協働して、前記ワークを搬送する搬送工程と、
前記第1の面及び前記第2の面から外れた位置に設けられた検査領域で、前記ワークに対して前記所定の検査を行う検査工程と、
を備える検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査機構及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場等で容器の中に内容物を充填したワークを搬送しながら、ワークの外観等が所定の基準を満たしているか否かの検査を行う検査機構が広く用いられている。
【0003】
こうした検査機構において検査対象となるワークは、容器や内容物の種類により多岐に渡る。
【0004】
例えば、特開2005-300281号公報(特許文献1)には、種子抜き処理された果実を搬送しながら、種子の破片が果実に残っていないかどうかを検査する種子破片検査装置が開示されている。
【0005】
また、特開2017-080661号公報(特許文献2)には、形状を始め、色や内部の実の状態によって農産物等の選別をすることができる選別装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-300281号公報
【特許文献2】特開2017-080661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、従前の検査機構では、容器や内容物の種類によって、検査領域にワークを搬送する際に、ワークの姿勢が安定せず、検査に適した向きでワークを検査領域に搬送できない問題があった。
【0008】
例えば、柔らかく変形しやすい内容物が充填されたワークでは、前工程からの供給時又は搬送の途中等に、ワークの向きや形状が変わってしまい、ワークの検査対象となる部位が検査領域から外れたり、検査結果が得にくい形状になったりする等して、検査精度に影響する不具合が生じていた。
【0009】
従って、検査機構において、ワークを安定した姿勢で検査領域に搬送する手段が必要である。
【0010】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施の形態である検査機構は、搬送経路となる上面を有する搬送用ベルトが取り付けられた搬送用コンベアと、搬送用コンベアと互いに平行に設けられると共に、搬送用ベルトの上面と協働して搬送経路の一部を構成する内面を有する姿勢制御用ベルトが取り付けられた姿勢制御用コンベアと、を備え、姿勢制御用ベルトの内面と、搬送用ベルトの上面とが0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす。
【0012】
また、一実施の形態である検査方法は、互いに平行に設けられた搬送用コンベアと姿勢制御用コンベアにおいて、搬送用コンベアに取り付けられた搬送用ベルトにおける上面と、姿勢制御用コンベアに取り付けられた姿勢制御用ベルトにおける、搬送用ベルトの上面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす内面とで、搬送経路の一部を構成し、搬送用ベルトの上面及び姿勢制御用ベルトの内面で協働して、ワークを搬送する搬送工程を有する。
【発明の効果】
【0013】
一実施の形態によれば、ワークを搬送しながら、搬送用ベルトの上面と姿勢制御用ベルトの内面の2つの面でワークの姿勢を安定して支持することができ、所望の姿勢でワークを検査領域に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1による検査機構の全体構成を示す概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す検査機構における前方から後方を見た概略正面図である。
【
図3】
図1に示す検査機構の構造を簡略化した構成の概略平面図である。
【
図4】
図3における矢印A1の方向で見た概略側面図である。
【
図5】
図3における矢印A2の方向で見た概略正面図である。
【
図6】(a)~(c)は、搬送用コンベアと姿勢制御用コンベアの位置関係について、複数のパターンを示す概略図である。
【
図7】(a)は、
図3におけるB-B'線に沿った概略断面図であり、(b)は、
図3におけるC-C'線に沿った概略断面図である。
【
図8】実施の形態2による検査機構の一部の断面図であり、(a)は、実施の形態2での、
図3におけるB-B'線に沿った位置に相当する部分の概略断面図であり、(b)は、実施の形態2での、
図3におけるC-C'線に沿った位置に相当する部分の概略断面図である。
【
図9】(a)は、実施の形態2での、
図3における矢印A2に相当する方向で見た概略正面図であり、(b)は、
図9(a)における検査ユニットの変形例を示す概略正面図である。
【
図10】支持搬送ユニットの変形例を示す概略正面図である。
【
図11】実施の形態3による検査機構の概略平面図である。
【
図12】
図11における矢印Aの方向で見た概略側面図である。
【
図13】(a)は、
図11におけるC-C'線に沿った概略断面図であり、(b)は、
図11におけるD-D'線に沿った概略断面図であり、(c)は、
図11におけるB-B'線に沿った概略断面図である。
【
図14】実施の形態4による検査機構の概略平面図である。
【
図15】
図14における矢印A1の方向で見た概略側面図である。
【
図16】
図14における矢印A2の方向で見た概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一又は関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0016】
また、複数の類似の部材(部位)が存在する場合には、総称の符号に記号を追加し個別又は特定の部位を示す場合がある。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一又は同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0017】
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
【0018】
また、断面図及び平面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく図示する場合がある。また、断面図と平面図が対応する場合においても、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく図示する場合がある。
【0019】
また、以下の説明では、
図3を基準として、紙面の右側を前又は前方と称し、紙面の左側を後ろ又は後方と称する。また、前後を結ぶ方向を前後方向と称する。また、必要に応じて、前後方向に沿って、後方から前方に向かう方向をワークの進行方向と称する。
【0020】
また、
