(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127372
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示システム、表示方法、プログラム、入力装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/16 20200101AFI20240912BHJP
【FI】
G01L5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036494
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 充洋
(72)【発明者】
【氏名】前林 航紀
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA19
2F051BA07
2F051DA03
2F051DB03
(57)【要約】
【課題】力覚センサをユーザインタフェースとして適用可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る表示システム1は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力部11と、入力部11が取り付けられ、入力部11から作用する力及び力のモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ12とを含む力入力装置10と、力覚センサ12の出力に基づき、入力部11に対する力の入力を表す画像を表示する表示装置40と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する力及び力のモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置と、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を表示する表示装置と、を備える、
表示システム。
【請求項2】
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方を演算する処理装置を備え、
前記表示装置は、前記処理装置の演算結果に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を表示する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示装置は、前記処理装置の演算結果に基づき、前記入力部に対する力の入力の大きさ及び位置の少なくとも一方に応じた所定の対象物の変化をシミュレーションして表示する、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じた前記所定の対象物の変形をシミュレーションして表示する、
請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じて、前記所定の対象物に対応するモデル画像の表面を削るように変化させる、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力による前記所定の対象物の変形の仕方を複数の種類で切り替える、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力の大きさと前記所定の対象物の変形の量との対応関係を複数の種類で切り替える、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力に応じて前記所定の対象物を変形させる道具の形状を複数の種類で切り替える、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じた前記所定の対象物の姿勢の変化をシミュレーションして表示する、
請求項3に記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示装置は、前記入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じて、前記所定の対象物に対応する、人を模擬したモデル画像の姿勢を変化させる、
請求項9に記載の表示システム。
【請求項11】
前記入力部は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力面を有し、
前記入力面は、前記力覚センサ部の検出軸の原点と中心が一致する球面、又は前記力覚センサ部の検出軸の原点と中心軸が一致する円柱面を含む、
請求項1乃至10の何れか一項に記載の表示システム。
【請求項12】
前記入力部は、前記ユーザからの力の入力を受け付ける入力面を有し、
前記入力面は、前記力覚センサ部の第1の検出軸と垂直で且つ第2の検出軸と平行な面を含む、
請求項1乃至10の何れか一項に記載の表示システム。
【請求項13】
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、処理装置が表示装置に画像を表示させる表示方法であって、
前記処理装置が、前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を前記表示装置に表示させる、
表示方法。
【請求項14】
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、表示装置に画像を表示させる機能をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を前記表示装置に表示させる前記機能をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【請求項15】
ユーザからの力の入力を受け付ける平面又は湾曲面を有する入力部と、
前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部と、
前記力覚センサ部の検出結果を外部に出力する出力部と、を備える、
入力装置。
【請求項16】
前記湾曲面は、前記力覚センサ部の検出軸の原点と中心が一致する球面、又は前記力覚センサ部の検出軸の原点と中心軸が一致する円柱面を含む、
請求項15に記載の入力装置。
【請求項17】
前記平面は、前記力覚センサ部の第1の検出軸と垂直で且つ第2の検出軸と平行な面を含む、
請求項15に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、多軸の外力を検出可能な力覚センサが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、工作機械等の腕や指等に搭載されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、力覚センサのユーザインタフェースへの適用には言及されていない。
【0006】
そこで、上記課題に鑑み、力覚センサをユーザインタフェースとして適用可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置と、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を表示する表示部と、を備える、
表示システムが提供される。
【0008】
また、本開示の他の実施形態では、
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、処理装置が表示装置に画像を表示させる表示方法であって、
前記処理装置が、前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を前記表示装置に表示させる、
表示方法が提供される。
【0009】
また、本開示の更に他の実施形態では、
ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、表示装置に画像を表示させる機能をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記入力部に対する力の入力を表す画像を前記表示装置に表示させる前記機能をコンピュータに実行させる、
プログラムが提供される。
【0010】
また、本開示の更に他の実施形態では、
ユーザからの力の入力を受け付ける平面又は湾曲面を有する入力部と、
前記入力部が取り付けられ、前記入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部と、
前記力覚センサ部の検出結果を外部に出力する出力部と、を備える、
入力装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
上述の実施形態によれば、力覚センサをユーザインタフェースとして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】情報処理装置の構成の一例を示す構成図である。
【
図4】力入力装置の第1例を示すハードウェア構成図である。
【
図5】表示システムの第1例を示す機能構成図である。
【
図6】力入力装置に対する力の入力の位置、角度、及び大きさを取得する方法を説明する図である。
【
図7】表示装置の表示内容の第1例を示す図である。
【
図8】力の大きさと変形量との関係の第1例を示す図である。
【
図9】力の大きさと変形量との関係の第2例を示す図である。
【
図10】力の大きさと変形量との関係の第3例を示す図である。
【
図11】ビット形状及び力の入力角度によるモデル画像の変形の仕方を説明する図である。
【
図12】情報処理装置による表示処理の第1例を概略的に示すフローチャートである。
【
図13】力入力装置の第2例を示すハードウェア構成図である。
【
図14】力入力装置に対する力の入力の位置と表示装置の表示内容との関係を説明する図である。
【
図15】表示装置の表示内容の第2例を示す図である。
【
図16】情報処理装置による表示処理の第2例を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0014】
