(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127473
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】鉄片除去装置
(51)【国際特許分類】
B65G 67/60 20060101AFI20240912BHJP
B65G 53/60 20060101ALI20240912BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20240912BHJP
B03C 1/26 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65G67/60 B
B65G53/60
B03C1/00 B
B03C1/00 C
B03C1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036649
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】杉田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 正吉
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝夫
【テーマコード(参考)】
3F047
3F077
【Fターム(参考)】
3F047CA02
3F047DB00
3F077AA04
3F077BA02
3F077BA06
3F077BB01
3F077DA20
3F077GA10
(57)【要約】
【課題】レシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法を抑制する。
【解決手段】ニューマチックアンローダにおける鉄片除去装置Sは、レシーバタンク8内に配置された磁石ユニット50を備える。磁石ユニットは、非磁性材料により形成された外筒51と、外筒に軸方向移動可能に挿入された内軸52と、磁性材料により形成され外筒の内周面部に設けられた複数の継磁部材と、内軸の外周面部に設けられた複数の永久磁石とを備える。複数の継磁部材は、互いに間隔を隔てて軸方向に配置され、永久磁石は、軸方向に隣接するN極とS極を有し、複数の永久磁石は、N極とS極の配置が交互に逆になるよう、互いに間隔を隔てて軸方向に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックアンローダにおける鉄片除去装置であって、
レシーバタンク内に配置された磁石ユニットを備え、
前記磁石ユニットは、
非磁性材料により形成された外筒と、
前記外筒に軸方向移動可能に挿入された内軸と、
磁性材料により形成され、前記外筒の内周面部に設けられた複数の継磁部材と、
前記内軸の外周面部に設けられた複数の永久磁石と、
を備え、
複数の前記継磁部材は、互いに間隔を隔てて軸方向に配置され、
前記永久磁石は、軸方向に隣接するN極とS極を有し、
複数の前記永久磁石は、前記N極と前記S極の配置が交互に逆になるよう、互いに間隔を隔てて軸方向に配置される
ことを特徴とする鉄片除去装置。
【請求項2】
前記外筒は上下方向に延びるよう配置され、前記内軸は前記外筒にその下端開口部から挿入され、
前記外筒の上端開口部は閉止部材により閉止されている
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項3】
前記閉止部材は、勾配を有する屋根状に形成されている
請求項2に記載の鉄片除去装置。
【請求項4】
前記磁石ユニットは複数設けられ、
複数の前記外筒が、前記レシーバタンク内に固定された外筒支持部材によって支持され、
複数の前記内軸が、前記レシーバタンク内に移動可能に配置された内軸支持部材によって支持される
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項5】
前記外筒支持部材は格子状に形成され、複数の前記外筒は前記外筒支持部材の複数の格子点にそれぞれ配置され、
前記内軸支持部材は格子状に形成され、複数の前記内軸は前記内軸支持部材の複数の格子点にそれぞれ配置される
請求項4に記載の鉄片除去装置。
【請求項6】
前記外筒と前記内軸は円形の断面形状を有し、
前記継磁部材と前記永久磁石は円形リング状である
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項7】
前記内軸を移動させるためのアクチュエータを備える
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、チェーンブロックまたはシリンダ装置により形成される
請求項7に記載の鉄片除去装置。
【請求項9】
前記磁石ユニットは、前記レシーバタンクの入口よりも下方の位置に配置される
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【請求項10】
前記磁石ユニットよりも下方の位置で前記レシーバタンク内を閉止する着脱可能な閉止板を備える
