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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127535
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電気部品
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240912BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036749
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】江川 悠樹
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA01
5H770DA02
5H770DA41
5H770KA01W
5H770PA12
5H770PA42
5H770PA43
5H770QA01
5H770QA06
5H770QA12
5H770QA22
5H770QA28
5H770QA31
(57)【要約】
【課題】コンデンサ素子に過度に熱が伝熱されることが抑制された電気部品を提供する。
【解決手段】電気部品10は、Yコンデンサ30と、バスバ112、122と、モータ4を収納する第1収納空間101、Yコンデンサとバスバを収納する第2収納空間102、および、区分壁153、161を有する筐体100と、を有する。Yコンデンサは、区分壁を介して、モータの斜向かいに配置されている。バスバは、厚さ方向に関して支持台に重なるとともに、コンデンサ素子に接続されるYコン接続部114、124を有している。Yコン接続部よりも幅方向一方側に位置する領域と、Yコン接続部よりも幅方向他方側に位置する領域のうち、モータの存在比率の低い側の対象領域114A、124Aに、コンデンサ素子の半分以上が設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子(31、32)、および、前記コンデンサ素子を支持する支持台(60)を有するYコンデンサ(30)と、
前記コンデンサ素子とインバータ(11)に電気的に接続されるバスバ(112、122)と、
前記Yコンデンサ、前記バスバ、および、前記インバータにつながるモータ(4)を収納する筐体(100)と、を備え、
前記筐体は、前記モータを収納する第1収納空間(101)と、前記Yコンデンサおよび前記バスバを収納する第2収納空間(102)と、前記第1収納空間と前記第2収納空間を厚さ方向(TD)で区分する区分壁(153、161)と、を有し、
前記筐体の幅方向(WD)に関して、前記Yコンデンサは、前記区分壁を介して、前記モータの斜向かいに配置され、
前記バスバは、前記厚さ方向に関して前記支持台に重なるとともに、前記コンデンサ素子に電気的に接続されるYコン接続部(114、124)を有し、
前記Yコン接続部と前記モータとが、前記厚さ方向に関して重複または非重複であり、
前記Yコン接続部よりも前記幅方向で一方側に位置する領域と、前記Yコン接続部よりも前記幅方向で他方側に位置する領域のうち、前記モータの存在比率の低い側の領域である対象領域(114A、124A)に、前記コンデンサ素子の半分以上が設けられている電気部品。
【請求項2】
前記Yコンデンサは、前記コンデンサ素子と前記Yコン接続部とを接続するYコンデンサバスバ(41、42)をさらに備え、
前記対象領域に、前記コンデンサ素子と前記Yコンデンサバスバとの接続部位が設けられている請求項1に記載の電気部品。
【請求項3】
前記Yコン接続部は、前記厚さ方向および前記幅方向とは異なる奥行方向(DP)に長手を有し、
前記対象領域において、前記Yコンデンサバスバの少なくとも一部が、前記奥行方向に前記Yコン接続部に沿って延びている請求項2に記載の電気部品。
【請求項4】
前記筐体はグラウンドに電気的に接続されており、
前記Yコンデンサは、前記コンデンサ素子と前記筐体とを接続するGNDバスバ(50)をさらに備え、
前記コンデンサ素子は、前記Yコンデンサバスバに接続されるP側素子端子(31A、31B)と、前記GNDバスバに接続されるN側素子端子(31B、32B)と、を有し、
前記P側素子端子と前記N側素子端子が前記奥行方向に並んでおり、
前記GNDバスバと前記筐体とを締結するGND側締結部材(71)、前記コンデンサ素子、および、前記Yコンデンサバスバと前記Yコン接続部とを締結する接続部側締結部材(72、73)が、前記奥行方向に関して、前記GND側締結部材、前記コンデンサ素子、前記接続部側締結部材の順に並んでいる請求項3に記載の電気部品。
【請求項5】
前記支持台は、前記コンデンサ素子の底部を固定するための接着剤(64)をさらに有し、
前記コンデンサ素子における前記底部を除く部位が前記接着剤から露出されている請求項4に記載の電気部品。
【請求項6】
前記支持台は、前記コンデンサ素子を支持するコンデンサ支持部(63)、前記GNDバスバを支持する第1支持部(61)、および、前記Yコンデンサバスバと前記Yコン接続部を支持する第2支持部(62)を有し、
前記奥行方向に関して、前記第1支持部、前記コンデンサ支持部、および、前記第2支持部が同一材料によって連なっている請求項5に記載の電気部品。
【請求項7】
前記厚さ方向に関して、前記Yコン接続部が前記コンデンサ素子の一部に重複している請求項1~6のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項8】
前記厚さ方向に関して、前記Yコン接続部が前記コンデンサ素子に非重複である請求項1~6のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項9】
前記コンデンサ素子、前記Yコン接続部、および、前記Yコンデンサバスバを2つずつ有し、
1つの前記Yコン接続部であるP側Yコン接続部(114)に対応する前記対象領域であるP側対象領域(114A)に、1つの前記コンデンサ素子であるP側コンデンサ素子(31)と、1つの前記YコンデンサバスバであるP側Yコンデンサバスバ(41)と、前記P側コンデンサ素子と前記P側Yコンデンサバスバとの第1接続部位が設けられ、
別の1つの前記Yコン接続部であるN側Yコン接続部(124)に対応する前記対象領域であるN側対象領域(124A)に、別の1つの前記コンデンサ素子であるN側コンデンサ素子(32)と、別の1つの前記YコンデンサバスバであるN側Yコンデンサバスバ(42)と、前記N側コンデンサ素子と前記N側Yコンデンサバスバとの第2接続部位が設けられ、
前記幅方向に関して、2つの接続部位および2つの前記Yコン接続部が、前記第1接続部位、前記P側Yコン接続部、前記第2接続部位、前記N側Yコン接続部の順に並んでいる請求項2に記載の電気部品。
【請求項10】
前記Yコンデンサは、2つの前記コンデンサ素子と前記筐体とを接続するGNDバスバ(50)をさらに備え、
前記GNDバスバは、幅方向WDに関して2つの前記コンデンサ素子の間で、前記筐体に接続されている請求項9に記載の電気部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の開示は、電気部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ギアトレインおよびモータを収容するハウジングの上部に、インバータ回路を構成するパワーモジュールを収容するハウジングが配置された構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-256983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パワーモジュールを収容するハウジングに、インバータ回路につながるYコンデンサが設けられると、モータからYコンデンサに輻射熱が伝熱することがある。Yコンデンサがモータに近いと、Yコンデンサに過度にモータの輻射熱が伝熱する虞がある。
