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特開2024-127532データ管理システム、データ管理装置、携帯端末装置及びデータ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127532
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】データ管理システム、データ管理装置、携帯端末装置及びデータ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240912BHJP
   G05B 23/02 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
G06Q10/20
G05B23/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036742
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】592115504
【氏名又は名称】金子産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】中村 善典
【テーマコード(参考)】
3C223
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA30
3C223BA03
3C223BB02
3C223DD03
3C223EA04
3C223EB02
3C223EB03
3C223FF13
3C223GG01
3C223HH29
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】 機器の状態と保全員の所感を関連付けた報告をすることができるデータ管理システム、データ管理装置、携帯端末装置及びデータ管理方法を提供する。
【解決手段】 データ管理システム1は、計測対象となる機器又は機器を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を取得する物理量計測装置2と、機器又は構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報、所感情報が入力者により入力された入力時刻、及び、所感情報の入力対象としての機器又は構成要素を特定するための機器特定情報を取得する携帯端末装置3と、機器特定情報に基づいて特定された機器又は構成要素を計測対象とする物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された所感情報及び入力時刻とを関連付けた管理情報を作成するデータ管理装置4と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象となる機器又は前記機器を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を取得する物理量計測装置と、
前記機器又は前記構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報、前記所感情報が前記入力者により入力された入力時刻、及び、前記所感情報の入力対象としての前記機器又は前記構成要素を特定するための機器特定情報を取得する携帯端末装置と、
前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とする前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報及び前記入力時刻とを関連付けた前記機器又は前記構成要素の管理情報を作成するデータ管理装置と、
を備える
データ管理システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、
前記機器特定情報として、前記携帯端末装置の位置を特定する端末位置情報を取得し、
前記データ管理装置は、
前記端末位置情報と予め登録された前記機器又は前記構成要素の登録位置情報とを照合し、
前記端末位置情報に最も近い前記登録位置情報を持つ前記機器又は前記構成要素を、前記所感情報の入力対象として特定する
請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項3】
前記データ管理装置は、前記管理情報から、報告対象者毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成する
請求項1又は2に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記データ管理装置は、前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とし、当該機器特定情報とともに取得された前記入力時刻を含む所定の期間に前記物理量を計測した前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報とを関連付けた前記管理情報を作成する、
請求項1又は2に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記所感情報は、前記機器又は前記構成要素の状態を表す情報を含み、
前記データ管理装置は、前記物理量情報と前記物理量情報に関連付けられた前記所感情報とで機械学習に用いられる学習用データセットを作成する
請求項4に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記機器は、流体圧駆動弁であり、
前記物理量情報は、前記流体圧駆動弁に設置されたセンサから得られる計測データである
請求項1又は2に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
計測対象となる機器又は前記機器を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を物理量計測装置から取得し、
前記機器又は前記構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報と、前記所感情報が前記入力者により入力された入力時刻と、前記所感情報の入力対象としての前記機器又は前記構成要素を特定するための機器特定情報とを携帯端末装置から取得し、
前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とする前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報及び前記入力時
刻とを関連付けた前記機器又は前記構成要素の管理情報を作成する
データ管理装置。
【請求項8】
前記機器特定情報として、前記携帯端末装置の位置を特定する端末位置情報を前記携帯端末装置から取得し、
前記端末位置情報と予め登録された前記機器又は前記構成要素の登録位置情報とを照合し、
前記端末位置情報に最も近い前記登録位置情報を持つ前記機器又は前記構成要素を、前記所感情報の入力対象として特定する
請求項7に記載のデータ管理装置。
【請求項9】
前記管理情報から、報告対象者毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成する
請求項7又は8に記載のデータ管理装置。
【請求項10】
前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とし、当該機器特定情報とともに取得された前記入力時刻を含む所定の期間に前記物理量を計測した前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報とを関連付けた前記管理情報を作成する、
