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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127491
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240912BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240912BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08G1/00 A
G08B25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036679
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】山主 誠司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 保文
【テーマコード(参考)】
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C087AA37
5C087DD03
5C087DD14
5C087EE15
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG70
5C087GG83
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC27
5H181EE15
5H181FF05
5H181MB07
5H181MB08
(57)【要約】
【課題】事故時の迅速な対応を可能にする。
【解決手段】移動体の事故を検知し、事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信し、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置された情報処理装置であって、
前記移動体の事故を検知する事故検知部と、
前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理部と、
前記事故検知部により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理部と、を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の送信処理部は、前記携帯端末に、当該携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を前記サーバ装置に送信させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の送信処理部は、前記携帯端末から、当該携帯端末の位置情報を取得し、当該取得した携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報をサーバ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の送信処理部は、前記事故検知部により事故が検知されて以後、前記携帯端末位置情報を第1の時間間隔で前記サーバ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
近距離無線通信を用いて、前記携帯端末から、当該携帯端末を用いた通話のための通話用識別情報を取得する通話用識別情報取得処理部をさらに有し、
前記第1の送信処理部は、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記通話用識別情報取得部により取得された通話用識別情報と、前記移動体の位置情報と、をサーバ装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の送信処理部により送信される通話用識別情報は、前記通話用識別情報取得処理部により取得された電話番号のうちの直近に取得された通話用識別情報である、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通話用識別情報取得処理部は、前記移動体がオンになったタイミング、前記事故検知部により事故が検知されたタイミング、および/または第2の時間間隔で、近距離無線通信による接続が確立している携帯端末から、当該携帯端末の通話用識別情報を取得する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
移動体に設置された情報処理装置であって、
前記移動体の事故を検知する事故検知部と、
前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理部と、を有する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記サーバ装置と、を有するシステムであって、
前記サーバ装置は、
前記移動体の位置情報および前記携帯端末位置情報に基づき、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断する判断部を有する、システム。
【請求項10】
前記サーバ装置は、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するならば、前記情報処理装置を用いた通話のための通話用識別情報を通知し、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在しないならば、当該携帯端末を用いた通話をするための通話用識別情報を通知する通知処理部をさらに有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するならば、前記情報処理装置に発呼し、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在しないならば、当該携帯電話に発呼する発呼処理部をさらに有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、
