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特開2024-127398遠隔監視システム、遠隔監視方法、遠隔監視プログラム、画像作成装置、画像作成方法、及び画像作成プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127398
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】遠隔監視システム、遠隔監視方法、遠隔監視プログラム、画像作成装置、画像作成方法、及び画像作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240912BHJP
   E03B 3/08 20060101ALI20240912BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
E03B3/08 Z
H04M11/00 301
H04Q9/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036528
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】596136316
【氏名又は名称】三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】古谷 裕子
(72)【発明者】
【氏名】長井 千里
(72)【発明者】
【氏名】山東 丈夫
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5K048BA30
5K048BA34
5K048EB10
5K048FB09
5K201BA02
5K201CC04
5K201DC04
5K201EC06
5K201ED09
5K201EF10
5K201FB10
(57)【要約】
【課題】水源の水位及び/又は水循環を把握し、予測し、水源が属する水系環境の保全に適した取水量の設定、管理を行うこと。
【解決手段】送信装置は水源の水位を計測し、水源の水位を表す情報と水源識別情報とを含む計測情報を作成し、サーバへ送信し、サーバは、計測情報とシミュレーション結果とを受信し、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の1以上を含む公開情報を取得し、計測情報及びシミュレーション結果と公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させ、シミュレーション装置は、記憶部の計測情報と公開情報とに基づき水源の水位と水循環及び水位トレンドと水循環トレンドの1以上をシミュレーションし、サーバへ送信し、画像作成装置は、地図に設定の地域のうち記憶部に記憶の水源の位置に該当する領域に水源の水位と水循環及び水位トレンドと水循環トレンドのシミュレーション結果の1以上を表した画像を作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の送信装置と、該送信装置と通信を行うサーバと、該サーバと通信を行うシミュレーション装置と、画像作成装置とを備える遠隔監視システムであって、
一又は複数の送信装置の各々は、
水源の水位を計測する計測部と、
サーバへ、前記計測部が計測した前記水源の前記水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報を作成する送信装置作成部と、
前記送信装置作成部が作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信する送信装置通信部と
を備え、
前記サーバは、
一又は複数の前記送信装置が送信した前記計測情報と、前記シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するサーバ通信部と、
水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得する取得部と、
前記サーバ通信部が受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、前記取得部が取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させる処理部と
を備え、
前記シミュレーション装置は、
前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部と、
前記シミュレーション部によるシミュレーション結果を前記サーバへ送信するシミュレーション装置通信部と
を備え、
前記画像作成装置は、
地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部を備える、遠隔監視システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記シミュレーション結果の経時変化に基づいて、前記水源の水位の予測値を算出し、該予測値に対応する前記水位の計測情報と比較し、精度を判定する解析部を
さらに備える、請求項1に記載の遠隔監視システム。
【請求項3】
前記シミュレーション装置は、
前記精度が予め設定された閾値未満である場合には、精度が閾値内に収まるまで繰り返しシミュレーションを行う、請求項2に記載の遠隔監視システム。
【請求項4】
一又は複数の前記送信装置の各々は、
前記水源の水をくみ上げる揚水ポンプの稼働状態を示す揚水ポンプ稼働情報を取得する取得部
をさらに備え、
前記送信装置作成部は、前記取得部が取得した前記揚水ポンプ稼働情報を含む計測情報を作成し、
前記送信装置通信部は、前記送信装置作成部が作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信する、請求項1に記載の遠隔監視システム。
【請求項5】
前記サーバは、
水源の前記水位トレンドのシミュレーション結果に基づき、前記揚水ポンプを制御する制御部をさらに備える、請求項4に記載の遠隔監視システム。
【請求項6】
一又は複数の送信装置と、該送信装置と通信を行うサーバと、該サーバと通信を行うシミュレーション装置と、画像作成装置とを備える遠隔監視システムが実行する遠隔監視方法であって、
一又は複数の送信装置の各々が、水源の水位を計測するステップと、
一又は複数の前記送信装置の各々が、前記水源の前記水位を表す情報を含む計測情報を作成するステップと、
一又は複数の前記送信装置の各々が、作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信するステップと、
前記サーバが、一又は複数の前記送信装置が送信した前記計測情報と、前記シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するステップと、
前記サーバが、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得するステップと、
前記サーバが、受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
前記シミュレーション装置が、前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、
前記シミュレーション装置が、シミュレーション結果を前記サーバへ送信するステップと、
前記画像作成装置が、地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップと
を有する、遠隔監視方法。
【請求項7】
コンピュータに、
一又は複数の送信装置が送信した水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報と、シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するステップと、
水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得するステップと、
受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、
地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップと
を実行させる、遠隔監視プログラム。
【請求項8】
記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部と、
地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部と
を備える、画像作成装置。
【請求項9】
画像作成装置が実行する画像作成方法であって、
記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報と揚水ポンプ稼働情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、
地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップと
を有する、画像作成方法。
【請求項10】
コンピュータに、
記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報と揚水ポンプ稼働情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、
地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップと
を実行させる、画像作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遠隔監視システム、遠隔監視方法、遠隔監視プログラム、画像作成装置、画像作成方法、及び画像作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地下水と地表水等の水源の水位、水質と、標高等の項目を遠距離で監視する技術に関して、水源地における一又は複数の送信装置と、該送信装置と通信を行うサーバと、画像作成装置とを備える遠隔監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この遠隔監視装置では、水源が広域化した場合でも、該水源の水位、及び/又は水質を容易に把握することが可能であり、地盤沈下の予測精度を向上することも期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/124286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した遠隔監視装置では、リアルタイムの測定値を根拠にしか、将来の水位等を予測することができない。そうすると、リアルタイムの測定値が大きく変動した場合、予測値の精度が低下する可能性がある。よって、より正確な水位または水循環を予測する方法が望ましい。