請求項1に記載の鉄片除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニューマチックアンローダにおいて吸引された荷から鉄片を除去するための鉄片除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に港湾には、船舶によって運搬されてきた穀物、木質バイオマスペレット等のばら物である荷を吸引して荷揚げするニューマチック(空気式)アンローダが設置されている。
【0003】
吸引された荷には、鉄片が混在していることがあり、この鉄片を貯蔵設備に送る前に予め除去しておくことが望ましい。そのため、ニューマチックアンローダには鉄片除去装置が設けられる。鉄片除去装置には様々なタイプのものがあるが、その一つとして、レシーバタンクから機内コンベヤに荷を落下させるシュートの途中に設けられたドラム式鉄片除去装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シュートの途中にドラム式鉄片除去装置を設けると、その分だけシュートの高さ寸法が大きくなり、ひいてはレシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法が大きくなり、アンローダが大型化してしまう虞がある。
【0006】
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、レシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法を抑制することができる鉄片除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、
ニューマチックアンローダにおける鉄片除去装置であって、
レシーバタンク内に配置された磁石ユニットを備え、
前記磁石ユニットは、
非磁性材料により形成された外筒と、
前記外筒に軸方向移動可能に挿入された内軸と、
磁性材料により形成され、前記外筒の内周面部に設けられた複数の継磁部材と、
前記内軸の外周面部に設けられた複数の永久磁石と、
を備え、
複数の前記継磁部材は、互いに間隔を隔てて軸方向に配置され、
前記永久磁石は、軸方向に隣接するN極とS極を有し、
複数の前記永久磁石は、前記N極と前記S極の配置が交互に逆になるよう、互いに間隔を隔てて軸方向に配置される
ことを特徴とする鉄片除去装置が提供される。
【0008】
好ましくは、前記外筒は上下方向に延びるよう配置され、前記内軸は前記外筒にその下端開口部から挿入され、
前記外筒の上端開口部は閉止部材により閉止されている。
【0009】
好ましくは、前記閉止部材は、勾配を有する屋根状に形成されている。
【0010】
好ましくは、前記磁石ユニットは複数設けられ、
複数の前記外筒が、前記レシーバタンク内に固定された外筒支持部材によって支持され、
複数の前記内軸が、前記レシーバタンク内に移動可能に配置された内軸支持部材によって支持される。
【0011】
好ましくは、前記外筒支持部材は格子状に形成され、複数の前記外筒は前記外筒支持部材の複数の格子点にそれぞれ配置され、
前記内軸支持部材は格子状に形成され、複数の前記内軸は前記内軸支持部材の複数の格子点にそれぞれ配置される。
【0012】
好ましくは、前記外筒と前記内軸は円形の断面形状を有し、
前記継磁部材と前記永久磁石は円形リング状である。
【0013】
好ましくは、前記鉄片除去装置は、前記内軸を移動させるためのアクチュエータを備える。
【0014】
好ましくは、前記アクチュエータは、チェーンブロックまたはシリンダ装置により形成される。
【0015】
好ましくは、前記磁石ユニットは、前記レシーバタンクの入口よりも下方の位置に配置される。
【0016】
好ましくは、前記鉄片除去装置は、前記磁石ユニットよりも下方の位置で前記レシーバタンク内を閉止する着脱可能な閉止板を備える。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、レシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の実施形態に係るニューマチックアンローダを示す概略図である。
【
図2】本実施形態の鉄片除去装置を示す縦断面図である。
【
図3】磁石ユニットを示す縦断面図であり、オン状態を示す。
【
図5】外筒支持部材を示し、
図2のV-V断面図である。
【
図6】内軸支持部材を示し、
図2のVI-VI断面図である。
【
図7】磁石ユニットの一部を示す拡大縦断面図であり、オン状態を示す。
【
図8】磁石ユニットを示す縦断面図であり、オフ状態を示す。
【
図9】磁石ユニットの一部を示す拡大縦断面図であり、オフ状態を示す。
【
図13】変形例を示し、
図12のXIII-XIII断面図である。
【
図14】変形例を示し、
図12のXIV-XIV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
【0020】
