(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127384
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H02M1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036509
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 健一
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740AA06
5H740BA12
5H740BB05
5H740BB07
5H740BB08
5H740BB09
5H740BB10
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH01
5H740HH05
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
(57)【要約】
【課題】p型半導体素子を適切に駆動させること。
【解決手段】駆動装置は、ハイサイド側の第1スイッチ素子のオンとオフとを制御する第1駆動回路と、ローサイド側の第2スイッチ素子のオンとオフとを制御する第2駆動回路と、第1駆動回路による第1スイッチ素子の駆動電圧を制御する第3駆動回路と、一端が入力電圧端子に接続され、他端が第1駆動回路に電気的に接続された第1コンデンサと、一端が前記第3駆動回路の出力端子に電気的に接続された第2コンデンサと、一端が入力電圧端子に電気的に接続され、他端が第2コンデンサの他端に電気的に接続された抵抗素子と、カソードが抵抗素子の一端に電気的に接続され、アノードが第2コンデンサの一端に電気的に接続された第1ダイオードと、カソードが第1ダイオードと第2コンデンサとの間に電気的に接続され、アノードが第1コンデンサと第1駆動回路との間に電気的に接続された第2ダイオードと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイサイド側の第1スイッチ素子のオンとオフとを制御する第1駆動回路と、
ローサイド側の第2スイッチ素子のオンとオフとを制御する第2駆動回路と、
前記第1駆動回路による前記第1スイッチ素子の駆動電圧を制御する第3駆動回路と、
一端が入力電圧端子に接続され、他端が前記第1駆動回路に電気的に接続された第1コンデンサと、
一端が前記第3駆動回路の出力端子に電気的に接続された第2コンデンサと、
一端が前記入力電圧端子に電気的に接続され、他端が前記第2コンデンサの他端に電気的に接続された抵抗素子と、
カソードが前記抵抗素子の一端に電気的に接続され、アノードが前記第2コンデンサの一端に電気的に接続された第1ダイオードと、
カソードが前記第1ダイオードと前記第2コンデンサとの間に電気的に接続され、アノードが前記第1コンデンサと前記第1駆動回路との間に電気的に接続された第2ダイオードと、
を含む、駆動装置。
【請求項2】
前記第1スイッチ素子は、p型の半導体素子で構成され、
前記第2スイッチ素子は、n型の半導体素子で構成されている、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第3駆動回路は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの充電電圧を制御することで、前記第1駆動回路による前記第1スイッチ素子の駆動電圧を制御する、
請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第2駆動回路と、前記第3駆動回路とは、一体に構成されている、
請求項1または2に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つのn型半導体素子が直列に接続された出力回路を駆動させるスイッチ駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直列に接続された2つのn型半導体素子は、ブートストラップ方式の駆動装置で駆動させることができる。ここで、2つのn型半導体素子のうちハイサイド側のn型半導体素子をp型半導体素子に置き換えることが想定され得る。この場合、ブートストラップ方式では、p型半導体素子を適切に駆動させることができない可能性がある。