【0005】
本発明の目的は、水源の水位及び/又は水循環を容易に把握でき、将来予測でき、該水源が属する水系環境の保全に適した取水量を設定、管理できる遠隔監視システム、遠隔監視方法、遠隔監視プログラム、画像作成装置、画像作成方法、及び画像作成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の態様を有する。
<1>一又は複数の送信装置と、該送信装置と通信を行うサーバと、該サーバと通信を行うシミュレーション装置と、画像作成装置とを備える遠隔監視システムであって、一又は複数の送信装置の各々は、水源の水位を計測する計測部と、サーバへ、前記計測部が計測した前記水源の前記水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報を作成する送信装置作成部と、前記送信装置作成部が作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信する送信装置通信部とを備え、前記サーバは、一又は複数の前記送信装置が送信した前記計測情報と、前記シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するサーバ通信部と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得する取得部と、前記サーバ通信部が受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、前記取得部が取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させる処理部とを備え、前記シミュレーション装置は、前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部と、前記シミュレーション部によるシミュレーション結果を前記サーバへ送信するシミュレーション装置通信部とを備え、前記画像作成装置は、地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部を備える、遠隔監視システム。
<2>前記サーバは、前記シミュレーション結果の経時変化に基づいて、前記水源の水位の予測値を算出し、該予測値に対応する前記水位の計測情報と比較し、精度を判定する解析部をさらに備える、<1>に記載の遠隔監視システム。
<3>前記シミュレーション装置は、前記精度が予め設定された閾値未満である場合には、精度が閾値内に収まるまで繰り返しシミュレーションを行う、<2>に記載の遠隔監視システム。
<4>一又は複数の前記送信装置の各々は、前記水源の水をくみ上げる揚水ポンプの稼働状態を示す揚水ポンプ稼働情報を取得する取得部をさらに備え、前記送信装置作成部は、前記取得部が取得した前記揚水ポンプ稼働情報を含む計測情報を作成し、前記送信装置通信部は、前記送信装置作成部が作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信する、<1>から<3>のいずれかに記載の遠隔監視システム。
<5>前記サーバは、水源の前記水位トレンドのシミュレーション結果に基づき、前記揚水ポンプを制御する制御部をさらに備える、<4>に記載の遠隔監視システム。
<6>一又は複数の送信装置と、該送信装置と通信を行うサーバと、該サーバと通信を行うシミュレーション装置と、画像作成装置とを備える遠隔監視システムが実行する遠隔監視方法であって、一又は複数の送信装置の各々が、水源の水位を計測するステップと、一又は複数の前記送信装置の各々が、前記水源の前記水位を表す情報を含む計測情報を作成するステップと、一又は複数の前記送信装置の各々が、作成した前記計測情報を、前記サーバへ送信するステップと、前記サーバが、一又は複数の前記送信装置が送信した前記計測情報と、前記シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するステップと、前記サーバが、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得するステップと、前記サーバが、受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、前記シミュレーション装置が、前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、前記シミュレーション装置が、シミュレーション結果を前記サーバへ送信するステップと、前記画像作成装置が、地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップとを有する、遠隔監視方法。
<7>コンピュータに、一又は複数の送信装置が送信した水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報と、シミュレーション装置が送信したシミュレーション結果とを受信するステップと、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得するステップと、受信した前記計測情報及び前記シミュレーション結果と、取得した前記公開情報とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、前記記憶部に記憶されている前記計測情報と、前記公開情報とに基づいて、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、地図に設定された地域のうち、前記記憶部に記憶されている前記水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップとを実行させる、遠隔監視プログラム。
<8>記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部と、地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部とを備える、画像作成装置。
<9>画像作成装置が実行する画像作成方法であって、記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報と揚水ポンプ稼働情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップとを有する、画像作成方法。
<10>コンピュータに、記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と前記水源の識別情報と揚水ポンプ稼働情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするステップと、地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を表した画像を作成するステップとを実行させる、画像作成プログラム。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様により、水源の水位及び/又は水循環を容易に把握でき、将来予測でき、水系環境の保全に適した取水量の設定、管理ができる遠隔監視システム、遠隔監視方法及び遠隔監視プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る遠隔監視システムの一例を示す図である。
図2】実施形態に係る地下水膜ろ過システムの概略構成図である。
図3】実施形態に係る地下水くみ上げシステムの一例を示す概略図である。
図4】実施形態に係る監視装置の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る遠隔監視サーバの一例を示す図である。
図6】実施形態に係る端末装置の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る端末装置が表示する水位情報表示画像の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る端末装置が表示する水位情報表示画像の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るシミュレーション装置の一例を示す図である。
図10】実施形態に係るクラウドサーバの一例を示す図である。
図11】実施形態に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図12】実施形態に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図13】実施形態の変形例2に係る遠隔監視サーバの一例を示す図である。
図14】実施形態の変形例2に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本文において、「水循環」とは、水が、蒸発、降下、流下又は浸透により、海域等に至る過程で、地表水又は地下水として河川の流域を中心に循環することをいう。地下水と地表水は、水循環においては一連の流れの中でつながっており、水位を的確に測定・予測すれば、水循環を予測することが可能である。
「水源地域」とは、地下水の水脈や河川の流域を意味しており、水循環の観点から流域に等しいと言える。流域は、国土交通省が公開する国土数値情報の流域メッシュデータに準ずる。水源地域の気象データは、流域メッシュデータに該当する地域の気象データを意味する。
水源地域の気象データ(気象情報)には、天気、気圧、風向、風速、気温、湿度など大気の状態に関する天気情報、大雨、大雪、暴風、暴風雪、高波、低気圧、雷、降ひょう、少雨、長雨、潮位、強い冬型の気圧配置、黄砂等の現象についての注意報または警報のうち、少なくとも1つ以上が含まれる。
【0010】
(第一の実施形態)
以下、図面を参照して、実施形態に係る遠隔監視システム、遠隔監視方法、遠隔監視プログラム、画像作成装置、画像作成方法、及び画像作成プログラムについて説明する。
【0011】
図1は、実施形態に係る遠隔監視システムの構成の一例を示す図である。図1に示される遠隔監視システム1は、地下水膜ろ過システムを遠隔監視するシステムを例示している。遠隔監視システム1は、地下水膜ろ過システム100aと地下水膜ろ過システム100bと遠隔監視サーバ200と端末装置300とシミュレーション装置500とクラウドサーバ600とを備える。地下水膜ろ過システム100aと地下水膜ろ過システム100bと遠隔監視サーバ200と端末装置300とシミュレーション装置500とクラウドサーバ600とは、インターネット、携帯電話網等の通信網50を介して接続される。