図1に示すように、港湾には、ばら物である荷Bを船倉K内に搭載した船舶Sが停泊している。そして港湾の岸壁Qには、船倉K内に貯留された荷Bを吸い上げて払い出すためのニューマチックアンローダ(以下、単にアンローダという)100が設置されている。本実施形態の荷Bは木質バイオマスペレットであるが、他のばら物、例えば穀物等であってもよい。便宜上、
図1における前後左右上下の各方向を図示のように定める。海側ないし船舶S側が前方、陸側ないしアンローダ100側が後方である。
【0021】
アンローダ100は、陸上すなわち岸壁Q上に設置された基部1と、基部1上に旋回可能に設けられた旋回部2とを有する。基部1は陸上で走行可能である。すなわち岸壁Qに沿って前後一対のレール3が設けられ、基部1はこのレール3上を走行可能である。基部1は、前後の脚部4と、脚部4の下端に回転可能に設けられレール3上を転動する車輪5と、前後の脚部4を掛け渡して連結するガーダ6とを備える。
【0022】
旋回部2は、鉛直方向に延びる旋回軸C1回りに矢印aの如く回動もしくは旋回するよう、図示しない旋回環もしくは旋回軸受を介して基部1に取り付けられる。旋回部2には、吸引した荷Bを一時的に受け入れるレシーバタンク8が設けられる。レシーバタンク8は、上下方向に長い円筒状に形成され、旋回部2に同軸に固定されると共に、旋回軸C1を中心に旋回可能である。
【0023】
旋回部2には、機械室9が設けられ、機械室9内には真空ポンプ10が配置されている。真空ポンプ10は吸引管11を介してレシーバタンク8に接続され、レシーバタンク8内に負圧を発生させる。吸引管11はレシーバタンク8の上端に接続される。レシーバタンク8内において、吸引管11の接続部手前にはバグフィルタ12が設けられる。バグフィルタ12は真空ポンプ10に向かって荷Bが吸い込まれるのを防止する。
【0024】
レシーバタンク8の下端には、荷Bを排出するための下向きの出口13が設けられる。この出口13にはシュート14が同軸に接続される。シュート14の途中にはロータリーフィーダRFが設けられる。シュート14を通じて落下された荷Bは、機内コンベヤ31を通じて、最終的に二次払い出し装置としての地上コンベヤ15に払い出される。地上コンベヤ15は荷Bを図示しない貯蔵設備に搬送する。なお、二次払い出し装置をトラックとし、荷Bをトラックの荷台に直接払い出して搬送してもよい。
【0025】
ロータリーフィーダRFは、真空切り出し装置または送り出し装置として機能する。ロータリーフィーダRFによって、地上コンベヤ15への荷Bの排出流量(単位時間当たりの荷Bの排出量)が略一定となるよう制御されると共に、真空側と大気側が隔離される。ロータリーフィーダRFより上側が真空側、下側が大気側である。
【0026】
機内コンベヤ31は、ガーダ6上に水平に配置され、前後方向に延びる。機内コンベヤ31の前端部(上流側端部)はシュート14の真下に位置され、シュート14からの荷Bを受け取る。地上コンベヤ15が後側の脚部4より後方に位置されるので、機内コンベヤ31の後端部(下流側端部)も後側の脚部4より後方に位置される。本実施形態では、左右方向に延びる複数(具体的には3つ)の地上コンベヤ15が前後方向に並べて配置されている。そのうち後側2つの地上コンベヤ15に対応して2つの地上シュート32が設けられる。各地上シュート32の上端にスライドゲート33が設けられ、地上コンベヤ15への荷Bの供給に使う地上シュート32を選択できるようになっている。なお、地上シュート32を1つとし、スライドゲート33を省略してもよい。
【0027】
レシーバタンク2の下部側面の前端部には、荷Bを導入するための入口である投入口16が設けられる。この投入口16には、後方から前方に向かって延びる水平管17の基端ないし後端が、ボール状のスイングジョイント16Aを介して回動可能に接続されている。特に水平管17はレシーバタンク2に対し、水平方向(具体的には左右方向)に延びる回動軸回りに矢印bの如く回動可能である。すなわち水平管17はレシーバタンク2に起伏可能に取り付けられている。
【0028】
また旋回部2には、後方から前方に向かって延びるブーム18の基端ないし後端が、図示しない軸受を介して回動可能に接続されている。ブーム18も旋回部2に対し起伏可能であり、ブーム18の回動軸は水平管17の回動軸と同軸とされる。ブーム18は水平管17を長手方向の複数箇所で支持する。
【0029】
水平管17は矢印cの如く長手方向に伸縮可能であり、レシーバタンク8に接続される後側部分17Aと、後側部分17Aから前方に向かって伸縮可能な前側部分17Bとを備える。
【0030】
ブーム18の先端側ないし前端側には、矢印dの如くブーム18の長手方向に移動可能な水平台車19が設けられている。水平台車19は、ブーム18に取り付けられた図示しないレール上を走行可能である。水平管17の伸縮時、水平管17の前側部分17Bが水平台車19によって支持されながら、前側部分17Bと水平台車19が同時に移動する。
【0031】
水平管17はその前側部分17Bの先端部に、下向きに約90°曲げられた曲管20を一体的に有する。そして曲管20の先端には、鉛直方向に延びる垂直管21の基端ないし上端が、円筒状のスイングジョイント22を介して、矢印eの如く回動可能に接続されている。垂直管21の回動軸も、水平方向(具体的には左右方向)に延びている。
