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特開2024-127505包装袋の開封方法、及び包装袋の開封装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127505
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】包装袋の開封方法、及び包装袋の開封装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B65B69/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036694
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 広梓
【テーマコード(参考)】
3E058
【Fターム(参考)】
3E058AA04
3E058BA05
3E058CA03
3E058FA20
(57)【要約】
【課題】空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い方法を提供する。
【解決手段】包装袋の開封方法であって、前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部と、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、前記非固定部に囲まれ、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、前記非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、前記開封方法は、前記第1固定部が切除されないように前記非固定部の一部を切断する第1切断工程、および前記非固定部の他の一部を切断する第2切断工程を含む包装袋の開封方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の開封方法であって、
前記包装袋は、
第1シート部と、
前記第1シート部に対向する第2シート部と、
前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、
前記非固定部に囲まれ、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、
前記非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、
前記開封方法は、
前記第1固定部が切除されないように前記非固定部の一部を切断する第1切断工程、および
前記非固定部の他の一部を切断する第2切断工程を含む包装袋の開封方法。
【請求項2】
前記医療用具は、前記非固定部内の空気が抜かれて前記包装袋内に密封されているものである請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項3】
前記第2切断工程において、前記非固定部の前記他の一部を切断することにより、前記第1固定部を切除する請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項4】
更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における上側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項5】
更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における下側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項6】
更に、前記第1切断工程の後に、前記包装袋を振動させる工程を含む請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項7】
前記包装袋の平面視において、
前記第1固定部の中心と前記包装袋の中心を通る仮想直線に対する前記第2切断工程における切断方向の傾斜角度は、前記仮想直線に対する前記第1切断工程における切断方向の傾斜角度よりも小さい請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項8】
前記包装袋の平面視において、前記第2切断工程における切断線の長さは、前記第1切断工程における切断線の長さよりも大きい請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項9】
前記包装袋の外縁部は、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている複数の直線状部を有しており、
前記第1切断工程の前において、前記医療用具の外縁は、前記複数の直線状部のうち少なくとも1つの直線状部の内縁から、前記複数の直線状部の内縁から前記第1固定部の外縁に至るまでの最短直線距離Lよりも大きい距離離れている請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項10】
前記第1切断工程よりも前の工程において、
前記医療用具は、前記第1固定部に接触していない請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項11】
前記包装袋の平面視において、前記第1固定部は、円状、楕円状、多角形状、または角丸多角形状である請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項12】
