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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127374
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240912BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/04701 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240912BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240912BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/0606
H01M8/04014
H01M8/04701
H01M8/0432
H01M8/04746
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036497
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】白木 壮哉
(72)【発明者】
【氏名】御堂 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】松崎 崚
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB23
5H127AC03
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA33
5H127BA34
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB19
5H127BB37
5H127DB79
5H127DC22
5H127DC83
5H127DC88
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】本来構成を有効利用して水タンクの改質用水を排出できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】改質用水を気化させる気化部5と、改質部6と、燃料電池部9と、発電反応に用いられた後に燃料電池部9から排出されるガス中に存在する可燃性ガスを燃焼させて排ガスを生じさせる燃焼部11と、排ガスの熱を熱媒体で回収する熱交換部16と、熱交換部16を経由した排ガスを外部に排出する外部排出路L8と、熱交換部16による熱回収により排ガスから生じる凝縮水を回収して貯留する水タンク19と、水タンク19で貯留される改質用水を気化部に供給する水供給ポンプ21と、水タンク19の改質用水を排出すべく水供給ポンプ19にて供給される改質用水を気化部5にて気化させて外部排出路L8から排出する水抜き処理を実行する運転制御部26と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質用水を気化させた蒸気を原燃料に混合する気化部と、
前記蒸気が混合された前記原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、
前記燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する燃料電池部と、
発電反応に用いられた後に前記燃料電池部から排出されるガス中に存在する可燃性ガスを燃焼させて排ガスを生じさせ且つ前記気化部及び前記改質部を昇温する燃焼部と、
前記燃焼部から排出される前記排ガスの熱を熱媒で回収する熱交換部と、
前記熱交換部を経由した前記排ガスを外部に排出する外部排出路と、
前記熱交換部による熱回収により前記排ガスから生じる凝縮水を回収して貯留する水タンクと、
前記水タンクで貯留される前記改質用水を前記気化部に供給する水供給ポンプと、
運転制御部と、を備える燃料電池システムであって、
前記運転制御部が、前記水タンクの前記改質用水を排出すべく、前記水供給ポンプにて供給される前記改質用水を前記気化部にて気化させて前記外部排出路から排出する水抜き処理を実行する燃料電池システム。
【請求項2】
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記熱交換部における冷却能力を減少させる請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記水供給ポンプにて前記気化部に供給する前記改質用水の供給量を増加させる請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が前記設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、前記水供給ポンプにて前記気化部に供給する前記改質用水の供給量を減少させる請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記燃焼部に供給する燃焼空気量を増加させる請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