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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127585
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20240912BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H05K5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036831
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135127
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 正己
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢朗
【テーマコード(参考)】
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AB06
4E360AB12
4E360BA02
4E360BC05
4E360EA13
4E360EB02
4E360EC12
4E360ED03
4E360ED12
4E360GA04
4E360GA60
4E360GB28
5K023AA05
5K023CC06
5K023LL06
5K023PP02
5K023RR01
(57)【要約】
【課題】係止爪と被係止部との係止によって化粧カバーを組み付けているにも拘わらず、通話時に化粧カバーがびり付きにくいインターホン機器を提供する。
【解決手段】化粧カバー4の右側縁に、後方へ折り曲げられた右側板4Bを設けるとともに、右側板4Bの近傍に後方へ突出する3つの係止爪14A~14Cを設ける一方、各係止爪14A~14Cと右側板4Bとを、化粧カバー4の後面から後方へ突出する連結リブ15A~15Cによって夫々連結するとともに、各連結リブ15A~15Cの前後長さを各連結リブ15A~15C毎に設定していて、マイク部6に最も近い位置にある右上隅の係止爪14Aと右側板4Bとを連結する連結リブ15Aの前後長さを他の連結リブ15B、15Cよりも長くした。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースの前面にマイク部が設けられているとともに、前記本体ケースの前方を覆うように化粧カバーが組み付けられており、
前記化粧カバーの後面に後方へ突出する係止部が設けられている一方、前記本体ケース側に、前記係止部が係止する被係止部が設けられたインターホン機器であって、
前記化粧カバーの外縁に、後方へ折り曲げられた板部が設けられており、
前記係止部が、前記板部近傍の複数箇所に設けられている一方、各前記係止部と前記板部とが、前記化粧カバーの後面から後方へ突出する連結リブによって連結されているとともに、
前記連結リブの前後方向での長さが各前記連結リブ毎に設定されていて、前記マイク部に最も近い位置にある前記係止部と前記板部とを連結する前記連結リブの前後方向での長さが最も長いことを特徴とするインターホン機器。
【請求項2】
前記本体ケースの上部に、前記マイク部が設けられている一方、
正面視矩形の前記化粧カバーの左右両側部に、後方へ折り曲げられた前記板部が設けられているとともに、各前記板部に沿って前記係止部が上下方向へ複数設けられ、
前記連結リブが、前記係止部と前記化粧カバーにおける左右方向で近い側の前記板部とを連結しており、
前記化粧カバーの各側部において、最も下方に位置する前記係止部と前記板部とを連結する前記連結リブの前後方向での長さが最も短いことを特徴とする請求項1に記載のインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースの前面に化粧カバーを組み付けてなるインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のインターホン機器では、たとえば特許文献1に記載されているように本体ケースの前面に化粧カバーを組み付けることがある。