【0032】
垂直管21の先端ないし下端には、荷Bの吸込口をなすノズル23が取り付けられている。垂直管21は矢印fの如くその長手方向に伸縮可能であり、ノズル23の高さ位置を、荷Bや船舶Sの高さ位置に応じて調節できるようになっている。垂直管21は、スイングジョイント22に接続される上側部分21Aと、上側部分21Aから下方に向かって伸縮可能な下側部分21Bとを備える。
【0033】
水平台車19には、垂直管21を伸縮させるための垂直伸縮装置25が設けられている。垂直伸縮装置25は、ワイヤ(図示せず)を介して下側部分21Bを昇降させるウインチにより構成される。下側部分21Bを昇降させることによりノズル23の高さ位置を変更することが可能である。
【0034】
上側部分21Aの上端部と、下側部分21Bの下端部とには可撓管24が設けられている。例えば、荷Bとの衝突等によりノズル23に横力が加わった場合、可撓管24が曲がることにより、水平管17およびブーム18等に横力が伝達されるのを抑制できる。
【0035】
荷役作業時、垂直管21は船舶SのハッチHを通じて船倉K内に挿入される。そして真空ポンプ10が作動され、船倉K内の荷Bがノズル23から吸引される。
【0036】
吸引された荷Bは、垂直管21、スイングジョイント22、水平管17、スイングジョイント16Aを順に通過して投入口16からレシーバタンク8内に入る。レシーバタンク8内の空気は、矢印hで示すように、バグフィルタ12、吸引管11を順に通過して真空ポンプ10に至る。一方、レシーバタンク8内の荷Bは、矢印iで示すように、落下して出口13、シュート14を通じてロータリーフィーダRFに至り、ロータリーフィーダRFによって制御された流量で送り出される。そしてさらにシュート14を通じ、機内コンベヤ31により搬送された後、地上シュート32を通じ、地上コンベヤ15に払い出される。
【0037】
ノズル7の位置を水平方向(具体的には前後方向)に変えるときには、水平台車19の移動と同時に水平管17が伸縮される。ブーム18には、水平管17を伸縮させるための水平伸縮装置(図示せず)が設けられている。併せて、ブーム18の起伏と垂直管21の伸縮が行われてもよい。
【0038】
さて、ノズルから吸引された船倉内の荷には、鉄片が混在していることがあり、この鉄片を貯蔵設備に送る前に予め除去しておくことが望ましい。そのため、ニューマチックアンローダには一般的に鉄片除去装置が設けられる。特にニューマチックアンローダの場合、レシーバタンクから機内コンベヤに荷を落下させるシュートの途中にドラム式鉄片除去装置を設けるのが一般的である。
【0039】
しかし、シュートの途中にドラム式鉄片除去装置を設けると、その分(例えば1.5~2m程度)だけシュートの高さ寸法が大きくなり、ひいてはレシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法が大きくなり、アンローダが大型化してしまう虞がある。
【0040】
そこで、レシーバタンクと機内コンベヤの間の高さ寸法を抑制するため、本実施形態の鉄片除去装置は次の構成を採用している。
【0041】
図2~
図4に示すように、本実施形態の鉄片除去装置Sは、レシーバタンク8内に配置された磁石ユニット50を備える。磁石ユニット50は、非磁性材料により形成された外筒51と、外筒51に軸方向移動可能に挿入された内軸52と、磁性材料により形成され外筒51の内周面部に設けられた複数の継磁部材53と、内軸52の外周面部に設けられた複数の永久磁石54とを備える。磁石ユニット50は、上下方向、具体的には鉛直方向に延びる中心軸C2を有し、外筒51、内軸52、継磁部材53および永久磁石54は、中心軸C2と同軸に配置されている。以下、特に断らない限り、中心軸C2を基準とした軸方向、半径方向および周方向を単に軸方向、半径方向および周方向という。
【0042】
外筒51は、軸方向に延び円形の断面形状を有する内外径一定の円筒状とされ、上端と下端が開放されている。よって外筒51は上端開口部51Aと下端開口部51Bを有する。
【0043】
内軸52は、軸方向に延び円形の断面形状を有する外径一定の中実軸状とされる。内軸52の外径は外筒51の内径より小さくされ、両者の間には半径方向の隙間55が形成される。この隙間55に継磁部材53と永久磁石54が配置されている。内軸52は外筒51にその下端開口部51Bから上方に向かって挿入される。
【0044】
外筒51は、樹脂等の非磁性材料により形成されている。内軸52は、鉄等の磁性材料により形成されているが、樹脂等の非磁性材料により形成されてもよい。内軸52は中空軸状とされてもよい。
【0045】
継磁部材53は、円形リング状であり、外筒51の内周面部に嵌合固定されている。複数(本実施形態では7つ)の継磁部材53が互いに間隔を隔てて軸方向に配置され、具体的には軸方向に等間隔で配置されている。継磁部材53は、磁力線が通過可能となるように、鉄等の磁性材料により形成されている。継磁部材53は四角形、より具体的には縦長長方形の断面形状を有する。
【0046】