【0012】
地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bは、井戸等の水源に設置され、膜ろ過処理によって、地下水を安全で、且つ安心な飲料水に変える分散型水道システムである。地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bは、定期的又は不定期的に、水源の水位を計測する。
地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bは、定期的又は不定期的に、遠隔監視サーバ200へ、計測した水源の水位情報(以下「水位情報」という)を含む計測情報を送信する。
【0013】
遠隔監視サーバ200は、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bが送信した計測情報を受信する。また、遠隔監視サーバ200は、水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の項目を含む公開情報を取得する。遠隔監視サーバ200は、受信した計測情報と、取得した公開情報とを関連付けてクラウドサーバ600に記憶させる。
遠隔監視サーバ200は、水源の識別情報を含む、シミュレーション要求を作成し、作成したシミュレーション要求を、シミュレーション装置500へ送信する。
【0014】
シミュレーション装置500は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション要求を受信し、受信したシミュレーション要求に含まれる水源の識別情報を取得する。シミュレーション装置500は、取得した水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報及び水源の識別情報に関連付けられている公開情報を取得する。
【0015】
シミュレーション装置500は、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。シミュレーション装置500は、水源の識別情報と、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を含むシミュレーション応答を作成し、作成したシミュレーション応答を遠隔監視サーバ200へ送信する。
ここで、「水循環のシミュレーション結果」とは、将来のある地点での水の流れ方向である。シミュレーション結果は、例えば、地図上の水域に対して「←」(矢印)で表記することが挙げられる。
「水循環トレンドのシミュレーション結果」とは、将来の水循環変動の傾向を指している。シミュレーション結果は、例えば、地図上の水域の変化を動画で表示することが挙げられる。
「水位のシミュレーション結果」とは、将来のある地点での水位の予測数値である。シミュレーション結果は、例えば、時系列図(図7)において水位予測数値を点で表記すること、地図上に全体水域の水位を異なる色や模様で表示すること(図8)が挙げられる。
「水位トレンドのシミュレーション結果」とは、将来の水位変動の傾向を指している。シミュレーション結果は、例えば、時系列図(図7)において水位の変化を線で表示すること、上昇/下降速度を表示すること、水位アラーム発報のタイミングを表示することが挙げられる。また、水循環シミュレーションには、流域水循環モデル、水災害リスク、渇水リスク等の項目が含まれてもよい。
【0016】
遠隔監視サーバ200は、シミュレーション装置500が送信したシミュレーション応答を受信する。遠隔監視サーバ200は、受信したシミュレーション応答に含まれる前記シミュレーション結果を、水源の識別情報と、計測情報と、公開情報と関連付けてクラウドサーバ600に記憶させる。
【0017】
端末装置300は、表示する画像を示す情報を含む表示要求情報を作成し、作成した表示要求情報を、遠隔監視サーバ200へ送信する。
遠隔監視サーバ200は、端末装置300が送信した表示要求情報を受信し、受信した表示要求情報に基づいて、クラウドサーバ600から、前記シミュレーション結果を取得する。
【0018】
遠隔監視サーバ200は、前記シミュレーション結果に基づいて、水源の水位トレンド及び水循環トレンドの少なくとも1以上の項目を表示した(表した)画像を作成する。以下、水位トレンドを表示した(表した)画像を「水位トレンド表示画像」といい、水循環トレンドを表示した(表した)画像を「水循環トレンド表示画像」という。
【0019】
具体的には、遠隔監視サーバ200は、緯度・経度に基づいて地域を形成(表示する)する。そして、遠隔監視サーバ200は、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を含む地域のうち、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bの各々の位置に該当する地域に、水位情報又は水循環情報を表す(表示する)。例えば、遠隔監視サーバ200は、水位に応じて異なる色で、水位情報を表示する。また、遠隔監視サーバ200は、水循環トレンドに応じて異なる色及び/又は模様等で、水循環トレンドを表示してもよいが、これに限らない。
【0020】
遠隔監視サーバ200は、端末装置300が送信した表示要求情報が水位予測値及び/又は水位トレンド表示画像を要求する情報を含む場合には、要求された情報の表示画像を、端末装置300へ送信する。また、遠隔監視サーバ200は、端末装置300が送信した表示要求情報が水循環予測値及び/又は水循環トレンド表示画像を要求する情報を含む場合には、要求された情報の表示画像を、端末装置300へ送信する。
【0021】
端末装置300は、ユーザが操作を行うことによって、遠隔監視サーバ200へ、表示要求情報を送信する。表示要求情報には、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を要求する情報が含まれる。端末装置300は、表示要求情報に対して遠隔監視サーバ200が送信する表示要求情報の少なくとも1以上の項目を受信すると、受信した表示要求情報の少なくとも1以上の項目に対応する表示画像を表示する。
以下、地下水膜ろ過システム100aと地下水膜ろ過システム100bとを区別しない場合には、地下水膜ろ過システム100と記載する。また、地下水膜ろ過システム100が備える各構成についても同様である。
【0022】
(地下水膜ろ過システム)
図2は、実施形態に係る地下水膜ろ過システムの概略構成図である。地下水膜ろ過システム100は、地下水くみ上げシステム102と原水槽104と前ろ過器106と膜ろ過器108と処理水槽110と監視装置112と水質計114aと受水槽116とを備える。
地下水くみ上げシステム102がくみ上げた地下水は、原水槽104に貯留される。前ろ過器106は、砂ろ過等の前処理として地下水くみ上げシステム102がくみ上げた地下水を通常の飲料水程度までろ過する。膜ろ過器108は、前ろ過器106で前処理された水をさらに各種ろ過器で処理し、より安全な飲料水を生成する。具体的には、膜ろ過器108は、前ろ過器106で前処理された水から、食中毒の原因となるO-157やクリプトスポリジウム等の細菌類や原虫類を除去する。処理水槽110は、膜ろ過器108によって細菌類や原虫類が除去された水を貯留する。
【0023】
監視装置112は、処理水槽110に貯留された水の残留塩素濃度を連続的に測定記録する。監視装置112は、残留塩素濃度の測定結果が異常を示すものである場合、地下水膜ろ過システム100を自動的に停止させる。水質計114aは、処理水槽110に貯留された膜ろ過処理された水の水質を計測する。具体的には、水質計114aは、水道水質基準に含まれる水質基準項目を計測する。
水質基準項目には、一般細菌、総トリハロメタン、大腸菌、トリクロロ酢酸、カドミウム及びその化合物、ブロモジクロロメタン、水銀及びその化合物、ブロモホルム、セレン及びその化合物、ホルムアルデヒド、鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物が含まれる。また、水質基準項目には、アルミニウム及びその化合物、六価クロム化合物、鉄及びその化合物、亜硝酸態窒素、銅及びその化合物、シアン化物イオン及び塩化シアン、ナトリウム及びその化合物、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、マンガン及びその化合物、フッ素及びその化合物、塩化物イオンが含まれる。また、水質基準項目には、ホウ素及びその化合物、カルシウム、マグネシウム等(硬度)、四塩化炭素、蒸発残留物、1,4-ジオキサン、陰イオン界面活性剤、シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン、ジェオスミン、ジクロロメタン、2-メチルイソボルネオール、テトラクロロエチレンが含まれる。また、水質基準項目には、非イオン界面活性剤、トリクロロエチレン、フェノール類、ベンゼン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、塩素酸、pH値、クロロ酢酸、味、クロロホルム、臭気、ジクロロ酢酸、色度、ジブロモクロロメタン、濁度、臭素酸が含まれる。
受水槽116は、処理水槽110に貯留された水と公共水道とを貯留する。
【0024】
(地下水くみ上げシステム)
図3は、実施形態に係る地下水くみ上げシステムの一例を示す概略図である。地下水くみ上げシステム102は、井戸11と、井戸11内に湧出する地下水Wをくみ上げる揚水ポンプ12及び揚水配管13と、水位計19と、標高計20とを備える。
井戸11は、地面Gから下方に向かって帯水層Xまで掘削された掘削穴Hに挿入された気体不透過性の保護管16を有する。保護管16は、土砂崩落等から掘削穴Hを保護するための有底筒状の管である。保護管16の底部近傍には、掘削穴Hに挿入した際の帯水層Xの位置に、帯水層Xの地下水を保護管16内に取り込む取水口16aが形成されている。この取水口16aには、砂等が保護管16内に侵入するのを防ぐための金網17が取り付けられている。なお、「気体不透過性」とは、保護管16から帯水層X等の土壌へ気体を透過させないことを意味する。
【0025】
揚水ポンプ12および揚水配管13は、井戸に用いられる公知のポンプ及び揚水配管を用いることができる。
水位計19は、井戸内に湧出する地下水Wの水位を計測する。水位計19の一例は気泡式水位計である。気泡式水位計は、開口端が水底に配置されたバブラチューブで水底に気泡を送り込むのに必要な圧力を計測することで水位を算出する。水位計19は、地下水Wの水位の計測結果を含む水位情報を監視装置112へ送信する。
標高計20は、井戸11が掘られた位置の近傍の地面Gの標高を計測する。標高計20の一例は気圧高度計、電波高度計等である。