図3を基準として、姿勢制御用コンベア11から見た検査カメラ20の方を、内又は内側と称し、検査カメラ20から見た姿勢制御用コンベア11の方を、外又は外側と称する。また、内外を結ぶ方向を内外方向と称する。また、必要に応じて、内外方向又は前後方向を水平方向と称する。
【0021】
また、
図2を基準として、ライト22から見た検査カメラ20の方を、上又は上方と称し、検査カメラ20から見たライト22の方を、下又は下方と称する。また、上下を結ぶ方向を上下方向と称する。また、必要に応じて、重力が働く方向に垂直な面を水平面と称する。
【0022】
(実施の形態1)
実施の形態1による検査機構について
図1~
図7を用いて説明する。
≪検査機構の全体構成≫
図1に示すように、実施の形態1による検査機構X1は、支持搬送ユニット1と、検査ユニット2を備えている。
【0023】
この検査機構X1は、袋状の容器にもやしが充填されたもやしパックからなるワークWを搬送しながら、容器のシーリング部におけるもやしの噛み込みの有無を検査する装置である。もやしパックのシーリング部にもやしが噛み込んでいた場合、同部分から空気が漏れて、もやしの品質低下に繋がるため、製造時に検査が行われる。
【0024】
なお、ここでいうワークWが、本願請求項におけるワークに相当する。また、ここでいうもやしの噛み込みの有無の検査が、本願請求項における所定の検査に相当する。
【0025】
また、検査機構X1は、もやしパックの製造ラインの一部に設けられる装置である。この検査機構X1は、製造ラインにおける前工程からワークWが供給されて、ワークWに対する検査を行い、その後、検査結果に応じた選別等の次工程にワークWを送る装置となっている。
【0026】
ここで、支持搬送ユニット1は、前工程から供給されたワークWを、次工程に向けて搬送する構造体である。また、支持搬送ユニット1は、ワークWを検査ユニット2に搬送する際に、ワークWの姿勢を検査ユニット2での検査に適した姿勢に維持するように又はワークWの姿勢の崩れを検査に適した姿勢に矯正するようにして、ワークWを搬送する構造体である。
【0027】
また、検査ユニット2は、支持搬送ユニット1で搬送中のワークWに対して、袋状の容器のシーリング部における、もやしの噛み込みの有無を撮像して検査する構造体である。なお、ここでいう検査ユニット2が、本願請求項における検査部に相当する。
【0028】
また、
図1に示すように、検査ユニット2は、支持台3を介して支持搬送ユニット1の一部に隣接するように配置されている。
【0029】
ここで、必ずしも、検査機構X1は、検査対象がもやしパックからなるワークWに限定されるものではない。検査機構X1は、各種検査を行う検査装置にワークを搬送するまでに、ワークの姿勢を維持又は姿勢の崩れを矯正しながら搬送する必要があるものに適宜採用しうる。例えば、レトルトパウチ食品等も検査対象となり得る。
【0030】
また、必ずしも、検査ユニット2は、もやしパックの袋状の容器のシーリング部における、もやしの噛み込みの有無を撮像して検査するものに限定されるものではない。例えば、検査ユニットが、異物の有無を検査するためのX線検査装置等で構成された態様も採用しうる。
【0031】
≪支持搬送ユニット≫
図1~
図3に示すように、支持搬送ユニット1は、搬送用コンベア10と、姿勢制御用コンベア11を有している。
【0032】
また、
図3~
図5に示すように、支持搬送ユニット1の後方側には、もやしパックの製造ラインの前工程から、支持搬送ユニット1に向けてワークWを供給する供給部5が接続されている。なお、
図1では、検査機構X1の全体の外観を明らかにする目的から、供給部5の図示を省略している。
【0033】
ここで、搬送用コンベア10は、ワークWを進行方向に向けて搬送する駆動部材である。また、姿勢制御用コンベア11は、搬送用コンベア10と協働して、ワークWを搬送すると共に、搬送されるワークWを支持して、姿勢を維持又は姿勢の崩れを矯正する駆動部材である。なお、ここでいう搬送用コンベア10又は姿勢制御用コンベア11を介してワークWが搬送される経路が、本願請求項における搬送経路に相当する。
【0034】
なお、
図3及び
図4では、支持搬送ユニット1で搬送されるワークWの進行方向を、符号P1を付した矢印で示している。また、
図3及び
図4では、供給部5から支持搬送ユニット1に向かうワークWの進行方向を、符号P2を付した矢印で示している。
【0035】
また、
図3に示すように、平面視した際に、供給部5は搬送用コンベア10と直交する方向で配置されている。
【0036】
ここで、必ずしも、平面視した際に、供給部5は搬送用コンベア10と直交する方向で配置される必要はなく、製造ラインの前工程を担う装置の配置に併せて、適宜設定することができる。例えば、前後方向において、供給部5と搬送用コンベア10が直線状に並ぶように配置することも可能である。
【0037】
また、
図1及び
図4に示すように、搬送用コンベア10は、前後方向に一定の長さを有するベース部材100に、搬送用ベルト101が回転可能に取り付けられている。
【0038】
また、搬送用コンベア10は、図示しない駆動源により、搬送用ベルト101がベース部材100の周りを、
図4で見る時計回りの方向に回転するように構成されている。なお、
図4では、搬送用ベルト101が回転する方向を、符号R1を付した矢印で示している。
【0039】
また、搬送用ベルト101の表面は、例えば、鋼製パネルに対する摩擦係数が0.2であるポリウレタンを含侵した素材で形成されている。
【0040】
なお、ここでいう搬送用コンベア10が、本願請求項における第1のコンベアに相当する。また、ここでいう搬送用ベルト101のうち、ベース部材100から見てその上方にある面が、本願請求項における第1の面に相当する。また、以下では、搬送用ベルト101のうち、ベース部材100から見てその上方にある面、即ち、ワークWと接する面を「搬送用ベルト101の上面」と称する。
【0041】
また、
図3に示すように、姿勢制御用コンベア11は、前後方向に一定の長さを有するベース部材110に、姿勢制御用ベルト111が回転可能に取り付けられている。
【0042】
また、姿勢制御用コンベア11は、図示しない駆動源により、姿勢制御用ベルト111がベース部材110の周りを、
図3で見る反時計回りの方向に回転するように構成されている。なお、
図3では、姿勢制御用ベルト111が回転する方向を、符号R2を付した矢印で示している。
【0043】
また、姿勢制御用ベルト111の表面は、例えば、鋼製パネルに対する摩擦係数が1.1であるポリウレタンで形成されている。
【0044】
なお、ここでいう姿勢制御用コンベア11が、本願請求項における第2のコンベアに相当する。また、ここでいう姿勢制御用ベルト111のうち、ベース部材110から見てその内側方向にある面が、本願請求項における第2の面に相当する。また、以下では、姿勢制御用ベルト111のうち、ベース部材110から見てその内側方向にある面、即ち、ワークWと接する面を「姿勢制御用ベルト111の内面」と称する。
