(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127482
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/342 20220101AFI20240912BHJP
【FI】
H04L41/342
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036665
(22)【出願日】2023-03-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 友紀男
(57)【要約】
【課題】移動通信ネットワークを介した映像データの伝送に有利なネットワークスライスの割り当てを可能にする。
【解決手段】制御装置20は、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、当該パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する。制御装置20は、取得された解析結果に基づいて、映像データの伝送に使用可能な複数のネットワークスライスのうちの1つを、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして端末装置10に割り当てる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記割当手段は、前記複数のネットワークスライスのうちで、前記パケットに付加されたポート番号に対応付けられているネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記複数のネットワークスライスは、それぞれ異なるポート番号であって、前記端末装置によって前記サーバ装置との間の映像データの送信又は受信に使用されるアプリケーションに関連するポート番号と対応付けられている、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記割当手段は、前記パケットにRTPヘッダが付加されていることに従って、前記複数のネットワークスライスのうちで、低遅延通信に対応したネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記割当手段は、前記パケットが、UDPを用いて伝送されるパケットであるかTCPを用いて伝送されるパケットであるかに応じて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記複数のネットワークスライスは、低遅延通信に対応した第1のネットワークスライスと、大容量通信に対応した第2のネットワークスライスと、を少なくとも含み、
前記割当手段は、前記パケットが、UDPを用いて伝送されるパケットである場合には、前記第1のネットワークスライスを前記端末装置に割り当て、前記パケットが、TCPを用いて伝送されるパケットである場合には、前記第2のネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1のネットワークスライスは、URLLCに対応したネットワークスライスであり、前記第2のネットワークスライスは、eMBBに対応したネットワークスライスである、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記割当手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間で前記パケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記割当手段は、
前記トラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置によって映像データの伝送に使用されているアプリケーション及び機能を識別し、
前記複数のネットワークスライスのうちで、前記識別されたアプリケーション及び機能に対応付けられているネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
国際移動体加入者識別番号(IMSI)と、前記IMSIによって識別される加入者についてのサービスオーダ(SO)とを関連付けて記憶した記憶手段を更に備え、
前記割当手段は更に、前記パケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたSOに基づいて、前記複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に前記端末装置に割り当てるか否かを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記割当手段によって前記端末装置に対して割り当てられたネットワークスライスに応じて、当該ネットワークスライスを用いた映像データの伝送について前記IMSIに基づく課金処理を行う処理手段を更に備える、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記解析機能は、前記端末装置によって使用されるデフォルトのネットワークスライスに対応するユーザプレーン機能(UPF)と、前記サーバ装置に接続されたデータネットワーク(DN)との間で伝送されるIPパケットを解析する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記解析機能は、コアネットワークにおいて前記制御装置とは異なるネットワークノードに配置されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
制御装置によって実行される、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御するための制御方法であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する工程と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する工程と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる工程と、
を含む、制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の制御方法を制御装置のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークにおける制御装置、制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