【0026】
(監視装置)
図4は、実施形態に係る監視装置の一例を示す。監視装置112は、通信部150と制御部160と記憶部170と上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン180とを備える。
通信部150は、通信モジュールによって実現される。通信部150は、通信網50を経由して、遠隔監視サーバ200と通信を行う。
【0027】
制御部160は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置によって構成され、記憶部170に記憶されたプログラム172を実行することにより、取得部162と判定部164と作成部166と処理制御部168として機能する。
取得部162は、処理水槽110に貯留された水の残留塩素濃度の測定結果を取得する。取得部162は、水位計19から水位情報を取得する。取得部162は、取得した水位情報を作成部166へ出力する。
【0028】
判定部164は、取得部162が出力した処理水槽110に貯留された水の残留塩素濃度の測定結果を取得し、取得した水の残留塩素濃度と残留塩素濃度閾値とを比較する。判定部164は、水の残留塩素濃度と残留塩素濃度閾値との比較結果を含む判定結果を、処理制御部168へ出力する。
作成部166は、取得部162が出力した水位情報を取得し、取得した水位情報と水位情報が得られた水源の識別情報とを含む計測情報を作成する。水源の識別情報の一例は、地下水膜ろ過システム100のID、水源種別、緯度、経度、管理会社、施工会社、使用開始年、井戸深度、井戸径等の識別情報である。作成部166は、作成した計測情報を通信部150から遠隔監視サーバ200へ送信する。
【0029】
処理制御部168は、判定部164が出力した判定結果を取得する。処理制御部168は、取得した判定結果に、水の残留塩素濃度が残留塩素濃度閾値以上であることを示す情報が含まれる場合には、地下水膜ろ過システム100の処理を継続する。一方、処理制御部168は、取得した判定結果に、水の残留塩素濃度が残留塩素濃度閾値未満であることを示す情報が含まれる場合には、所定のエラー処理を行うようにしてもよい。具体的には、処理制御部168は、取得した判定結果に水の残留塩素濃度が残留塩素濃度閾値未満であることを示す情報が含まれる場合には、地下水膜ろ過システム100の処理を停止させるとともに、アラームを鳴らす。
記憶部170は、不揮発性メモリ等の記憶装置によって実現される。記憶部170は、プログラム172を記憶する。
【0030】
(遠隔監視サーバ)
図5は、実施形態に係る遠隔監視サーバの一例を示す。遠隔監視サーバ200は、通信部250と制御部260と記憶部270と上記各構成要素を図5に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン290とを備える。遠隔監視サーバ200は、クラウドサーバであってもよい。
通信部250は、通信モジュールによって実現される。通信部250は、通信網50を経由して、監視装置112、シミュレーション装置500、クラウドサーバ600及び端末装置300と通信を行う。通信部250は、監視装置112が送信した計測情報を受信する。
また、通信部250は、シミュレーション装置500へシミュレーション要求を送信し、送信したシミュレーション要求に対して、シミュレーション装置500が送信したシミュレーション応答を受信する。
また、通信部250は、端末装置300が送信した表示要求情報を受信する。通信部250は、表示要求情報に対して、制御部260が出力した、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を含む表示画面情報を取得し、取得した表示画面情報を端末装置300へ送信する。
【0031】
制御部260は、例えば演算処理装置によって構成され、記憶部270に記憶されたプログラム272を実行することにより、記憶処理部262と取得部263と表示画像作成部264として機能する。
記憶処理部262は、通信部250から計測情報を取得し、取得した計測情報に含まれる水位情報と、水位情報が得られた水源の識別情報とを取得する。記憶処理部262は、取得した水源の識別情報と、水位情報とを関連付けて、クラウドサーバ600に記憶させる。
【0032】
また、記憶処理部262は、通信部250からシミュレーション応答を取得し、取得したシミュレーション応答に含まれるシミュレーション結果に対応する水源の識別情報を取得する。記憶処理部262は、水源の識別情報とシミュレーション結果とを関連付けてクラウドサーバ600に記憶させる。
【0033】
取得部263は、水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得する。例えば、取得部263は、通信網50を介して、任意のサーバ(図示なし)にアクセスすることによって公開情報を取得してもよい。
記憶処理部262は、取得部263から公開情報を取得し、取得した公開情報に含まれる水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の少なくとも1以上の項目を取得する。記憶処理部262は、水源の識別情報と取得した水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の少なくとも1以上の項目とを関連付けて、クラウドサーバ600に記憶させる。
前述の通り、水源地域の気象データ(気象情報)には、天気予報、注意報と警報のうち少なくとも1つ以上が含まれる。求めるシミュレーション結果等に基づき、適宜に設定すればよい。例えば、取得したい気象データ(気象情報)を予め記憶部270のプログラム272に記入する。また、気象データ(気象情報)を変更したい場合、端末装置から、取得したい気象データ(気象情報)を通信部250に連絡する。
【0034】
表示画像作成部264は、通信部250が出力した表示要求情報を取得する。表示画像作成部264は、該表示要求情報に水位予測値と水位トレンド表示画像を要求する情報が含まれる場合に、クラウドサーバ600に記憶されている計測情報テーブル674を参照し、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報を取得する。
表示画像作成部264は、該表示要求情報に、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を要求する情報が含まれる場合に、クラウドサーバ600に記憶されているシミュレーション結果テーブルを参照し、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方の情報を取得する。
【0035】
表示画像作成部264は、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報と、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を取得し、取得した地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を含む地域に、その情報を表示する表示画像を作成する。
【0036】
(端末装置)
図6は、実施形態に係る端末装置の一例を示す。端末装置300は、通信部350と制御部360と記憶部370とディスプレイ380と操作部385と上記各構成要素を図6に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン390とを備える。
通信部350は、通信モジュールによって実現される。通信部350は、通信網50を経由して、遠隔監視サーバ200と通信を行う。通信部350は、遠隔監視サーバ200へ、表示要求情報を送信する。表示要求情報には、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目の表示を要求する情報が含まれる。通信部350は、表示要求情報に対して、遠隔監視サーバ200が送信した表示画面情報を受信し、受信した表示画面情報を制御部360へ出力する。
【0037】
制御部360は、例えば演算処理装置によって構成され、記憶部370に記憶されたプログラム372とアプリ376とを実行する。
制御部360は、アプリ376を実行することによって、以下の処理を行う。制御部360は、ユーザが操作部385に対して、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を表示する操作を行った場合に、要求する情報を含む表示要求情報を作成する。制御部360は、作成した表示要求情報を、通信部350から遠隔監視サーバ200へ送信する。制御部360は、通信部350から、表示画面情報を取得し、ディスプレイ380に該表示画面情報に含まれる要求する情報を表示する。
【0038】
記憶部370は、不揮発性メモリ等の記憶装置によって実現される。記憶部370は、プログラム372とアプリ376とを記憶する。
ディスプレイ380は、制御部360によって制御され、画像、GUI(Graphical User Interface)等を表示する。
操作部385は、ユーザの操作を受け付ける入力デバイスである。
【0039】
図7図8は、実施形態に係る端末装置が表示する水源の水位及び水位トレンド表示画像の一例を示す。ユーザが操作部385に対して水源の水位及び水位トレンド表示画像を表示することを要求する操作を行った場合に、ディスプレイ380に水位トレンド表示画像が表示される。
図7に示される例では、水位及び水位トレンド表示画像の一例は、地下水膜ろ過システム100に含まれる監視装置112が送信した水位情報と、水源の水位及び水位トレンドのシミュレーション結果を示す情報とを含む。例えば、水源の水位及び水位トレンド表示画像の一例は、水位情報の実測値は実線で、水位のシミュレーション結果は破線で表示される。また、破線の傾向から水位下降トレンドも読み取れる。さらに、破線と警報水位との時点からアラーム発報のタイミングも読み取れる。表示に使用する地図において、地域は、目的に応じて任意に設定することができる。
これによって、水源の水位及び水位トレンド表示画像を表示することを要求する操作を行ったユーザは、複数の地点のうち、ある地点で観測された水位の時系列をとらえることができる。
【0040】
図8に示される例では、水位情報表示画像の一例は、複数の地下水膜ろ過システム100の各々に含まれる監視装置112が送信した計測情報及び公開情報に基づいてシミュレーションすることによって取得された水位のシミュレーション結果を示す情報を含む。地図に設定された地域のうち、指定された時刻(過去、現在、将来)における水源の位置に該当する位置にピンが表示され、ピンが表示された位置以外の地域が、水位の測定結果又はシミュレーション結果に応じて異なる色及び/又は模様で表示されている。表示に使用する地図において、地域は、目的に応じて任意に設定することができる。