記気化部に供給する前記原燃料の供給量を減少させる請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が前記設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、前記燃焼部に供給する燃焼空気量を減少させる及び前記気化部に供給する前記原燃料の供給量を増加させる、のうちの少なくとも一方を実行する請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質用水を気化させた蒸気を原燃料に混合する気化部と、前記蒸気が混合された前記原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、前記燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する燃料電池部と、発電反応に用いられた後に前記燃料電池部から排出されるガス中に存在する可燃性ガスを燃焼させて排ガスを生じさせ且つ前記気化部及び前記改質部を昇温する燃焼部と、前記燃焼部から排出される前記排ガスの熱を熱媒で回収する熱交換部と、前記熱交換部を経由した前記排ガスを外部に排出する外部排出路と、前記熱交換部による熱回収により前記排ガスから生じる凝縮水を回収して貯留する水タンクと、前記水タンクで貯留される前記改質用水を前記気化部に供給する水供給ポンプと、運転制御部と、を備える燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは、発電した累積時間が設定時間に達すると廃棄する等、長期間使用した後は廃棄することになる。そして、燃料電池システムを廃棄する際には、水タンクに貯留された改質用水を排出して、水漏れによる事故を防ぐ必要がある。
【0003】
かかる燃料電池システムの従来例として、水タンクの底部にタンク排水流路を接続し、当該タンク排水流路に、手動操作式のタンク排水弁を設けて、水タンクに貯留されている改質用水を排出する際には、タンク排水弁を開き操作するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-202009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の燃料電池システムでは、手動操作式のタンク排水弁を備えたタンク排水流路を備えさせるものであるから、搭載部品が増加することにより、全体構成が複雑で高価となる不都合があり、改善が望まれている。
【0006】
尚、タンク排水流路を通して水タンクの改質用水を排出するように構成する場合、水タンクから延出されるタンク排水流路を、燃料電池システムが設けられている施設の例えば汚水系統まで設置することが必要になる。そのため、タンク排水流路を構成する配水管の部品コストや、配水管を設置するための工事費用などにより、燃料電池システムを設置する際の初期費用が高価となる。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、本来構成を有効利用して水タンクの改質用水を排出できる燃料電池システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る燃料電池システムは、改質用水を気化させた蒸気を原燃料に混合する気化部と、
前記蒸気が混合された前記原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する改質部と、
前記燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する燃料電池部と、
発電反応に用いられた後に前記燃料電池部から排出されるガス中に存在する可燃性ガスを燃焼させて排ガスを生じさせ且つ前記気化部及び前記改質部を昇温する燃焼部と、
前記燃焼部から排出される前記排ガスの熱を熱媒で回収する熱交換部と、
前記熱交換部を経由した前記排ガスを外部に排出する外部排出路と、
前記熱交換部による熱回収により前記排ガスから生じる凝縮水を回収して貯留する水タンクと、
前記水タンクで貯留される前記改質用水を前記気化部に供給する水供給ポンプと、
運転制御部と、を備えるものであって、その特徴構成は、
前記運転制御部が、前記水タンクの前記改質用水を排出すべく、前記水供給ポンプにて供給される前記改質用水を前記気化部にて気化させて前記外部排出路から排出する水抜き処理を実行する点にある。
【0009】
すなわち、水供給ポンプにて供給される改質用水を気化部にて気化させて外部排出路から排出する水抜き処理が実行されることによって、水タンクの改質用水が排出されることになる。
【0010】
そして、水抜き処理は、発電のために備えられている本来構成を利用して行われるものであるから、水抜き処理のために特別な機器類を備えさせる必要が無い。
【0011】
要するに、本発明の燃料電池システムの特徴構成によれば、本来構成を有効利用して水タンクの改質用水を排出できる。
【0012】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記熱交換部における冷却能力を減少させる点にある。
【0013】