【0005】
本開示は、p型半導体素子を適切に駆動させることができる駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の駆動装置は、ハイサイド側の第1スイッチ素子のオンとオフとを制御する第1駆動回路と、ローサイド側の第2スイッチ素子のオンとオフとを制御する第2駆動回路と、前記第1駆動回路による前記第1スイッチ素子の駆動電圧を制御する第3駆動回路と、一端が入力電圧端子に接続され、他端が前記第1駆動回路に電気的に接続された第1コンデンサと、一端が前記第3駆動回路の出力端子に電気的に接続された第2コンデンサと、一端が前記入力電圧端子に電気的に接続され、他端が前記第2コンデンサの他端に電気的に接続された抵抗素子と、カソードが前記抵抗素子の一端に電気的に接続され、アノードが前記第2コンデンサの一端に電気的に接続された第1ダイオードと、カソードが前記第1ダイオードと前記第2コンデンサとの間に電気的に接続され、アノードが前記第1コンデンサと前記第1駆動回路との間に電気的に接続された第2ダイオードと、を含む。
【0007】
本開示の駆動装置において、前記第1スイッチ素子は、p型の半導体素子で構成され、
前記第2スイッチ素子は、n型の半導体素子で構成されている。
【0008】
本開示の駆動装置において、前記第3駆動回路は、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの充電電圧を制御することで、前記第1駆動回路による前記第1スイッチ素子の駆動電圧を制御する。
【0009】
本開示の駆動装置において、前記第2駆動回路と、前記第3駆動回路とは、一体に構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、p型半導体素子を適切に駆動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、比較例に係る電源装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るハイサイド側のスイッチ素子を制御する方法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るハイサイド側のスイッチ素子を制御する方法を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るハイサイド側のスイッチ素子を制御する方法を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
[比較例]
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の比較例について、説明する。
図1は、比較例に係る電源装置の構成例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、電源装置100aは、駆動装置10aと、コンデンサ2と、コンデンサ3と、スイッチ素子4と、スイッチ素子5と、インダクタ6と、を含む。電源装置100aは、降圧チョッパ回路である。
【0015】
駆動装置10aは、第1駆動回路11と、第2駆動回路12と、ダイオード21と、コンデンサ31と、抵抗素子41と、抵抗素子42と、抵抗素子43と、抵抗素子44とを、含む。駆動装置10aは、ブートストラップ方式によりスイッチ素子4と、スイッチ素子5と、のオン状態とオフ状態とを切り替える装置である。
【0016】
第1入力端子1aと、第2入力端子1bとの間には、入力電圧Vinが入力される。第2入力端子1bは、基準電位に電気的に接続されている。基準電位は、例えば、グラウンドであるが、これに限定されない。
【0017】
第3入力端子1cには、コントロール電圧Vccが入力される。第4入力端子1dには、第1パルス信号が入力される。第5入力端子1eには、第2パルス信号が入力される。
【0018】
第1出力端子1gと、第2出力端子1hとの間からは、出力電圧Voutが出力される。
【0019】
コンデンサ2の一端は、第1入力端子1aに電気的に接続されている。コンデンサ2の他端は、第2入力端子1bに電気的に接続されている。コンデンサ2は、入力電圧Vinを平滑化させる。