【0045】
ここで、必ずしも、搬送用ベルト101の表面は、鋼製パネルに対する摩擦係数が0.2であるポリウレタンを含侵した素材で形成される必要はない。また、必ずしも、姿勢制御用ベルト111の表面は、鋼製パネルに対する摩擦係数が1.1であるポリウレタンで形成される必要はない。但し、ワークWを搬送しながら、その姿勢を充分に支持可能とする点から、姿勢制御用ベルト111の表面を形成する素材の摩擦係数が、搬送用ベルト101の表面を形成する素材の摩擦係数よりも大きくなることが好ましい。
【0046】
また、
図2、
図3及び
図5に示すように、姿勢制御用コンベア11は、搬送用コンベア10の上方に設けられている。より詳細には、内外方向において、搬送用コンベア10の外側端縁と、姿勢制御用コンベア11の外側端縁が同位置に配置されている。
【0047】
ここで、内外方向における搬送用コンベア10と、姿勢制御用コンベア11の位置関係は、
図2、
図3及び
図5に示す位置関係に限定されるものではない。この位置関係は、搬送の対象となるワークWのサイズと、姿勢制御用ベルト111のサイズに併せて、適宜設定することができる。
【0048】
例えば、
図6(a)に示すように、内外方向において、姿勢制御用コンベア11aの外側端縁が、搬送用コンベア10aの外側端縁よりも内側に位置する態様も採用しうる。
【0049】
また、
図6(b)に示すように、内外方向において、姿勢制御用コンベア11bの外側端縁が、搬送用コンベア10bの外側端縁よりも外側に位置する態様も採用しうる。
【0050】
さらに、
図6(c)に示すように、内外方向において、姿勢制御用コンベア11cの内側端縁と、搬送用コンベア10cの外側端縁が同位置に位置する態様も採用しうる。また、本態様では、姿勢制御用コンベア11cは、搬送用コンベア10cの上方から外側に外れて配置されている。
【0051】
また、図示しないが、ワークWのサイズが大きい場合には、内外方向において、姿勢制御用コンベア11の内側端縁が、搬送用コンベア10の外側端縁よりもさらに外側に位置する態様も採用しうる。このように、内外方向における搬送用コンベア10と、姿勢制御用コンベア11の位置関係は、適宜設定することが可能である。
【0052】
次に、
図7(a)及び
図7(b)を用いて、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度について説明する。
【0053】
図7(a)は、
図3におけるB-B'線に沿った概略断面図であり、
図7(b)は、
図3におけるC-C'線に沿った概略断面図である。また、
図3におけるB-B'線の位置は、支持搬送ユニット1における検査ユニット2に対応する位置である。また、
図3におけるC-C'線の位置は、支持搬送ユニット1における供給部5と接続された位置である。
【0054】
図7(a)に示すように、支持搬送ユニット1では、検査ユニット2(
図1参照)に対応する位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が90度となっている。なお、
図7(a)及び
図7(b)では、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度を符号θ1で示している。
【0055】
また、
図7(b)に示すように、支持搬送ユニット1では、供給部5(例えば、
図3参照)と接続された位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が90度となっている。
【0056】
さらに、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度は、前後方向に渡って一定の角度(90度)に維持されている。即ち、ワークWの搬送経路において、符号θ1で示す角度が常に90度になっている。
【0057】
ここで、必ずしも、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が90度に限定されるものではない。但し、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が180度になった場合には、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とが、同一平面を構成する。この結果、例えば、供給部5から搬送用コンベア10にワークWが搬送された際に、水平方向においてワークWが傾いて、ワークWの姿勢が崩れた状態になっても、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とが、ワークWの同じ面にしか当接せず、ワークWの姿勢を矯正することができず、ワークWの姿勢が崩れたまま搬送されることになってしまう。
【0058】
また、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が0度になった場合には、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とで、ワークWが挟まれた状態となる。こうなると、姿勢制御用ベルト111の内面により、ワークWの姿勢の崩れを矯正することが難しくなる。また、姿勢制御用ベルト111の内面により、内側方向、言い換えると、後述する検査ユニット2における検査カメラ22の撮像領域Rがある方向に向けて、ワークWを一定量はみ出させることができず、ワークWのシーリング部及び周辺が撮像領域Rの範囲内に入らなくなるおそれがある。つまり、ワークWのシーリング部及び周辺が撮像できず、もやしの噛み込みの有無について、検査ができなくなってしまう。
【0059】
従って、ワークWの姿勢を維持又は姿勢の崩れを矯正することが可能となる点及び内側方向にワークWを一定量はみ出させて、ワークWのシーリング部及び周辺を撮像領域Rの範囲内に入りやすくする点から、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度は、0度より大きく、かつ、180度より小さい角度で設定することが好ましい。
【0060】
また、支持搬送ユニット1が適用できるワークWの対象が幅広くなり、かつ、搬送の効率を高めつつ、ワークWの姿勢の支持を充分に行う点から、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度は、35度以上、かつ、105度以下の範囲内で設定されることが、さらに好ましい。
【0061】
また、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、支持搬送ユニット1では、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、水平面が平行な位置関係となっている。