すなわち、水抜き処理において、熱交換部における冷却能力が減少されるから、熱交換部において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少することになる。
【0014】
したがって、水抜き処理を実行する際において、水タンクに回収される凝縮水を減少させることにより、水タンクに貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0015】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記水供給ポンプにて前記気化器に供給する前記改質用水の供給量を増加させる点にある。
【0016】
すなわち、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を気化させるのに必要な温度よりも高い場合には、水供給ポンプにて気化器に供給する改質用水の供給量が増加されることになる。
【0017】
したがって、水タンクに貯留される改質用水を排水するための単位時間当たりの処理量が増加するため、水タンクに貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0018】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が前記設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、前記水供給ポンプにて前記気化器に供給する前記改質用水の供給量を減少させる点にある。
【0019】
すなわち、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を適切に気化させるのに必要な温度よりも低い場合には、水供給ポンプにて気化部に供給する改質用水の供給量が減少されることになる。
【0020】
したがって、気化部に供給される改質用水が適切に気化されない状態になることを回避して、水抜き処理を良好に行うことができる。
【0021】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記燃焼部に供給する燃焼空気量を増加させる点にある。
【0022】
すなわち、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を気化させるのに必要な温度よりも高い場合には、燃焼部に供給する燃焼空気量が増加されて、熱交換部に流れる排ガスの露点温度を下げることができるため、熱交換部において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少することになる。
【0023】
したがって、水抜き処理を実行する際において、水タンクに回収される凝縮水を減少させることにより、水タンクに貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0024】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記気化部の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、前記気化部に供給する前記前記原燃料の供給量を減少させる点にある。
【0025】
すなわち、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を気化させるのに必要な温度よりも高い場合には、気化部に供給する原燃料の供給量が減少されて、熱交換部に流れる排ガスの露点温度を下げることができるため、熱交換部において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少することになる。
【0026】
つまり、気化部に供給する原燃料の供給量が減少されると、発電反応に用いられた後に燃料電池部から排出されるガス中に存在する水蒸気の量や燃焼部から排出されるガス中に存在する水蒸気の量が減少して、熱交換部に流れる排ガスの露点温度を下げることができることになり、その結果、熱交換部において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少することになる。
【0027】
したがって、水抜き処理を実行する際において、水タンクに回収される凝縮水を減少させることにより、水タンクに貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0028】
本発明に係る燃料電池システムの更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記水抜き処理において、前記温度検出部の検出温度が前記設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、前記燃焼部に供給する前記燃焼空気量を減少させる及び前記気化部に供給する前記原燃料の供給量を増加させる、のうちの少なくとも一方を実行する点にある。
【0029】
すなわち、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を適切に気化させるのに必要な温度よりも低い場合には、燃焼部に供給する燃焼空気量が減少されて、気化部の温度を上昇させることができる。
