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特開2024-127461RFIDタグ及びRFIDタグの取付部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127461
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】RFIDタグ及びRFIDタグの取付部材
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20240912BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06K19/077 220
G06K19/07 230
G06K19/077 296
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036626
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】306029349
【氏名又は名称】ゼネラル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】平田 周孝
(57)【要約】
【課題】RFIDインレットに応力が生じないように被取付部に取り付けることができ、また、RFIDインレットを再使用することができるようにしたRFIDタグ及びRFIDタグの取付部材を提供する。
【解決手段】RFIDタグの取付部材2は、RFIDインレット11を内蔵した頭部12と、頭部12の一端から突出したインサート部13と、を有するRFIDタグ本体1を装着する。RFIDタグの取付部材2は、インサート部13が挿入されるホール部212を有する台座部21と、ホール部212に直交する方向に台座部21から延出し、被取付部Aに巻き付ける結束部材22と、を備えている。RFIDタグは、RFIDインレット11を内蔵した頭部12と、頭部12の一端から突出したインサート部13とを有するRFIDタグ本体1と、RFIDタグの取付部材2と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレットを内蔵した頭部と、当該頭部の一端から突出したインサート部と、を有するRFIDタグ本体を装着するRFIDタグの取付部材であって、
前記インサート部が挿入されるホール部を有する台座部と、
前記ホール部に直交する方向に前記台座部から延出し、被取付部に巻き付ける結束部材と、
を備えているRFIDタグの取付部材。
【請求項2】
前記結束部材は、鋸歯状部を有するバンド部と、当該バンド部の一端部に設けられたバックル部と、を備え、
前記バックル部は、前記バンド部が挿通する係止孔と、当該係止孔に形成され、前記鋸歯状部に係合する係止爪と、を備え、
前記台座部は、前記結束部材のバンド部が貫通する貫通穴を有している、
請求項1に記載のRFIDタグの取付部材。
【請求項3】
前記台座部は、被取付部に2点で支持される一対の脚部を備えている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグの取付部材。
【請求項4】
前記被取付部は、巻き付けられた前記結束部材に隣り合う位置に形成された環状溝と、当該環状溝に隣り合う位置で前記RFIDタグ本体に対して交差する向きの平面部と、を備え、
前記台座部は、前記環状溝に嵌るリブ状の脱抜防止部、及び前記平面部に当たる回転抑止部の少なくともいずれか一方を備えている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグの取付部材。
【請求項5】
前記RFIDタグのインサート部には、雄ネジが形成され、
前記台座部の前記ホール部を貫通した前記インサート部の雄ネジに螺合し、前記インサート部が抜けないようにするナットを備えている、
請求項1又は2に記載のRFIDタグの取付部材。
【請求項6】
RFIDインレットを内蔵した頭部と、当該頭部の一端から突出したインサート部とを有するRFIDタグ本体と、
請求項1又は2に記載のRFIDタグの取付部材と、
を備えているRFIDタグ。
【請求項7】
前記インサート部の先端部は、前記結束部材を前記被取付部に押し付けるようにされている。
請求項6に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記RFIDインレットは、ブーストアンテナを備えている、