[表示システムの概要]
まず、
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る表示システム1の概要について説明する。
【0015】
図1は、表示システム1の構成の一例を示す図である。
図2は、力覚センサ12の一例を示す断面図である。
図3は、情報処理装置30の構成の一例を示す構成図である。
【0016】
図1に示すように、表示システム1は、力入力装置10と、入力装置20と、情報処理装置30と、表示装置40と、音出力装置50とを含む。
【0017】
表示システム1は、ユーザによる力入力装置10に対する力の入力に応じて、その力の入力に内容に応じた画像を表示装置40に表示させる。
【0018】
力入力装置10は、ユーザからの力の入力を受け付け、その力の内容に応じた信号を出力する。力入力装置10は、入力部11と、力覚センサ12と、支持部13と、センサ信号出力部14とを含む。
【0019】
入力部11は、ユーザからの力の入力を受け付ける。ユーザは、道具(例えば、後述の道具TL)を用いて、入力部11に対する力の入力を行ってもよいし、道具を用いずに、ユーザの体の部位を入力部11に直接接触させて入力部11に対する力の入力を行ってもよい。道具には、例えば、後述の道具TLのように、ユーザの体の部位とは別体の状態で使用される道具の他、例えば、ボクシング用のグローブ等のように、ユーザの体の部位と一体の状態で使用される道具が含まれうる。
【0020】
力覚センサ12は、入力部11が取り付けられ、入力部11から作用する力や力のモーメントを複数の検出軸(「多軸」とも称する)で検出する。即ち、力覚センサ12は、入力部11から作用する、複数の軸方向の力や複数の軸周りの力のモーメントを検出する。
【0021】
例えば、力覚センサ12は、所定の原点を基準とするX軸、Y軸、及びZ軸の直交座標系における3軸の力、即ち、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、及びZ軸方向の力Fzを検出可能に構成される。また、力覚センサ12は、X軸、Y軸、及びZ軸の直交座標系における3軸のモーメント、即ち、X軸周りの力のモーメントMx、Y軸周りの力のモーメントMy、及びZ軸周りの力のモーメントMzを検出可能に構成される。
【0022】
尚、力覚センサ12は、入力部11から作用する力及び力のモーメントの何れか一方だけを検出してもよい。また、力覚センサ12は、入力部11から作用する3軸の力のうちの2軸の力や1軸の力だけを検出してもよく、入力部11から作用する3軸の力のモーメントのうちの2軸の力のモーメントや1軸の力のモーメントだけを検出してもよい。また、力覚センサ12は、入力部11から作用する、4軸以上の力や力のモーメントを検出してもよい。
【0023】
例えば、
図2に示すように、力覚センサ12は、本体部として、起歪体100と、センサチップ200とを含む。また、力覚センサ12は、その本体部と支持部13との間の接続部として、アタッチメント300と、ボルト400とを含む。
【0024】
起歪体100は、入力部11が取り付けられ、入力部11から作用する力により弾性変形する部材である。
【0025】
センサチップ200は、起歪体100に取り付けられ、起歪体100の変位を検出する。例えば、センサチップ200は、6軸の変位センサとして、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の変位、並びにX軸周り、Y軸周り、及びZ軸周りの変位を検出する。これにより、力覚センサ12は、センサチップ200の検出結果に基づき、3軸の力、及び3軸の力のモーメントを検出することができる。例えば、センサチップ200は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
【0026】
アタッチメント300は、起歪体100と固定部13bとの間に配置され、力覚センサ12の本体部を固定部13bに取り付けるために用いられる。アタッチメント300は、ボルト400によって、起歪体100と連結される。
【0027】
起歪体100は、部材110,120と、トッププレート130とを含む。
【0028】
部材110は、入力部11と連結される受力部112と、力覚センサ12の本体部をアタッチメント300に取り付けるためのフランジ114と、センサチップ実装部116とを含む。
【0029】
センサチップ実装部116は、フランジ114の取り付け面からZ軸負方向、即ち、受力部112側に凹む形で形成される凹部に設けられる。センサチップ実装部116には、部材120が配置され、部材110,120の双方に当接するように配置されるセンサチップ200が配置される。これにより、センサチップ200は、例えば、部材120との当接点に対する部材110との当接点の変位を検出することで、3軸の力及び3軸の力のモーメントを検出することができる。
【0030】
トッププレート130は、センサチップ実装部116が設けられる凹部のZ軸正方向、即ち、アタッチメント300側の開口部を覆い且つフランジ114と面一になるように配置される。
【0031】
支持部13は、力覚センサ12が取り付けられ、力覚センサ12及び入力部11を支持する構造体である。
【0032】
センサ信号出力部14は、力覚センサ12から出力される、3軸の力及び3軸の力のモーメントの検出結果に相当するセンサ信号を外部に出力するインタフェースである。これにより、力入力装置10は、入力部11に対する力の入力の内容に対応するセンサ信号をセンサ信号出力部14から出力することができる。
【0033】
センサ信号出力部14は、所定の通信回線を通じて、情報処理装置30と通信可能に接続され、力入力装置10の出力信号、即ち、センサ信号出力部14から出力されるセンサ信号は、情報処理装置30に取り込まれる。
【0034】
所定の通信回線は、例えば、1対1の通信線を含む。また、所定の通信回線は、ローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)を含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、移動体通信網や衛星通信網やインターネット網等の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の無線通信規格に基づく近距離通信回線を含んでもよい。以下、入力装置20と情報処理装置30との間の所定の通信回線についても同様であってよい。
【0035】
尚、センサ信号出力部14は、力覚センサ12のセンサ信号に含まれる情報のうちの一部の情報のみを含む信号を出力してもよい。例えば、センサ信号出力部14は、力覚センサ12のセンサ信号に含まれる、入力部11から力覚センサ12に作用する力及びモーメントのうちの何れか一方の情報のみを含む信号を出力してもよい。また、センサ信号出力部14は、力覚センサ12のセンサ信号に含まれる、入力部11から力覚センサ12に作用する3軸の力のうちの2軸の力や1軸の力だけを出力してもよい。また、センサ信号出力部14は、力覚センサ12のセンサ信号に含まれる、入力部11から力覚センサ12に作用する3軸の力のうちの2軸の力のモーメントや1軸の力のモーメントだけを出力してもよい。
【0036】
入力装置20は、ユーザから入力を受け付ける汎用的な入力手段である。入力装置20は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド等である。また、入力装置は、音声入力を受け付け可能な音声入力装置やジェスチャ入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置等であってもよい。
【0037】
入力装置20は、所定の通信回線を通じて、情報処理装置30と通信可能に接続され、入力装置20の出力信号、即ち、入力装置20に対する入力内容を表す信号は、情報処理装置30に取り込まれる。
【0038】
情報処理装置30は、表示装置40に画像を表示させるための処理を行う。
【0039】
また、情報処理装置30は、音出力装置50から音を出力させるための処理を行ってもよい。
【0040】
具体的には、情報処理装置30は、力入力装置10の出力、即ち、力覚センサ12のセンサ信号に基づき、力入力装置10の入力部11に対する力の入力の内容を表す画像を表示装置40に表示させる。これにより、ユーザは、力入力装置10の入力部11に対する力の入力を行うことで、表示装置40の表示内容を操作することができる。
【0041】
例えば、情報処理装置30は、力入力装置10の入力部11に対する入力の内容に応じた、所定の対象物の変化をシミュレーションした画像(例えば、動画像)を表示装置40に表示する。
【0042】
また、情報処理装置30は、入力装置20の出力、即ち、入力装置20で受け付けられるユーザからの入力に応じて、力入力装置10の入力部11に対する力の入力の内容を表す画像の表示に関する設定を行ってもよい。
【0043】
また、情報処理装置30は、表示装置40の画像に合わせて、音出力装置50からBGM(Background Music)や所定の音を出力させてもよい。
【0044】
情報処理装置30は、例えば、端末装置、即ち、コンピュータ端末である。コンピュータ端末は、例えば、デスクトップ型のPC(Personal Computer)等の定置型の端末装置であってもよいし、ラップトップ型のPC、スマートフォン、タブレット端末等の可搬型の端末装置、即ち、携帯端末であってもよい。
【0045】
また、情報処理装置30は、より処理性能が高いサーバ装置、即ち、サーバコンピュータであってもよい。サーバコンピュータは、オンプレミスサーバであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。また、サーバコンピュータは、エッジサーバであってもよい。
【0046】
情報処理装置30の機能は、任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。例えば、
図3に示すように、情報処理装置30は、バスBSにより互いに接続される、外部インタフェース31、補助記憶装置32、メモリ装置33、CPU(Central Processing Unit)34、高速演算装置35、及び通信インタフェース36を含む。