【0030】
また、水抜き処理において、気化部の温度を検出する温度検出部の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、つまり、気化部の温度が改質用水を適切に気化させるのに必要な温度よりも低い場合には、気化部に供給する原燃料の供給量が増加されて、気化部の温度を上昇させることができる。
【0031】
したがって、気化部に供給される改質用水が適切に気化されない状態になることを回避して、水抜き処理を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】燃料電池システムの構成を示す図である。
図2】水抜きモードを説明するフローチャートである。
【0033】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(燃料電池システムの全体構成)
図1に示すように、燃料電池システムは、外側容器1を備え、外側容器1の内部には、ホットモジュール31が設けられている。
ホットモジュール31には、高温環境下で動作するセルスタック9(本発明の燃料電池部の一例)等などの機器を収容する内側容器2が設けられる。具体的には、内側容器2の内部には、気化部5、改質部6、マニホールド7、セルスタック9などが設けられる。
ちなみに、図示は省略するが、セルスタック9にて発電された電力は、電気負荷に供給されることになる。
【0034】
気化部5は、改質用水を気化させた蒸気を原燃料に混合する。改質部6は、気化部5から供給される蒸気が混合された原燃料を水蒸気改質して燃料ガスを生成する。
セルスタック9は、改質部6で生成された燃料ガス及び酸素ガスを反応させて発電する複数の燃料電池セル8を有する。つまり、改質部6で生成された燃料ガスは、燃料ガス供給路L3を通ってマニホールド7に至り、マニホールド7にて、燃料ガスは各燃料電池セル8に分配される。
【0035】
セルスタック9の上方の空間は、セルスタック9から排出されるオフガスを燃焼する燃焼部11となる。つまり、燃焼部11は、発電反応に用いられた後にセルスタック9から排出されるガス中に存在する可燃性ガスを燃焼させて排ガスを生じさせることになり、その燃焼熱は、その上方の気化部5及び改質部6に伝達されて、気化部5及び改質部6を昇温することになる。
点火部10は、上述のオフガスを点火する。
【0036】
内側容器2の給気口12には、空気供給ブロア22から供給される空気を流動させる空気供給路L2が接続され、内側容器2の内部に空気(酸素)が供給される。内側容器2の内部に供給される空気(酸素)の一部は、発電用の酸素ガスとして燃料電池セル8に供給され、また、内側容器2の内部に供給される空気(酸素)の一部は、燃焼部11の燃焼用空気として用いられる。
【0037】
内側容器2の排気口13からは、内側容器2の内部に存在するガスが内側容器2の外部に排出される。排気口13には、排出されるガスに含まれる水素、一酸化炭素などを、酸素を用いて触媒燃焼させる燃焼触媒部14が設けられている。
【0038】
燃焼触媒部14を通過した排ガスは、排ガス流路L4を流れて熱交換部16に供給される。熱交換部16では、排ガス流路L4を流れる排ガス(燃焼部11にて燃焼した排ガスを含む)の熱を熱媒で回収することになる。つまり、熱交換部16では、排ガスと、湯水循環路L9を流れる排熱回収用熱媒としての湯水との熱交換、即ち、排ガスの冷却が行われ、排ガスに含まれていた水分が凝縮する。
【0039】
熱交換部16の下流側の排ガス流路L4には分岐部17が設けられて、当該分岐部17にて、水回収路L5と、熱交換部16を経由した排ガスを外部(外側容器1の外部)に排出する外部排出路L10とが分岐する。
そして、排ガス中の気相成分は外部排出路L10を通って外側容器1の外部に排出され、排ガス中の液相成分(凝縮水)は水回収路L5を通って水タンク19に至り、水タンク19で貯留される。つまり、熱交換部16による熱回収により排ガスから生じる凝縮水が回収されて水タンク19に貯留される。
【0040】
気化部5への原燃料(例えば、都市ガス等)の供給は原燃料供給路L1を介して行われる。図1に示す例では、原燃料供給路L1の途中には、原燃料供給ブロア3及び脱硫部4が設けられる。例えば、燃料電池システムの運転を制御する運転制御部26は、原燃料の単位時間当たりの流量が目標流量になるように原燃料供給ブロア3を作動させる。脱硫部4は、原燃料に含まれる硫黄化合物などを除去する。
【0041】
内側容器2の内部への空気の供給は、上述の如く、空気供給路L2を介して行われる。例えば、運転制御部26は、空気の単位時間当たりの流量が目標流量になるように空気供給ブロア22を動作させる。
【0042】
水回収路L5を用いて回収した凝縮水は改質用水として水タンク19に供給される。水タンク19には、水タンク19に貯留された改質用水の量を測定する水量測定部20が設けられる。水タンク19に貯えられている改質用水は水供給路L6を介して気化部5に供給される。水供給路L6の途中には水供給ポンプ21が設けられる。例えば、運転制御部26は、気化部5に供給される単位時間当たりの供給量が目標流量になるように水供給ポンプ21を作動させる。
【0043】