前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理工程と、
前記事故検知工程により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理工程と、を有する、情報処理方法。
【請求項13】
移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、
前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理工程と、を有する、情報処理方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理プログラムを記憶しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事故が発生したときに、自動車内に設置されたドライブレコーダなどの車載器を用いて、保険会社等のコールセンターのオペレータとの通話を可能にする技術がある(例えば、特許文献1)。コールセンターのオペレータは、この通話により、事故時の対応に関するアドバイスをすることや、自動車の乗員の状態を確認し、必要に応じて、救急要請をすることが可能であり、事故時の迅速な対応が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-46125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような車載器を用いた通話がなんらかの原因で切断されたときには、コールセンターのオペレータは、車載器にコールバックをする。しかしながら、コールバックしたときに乗員が自動車から離れている場合、コールセンターのオペレータは、車載器を用いて、自動車の乗員と通話を行うことができない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、事故時の迅速な対応を可能にすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体に設置された情報処理装置であって、前記移動体の事故を検知する事故検知部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理部と、を有する。
【0007】
請求項8に記載の発明は、移動体に設置された情報処理装置であって、前記移動体の事故を検知する事故検知部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理部と、を有する。
【0008】
請求項9に記載の発明は、前記情報処理装置と、前記サーバ装置と、を有するシステムであって、前記サーバ装置は、前記移動体の位置情報および前記携帯端末位置情報に基づき、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断する判断部を有する。
【0009】
請求項12に記載の発明は、移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理工程と、を有する。
【0010】
請求項13に記載の発明は、移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理工程と、を有する。
【0011】
請求項14に記載の発明は、請求項12または13に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0012】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の情報処理プログラムを記憶している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例に係る車載器100を示す図である。
図2】車載器100とサーバ装置200と携帯端末PTとの関係を説明する図である。
図3】制御部110を示す図である。
図4】携帯端末位置情報の送信処理を説明する図である。
図5】携帯端末位置情報の送信処理を説明する図である。
図6】事故検知部111により事故が検知された際に制御部110により実行される処理動作の一例を示す図である。
図7】サーバ装置200を示す図である。
図8】サーバ装置200の制御部210を示す図である。
図9】受信処理部211により移動体Mの位置情報、携帯端末位置情報を受信した際にサーバ装置200の制御部210において実行される処理動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、移動体に設置された情報処理装置であって、前記移動体の事故を検知する事故検知部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理部と、を有する。このとき、前記第2の送信処理部は、前記携帯端末に、当該携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を前記サーバ装置に送信させるようにしも良いし、前記第2の送信処理部は、前記携帯端末から、当該携帯端末の位置情報を取得し、当該取得した携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報をサーバ装置に送信するようにしても良い。このため、本実施形態では、車載器との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等が移動体から離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置のオペレータは、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0015】