【0047】
外部インタフェース31は、記録媒体31Aからデータの読み取りや記録媒体31Aへのデータの書き込みのためのインタフェースとして機能する。記録媒体31Aには、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、SDメモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。これにより、情報処理装置30は、記録媒体31Aを通じて、処理で利用する各種データを読み込み、補助記憶装置32に格納したり、各種機能を実現するプログラムをインストールしたりすることができる。
【0048】
尚、情報処理装置30は、通信インタフェース36を通じて、処理で利用する各種データやプログラムを外部装置からのダウンロードにより取得してもよい。
【0049】
補助記憶装置32は、インストールされた各種プログラムを格納すると共に、各種処理に必要なファイルやデータ等を格納する。補助記憶装置32は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Disc)やフラッシュメモリ等を含む。
【0050】
メモリ装置33は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置32からプログラムを読み出して格納する。メモリ装置33は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)を含む。
【0051】
CPU34は、補助記憶装置32からメモリ装置33にロードされた各種プログラムを実行し、プログラムに従って情報処理装置30に関する各種機能を実現する。
【0052】
高速演算装置35は、CPU34と連動し、相対的に高い速度で演算処理を行う。高速演算装置35は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含む。
【0053】
尚、高速演算装置35は、必要な演算処理の速度によっては、省略されてもよい。
【0054】
通信インタフェース36は、外部機器と通信可能に接続するためのインタフェースとして用いられる。これにより、情報処理装置30は、通信インタフェース36を通じて、力入力装置10や入力装置20の出力を取得することができる。また、情報処理装置30は、通信インタフェース36を通じて、表示装置40や音出力装置50を制御することができる。また、通信インタフェース36は、接続される機器との間の通信方式等によって、複数の種類の通信インタフェースを有してもよい。
【0055】
尚、情報処理装置30の機能の一部又は全部は、表示装置40に内蔵されてもよい。
【0056】
表示装置40は、情報処理装置30の制御下で画像を表示する。例えば、表示装置40は、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。
【0057】
尚、例えば、情報処理装置30がスマートフォンやタブレット端末やラップトップ型のPC等の場合、表示装置40の機能は、情報処理装置30に取り込まれてもよい。
【0058】
音出力装置50は、情報処理装置30の制御下で音を出力する。例えば、音出力装置50は、ブザーやアラームやスピーカ等である。
【0059】
尚、音出力装置50の機能は、表示装置40に内蔵されていてもよい。また、例えば、情報処理装置30がスマートフォンやタブレット端末やラップトップ型のPC等の場合、音出力装置50の機能は、情報処理装置30に取り込まれてもよい。
【0060】
[表示システムの第1例]
次に、
図1~
図3に加えて、
図4~
図11を参照して、本実施形態に係る表示システム1の具体例として、表示システム1の第1例について説明する。
【0061】
図4は、力入力装置10の第1例を示すハードウェア構成図である。具体的には、
図4は、力入力装置10の第1例をX軸に沿ってみた側面図である。
図5は、表示システム1の第1例を示す機能構成図である。
図6は、力入力装置10に対する力の入力の位置、角度、及び大きさを取得する方法を説明する図である。
図6は、入力部11の入力面11aをZ軸及びX軸のそれぞれに沿って見た正面図及び側面図に対応する
図6A及び
図6Bを含む。
図7は、表示装置40の表示内容の第1例を示す図である。
図7は、
図7A及び
図7Bを含む。
図8~
図10は、力の大きさと変形量との関係の第1例~第3例を示す図である。
図11は、ビット形状及び力の入力角度によるモデル画像の変形の仕方を説明する図である。
【0062】
図4に示すように、力入力装置10の入力部11は、力の入力を受ける入力面11aと、力覚センサ12に取り付けられる取付面11bとを含む。
【0063】
本例では、入力部11は、中実の半球の形状を有し、半球の形状のうちの球面部分が入力面11aに相当し、平面部分が取付面11bに相当する。
【0064】
また、本例では、ユーザは、入力部11の入力面11aに対して、道具TLを用いて力の入力を行ってもよい。道具TLは、ユーザが入力部11に接触させるビットTL1と、ビットTL1を打って衝撃を与えることによりビットTL1を介して入力部11に力を入力するための打具TL2とを含む。
【0065】
力覚センサ12は、X軸、Y軸、及びZ軸の原点が入力部11の入力面11aとしての球面の中心に一致するように取付面11bと取り付けられる。
【0066】
支持部13は、土台部13aと、固定部13bとを含む。
【0067】
土台部13aは、支持部13のうちの力入力装置10が配置される場所の床面に接地する部位である。土台部13aは、比較的大きな設置面積を有し、入力部11及び力覚センサ12の荷重により発生する転倒モーメントを抑制する。
【0068】
固定部13bは、支持部13のうちの力覚センサ12が固定される部位である。固定部13bは、土台部13aから上方に延びるように設けられ、上端部の側面に力覚センサ12が取り付けられる。
【0069】
本例では、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、所定の対象物に対応するモデル画像を表示し、ユーザによる入力部11に対する力の入力に応じてモデル画像を変形させる。具体的には、表示装置40は、ユーザによる入力部11に対する力の入力に応じて、モデル画像の表面を削る(或いは彫る)形で変形させる。これにより、表示装置40は、ユーザによる入力部11に対する力の入力に応じた所定の対象物の変形をシミュレーションした動画像を表示することができる。モデル画像は、仮想の3次元空間に規定される画像であってもよいし、2次元の平面上に規定される画像であってもよい。
【0070】
図5に示すように、本例では、情報処理装置30は、機能部として、入力部301と、演算処理部302と、表示制御部303とを含む。入力部301、演算処理部302、及び表示制御部303の機能は、例えば、補助記憶装置32にインストールされるプログラムがメモリ装置33にロードされCPU34で実行されることにより実現される。
【0071】
入力部301は、力入力装置10や入力装置20からの入力される信号を取得する。
【0072】
演算処理部302は、力入力装置10や入力装置20からの入力信号に基づき、各種の演算処理を行う。演算処理部302は、力・モーメント算出部3021と、入力位置算出部3022と、入力方向算出部3023と、印加力算出部3024と、変化演算部3025とを含む。
【0073】
力・モーメント算出部3021は、力入力装置10からの入力、即ち、力覚センサ12のセンサ信号に基づき、力覚センサ12に作用する、3軸の力、及び3軸の力のモーメントの検出値を算出する。以下、3軸の力、及び3軸の力のモーメントの検出値を便宜的に「6軸の力覚値」と称する場合がある。
【0074】
入力位置算出部3022は、6軸の力覚値に基づき、入力面11aに作用している力の入力位置を算出する。
【0075】
入力方向算出部3023は、6軸の力覚値に基づき、入力面11aに作用している力の入力方向を算出する。
【0076】
印加力算出部3024は、6軸の力覚値に基づき、入力面11aに作用している力(換言すれば、印加されている力)の大きさを算出する。
【0077】
図5に示すように、入力面11aの位置Pに作用する力Finは、力Fcen,Fcon,Ftanの3成分に分解することができる。力Fcenは、力Finの入力面11aの中心方向の成分である。力Fconは、位置P及びZ軸で規定される平面上での力Finの入力面11aに対する接線方向の成分である。力Ftanは、力Finの、力Fcen,Fconの双方に直交する成分であり、入力面11aの中心を通過し且つ位置P及びZ軸で規定される平面に直交する平面上での力Finの入力面11aに対する接線方向の成分である。
【0078】
力Fcenは、力覚センサ12に作用する力Fx,Fy,Fzとして検出される。そのため、演算処理部302は、力Fx,Fy,Fzをベクトルで加算することにより力Fcenを算出することができる。
【0079】
入力位置算出部3022は、力Fx,Fy,Fzの相対比に基づき、力FcenのX軸、Y軸、及びZ軸に対する力Fcenの角度(方向)を算出することができ、その結果、入力面11aにおける、力Finが作用する位置Pを算出することができる。
【0080】
力Ftanによって作用する、入力面11aの中心を通過する軸周りのモーメントMtanは、力覚センサ12に作用するモーメントMx,Myとして検出される。モーメントMtanは、力Ftanと、入力面11aの半径rとの積で表される。そのため、演算処理部302は、モーメントMx,Myをベクトルで加算することにより、モーメントMtanを算出し、モーメントMtanを入力面11aの半径rで除することにより、力Ftanを算出することができる。
【0081】
力Fconは、Z軸に垂直な方向に作用する。そのため、力Fconによって作用する、入力面11aの中心を通過する軸周りのモーメントMconは、力覚センサ12に作用するモーメントMzとして検出される。モーメントMconは、力Fconと、位置P及びZ軸の最短距離r′との積で表される。よって、演算処理部302は、モーメントMzを最短距離r′で除することにより、力Ftanを算出することができる。