永久磁石54も、円形リング状であり、内軸52の外周面部に嵌合固定されている。複数(本実施形態では7つ)の永久磁石54が互いに間隔を隔てて軸方向に配置され、具体的には軸方向に等間隔で配置されている。永久磁石54は四角形、より具体的には縦長長方形の断面形状を有する。永久磁石54は、軸方向に隣接するN極(図中「N」で表示)とS極(図中「S」で表示)を有し、具体的には、上側および下側の一方側(すなわち軸方向の一方側)にN極を有し、上側および下側の他方側(すなわち軸方向の他方側)にS極を有する。
【0047】
複数の永久磁石54は、N極とS極の配置が交互に逆になるよう、間隔を隔てて軸方向に配置される。すなわち、例えばある1つの永久磁石54の上側がN極、下側がS極である場合、その永久磁石54の上隣に位置する永久磁石54と下隣に位置する永久磁石54とでは、上側がS極、下側がN極となる。
【0048】
継磁部材53同士の軸方向の間隔ないしピッチP1と、永久磁石54同士の軸方向の間隔ないしピッチP2とは、等しくされている。また継磁部材53の軸方向の長さL1と、永久磁石54の軸方向の長さL2とは、等しいか略等しくされている。継磁部材53同士の軸方向の隙間G1と、永久磁石54同士の軸方向の隙間G2とは、等しいか略等しくされている。図示例の場合、継磁部材53の長さL1と永久磁石54の長さL2とは等しくされ、継磁部材53同士の隙間G1と永久磁石54同士の隙間G2とは等しくされている。
【0049】
継磁部材53と永久磁石54の間には、半径方向の小さい隙間G3が形成されている。なお、隙間G1,G2,G3はそれぞれゼロより大きい正の値を有する。
【0050】
外筒51の上端開口部51Aは閉止部材56により閉止されている。閉止部材56は、勾配を有する屋根状または傘状に形成されている。本実施形態の場合、閉止部材56は、下端に円形の底面部56Aを有し、底面部56Aから上側に向かう高さを有する円錐状に形成されている。閉止部材56は概ね、下端が開放された中空状とされ、その底面部56Aは外周縁部を除き開口されている。この開口部56Bを通じて、閉止部材56の内部と外筒51の内部とが連通される。閉止部材56の底面部56Aの外周縁部が外筒51の上端面に着座して固定される。閉止部材56は外筒51に同軸に固定される。
【0051】
閉止部材56の底面部56Aの外径D1は外筒51の外径D2より若干大きくされる。これにより閉止部材56の底面部56Aは、外筒51の外周面部より半径方向外側に突出される。
【0052】
閉止部材56の内部の半径方向中心部には、内軸52の軸方向移動ないし昇降移動を案内するためのガイド部すなわちガイド筒部57が形成されている。ガイド筒部57には内軸52の上端部が軸方向スライド可能に挿入され、これにより内軸52の上端部はガイド筒部57によって軸方向スライド可能に支持される。
【0053】
内軸52の下端部には、円形リング状のピストン部材58が固定される。ピストン部材58は、最も下方に位置する継磁部材53および永久磁石54よりも下方に位置される。ピストン部材58は、外筒51内にスライド可能に嵌合され、外筒51に対する内軸52の昇降移動を許容しつつ、外筒51と内軸52の間の隙間55を閉止し、隙間55に異物が混入することを防止する。
【0054】
図2、
図5および
図6に示すように、レシーバタンク8内には複数の磁石ユニット50が設けられる。複数の外筒51は、レシーバタンク8内に固定された金属(具体的には鉄)製の外筒支持部材59によって支持される。また複数の内軸52は、レシーバタンク8内に移動可能に配置された金属(具体的には鉄)製の内軸支持部材60によって支持される。
【0055】
図5に示すように、外筒支持部材59は平面視で格子状に形成され、複数の外筒51は外筒支持部材59の複数の格子点にそれぞれ配置される。外筒支持部材59は、前後方向に延びる複数(5つ)の縦材61と、左右方向に延びる複数(4つ)の横材62とを有する。これら縦材61と横材62は、直角に交差するよう格子状に組み立てられ、両端において外筒51の内周面部に固定されている。縦材61と横材62が交差する格子点において、外筒51の下端部外周面に固定された金属製リング部材63に、縦材61と横材62が溶接、ボルト止め等により固定される。
【0056】
本実施形態の場合、前後方向に4箇所、左右方向に5箇所の計20箇所の格子点が形成され、各格子点に計20個の外筒51ひいては磁石ユニット50の各々が、レシーバタンク8内の全範囲に分散されるよう、前後方向および左右方向に等間隔で配置されている。なお本実施形態では前後方向の間隔が左右方向の間隔より僅かに大きくなっているが、これは逆でもよいし、両間隔は等しくてもよい。
【0057】
このようにして、計20個の外筒51は、共通の外筒支持部材59により起立状態で支持される。
【0058】
図6に示すように、内軸支持部材60は平面視で格子状に形成され、複数の内軸52は内軸支持部材60の複数の格子点にそれぞれ配置される。内軸支持部材60は、前後方向に延びる複数(5つ)の縦材64と、左右方向に延びる複数(4つ)の横材65とを有する。これら縦材64と横材65は、直角に交差するよう格子状に組み立てられ、全体として略長方形をなすよう組み立てられる。縦材64と横材65が交差する格子点において、内軸52の下端に、縦材64と横材65が溶接、ボルト止め等により固定される。
