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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012739
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】搬送システム及び送信機
(51)【国際特許分類】
   B64D 1/22 20060101AFI20240124BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240124BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240124BHJP
   B64D 45/00 20060101ALI20240124BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20240124BHJP
【FI】
B64D1/22
B64C27/08
B64C39/02
B64D45/00 A
B64F1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114446
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】519015117
【氏名又は名称】株式会社SkyDrive
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】野村 敦
(57)【要約】
【課題】ホイスト装置の操作ミスの発生を低減することのできる搬送システム及び送信機を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、搬送システムが提供される。この搬送システムは、飛行体と、地上局と、ホイスト装置と、送信機と、報知装置とを備える。飛行体は、空中で静止可能に構成される。地上局は、地上に配設され、飛行体と相互に無線通信を行う。ホイスト装置は、飛行体に配設され、ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げとを行って、荷物を吊り下げ可能に構成される。送信機は、ホイスト装置に対してホイストケーブルの巻き上げと巻き下げと行わせる指示を送信する。報知装置は、指示が送信されている状態を報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送システムであって、
飛行体と、地上局と、ホイスト装置と、送信機と、報知装置とを備え、
前記飛行体は、空中で静止可能に構成され、
前記地上局は、地上に配設され、前記飛行体と相互に無線通信を行い、
前記ホイスト装置は、前記飛行体に配設され、ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げとを行って、荷物を吊り下げ可能に構成され、
前記送信機は、前記ホイスト装置に対して前記ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げと行わせる指示を送信し、
前記報知装置は、前記指示が送信されている状態を報知する
搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、前記送信機に配設され、該送信機に対する操作を検知して報知を行う
搬送システム。
【請求項3】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、前記地上局に配設され、前記送信機が送出する電波を傍受して報知を行う
搬送システム。
【請求項4】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、前記地上局に配設され、
前記ホイスト装置は、動作状態を前記飛行体に通知し、
前記飛行体は、前記ホイスト装置から通知された動作状態を前記地上局に通知し、
前記地上局は、前記飛行体から通知された動作状態に応じて、前記報知装置を動作させる
搬送システム。
【請求項5】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、音を発生して報知を行う
搬送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、前記送信機により前記ホイストケーブルの巻き上げの指示が送信された場合と、前記送信機により前記ホイストケーブルの巻き下げの指示が送信された場合とで、異なる音を発生する
搬送システム。
【請求項7】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記報知装置は、振動を発生して報知を行う
搬送システム。
【請求項8】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記送信機は、操作部と、生成部と、送信部とを備え、
前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、
前記生成部は、前記操作量が所定量以上の場合に、該操作量に応じた指示信号を生成し、
前記送信部は、前記指示信号を前記指示として前記ホイスト装置に送信する
搬送システム。
【請求項9】
ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、
操作部と、生成部と、送信部と、報知部とを備え、
前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、
前記生成部は、前記操作量に応じた指示信号を生成し、
前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信し、
前記報知部は、前記送信部が前記動作指示を送信している際に報知を行う
送信機。
【請求項10】
ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、
操作部と、生成部と、送信部と、報知部とを備え、
前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、
前記生成部は、前記操作量に応じた指示信号を生成し、
前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信し、
前記報知部は、前記操作部が前記操作者による操作を受け付けている際に報知を行う
送信機。
【請求項11】
ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、
