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特開2024-127440情報処理システム及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127440
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240912BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F3/12 326
B41J29/46 Z
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 361
G06F3/12 360
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036596
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政俊
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HV11
2C061HV13
2C061HV14
2C061HV35
(57)【要約】
【課題】印刷装置の起動を待つことなく、電源が切れている印刷装置に印刷を指示する。
【解決手段】情報処理システム10は、電源が切れている印刷装置100の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている印刷装置100に印刷を指示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、
情報処理システム。
【請求項2】
電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、当該印刷不可となった機能に関し前記装置情報が更新される、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、他の電源が切れている前記印刷装置を起動させて印刷を指示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置に印刷を指示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、
印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置を表示する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
電源が切れていた前記印刷装置が起動すると、前記装置情報が更新される、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
電源が切れていた間に前記装置情報に変更があった場合に、前記装置情報が更新される、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、
予め定められた時間に電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
電源の供給が停止されてから予め定められた時間が経過すると電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項10】
予め定められた時刻以降で最初に起動した前記プロセッサが、電源が切れている前記印刷装置を起動させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記装置情報を更新した更新情報を参照する、
請求項2、請求項6~請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータに、
電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ローカルエリアネットワークシステムを形成するためにネットワーク関連デバイスによって他のネットワーク装置に接続されたシステム装置に関する技術が開示されている。この先行技術では、システム装置は、ローカルエリアネットワークシステムが通常動作している場合に、ネットワーク関連デバイスに対して、ネットワーク接続される相手側ネットワーク装置から電力が供給されるPoE(Power over Ethernet(登録商標))方式と、ネットワーク関連デバイスに対して、システム装置側から電力が供給される方式とのどちらかを選択する電源監視手段を有する構成となっている。
【0003】
特許文献2には、画像形成装置本体がオフ状態においても通信媒体を経由して電力を供給可能な画像形成装置の制御に関する技術が開示されている。この先行技術では、画像形成装置のLANコントローラは、LANを介してジョブを受信した場合に、コントローラの電源がオンされていない場合、スイッチをオンに切り替えてコントローラの電源をオンする動作を行う。そして、該動作の後でもコントローラの電源がオンされていない場合、メインスイッチの状態がオフの場合の少なくともいずれかの場合に、ジョブの送信元に、AC電源の接続を促す通知、メインスイッチのオン操作を促す通知の少なくともいずれかを通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-260108号公報
【特許文献2】特開2014-229975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源が切れている印刷装置で印刷を行う場合、印刷装置を起動させてから当該印刷装置の情報である装置情報を参照して印刷指示をする必要がある。しかし、この場合、ユーザは、印刷装置が起動して装置情報を参照することが可能になるまで印刷指示を待つ必要がある。
【0006】
本発明は、電源が切れている印刷装置に印刷を指示することができる情報処理システムを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様は、少なくとも一つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、情報処理システムである。
【0008】
第二態様は、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、当該印刷不可となった機能に関し前記装置情報が更新される、第一態様に記載の情報処理システムである。
【0009】
第三態様は、前記プロセッサは、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、他の電源が切れている前記印刷装置を起動させて印刷を指示する、第一態様に記載の情報処理システムである。
【0010】
第四態様は、前記プロセッサは、印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置に印刷を指示する、第一態様に記載の情報処理システムである。
【0011】
第五態様は、前記プロセッサは、印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置を表示する、第一態様に記載の情報処理システムである。
【0012】
第六態様は、電源が切れていた前記印刷装置が起動すると、前記装置情報が更新される、第一態様に記載の情報処理システムである。
【0013】
第七態様は、電源が切れていた間に前記装置情報に変更があった場合に、前記装置情報が更新される、第六態様に記載の情報処理システムである。