共有される共通の物理インフラストラクチャ上で複数の論理ネットワーク(ネットワークスライス)の構築を可能にするネットワークスライシング技術が知られている。ネットワークスライシングの適用例として、特許文献1には、インターネット上に配置され、モバイルネットワークを介してクラウドゲームを端末装置へ提供するゲームサーバが、提供中のゲームパートに応じてネットワークスライスの切り替えを行うことが記載されている。例えば、テニスゲームの場合、「試合パート」の提供に低遅延性のネットワークスライスが使用され、他のゲームパートの提供に非低遅延性のネットワークスライスが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の技術では、サーバ装置との間のデータ伝送に使用するネットワークスライスを、サーバ装置が制御している。しかし、例えば、端末装置とサーバ装置との間で映像データの伝送を行う場合、当該映像データの特性に応じて、使用するネットワークスライスを移動通信ネットワークにおいて自動的に切り替えることで、より効率的な映像データの伝送の実現が期待できる。
【0005】
本発明は、移動通信ネットワークを介した映像データ等のデータの伝送に有利なネットワークスライスの割り当てを可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動通信ネットワークを介した映像データ等のデータの伝送に有利なネットワークスライスの割り当てが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】移動通信ネットワークにおける解析装置の配置例を示す図
【
図4】制御装置によって保持されているスライス情報の例を示す図
【
図5】制御装置によって実行される処理の手順の例を示すフローチャート
【
図6】端末装置に対するネットワークスライスの割り当ての例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうちの二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<通信ネットワークの構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信ネットワークの構成例を示す。移動通信ネットワーク50は、1つ以上のデータネットワーク(DN)へのアクセスを、移動通信ネットワーク50に接続する端末装置10へ提供する。当該1つ以上のDNには、少なくともインターネット60が含まれる。端末装置10は、移動通信ネットワーク50によって提供される移動通信サービスを利用する、スマートフォン等の無線デバイスであり、ユーザ装置(UE)とも称されうる。移動通信ネットワーク50は、一例として第5世代(5G)の移動通信ネットワークとして構成されるが、ネットワークスライシングが適用可能である限り、5Gの移動通信ネットワークに限定されない。
【0011】
端末装置10は、移動通信ネットワーク50を介してインターネット60上のサーバ装置40にアクセスし、サーバ装置40とのデータ通信を行うことが可能である。本実施形態では、サーバ装置40として、移動通信ネットワーク50によって提供される移動通信サービスを利用する放送事業者のサーバ装置を想定する。サーバ装置40には、例えば、カメラによる生放送用の中継映像データ、又はカメラによる(通常の)録画映像データのアップロードが可能でありうる。サーバ装置40は、撮影装置(カメラ)による録画映像データを蓄積するストレージを備えうるとともに、受信した映像データを(例えば生放送のために)外部装置に提供する機能を有しうる。
【0012】
本実施形態では、端末装置10として、サーバ装置40との間で映像データの伝送を行うためのアプリケーションが実装された端末装置を想定する。当該アプリケーションを使用して、端末装置10は、サーバ装置40への映像データのアップロード、又はサーバ装置40からの映像データのダウンロードを行いうる。端末装置10に実装されたアプリケーションは、カメラから送信される映像データをサーバ装置40に対して中継する機能を有してもよい。また、端末装置10に実装されたアプリケーションは、端末装置10の撮影機能により得られた映像データをサーバ装置40に対して送信する機能を有してもよい。端末装置10に実装されたアプリケーションは更に、サーバ装置40への映像データのアップロードだけでなく、サーバ装置40に蓄積された映像データのダウンロードを行う機能を有してもよい。
【0013】
移動通信ネットワーク50には、それぞれ異なるネットワーク要件(サービス要件)に対応する複数の論理ネットワークとして複数のネットワークスライス(以下、単に「スライス」とも称する。)を設定(形成)可能である。
図1に示すように、移動通信ネットワーク50は、制御装置20及び解析装置30を有する。
【0014】
制御装置20は、移動通信ネットワーク50にアクセスする端末装置10に対するネットワークスライスの割り当てを制御する。解析装置30は、移動通信ネットワーク50上で伝送されるパケットを解析する解析機能を有する。後述するように、制御装置20は、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットについての解析装置30による解析結果に基づいて、端末装置10に対するスライスの割り当てを行う。
【0015】
なお、本実施形態では、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスの割当処理について説明しているが、本実施形態の割当処理は、映像データの伝送に限らず、映像データ以外のデータ(例えば、特定の種類のデータ)の伝送にも同様に適用可能である。
【0016】
図2は、移動通信ネットワーク50における解析装置30の配置例を示している。なお、移動通信ネットワーク50のユーザプレーンのみを示し、制御プレーンの図示を省略している。
【0017】
移動通信ネットワーク50は、無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワークとを含む。ユーザプレーン機能(UPF)は、移動通信ネットワーク50のコアネットワークに配置される。UPFは、5Gコアネットワーク(5GC)のデータ処理機能群であり、移動通信ネットワーク50に設定されたネットワークスライスごとに設けられる。UPFは、データネットワーク(DN)と接続され、DN上の外部装置との間でIPパケット伝送によるデータ通信を行う。
【0018】
