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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127492
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 9/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
H03M9/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036680
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】黒田 忠克
(57)【要約】
【課題】クロック信号を送る信号線は不要で、周波数の正確な発振器を不要とするシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置を提供する。
【解決手段】入力端子7と、ワンショットパルス生成回路2と、シリアルパラレル変換回路4と、を備え、前記入力端子7は、前記ワンショットパルス生成回路2の入力端子21と前記シリアルパラレル変換回路4のデータ信号入力端子41と、に接続され、前記入力端子7に入力される信号は、スタートビットとデータ信号であり、前記ワンショットパルス生成回路2は、遅延回路8を有し、前記ワンショットパルス生成回路2のクロック信号出力端子22は、前記シリアルパラレル変換回路4のクロック信号入力端子42に接続される半導体装置1とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と、
パルス生成回路と、
シリアルパラレル変換回路と、を備え、
前記入力端子は、前記シリアルパラレル変換回路のデータ信号入力端子と前記パルス生成回路の入力端子と、に接続され、
前記入力端子に入力される信号は、スタートビットとデータ信号であり、
前記パルス生成回路は、遅延回路を有し、
前記パルス生成回路の出力端子は、前記シリアルパラレル変換回路のクロック信号入力端子に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
更に、ゲート回路制御信号生成回路と、
ゲート回路と、
ヒューズ回路と、を備え、
前記パルス生成回路の出力端子は、更に前記ゲート回路制御信号生成回路の入力端子に接続され、
前記ゲート回路は、前記シリアルパラレル変換回路と前記ヒューズ回路との中間に接続される請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記データ信号は、1ビットのデータ信号である請求項1若しくは請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記パルス生成回路は、ワンショットパルス生成回路である請求項1若しくは請求項2記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート回路制御信号生成回路は、バイナリカウンタと、デコーダを構成する組み合わせ回路と、を備え、
前記バイナリカウンタの出力端子は、前記デコーダを構成する組み合わせ回路の入力端子に接続され、
前記デコーダを構成する組み合わせ回路は、所望のカウント値で活性論理を出力できる論理構成となっている、請求項2記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアルパラレル変換回路を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアルパラレル変換回路の信号入力部は、クロック同期入力回路と調歩同期入力回路が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8―204582号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クロック同期入力回路は、情報を送る信号線以外にクロック信号を送る信号線が必要であるが、受信側(シリアルパラレル変換回路側)に周波数の正確なクロック発振器は不要という特徴がある。調歩同期入力回路は、クロック信号を送る信号線は不要であるが、受信側に周波数の正確なクロック発振器が必要という特徴がある。
【0005】