【0014】
第八態様は、前記プロセッサは、予め定められた時間に電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、第六態様に記載の情報処理システムである。
【0015】
第九態様は、前記プロセッサは、電源の供給が停止されてから予め定められた時間が経過すると電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、第六態様に記載の情報処理システムである。
【0016】
第十態様は、予め定められた時刻以降で最初に起動した前記プロセッサが、電源が切れている前記印刷装置を起動させる、第六態様に記載の情報処理システムである。
【0017】
第十一態様は、前記プロセッサは、前記装置情報を更新した更新情報を参照する、第二態様、第六態様~第十態様のいずれか一態様に記載の情報処理システムである。
【0018】
第十二態様は、コンピュータに、電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
第一態様に記載の情報処理システムでは、電源が切れている印刷装置に印刷を指示することができる。
【0020】
第二態様に記載の情報処理システムでは、ユーザが装置情報を更新する手間を省くことができる。
【0021】
第三態様に記載の情報処理システムでは、印刷不可であった場合に他の電源が切れている印刷装置を起動させない場合と比較し、再度電源が切れていた印刷装置で印刷不可となることが防止される。
【0022】
第四態様に記載の情報処理システムでは、ユーザが他の印刷装置に印刷の指示をする手間を省くことができる。
【0023】
第五態様に記載の情報処理システムでは、印刷不可の印刷装置に印刷の指示をすることが防止される。
【0024】
第六態様に記載の情報処理システムでは、ユーザが装置情報を更新する手間を省くことができる。
【0025】
第七態様に記載の情報処理システムでは、装置情報に変更がなくても更新する場合と比較し、通信回線の混雑が減少する。
【0026】
第八態様に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を行うときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に亘って更新されないことが防止される。
【0027】
第九態様に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を行うときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に渡って更新されないことが防止される。
【0028】
第十態様に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を行うときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に渡って更新されないことが防止される。
【0029】
第十一態様に記載の情報処理システムでは、更新情報を参照しない場合と比較し、装置情報の信頼性を判断することができる。
【0030】
第十二態様に記載の情報処理プログラムでは、印刷装置の起動を待つことなく、電源が切れている印刷装置に印刷を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】情報処理システムの構成図である。
図2】印刷装置のハードウェア構成のブロック図である。
図3】サーバーのハードウェア構成のブロック図である。
図4】PCのハードウェア構成のブロック図である。
図5】印刷処理を説明するための図1に対応する構成図である。
図6】第一実施形態の情報処理システムの印刷処理のフローチャートである。
図7】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図8】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図9】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図10】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図11】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図12】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図13】第一実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図14】第二実施形態の情報処理システムの印刷処理のフローチャートである。
図15】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図16】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図17】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図18】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図19】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図20】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図21】第二実施形態の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図22】他の例の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図23】他の例の情報処理システムでの印刷処理を説明するための説明図である。
図24】(A)はディスプレイのポップアップ表示の例の説明図であり、(B)はポップアップ表示の他の例の説明図である。
図25】装置情報の更新情報の例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の情報処理システムについて説明する。
【0033】
[情報処理システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。この図1に示すように、情報処理システム10は、複数の印刷装置100と、サーバー50と、複数のパーソナルコンピュータ20(以降「PC20」と記す)と、を有し、これら印刷装置100とサーバー50とPC20とが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット及びイントラネット等の通信回線12を介して各々接続されている。よって、印刷装置100とサーバー50とPC20とは、通信回線12を介して各種データ等の送受信を相互に行うことが可能となっている。なお、複数の印刷装置100を区別して説明する場合は、符号100の後に適宜A、B、Cを付す。同様に、複数のPC20を区別して説明する場合は、符号20の後に適宜A、Bを付す。
【0034】
[印刷装置]
図1に示す印刷装置100は、通信回線12を介して各種データ等を送受信すると共に受信したデータ等に基づく画像形成処理を行い用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成機能、原稿を読み取って原稿を表す画像情報を取得する読取機能及び原稿に記録された画像を用紙等の記録媒体上に複写する複写機能等を有する所謂複合機である。なお、印刷装置100で記録媒体に画像を形成する方式は、電子写真方式及びインクジェット方式等、どのような方式であってもよい。
【0035】
また、本実施形態の印刷装置100は、予め定めた条件となると通常モードから節電モードに移行する。節電モードに移行する条件は、例えば予め定めた時間以上操作されなかった場合及びユーザが節電モードへの切り替え操作をした場合等である。
【0036】
節電モードは、通常モードよりも消費電力が小さく、本実施形態では消費電力は0w又は略0wであり、各種機能が停止する。なお、節電モードでは、印刷装置100は、サーバー50及びPC20とは、通信回線12を介して各種データ等の送受信を相互に行うことができない。よって、節電モード中の印刷装置100は、実質的に電源が切れた状態と等しい。したがって、節電モード中の印刷装置100は、電源が切れた状態の印刷装置100に含まれる。
【0037】
なお、印刷装置100は、節電モード中に内蔵された時計等に電気を供給するための電池又はキャパシタ等を搭載している。
【0038】
節電モード中の印刷装置100は、ユーザが電源スイッチ及び操作パネル等を操作することで起動し、通常モードに移行する。
【0039】
また、節電モード中の印刷装置100は、PC20からの指示でも起動し、通常モードに移行する。PC20からの指示で節電モード中の印刷装置100を起動させる方法は、どのような方法であってもよい。例えば、PoE(Power over Ethernet(登録商標))を用いて印刷装置100に電力供給することで起動のトリガとする。或いは、電源ON/OFFできるスマートプラグを用いて、電源を入れて起動させる。
【0040】
また、本実施形態の印刷装置100は、記録媒体の一例としてのA4サイズの用紙とA3サイズの用紙とに画像形成することが可能となっている。A4サイズの用紙は給紙カセット110に収納され、A3サイズの用紙は給紙カセット120に収納されている。給紙カセット110、120は、装置本体102に対して着脱可能となっている。
【0041】
なお、後述するサーバー50には、印刷装置100の装置情報の一例である給紙カセット110、120の着脱状態が保存されている。
【0042】
図2は、印刷装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すように、印刷装置100は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)151、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153、ストレージ154、画像形成部155、画像読取部156、ユーザインタフェース157及び通信インタフェース158を有している。各構成は、バス159を介して相互に通信可能に接続されている。
【0044】
CPU151は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU151は、ROM152又はストレージ154からプログラムを読み出し、RAM153を作業領域としてプログラムを実行する。
【0045】
ROM152は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM153は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ154は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0046】
画像形成部155は、記録媒体、本実施形態ではA3サイズの用紙及びA4サイズの用紙に画像を形成するものである。前述したように、用紙に画像を形成する方式は、電子写真方式及びインクジェット方式等、どのような方式であってもよい。
【0047】
電子写真方式の場合を例にあげると、画像形成部155は、感光体ドラム、感光体ドラムを帯電するための帯電装置、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光することにより感光体ドラム上に画像に応じた静電潜像を形成する露光装置、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーで現像しトナー像を形成する現像装置、感光体ドラム上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置及び記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置等を含んで構成される。
【0048】
画像読取部156は、所謂スキャナーであり、ラインCCD等の画像読取センサ及び当該画像読取センサを走査するための走査機構等を含んで構成され、装置にセットされた原稿の画像を読み取る。
【0049】
ユーザインタフェース157は、ユーザが印刷装置100を使用する際のインタフェースである。ユーザインタフェース157は、例えば、ユーザによるタッチ操作を可能とするタッチパネルを備えた液晶ディスプレイ及びユーザが押下可能なボタン等の少なくとも一つを含む。
【0050】
通信インタフェース158は、印刷装置100が、サーバー50及びPC20(図1参照)等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI及びWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0051】
[サーバー]
図1に示すサーバー50は、通信回線12を介して各種データ等を送受信すると共に前述の複数の印刷装置100A、100B、100Cの装置情報が保存される。装置情報は、通信回線12を介してデータを受信することで更新される。また、サーバー50に保存した装置情報は通信回線12を介してPC20A、20Bから参照することが可能となっている。
【0052】
なお、本実施形態における装置情報は、前述したように、印刷装置100の給紙カセット110、120の着脱状態の情報である。
【0053】
図3は、サーバー50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、サーバー50は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、ディスプレイ55、キーボード56、ポインティングデバイス57及び通信インタフェース58を有している。各構成は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0055】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。
【0056】
ROM52は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0057】
ディスプレイ55は、各種の情報を表示するために用いられる。キーボード56は各種の情報を入力するために用いられる。ポインティングデバイス57は、所謂マウス等であり、ディスプレイ55に表示されたポインタの移動操作等に用いられる。
【0058】
通信インタフェース58は、サーバー50が、印刷装置100及びPC20(図1参照)等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI及びWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0059】