そのような化粧カバーの組み付けに係る構造としては、本体ケースに対する化粧カバーの着脱を容易とすべく、化粧カバー側に後方へ突出する係止爪を、本体ケース側に係止爪が係止可能な被係止部を夫々設けるという構造が一般的に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-197967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、係止爪と被係止部との係止によって化粧カバーを組み付けていると、他のインターホン機器との間での通話時に、化粧カバーにおけるマイク部近傍がびり付くことがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、係止爪と被係止部との係止によって化粧カバーを組み付けているにも拘わらず、通話時に化粧カバーがびり付きにくいインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、本体ケースの前面にマイク部が設けられているとともに、本体ケースの前方を覆うように化粧カバーが組み付けられており、化粧カバーの後面に後方へ突出する係止部が設けられている一方、本体ケース側に、係止部が係止する被係止部が設けられたインターホン機器であって、化粧カバーの外縁に、後方へ折り曲げられた板部が設けられており、係止部が、板部近傍の複数箇所に設けられている一方、各係止部と板部とが、化粧カバーの後面から後方へ突出する連結リブによって連結されているとともに、連結リブの前後方向での長さが各連結リブ毎に設定されていて、マイク部に最も近い位置にある係止部と板部とを連結する連結リブの前後方向での長さが最も長いことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、化粧カバーの外縁に、後方へ折り曲げられた板部を設け、係止部を、板部近傍の複数箇所に設ける一方、各係止部と板部とを、化粧カバーの後面から後方へ突出する連結リブによって連結するとともに、連結リブの前後方向での長さを各連結リブ毎に設定していて、マイク部に最も近い位置にある係止部と板部とを連結する連結リブの前後方向での長さを最も長くした。したがって、マイク部に最も近い位置にある係止部を撓みにくくすることができ、ひいては通話時に発生する化粧カバーのびり付きを抑制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、本体ケースの上部に、マイク部が設けられている一方、正面視矩形の化粧カバーの左右両側部に、後方へ折り曲げられた板部が設けられているとともに、各板部に沿って係止部が上下方向へ複数設けられ、連結リブが、係止部と化粧カバーにおける左右方向で近い側の板部とを連結しており、化粧カバーの各側部において、最も下方に位置する係止部と板部とを連結する連結リブの前後方向での長さが最も短いことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、本体ケースの上部に、マイク部を設ける一方、正面視矩形の化粧カバーの左右両側部に、後方へ折り曲げられた板部を設けるとともに、各板部に沿って係止部を上下方向へ複数設け、さらに連結リブにより、係止部と化粧カバーにおける左右方向で近い側の板部とを連結したインターホン機器に関し、化粧カバーの各側部において、最も下方に位置する係止部と板部とを連結する連結リブの前後方向での長さを最も短くしているため、本体ケースの底部側にある係止部が撓みやすい。したがって、当該箇所を利用して化粧カバーの本体ケースのへの着脱を行いやすいインターホン機器とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、化粧カバーの外縁に、後方へ折り曲げられた板部を設け、係止部を、板部近傍の複数箇所に設ける一方、各係止部と板部とを、化粧カバーの後面から後方へ突出する連結リブによって連結するとともに、連結リブの前後方向での長さを各連結リブ毎に設定していて、マイク部に最も近い位置にある係止部と板部とを連結する連結リブの前後方向での長さを最も長くした。したがって、マイク部に最も近い位置にある係止部を撓みにくくすることができ、ひいては通話時に発生する化粧カバーのびり付きを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】インターホン子機を前面から示した説明図である。
図2】化粧カバーと本体ケースとに分解されたインターホン子機を示した斜視説明図である。
図3】化粧カバーを後面から示した説明図である。
図4】化粧カバーの後面側を示した斜視説明図である。
図5図3中におけるA-A線断面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン子機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0011】