図2に示すUPFは、デフォルトスライスに対応するUPFであり、インターネット60と接続され、インターネット60上のサーバ装置40との間でIPパケット伝送によるデータ通信を行うことが可能である。本実施形態において、解析装置30の解析機能は、端末装置10によって使用されるデフォルトのネットワークスライスに対応するUPFとインターネット60との間で伝送されるIPパケットを解析するように構成される。このため、解析装置30は、移動通信ネットワーク50のコアネットワークにおいて、デフォルトのネットワークスライスに対応するUPFとインターネット60との間に配置される。解析装置30は、制御装置20と通信可能であり、解析機能によるIPパケットの解析結果を制御装置20に対して出力するように構成される。
【0019】
解析装置30に実装される解析機能は、例えば、ディープ・パケット・インスペクション(DPI)によって実現される。なお、本例では、解析機能は、移動通信ネットワーク50のコアネットワークにおいて制御装置20とは異なるネットワークノードに配置されているが、制御装置20と同じネットワークノード(解析装置30)に配置されもよい。
【0020】
<制御装置の構成例>
図3は、本実施形態に係る制御装置20の構成例を示すブロック図である。制御装置20は、ハードウェア構成として、制御部210、記憶部220及び通信部230を備えている。
【0021】
制御部210は、CPU等の1つ以上のプロセッサで構成され、制御装置20全体の動作を制御する。制御部210は、CPUに代えて、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等の1つ以上のプロセッサで構成されてもよい。
【0022】
記憶部220は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶媒体を含む。通信部230は、制御部210による制御下で、外部装置との通信を行うための通信インタフェースである。制御装置20は、それぞれ接続先が異なる複数の通信部230を有していてもよい。
【0023】
制御部210上で動作する各機能ユニット(取得処理部211、割当処理部212、及び課金処理部213)は、記憶部220に格納されたプログラムを制御部210が実行することによって実現される。あるいは、各機能ユニットは、それぞれ1つ以上の専用のプロセッサ(処理回路)によって実現されてもよい。
【0024】
取得処理部211は、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、当該パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する処理を行う。本実施形態では、当該解析機能は、上述のように解析装置30に配置されている。
【0025】
割当処理部212は、取得処理部211によって取得された解析結果に基づいて、映像データの伝送に使用可能な複数のネットワークスライスのうちの1つを端末装置10に割り当てる処理を行う。端末装置10に割り当てられるネットワークスライスは、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして端末装置に割り当てられる。
【0026】
割当処理部212は、決定部214及び通知部215を含む。決定部214は、取得処理部211によって取得された解析結果に基づいて、端末装置10に対して割り当てるネットワークスライスを決定する。通知部215は、決定部214によって決定された、端末装置10に対するネットワークスライスの割り当てに関して、端末装置10に通知するとともに、RAN及びコアネットワーク上の他のネットワークノードに通知する。割当処理部212による具体的な割当処理については、
図5及び
図6を参照して後述する。
【0027】
課金処理部213は、端末装置10に対して割り当てられたネットワークスライスに応じて、当該ネットワークスライスを用いた映像データの伝送についての課金処理を行う。この課金処理は、端末装置10に対応する国際移動体加入者識別番号(IMSI)に基づいて、端末装置10に対して割り当てられたネットワークスライスの使用実績(例えば、伝送されたデータ量)に応じて行われうる。
【0028】
<ネットワークスライスの設定>
上述のように、本実施形態の移動通信ネットワーク50は、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスを提供する。制御装置20は、移動通信ネットワーク50によって提供される、映像データの伝送に使用可能なネットワークスライスに関する情報(スライス情報)を、予め記憶部220に保持している。
図4は、制御装置20によって保持されているスライス情報の例を示している。本実施形態において、制御装置20は、以下の3つの種別のネットワークスライス(スライス#0~#2)に関する情報を保持している。
【0029】
●スライス#0は、「ベストエフォート」のサービスを提供するためのネットワークスライスであり、デフォルトのネットワークスライスとして常に設定される。
●スライス#1は、「低遅延」のサービスを提供するためのネットワークスライスであり、スライス#0及び#2よりも低遅延の通信を提供するように設定されている。スライス#1は、低遅延通信に対応した第1のネットワークスライスの一例であり、例えば、第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP(登録商標))規格におけるURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)に対応したネットワークスライスである。
●スライス#2は、「大容量」のサービスを提供するためのネットワークスライスであり、スライス#0及び#1よりも大容量の(高速な)通信を提供するように設定されている。一例として、スライス#2は、大容量通信に対応した第2のネットワークスライスの一例であり、例えば、3GPP規格におけるeMBB(enhanced Mobile Broadband)に対応したネットワークスライスである。
【0030】
本実施形態では、制御装置20は、移動通信ネットワーク50を介して端末装置10とサーバ装置40との間で伝送される映像データに応じて、映像データの伝送に使用するネットワークスライスの割り当てを制御する。例えば、低遅延性(リアルタイム性)が要求される映像データ(例えば、生放送用の映像データ又は中継映像データ)については、低遅延通信を提供するためのネットワークスライスであるスライス#1の割り当てを行う。一方、低遅延性が要求されない映像データ(例えば、アップロード用の録画映像データ)については、より高速な伝送が可能となるように、スライス#2の割り当てを行う。制御装置20は、解析装置30による、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果に基づいて、このようなネットワークスライスの割り当ての制御を行う。
【0031】
<解析機能によるパケット解析>
