(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127451
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20240912BHJP
E04H 6/06 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
E04H6/06 V
E04H6/42 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036612
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】712005920
【氏名又は名称】新明和パークテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤川 淳
(72)【発明者】
【氏名】宮本 裕之
(72)【発明者】
【氏名】太田 直人
(72)【発明者】
【氏名】窪田 剛
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健太
(72)【発明者】
【氏名】神崎 悟
(57)【要約】
【課題】駐車装置を複雑化することなく、充電ツールのはみ出しの発生を防止する。
【解決手段】機械式駐車装置の制御方法は、利用者が操作を開始して終了するまでの一連の手順の間の、充電対応パレットに対する車両の入出庫後に開閉ゲートを閉じるよりも前のタイミングで、充電ツールが充電対応パレットからはみ出していないことの確認を利用者に促す充電ツール確認メッセージ78を、入力表示部に表示する。これにより、充電ツールが万が一はみ出していても手直しが行えるタイミングで、充電ツールがはみ出していないことの確認を、利用者に確実に行わせることができる。しかも、充電ツール確認メッセージ78の表示という単純な方法で実現することができるため、機械式駐車装置の構成を複雑化することなく、充電ツールのはみ出しの発生を防止することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が入出庫される入出庫位置に移動可能な複数のパレットと、前記入出庫位置への進入を制限する開閉ゲートと、利用者から操作入力を受けると共に利用者に対して情報を表示する入力表示部とを含み、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットが前記複数のパレットに含まれる機械式駐車装置の制御方法であって、
利用者が前記入力表示部を介して操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫後に前記開閉ゲートを閉じるよりも前のタイミングで、車両の充電に関連する充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出していないことの確認を利用者に促す充電ツール確認メッセージを、前記入力表示部に表示することを特徴とする機械式駐車装置の制御方法。
【請求項2】
前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置内の無人確認をして前記入力表示部に無人確認済入力操作を行うことが含まれ、
前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置内の無人確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置の制御方法。
【請求項3】
前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置の安全確認をして前記入力表示部に起動許可入力操作を行うことが含まれ、
前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置の安全確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置の制御方法。
【請求項4】
前記充電対応パレットに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、前記充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促す入庫位置メッセージを、前記入力表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置の制御方法。
【請求項5】
前記複数のパレットに、前記充電対応パレットと車両の充電に対応していないパレットとの双方が含まれる場合に、前記複数のパレットの中の前記充電対応パレットに相当するパレットを、前記機械式駐車装置に対して予め設定すると共に、前記充電対応パレットが利用される場合にのみ、前記充電ツール確認メッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の機械式駐車装置の制御方法。
【請求項6】
車両が入出庫される入出庫位置に移動可能な複数のパレットと、前記入出庫位置への進入を制限する開閉ゲートと、利用者から操作入力を受けると共に利用者に対して情報を表示する入力表示部と、装置全体の制御を行う制御部とを含み、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットが前記複数のパレットに含まれる機械式駐車装置であって、