請求項7又は8に記載のデータ管理装置。
【請求項11】
前記所感情報は、前記機器又は前記構成要素の状態を表す情報を含み、
前記物理量情報と前記物理量情報に関連付けられた前記所感情報とで機械学習に用いられる学習用データセットを作成する
請求項10に記載のデータ管理装置。
【請求項12】
計測対象となる機器又は前記機器を構成する構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報と、
前記所感情報が前記入力者により入力された入力時刻と、
前記所感情報の入力対象としての前記機器又は前記構成要素を特定するための機器特定情報と、
を取得する
携帯端末装置。
【請求項13】
計測対象となる機器又は前記機器を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を物理量計測装置から取得するステップと、
前記機器又は前記構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報と、前記所感情報が前記入力者により入力された入力時刻と、前記所感情報の入力対象としての前記機器又は前記構成要素を特定するための機器特定情報とを携帯端末装置から取得するステップと、
前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とする前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報及び前記入力時刻とを関連付けた前記機器又は前記構成要素の管理情報を作成するステップと、
データ管理方法。
【請求項14】
前記機器特定情報を取得するステップは、
前記機器特定情報として、前記携帯端末装置の位置を特定する端末位置情報を取得し、
前記管理情報を作成するステップは、
前記端末位置情報と予め登録された前記機器又は前記構成要素の登録位置情報とを照合し、
前記端末位置情報に最も近い前記登録位置情報を持つ前記機器又は前記構成要素を、前記所感情報の入力対象として特定する
請求項13に記載のデータ管理方法。
【請求項15】
前記管理情報から、報告対象者毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成するステップをさらに有する
請求項13又は請求項14に記載のデータ管理方法。
【請求項16】
前記物理量情報は、前記入力時刻を含む所定の期間に計測した前記機器又は前記構成要素の物理量であり、
前記所感情報は、前記機器又は前記構成要素の状態を表す情報を含み、
前記物理量情報と前記物理量情報に関連付けられた前記所感情報とで機械学習に用いられる学習用データセットを作成するステップをさらに有する
請求項13又は請求項14に記載のデータ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の状態を管理するデータ管理システム、データ管理装置、携帯端末装置及びデータ管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、保守員が携帯端末を通じて音声で選択した報告書の種類と当該報告書の作成に必要な各項目に関する音声情報を認識し、その結果として得られた文字情報から保守員が選択した報告書の種類を示す文字列を抽出すると共に各項目に関する文字列を抽出し、これらの文字列を予め報告書の種類別に定められた各項目に集約して報告書を作成し、作成された報告書の存在を当該報告書が必要な対象者に通知する報告書作成システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6139714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、保守員の音声情報から得られた文字情報によって報告書を作成するものである。そのため、保守員の所感のみが報告書の内容となり、実際の機器の状態が示されていない報告書となってしまう。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、機器の状態と保全員の所感を関連付けた報告をすることができるデータ管理システム、データ管理装置、携帯端末装置及びデータ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るデータ管理システムは、
計測対象となる機器又は前記機器を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を取得する物理量計測装置と、
前記機器又は前記構成要素に対する入力者の所感を示す所感情報、前記所感情報が前記入力者により入力された入力時刻、及び、前記所感情報の入力対象としての前記機器又は前記構成要素を特定するための機器特定情報を取得する携帯端末装置と、
前記機器特定情報に基づいて特定された前記機器又は前記構成要素を前記計測対象とする前記物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された前記所感情報及び前記入力時刻とを関連付けた前記機器又は前記構成要素の管理情報を作成するデータ管理装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係るデータ管理システムによれば、機器の状態と保全員の所感を関連付けた報告をすることができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るデータ管理システムの一例を示す全体構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る流体圧駆動弁の一例を示す概略構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る流体圧駆動弁の一例を示す概略ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るデータ管理装置の一例を示す概略ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係るデータ管理システムの各制御部を構成するコンピュータの一例を示すハードウエア構成図である。
図6】本実施形態に係るデータ管理装置によって作成された管理情報のデータ形式の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る機器識別番号の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る所感情報の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係るデータ管理システムによって取得できる管理情報から作成した管理日報の一例を示す図である。
図10】第1実施形態に係るデータ管理システムによって実行されるデータ管理方法の一例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係るデータ管理システムによって実行されるデータ管理方法の一例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態に係るデータ管理システムによって作成された管理情報を機械学習のためのアノテーションに利用する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
