(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127573
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】制御装置、コンテンツ視聴制御システム、移動体、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036809
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 敬史
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮介
(72)【発明者】
【氏名】菊池 慎一
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC01
3D020BC03
3D020BD05
3D020BE03
(57)【要約】
【解決手段】移動体に設置された表示装置用の制御装置が提供される。前記表示装置は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、前記移動体に設置された第1座席用の第1表示領域と前記移動体内の第2座席用の第2表示領域とに前記表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有する。前記制御装置は、前記表示装置の表示モードを示す情報を取得する取得部と、前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる制御部とを備え、前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合と前記第2表示モードである場合とで前記ゾーニングを異ならせる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置された表示装置用の制御装置であって、
前記表示装置は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、前記移動体に設置された第1座席用の第1表示領域と前記移動体内の第2座席用の第2表示領域とに前記表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有し、
前記制御装置は、
前記表示装置の表示モードを示す情報を取得する取得部と、
前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる制御部と
を備え、
前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合と前記第2表示モードである場合とで前記ゾーニングを異ならせる
制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合に、前記移動体内の空間を1つのゾーンにゾーニングし、
前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、前記移動体内の空間を、前記第1座席が設置された位置に対応する第1ゾーンと、前記第2座席が設置された位置に対応する第2ゾーンとにゾーニングする
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、
前記第1表示領域に表示される第1コンテンツのオーディオが前記第1ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させ、
前記第2表示領域に表示される第2コンテンツのオーディオを前記第2ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させる
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記移動体の乗員の視線を検出する視線検出部
をさらに備え、
前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、
前記第1表示領域及び前記第2表示領域のうち前記第1ゾーン内に位置する第1乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させる、及び/又は
前記第1表示領域及び前記第2表示領域のうち前記第2ゾーン内に位置する第2乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを前記第2ゾーンに出力させる
請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置し、前記第1座席が前記移動体の運転手が着席する座席である場合、前記制御部は、前記移動体の運転状態に応じて、前記第2表示領域に表示される第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させるか否かを判断する
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1座席は前記移動体の運転手が着席する座席であり、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置する場合、前記移動体が停車状態である又は前記移動体が自動運転中であることを条件として、前記第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させると判断する
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1座席は前記移動体の運転手が着席する座席であり、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置する場合、前記第1乗員が前記移動体を運転しているときは、前記第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させないと判断する
請求項5又は6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記移動体の乗員の状態及び属性の少なくとも一方を検出する乗員情報検出部
をさらに備え、