前記第2の送信処理部は、前記事故検知部により事故が検知されて以後、前記携帯端末位置情報を第1の時間間隔で前記サーバ装置に送信するようにしても良い。このようにすることで、サーバ装置のオペレータは、移動体のドライバ等の移動を把握することが可能になり、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかをより正確に判断することが可能になる。
【0016】
前記第1の送信処理部または前記第2の送信処理部は、前記事故検知部により事故が検知されなくとも、移動体の電源がオンになったこと(例えば、移動体のエンジンがオンになったことや、移動体の電源がオンになったこと)に起因して、移動体に設置された情報処理装置の電源がオンになったことに起因して、またはユーザ(例えば、ドライバ)による指示があったことに起因して、前記移動体の位置情報または前記携帯端末位置情報を、第1の時間間隔で前記サーバ装置に送信するようにしても良い。このようにすることで、サーバ装置のオペレータは、移動体に設置された情報処理装置が移動体の事故により故障した場合などであっても、移動体とドライバ等の位置関係を、事故発生前の時点から把握することが可能になり、より正確に、車載器に発呼すべきか、携帯端末に発呼すべきかを判断することが可能になる。
【0017】
ここで、移動体Mの位置情報または携帯端末PTの位置情報は、GPS等の位置情報だけでなく、撮像された画像情報でも良い。画像情報は、移動体M内にある車載装置や携帯端末、移動体Mの外にある携帯端末、他の移動体の撮像装置、道路や建物に設置された撮像装置、衛星、などから取得しても良い。画像情報であれば、例えば移動体が炎上などしている場合に、その画像情報を確認したサーバ装置200のオペレータは、移動体のドライバが携帯する携帯端末に発呼する事が可能になる。
【0018】
前記情報処理装置は、近距離無線通信を用いて、前記携帯端末から、当該携帯端末を用いた通話のための通話用識別情報を取得する通話用識別情報取得処理部をさらに有し、前記第1の送信処理部は、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記通話用識別情報取得部により取得された通話用識別情報と、前記移動体の位置情報と、をサーバ装置に送信するようにしても良い。このようにすることで、移動体のドライバ等が携帯する携帯端末の通話用識別情報のリストをサーバ装置のオペレータが有してないようなときであっても、サーバ装置200のオペレータは、移動体のドライバ等が携帯する携帯端末にコールバックすることが可能になり、移動体のドライバ等と通話することが可能になる。
【0019】
前記第1の送信処理部により送信される通話用識別情報は、前記通話用識別情報取得処理部により取得された電話番号のうちの直近に取得された通話用識別情報であるようにしても良い。このようにすることで、事故が発生したタイミングに移動体に乗車していた可能性が高い者が携帯する携帯端末の通話用識別情報がサーバ装置に送信されることになる。結果、サーバ装置のオペレータが移動体のドライバ等と通話することができる可能性がより高くなる。
【0020】
前記通話用識別情報取得処理部は、前記移動体がオンになったタイミング、前記事故検知部により事故が検知されたタイミング、および/または第2の時間間隔で、近距離無線通信による接続が確立している携帯端末から、当該携帯端末の通話用識別情報を取得するようにしても良い。このようにすることで、事故が発生したタイミングに移動体に乗車していた可能性がより高い者が携帯する携帯端末の通話用識別情報をサーバ装置に送信することが可能になる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、移動体に設置された情報処理装置であって、前記移動体の事故を検知する事故検知部と、前記事故検知部により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理部と、を有する。このため、本実施形態では、車載器との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等が移動体から離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置のオペレータは、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0022】
本発明の一実施形態に係るシステムは、前記情報処理装置と、前記サーバ装置と、を有するシステムであって、前記サーバ装置は、前記移動体の位置情報および前記携帯端末位置情報に基づき、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断する判断部を有する。このため、本実施形態では、車載器との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等が移動体から離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置のオペレータは、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0023】
前記サーバ装置は、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するならば、前記情報処理装置を用いた通話のための通話用識別情報を通知し、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在しないならば、当該携帯端末を用いた通話をするための通話用識別情報を通知する通知処理部をさらに有するようにしても良い。このようにすることで、サーバ装置のオペレータが、コールバックすべき連絡先の通話用識別番号を知ることが可能になる。
【0024】
前記サーバ装置は、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在するならば、前記情報処理装置に発呼し、前記携帯端末が前記移動体の内部に存在しないならば、当該携帯電話に発呼する発呼処理部をさらに有するようにしても良い。このようにすることで、自動で、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等と通話することが可能になる。