(データ管理システム)
図1は、本発明の実施形態に係るデータ管理システム1の一例を示す全体構成図である。データ管理システム1は、機器の一例としての流体圧駆動弁10を管理するためのシステムとして機能する。データ管理システム1は、その主要な構成として、計測対象の流体圧駆動弁10と、流体圧駆動弁10の物理量を計測する物理量計測装置2と、入力者としての保全員M(流体圧駆動弁10の点検・修理作業者等)が使用する携帯端末装置3と、流体圧駆動弁10及び携帯端末装置3等と通信可能に構成されて、保守管理者A(点検・修理作業者の管理者等)が使用するデータ管理装置4と、データ管理装置4等と通信可能に構成されて、報告対象者としての機器管理者U(流体圧駆動弁10の管理者や所有者等)が使用する機器管理者端末装置7と、を備える。
【0012】
本実施形態は、機器として流体圧駆動弁10を例に説明するが、機器は、流体圧駆動弁10に限らず、呼吸弁等のその他の弁、回転機、タンク等の機器全般を用いることができる。また、機器は、機器を構成する1又は複数の構成要素を含む。なお、流体圧駆動弁10の詳細は後述する。
【0013】
物理量計測装置2は、計測対象となる流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10を構成する構成要素の物理量を計測した物理量情報を取得する。物理量計測装置2は、流体圧駆動弁10に組み込まれて設けられてもよいし、流体圧駆動弁10と別体の装置として流体圧駆動弁10に設けられてもよい。物理量情報は、例えば、流体圧駆動弁10に設置された各種センサ等から得られる計測データ又は計測データを処理した処理データ等である。その際、物理量情報は、センサから得られる計測データ(以下では、処理データを含むものとする)を所定のサンプリング周期やサンプリング周波数で記録したものでもよい。
【0014】
携帯端末装置3は、流体圧駆動弁10の設置場所の近くに所在する保全員Mにより使用される装置であり、例えば、携帯型コンピュータで構成される。携帯端末装置3は、アプリケーションやブラウザ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、各種の情報を表示画面(所感情報の入力画面等)に表示する。携帯端末装置3は、流体圧駆動弁10に対する保全員Mの所感情報の入力操作を受け付けると、その所感情報と、その所感情報が保全員Mにより入力された入力時刻と、その所感情報の入力対象としての流体圧駆動弁10を特定するための機器特定情報とをデータ管理装置4にアップロードする。
【0015】
データ管理装置4は、例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータで構成される。データ管理装置4は、物理量計測装置2から受信した物理量情報と、携帯端末装置3から受信した所感情報及び入力時刻とを、機器特定情報に基づいて特定される機器別又は構成要素別に関連付けて管理情報を作成する管理制御部41と、管理制御部41が作成した管理情報を格納する管理記憶部42と、を有する。なお、データ管理装置4の詳細は後述する。
【0016】
所感情報は、流体圧駆動弁10に対する所感を保全員Mが直感的に発した音声データや文字データ(テキストデータ)等でよい。音声データの場合、携帯端末装置3は、音声データを文字データに変換すると好ましい。また、所感情報は、保全員Mの発汗量や心拍数等の生体データでもよい。生体データの場合、携帯端末装置3は、発汗量又は心拍数が高い場合に「異常あり」、低い場合に「異常なし」等の文字データに変換すると好ましい。入力時刻は、携帯端末装置3に内蔵された時計等から取得すればよい。
【0017】
機器特定情報は、流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素を特定するための情報である。機器特定情報としては、例えば、流体圧駆動弁10毎又は流体圧駆動弁10の構成要素毎に一意に付与されたID番号等の機器識別番号や、携帯端末装置3の位置を特定する端末位置情報等が挙げられるが、これらに限られない。
【0018】
機器識別番号については、例えば、以下の手法で取得される。例えば、流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素に、機器識別番号や情報送信先のアドレス等を記録したコード画像(一次元コード、二次元コード等)やIDタグ(RFID等)がある場合には、携帯端末装置3が、携帯端末装置3のカメラで撮像したコード画像に対するコード認識機能や、IDタグのタグ読取機能によって機器識別番号を取得すればよい。流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素に、機器識別番号を印字したシールがある場合には、携帯端末装置3が、携帯端末装置3のカメラで撮像したシールに対する文字認識機能によって機器識別番号を取得すればよい。なお、携帯端末装置3が、保全員Mによる機器識別番号を入力する入力操作を受け付けることによって機器識別番号を取得してもよい。端末位置情報については、携帯端末装置3が、例えば、携帯端末装置3のGPS、Wi-Fi、ビーコン、慣性航法センサ、地磁気センサ等の位置検出機能によって端末位置情報を取得すればよい。
【0019】
機器特定情報が機器識別番号の場合、機器識別番号によって流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素が直接的に特定される。機器特定情報が端末位置情報の場合、端末位置情報によって流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素が間接的に特定される。具体的には、保守管理者Aが、流体圧駆動弁10の登録位置情報を予めデータ管理装置4に登録する。携帯端末装置3は、所感情報及び入力時刻とともに、機器特定情報としての端末位置情報をデータ管理装置4に送信する。データ管理装置4は、携帯端末装置3から受信した端末位置情報と、予め登録された流体圧駆動弁10の登録位置情報とを照合することにより、端末位置情報に最も近い登録位置情報を持つ流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素が特定される。いずれの場合であっても、データ管理装置4は
、複数の流体圧駆動弁10又は複数の流体圧駆動弁10の構成要素の中から、携帯端末装置3から受信した機器特定情報に基づいて、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10又は流体圧駆動弁10の構成要素を特定し、物理量計測装置2から受信した物理量情報と、携帯端末装置3から受信した所感情報及び入力時刻とを関連付けて管理情報を作成すればよい。
【0020】
機器管理者端末装置7は、流体圧駆動弁10の設置場所から離れた遠隔地に所在する機器管理者Uにより使用される装置であり、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成される。機器管理者端末装置7は、アプリケーションやブラウザ等のプログラムがインストールされて、各種の入力操作を受け付けるとともに、各種の情報(管理情報、管理日報等)を表示画面に表示する。
【0021】
ネットワーク8は、任意の通信規格に従って有線通信又は無線通信、あるいは、有線通信と無線通信の組合せにより構成される。具体的には、例えば、インターネット等の標準化された通信網、又はローカルネットワーク等の建物内で管理される通信網、あるいは、これらの通信網の組合せを利用することができる。
【0022】