【0005】
そこで本開示の目的は、コンデンサ素子に過度に熱が伝熱されることが抑制された電気部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による電気部品は、
コンデンサ素子(31、32)、および、コンデンサ素子を支持する支持台(60)を有するYコンデンサ(30)と、
コンデンサ素子とインバータ(11)に電気的に接続されるバスバ(112、122)と、
Yコンデンサ、バスバ、および、インバータにつながるモータ(4)を収納する筐体(100)と、を備え、
筐体は、モータを収納する第1収納空間(101)と、Yコンデンサおよびバスバを収納する第2収納空間(102)と、第1収納空間と第2収納空間を厚さ方向(TD)で区分する区分壁(153、161)と、を有し、
筐体の幅方向(WD)に関して、Yコンデンサは、区分壁を介して、モータの斜向かいに配置され、
バスバは、厚さ方向に関して支持台に重なるとともに、コンデンサ素子に電気的に接続されるYコン接続部(114、124)を有し、
Yコン接続部とモータとが、厚さ方向に関して重複または非重複であり、
Yコン接続部よりも幅方向で一方側に位置する領域と、Yコン接続部よりも幅方向で他方側に位置する領域のうち、モータの存在比率の低い側の領域である対象領域(114A、124A)に、コンデンサ素子の半分以上が設けられている。
【0007】
モータ(4)の存在比率の低い側の領域である対象領域(114A、124A)にコンデンサ素子(31、32)の半分以上が設けられているために、モータからコンデンサ素子(31、32)に過度にモータの輻射熱が伝熱されることが抑制される。
【0008】
なお、上記の括弧内の参照番号は、後述の実施形態に記載の構成との対応関係を示すものに過ぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電気部品の電気回路図である。
図2】電気部品の平面図である。
図3】電気部品の断面図である。
図4】Yコンデンサとバスバとの配置を説明する平面図である。
図5】Yコンデンサとバスバとの配置を説明する平面図である。
図6】Yコンデンサとバスバとの配置を説明する断面図である。
図7】第2実施形態におけるYコンデンサとバスバとの配置を説明する平面図である。
図8】第3実施形態におけるYコンデンサとバスバとの配置を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0011】
また、各実施形態で組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士、実施形態と変形例、および、変形例同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0012】
(第1実施形態)
<車載システム>
図1は、車載システム1に搭載される電気部品10の電気回路図である。電気部品10は電力変換装置と称される場合もある。車載システム1に、高圧バッテリ2、モータジェネレータ4、および、電気部品10が搭載されている。車載システム1が搭載される車両は、エンジンの駆動力とモータジェネレータ4の駆動力とを切り替えて、及び/又は、組み合わせて走行可能なハイブリッド自動車である。エンジンとモータジェネレータ4とはギア装置5を介して相互に連結されている。ギア装置5は動力を伝達する役割を有する。
【0013】
電気部品10は、P側高圧配線10A、N側高圧配線10B、インバータ11、連結バスバ14、制御回路基板15、平滑コンデンサ20、Yコンデンサ30、および、これらを収納する筐体100を有する。P側高圧配線10Aは高圧バッテリ2の正極に接続される配線である。N側高圧配線10Bは高圧バッテリ2の負極に接続される配線である。P側高圧配線10Aは、P側バスバ110などの導電部材により構成されている。N側高圧配線10Bは、N側バスバ120などの導電部材により構成されている。
【0014】
インバータ11は、P側高圧配線10AとN側高圧配線10Bに接続されている。インバータ11は、複数の半導体モジュール12を有する。半導体モジュール12はスイッチング素子13とダイオード13Aとを2つずつ有する。2つのスイッチング素子13は、P側高圧配線10AとN側高圧配線10Bの間で直列接続されている。
【0015】
2つのスイッチング素子13のうち高電位側に設けられた1つのコレクタ電極にP側高圧配線10AにつながるP側入力端子11Aが接続されている。2つのスイッチング素子13のうち低電位側に設けられた1つのエミッタに、N側高圧配線10BにつながるN側入力端子11Bが接続されている。ダイオード13Aのアノードは対応するスイッチング素子13のエミッタに接続されている。ダイオード13Aのカソードは対応するスイッチング素子13のコレクタに接続されている。
【0016】
高電位側のスイッチング素子13のエミッタとN側のスイッチング素子13のコレクタに、モータジェネレータ4につながるモータ端子11Cが接続されている。複数のスイッチング素子13は、高圧バッテリ2から供給される直流電力を、モータジェネレータ4が駆動可能な交流電力に変換する。電力変換された電力は連結バスバ14を介してモータジェネレータ4に供給される。
【0017】
制御回路基板15は、複数のスイッチング素子13をオンオフ制御する。制御回路基板15には複数のスイッチング素子13をオンオフ制御する制御回路が実装されている。複数のスイッチング素子13の接続端子11Dが制御回路基板15にはんだ接続されている。複数のスイッチング素子13の接続端子11Dが制御回路基板15に電気的に接続されている。
【0018】
平滑コンデンサ20は主として、高圧バッテリ2から供給される直流電圧を平滑化する。平滑コンデンサ20はP側高圧配線10AとN側高圧配線10Bに接続されている。平滑コンデンサ20はインバータ11に並列接続されている。高圧配線10A、10Bは、インバータ11と平滑コンデンサ20と高圧バッテリ2とを電気的に接続している。
【0019】
Yコンデンサ30は主として、インバータ11から漏れ出たノイズ成分を取り除く。Yコンデンサ30は、2つのコンデンサ素子31、32、2つのYコンデンサバスバ41、42、および、GNDバスバ50を有する。2つのコンデンサ素子31、32のうち、P側高圧配線10A側に設けられた1つをP側コンデンサ素子31と称する場合がある。2つのコンデンサ素子31、32のうちN側高圧配線10B側に設けられた1つをN側コンデンサ素子32と称する場合がある。
【0020】
2つのYコンデンサバスバ41、42のうち、P側コンデンサ素子31に接続される1つをP側Yコンデンサバスバ41と称する場合がある。P側Yコンデンサバスバ41は、P側コンデンサ素子31に接続されるP側第1バスバ端子41Aと、P側高圧配線10Aに接続されるP側第2バスバ端子41Bを有する。P側コンデンサ素子31がP側Yコンデンサバスバ41を介してP側高圧配線10Aに電気的に接続されている。
【0021】
2つのYコンデンサバスバ41、42のうち、N側コンデンサ素子32に接続される1つをN側Yコンデンサバスバ42と称する場合がある。N側Yコンデンサバスバ42は、N側コンデンサ素子32に接続されるN側第1バスバ端子42Aと、N側高圧配線10Bに接続されるN側第2バスバ端子42Bを有する。N側コンデンサ素子32がN側Yコンデンサバスバ42を介してN側高圧配線10Bに電気的に接続されている。
【0022】
