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特開2024-127509データ連携システム、およびデータ連携方法
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  • 特開-データ連携システム、およびデータ連携方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127509
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】データ連携システム、およびデータ連携方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/54 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F9/54 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036703
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】井奈波 拓也
(57)【要約】
【課題】異なるシステム間でデータを共有することの可能なデータ連携システムを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、データ連携システムは、第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第1データ設計書と、第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第2データ設計書と、データ連携部とを具備する。データ連携部は、第1データ設計書と第2データ設計書とに基づいて、第1アプリケーションと第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第1データ設計書と、
第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第2データ設計書と、
前記第1データ設計書と前記第2データ設計書とに基づいて、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築するデータ連携部とを具備する、データ連携システム。
【請求項2】
前記第1システムおよび前記第2システムとは異なる第3システムにおけるデータのフォーマットを前記第1システムにおけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した変換定義書と、
前記変換定義書に基づいて、前記第3システムにおけるデータを前記第1システムにおけるデータに変換して、前記第3システムを前記第1システムを介して前記第2システムと連携させる第1データ変換部とをさらに具備する、請求項1に記載のデータ連携システム。
【請求項3】
第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータのフォーマットを、共通のデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義したデータ設計書におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した第1変換定義書と、
第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータのフォーマットを、前記データ設計書におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した第2変換定義書と、
前記第1変換定義書に基づいて、前記第1システムにおけるデータを共通のデータに変換する第1データ変換部と、
前記第2変換定義書に基づいて、前記第2システムにおけるデータを共通のデータに変換する第2データ変換部と、
前記データ設計書に基づいて、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築するデータ連携部とを具備する、データ連携システム。
【請求項4】
第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第1データ設計書と、第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第2データ設計書とに基づいて、コンピュータが、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する工程を具備する、データ連携方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、前記第1システムおよび前記第2システムとは異なる第3システムにおけるデータのフォーマットを前記第1システムにおけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した第1変換定義書に基づいて、前記第3システムにおけるデータを前記第1システムにおけるデータに変換して、前記第3システムを前記第1システムを介して前記第2システムと連携させる工程をさらに具備する、請求項4に記載のデータ連携方法。
【請求項6】
第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータのフォーマットを、共通のデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義したデータ設計書におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した第1変換定義書に基づいて、コンピュータが、前記第1システムにおけるデータを共通のデータに変換する工程と、
第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータのフォーマットを、前記データ設計書におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義した第2変換定義書に基づいて、前記コンピュータが、前記第2システムにおけるデータを共通のデータに変換する工程と、
前記データ設計書に基づいて、コンピュータが、前記第1アプリケーションと前記第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する工程とを具備する、データ連携方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ連携システム、およびデータ連携方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会社合併、あるいは社内システムの効率化等のために、異なるシステムが統合される事例が増えている。データの連携、あるいは連接とは、フォーマットが異なるが同じ意味合いのデータをオンラインで授受することをいう。システムを統合するためには、データを矛盾なく連携させることが重要である。