これによって、水位情報表示画像を表示することを要求する操作を行ったユーザは、複数の地点で観測された水位の各々を、面的にとらえることができる。
【0041】
また、図8に示されるように、測定点のない地域でも、当該地域内の測定点(バルーンで表示する場所)の水位測定値又はシミュレーション結果を用い、測定点のない地域まで拡張することが可能である。
さらに、測定点(バルーンで表示する場所)を選択すると、当該井戸の余剰揚水能力を表記することができ、揚水量や各井戸の揚水バランスを制御することが可能である。
図8に示していないが、表示時刻を特定の日時から特定の日時まで自動に動かすと、当該期間内の地域全体の水位トレンドを動画で表示することができる。
【0042】
(シミュレーション装置)
図9は、実施形態に係るシミュレーション装置の一例を示す。シミュレーション装置500は、通信部550と制御部560と記憶部570と上記各構成要素を図9に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン590とを備える。シミュレーション装置500は単独の装置として、設置されてもよく、シミュレーション装置500の機能が遠隔監視サーバ200またはクラウドサーバ600内に含まれてもよい。
通信部550は、通信モジュールによって実現される。通信部550は、通信網50を経由して、遠隔監視サーバ200及びクラウドサーバ600と通信を行う。通信部550は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション要求を受信する。通信部550は、シミュレーション要求に対して、制御部560が出力したシミュレーション応答を取得し、取得したシミュレーション応答を、遠隔監視サーバ200へ送信する。
【0043】
制御部560は、例えば演算処理装置によって構成され、記憶部570に記憶されたプログラム572とアプリ574とを実行することにより、シミュレーション部562と作成部564として機能する。
シミュレーション部562は、通信部550が受信したシミュレーション要求を取得し、取得したシミュレーション要求に含まれる水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報と、水源の識別情報に関連付けて記憶されている公開情報とを取得し、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。シミュレーションの頻度の一例は、数週間に1回である。
【0044】
作成部564は、シミュレーション部562から水源の識別情報と、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果とを取得する。作成部564は、取得した水源の識別情報と、前記シミュレーション結果とを含むシミュレーション応答を作成し、作成したシミュレーション応答を通信部550に出力する。
【0045】
(クラウドサーバ)
図10は、実施形態に係るクラウドサーバの一例を示す。クラウドサーバ600は、通信部650と制御部660と記憶部670と上記各構成要素を図10に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン690とを備える。クラウドサーバ600の機能を、遠隔監視サーバ200が有するように構成してもよい。
通信部650は、通信モジュールによって実現される。通信部650は、通信網50を経由して、遠隔監視サーバ200及びシミュレーション装置500と通信を行う。通信部650は、遠隔監視サーバ200が送信した計測情報と公開情報とを受信する。通信部650は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション結果を受信する。
【0046】
制御部660は、例えば演算処理装置によって構成され、記憶部670に記憶されたプログラム672を実行することにより、記憶処理部662として機能する。
記憶処理部662は、通信部650から計測情報を取得し、取得した計測情報に含まれる水源の識別情報と、水位情報とを関連付けて記憶部670の計測情報テーブル674に記憶させる。
記憶処理部662は、通信部650から公開情報を取得し、取得した公開情報に含まれる水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の項目と、水源の識別情報とを関連付けて記憶部670の公開情報テーブル675に記憶させる。
【0047】
記憶処理部662は、通信部650からシミュレーション結果を取得し、取得したシミュレーション結果と、水源の識別情報とを関連付けて記憶部670のシミュレーション結果テーブル676に記憶させる。
記憶部670は、不揮発性メモリ等の記憶装置によって実現される。記憶部670は、プログラム672と、計測情報テーブル674と、公開情報テーブル675と、シミュレーション結果テーブル676とを記憶する。
【0048】
(遠隔監視システムの動作)
図11は、実施形態に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。図11を参照して、水位計19によって水源の水位が計測されてから、クラウドサーバ600によってシミュレーション結果が記憶されるまでの処理について説明する。図11では、監視装置112は、水位計19による水源の水位の計測結果を含む水位情報を作成する場合について説明する。
ステップS1-1では、水位計19は、井戸等の水源に湧出する地下水Wの水位を計測する。水位計19は、地下水Wの水位の計測結果を含む水位情報を、監視装置112へ送信する。
【0049】
ステップS2-1では、監視装置112において、通信部150は、水位計19が送信した水位情報を受信する。取得部162は、通信部150が受信した水位情報を取得する。作成部166は、取得部162から水位情報を取得し、取得した水位情報を含む計測情報を作成する。作成部166は、作成した計測情報を通信部150へ出力する。
【0050】
ステップS3-1では、監視装置112において、通信部150は、作成部166が出力した計測情報を取得し、取得した計測情報を遠隔監視サーバ200へ送信する。遠隔監視サーバ200の通信部250は、監視装置112が送信した計測情報を受信する。
ステップS4-1では、遠隔監視サーバ200において、取得部263は、公開情報を取得する。
ステップS5-1では、遠隔監視サーバ200において、記憶処理部262は、通信部250から計測情報を取得し、取得部263から公開情報を取得する。記憶処理部262は、取得した計測情報を、通信部250へ出力する。通信部250は、記憶処理部262が出力した計測情報をクラウドサーバ600へ送信する。記憶処理部262は、取得した公開情報に水源の識別情報を付加して、通信部250へ出力する。通信部250は、記憶処理部262が出力した公開情報をクラウドサーバ600へ送信する。
【0051】
ステップS6-1では、クラウドサーバ600において、通信部650は、遠隔監視サーバ200が送信した計測情報と公開情報とを受信する。記憶処理部662は、通信部650から計測情報を取得し、取得した計測情報に含まれる水源の識別情報と水位情報とを関連付けて記憶部670の計測情報テーブル674に記憶させる。記憶処理部662は、通信部650から公開情報を取得し、取得した公開情報に含まれる水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図と、水源の識別情報とを関連付けて記憶部670の公開情報テーブル675に記憶させる。
ステップS7-1では、遠隔監視サーバ200において、制御部260は、水源の識別情報を含む、シミュレーション要求を作成し、作成したシミュレーション要求を、通信部250へ出力する。通信部250は、制御部260が出力したシミュレーション要求をシミュレーション装置500へ送信する。
【0052】
ステップS8-1では、シミュレーション装置500において、通信部550は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション要求を受信する。シミュレーション部562は、通信部250が受信したシミュレーション要求を取得し、取得したシミュレーション要求に含まれる水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報と、水源の識別情報に関連付けて記憶されている公開情報とを取得する。
ステップS9-1では、シミュレーション装置500において、シミュレーション部562は、取得した水源の識別情報を含む計測情報と、水源の識別情報に関連付けて記憶されている公開情報とを取得し、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。
【0053】
ステップS10-1では、シミュレーション装置500において、作成部564は、シミュレーション部562から水源の識別情報と、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を取得する。作成部564は、取得した水源の識別情報と、前記シミュレーション結果を含むシミュレーション応答を作成し、作成したシミュレーション応答を通信部550に出力する。通信部550は、シミュレーション部562が出力したシミュレーション応答を取得し、取得したシミュレーション応答を、遠隔監視サーバ200へ送信する。
ステップS11-1では、遠隔監視サーバ200において、通信部250は、シミュレーション装置500が送信したシミュレーション応答を受信する。記憶処理部262は、通信部250からシミュレーション応答を取得し、取得したシミュレーション応答に含まれる水源の識別情報と、前記シミュレーション結果を、通信部250へ出力する。通信部250は、記憶処理部262が出力したシミュレーション結果をクラウドサーバ600へ送信する。
【0054】
ステップS12-1では、クラウドサーバ600において、通信部650は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション結果を受信する。記憶処理部662は、通信部650からシミュレーション結果を取得し、取得したシミュレーション結果と、水源の識別情報とを関連付けて記憶部670のシミュレーション結果テーブル676に記憶させる。
【0055】
図12は、実施形態に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。図12に示される例では、端末装置300において、表示要求情報が作成されてから、表示画面を表示するまでの動作について、説明する。