GNDバスバ50は、P側コンデンサ素子31に接続されるP側GND端子51と、N側コンデンサ素子32に接続されるN側GND端子52と、筐体100に接続される筐体接続部54と、を有する。GNDバスバ50は、P側GND端子51と、N側GND端子52と筐体接続部54とをつなぐように延びている。GNDバスバ50は、コンデンサ素子31、32に接続されるとともに、筐体100に電気的に接続されている。
【0023】
GNDバスバ50は、筐体100を介してシャーシ等のボディグラウンドに電気的に接続されている。コンデンサ素子31、32は、インバータ11から漏れ出たノイズ成分を、GNDバスバ50を介してボディグラウンドに流すことで、インバータ11からノイズ成分を取り除いている。またコンデンサ素子31、32は、インバータ11から漏れ出すノイズ成分に限らず、高圧配線10A、10Bを流れるノイズ成分を取り除くことも可能である。
【0024】
<電気部品の機械的構成>
電気部品10の機械的構成について説明するにあたって先に図面を説明する。図2は電気部品10の平面図である。図3は電気部品10の断面図である。図4はYコンデンサ30とバスバ110、120との配置を説明する平面図である。図5図4からバスバ110、120を除いた平面図である。図6はコンデンサ素子31、32とバスバ110、120との配置を説明する断面図である。
【0025】
P側バスバ110は、P側電源バスバ111と、P側中継バスバ112と、を有する。P側電源バスバ111は、高圧バッテリ2とP側コンデンサ素子31とを接続する。P側中継バスバ112は、平滑コンデンサ20、P側コンデンサ素子31、および、パワーモジュール140を中継して接続する。P側中継バスバ112は、平滑コンデンサ20、P側コンデンサ素子31、および、パワーモジュール140を接続する。P側中継バスバ112におけるP側コンデンサ素子31に接続される部位を、P側Yコン接続部114と称する場合がある。P側電源バスバ111、P側Yコン接続部114、および、P側Yコンデンサバスバ41は締結部材72などによって共締めされている。P側電源バスバ111、P側Yコン接続部114、および、P側Yコンデンサバスバ41は電気的および機械的に接続されている。
【0026】
N側バスバ120は、N側電源バスバ121と、N側中継バスバ122と、を有する。N側電源バスバ121は、高圧バッテリ2とN側コンデンサ素子32とを接続する。N側中継バスバ122は、平滑コンデンサ20、N側コンデンサ素子32、および、パワーモジュール140を中継して接続する。N側中継バスバ122は、平滑コンデンサ20、N側コンデンサ素子32、および、パワーモジュール140を接続する。N側中継バスバ122におけるN側コンデンサ素子32に接続される部位を、N側Yコン接続部124と称する場合がある。N側電源バスバ121、N側Yコン接続部124、および、N側Yコンデンサバスバ42は締結部材73などによって共締めされている。N側電源バスバ121、N側Yコン接続部124、および、N側Yコンデンサバスバ42は電気的および機械的に接続されている。
【0027】
電気部品10は、これまでに説明した構成要素の他に、冷却器130、および、端子台170を備える。冷却器130は複数の半導体モジュール12を冷却する装置である。端子台170には、P側電源バスバ111における高圧バッテリ2に接続される部位、および、N側電源バスバ121における高圧バッテリ2と接続される部位が固定されている。また端子台170には半導体モジュール12の電流を測定する電流センサなどが設けられていてもよい。なお、図面においては電源バスバ111、121と高圧バッテリ2とを接続するコネクタの記載を省略している。
【0028】
複数の半導体モジュール12と冷却器130によってパワーモジュール140が構成されている。冷却器130は積層冷却構造を有する。冷却器130は、供給管131、排出管132、および、複数の中継管133を備える。複数の中継管133が供給管131と排出管132の間に梯子状に架け渡されている。供給管131と排出管132とが中継管133を介して冷媒が流通可能な態様で接続されている。
【0029】
そして隣合う中継管133の間に半導体モジュール12が個別に収納されている。半導体モジュール12は隣り合う中継管133の間に挟持されている。冷却器130に半導体モジュール12が収納されることで、パワーモジュール140が形成されている。半導体モジュール12の熱が中継管133に効率的に放熱されやすくなっている。また冷却器130は筐体100に固定されている。冷却器130は内部に冷媒が流れているために冷却器130の温度は低温である。筐体100は冷却器130に固定されているために、筐体100の温度もまた低温である。
【0030】
<筐体>
筐体100は、第1筐体150と第2筐体160を有する。第1筐体150は一つの容器を形成する。第1筐体150は、金属材料によって形成されている。第1筐体150は、例えば、アルミダイカストによって形成されている。第1筐体150は、第1底壁151と第1側壁152と第1天壁153を有する。第1底壁151と、第1側壁152と、第1天壁153と、によって、第1収納空間101が形成されている。第1底壁151の厚さ方向は厚さ方向TDと称される場合がある。厚さ方向TDに直交する2方向は、幅方向WD、および、奥行方向DPと称される場合がある。第1底壁151と第1天壁153は厚さ方向TDに離間している。第1側壁152は、幅方向WDに離間する2つの壁と、奥行方向DPに離間する2つの壁を有する。
【0031】
第2筐体160は一つの容器を形成する。第2筐体160は、金属材料によって形成されている。第2筐体160は、例えば、アルミダイカストによって形成されている。第2筐体160は、第2底壁161と、第2側壁162と、第2天壁163と、を有する。第2底壁161と第2側壁162と第2天壁163とによって第2収納空間102が形成されている。第2底壁161と第2天壁163は厚さ方向TD方向に離間している。第2側壁162は、幅方向WDに離間する2つの壁と、奥行方向DPに離間する2つの壁を有する。
【0032】
第1筐体150と第2筐体160とは厚さ方向TDに関して重なっている。第1筐体150の厚さ方向上方TD+に第2筐体160が設けられている。第2筐体160の厚さ方向下方TD-に第1筐体150が設けられている。第1筐体150の第1天壁153に第2筐体160の第2底壁161が取り付けられている。第1筐体150と第2筐体160とが固定部材などを介して固定されている。これによって第1筐体150と第2筐体160とが厚さ方向TDで一体化されている。
【0033】
別の言い方をすれば、筐体100は、底壁151と、側壁152、162と、天壁163と、区分壁153、161を有する。第1天壁153と第2底壁161を合わせて区分壁153、161と称される場合がある。底壁151と、側壁152、162と、天壁163とによって収納空間103が形成されている。区分壁153、161によって収納空間103が厚さ方向TDで二分されている。底壁151と、側壁152、162の一部と、区分壁153、161とによって第1収納空間101が形成されている。区分壁153、161と、側壁152、162の残りと、天壁163によって第2収納空間102が形成されている。
【0034】
第1収納空間101に、モータジェネレータ4およびギア装置5が収納されている。モータジェネレータ4は、ロータとステータ(巻線)を含むモータ部4A、および、モータ軸4Bを備えている。第1収納空間101において幅方向他端側WD+にモータ軸4Bが設けられている。モータ軸4Bは、モータ部4Aの回転軸である。モータ軸4Bは奥行方向DPに沿って延びている。ロータは、モータ軸4Bに固定されている。ステータは、連結バスバ14などを介して、パワーモジュール140などに電気的に接続されている。モータ部4Aはパワーモジュール140によって回転駆動される。モータ部4Aとモータ軸4Bとが回転軸周りに回転する。モータ部4Aは回転駆動によって発熱する発熱部品である。