【0062】
さらに、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、水平面が前後方向に渡って、平行な位置関係が維持されている。即ち、ワークWの搬送経路において、搬送用ベルト101の上面と、水平面は常に平行な位置関係になっている。
【0063】
ここで、必ずしも、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101の上面と、水平面が平行な位置関係になる必要はない。例えば、搬送用ベルト101の上面と、水平面とがなす角度を、0度以上、かつ、90度以下の範囲内で変更することができる。また、搬送用ベルト101を水平面に対して傾けて配置することで、搬送用ベルト101の配置の自由度を高めることができる。また、搬送用ベルト101を水平面に対して傾けて配置することで、ワークWが姿勢制御用ベルト111に及ぼす荷重が大きくなり、より一層安定して、搬送中のワークWの姿勢を支持することができる。なお、搬送用ベルト101を水平面に対して傾けた支持搬送ユニット1の構造については、実施の形態2において説明する。
【0064】
≪検査ユニット≫
図1~
図5に示すように、検査ユニット2は、検査カメラ20と、ガラス板21と、ライト22を有している。また、前後方向における、検査ユニット2の後方側の近傍にエアブロー部4が設けられている。
【0065】
この検査ユニット2は、上述したように、もやしパックからなるワークWに対して、袋状の容器のシーリング部における、もやしの噛み込みの有無を撮像して検査する部分である。また、ワークWにおける袋状の容器のシーリング部の部分は、透明な袋で形成されている。
【0066】
また、検査カメラ20は、検査ユニット2に搬送されてきたワークWのシーリング部及びその周辺を撮像する装置である。なお、
図1~
図5では、便宜的に検査カメラ20の撮像領域に、符号Rを付して示している。
【0067】
なお、ここでいう検査カメラ20が、本願請求項における撮像手段に相当する。また、ここでいうワークWのシーリング部が、本願請求項における光透過部に相当する。また、この検査カメラ20の撮像領域が、本願請求項における検査領域に相当する。
【0068】
また、ガラス板21は、エアブロー部4のエアーを受けたワークWを密着させるための受け部材である。
【0069】
ここで、必ずしも、エアブロー部4のエアーを受けたワークWを密着させるための受け部材が、ガラス板21に限定されるものではない。ここでいう受け部材は、ライト22からの光が透過可能な板状部材であれば充分であり、ガラス以外の素材で形成することが可能である。
【0070】
また、ライト22は、搬送されてきたワークWのシーリング部に対して、ガラス板21の下方から光を当てるための光照射部材である。なお、
図3にて、ワークWのシーリング部に符号Sを付して示している。
【0071】
なお、ここでいうガラス板21が、本願請求項における光透過板に相当する。また、ここでいうライト22が、本願請求項における光源に相当する。また、ここでいうガラス板21及びライト22が、本願請求項における照明部に相当する。
【0072】
さらに、エアブロー部4は、検査ユニット2に搬送されるワークWにエアーを吹き付け、ガラス板21に押し付けて、ワークWのシーリング部を平坦にし、撮像時のワークWの形を整えるための部材である。エアブロー部4は、検査ユニット2の後方側の近傍の位置に設けられている。なお、ここでいうエアブロー部4が、本願請求項におけるエアブロー部に相当する。
【0073】
また、
図1、
図2、
図3及び
図5に示すように、搬送用コンベア10の内側端縁に沿って、ガラス板21及びライト22が設けられている。
【0074】
そして、搬送されてきたワークWは、シーリング部を含む一部が、搬送用コンベア10より内側方向にはみ出して、はみ出した部分がガラス板21の上面に乗って検査カメラ22で撮像されるように構成されている。
【0075】
また、姿勢制御用コンベア11が設けられたことで、ワークWが、搬送用コンベア10より内側方向にはみ出す量は、一定のはみ出し量となる。
【0076】
また、検査ユニット2は、搬送されてきたワークWのシーリング部及びその周辺が、検査カメラ20と、ライト22の間に位置した状態で、ライト22からワークWに光を当てて、検査カメラ20でワークWの画像を撮像する。
【0077】
また、検査カメラ20が撮像した画像に基づき、もやしの噛み込みの有無の検査が行われる。検査ユニット2は、いわゆる透過方式の検査装置である。
【0078】
ここで、ワークWにおいて、シーリング部にもやしの噛み込みがなければ、同部分は撮像画像で透明に写り、もやしの噛み込みなしと判定できる。一方、シーリング部にもやしの噛み込みがあった際には、撮像画像でもやしの部分が黒く写り、もやしの噛み込みありと判定できる。
【0079】
また、検査カメラ20は、別途設けられたコントローラ部に接続され、撮像画像の情報を送信可能に構成されている。コントローラ部で、撮像画像に基づき、もやしの噛み込みの有無の判定が行われる。
【0080】
ここで、必ずしも、ワークWにおける袋状の容器のシーリング部の部分が、透明な袋で形成される必要はない。即ち、ライト22の光を透過させ、もやしの有無に基づく明暗が判別可能であれば、シーリング部の部分を、半透明な部材で形成することも可能である。
【0081】
続いて、
図1~
図5を用いて、実施の形態1による検査機構を用いた検査の流れを説明する。なお、以下で説明する検査の流れが、本発明を適用した検査方法の一例に該当する。
【0082】
まず、検査機構X1では、もやしパックの製造ラインにおける前工程から、図示しない搬送機構等を介して供給部5にワークWが搬送され、供給部5を経由して、支持搬送ユニット1にワークWが供給される。なお、ここでいう供給部5から支持搬送ユニット1へワークWを供給する工程が、本願請求項における供給工程に相当する。
【0083】
また、ワークWは、供給部5から搬送用コンベア10の搬送用ベルト101の上面に搬送され、駆動する搬送用ベルト101により、ワークWの進行方向に搬送されていく。
【0084】
また、ワークWが搬送される際には、
図2及び
図5に示すように、ワークWの下面が搬送用コンベア10に当接し、かつ、ワークWの外側端縁が姿勢制御用コンベア11に当接している。
【0085】
より詳細には、ワークWの下面が搬送用ベルト101の上面に当接し、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111の内面に当接する。そして、この状態では、姿勢制御用ベルト111が設けられたことから、ワークWの内側部分、即ち、容器のシーリング部を含む部分が、搬送用ベルト101の内側端縁から、さらに内側の方向に一定量はみ出すものとなる。
【0086】