【0059】
本実施形態の場合、前後方向に4箇所、左右方向に5箇所の計20箇所の格子点が形成され、各格子点に計20個の内軸52の各々が、平面視において各外筒51と同一位置になるよう、前後方向および左右方向に等間隔で配置されている。なお本実施形態では前後方向の間隔が左右方向の間隔より僅かに大きくなっているが、これは逆でもよいし、両間隔は等しくてもよい。
【0060】
このようにして、計20個の内軸52は、共通の内軸支持部材60により起立状態で支持される。内軸支持部材60は外筒支持部材59よりも下方に位置される。
【0061】
本実施形態の鉄片除去装置Sは、内軸52を移動させるためのアクチュエータを備える。本実施形態の場合、アクチュエータは、
図2に示すように、レシーバタンク8内に設けられたチェーンブロック66により形成される。
【0062】
レシーバタンク8内に、その直径を横断して前後方向に延びる支持材67が固定され、この支持材67にチェーンブロック66が取り付けられる。一方、
図6に示すように、内軸支持部材60の平面視中心部にはブラケット68が設けられる。チェーンブロック66から垂れ下げられたチェーン69がブラケット68に連結される。チェーンブロック66がチェーン69を昇降させることで、内軸支持部材60が昇降され、複数の内軸52が同時かつ一斉に昇降される。そしてレシーバタンク8内に固定された複数の外筒51に対し、複数の内軸52が同時かつ一斉に相対的に昇降移動される。
【0063】
図2に示すように、複数の磁石ユニット50は、レシーバタンク8の入口である投入口16よりも下方の位置に配置される。すなわち、複数の磁石ユニット50の最上端に位置する閉止部材56の頂点70は、投入口16の最下端71よりも下方に位置される。
【0064】
一方、支持材67およびチェーンブロック66は投入口16よりも上方の位置に配置される。
【0065】
レシーバタンク8は、投入口16が設けられた比較的大径の本体部72と、本体部72より小径でかつ下方に位置され、出口13を画成する出口管部73と、本体部72および出口管部73を接続するテーパ管部74とを有する。複数の磁石ユニット50、外筒支持部材59、内軸支持部材60およびチェーンブロック66は、最も大径の本体部72の内部に配置されている。
【0066】
投入口16に対向する、レシーバタンク8の本体部72の内周面部には、その内周面部に荷Bが直接当たるのを防止するための衝突板75が設けられている。衝突板75は複数の脚部76により内周面部に取り付けられている。衝突板75は金属(具体的には鉄)製の四角形平板により形成されている。衝突板75は、投入口16の略中間高さ位置から、外筒51の下端部付近の高さ位置まで上下方向に延びている。そして衝突板75は、最も後側に位置する磁石ユニット50よりも後方に位置されている。
【0067】
次に、鉄片除去装置Sの作動と利点を説明する。
【0068】
図2に示すように、アンローダ100の荷役作業時に荷Bが投入口16からレシーバタンク8内に投入されると、矢印jで示すように、荷Bは放物線を描きながら落下して複数の磁石ユニット50に降り注ぐ。このとき鉄片除去装置Sは作動中すなわちオンであり、荷Bに含まれる鉄片は、複数の磁石ユニット50によって吸着され除去される。その後、荷Bは、出口13からシュート14へと落下される。衝突板75により、投入直後の荷Bがレシーバタンク8に直接当たることが防止される。
【0069】
磁石ユニット50は、内軸52の昇降によりオン(作動)とオフ(非作動)を切り替えることができる。磁石ユニット50は、通常はオンとされるが、吸着した鉄片を離脱させて回収するときにはオフとされる。
【0070】
当然ながら、磁性材料により形成された鉄以外の金属片および破片も、鉄片除去装置Sによって吸着除去可能である。従って、本願明細書および特許請求の範囲にいう用語「鉄片」には、鉄片自体に加え、磁性材料により形成された鉄以外の金属片および破片も含まれることに留意されたい。
【0071】
図3は、磁石ユニット50の作動時(オン)の状態を示し、
図7は
図3の部分拡大図である。他方、
図8は磁石ユニット50の非作動時ないし停止時(オフ)の状態を示し、
図9は
図8の部分拡大図である。
【0072】
作動時と非作動時を比べると、非作動時には作動時よりも内軸52および内軸支持部材60の位置が降下される。
【0073】
図3および
図7に示すように、作動時には、永久磁石54の軸方向中間に位置するN極とS極の境目が、継磁部材53同士の隙間G1の丁度中間に位置するよう、内軸52が位置される。すると、永久磁石54のN極から出発した磁力線Mは、N極に対向する継磁部材53を通過し、外筒51を通過して外筒51の外側に至る。そして磁力線Mは反転し、同一の永久磁石54のS極に向かう。このとき磁力線Mは、外筒51を通過し、S極側に隣り合う別の継磁部材53を通過し、同一の永久磁石54のS極に至る。
【0074】
このように磁力線MがN極からS極に進む過程で、磁力線Mないし磁界が外筒51の外側に発生するので、この磁力線Mを利用して鉄片を吸引し、外筒51の外周面部に吸着させることができる。