【0035】
ギア装置5は第1ギア5Aと、第2ギア5Bを有する。第1ギア5Aは、モータ軸4Bに通される山歯ギアやプラネタリギアなどである。奥行方向DPに関してモータ部4Aと第1ギア5Aが並ぶように、モータ部4Aと第1ギア5Aがモータ軸4Bに通されている。第2ギア5Bは、ドライブシャフト6に通される山歯ギアやデファレンシャルギアなどである。ドライブシャフト6は幅方向一端側WD+に設けられている。モータ軸4Bとドライブシャフト6が幅方向WDで並んで第1収納空間101に収納されている。第1ギア5Aと第2ギア5Bが噛み合うことで、モータ部4Aからエンジンに動力が伝達されている。
【0036】
第2収納空間102に、制御回路基板15、平滑コンデンサ20、パワーモジュール140、Yコンデンサ30、P側バスバ110、および、N側バスバ120が設けられている。なお、図2においては第2収納空間102を厚さ方向下方TD-から見た平面図を表している。幅方向WDの他方側WD+にパワーモジュール140が設けられている。幅方向WDの一方側WD-にYコンデンサ30が設けられている。パワーモジュール140とYコンデンサ30をつなぐように、P側中継バスバ112およびN側中継バスバ122が設けられている。
【0037】
また奥行方向DPの他方側DP+に端子台170が設けられている。奥行方向一方側DP-に平滑コンデンサ20が設けられている。平滑コンデンサ20と端子台170の間に、Yコンデンサ30とパワーモジュール140が設けられている。Yコンデンサ30と端子台170をつなぐように、P側電源バスバ111およびN側電源バスバ121が設けられている。
【0038】
さらに図3に示すように厚さ方向TDに関して、パワーモジュール140とモータジェネレータ4とが重なっている。第1天壁153におけるパワーモジュール140の投影領域内に、厚さ方向TDに貫通する第1貫通孔155が設けられている。第2底壁161におけるパワーモジュール140の投影領域内に、厚さ方向TDに貫通する第2貫通孔165が設けられている。第1貫通孔155と第2貫通孔165とが重なって、連結バスバ14が通過可能な連通孔175が形成されている。連通孔175に連結バスバ14が通されている。連結バスバ14を介してパワーモジュール140とモータジェネレータ4とが電気的に接続されている。なお連通孔175の大きさは連結バスバ14が通過するのに必要な程度の大きさである。
【0039】
上記したように、第2収納空間102における幅方向一方側WD-にYコンデンサ30が設けられている。幅方向WDにおいて、第1天壁153および第2底壁161を介して、Yコンデンサ30がモータジェネレータ4の斜向かいに設けられている。なお、Yコンデンサ30とモータジェネレータ4は、厚さ方向TDで一部が重複していてもよい。Yコンデンサ30とモータジェネレータ4は、厚さ方向TDですべてが非重複であってもよい。Yコンデンサ30とモータジェネレータ4の間に、第1天壁153および第2底壁161が設けられているために、モータジェネレータ4の輻射熱が第1天壁153および第2底壁161によって遮蔽されやすくなっている。
【0040】
また第2筐体160は、第2底壁161、第2側壁162、および、163の他に、搭載壁164を有する。厚さ方向TDに関して、搭載壁164は第2底壁161および第2天壁163の間に設けられている。搭載壁164は第2収納空間102に設けられている。搭載壁164は厚さ方向TDに厚さの薄い扁平形状をしている。搭載壁164は厚さ方向TDに直交する平面方向に沿って延びている。一例として搭載壁164は、第2側壁162と別体である。搭載壁164は第2側壁162に締結部材などを介して固定されている。なお、搭載壁164と第2側壁162とは一体で連続していてもよい。
【0041】
搭載壁164よりも第2底壁161側の領域に、Yコンデンサ30、P側バスバ110、および、N側バスバ120が設けられている。搭載壁164よりも第2天壁163側の領域に制御回路基板15が設けられている。搭載壁164にはパワーモジュール140を通すための第3貫通孔166が設けられている。第3貫通孔166は搭載壁164を厚さ方向TDに貫通する孔である。パワーモジュール140は第3貫通孔166を介して、搭載壁164よりも第2底壁161側の領域と、搭載壁164よりも第2天壁163側の領域の両方に渡って設けられている。
【0042】
なお、搭載壁164の第2天壁163側である表面164Aに制御回路基板15が固定されている。パワーモジュール140の接続端子11Dが第3貫通孔166を通って制御回路基板15に向かって延びている。接続端子11Dと制御回路基板15とが電気的に接続されている。搭載壁164の第2底壁161側である裏面164BにYコンデンサ30が固定されている。
【0043】
<Yコンデンサ>
Yコンデンサ30はこれまでに説明した構成要素の他に、支持台60と接着剤64を有する。支持台60は、コンデンサ素子31、32と各種バスバを支持する。各種バスバとは、P側電源バスバ111、P側Yコン接続部114、N側電源バスバ121、N側Yコン接続部124、P側Yコンデンサバスバ41、N側Yコンデンサバスバ42、および、GNDバスバ50である。
【0044】
支持台60は、第1支持部61、第2支持部62、コンデンサ支持部63、および、接着剤64を有する。支持台60は一例として樹脂を主材料として形成されている。第1支持部61、第2支持部62、および、コンデンサ支持部63は、奥行方向一方側DP-から奥行方向他方側DP+に向かって、第1支持部61、コンデンサ支持部63、第2支持部62の順に並んでいる。第1支持部61、コンデンサ支持部63、第2支持部62は同一材料によって一体化している。第1支持部61、コンデンサ支持部63、第2支持部62は奥行方向DPに連続している。
【0045】
先にコンデンサ支持部63について説明する。コンデンサ支持部63はコンデンサ素子31、32を支持する部位である。コンデンサ支持部63に接着剤64が設けられている。接着剤64を介してコンデンサ支持部63にコンデンサ素子31、32が固定されている。コンデンサ支持部63は一つの容器を形成する。コンデンサ支持部63は支持底壁65と支持側壁66と支持区分壁67を有する。
【0046】
搭載壁164の裏面164Bに支持底壁65が固定されている。支持側壁66は支持底壁65から遠ざかるように第2底壁161に向かって延びている。支持底壁65と支持側壁66によってコンデンサ素子31、32を収納する素子収納空間68、69が区画されている。素子収納空間68、69を幅方向WDで二分するように、支持区分壁67が支持底壁65と支持側壁66に連結されている。
【0047】
支持区分壁67の高さは、支持側壁66の高さよりも低い。別の言い方をすれば、支持側壁66の先端は、支持区分壁67の先端よりも搭載壁164から遠い。また支持側壁66の高さは、コンデンサ素子31、32の高さよりも低い。別の言い方をすれば、コンデンサ素子31、32の先端は、支持側壁66の先端よりも搭載壁164から遠い。
【0048】
支持底壁65における幅方向一方側WD-の部位と、支持側壁66における幅方向一方側WD-の部位と、支持区分壁67によって、第1素子収納空間68が区画されている。第1素子収納空間68にP側コンデンサ素子31が収納されている。また第1素子収納空間68の支持底壁65に接着剤64が設けられている。P側コンデンサ素子31の底部が第1素子収納空間68の支持底壁65に接着剤64を介して固定されている。P側コンデンサ素子31の高さは、支持側壁66の高さ、および、支持区分壁67の高さよりも高い。なお高さとは搭載壁164を基準とした時の先端までの距離のことを示している。P側コンデンサ素子31の底部以外の部位が外気にさらされている。