操作部と、生成部と、送信部とを備え、
前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、
前記生成部は、前記操作量が所定量以上の場合に、該操作量に応じた指示信号を生成し、
前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信する
送信機。
【請求項12】
請求項11に記載の送信機において、
報知部を備え、
前記報知部は、前記送信部が前記動作指示を送信している際又は前記操作部が前記操作者による操作を受け付けている際に報知を行う
送信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム及び送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチコプター等の飛行体は、物資輸送、荷物の運搬、配達など、さまざまなペイロードの運搬に使用される。例えば、マルチコプターは、山岳地帯など道路が存在せず、地上からのアクセスが困難な場所への運搬や、その上空を経由して荷物を輸送するために使用される。また、土木、建設のための資材運搬の場合、数十kgに達する重量物を輸送する必要が生じることもある。ホイスト装置を搭載したマルチコプターにより重量物の運搬することで、地上からのアクセスが困難な場所へ重量物を吊り下げて飛行し、ホイスト装置により着陸することなく重量物を下ろして運搬することが可能となる。マルチコプターは、荷物を着陸困難な場所へ荷降ろしするとき、ホイスト装置よりホイストケーブルの巻き上げにより、荷物を吊り下げて移動し、ホイストケーブルの巻き下げにより荷物を下降させる。
【0003】
ホイスト装置は、送信機を用いて無線により操作されるが、その際には、ホイスト装置は上空に位置しているため、操作者からの視認が困難な場合があり、過剰な巻き上げ等のミスを生じさせる場合がある。また、操作者は、ホイスト装置の操作に際してホイスト装置を凝視していることが多く、操作している送信機の上位を十分に確認できない場合もある。なお、ホイスト装置の送信機は、例えば、ラジコン操作用の送信機(例えば、特許文献1を参照)と、類似するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-088536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、ホイスト装置の操作は、操作者による操作ミスが生じやすい環境であるが、この操作ミスは、危険な状況を生じさせることがある。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、ホイスト装置の操作ミスの発生を低減することのできる搬送システム及び送信機を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、搬送システムが提供される。この搬送システムは、飛行体と、地上局と、ホイスト装置と、送信機と、報知装置とを備える。飛行体は、空中で静止可能に構成される。地上局は、地上に配設され、飛行体と相互に無線通信を行う。ホイスト装置は、飛行体に配設され、ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げとを行って、荷物を吊り下げ可能に構成される。送信機は、ホイスト装置に対してホイストケーブルの巻き上げと巻き下げと行わせる指示を送信する。報知装置は、指示が送信されている状態を報知する。
【0008】
本発明の一態様によれば、ホイスト装置の操作ミスの発生を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】搬送システム1の概要を示した図である。
図2】送信機5の構成例を示した図である。
図3】送信機5の外観を示した図である。
図4】送信機5の外観を示した図である。
図5】指示信号の生成を説明するための図である。
図6】送信機55の構成例を示した図である。
図7】地上局30の構成例を示した図である。
図8】ホイスト装置40と飛行体20と地上局35の構成例を示した図である。
図9】報知装置60の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.搬送システムの概要
図1は、搬送システム1の概要を示した図である。同図に示すように、搬送システム1は、飛行体2と、地上局3と、ホイスト装置4と、送信機5と、報知装置6とを備える。
【0015】
飛行体2は、例えば、マルチコプターであり、空中で静止可能、つまり、ホバリング等を行うことができるように構成されたものである。地上局3は、地上に配設され、飛行体2と相互に無線通信を行い、飛行体2への飛行指示を送信したり、飛行体2の状態を示す情報等を受信したりする。
【0016】
ホイスト装置4は、飛行体2に配設され、ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げとを行って、荷物を吊り下げ可能に構成される。送信機5は、ホイスト装置4に対してホイストケーブルの巻き上げと巻き下げと行わせる指示を送信するものである。
【0017】
報知装置6は、送信機5によりホイスト装置4に対する指示が送信されている状態を報知する。例えば、報知装置6は、音を発生して送信機5によりホイスト装置4に対する指示が送信されている状態の報知を行う。このとき、報知装置6は、送信機5によりホイストケーブルの巻き上げの指示が送信された場合と、送信機5によりホイストケーブルの巻き下げの指示が送信された場合とで、異なる音を発生するようにしてもよい。また、報知装置6は、振動を発生して送信機5によりホイスト装置4に対する指示が送信されている状態の報知を行うようにしてもよい。なお、報知装置6は、地上局3又は送信機5に組み込まれる場合があるが、これらについては後述する。
【0018】
2.送信機5の構成例