前記第1固定部は、全周にわたって前記非固定部に囲まれている請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの医療用具は、巻回部を有する管状体と、最大辺の長さが前記巻回部の外径よりも小さい小袋とを有している請求項1に記載の包装袋の開封方法。
【請求項14】
包装袋の開封装置であって、
前記包装袋は、
第1シート部と、
前記第1シート部に対向する第2シート部と、
前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、
前記非固定部に囲まれ、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、
前記非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、
前記開封装置は、
前記包装袋の前記第1固定部が切除されないように前記非固定部の一部を切断する第1切断部材、および
前記非固定部の他の一部を切断する第2切断部材を含む包装袋の開封装置。
【請求項15】
更に、前記包装袋を傾斜させる傾斜部材を含む請求項14に記載の包装袋の開封装置。
【請求項16】
更に、前記包装袋を振動させる振動部材を含む請求項14に記載の包装袋の開封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の開封方法、及び包装袋の開封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血管の狭窄病変を治療するためのバルーンカテーテルや、造影剤、薬剤を血管内に投与するためのカテーテル等は、所定の形状の収容具に収容されて保管、運搬されている。このような収容具として、例えば特許文献1には、組み合わせて使用される複数の医療用長尺体を収容する収容具であって、医療用長尺体の各々を収容するために環状に巻回された複数の管体が互いに連結されてなる収容具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/104189号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、特許文献1に開示されているような収容具により巻回された医療用のカテーテル等の医療用具は、密封袋で包装された状態で運搬されることがある。運搬方法に関して、例えば空輸の際には、周囲の気圧が低くなり、包装袋内に残存した気体が膨張する結果、包装袋内で医療用具が動き易くなることが本発明者の検討により分かった。更に、着陸に伴って周囲の気圧が高くなるため、包装袋内において医療用具の位置がずれた状態で動き難くなる場合があり、例えば、開封のための切断予定箇所に医療用具が位置していると、包装袋を開封し難くなることが分かった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い方法を提供することにある。他の目的は、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る包装袋の開封方法は、以下の通りである。
[1]包装袋の開封方法であって、前記包装袋は、第1シート部と、前記第1シート部に対向する第2シート部と、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、前記非固定部に囲まれ、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、前記非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、前記開封方法は、前記第1固定部が切除されないように前記非固定部の一部を切断する第1切断工程、および前記非固定部の他の一部を切断する第2切断工程を含む包装袋の開封方法。
【0006】
上記の通り、包装袋が第1固定部を有していることにより、包装袋内において医療用具が存在していない領域を確保し易くなるため、包装袋を切断し易くなる。更に第1切断により、包装袋に第1開口が形成されて包装袋内に空気等の気体が供給される結果、包装袋内において医療用具を動かし易くなるため、第2切断を妨げない位置に医療用具を移動させることができる。更に第2切断により、包装袋に第2開口が形成されるため、包装袋から医療用具を取り出し易くなる。
【0007】
実施の形態に係る包装袋の開封方法は、以下の[2]~[13]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記医療用具は、前記非固定部内の空気が抜かれて前記包装袋内に密封されているものである[1]に記載の包装袋の開封方法。
[3]前記第2切断工程において、前記非固定部の前記他の一部を切断することにより、前記第1固定部を切除する[1]または[2]に記載の包装袋の開封方法。
[4]更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における上側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む[1]~[3]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[5]更に、前記第1切断工程の後に、前記第1切断工程の切断により形成された第1開口の少なくとも一部が、鉛直方向における下側に位置するように前記包装袋を傾斜させる傾斜工程を含む[1]~[3]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[6]更に、前記第1切断工程の後に、前記包装袋を振動させる工程を含む[1]~[5]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[7]前記包装袋の平面視において、