解析装置30は、移動通信ネットワーク50のコアネットワークにおいて、スライス#0(デフォルトスライス)に対応するUPFとインターネット60との間で伝送されるIPパケットについて、当該IPパケットのヘッダ部及びボディ部を解析機能(DPI)により解析する。
【0032】
解析装置30は、解析対象のIPパケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析する。これにより、解析装置30は、端末装置10において映像データの送信又は受信に使用されるアプリケーションに関連する情報を、IPパケットから取得する。この情報には、例えば、アプリケーションによって使用される下位レイヤのプロトコル(例えば、RTP、TCP及びUDP等)及びポート番号に関する情報、並びにIPパケットによって伝送されるトラフィックのパターンを示す情報のうちの1つ以上が含まれる。
【0033】
解析装置30は、例えば、解析対象のIPパケットのヘッダ部に含まれる送信元又は宛先IPアドレスに基づいて、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるIPパケットを検出すると、当該IPパケットの解析結果を制御装置20へ送信(出力)する。なお、解析装置30には、端末装置10又はサーバ装置40に割り当てられているIPアドレスに関する情報が予め登録されている。例えば、端末装置10がスライス#0(デフォルトスライス)を用いてサーバ装置40への映像データの送信を開始すると、当該映像データの送信に関連するIPパケットが解析装置30によって検出される。解析装置30は、検出したIPパケットの解析結果を制御装置20へ送信(出力)する。
【0034】
<処理手順>
図5は、本実施形態に係る、制御装置20によって実行される処理の手順の例を示すフローチャートである。
図5の各ステップの処理は、例えば、記憶部220に格納された制御プログラムを制御部210が読み出して実行することによって、制御装置20によって実現されうる。
【0035】
制御装置20において、制御部210(取得処理部211)は、
図5の手順による処理を開始すると、S501で、解析装置30から解析結果を受信したか否かを判定する。上述のように解析装置30から送信された解析結果を受信することによって解析装置30から解析結果を取得すると、制御部210は、S502へ処理を進める。
【0036】
S502で、制御部210(決定部214)は、取得された解析結果に基づいて、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスの割り当てを決定する。制御部210は、スライス情報(
図4)が示す複数のネットワークスライス(スライス#0~#2)のうちで、映像データの伝送用に端末装置10に割り当てるネットワークスライスを決定する。この決定処理は、以下に例示する種々の条件の1つ以上に従って行われうる。以下で説明する各条件は、例えば、サーバ装置40を提供する放送事業者と、移動通信ネットワーク50を提供する通信事業者との間の契約条件として予め定められてもよい。
【0037】
(例1)
制御部210は、複数のネットワークスライスのうちで、解析されたIPパケットに付加されたポート番号に対応付けられているネットワークスライスを、端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定しうる。制御装置20において、複数のネットワークスライスは、それぞれ異なるポート番号であって、端末装置10によってサーバ装置40との間の映像データの送信又は受信に使用されるアプリケーションに関連するポート番号と対応付けられている。
【0038】
図6(A)は、ポート番号に基づくネットワークスライスの割り当ての例を示す。本例では、ポート番号PN#1は、低遅延性(リアルタイム性)が要求される映像データ(例えば、生放送用の映像データ又は中継映像データ)の伝送用のアプリケーションAによって使用されるものである。このため、ポート番号PN#1は、低遅延通信に対応したスライス#1と対応付けられる。また、ポート番号PN#2は、低遅延性が要求されない映像データ(例えば、アップロード用の録画映像データ)の伝送用のアプリケーションBによって使用されるものである。このため、ポート番号PN#2は、大容量に対応したスライス#2と対応付けられる。
【0039】
図6(A)の例によれば、制御部210は、解析されたIPパケットに付加されたポート番号としてPN#1が検出された場合、スライス#1を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。また、制御部210は、解析されたIPパケットに付加されたポート番号としてPN#2が検出された場合、スライス#2を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。
【0040】
(例2)
制御部210は、解析されたIPパケットが、UDPを用いて伝送されるパケットであるかTCPを用いて伝送されるパケットであるかに応じて、端末装置10に割り当てるネットワークスライスを決定しうる。
【0041】
図6(B)は、IPパケットの伝送に使用される通信プロトコルに基づくネットワークスライスの割り当ての例を示す。ここで、IPパケットがUDPを用いて伝送されることは、低遅延性が要求されるIPパケット伝送が行われることを示し、即ち、低遅延通信に対応するネットワークスライスの割り当てが適していることを示す。このため、制御部210は、解析されたIPパケットが、UDPを用いて伝送されるパケットである場合、スライス#1を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。
【0042】
一方、制御部210は、解析されたIPパケットが、TCPを用いて伝送されるパケットである場合、スライス#2を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。これにより、低遅延性が要求されない映像データ(例えば、アップロード用の録画映像データ)について、より高速なIPパケット伝送を可能にする。
【0043】
(例3)
制御部210は、解析されたIPパケットにRTP(Real-time Transport Protocol)ヘッダが付加されていることに従って、低遅延通信に対応したスライス#1を、端末装置に割り当てるネットワークスライスとして決定しうる。RTPヘッダがIPパケットに付加されていることは、リアルタイム伝送用の通信プロトコルの1つであるRTPが、映像データの伝送に使用されていることを示し、即ち、低遅延通信に対応したネットワークスライスの割り当てが適していることを示す。
【0044】
図6(C)は、RTPヘッダの有無に基づくネットワークスライスの割り当ての例を示す。