図2は、送信機5の構成例を示した図である。同図に示すように、送信機5は、操作部51と、生成部52と、送信部53とを備える。操作部51は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力する。ここで、操作部51の例について説明する。図3及び図4は、送信機5の外観を示した図である。図3に示す送信機5は、把持部501とダイヤル502を備え、ダイヤル502にはマーカー503が付されている。ダイヤル502は、図中の矢印Aの方向に回転可能であり、マーカー503が図3に示す位置にある場合を中立点としている。ダイヤル502が中立点に位置している場合には、操作者による操作が無い状態となる。操作者がダイヤル502を右回転させた場合には、ホイスト装置4を巻き上げる操作となり、操作者がダイヤル502を左回転させた場合には、ホイスト装置4を巻き下げる操作となる。また、図4に示す送信機5'は、送信機5と同様の機能を有するものであり、把持部504とレバー505とを備えている。レバー505は、図中の矢印Bの方向に傾斜可能であり、操作者がレバー505を図中の右側に傾斜させた場合には、ホイスト装置4を巻き上げる操作となり、操作者がレバー505を図中の左側に傾斜させた場合には、ホイスト装置4を巻き下げる操作となる。レバー505が正立している場合には、操作者による操作が無い状態となる。
【0019】
生成部52は、操作者による操作部51に対する操作の操作量に応じた指示信号を生成する。例えば、操作者がダイヤル502を最大限右に回した場合には、生成部52は、ホイスト装置4に最高速度での巻き上げを指示する指示信号を生成する。送信部53は、生成部52が生成した指示信号を指示としてホイスト装置に送信する。
【0020】
ところで、生成部52は、操作量が所定量以上の場合に、その操作量に応じた指示信号を生成するようにすることもできる。この点について、図5を参照して説明する。図5は、指示信号の生成を説明するための図である。図5において、操作量の軸は、正の値が巻き上げ操作の操作量、例えば、ダイヤル502を右回転させた操作量であり、負の値が巻き下げ操作の操作量、例えば、ダイヤル502を左回転させた操作量である。また、巻き上げ指示の軸は、正の値が巻き上げの速度を示し、負の値が巻き下げの速度を示す。生成部52は、操作量が所定量以上の場合に、その操作量に応じた指示信号を生成する場合、図5に実線で示したように、操作量が所定量未満の場合には、巻き上げ指示と巻き下げ指示とのいずれも行わない。つまり、指示信号を生成しない。これにより、操作者が飛行体2を凝視して、手元の送信機5を見ていない場合に、操作を停止したつもりであっても実際には操作を継続していたといったミスを低減することができる。なお、生成部52は、図5に破線で示すように、操作量が所定量未満の場合でも、指示信号を生成するようにしてもよい。
【0021】
3.送信機5に報知装置6を配設した場合
次に、報知装置6が、送信機5に配設され、該送信機に対する操作を検知して報知を行う場合を説明する。図6は、送信機55の構成例を示した図である。なお、送信機55は、報知装置6に相当するものを、送信機5に配設したものに相当する。
【0022】
図6に示すように、送信機55は、操作部56と、生成部57と、送信部58と、報知部59とを備える。操作部56は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力するもので、操作部51に相当するものである。生成部57は、操作量に応じた指示信号を生成するもので、生成部52に相当するものである。送信部58は、指示信号をホイスト装置4への動作指示として該ホイスト装置4に送信するもので、送信部53に相当するものである。報知部59は、報知装置6に相当するもので、送信部58が動作指示を送信している際に報知を行う。実際には、操作部56が操作者からの操作を受け付けた場合には、操作部56と生成部57と送信部58とが連動するため、報知部59は、送信部58が動作指示を送信している際又は操作部56が操作者による操作を受け付けている際に報知を行うものとなる。なお、図6においては、報知部59は、生成部57が生成した指示信号を取得して報知を行うものとして、この指示信号の流れを実線で示している。
【0023】
報知部59が操作部56の出力する操作量を取得して報知を行う場合は、図中に一点鎖線で示すような信号の流れとなる。また、報知部59が送信部58の動作信号を取得して報知を行う場合は、図中に二点鎖線で示すような信号の流れとなる。なお、生成部57が、操作量が所定量以上の場合に、その操作量に応じた指示信号を生成する場合には、操作部56の出力する操作量を取得して報知を行うと、送信部58が動作指示を送信していなくても、操作部56が操作者からの操作を受け付けていれば、報知部59による報知が行われることになる。
【0024】
4.地上局3に報知装置6を配設した場合1
次に、報知装置6が、地上局3に配設され、送信機5が送出する電波を傍受して報知を行う場合を説明する。図7は、地上局30の構成例を示した図である。なお、地上局30は、報知装置6に相当するものを、地上局3に配設したものに相当する。
【0025】
図7に示すように、地上局30は、受信部31と、報知部32とを備える。なお、図7においては、飛行体2と通信を行う構成及び飛行体2を制御するための構成については省略している。受信部31は、送信機5がホイスト装置4に向けて送出する電波Rを傍受する。報知部32は、報知装置6に相当するもので、受信部31が電波Rを傍受している間に報知を行う。
【0026】
5.地上局3に報知装置6を配設した場合2
次に、報知装置6が、地上局3に配設され、地上局3が、飛行体2から通知された動作状態に応じて、報知装置6を動作させる場合を説明する。図8は、ホイスト装置40と飛行体20と地上局35の構成例を示した図である。なお、ホイスト装置40と飛行体20は、それぞれ、ホイスト装置4と飛行体2に対応し、地上局35は、報知装置6に相当するものを、地上局3に配設したものに相当する。
【0027】
ホイスト装置40は、通知部41を備える。通知部41は、ホイスト装置40の動作状態を飛行体20に通知する。動作状態は、ホイスト装置40が巻き上げを行っている状態と、巻き下げを行っている状態を示す情報である。なお、図8においては、送信機5からの指示を受信する構成及びホイストケーブルを制御する構成等については省略している。飛行体20は、状態取得部21と、送受信部22とを備える。状態取得部21は、通知部41から通知された動作状態を取得する。送受信部22は、地上局35から、飛行体20を制御するための情報を取得するとともに、飛行体20の状態を地上局35に通知する。このとき、送受信部22は、ホイスト装置40から通知された動作状態を地上局35に通知する。なお、図8においては、飛行体20の飛行を制御する構成等については省略している。
【0028】
地上局35は、送受信部36と報知部37とを備える。送受信部36は、飛行体20を制御するための情報を、飛行体20へ通知するとともに、飛行体20から、その状態を取得する。このとき、送受信部36は、ホイスト装置40の動作状態も取得する。報知部37は、報知装置6に相当するもので、送受信部36が取得したホイスト装置40の動作状態に応じて、ホイスト装置40が動作している間に報知を行う。なお、図8においては、飛行体20を制御するための構成等については省略している。