本発明は、クロック信号を送る信号線は不要で、かつ周波数の正確な発振器を不要とするシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る半導体装置は、入力端子と、パルス生成回路と、シリアルパラレル変換回路と、を備え、前記入力端子は、前記シリアルパラレル変換回路のデータ入力端子と前記パルス生成回路の入力端子と、に接続され、前記入力端子に入力される信号は、スタートビットとデータ信号であり、前記パルス生成回路は、遅延回路を有し、前記パルス生成回路の出力端子は、前記シリアルパラレル変換回路のクロック信号入力端子に接続される構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クロック信号を送る信号線は不要で、かつ周波数の正確な発振器を不要とするシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置のブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置のタイミングチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態に係るシリアルパラレル変換回路の回路図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るゲート回路制御信号生成回路の回路図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係るゲート回路制御信号生成回路のタイミングチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態に係るワンショットパルス生成回路の回路図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る遅延回路の回路図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置のブロック図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置を、図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置のブロック図である。半導体装置1は、入力端子7と、シリアルパラレル変換回路4と、ワンショットパルス生成回路2と、ゲート回路制御信号生成回路3と、ゲート回路6と、ヒューズ回路5と、を備えている。
【0011】
ワンショットパルス生成回路2は、入力端子21と、クロック信号出力端子22と、を有している。ゲート回路制御信号生成回路3は、クロック信号入力端子31と、CLK_COUNT出力端子32と、を有している。シリアルパラレル変換回路4は、データ信号入力端子41と、クロック信号入力端子42と、Q0出力端子80と、Q1出力端子81と、Q2出力端子82と、出力のビット数に従い、Qn出力端子80+nと、Qn+1出力端子81+nと、を有している。ヒューズ回路5は、A[0]入力端子51と、A[1]入力端子52と、入力のビット数に従い、A[n―1]入力端子50+nと、A[n]入力端子51+nと、を有している。ゲート回路6は、ヒューズ回路5の入力ビット数に応じた個数のAND回路を有している。
【0012】
図3に基づいて、シリアルパラレル変換回路4の構成を説明する。シリアルパラレル変換回路4は、出力のビット数のとおりの個数の、D型フリップフロップを有している。クリア信号入力端子43は、これらD型フリップフロップ全てのCLR入力端子に接続されている。クロック信号入力端子42は、これらD型フリップフロップ全てのCK入力端子に接続されている。データ信号入力端子41は、初段のD型フリップフロップのD入力端子のみに接続されている。Q0出力端子80は、初段のD型フリップフロップのQ出力端子に接続されていると同時に、2段目のD型フリップフロップのD入力端子に接続されている。Q1出力端子81は、2段目のD型フリップフロップのQ出力端子に接続されていると同時に、3段目のD型フリップフロップのD入力端子に接続されている。Q2出力端子82は、3段目のD型フリップフロップのQ出力端子に接続されていると同時に、その次のD型フリップフロップのD入力端子に接続されている。Qn出力端子80+nは、n+1段目のD型フリップフロップのQ出力端子に接続されていると同時に、その次のD型フリップフロップのD入力端子に接続されている。Qn+1出力端子81+nは、n+2段目のD型フリップフロップのQ出力端子のみに接続されている。
【0013】