【0049】
P側コンデンサ素子31は厚さ方向TDに延びる、P側第1素子端子31A、P側第2素子端子31Bを有している。P側第1素子端子31AとP側第2素子端子31Bは奥行方向DPに離れて並んでいる。P側第1素子端子31Aが奥行方向他端側DP+に設けられている。P側第2素子端子31Bが奥行方向一方側DP-に設けられている。P側第1素子端子31AにP側Yコンデンサバスバ41が接続されている。P側第1素子端子31AはP側Yコンデンサバスバ41を介してP側電源バスバ111およびP側Yコン接続部114に電気的に接続されている。P側第2素子端子31BにGNDバスバ50が接続されている。
【0050】
支持底壁65における幅方向他方側WD+の部位と、支持側壁66における幅方向他方側WD+の部位と、支持区分壁67によって、第2素子収納空間69が区画されている。第2素子収納空間69にN側コンデンサ素子32が収納されている。また第2素子収納空間69の支持底壁65に接着剤64が設けられている。N側コンデンサ素子32の底部が第2素子収納空間69の支持底壁65に接着剤64を介して固定されている。N側コンデンサ素子32の高さは、支持側壁66の高さ、および、支持区分壁67の高さよりも高い。なお高さとは搭載壁164を基準とした時の先端までの距離のことを示している。N側コンデンサ素子32の底部以外の部位が外気にさらされている。
【0051】
N側コンデンサ素子32は厚さ方向TDに延びる、N側第1素子端子32A、N側第2素子端子32Bを有している。N側第1素子端子32Aが奥行方向他端側DP+に設けられている。N側第2素子端子32Bが奥行方向一方側DP-に設けられている。N側第1素子端子32AにN側Yコンデンサバスバ42が接続されている。N側第1素子端子32AはN側Yコンデンサバスバ42を介してN側電源バスバ121およびN側Yコン接続部124に電気的に接続されている。N側第2素子端子32BにGNDバスバ50が接続されている。
【0052】
第1支持部61は、GNDバスバ50を支持する部位である。GNDバスバ50は、P側第2素子端子31Bに接続されるP側GND端子51と、N側第2素子端子32Bに接続されるN側GND端子52と、P側GND端子51およびN側GND端子52に繋がるとともに第1支持部61に支持される連結部53とを有する。連結部53は第1締結部材71を介して第1支持部61および搭載壁164に固定されている。連結部53は第1締結部材71を介して搭載壁164に電気的に接続されている。
【0053】
第1締結部材71のまわりには、第1締結部材71と搭載壁164とを電気的に接続するための導電性のカラーが設けられている。GNDバスバ50に流れる電流は、第1締結部材71およびカラーを介して搭載壁164に流れる。GNDバスバ50に流れる電流は、第1締結部材71、カラー、搭載壁164を介してボディグラウンドに流される。
【0054】
第2支持部62は、Yコン接続部114、124、コンデンサバスバ41、42、および、電源バスバ111、121を支持する部位である。Yコン接続部114、124、コンデンサバスバ41、42、および、電源バスバ111、121は締結部材72、73を介して第2支持部62に固定されている。Yコン接続部114、124、コンデンサバスバ41、42、および、電源バスバ111、121は締結部材72、73によって共締めされており、互いに電気的に接続されている。
【0055】
より具体的に言えば、第2支持部62における幅方向一方側WD-の部位は、P側Yコン接続部114、P側Yコンデンサバスバ41、および、P側電源バスバ111を支持する。P側Yコン接続部114、P側Yコンデンサバスバ41、および、P側電源バスバ111は第2締結部材72を介して第2支持部62に固定されている。P側Yコン接続部114、P側Yコンデンサバスバ41、および、P側電源バスバ111は第2締結部材72によって共締めされており、互いに電気的に接続されている。
【0056】
第2支持部62における幅方向他端側WD+の部位は、N側Yコン接続部124、N側Yコンデンサバスバ42、および、N側電源バスバ121を支持する。N側Yコン接続部124、N側Yコンデンサバスバ42、および、N側電源バスバ121は第3締結部材73を介して第2支持部62に固定されている。N側Yコン接続部124、N側Yコンデンサバスバ42、および、N側電源バスバ121は、第3締結部材73によって共締めされており、互いに電気的に接続されている。
【0057】
P側コンデンサ素子31について言えば、奥行方向一方側DP-から奥行方向他端側DP+に向かって、第1締結部材71、P側コンデンサ素子31、第2締結部材72の順に並んでいる。後で詳しく説明するが、P側Yコン接続部114は第1素子収納空間68の厚さ方向下方TD-において、第1支持部61と第2支持部62に跨るように奥行方向DPに延びている。P側Yコン接続部114は奥行方向DPに長手方向が一致している。第1締結部材71、P側コンデンサ素子31、および、第2締結部材72がこの順で、P側Yコン接続部114の長手方向に沿って並んでいるとも言える。
【0058】
N側コンデンサ素子32について言えば、奥行方向一方側DP-から奥行方向他端側DP+に向かって、第1締結部材71、N側コンデンサ素子32、第3締結部材73の順に並んでいる。後で詳しく説明するが、N側Yコン接続部124は第2素子収納空間69の厚さ方向下方TD-において、第1支持部61と第2支持部62に跨るように奥行方向DPに延びている。N側Yコン接続部124は奥行方向DPに長手方向が一致している。第1締結部材71、N側コンデンサ素子32、および、第3締結部材73がこの順で、N側Yコン接続部124の長手方向に沿って並んでいるとも言える。なお、第1締結部材71はGND側締結部材と称される場合がある。第2締結部材72および第3締結部材73は接続部側締結部材と称される場合がある。
【0059】
<P側Yコンデンサ素子とP側Yコン接続部>
上記したようにP側中継バスバ112は、平滑コンデンサ20、Yコンデンサ30、および、パワーモジュール140を接続する。P側中継バスバ112における平滑コンデンサ20に接続される部位を、P側コンデンサ接続部113と称する場合がある。P側中継バスバ112におけるパワーモジュール140に接続される部位を、P側パワーモジュール接続部115と称する場合がある。P側コンデンサ接続部113の幅方向一方側WD-にP側Yコン接続部114が設けられている。P側コンデンサ接続部113の幅方向他端側WD+にP側パワーモジュール接続部115が設けられている。
【0060】
P側コンデンサ接続部113は平滑コンデンサ20に重なるように設けられている。P側Yコン接続部114はP側コンデンサ接続部113から遠ざかるように奥行方向他端側DP+に延びている。P側Yコン接続部114は第2底壁161側でYコンデンサ30に厚さ方向TDで重なるようにして奥行方向他端側DP+に延びている。P側Yコン接続部114は、第1素子収納空間68を区画する支持底壁65、および、第1素子収納空間68を区画する支持側壁66に厚さ方向TDで重なるように奥行方向他端側DP+に延びている。厚さ方向TDに関してP側コンデンサ素子31とP側Yコン接続部114とが離れている。
【0061】
P側Yコン接続部114よりも幅方向WDに関して一方側WD-にP側コンデンサ素子31の半分以上が位置するように、P側コンデンサ素子31が第1素子収納空間68に設けられている。幅方向WDに関してP側コンデンサ素子31の略中央にP側第1素子端子31AおよびP側第2素子端子31Bが設けられている。P側第1素子端子31AおよびP側第2素子端子31Bは奥行方向DPに沿うように並んで配置されている。