[PC]
図1に示すPC20は、通信回線12を介して各種データ等を送受信する。また、PC20は、複数の印刷装置100に通信回線12を介して印刷の指示を行う。また、PC20は、印刷装置100が節電モード中の場合は、印刷装置100起動し通常モードに移行させると共に印刷の指示を送る。
【0060】
また、PC20は、通信回線12を介して前述の複数の印刷装置100A、100B、100Cの装置情報及びサーバー50に保存した装置情報を参照可能となっていると共にサーバー50に保存された印刷装置100A、100B、100Cの装置情報を更新する。
【0061】
図4は、PC20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示すように、PC20は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ストレージ24、ディスプレイ25(図24(A)及び図24(B)も参照)、キーボード26、ポインティングデバイス27及び通信インタフェース28を有している。各構成は、バス29を介して相互に通信可能に接続されている。
【0063】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又はストレージ24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。
【0064】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ24は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0065】
ディスプレイ25は、各種の情報を表示するために用いられる。キーボード23は各種の情報を入力するために用いられる。ポインティングデバイス27は、所謂マウス等であり、ディスプレイ25に表示されたポインタの移動操作等に用いられる。
【0066】
通信インタフェース28は、PC20が、印刷装置100及びサーバー50(図1参照)等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI及びWi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0067】
[印刷処理]
次に、本実施形態における印刷処理について説明する。
【0068】
なお、印刷処理を開始する際の状態は、図5に示すように、印刷装置100A、100B、100Cが節電モードに移行した状態とする。一点鎖線Sで囲まれた印刷装置100が節電モード中であることを示している。そして、印刷装置100Aは、節電モード中にA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aが取り外され、A4サイズの用紙が収納された給紙カセット110Aのみが装着されている状態とする。
【0069】
節電モード中の印刷装置100A、100B、100Cは、サーバー50及びPC20とは、通信回線12を介して各種データ等の送受信を相互に行うことができない。よって、サーバー50には、節電モードへの移行前の印刷装置100A、100B、100Cの装置情報が保存されている。つまり、サーバー50には、印刷装置100AがA4サイズの用紙が収納された給紙カセット110AとA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aとの二つが装着されている装置情報が保存されている。
【0070】
また、節電モード中の印刷装置100A、100B、100Cに対して、PC20は、直接装置情報を参照することができない。つまり、PC20は、サーバー50の装置情報のみを参照できる。
【0071】
図6はPC20における処理のフローチャートである。
【0072】
図6のステップS102に示すように、ユーザがPC20Aを操作して節電モード中の印刷装置100でA3サイズの用紙に印刷する指示をし、PC20AのCPU21がこの指示を受け付ける。
【0073】
図6のステップS104及び図7のT11に示すように、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aの装置情報をサーバー50で参照する。
【0074】
図6のステップS106に示すように、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷可能であるかを判断する。本例では、A3サイズの用紙で印刷可能であるか否か判断する。
【0075】
CPU21は、印刷予定の印刷条件で印刷可能、すなわちA3サイズの用紙で印刷可能であれば(Yes)、図6のステップS110及び図8のT12、K1に示すように、節電モード中の印刷装置100Aを起動すると共に印刷装置100Aに印刷の指示を送る。
【0076】
図9のT13に示すように、印刷装置100Aが起動して通常モードになると、A3サイズの用紙で印刷する印刷の指示を受け付けるが、給紙カセット120Aが取り外されており印刷できない、つまり印刷不可であるので、印刷エラーをPC20Aに送る。
【0077】
図6のステップS112に示すように、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信するか否かを確認する。
【0078】
PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信した場合(Yes)は、図6のステップS114及び図10のT14に示すように、サーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報を更新する。
【0079】
また、図6のステップS116及び図11のT15、K12、K13に示すように、PC20AのCPU21は、通信回線12に接続されている全ての印刷装置100、本例では印刷装置100B、100Cを起動させる。そして、ユーザはPC20AからA3サイズの用紙に印字可能な印刷装置100に印刷を指示する。
【0080】
ここで、節電モード中に印刷装置100AのA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aが取り外されていなかった場合は、印刷装置100AはA3サイズの用紙で印刷可能であるので、印刷装置100Aは印刷エラーをPC20Aに送らない。よって、図6のステップS112では、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信しない(No)。したがって、CPU21は、サーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報を更新したり、他の印刷装置100を起動させたりすることなく、処理を終了する。
【0081】
また、印刷装置100Aの給紙カセット120Aが取り外された装置情報がサーバー50に保存されている場合、図6のステップS106では、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷不可であると判断する(No)。
【0082】
そして、図6のステップS108及び図12のT16、K14に示すように、CPU21は、参照したサーバー50の装置情報からA3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100Bを起動すると共に印刷装置100Bに印刷の指示を送る。