前記制御部はさらに、前記乗員情報検出部によって検出された乗員の状態及び属性の少なくとも一方に基づいて、オーディオを出力することが不要な乗員を特定し、特定した乗員が位置するゾーンに出力されるオーディオを抑制させる
請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記移動体は車両である
請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記表示装置と
を備えるコンテンツ視聴制御システム。
【請求項11】
請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置を備える移動体。
【請求項12】
移動体に設置された表示装置用の制御装置が実行する制御方法であって、
前記表示装置は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、前記移動体に設置された第1座席用の第1表示領域と前記移動体内の第2座席用の第2表示領域とに前記表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有し、
前記制御方法は、
前記表示装置の表示モードを示す情報を取得する段階と、
前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる段階と
を備え、
前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる段階は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合と前記第2表示モードである場合とで前記ゾーニングを異ならせる
制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、コンテンツ視聴制御システム、移動体、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、画面を分割して複数の映像を表示すること、及び、動画の表示位置に応じて音声出力を制御することが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2013-187841号公報
特許文献2 特開2005-110103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、移動体内の乗員にとって、移動体の表示装置でコンテンツを視聴するための操作を容易に行うことが課題である。本願は上記課題の解決のため、オーディオに係る操作性の向上を目的としたものである。そして、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、制御装置が提供される。制御装置は、移動体に設置された表示装置用の制御装置である前記表示装置は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、前記移動体に設置された第1座席用の第1表示領域と前記移動体内の第2座席用の第2表示領域とに前記表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有する。前記制御装置は、前記表示装置の表示モードを示す情報を取得する取得部を備える。前記制御装置は、前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる制御部を備える。前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合と前記第2表示モードである場合とで前記ゾーニングを異ならせる。
【0005】
上記の制御装置において、前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合に、前記移動体内の空間を1つのゾーンにゾーニングし、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、前記移動体内の空間を、前記第1座席が設置された位置に対応する第1ゾーンと、前記第2座席が設置された位置に対応する第2ゾーンとにゾーニングしてよい。
【0006】
上記いずれかの制御装置において、前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、前記第1表示領域に表示される第1コンテンツのオーディオが前記第1ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させ、前記第2表示領域に表示される第2コンテンツのオーディオを前記第2ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させてよい。
【0007】
上記いずれかの制御装置は、前記移動体の乗員の視線を検出する視線検出部を備えてよい。前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、前記第1表示領域及び前記第2表示領域のうち前記第1ゾーン内に位置する第1乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させてよい。前記制御部は、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードである場合に、前記第1表示領域及び前記第2表示領域のうち前記第2ゾーン内に位置する第2乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを前記第2ゾーンに出力させてよい。
【0008】
上記いずれかの制御装置において、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置し、前記第1座席が前記移動体の運転手が着席する座席である場合、前記制御部は、前記移動体の運転状態に応じて、前記第2表示領域に表示される第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させるか否かを判断してよい。
【0009】
上記いずれかの制御装置において、前記第1座席は前記移動体の運転手が着席する座席であり、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置する場合、前記移動体が停車状態である又は前記移動体が自動運転中であることを条件として、前記第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させると判断してよい。