【0082】
入力方向算出部3023は、力Fcen,Ftan,Fconの比率に基づき、力Finの入力方向に相当する角度を算出することができる。
【0083】
印加力算出部3024は、力Fcen,Ftan,Fconをベクトルで加算することにより、入力面11aに作用している力Finを算出することができる。
【0084】
変化演算部3025は、入力面11aに作用している力の大きさ、入力位置、及び入力方向に基づき、入力面11aに対する力の入力の内容に応じたモデル画像の変化のさせ方を演算する。本例では、変化演算部3025は、入力面11aに対する力の入力の内容に応じたモデル画像の変形のさせ方を演算する。モデル画像の変形のさせ方には、モデル画像上の変形させる位置、変形させる方向、変形させる量、変形の形状等が含まれる。本例では、モデル画像の変形のさせ方は、モデル画像の削られ方に相当し、モデル画像の削られ方には、モデル画像上の削られる位置、削られる方向、削られる量、削られる形状等が含まれる。
【0085】
表示制御部303は、表示装置40への画像の表示に関する制御を行う。本例では、表示制御部303は、力入力装置10に対する力の入力の内容に応じた、所定の対象物の変化(具体的には、所定の対象物の変形)をシミュレーションして表示装置40に表示させる。
【0086】
より具体的には、表示制御部303は、所定の対象物に対応するモデル画像を表示装置40に表示させ、力入力装置10の入力部11に対する力の入力に応じた所定の対象物の変化をシミュレーションするように、モデル画像を変形させる。
【0087】
例えば、
図7に示すように、表示装置40は、表示制御部303の制御下で、化石FSが内部に埋まっている岩石を模したモデル画像MD1を表示装置40に表示させる。
【0088】
図7Aに示すように、表示装置40は、表示制御部303の制御下で、入力部11に対する力の入力位置に応じて、モデル画像MD1の対応する位置にポインタPTR1を表示させる。そして、
図7Bに示すように、表示装置40は、表示制御部303の制御下で、入力部11に対する力の大きさや入力方向に応じて、ポインタPTR1に対応するモデル画像MD1上の位置81を削るようにして変形させる。これにより、表示システム1は、力入力装置10をユーザインタフェースとして用いて、表示装置40の画面上でモデル画像MD1の中の化石FSを傷つけずに発掘する作業をシミュレーションしたコンピュータゲームをユーザに提供することができる。この際、ユーザは、体の部位を直接当接させて或いは道具TLを用いて、力入力装置10に力を入力することによって、表示装置40の画面上のモデル画像MD1から化石FSを削り出す操作を直感的に行うことができる。
【0089】
また、表示システム1は、力入力装置10をユーザインタフェースとして用いて、表示装置40の画面上でモデル画像を初期状態から削り進めることにより所望の三次元モデルを制作する作業を支援するアプリケーションをユーザに提供してもよい。この際、ユーザは、体の部位を直接当接させて或いは道具TLを用いて、力入力装置10に力を入力することによって、表示装置40の画面上のモデル画像MD1から所望の三次元モデルを削り出す操作を直感的に行うことができる。
【0090】
表示装置40に表示されるモデル画像上の位置と、入力部11の入力面11a上の位置との間には、一対一の対応関係が予め規定されている。これにより、変化演算部3025は、力入力装置10に対する力の入力位置に対応するモデル画像上の位置を演算することができる。そして、表示制御部303は、入力部11に対する力の入力位置に対応するモデル画像の位置を変形させることができる。また、モデル画像が規定される2次元の平面、或いは、3次元の空間上での力の入力方向と、入力部11の入力面11aに対する力の入力方向との間には、対応関係が予め規定されている。これにより、変化演算部3025は、力入力装置10に対する力の入力方向に対応する、モデル画像が規定される2次元平面或いは2次元の空間上での力の入力方向を演算することができる。そして、表示制御部303は、入力部11に対する力の入力方向に対応する、モデル画像が規定される2次元の平面或いは3次元の空間上での方向にモデル画像を変形させることができる。
【0091】
入力部11に作用する力の大きさと、モデル画像の変形量(具体的には、削りの深さ)との間には、対応関係が予め規定されている。これにより、変化演算部3025は、入力部11に作用する力の大きさと、モデル画像の変形量との間の対応関係に基づき、モデル画像の変形量を算出することができる。そして、表示制御部303は、入力部11に作用する力の大きさに応じた変形量となるようにモデル画像を変形させることができる。
【0092】
例えば、
図8に示すように、入力部11に作用する力が閾値F_th11以下である場合、モデル画像の変形量は、ゼロに固定される。即ち、入力部11に作用する力が所定の閾値F_th11以下の場合、表示装置40に表示されるモデル画像は変形しない。これにより、実際の所定の対象物がある一定基準よりも大きい力が入力されないと変形しない特性をモデル画像上の変化に反映させることができる。閾値F_th11は、例えば、固定値である。また、閾値F_th11は、可変値であってもよい。例えば、閾値F_th11は、所定の対象物の材質に応じて可変される。この場合、例えば、所定の対象物として、材質の異なる複数の種類の候補が予め登録され、入力装置20に対するユーザの入力に応じて、複数の種類の候補の中から一の候補が所定の対象物として設定される。また、閾値F_th11は、入力装置20を通じて、ユーザが所望の値に設定可能であってもよい。
【0093】
また、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12(>F_th11)以下である場合、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力が大きくなるほど大きくなるように規定される。本例では、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12以下である場合、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力の増加に対して線形的に(即ち、一定の傾きで)増加する態様で表される。入力部11に作用する力の増加に対するモデル画像の変形量の増加の傾きは、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。後者の場合、例えば、入力部11に作用する力の増加に対するモデル画像の変形量の増加の傾きは、所定の対象物の材質に応じて可変される。また、入力部11に作用する力の増加に対するモデル画像の変形量の増加の傾きは、入力装置20を通じて、ユーザが所望の値に設定可能であってもよい。
【0094】
また、入力部11に作用する力が閾値F_th12より大きい場合、モデル画像の変形量は、閾値F_th12のときの値に対応する上限値DF_limに固定される。これにより、例えば、ユーザが不用意に非常に大きな力を力入力装置10に作用させてしまった結果として、モデル画像が非常に大きく変形してしまうような事態を防止することができる。この際、閾値F_th12が予め規定され、副次的に、上限値DF_limが規定されてもよいし、上限値DF_limが予め規定され、副次的に、閾値F_th12が規定されてもよい。閾値F_th11や上限値DF_limは、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。後者の場合、例えば、閾値F_th12や上限値DF_limは、入力装置20を通じて、ユーザが所望の値に設定可能であってもよい。
【0095】
また、
図9に示すように、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12以下の範囲において、入力部11に作用する力の増加に対するモデル画像の変形量の増加の傾きは、連続的に変化してもよい。即ち、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12以下の範囲において、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力の増加に応じて非線形的に増加してもよい。この際、例えば、
図9に示すように、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12以下の範囲において、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力の増加に対して上に凸の曲線的に増加する。また、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力の増加に対して下に凸の曲線的に増加してもよい。
【0096】
また、
図10に示すように、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きく且つ閾値F_th12以下の範囲において、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力の増加に応じて段階的に増加してもよい。
【0097】
例えば、情報処理装置30は、力の入力によって変形させる所定の対象物の材質等の種類に応じて、
図8~
図10の何れの形態の対応関係を使用するかを設定する。また、情報処理装置30は、入力装置20に対するユーザからの入力に応じて、
図8~
図10の何れの形態の対応関係を使用するかを設定してもよい。
【0098】
尚、閾値F_th12が省略されてもよい。この場合、入力部11に作用する力が閾値F_th11より大きい場合、モデル画像の変形量は、入力部11に作用する力が大きくなるほど大きくなるように規定されてよい。
【0099】
モデル画像の変形の形状は、固定されていてもよいし、可変されてもよい。後者の場合、変化演算部3025は、所定の条件に応じて、モデル画像の変形の形状を決定する。
【0100】
例えば、
