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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012755
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】収納具
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
A47G29/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114465
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】扶川 祥平
(72)【発明者】
【氏名】三本 宏樹
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA07
3K100AB10
3K100AE01
3K100AF07
3K100AG03
3K100AJ08
(57)【要約】
【課題】ポケット体の収納空間に対して、開口部を通じて物品を出し入れし易く構成された収納具を提供する。
【解決手段】前後方向に貫通する貫通孔Hが設けられたベース1と、ベース1に取り付けられ物品を収納し得る収納空間が設けられたポケット体2とを備えてなる収納具であって、ポケット体2が、収納空間spを有するポケット本体と、ポケット本体に屈曲部22を介して連設され貫通孔Hに沿って配設されたガイド縁部23とを備えている。ベース1とガイド縁部23との間に収納空間に対して物品を出し入れするための開口部Kが形成されたものであり、屈曲部22が、ベース1よりも前方に離間して設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に貫通する貫通孔が設けられたベースと、このベースに取り付けられ物品を収納し得る収納空間が設けられたポケット体とを備えてなる収納具であって、
前記ポケット体が、前記収納空間を有するポケット本体と、このポケット本体に屈曲部を介して連設され前記貫通孔に沿って配設されたガイド縁部とを備えたものであり、
前記ベースと前記ガイド縁部との間に前記収納空間に対して物品を出し入れするための開口部が形成されたものであり、
前記屈曲部が、前記ベースよりも前方に離間して設けられている収納具。
【請求項2】
前記ポケット本体が、後シート部と、この後シート部の前に配された前シート部とを備えたものであり、これら後シート部と前シート部との間に前記収納空間が形成されるものであり、
前記前シート部の上部が前記貫通孔を通じて前記ベースの前面側に位置し得るように構成されている請求項1記載の収納具。
【請求項3】
前記後シート部の上端部が、前記ベースにおける前記貫通孔よりも上の背面に取り付けられたものであり、
前記ガイド縁部の端部が、前記ベースにおける前記貫通孔よりも下の前面に取り付けられたものである請求項2記載の収納具。
【請求項4】
前記ベースが、合成樹脂製のシート材により形成されたものであり、
前記ポケット体が、前記ベースよりも軟質である合成樹脂製のシート材により形成されたものである請求項1記載の収納具。
【請求項5】
前記ベースに、上下方向に間隔を空けて複数の前記貫通孔が設けられたものであり、
前記複数の貫通孔に対応させて、複数の前記ポケット体が設けられている請求項1記載の収納具。
【請求項6】
前記ベースを所定の位置において折り曲げることにより、複数の前記ポケット体が重なり合う折り畳み姿勢を採り得るように構成されている請求項5記載の収納具。
【請求項7】
前記ベースが、吊下げ部材を介して、吊下げ支持されるものである請求項1記載の収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を収納し得る収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を収納し得る収納空間が設けられるとともに当該収納空間と外部空間との間を連通し得る開口部が設けられた種々の収納具が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来の収納具は、開口部を構成する前後の端縁間が近接したものとなっていた。そのため、従来のものでは、使用者が開口部の位置を視覚的に把握し難いだけでなく、開口部を通じて物品を挿入し難いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平01-036634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、ポケット体の収納空間に対して、開口部を通じて物品を出し入れし易く構成された収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、前後方向に貫通する貫通孔が設けられたベースと、このベースに取り付けられ物品を収納し得る収納空間が設けられたポケット体とを備えてなる収納具であって、前記ポケット体が、前記収納空間を有するポケット本体と、このポケット本体に屈曲部を介して連設され前記貫通孔に沿って配設されたガイド縁部とを備えたものであり、前記ベースと前記ガイド縁部との間に前記収納空間に対して物品を出し入れするための開口部が形成されたものであり、前記屈曲部が、前記ベースよりも前方に離間して設けられている収納具である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記ポケット本体が、後シート部と、この後シート部の前に配された前シート部とを備えたものであり、これら後シート部と前シート部との間に前記収納空間が形成されるものであり、前記前シート部の上端部が前記貫通孔を通じて前記ベースの前面側に位置し得るように構成されている請求項1記載の収納具である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記後シート部の上端部が、前記ベースにおける前記貫通孔よりも上の背面に取り付けられたものであり、前記ガイド縁部の端部が、前記ベースにおける前記貫通孔よりも下の前面に取り付けられたものである請求項2記載の収納具である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記ベースが、合成樹脂製のシート材により形成されたものであり、前記ポケット体が、前記ベースよりも軟質である合成樹脂製のシート材により形成されたものである請求項1記載の収納具である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記ベースに、上下方向に間隔を空けて複数の前記貫通孔が設けられたものであり、前記複数の貫通孔に対応させて、複数の前記ポケット体が設けられている請求項1記載の収納具である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記ベースを所定の位置において折り曲げることにより、複数の前記ポケット体が重なり合う折り畳み姿勢を採り得るように構成されている請求項5記載の収納具である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記ベースが、吊下げ部材を介して、吊下げ支持されるものである請求項1記載の収納具である。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、ポケット体の収納空間に対して、開口部を通じて物品を出し入れし易く構成された収納具を提供することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示す正面図。
図2】同実施形態における背面図。
図3】同実施形態における左側面図。
図4】同実施形態における斜視図。
図5図1におけるX-X線概略端面図。
図6】物品が収納された状態を説明するための図5対応の説明図。
図7】同実施形態における正面図(折り畳み姿勢)。
図8】同実施形態における背面図(折り畳み姿勢)。
図9】同実施形態における左側面図(折り畳み姿勢)。
図10】同実施形態における斜視図。
図11図7におけるY-Y線概略端面図。
図12】同実施形態におけるベースの展開図。
図13】同実施形態におけるポケット体の展開図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1~13を参照して説明する。
【0017】
この実施形態は、本発明を、建物や家具等の構造物に掛けて使用される壁掛け用の収納具(以下、単に「収納具」という。)に適用したものである。
【0018】
収納具は、前後方向に貫通する貫通孔Hが設けられたベース1と、貫通孔Hに関連させてベース1に溶着によって取り付けられ物品Bを収納し得る収納空間spが設けられたポケット体2と、ベース1の上端部に取り付けられ当該ベース1を吊下げ支持し得る吊下げ部材3とを備えている。
【0019】
収納具は、ベース1とポケット体2のガイド縁部23との間に、収納空間spに対して物品Bを出し入れするための開口部Kが形成されたものとなっている。
【0020】
収納具は、使用可能な姿勢である使用姿勢(U)と、折り畳み姿勢(F)を採り得るものとなっている。
【0021】
以下、この実施形態の収納具について詳述する。
【0022】
<ベース1>
ベース1は、上下方向に延びてなる一枚の合成樹脂製のシート材により形成されたものである。ベース1の上部は前後に基材であるシート材が重なり合うように構成されている。ベース1は、使用状態において上下方向に延びた縦長矩形状をなしている。
【0023】
ベース1は、上下方向に間隔を空けて設けられた複数すなわち五つの貫通孔Hと、各貫通孔Hの下に設けられポケット体2を構成するガイド縁部23の端部の溶着位置を案内するための溶着ガイド部13と、使用前や不使用時等においてコンパクトに纏まった折り畳み姿勢(F)を採る際に山折りされる部位であり貫通孔Hの上及び下に配設された左右方向に延びてなる山折り線部14と、上下に隣り合う山折り線部14の間に配設され折り畳み姿勢(F)を採る際に谷折りされる部位であり左右方向に延びてなる谷折り線部15とを備えている。ベース1の上端部1aには、芯材snを介して吊下げ部材3が取り付けられている。