【0010】
上記いずれかの制御装置において、前記表示装置の表示モードが前記第2表示モードであり、前記第1乗員の視線の先に前記第2表示領域が位置し、前記第1座席が前記移動体の運転手が着席する座席である場合、前記第1乗員が前記移動体を運転しているときは、前記第2コンテンツのオーディオを前記第1ゾーンに出力させないと判断してよい。
【0011】
上記いずれかの制御装置は、前記移動体の乗員の状態及び属性の少なくとも一方を検出する乗員情報検出部を備えてよい。前記制御部はさらに、前記乗員情報検出部によって検出された乗員の状態及び属性の少なくとも一方に基づいて、オーディオを出力することが不要な乗員を特定し、特定した乗員が位置するゾーンに出力されるオーディオを抑制させてよい。
【0012】
上記いずれかの制御装置において、前記移動体は車両であってよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、コンテンツ視聴制御システムが提供される。前記コンテンツ視聴制御システムは、上記いずれかの制御装置と、前記表示装置とを備える。
【0014】
本発明の第3の態様においては、移動体が提供される。前記移動体は、上記いずれかの制御装置を備える。
【0015】
本発明の第4の態様においては、制御方法が提供される。前記制御方法は、移動体に設置された表示装置用の制御装置が実行する制御方法である。前記表示装置は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、前記移動体に設置された第1座席用の第1表示領域と前記移動体内の第2座席用の第2表示領域とに前記表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有する。前記制御方法は、前記表示装置の表示モードを示す情報を取得する段階を備える。前記制御方法は、前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる段階を備える。前記移動体内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる段階は、前記表示装置の表示モードが前記第1表示モードである場合と前記第2表示モードである場合とで前記ゾーニングを異ならせる。
【0016】
本発明の第5の態様においては、プログラムが提供される。前記プログラムは、コンピュータを、上記いずれかの制御装置として機能させる。
【0017】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態における移動体10の構成を概念的に示す。
【
図2】移動体10が備えるコンテンツ視聴制御システム200の構成の一例を示す。
【
図4】表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合のゾーン400を模式的に示す。
【
図5】表示装置22の表示モードが第2表示モードに切り替えられた場合の第1ゾーン510及び第2ゾーン520を模式的に示す。
【
図6】他の態様として、表示装置22及び表示装置24の表示モードが第1表示モードである場合のゾーン600を模式的に示す。
【
図7】表示装置22及び表示装置24の表示モードが第2表示モードに切り替えられた場合の第1ゾーン510、第2ゾーン520、第1ゾーン710及び第2ゾーン720を模式的に示す。
【
図8】制御部220が実行する制御方法に係るフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、一実施形態における移動体10の構成を概念的に示す。本実施形態において、移動体10は車両である。
【0021】
移動体10は、制御装置20と、オーディオ生成装置26と、表示装置22及び表示装置24と、スピーカ50a、スピーカ50b、スピーカ50c、スピーカ50d、スピーカ50e、及びスピーカ50fと、スピーカ60a、スピーカ60b、スピーカ60c、及びスピーカ60dと、スピーカ70a、スピーカ70b、スピーカ70c、スピーカ70d、スピーカ70e、及びスピーカ70fと、スピーカ80a、スピーカ80b、スピーカ80c、及びスピーカ80dと、第1座席11、第2座席12、第1座席13及び第2座席14と、撮像装置28と、を備える。
【0022】
第1座席11及び第2座席12は、移動体10の後部座席である。第1座席11は、移動体10の前進方向左側に位置する座席である。第2座席12は、移動体10の前進方向右側に位置する座席である。第1座席13及び第2座席14は、移動体10の前部座席である。第1座席13は、移動体10の前進方向左側に位置する座席である。第2座席14は、移動体10の前進方向右側に位置する座席である。
【0023】
本実施形態において、スピーカ50a、スピーカ50b、スピーカ50c、スピーカ50d、スピーカ50e、及びスピーカ50fを「スピーカ50」と総称し、スピーカ60a、スピーカ60b、スピーカ60c、及びスピーカ60dを「スピーカ60」と総称する場合がある。同様に、スピーカ70a、スピーカ70b、スピーカ70c、スピーカ70d、スピーカ70e、及びスピーカ70fを「スピーカ70」と総称する場合があり、スピーカ80a、スピーカ80b、スピーカ80c、及びスピーカ80dを「スピーカ80」と総称する場合がある。
【0024】
スピーカ50及びスピーカ70は、例えば、5.1ch、7.1ch等のマルチチャンネルスピーカシステムを構成する。スピーカ50は、主として第1座席11及び第2座席12に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。スピーカ70は、主として第1座席13及び第2座席14に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。スピーカ60a及びスピーカ60bは、第1座席11のヘッドレストに設けられる。スピーカ60a及びスピーカ60bは、主として第1座席11に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。スピーカ60c及びスピーカ60dは、第2座席12のヘッドレストに設けられる。スピーカ60c及びスピーカ60dは、主として第2座席12に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。スピーカ80a及びスピーカ80bは、第1座席13のヘッドレストに設けられる。スピーカ80a及びスピーカ80bは、主として第1座席13に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。スピーカ80c及びスピーカ80dは、第2座席14のヘッドレストに設けられる。スピーカ80c及びスピーカ80dは、主として第2座席14に座っている乗員にオーディオコンテンツを提供するためのスピーカである。