請求項6に記載のRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースや棒などの被取付部材に取り付けられるRFID(Radio Frequency Identification)タグ、及び、RFIDタグに備えられたRFIDタグ本体を装着するRFIDタグの取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の表面に貼付されたラベルには、製品の内容物の成分や効能、製造年月日、質量などの情報を印刷される。しかし、印刷されたラベルは、情報を更新できないだけでなく、離れた位置から情報を読み取れないといった不具合がある。
【0003】
そこで、ラベルに替えて、商品にRFIDタグを取り付け、このRFIDタグに情報を読み書きするようにした手段が提供されている。例えば、特許文献1には、円柱ないしパイプ状の金属製品(物品)に取り付けるRFIDタグが記載されている。このRFIDタグは、タグ基材とRFIDインレットと結束バンドとを有している。
【0004】
タグ基材は、バンド取付け領域とインレット保持領域とに画成される。バンド取付け領域とインレット保持領域との間には、切欠き部が設けられている。バンド取付け領域は、中央折れ曲がり部と一対の貫通孔とを有している。バンド取付け領域は、切欠き部が設けられていることで、中央折れ曲がり部を折り目にして、「へ」字状に折れ曲がる。バンド取付け領域が折れ曲がることで、一対の貫通孔は向き合う。一対の貫通孔には、結束バンドが挿通される。
【0005】
インレット保持領域は、RFIDインレットを備える。RFIDインレットは、ICチップ及びRFIDアンテナを有している。ICチップは、無線によってデータが書込み読取りされる。インレット保持領域は、RFIDインレットを上下(図面では両面)から熱可塑性樹脂シートで挟み込んで平面熱プレス加工した積層構造とされている。
【0006】
一対の貫通孔を挿通した結束バンドが物品を締め付けることで、タグ基材は物品の表面からほぼ垂直に起立離間した状態に保持される。したがって、このRFIDタグは、物品が金属製であってもデータ通信機能を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-206236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたRFIDタグは、結束バンドを一対の貫通孔に挿通するため、一対の貫通孔が向き合うように、バンド取付け領域が中央折れ曲がり部で折り曲げられる。バンド取付け領域が折り曲げられることで、バンド取付け領域と一体のインレット保持領域が撓曲する。インレット保持領域には、ICチップやRFIDアンテナを有するRFIDインレットが備えられている。インレット保持領域が撓曲することで、ICチップやRFIDアンテナには応力が生じる。したがって、このRFIDタグは、故障しやすかったり、短命化したりする要因を含んでいる。
【0009】
また、インレット保持領域が撓曲しないような材質で形成されたり、RFIDインレットが可撓性を有していたりすることで、RFIDインレットに応力が生じないようにすることは可能である。しかし、RFIDインレットは、インレット保持領域に積層構造とされていることから再使用できない。すなわち、RFIDインレットは、寿命前で故障していなくても、バンド取付け領域やインレット保持領域が損傷すると、廃棄されることになる。
【0010】
本発明は、RFIDインレットに応力が生じないように被取付部に取り付けることができ、また、RFIDインレットを再使用することができるようにしたRFIDタグ及びRFIDタグの取付部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るRFIDタグの取付部材は、
RFIDインレットを内蔵した頭部と、当該頭部の一端から突出したインサート部と、を有するRFIDタグ本体を装着するRFIDタグの取付部材であって、
前記インサート部が挿入されるホール部を有する台座部と、
前記ホール部に直交する方向に前記台座部から延出し、被取付部に巻き付ける結束部材と、
を備えている。
【0012】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材において、
前記結束部材は、鋸歯状部を有するバンド部と、当該バンド部の一端部に設けられたバックル部と、を備え、
前記バックル部は、前記バンド部が挿通する係止孔と、当該係止孔に形成され、前記鋸歯状部に係合する係止爪と、を備え、
前記台座部は、前記結束部材のバンド部が貫通する貫通穴を有している。
【0013】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材において、