なお、データ管理システム1は、データ管理装置4が作成した管理情報に基づいて学習モデルを生成する機械学習装置5と、機械学習装置5が学習した学習モデルを用いて流体圧駆動弁10の状態を予測する情報処理装置6と、をさらに備えてもよい。
【0023】
機械学習装置5は、機械学習の学習フェーズの主体として動作し、例えば、データ管理装置4が物理量情報と物理量情報に関連付けられた所感情報とで作成した機械学習に用いられる学習用データセットを取得し、情報処理装置6にて用いられる学習モデルを機械学習により生成する。学習済みの学習モデルは、ネットワーク8や記録媒体等を介して情報処理装置6に提供される。
【0024】
情報処理装置6は、機械学習の推論フェーズの主体として動作し、機械学習装置5により生成された学習モデルを用いて、作動中の物理量情報から流体圧駆動弁10の状態を予測し、その予測した結果である流体圧駆動弁10の状態情報を、データ管理装置4又は機器管理者端末装置7等の少なくとも1つに送信する。
【0025】
各装置3~7は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図5参照)で構成されるとともに、ネットワーク8を介して各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、各装置3~7の数は、図1の例に限らず、1つでもよいし、複数でもよい。
【0026】
(流体圧駆動弁10)
図2は、本発明の実施形態に係る流体圧駆動弁10の一例を示す概略構成図である。流体圧駆動弁10は、主弁30と、駆動装置40と、電磁弁50と、を備えて構成される。
【0027】
図2に示す流体圧駆動弁10は、エアーレスクローズ方式が採用されている。定常運転時は、空気供給源13から電磁弁50を介して駆動装置40に空気A(給気)を供給することで、主弁30が開操作され、緊急停止時や試験運転時は、駆動装置40から電磁弁50を介して空気A(排気)を排出することで、主弁30が閉操作される。なお、流体圧駆動弁10は、エアーレスオープン方式を採用したものでもよく、その場合には、駆動装置40に空気Aを供給することで閉操作され、駆動装置40から空気Aを排出することで主弁30を開操作される。
【0028】
流体圧駆動弁10には、空気Aの流路として、空気供給源13及び電磁弁50の間を接続する第1の空気配管130と、電磁弁50及び駆動装置40の間を接続する第2の空気
配管131とが設けられる。なお、駆動流体は、上記の空気Aに限られず、他の気体でもよいし、液体(例えば、油)でもよい。
【0029】
流体圧駆動弁10には、外部装置14及び電磁弁50の間で各種のデータを送受信する通信ケーブル140と、外部電源15から電磁弁50に電力を供給する電力ケーブル150とが接続される。
【0030】
外部装置14は、流体圧駆動弁10との間で各種の情報を送受信する装置である。外部装置14は、例えば、設備管理用のコンピュータ(ローカルサーバ及びクラウドサーバを含む)、作業者用のコンピュータ、データ保存用の記憶装置や記憶媒体等で構成される。なお、外部装置14及び電磁弁50の間の通信は、任意の通信規格が採用され、無線通信でもよい。本実施形態においては、外部装置14は、データ管理装置4等に該当する。
【0031】
図2に示す主弁30には、ボールバルブが採用されている。主弁30は、その具体的な構成として、配管11の途中に配置される弁箱32と、弁箱32内に回動可能に設けられたボール状の弁体31とを備え、弁体31の上部には、弁軸12が連結されている。弁軸12が0度~90度に回動されることに応じて弁箱32内で弁体31が回動し、主弁30の全開状態(図2に示す状態)と全閉状態が切り替えられる。なお、主弁30として用いられる弁は、ボールバルブに限られず、例えば、バタフライバルブやその他のオンオフ弁であってもよい。
【0032】
図2に示す駆動装置40には、単作動式のエアシリンダ機構が採用されている。駆動装置40は、その具体的な構成として、スプリング室470及びシリンダ室480を有するシリンダ400と、シリンダ400内に往復直線移動可能に設けられピストンロッド410を介して連結された一対のピストン420A、420Bと、第1のピストン420A側のスプリング室470に設けられたコイルばね430と、第2のピストン420B側のシリンダ室480に接続された空気給排口440と、シリンダ400を径方向に沿って貫通するように配置された弁軸12とピストンロッド410とが直交する部分に設けられた伝達機構450と、を備える。なお、駆動装置40は、単作動式に限られず、例えば、複作動式等の他の形式で構成されていてもよい。
【0033】
第1のピストン420Aは、コイルばね430により主弁30を閉じる方向に付勢される。第2のピストン420Bは、空気給排口440から供給された空気A(給気)によりコイルばね430の付勢力に抗して主弁30を開く方向に押圧される。伝達機構450は、ラックアンドピニオン機構、スコッチヨーク機構、リンク機構、カム機構等で構成されており、ピストンロッド410の往復直線運動を回動運動に変換して弁軸12に伝達するものである。
【0034】
図2に示す電磁弁50には、2ポジションでノーマルクローズタイプ(通電時「開」、非通電時「閉」)の三方電磁弁が採用されている。電磁弁50は、その具体的な構成として、収容部500の内部に、空気Aが流れる流路を切り替えるスプール部510と、通電状態(通電時又は非通電時)に応じてスプール部510を変位させるソレノイド部520と、電磁弁50の各部の物理量や状態量を計測するセンサ群530とを備える。なお、電磁弁50は、2ポジションでノーマルクローズタイプの三方電磁弁に限られず、3ポジションでもよく、ノーマルオープンタイプでもよく、四方電磁弁等でもよく、任意の組み合わせに基づく各種の形成で構成されていてもよい。
【0035】
収容部500は、屋内型又は防爆型の電磁弁50のハウジングとして機能する。収容部500は、弁軸12(第3の軸12c)が挿入される軸挿入口501と、通信ケーブル140及び電力ケーブル150が挿入されるケーブル挿入口502とを備える。
【0036】
スプール部510は、空気供給源13に第1の空気配管130を介して接続される入力ポート511と、駆動装置40に第2の空気配管131を介して接続される出力ポート512と、駆動装置40からの排気を排出する排気ポート513とを備える。
【0037】
ソレノイド部520は、通電時に、入力ポート511と出力ポート512との間を連通するように、スプール部510を変位させ、非通電時に、出力ポート512と排気ポート513との間を連通するように、スプール部510を変位させる。
【0038】
センサ群530は、収容部500の内部の各所に配置される。センサ群530は、例えば、入力ポート511に連通する第1の流路503を流れる空気Aの流体圧を計測する第1の圧力センサ531と、出力ポート512に連通する第2の流路504を流れる空気Aの流体圧を計測する第2の圧力センサ532と、弁軸12(第3の軸12c)が回動するときの回動角度を計測し、その回動角度に応じて主弁30の弁開度情報を取得する主弁開度センサ533とを備える。
【0039】
主弁開度センサ533は、例えば、磁気センサにより構成されており、弁軸12(第3の軸12c)に取り付けられた永久磁石120が発生する磁気の強さを計測し、その磁気の強さに応じて主弁30の弁開度情報を取得する。
【0040】