図11に示すように、互いに形状の異なる複数の種類のビットTL1の候補が予め登録され、候補の中から設定されるビットTL1の形状によって、モデル画像MD1の変形121の形状が決定されてよい。本例では、先鋭の"ビット形状A"と、側面視で矩形の"ビット形状B"との2種類の候補が準備されている。例えば、ビットTL1の形状は、入力装置20に対するユーザからの入力に応じて、複数の種類の中から一の種類が設定可能である。
【0101】
また、本例では、モデル画像MD1の変形の位置を表すポインタPTR1は、ビットTL1を模した形状を有する。これにより、ユーザは、ビットTL1の入力部11に対する当接位置がモデル画像MD1のどの位置に対応しているかを直感的に把握することができる。また、ユーザは、ポインタPTR1の形状を見て、現在設定されているビットTLの種類(形状)を直感的に把握することができる。また、本例では、入力部11に対する力の入力方向に応じて、ビットTL1を模したポインタPTR1のモデル画像MD1に対する向きが変化する。これにより、ユーザは、ビットTL1の入力部11に対する当接方向がモデル画像MDに対するどの向きに対応しているかを直感的に把握することができる。
【0102】
また、本例では、入力部11に対する力の入力方向に応じて、上述の如く、モデル画像MD1の変形121の方向が変化する。これにより、情報処理装置30は、ビットTL1を通じて入力部11に作用する力の向きをモデル画像の変形に反映させることができ、その結果、ユーザによる力の入力に応じた所定の対象物の変形を適切にシミュレーションして表示装置40に表示させることができる。
【0103】
[表示処理の第1例]
次に、
図12を参照して、情報処理装置30による表示装置40の表示に関する処理(以下、「表示処理」)の第1例を説明する。具体的には、上述の表示システム1の第1例の情報処理装置30による表示処理の具体例について説明する。
【0104】
図12は、情報処理装置30による表示処理の第1例を概略的示すフローチャートである。
【0105】
本フローチャートは、例えば、入力装置20を通じて、表示システム1の稼働開始の操作をユーザから受け付けると開始される。以下、後述の
図16のフローチャートについても同様であってよい。
【0106】
図12に示すように、ステップS102にて、表示制御部303は、初期状態のモデル画像を表示装置40に表示させる。
【0107】
ステップS102の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS104に進む。
【0108】
ステップS104にて、演算処理部302の力・モーメント算出部3021は、力覚センサ12の最新のセンサ信号に基づき、6軸の力覚値を算出する。
【0109】
ステップS104の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS106に進む。
【0110】
ステップS106にて、演算処理部302は、ステップS104で算出した6軸の力覚値に基づき、力入力装置10の入力部11に対する力の大きさ、入力位置、及び入力方向を算出する。具体的には、入力位置算出部3022は、入力部11に対する力の入力位置を算出し、入力方向算出部3023は、入力部11に対する力の入力方向を算出し、印加力算出部3024は、入力部11に対する力の大きさを算出する。
【0111】
ステップS106の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS108に進む。
【0112】
ステップS108にて、変化演算部3025は、ステップS106で算出された、入力部11に対する力の大きさ(即ち、入力部11に作用している力)が閾値F_th10(<F_th11)より大きいか否かを判定する。閾値F_th10は、入力部11をユーザが触っていないと判断可能な力の上限値として予め規定される。変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th10より大きくない(即ち、閾値F_th10以下である)場合、入力部11に対する力の入力がない状態であると判断し、ステップS110に進む。一方、変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th10より大きい場合、入力部11に対する力の入力がある状態であると判断し、ステップS112に進む。
【0113】
ステップS110にて、表示制御部303は、力入力装置10に対する入力がない状態(無効状態)を表すポインタを表示装置40に表示させる。
【0114】
ステップS110の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS118に進む。
【0115】
一方、ステップS112にて、変化演算部3025は、ステップS106で算出された、入力部11に対する力の入力位置及び入力方向に基づき、ポインタの表示位置及び向きを演算する。そして、表示制御部303は、変化演算部3025の演算結果に基づき、表示装置40のポインタの表示位置及び向きを更新する。
【0116】
ステップS112の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS114に進む。
【0117】
ステップS114にて、変化演算部3025は、ステップS106で算出された、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th11より大きいか否かを判定する。変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th11より大きい場合、ステップS116に進み、それ以外の場合、ステップS118に進む。
【0118】
ステップS116にて、変化演算部3025は、ステップS106の算出結果に基づき、モデル画像の変化のさせ方を演算する。具体的には、変化演算部3025は、ステップS106で算出された、入力部11に対する力の大きさ、入力位置、及び入力方向に基づき、モデル画像の変形量、変形位置、及び変形方向を演算する。そして、表示制御部303は、変化演算部3025の演算結果に基づき、表示装置40のモデル画像を変形させるようにモデル画像の更新を行う。
【0119】
ステップS116の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS118に進む。
【0120】
ステップS118にて、情報処理装置30は、本フローチャートの終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件は、例えば、入力装置20を通じて、ユーザから表示の終了の操作が受け付けられることである。情報処理装置30は、終了条件が成立しない場合、ステップS104に戻って、ステップS104以下の処理を繰り返し、終了条件が成立する場合、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0121】
[表示システムの第2例]
次に、
図1~
図3に加えて、
図13~
図15を参照して、本実施形態に係る表示システム1の具体例として、表示システム1の第2例について説明する。
【0122】
以下、上述の第1例と異なる部分を中心に説明を行い、重複する説明を省略する場合がある。
【0123】
図13は、力入力装置の第2例を示すハードウェア構成図である。具体的には、
図13は、力入力装置10の第2例をX軸負方向から見た側面図に相当する
図13Aと、力入力装置10の第2例をZ軸負方向から見た正面図に相当する
図13Bとを含む。
図14は、力入力装置10に対する力の入力の位置と表示装置40の表示内容との関係を説明する図である。具体的には、
図14は、力入力装置10に対する力の入力の位置を表す
図14Aと、
図14Aの力の入力の位置に応じて表示される表示装置40の画面を表す
図14Bとを含む。
図15は、表示装置40の表示内容の第2例を示す図である。具体的には、
図15は、表示装置40に表示される、初期状態のモデル画像MD2を表す
図15Aと、表示装置40に表示される、力入力装置10に力が入力されたときのモデル画像MD2を表す
図15Bとを含む。
【0124】
尚、本例に係る表示システム1の機能構成は、入力方向算出部3023が省略される以外、上述の第1例と同様であるため、上述の第1例の
図5を援用し、図示を省略する。
【0125】
図13に示すように、本例では、力入力装置10の入力部11は、X軸方向に垂直な2つの矩形平面、Y軸に垂直な2つの矩形平面、及びZ軸に垂直な2つの矩形平面の合計6つの矩形平面により構成される直方体形状を有する。具体的には、入力部11は、Z軸方向の寸法、即ち、Z軸に垂直な2つの矩形平面同士の距離が相対的に小さく、X軸方向及びY軸方向の寸法、即ち、X軸に垂直な2つの矩形平面同士、及びY軸に垂直な2つの矩形平面同士の距離が相対的に大きい直方体形状を有する。
【0126】
入力部11の直方体形状の6つの矩形平面のうちのZ軸に垂直で且つZ軸正方向に位置する矩形平面が取付面11bに相当し、それ以外の5つの矩形平面が入力面11aに相当する。即ち、入力面11aは、5つの入力面11a1~11a5を含む。
【0127】
入力面11a1は、入力部11におけるZ軸に垂直な2つの矩形平面のうちのZ軸負方向に位置する矩形平面である。
【0128】
入力面11a2は、入力部11におけるX軸に垂直な2つの矩形平面のうちのX軸正方向に位置する矩形平面である。
【0129】
入力面11a3は、入力部11におけるX軸に垂直な2つの矩形平面のうちのX軸負方向に位置する矩形平面である。
【0130】
入力面11a4は、入力部11におけるY軸に垂直な2つの矩形平面のうちのY軸正方向に位置する矩形平面である。
【0131】
入力面11a5は、入力部11におけるY軸に垂直な2つの矩形平面のうちのY軸負方向に位置する矩形平面である。
【0132】
本例では、ユーザは、入力部11の入力面11aに対して、手や足等を用いた打撃により力を加える。また、入力部の入力面11aには、手や足等を用いた打撃によるユーザへの衝撃を和らげるためのサンドバッグ等に対応するカバーが被せられてもよい。
【0133】