熱交換部16では、排ガスと、湯水循環路L9を流れる排熱回収用熱媒としての湯水との熱交換が行われる。湯水は、貯湯タンク23に貯えられており、湯水循環路L9を介して貯湯タンク23と熱交換部16との間を循環する。貯湯タンク23から熱交換部16へ至る間の湯水循環路L9の途中には、湯水循環ポンプ24、湯水冷却用のラジェータ25、湯水加熱用のヒータ29、及び、往路側温度センサT2が設けられている。
【0044】
熱交換部16から貯湯タンク23へ至る間の湯水循環路L9の途中には、復路側温度センサT1が設けられている。
運転制御部26は、復路側温度センサT1で測定される湯水の温度が目標貯湯温度になるように湯水循環ポンプ24の動作を制御する。
【0045】
従って、貯湯タンク23の下部から湯水循環路L9を介して熱交換部16に供給される湯水はその熱交換部16で加熱され、加熱後の湯水は湯水循環路L9を介して貯湯タンク23の上部に供給される。このようにして、貯湯タンク23の上部には相対的に高温の湯水が存在し、貯湯タンク23の下部には相対的に低温の湯水が存在するというように、貯湯タンク23に温度成層を形成する状態で湯水が貯湯される。
【0046】
湯水冷却用のラジェータ25は、例えば、貯湯タンク23の全体に高温の湯水が貯留された状態において、湯水循環路L9を流動する湯水を冷却する際に用いられる。
例えば、運転制御部26は、往路側温度センサT2で測定される湯水の温度が所定の上限湯水温度未満になるようにラジェータ25の作動を制御する。
【0047】
湯水加熱用のヒータ29は、例えば、電気負荷が小さい場合において、セルスタック9で発電された電力の余剰分を燃料電池システムの内部で消費するために用いられることになり、湯水加熱用のヒータ29が作動すると、湯水循環路L9を流動する湯水が昇温されることになる。
【0048】
貯湯タンク23の下部には、貯湯タンク23に上水を供給するための給水路L7が接続され、貯湯タンク23の上部には、貯湯タンク23で貯えている湯水を排出するための出湯路L8が接続される。貯湯タンク23が貯えている湯水には、給水路L7の内部に加わっている給水圧が加わっている。このような構成により、貯湯タンク23では、例えば出湯路L8に接続される水栓(図示せず)が開かれることで出湯路L8へ貯湯タンク23から湯水が排出されるのに伴って、給水路L7から貯湯タンク23に上水が供給される。
【0049】
燃料電池システムは、運転制御部26と、燃料電池システムで取り扱われる情報を記憶する記憶部27とを備える。運転制御部26は、上述した点火部10、原燃料供給ブロア3、水供給ポンプ21、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の動作を制御する。
【0050】
(水抜きモードについて)
運転制御部26は、例えば、12時間毎、6時間毎など、設定時間間隔おきに水抜きモードを実行することになり、水抜きモードにおいては、水タンク19に改質用水が貯留されている状態(水タンク19内に残水がある状態)において、燃料電池システムが廃棄可能なタイミングである場合に、水抜き処理を実行することになる。
水タンク19に改質用水が貯留されているか否かは、未だ、水抜き処理が実行されていない場合には、水タンク19に改質用水が貯留されていると判別できるが、水量測定部20にて水タンク19に改質用水が存在するか否かを確認できる場合には、水量測定部20にて確認するようにしてもよい。
【0051】
燃料電池システムを廃棄することが可能であるか否かの判別は、例えば、発電を行った累積時間が設定時間(例えば、10万時間)に達しているか否か、つまり、設定した寿命に達しているか否かにより判別できるが、その他の情報にて判別するようにしてもよい。
例えば、故障(エラー)の履歴により、発電の再開が可能であるかを確認してもよい。また、発電効率、セルスタック9の電圧、発電時のホットモジュール31の内部温度等の情報に基づいて、燃料電池システムの劣化状態を確認してもよい。
さらに、リモコン等、燃料電池システムの所有者が操作する操作部にて、燃料電池システムを廃棄することを承諾するか否かを確認するようにしてもよい。
【0052】
運転制御部26は、水抜き処理においては、水タンク19の改質用水を排出すべく、水供給ポンプ21にて供給される改質用水を気化部5にて気化させて外部排出路L10から排出することになる。
すなわち、運転制御部26は、水抜き処理を実行する際には、発電する際と同様に、原燃料供給ブロア3、水供給ポンプ21、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の作動を制御することになる。
つまり、運転制御部26は、水抜き処理を開始する際には、先ず、水供給ポンプ21を作動させない状態で、原燃料供給ブロア3、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の動作を制御して、気化部5を昇温させることになる。
【0053】
本実施形態では、気化部5の温度を検出する温度センサT3(本発明の温度検出部の一例)が設けられて、温度センサT3の検出温度(気化部5の温度)が、設定基準温度よりも低いものの設定下限温度以上の場合には、気化部5が昇温された状態であると判別するように構成されている。ちなみに、設定基準温度は、改質用水を気化するのに好適な温度であり、設定下限温度は、設定基準温度よりも設定温度低い温度であるが、改質用水を適切に気化できる温度として設定されている。