また、支持搬送ユニット1では、搬送用ベルト101の上面と、姿勢制御用ベルト111の内面が協働して、検査ユニット2に向けてワークWを搬送する。なお、ここでいう搬送用ベルト101及び姿勢制御用ベルト111によりワークWを搬送する工程が、本願請求項における搬送工程に相当する。
【0087】
また、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111の内面に当接することで、ワークWのシーリング部及び周辺が、検査カメラ20の検査領域Rの範囲内に収まる向きになるように、ワークWの姿勢が維持されて搬送される。
【0088】
また、供給部5から搬送用コンベア10にワークWが搬送された際に、水平方向においてワークWが回転して、ワークWの姿勢が崩れた状態で搬送用ベルト101の上面に置かれても、搬送しながら姿勢を矯正することができる。
【0089】
即ち、例えば、供給部5から搬送されたワークWが、前後方向に沿って、ワークWの内側端縁の位置よりワークWの外側端縁の方が前方にある状態又はワークWの外側端縁の位置よりワークWの内側端縁の方が前方にある状態として、水平方向でワークWが傾いていたとする。つまり、搬送用ベルト101の上面にワークWが真っすぐ乗らず、前後方向に対して斜めになったとする。
【0090】
この際、ワークWの下面は搬送用ベルト101の上面に当接して、ワークWは進行方向に沿って搬送される。また、ワークWの外側端縁は、その一部が姿勢制御用ベルト111に当接する。
【0091】
そして、ワークWが検査ユニット2に向けて搬送される際に、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111の内面に当接して、姿勢制御用ベルト111が回転することにより、ワークWの外側端縁と姿勢制御用ベルト111の接する範囲が徐々に増えていく。つまり、搬送が進むにつれ、ワークWの姿勢が矯正されていく。
【0092】
最終的に、ワークWが検査カメラ20の撮像領域Rに入る前の段階では、ワークWの外側端縁の大部分が、姿勢制御用ベルト111の内面に当接する。また、ここでは、ワークWのシーリング部及び周辺が撮像領域Rの範囲内に入るようになり、ワークWの姿勢が、検査カメラ20による検査に適した姿勢に矯正されたことになる。
【0093】
また、上述したように、姿勢制御用ベルト111の表面を形成する素材の摩擦係数が、搬送用ベルト101の表面を形成する素材の摩擦係数よりも大きくなっていることから、姿勢制御用ベルト111がワークWに及ぼす摩擦力がより大きくなる。これにより、姿勢制御用ベルト111によるワークWの姿勢の維持又は姿勢の矯正を、より一層充分に行うことが可能となる。
【0094】
このように、支持搬送ユニット1は、供給部5から搬送されたワークWを、検査ユニット2に向けて搬送しながら、ワークWを検査ユニット2の撮像領域Rの方に一定量はみ出させることができる。
【0095】
また、支持搬送ユニット1は、ワークWを搬送しながら、ワークWの姿勢を支持し、検査カメラ20による検査に適した姿勢にして、撮像領域RにワークWのシーリング部を含む部分を位置させることができる。
【0096】
また、検査ユニット2に向けて、支持搬送ユニット1で搬送されたワークWは、撮像領域Rに入る前に、エアブロー部4からエアーが吹き付けられる。エアーは、ワークWのシーリング部及びその周辺に吹き付けられ、ワークWはガラス板21に押し付けられ、平坦な形状になる。
【0097】
そして、撮像領域Rに入ったワークWのシーリング部及びその周辺の部分が、検査カメラ20と、ライト22の間に到達し、同位置で検査カメラ20により撮像される。ワークWのシーリング部及びその周辺の撮像画像は、コントローラ部に送信され、撮像画像に基づき、シーリング部における、もやしの噛み込みの有無が判定される。
【0098】
なお、ここでいう検査カメラ20によるワークWの撮像と、撮像画像に基づくシーリング部における、もやしの噛み込みの有無の判定の作業が、本願請求項における検査工程に相当する。
【0099】
また、検査カメラ20で撮像されたワークWは、そのまま支持搬送ユニット1により、撮像領域Rを通過して、さらに前方に搬送されていく。支持搬送ユニット1は、製造ラインの次工程に向けてワークWを搬送する。なお、支持搬送ユニット1から次工程へのワークWの搬送は、適宜設定することができる。
【0100】
以上のとおり、実施の形態1による検査機構X及びこれを用いた検査方法では、もやしパックからなるワークWについて、ワークWの姿勢を支持しながら、安定して搬送することができる。
【0101】
また、実施の形態1による検査機構X及びこれを用いた検査方法では、ワークWを検査ユニット2の撮像領域Rの方に一定量はみ出させて、検査することができる。さらに、検査カメラ20での撮像に適した姿勢で、撮像領域RまでワークWを搬送することができる。
【0102】
また、実施の形態1による検査機構及びこれを用いた検査方法では、前工程からの搬送の際に、ワークWの姿勢が崩れていても、ワークWを搬送しながら、その姿勢を矯正して、検査カメラ20での撮像に適した姿勢にして、撮像領域RまでワークWを搬送することができる。
【0103】
(実施の形態2)
実施の形態2による検査機構X2について
図8~
図10を用いて説明する。
【0104】
ここで、上述した実施の形態1と、実施の形態2の構造における違いは、実施の形態2では、前後方向に沿った断面視で、搬送用コンベアを水平面に対して傾けて配置した点にある。
【0105】
まず、実施の形態2による検査機構X2では、基本的な構造は、実施の形態1の検査機構X1と共通している。また、
図3に見る概略平面図も同様の構造となる。
【0106】
図8(a)及び
図8(b)に、検査機構X2の搬送用コンベア及び姿勢制御用コンベアの配置を示す。
図8(a)は、実施の形態2での、
図3におけるB-B'線に沿った位置に相当する部分の概略断面図を示している。また、
図8(b)は、実施の形態2での、
図3におけるC-C'線に沿った位置に相当する部分の概略断面図を示している。
【0107】
図8(a)に示すように、検査機構X2における支持搬送ユニット1Aは、検査ユニット2(
図1参照)に対応する位置では、前後方向に沿った断面視で、搬送コンベア10Aが水平面に対して、一定の角度傾けて配置されている。
【0108】
より詳細には、検査ユニット2に対応する位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度が30度となっている。なお、
図8(a)及び
図8(b)では、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度を符号θ2で示している。
【0109】
また、
図8(a)に示すように、検査ユニット2に対応する位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、姿勢制御用ベルト111Aの内面とがなす角度が90度となっている。なお、
図8(a)及び