ステップS1-2では、端末装置300において、制御部360は、ユーザが操作部385に対してアプリ376を起動する操作を行うことによって、アプリ376を起動させる。制御部360は、アプリ376が起動した後に、ユーザが操作部385に対して、水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目の表示を要求する操作を行った場合に、要求する情報を含む表示要求情報を作成する。制御部360は、通信部350へ、表示要求情報を出力する。
ステップS2-2では、端末装置300において、通信部350は、制御部360が出力した表示要求情報を取得し、取得した表示要求情報を、遠隔監視サーバ200へ送信する。
【0056】
ステップS3-2では、遠隔監視サーバ200において、通信部250は、端末装置300が送信した表示要求情報を受信する。表示画像作成部264は、通信部250から表示要求情報を取得し、取得した表示要求情報に基づいて、クラウドサーバ600から、シミュレーション結果を取得する。
ステップS4-2では、遠隔監視サーバ200において、表示画像作成部264は、取得したシミュレーション結果に基づいて、表示要求情報に水位及び/又は水位トレンド表示画像を要求する情報が含まれる場合には、水位及び/又は水位トレンド表示画像を作成する。
また、表示画像作成部264は、表示要求情報に水循環及び/又は水循環トレンド表示画像を要求する情報が含まれる場合には、水循環及び/又は水循環トレンド表示画像を作成する。
表示画像作成部264は、作成した水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目を含む表示画面情報を、通信部250へ出力する。
【0057】
ステップS5-2では、遠隔監視サーバ200において、通信部250は、表示画像作成部264が出力した表示画像情報を取得し、取得した表示画像情報を端末装置300へ送信する。
ステップS6-2では、端末装置300において、通信部350は、遠隔監視サーバ200が送信した表示画像情報を受信する。制御部360は、通信部350から表示画像情報を取得し、取得した表示画像情報に含まれる水源の水位と水循環、及び、水位トレンド表示画像と水循環トレンド表示画像の少なくとも1以上の項目をディスプレイ380に表示する。
【0058】
前述した実施形態では、遠隔監視サーバ200が、監視装置112から取得した計測情報と、取得した公開情報とをクラウドサーバ600に記憶させる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、遠隔監視サーバ200は、監視装置112から取得した計測情報と、取得した公開情報とを、記憶部270に記憶するようにしてもよい。
前述した実施形態では、遠隔監視サーバ200が、シミュレーション装置500から取得したシミュレーション応答に含まれるシミュレーション結果をクラウドサーバ600に記憶させる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、遠隔監視サーバ200は、シミュレーション装置500から取得したシミュレーション応答に含まれるシミュレーション結果を記憶部270に記憶するようにしてもよい。
前述した実施形態では、監視装置112が、水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図を含む公開情報を取得する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、遠隔監視サーバ200が、水源地域の気象情報、河川水位情報及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得するようにしてもよい。
【0059】
前述した実施形態では、遠隔監視サーバ200が、表示画面情報を作成する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、端末装置300が、表示画面情報を作成するようにしてもよい。この場合、遠隔監視サーバ200の制御部260は、表示要求情報を取得した場合、該表示要求情報に水位トレンド表示画像を要求する情報が含まれる場合に、計測情報テーブル674を参照し、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報を取得し、クラウドサーバ600から、シミュレーション結果を取得する。制御部260は、取得した地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報とシミュレーション結果とを、通信部250から端末装置300へ送信する。
【0060】
端末装置300の制御部360は、遠隔監視サーバ200が送信した位置を示す情報とシミュレーション結果とを取得し、取得した地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を含む地域のうち、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bの各々の位置に、シミュレーション結果に含まれる水位トレンドのシミュレーション結果を表した水位情報表示画像を作成する。
また、遠隔監視サーバ200の制御部260は、表示要求情報を取得した場合、該表示要求情報に水循環トレンド表示画像を要求する情報が含まれる場合に、計測情報テーブル674を参照し、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報を取得し、クラウドサーバ600から、シミュレーション結果を取得する。制御部260は、取得した地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を示す情報とシミュレーション結果とを、通信部250から端末装置300へ送信する。
端末装置300の制御部360は、遠隔監視サーバ200が送信した位置を示す情報とシミュレーション結果とを取得し、取得した地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bのいずれか一方又は両方が設置された位置を含む地域のうち、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bの各々の位置に、シミュレーション結果に含まれる水循環トレンドのシミュレーション結果を表した水循環情報表示画像を作成する。
【0061】
前述した実施形態において、遠隔監視サーバ200及びシミュレーション装置500の少なくとも一部の機能を、端末装置300が実行するようにしてもよい。具体的には、遠隔監視サーバ200の表示画像作成部264の機能と、シミュレーション装置500のシミュレーション部562の機能とを、端末装置300に備えるようにしてもよい。端末装置300は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション要求を受信し、受信したシミュレーション要求に含まれる水源の識別情報を取得する。端末装置300は、取得した水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報及び水源の識別情報に関連付けられている公開情報を取得する。端末装置300は、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。端末装置300は、水源の識別情報と、前記シミュレーション結果を含むシミュレーション応答を作成し、作成したシミュレーション応答を遠隔監視サーバ200へ送信する。端末装置300は、前記シミュレーション結果に基づいて、水源の水位トレンド及び水循環トレンドの少なくとも1以上の項目を表示した(表した)画像を作成する。
【0062】
前述した実施形態において、シミュレーション装置500の少なくとも一部の機能を、遠隔監視サーバ200が実行するようにしてもよい。具体的には、シミュレーション装置500のシミュレーション部562の機能を、遠隔監視サーバ200に備えるようにしてもよい。遠隔監視サーバ200は、シミュレーションを行う水源の識別情報を取得する。遠隔監視サーバ200は、取得した水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報及び水源の識別情報に関連付けられている公開情報を取得する。遠隔監視サーバ200は、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。
前述した実施形態において、遠隔監視サーバ200は、計測情報テーブル674に含まれる水位情報に基づいて、シミュレーション結果テーブル676に含まれる水位トレンド及び水循環トレンドのシミュレーション結果の検証を行うようにしてもよい。さらに、遠隔監視サーバ200は、検証結果に基づいて、シミュレーション装置500のシミュレーションに用いる条件、パラメータを変更するようにしてもよい。このように構成することによって、シミュレーションの精度を向上させることができる。
【0063】
前述した実施形態において、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bは、定期的又は不定期的に、水源に設置された揚水ポンプの稼働状態を示す情報を取得するように構成してもよい。例えば、監視装置112において、取得部162は、揚水ポンプ12からその揚水ポンプ12の稼働状態を示す情報(稼働状態情報)を取得する。作成部166は、取得部162が出力した稼働状態情報を取得し、取得した稼働状態情報をさらに含む計測情報を作成する。作成部166は、作成した計測情報を通信部150へ出力する。通信部150は、作成部166が出力した計測情報を取得し、取得した計測情報を遠隔監視サーバ200へ送信する。クラウドサーバ600において、記憶処理部662は、通信部650から計測情報を取得し、取得した計測情報に含まれる水源の識別情報と水位情報と稼働状態情報とを関連付けて記憶部670の計測情報テーブル674に記憶させる。
【0064】
実施形態に係る遠隔監視システム1によれば、遠隔監視システム1は、一又は複数の送信装置としての地下水膜ろ過システム100と、該送信装置と通信を行うサーバとしての遠隔監視サーバ200と、該サーバと通信を行うシミュレーション装置500と、画像作成装置としての端末装置300とを備える。一又は複数の送信装置の各々は、水源の水位を計測する計測部としての水位計19と、サーバへ、計測部が計測した水源の水位を表す情報と水源の識別情報とを含む計測情報を作成する送信装置作成部としての作成部166と、送信装置作成部が作成した計測情報を、サーバへ送信する送信装置通信部としての通信部150とを備える。