【0020】
コンデンサ3の一端は、第1出力端子1gに電気的に接続されている。コンデンサ3の他端は、基準電位に電気的に接続されている。コンデンサ3は、出力電圧Voutを平滑化させる。
【0021】
スイッチ素子4は、ハイサイド側に設けられている。スイッチ素子5は、ローサイド側に設けられている。スイッチ素子4は、第1スイッチ素子とも呼ばれる。スイッチ素子5は、第2スイッチ素子とも呼ばれる。スイッチ素子4およびスイッチ素子5は、n型半導体素子である。スイッチ素子4およびスイッチ素子5は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチ素子4およびスイッチ素子5は、積極的に電流を流すことができる寄生ダイオード(ボディダイオード)を有する、又は、逆並列にダイオードが接続されている。寄生ダイオードとは、MOSFETのバックゲートとソース及びドレインとの間のpn接合である。
【0022】
スイッチ素子4のドレイン端子は、第1入力端子1aに電気的に接続されている。スイッチ素子4のドレイン端子には、入力電圧Vinが入力される。スイッチ素子4のソース端子は、スイッチ素子5のドレイン端子に電気的に接続されている。
【0023】
スイッチ素子5のドレイン端子は、スイッチ素子4のソース端子に電気的に接続されている。スイッチ素子5のソース端子は、基準電位に電気的に接続されている。
【0024】
インダクタ6の一端は、スイッチ素子4のソース端子およびスイッチ素子5のドレイン端子に電気的に接続されている。インダクタ6の他端は、コンデンサ3に電気的に接続されている。コンデンサ3と、インダクタ6とは、フィルタ回路を構成している。
【0025】
第1駆動回路11は、スイッチ素子4を駆動させる回路である。第1駆動回路11は、IN端子と、GND端子と、VB端子と、Vs端子と、Ho端子とを、有する。
【0026】
第1駆動回路11のIN端子は、第4入力端子1dに電気的に接続されている。第1駆動回路11のIN端子には、第1パルス信号が入力される。
【0027】
第1駆動回路11のGND端子は、基準電位に電気的に接続されている。
【0028】
第1駆動回路11のVB端子は、ダイオード21のカソードに電気的に接続されている。ダイオード21のアノードは、第3入力端子1cに電気的に接続されている。第1駆動回路11のVB端子には、ダイオード21を介して、第1駆動回路11を起動させるためのコントロール電圧Vccが入力される。
【0029】
第1駆動回路11のVs端子は、スイッチ素子4のソース端子およびスイッチ素子5のドレイン端子に電気的に接続されている。第1駆動回路のVs端子は、スイッチ素子5がオン状態のとき、基準電位に電気的に接続される。
【0030】
第1駆動回路11は、第1駆動回路11のIN端子にハイレベルの第1パルス信号が入力された場合、ハイレベルの駆動信号を端子Hoから出力する。第1駆動回路11は、第1駆動回路11のIN端子にローレベルの第1パルス信号が入力された場合、ローレベルの駆動信号を端子Hoから出力する。
【0031】
第2駆動回路12は、スイッチ素子5を駆動させる回路である。第2駆動回路12は、IN端子と、GND端子と、Vcc端子と、Lo端子とを、有する。
【0032】
第2駆動回路12のIN端子は、第5入力端子1eに電気的に接続されている。第2駆動回路12のIN端子には、第2パルス信号が入力される。
【0033】
第2駆動回路12のGND端子は、基準電位に電気的に接続されている。
【0034】
第2駆動回路12のVcc端子は、第3入力端子1cに電気的に接続されている。第2駆動回路12のVcc端子には、第2駆動回路12を起動させるためのコントロール電圧Vccが入力される。
【0035】
第2駆動回路12は、第2駆動回路12のIN端子にハイレベルの第2パルス信号が入力された場合、ハイレベルの駆動信号を端子Loから出力する。第2駆動回路12は、第2駆動回路12のIN端子にローレベルの第2パルス信号が入力された場合、ローレベルの駆動信号を端子Loから出力する。
【0036】
ダイオード21のカソ-ドは、第1駆動回路11のVB端子およびコンデンサ31の一端に電気的に接続されている。ダイオード21のアノードは、第3入力端子1cに電気的に接続されている。ダイオード21は、コンデンサ31から第3入力端子1cに電流が逆流してしまうことを防止する。