図8(b)では、搬送用ベルト101Aの上面と、姿勢制御用ベルト111Aの内面とがなす角度を符号θ1で示している。
【0110】
また、
図8(b)に示すように、支持搬送ユニット1Aは、供給部5(例えば、
図3参照)と接続された位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送コンベア10Aが水平面に対して、一定の角度傾けて配置されている。
【0111】
より詳細には、供給部5と接続された位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度が30度となっている。
【0112】
また、
図8(b)に示すように、供給部5と接続された位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、姿勢制御用ベルト111Aの内面とがなす角度が90度となっている。
【0113】
また、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度は、前後方向に渡って一定の角度(30度)に維持されている。即ち、ワークWの搬送経路において、符号θ2で示す角度が常に30度になっている。
【0114】
この検査機構X2では、前後方向に沿った断面視で、水平面に対して、搬送用ベルト101の上面を傾けた構造とすることで、ワークWの姿勢の崩れを、より一層矯正しやすい構造となっている。
【0115】
即ち、
図9(a)に示すように、ワークWを支持搬送ユニット1Aで搬送する際に、搬送用ベルト101Aの上面が水平面に対して傾けられたことで、ワークWは、
図9(a)の紙面で見る右下方向にやや落ち込むような状態で、搬送用ベルト101Aの上面及び姿勢制御用ベルト111Aの内面に支持される。
【0116】
この際、ワークW自体の重力に基づき、ワークWには、姿勢制御用ベルト111Aの内面に向かう方向に力が働く。このため、上述した検査機構X1のように、搬送用ベルト101の上面と水平面が平行な構造と比べて、検査機構X2では、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111Aの内面に、より一層強く接するものとなる。
【0117】
これにより、ワークWの外側端縁が、姿勢制御用ベルト111Aの内面に接する範囲が広くなり、姿勢制御用ベルト111Aの内面が、ワークWを支える力もより強くなる。
【0118】
この結果、ワークWの搬送がより一層安定すると共に、ワークWの姿勢を検査ユニット2での検査に適した姿勢として、より強固に支持することが可能となる。
【0119】
また、供給部5(例えば、
図3参照)から搬送されたワークWの姿勢が崩れていた場合でも、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111Aの内面に、より一層強く接することで、ワークWの姿勢を、より強い力で、検査ユニット2での検査に適した姿勢に矯正することができる。
【0120】
ここで、
図9(a)では、検査ユニット2におけるガラス板21及びライト22は、水平面と平行な向きで配置されているが、検査ユニットの変形例として、
図9(b)に示すような構造も採用しうる。
【0121】
即ち、水平面に対する搬送用コンベア10Aの傾きに併せて、検査ユニット2Aを傾けて配置することが可能である。
【0122】
図9(b)に示すように、検査ユニット2Aでは、搬送用コンベア10Aと同様に、検査カメラ20A、ガラス板21A及びライト22Aの各部材が、水平面に対して傾けて配置されている。このように検査ユニット2Aを傾けることもできる。
【0123】
また、検査機構X2では、必ずしも、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度が30度に限定されるものではない。この点は、上述したように、搬送用ベルト101Aの上面と、水平面とがなす角度を、0度以上、かつ、90度以下の範囲内で変更することができる。
【0124】
また、検査機構X2では、必ずしも、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Aの上面と、姿勢制御用ベルト111Aの内面とがなす角度が90度に限定されるものではない。例えば、水平面に対して搬送用ベルト101Aの上面を傾けた上で、搬送用ベルト101Aの上面と、姿勢制御用ベルト111Aの内面とがなす角度を、0度より大きく、かつ、180度より小さい角度で変更することも可能である。
【0125】
また、支持搬送ユニットのさらなる変形例として、
図10に示す構造も採用しうる。
【0126】
図10に示す支持搬送ユニット1Bでは、搬送用コンベア10Bが、水平面に対して90度傾けて配置されている。また、姿勢制御用コンベア11Bが、水平面と平行な向きに配置されている。
【0127】
また、
図10に示すように、ワークWを挟んで、搬送用コンベア10Bの反対側には、倒れ防止用コンベア12が配置されている。この支持搬送ユニット1Bでは、搬送用コンベア10Bと姿勢制御用コンベア11Bが協働して、ワークWの搬送と、姿勢の支持を行う。
【0128】
また、倒れ防止用コンベア12を設けたことで、ワークWが搬送用コンベア10Bとは反対側に倒れて、姿勢制御用コンベア11Bから脱落することを抑止できる。
【0129】
また、
図10に示す構造では、
図10中において符号Fを付した矢印の方向で、図示しない検査カメラでワークWのシーリング部及びその周辺を撮像して、検査を行うことができる。
【0130】
以上のように、本発明を適用した検査機構では、支持搬送ユニットについて様々な配置を適用することができる。
【0131】
(実施の形態3)
実施の形態3による検査機構X3について
図11~
図13を用いて説明する。
【0132】
ここで、上述した実施の形態1と、実施の形態3の構造における違いは、実施の形態3では、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルトの上面と、姿勢制御用ベルトの内面とがなす角度が変わるように、搬送用コンベアを設けた点にある。
【0133】
まず、実施の形態3による検査機構X3では、基本的な構造は、実施の形態1の検査機構X1と共通している。
【0134】
ここで、
図11、
図12及び
図13(b)に示すように、検査機構X3における搬送用コンベア10Cは、ベース部材100Cと、搬送用ベルト101Cと、ベルト持ち上げローラ102を有している。
【0135】
また、ベルト持ち上げローラ102は、ベース部材100Cの周りに取り付けられた搬送用ベルト101Cの一部を、部分的に上方に持ち上げるための部材である。また、ベルト持ち上げローラ102は、回転自在に軸支され、搬送用ベルト101Cと共に回転可能となっている。
【0136】