【0025】
本発明の一実施形態にかかる情報処理方法は、移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報をサーバ装置に送信する第1の送信処理工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、携帯端末の位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する第2の送信処理工程と、を有する。このため、本実施形態では、車載器との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等が移動体から離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置のオペレータは、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0026】
本発明の一実施形態にかかる情報処理方法は、移動体に設置された情報処理装置により実行される情報処理方法であって、前記移動体の事故を検知する事故検知工程と、前記事故検知工程により事故が検知されたならば、前記移動体の位置情報および携帯端末の位置情報に基づいて、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かを判断し、当該携帯端末が前記移動体の内部に存在するのか否かについての情報を、前記サーバ装置に送信する第2の送信処理工程と、を有する。このため、本実施形態では、車載器との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等が移動体から離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置のオペレータは、車載器にコールバックすべきか、携帯端末にコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置のオペレータが、移動体のドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0027】
本発明の一実施形態に係る情報処理プログラムは、上記の情報処理方法を、コンピュータに実行させる。このため、本実施形態では、事故時の迅速な対応が可能である。
【0028】
本発明の一実施形態に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記の情報処理プログラムを記憶している。このようにすることで、上記の情報処理プログラムを、機器に組み込む以外にも単体で流通することが可能になり、バージョンアップ等を容易に行うことが可能になる。
【実施例0029】
<車載器100>
図1は、本発明の一実施例に係る車載器100を示す図である。車載器100は、制御部110と、通信部120と、近距離無線通信部130と、マイク140と、スピーカ150と、を有する。車載器100は、車両などの移動体Mに設置される機器であり、例えば、ドライブレコーダやカーナビゲーションシステムである。
【0030】
制御部110は、例えば、コンピュータにより構成される。通信部120は、携帯電話用の通信回線(例えば、4Gや5G)などの通信回線を介して、他の装置(遠隔にある装置を含む)と間で情報を送受信するための通信装置である。近距離無線通信部130は、無線LAN(例えば、Wi-Fi(登録商標))やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を行うための通信装置である。車載器100の制御部110は、上記実施形態の「情報処理装置」に対応する。
【0031】
車載器100は、図2に示すように、通信部120による通信を用いて、移動体Mの外部に存在するサーバ装置200(例えば、コールセンターのサーバ装置)と情報の送受信を行い、近距離無線通信部130による通信(近距離無線通信)を用いて、移動体Mの内部に存在する携帯端末PT(例えば、移動体Mの乗員が携帯する携帯端末)と情報の送受信を行う。図2には、1台の携帯端末PTが記載しているが、移動体Mの内部に存在する携帯端末PTは、複数台であっても良い。
【0032】
図3は、制御部110を示す図である。制御部110は、事故検知部111と、発呼処理部112と、を有する。
【0033】
事故検知部111は、移動体Mに事故が発生したことを検知する。事故検知部111は、例えば、移動体Mの加速度を取得し、当該取得した加速度が所定の加速度値を超えているのか否かを確認し、当該取得した加速度が所定の加速度値を超えたときに、事故が発生したと判断する。
【0034】
発呼処理部112は、事故検知部111により事故が検知されたならば、サーバ装置200に関する通話用連絡先に発呼する。サーバ装置200に関する通話用連絡先は、例えば、サーバ装置200自体や、サーバ装置200のオペレータが使用する電話機である。
【0035】
このため、本実施例では、事故が発生した際に、サーバ装置200のオペレータ(例えば、コールセンターのオペレータ)が、車載器100のマイク140、スピーカ150を用いて、移動体のドライバ等と通話することが可能である。
【0036】
このような車載器100を用いた通話がなんらかの原因で切断されることがある。このようなとき、移動体Mのドライバ等との通話を再開するために、サーバ装置200のオペレータは、車載器100にコールバックをすることが考えられる。しかしながら、このコールバックをした際に、ドライバ等が移動体Mから離れている場合、サーバ装置200のオペレータは、車載器100を用いて、移動体Mのドライバ等と通話を行うことができない。
【0037】
そこで、本実施例に係る制御部110は、図3に示すように、第1の送信処理部113と、第2の送信処理部114と、をさらに有する。
【0038】