弁軸12は、回動可能なシャフト状に形成され、第1の軸12aと、第2の軸12bと、第3の軸12cとから構成される。第1の軸12aの両端部は、カップリングやコネクタ等を介して第2の軸12b及び第3の軸12cにそれぞれ連結されて、第1の軸12a、第2の軸12b及び第3の軸12cは同軸上に配置される。第1の軸12aは、駆動装置40を貫通するように配置され、駆動装置40により駆動される。第2の軸12bは、第1の軸12aに連結されるとともに主弁30に連結される。第3の軸12cは、第1の軸12aに連結されるとともに電磁弁50の収容部500に挿入されて軸支される。弁軸12は、駆動装置40により第1の軸12aが駆動されることに同期して、全体として回動運動を行う。
【0041】
上記の構成を有する流体圧駆動弁10において、電磁弁50が通電状態である場合には、空気供給源13からの空気A(給気)が、第1の空気配管130、入力ポート511、出力ポート512及び第2の空気配管131の順に流れて、空気給排口440に供給されることで、第2のピストン420Bが押圧されてコイルばね430が圧縮する。そして、コイルばね430の圧縮に応じてピストンロッド410が移動した分だけピストンロッド410及び伝達機構450を介して第1の軸12a(弁軸12)が回動されると、弁箱32内で弁体31が回動し、主弁30が全開状態に操作される。
【0042】
一方、電磁弁50が非通電状態である場合には、シリンダ400内の空気A(排気)が、空気給排口440から第2の空気配管131、出力ポート512及び排気ポート513の順に流れて、外気に排出されることで、第2のピストン420Bの押圧力が低下し、コイルばね430が圧縮状態から復元する。そして、コイルばね430の復元に応じてピストンロッド410が移動した分だけ伝達機構450を介して第1の軸12a(弁軸12)が回動されると、弁箱32内で弁体31が回動し、主弁30が全閉状態に操作される。
【0043】
図3は、本発明の実施形態に係る流体圧駆動弁10の一例を示す概略ブロック図である。電磁弁50は、図3に示すように、電気的な構成例として、上記のソレノイド部520及びセンサ群530の他に、電磁弁50を制御する制御部540と、外部装置14と通信するための通信部550と、外部電源15に接続される電源回路部560とを備える。
【0044】
センサ群530は、上記の第1の圧力センサ531、第2の圧力センサ532、主弁開度センサ533の他に、ソレノイド部520に対する供給電圧を計測する電圧センサ534と、ソレノイド部520における通電時の電流値及び非通電時の抵抗値を計測する電流・抵抗センサ535と、収容部500の内部温度を計測する温度センサ536と、ソレノイド部520が発生する磁気の強さを計測する磁気センサ537と、を備える。
【0045】
また、センサ群530は、各部の動作履歴に関する情報を取得するセンサ群として、流体圧駆動弁10の稼働時間としてソレノイド部520に対する通電時間の合計及び現在の通電連働時間の少なくとも一方を計測する稼働時間計(タイマ)538と、電磁弁50、駆動装置40及び主弁30それぞれの作動回数を計数する作動カウンタ(カウンタ)539とを備える。
【0046】
なお、センサ群530は、上記のようにセンサが個別に設けられたものに限られず、特定のセンサが他のセンサの機能を兼ねることで、その他のセンサが個別に設けられていなくてもよい。例えば、磁気センサ537が、ソレノイド部520が発生する磁気の強さを計測するとともに、その磁気の強さに基づいてソレノイド部520における通電時の電流値を求めることで、電流・抵抗センサ535が個別に設けられていなくてもよい。また、コントローラ541が、センサの機能を内蔵したり、センサの機能の一部を実現したりしてもよく、例えば、コントローラ541が、稼働時間計538及び作動カウンタ539を内蔵することで、稼働時間計538及び作動カウンタ539が個別に設けられていなくてもよい。
【0047】
制御部540、通信部550及び電源回路部560は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図5参照)で構成される。
【0048】
制御部540は、センサ群530により計測された流体圧駆動弁10の各部の物理量や状態量を示す情報を処理するとともに、流体圧駆動弁10の各部を制御するコントローラ541と、ソレノイド部520の通電状態を制御し、試験運転時における主弁30の開閉操作を行うバルブテストスイッチ542とを備える。
【0049】
コントローラ541には、例えば、状態判定装置70が組み込まれており、コントローラ541は、状態判定装置70を実現する機能を含む。なお、状態判定装置70の全て又は一部の構成は、他の機器、例えば、外部装置14や流体圧駆動弁10に接続された他の装置(例えば、情報処理装置6)で実現されてもよい。
【0050】
バルブテストスイッチ542は、所定の試験運転条件が満たされた場合にコントローラ541からの指令を受けて、所定の開閉操作を行う試験運転として、流体圧駆動弁10のストロークテストを実行する。
【0051】
ストロークテストは、例えば、フルストロークテスト及びパーシャルストロークテストのいずれかにより実行される。フルストロークテストは、主弁30を全開状態において通電状態から非通電状態に切り替えることで全閉状態に操作し、全閉状態において非通電状態から通電状態に切り替えることで全開状態に戻すことで実行される。パーシャルストロークテストは、主弁30を全閉状態に操作することなく(すなわち、設備を停止することなく)、主弁30を全開状態において通電状態から非通電状態に切り替えることで所定の開度まで部分的に閉じて、部分的な閉状態において非通電状態から通電状態に切り替えることで全開状態に戻すことで実行される。
【0052】
なお、試験運転条件としては、例えば、管理者により設定値として指定された実行頻度(例えば、1年に1回)による実行時期や特定の指定日時が到来したり、外部装置14か
らの実行命令を受け付けたり、電磁弁50に設けられた試験実行ボタン(不図示)が管理者により操作されたりした場合に、試験運転条件を満たすものとして、試験運転(ストロークテスト)が実行されるようにすればよい。
【0053】
流体圧駆動弁10のセンサ群530は、図1に示した物理量計測装置2を構成する。物理量計測装置2による計測対象の物理量は、例えば、圧力、弁開度、電圧、電流、温度等である。物理量計測装置2は、例えば、センサ群530に示された第1の圧力センサ531、第2の圧力センサ532、主弁開度センサ533、電圧センサ534、電流・抵抗センサ535、温度センサ536、及び、磁気センサ537等で構成される。なお、計測対象の物理量は、上記の例に限られず、例えば、加速度(振動)、速度、変位、環境音、荷重等の物理量でもよく、その場合には、加速度センサ、速度センサ、変位センサ、音センサ、荷重センサ等の物理量計測装置2が用いられる。また、物理量計測装置2は、複数の物理量をそれぞれ計測するため、複数のセンサを含むものでもよい。物理量計測装置2は、計測された物理量を示すアナログ信号がデジタル信号に変換された物理量情報を処理する。処理された物理量情報は、データ管理装置4によって使用される。
【0054】
(データ管理装置(クラウド))
図4は、本発明の実施形態に係るデータ管理装置4の一例を示す概略ブロック図である。データ管理装置4は、その主要な構成要素として、管理制御部41と、管理記憶部42と、管理通信部43と、管理入力部44と、管理出力部45と、を備える。
【0055】