【0003】
異なるシステムを統合するためには、要件等を1から見直し、統一されたシステムを最初から構築することが望ましい。しかし、現状使用しているシステムを停止できなかったりして、実際には容易ではない。全く別の会社のシステムを統合する場合にはなおさらである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-328704号公報
【特許文献2】特開2014-123363号公報
【特許文献3】特開2006-94508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
異なるシステムを統合するにあたり、各システムが標準規格にどの程度準拠しているかは未知であるし、データの連携をはじめとする技術的なハードルがある。また、片方のシステムがバージョンアップした場合(新規データの追加等)、他方のシステムもバージョンアップしておかないと連携できなくなることも想定される。このようにシステムの統合には膨大なエンジニアリング工程が求められ、これを解決し得る技術が要望されている。
【0006】
そこで、目的は、異なるシステム間でデータを共有することの可能なデータ連携システム、およびデータ連携方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、データ連携システムは、第1アプリケーションの稼働する第1システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第1データ設計書と、第2アプリケーションの稼働する第2システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した第2データ設計書と、データ連携部とを具備する。データ連携部は、第1データ設計書と第2データ設計書とに基づいて、第1アプリケーションと第2アプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例1におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。
図2図2は、データ設計書の一例について説明するための図である。
図3図3は、実施例2におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。
図4図4は、実施例3におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して実施形態について説明する。以下の説明では3通りの実施例を採り上げる。
(実施例1)
実施例1では、データ連携機能を備える複数のシステム間の連携について説明する。
図1は、実施例1におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。図1において、第1システム1は通信部10を備え、第2システム2は通信部20を備え、互いにネットワーク(図示せず)を介して通信することが可能である。
【0010】
第1システム1、第2システム2のいずれも、コンピュータ単体、あるいは複数のコンピュータを組み合わせたシステムとして実現される。例えばオフィスにおいては、帳票アプリケーション、あるいは勤怠管理アプリケーションなどが各システムに実装される。
【0011】
ここで、アプリケーションのベンダやバージョンは、第1システム1と第2システム2との間で統一されているとは限らない。例えば、XML(eXtensible Markup Language)は、標準化されたデータフォーマットの一つであるが、そもそもデータの定義自体がシステム間で異なれば、両システムのデータを連接するには何らかの変換が必要である。また、アプリケーションのバージョンやデータ自体がアップデートされると、システム間の連携を保っておくことはますます難しくなる。以下では、このような困難を解決し得る技術について開示する。
【0012】
第1システム1は、さらに、処理部11、GUI部12、および、データ連携部13を備える。処理部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備え、コンピュータとしての第1システムの中核をなす。第1システム1で稼働するアプリケーションは、処理部11により実行される。GUI部12は、モニタ、キーボード、マウスなどを備え、GUI(Graphical User Interface)環境を形成してユーザインタフェースを提供する。
【0013】
データ連携部13は、データ設計書101に基づいて、第1システム1のアプリケーションと第2システム2のアプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。ここで、データ設計書101は、第1システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した、例えば.xls、.xlsm、.xlsm、あるいは.csv、.tsv、.txtなどのデータである。
【0014】
第2システム2も同様に、処理部21、GUI部22、および、データ連携部23を備える。処理部21はCPUなどのプロセッサを備え、コンピュータとしての第2システムの中核をなす。第2システム2で稼働するアプリケーションは、処理部21により実行される。GUI部12は、モニタ、キーボード、マウスなどを備え、GUI環境を形成してユーザインタフェースを提供する。
【0015】
データ連携部23は、データ設計書102に基づいて、第2システム2のアプリケーションと第1システム1のアプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。ここで、データ設計書102は、第2システムにおけるデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義した、例えば.xls、.xlsm、.xlsm、あるいは.csv、.tsv、.txtなどのデータである。
【0016】
すなわち、データ連携部13,23は、データ設計書101,102に基づいて、第1システム1のアプリケーションと第2システム2のアプリケーションとが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。
【0017】