【0054】
運転制御部26は、気化部5が昇温されると、水供給ポンプ21を基準供給状態で作動させて、昇温された気化部5に水タンク19の改質用水を供給することになる。
昇温された気化部5に水タンク19の改質用水が供給されると、改質用水が気化部5にて気化される。気化された蒸気は、その後、改質部6、セルスタック9を経由した後、燃焼部11の排ガスに混合された状態となる。蒸気を含む排ガスは、燃焼触媒部14を経由して、排ガス流路L4に流出して、排ガス流路L4を流れて熱交換部16に供給される。
【0055】
蒸気を含む排ガスは、熱交換部16にて熱媒で熱が回収されることになる。排ガス中の液相成分(凝縮水)は水回収路L5を通って水タンク19で貯留され、排ガス中の気相成分(蒸気を含む)は外部排出路L10を通って外側容器1の外部に排出される。
また、運転制御部26は、水タンク19の改質用水がなくなると、原燃料供給ブロア3、水供給ポンプ21、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の作動を停止して、水抜き処理の実行を終了して水抜きモードを終了する。
【0056】
水抜き処理の実行中に、水タンク19の改質用水がなくなったことは、水量測定部20にて検出できるが、その他の手段にても検出できる。
例えば、水供給路L6における気化部5の上手側箇所に電導度計が備えられている場合には、当該電導度計にて計測される電導度の変化(減少)により、改質用水がなくなったことを判別できる。
また、改質部6に備えられている温度センサ(図示せず)やセルスタック9に備えられている温度センサ(図示せず)にて検出される検出温度が設定温度以上になることにより、改質用水がなくなったことを判別できる。
【0057】
さらに、水供給ポンプ21の作動量とその時間との積が設定値以上になることにより、改質用水がなくなったことを判別してもよい。水供給ポンプ21の作動量とは、水供給ポンプ21の単位時間当たりの水供給量であり、水供給ポンプ21を基準供給状態で継続して作動させる場合には、作動量は一定であるが、後述の如く、水供給ポンプ21を基準供給状態から変化させて作動させる場合には、作動量が変化することになる。
【0058】
運転制御部26が、水抜き処理において、熱交換部16における冷却能力を減少させる冷却能力減少処理を実行するように構成されている。つまり、熱交換部16にて回収される熱量が多いと、液相成分(凝縮水)が多くなり、水タンク19の改質用水を効率良く排出することができないため、熱交換部16における冷却能力が減少される。
【0059】
具体的には、湯水循環ポンプ24による湯水循環量を、水抜き処理を実行する際には、発電する際よりも少なくすること、及び、湯水加熱用のヒータ29を作動させることの少なくともいずれか一方が実行される。
熱交換部16における冷却能力が減少されると、熱交換部16において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少して、水タンク19に回収される凝縮水が減少することにより、水タンク19に貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
尚、貯湯タンク23の湯水を、例えば、排水栓を開いて排出する等、予め排出しておくことができる場合には、熱交換部16における冷却能力を減少させる冷却能力減少処理を省略できる。
【0060】
(付加制御処理について)
運転制御部26が、水抜き処理の付加制御処理として、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、以下に述べる3つの処理のうちの少なくともいずれか1つ以上を実行するように構成されている。
すなわち、運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、水供給ポンプ21にて気化部5に供給する改質用水の供給量を設定量増加させる改質用水供給量増加処理を実行するように構成されている。
【0061】
水供給ポンプ21にて気化部5に供給する改質用水の供給量が増加されると、水タンク19に貯留される改質用水を排水するための単位時間当たりの処理量が増加するため、水タンク19に貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0062】
運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも高い場合には、燃焼部11に供給する燃焼空気量を増加させる燃焼空気量増加処理を実行するように構成されている。具体的は、空気供給ブロア22の作動を制御して、燃焼部11に供給する燃焼空気量を、燃焼を継続させることが可能な範囲で設定量増加させるように構成されている。
【0063】
燃焼部11に供給する燃焼空気量が増加されると、熱交換部16に流れる排ガスの露点温度を下げることができるため、熱交換部16において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少して、水タンク19に回収される凝縮水が減少することにより、水タンク19に貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0064】