【0083】
また、その時、CPU21は、図24(A)に示すように、印刷装置100AにはA3サイズの用紙が収容された給紙カセット120Aが装着されていないので、A3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100Bで印刷することをディスプレイ25にポップアップ表示してユーザに報知する。
【0084】
なお、図24(B)に示すように、A3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100が複数ある場合、ユーザに印刷を指示する印刷装置100を選択させてもよい。
【0085】
次に、PC20AのCPU21がサーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報を更新した後に、再度、節電モードになった状態とする。そして、今度は、別のユーザがPC20Bから、図6のステップS102に示すように、A3サイズの用紙に節電モード中の印刷装置100Aでの印刷を指示する。
【0086】
図6のステップS104及び図13のT17に示すように、PC20BのCPU21は、印刷装置100Aの装置情報をサーバー50で参照する。
【0087】
図6のステップS106に示すように、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷可能であるかを判断する。
【0088】
前述したようにPC20AのCPU21がサーバー50に保存されている印刷装置100Aの給紙カセット120Aが取り外された装置情報に更新している。よって、図6のステップS106では、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷不可であると判断する(No)。以降は、前述したPC20Aの場合と同じであるので、説明を省略する。
【0089】
[作用]
次に本実施形態の作用について説明する。
【0090】
情報処理システム10では、PC20は、印刷装置100が節電モード中の場合、サーバー50に保存された印刷装置100の装置情報を参照して印刷の指示を行うので、印刷装置100の起動を待つことなく、節電モード中、実質的に電源が切れている印刷装置100に印刷を指示することができる。
【0091】
また、情報処理システム10では、節電モード中の印刷装置100に印刷の指示がなされ印刷装置100が起動した際に印刷不可の場合、本例ではA3サイズの用紙に印刷できない場合、印刷装置100はPC20に印刷エラーを送る。これによりPC20がサーバー50の装置情報を更新する。本例では、A3サイズの用紙の給紙カセット120Aが装着されてない装置情報に更新する。よって、ユーザがサーバー50の装置情報を更新することなく、装置情報の更新が行われる。つまり、ユーザがサーバー50の装置情報を更新する手間を省くことができる。
【0092】
また、PC20は印刷装置100Aから印刷エラーを受けると他の節電モード中の印刷装置100B、100Cを起動させるので、再度節電モード中の印刷装置100B、100Cで印刷不可となることが防止される。
【0093】
具体的には、例えば、節電モード中の印刷装置100B、100Cを起動させなかった場合、仮に印刷装置100BもA3サイズの用紙が収容された給紙カセット120Bが節電モード中に取り外されている場合、節電モード中の印刷装置100Bに印刷の指示を行うと、再度、印刷不可となる。しかし、他の節電モード中の印刷装置100B、100Cを起動させることで、再度印刷不可となることが防止される。
【0094】
また、情報処理システム10では、PC20がサーバー50に印刷装置100Aの装置情報を参照した結果印刷不可である際、印刷可能な他の印刷装置100Bに印刷を指示するので、ユーザが他の印刷装置100Bに印刷の指示をする手間を省くことができる。
【0095】
或いは、PC20がサーバー50に印刷装置100Aの装置情報を参照した結果印刷不可の際、印刷可能な印刷装置100B、100Cをディスプレイ25に表示してユーザに印刷を指示する印刷装置100B、100Cを選択させる場合、印刷不可の印刷装置100に印刷の指示をすることが防止される。
【0096】
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の情報処理システムについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略又は簡略化する。
【0097】
[情報処理システム、印刷装置、サーバー及びPC]
【0098】
本実施形態の情報処理システム11は、第一実施形態と同様に、複数の印刷装置100と、サーバー50と、複数のPC20と、を有し、これら印刷装置100とサーバー50とPC20とが、通信回線12を介して各々接続されている(図1を参照)。
【0099】
なお、印刷装置100、サーバー50及びPC20のそれぞれの装置構成等は第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、本実施形態における印刷装置100の装置情報は、第一実施形態と同様に印刷装置100の給紙カセット110、120の着脱状態の情報である。
【0100】
但し、本実施形態では、印刷装置100は、装置情報の一例である給紙カセット110、120の着脱状態をサーバー50に送り更新する機能を有している。また、本実施形態では、印刷装置100は、電源が入れられたとき及び節電モードから通常モードに移行したときに装置情報をサーバー50に送り、サーバー50の装置情報を更新する。
【0101】
[印刷処理]
次に、本実施形態における印刷処理について説明する。
【0102】
本実施形態においても、印刷処理を開始する際の状態は、印刷装置100A、100B、100Cが節電モードに移行した状態とする。そして、印刷装置100Aは、節電モード中にA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aが取り外され、A4サイズの用紙が収納された給紙カセット110Aのみが装着されている状態とする(図5を参照)。
【0103】
節電モード中の印刷装置100A、100B、100Cは、サーバー50及びPC20とは、通信回線12を介して各種データ等の送受信を相互に行うことができない。よって、サーバー50には、節電モードへの移行前の印刷装置100A、100B、100Cの装置情報が保存されている。つまり、サーバー50には、印刷装置100AがA4サイズの用紙が収納された給紙カセット110AとA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aとの二つが装着されている装置情報が保存されている。
【0104】
また、節電モード中の印刷装置100A、100B、100Cは、サーバー50及びPC20とは、通信回線12を介して各種データ等の送受信を相互に行うことができない。よって、PC20は、印刷装置100A、100B、100Cに直接装置情報を参照することができない。つまり、PC20は、サーバー50の装置情報のみを参照できるとする。
【0105】
図14はPC20における処理のフローチャートである。
【0106】
図14のステップS202に示すように、ユーザがPC20Aを操作して節電モード中の印刷装置100でA3サイズの用紙に印刷する指示をし、PC20AのCPU21がこの指示を受け付ける。
【0107】
図14のステップS204及び図15のT21に示すように、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aの装置情報をサーバー50で参照する。