本例では、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、所定の対象物に対応するモデル画像を表示し、ユーザによる入力部11に対する力の入力の内容を表す画像をモデル画像に対応させて表示する。モデル画像は、仮想の3次元空間に規定される画像であってもよいし、2次元の平面上に規定される画像であってもよい。
【0134】
例えば、
図14Bに示すように、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、所定の対象物としての入力部11に対応するモデル画像MD2を表示する。
【0135】
所定の対象物としての入力部11における位置とモデル画像MD2上の位置との間には、一対一の対応関係が予め規定され、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対する力の入力に応じて、その力の入力の位置に応じた画像をモデル画像MD2における位置に対応させて表示する。例えば、
図14A、
図14Bに示すように、表示装置40は、入力面11a1の位置151に対するユーザの打撃による力の入力に応じて、モデル画像MD2における位置151に対応する位置にポインタPTR2を表示させる。また、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力面11aに作用する力の大きさに応じて、ポインタPTR2の表示態様を変化させてもよい。例えば、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力面11aに対する力の大きさに応じて、ポインタPTR2の色や大きさや種類等を変化させる。これにより、表示システム1は、入力部11に対する力の入力の位置や大きさを、モデル画像MD2と対応させて表示装置40に表示することができる。そのため、ユーザは、自身の入力部11に対する力の入力の内容を直感的且つ容易に視認することができる。
【0136】
また、本例では、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、所定の対象物に対応するモデル画像を表示し、ユーザによる入力部11に対する力の入力に応じてモデル画像の姿勢状態を変化させる。モデル画像は、仮想の3次元空間に規定される画像であってもよいし、2次元の平面上に規定される画像であってもよい。
【0137】
例えば、
図15Aに示すように、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、所定の対象物としての人を模したモデル画像MD2を表示する。
【0138】
図15Bに示すように、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対するユーザの打撃による力の入力の位置に対応するモデル画像MD2の位置にポインタPTR2を表示する。そして、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対するユーザの打撃による力の入力の位置や大きさに応じて、モデル画像MD2の姿勢を変化させる。これにより、表示システム1は、モデル画像MD2を用いて、入力部11に対する力の入力を応じた所定の対象物の姿勢の変化をシミュレーションして表示することができる。そのため、表示システム1は、力入力装置10をユーザインタフェースとして用いて、対戦相手に対応するモデル画像MD2に対して格闘技の練習や格闘技を応用したトレーニングを支援するアプリケーションをユーザに提供することができる。この際、ユーザは、表示装置40のモデル画像MD2等を通じて、格闘技の練習や格闘技を応用したトレーニングに対応する入力部11に対する打撃による力の入力の効果を直感的に且つ容易に視認することができる。また、表示システム1は、例えば、力入力装置10をユーザインタフェースとして用いて、格闘技のコンピュータゲームをユーザに提供することができる。
【0139】
本例では、情報処理装置30は、上述の第1例と同様、機能部として、入力部301と、演算処理部302と、表示制御部303とを含む(
図5参照)。
【0140】
演算処理部302は、上述の第1例と同様、力・モーメント算出部3021と、入力位置算出部3022と、印加力算出部3024と、変化演算部3025とを含む。
【0141】
入力位置算出部3022は、上述の第1例と同様、6軸の力覚値に基づき、入力面11aに作用している力の入力位置を算出する。
【0142】
印加力算出部3024は、上述の第1例と同様、6軸の力覚値に基づき、入力面11aに作用している力の大きさを算出する。
【0143】
例えば、演算処理部302は、入力面11a1~11a5の何れかの矩形平面に対して垂直に力が作用すると仮定することにより、入力面に作用している力の位置及び大きさを算出することができる。
【0144】
具体的には、入力面11a1に力が作用する場合、その力は、力覚センサ12によりZ軸方向の力Fzとして検出され、X軸方向の力Fx及びY軸方向の力Fyは、略ゼロとして検出される。そのため、入力位置算出部3022は、力覚センサ12の3軸の力の検出値のうち、X軸方向の力Fx、及びY軸方向の力Fyの検出値が共に略ゼロと判断可能な程度に非常に小さい値である場合、入力面11a1に力が作用したと判断できる。これにより、入力位置算出部3022は、入力部11に対する力の入力位置のZ座標を特定することができる。そして、印加力算出部3024は、入力面11a1に力が作用した場合、以下の式(1)に示すように、力覚センサ12によるZ軸方向の力Fzの検出値を入力面11a1に作用した力Finとして算出することができる。
【0145】
Fin=Fz ・・・(1)
【0146】
また、入力面11a1に力が作用する場合、力覚センサ12は、入力面11a1に対する力とその入力位置のY座標及びX座標のそれぞれとの積に対応する、X軸周りの力のモーメントMx及びY軸周りの力のモーメントMyを検出する。そのため、入力位置算出部3022は、入力面11a1に力が作用したと判断する場合、力覚センサ12による力Fz及び力のモーメントMx,Myの検出値に基づき、以下の式(2),(3)により力Finの入力位置のX座標及びY座標を算出できる。
【0147】
X=My/Fin=My/Fz ・・・(2)
Y=Mx/Fin=Mx/Fz ・・・(3)
【0148】
入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用する場合、その力は、力覚センサ12によりX軸方向の力Fxとして検出される。そして、入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用する場合、Y軸方向の力Fy及びZ軸方向の力Fzは、力覚センサ12により略ゼロとして検出される。そのため、印加力算出部3024は、力覚センサ12の3軸の力の検出値のうち、Y軸方向の力Fy、及びZ軸方向の力Fzの検出値が共に略ゼロと判断可能な程度に非常に小さい値である場合、入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用したと判断できる。そして、印加力算出部3024は、入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用した場合、以下の式(4)に示すように、力覚センサ12による力Fxの検出値を入力面11a2或いは入力面11a3に作用する力Finとして算出できる。
【0149】
Fin=Fx ・・・(4)
【0150】
また、入力面11a2に力が作用する場合、その力は、X軸負方向に作用し、入力面11a3に力が作用する場合、その力は、X軸正方向に作用する。そのため、入力位置算出部3022は、式(4)で算出される力Finが負値である場合、入力面11a2に力が作用したと判断し、正値である場合、入力面11a3に力が作用したと判断できる。これにより、入力位置算出部3022は、入力部11に対する力の入力位置のX座標を特定することができる。
【0151】
また、入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用する場合、力覚センサ12は、入力面11a2,11a3に対する力とその入力位置のZ座標及びY座標のそれぞれとの積に対応する、Y軸周りの力のモーメントMy及びZ軸周りの力のモーメントMzを検出する。そのため、入力位置算出部3022は、入力面11a2或いは入力面11a3に力が作用したと判断する場合、力覚センサ12による力Fx及び力のモーメントMy,Mzの検出値に基づき、以下の式(5),(6)により力Finの入力位置のY座標及びZ座標を算出できる。
【0152】
Y=Mz/Fin=Mz/Fx ・・・(5)
Z=My/Fin=My/Fx ・・・(6)
【0153】
入力面11a4或いは入力面11a5に力が作用する場合、その力は、力覚センサ12によりY軸方向の力Fyとして検出される。そして、入力面11a4或いは入力面11a5に力が作用する場合、X軸方向の力Fx及びZ軸方向の力Fzは、力覚センサ12により略ゼロとして検出される。そのため、入力位置算出部3022は、力覚センサ12の3軸の力の検出値のうち、X軸方向の力Fx、及びZ軸方向の力Fzの検出値が共に略ゼロと判断可能な程度に非常に小さい値である場合、入力面11a4或いは入力面11a5に力が作用したと判断できる。そして、印加力算出部3024は、入力面11a4或いは入力面11a5に力が作用した場合、以下の式(7)に示すように、力覚センサ12による力Fyの検出値を入力面11a4或いは入力面11a5に作用する力Finとして算出できる。
【0154】
Fin=Fy ・・・(7)
【0155】
また、入力面11a4に力が作用する場合、その力は、Y軸負方向に作用し、入力面11a5に力が作用する場合、その力は、Y軸正方向に作用する。そのため、入力位置算出部3022は、式(7)で算出される力Finが負値である場合、入力面11a4に力が作用したと判断し、正値である場合、入力面11a5に力が作用したと判断できる。これにより、入力位置算出部3022は、入力部11に対する力の入力位置のY座標を特定することができる。
【0156】