運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定基準温度より高い場合には、気化部5に供給する原燃料の供給量を減少させる原燃料供給量減少処理を実行するように構成されている。具体的には、原燃料供給ブロア3の作動を制御して、気化部5に供給する原燃料の供給量を、燃焼を継続させることが可能な範囲で設定量減少させるように構成されている。
【0065】
気化部5に供給する原燃料の供給量が減少されると、熱交換部16に流れる排ガスの露点温度を下げることができるため、熱交換部16において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少して、水タンク19に回収される凝縮水が減少することにより、水タンク19に貯留される改質用水の排水を効率良く行うことができる。
【0066】
つまり、気化部5に供給する原燃料の供給量が減少されると、発電反応に用いられた後にセルスタック9から排出されるガス中に存在する水蒸気の量や燃焼部11から排出されるガス中に存在する水蒸気の量が減少して、熱交換部16に流れる排ガスの露点温度を下げることができることになり、その結果、熱交換部16において排ガスが冷却されて発生する凝縮水の発生量が減少することになる。
【0067】
尚、改質用水供給量増加処理、燃焼空気量増加処理、原燃料供給量減少処理のうちのいずれを優先して実行するかについては、改質用水の排水を最も効率良く行うことができるものを優先して実行させるようにするとよい。
【0068】
(温度回復制御処理について)
運転制御部26が、水抜き処理において温度回復制御処理として、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、下記の処理を実行して、気化部5の温度を設定下限温度以上に回復するように構成されている。つまり、上記の付加制御処理を実行する等により、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低くなる場合において、気化部5の温度を設定下限温度以上に回復するように構成されている。
【0069】
すなわち、運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低い場合には、水供給ポンプ21にて気化部5に供給する改質用水の供給量を減少させる改質用水供給量減少処理を実行するように構成されている。
【0070】
水供給ポンプ21にて気化部5に供給する改質用水の供給量が減少されることにより、気化部に供給される改質用水が適切に気化されない状態になることを回避して、水抜き処理を良好に行うことができる。また、改質用水を気化するための熱量が減少して、気化部5の温度を上昇させることが可能となる。
【0071】
運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低い場合には、燃焼部11に供給する燃焼空気量を減少させる燃焼空気量減少処理を実行するように構成されている。具体的は、空気供給ブロア22の作動を制御して、燃焼部11に供給する燃焼空気量を、燃焼を継続させることが可能な範囲で設定量減少させるように構成されている。
【0072】
燃焼部11に供給する燃焼空気量が減少されると、燃焼部11の燃焼温度を上昇させて、気化部5の温度を上昇させることができ、気化部5に供給される改質用水が適切に気化されない状態になることを回避して、水抜き処理を良好に行うことができる。
【0073】
運転制御部26が、水抜き処理において、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低い場合には、気化部5に供給する原燃料の供給量を増加させる原燃料供給量増加処理を実行するように構成されている。具体的には、原燃料供給ブロア3の作動を制御して、気化部5に供給する原燃料の供給量を、燃焼を継続させることが可能な範囲で設定量増加させるように構成されている。
【0074】
気化部5に供給する原燃料の供給量が増加されると、燃焼部11に流れる可燃性ガスの量が増加して、燃焼部11の燃焼温度を上昇させることにより、気化部5の温度を上昇させることができ、気化部5に供給される改質用水が適切に気化されない状態になることを回避して、水抜き処理を良好に行うことができる。
【0075】
本実施形態においては、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を、燃焼を継続させることができる条件下で実行できる場合には、改質用水供給量減少処理よりも優先して、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を実行する。そして、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を実行できない場合において、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低いときには、改質用水供給量減少処理を実行するように構成されている。