図4に基づいて、ゲート回路制御信号生成回路3の構成を説明する。ゲート回路制御信号生成回路3は、所望の数をカウント可能な個数のD型フリップフロップと、NOT回路とAND回路とを有している。クリア信号入力端子33は、これら当該D型フリップフロップ全てのCLR入力端子に接続されている。クロック信号入力端子31は、初段のみのD型フリップフロップのCK入力端子に接続されている。CLK_COUNT出力端子32は、当該のゲート回路制御信号生成回路3でのD型フリップフロップの個数分の入力端子を有するAND回路の出力端子と接続されている。当該CLK_COUNT出力端子32に接続されるAND回路の入力端子と、当該のゲート回路制御信号生成回路3が有する複数のD型フリップフロップのQ出力端子との間に、必要に応じてNOT回路が置かれる。具体的には、カウント値が5である期間にCLK_COUNT出力端子32を活性論理にする場合、10進数での5は、2進数で101である。3ビットの内の中央のビット、即ち2ビット目に1個のNOT回路を適用する。本実施形態は、当該のゲート回路制御信号生成回路3の2ビット目のD型フリップフロップのQ出力端子に当該NOT回路の入力端子を接続し、当該NOT回路の出力端子を、CLK_COUNT出力端子32に出力端子が接続されているAND回路の当該入力端子に接続する。また、ゲート回路制御信号生成回路3の1ビット目と3ビット目のD型フリップフロップのQ出力端子は、CLK_COUNT出力端子32に出力端子が接続されているAND回路の当該入力端子に、夫々直接接続する。簡略的に説明すると、当該のAND回路と、当該のNOT回路とで、簡単なデコーダを構成している。
【0014】
本実施形態のゲート回路制御信号生成回路3は、バイナリカウンタに、リプルカウンタと呼ばれている形式を使用している。ゲート回路制御信号生成回路3のD型フリップフロップは、全てQB出力端子と自身のD入力端子とを夫々直接接続する。1ビット目である初段D型フリップフロップのQB出力端子は、2ビット目である2段目のD型フリップフロップのCK入力端子と直接接続する。2段目のD型フリップフロップのQB出力端子は、3ビット目である3段目のD型フリップフロップのCK入力端子と直接接続する。ゲート回路制御信号生成回路3は、このようにバイナリカウンタとデコーダを用いて構成する。
【0015】
図6に基づいて、ワンショットパルス生成回路2の内部構成を説明する。ワンショットパルス生成回路2は、極めて沢山の実現方法があるから、現実の事情に合わせて、最適な実現方法を用いればよい。ここでは、図6に示すように、2個のD型フリップフロップ23及び27、1組のRSラッチ25、5個のNOT回路24、26a、26b、26c及び28、1個のAND回路29、1個の遅延回路8によって構成した。ここでのRSラッチ25は、2入力のNAND回路2個による、標準的なタイプである。
【0016】
ワンショットパルス生成回路2の内部接続を記述する。入力端子21は、D型フリップフロップ23のCK入力端子に接続する。(以下、D型フリップフロップ23をFF1と略記する。)FF1のD入力端子は、電源VDDに接続する。FF1のCLR入力端子は、NOT回路28の出力端子に接続する。FF1のQ出力端子は、NOT回路24の入力端子に接続する。NOT回路24の出力端子は、RSラッチ25のSB入力端子に接続する。RSラッチ25のQRS出力端子は、NOT回路26aの入力端子に接続する。NOT回路26aの出力端子は、NOT回路26bの入力端子、及び、NOT回路26cの入力端子に接続する。NOT回路26bの出力端子は、遅延回路8のCLK_EN入力端子811に接続する。遅延回路8のCLK出力端子812は、クロック信号出力端子22、及び、D型フリップフロップ27のCK入力端子に接続する。(以下、D型フリップフロップ27をFF2と略記する。)FF2のD入力端子は、電源VDDに接続する。FF2のQ出力端子は、NOT回路28の入力端子に接続する。FF2のQB出力端子は、AND回路29の第1の入力端子に接続する。AND回路29の第2の入力端子は、NOT回路26cの出力端子と接続する。AND回路29の出力端子は、FF2のCLR入力端子、及び、RSラッチ25のRB端子と接続する。
【0017】
また、当該の遅延回路8も、極めて沢山の実現方法があるから、現実の事情に合わせて、最適な実現方法を用いればよい。図7に示すように、ここでは、1個の静電容量802、2個のエンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803、及び804、2個の定電流素子801、及び805、2個のNOT回路806、及び809によって構成した。
【0018】
遅延回路8の内部接続を記述する。定電流素子801の第1端子、及び、定電流素子805の第1端子は、電源VDDに接続する。定電流素子801の第2端子は、静電容量802の第1端子、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803のドレイン端子、及び、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ804のゲート端子に接続する。定電流素子805の第2端子は、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ804のドレイン端子、及び、NOT回路809の入力端子に接続する。静電容量802の第2端子、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803のソース端子、及び、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ804のソース端子は、いずれも、接地GNDと接続する。CLK_EN入力端子811は、NOT回路806の入力端子に接続する。NOT回路806の出力端子は、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803のゲート端子に接続する。NOT回路809の出力端子は、CLK出力端子812に接続する。