【0025】
ここで、後部座席に座っている乗員が、表示装置22、スピーカ50及びスピーカ60を用いてコンテンツを視聴する場合を説明する。表示装置22は、コンテンツを表示する。例えば、表示装置22は、映像コンテンツ又は静止画コンテンツを表示する。スピーカ50及びスピーカ60は、前記表示装置22が表示するコンテンツに関連づけられたオーディオコンテンツのオーディオを出力する。具体的には、オーディオ生成装置26は、前記表示装置22が表示するコンテンツに関連づけられたオーディオデータに基づいて、スピーカ50及びスピーカ60に出力するオーディオ信号を生成する。スピーカ50及びスピーカ60は、オーディオ生成装置26から出力されたオーディオ信号に基づいてオーディオを出力する。第1座席11に座っている乗員及び第2座席12に座っている乗員、表示装置22が表示するコンテンツを視ることができ、スピーカ50及びスピーカ60から出力されるオーディオを聴くことができる。
【0026】
制御装置20は、表示装置22が表示するコンテンツを制御する。表示装置22は、表示領域全体を1つのコンテンツを表示する第1表示モードに加えて、表示領域全体を複数の表示領域に分割して表示する第2表示モードを含む複数の表示モードを備える。例えば、表示装置22は、移動体10の進行方向左側の第1表示領域23aに第1コンテンツを表示し、移動体10の第2進行方向右側の第2表示領域23bに第2コンテンツを表示することができる。制御装置20は、表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合、移動体10内の後部座席空間を1つのゾーンにゾーニングしてオーディオコンテンツを出力させる。具体的には、制御装置20は、スピーカ50からオーディコンテンツを出力させる。
【0027】
一方、表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合、移動体10内の後部座席空間を、第1座席11の位置に対応する第1ゾーン及び第2座席12の位置に対応する第2ゾーンにゾーニングし、第1コンテンツに関連付けられた第1オーディオコンテンツを第1ゾーンに出力させ、第2コンテンツに関連付けられた第2オーディオコンテンツを第2ゾーンに出力させる。具体的には、制御装置20は、第1オーディオコンテンツをスピーカ60a及びスピーカ60bから出力させ、第2オーディオコンテンツをスピーカ60c及びスピーカ60dから出力させる。このとき、制御装置20は、第1オーディオコンテンツの音波に加えて、スピーカ60c及びスピーカ60dから出力される第2オーディオコンテンツの音波の概ね逆位相の音波を、スピーカ60a及びスピーカ60bから出力させる。これにより、第1座席11に座っている乗員は実質的に第1オーディオコンテンツのみを聴くことができる。同様に、制御装置20は、第2オーディオコンテンツの音波に加えて、スピーカ60a及びスピーカ60bから出力される第1オーディオコンテンツの音波の概ね逆位相の音波を、スピーカ60c及びスピーカ60dから出力させる。これにより、第2座席12に座っている乗員は実質的に第2オーディオコンテンツのみを聴くことができる。
【0028】
前部座席に座っている乗員は、表示装置24、スピーカ70及びスピーカ80を用いてコンテンツを視聴する場合も、上述したように表示装置22、スピーカ50及びスピーカ60を用いてコンテンツを視聴する場合と同様の動作を行う。つまり、表示装置24は、表示装置22と同様に、第1表示モード及び第2表示モードを含む複数の表示モードを備える。制御装置20は、表示装置24の表示モードが第1表示モードである場合、移動体10内の前部座席空間を1つのゾーンとして設定し、設定したゾーンに従ってオーディオコンテンツを出力させる。具体的には、制御装置20は、スピーカ70からオーディコンテンツを出力させる。
【0029】
一方、表示装置24の表示モードが第2表示モードである場合、表示装置24は、第1表示領域25aに第1コンテンツを表示し、第2表示領域25bに第2コンテンツを表示する。このとき、制御装置20は、移動体10内の前座席空間に、第1座席13の位置に対応する第1ゾーン及び第2座席14の位置に対応する第2ゾーンを設定し、第1コンテンツに関連付けられた第1オーディオコンテンツを第1ゾーンに出力させ、第2コンテンツに関連付けられた第2オーディオコンテンツを第2ゾーンに出力させる。具体的には、制御装置20は、第1オーディオコンテンツをスピーカ80a及びスピーカ80bから出力させ、第2オーディオコンテンツをスピーカ80c及びスピーカ60dから出力させる。このとき、制御装置20は、第1オーディオコンテンツの音波に加えて、スピーカ80c及びスピーカ80dから出力される第2オーディオコンテンツの音波の概ね逆位相の音波を、スピーカ80a及びスピーカ80bから出力させる。これにより、第1座席11に座っている乗員は実質的に第1オーディオコンテンツのみを聴くことができる。同様に、制御装置20は、第2オーディオコンテンツの音波に加えて、スピーカ80a及びスピーカ80bから出力される第1オーディオコンテンツの音波の概ね逆位相の音波を、スピーカ80c及びスピーカ80dから出力させる。これにより、第2座席12に座っている乗員は実質的に第2オーディオコンテンツのみを聴くことができる。
【0030】
以上に説明した制御装置20によれば、例えば、左右の座席に座っている複数の乗員が同じコンテンツを視聴したい場合には、表示装置の表示モードを第1表示モードとし、少なくとも左右の座席全体に同一のゾーンを設定し、左右の座席全体に同一のコンテンツを提供することができる。一方、左右の座席の乗員が互いに別のコンテンツを視聴したい場合には、表示装置の表示モードを第2表示モードとし、左右の座席に対応する2つのゾーンを設定することで、一方の座席に座っている乗員には一方のオーディオコンテンツを提供し、他方の座席に座っている乗員には他方のオーディオコンテンツを提供することができる。これにより、移動体10の乗員が別々のコンテンツを簡単に視聴することができる。