第1の送信処理部113は、事故検知部111により事故が検知されたならば、移動体Mの位置情報を取得し、通信部120による通信を用いて、当該取得した移動体Mの位置情報をサーバ装置200に送信する。移動体Mの位置情報は、GPS等の位置情報取得装置を用いて取得する。このとき、位置情報取得装置は、車載器100に搭載されるようにしても良いし、車載器100とは別に移動体Mに設置されるようにしても良い。
【0039】
第2の送信処理部114は、事故検知部111により事故が検知されたならば、携帯端末PTの位置情報を含む携帯端末位置情報を送信する。このとき、第2の送信処理部114は、図4に示すように、近距離無線通信部130による通信を用いて、携帯端末PTに、当該携帯端末PTの位置情報を含む携帯端末位置情報をサーバ装置200に送信させる(つまり、携帯端末PTに当該携帯端末PTの位置情報を含む携帯端末位置情報のサーバ装置200への送信を指示し、携帯端末PTがサーバ装置200に携帯端末位置情報を送信する)ようにすると良い。また、第2の送信処理部114は、図5に示すように、近距離無線通信部130による通信を用いて、携帯端末PTから、携帯端末PTの位置情報を取得し、通信部120による通信を用いて、当該取得した携帯端末PTの位置情報を含む携帯端末位置情報をサーバ装置200に送信するようにしても良い。
【0040】
このため、本実施例では、車載器100との間の通話がなんらかの原因で切断されたときに、サーバ装置200のオペレータが、移動体Mのドライバ等が移動体Mから離れているのか否かを判断することが可能であり、サーバ装置200のオペレータは、車載器100にコールバックすべきか、携帯端末PTにコールバックすべきかを判断することが可能である。結果、本実施例では、サーバ装置200のオペレータが、移動体Mのドライバ等と通話することが可能であり、事故時の迅速な対応が可能である。
【0041】
このとき、第2の送信処理部114は、事故検知部111により事故が検知されて以後、携帯端末位置情報を、第1の時間間隔でサーバ装置200に送信するようにすると良い。このようにすることで、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等の移動を把握することが可能になり、車載器100にコールバックすべきか、携帯端末PTにコールバックすべきかをより正確に判断することが可能になる。
【0042】
図6は、事故検知部111により事故が検知された際に制御部110により実行される処理動作の一例を示す図である。発呼処理部112が、サーバ装置200に関する通話用連絡先に発呼する(S601)。第1の送信処理部113は、移動体Mの位置情報をサーバ装置200に送信する。(S602)。第2の送信処理部114は、携帯端末PTの位置情報を含む携帯端末位置情報をサーバ装置200に送信する(S603)。
【0043】
また、第2の送信処理部114は、事故検知部111により事故が検知されたならば、移動体Mの位置情報および携帯端末PTの位置情報を取得し、当該取得された移動体Mの位置情報および携帯端末PTの位置情報に基づいて、当該携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを判断し、通信部120による通信を用いて、当該携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かについての情報を、サーバ装置200に送信するようにするようにしても良い。このようにすることで、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等が携帯する携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを知ることが可能になり、車載器100にコールバックすべきか、携帯端末PTにコールバックすべきかをより正確に判断することが可能になる。このとき、制御部110は、第1の送信処理部113を有していなくても良い。
【0044】
<携帯端末PTの通話用識別番号の取得>
制御部110は、図3に示すように、通話用識別情報取得処理部115をさらに有するようにしても良い。通話用識別情報取得処理部115は、近距離無線通信部130による通信を用いて、携帯端末PTから、当該携帯端末PTを用いた通話のための識別情報である通話用識別情報を取得する。携帯端末PTを用いた通話のための識別情報である通話用識別情報は、例えば、当該携帯端末PTの電話番号である。
【0045】
このとき、第1の送信処理部113は、事故検知部111により事故が検知されたならば、通信部120による通信を用いて、移動体Mの位置情報に加え、通話用識別情報取得処理部115により取得された通話用識別情報をサーバ装置200に送信する。
【0046】
このようにすることで、移動体Mのドライバ等が携帯する携帯端末PTの通話用識別情報のリストをサーバ装置200のオペレータが有してないようなときであっても、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等が携帯する携帯端末PTにコールバックすることが可能になり、移動体Mのドライバ等と通話することが可能になる。
【0047】
このとき、第1の送信処理部113により送信される通話用識別情報は、通話用識別情報取得処理部115により取得された通話用識別情報のうちの直近に取得された通話用識別情報であるようにすると良い。このようにすることで、事故が発生したタイミングに移動体Mに乗車していた可能性が高い者が携帯する携帯端末PTの通話用識別情報がサーバ装置200に送信されることになる。結果、サーバ装置200のオペレータが移動体Mのドライバ等と通話することができる可能性がより高くなる。
【0048】
また、通話用識別情報取得処理部115は、例えば、移動体がオンになったときに、近距離無線通信による接続が確立している携帯端末PTから、当該携帯端末PTの通話用識別情報を取得するようにすると良い。また、通話用識別情報取得処理部115は、事故検知部111により事故が検知されたときに、近距離無線通信による接続が確立している携帯端末PTから、当該携帯端末PTの通話用識別情報を取得するようにしても良い。また、通話用識別情報取得処理部115は、第2の時間間隔で、近距離無線通信による接続が確立している携帯端末PTから、当該携帯端末PTの通話用識別情報を取得するようにしても良い。このようにすることで、事故が発生したタイミングに移動体Mに乗車していた可能性がより高い者が携帯する携帯端末PTの通話用識別情報をサーバ装置に送信することが可能になる。