前記台座部は、被取付部に2点で支持される一対の脚部を備えている。
姿勢を維持することができる。
【0014】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材において、
前記被取付部は、巻き付けられた前記結束部材に隣り合う位置に形成された環状溝と、当該環状溝に隣り合う位置で前記RFIDタグ本体に対して交差する向きの平面部と、を備え、
前記台座部は、前記環状溝に嵌るリブ状の脱抜防止部、及び前記平面部に当たる回転抑止部の少なくともいずれか一方を備えている。
【0015】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材において、
前記RFIDタグのインサート部には、雄ネジが形成され、
前記台座部の前記ホール部を貫通した前記インサート部の雄ネジに螺合し、前記インサート部が抜けないようにするナットを備えている。
【0016】
前記本発明に係るRFIDタグは、
RFIDインレットを内蔵した頭部と、当該頭部の一端から突出したインサート部とを有するRFIDタグ本体と、
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材と、
を備えている。
【0017】
前記本発明に係るRFIDタグにおいて、
前記インサート部の先端部は、前記結束部材を前記被取付部に押し付けるようにされている。
【0018】
前記本発明に係るRFIDタグにおいて、
前記RFIDインレットは、ブーストアンテナを備えている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、RFIDインレットに応力が生じないように被取付部に取り付けることができ、また、RFIDインレットを再使用することができるようにしたRFIDタグ及びRFIDタグの取付部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを装着した消火器を示す正面図である。
図2】本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを装着し消火器の要部を示す斜視図である。
図3】本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを示す分解斜視図である。
図4】本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを示す断面正面図である。
図5】本発明に係る第2の実施形態のRFIDタグを示す断面正面図である。
図6】本発明に係る第3の実施形態の第1例のRFIDタグを示し、上側から見た斜視図である。
図7】本発明に係る第3の実施形態の第1例のRFIDタグを示す側面図である。
図8】本発明に係る第3の実施形態の第1例のRFIDタグを示し、下側から見た斜視図である。
図9】本発明に係る第3の実施形態の第2例のRFIDタグに備えられた台座部を示し、下側から見た斜視図である。
図10】本発明に係る第3の実施形態の第2例のRFIDタグの要部を示し、(a)と(b)は異なる態様を示す正面図である。
図11】本発明に係る第4の実施形態のRFIDタグを示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明に係るRFIDタグ及びRFIDタグの取付部材の第1の実施形態について図1乃至図4を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを装着した消火器を示す正面図である。図2は、本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを装着し消火器の要部を示す斜視図である。図3は、本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを示す分解斜視図である。図4は、本発明に係る第1の実施形態のRFIDタグを示す断面正面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、第1の実施形態で使用するRFIDタグは、消火器5のホース51の根元に装着される。つまり、このホース51の根元がRFIDタグの被取付部Aである。消火器5は、消火剤を充填した有底筒状の容器52と、容器52の上端部を塞ぐ蓋部材53と、蓋部材53に取り付けられた金属製のノズル(採番せず)及びプラスチック製のレバー55と、ノズルに取り付けられたホース51と、を備えている。ホース51の基端部には、金属製の雌ネジが設けられ、ナット54によってノズルに接続されている。ノズルの先端部には、雄ネジ(図示せず)が形成されている。ホース51の雌ネジとノズルの雄ネジとが螺合することで、ホース51とノズルとが一体化される。ナット54とノズルの基端部との間には、環状溝56が形成されている。レバー55が操作されることで、容器52内の消火剤がホース51の先端から散布される。