この検査機構X3では、ベルト持ち上げローラ102が設けられたことで、前後方向に沿った、供給部5と、検査ユニット2の間の範囲において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が変わる構造となる。
【0137】
まず、
図12に示すように、前後方向に沿って、検査ユニット2よりも前方の範囲で、搬送用ベルト101Cの上面は、ベルト持ち上げローラ102の位置を頂点とする山型の形状となる。
【0138】
また、
図13(a)に示すように、搬送用コンベア10Cでは、供給部5と接続された位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が90度未満の角度となっている。
【0139】
なお、
図13(a)~
図13(c)では、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度を符号θ1で示している。
【0140】
また、
図13(b)に示すように、搬送用コンベア10Cでは、ベルト持ち上げローラ102が設けられた位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度は、
図13(a)に示す同部分の角度よりも小さくなっている。
【0141】
即ち、前後方向に沿った断面視で、搬送用コンベア10Cは、ベルト持ち上げローラ102が設けられた位置で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が最も小さくなっている。換言すれば、搬送用ベルト101Cの上面が水平面に対して最も大きく傾いている。
【0142】
また、
図13(c)に示すように、搬送用コンベア10Cでは、検査ユニット2に対応する位置において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が90度となる。
【0143】
上記の角度の違いを簡単にまとめると、符号θ1で示す角度は、供給部5からベルト持ち上げローラ102まで徐々に小さくなり、ベルト持ち上げローラ102の位置で、その角度が最も小さくなる。その後、ベルト持ち上げローラ102から検査ユニット2に向けて、符号θ1で示す角度は徐々に大きくなり、最終的に90度となる。
【0144】
このように、ワークWの搬送経路において、検査ユニット2より前方の領域で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が最も小さくなる領域を設けたことで、ワークWを搬送しながら、姿勢の崩れをより一層矯正しやすくなる。
【0145】
供給部5から搬送用ベルト101Cの上面に供給されたワークWは、ベルト持ち上げローラ102の位置に向かって徐々に傾いていく搬送用ベルト101Cの上面の影響を受ける。
【0146】
即ち、前後方向に沿った断面視で、
図13(a)に示す状態から、
図13(b)に示す状態へと搬送用ベルト101Cの上面が大きく傾いていくことで、ワークW自体の重力に基づく、ワークWに働く、姿勢制御用ベルト111の内面に向かう方向への力が大きくなる。
【0147】
この結果、ベルト持ち上げローラ102の位置で、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111の内面に、最も強く接するものとなる。そして、これにより、供給部5から搬送されたワークWの姿勢が崩れていた場合でも、ベルト持ち上げローラ102の位置に搬送されるに従って、姿勢の崩れを矯正することができる。
【0148】
また、姿勢が矯正されたワークWは、ベルト持ち上げローラ102の位置から、検査ユニット2に向けて搬送される際にも、ワークWの外側端縁が姿勢制御用ベルト111の内面と当接して、その矯正後の姿勢が維持される。
【0149】
従って、ワークWは、検査ユニット2での検査に適した姿勢に矯正され、また、矯正後の姿勢を維持したまま、検査ユニット2の検査に供することが可能となる。
【0150】
ここで、検査機構X3では、ベルト持ち上げローラ102を設ける位置は、前後方向に沿った、供給部5と、検査ユニット2の間であれば、その位置は特に限定されるものではない。即ち、前後方向に沿った、供給部5と、検査ユニット2の間で、
図12に示すベルト持ち上げローラ102の位置よりも、前方や後方の位置に配置することが可能である。
【0151】
また、必ずしも、検査機構X3に設けられるベルト持ち上げローラ102の数は1つに限定されるものではなく、複数設けることも可能である。例えば、搬送用ベルト101Cに、ベルト持ち上げローラ102を2つ設けて、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が最も小さくなった領域を、一定の区間維持する構造とすることもできる。
【0152】
以上、実施の形態3に示すように、検査ユニット2よりも前方の領域において、前後方向に沿った断面視で、搬送用ベルト101Cの上面と、姿勢制御用ベルト111の内面とがなす角度が変わるように、搬送用コンベア10Cにベルト持ち上げローラ102を設けることで、ワークWの姿勢の崩れを矯正しやすい構造とすることができる。
【0153】
(実施の形態4)
実施の形態4による検査機構X4について
図14~
図16を用いて説明する。
【0154】
ここで、上述した実施の形態1と、実施の形態4の構造における違いは、実施の形態4では、検査ユニットにおける検査カメラでワークを1つずつ撮像するためのシャッターセンサが設けられた点にある。
【0155】
まず、実施の形態4による検査機構X4では、基本的な構造は、実施の形態1の検査機構X1と共通している。
【0156】
図14~
図16に示すように、搬送用コンベア10の上方、かつ、検査カメラ20の近傍に、シャッターセンサ6が設けられている。
【0157】
このシャッターセンサ6は、搬送されてきたワークWを検知するセンサー部材である。検査カメラ20は、シャッターセンサ6の検知信号に基づき、ワークWの画像を撮像する。なお、ここでいうシャッターセンサ6が、本願請求項におけるセンサー部に相当する。
【0158】
より詳細には、搬送用コンベア10及び姿勢制御用コンベア11が協働して、ワークWを搬送し、ワークWの前方端縁が、シャッターセンサ6の下方に到達すると、シャッターセンサ6がワークWを検知する。
【0159】
このシャッターセンサ6で搬送されてきたワークWを検知することで、ワークWを1つずつ、検査カメラ20で撮像することが可能となる。また、検査カメラ20でワークWを撮像せずに、ワークWが進行方向に搬送されることを抑止できる。
【0160】
以上で説明した実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3及び実施の形態4を含む、本発明の主な作用について説明する。
【0161】
ここで、一実施の形態である検査機構では、第1のコンベアが搬送経路となる第1の面を有することによって、ワークを第1の面に当接させて搬送することができる。