前記第1固定部の中心と前記包装袋の中心を通る仮想直線に対する前記第2切断工程における切断方向の傾斜角度は、前記仮想直線に対する前記第1切断工程における切断方向の傾斜角度よりも小さい[1]~[6]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[8]前記包装袋の平面視において、前記第2切断工程における切断線の長さは、前記第1切断工程における切断線の長さよりも大きい[1]~[7]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[9]前記包装袋の外縁部は、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている複数の直線状部を有しており、
前記第1切断工程の前において、前記医療用具の外縁は、前記複数の直線状部のうち少なくとも1つの直線状部の内縁から、前記複数の直線状部の内縁から前記第1固定部の外縁に至るまでの最短直線距離Lよりも大きい距離離れている[1]~[8]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[10]前記第1切断工程よりも前の工程において、
前記医療用具は、前記第1固定部に接触していない[1]~[9]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[11]前記包装袋の平面視において、前記第1固定部は、円状、楕円状、多角形状、または角丸多角形状である[1]~[10]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[12]前記第1固定部は、全周にわたって前記非固定部に囲まれている[1]~[11]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
[13]前記少なくとも1つの医療用具は、巻回部を有する管状体と、最大辺の長さが前記巻回部の外径よりも小さい小袋とを有している[1]~[12]のいずれかに記載の包装袋の開封方法。
【0008】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る包装袋の開封装置は、以下の通りである。
[14]包装袋の開封装置であって、
前記包装袋は、
第1シート部と、
前記第1シート部に対向する第2シート部と、
前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、
前記非固定部に囲まれ、前記第1シート部と前記第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、
前記非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、
前記開封装置は、
前記包装袋の前記第1固定部が切除されないように前記非固定部の一部を切断する第1切断部材、および
前記非固定部の他の一部を切断する第2切断部材を含む包装袋の開封装置。
【0009】
実施の形態に係る包装袋の開封装置は、以下の[15]または[16]であることが好ましい。
[15]更に、前記包装袋を傾斜させる傾斜部材を含む[14]に記載の包装袋の開封装置。
[16]更に、前記包装袋を振動させる振動部材を含む[14]または[15]に記載の包装袋の開封装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記構成により、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い方法を提供することができる。また上記構成により、空輸後の医療用具の包装袋を開封し易い装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、医療用具が内部に配置された実施の形態に係る包装袋の平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面図である。
図3図3は、図1の包装袋を支持台の上に配置したときの包装袋の側面図である。
図4図4は、図1の包装袋の非固定部の一部を切断したときの包装袋の平面図である。
図5図5は、図3の包装袋の非固定部の一部を切断し、支持台を傾斜させたときの包装袋の側面図である。
図6図6は、図4の包装袋内の医療用具を動かした後に、包装袋の非固定部の他の一部を切断したときの包装袋の平面図である。
図7図7は、実施の形態に係る包装袋の開封装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0013】
実施の形態に係る方法は、包装袋の開封方法であって、包装袋は、第1シート部と、第1シート部に対向する第2シート部と、第1シート部と第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、非固定部に囲まれ、第1シート部と第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、開封方法は、第1固定部が切除されないように非固定部の一部を切断する第1切断工程、および非固定部の他の一部を切断する第2切断工程を含む。
【0014】
上記の通り、包装袋が第1固定部を有していることにより、包装袋内において医療用具が存在していない領域を確保し易くなるため、包装袋を切断し易くなる。更に第1切断により、包装袋に第1開口が形成されて包装袋内に空気等の気体が供給される結果、包装袋内において医療用具を動かし易くなるため、第2切断を妨げない位置に医療用具を移動させることができる。更に第2切断により、包装袋に第2開口が形成されるため、包装袋から医療用具を取り出し易くなる。
【0015】