【0062】
P側Yコン接続部114よりも幅方向WDに関して一方側WD-にP側第1素子端子31AおよびP側第2素子端子31Bが位置するように、P側コンデンサ素子31が第1素子収納空間68に設けられているとも言える。P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-に、P側第1素子端子31AとP側Yコンデンサバスバ41との接続部位、および、P側第2素子端子31BとGNDバスバ50との接続部位が設けられているとも言える。
【0063】
上記したように幅方向WDの他方側にモータジェネレータ4が設けられている。本実施形態においては一例としてP側Yコン接続部114とモータジェネレータ4とが厚さ方向TDに関して非重複である。P側Yコン接続部114よりも幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4のすべてが設けられている。P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-にモータジェネレータ4が設けられていない。
【0064】
P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-とは、幅方向他方側WD+よりもモータジェネレータ4の存在比率が少ない側である。P側Yコン接続部114よりもモータジェネレータ4の存在比率の少ない側である領域をP側対象領域114Aと称される場合がある。P側対象領域114AにP側コンデンサ素子31の半分以上が位置するように、P側コンデンサ素子31が第1素子収納空間68に設けられているとも言える。
【0065】
幅方向WDに関して、P側第1素子端子31AとP側Yコンデンサバスバ41との接続部位、および、P側第2素子端子31BとGNDバスバ50との接続部位が、P側Yコン接続部114に隣接配置されている。P側対象領域114Aに、P側第1素子端子31AとP側Yコンデンサバスバ41との接続部位、および、P側第2素子端子31BとGNDバスバ50との接続部位が位置するように、P側コンデンサ素子31が第1素子収納空間68に設けられているとも言える。
【0066】
また上記したようにP側Yコンデンサバスバ41は一端がP側第1素子端子31Aに接続され、他端がP側電源バスバ111およびP側Yコン接続部114に接続されている。P側Yコンデンサバスバ41における、一端と他端の間のP側中間部位は、P側対象領域114Aに設けられている。P側中間部位は、P側対象領域114AでP側Yコン接続部114に沿って奥行方向DPに延びている。厚さ方向TDに関して、P側中間部位とP側Yコン接続部114とが非重複である。
【0067】
なお、P側Yコン接続部114よりも幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4のすべてが設けられていなくてもよい。例えば、P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-にモータジェネレータ4の一部が設けられ、P側Yコン接続部114よりも幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4の半分以上が設けられていても良い。その場合においても、P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-とは、モータジェネレータ4の存在比率の少ない側に相当している。
【0068】
また本実施形態では、P側コンデンサ素子31におけるP側素子端子31A、31Bよりも幅方向他端側WD+の部位が、厚さ方向TDに関してP側Yコン接続部114と重複している。しかしながら、P側コンデンサ素子31におけるP側素子端子31A、31Bよりも幅方向他端側WD+の部位が、厚さ方向TDに関してP側Yコン接続部114と重複している形態に限定されない。P側コンデンサ素子31のすべてが厚さ方向TDに関してP側Yコン接続部114と非重複であってもよい。
【0069】
<N側Yコンデンサ素子とN側Yコン接続部>
N側中継バスバ122におけるYコンデンサ30に接続される部位を、N側Yコン接続部124と称する場合がある。N側中継バスバ122におけるパワーモジュール140に接続される部位を、N側パワーモジュール接続部125と称する場合がある。N側コンデンサ接続部123の幅方向一方側WD-にN側Yコン接続部124が設けられている。N側コンデンサ接続部123の幅方向他端側WD+にN側パワーモジュール接続部125が設けられている。
【0070】
N側コンデンサ接続部123は平滑コンデンサ20に重なるように設けられている。N側Yコン接続部124はN側コンデンサ接続部123から遠ざかるように奥行方向他方側DP+に延びている。N側Yコン接続部124は第2底壁161側でYコンデンサ30に厚さ方向TDで重なるようにして奥行方向他方側DP+に延びている。N側Yコン接続部124は、第2素子収納空間77を区画する支持底壁65、および、第2素子収納空間77を区画する支持側壁66に厚さ方向TDで重なるように奥行方向DPに延びている。厚さ方向TDに関してN側コンデンサ素子32とN側Yコン接続部124とが離れている。
【0071】
N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-にN側コンデンサ素子32の半分以上が位置するように、N側コンデンサ素子32が第2素子収納空間77に設けられている。幅方向WDに関してN側コンデンサ素子32の略中央にN側第1素子端子32AおよびN側第2素子端子32Bが設けられている。N側第1素子端子32AおよびN側第2素子端子32Bは奥行方向DPに沿うように並んで配置されている。
【0072】
そのためにN側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-にN側第1素子端子32AおよびN側第2素子端子32Bが位置するように、N側コンデンサ素子32が第2素子収納空間77に設けられているとも言える。N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-に、N側第1素子端子32AとN側Yコンデンサバスバ42との接続部位、および、N側第2素子端子32BとGNDバスバ50との接続部位が設けられているとも言える。
【0073】
上記したように幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4が設けられている。N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-とは、モータジェネレータ4の存在比率の少ない側に相当する。本実施形態においては一例としてN側Yコン接続部124とモータジェネレータ4とが厚さ方向TDに関して非重複である。N側Yコン接続部124よりも幅方向WDに関して他方側にモータジェネレータ4のすべてが設けられている。N側Yコン接続部124から幅方向一方側WD-にモータジェネレータ4が設けられていない。
【0074】
このようにN側Yコン接続部124から幅方向一方側WD-とは、N側Yコン接続部124よりも幅方向他方側WD+よりもモータジェネレータ4の存在比率が少ない側である。N側Yコン接続部124よりもモータジェネレータ4の存在比率の少ない側をN側対象領域124Aと称される場合がある。N側対象領域124AにN側コンデンサ素子32の半分以上が位置するように、N側コンデンサ素子32が第2素子収納空間77に設けられているとも言える。
【0075】