【0019】
当該の構成要素も、個々は、特別なものではなく、一般的なものである。したがって、ここでの動作の説明は、必要最低限とする。半導体装置1における、図示しないパワーオンクリア回路のクリア期間が、所望の長さを持っているとする。そうすると、当該の図6の、CLK_EN、RSTBの各信号、および、クロック信号出力端子22の信号であるCLKは、ロウレベルが初期状態となる。同じく当該の図6の、FF1およびFF2も、クリア状態が初期状態となる。入力端子21に入力される信号がロウレベルからハイレベルに変化すると、FF1のQ出力端子はハイレベルになるから、RSラッチの上側から出るQRS出力端子はハイレベルを出力し、CLK_ENとRSTBは、ハイレベルとなる。当該のCLK_ENがハイレベルに変化したタイミングから遅延回路が有する遅延時間の分、遅れてFF2のCK入力端子がハイレベルとなる。FF2のD入力端子もハイレベルだから、当該CK入力端子がハイレベルとなると、FF2はセットされる。同時に、FF2のQ出力端子を辿った先にあるFF1は、クリアされるとともに、FF2のQB出力端子はロウレベルだから、RSラッチ下側のRB入力端子にロウレベルが入力される。したがって、RSラッチ上側のSB入力端子の入力が反転して出力されるから、RSラッチの上側のQRS出力端子はロウレベルに戻る。及び、同時にFF2のCLR入力端子がロウレベルとなり、当該端子は負論理入力端子であるから、FF2はクリアされる。同時に、CLK_ENとRSTBは、ロウレベルに戻って安定状態となる。
【0020】
本実施形態での当該遅延回路8について、簡単に説明する。当該遅延回路8の具体的な動作は次のようになる。即ち、CLK_EN入力端子811がロウレベルからハイレベルに変化した直後の静電容量802の第1端子の電位V1の上昇は、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803がオフであるから、静電容量802を定電流素子801が流す電流I1によって充電することにより得られる電位上昇である。電流I1が一定の値であるから、静電容量802の充電には、一定の時間を要する。逆に、CLK_EN入力端子811がロウレベルに下がれば、エンハンスメント型NチャンネルMOSトランジスタ803はオンとなり、急激に静電容量802の電荷は抜けるから、ほぼ直ちに電位V1は、ゼロボルト近辺となる。この電位V1をパルス波形に波形整形したものをCLK出力端子812よりCLKに出力している。上記の第1の遅延時間は、CLK_EN入力端子811がハイレベルに変化してから、当該CLKの、ロウレベルからハイレベルに変化するための遅延時間である。その直後の、当該CLKの、ハイレベルからロウレベルに変化するための遅延時間が、上記の第2の遅延時間である。
【0021】
以上に説明した一連の動作を経て、1個のパルスを生成したワンショットパルス生成回路2は、最初の状態に戻る。実際は、このような当該のパルスを生成可能な回路であれば、どのような回路であってもよい。
【0022】
本実施形態では、ヒューズ回路5も有する。ヒューズ回路5の内部のヒューズについて、当該入力端子が活性論理になったビットにおける、当該のヒューズが溶断する。当該の活性論理は、正論理、即ち、ハイレベルである。ゲート回路制御信号生成回路3のクリア信号入力端子33と、シリアルパラレル変換回路4のクリア信号入力端子43は、半導体装置1内の、図示しないパワーオンクリア回路に接続されている。
【0023】
次に、半導体装置1の動作について説明する。電源投入直後は、図示しないパワーオンクリア回路により、ゲート回路制御信号生成回路3と、シリアルパラレル変換回路4は、クリアされた状態となっている。入力端子7にハイレベルが入力されると、ワンショットパルス生成回路2のクロック信号出力端子22は、第1の遅延時間の後、ハイレベルを出力し、その後、第2の遅延時間の後、ロウレベルを出力する。即ち、ワンショットパルス生成回路2は、半導体装置1の内部でのクロック信号及びストローブ信号となる1個の、正極性パルスを生成してCLKに出力する。
【0024】