以下では、図1図6を参照しながら、実施の形態に係る包装袋30の開封方法について詳述する。図1は、医療用具が内部に配置された実施の形態に係る包装袋の平面図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3は、図1の包装袋を支持台の上に配置したときの包装袋の側面図である。図4は、図1の包装袋の非固定部の一部を切断したときの包装袋の平面図である。図5は、図3の包装袋の非固定部の一部を切断し、支持台を傾斜させたときの包装袋の側面図である。図6は、図4の包装袋内の医療用具を動かした後に、包装袋の非固定部の他の一部を切断したときの包装袋の平面図である。
【0016】
以下では、まず開封の対象である医療用具80の包装袋30について説明した後に、包装袋30の開封方法について説明する。
【0017】
図1図2に示す通り、包装袋30は、第1シート部1と、第1シート部1に対向する第2シート部2と、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されていない非固定部3と、非固定部3に囲まれ、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている第1固定部4とを有している。包装袋30は、更に、非固定部3内に配置された少なくとも1つの医療用具80を有している。
【0018】
第1固定部4により、包装袋30内において医療用具80の移動が制限されるため、包装袋30内において医療用具80が存在していない領域を確保し易くなる。その結果、包装袋30を切断し易くなる。包装袋30は、第1固定部4を1つのみ有していることが好ましいが、複数有していてもよい。
【0019】
図2の第1固定部4では、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている。第1固定部4では、例えば溶着、接着または、これらの組み合わせにより、第1シート部1と第2シート部2の内面が互いに固定されていることが好ましい。これにより包装袋30のコストを低減することができる。なお図2の非固定部3において、第1シート部1と第2シート部2の内面が互いに接触している部分が存在するが、当該部分では互いに内面は固定されていない。
【0020】
図1に示す通り、包装袋30の平面視において、第1固定部4は、円状、楕円状、多角形状、または角丸多角形状であることが好ましく、円状または楕円状であることがより好ましく、円状であることが更に好ましい。これにより第1固定部4の位置を把握し易くなる。そのため、多数の包装袋30を開封する場合において、第1固定部4を目印に向きを揃えることができるため、機械的に各工程を行い易くなる。包装袋30内における医療用具80の位置には、通常、ばらつきがあるため、機械的に各操作を行うことが有効である。
【0021】
第1固定部4は、非固定部3に囲まれた部分である。第1固定部4が非固定部3に囲まれている態様としては、例えば、図1に示す通り第1固定部4が全周にわたって非固定部3に囲まれている態様、第1固定部4の全周のうちの一部が非固定部3に囲まれている態様等が挙げられる。
【0022】
図1に示す通り、第1固定部4は、全周にわたって非固定部3に囲まれていることが好ましい。これにより、第2切断により第1固定部4を包装袋30から切除し易くすることができる。なお第1固定部4は、後述する複数の直線状部10のうちの少なくとも1つと繋がっていてもよく、複数の直線状部10のうちのいずれか1つと繋がっていてもよい。
【0023】
平面視において、第1固定部4は、非固定部3の中心から非固定部3の外縁に至るまでの最長直線距離の1/2以上の距離、非固定部3の中心から離れていることが好ましい。これにより第2切断において第1固定部4を切除し易くなる。当該距離は、より好ましくは上記最長直線距離の2/3以上の距離である。一方、第1固定部4は、上記最長直線距離の1/10以上の距離、非固定部3の外縁から離れていることが好ましい。これにより、医療用具80が入り込み難い領域を確保し易くすることができる。当該距離は、より好ましくは上記最長直線距離の2/10以上の距離である。
【0024】
第1シート部1と第2シート部2は、それぞれ、樹脂フィルムを含んでいることが好ましく、樹脂フィルムからなることがより好ましい。これにより、医療用具80は包装袋30により密封され易くなる。樹脂フィルムとして、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリエチレンテレフタレート層、塩化ビニル層、ポリウレタン層、ポリスチレン層、ポリアミド層、ABS樹脂層、またはこれらの積層体が好ましい。これらのうち、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリアミド層、ABS樹脂層、またはこれらの積層体は、ヒートシール性樹脂として機能し得る。
【0025】
第1シート部1と第2シート部2は、それぞれ、樹脂フィルム以外の他の層を更に含んでいてもよい。他の層として、例えば不織布、織布、紙材、またはこれらの積層体が挙げられる。
【0026】
第1シート部1と第2シート部2は、互いに同じ素材を含むことが好ましく、同じ素材からなることが好ましい。
【0027】
第1シート部1と第2シート部2は、例えば、第1のシートと第2のシートとを重ね合わせて、これらの外縁部または外縁部近傍を互いに固定することにより形成することができる。その他に、第1シート部1と第2シート部2は、シートを2つ折りして、重なった部分の外縁部または外縁部近傍を互いに固定することにより形成することもできる。これらの外縁部または外縁部近傍は、例えば溶着、接着、またはこれらの組み合わせにより、固定されていることが好ましい。
【0028】
図1に示す通り、包装袋30の外縁部30Eは、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている複数の直線状部10を有していることが好ましい。これにより包装袋30で医療用具80を密封し易くなる。
【0029】