図6(C)の例によれば、制御部210は、解析されたIPパケットにRTPヘッダが付加されている場合、スライス#1を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。また、制御部210は、解析されたIPパケットにRTPヘッダが付加されていない場合、スライス#2を端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定してもよい。
【0045】
(例4)
制御部210は、解析されたIPパケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、端末装置10に割り当てるネットワークスライスを決定してもよい。この場合、制御部210は、トラフィックのパターンに基づいて(即ち、各アプリケーション及び各機能に対応するパターンとのマッチングに基づいて)、端末装置10によって映像データの伝送に使用されているアプリケーション及び機能を識別する。制御部210は更に、複数のネットワークスライスのうちで、識別されたアプリケーション及び機能に対応付けられているネットワークスライスを、端末装置10に割り当てるネットワークスライスとして決定する。
【0046】
(例5)
制御部210は、解析機能によりIPパケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたサービスオーダ(SO)に基づいて、複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス(スライス#0)以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に端末装置10に割り当てるか否か(即ち、映像データの伝送に使用するネットワークスライスを、スライス#0から、低遅延通信に対応したスライス#1又は大容量通信に対応したスライス#2に変更するか否か)を決定してもよい。SOには、IMSIによって識別される加入者による、映像データの効率的な伝送に適したネットワークスライス(スライス#1又は#2)の使用の可否が予め規定される。なお、記憶部220は、IMSIと、当該IMSIによって識別される加入者についてのSOとを関連付けて予め記憶している。制御部210は、スライス#0以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に端末装置10に割り当てると決定した場合には、例1~例4に例示したような条件に従って、端末装置10に割り当てるネットワークスライス(スライス#1又は#2)を決定する。
【0047】
S503で、制御部210(通知部215)は、S502において決定された、端末装置10に対するネットワークスライスの割り当てに関して、端末装置10に通知するとともに、RAN及びコアネットワーク上の他のネットワークノードに通知する。これにより、端末装置10は、サーバ装置40への映像データの送信、又はサーバ装置40からの映像データの受信に使用するネットワークスライスを、デフォルトのネットワークスライス(スライス#0)から、通知されたネットワークスライス(#1又は#2)に変更し、変更後のネットワークスライスを用いて映像データの送信又は受信を行う。制御部210は、S503における通知処理が完了すると、
図5の手順による処理を終了する。制御部210は、
図5の手順による処理を繰り返し実行してもよい。
【0048】
なお、制御部210(課金処理部213)は、S502において端末装置10に対して割り当てられたネットワークスライスに応じて、当該ネットワークスライスを用いた映像データの伝送についてIMSIに基づく課金処理を行ってもよい。例えば、制御部210は、使用されたネットワークスライスの種別と、端末装置10からサーバ装置40へ送信された映像データの量とに応じて、IMSIによって識別される加入者に対する課金を行う。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の制御装置20は、端末装置10に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であり、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する。制御装置20は、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、当該パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する。制御装置20は更に、取得された解析結果に基づいて、映像データの伝送に使用可能な複数のネットワークスライスのうちの1つを、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして端末装置10に割り当てる。
【0050】
このように、本実施形態では、映像データの特性に応じて、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスを決定し、決定したネットワークスライスを端末装置10に割り当てる。これにより、映像データの伝送により適したネットワークスライスを使用した当該映像データの効率的な伝送が可能になる。したがって、本実施形態によれば、移動通信ネットワーク50を介した映像データの伝送に有利なネットワークスライスの割り当てが可能になる。
【0051】
なお、上述の実施形態では、端末装置10とサーバ装置40との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスの割当処理について説明したが、当該割当処理は、映像データの伝送に限らず、映像データ以外のデータ(例えば、特定の種類のデータ)の伝送にも同様に適用可能である。例えば、制御装置20は以下のように構成されうる。制御装置20は、端末装置10とサーバ装置40との間のデータの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する。制御装置20は、端末装置10とサーバ装置40との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、当該パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する。制御装置20は更に、取得された解析結果に基づいて、使用可能な複数のネットワークスライスのうちの1つを、(例えば、上述のS502及びS503の処理により)端末装置10とサーバ装置40との間でデータの伝送に使用するネットワークスライスとして端末装置10に割り当てる。
【0052】