【0162】
また、第2のコンベアが、第1のコンベアと互いに平行に設けられると共に、第1の面と協働して搬送経路の一部を構成し、第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす第2の面を有することによって、ワークを第2の面に当接させて、搬送中のワークの姿勢を支持することが可能となる。即ち、第2の面は、第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなすことから、ワークに対して、第1の面が当接した箇所と別の位置、かつ、第1の面とは異なる角度で、第2の面を当接させて、ワークを支持し、その姿勢を安定させることができる。また、第1の面が搬送経路となり、かつ、第2の面も協働して搬送経路の一部を構成するため、より一層安定した搬送が可能となる。
【0163】
また、検査部が、第1の面及び第2の面から外れた位置に設けられた検査領域で、ワークに対して所定の検査を行うことによって、第1の面及び第2の面と干渉しにくい位置で、所定の検査を行うことができ、検査の精度を向上させることが可能となる。
【0164】
また、第2の面を構成するベルトの表面の摩擦係数が、第1の面を構成するベルトの表面の摩擦係数よりも大きい場合には、ワーク及び第1の面の接点よりも、ワーク及び第2の面の接点の方が、ワークがずれにくくなる。この結果、第2の面を介して、より一層安定して、搬送中のワークの姿勢を支持することが可能となる。
【0165】
また、第2の面が、第1の面と35度以上、かつ、105度以下の角度をなすことによって、多様なワークのサイズや形状に適応しつつ、ワークの搬送と姿勢の支持を担保しやすくなる。
【0166】
また、第1の面が、水平面と0度以上、かつ、90度以下の角度をなす場合には、検査機構を設ける場所又は設備等に合わせて、搬送経路の配置位置の自由度を高めることができる。また、水平面に対して、一定の角度、第1の面を傾けたことで、ワークが第2の面に及ぼす荷重を増やすこととなり、第2の面を介して、より一層安定して、搬送中のワークの姿勢を支持することが可能となる。
【0167】
また、搬送経路の範囲内で、ワークが供給される位置と、検査領域に対応する位置の間に、第1の面と第2の面とがなす角度が、検査領域に対応する位置の搬送経路における第1の面と第2の面とがなす角度よりも小さい領域が設けられた場合には、その第1の面と第2の面とがなす角度が小さい領域において、ワークに働く、第2の面に向かう方向への力が大きくすることができる。これにより、ワークの姿勢が崩れていたとしても、その第1の面と第2の面とがなす角度が小さい領域で、ワークが第2の面に及ぼす荷重が増え、第2の面を介して、ワークの姿勢の崩れが矯正され、所望の姿勢で、ワークを検査領域に導入することが可能となる。
【0168】
また、検査領域に搬送される前のワークを検知するセンサー部、をさらに備える場合には、センサー部で検知したワークのみを、1つずつ検査領域に導入することが可能となり、検査の精度を向上させることができる。即ち、例えば、検査領域に、1度に複数のワークが重なって導入され、検査ができなかったり、誤った検査結果が出てしまったりすることを抑止できる。
【0169】
また、検査領域への進入位置の手前に、ワークに対してエアーを吹き付けるエアブロー部、をさらに備える場合には、エアーの吹き付けによりワークの形状を整え、所定の検査に適した形状にして、検査領域にワークを導入することができる。
【0170】
また、ワークが、一部が光透過部で形成され、所定の検査が、検査領域において、撮像手段と、光源及び光透過板で構成された照明部との間に、ワークの光透過部を配置して撮像する検査であり、検査領域への進入位置の手前に、ワークを光透過板に押し付けるエアーを発生するエアブロー部、をさらに備える場合には、いわゆる透過方式の検査において、検査の精度を向上させることができる。即ち、エアブロー部のエアーにより、ワークの光透過部の部分を、光透過板に対して平坦に押し付けて、撮像手段で光透過部の箇所を、より確実に撮像可能となる。
【0171】
また、一実施の形態である検査方法では、搬送工程で、互いに平行に設けられた第1のコンベアと第2のコンベアにおいて、第1のコンベアにおける第1の面と、第2のコンベアにおける、第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなす第2の面とで、搬送経路の一部を構成し、第1の面及び第2の面で協働して、ワークを搬送することによって、ワークの姿勢が崩れることを抑止し、所望の姿勢を維持して、安定して搬送することが可能となる。即ち、第2の面は、第1の面と0度より大きく、かつ、180度より小さい角度をなすことから、ワークに対して、第1の面が当接した箇所と別の位置、かつ、第1の面とは異なる角度で、第2の面を当接させて、ワークを支持し、その姿勢を安定させることができる。また、第1の面が搬送経路となり、かつ、第2の面も協働して搬送経路の一部を構成するため、より一層安定した搬送が可能となる。
【0172】
また、検査工程で、第1の面及び第2の面から外れた位置に設けられた検査領域で、ワークに対して所定の検査を行うことによって、第1の面及び第2の面と干渉しにくい位置で、所定の検査を行うことができ、検査の精度を向上させることが可能となる。
【0173】
以上のように、本発明の検査機構は、ワークを搬送しながら、第1の面と第2の面の2つの面でワークの姿勢を安定して支持することができ、所望の姿勢でワークを検査領域に搬送することが可能なものとなっている。
また、本発明の検査方法は、ワークを搬送しながら、第1の面と第2の面の2つの面でワークの姿勢を安定して支持することができ、所望の姿勢でワークを検査領域に搬送することが可能なものとなっている。
【0174】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0175】
X1 検査機構
W ワーク
1 支持搬送ユニット
10 搬送用コンベア
100 ベース部材
101 搬送用ベルト
11 姿勢制御用コンベア
110 ベース部材
111 姿勢制御用ベルト
10a 搬送用コンベア
10b 搬送用コンベア
10c 搬送用コンベア
11a 姿勢制御用コンベア
11b 姿勢制御用コンベア
11c 姿勢制御用コンベア
2 検査ユニット
20 検査カメラ
21 ガラス板
22 ライト
3 支持台
4 エアブロー部
5 供給部
X2 検査機構
1A 支持搬送ユニット
10A 搬送用コンベア
101A 搬送用ベルト
111A 姿勢制御用ベルト
2A 検査ユニット
20A 検査カメラ
21A ガラス板
22A ライト
1B 支持搬送ユニット
10B 搬送用コンベア
11B 姿勢制御用コンベア
12 倒れ防止用コンベア
X3 検査機構
10C 搬送用コンベア
100C ベース部材
101C 搬送用ベルト
102 ベルト持ち上げローラ
X4 検査機構
6 シャッターセンサ