【0075】
一方、
図8および
図9に示すように、非作動時には、永久磁石54のN極とS極の境目が、継磁部材53の軸方向長さL1の丁度中間に位置するよう、内軸52の位置が作動時よりも低下される。このとき、チェーンブロック66からチェーン69が繰り出され、内軸支持部材60と複数の内軸52とが同時に下降される。
【0076】
すると、永久磁石54のN極から出発した磁力線Mは、N極に対向する継磁部材53に流入すると即座に反転し、同一の永久磁石54のS極に至る。よって、外筒51の外側には磁力線Mが発生しなくなり、外筒51の外周面部に吸着されていた鉄片Qは離脱して落下する。こうして、吸着されていた鉄片Qを離脱させることができる。
【0077】
図2に示すように、鉄片除去装置100は、磁石ユニット50よりも下方の位置でレシーバタンク8内を閉止する着脱可能な閉止板77を備える。本実施形態の閉止板77は、レシーバタンク8の出口13を閉止するように構成されている。
【0078】
図10および
図11に詳しく示すように、閉止板77は使用時に、出口13ないし出口管部73の内周面部に周方向等間隔で設けられた複数(具体的には8つ)の突起85の上に着座して断面円形の出口13を閉止するように構成されている。閉止板77は前後2分割の構成とされ、前後の半円状の閉止板本体86と、これら閉止板本体86の下面部同士を回動可能に連結する複数(2つ)のヒンジ部材87と、前後の閉止板本体86の上面部にそれぞれ起立して設けられた取っ手88と、前後の閉止板本体86の下面部に設けられた補強板89とを備える。
図11に示すように補強板89は、前後の閉止板本体86の全体に対して平面視で略十字形を描くように配置される。前後の閉止板本体86は矢印uで示すように、下面部同士が近接離反するように互いに対して回動可能である。前後の閉止板本体86を折り畳み状態にできるので持ち運びや取り扱いに便利である。
【0079】
鉄片回収時には、運転停止中のアンローダ100のレシーバタンク8内に作業者が入り、作業者が落下防止のため出口13に閉止板77を取り付ける。そしてチェーンブロック66を操作し、チェーン69を下降させ、内軸支持部材60および内軸52を下降させ、磁石ユニット50ひいては鉄片除去装置Sをオンからオフに切り替える。これにより、外筒51に吸着されていた鉄片Qは落下し、閉止板77上に溜まる。作業者は、この溜まった鉄片Qを、必要に応じて清掃用具を使い、手作業で回収する。
【0080】
このように本実施形態によれば、鉄片Qを吸着する磁石ユニット50がレシーバタンク8内に配置されている。よって、シュート14から鉄片除去装置を省略し、シュート14の高さ寸法、すなわちレシーバタンク8と機内コンベヤ31の間の高さ寸法Hs(
図1参照)を抑制することができる。そしてアンローダの大型化を回避することができる。
【0081】
シュートの途中にドラム式鉄片除去装置を設けた従来の場合、シュートの高さ寸法が大きいため、搬送系のレイアウトに制限が生じる場合がある。例えば、地上コンベヤとの位置関係と相俟って、機内コンベヤに下流側が高くなるような傾斜を設けなければばらない場合がある。しかしこうした傾斜を設けると、機内コンベヤの搬送効率が低下する。
【0082】
一方、本実施形態の場合だと、シュート14の高さ寸法が小さいため、機内コンベヤ31に下流側が高くなるような傾斜を設けなくても済むか、あるいは傾斜を設けたとしても従来より傾斜角を小さくできる。その結果、本実施形態のように機内コンベヤ31を水平に配置できる。よって機内コンベヤ31の搬送効率を従来よりも向上できる。そして搬送系のレイアウトの制限を縮小できる。
【0083】
また、シュートの途中にドラム式鉄片除去装置を設けた従来の場合だと、ドラム式鉄片除去装置に集塵機の配管を接続して集塵する必要がある。これに対し、本実施形態の場合だと、元々バグフィルタ12によって集塵を行っているレシーバタンク8内に磁石ユニット50を設置するため、集塵機の配管を別途接続する必要が無くなり、構成をシンプルにすることができる。
【0084】
また、本実施形態では磁石ユニット50を上述のような外筒51、内軸52、継磁部材53および永久磁石54で構成したので、外部エネルギを必要とせずに鉄片Qを吸着できると共に、鉄片Qの吸着と離脱を容易に切り替えることができる。特に内軸52を、永久磁石54の取付ピッチP2の約半分移動させるだけで鉄片Qの吸着と離脱を切り替えることができるため、狭いスペースでも切り替えを行うことができる。
【0085】
レシーバタンク8内に投入された荷Bは、複数の磁石ユニット50に上方から降り注ぐ。このとき、外筒51が上下方向に延びるよう配置されているので、荷Bと外筒51の接触時間を長くし、荷B中の鉄片Qを効率よく吸着できる。
【0086】
外筒51の上端開口部51Aを閉止部材56により閉止したので、上端開口部51Aから外筒51内に荷Bが進入するのを防止できる。閉止部材56を、勾配を有する屋根状に形成したので、閉止部材56上に荷Bが溜まるのを抑制すると共に、閉止部材56上に落ちた荷Bを勾配を利用して即座に滑り落とすことができる。閉止部材56は円錐状なので、製作も容易である。
【0087】