前記制御部は、利用者が前記入力表示部を介して操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫後に前記開閉ゲートが閉じられるよりも前のタイミングで、車両の充電に関連する充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出していないことの確認を利用者に促す充電ツール確認メッセージを、前記入力表示部に表示させることを特徴とする機械式駐車装置。
【請求項7】
前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置内の無人確認をして前記入力表示部に無人確認済入力操作を行うことが含まれ、
前記制御部は、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置内の無人確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示させることを特徴とする請求項6記載の機械式駐車装置。
【請求項8】
前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置の安全確認をして前記入力表示部に起動許可入力操作を行うことが含まれ、
前記制御部は、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置の安全確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示させることを特徴とする請求項6記載の機械式駐車装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、前記充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促す入庫位置メッセージを、前記入力表示部に表示させることを特徴とする請求項6記載の機械式駐車装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記複数のパレットに、前記充電対応パレットと車両の充電に対応していないパレットとの双方が含まれる場合に、前記複数のパレットの中の前記充電対応パレットに相当するパレットが予め設定されると共に、前記充電対応パレットが利用される場合にのみ、前記充電ツール確認メッセージを表示させることを特徴とする請求項6記載の機械式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットを有する機械式駐車装置の制御方法及び機械式駐車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両を収容するための複数のパレットを備えた機械式駐車装置には、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの車両へ充電するための充電設備を具備したものも存在する。そのような充電設備は、通常、充電設備が必要なパレット毎に設置され、充電設備を備えたパレットが充電対応パレットとなる。充電対応パレットの充電設備には、スタンド型のものが多く利用されており(例えば、特許文献1参照)、充電設備のコンセントと車両の充電口とが充電ケーブルを介して接続されることで、充電対応パレット上で車両の充電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、充電対応パレットでは、上述したようにして車両の充電が行われるが、充電作業のためにパレット上に広くスペースを確保することは、機械式駐車装置の大きさの制約などから、多くの場合に困難である。このため、車両を充電している状態では、車両と充電設備との間に介在する充電ケーブル、充電ケーブルの一端に設けられて車両の充電口に差し込まれる充電ガン、車両の充電口を覆っていた充電口蓋などの、車両の充電に用いられる充電ツールが、充電対応パレットからはみ出すことが懸念される。充電ツールがはみ出していると、充電対応パレットの昇降中などに他の設備と干渉して物損に至る虞があるため、センサーなどで検知することが好ましい。しかしながら、屋外設置であることや、充電対応パレットの設置列に応じて乗降領域(実質的に利用者が充電作業を行う領域)が変わってしまうといった理由により、全ての機械式駐車装置にセンサーを設置することは難しい。また、装置の複雑化による信頼性の低下を避けるため、極力簡素な構成で対応することが求められる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駐車装置を複雑化することなく、充電ツールのはみ出しの発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)車両が入出庫される入出庫位置に移動可能な複数のパレットと、前記入出庫位置への進入を制限する開閉ゲートと、利用者から操作入力を受けると共に利用者に対して情報を表示する入力表示部とを含み、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットが前記複数のパレットに含まれる機械式駐車装置の制御方法であって、利用者が前記入力表示部を介して操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫後に前記開閉ゲートを閉じるよりも前のタイミングで、車両の充電に関連する充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出していないことの確認を利用者に促す充電ツール確認メッセージを、前記入力表示部に表示する機械式駐車装置の制御方法。
【0008】