サーバは、一又は複数の送信装置が送信した計測情報と、シミュレーション装置500が送信したシミュレーション結果とを受信するサーバ通信部としての通信部550と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報を取得する取得部263と、サーバ通信部が受信した計測情報及びシミュレーション結果と、取得部263が取得した公開情報とを関連付けて記憶部としてのクラウドサーバ600に記憶させる処理部としての記憶処理部262とを備える。
シミュレーション装置500は、記憶部に記憶されている計測情報と、公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部562と、シミュレーション部562によるシミュレーション結果をサーバへ送信するシミュレーション装置通信部としての通信部550とを備える。画像作成装置としての端末装置300は、地図に設定された地域のうち、記憶部に記憶されている水源の位置に該当する領域に、前記シミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部をしての制御部360を備える。
【0065】
このように構成することによって、一般的な観測井戸で計測される情報を使用する場合と比較して、リアルタイムに近い情報を取得できる。リアルタイムに近い情報を取得できることによって、水源の水位トレンド及び水循環トレンドの少なくとも1以上の項目のシミュレーション結果を精度よくとらえることができる。また、計測情報と公開情報とに基づいて、将来の水位トレンド及び水循環トレンドのいずれか一方又は両方をシミュレーションできる。将来の水位及び水循環のいずれか一方又は両方のシミュレーション結果に基づいて、表示画像情報を作成できる。表示画像情報は、所定の周期で更新されてもよい。多数の地点における地下水の水位及び/又は水循環を一元的に、自動的に遠隔監視できる。さらに、測定地点およびその周辺地域における水位の予測だけではなく、流域全体のような広い範囲での水位を的確に予測することが可能である。
【0066】
また、一又は複数の地下水膜ろ過システム100の各々は、水源の水をくみ上げる揚水ポンプの稼働状態を示す揚水ポンプ稼働情報を取得する取得部をさらに備える。送信装置作成部は、取得部が取得した揚水ポンプ稼働情報を含む計測情報を作成し、送信装置通信部は、送信装置作成部が作成した計測情報を、サーバへ送信する。
このように構成することによって、サーバは、揚水ポンプの稼働状態を示す揚水ポンプ稼働情報を含む計測情報を取得できる。
【0067】
また、遠隔監視サーバ200は、水源の水位トレンドのシミュレーション結果に基づき、揚水ポンプを制御する制御部をさらに備える。
このように構成することによって、具体的に、シミュレーション部562は、リアルタイムの揚水量に基づき、いつ管理水位変動量(静水位または動水位)を超過するかをシミュレーションできる。制御部は、その超過時点に合わせ、いつのタイミングで、ポンプを停止するか、もしくは、ポンプの周波数を下げるかを制御する。また、制御部は、管理水位変動量(静水位または動水位)より小さくなった場合、いつのタイミングで、ポンプを再開するか、もしくは、ポンプの周波数を上げるかを制御する。
【0068】
実施形態に係る画像作成装置によれば、記憶部に記憶されている水源の水位を表す情報と水源の識別情報とを含む計測情報と、水源地域の気象データ、河川水位データ及び地質図の少なくとも1以上の項目を含む公開情報とに基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションするシミュレーション部と、地図に設定された地域のうち、水源の位置に該当する領域に、前記シミュレーション結果を表した画像を作成する画像作成部とを備える。
このように構成することによって、クラウドサーバ600などの記憶部から計測情報及び公開情報を取得し、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、将来の水位トレンド及び水循環トレンドのいずれか一方又は両方をシミュレーションできる。さらに、将来の水位トレンド及び水循環トレンドのいずれか一方又は両方のシミュレーション結果を表した画像を作成できる。
【0069】
(実施形態の変形例(その1))
実施形態の変形例に係る遠隔監視システムは、図1を適用できる。
実施形態の変形例に係る遠隔監視システムでは、水位計19は、水源の静水位と動水位とを計測する。そして、水位計19が計測した静水位の計測結果、動水位の計測結果等の水位情報をさらに含む計測情報を監視装置112へ送信する。
遠隔監視サーバ200は、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bが送信した計測情報を受信し、受信した計測情報に含まれる水位情報及び稼働状態情報と、水源の識別情報とを取得する。遠隔監視サーバ200は、取得した水位情報及び稼働状態情報と、水源の識別情報とを関連付けて、クラウドサーバ600に記憶させる。
【0070】
実施形態の変形例に係る遠隔監視システム1によれば、シミュレーション装置500は、遠隔監視サーバ200が送信したシミュレーション要求に含まれる水源の識別情報に基づいて、クラウドサーバ600から、水源の識別情報を含む計測情報及び水源の識別情報に関連付けられている公開情報を取得する。ここで、計測情報には、水位情報(静水位又は動水位)及び膜ろ過処理された水質情報のいずれか一方又は両方を含む。シミュレーション装置500は、取得した計測情報及び公開情報に基づいて、水源の水位と水循環、及び、水位トレンドと水循環トレンドの少なくとも1以上の項目をシミュレーションする。
【0071】
このように構成することによって、一般的な観測井戸で計測される情報を使用する場合と比較して、リアルタイムに近い情報を取得できる。リアルタイムに近い情報を取得できることによって、静水位及び動水位のいずれか一方又は両方の変化を精度よくとらえることができるとともにシミュレーションの精度を向上させることができる。さらに、井戸の水位の変化をリアルタイムで観測できることによって、井戸の水位と揚水ポンプの発停信号の計測とを組み合わせることによって、静水位及び動水位の長期的な挙動を面的にとらえることができる。
【0072】
(実施形態の変形例(その2))
実施形態の変形例2に係る遠隔監視システム1aは、図1を適用できる。ただし、遠隔監視システム1aは、遠隔監視サーバ200の代わりに遠隔監視サーバ200aを備える点で、遠隔監視システム1とは異なる。
遠隔監視サーバ200aは、遠隔監視サーバ200の機能に加えて、クラウドサーバ600のシミュレーション結果テーブル676に記憶された水位トレンド及び水循環トレンドのシミュレーション結果を取得する。遠隔監視サーバ200aは、取得した水位トレンド及び水循環トレンドのシミュレーション結果に含まれる水位のシミュレーション結果を解析することによって、地盤沈下を予測する。
【0073】
図13は、実施形態の変形例2に係る遠隔監視サーバの一例を示す図である。遠隔監視サーバ200aは、通信部250と制御部260aと記憶部270と上記各構成要素を図13に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン290とを備える。
制御部260aは、例えば演算処理装置によって構成され、記憶部270に記憶されたプログラム272を実行することにより、記憶処理部262と取得部263と表示画像作成部264と解析部266aとして機能する。
通信部250は、通信モジュールによって実現される。通信部250は、通信網50を経由して、監視装置112、シミュレーション装置500、クラウドサーバ600及び端末装置300と通信を行う。通信部250は、解析部266aが出力した解析結果を取得し、取得した解析結果を端末装置300へ送信する。
【0074】
解析部266aは、クラウドサーバ600のシミュレーション結果テーブル676に記憶された、前記シミュレーション結果を取得する。解析部266aは、取得した結果を解析することによって、地盤沈下を予測する。
具体的には、解析部266aは、初期水位(静水位)を示す情報を記憶し、取得した水位トレンドのシミュレーション結果から初期水位を減算した値を算出する。ここで、初期水位として、基準とする日時の水位を使用してもよい。解析部266aは、減算した値に応じて、地盤沈下のリスクを判定する。例えば、減算した値が-5m以上である場合には一番リスクが低いことを示す「リスク1」とし、減算した値が-10m以上で且つ-5m未満である場合には二番目にリスクが低いことを示す「リスク2」とし、減算した値が-10m未満である場合には三番目にリスクが低いことを示す「リスク3」とする。さらに、解析部266aは、標高情報を取得し、取得した標高情報から、地盤沈下が生じているか否かを確認することによって、予測の検証を行うようにしてもよい。
【0075】
ここで、地下水位と地盤沈下との関係について説明する。地下水が適正な揚水量でくみ上げられている場合、地下水の揚水量と涵養量とのバランスが取れているため、急激な水位の低下は起こりにくい。この場合、地下水盆の周期にある地層に空隙等は生じにくく、地盤沈下も起こりにくい。
逆に地下水の揚水量と涵養量とのバランスが崩れると、過剰揚水等で地下水位が低下し、揚水後に一定時間待機しても、初期値まで地下水位(静水位)が回復しなかったり、揚水中の水位(動水位)も徐々に低下したりする等の地下水位の具体的な変化として計測される。このような、初期水位(静水位)の変化又は動水位(揚水中の水位)の変化が、水位のシミュレーション結果から検知された場合、該水位のシミュレーション結果が得られた水源が存在する地表の地盤沈下のリスクが上昇していると判定できる。
そこで、解析部266aは、初期水位(静水位)を示す情報を記憶し、取得した水位のシミュレーション結果から初期水位を減算した値を算出する。解析部266aは、該減算した値に応じて、地盤沈下のリスクを判定する。さらに、解析部266aは、減算した値に応じて、地下水の揚水量と涵養量とのバランスが崩れているか否かを判定することによって、地盤沈下の要因を解析する。
【0076】
また、解析部266aは、クラウドサーバ600のシミュレーション結果テーブル676に記憶された水位及び水循環のシミュレーション結果から、水位のシミュレーション結果の時系列データを取得するようにしてもよい。そして、解析部266aは、水位のシミュレーション結果の時系列データから、日毎の最低水位の時系列データを取得し、取得した日毎の最低水位の時系列データを統計処理するようにしてもよい。
具体的には、解析部266aは、取得した日毎の最低水位の時系列データの変化率等を算出するようにしてもよい。そして、解析部266aは、初期の水位からリスク1へ至った期間を計算する。そして、解析部266aは、初期の水位からリスク1へ至った期間の計算結果に基づいて、リスク1からリスク2へ至る期間、さらにリスク2からリスク3へ至る期間を予測するようにしてもよい。
また、解析部266aは、最低水位の閾値を記憶し、取得した水位のシミュレーション結果が最低水位の閾値未満になった場合に、警報を発することによって通知するようにしてもよい。
さらに、解析部266aは、シミュレーション結果の経時変化に基づいて、水源の水位の予測値を算出し、該予測値に対応する水位の計測情報と比較し、精度を判定するようにしてもよい。
【0077】
(遠隔監視システムの動作)
図14は、実施形態の変形例2に係る遠隔監視システムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。図14を参照して、遠隔監視サーバ200aが、シミュレーション結果を解析し、解析結果を端末装置300へ送信する処理について説明する。
ステップS1-3では、遠隔監視サーバ200aにおいて、解析部266aは、クラウドサーバ600のシミュレーション結果テーブル676に記憶された水位トレンド及び水循環トレンドのシミュレーション結果を取得する。
ステップS2-3では、遠隔監視サーバ200aにおいて、解析部266aは、取得した水位トレンド及び水循環トレンドのシミュレーション結果に含まれる水位のシミュレーション結果を解析する。具体的には、解析部266aは、水位トレンドのシミュレーション結果を解析することによって、地盤沈下を予測する。
【0078】
ステップS3-3では、遠隔監視サーバ200aにおいて、解析部266aは、水位トレンドのシミュレーション結果の解析結果を、通信部250へ出力する。通信部250は、解析部266aが出力した解析結果を、端末装置300へ送信する。
ステップS3-3では、端末装置300において、通信部350は、遠隔監視サーバ200aが送信した解析結果を受信する。制御部360は、通信部350から解析結果を取得し、取得した解析結果を処理することによって、ディスプレイ380に表示する。
【0079】
前述した実施形態の変形例2では、遠隔監視サーバ200aが、水位トレンドのシミュレーション結果を解析することによって、地盤沈下を予測し、地盤沈下を予測した結果を、端末装置300へ送信する場合について説明したが、この限りでない。例えば、遠隔監視サーバ200aは、地盤沈下を予測した結果を含む電子メールを、関係者へ配信するようにしてもよい。このように構成することによって、現地に要員が居なくても、要員にリスクを把握させることができる。
前述した実施形態の変形例2において、地盤沈下のリスクがあると予測した地点の標高情報表示画像を参照することによって、地盤沈下が生じているか否かを確認することによって、予測の検証を行うようにしてもよい。
前述した実施形態の変形例2において、遠隔監視サーバ200aの解析部266aは、シミュレーション結果の経時変化に基づいて、水源の水位の予測値を算出し、該予測値に対応する水位の計測情報と比較することで精度を導出し、導出した精度を判定するようにしてもよい。遠隔監視サーバ200aは、求めた精度が予め設定された閾値未満である場合には、シミュレーション装置500は、導出した精度を示す情報を、シミュレーション装置へ送信するようにしてもよい。シミュレーション装置500において、シミュレーション部562は、遠隔監視サーバ200aが送信した精度を示す情報に基づいて、精度が閾値内に収まるまで繰り返しシミュレーションを行うようにしてもよい。
【0080】
前述した実施形態及び変形例1、2においては、水源の一例として井戸について説明したが、この例に限られない。例えば、河川にも適用できる。この場合、地下水膜ろ過システム100a及び地下水膜ろ過システム100bには、河川等の水源に設置され、膜ろ過処理によって、河川水を安全で、且つ安心な飲料水に変える分散型水道システムが適用される。
また、前述した実施形態及び変形例1、2においては、地下水膜ろ過システム100において、膜ろ過処理された水の水質が計測される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、膜ろ過のほかにもさらに砂ろ過や、活性炭ろ過や、凝集剤による沈殿や、薬品注入による水処理等、全ての水の浄化方法を含む。また、処理水だけではなく、未処理水の水質が計測されてもよい。
また、前述した実施形態及び変形例1、2においては、遠隔監視システム1、1aが地下水膜ろ過システム100aと地下水膜ろ過システム100bとを備える場合について説明したが、この例に限られない。例えば、遠隔監視システム1、1aが備える地下水膜ろ過システムは1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
【0081】
前述した実施形態及び変形例1、2においては、水位計19の一例として気泡式水位計について説明したが、この例に限られない。例えば、投込式水位計を使用するようにしてもよい。
前述した実施形態及び変形例1、2においては、計測情報テーブル674に、地下水膜ろ過システム100のIDと地下水膜ろ過システムが設置された位置を示す情報(緯度、経度)とが関連付けて記憶されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、監視装置112が、地下水膜ろ過システム設置された位置を示す情報を含む計測情報を作成し、該作成した計測情報を、遠隔監視サーバ200へ送信するようにしてもよい。
前述した実施形態及び変形例1、2においては、水源の識別情報の一例として、地下水膜ろ過システム100のID等について説明したが、この例に限られない。たとえば、監視装置112にSIM(Subscriber Identity Module)を備え、該SIMに記録されている識別情報が使用されてもよい。
【0082】
前述した実施形態及び変形例1、2においては、水位情報表示画像の一例として、地図に設定された地域のうち、水源の位置に、水位に応じて異なる色で塗りつぶされる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、地質図のレイヤーに設定された地域のメッシュのうち、水源の位置に、水位に応じて異なる色で塗りつぶされるようにしてもよい。このように構成することによって、水脈に基づいて、水が出る地域を検討することができる。
前述した実施形態及び変形例1、2においては、水循環情報表示画像の一例として、地図に設定された地域のうち、水源の位置に、水循環に応じて異なる色で塗りつぶされる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、地質図のレイヤーに設定された地域のうち、水源の位置に、水循環に応じて異なる色で塗りつぶされるようにしてもよい。このように構成することによって、水脈に基づいて、水が出る地域を検討することができる。前述した地図は、地質図に限られず、地形図、集成図、地勢図なども適用できる。
【0083】
実施形態の変形例2に係る遠隔監視システム1aによれば、遠隔監視システム1において、サーバは、シミュレーション結果の経時変化に基づいて、水源の水位の予測値を算出し、該予測値に対応する水位の計測情報と比較し、精度を判定する解析部266aをさらに備える。
精度の判定方法は特に限定されていない。例えば、解析部266aは、ある時点のシミュレーション結果(点)と、当該時点の実際の計測情報(点)と比較し、水位の誤差を判定する。または、解析部266aは、一定期間内のシミュレーション(線)と、当該期間内の実際の計測情報(線)と比較し、水位の乖離率を判定する。
シミュレーション部562は、解析部266aの判定結果に基づいて、精度が予め設定された目標値を下回る場合には、シミュレーション用の条件(例えば、パラメータ)の設定を変更・調整することで、精度が目標値を達するまで繰り返しシミュレーションを行う。
精度の目標値は、求めるシミュレーション結果に基づき、適宜に設定されてよい。
このように構成することによって、シミュレーションの精度を調整することができ、次回のシミュレーション結果に反映することが可能である。その結果、シミュレーション結果の精度をより向上させることが可能になる。
【0084】
以上、実施形態及びその変形例を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。例えば、前述した実施形態の変形例1と、実施形態の変形例2とが組み合わされてもよい。
【0085】
なお、上述した遠隔監視システムの監視装置112、遠隔監視サーバ200、200a、端末装置300、シミュレーション装置500及びクラウドサーバ600は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。
【0086】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0087】
また、図を用いて説明した装置の各機能部は、ソフトウェア機能部であるものとしたが、機能の一部又は全部は、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0088】
11・・・井戸、12・・・揚水ポンプ、13・・・揚水配管、16・・・保護管、16a・・・取水口、17・・・金網、18・・・接触防止剤、19・・・水位計、A・・・大気、G・・・地面、H・・・掘削穴、X・・・帯水層、S・・・水面、W・・・地下水、50・・・通信網、100、100a、100b・・・地下水膜ろ過システム、102・・・地下水くみ上げシステム、104・・・原水槽、106・・・前ろ過器、108・・・膜ろ過器、110・・・処理水槽、112・・・監視装置、114a・・・水質計、116・・・受水槽、150・・・通信部、160・・制御部、162・・・取得部、164・・・判定部、166・・作成部、168・・・処理制御部、170・・・記憶部、172・・・プログラム、180・・・バスライン、200、200a・・・遠隔監視サーバ、250・・・通信部、260、260a・・・制御部、262・・・記憶処理部、263・・・取得部、264・・・表示画像作成部、266a・・・解析部、270・・・記憶部、272・・・プログラム、290・・・バスライン、300・・・端末装置、350・・・通信部、360・・・制御部、370・・・記憶部、372・・・プログラム、376・・・アプリ、380・・・ディスプレイ、385・・・操作部、390・・・バスライン、500・・・シミュレーション装置、550・・・通信部、560・・・制御部、570・・・記憶部、572・・・プログラム、574・・・アプリ、590・・・バスライン、600・・・クラウドサーバ、650・・・通信部、660・・・制御部、662・・・記憶処理部、670・・・記憶部、672・・・プログラム、674・・・計測情報テーブル、675・・・公開情報テーブル、676・・・シミュレーション結果テーブル、690・・・バスライン
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