【0108】
図14のステップS206に示すように、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷可能であるかを判断する。
【0109】
CPU21は、印刷予定の印刷条件で印刷可能、すなわちA3サイズの用紙で印刷可能であれば(Yes)、図14のステップS210及び図16のT22、K21に示すように、節電モード中の印刷装置100Aを起動すると共に印刷装置100Aに印刷の指示を送る。
【0110】
図17のT23に示すように、印刷装置100Aが起動して通常モードに移行すると、印刷装置100Aは装置情報をサーバー50に送り、サーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報を更新する。
【0111】
また、図18のT24に示すように、印刷装置100Aが起動して通常モードになると、A3サイズの用紙で印刷する印刷の指示を受け付けるが、給紙カセット120Aが取り外されて印刷不可であるので、印刷エラーをPC20Aに送る。
【0112】
図14のステップS212に示すように、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信するか否かを確認する。
【0113】
PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信した場合(Yes)は、図14のステップS214及び図19のT25、K22,K23に示すように、PC20AのCPU21は、通信回線12に接続されている全ての印刷装置100、本例では印刷装置100B、100Cを起動させる。そして、ユーザは、PC20AからA3サイズの用紙に印字可能な印刷装置100に印刷を指示する。
【0114】
ここで、節電モード中に印刷装置100AのA3サイズの用紙が収納された給紙カセット120Aが取り外されていなかった場合は、印刷装置100AはA3サイズの用紙で印刷可能であるので、印刷装置100Aは印刷エラーをPC20Aに送らない。よって、図14のステップS212では、PC20AのCPU21は、印刷装置100Aからの印刷エラーを受信しない(No)。よって、CPU21は、他の印刷装置100を起動さることなく処理を終了する。
【0115】
また、印刷装置100Aの給紙カセット120Aが取り外された装置情報がサーバー50に保存されている場合、図14のステップS206では、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷不可であると判断する(No)。
【0116】
そして、図14のステップS208及び図20のT26,K24に示すように、CPU21は、参照したサーバー50の装置情報からA3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100Bを起動すると共に印刷装置100Bに印刷の指示を送る。また、その時、CPU21は、図24(A)に示すように、印刷装置100AにはA3サイズの用紙が収容された給紙カセット120Aが装着されていないので、A3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100Bで印刷することをディスプレイ25にポップアップ表示してユーザに報知する。
【0117】
なお、図24(B)に示すように、A3サイズの用紙で印刷可能な印刷装置100が複数ある場合、ユーザに印刷装置を選択させてもよい。
【0118】
次に、印刷装置100Aがサーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報を更新した後に、再度、節電モードになった状態とする。そして、今度は、別のユーザがPC20Bから、図14のステップS202に示すように、A3サイズの用紙に節電モード中の印刷装置100Aでの印刷を指示する。
【0119】
図14のステップS204及び図21のT27に示すように、PC20BのCPU21は、印刷装置100Aの装置情報をサーバー50で参照する。
【0120】
図14のステップS206に示すように、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷可能であるかを判断する。
【0121】
PC20AのCPU21が印刷装置100Aを起動させたときにサーバー50に保存されている印刷装置100Aの給紙カセット120Aが取り外された装置情報に更新されている。よって、図14のステップS206では、CPU21は、サーバー50に保存された印刷装置100Aの装置情報を参照した結果、印刷装置100Aが印刷予定の印刷条件で印刷不可であると判断する(No)。以降は、前述したPC20Aの場合と同じであるので、説明を省略する。
【0122】
次に、サーバー50に保存されている印刷装置100Aの装置情報がA3サイズの給紙カセット120Aが無い情報で、印刷装置100Aに給紙カセット120Aが装着された場合、ユーザがPC20AからA4サイズの用紙に節電モード中の印刷装置100Aでの印刷を指示する。
【0123】
このとき、PC20AのCPU21は、サーバー50に印刷装置100Aの装置情報を参照すると、A4サイズの用紙で可能であるので、節電モード中の印刷装置100Aでの印刷を指示する。
【0124】
これにより、節電モード中の印刷装置100Aが起動されA4サイズの用紙に印刷される。このとき、印刷装置100Aは起動し通常モードに移行することで、A3サイズの給紙カセット120Aが装着されている装置情報を送り、サーバー50の装置情報を更新する。
【0125】
[作用]
次に本実施形態の作用について説明する。
【0126】
情報処理システム11では、PC20は、印刷装置100が節電モード中の場合、サーバー50に保存された印刷装置100の装置情報を参照して印刷の指示を行うので、印刷装置100の起動を待つことなく、節電モード中、実質的に電源が切れている印刷装置100に印刷を指示することができる。
【0127】
また、情報処理システム11では、節電モード中の印刷装置100に印刷の指示がなされ印刷装置100が起動した際に、印刷装置100はサーバー50の装置情報を更新する。よって、ユーザがサーバー50の装置情報を更新することなく、装置情報の更新が行われる。つまり、ユーザがサーバー50の装置情報を更新する手間を省くことができる。
【0128】
また、情報処理システム11では、節電モード中の印刷装置100に印刷の指示がなされ印刷装置100が起動した際に印刷不可の場合、本例ではA3サイズの用紙に印刷できない場合、印刷装置100はPC20に印刷エラーを送る。PC20は印刷装置100Aから印刷エラーを受けると他の節電モード中の印刷装置100B、100Cを起動させるので、再度節電モード中の印刷装置100B、100Cで印刷不可となることが防止される。
【0129】
また、情報処理システム11では、PC20がサーバー50に印刷装置100Aの装置情報を参照した結果印刷不可である際、印刷可能な他の印刷装置100Bに印刷を指示するので、ユーザが他の印刷装置100Bに印刷の指示をする手間を省くことができる。
【0130】
或いは、PC20がサーバー50に印刷装置100Aの装置情報を参照した結果印刷不可の際、印刷可能な印刷装置100B、100Cをディスプレイ25に表示してユーザに印刷を指示する印刷装置100B、100Cを選択させる場合、印刷不可の印刷装置100に印刷の指示をすることが防止される。