【0024】
貫通孔Hは、ポケット体2に対して物品Bを出し入れし得るために、物品Bを通過させ得るものである。貫通孔Hは、上下方向に間隔を空けて複数すなわち五つ設けられている。この実施形態では、五つの貫通孔Hに対応させて、収納空間spを有する五つのポケット体2が設けられている。
【0025】
貫通孔Hは、左右方向に直線状に延びてなりスリット状の外観をなすメインスリット部h1と、メインスリット部h1の両端部に連設され上下方向に延びてなる左右のサイドスリット部h2とを備えている。
【0026】
貫通孔Hは、メインスリット部h1及び左右のサイドスリット部h2により、正面視において略H字状の形態をなしている。
【0027】
ここで、ベース1には、貫通孔Hを構成するメインスリット部h1と左右のサイドスリット部h2の上部とによって上向き略コ字状をなすように囲まれてなる上の片持ち片状部11と、貫通孔Hを構成するメインスリット部h1と左右のサイドスリット部h2の下部とによって下向き略コ字状をなすように囲まれてなる下の片持ち片状部12が形成されている。
【0028】
上下の片持ち片状部11、12は、開口部Kを通じて収納空間spに対して物品Bを出し入れする際に基端部を回転中心として前後方向に柔軟に弾性変形し得るものとなっている。下の片持ち片状部12は、ポケット本体21を構成する前シート部25とガイド縁部23を構成するガイド縁部本体27との間に位置したものとなっている。
【0029】
溶着ガイド部13は、製造時におけるポケット体2の一端部の溶着箇所を案内するためのものである。すなわち、溶着ガイド部13は、ポケット体2のガイド縁部23を構成する下の被取付部t2の溶着箇所を案内し得るものとなっている。
【0030】
この実施形態では、溶着ガイド部13は、下向きコ字状をなす線が視認可能に表示されている。溶着ガイド部13は、ベース1を構成する合成樹脂製シート材の外面に微細な凹みを設けることにより表示されている。溶着ガイド部13は、ポケット体2のガイド縁部23を構成する下の被取付部t2の外縁形状に合致した形状をなしている。
【0031】
山折り線部14は、貫通孔Hの上下に一定の間隔を空けて左右方向に直線状に延設されている。上下に隣り合う山折り線部14の間には、貫通孔Hが位置するようになっている。
【0032】
谷折り線部15は、貫通孔Hを構成する左右のサイドスリット部h2の左右外側に配設されている。谷折り線部15は、上下に隣り合う山折り線部14に対してそれぞれ略等距離の位置に設けられている。換言すれば、谷折り線部15は、上下に隣り合う山折り線部14の中央に配設されている。
【0033】
谷折り線部15は、左右のサイドスリット部h2における上端部近傍の外側に左右方向に直線状をなすように延設されている。谷折り線部15は、開口部Kを通じて物品Bを出し入れする場合において、開口部Kが前後方向に開き易くなるようにベース1の折り曲がりを補助する役割も担っている。
【0034】
なお、この実施形態では、谷折り線部15の下に、開口部Kを通じて物品Bを出し入れする場合の開口部Kが前後方向に開き易くなるようにベース1の折り曲がりを補助し得る補助折り線部16が設けられている。補助折り線部16は、谷折り線部15と平行に配設されている。補助折り線部16は、左右のサイドスリット部h2における下端部近傍の外側に左右方向に直線状をなすように延設されている。補助折り線部16は、開口部Kを通じて物品Bを出し入れする場合に山折りされるものとなっている。
【0035】
収納具は、ベース1を所定の位置、すなわち、山折り線部14及び谷折り線部15において折り曲げることにより、五つのポケット体2が重なり合う折り畳み姿勢(F)を採り得るように構成されている。収納具は、折り畳み姿勢(F)をなす場合には、ポケット体2の屈曲部22が面一をなすように伸張されたものとなり、厚み方向に嵩張り難いような平面的な形状をなすように構成されている。
【0036】
<ポケット体2>
ポケット体2は、ベース1よりも軟質である合成樹脂製の一枚のシート材により形成されたものである。ポケット体2を構成するシート材は、ベース1を構成するシート材と異なる色彩に設定されている。
【0037】
ポケット体2は、収納空間spを有するポケット本体21と、ポケット本体21に屈曲部22を介して連設され貫通孔Hに沿って配設されたガイド縁部23とを備えたものである。
【0038】
ポケット体2を構成するポケット本体21、屈曲部22、及び、ガイド縁部23は、一枚のシート材により作られている。このため、ポケット体2は、ポケット本体21、屈曲部22、及び、ガイド縁部23が一連に繋がったものとなっている。つまり、ポケット本体21、屈曲部22、及び、ガイド縁部23は、二枚のシート材を溶着等によって繋げた場合に生じ得る段差が皆無のものとなっている。
【0039】
ポケット本体21は、横長矩形状をなす後シート部24と、後シート部24の前に配された横長矩形状をなす前シート部25を備えたものである。これら後シート部24と前シート部25との間に、収納空間spが形成されるようになっている。
【0040】