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、充電対応パレットを含む複数のパレットと、開閉ゲートと、入力表示部とを含む機械式駐車装置を対象とするものである。具体的には、車両の充電に関連する充電ケーブルや充電ガンなどといった充電ツールが、そのような充電ツールを用いて車両の充電が行われる充電対応パレットからはみ出していないことの確認を、利用者に促すための充電ツール確認メッセージを、入力表示部に表示するものである。これにより、充電ツールが充電対応パレットからはみ出していないことの確認が、充電ツール確認メッセージを見た利用者によって確実に行われることになる。
【0009】
更に、上記のような充電ツール確認メッセージを、利用者が入力表示部を介して機械式駐車装置の操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、充電対応パレットに対する車両の入出庫後に開閉ゲートを閉じるよりも前のタイミングで表示するものである。これにより、入出庫位置にある充電対応パレットへの進入が開閉ゲートによって制限されるよりも前に、利用者によって充電ツールのはみ出しの確認が行われる。このため、充電ツールが万が一はみ出していたとしても、利用者が充電対応パレットに進入して、充電ツールが充電対応パレットからはみ出さないように手直しされるものとなる。以上のことから、充電ツールのはみ出しの発生が防止されるものとなり、充電ツールが駐車装置の他の設備と干渉することが防止されるものである。しかも、入力表示部への充電ツール確認メッセージの表示という単純な方法で実現されるため、機械式駐車装置の構成を複雑化することなく、既存の駐車装置に対しても容易に適用されるものとなる。
【0010】
(2)上記(1)項において、前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置内の無人確認をして前記入力表示部に無人確認済入力操作を行うことが含まれ、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置内の無人確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示する機械式駐車装置の制御方法。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、利用者が機械式駐車装置を利用する際の一連の手順の中に、機械式駐車装置内の無人確認をして入力表示部に無人確認済入力操作を行うことが含まれる場合に対応するものである。具体的に、充電ツールが充電対応パレットからはみ出していないことの確認を促す充電ツール確認メッセージを、上記の手順に関連して入力表示部を介して利用者に機械式駐車装置内の無人確認を促すタイミングで表示するものである。これにより、機械式駐車装置内の無人確認や入力表示部への無人確認済入力操作と関連付けられて、充電ツールのはみ出し確認が行われることになるため、より確実に充電ツールのはみ出し確認が利用者により実行されるものとなる。
【0011】
(3)上記(1)項において、前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置の安全確認をして前記入力表示部に起動許可入力操作を行うことが含まれ、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置の安全確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示する機械式駐車装置の制御方法。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、利用者が機械式駐車装置を利用する際の一連の手順の中に、機械式駐車装置の安全確認をして入力表示部に起動許可入力操作を行うことが含まれる場合に対応するものである。具体的に、充電ツールが充電対応パレットからはみ出していないことの確認を促す充電ツール確認メッセージを、上記の手順に関連して入力表示部を介して利用者に機械式駐車装置の安全確認を促すタイミングで表示するものである。これにより、機械式駐車装置の安全確認や入力表示部への起動許可入力操作と関連付けられて、充電ツールのはみ出し確認が行われることになるため、より確実に充電ツールのはみ出し確認が利用者により実行されるものとなる。
【0012】
(4)上記(1)項において、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、前記充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促す入庫位置メッセージを、前記入力表示部に表示する機械式駐車装置の制御方法。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、充電ツールのはみ出し確認を促す充電ツール確認メッセージに加えて、更に、充電ツールが充電対応パレットからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促す入庫位置メッセージを、利用者へ表示するものである。
【0013】