【0023】
図3及び図4に示すように、RFIDタグは、RFIDタグ本体1とRFIDタグの取付部材(以下、主として「取付部材」という。)2とを備えている。RFIDタグ本体1は、RFIDインレット11を内蔵した頭部12と、この頭部12の一端から突出したインサート部13と、を有している。
【0024】
図4に示すように、インサート部13の一端には、幅方向に突出した基盤部13aが設けられている。インサート部13には、基盤部13a及び基盤部13a付近を除いて、雄ネジが形成されている。RFIDタグ本体1の頭部12は、インサート部13の基盤部13aをほぼ覆う芯部分121と、この芯部分121に被さるキャップ部122と、を備えている。芯部分121は、断面形状が凸字状に形成され、拡径部と縮径部とを有している。キャップ部122には、芯部分121の縮径部を嵌め入れる穴部が形成されている。キャップ部122の外周面には、ローレット加工が施されている。
【0025】
RFIDインレット11は、ICチップ111とブーストアンテナ112とを備えている。ICチップ111は、芯部分121の頂面にマウントされる。ICチップ111は、例えば、縦・横・厚さが2.5mm・2.5mm・0.375mmの超小型の電子部品であり、消火器5の製造年月日や使用期限、消火剤の成分などの種々のデータが読み書きされる。ブーストアンテナ112は、ICチップ111に送受信される電波をブーストする。ブーストアンテナ112は、コイル状に形成され、キャップ部122内に埋め込まれている。キャップ部122は、インサート成形されることで、ICチップ111とブーストアンテナ112を埋め込むことができる。ブーストアンテナ112の中間部は、ICチップ111を囲む。ブーストアンテナ112の一端側は、芯部分121の縮径部を囲む。
【0026】
図3及び図4に示すように、取付部材2は、台座部21と結束部材22とを備えている。台座部21には、一対の脚部211とホール部212と貫通穴213が形成されている。一対の脚部211は、被取付部Aに2点で支持される。被取付部Aは、ホース51の根元であるため、円筒形状である。台座部21が被取付部Aに接触する面が仮に平坦であると、台座部21と被取付部Aとが線接触するため、不安定になる。台座部21が一対の脚部211を備えることで、2点で接触する。正確には、脚部211は幅があるため、脚部211と被取付部Aとは2か所で線接触する。
【0027】
ホール部212は、脚部211と同じ方向に形成された貫通孔である。ホール部212には、RFIDタグ本体1のインサート部13が挿入される。ホール部212から突出するインサート部13の中間部には、六角形状のナット3が螺合する。ナット3が螺合したインサート部13は、ホール部212から抜けない。台座部21の裏面には、ナット3が嵌め込まれる六角形状の座ぐり(採番せず)が形成されている。座ぐりに嵌め込まれたナット3は、螺合したインサート部13が回されても空転しない。したがって、ナット3に螺合したインサート部13の先端側がホース51の方へ進む。なお、ナット3が空回りしなければ、台座部21に座ぐりが形成されなくてもよい。
【0028】
貫通穴213は、一対の脚部211のそれぞれに形成され、結束部材22が貫通する。両貫通穴213を結ぶ仮想線とホール部212を延長する仮想線とは、直交する。ホール部212を貫通したRFIDタグのインサート部13の先端は、両貫通穴213を結ぶ仮想線まで締め込まれ、結束部材22を被取付部Aに押し付ける。
【0029】
結束部材22は、一対の貫通穴213を貫通し、被取付部Aに巻き付く長さに形成されている。したがって、結束部材22は、ホール部212に直交する方向に台座部21から延出する。結束部材22は、バンド部221とバックル部222とを備えている。バンド部221の片方の面には、鋸歯状部221aが形成されている。バックル部222は、バンド部221の一端部に設けられる。バックル部222は、係止孔222aと係止爪(図6に符号222bとして図示)とを有している。係止爪は、係止孔222aの内面に形成され、鋸歯状部221aに係合する。バンド部221が係止孔222aに挿通され、係止爪が鋸歯状部221aに係合することで、バンド部221が係止孔222aから引き抜けなくなる。
【0030】