CLKの立上り時に入力端子7の信号がロウレベルであれば、シリアルパラレル変換回路4の初段D型フリップフロップは、ロウレベルが到来したと認識する。即ち、0を取り込む。逆に、CLKの立上り時に入力端子7の信号がハイレベルであれば、シリアルパラレル変換回路4の初段D型フリップフロップは、ハイレベルが到来したと認識する。即ち、1を取り込む。シリアルパラレル変換回路4の内部のD型フリップフロップ全てのCK入力端子に上述の接続関係により、ワンショットパルス生成回路2が生成するCLKが入力される。即ち、上述の初段D型フリップフロップが認識したデータに着目すると、一般に広く知られるシリアルパラレル変換回路のとおりに、順にシフトしていく。即ち、パラレルデータとなる。
【0025】
一方、ゲート回路制御信号生成回路3は、ワンショットパルス生成回路2が生成するCLKをカウントしている。本実施形態では、5とカウントすれば、CLK_COUNT出力端子32に活性論理を出力する。当該の活性論理は、正論理、即ち、ハイレベルである。本実施形態でのシリアルパラレル変換回路4の出力端子本数は、5である。したがって、CLK_COUNT出力端子32が上述のとおりに活性論理になるということは、丁度シリアルパラレル変換が完了したことを意味する。ゲート回路6のAND回路夫々の第1の入力端子全ては、CLK_COUNT出力端子32と接続されている。夫々第2の入力端子は、シリアルパラレル変換回路4の各出力端子と接続されている。夫々のAND回路の出力端子は、夫々シリアルパラレル変換回路4の各出力端子と対応したヒューズ回路5の各入力端子に接続されている。本実施形態では、シリアルパラレル変換回路4の各出力端子と、ヒューズ回路5の各入力端子との対応は、次の4組となる。1組目は、Q1出力端子81と、A[0]入力端子51が対応する。2組目は、Q2出力端子82と、A[1]入力端子52が対応する。3組目は、Qn出力端子80+nと、A[n―1]入力端子50+nが対応する。4組目は、Qn+1出力端子81+nと、A[n]入力端子51+nが対応する。ここで、Q0出力端子80は、開放としておく。
【0026】
以上のように構成されているから、CLK_COUNT出力端子32が活性論理になると、丁度シリアルパラレル変換が完了したシリアルパラレル変換回路4の各出力データが、ヒューズ回路5の各入力端子に夫々伝えられる。即ち、所望のヒューズを溶断させることができる。
【0027】
当該の、CLK_COUNT出力端子32が活性論理になっている期間について説明する。本実施形態の場合、活性論理になり始めるのは、上述のとおり、ワンショットパルス生成回路2のカウント値が、5となった時である。一方、活性論理から非活性論理に戻るのは、ワンショットパルス生成回路2のカウント値が、6になった時である。ゲート回路制御信号生成回路3での内部がカウントアップするのは、クロック信号入力端子31が、ロウレベルからハイレベルに変化した時である。上述の接続関係によって入力端子7とクロック信号入力端子31との間にワンショットパルス生成回路2を有するから、クロック信号入力端子31がロウレベルからハイレベルになるのは、入力端子7がロウレベルからハイレベルに変化してから、第1の遅延時間の後になる。CLK_COUNT出力端子32がロウレベルからハイレベルになるのは、本実施形態の場合、入力端子7が5回目のロウレベルからハイレベルに変化して、第1の遅延時間の後である。逆にCLK_COUNT出力端子32がハイレベルからロウレベルになるのは、本実施形態の場合、入力端子7が6回目のロウレベルからハイレベルに変化して、第1の遅延時間の後である。具体的には、当該の第1の遅延時間が、製造バラツキによって、例えば1マイクロ秒の増分を生じたとする。この場合、CLK_COUNT出力端子32のロウレベルからハイレベルになるタイミングが、当該1マイクロ秒の遅れを持つ。一方の、CLK_COUNT出力端子32がハイレベルからロウレベルになるのも、同じく当該の1マイクロ秒の遅れとなる。即ち、両方とも全く等しく遅れる。したがって、CLK_COUNT出力端子32がハイレベルを保持する期間の長さそのものは、入力端子7に入力される信号の当該の立上りの間隔のみに依存するから、当該の第1の遅延時間の増減に、無関係である。
【0028】
図2のタイミングチャートが全体としての動作を示している。横軸は時間である。縦軸はレベル(電位)である。複数の信号を縦に配置して示している。図2の中のSDATAは、入力端子7に入力される信号である。同じく図中のCLKは、ワンショットパルス生成回路2のクロック信号出力端子22が出力する信号である。Q0乃至Qn+1は、シリアルパラレル変換回路4の、各出力信号である。また、CLK_COUNTは、ゲート回路制御信号生成回路3の、CLK_COUNT出力端子32が出力する信号である。本実施形態の場合、入力端子7の入力波形は、スタートビットとデータビットの連続したものが、1組の単位となっていると考えることができる。図中の遅延時間は、前述の説明での、第1の遅延時間である。入力端子がロウレベルからハイレベルに変化する度に、当該遅延時間の後に、1個の正極性パルスが生成され、CLK上に出力される。図中、n=3と仮定すれば、CLKの当該パルスの度に、Qnの値はQn+1に、Q2の値はQnに、Q1の値はQ2に、Q0の値はQ1に、夫々移動する。この時、CLKがロウレベルからハイレベルに変化する時にSDATAがロウレベルであれば、Q0の値は0に、逆に、CLKがロウレベルからハイレベルに変化する時にSDATAがハイレベルであれば、Q0の値は1となる。当該n=3の仮定の下、n+2、即ち、入力端子が5回目のロウレベルからハイレベルの変化をして、第1の遅延時間の後は、CLK_COUNTが、活性論理になる。次いで、6回目で非活性論理に戻る。即ち、当該CLK_COUNTの活性論理の期間が、ヒューズ書込み時間となる。