【0037】
コンデンサ31の一端は、ダイオード21のカソードおよび第1駆動回路11のVB端子に電気的に接続されている。コンデンサ31の他端は、第1駆動回路11のVs端子に電気的に接続されている。コンデンサ31は、ダイオード21を介して、コントロール電圧Vccが充電される。
【0038】
抵抗素子41の一端は、第1駆動回路11のHo端子に電気的に接続されている。抵抗素子41の他端は、スイッチ素子4のゲート端子および抵抗素子42の一端に電気的に接続されている。
【0039】
抵抗素子42の一端は、スイッチ素子4のゲート端子および抵抗素子41の他端に電気的に接続されている。抵抗素子42の他端は、第1駆動回路11のVs端子に電気的に接続されている。
【0040】
抵抗素子41と、抵抗素子42とは、第1駆動回路11のHo端子から出力された駆動信号を分圧した分圧電圧をスイッチ素子4のゲート端子に出力する。
【0041】
抵抗素子43の一端は、第2駆動回路12のLo端子に電気的に接続されている。抵抗素子43の他端は、スイッチ素子5のゲート端子および抵抗素子44の一端に電気的に接続されている。
【0042】
抵抗素子44の一端は、スイッチ素子5のゲート端子および抵抗素子43の他端に電気的に接続されている。抵抗素子44の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
【0043】
抵抗素子43と、抵抗素子44とは、第2駆動回路12のLo端子から出力された駆動信号を分圧した分圧電圧をスイッチ素子4のゲート端子に出力する。
【0044】
(駆動回路の動作)
駆動装置10aがスイッチ素子4と、スイッチ素子5とを駆動させる方法について説明する。
【0045】
第1駆動回路11および第2駆動回路12にコントロール電圧Vccが入力される前の初期状態では、スイッチ素子4およびスイッチ素子5は、オフ状態である。初期状態では、第1駆動回路11のIN端子には、ローレベルの第1パルス信号が入力され、第2駆動回路12のIN端子には、ローレベルの第2パルス信号が入力される。
【0046】
第1駆動回路11および第2駆動回路12は、それぞれ、IN端子にコントロール電圧Vccが入力されると起動する。このとき、スイッチ素子5がオフ状態であるため、コンデンサ31は、基準電位に電気的に接続されていない。そのため、コンデンサ31は、コントロール電圧Vccにより充電されない。
【0047】
第2駆動回路12が起動した後、第2駆動回路12のIN端子にハイレベルの第2パルス信号が入力されると、第2駆動回路12は、Lo端子からスイッチ素子5に向けてハイレベルの駆動信号を出力する。これにより、スイッチ素子5がオン状態となるので、第1駆動回路11のVs端子と基準電位とが電気的に接続される。
【0048】
スイッチ素子5がオン状態となると、コンデンサ31は基準電位に電気的に接続されるので、コンデンサ31は、コントロール電圧Vccにより充電される。ここで、コンデンサ31の充電電圧が、コントロール電圧Vccの電圧に達するまで、スイッチ素子5のオン状態は継続する。
【0049】
第1駆動回路11および第2駆動回路12へのコントロール電圧Vccの入力が停止すると、スイッチ素子5はオフ状態となる。スイッチ素子5がオフ状態となると、コンデンサ31は、充電電圧を第1駆動回路11のVB端子に出力する。このとき、ダイオード21は、第3入力端子1cにコンデンサ31の充電電圧が入力されてしまうことを防止する。
【0050】
第1駆動回路11は、VB端子にコンデンサ31の充電電圧が入力されると、起動する。そのため、第1駆動回路11のIN端子にハイレベルの第1パルス信号が入力されると、Ho端子からスイッチ素子4に向けてハイレベルの駆動信号を出力する。これにより、スイッチ素子4はオン状態となる。その後、スイッチ素子4がオフ状態になると、初期状態に戻る。
【0051】
比較例の駆動装置10aは、上記の動作を繰り返すことにより、それぞれがn型半導体から構成されたスイッチ素子4およびスイッチ素子5のオン状態とオフ状態とを制御することができる。しかしながら、比較例に係る駆動装置10aは、ハイサイド側のスイッチ素子4がp型半導体から構成されている場合には、第1入力端子1aを基準に電源を構成する必要が有るため、スイッチ素子4のオン状態とオフ状態とを適切に切り替えることができない可能性がある。そこで、本開示では、ハイサイド側のスイッチ素子がp型半導体で構成されている場合であっても、適切にオン状態とオフ状態とを制御することのできる、駆動装置を提供する。