これにより、制御装置20は、例えば、低遅延性(リアルタイム性)が要求されるデータについてはスライス#1の割り当てを行い、低遅延性が要求されないデータについては、より高速な伝送が可能となるようにスライス#2の割り当てを行う。このようにして、端末装置10とサーバ装置40との間の、移動通信ネットワーク50を介したデータの伝送により適したネットワークスライスの使用が可能になり、効率的なデータの伝送が可能になる。したがって、上述の実施形態と同様、移動通信ネットワーク50を介したデータ(例えば、特定の種類のデータ)の伝送に有利なネットワークスライスの割り当てが可能になる。
【0053】
[その他の実施形態]
上述の実施形態に係る端末装置は、コンピュータを端末装置として機能させるためのコンピュータプログラムにより実現することができる。当該コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて配布が可能なもの、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【0054】
なお、本発明により、例えば、移動通信ネットワークにおいて、移動通信ネットワーク50を介した映像データの伝送に有利なネットワークスライスの割り当てが可能になることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0055】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10:端末装置、20:制御装置、30:解析装置、40:サーバ装置、50:移動通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能であって、前記端末装置によって使用されるデフォルトのネットワークスライスに対応するユーザプレーン機能(UPF)と、前記サーバ装置に接続されたデータネットワーク(DN)との間で伝送されるIPパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記割当手段は、前記複数のネットワークスライスのうちで、前記パケットに付加されたポート番号に対応付けられているネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記複数のネットワークスライスは、それぞれ異なるポート番号であって、前記端末装置によって前記サーバ装置との間の映像データの送信又は受信に使用されるアプリケーションに関連するポート番号と対応付けられている、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記割当手段は、前記パケットにRTPヘッダが付加されていることに従って、前記複数のネットワークスライスのうちで、低遅延通信に対応したネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記割当手段は、前記パケットが、UDPを用いて伝送されるパケットであるかTCPを用いて伝送されるパケットであるかに応じて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記複数のネットワークスライスは、低遅延通信に対応した第1のネットワークスライスと、大容量通信に対応した第2のネットワークスライスと、を少なくとも含み、
前記割当手段は、前記パケットが、UDPを用いて伝送されるパケットである場合には、前記第1のネットワークスライスを前記端末装置に割り当て、前記パケットが、TCPを用いて伝送されるパケットである場合には、前記第2のネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1のネットワークスライスは、URLLCに対応したネットワークスライスであり、前記第2のネットワークスライスは、eMBBに対応したネットワークスライスである、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記割当手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間で前記パケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
国際移動体加入者識別番号(IMSI)と、前記IMSIによって識別される加入者についてのサービスオーダ(SO)とを関連付けて記憶した記憶手段を更に備え、
前記割当手段は更に、前記パケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたSOに基づいて、前記複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に前記端末装置に割り当てるか否かを決定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記解析機能は、コアネットワークにおいて前記制御装置とは異なるネットワークノードに配置されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備え、
前記割当手段は、前記パケットにRTPヘッダが付加されていることに従って、前記複数のネットワークスライスのうちで、低遅延通信に対応したネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、制御装置。
【請求項12】
端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備え、
前記割当手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間で前記パケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、制御装置。
【請求項13】
前記割当手段は、
前記トラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置によって映像データの伝送に使用されているアプリケーション及び機能を識別し、
前記複数のネットワークスライスのうちで、前記識別されたアプリケーション及び機能に対応付けられているネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、
国際移動体加入者識別番号(IMSI)と、前記IMSIによって識別される加入者についてのサービスオーダ(SO)とを関連付けて記憶した記憶手段と、を備え、
前記割当手段は更に、前記パケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたSOに基づいて、前記複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に前記端末装置に割り当てるか否かを決定する、制御装置。