幅方向WDに関して、N側第1素子端子32AとN側Yコンデンサバスバ42との接続部位、および、N側第2素子端子32BとGNDバスバ50との接続部位が、N側Yコン接続部124に隣接配置されている。N側対象領域124Aに、N側第1素子端子32AとN側Yコンデンサバスバ42との接続部位、および、N側第2素子端子32BとGNDバスバ50との接続部位が位置するように、N側コンデンサ素子32が第2素子収納空間69に設けられているとも言える。
【0076】
また上記したようにN側Yコンデンサバスバ42は一端がN側第1素子端子32Aに接続され、他端がN側電源バスバ121およびN側Yコン接続部124に接続されている。N側Yコンデンサバスバ42における、一端と他端の間のN側中間部位は、N側対象領域124Aに設けられている。N側中間部位は、N側対象領域124AでN側Yコン接続部124に沿って奥行方向DPに延びている。厚さ方向TDに関して、N側中間部位とN側Yコン接続部124とが非重複である。
【0077】
なお、N側Yコン接続部124よりも幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4のすべてが設けられていなくてもよい。例えば、N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-にモータジェネレータ4の一部が設けられ、N側Yコン接続部124よりも幅方向他方側WD+にモータジェネレータ4の半分以上が設けられていても良い。その場合においても、N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-とは、モータジェネレータ4の存在比率の少ない側に相当している。
【0078】
また本実施形態では、N側コンデンサ素子32におけるN側素子端子32A、32Bよりも幅方向他端側WD+の部位が、厚さ方向TDに関してN側Yコン接続部124と重複している。しかしながら、N側コンデンサ素子32におけるN側素子端子32A、32Bよりも幅方向他端側WD+の部位が、厚さ方向TDに関してN側Yコン接続部124と重複している形態に限定されない。N側コンデンサ素子32のすべてが厚さ方向TDに関してN側Yコン接続部124と非重複であってもよい。
【0079】
<作用効果>
近年、インバータにおけるスイッチング速度アップおよびEMC規格のシビア化に伴い、これまでに問題とならなかった帯域が問題になってきており、この帯域のノイズ低減が求められている。そこでノイズ除去のために、電力変換装置などの電気部品にYコンデンサを搭載することが求められている。一般的にコンデンサは、自己発熱や放熱性を考慮し、耐熱以下での使用が求められている。Yコンデンサにおいても耐熱以下での使用が求められる。Yコンデンサは電力変換装置などの電気機器に搭載される部品の中では耐熱が最も低い。そのためにYコンデンサの配置や搭載方法などに工夫を施す必要があった。
【0080】
電気部品10は、Yコンデンサ30、P側バスバ110、N側バスバ120、および、筐体100を有する。Yコンデンサ30は、コンデンサ素子31、32、および、コンデンサ素子31、32を支持する支持台60を有する。P側バスバ110はP側コンデンサ素子31とインバータ11に電気的に接続されている。N側バスバ120はN側コンデンサ素子32とインバータ11に電気的に接続されている。
【0081】
筐体100は、第1収納空間101と、第2収納空間102と、第1収納空間101と第2収納空間102を区分けする区分壁153、161を有する。第1収納空間101に、インバータ11に接続されるモータジェネレータ4が収納されている。第2収納空間102に、Yコンデンサ30、P側バスバ110、および、N側バスバ120が収納されている。P側バスバ110は、厚さ方向TDに関して、支持台60に重なりつつP側コンデンサ素子31に接続されるP側Yコン接続部114を有する。N側バスバ120は、厚さ方向TDに関して、支持台60に重なりつつN側コンデンサ素子32に接続されるN側Yコン接続部124を有している。
【0082】
Yコンデンサ30およびモータジェネレータ4は筐体100の幅方向WDに斜向かいに配置されている。厚さ方向TDに関して、Yコン接続部114、124とモータジェネレータ4とが重複または非重複である。第1実施形態においては一例としてYコン接続部114、124とモータジェネレータ4とが非重複である。P側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-に位置する領域と、幅方向他方側WD+に位置する領域のうち、モータジェネレータ4の存在比率の低い側の領域114Aに、P側コンデンサ素子31の半分以上が設けられている。N側Yコン接続部124よりも幅方向一方側WD-に位置する領域と、幅方向他方側WD+に位置する領域のうち、モータジェネレータ4の存在比率の低い側の領域124Aに、N側コンデンサ素子32の半分以上が設けられている。
【0083】
これによれば、モータジェネレータ4の輻射熱が過度にコンデンサ素子31、32に伝熱することが抑制される。P側Yコン接続部114の輻射熱がP側コンデンサ素子31に過度に伝熱されることが抑制される。N側Yコン接続部124の輻射熱がN側コンデンサ素子32に過度に伝熱されることが抑制される。P側コンデンサ素子31およびN側コンデンサ素子32の性能が低下することが抑制される。
【0084】
Yコンデンサ30は、P側コンデンサ素子31のP側第1素子端子31Aに接続されるP側Yコンデンサバスバ41と、N側コンデンサ素子32のN側第1素子端子32Aに接続されるN側Yコンデンサバスバ42を有する。モータジェネレータ4の存在比率の低い側の領域であるP側対象領域114Aに、P側第1素子端子31AとP側Yコンデンサバスバ41との接続部位が設けられている。これによればP側第1素子端子31AとP側Yコンデンサバスバ41との接続部位にモータジェネレータ4の輻射熱やP側Yコン接続部114の輻射熱が過度に伝熱されることが抑制される。温度が高くなりやすい接続部位が高温になることが抑制される。P側コンデンサ素子31の性能が低下することが効率的に抑制されやすくなる。N側対象領域124Aにおいても同様のことが言える。
【0085】
P側Yコンデンサバスバ41におけるP側中間部位はP側対象領域114Aにおいて、P側Yコン接続部114に沿って奥行方向DPに延びている。N側Yコンデンサバスバ42におけるN側中間部位はN側対象領域124Aにおいて、N側Yコン接続部124に沿って奥行方向DPに延びている。これによればP側中間部位とN側中間部位にモータジェネレータ4の輻射熱やP側Yコン接続部114の輻射熱が過度に伝熱されることが抑制される。P側中間部位を介してP側コンデンサ素子31が高温になることが抑制される。N側コンデンサ素子32を介してN側コンデンサ素子32が高温になることが抑制される。
【0086】
Yコンデンサ30はさらにコンデンサ素子31、32と筐体100とを接続するGNDバスバ50を有する。筐体100はシャーシなどのボディグラウンドに電気的に接続されている。コンデンサ素子31、32は、インバータ11から漏れ出たノイズ成分を、GNDバスバ50を介してボディグラウンドに流すことで、インバータ11からノイズ成分を取り除いている。
【0087】
P側コンデンサ素子31は、P側Yコンデンサバスバ41に接続されるP側第1素子端子31Aと、GNDバスバ50に接続されるP側第2素子端子31Bと、を有している。P側第1素子端子31AおよびP側第2素子端子31Bは奥行方向DPに沿うように並んで配置されている。奥行方向DPに関して、P側Yコンデンサバスバ41とP側Yコン接続部114とを締結する第2締結部材72、P側コンデンサ素子31、GNDバスバ50と筐体100とを締結する第1締結部材71の順に並んでいる。これによれば、第1締結部材71から第2締結部材72までの電流経路が短くなる。第1締結部材71から第2締結部材72までのインピーダンスを抑えることができる。N側についても同様のことが言える。N側について言えば、第1締結部材71から第3締結部材73までの電流経路が短くなる。第1締結部材71から第3締結部材73までのインピーダンスを抑えることができる。