【0049】
<サーバ装置200>
図7は、サーバ装置200を示す図である。サーバ装置200は、制御部210と、通信部220と、通知部230と、を有する。
【0050】
制御部210は、例えば、コンピュータにより構成される。通信部220は、他の装置との間で情報を送受信するための通信装置である。通知部230は、情報を通知するための通知装置であり、例えば、ディスプレイなどの情報を表示する表示装置や、スピーカなどの情報に関する音声を出力する音声出力装置である。
【0051】
図8は、サーバ装置200の制御部210を示す図である。制御部210は、受信処理部211と、判断部212と、通知処理部213と、を有する。
【0052】
受信処理部211は、通信部220による通信を用いて、車載器100から、移動体Mの位置情報を受信し、車載器100または携帯端末PTから、携帯端末位置情報を受信する。
【0053】
判断部212は、移動体Mの位置情報および携帯端末位置情報に基づき、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを判断する。判断部212は、例えば、移動体Mの位置情報および携帯端末位置情報に基づき、移動体Mと携帯端末PTの間の距離を算出し、当該算出された距離が所定の距離以内であるときに、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在すると判断するようにする。
【0054】
通知処理部213は、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを通知する。
【0055】
このため、本実施例では、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等が携帯する携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを知ることが可能になる。
【0056】
また、通知処理部213は、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するならば、車載器100を用いた通話のための通話用識別情報(例えば、車載器100の電話番号)を、通知部230により通知し、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在しないならば、当該携帯端末PTを用いた通話をするための通話用識別情報(例えば、携帯端末PTの電話番号)を通知するようにしても良い。このようにすることで、サーバ装置200のオペレータが、コールバックすべき連絡先の通話用識別番号を知ることが可能になる。
【0057】
このとき、車載器100の第2の送信処理部114が通話用識別情報取得処理部113により取得された通話用識別情報を送信するならば、受信処理部211は、通信部220による通信を用いて、車載器100から、この第2の送信処理部114により送信された通話用識別情報を受信し、通知処理部213は、携帯端末PTを用いた通話をするための通話用識別情報として、この受信処理部211により受信された通話用識別情報を、通知部230により通知するようにすると良い。
【0058】
図9は、受信処理部211により移動体Mの位置情報、携帯端末位置情報を受信した際にサーバ装置200の制御部210において実行される処理動作の一例を示す図である。判断部111が、移動体Mの位置情報および携帯端末位置情報に基づき、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かを判断する(ステップS901)。携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するならば(ステップS901、YES)、通知処理部213は、車載器100を用いた通話のための通話用識別情報を通知する(ステップS902)。携帯端末PTが移動体Mの内部に存在しないならば(ステップS901、NO)、当該携帯端末PTを用いた通話をするための通話用識別情報を通知する(ステップS903)。
【0059】
制御部210は、図8に示すように、発呼処理部214をさらに有するようにしても良い。発呼処理部214は、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するならば、車載器100に発呼し、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在しないならば、携帯電話PTに発呼する。このようにすることで、自動で、サーバ装置200のオペレータは、移動体Mのドライバ等と通話することが可能になる。
【0060】
車載器100の第2の送信処理部114が、携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かについての情報を送信するならば、受信処理部211は、通信部220による通信を用いて、車載器100から、この携帯端末PTが移動体Mの内部に存在するのか否かについての情報を受信する。このとき、サーバ装置200の制御部210は、判断部212を有していなくても良い。
【0061】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
100 車載器
110 制御部
111 事故検知部
112 発呼処理部
113 第1の送信処理部
114 第2の送信処理部
115 通話用識別情報取得処理部
120 通信部
130 近距離無線通信部
140 マイク
150 スピーカ
200 サーバ装置
210 制御部
211 受信処理部
212 判断部
213 通知処理部
214 発呼処理部
220 通信部
230 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9