図1に示す通り、複数の直線状部10は、第1の方向D11に延在している第1直線状部11と、第1の方向D11と交差する第2の方向D12に延在し、第1の方向D11に間隔を空けて配置されている第2直線状部12と第3直線状部13と、第2直線状部12と第3直線状部13とに連結するように延在している第4直線状部14とを有していることが好ましい。第1の方向D11と第2の方向D12のなす角度は、好ましくは80度以上、100度以下、より好ましくは85度以上、95度以下である。
【0030】
図1に示す通り、第1直線状部11、第2直線状部12、第3直線状部13、及び第4直線状部14により、内縁と外縁が多角形である固定部が形成されていることが好ましく、内縁と外縁が4角形である固定部が形成されていることがより好ましく、内縁と外縁が長方形である固定部が形成されていることが更に好ましい。複数の直線状部10は、第1直線状部11、第2直線状部12、第3直線状部13、及び第4直線状部14のうちのいずれか1つを有していなくてもよい。例えば、上述のようにシートを2つ折りして包装袋30を形成する場合、3つの線状部を形成することにより、密封することができる。また、外縁部30Eの上記いずれか1つの線状部を省略して、外縁部30Eよりも内側に別途、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている直線状部を形成してもよい。
【0031】
図1図2図3に示す通り、非固定部3は、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されていない部分であり、非固定部3内には医療用具80が配置されている。図1図2図3では、非固定部3は、複数の直線状部10に囲まれている。複数の直線状部10に囲まれていることにより、医療用具80は密閉され易くなる。
【0032】
医療用具80は、非固定部3内の空気が抜かれて包装袋30内に密封されているものであることが好ましい。非固定部3内の空気が抜かれて包装袋30内に密封されている状態としては、例えば、図2に示すように非固定部3において第1シート部1と第2シート部2の内面同士が部分的に接触する程度に非固定部3内の空気が抜かれた状態が好ましいが、非固定部3内の空気が完全に抜かれた真空状態であってもよい。例えば、標準気圧下の非固定部3において、第1シート部1の内面は、第2シート部2の内面と医療用具80に70面積%以上の割合で接触していることが好ましく、80面積%以上の割合で接触していることがより好ましく、90面積%以上の割合で接触していることが更に好ましい。一方、当該割合は、99面積%以下であることが好ましい。これにより、過度な脱気に伴う医療用具80の損傷を回避し易くすることができる。同様に、標準気圧下の非固定部3において、第2シート部2の内面は、第1シート部1の内面と医療用具80に70面積%以上の割合で接触していることが好ましく、80面積%以上の割合で接触していることがより好ましく、90面積%以上の割合で接触していることが更に好ましい。一方、当該割合は、99面積%以下であることが好ましい。
【0033】
標準気圧下の非固定部3において、第1シート部1の内面は、医療用具80よりも第2シート部2の内面と広い面積で接触していることが好ましい。更に、標準気圧下の非固定部3において、第2シート部2の内面は、医療用具80よりも第1シート部1の内面と広い面積で接触していることが好ましい。これにより、包装袋30を切断し易くすることができる。
【0034】
図1に示す通り、少なくとも1つの医療用具80は、巻回部82を有する管状体81と、最大辺83aの長さが巻回部82の外径82Dよりも小さい小袋83とを有していることが好ましい。小袋83の最大辺83aの長さが巻回部82の外径82Dよりも小さいことにより、空気が抜かれた包装袋30内で小袋83を、管状体81内にとどめ易くすることができる。
【0035】
図2に示す通り、管状体81は、内腔に医療用長尺体84が挿入されているものであることが好ましい。即ち、管状体81は、医療用長尺体84の保護管であることが好ましい。医療用長尺体84として、バルーンカテーテル、ガイディングカテーテル、ガイディングカテーテルの内部に挿入されるインナーカテーテル、ガイドワイヤ等が挙げられる。管状体81は、樹脂を含むことが好ましく、樹脂からなることが好ましい。また図1に示す通り、医療用長尺体84は近位端部にハンドルを有していることが好ましい。
【0036】
図1に示す通り、管状体81の巻回部82には、複数の溝部を有する複数の保持部材85が装着されていることが好ましい。これにより巻回部82の形状が維持され易くなる。保持部材85は、いわゆるクリップであることが好ましい。
【0037】
小袋83内には、医療用長尺体84と共に用いる医療用器具が配置されていることが好ましい。また医療用器具は、小袋83により密封されていることが好ましいが、密封されていなくてもよい。例えば小袋83の開口部は、綴じ針、テープ等の部材により、部分的に閉じられていてもよい。小袋83は樹脂を含むことが好ましく、樹脂からなることが好ましい。なお少なくとも1つの医療用具80は小袋83を有していなくてもよい。
【0038】
実施の形態に係る包装袋30の開封方法は、第1固定部4が切除されないように非固定部3の一部3aを切断する第1切断工程、および非固定部3の他の一部3bを切断する第2切断工程を含む。以下では第1切断工程、第2切断工程の順に説明する。
【0039】
図1図4に示す通り、第1切断工程において、非固定部3の一部3aを切断することにより、包装袋30に第1開口21が形成されて、包装袋30に空気等の気体が供給される結果、包装袋30内において医療用具80を動かし易くなる。そのため、第1切断後の切断を妨げない位置に医療用具80を移動させることができる。また第1切断工程において、第1固定部4が切除されないように切断すること、即ち第1固定部4を残しておくことにより、医療用具80が存在していない領域を確保し易くすることができる。これにより第1切断後の切断を行い易くすることができる。