【0052】
[第1実施形態]
図2を用いて、第1実施形態に係る電源装置の構成例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【0053】
以下では、
図1に示す比較例と同等の構成については、適宜説明を省略する。
【0054】
図2に示すように、電源装置100は、駆動装置10と、コンデンサ2と、コンデンサ3と、スイッチ素子4Aと、スイッチ素子5と、インダクタ6と、を含む。電源装置100は、降圧チョッパ回路である。
【0055】
駆動装置10は、第1駆動回路11と、第2駆動回路12と、第3駆動回路13と、ダイオード51と、ダイオード52と、コンデンサ61と、コンデンサ62と、抵抗素子71と、抵抗素子72と、抵抗素子73と、抵抗素子74と、抵抗素子75と、を含む。
【0056】
駆動装置10は、スイッチ素子4Aと、スイッチ素子5とを駆動させる装置である。本実施形態は、スイッチ素子4Aはp型半導体から構成され、スイッチ素子5はn型半導体で構成されているものとする。
【0057】
第1駆動回路11は、スイッチ素子4Aを駆動させる回路である。
【0058】
第1駆動回路11のVB端子は、コンデンサ61の一端に電気的に接続されている。
【0059】
第1駆動回路11のVs端子は、ダイオード52のアノードおよびコンデンサ61の他端に電気的に接続されている。
【0060】
第3駆動回路13は、ロ-サイド側に設けられている。第3駆動回路13は、第1駆動回路11によるスイッチ素子4Aの駆動電圧を制御する。第3駆動回路13は、IN端子と、GND端子と、Vcc端子と、Lo端子とを、有する。
【0061】
第3駆動回路のIN端子は、第6入力端子1fに電気的に接続されている。第6入力端子1fには、第3パルス信号が入力される。第3駆動信号のIN端子には、第3パルス信号が入力される。
【0062】
第3駆動回路のGND端子は、基準電位に電気的に接続されている。
【0063】
第3駆動回路13のVcc端子は第3入力端子1cに電気的に接続されている。第3駆動回路13のVcc端子には、第3駆動回路13を駆動させるための、コントロール電圧Vccが入力される。
【0064】
第3駆動回路13は、第3駆動回路13のIN端子にハイレベルの第3パルス信号が入力された場合、ハイレベルの制御信号を端子Loから出力する。第3駆動回路13は、第3駆動回路13のIN端子にローレベルの第3パルス信号が入力された場合、ローレベルの駆動信号を端子Loから出力する。
【0065】
ダイオード51のカソードは、抵抗素子75の他端および第1入力端子1aに電気的に接続されている。ダイオード51のアノードは、ダイオード52のカソードに電気的に接続されている。ダイオード51は、第1ダイオードとも呼ばれる。
【0066】
ダイオード52のカソードは、ダイオード51のアノード、コンデンサ62の一端、および抵抗素子75の一端に電気的に接続されている。ダイオード52のアノードは、第1駆動回路11のVs端子に電気的に接続されている。ダイオード52は、第2ダイオードとも呼ばれる。
【0067】
コンデンサ61の一端は、第1入力端子1aおよび第1駆動回路11のVB端子に電気的に接続されている。コンデンサ61の他端は、ダイオード52のアノードに電気的に接続されている。コンデンサ61は、第1コンデンサとも呼ばれる。
【0068】
コンデンサ62の一端は、ダイオード52のカソードに電気的に接続されている。コンデンサ62の他端は、第3駆動回路13のLo端子に電気的に接続されている。コンデンサ62は、第2コンデンサとも呼ばれる。
【0069】
抵抗素子71の一端は、第1駆動回路11のHo端子に電気的に接続されている。抵抗素子72の他端は、抵抗素子72の一端およびスイッチ素子4Aのゲート端子に電気的に接続されている。
【0070】
抵抗素子72の一端は、抵抗素子71の他端およびスイッチ素子4Aのゲート端子に電気的に接続されている。抵抗素子72の他端は、第1駆動回路11のVB端子に電気的に接続されている。
【0071】