【0031】
図2は、移動体10が備えるコンテンツ視聴制御システム200の構成の一例を示す。コンテンツ視聴制御システム200は、制御装置20と、表示装置22及び表示装置24と、オーディオ生成装置26と、スピーカシステム90と、撮像装置28と、記憶装置280と、通信装置290とを備える。
【0032】
スピーカシステム90は、スピーカ50、スピーカ60、スピーカ70、及びスピーカ80を備える。記憶装置280は、コンテンツを記憶する。制御装置20は、記憶装置280に記憶されているコンテンツを、表示装置22、表示装置24及びスピーカシステム90から出力させる。記憶装置280は、不揮発性記憶媒体を含んで構成される。不揮発性記憶媒体は、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってよく、DVD(デジタル多目的)等のディスク型の記憶装置であってよい。通信装置290は、移動体10の外部から無線通信によってコンテンツを受信する。制御装置20は、通信装置290が受信したコンテンツを表示装置22、表示装置24及びスピーカシステム90から出力させる。
【0033】
撮像装置28は、第1座席11、第2座席12、第1座席13及び第2座席14に座っている乗員を撮像可能な位置に設けられる。撮像装置28は、1つ以上の撮像装置を含んでよい。
【0034】
制御装置10は、移動体10に設置された表示装置22用のオーディオを制御する。制御装置20は、取得部210と、制御部220と、視線検出部230と、乗員情報検出部240とを備える。
【0035】
表示装置22は、表示領域を分割せずにコンテンツを表示する第1表示モードと、移動体10に設置された第1座席11用の第1表示領域23aと移動体10内の第2座席12用の第2表示領域23bとに表示領域を分割して表示する第2表示モードとを有する。取得部210は、表示装置22の表示モードを示す情報を取得する。制御部220は、移動体10内の空間をゾーニングしてオーディオを出力させる。制御部220は、表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合と第2表示モードである場合とでゾーニングを異ならせる。
【0036】
制御部220は、表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合に、移動体10内の空間を1つのゾーンにゾーニングし、表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合に、移動体10内の空間を、第1座席11が設置された位置に対応する第1ゾーンと、第2座席12が設置された位置に対応する第2ゾーンとにゾーニングする。
【0037】
制御部220は、表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合に、第1表示領域23aに表示される第1コンテンツのオーディオが第1ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させ、第2表示領域23bに表示される第2コンテンツのオーディオを第2ゾーン内に位置する乗員に聞こえるようにオーディオを出力させる。
【0038】
視線検出部230は、移動体10の乗員の視線を検出する。例えば、視線検出部230は、撮像装置280が撮像した乗員の顔の画像に基づいて、移動体10の乗員の視線を検出する。制御部220は、表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合に、第1表示領域23a及び第2表示領域23bのうち第1ゾーン内に位置する第1乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを第1ゾーンに出力させてよい。制御部220は、第1表示領域23a及び第2表示領域23bのうち第2ゾーン内に位置する第2乗員の視線の先に位置する領域に表示されるコンテンツのオーディオを第2ゾーンに出力させてよい。
【0039】
乗員情報検出部240は、移動体10の乗員の状態及び属性の少なくとも一方を検出する。移動体10の乗員の状態は、乗員が就寝中であるか否かを示す状態を含んでよい。移動体10の乗員の属性は、例えば、移動体10の年齢層であってよい。制御部220はさらに、乗員情報検出部によって検出された乗員の状態及び属性の少なくとも一方に基づいて、オーディオを出力することが不要な乗員を特定し、特定した乗員が位置するゾーンに出力されるオーディオを抑制させる。
【0040】
以上において、制御装置20が、後部座席用の表示装置22に表示されるコンテンツのオーディオの制御を行う場合を取り上げて説明したが、同様の制御を、前部座席用の表示装置24に表示されるコンテンツのオーディオの制御を行う場合にも適用できる。ここでは特に、前部座席に特有の構成として、運転手の視線に基づく制御を説明する。本実施形態では、第1座席13が移動体10の運転手が着席する座席であるとする。第1乗員は第1座席13に着席している乗員であるとする。
【0041】
表示装置24の表示モードが第2表示モードであり、第1乗員の視線の先に第2表示領域25bが位置し、第1座席13が移動体10の運転手が着席する座席である場合、制御部220は、移動体10の運転状態に応じて、第2表示領域25bに表示される第2コンテンツのオーディオを第1ゾーンに出力させるか否かを判断する。
【0042】
第1座席13は移動体10の運転手が着席する座席であり、表示装置24の表示モードが第2表示モードであり、第1乗員の視線の先に第2表示領域25bが位置する場合、移動体10が停車状態である又は移動体10が自動運転中であることを条件として、第2コンテンツのオーディオを第1ゾーンに出力させると判断する。一方、第1座席11は移動体10の運転手が着席する座席であり、表示装置24の表示モードが第2表示モードであり、第1乗員の視線の先に第2表示領域25bが位置する場合、第1座席13に着席している乗員が移動体10を運転しているときは、第2コンテンツのオーディオを第1ゾーンに出力させないと判断する。
【0043】