荷Bは、レシーバタンク8の側面部に設けられた投入口16から、レシーバタンク8内に、横向きに投入される。よって荷Bは、外筒51の外周面部に斜め上から衝突しようとする。しかし、屋根状の閉止部材56を設けたので、荷Bが外筒51の外周面部に直接衝突するのを極力防止でき、外筒51が傷付くのを抑制できる。
【0088】
特に、閉止部材56の底面部56Aの外径D1を、外筒51の外径D2より大きくし、閉止部材56の底面部56Aを外筒51の外周面部より半径方向外側に突出させた。これにより、荷Bが外筒51の外周面部に直接衝突するのをより一層防止できる。
【0089】
磁石ユニット50を複数設けたので、荷Bと外筒51の接触機会を増やして鉄片を効率よく除去できる。複数の内軸52を共通の内軸支持部材60に支持させたので、複数の内軸52を同時に移動させることができる。外筒支持部材59を格子状に形成し、複数の外筒51を外筒支持部材59の複数の格子点にそれぞれ配置したので、磁石ユニット50をレシーバタンク8内に均等に分散して配置でき、特に水平方向に均等に分散して配置できる。
【0090】
外筒51と内軸52を円形の断面形状とし、継磁部材53と永久磁石54を円形リング状としたので、これらの製作と組み立てを容易に行うことができる。
【0091】
内軸52を移動させるためのアクチュエータ、具体的にはチェーンブロック66を設けたので、内軸52を手動で移動させる場合に比べて、内軸52を容易に移動できる。特に、内軸支持部材60をチェーンブロック66により移動させるので、複数の内軸52を容易に移動できる。
【0092】
なお、チェーンブロック66に着脱可能な防塵カバー(図示せず)を取り付けてもよい。この場合、荷Bの投入時には防塵カバーを取り付け、チェーンブロック66を荷Bから保護する。そして鉄片回収時には防塵カバーを取り外し、チェーンブロック66を操作できるようにする。
【0093】
磁石ユニット50を投入口16よりも下方の位置に配置したので、投入口16から投入された荷Bを落下中に効率よく外筒51に接触させ、荷B中の鉄片を効率よく吸着できる。
【0094】
レシーバタンク8内を閉止する着脱可能な閉止板77を設けたので、鉄片除去装置Sのオフ時に外筒51から脱落する鉄片Qを閉止板77により捕捉して回収できる。
【0095】
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は様々考えられる。
【0096】
(1)例えば、アクチュエータは、
図12~
図14に示す変形例のように、シリンダ装置78により形成されてもよい。本変形例の場合、シリンダ装置78は油圧シリンダにより構成される。外筒支持部材59には、下端が開放された直方体箱状のケース79が取り付けられ、シリンダ装置78はケース79内に、ピストンロッド80を下向きにして配置されている。シリンダ装置78のシリンダ81は外筒51側、すなわちケース79の天板部79Aにピン82を介して接続されている。
【0097】
一方、内軸支持部材60にはブラケット83が取り付けられ、シリンダ装置78のピストンロッド80は内軸52側、すなわちブラケット83にピン84を介して接続されている。
【0098】
シリンダ装置78に荷Bが直接降り掛かるのを極力防止するため、
図13および
図14から分かるように、シリンダ装置78は、前後方向において投入口16に極力近い位置に位置され、かつ、左右方向において投入口16から極力遠い位置に位置される。本変形例の場合、シリンダ装置78は、外筒支持部材59および内軸支持部材60の前側から1番目と2番目の横材62,65の間に配置され、外筒支持部材59および内軸支持部材60の左側から1番目と2番目の縦材61,64の間に配置されている。外筒支持部材59の左側から1番目と2番目の縦材61,61を掛け渡してケース79が取り付けられる。また内軸支持部材60の左側から1番目と2番目の縦材64,64を掛け渡してブラケット83が取り付けられる。
【0099】
シリンダ装置78は、鉄片回収時にレシーバタンク8内の作業者によって操作される。シリンダ装置78はガス(エア)シリンダにより構成されてもよい。
【0100】
(2)外筒51ひいては磁石ユニット50は、任意の向きに配置することができ、例えば水平方向に延びるよう配置することもできる。但し、水平方向に延びるよう配置すると、投入された荷Bが外筒51に直接当たり易くなり、外筒51の摩耗が懸念される。よって上記基本実施形態のように、外筒51ひいては磁石ユニット50は上下方向に延びるよう配置するのが好ましい。
【0101】
(3)アクチュエータは、レシーバタンク8の外側から操作もしくは制御できるものであってもよい。またアクチュエータは、レシーバタンク8の外側に設置されてもよい。
【0102】
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
8 レシーバタンク
16 投入口
50 磁石ユニット
51 外筒
52 内軸
53 継磁部材
54 永久磁石
56 閉止部材
59 外筒支持部材
60 内軸支持部材
66 チェーンブロック
78 シリンダ装置
77 閉止板
100 ニューマチックアンローダ
S 鉄片除去装置