後シート部24の上端部は、ベース1における貫通孔Hよりも上の背面に溶着により取り付けられている。すなわち、後シート部24の上端部には、貫通孔Hよりも上に溶着される上の被取付部t1が設けられている。後シート部24の下端部は、下端屈曲部26を介して前シート部25の下端部に一体に連設されている。後シート部24の左右両端部には、前シート部25の左右両端部が連結されている。つまり、ポケット本体21は、上方が開放された袋状をなしている。
【0041】
前シート部25の上部は、貫通孔Hを通じてベース1の前面側に位置し得るように構成されている。前シート部25における貫通孔Hを通過する箇所又はその近傍には、前シート部25の上部がベース1の前面側に位置し得るように前方への曲がりを補助する補助折り線部28が設けられている。
【0042】
前シート部25の上部以外の部分は、ベース1の背面側に位置するものとなっている。換言すれば、袋状をなすポケット本体21は、その主要部がベース1の背面側に位置するものとなっている。前シート部25の上端部は、屈曲部22を介してガイド縁部23に一体に連設されている。
【0043】
屈曲部22は、ベース1の貫通孔Hを臨み得る位置に配設されている。屈曲部22は、側面視において、上方に凸をなすように設けられている。屈曲部22は、前シート部25の上端部とガイド縁部本体27の上端部との間に設けられたものである。すなわち、屈曲部22は、ポケット本体21とガイド縁部23との境界部分を構成するものである。
【0044】
屈曲部22は、ベース1よりも前方に離間して設けられている。換言すれば、この収納具は、使用姿勢(U)において、開口部Kを構成する前端開口縁部である屈曲部22をベース1よりも前側に離間させ得るようにポケット体2の形態及びポケット体2のベース1に対する取付位置が設定されている。屈曲部22が、ベース1よりも前方に離間しているので、開口部Kを通じて物品Bを出し入れし易いものとなっている。なお、屈曲部22には、あらかじめ折り線が設けられており、屈曲し易く構成されている。
【0045】
ガイド縁部23は、ベース1の前面側に配設され正面視において左右方向に延びてなる帯状をなしている。ガイド縁部23は、貫通孔Hに沿って左右方向に延設されている。ガイド縁部23は、正面視における帯状の外観に基づいて、開口部Kの位置を案内し得る目印として機能し得るものとなっている。
【0046】
ガイド縁部23は、正面視において、使用者に視認される部位をなすとともに側面視において前方に凸をなすように膨らんだ形状を採り得る部位をなすガイド縁部本体27と、ガイド縁部本体27の背面側に位置するように当該ガイド縁部本体27の下端縁から上方に向かって延設された下の被取付部t2とを備えたものである。
【0047】
ガイド縁部本体27は、左右方向に延びた矩形帯状をなしたものである。ガイド縁部本体27は、正面視において、貫通孔Hを構成するメインスリット部h1の前に配設されており、メインスリット部h1が前方から視認され難いようになっている。
【0048】
ポケット体2における前シート部25の上部、屈曲部22、及び、ガイド縁部23は、側面視において、ベース1に設けられた下の片持ち片状部12を前後方向に跨ぐように設けられている。
【0049】
下の被取付部t2は、ベース1における貫通孔Hよりも下の前面に溶着されるものとなっている。下の被取付部t2の取付位置は、ベース1に設けられた溶着ガイド部13により案内されるものとなっている。
【0050】
ポケット体2を構成するシート材は、ベース1を構成するシート材と異なる色彩に設定することができるものとなっている。ポケット体2とベース1とを異なる色彩に設定した場合には、使用者は、正面側から見た場合に、ベース1よりも前に配設されたガイド縁部23(特に、ガイド縁部本体27)を視認しやすいものとなっている。
【0051】
<開口部K>
開口部Kは、収納空間spに対して物品Bを出し入れするためのものであり、ベース1とガイド縁部23との間に形成されている。
【0052】
開口部Kは、ベース1の前面と屈曲部22との間が離間するように構成されている。物品Bを収納空間spに対して収納する場合には、使用者は、ベース1の前面と屈曲部22との間の隙間に手指を掛けたり物品Bを掛けたりすることにより、開口部Kを拡張させつつ容易に物品Bを収納空間spに収納し得るものとなっている。
【0053】
<吊下げ部材3>
吊下げ部材3は、ベース1及びポケット体2を主体に構成された本体部を懸吊支持するためのものである。
【0054】
吊下げ部材3は、上部に設けられ建物や家具等の構造物に引っ掛け可能な引っ掛け部31と、帯状をなし引っ掛け部31とベース1との間を繋ぐ帯状部32とを備えたものである。なお、吊下げ部材3の帯状部32は、左右方向に延びた芯材を介してベース1に対して回転可能に接続したものとなっている。
【0055】
以上に述べたように、本実施形態に係る収納具は、前後方向に貫通する貫通孔Hが設けられたベース1と、ベース1に取り付けられ物品Bを収納し得る収納空間spが設けられたポケット体2とを備えてなるものである。
【0056】
そして、ポケット体2が、収納空間spを有するポケット本体21と、ポケット本体21に屈曲部22を介して連設され貫通孔Hに沿って左右方向に延びるように配設されたガイド縁部23とを備えたものである。