図3は、表示装置22の表示領域を模式的に示す。表示装置22の全体の表示領域300は、第1表示領域23a及び第2表示領域23bを含む。第1表示領域23aは移動体10の進行方向左側の表示領域であり、第2表示領域23bは移動体10の進行方向右側の表示領域である。表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合、表示装置22は、表示領域300の全体に1つのコンテンツを表示する。表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合、表示装置22は、第1表示領域23aに第1コンテンツを表示しながら、第2表示領域23bに第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示する。
【0044】
表示装置22と同様に、表示装置24の全体の表示領域は、進行方向左側の第1表示領域25a及び進行方向右側の第2表示領域25bを含む。表示装置24の第1表示領域25a及び第2表示領域25bの配置は、表示装置22における第1表示領域23a及び第2表示領域23bの配置と同様であるので、図示を省略する。表示装置24の表示モードが第1表示モードである場合、表示装置24は、表示装置24の表示領域の全体に1つのコンテンツを表示する。表示装置24の表示モードが第2表示モードである場合、表示装置24は、進行方向左側の第1表示領域25aに第1コンテンツを表示しながら、進行方向右側の第2表示領域25bに第1コンテンツとは異なる第2コンテンツを表示する。
【0045】
図4は、表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合のゾーン400を模式的に示す。ゾーン400は、第1座席11及び第2座席12を含む後部座席エリアを少なくとも含むようにゾーン400を設定される。表示装置22の表示モードが第1表示モードである場合、制御部220は、表示装置22の表示領域に表示されるコンテンツのオーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ50に出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させる。これにより、表示装置22の表示領域に表示されるコンテンツのオーディオコンテンツがスピーカ50を通じてゾーン400に提供される。したがって、第1座席11に座っている乗員及び第2座席12に座っている乗員は、表示装置22の表示領域に表示されるコンテンツを視聴することができる。
【0046】
図5は、表示装置22の表示モードが第2表示モードに切り替えられた場合の第1ゾーン510及び第2ゾーン520を模式的に示す。第1ゾーン510は、第1座席11のヘッドレスト近傍を少なくとも含むように設定され、第2ゾーン520は、第2座席12のヘッドレスト近傍を少なくとも含むように設定される。
【0047】
表示装置22の表示モードが第2表示モードである場合、制御部220は、表示装置22の表示領域23aに表示される第1コンテンツの第1オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ60a及びスピーカ60bに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させるとともに、表示装置22の表示領域23bに表示される第2コンテンツの第2オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ60c及びスピーカ60dに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させる。制御部220は、第1オーディオコンテンツデータに基づく音波に加えて、スピーカ60c及びスピーカ60dから出力される第2オーディオコンテンツデータに基づく音波の逆位相の音波がスピーカ60a及びスピーカ60bから出力されるように、オーディオ生成装置26を制御する。これにより、第1ゾーン510には、表示装置22の表示領域23aに表示される第1コンテンツのオーディオコンテンツのみがスピーカ60a及びスピーカ60bを通じて実質的に提供され、第2コンテンツのオーディオコンテンツは実質的に提供されないようにすることができる。逆に、第2ゾーン520には、表示装置22の表示領域23bに表示される第2コンテンツのオーディオコンテンツのみがスピーカ60c及びスピーカ60dを通じて実質的に提供され、第1コンテンツのオーディオコンテンツは実質的に提供されないようにすることができる。したがって、第1座席11に座っている乗員及び第2座席12に座っている乗員は、互いに別のコンテンツを視聴することができる。
【0048】
視線検出部230は、撮像装置28によって撮像された第1座席11に座っている乗員の顔の画像から、乗員の視線を検出する。例えば、視線検出部230は、乗員の顔画像から、乗員の顔の向き及び黒目の位置を特定し、特定した乗員の顔の向き及び黒目の位置に基づいて、乗員の視線を検出してよい。制御部220は、第1座席11に座っている乗員の視線が第1表示領域23aに向いているか第2表示領域23bに向いているか否かを判断する。制御部220は、第1座席11に座っている乗員の視線が第2表示領域23bに向いていると判断した場合、第2表示領域23bに表示されている第2コンテンツの第2オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ60a及びスピーカ60bに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。これにより、第1座席11に座っている乗員は、第2表示領域23bに視線を向けると、第2コンテンツのオーディオを聴くことができる。同様に、制御部220は、第2座席12に座っている乗員の視線が第1表示領域23aに向いていると判断した場合、第1表示領域23aに表示されている第1コンテンツの第1オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ60c及びスピーカ60dに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。
【0049】