【0029】
6.報知装置6を独立した装置とする場合
次に、報知装置6を他の装置に配設せずに、独立した状態で用いる場合を説明する。図9は、報知装置60の構成例を示した図である。なお、報知装置60は、報知装置6に相当するものである。
【0030】
図9に示すように、報知装置60は、受信部61と、報知部62とを備える。受信部61は、送信機5がホイスト装置4に向けて送出する電波Rを傍受する。報知部62は、受信部61が電波Rを傍受している間に報知を行う。なお、この報知装置60は、ホイスト装置4を操作する操作者に装着されることを想定したもので、例えば、ポケットの内部に挿入されたり、ネックストラップ等より吊るされたりするものである。
【0031】
7.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0032】
(1)搬送システムであって、飛行体と、地上局と、ホイスト装置と、送信機と、報知装置とを備え、前記飛行体は、空中で静止可能に構成され、前記地上局は、地上に配設され、前記飛行体と相互に無線通信を行い、前記ホイスト装置は、前記飛行体に配設され、ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げとを行って、荷物を吊り下げ可能に構成され、前記送信機は、前記ホイスト装置に対して前記ホイストケーブルの巻き上げと巻き下げと行わせる指示を送信し、前記報知装置は、前記指示が送信されている状態を報知する搬送システム。
【0033】
(2)上記(1)に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、前記送信機に配設され、該送信機に対する操作を検知して報知を行う搬送システム。
【0034】
(3)上記(1)に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、前記地上局に配設され、前記送信機が送出する電波を傍受して報知を行う搬送システム。
【0035】
(4)上記(1)に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、前記地上局に配設され、前記ホイスト装置は、動作状態を前記飛行体に通知し、前記飛行体は、前記ホイスト装置から通知された動作状態を前記地上局に通知し、前記地上局は、前記飛行体から通知された動作状態に応じて、前記報知装置を動作させる搬送システム。
【0036】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、音を発生して報知を行う搬送システム。
【0037】
(6)上記(5)に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、前記送信機により前記ホイストケーブルの巻き上げの指示が送信された場合と、前記送信機により前記ホイストケーブルの巻き下げの指示が送信された場合とで、異なる音を発生する搬送システム。
【0038】
(7)上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記報知装置は、振動を発生して報知を行う搬送システム。
【0039】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の搬送システムにおいて、前記送信機は、操作部と、生成部と、送信部とを備え、前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、前記生成部は、前記操作量が所定量以上の場合に、該操作量に応じた指示信号を生成し、前記送信部は、前記指示信号を前記指示として前記ホイスト装置に送信する搬送システム。
【0040】
(9)ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、操作部と、生成部と、送信部と、報知部とを備え、前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、前記生成部は、前記操作量に応じた指示信号を生成し、前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信し、前記報知部は、前記送信部が前記動作指示を送信している際に報知を行う送信機。
【0041】
(10)ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、操作部と、生成部と、送信部と、報知部とを備え、前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、前記生成部は、前記操作量に応じた指示信号を生成し、前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信し、前記報知部は、前記操作部が前記操作者による操作を受け付けている際に報知を行う送信機。
【0042】
(11)ホイスト装置を遠隔操作する送信機であって、操作部と、生成部と、送信部とを備え、前記操作部は、操作者による操作を受け付け、該操作者による操作量を出力し、前記生成部は、前記操作量が所定量以上の場合に、該操作量に応じた指示信号を生成し、前記送信部は、前記指示信号を前記ホイスト装置への動作指示として該ホイスト装置に送信する送信機。
【0043】
(12)上記(11)に記載の送信機において、報知部を備え、前記報知部は、前記送信部が前記動作指示を送信している際又は前記操作部が前記操作者による操作を受け付けている際に報知を行う送信機。
もちろん、この限りではない。
【0044】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
1 :搬送システム
2 :飛行体
3 :地上局
4 :ホイスト装置
5 :送信機
5' :送信機
6 :報知装置
20 :飛行体
21 :状態取得部
22 :送受信部
30 :地上局
31 :受信部
32 :報知部
35 :地上局
36 :送受信部
37 :報知部
40 :ホイスト装置
41 :通知部
51 :操作部
52 :生成部
53 :送信部
55 :送信機
56 :操作部
57 :生成部
58 :送信部
59 :報知部
60 :報知装置
61 :受信部
62 :報知部
501 :把持部
502 :ダイヤル
503 :マーカー
504 :把持部
505 :レバー
R :電波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9