【0040】
図1図4に示す通り、第1切断工程において、非固定部3のうち医療用具80の外縁80Eよりも、第1固定部4の外縁に近い領域において切断を行うことが好ましい。当該領域は医療用具80が入り込み難い領域であるため、当該領域では第1切断を行い易い。
【0041】
図1図4に示す通り、第1切断工程において、複数の直線状部10のうち第1固定部4に最も近い直線状部の一部が包装袋30から切除されるように切断を行うことが好ましい。また、第1切断工程において、複数の直線状部10のうち第1固定部4に最も近い直線状部の一部と、第1固定部4に2番目に近い直線状部の一部が包装袋30から切除されるように切断を行うことがより好ましい。これにより第1切断を行い易くなる。図1では、第4直線状部14が第1固定部4に最も近く、第2直線状部12が第1固定部4に2番目に近い配置になっている。
【0042】
第1切断は、例えば、後述するカッターを有する切断部材を用いて切断することが好ましいが、包装袋30の外縁部30Eに設けられた切り口から引き裂くことにより、第1切断を行ってもよい。
【0043】
図4に示すような第1切断工程における第1開口21の形成により、自然と包装袋30内に空気が供給されるが、気体供給用ノズルを第1開口21から挿入して気体を包装袋30内に供給してもよい。包装袋30内に供給される気体としては、例えば空気、酸素、窒素、二酸化炭素、殺菌ガス、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0044】
包装袋30に気体が供給された後、第1切断後の切断を妨げない位置に医療用具80を移動させるに当たっては、作業者が手で医療用具80を移動させてもよいが、包装袋30と医療用具80を傾斜または振動させることにより医療用具80を移動させることが好ましい。以下では包装袋30内の医療用具80の移動方法について詳述する。
【0045】
図5に示す通り、包装袋30の開封方法は、更に、第1切断工程の後に、第1切断工程の切断により形成された第1開口21の少なくとも一部が、鉛直方向Vにおける上側Vaに位置するように包装袋30を傾斜させる傾斜工程を含むことが好ましい。これにより、第1開口21とは反対側に医療用具80を移動させることができるため、第1開口21に近い側において第2切断を行い易くすることができる。
【0046】
図示していないが、包装袋30の開封方法は、更に、第1切断工程の後に、第1切断工程の切断により形成された第1開口21の少なくとも一部が、鉛直方向Vにおける下側Vbに位置するように包装袋30を傾斜させる傾斜工程を含んでいてもよい。この場合、第1開口21に近い側に医療用具80が移動するため、第1開口21とは反対側において第2切断を行い易くすることができる。
【0047】
傾斜工程により包装袋30内で医療用具80を移動させた後は、包装袋30を傾斜状態から水平状態に戻すことが好ましい。これにより、第2切断を行い易くなる。
【0048】
図示していないが、包装袋30の開封方法は、更に、第1切断工程の後に、包装袋30を振動させる工程を含むことが好ましい。これにより、包装袋30内において医療用具80を移動させることができる。例えば包装袋30を振動させて、医療用具80が所望の位置に移動したときに振動を停止すればよい。また上記傾斜と共に振動を付与してもよく、この場合、効率的に包装袋30内で医療用具80を移動させることができる。
【0049】
図1に示す通り、第1切断工程の前において、医療用具80の外縁80Eは、複数の直線状部10のうち少なくとも1つの直線状部の内縁10Eから、複数の直線状部10の内縁10Eから第1固定部4の外縁4Eに至るまでの最短直線距離Lよりも大きい距離離れていることが好ましい。このように、複数の直線状部10のうち少なくとも1つから医療用具80が離れていることにより、包装袋30の切断を行い易くなる。更に、包装袋30に気体が供給された後に、医療用具80を包装袋30内で移動させ易くすることもできる。医療用具80の外縁80Eは、第1直線状部11と第4直線状部14のうち少なくともいずれか一方の内縁から、最短直線距離Lよりも大きい距離離れていることがより好ましい。これにより、第1固定部4が例えば第1直線状部11の近傍または第4直線状部14の近傍に位置する場合に、第2切断において第1固定部4を切除し易くなる。
【0050】
図1に示すように、医療用具80の外縁80Eが第3直線状部13の内縁から、最短直線距離Lよりも大きい距離離れている場合、例えば図4に示すように第2直線状部12の一部と第4直線状部14の一部が切除されるように第1切断を行った後、医療用具80を第3直線状部13に近づくように移動させることができる。これにより、例えば第3直線状部13よりも第2直線状部12に近い側において第2切断を行い易くすることができる。
【0051】
図1に示す通り、第1切断工程よりも前の工程において、医療用具80は、第1固定部4に接触していないことが好ましい。このように、第1固定部4から医療用具80が離れている部分を有していることにより、包装袋30に気体が供給された後に、医療用具80を包装袋30内で移動させ易くすることができるため、第2切断を行い易くなる。
【0052】
図4図6に示す通り、第2切断工程において、非固定部3の他の一部3bを切断することにより、包装袋30に第2開口22が形成されるため、包装袋30から医療用具80を取り出し易くなる。図6では、第2切断工程により第1開口21は包装袋30から切除されているが、第2切断工程後においても第1開口21の少なくとも一部が包装袋30に残存していてもよい。
【0053】
図4図6に示す通り、第2切断工程において、非固定部3の他の一部3bを切断することにより、第1固定部4を切除することが好ましい。第1固定部4を包装袋30から切除することにより、開口から医療用具80を取り出し易くすることができる。