このような台座部21と結束部材22とを備えた取付部材2にRFIDタグ本体1が装着される。具体的には、RFIDタグ本体1のインサート部13が台座部21のホール部212に挿入され、インサート部13の雄ネジにナット3が螺合されることで、RFIDタグとして使用することができる。
【0031】
第1の実施形態においては、RFIDタグが消火器5のホース51の根元部である被取付部Aに巻き付けられる。すなわち、取付部材2は、結束部材22のバンド部221が台座部21の貫通穴213に挿通され、バンド部221が被取付部A材に巻き付き、バンド部221の先端側がバックル部222の係止孔222aに挿入され、係止孔222a内の係止爪がバンド部221の鋸歯状部221aに係止する。このようにして、RFIDタグは被取付部Aに留められる。
【0032】
このRFIDタグは、台座部21に形成された一対の脚部211が円筒形の被取付部Aに支持される。2本の脚部211が被取付部Aに2か所で支持されるため、台座部21は、シーソーのように揺れるようなことがなく、安定して被取付部Aに留められる。
【0033】
そして、RFIDタグ本体1のインサート部13がホール部212を貫通し、ナット3に螺合して、バンド部221を被取付部Aに押し付ける。バンド部221が被取付部Aに押し付けられた状態となったRFIDタグは、被取付部Aを周回することなく、RFIDタグ本体1が上向いた起立姿勢を維持する。
【0034】
消火器5に装着されたRFIDタグ本体1には、リーダ/ライタ(図示せず)を使用して、メーカー、販売店、あるいは点検管理者などが種々のデータを読み書きすることができる。例えば、メーカーでは、防災機器種類、製造番号、型式番号、メーカーコード、使用温度範囲、薬剤重量、総重量、放射時間、製造年月日、出荷年月日、販売先、価格、その他のデータが入力される。販売店では、購入者名、住所、入荷年月日、販売年月日、販売金額、管理番号、その他のデータが入力される。点検管理者では、設置年月日、点検年月日、点検者名、その他のデータが入力される。販売店と点検管理者は、リーダ/ライタによってデータを更新することができる。
【0035】
RFIDタグ本体1は、被取付部Aから起立した姿勢を維持している。したがって、被取付部Aが金属製であっても、被取付部Aが電波の障害物とならず、RFIDタグ本体1のICチップ111とリーダ/ライタとは、電波の送受信をすることができる。RFIDタグ本体1と送受信される電波は、RFIDタグ本体1の正面視で∞字形状に、RFIDタグ本体1の平面視で同心円状に放射される。したがって、リーダ/ライタは、どの方向からでも障害物がなく、電波を送受信することができる。
【0036】
しかも、RFIDタグ本体1は、ブーストアンテナ112を備えているため、ブーストアンテナ112を備えていないRFIDタグ本体1よりも遠めにあるリーダ/ライタからもデータを読み書きすることができる。電波は、RFIDタグ本体1に備えられたICチップ111と送受信することができる。また、RFIDタグ本体1には、応力が生じないため、RFIDインレットは、短命化しない。
【0037】
また、RFIDタグ本体1の寿命(例えば10年)がくる前に、消火器5が使用された場合、すなわち、消火剤が散布された場合は、バンド部221を切断し、RFIDタグ本体1を取付部材2の台座部21から外す。このRFIDタグ本体1は、別の消火器5に装着し直して使用することができる。このRFIDタグに備えられたRFIDタグ本体には、リーダ/ライタによって、新たな情報が書き込まれる。
【0038】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、台座部21は、一対の脚部211を備えるとした。しかし、台座部21は、図5に示すようにしてもよい。図5は、本発明に係る第2の実施形態のRFIDタグを示す断面正面図である。
【0039】
第2の実施形態のRFIDタグに備えられた台座部21は、被取付部Aに当たる面の形状に合わせた円弧形状とされている。この台座部21には、脚部は備えられない。ただし、この台座部21も第1の実施形態と同様、ホール部212や貫通穴213が形成されている。なお、図示しないが、被取付部Aに当たる面が平坦であれば、台座部21は平坦状に形成される。
【0040】
〔第3の実施形態〕