図1は、インターホン子機1を前面から示した説明図である。図2は、化粧カバー4と本体ケースとに分解されたインターホン子機1を示した斜視説明図である。図3は、化粧カバー4を後面から示した説明図である。図4は、化粧カバー4の後面側を示した斜視説明図である。図5は、図3中におけるA-A線断面を示した説明図である。
【0012】
インターホン子機1は、前側に配置される前ケース2及び後側に配置される後ケースを組み付けた本体ケースと、その本体ケースを前方から覆うように組み付けられた化粧カバー4とを有してなる。前ケース2は、後面に開口する略方体箱状に成形されている一方、後ケースは、前ケース2の後面開口内に嵌め込んだ状態でネジ止め可能な略板状に成形されている。また、インターホン子機1の前面上部には、インターホン子機1の前方を撮像するためのカメラ部5が設けられている。さらに、インターホン子機1の前面におけるカメラ部5の右側には、通話のためのマイク部6が設けられている。加えて、インターホン子機1の前面におけるカメラ部5の下側には、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタン8が設けられている。該呼出ボタン8は、通話のためのスピーカ部としての機能や夜間照明としての機能をも兼ね備えている。そして、このようなインターホン子機1は、住戸の玄関の壁面等に設置されており、来訪者によって呼出ボタン8が操作されると、住戸内に設置されているインターホン親機(図示せず)を呼び出すとともに、カメラ部5を作動させて来訪者等を含んだインターホン子機1前方の映像を撮像する。また、インターホン親機において応答ボタンが操作される等の応答操作がなされると、マイク部6及びスピーカ部を作動させ、インターホン親機との間で通話可能な状態とする。
【0013】
ここで、本発明の要部となる化粧カバー4の組み付け構造について説明する。
化粧カバー4は、正面視矩形の板状に形成された前板4Aと、前板4Aの上縁を後方へ折り曲げてなる上板と、前板4Aの下縁を後方へ折り曲げてなる下板と、前板4Aの右縁を後方へ折り曲げてなる右側板4Bと、前板4Aの左縁を後方へ折り曲げてなる左側板4Cとを有する。化粧カバー4の前板4A上部には、カメラ部5を構成するカメラ窓11が開設されている。また、化粧カバー4の前板4Aの上部でカメラ窓11の右側となる位置には、マイク部6を構成するマイク孔12が開設されている。さらに、化粧カバー4の前板4Aの下部には、呼出ボタン8を構成する操作窓13が開設されている。
【0014】
また、化粧カバー4の前板4A後面における右側板4B近傍で、右上隅部と、右下隅部と、上下方向で右上隅と右下隅との中間となる箇所には、化粧カバー4を本体ケースに組み付けるための係止爪14A~14Cが夫々設けられている。各係止爪14A~14Cは、化粧カバー4の右側板4Bと対向するように後方へ突設されているとともに、連結リブ15A~15Cによって右側板4Bと連結されている。各連結リブ15A~15Cは、上下方向が厚み方向となるリブで、前板4Aの後面から後方へ突設されており、左右方向に延びて右側板4Bと係止爪14A~14Cとを連結している。そして、最も上方に位置してマイク部6に近い右上隅の係止爪14Aと右側板4Bとを連結する第1の連結リブ15Aの前後長さは、中間に位置する係止爪14Bと右側板4Bとを連結する第2の連結リブ15B及び右下隅の係止爪14Cと右側板4Bとを連結する第3の連結リブ15Cの前後長さよりも長くなっており、右側板4Bと同じ前後長さとされている。また、第2の連結リブ15Bの前後長さは右側板4Bの7割程度、第3の連結リブ15Cの前後長さは右側板4Bの5割程度となっている。すなわち、最も下方に位置してマイク部6から遠い右下隅の係止爪14Cと右側板4Bとを連結する第3の連結リブ15Cの前後長さが最も短くなっている。
【0015】
一方、化粧カバー4の前板4A後面における左上隅部と、左下隅部と、上下方向で左上隅と左下隅との中間となる箇所にも、係止爪14A~14Cと同様の係止爪14D~14Fが夫々設けられている。係止爪14D~14Fは、連結リブ15A~15C同様の連結リブ15D~15Fによって左側板4Cと連結されている。そして、連結リブ15D~15Fの前後長さは、連結リブ15A~15Cと同じく、最も上方に位置してマイク部6に近い連結リブ15Dの前後長さが最も長くされているとともに、最も下方に位置してマイク部6から遠い連結リブ15Fの前後長さが最も短くなっている。なお、本体ケース前面の左右両側縁には、係止爪14A~14Fが係止可能な被係止部16、16・・が設けられている。
【0016】