乗員情報検出部240は、移動体10の乗員の状態及び属性を検出する。例えば、乗員情報検出部240は、撮像装置28によって撮像された乗員の顔、乗員の姿勢等に基づいて、移動体10の乗員の状態及び属性を検出する。乗員情報検出部240は、乗員の状態として、乗員が就寝中であるか否か、乗員が表示装置22を見ているか否か等を検出してよい。乗員情報検出部240は、乗員の属性として、乗員が属する年齢層を検出してよい。制御部220は、乗員情報検出部240によって検出された乗員の状態及び属性の少なくとも一方に基づいて、オーディオの出力が不要な乗員を特定する。例えば、制御部220は、就寝中の乗員、表示装置22を予め定められた時間以上にわたって見ていない乗員を、オーディオの出力が不要な乗員であると特定する。制御部220は、検出された年齢層が予め定められた第1年齢層以下の乗員を、オーディオの出力が不要な乗員であると特定する。第1年齢層は幼児に該当する年齢層であってよい。制御部220は、検出された年齢層が予め定められた第2年齢層以上の乗員を、オーディオの出力が不要な乗員であると特定する。第2年齢層は老年に該当する年齢層であってよい。制御部220は、特定した乗員の位置を含むゾーンにオーディオが出力されないようにオーディオ生成装置26を制御する。例えば、制御部220は、第2座席12に座っている乗員に対してオーディオの出力が不要と判断すると、オーディオ生成装置26がスピーカ60c及びスピーカ60dに出力されるオーディオ信号を生成することを禁止する。
【0050】
図6は、他の態様として、表示装置22及び表示装置24の表示モードが第1表示モードである場合のゾーン600を模式的に示す。ゾーン600は、表示装置22及び表示装置24が同一のコンテンツを表示する場合に設定される。ゾーン600は、実質的に移動体10内の空間の全体に設定される。この場合、制御部220は、表示装置22及び表示装置24に表示されるコンテンツのオーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ50及びスピーカ70から出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。他の方法として、制御部220は、表示装置22及び表示装置24に表示されるコンテンツのオーディオコンテンツをスピーカ70e及びスピーカ70fを使用せずに出力させてよい。具体的には、制御部220は、表示装置22及び表示装置24に表示されるコンテンツのオーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ70a、スピーカ70b、スピーカ70c、スピーカ70d、スピーカ50e及びスピーカ50fから出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。
【0051】
図7は、表示装置22及び表示装置24の表示モードが第2表示モードに切り替えられた場合の第1ゾーン510、第2ゾーン520、第1ゾーン710及び第2ゾーン720を模式的に示す。第1ゾーン510及び第2ゾーン520は、
図5に関連して説明したので、ここでは説明を省略する。同様に、表示装置22の表示モードが第2表示モードの場合の制御部220の動作も
図5に関連して説明したので、ここでは説明を省略する。
【0052】
第1ゾーン710は、第1座席13のヘッドレスト近傍を少なくとも含むように設定され、第2ゾーン720は、第2座席14のヘッドレスト近傍を少なくとも含むように設定される。表示装置24の表示モードが第2表示モードである場合、制御部220は、表示装置24の表示領域25aに表示される第1コンテンツの第1オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ80a及びスピーカ80bに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させるとともに、表示装置24の表示領域25bに表示される第2コンテンツの第2オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ80c及びスピーカ80dに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させる。制御部220は、第1オーディオコンテンツデータに基づく音波に加えて、スピーカ80c及びスピーカ80dから出力される第2オーディオコンテンツデータに基づく音波の逆位相の音波がスピーカ80a及びスピーカ80bから出力されるように、オーディオ生成装置26を制御する。これにより、第1ゾーン710には、表示装置24の表示領域25aに表示される第1コンテンツのオーディオコンテンツのみがスピーカ80a及びスピーカ80bを通じて実質的に提供され、第2コンテンツのオーディオコンテンツは実質的に提供されないようにすることができる。逆に、第2ゾーン720には、表示装置24の表示領域25bに表示される第2コンテンツのオーディオコンテンツのみがスピーカ80c及びスピーカ80dを通じて実質的に提供され、第1コンテンツのオーディオコンテンツは実質的に提供されないようにすることができる。したがって、第1座席11に座っている乗員及び第2座席12に座っている乗員は、互いに別のコンテンツを視聴することができる。
【0053】
本実施形態において第1座席13は、移動体10の運転席である。視線検出部230は、撮像装置28によって撮像された第1座席13に座っている乗員の顔の画像から、乗員の視線を検出する。制御部220は、第1座席13に座っている乗員の視線が第1表示領域25aに向いているか第2表示領域25bに向いているか否かを判断する。制御部220は、第1座席13に座っている乗員の視線が第2表示領域25bに向いていると判断した場合、移動体10が停車しているか、移動体10が自動運転モードで走行中であることを条件として、第2表示領域25bに表示されている第2コンテンツの第2オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ80a及びスピーカ80bに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。これにより、移動体10が停車しているか、移動体10が自動運転モードで走行中である場合、第1座席11に座っている乗員は、第2表示領域25bに視線を向けると、第2コンテンツのオーディオを聴くことができる。同様に、制御部220は、第2座席14に座っている乗員の視線が第1表示領域25aに向いていると判断した場合、第1表示領域25aに表示されている第1コンテンツの第1オーディオコンテンツデータに基づいて、スピーカ80c及びスピーカ80dに出力されるオーディオ信号をオーディオ生成装置26に生成させてよい。