抵抗素子73の一端は、第2駆動回路12のLo端子に電気的に接続されている。抵抗素子73の他端は、抵抗素子74の一端およびスイッチ素子5のゲート端子に電気的に接続されている。
【0072】
抵抗素子74の一端は、抵抗素子73の他端およびスイッチ素子5のゲート端子に電気的に接続されている。抵抗素子74の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
【0073】
(駆動回路の動作)
図3と、
図4と、
図5とを用いて、駆動装置10がスイッチ素子4Aを駆動させる方法について説明する。
図3から
図5は、第1実施形態に係るハイサイド側のスイッチ素子を制御する方法を説明するための図である。第1実施形態では、第3駆動回路13を用いて、スイッチ素子4Aのオン状態とオフ状態とを制御する。
【0074】
図3に示すように、第1入力端子1aに入力電圧Vinが入力されると、矢印201で示すように、第1入力端子1a→抵抗素子75→コンデンサ62の順に電流が流れる。このとき、第3駆動回路13のIN端子にローレベルの第3パルス信号が入力され、第3駆動回路13はLo端子からローレベルの駆動信号を出力しているとする。この場合、コンデンサ62には、入力電圧Vinが入力される。そして、コンデンサ62の充電電圧の電圧値は、Vinとなる。
【0075】
次に、
図4に示すように、第3駆動回路13のVcc端子にコントロール電圧Vccが入力され、かつ第3駆動回路13のIN端子にハイレベルの第3パルス信号が入力される。このとき、第3駆動回路13は、Lo端子から電圧値がVccのハイレベルの駆動信号をコンデンサ62に向けて出力する。コンデンサ62は、矢印202で示すように、充電されている電圧Vinのうち、Vcc分だけ第1入力端子1aに向けて放電する。この場合、コンデンサ62の充電電圧の電圧値は(Vin-Vcc)となる。
【0076】
次に、
図5に示すように、第3駆動回路13は、Lo端子からローレベルの駆動信号を出力する。この場合、コンデンサ61には、入力電圧Vinと、コンデンサ62に充電されている(Vin-Vcc)の差分であるVccの電圧が印加される。これにより、コンデンサ61の初期電圧にVccが加算される。入力電圧Vinは、矢印203および矢印204で示すように、コンデンサ61とコンデンサ62とのそれぞれに静電容量に応じて、コンデンサ61とコンデンサ62とに分け合って充電される。すなわち、第1実施形態は、第3駆動回路13と、コンデンサ62とを用いて、コンデンサ61の充電電圧の電圧値を制御することができる。第3駆動回路13がローレベルの駆動信号を続けることで、コンデンサ61の充電電圧はVccとなる。このとき、コンデンサ62の充電電圧はVinとなり
図3に戻る。
【0077】
上述のとおり、第1実施形態では、第3駆動回路13とコンデンサ62とを用いることにより、コンデンサ61の充電電圧の電圧値を制御することができる。第1実施形態は、コンデンサ61の充電電圧の電圧値を制御することで、第1駆動回路11がスイッチ素子4Aを駆動させるために必要な駆動電圧を確保することができる。これにより、第1実施形態は、ブートストラップ方式により、高い駆動電圧が必要なp型半導体素子から構成されたスイッチ素子4Aを適切に制御することができる。
【0078】
[第2実施形態]
図6を用いて、第2実施形態に係る電源装置の構成例について説明する。
図6は、第2実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【0079】
図6に示すように、電源装置100Aは、駆動装置10Aと、コンデンサ2と、コンデンサ3と、スイッチ素子4と、スイッチ素子5と、インダクタ6と、を含む。電源装置100aは、降圧チョッパ回路である。
【0080】
図6に示すように、駆動装置10Aは、第1駆動回路11と、第2駆動回路12Aと、ダイオード51と、ダイオード52と、コンデンサ61と、コンデンサ62と、抵抗素子71と、抵抗素子72と、抵抗素子73と、抵抗素子74と、抵抗素子75と、を含む。
【0081】
駆動装置10Aは、
図2に示す、第2駆動回路12と、第3駆動回路13とが一体化された第2駆動回路12Aを備える点で、駆動装置10と異なる。
【0082】