図2は、データ設計書の一例について説明するための図である。第1システム1のアプリケーションの稼働状況に関する状況データと、第2システム2のアプリケーションの稼働状況に関する状況データとを比較すると、互いの項目の数が一致していない。つまり第2システム2においてはデータ1~データ6の6項目である。そこで、互いのデータ設計書101,102において、互いに共通するデータ1~データ4までを制御対処とする記述を定めておくことで、第1システム1、第2システム2のデータを互いのシステムから共有することができる。
【0018】
(実施例2)
実施例2では、データ連携機能を備えるシステムと、データ連携機能のないシステムとの連携について説明する。
図3は、実施例2におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。図3において、図1と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0019】
図3において、変換装置3が、第2システム2と通信可能に設けられる。すなわち変換装置3は通信部10を備え、第2システム2の通信部20とネットワークを介して互いに通信することが可能である。また変換装置3は、通信部33を備え、現行システム4の通信部42と互いに通信可能である。ここで、現行システム4は、第3システムとしての位置づけにある。
【0020】
変換装置3は、現行システムアプリケーション32を備え、現行システム4は、現行システムアプリケーション41を備える。これらは通信部33,42を介して互いに通信可能である(現行システム内通信)。
【0021】
ここで、現行システム4はデータ連携部13を備えていない。そこで実施例2では、変換装置3に変換定義書201とデータ変換部31とを設け、現行システム4を第2システム2とデータ連接できるようにする。
【0022】
すなわち、データ変換部31は、変換定義書201に基づいて現行システム4におけるデータを変換装置3(第1システム)におけるデータに変換する。これにより、変換装置1を介して、現行システム4を第2システム2と連携させる。
【0023】
ここで、変換定義書201は、現行システム4におけるデータのフォーマットを、変換装置3におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義したデータである。つまり変換定義書201により、現行システム4と第2システム2とのデータ連携を実現することができる。データ連携のためのフォーマット(連携用フォーマット)は、例えばXMLやJsonなどの一般的なフォーマットを利用することができる。
【0024】
(実施例3)
実施例3では、データ連携機能のない複数のシステム間の連携について説明する。
図4は、実施例3におけるデータ連携システムの一例を示すシステム図である。図4において、図1図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0025】
図4において、現行システム4は、データ変換部31、データ連携部13、通信部10、現行システム1アプリケーション、通信部42、および、変換定義書201を備える。
また、現行システム5が、データ変換部31、データ連携部13、通信部10、現行システムアプリケーション51、通信部52、および、変換定義書202を備える。現行システム4、現行システム5は、それぞれ通信部10を介して相互に通信することが可能である。
【0026】
変換定義書201は、現行システムアプリケーション41の稼働する稼働する現行システム4におけるデータのフォーマットを、共通のデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義したデータ設計書103におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義したデータである。ここでも、XMLやJsonなどの一般的なフォーマットを連携用フォーマットとして利用することができる。
【0027】
変換定義書202は、現行システムアプリケーション41の稼働する稼働する現行システム4におけるデータのフォーマットを、共通のデータへのアクセスに関する仕様を汎用のフォーマットで定義したデータ設計書103におけるデータのフォーマットに変換するための変換仕様を定義したデータである。ここでも、XMLやJsonなどの一般的なフォーマットを連携用フォーマットとして利用することができる。
【0028】
現行システム4のデータ変換部31は、変換定義書201に基づいて、現行システム4におけるデータを共通のデータに変換する。現行システム5のデータ変換部31は、変換定義書202に基づいて、現行システム5におけるデータを共通のデータに変換する。そして、データ連携部13は、データ設計書103に基づいて、現行システムアプリケーション41と現行システムアプリケーション51とが共通にアクセス可能なデータベースを構築する。
【0029】
以上のように、実施形態によれば、異なるシステムの各々のデータ定義に着目し、データ定義を共通化するデータ設計書を導入する。このデータ設計書に基づいてデータを連携させ、システム間に共通のデータベースを自動で構築することで、異なる意味合いのデータを用いている異システム間を容易に接続できるようにした。
すなわち、システム内のデータを汎用フォーマットのデータ設計書に取り込み、異なるシステム間でデータを同一のフォーマットでやり取りできるようにした。
【0030】
また、システム間で同一の意味を持ちフォーマットが異なるデータ(例えば、コード値が異な項目るもの、データの範囲が異なるもの、データの精度が異なるもの等)を互いに変換することで、連携して利用できるようにした。
【0031】
さらに、データの変換の定義をも、汎用フォーマットの変換定義書に取り込むことで、データ連携機能のない複数のシステム間でも、互いのデータを連携して運用できるようにした。
これらのことから、実施形態によれば、異なるシステム間でデータを共有することの可能なデータ連携システム、およびデータ連携方法を提供することが可能になる。
【0032】
上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
1…第1システム、2…第2システム、3…変換装置、4…現行システム、5…現行システム、10…通信部、11…処理部、12…GUI部、13…データ連携部、20…通信部、21…処理部、22…GUI部、23…データ連携部、31…データ変換部、32…現行システムアプリケーション、33…通信部、41…現行システムアプリケーション、42…通信部、51…現行システムアプリケーション、52…通信部、101…データ設計書、102…データ設計書、103…データ設計書、201…変換定義書、202…変換定義書。
図1
図2
図3
図4