第1の実施形態では、インサート部13の先端がバンド部221を被取付部Aに押し付けられ、RFIDタグが周回しないようにした。しかし、台座部21は、図6乃至図10に示すようにしてもよい。図6は、本発明に係る第3の実施形態のRFIDタグを示し、表側から見た斜視図である。図7は、本発明に係る第3の実施形態のRFIDタグを示す側面図である。図8は、本発明に係る第3の実施形態のRFIDタグを示し、裏側から見た斜視図である。図9は、本発明に係る第3の実施形態の第2例のRFIDタグに備えられた台座部を示し、下側から見た斜視図である。図10は、本発明に係る第3の実施形態の第2例のRFIDタグの要部を示し、(a)と(b)は異なる態様を示す正面図である。
【0041】
第3の実施形態のRFIDタグに備えられた台座部21は、RFIDタグ本体1の向きを規制したり、RFIDタグが被取付部Aから抜けないようにするための付随部214を備えている。図6乃至図8に示すように、第1例のRFIDタグに備えられた付随部214は、回転抑止部214aと脱抜防止部214bとを備えている。
【0042】
第1例の回転抑止部214aは、RFIDタグが被取付け部Aに装着されたときに、台座部21が消火器5のレバー55と向き合う側に突出するような板状に形成されている。板状の回転抑止部214aは、消火器5のナット54の側面である平面部54aに面で接触するように当たる。脱抜防止部214bは、ナット54に隣り合う環状溝56に嵌るリブのように形成される。
【0043】
第3の実施形態の第1例のRFIDタグの台座部21は、第1の実施形態と同様、台座部21には、一対の脚部211とホール部212と貫通穴213が形成されている。ホール部212には、RFIDタグ本体1が装着される。貫通穴213には、バンド部221が挿通される。バンド部221は、被取付部Aに取り付けられる。
【0044】
このとき、回転抑止部214aがナット54に面で接触することで、RFIDタグ本体1は周方向に回らなくなる。ナット54の面が水平向きとされていることで、RFIDタグ本体1は、鉛直姿勢となる。脱抜防止部214bが環状溝56に嵌ることで、RFIDタグは被取付部Aから抜けなくなる。したがって、第3の実施形態の第1例のRFIDタグは、RFIDタグ本体1のインサート部13の先端がバンド部221を被取付部Aに必ずしも押さえつけなくてもよい。
【0045】
図9及び図10(a)(b)に示すように、第3の実施形態の第2例の回転抑止部214aは、台座部21に設けられた回転抑止部214aが第3の実施形態の第1例のようにナット54の平面部54aに面で接触するのでなく、ナット54の平面部54aに2か所で接触する。そのため、第3の実施形態の第2例における台座部21に設けられた回転抑止部214aは、第1例のような板状に形成されず、一対の軸(横向き円柱のような形状)が突出するように形成されている。一対の軸のような回転抑止部214aは、ナット54の平面部54aの2か所に線状に当たる。
【0046】
図10(a)に示すように、ナット54の平面部54aが水平姿勢であると、一対の突出部は、ナット54の平面部54aの同じ面に当たる。図10(b)に示すように、ナット54の平面部54aが傾斜姿勢であると、一対の突出部は、隣り合うナット54の異なる平面部54aに当たる。いずれにしても、第3の実施形態の第2例において、一対の突出部がナット54の平面部54aに当たることで、RFIDタグ本体1は周方向に回らなくなる。さらに、図10(b)に示すように、ナット54の平面部54aが傾斜していても、このRFIDタグ本体1は、上向き姿勢となる。また、第3の実施形態の第2例において、第1例のように、台座部21が環状溝に嵌る脱抜防止部214bを備えることにより、被取付部Aから抜けないようにすることができる。
【0047】
第3の実施形態の第2例の回転抑止部214aは、一対の軸が突出するように形成した。第3の実施形態の第2例の回転抑止部214aは、このような形状に限定されない。図示しないが、回転抑止部214aは、第3の実施形態の第1例の板状の回転抑止部214aの幅方向中間部を切り欠いて形成してもよい。例えば、第3の実施形態の第1例の板状の回転抑止部214aの幅方向中間部が四角形状に切り欠かれると、第3の実施形態の第2例の軸状の回転抑止部214aが角柱状に変形した形状となる。第3の実施形態の第1例の板状の回転抑止部214aの幅方向中間部は、半円状に切り欠かれると、回転抑止部214aは半円アーチ形状となる。このように第3の実施形態における第1例の板状の回転抑止部214aの幅方向中間部が切り欠かれた回転抑止部214aであっても、図10(a)(b)に示すように、ナット54の平面部54aが水平姿勢でも傾斜姿勢でも、RFIDタグ本体1を上向き姿勢とすることができる。
【0048】
なお、第3の実施形態のRFIDタグに備えられた前記台座部21は、回転抑止部214aと脱抜防止部214bとを備えているとした。しかし、第3の実施形態のRFIDタグに備えられた台座部21は、回転抑止部214a又は脱抜防止部214bのいずれか一方のみを備えているだけとしてもよい。