すなわち、車両の充電の際には、車両の駐車スペースに加えて、充電ツールを配置するスペースが必要になる。このため、車両の入庫時にこれらのスペースが充電対応パレット上に確保されるように、充電対応パレットに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、上記のような入庫位置メッセージを表示するものである。これにより、充電のためのスペースに配慮した位置に車両が駐車されることになるため、充電ツール確認メッセージを受けてからの充電ツールのはみ出し確認よりも前に、充電ツールのはみ出しが発生することが抑制されるものとなる。従って、充電ツール確認メッセージを受けてからの充電ツールのはみ出し確認と併せて、充電ツールのはみ出しの発生がより確実に防止されるものとなる。
【0014】
(5)上記(1)項において、前記複数のパレットに、前記充電対応パレットと車両の充電に対応していないパレットとの双方が含まれる場合に、前記複数のパレットの中の前記充電対応パレットに相当するパレットを、前記機械式駐車装置に対して予め設定すると共に、前記充電対応パレットが利用される場合にのみ、前記充電ツール確認メッセージを表示する機械式駐車装置の制御方法。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、機械式駐車装置が具備する複数のパレットに、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットと、そのような充電設備を備えないパレットとが混在する場合に対応するものである。
【0015】
すなわち、このような場合は、充電設備を備えないパレットの利用時には、充電ツール確認メッセージの表示は不要であるため、複数のパレットの中でいずれのパレットが充電対応パレットに相当するパレットであるかを、予め機械式駐車装置に対して設定する。これによって、そのような情報が設定された機械式駐車装置に、利用者により充電対応パレットが利用されているか若しくはそうではないパレットが利用されているかを、パレットの呼び出し時などに把握させる。そして、充電対応パレットが利用されている場合にのみ、機械式駐車装置の入力表示部に、充電ツール確認メッセージを表示させるものである。これにより、充電設備を備えないパレットの利用者に対する、充電ツール確認メッセージの表示を回避しながらも、充電対応パレットの利用者に対しては、充電ツールのはみ出し確認が促されるものとなる。
【0016】
(6)車両が入出庫される入出庫位置に移動可能な複数のパレットと、前記入出庫位置への進入を制限する開閉ゲートと、利用者から操作入力を受けると共に利用者に対して情報を表示する入力表示部と、装置全体の制御を行う制御部とを含み、車両用の充電設備を備えた充電対応パレットが前記複数のパレットに含まれる機械式駐車装置であって、前記制御部は、利用者が前記入力表示部を介して操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫後に前記開閉ゲートが閉じられるよりも前のタイミングで、車両の充電に関連する充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出していないことの確認を利用者に促す充電ツール確認メッセージを、前記入力表示部に表示させる機械式駐車装置。
【0017】
(7)上記(6)項において、前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置内の無人確認をして前記入力表示部に無人確認済入力操作を行うことが含まれ、前記制御部は、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置内の無人確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示させる機械式駐車装置。
(8)上記(6)項において、前記一連の手順に、利用者が前記機械式駐車装置の安全確認をして前記入力表示部に起動許可入力操作を行うことが含まれ、前記制御部は、前記入力表示部を介して利用者に前記機械式駐車装置の安全確認を促すタイミングで、前記充電ツール確認メッセージを表示させる機械式駐車装置。
【0018】
(9)上記(6)項において、前記制御部は、前記充電対応パレットに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、前記充電ツールが前記充電対応パレットからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促す入庫位置メッセージを、前記入力表示部に表示させる機械式駐車装置。
(10)上記(6)項において、前記制御部は、前記複数のパレットに、前記充電対応パレットと車両の充電に対応していないパレットとの双方が含まれる場合に、前記複数のパレットの中の前記充電対応パレットに相当するパレットが予め設定されると共に、前記充電対応パレットが利用される場合にのみ、前記充電ツール確認メッセージを表示させる機械式駐車装置。
そして、(6)から(10)項に記載の機械式駐車装置は、各々、上記(1)から(5)項の機械式駐車装置の制御方法により制御されることで、上記(1)から(5)項の機械式駐車装置の制御方法と同様の作用を奏するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明はこのように構成したので、駐車装置を複雑化することなく、充電ツールのはみ出しの発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の構成の一例を示す斜視イメージ図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法を説明するための、
図1の機械式駐車装置における一連の操作手順の一例を示すフロー図である。
【
図3】入力表示部に表示する入庫位置メッセージの一例を示す表示画面である。
【