また、入力面11a4或いは入力面11a5に力が作用する場合、力覚センサ12は、入力面11a4,11a5に対する力とその入力位置のZ座標及びX座標のそれぞれとの積に対応する、X軸周りの力のモーメントMx及びZ軸周りの力のモーメントMzを検出する。そのため、入力位置算出部3022は、力覚センサ12による力Fx及び力のモーメントMy,Mzの検出値に基づき、以下の式(8),(9)により力Finの入力位置のX座標及びZ座標を算出できる。
【0157】
X=Mz/Fin=Mz/Fy ・・・(8)
Z=Mx/Fin=Mx/Fy ・・・(9)
【0158】
変化演算部3025は、入力面11aに作用している力の大きさ及び入力位置に基づき、入力面11aに対する力の入力の内容に応じたモデル画像の変化のさせ方を演算する。本例では、変化演算部3025は、入力面11aに対する力の入力の内容に応じたモデル画像の姿勢の変化のさせ方を演算する。モデル画像の姿勢の変化のさせ方には、モデル画像上の姿勢を変化させる部位や姿勢の変化量等が含まれる。
【0159】
例えば、変化演算部3025は、入力部11に対する力の入力位置に応じて、モデル画像上の姿勢を変化させる部位を変化させる。
【0160】
また、変化演算部3025は、入力部11に作用する力の大きさに応じて、モデル画像の姿勢の変化量を変化させてもよい。この場合、入力部11に作用する力の大きさと、モデル画像の姿勢の変化量との間には、対応関係が予め規定されている。また、入力部11に作用する力の大きさと、モデル画像の姿勢の変化量との間の対応関係は、所定の対象物の部位、即ち、モデル画像の部位によって異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0161】
例えば、入力部11に作用する力が閾値F_th21以下である場合、モデル画像の姿勢の変化量は、ゼロに固定される。即ち、入力部11に作用する力が所定の閾値F_th21以下の場合、表示装置40に表示されるモデル画像の姿勢は変化しない。これにより、実際の対戦相手がある一定基準より大きい力が入力されないと姿勢が崩れない特性をモデル画像上の特性に反映させることができる。閾値F_th21は、固定値であってもよいし、入力装置20に対するユーザからの入力に応じて変更可能な可変値であってもよい。
【0162】
また、入力部11に作用する力が閾値F_th21より大きく且つ閾値F_th22(>Fth21)以下である場合、モデル画像の姿勢の変化量は、入力部11に作用する力が大きくなるほど大きくなるように規定されてよい。モデル画像の姿勢の変化量は、入力部11に作用する力の増加に応じて、線形的に増加してもよいし、非線形的に増加してもよい。また、モデル画像の姿勢の変化量は、入力部11に作用する力の増加に応じて、連続的に増加してもよいし、段階的に増加してもよい。
【0163】
また、入力部11に作用する力が閾値F_th22より大きい場合、モデル画像の姿勢の変化量は、閾値F_th22のときの値に対応する上限値PC_limに固定される。この際、閾値F_th22が予め規定され、副次的に、上限値PClimが規定されてもよいし、上限値PC_limが予め規定され、副次的に、閾値F_th22が規定されてもよい。閾値F_th22や上限値DF_limは、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。後者の場合、例えば、閾値F_th22や上限値CP_limは、入力装置20を通じて、ユーザが所望の値に設定可能であってもよい。
【0164】
尚、表示装置40に表示されるモデル画像の姿勢を変化させない場合、変化演算部3025は、省略される。
【0165】
表示制御部303は、上述の第1例と同様、所定の対象物に対応するモデル画像を表示装置40に表示させる。
【0166】
例えば、表示制御部303は、入力位置算出部3022の算出結果に基づき、上述の如く、入力部11に対する力の入力に応じて、その力の入力の位置に応じた画像をモデル画像における位置に対応させて表示する。また、表示制御部303は、印加力算出部3024の算出結果に基づき、上述の如く、入力面11aに作用する力の大きさに応じて、モデル画像に対応付けられる形で表示される、力の入力位置(例えば、画面のポインタ)の表示態様を変化させてもよい。
【0167】
また、表示制御部303は、入力位置算出部3022、印加力算出部3024、及び変化演算部3025の演算結果に基づき、上述の如く、ユーザによる入力部11に対する力の入力に応じてモデル画像の姿勢状態を変化させてもよい。
【0168】
[表示処理の第2例]
次に、
図16を参照して、情報処理装置30による表示処理の第2例を説明する。具体的には、上述の表示システム1の第2例の情報処理装置30による表示処理の具体例について説明する。
【0169】
図16は、情報処理装置30による表示処理の第2例を概略的に示すフローチャートである。
【0170】
図16に示すように、ステップS202,S204は、上述の
図12のステップS102,S104と同じであるため、説明を省略する。
【0171】
ステップS204の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS206に進む。
【0172】
ステップS206にて、演算処理部302は、ステップS104で算出した6軸の力覚値に基づき、力入力装置10の入力部11に対する力の大きさ及び入力位置を算出する。具体的には、入力位置算出部3022は、入力部11に対する力の入力位置を算出し、印加力算出部3024は、入力部11に対する力の大きさを算出する。
【0173】
ステップS206の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS208に進む。
【0174】
ステップS208にて、変化演算部3025は、ステップS206で算出された、入力部11に対する力の大きさ(即ち、入力部11に作用している力)が閾値F_th20(<F_th21)より大きいか否かを判定する。閾値F_th20は、入力部11をユーザが触っていないと判断可能な力の上限値として予め規定される。変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th20より大きくない(即ち、閾値F_th20以下である)場合、入力部11に対する力の入力がない状態であると判断し、ステップS210に進む。一方、変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th20より大きい場合、入力部11に対する力の入力がある状態であると判断し、ステップS212に進む。
【0175】
ステップS210にて、表示制御部303は、力入力装置10に対する入力がない状態(無効状態)を表すポインタを表示装置40に表示させる。
【0176】
ステップS210の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS218に進む。
【0177】
一方、ステップS212にて、変化演算部3025は、ステップS206で算出された、入力部11に対する力の入力位置及び入力方向に基づき、ポインタの表示位置及び向きを演算する。そして、表示制御部303は、変化演算部3025の演算結果に基づき、表示装置40のポインタの表示位置を更新する。
【0178】
ステップS212の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS214に進む。
【0179】
ステップS214にて、変化演算部3025は、ステップS206で算出された、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th21より大きいか否かを判定する。変化演算部3025は、入力部11に対する力の大きさが閾値F_th21より大きい場合、ステップS216に進み、それ以外の場合、ステップS218に進む。
【0180】
ステップS216にて、変化演算部3025は、ステップS206の算出結果に基づき、モデル画像の変化のさせ方を演算する。具体的には、変化演算部3025は、ステップS206で算出された、入力部11に対する力の大きさ及び入力位置に基づき、モデル画像の姿勢の変化部位や変化量を演算する。そして、表示制御部303は、変化演算部3025の演算結果に基づき、表示装置40のモデル画像の姿勢を変化させるようにモデル画像の更新を行う。
【0181】
ステップS216の処理が完了すると、情報処理装置30は、ステップS218に進む。
【0182】
ステップS218にて、情報処理装置30は、本フローチャートの終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件は、例えば、入力装置20を通じて、ユーザから表示の終了の操作が受け付けられることである。情報処理装置30は、終了条件が成立しない場合、ステップS204に戻って、ステップS204以下の処理を繰り返し、終了条件が成立する場合、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0183】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0184】
上述の実施形態には、適宜変形や変更が加えられてもよい。
【0185】
例えば、上述の実施形態では、入力部11の入力面11aの形状は、平面や球面以外の形状であってもよい。例えば、入力部11の入力面の形状は、円柱面である。この場合、力覚センサ12は、X軸、Y軸、及びZ軸の原点が円柱面の中心軸上に位置し、且つ、X軸或いはY軸が円柱面の中心軸に一致するように配置されてよい。これにより、演算処理部302は、力覚センサ12による6軸の力覚値に基づき、円柱面としての入力面11aに対する力の大きさ、入力位置、及び入力方向を算出することができる。
【0186】
また、上述の実施形態やその変形や変更の例では、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対する力の大きさ、入力位置、及び入力方向等のうちの力の大きさだけを表す画像を表示してもよい。例えば、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対する力の大きさだけを反映させたモデル画像を表示してもよい。
【0187】