【0049】
〔第4の実施形態〕
第1の実施形態では、RFIDタグの取付部材2は台座部21とバンド部221とを別体とした。しかし、RFIDタグの取付部材2は、図6に示すようにしてもよい。図6は、RFIDタグの取付部材2の第4の実施形態を示す一部断面正面図である。
【0050】
第4の実施形態に備えられたRFIDタグの取付部材2は、台座部21とバンド部221とを一体化している。台座部21の内側面の一方からバンド部221が延出する。バンド部221の一方の面には、鋸歯状部221aが形成されている。台座部21には、バンド部221の延出方向の貫通穴213が形成されている。貫通穴213には、バンド部221が挿通される。貫通穴213には、鋸歯状部221aに係合する係止爪222bが形成されている。台座部21の外側面には、RFIDタグ本体1のインサート部13が挿入されるホール部212が形成されている。
【0051】
この第4の実施形態のRFIDタグの取付部材2も、バンド部221が被取付部Aに巻き付き、バンド部221の先端側が貫通穴213に挿通され、貫通穴213の係止爪222bがバンドの鋸歯状部221aに係止することで、被取付部Aに取り付けられる。
【0052】
〔その他の実施形態〕
以上、本発明の第1ないし第4の実施形態について説明したが、本発明は、第1ないし第4の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
【0053】
第1の実施形態では、結束部材22は、鋸歯状部221aを有するバンド部221と、当該バンド部221の一端部に設けられたバックル部222と、を備えているとした。しかし、図示しないが、結束部材22は、台座部21から反対方向に延出するバンド部221を備え、一方のバンド部221に美錠枠及びつく棒を備え、他方のバンド部221に複数の小穴を備えた時計バンドや腰に締めるベルトのような形態としてもよい。さらに、結束部材22は、紐状の部材に多数の球を設けたビードタイのような形態であってもよい。
【0054】
第1の実施形態では、コイル状のブーストアンテナ112を備えた。しかし、ブーストアンテナ112は、ミアンダ形状など限定しない。さらに、リーダ/ライタがRFIDタグに近接されるような使用状況下などであると、RFIDタグは、ブーストアンテナ112を必ずしも備えなくてもよい。
【0055】
第1の実施形態では、RFIDタグ本体1は、インサート部13に雄ネジが形成され、この雄ネジがナット3によって固定されるとした。しかし、台座部21に雌ネジを形成し、この雌ネジにインサート部13の雄ネジが螺合するようにしてもよい。また、RFIDタグ本体1は、雄ネジを形成しないピン状としてもよい。この場合は、RFIDタグがバンド部221を被取付部Aに押し付けないため、バンド部221が被取付部Aに括りつけられて位置決めされる。
【0056】
第1の実施形態では、RFIDタグの被取付部Aは、消火器5であるとした。しかし、被取付部Aは、棒状部を有する容器52や取っ手を有する鞄などであってもよく、対象を限定するものでない。
【0057】
〔まとめ〕
以上まとめると、本発明が適用されるRFIDタグの取付部材2は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0058】
本発明に係るRFIDタグの取付部材2は、
RFIDインレット11を内蔵した頭部12と、当該頭部12の一端から突出したインサート部13と、を有するRFIDタグ本体1を装着するRFIDタグの取付部材2であって、
前記インサート部13が挿入されるホール部212を有する台座部21と、
前記ホール部212に直交する方向に前記台座部21から延出し、被取付部Aに巻き付ける結束部材22と、
を備えている。
【0059】
このRFIDタグの取付部材2は、台座部21と結束部材22とを備えている。台座部21は、RFIDタグのインサート部13が挿入されるホール部212を有している。結束部材22は、インサート部13に直交する方向に台座部21から延出する。結束部材22が被取付部Aに巻き付けられることで、RFIDタグが被取付部Aに装着される。
【0060】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2において、
前記結束部材22は、鋸歯状部221aを有するバンド部221と、当該バンド部221の一端部に設けられたバックル部222と、を備え、
前記バックル部222は、前記バンド部221が挿通する係止孔222aと、当該係止孔222aに形成され、前記鋸歯状部221aに係合する係止爪(222b)と、を備え、