図6に示す例では、コンデンサ62の一端は、ダイオード52のカソードに電気的に接続されている。コンデンサ62の他端は、第2駆動回路12AのLo端子に電気的に接続されている。すなわち、第2実施形態では、第2駆動回路12Aとコンデンサ62とを用いることにより、コンデンサ61の充電電圧の電圧値を制御することができる。これにより、第2実施形態は、ブートストラップ方式により、高い駆動電圧が必要なp型半導体素子から構成されたスイッチ素子4Aを適切に制御することができる。
【0083】
[第3実施形態]
図7を用いて、第3実施形態に係る電源装置の構成例について説明する。
図7は、第3実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【0084】
図7に示すように、電源装置100Bは、駆動装置10と、コンデンサ2と、コンデンサ3と、スイッチ素子4Aと、スイッチ素子5と、インダクタ6と、コンデンサ7と、トランス80と、整流回路90とを含む。電源装置100Bは、DC-DCコンバータである。
【0085】
インダクタ6の一端は、スイッチ素子4Aのソース端子およびスイッチ素子5のドレイン端子に、電気的に接続されている。インダクタ6の他端は、コンデンサ7の一端に電気的に接続されている。コンデンサ7の他端は、トランス80に電気的に接続されている。
【0086】
トランス80は、1次巻線81と、2次巻線82と、コア83と、を含む。1次巻線81および2次巻線82は、コア83に巻回されている。
【0087】
1次巻線81の一端は、コンデンサ7の他端に電気的に接続されている。1次巻線81の他端は、基準電位に電気的に接続されている。
【0088】
整流回路90は、ダイオード91と、ダイオード92とを含む。
【0089】
ダイオード91のアノードは、2次巻線82の一端に電気的に接続されている。ダイオード92のアノードは、2次巻線82の他端に電気的に接続されている。ダイオード91のカソードおよびダイオード92のカソードは、コンデンサ3の一端に電気的に接続されている。コンデンサ3の他端は、2次巻線82の中点に電気的に接続されている。
【0090】
整流回路90は、2次巻線82に励磁される電圧を整流して、コンデンサ3に出力する。コンデンサ3は、整流回路90で整流された電圧を平滑化する。
【0091】
上述のとおり、本開示は、DC-DCコンバ-タに適用することができる。
【0092】
[第4実施形態]
図8を用いて、第4実施形態に係る電源装置の構成例について説明する。
図8は、第4実施形態に係る電源装置の構成例を示す図である。
【0093】
図8に示すように、電源装置100Cは、駆動装置10-1と、駆動装置10-2と、駆動装置10-3と、コンデンサ2-1と、コンデンサ2-2と、コンデンサ2-3と、スイッチ素子4A-1と、スイッチ素子4A-2と、スイッチ素子4A-3と、スイッチ素子5-1と、スイッチ素子5-2と、スイッチ素子5-3と、を含む。スイッチ素子4A-1と、スイッチ素子5-1とは、U相のア-ム回路を構成する。スイッチ素子4A-2と、スイッチ素子5-2とは、V相のア-ム回路を構成する。スイッチ素子4A-3と、スイッチ素子5-3は、W相のア-ム回路を構成する。すなわち、電源装置100Cは、3相のブリッジ回路を含むDC-DCコンバ-タである。
【0094】
駆動装置10-1は、第1駆動回路11-1と、第2駆動回路12-1と、第3駆動回路13-1と、ダイオード51-1と、ダイオード52-1と、コンデンサ61-1と、コンデンサ62-1と、抵抗素子71-1と、抵抗素子72-1と、抵抗素子73-1と、抵抗素子74-1と、抵抗素子75-1と、を含む。駆動装置10-1は、
図2に示す駆動装置10と同一の構成を有する。
【0095】
第1駆動回路11-1のIN端子は、第4入力端子1d-1に電気的に接続されている。第1駆動回路11-1のIN端子には、第1パルス信号が入力される。
【0096】
第2駆動回路12-1のIN端子は、第5入力端子1e-1に電気的に接続されている。第2駆動回路12-1のIN端子には、第2パルス信号が入力される。
【0097】
第3駆動回路13-1のIN端子は、第6入力端子1f-1に電気的に接続されている。第3駆動回路13-1のIN端子には、第3パルス信号が入力される。
【0098】