図4】入力表示部に表示する充電ツール確認メッセージの一例を示す表示画面である。
【
図5】機械式駐車装置に対して充電対応パレットを設定する際に用いる設定画面の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。また、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略するものとする。
図1は、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置10の構成の一例を概略的に示している。図示のように、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置10は、複数のパレット20、開閉ゲート30、入力表示部40、無人確認入力部50、及び制御部60を含んでいる。複数のパレット20は、複数の支柱、縦梁、及び横梁などによって構成された略矩形の構造体に移動可能に支持されており、いずれのパレット20も、他のパレット20の位置調整によって、車両が入出庫される入出庫位置26へと移動可能になっている。
【0022】
図1の実施形態では、複数のパレット20として、地上4段3連基(高さ方向に4段、側方向に3列)の構造で9台のパレット20が設置されている。これら9台のパレット20のうち、
図1の状態で、左列の入出庫位置26に配置されている1台のパレット20Aと、中央列及び右列の最上段に配置されている2台のパレット20Aとの、合計で3台のパレット20Aが、充電対応パレット20Aになっている。これらの充電対応パレット20Aは、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの、充電ケーブルを介して充電可能なバッテリを内蔵するあらゆる種類の車両を充電対象とした充電設備(図示省略)を備えたものである。そして、充電対応パレット20Aでは、各充電対応パレット20Aに入庫された車両に対して充電が行われるようになっている。一方、9台のパレット20のうち、残り6台のパレット20Bは、充電設備を備えない充電非対応パレット20Bとなっている。
【0023】
開閉ゲート30は、本実施形態では3箇所の入出庫位置26への進入を個別に制限するように、入出庫位置26の前面側に3台設置されている。開閉ゲート30の各々は、対応する入出庫位置26に所望のパレット20が呼び出された後に開かれ、呼び出されたパレット20への車両の入出庫が終わった後に、利用者の操作によって閉じられる。入力表示部40は、利用者から機械式駐車装置10に対する操作が入力されると共に、機械式駐車装置10から利用者に対して情報を表示するためのものであって、
図1の実施形態ではタッチパネル式の操作盤40として設置されている。無人確認入力部50は、詳しくは後述するが、機械式駐車装置10内の無人確認が行われたことを示す無人確認済入力操作が行われるものであり、入出庫位置26毎に設けられた開閉ゲート30を支える両側の支柱に設置されている。なお、それらの支柱のうち
図1における左側の支柱には、操作盤40が設置されており、この操作盤40が無人確認入力部50の機能を兼ねるように構成されている。
【0024】
制御部60は、機械式駐車装置10全体の制御を行うものであり、その具体的な一部の制御内容については後述する。制御部60は、任意のハードウェアやソフトウェアが組み合わされて構成される。
図1の制御部60は、ブロック状で概略的に示されているが、実際には機械式駐車装置10内のいずれかの筐体の内部などに設置される。また、機械式駐車装置10は、詳しい説明は控えるが、上述した構成要素の他にも、制御部60による制御に応じてパレット20の移動や開閉ゲート30の開閉動作を行うための動力を発生及び伝達する駆動部や、入出庫位置26にある各パレット20の周辺の物体を検知する複数の光電センサーなどを含んでいる。
【0025】
続いて、
図2に示すフロー図に沿って、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置10において実行される、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法について説明する。機械式駐車装置10の構成については、適宜、
図1を参照のこと。なお、
図2に示すフロー図は、機械式駐車装置10に対する操作手順の流れの一例を示したものであって、操作手順がこのフロー図に限定されるものではない。また、
図2のS10、S20、及びS70からS90については、操作内容やその際の制御内容が従来と同様であるため、ここでの説明を簡略化あるいは省略する。
【0026】
S10(操作盤電源ON):利用者により、機械式駐車装置10毎の所定の操作によって、入力表示部40としての操作盤40の電源をONにし、これを受けた制御部60により、操作盤40の電源をONにする。
S20(操作認証・起動操作):利用者により、機械式駐車装置10毎の所定の操作によって、正規の利用者であることを認証させると共に、起動操作によって利用者が利用するパレット20を認識させる。これを受けた制御部60により、正規の利用者であることを認証すると共に、現在操作している利用者を識別して、識別した利用者に紐付けて予め登録されているパレット20の呼び出し動作を開始する。
【0027】
S30(装置内の監視):呼び出されたパレット20が入出庫位置26まで移動されている間に、利用者により、機械式駐車装置10に異常がないか否かを監視する。このとき、制御部60により、例えば