前記台座部21は、前記結束部材22のバンド部221が貫通する貫通穴213を有している。
【0061】
このRFIDタグの取付部材2は、結束部材22がバンド部221とバックル部222とを備えている。バンド部221は、鋸歯状部221aを有している。バックル部222が係止孔222aと係止爪(222b)とを備え、バンド部221が鋸歯状部221aを有していることから、バンド部221がバックル部222の係止孔222aに挿通され、係止孔222a内の係止爪(222b)が鋸歯状部221aに係止することで、結束部材22が被取付部Aに括りつけられる。
【0062】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2において、
前記台座部21は、被取付部Aに2点で支持される一対の脚部211を備えている。
【0063】
このRFIDタグの取付部材2は、台座部21が一対の脚部211を備えていることにより、被取付部Aが円筒状のような曲面形状の部分に装着する場合であっても、安定した姿勢を維持することができる。
【0064】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2において、
前記被取付部は、巻き付けられた前記結束部材に隣り合う位置に形成された環状溝と、当該環状溝に隣り合う位置で前記RFIDタグ本体に対して交差する向きの平面部と、を備え、
前記台座部は、前記環状溝に嵌るリブ状の脱抜防止部、及び前記平面部に当たる回転抑止部の少なくともいずれか一方を備えている。
【0065】
このRFIDタグの取付部材2は、脱抜防止部214bが環状溝56に嵌ることにより、RFIDタグが被取付部Aから抜けないようにすることができる。また、このRFIDタグの取付部材2は、回転抑止部214aが平面部に当たることにより、周方向に回らないようにすることができる。
【0066】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2において、
前記RFIDタグのインサート部13には、雄ネジが形成され、
前記台座部21の前記ホール部212を貫通した前記インサート部13の雄ネジに螺合し、前記インサート部13が抜けないようにするナット3を備えている。
【0067】
このRFIDタグの取付部材2は、雄ネジを形成したRFIDタグのインサート部13が台座部21に形成されたホール部212を貫通し、ナット3に締め付けられることで、インサート部13がホール部212から抜けないようにすることができる。
【0068】
前記本発明に係るRFIDタグは、
RFIDインレット11を内蔵した頭部12と、当該頭部12の一端から突出したインサート部13とを有するRFIDタグ本体1と、
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2と、
を備えている。
【0069】
このRFIDタグは、RFIDタグ本体1とRFIDタグの取付部材2とを備えたものとされる。
【0070】
前記本発明に係るRFIDタグにおいて、
前記インサート部13の先端部は、前記バンド部221を前記被取付部Aに押し付けるようにされている。
【0071】
このRFIDタグは、バンド部221がインサート部13の先端部によって被取付部Aに押し付けられることで、周方向に回らないようにすることができる。
【0072】
前記本発明に係るRFIDタグの取付部材2において、
前記RFIDインレット11は、ブーストアンテナ112を備えている。
【0073】
このRFIDタグの取付部材2は、RFIDタグ本体1とリーダ/ライタとの電波の送受信の感度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0074】
1・・・・・RFIDタグ本体
11・・・・RFIDインレット
112・・・ブーストアンテナ
12・・・・頭部
13・・・・インサート部
2・・・・・取付部材
21・・・・台座部
211・・・脚部
212・・・ホール部
213・・・貫通穴
214・・・付随部
214a・・回転抑止部
214b・・脱抜防止部
22・・・・結束部材
221・・・バンド部
221a・・鋸歯状部
222・・・バックル部
222a・・係止孔
222b・・係止爪
3・・・・・ナット
A・・・・・被取付部
54a・・・平面部
56・・・・環状溝
図1
図2
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図6
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