【0057】
収納具は、ベース1とガイド縁部23との間に収納空間spに対して物品Bを出し入れするための開口部Kが形成されたものであり、屈曲部22が、ベース1よりも前方に離間して設けられている。
【0058】
このため、この実施形態であれば、ポケット体2の収納空間spに対して、開口部Kを通じて物品Bを出し入れし易く構成された収納具を提供することができるものとなる。
【0059】
つまり、ポケット体2を構成するガイド縁部23を目印として、使用者は、開口部Kの位置を把握し易いものとなっている。また、従来の如く平滑な前向端面に物品出し入れ口が剥き出し的に設けられているようなものとは異なり、本実施形態のものは、ポケット体2の屈曲部22が、ベース1よりも前方に離間しているので、開口部Kを通じて物品Bを出し入れし易いものとなっている。
【0060】
ポケット本体21が、後シート部24と、後シート部24の前に配された前シート部25とを備えたものであり、後シート部24と前シート部25との間に収納空間spが形成されるものである。そして、前シート部25の上部が貫通孔Hを通じてベース1の前面側に位置し得るように構成されている。
【0061】
このため、ベース1の前側からポケット本体21に対して、物品Bを収納し易いものとなっている。
【0062】
後シート部24の上端部が、ベース1における貫通孔Hよりも上の背面に取り付けられたものであり、ガイド縁部23の端部が、ベース1における貫通孔Hよりも下の前面に取り付けられたものである。
【0063】
このため、ポケット体2の上端部よりもガイド縁部23の端部が前方に位置する態様を好適に採り得るものとなるため、開口部Kを通じて物品Bを出し入れし易い設計の自由度に優れたものとなっている。
【0064】
ベース1が、合成樹脂製のシート材により形成されたものであり、ポケット体2が、ベース1よりも軟質である合成樹脂製のシート材により形成されたものである。
【0065】
このため、収納具は、全体としての剛性を有しつつ、物品Bをポケット体2に対して出し入れし易い柔軟性に優れたものとなっている。
【0066】
ベース1に、上下方向に間隔を空けて複数すなわち五つの貫通孔Hが設けられたものであり、五つの貫通孔Hに対応させて、五つのポケット体2が設けられている。
【0067】
このため、収納具は、複数のポケット体2に対して使用者の任意で物品Bを選択的に収納し得るものとなっている。
【0068】
ベース1を所定の位置において折り曲げることにより、複数すなわち五つのポケット体2が重なり合う折り畳み姿勢(F)を採り得るように構成されている。
【0069】
このため、収納具は、使用前の搬送時や不使用時等においてコンパクトに纏まった姿勢を採り得るものとなっている。
【0070】
ベース1が、吊下げ部材3を介して、吊下げ支持されるものである。このため、収納具は、吊下げ部材3を建物や家具等の構造物に掛けて、いわゆる壁掛け用の収納具として好適に使用し得るものとなっている。
【0071】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0072】
ベースを構成するシート材は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の材質及び形状のものを適用し得ることは言うまでもない。
【0073】
ポケット体を構成するシート材は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の材質及び形状のものを適用し得ることは言うまでもない。
【0074】
ベースに設けられる貫通孔の数及び当該貫通孔に対応して設けられるポケット本体の数は、単数であってもよい。
【0075】
ポケット本体は、収納空間を形成したものであれば、どのような形態のものであってもよい。例えば、ポケット本体は、左右の両側端部が塞がっていないものであってもよい。
【0076】
ガイド縁部は、貫通孔に沿って配設されたものであればよく、その形態は横長帯状のものに限られるものではない。
【0077】
屈曲部は、折り線に伴わせて曲げられたものに限られるものではなく、折り線を設けることなく曲げられたものであってもよい。
【0078】
ガイド縁部の端部は、ベースの前面に取り付けられたものであればよく、その態様は適宜のものと採り得ることができるものである。
【0079】
収納具は、専ら使用姿勢を採るものであってもよい。換言すれば、収納具は、折り畳み姿勢が採れない構成のものであってもよい。
【0080】
収納具は、吊下げ部材を介して、吊下げ支持されないものであってもよい。
【0081】
吊下げ部材は、種々の構造のものを適用可能であることはもちろんのことである。
【0082】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…ベース
2…ポケット体
K…開口部
21…ポケット本体
22…屈曲部
23…ガイド縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13