管理制御部41は、例えば、管理記憶部42に記憶されたデータ管理プログラム42aを実行することにより、管理処理部41aとして機能する。管理通信部43は、ネットワーク8を介して、例えば、物理量計測装置2、携帯端末装置3、及び、機器管理者端末装置7等との間で各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。管理記憶部42は、各種のデータ、データ管理装置4の動作で使用される各種のプログラム(データ管理プログラム42a等)及びデータ(管理設定情報42b等)等を記憶する。管理設定情報42bは、データ管理装置4が動作する際に管理制御部41により参照される各種の設定パラメータである。図4に示すように、管理設定情報42bには、例えば、機器又は構成要素の登録位置情報と、その登録位置情報に対応する機器識別番号とが機器別又は構成要素別に含まれる。なお、登録位置情報は、緯度経度等でもよいし、予め定めた独自のデータ形式でもよい。管理入力部44及び管理出力部45は、保守管理者Aの入力操作を受け付けるとともに、各種の情報を表示画面や音声を介して出力することでユーザインターフェースとして機能する。
【0056】
管理処理部41aは、携帯端末装置3から取得した機器特定情報に基づいて、物理量計測装置2から取得した物理量情報と、携帯端末装置3から取得した所感情報及び入力時刻とを関連付けて管理情報を作成する。例えば、物理量計測装置2及び携帯端末装置3が、管理通信部43を介して管理処理部41aとの通信を開始し、携帯端末装置3から所感情報、入力時刻及び機器特定情報等を受信すると、管理処理部41aは、管理情報を作成する管理処理を実行する。
【0057】
管理処理として、管理処理部41aは、機器特定情報に基づいて所感情報の入力対象である機器又は構成要素を特定する。管理処理部41aは、その機器特定情報に基づいて特定された機器又は構成要素を計測対象とする物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された所感情報及び入力時刻とを関連付けることで管理情報を作成する。その際、管理処理部41aは、機器特定情報に基づいて特定された機器又は構成要素を計測対象とし、当該機器特定情報とともに取得された入力時刻を含む所定の期間に物理量を計測した物理量情報と、当該機器特定情報とともに取得された所感情報とを関連付けた管理情報を作成してもよい。
【0058】
管理処理部41aによって作成された管理情報は、機器管理者端末装置7に送信される。なお、管理情報は、管理記憶部42に記憶し、アプリケーションやブラウザ等により参照可能にしてもよい。さらに、管理制御部41は、管理情報を解析して詳細な診断を行ってもよい。
【0059】
(コンピュータ)
図5は、本発明の実施形態に係るデータ管理システム1の各制御部を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【0060】
本実施形態のデータ管理システム1の制御部は、流体圧駆動弁10の制御部540、及び、データ管理装置4の管理制御部41によって構成される。それぞれは、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。なお、データ管理装置4自体がコンピュータ900により構成されてもよい。コンピュータ900は、図5に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0061】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU、MPU、GPU、DSP等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等)とで構成される。
【0062】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン、マイク、カメラ等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0063】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。無線通信の手段は、典型的には国際規格の通信手段が用いられる。国際規格の通信手段として、IEEE802.15.4、IEEE802.15.1、IEEE802.15.11a、11b、11g、11n、11ac、11ad、ISO/IEC14513-3-10、IEEE802.15.4g等の方式がある。また、Bluetooth(登録商標)、BluetoothLowEnergy、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、Sub-GHz、EnOcean(登録商標)等を用いることもできる。
【0064】
I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やア
クチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア970に対してデータの読み書きを行う。
【0065】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、プログラム930をメモリ914のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、メモリ914の代わりに、ストレージ装置920に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でCD、DVD等の非一時的な記録媒体に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部222を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0066】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。コンピュータ900は、データ管理装置4以外の携帯端末装置3、機械学習装置5、情報処理装置6、機器管理者端末装置7等の他の装置に適用されてもよい。
【0067】
(各種情報)
図6は、本実施形態に係るデータ管理装置4によって作成された管理情報のデータ形式の一例を示す図である。図7は、本実施形態に係る機器識別番号の一例を示す図である。図8は、本実施形態に係る所感情報の一例を示す図である。
【0068】
本実施形態のデータ管理装置4によって作成された管理情報は、例えば、図6に示すように、機器識別番号、入力時刻、所感情報、物理量情報等が関連付けられている。すなわち、管理情報は、機器特定情報によって特定された機器識別番号の流体圧駆動弁10に対して、保全員Mにより入力された所感情報と、所感情報が入力された入力時刻における物理量情報等が関連付けられている。なお、図7には、機器識別番号「MA100」の流体圧駆動弁10、機器識別番号「MA200」の流体圧駆動弁10、及び、機器識別番号「MA300」の流体圧駆動弁10に対する管理情報が、3つのテーブル形式で管理されている場合が図示されているが、他の流体圧駆動弁10に対する管理情報についても同様に作成される。なお、データ形式は、テーブル形式に限られず、適宜変更してもよい。また、管理情報には、例えば、機器特定情報として取得された端末位置情報や、所感情報を入力した保全員Mに一意に付与された保全員識別番号が関連付けられてもよい。
【0069】
機器識別番号は、図7に示すように、流体圧駆動弁10毎又は流体圧駆動弁10の構成要素毎に一意に付与されたID番号等である。機器識別番号は、機器特定情報に基づいて直接的又は間接的に特定される。
【0070】
入力時刻は、保全員Mが所感情報を入力したときの時刻である。入力時刻は、例えば、携帯端末装置3に内蔵された時計等から取得される。
【0071】
所感情報は、図8に示すように、保全員Mから入力される情報であって、例えば、「異常なし」、「異常あり」、「異音あり」、「何かおかしい」等の情報である。所感情報は、保全員Mが発した音声データ、音声データから変換された文字データ、保全員Mが文字