図3に示すような表示画面を操作盤40に表示するが、本実施形態では、現在呼び出し中のパレット20が充電対応パレット20Aであるか否かに応じて、操作盤40に表示する表示画面を変更する。具体的には、上記S20で識別された利用者に紐付いて登録されていた、現在呼び出し中のパレット20が、充電対応パレット20Aである場合は、
図3(a)の表示画面と
図3(b)の表示画面とを交互に繰り返し表示する。これに対し、現在呼び出し中のパレット20が、充電非対応パレット20Bである場合は、
図3(a)の表示画面のみを表示する。
【0028】
このような制御を実現するために、制御部60には、機械式駐車装置10が備える複数のパレット20のうち、いずれのパレット20が充電対応パレット20Aであるかが予め設定されている。例えば
図5には、制御部60に対して充電対応パレット20Aを設定するために、機械式駐車装置10の設置時などに操作盤40に表示される設定画面の一例を示している。なお、
図5の設定画面は、
図1に示した機械式駐車装置10の構成に対応するものではなく、20台のパレット20を備えた機械式駐車装置10のものを例示している。
図5では、20台のパレット20のうち、1列目の5台のパレット20と、2列目最上段の1台のパレット20とが、充電対応パレット20Aであるとして、操作盤40のタッチパネル操作を受けて黒色で示されている。すなわち、パレット20毎のパネル位置が押されることで、充電対応パレット20Aであるか否かのON/OFF設定が行えるようになっている。このような設定によって、制御部60は、複数のパレット20の中の充電対応パレット20Aを把握することとなる。
【0029】
図3に戻り、
図3(a)の表示画面と
図3(b)の表示画面とは、現在呼び出し中のパレット20に付与されたパレット番号が表示されるパレット番号表示部70と、その下方の「装置作動中」の表示とが共通になっている。また、
図3(a)の表示画面の下部には、非常停止ボタンメッセージ72が表示され、
図3(b)の表示画面の下部には、入庫位置メッセージ74が表示されている。このため、充電対応パレット20Aを呼び出した利用者に対しては、共通の表示部分に加えて、実質的に画面下部の非常停止ボタンメッセージ72と入庫位置メッセージ74とが交互に表示されることになる。また、充電非対応パレット20Bを呼び出した利用者に対しては、
図3(a)の表示画面が、本ステップS30中に常に表示される。
【0030】
ここで、非常停止ボタンメッセージ72とは、利用者が機械式駐車装置10の異常を感じた場合に、非常停止ボタンの押下を促すためのメッセージである。また、入庫位置メッセージ74とは、車両の充電の際に用いられる充電ツールが、充電対応パレット20Aからはみ出さないような位置への車両の入庫を、利用者に促すためのものである。この場合の充電ツールには、車両の充電の際に充電対応パレット20Aからのはみ出しが懸念される様々なものが含まれている。例えば、充電対応パレット20Aに具備された充電設備と車両との間に介在する充電ケーブル、充電ケーブルの一端に設けられて車両の充電口に接続される充電ガン、充電口に充電ガンが接続される際に開かれる車両の充電口蓋などが挙げられる。なお、
図3(b)の入庫位置メッセージ74では、充電ツールが充電部として示されている。
【0031】
S40(車両の入出庫):呼び出したパレット20が入出庫位置26に到着したら、制御部60により、入出庫位置26の前面に位置する開閉ゲート30を開く。これによって、入出庫位置26にあるパレット20に進入可能な状態になるため、利用者により、車両の入庫、出庫、入庫された車両への充電開始作業などを行う。また、呼び出したパレット20が充電対応パレット20Aである場合は、制御部60により、例えば
図4(a)のような表示画面を操作盤40に表示する。
図4(a)の表示画面には、「装置内進入中」の表示、無人確認メッセージ76、充電ツール確認メッセージ78、及び無人確認釦80が含まれている。
【0032】
無人確認メッセージ76は、機械式駐車装置10内の無人確認と、無人確認終了後の無人確認釦80の操作とを利用者に促すものである。充電ツール確認メッセージ78は、上述したような充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出していないことの確認を利用者に促すものであり、充電ツールが充電部として示されている。無人確認釦80は、機械式駐車装置10内の無人確認が終了したことを利用者から制御部60へ通知する無人確認済入力操作を行うためのものである。一方、呼び出したパレット20が充電非対応パレット20Bである場合は、制御部60により、例えば
図4(a)の表示画面から、充電ツール確認メッセージ78を除いたような表示画面を操作盤40に表示する。
【0033】
S50(無人確認操作):呼び出されたパレット20への車両の入庫、出庫、車両への充電開始作業などが終了したら、利用者により、機械式駐車装置10内の無人確認、特に呼び出されたパレット20近傍の無人確認を行う。そして無人確認が終了したら、利用者により無人確認済入力操作を行う。本実施形態では、現在開かれた状態の開閉ゲート30の両側に位置する支柱に設置されている無人確認入力部50と、
図4(a)のような表示画面を表示している操作盤40とに対して、無人確認済入力操作を行う。このため、制御部60は、操作盤40に対する無人確認済入力操作が行われるまで、
図4(a)のような表示画面を操作盤40に表示する。
【0034】
S60(安全確認・起動許可):上記S50で無人確認済入力操作が行われたら、制御部60により、操作盤40に表示する表示画面を切り替える。このとき、呼び出したパレット20が充電対応パレット20Aである場合は、例えば