【請求項15】
前記割当手段によって前記端末装置に対して割り当てられたネットワークスライスに応じて、当該ネットワークスライスを用いた映像データの伝送について前記IMSIに基づく課金処理を行う処理手段を更に備える、請求項14に記載の制御装置。
【請求項16】
制御装置によって実行される、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御するための制御方法であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する工程と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能であって、前記端末装置によって使用されるデフォルトのネットワークスライスに対応するユーザプレーン機能(UPF)と、前記サーバ装置に接続されたデータネットワーク(DN)との間で伝送されるIPパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する工程と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる工程と、
を含む、制御方法。
【請求項17】
制御装置によって実行される、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御するための制御方法であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する工程と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する工程と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる工程と、を含み、
前記割り当てる工程では、前記パケットにRTPヘッダが付加されていることに従って、前記複数のネットワークスライスのうちで、低遅延通信に対応したネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる、制御方法。
【請求項18】
制御装置によって実行される、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御するための制御方法であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する工程と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する工程と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる工程と、を含み、
前記割り当てる工程では、前記端末装置と前記サーバ装置との間で前記パケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する、制御方法。
【請求項19】
国際移動体加入者識別番号(IMSI)と、前記IMSIによって識別される加入者についてのサービスオーダ(SO)とを関連付けて記憶した記憶手段を備える制御装置によって実行される、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御するための制御方法であって、
映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する工程と、
前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する工程と、
前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる工程と、を含み、
前記割り当てる工程では更に、前記パケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたSOに基づいて、前記複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に前記端末装置に割り当てるか否かを決定する、制御方法。
【請求項20】
請求項16乃至19のいずれか一項に記載の制御方法を制御装置のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様に係る制御装置は、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能であって、前記端末装置によって使用されるデフォルトのネットワークスライスに対応するユーザプレーン機能(UPF)と、前記サーバ装置に接続されたデータネットワーク(DN)との間で伝送されるIPパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備える。
本発明の他の一態様に係る制御装置は、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備え、前記割当手段は、前記パケットにRTPヘッダが付加されていることに従って、前記複数のネットワークスライスのうちで、低遅延通信に対応したネットワークスライスを前記端末装置に割り当てる。
本発明の更に他の一態様に係る制御装置は、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、を備え、前記割当手段は、前記端末装置と前記サーバ装置との間で前記パケットによって伝送されるトラフィックのパターンに基づいて、前記端末装置に割り当てるネットワークスライスを決定する。
本発明の更に他の一態様に係る制御装置は、端末装置に対するネットワークスライスの割り当てを制御する制御装置であって、映像データの伝送に使用可能であり、かつ、それぞれ異なるサービス要件に対応した複数のネットワークスライスに関する情報を保持する保持手段と、前記端末装置とサーバ装置との間で伝送されるパケットを解析する解析機能から、前記パケットに含まれる、アプリケーションレイヤに関連する情報を解析して得られた解析結果を取得する取得手段と、前記取得された解析結果に基づいて、前記複数のネットワークスライスのうちの1つを、前記端末装置と前記サーバ装置との間で映像データの伝送に使用するネットワークスライスとして前記端末装置に割り当てる割当手段と、国際移動体加入者識別番号(IMSI)と、前記IMSIによって識別される加入者についてのサービスオーダ(SO)とを関連付けて記憶した記憶手段と、を備え、前記割当手段は更に、前記パケットを解析して得られるIMSIと関連付けられたSOに基づいて、前記複数のネットワークスライスからデフォルトのネットワークスライス以外のネットワークスライスを映像データの伝送用に前記端末装置に割り当てるか否かを決定する。