また、上述の実施形態やその変形や変更の例では、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対する力の大きさ、入力位置、及び入力方向等のうちの力の入力方向だけを表す画像を表示してもよい。例えば、表示装置40は、情報処理装置30の制御下で、入力部11に対する力の入力方向だけを反映させたモデル画像を表示してもよい。
【0188】
[作用]
次に、本実施形態に係る入力装置、表示システム、表示方法、及びプログラムの作用について説明する。
【0189】
本実施形態では、入力装置は、入力部と、力覚センサ部と、出力部と、を備える。入力装置は、例えば、上述の力入力装置10である。入力部は、例えば、上述の入力部11である。力覚センサ部は、例えば、上述の力覚センサ12である。出力部は、例えば、上述のセンサ信号出力部14である。具体的には、入力部は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力面を有する。入力面は、例えば、上述の入力面11aである。入力面は、平面又は湾曲面であってよい。力覚センサ部は、入力部が取り付けられ、入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する。そして、出力部は、力覚センサ部の検出結果を外部に出力する。
【0190】
これにより、力覚センサをユーザインタフェースとして適用することができる。
【0191】
また、本実施形態では、表示システムは、入力装置と、表示装置と、を備える。入力装置は、例えば、上述の力入力装置10である。表示装置は、例えば、上述の表示装置40である。具体的には、表示装置は、入力部と、力覚センサ部とを含む。入力部は、例えば、上述の入力部11である。力覚センサ部は、例えば、上述の力覚センサ12である。より具体的には、入力部は、ユーザからの力の入力を受け付ける。また、力覚センサ部は、入力部が取り付けられ、入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する。そして、表示装置は、力覚センサ部の出力に基づき、入力部に対する力の入力を表す画像を表示する。画像は、例えば、上述のモデル画像MD1やモデル画像MD2である。
【0192】
また、本実施形態では、表示方法は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、入力部が取り付けられ、入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、処理装置が表示装置に画像を表示させる。具体的には、表示方法は、処理装置が、力覚センサ部の出力に基づき、入力部に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる。
【0193】
また、本実施形態では、プログラムは、ユーザからの力の入力を受け付ける入力部と、入力部が取り付けられ、入力部から作用する、力及びモーメントの少なくとも一方を検出する力覚センサ部とを含む入力装置の出力に基づき、表示装置に画像を表示させる機能をコンピュータに実行させる。具体的には、プログラムは、力覚センサ部の出力に基づき、入力部に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる機能をコンピュータに実行させる。
【0194】
これにより、表示装置は、ユーザインタフェースとしての入力装置に対する力の入力に応じた画像を表示することができる。そのため、ユーザは、入力装置に対する力の入力によって、入力装置に対する力の入力の内容に関する情報提供を受けたり、表示装置の表示内容の操作を行ったりすることができる。
【0195】
また、本実施形態では、表示システムは、処理装置を備えてもよい。処理装置は、例えば、上述の情報処理装置30である。具体的には、処理装置は、力覚センサ部の出力に基づき、入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方を演算する。そして、表示装置は、処理装置の演算結果に基づき、入力部に対する力の入力を表す画像を表示してもよい。
【0196】
これにより、処理装置は、入力装置の入力部に対する力の入力の位置や大きさに応じた画像を表示装置に表示させることができる。
【0197】
また、本実施形態では、表示装置は、処理装置の演算結果に基づき、入力部に対する力の入力の大きさ及び位置の少なくとも一方に応じた所定の対象物の変化をシミュレーションして表示してもよい。
【0198】
これにより、表示装置は、ユーザによる入力装置に対する入力の内容に応じた所定の対象物の変化をシミュレーションしてユーザに視覚的な方法で提供することができる。
【0199】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じた所定の対象物の変形をシミュレーションして表示してもよい。
【0200】
これにより、表示装置は、ユーザによる入力装置に対する入力の内容に応じた所定の対象物の変形をシミュレーションしてユーザに視覚的な方法で提供することができる。
【0201】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じて、所定の対象物に対応するモデル画像の表面を削るように変化させてもよい。モデル画像は、例えば、上述のモデル画像MD1である。
【0202】
これにより、表示装置は、ユーザが入力装置に対する入力により所定の対象物を削る作業をシミュレーションしてユーザに視覚的な方法で提供することができる。
【0203】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力による所定の対象物の変形の仕方を複数の種類で切り替えてもよい。
【0204】
これにより、表示装置は、所定の条件に応じて、ユーザによる入力装置に対する力の入力の内容に応じた所定の対象物の変形の仕方を複数の種類の中で切り替えながら、所定の対象物の変形をシミュレーションして表示することができる。
【0205】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力の大きさと所定の対象物の変形の量との対応関係を複数の種類で切り替えてもよい。
【0206】
これにより、表示装置は、所定の条件に応じて、ユーザによる入力装置に対する力の入力の大きさと変形量との対応関係の種類を切り替えながら、所定の対象物の変形をシミュレーションして表示することができる。
【0207】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力に応じて所定の対象物を変形させる道具の形状を複数の種類で切り替えてもよい。
【0208】
これにより、表示装置は、所定の条件に応じて、所定の対象物を変形させるための道具の種類を切り替えながら、所定の対象物の変形をシミュレーションして表示することができる。道具は、例えば、上述のビットTL1である。
【0209】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じた所定の対象物の姿勢の変化をシミュレーションして表示してもよい。
【0210】
これにより、表示装置は、ユーザによる入力装置に対する入力の内容に応じた所定の対象物の姿勢の変化をシミュレーションしてユーザに視覚的な方法で提供することができる。
【0211】
また、本実施形態では、表示装置は、入力部に対する力の入力の位置及び大きさの少なくとも一方に応じて、所定の対象物に対応する、人を模擬したモデル画像の姿勢を変化させてもよい。モデル画像は、例えば、上述のモデル画像MD2である。
【0212】
これにより、表示装置は、例えば、ユーザが入力装置に対する入力により相手の人に対する打撃でその人の姿勢を変化させるシミュレーションを行い、ユーザに視覚的な方法で提供することができる。
【0213】
また、本実施形態では、入力部は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力面(湾曲面)を有してもよい。入力面(湾曲面)は、例えば、上述の入力面11aである。そして、入力面(湾曲面)は、力覚センサの検出軸の原点と中心が一致する球面、又は力覚センサの原点と中心軸が一致する円柱面を含んでもよい。
【0214】
これにより、処理装置等は、力覚センサの検出値に基づき、入力面に対する力の大きさや入力位置や入力方向を算出することができ、その結果、表示装置は、入力面に対する力の大きさや入力位置や入力方向等を表す画像を表示することができる。
【0215】
また、本実施形態では、入力部は、ユーザからの力の入力を受け付ける入力面(平面)を有してもよい。そして、入力面(平面)は、力覚センサの第1の検出軸と垂直で且つ第2の検出軸と平行な面を含んでもよい。力覚センサの第1の検出軸と垂直で且つ第2の検出軸と平行な面は、例えば、入力面11a1~11a5である。例えば、入力面11a1の場合、第1の検出軸は、上述のZ軸であり、第2の検出軸は、上述のX軸やY軸である。また、例えば、入力面11a2,11a3の場合、第1の検出軸は、上述のX軸であり、第2の検出軸は、上述のY軸やZ軸である。また、例えば、入力面11a4,11a5の場合、第1の検出軸は、上述のY軸であり、第2の検出軸は、上述のX軸やZ軸である。
【0216】
これにより、処理装置等は、力覚センサの検出値に基づき、入力面に対する力の大きさや入力位置を算出することができ、その結果、表示装置は、入力面に対する力の大きさや入力位置を表す画像を表示することができる。
【0217】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0218】
1 表示システム
10 力入力装置
11 入力部
11a 入力面
11a1~11a5 入力面
11b 取付面
12 力覚センサ
13 支持部
14 センサ信号出力部
20 入力装置
30 情報処理装置
301 入力部
302 演算処理部
303 表示制御部
3021 力・モーメント算出部
3022 入力位置算出部
3023 入力方向算出部
3024 印加力算出部
3025 変化演算部
TL 道具
TL1 ビット
TL2 打具