【0131】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0132】
例えば、上記、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、PC20が印刷する際に印刷装置100を起動したが、これに限定されるものではない。例えば、サーバー50も印刷装置100を起動できるようにしてもよい。この場合、図22のT31、K31,K32,K33に示すように、サーバー50が節電モード中の印刷装置100を適宜起動し、T32に示すように印刷装置100がサーバー50の装置情報を更新することが可能になる。
【0133】
例えば、一定の間隔毎、例えば3時間毎にサーバー50が節電モード中の印刷装置100を起動するようにしてもよいし、一定の時刻になると、例えば平日(月曜~金曜)の朝7時になるとサーバー50が節電モード中の印刷装置100を起動するようにしてもよい。
【0134】
また、朝最初に、例えば7時以降に最初に電源が入れられたPC20が節電モード中の印刷装置100を起動させてサーバー50に保存されている装置情報を更新するようにしてもよい。具体的には、図23のT41に示すように、最初に出勤したユーザがPC20Aに電源を入れると、PC20Aはサーバー50に設定された時間、例えば、朝7時以降における最初の問い合わせであるか否かを確認する。T42、K41,K42,K43に示すように最初である場合は、PC20A又はサーバー50が節電モード中の印刷装置100を起動する。T44に示すように、起動した印刷装置100はサーバー50に保存されている装置情報を更新する。
【0135】
このように、サーバー50又はPC20が節電モード中の印刷装置100を起動し装置情報が更新されるようにすることで、印刷の指示を受けたときのみ印刷装置100が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に亘って更新されないことが防止される。
【0136】
また、上記実施形態の印刷装置100のように節電モード中に内蔵された時計等に電気を供給するための電池又はキャパシタ等を搭載している場合、印刷の指示を受けたときのみ印刷装置100が起動する場合と比較し、電池又はキャパシタ等の電気が切れてしまうことが防止される。或いは、電池又はキャパシタ等の電気が長期間切れないよう電気容量を大きくする必要がない。
【0137】
また、朝最初に電源が入れられたPC20が節電モード中の印刷装置100を起動してサーバー50に保存されている装置情報を更新する場合は、土曜日及び日曜日以外の休日、例えば祝日、夏季休暇及び年末年始等の場合に印刷装置100が起動することによる電力消費を防止することができる。
【0138】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、図6のステップS116、図11図14のステップS214及び図19に示すように、PC20AのCPU21は、通信回線12に接続されている全ての印刷装置100を起動させた。しかし、通信回線12に接続されている一部の印刷装置100を起動してもよい。例えば、予め登録してある印刷装置100のみを起動するようにしてもよい。なお、前述したサーバー50が印刷装置100を起動する場合も通信回線12に接続されている一部の印刷装置100を起動、例えば、予め登録してある印刷装置100のみを起動するようにしてもよい。
【0139】
また、例えば、第二実施形態の情報処理システム11では、印刷装置100は起動する毎にサーバー50の装置情報を更新したが、これに限定されるものではない。節電モードに移行前の装置情報と起動後の装置情報とを比較し、装置情報に変更があった場合のみサーバー50の装置情報を更新してもよい。
【0140】
このように装置情報に変更がある場合のみサーバー50の装置情報を更新することで、装置情報に変更がなくても更新される場合と比較し、通信回線12の混雑が減少する。
【0141】
また、サーバー50の印刷装置100の装置情報が更新された場合、サーバー50が印刷装置100の装置情報が更新されたことを、PC20に通知し、ディスプレイ25に装置情報が更新されたことがポップアップ表示されるようにしてもよい。その場合、予め登録されていたPC20のみがポップアップ表示されるようにしてもよい。
【0142】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、印刷装置100が節電モード中の場合、PC20は、サーバー50に印刷装置100の装置情報を参照したが、これに限定されるものではない。PC20がサーバー50に装置情報を参照しない場合があってもよいし、装置情報を参照しないように予め設定できるようにしてもよい。また、サーバー50に装置情報が保存されない印刷装置100があってもよい。これらは、例えば、印刷装置100がA3サイズの用紙で印刷できない装置構成である場合等である。そして、PC20がサーバーに装置情報を参照しない場合は、装置情報を参照するための通信回線12の混雑が減少する。また、サーバー50に装置情報が保存されない印刷装置100がある場合は、装置情報を更新するため通信回線12の混雑が減少する。
【0143】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、装置情報の一例は、印刷可能な用紙サイズ、つまり給紙カセット110、120の装着状態であったが、これに限定されるものではない。給紙カセット110、120以外の装置構成であってもよい。例えは、印刷装置100がカラー印刷可能な場合、各色トナーカートリッジの装着状態の装置情報等である。
【0144】
また、装置構成以外の装置情報がサーバー50に保存され、PC20はそれを参照してもよい。例えば、用紙の残り枚数及びトナー残量がサーバー50に保存されていてもよい。つまり印刷可能な用紙枚数がサーバー50に保存されていてもよい。例えば、例えば500枚印刷しようとしている場合、PC20はサーバー50に印刷装置100の印刷可能枚数を参照する。なお、用紙の残り枚数の測定方法はどのような方法であってもよい。例えば、給紙カセットに収容されている用紙の重さから枚数を測定する。同様に、トナーの残量の測定方法はどのような方法であってもよい。例えば、トナーカートリッジの重さからトナー残量を測定する。
【0145】
また、製本機能等の後処理機能が付いている印刷装置の場合、例えば、ホッチキスの針の残量をサーバー50に保存し、PC20はホッチキスの針の残量を参照してもよい。
【0146】
また、サーバー50には、装置情報に加え、装置情報を更新した更新情報が保存されていてもよい。更新情報は、例えば、更新された日時及び更新した機器の情報である。例えば、図25に更新情報の一例が示されている。図25に示すように、時系列で見ていくと、印刷装置100Aは、[2022/01/15 10:08:59]に給紙カセット120Aが取り外されたことが印刷装置100Aによって更新されていることが保存されている。また、印刷装置100Bは、[2022/01/15 14:00:00]にA3サイズの用紙が200枚追加されたことが印刷装置100Bによって更新されていることが保存されている。そして、更に、印刷装置100Aは、[2022/01/16 13:10:15]に給紙カセット120Aが装着されたことが印刷装置100Aによって更新されていることが保存されている。
【0147】
このような更新情報をPC20が参照してディスプレイ25に表示することで、更新情報を参照しない場合と比較し、ユーザが装置情報の信頼性を判断することができる。