駆動装置10-1は、スイッチ素子4A-1およびスイッチ素子5-1のオン状態とオフ状態とを制御する。スイッチ素子4A-1のソース端子と、スイッチ素子5-1のドレイン端子とは、第3出力端子1iに電気的に接続されている。第3出力端子1iは、モータ110に電気的に接続されている。駆動装置10-1は、スイッチ素子4A-1およびスイッチ素子5-1を制御して、第3出力端子1iからU相の電流をモータ110に出力する。
【0099】
駆動装置10-2は、第1駆動回路11-2と、第2駆動回路12-2と、第3駆動回路13-2と、ダイオード51-2と、ダイオード52-2と、コンデンサ61-2と、コンデンサ62-2と、抵抗素子71-2と、抵抗素子72-2と、抵抗素子73-2と、抵抗素子74-2と、抵抗素子75-2と、を含む。駆動装置10-2は、
図2に示す駆動装置10と同一の構成を有する。
【0100】
第1駆動回路11-2のIN端子は、第4入力端子1d-2に電気的に接続されている。第1駆動回路11-2のIN端子には、第1パルス信号が入力される。
【0101】
第2駆動回路12-2のIN端子は、第5入力端子1e-2に電気的に接続されている。第2駆動回路12-2のIN端子には、第2パルス信号が入力される。
【0102】
第3駆動回路13-2のIN端子は、第6入力端子1f-2に電気的に接続されている。第3駆動回路13-2のIN端子には、第3パルス信号が入力される。
【0103】
駆動装置10-2は、スイッチ素子4A-2およびスイッチ素子5-2のオン状態とオフ状態とを制御する。スイッチ素子4A-2のソース端子と、スイッチ素子5-2のドレイン端子とは、第4出力端子1jに電気的に接続されている。第4出力端子1jは、モータ110に電気的に接続されている。駆動装置10-2は、スイッチ素子4A-2およびスイッチ素子5-2を制御して、第4出力端子1jからV相の電流をモータ110に出力する。
【0104】
駆動装置10-3は、第1駆動回路11-3と、第2駆動回路12-3と、第3駆動回路13-3と、ダイオード51-3と、ダイオード52-3と、コンデンサ61-3と、コンデンサ62-3と、抵抗素子71-3と、抵抗素子72-3と、抵抗素子73-3と、抵抗素子74-3と、抵抗素子75-3と、を含む。駆動装置10-3は、
図2に示す駆動装置10と同一の構成を有する。
【0105】
第1駆動回路11-3のIN端子は、第4入力端子1d-3に電気的に接続されている。第1駆動回路11-3のIN端子には、第1パルス信号が入力される。
【0106】
第2駆動回路12-3のIN端子は、第5入力端子1e-3に電気的に接続されている。第2駆動回路12-3のIN端子には、第2パルス信号が入力される。
【0107】
第3駆動回路13-3のIN端子は、第6入力端子1f-3に電気的に接続されている。第3駆動回路13―3のIN端子には、第3パルス信号が入力される。
【0108】
駆動装置10-3は、スイッチ素子4A-3およびスイッチ素子5-3のオン状態とオフ状態とを制御する。スイッチ素子4A-3のソース端子と、スイッチ素子5-3のドレイン端子とは、第5出力端子1kに電気的に接続されている。第5出力端子1kは、モータ110に電気的に接続されている。駆動装置10-3は、スイッチ素子4A-3およびスイッチ素子5-3を制御して、第5出力端子1kからW相の電流をモータ110に出力する。
【0109】
上述のとおり、本開示は、3相のDC-DCコンバ-タに適用することができる。
【0110】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0111】
1a 第1入力端子
1b 第2入力端子
1c 第3入力端子
1d,1d-1,1d-2,1d-3 第4入力端子
1e,1e-1,1e-2,1e-3 第5入力端子
1f,1f-1,1f-2,1f-3 第6入力端子
1g 第1出力端子
1h 第2出力端子
1i 第3出力端子
1j 第4出力端子
1k 第5出力端子
2,3,7,31,61,62 コンデンサ
4,4A,5 スイッチ素子
6 インダクタ
10,10a,10A,10-1,10-2,10-3 駆動装置
11 第1駆動回路
12,12A 第2駆動回路
13 第3駆動回路
21,51,52,91,92 ダイオード
41,42,43,44,71,72,73,74,75 抵抗素子
80 トランス
81 1次巻線
82 2次巻線
83 コア
90 整流回路
100,100a,100A,100B,100C 電源装置
110 モータ