図4(b)のような表示画面に切り替える。
図4(b)の表示画面には、充電ツール確認メッセージ78、安全確認メッセージ82、及び安全確認釦86が含まれている。
図4(b)の充電ツール確認メッセージ78は、
図4(a)の充電ツール確認メッセージ78と同様の趣旨のものであるが、表現方法が異なっており、更に、充電ツールを収めるべきパレット20の領域の概略図が含まれている。なお、
図4(b)の充電ツール確認メッセージ78でも、充電ツールが充電部として示されている。
【0035】
安全確認メッセージ82は、機械式駐車装置10の安全確認をして安全確認釦86の操作を行うことを利用者に促すものである。安全確認釦86は、機械式駐車装置10の安全確認が終了して装置の起動を許可することを利用者から制御部60へ通知する起動許可入力操作を行うためのものである。一方、呼び出したパレット20が充電非対応パレット20Bである場合は、制御部60により、例えば
図4(b)の表示画面から、充電ツール確認メッセージ78を除いたような表示画面へと、操作盤40の表示を切り替える。そして、切り替え後の上述のいずれかの表示画面を確認した利用者により、機械式駐車装置10の安全確認を行い、安全確認が終了したら、安全確認釦86に対して起動許可入力操作を行う。
【0036】
S70(操作認証・起動操作):利用者により、機械式駐車装置10毎の所定の操作によって、上記S20で認証された利用者が引き続き操作を行っていることを認証させる。これを受けた制御部60により、利用者を認証したら、起動操作を受けたものとして、開いていた開閉ゲート30の閉動作を開始すると共に、例えば
図3(a)のような表示画面を操作盤40に表示する。
S80(装置内の監視):開閉ゲート30が閉じられている間に、利用者により、機械式駐車装置10に異常がないか否かを監視する。
S90(操作盤電源OFF):開閉ゲート30が完全に閉じられたら、機械式駐車装置10毎の所定の操作によって、利用者により操作盤40の電源をOFFにし、これを受けた制御部60により、操作盤40の電源をOFFにする。ここまでのステップにより、一連の手順が終了となる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置10及びその制御方法は、
図1から
図5に示したような構成に限定されるものではなく、状況などに合わせて様々な形態を取り得るものである。例えば、
図3及び
図4に示された各メッセージ72、74、76、78、82の内容は、
図3及び
図4の内容と異なっていてもよく、伝えたい趣旨から逸脱しない範囲で任意の内容であってよい。同様に、
図3から
図5の各画面のレイアウトや表示要素も任意に設定してよい。また、充電対応パレット20Aと充電非対応パレット20Bとが混在している場合でも、特に問題がなければ、それらに応じて入力表示部40の表示画面を変えなくてもよく、上述した充電対応パレット20A用の表示画面のみを表示してもよい。
【0038】
加えて、機械式駐車装置10は、地上だけではなく地下にパレット20を備えた構成であってもよく、側方向や高さ方向に加えて前後方向に複数列のパレット20を備えた構成であってもよい。更に、各方向に備えるパレット20の段数や列数も任意であって、充電対応パレット20Aの位置や数量も任意である。また、パレット20以外の構成要素についても、
図1に示された構成要素の一部が削除、変更、ないし適宜追加されたものであってよい。例えば、入力表示部40は、
図1に示された操作盤40の形態に限らず、機械式駐車装置10と通信をして操作入力などの情報のやり取りが可能な、利用者が所有するスマートフォンなどの情報端末であってもよい。
【0039】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、例えば
図1に示されるように、充電対応パレット20Aを含む複数のパレット20と、開閉ゲート30と、入力表示部40とを含む機械式駐車装置10を対象とするものである。具体的には、車両の充電に関連する充電ケーブルや充電ガンなどといった充電ツールが、そのような充電ツールを用いて車両の充電が行われる充電対応パレット20Aからはみ出していないことの確認を、利用者に促すための
図4に示されるような充電ツール確認メッセージ78を、入力表示部40に表示するものである。これにより、充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出していないことの確認を、充電ツール確認メッセージ78を見た利用者に確実に行わせることができる。
【0040】
更に、上記のような充電ツール確認メッセージ78を、利用者が入力表示部40を介して機械式駐車装置10の操作を開始してから終了するまでの一連の手順の間の、充電対応パレット20Aに対する車両の入出庫後に開閉ゲート30を閉じるよりも前のタイミングで表示するものである(
図2のS40からS60参照)。これにより、入出庫位置26にある充電対応パレット20Aへの進入が開閉ゲート30によって制限されるよりも前に、利用者によって充電ツールのはみ出しの確認が行われる。このため、充電ツールが万が一はみ出していたとしても、利用者が充電対応パレット20Aに進入して、充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出さないように手直しすることができる。以上のことから、充電ツールのはみ出しの発生を防止することができ、充電ツールが駐車装置10の他の設備と干渉することを防止することが可能となる。しかも、入力表示部40への充電ツール確認メッセージ78の表示という単純な方法で実現することができるため、機械式駐車装置10の構成を複雑化することなく、既存の駐車装置10に対しても容易に適用することが可能となる。