【0148】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、PC20又は印刷装置100がサーバー50に保存されている装置情報を更新していたが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザがサーバー50に保存されている装置情報を更新してもよい。
【0149】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、印刷装置100の装置情報はサーバー50が保存していたが、これに限定されるものではない。PC20に保存し、P2P(ピアツーピア)技術を用いて装置情報をPC20間で共有する情報処理システムとしてもよい。
【0150】
また、例えば、第一実施形態の情報処理システム10及び第二実施形態の情報処理システム11では、節電モード中の印刷装置100で印刷する場合で説明したが、これに限定されるものではない。ユーザが電源スイッチ等で電源を切った状態の印刷装置100に印刷する場合にも適用可能である。
【0151】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【0152】
<付記>
【0153】
(((1)))
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、
情報処理システム。
【0154】
(((2)))
電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、当該印刷不可となった機能に関し前記装置情報が更新される、
(((1)))に記載の情報処理システム。
【0155】
(((3)))
前記プロセッサは、
電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示した後、前記印刷装置に電源が供給された結果、前記印刷装置が印刷条件で印刷不可であった場合、他の電源が切れている前記印刷装置を起動させて印刷を指示する、
(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理システム。
【0156】
(((4)))
前記プロセッサは、
印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置に印刷を指示する、
(((1)))~(((3)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0157】
(((5)))
前記プロセッサは、
印刷予定の前記印刷装置の前記装置情報を参照し印刷可能でない場合、印刷可能な他の前記印刷装置を表示する、
(((1)))~(((4)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0158】
(((6)))
電源が切れていた前記印刷装置が起動すると、前記装置情報が更新される、
(((1)))~(((5)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0159】
(((7)))
電源が切れていた間に前記装置情報に変更があった場合に、前記装置情報が更新される、
(((6)))に記載の情報処理システム。
【0160】
(((8)))
前記プロセッサは、
予め定められた時間に電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、
(((6)))又は(((7)))に記載の情報処理システム。
【0161】
(((9)))
前記プロセッサは、
電源の供給が停止されてから予め定められた時間が経過すると電源が切れていた前記印刷装置を起動させる、
(((6)))~(((8)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0162】
(((10)))
予め定められた時刻以降で最初に起動した前記プロセッサが、電源が切れている前記印刷装置を起動させる、
(((6)))~(((9)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0163】
(((11)))
前記プロセッサは、
前記装置情報を更新した更新情報を参照する、
(((1)))~(((10)))のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【0164】
(((12)))
コンピュータに、
電源が切れている印刷装置の情報である装置情報を参照し、印刷予定の印刷条件で印刷可能の場合、電源が切れている前記印刷装置に印刷を指示する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【0165】
(((1)))に記載の情報処理システムでは、印刷装置の起動を待つことなく、電源が切れている印刷装置に印刷を指示することができる。
【0166】
(((2)))に記載の情報処理システムでは、ユーザが装置情報を更新することなく、装置情報の更新が行われる。
【0167】
(((3)))に記載の情報処理システムでは、他の電源が切れている印刷装置を起動させない場合と比較し、再度電源が切れていた印刷装置で印刷不可となることが防止される。
【0168】
(((4)))に記載の情報処理システムでは、ユーザが他の印刷装置に印刷の指示をする手間を省くことができる。
【0169】
(((5)))に記載の情報処理システムでは、印刷不可の印刷装置に印刷の指示をすることが防止される。
【0170】
(((6)))に記載の情報処理システムでは、ユーザが装置情報を更新することなく、装置情報の更新が行われる。
【0171】
(((7)))に記載の情報処理システムでは、装置情報に変更がなくても更新される場合と比較し、通信回線の混雑が減少する。
【0172】
(((8)))に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を受けたときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に亘って更新されないことが防止される。
【0173】
(((9)))に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を受けたときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に渡って更新されないことが防止される。
【0174】
(((10)))に記載の情報処理システムでは、印刷の指示を受けたときのみ印刷装置が起動する場合と比較し、装置情報が長期間に渡って更新されないことが防止される。
【0175】
(((11)))に記載の情報処理システムでは、更新情報を参照しない場合と比較し、装置情報の信頼性を判断することができる。
【0176】
(((12)))に記載の情報処理プログラムでは、印刷装置の起動を待つことなく、電源が切れている印刷装置に印刷を指示することができる。
【符号の説明】
【0177】
10 情報処理システム
11 情報処理システム
20A PC
20B PC
20C PC
21 CPU(プロセッサの一例)
50 サーバー
51 CPU(プロセッサの一例)
100A 印刷装置
100B 印刷装置
100C 印刷装置
151 CPU(プロセッサの一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25