以上のような構成を有するインターホン子機1によれば、化粧カバー4の右側縁に、後方へ折り曲げられた右側板4Bを設けるとともに、右側板4Bの近傍に後方へ突出する3つの係止爪14A~14Cを設ける一方、各係止爪14A~14Cと右側板4Bとを、化粧カバー4の後面から後方へ突出する連結リブ15A~15Cによって夫々連結するとともに、各連結リブ15A~15Cの前後長さを各連結リブ15A~15C毎に設定していて、マイク部6に最も近い位置にある右上隅の係止爪14Aと右側板4Bとを連結する連結リブ15Aの前後長さを他の連結リブ15B、15Cよりも長くした。したがって、マイク部6に最も近い位置にある係止爪14Aを撓みにくくすることができ、ひいては通話時に発生する化粧カバー4のびり付きを抑制することができる。
【0017】
また、本体ケースの上部に、マイク部6を設ける一方、正面視矩形の化粧カバー4の左右両側部に、後方へ折り曲げられた右側板4B及び左側板4Cを設けるとともに、各側板4B、4Cに沿って係止爪14A~14Fを上下方向へ複数設け、さらに連結リブ15A~15Fにより、係止爪14A~14Fと化粧カバー4における左右方向で近い側の側板4B、4Cとを連結したインターホン子機1に関し、化粧カバー4の各側縁において、最も下方に位置する係止爪14C、14Fと右側板4B若しくは左側板4Cとを連結する連結リブ15C、15Fの前後長さを最も短くした。そのため、本体ケースの底部側にある係止爪14C、14Fが撓みやすくなる。したがって、当該箇所を利用して化粧カバー4の本体ケースのへの着脱を行いやすいインターホン子機1とすることができる。
【0018】
なお、本発明に係るインターホン機器は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、インターホン機器の全体的な構成は勿論、化粧カバーの組み付け構造に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0019】
たとえば、上記実施形態では、化粧カバーの左右両側縁に沿って係止部を上下方向に複数設けるとしているが、化粧カバーの上縁に沿って係止部を左右方向に複数設けるとしてもよいし、化粧カバーの四隅にのみ係止部を設けるとしてもよく、係止部の位置や数等については適宜設計変更可能である。同じく係止部と化粧カバーの上板とを連結リブによって連結してもよく、連結リブの位置等についても適宜設計変更可能である。
また、上記実施形態では、本体ケース前面の左右両側縁に被係止部を設けるとしているが、本体ケースの左右両側面に被係止部を設けても何ら問題はなく、本体ケース側のどの位置にどのような形状の被係止部を設けるかについても適宜設計変更可能である。
【0020】
さらに、上記実施形態では、上下方向で中間に位置する係止部と右側板とを連結する第連結リブの前後方向での長さを、右下隅の係止部と右側板とを連結する連結リブの前後方向での長さよりも長くしているが、両連結リブの前後方向での長さを同じとしても良く、連結リブの前後方向での長さを具体的にどの程度とするかについては設計変更して何ら問題はない。
一方、上記実施形態のように、連結リブの前後方向での長さを異ならせる代わりに、連結リブの厚みを異ならせることによって、係止部を撓みやすくしたり撓みにくくしたりすることもできる。すなわち、マイク部に最も近い係止部と板部とを連結する連結リブの厚みを最も厚くすることで、当該係止部が撓みにくくなるため、上記実施形態同様に通話時に発生する化粧カバーのびり付き抑制という効果を奏することができる。また、上記実施形態と同じようにマイク部及び係止部が配されているのであれば、最も下方に位置する係止部と板部とを連結する連結リブの厚みを最も薄くすることで、当該箇所を利用して化粧カバーの着脱を容易に行うことができるという効果を奏することができる。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器の一例であるインターホン子機について説明しているが、本発明は、本体ケースの前面にマイク部が設けられているとともに、係止部と被係止部との係止により化粧カバーが本体ケースの前面を覆うように組み付けられてさえいれば、インターホン親機や集合玄関機等の他のインターホン機器についても好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1・・インターホン子機(インターホン機器)、2・・前ケース(本体ケース)、4・・化粧カバー、4A・・前板、4B・・右側板(板部)、4C・・左側板(板部)、14A~14F・・係止爪(係止部)、15A~15F・・連結リブ、16・・被係止部。
図1
図2
図3
図4
図5