【0054】
図8は、制御部220が実行する制御方法に係るフローチャートを示す。制御部220は、本フローチャートに示す処理を繰り返し実行してよい。
【0055】
S802において、取得部210は、表示装置22及び表示装置24の表示モードを取得する。取得部210は、乗員の指示に基づいて、表示装置22及び表示装置24の表示モードを取得してよい。取得部210は、表示装置22及び表示装置24から現在の表示モードを示す情報を取得することによって、表示装置22及び表示装置24の表示モードを取得してよい。
【0056】
S804において、乗員情報検出部240は、移動体10内の乗員の状態及び属性を検出する。例えば、乗員情報検出部240は、(i)乗員が就寝中であるか否か、(ii)乗員が表示装置22を見ているか否か、及び、(iii)乗員が属する年齢層を検出する。S806において、制御部220は、表示装置22及び表示装置24の表示モード、乗員情報検出部240が検出した情報に基づいて、オーディオを出力するゾーンを設定する。例えば、
図4、
図5、
図6、及び
図7等に関連して説明したように、ゾーンを設定する。
【0057】
S808において、視線検出部230は、移動体10内の乗員の視線を検出する。S810において、制御部220は、移動体10内の乗員の視線及び表示装置22及び表示装置24の表示モードに基づいて、1つ以上のゾーンに出力するオーディオを決定する。S812において、制御部220は、S810において決定したオーディオを1つ以上のゾーンに出力させる。例えば、制御部220は、S810において決定したオーディオが1つ以上のゾーンに出力されるように、オーディオ生成装置26にスピーカ50、スピーカ60、スピーカ70及びスピーカ80に出力されるオーディオ信号を生成させる。
【0058】
以上に説明した実施形態において、移動体10は車両であるとした。しかし、移動体10として車両以外の任意の移動体を適用し得る。
【0059】
以上に説明した実施形態にかかるコンテンツ視聴制御システム200によれば、左右の座席に座っている複数の乗員が同じコンテンツを視聴したい場合には、表示装置の表示モードを第1表示モードとし、少なくとも左右の座席全体に同一のゾーンを設定し、左右の座席全体に同一のコンテンツを提供することができる。一方、左右の座席の乗員が互いに別のコンテンツを視聴したい場合には、表示装置の表示モードを第2表示モードとし、左右の座席に対応する2つのゾーンを設定することで、一方の座席に座っている乗員には一方のオーディオコンテンツを提供し、他方の座席に座っている乗員には他方のオーディオコンテンツを提供することができる。これにより、移動体10の乗員が別々のコンテンツを簡単に視聴することができる。
【0060】
図9は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態にかかるコンテンツ視聴制御システム200又はコンテンツ視聴制御システム200の各部、もしくは制御装置20等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該システム又はシステムの各部もしくは当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0061】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0062】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0063】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0064】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0065】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0066】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0067】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0068】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0069】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を制御装置20として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、制御装置20の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御装置20の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御装置20が構築される。
【0070】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0072】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の序順で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10 移動体
11 第1座席
12 第2座席
13 第1座席
14 第2座席
20 制御装置
22 表示装置
23a 第1表示領域
23b 第2表示領域
24 表示装置
25a 第1表示領域
25b 第2表示領域
26 オーディオ生成装置
28 撮像装置
50 スピーカ
60 スピーカ
70 スピーカ
80 スピーカ
90 スピーカシステム
200 コンテンツ視聴制御システム
210 取得部
220 制御部
230 視線検出部
240 乗員情報検出部
280 記憶装置
290 通信装置
300 表示領域
400 ゾーン
510 第1ゾーン
520 第2ゾーン
600 ゾーン
710 第1ゾーン
720 第2ゾーン
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