【0029】
図5に、ゲート回路制御信号生成回路3の、カウントの様子を示す。同図で横軸は、時刻である。同じく、縦軸は、レベル(電位)である。複数の信号を縦に配置して示している。CLKは、クロック信号入力端子31に与えられる信号である。Q0乃至Q2は、ゲート回路制御信号生成回路3の内部のカウントである。CLK_COUNTが、ゲート回路制御信号生成回路3の、CLK_COUNT出力端子32が出力する信号である。即ち、カウント値が5の間、CLK_COUNTが活性論理となる。及び、当該のヒューズ書込み時間の間に、本実施形態では所望のヒューズが溶断する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態の構成例によれば、外部からクロック信号を送る信号線は不要で、かつ周波数の正確な発振器を不要とするシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置を提供することができる。上述の、CLK_COUNT出力端子32がハイレベルを保持する期間の遅延時間の関係を辿ると、ヒューズ回路5でのヒューズ溶断を待つ時間は、入力端子7に入力される信号の波形で制御可能な全体としての回路動作となっている。特にこのことは、単純に溶断するヒューズではなく、抵抗値変化型ヒューズを使用した場合には、極めて重要な事項である。したがって、当該の第1の遅延時間は、所定の製造バラツキを許される。即ちこの点でも、製造コストを低減させることができる。
【0031】
全体として、製造コスト上昇の原因となる、正確なクロック発振回路は不要であり、半導体装置外部とのクロック入出力の端子も不要である。即ち、比較的低いコストで半導体装置を提供することが可能となる。このことは、上記説明のビット数や、同期設計と非同期設計の区別、標準ロジック回路と独自バイブレータ回路の区別などによるものではない。
【0032】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る半導体装置201の構成例を示している。半導体装置201は、入力端子207と、シリアルパラレル変換回路204と、ダブルパルス生成回路202と、ゲート回路制御信号生成回路(図示しない)と、ゲート回路(図示しない)と、ヒューズ回路(図示しない)と、を備えている。
【0033】
ダブルパルス生成回路202は、入力端子221と、クロック信号出力端子222と、を有している。シリアルパラレル変換回路204は、データ信号入力端子241と、クロック信号入力端子242と、Q0出力端子80と、Q1出力端子81と、Q2出力端子82と、出力のビット数に従い、Qn出力端子80+nと、を有している。第1の実施形態との差異は、出力端子数、即ち出力ビット数を、シリアルパラレル変換回路4よりも、1ビットだけ減らしたのみである。
【0034】
入力端子207は、入力端子221と、データ信号入力端子241と、に接続されている。ダブルパルス生成回路202のクロック信号出力端子222は、シリアルパラレル変換回路204のクロック信号入力端子242に、接続されている。
【0035】
次に動作を説明する。第2の実施形態の元となった第1の実施形態での、入力端子7の入力波形は、スタートビットとデータビットの連続したものが、1組の単位となっていると考えることが出来た。実施する場合の別の形態としては、1個のスタートビットと、複数のデータビットが連続したものを、1組の単位として考えることができる。以降の第2の実施形態の説明は、1個のスタートビットと、2個のデータビットが連続したものを、1組の単位として扱う。
【0036】
入力端子207に、スタートビット、即ち、ロウレベルからハイレベルへの変化が到来すると、ダブルパルス生成回路202は、2個の正極性パルスを生成する。具体的には、入力端子207に、ロウレベルからハイレベルへの変化が到来した後、次のように、クロック信号出力端子222は変化する。即ち、第1の遅延時間の後、クロック信号出力端子222はハイレベルとなり、第2の遅延時間の後、クロック信号出力端子222はロウレベルとなり、第3の遅延時間の後、クロック信号出力端子222はハイレベルとなり、第4の遅延時間の後、クロック信号出力端子222はロウレベルとなる。以下にて、CLK2は、クロック信号出力端子222が出力した信号を指す。