【0088】
支持台60は、コンデンサ素子31、32を支持するコンデンサ支持部63、第1締結部材71を支持する第1支持部61、および、第2締結部材72および第3締結部材73を支持する第2支持部62を有している。奥行方向DPに関して、第1支持部61、コンデンサ支持部63、および、第2支持部62が同一材料によって連なっている。これによれば、第1支持部61、第2支持部62、コンデンサ支持部63を別々で配置する場合に比べて隣り合う支持部間に隙間を要する必要がない。第1締結部材71から第2締結部材72までの電流経路、および、第1締結部材71から第3締結部材73までの電流経路を短くできる。第1締結部材71から第2締結部材72までのインピーダンス、および、第1締結部材71から第3締結部材73までのインピーダンスを抑えることができる。
【0089】
Yコンデンサ30はさらに接着剤64を有する。支持台60は、第1支持部61、第2支持部62、コンデンサ支持部63、および、接着剤64を有する。コンデンサ支持部63はコンデンサ素子31、32を支持する部位である。コンデンサ支持部63の支持底壁65に接着剤64が設けられている。コンデンサ素子31、32の底部が支持底壁65に接着剤64を介して固定されている。コンデンサ素子31、32の底部以外の部位が外気にさらされている。コンデンサ素子31、32の固定時に、コンデンサ素子31、32を樹脂で覆わないことで、コンデンサ素子31、32の放熱性を高めることができる。
【0090】
P側コンデンサ素子31におけるP側素子端子31A、31Bよりも幅方向他方側WD+の部位が、厚さ方向TDに関してP側Yコン接続部114に重複している。P側コンデンサ素子31におけるP側素子端子31A、31Bを含む部位がP側Yコン接続部114よりも幅方向一方側WD-のP側対象領域114Aに設けられている。これによれば、P側コンデンサ素子31が高温になることを抑制しつつ、幅方向WDに関してYコンデンサ30の体格が増大することが抑制される。またP側コンデンサ素子31のすべてが厚さ方向TDに関してP側Yコン接続部114に非重複であってもよい。これによれば、P側コンデンサ素子31が幅方向WDにおいてP側Yコン接続部114およびモータジェネレータ4から遠ざかるために効率良くP側コンデンサ素子31が高温になることを抑制できる。N側コンデンサ素子32においても同様のことが言える。
【0091】
Yコンデンサ30は、P側コンデンサ素子31、N側コンデンサ素子32、P側Yコンデンサバスバ41、N側Yコンデンサバスバ42を有する。P側中継バスバ112は、P側Yコン接続部114を有する。N側中継バスバ122は、N側Yコン接続部124を有する。P側コンデンサ素子31とP側Yコン接続部114とがP側Yコンデンサバスバ41を介して接続されている。P側対象領域114Aに、P側コンデンサ素子31とP側Yコンデンサバスバ41の接続部位である第1接続部位が設けられている。
【0092】
N側コンデンサ素子32とN側Yコン接続部124とがN側Yコンデンサバスバ42を介して接続されている。N側対象領域124Aに、N側コンデンサ素子32とN側Yコンデンサバスバ42の接続部位である第2接続部位が設けられている。幅方向WDに関して、2つの接続部位と、2つのYコン接続部114、124が、幅方向一端側WD―から幅方向他端側WD+に向かって、第1接続部位、P側Yコン接続部114、第2接続部位、N側Yコン接続部124の順に並んでいる。簡単な配策でP側コンデンサ素子31とN側コンデンサ素子32が高温になることを抑制できる。
【0093】
Yコンデンサ30は、P側コンデンサ素子31とN側コンデンサ素子32と筐体100とを接続するGNDバスバ50を有する。GNDバスバ50は、幅方向WDに関して2つのコンデンサ素子31、32の間で、筐体100に接続されている。これによれば、短い配線長でP側コンデンサ素子31およびN側コンデンサ素子32を通るノイズ電流をグラウンドに流すことができる。
【0094】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態におけるコンデンサ素子31、32とYコン接続部114、124との配置を説明する平面図である。第2実施形態においては、P側対象領域114Aに、P側素子端子31A、31Bと、N側素子端子32A、32Bが設けられるように、P側コンデンサ素子31とN側コンデンサ素子32が配置されている。P側対象領域114Aにおいて、P側コンデンサ素子31とN側コンデンサ素子32が、奥行方向DPに並んで配置されている。
【0095】
配線の一例として、N側Yコンデンサバスバ42がN側Yコン接続部124とP側Yコン接続部114に接続されている。P側Yコンデンサバスバ41がP側Yコン接続部114とP側第1素子端子31Aに接続されている。P側第2素子端子31BとN側第1素子端子32Aがバスバなどを介して接続されている。GNDバスバ50がN側第2素子端子32Bと筐体100に接続されている。これによっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0096】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態におけるコンデンサ素子31とYコン接続部114、124との配置を説明する平面図である。第3実施形態においては、P側対象領域114Aに、P側素子端子31A、31Bが設けられるように、P側コンデンサ素子31が配置されている。
【0097】
配線の一例として、N側Yコンデンサバスバ42がN側Yコン接続部124とP側Yコン接続部114に接続されている。P側Yコンデンサバスバ41がP側Yコン接続部114とP側第1素子端子31Aに接続されている。GNDバスバ50がP側第2素子端子31Bと筐体100に接続されている。これによっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0098】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範ちゅうや思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0099】
100 筐体、 101 第1収納空間、 102 第2収納空間、 11 インバータ、 112 バスバ、 114 Yコン接続部、 114 P側Yコン接続部、 114A 対象領域、 114A P側対象領域、 122 バスバ、 124 Yコン接続部、 124 N側Yコン接続部、 124A 対象領域、 124A N側対象領域、 153、161 区分壁、 30 Yコンデンサ、 31 コンデンサ素子、 31 P側コンデンサ素子、 31A、31B 第1素子端子、 31B 第2素子端子、 32 コンデンサ素子、 32 N側コンデンサ素子、 32B 第2素子端子、 4 モータ、 41 Yコンデンサバスバ、 41 P側Yコンデンサバスバ、 42 Yコンデンサバスバ、 42 N側Yコンデンサバスバ、 50 GNDバスバ、 60 支持台、 61 第1支持部、 62 第2支持部、 63 コンデンサ支持部、 64 接着剤、 71 GND側締結部材、 72、73 接続部側締結部材、TD 厚さ方向、WD 幅方向、DP 奥行方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8