【0054】
第2切断は、例えば、後述するカッターを有する切断部材を用いて切断することが好ましいが、包装袋30の外縁部30Eに設けられた切り口から引き裂くことにより、第2切断を行ってもよい。
【0055】
図1に示す通り、包装袋30の平面視において、第1固定部4の中心と包装袋30の中心30Cを通る仮想直線4Lに対する第2切断工程における切断方向D2の傾斜角度は、仮想直線4Lに対する第1切断工程における切断方向D1の傾斜角度よりも小さいことが好ましい。このように切断方向D2の仮想直線4Lに対する傾斜を、切断方向D1の仮想直線4Lに対する傾斜よりも小さくすることにより、第2開口22を相対的に大きくすることができる。これにより、第2開口22から医療用具80を取り出し易くすることができる。
【0056】
図1に示す通り、切断方向D1の仮想直線4Lに対する傾斜角度は、好ましくは70度以上、110度以下、より好ましくは80度以上、100度以下である。これにより、第1開口21の大きさを小さくすることができるため、切断し易くなる。
【0057】
図1に示す通り、切断方向D1と切断方向D2とのなす角度は、好ましくは10度以上、80度以下、より好ましくは30度以上、50度以下である。これにより、図4図6に示す通り、第1開口21を小さくしつつ、第2開口22を大きくすることができる。
【0058】
図4図6に示す通り、包装袋30の平面視において、第2切断工程における切断線L2の長さは、第1切断工程における切断線L1の長さよりも大きいことが好ましい。これにより、第1開口21を小さくしつつ、第2開口22を大きくすることができる。切断線L2の長さは、切断線L1の長さの1.5倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。一方、切断線L2の長さは、切断線L1の長さの20倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。これにより、第1開口21から包装袋30に空気等の気体が供給され易くなる。
【0059】
以上、実施の形態に係る包装袋30の開封方法について説明したが、各工程は、後述する包装袋の開封装置を用いて実施することが好ましい。その場合、各工程のうち一部の工程は、異なる装置を用いて実施してもよい。また各工程のうち、一部の工程は人の手により実施してもよい。これらの実施の形態に係る様々な工程は、互いに組み合わせて実施してもよい。更に、本明細書で説明されていない他の工程を組み合わせて実施してもよい。
【0060】
実施の形態に係る装置は、包装袋の開封装置であって、包装袋は、第1シート部と、第1シート部に対向する第2シート部と、第1シート部と第2シート部が互いに固定されていない非固定部と、非固定部に囲まれ、第1シート部と第2シート部が互いに固定されている第1固定部と、非固定部内に配置された少なくとも1つの医療用具と、を有し、開封装置は、包装袋の第1固定部が切除されないように非固定部の一部を切断する第1切断部材、および非固定部の他の一部を切断する第2切断部材を含む。
【0061】
上記の通り、包装袋が第1固定部を有していることにより、包装袋内において医療用具が存在していない領域を確保し易くなるため、包装袋を切断し易くなる。更に第1切断部材により、包装袋に第1開口を形成することにより装袋内に空気等の気体が供給される結果、包装袋内において医療用具を動かし易くなる。その結果、第2切断を妨げない位置に医療用具を移動させることができる。更に第2切断部材により包装袋に第2開口を形成することにより、包装袋から医療用具を取り出し易くなる。
【0062】
以下では、図7等を参照しながら、実施の形態に係る開封装置90について説明する。図7は、実施の形態に係る包装袋の開封装置の斜視図である。
【0063】
図7に示す通り、開封装置90は、包装袋30の開封装置である。図1図2に示す通り、包装袋30は、第1シート部1と、第1シート部1に対向する第2シート部2と、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されていない非固定部3と、非固定部3に囲まれ、第1シート部1と第2シート部2が互いに固定されている第1固定部4とを有している。包装袋30は、更に、非固定部3内に配置された少なくとも1つの医療用具80を有している。包装袋30と医療用具80の詳細については、上述した実施の形態に係る包装袋30の開封方法における説明を参照すればよい。
【0064】
図7に示す通り、実施の形態に係る開封装置90は、包装袋30の第1固定部4が切除されないように非固定部3の一部3aを切断する第1切断部材91、および非固定部3の他の一部3bを切断する第2切断部材92を含む。
【0065】
図7に示す通り、第1切断部材91と第2切断部材92は、それぞれカッターを有していることが好ましい。カッターとしては、例えば直線状に延在している刃物、円形で回転可能な刃物等が挙げられる。円形の刃物の場合、モーターで回転させてもよい。第1切断部材91と第2切断部材92は、それぞれ、カッターの少なくとも一部を内部に収容可能な収容部材を有していることが好ましい。収容部材は、カッターを外部に突出させることが可能な線状の孔を有する筐体であることが好ましい。筐体は、後述する移動部材に連結されていることが好ましい。図示していないが、切断時に包装袋30のフィルムを支持台97に押さえつける機構があると、フィルムを固定した状態となるため、より安定的に切断が可能となる。
【0066】