入力した文字データ、保全員Mが予め定型の文章や選択肢から選択した選択データ、保全員Mの発汗量や心拍数等の生体データ、生体データから変換された文字データ等である。なお、所感情報は、これらの1つでもよいし、これらを任意に組み合わせたものでもよい。
【0072】
物理量情報は、例えば、計測対象となる流体圧駆動弁10のセンサ群530により各種の物理量を計測した計測データである。なお、物理量情報は、センサ群530の全てのセンサにより計測された計測データでもよいし、センサ群530から選択された特定のセンサ(1つでも複数でもよい)により計測された計測データでもよい。その際、特定のセンサは、保守管理者Aによって予め選択されていてもよいし、所感情報の内容に応じて選択されてもよい。例えば、所感情報が「異音」に関する内容を含む場合には、加速度センサや音センサが選択されてもよい。また、物理量情報は、入力時刻を含む所定の期間に各種の物理量を計測した計測データでもよい。その際、入力時刻を含む所定の期間は、入力時刻よりも前の入力前時刻と入力時刻との間の期間でもよいし、入力時刻と入力時刻よりも後の入力後時刻との間の期間でもよいし、入力前時刻と入力後時刻との間の期間でもよい。所定の期間は、保守管理者Aによって予め定められてもよいし、所感情報の内容に応じて定められてもよい。例えば、所感情報が「異音」に関する内容を含む場合には、異音の解析に必要な期間が定められてもよい。
【0073】
(管理日報)
図9は、本実施形態に係るデータ管理システム1によって取得できる管理情報から作成した管理日報の一例を示す図である。
【0074】
本実施形態のデータ管理装置4は、上記のような管理情報を用いて、機器管理者U毎に予め定めたテンプレートで管理日報を作成する。管理日報は、例えば、図9に示すように、物理量計測装置2から取得した物理量情報と、携帯端末装置3から取得した所感情報及び入力時刻と、携帯端末装置3から取得した機器特定情報に基づいて特定された機器又は機器の構成要素を示す機器識別番号とを載せて作成される。機器管理者Uは、データ管理装置4によって作成された管理日報を機器管理者端末装置7にインストールされたアプリやブラウザ等で見ることができる。また、機器管理者Uは、データ管理装置4によって作成された管理日報をPDF等のファイル形式でダウンロードすることができる。
【0075】
図9に示す管理日報では、保全員Mが9:00に点検した際には「異常なし」と判定され、流体圧駆動弁10は正常に運転中であると判断されたことがわかる。また、保全員Mが13:00に点検した際には「違和感あり」と判定され、流体圧駆動弁10に何かしらの違和感があると判断されたことがわかる。保全員Mが17:00に点検した際には「異常あり」と判定され、流体圧駆動弁10に何かしらの異常が感じられたと判断されたことがわかる。
【0076】
このように、データ管理装置4は、計測対象となる流体圧駆動弁10の物理量を計測した物理量情報と、流体圧駆動弁10に対する入力者の所感を示す所感情報と、所感情報が入力された入力時刻と、所感情報の入力対象としての流体圧駆動弁10を特定するための機器特定情報とを取得し、機器特定情報に基づいて特定される流体圧駆動弁10を計測対象とする物理量情報と、その機器特定情報とともに取得された所感情報及び入力時刻とを関連付けた流体圧駆動弁10の管理情報を作成するので、機器の状態と保全員Mの所感を関連付けた報告をすることができる。
【0077】
また、データ管理装置4は、管理情報から、機器管理者U毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成するので、各機器管理者Uにとって見やすく使いやすい管理日報を作成することができる。
【0078】
(第1実施形態のデータ管理方法)
図10は、第1実施形態に係るデータ管理システム1によって実行されるデータ管理方法の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態のフローチャートは、物理量計測装置2、携帯端末装置3、データ管理装置4、及び、機器管理者端末装置7等によって実行される。
【0079】
第1実施形態のデータ管理方法は、まず、ステップS311において、携帯端末装置3は、保全員Mから所感情報を取得する。そして、携帯端末装置3は、そのときの時刻を示す入力時刻と、機器特定情報として、そのときの携帯端末装置3(保全員M)の位置を特定する端末位置情報とを取得する。
【0080】
続いて、ステップS312において、携帯端末装置3は、所感情報、所感情報の入力時刻、及び、機器特定情報としての端末位置情報をデータ管理装置4(クラウド)へアップロード(送信)する。
【0081】
次に、ステップS411において、データ管理装置4は、所感情報、入力時刻、及び、端末位置情報を受信(取得)する。そして、データ管理装置4は、管理設定情報42b(図4参照)に予め登録された流体圧駆動弁10の登録位置情報と携帯端末装置3から受信した端末位置情報とを照合して、端末位置情報に最も近い登録位置情報を持つ流体圧駆動弁10の機器識別番号を、所感情報の入力対象として特定する。例えば、携帯端末装置3から受信した端末位置情報に最も近い登録位置情報が「Aa10」である場合には、その登録位置情報「Aa10」に対応する機器識別番号「MA100」が、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10として特定される。
【0082】
続いて、ステップS412において、データ管理装置4は、ステップS411で特定した機器識別番号が示す流体圧駆動弁10に設けられた物理量計測装置2に物理量情報の送信を要求する。続いて、ステップS211において、物理量計測装置2は、データ管理装置4からの要求に対する応答として、物理量情報をデータ管理装置4に通知する。
【0083】
次に、ステップS413において、データ管理装置4は、端末位置情報に基づいて特定された機器識別番号が示す流体圧駆動弁10を計測対象とする物理量情報を受信(取得)する。続いて、ステップS414において、データ管理装置4は、その物理量情報と、その端末位置情報に基づいて特定された機器識別番号と、その機器特定情報とともに受信された所感情報及び入力時刻とを関連付けた管理情報を作成する。
【0084】
次に、ステップS415において、データ管理装置4は、ステップ414で作成した管理情報から、機器管理者U毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成する。その際、テンプレートとしては、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10の機器管理者Uに対するテンプレートが用いられる。そして、データ管理装置4は、その管理日報を、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10の機器管理者Uが使用する機器管理者端末装置7に送信する。続いて、ステップS511において、機器管理者端末装置7は、管理日報を受信し、例えば、表示画面に表示する。
【0085】
このように、本実施形態のデータ管理方法によれば、端末位置情報に基づいて特定される流体圧駆動弁10を計測対象とする物理量情報と、その端末位置情報とともに取得された所感情報及び入力時刻とを関連付けた流体圧駆動弁10の管理情報を作成するので、機器の状態と保全員Mの所感を関連付けた報告をすることができる。
【0086】
(第2実施形態のデータ管理方法)