【0037】
第2の実施形態の半導体装置201に4ビットのデータを送る場合、n=3と仮定して、入力端子207に送られてくる内容は、時系列的に次のようになる。即ち、最初に第1のスタートビットとDnとD2、次に第2のスタートビットとD1とD0となる。具体的に、当該の最初の1組目で説明する。まず、入力端子207にロウレベルからハイレベルへの変化が到来した後のCLK2の最初の立上り時の時刻ポイントを、以降、時刻ポイントP1と書く。当該の時刻ポイントP1に入力端子207がロウレベルであれば、シリアルパラレル変換回路204の初段D型フリップフロップは、ロウレベルが到来したと認識する。即ち、0を取り込む。逆に、当該の時刻ポイントP1に入力端子207の信号がハイレベルであれば、シリアルパラレル変換回路204の初段D型フリップフロップは、ハイレベルが到来したと認識する。即ち、1を取り込む。この次のCLK2の立上り時の時刻ポイントを、以降、時刻ポイントP2と書く。当該の時刻ポイントP2で、入力端子207がロウレベルであれば、シリアルパラレル変換回路204の初段D型フリップフロップは、ロウレベルが到来したと認識する。即ち、新しく0を取り込む。逆に、当該の時刻ポイントP2で、入力端子207の信号がハイレベルであれば、シリアルパラレル変換回路204の初段D型フリップフロップは、ハイレベルが到来したと認識する。即ち、当該の時に新しく1を取り込む。同様に後続の1組が到来すると、第2の実施形態の半導体装置201は、D1の値と、D0の値を受け取ることができる。
【0038】
図9で、全体としての動作を、タイミングチャートに示している。同図で横軸は、時刻である。同じく、縦軸は、レベル(電位)である。複数の信号を縦に配置して示している。同図の中で、SDATA2は、入力端子207に入力される信号である。CLK2は、上述のとおり、ダブルパルス生成回路202のクロック信号出力端子222が出力する信号である。SDATA2にスタートビットとデータビットの組み合わせた信号が入ると、2個の正極性パルスが生成されてCLK2上に出力されることを示している。同図の中で、Q0乃至Qnは、シリアルパラレル変換回路204の、出力信号である。図9の左側半分は、SDATA2に1組目のスタートビットと2個のデータビットが入ると、最終的なQnとQ2となる、DnとD2の値が取り込まれることを示している。シフト動作としては、Q0の値がQ1の値として、シフトすることを示している。同図の右側半分は、SDATA2に2組目のスタートビットと2個のデータビットが入ると、最終的にQ1とQ0となる、D1とD0の値が取り込まれることを示している。シフト動作としては、Q2の値がQnへ、Q1の値がQ2へ、Q0の値がQ1の値として、夫々シフトすることを示している。即ち、シリアルデータがパラレルデータに変換される様子を、図示している。
【0039】
以上に説明したように、本実施形態の構成例によれば、外部からクロック信号を送る信号線は不要で、かつ周波数の正確な発振器を不要とするシリアルパラレル変換回路を有する半導体装置を提供することができる。全体として、製造コスト上昇の原因となる正確なクロック発振回路は、不要であり、当該半導体装置外部とのクロック入出力の端子も不要である。即ち、比較的低いコストで半導体装置を提供することが可能となる。このことは、上記説明のビット数や、同期設計と非同期設計の区別、標準ロジック回路と独自バイブレータ回路の区別などによるものではない。
【0040】
発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え又は変更することができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 半導体装置
2 ワンショットパルス生成回路
3 ゲート回路制御信号生成回路
4 シリアルパラレル変換回路
5 ヒューズ回路
6 ゲート回路
7 入力端子
8 遅延回路
21 ワンショットパルス生成回路入力端子
22 ワンショットパルス生成回路クロック信号出力端子
31 ゲート回路制御信号生成回路クロック信号入力端子
32 ゲート回路制御信号生成回路CLK_COUNT出力端子
41 シリアルパラレル変換回路データ信号入力端子
42 シリアルパラレル変換回路クロック信号入力端子
201 半導体装置
202 ダブルパルス生成回路
204 シリアルパラレル変換回路
221 ダブルパルス生成回路入力端子
222 ダブルパルス生成回路クロック信号出力端子
241 シリアルパラレル変換回路データ信号入力端子
242 シリアルパラレル変換回路クロック信号入力端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9