図7に示す通り、開封装置90は、更に、第1切断部材91を第1切断工程において移動させる第1移動部材95を有していることが好ましい。第1移動部材95の移動方向は、切断方向D1であることが好ましい。これにより、包装袋30を側面側から切断することができ、さらに略水平方向に移動しながらの切断であるため小型刃で切断が可能となる。第1移動部材95の移動方向は、切断方向D1と鉛直方向Vの両方向であってもよい。この場合、鉛直方向Vに第1切断部材91を移動させて高さ位置を調整してから、切断方向D1に移動させることにより、包装袋30を側面側から切断することができる。この場合、切断方向D1と鉛直方向Vは垂直であることが好ましい。また包装袋30の上に第1切断部材91が位置するように第1切断部材91を配置して、鉛直方向Vの下側Vbに第1切断部材91を移動させることにより、包装袋30を切断してもよい。第1移動部材95として、例えばスライドレール、一軸アクチュエータ等が挙げられる。
【0067】
図7に示す通り、開封装置90は、更に、第2切断部材92を第2切断工程において移動させる第2移動部材96を有していることが好ましい。第2移動部材96の移動方向は、切断方向D2であることが好ましい。これにより、包装袋30を側面側から切断することができ、さらに略水平方向に移動しながらの切断であるため小型刃で切断が可能となる。第2移動部材96の移動方向は、切断方向D2と鉛直方向Vの両方向であってもよい。この場合、鉛直方向Vに第2切断部材92を移動させて高さ位置を調整してから、切断方向D2に移動させることにより、包装袋30を側面側から切断することができる。この場合、切断方向D2と鉛直方向Vは垂直であることが好ましい。また包装袋30の上に第2切断部材92が位置するように第2切断部材92を配置して、鉛直方向Vの下側Vbに第2切断部材92を移動させることにより、包装袋30を切断してもよい。第2移動部材96として、例えばスライドレール、一軸アクチュエータ等が挙げられる。
【0068】
図7に示す通り、開封装置90は、更に、包装袋30を支持する支持台97を有していることが好ましい。これにより各切断を行い易くなる。支持台97は、切断方向D1に延在する溝を有していることが好ましい。当該溝には、第1切断部材91のカッターの下端部を挿入することができるため、第1切断を行い易くすることができる。支持台97は、更に、切断方向D2に延在する溝を有していることが好ましい。当該溝には、第2切断部材92のカッターの下端部を挿入することができるため、第2切断を行い易くすることができる。これらの溝は、支持台97を貫通していてもよい。
【0069】
図7に示す通り、包装袋30の開封装置90は、更に、包装袋30を傾斜させる傾斜部材93を含むことが好ましい。包装袋30を傾斜させることにより、包装袋30内において医療用具80を鉛直方向Vの下側Vbに移動させることができるため、第2切断を行い易くなる。
【0070】
図7に示す通り、傾斜部材93は、支点Pを中心に回転できる軸体を有していることが好ましい。軸体は、包装袋30を支持する支持台97と直接または間接に連結されていることが好ましい。これにより、軸対の回転に伴って支持台97を回動させて傾斜させることができ、その結果、包装袋30を傾斜させることができる。傾斜部材93は、水平状態を維持することができ、更に所定の角度での傾斜状態を維持することができるようにストッパーを有していることが好ましい。
【0071】
支持台97の水平方向に対する傾斜角度は、好ましくは10度以上、より好ましくは20度以上、更に好ましくは40度以上である。これにより、包装袋30内で医療用具80を移動させ易くなる。一方、当該傾斜角度は、好ましくは80度以下、より好ましくは70度以下、更に好ましくは60度以下である。これにより作業性が向上する。
【0072】
図示していないが、傾斜部材93は、支持台97の脚部のうちの少なくとも1脚に配置され、鉛直方向Vに伸縮可能なものであってもよい。このような形態によっても支持台97を傾斜させることができ、包装袋30を傾斜させることができる。この場合、傾斜部材93は、例えばスライドレール、一軸アクチュエータ、油圧機構、またはこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0073】
包装袋30の開封装置90は、更に、包装袋30を振動させる振動部材94を含むことが好ましい。振動部材94は、電力により振動を発生させる動電型の振動発生部を有していることが好ましい。振動発生部として、磁石とコイルを有するものが挙げられる。例えば、磁石の磁界中に配置されたコイルに電流を流すことにより、振動を発生させることができる。当該振動が直接または間接に支持台97に伝達されるように振動部材94は配置されていればよい。また振動発生部は、例えば油圧によってピストンを駆動し、振動を発生させる油圧型の振動発生部、モーターに偏芯した錘をつけて回転させ、遠心力によって振動を発生させるアンバランスマス型の振動発生部等であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、2 第1シート部、第2シート部
3 非固定部
3a 一部
3b 他の一部
4 第1固定部
4C 中心
4E 外縁
4L 仮想直線
10 複数の直線状部
10E 内縁
11、12、13、14 第1直線状部、第2直線状部、第3直線状部、第4直線状部
21 第1開口
22 第2開口
30 包装袋
30C 中心
30E 外縁部
80 医療用具
80E 外縁
81 管状体
82 巻回部
82D 外径
83 小袋
83a 最大辺
84 医療用長尺体
85 保持部材
90 包装袋の開封装置
91、92 第1切断部材、第2切断部材
93 傾斜部材
94 振動部材
95、96 第1移動部材、第2移動部材
97 支持台
D1、D2 第1切断工程における切断方向、第2切断工程における切断方向
D11、D12 第1の方向、第2の方向
L 最短直線距離
L1、L2 切断線
P 支点
V 鉛直方向
Va 上側
Vb 下側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7