【0076】
尚、本実施形態においては、燃焼空気量を減少させることや原燃料供給量を増加させることが可能な場合には、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を同時に実行する場合を例示するが、燃焼空気量減少処理と原燃料供給量増加処理とのうちのいずれか一方を先に実行し、その実行後においても、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも低い設定下限温度よりも低い場合には、残りの一方を実行する形態で実施してもよい。
【0077】
(水抜きモードの詳細)
図2は、運転制御部26が行う水抜きモードを説明するフローチャートである。運転制御部26はこのフローチャートを設定時間間隔で実行する。
【0078】
先ず、運転制御部26は、水タンク19の内部に残水(改質用水)があるか否かを判別し(#1)、残水がない場合には、水抜きモードを終了する。
#1の処理にて、水タンク19の内部に残水があると判別した場合には、続いて、燃料電池システムが廃棄可能であるか否かを判別し(#2)、廃棄可能でないと判別した場合には、水抜きモードを終了する。
【0079】
#2の処理にて廃棄可能であると判別した場合には、水供給ポンプ21を作動させない状態で、原燃料供給ブロア3、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の動作を制御して、気化部5を昇温させることを開始し(#3)、続いて、熱交換部16における冷却能力を減少させる冷却能力減少処理を実行する(#4)。
【0080】
その後、温度センサT3の検出温度に基づいて気化部5が昇温済みであるか否かを判別する(#5)。そして、昇温済みでないと判別した場合には、気化部5が昇温するまで待機し、昇温済みであると判別した場合には、気化部5に改質用水を供給することを開始する(#6)。
【0081】
続いて、水タンク19の内部に残水(改質用水)があるか否かを判別し(#7)、残水がない場合には、原燃料供給ブロア3、水供給ポンプ21、空気供給ブロア22、湯水循環ポンプ24などの各種機器の作動を停止する停止処理を実行し(#12)、水抜きモードを終了する。
【0082】
#7の処理にて、残水があると判別した場合には、続いて、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも高いか否かを判別し(#8)、高いと判別した場合には、改質用水供給量増加処理、燃焼空気量増加処理、原燃料供給量減少処理のうちの少なくともいずれか一つを実行する付加制御処理を実行し、その後、#7の処理に移行する。
【0083】
#8の処理にて、温度センサT3の検出温度が設定基準温度よりも高くないと判別した場合には、続いて、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低いか否かを判別し(#10)、低くないと判別した場合には、#7の処理に移行する。
【0084】
#10の処理にて、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低いと判別した場合には、温度回復制御処理を実行し(#11)、その後、#7の処理に移行する。
温度回復制御処理は、上述の如く、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を、改質用水供給量減少処理よりも優先して実行し、燃焼空気量減少処理及び原燃料供給量増加処理を実行できない場合において、温度センサT3の検出温度が設定下限温度よりも低いときには、改質用水供給量減少処理を実行するように構成されている。
【0085】
〔別実施形態〕
次にその他の別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、燃料電池システムの構成について具体例を挙げて説明したが、燃料電池システムの具体構成は適宜変更可能である。
【0086】
(2)上記実施形態では、湯水加熱用のヒータ29が備えられる場合を例示したが、上述の実施形態で説明した如く、湯水加熱用のヒータ29が省略される場合にも本発明は適用できる。
【0087】
(3)上記実施形態では、水量測定部20が備えられる場合を例示したが、上述の実施形態で説明した如く、水量測定部20が省略される場合にも本発明は適用できる。
【0088】
(4)上記実施形態では、冷却能力減少処理が実行される場合を例示したが、冷却能力減少処理を省略してもよい。例えば、水抜き処理の前に、予め、貯湯タンク23の湯水を予め排水してもよく、また、水抜き処理を実行する際に、湯水循環ポンプ24を停止させてもよい。
【0089】
(5)上記実施形態では、気化部5が昇温済みになった後に、気化部5に改質用水の供給することを開始させる形態を例示したが、気化部5が昇温済みになる前から、気化部5に改質用水の供給することを開始させるようにしてもよい。
【0090】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
5 気化部
6 改質部
9 燃料電池部
11 燃焼部
16 熱交換部
19 水タンク
21 水供給ポンプ
26 運転制御部
T1 温度検出部
図1
図2