【0041】
また、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、利用者が機械式駐車装置10を利用する際の一連の手順の中に、機械式駐車装置10内の無人確認をして入力表示部40に無人確認済入力操作を行うこと(
図2のS50参照)が含まれる場合に対応するものである。具体的に、充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出していないことの確認を促す充電ツール確認メッセージ78を、
図4(a)に示すように、上記の手順に関連して入力表示部40を介して利用者に機械式駐車装置10内の無人確認を促すタイミングで表示するものである。これにより、機械式駐車装置10内の無人確認や入力表示部40への無人確認済入力操作と関連付けて、充電ツールのはみ出し確認を行わせることができるため、より確実に充電ツールのはみ出し確認を利用者に実行させることが可能となる。
【0042】
更に、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、利用者が機械式駐車装置10を利用する際の一連の手順の中に、機械式駐車装置10の安全確認をして入力表示部40に起動許可入力操作を行うこと(
図2のS60参照)が含まれる場合に対応するものである。具体的に、充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出していないことの確認を促す充電ツール確認メッセージ78を、
図4(b)に示すように、上記の手順に関連して入力表示部40を介して利用者に機械式駐車装置10の安全確認を促すタイミングで表示するものである。これにより、機械式駐車装置10の安全確認や入力表示部40への起動許可入力操作と関連付けて、充電ツールのはみ出し確認を行わせることができるため、この場合も同様に、より確実に充電ツールのはみ出し確認を利用者に実行させることができる。
【0043】
また、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、充電ツールのはみ出し確認を促す充電ツール確認メッセージ78に加えて、更に、充電ツールが充電対応パレット20Aからはみ出さないような位置への車両の入庫を利用者に促すための、
図3(b)に示されるような入庫位置メッセージ74を、利用者へ表示するものである。すなわち、車両の充電の際には、車両の駐車スペースに加えて、充電ツールを配置するスペースが必要になる。このため、車両の入庫時にこれらのスペースが充電対応パレット20A上に確保されるように、充電対応パレット20Aに対する車両の入出庫が行われるよりも前のタイミングで、上記のような入庫位置メッセージ74を表示するものである(
図2のS30参照)。これにより、充電のためのスペースに配慮した位置に車両を駐車させることができるため、充電ツール確認メッセージ78を受けてからの充電ツールのはみ出し確認よりも前に、充電ツールのはみ出しが発生することを抑制することができる。従って、充電ツール確認メッセージ78を受けてからの充電ツールのはみ出し確認と併せて、充電ツールのはみ出しの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0044】
更に、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法は、機械式駐車装置10が具備する複数のパレット20に、車両用の充電設備を備えた充電対応パレット20Aと、そのような充電設備を備えない充電非対応パレット20Bとが混在する場合に対応するものである。すなわち、このような場合は、充電非対応パレット20Bの利用時には、充電ツール確認メッセージ78の表示は不要であるため、複数のパレット20の中でいずれのパレット20が充電対応パレット20Aに相当するパレット20であるかを、例えば
図5のような設定画面を介して、予め機械式駐車装置10に対して設定する。
【0045】
これによって、そのような情報が設定された機械式駐車装置10に、利用者により充電対応パレット20Aが利用されているか若しくは充電非対応パレット20Bが利用されているかを、パレット20の呼び出し時などに把握させる。そして、充電対応パレット20Aが利用されている場合にのみ、機械式駐車装置10の入力表示部40に、充電ツール確認メッセージ78を表示させるものである。これにより、充電非対応パレット20Bの利用者に対する、充電ツール確認メッセージ78の表示を回避しながらも、充電対応パレット20Aの利用者に対しては、充電ツールのはみ出し確認を促すことができる。
【0046】
他方、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置10は、上述したような本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法により制御されることで、本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置の制御方法と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0047】
10:機械式駐車装置、20:パレット、20A:充電対応パレット、20B:充電非対応パレット、26:入出庫位置、30:開閉ゲート、40:入力表示部(操作盤)、60:制御部、74:入庫位置メッセージ、78:充電ツール確認メッセージ