図11は、第2実施形態に係るデータ管理システム1によって実行されるデータ管理方法の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態のフローチャートは、物理量計測装置2、携帯端末装置3、データ管理装置4、及び、機器管理者端末装置7等によって実行される。
【0087】
第2実施形態のデータ管理方法は、まず、ステップS321において、携帯端末装置3は、保全員Mから所感情報を取得する。そして、携帯端末装置3は、そのときの時刻を示す入力時刻と、機器特定情報として、そのときの所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10を示す機器識別番号とを取得する。
【0088】
続いて、ステップS322において、携帯端末装置3は、所感情報、所感情報の入力時刻、及び、機器特定情報としての機器識別番号をデータ管理装置4(クラウド)へアップロード(送信)する。
【0089】
次に、ステップS421において、データ管理装置4は、所感情報、入力時刻、及び、機器識別番号を受信(取得)する。
【0090】
続いて、ステップS422において、データ管理装置4は、ステップS421で受信した機器識別番号が示す流体圧駆動弁10に設けられた物理量計測装置2に物理量情報の送信を要求する。続いて、ステップS221において、物理量計測装置2は、データ管理装置4からの要求に対する応答として、物理量情報をデータ管理装置4に通知する。
【0091】
次に、ステップS423において、データ管理装置4は、機器識別番号が示す流体圧駆動弁10を計測対象とする物理量情報を受信(取得)する。続いて、ステップS424において、データ管理装置4は、その物理量情報と、その機器識別番号と、その機器識別番号とともに受信された所感情報及び入力時刻とを関連付けた管理情報を作成する。
【0092】
次に、ステップS425において、データ管理装置4は、ステップ424で作成した管理情報から、機器管理者U毎に予め定めたテンプレートに基づいた管理日報を作成する。その際、テンプレートとしては、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10の機器管理者Uに対するテンプレートが用いられる。そして、データ管理装置4は、その管理日報を、所感情報の入力対象である流体圧駆動弁10の機器管理者Uが使用する機器管理者端末装置7に送信する。続いて、ステップS521において、機器管理者端末装置7は、管理日報を受信し、例えば、表示画面に表示する。
【0093】
このように、本実施形態のデータ管理方法によれば、機器識別番号に基づいて特定される流体圧駆動弁10を計測対象とする物理量情報と、その機器識別番号とともに取得された所感情報及び入力時刻とを関連付けた管理情報を作成するので、機器の状態と保全員Mの所感を関連付けた報告をすることができる。
【0094】
(機械学習のためのアノテーション)
図12は、本実施形態に係るデータ管理システム1によって作成された管理情報を機械学習のためのアノテーションに利用する一例を示す図である。
【0095】
データ管理システム1によって関連付けられた物理量情報と所感情報とは、機械学習のためのアノテーションに利用してもよい。本実施形態のデータ管理システム1は、物理量情報に関連付けられた所感情報に基づいて、例えば、正常ラベルを付与した物理量情報と、異常ラベルを付与した物理量情報とを作成することにより、教師有り学習における分類問題用の学習用データセットを作成する。なお、正常ラベルと、異常ラベルの2クラスのラベルを付与して分類する代わりに、3クラス以上の多クラスのラベルを付与して分類し
てもよい。すなわち、管理情報を用いたアノテーションでは、所感情報の内容に応じたそれぞれのクラスでラベルを用意しておくことで、任意の分類問題用の学習用データセットを作成することができる。
【0096】
学習用データセットを作成する場合、物理量情報は、入力時刻を含む所定の期間に流体圧駆動弁10又はその構成要素の物理量を計測した計測データであり、所感情報は、流体圧駆動弁10又はその構成要素の状態を表す情報を含むものであることが好ましい。その際、物理量情報と物理量情報に関連付けられた所感情報に基づくラベルとを紐付け分類することで、機械学習に用いられる学習用データセットを作成する。このように、物理量を計測する期間が特定された物理量情報と、所感情報に基づくラベルとを紐付けすることが、分類問題の学習モデルにおけるアノテーションにとって効果的であり、学習用データセットを容易に作成することができる。
【0097】
例えば、所感情報は、図8に示すように、大きく「異常なし」と「異常あり」に分けられる。データ管理装置4は、物理量情報をそれぞれの事象毎に「異常なし」又は「異常あり」のラベルを付けたデータを作成する。機械学習は、ラベル付けされたデータを用いて本実施形態に係るデータ管理システム1の機械学習装置5又は外部の機械学習装置において実行されればよい。なお、機械学習の手法や学習モデルの構成は適宜選択すればよい。
【0098】
なお、「異常あり」のラベルは、「異常1」と「異常2」等に細分化してもよい。例えば、「異常1」は、「違和感あり」や「何かおかしい」等の異常がありそうな段階でよく、「異常2」は、「異常あり」や「異音あり」等の確実に異常がある段階でよい。また、異常は、「シリンダ異常」や「外部空気漏れ」等のように、具体的な箇所や原因を特定するように細分化してもよい。
【0099】
このように、本実施形態のデータ管理システム1は、物理量情報と物理量情報に関連付けられた所感情報とで機械学習に用いられる学習用データセットを作成するので、状態診断(例えば、異常診断)のための教師有りの学習モデルを効率的に学習可能とする。すなわち、熟練した保全員Mのノウハウを反映した学習モデルを効率的に作成することができる。
【0100】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0101】
上記実施形態では、データ管理装置4、機械学習装置5及び情報処理装置6は、別々の装置で構成されたものとして説明した。これに対し、データ管理装置4、機械学習装置5及び情報処理装置6は、単一の装置又は任意に組み合わせによる2つの装置で構成されていてもよい。また、情報処理装置6は、機器(例えば、流体圧駆動弁10のコントローラ541)に組み込まれてもよい。
【0102】
上記実施形態では、データ管理装置4は、ステップS412、S422において、所感情報の入力対象である機器又は構成要素の物理量を計測する物理量計測装置2に物理量情報を要求することにより、ステップS413、S423において、物理量情報を取得するものとして説明した。これに対し、物理量計測装置2が、上記の要求によらず、定期的にデータ管理装置4に物理量情報を送信し、データ管理装置4が、その物理量情報を機器別又は構成要素別に管理記憶部42に蓄積することにより、データ管理装置4は、所感情報の入力対象である機器又は構成要素の物理量が計測された物理量情報を管理記憶部42から取得してもよい。その際、データ管理装置4は、物理量情報として、入力時刻を含む所
定の期間に計測された計測データを取得してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…データ管理システム、2…物理量計測装置、3…携帯端末装置、
4…データ管理装置、41…管理制御部、41a…管理処理部、
42…管理記憶部、42a…データ管理プログラム、42b…管理設定情報、
43…管理通信部、44…管理入力部、45…管理出力部、
5…学習装置、6…情報処理装置、7…機器管理者端末装置、8…ネットワーク、
10…流体圧駆動弁、900…コンピュータ
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