(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127592
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036842
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】501158538
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】衣川 英之
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA12
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】話しかけたい相手がオンライン会議に出席中と推定されるために音声通話を躊躇することによって生じる無駄な通信を低減する。
【解決手段】判定部101は、オンライン会議の開催時間中に、オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する。通知部102は、推定出席者の音声通話への応答可能性を非出席者に通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン会議の開催時間中に、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定部と、
前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知部とを有する情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記オンライン会議の終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了しているか否かを判定し、前記オンライン会議の終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了していると判定した場合に、前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
オンライン会議システムへの接続通信である会議接続通信が前記推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が存在し、前記終了予定時刻よりも前に前記推定出席者により前記会議接続通信が切断されていることを示す通信履歴が存在する場合に、前記終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了していると判定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記推定出席者の前記オンライン会議への出席有無を判定し、前記推定出席者が前記オンライン会議に出席していないと判定した場合に、前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
オンライン会議システムへの接続通信である会議接続通信が前記推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が前記オンライン会議の開始予定時刻以降の既定の猶予時間を経過しても存在しない場合に、前記推定出席者が前記オンライン会議に出席していないと判定する請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が低いと判定した場合に、前記非出席者からのチャットへの前記推定出席者の応答可能性を判定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記推定出席者が前記オンライン会議の主催者であるか否かを判定し、前記推定出席者が前記オンライン会議の主催者でない場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、
前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議における前記推定出席者のチャットの送信履歴の有無を調査し、前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議において前記推定出席者のチャットの送信履歴がある場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、
前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議における現在時刻と同じ時間帯での前記推定出席者のチャットの送信履歴の有無を調査し、前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議において現在時刻と同じ時間帯での前記推定出席者のチャットの送信履歴がある場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
オンライン会議の開催時間中に、コンピュータが、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定処理と、
前記コンピュータが、前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知処理とを有する情報処理方法。
【請求項11】
オンライン会議の開催時間中に、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定処理と、
前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知処理とをコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オンライン会議に出席中と推測される者への音声通話に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の発達及び感染症の蔓延により、近年、いわゆるリモートワークの普及が加速している。
特許文献1では、リモート環境で作業するユーザのステータスを通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リモートワークの普及により、職場の同僚の多くがリモート環境で作業を行うことも珍しくなくなっている。このような状況において、異なる環境で作業する各人のステータスを同僚の間で共有することが行われている。
図14は、各人のステータスを共有するための画面(以下、ステータス共有画面という)の例を示す。
各人の端末装置に
図14に例示されるステータス共有画面が表示される。
図14において、ステータス表示700に、各人のステータスが示される。
図14の例では、6人の同僚の間でステータスが共有されている。各人は他の同僚のステータスを確認することができる。例えば、同僚は、横浜太郎が現在、在宅勤務中であり、また、オンラインにて定例会議に出席中であると確認することができる。
【0005】
リモートワークの普及前は、話しかけたい相手が会議室から帰席したタイミングで話しかけることができた。
リモートワーク及びオンライン会議が普及した今日、オンライン会議が連続して開催され、定時内がオンライン会議で埋め尽くされることが珍しくない。
リモート環境では、話しかけたい相手(音声通話を行いたい相手)のステータスをステータス共有画面にて確認する。話しかけたい相手の現在のステータスが会議中であれば、一般的には話しかけることを躊躇する。また、会議終了時にタイミングよく話しかけることができないと、次の会議終了まで話しかけることができない。
【0006】
話しかけたい相手が会議中で音声通話ができない場合にはチャットにて用件を伝えることが考えられる。しかし、会話ならば簡潔かつ明瞭に伝えられる用件がチャットでは円滑に伝達できずに複数回のやりとりが必要になり、無駄な通信が発生するという課題がある。
【0007】
本開示は、このような課題を解決することを主な目的とする。より具体的には、本開示は、話しかけたい相手がオンライン会議に出席中と推定されるために音声通話を躊躇することによって生じる無駄な通信を低減することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る情報処理装置は、
オンライン会議の開催時間中に、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定部と、
前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、音声通話を躊躇してチャットにて用件を伝えることが減り、チャットを繰り返すことによる無駄な通信を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施の形態1に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図。
【
図3】実施の形態1に係るスケジュール情報の例を示す図。
【
図4】実施の形態1に係るステータスとイベントの例を示す図。
【
図6】実施の形態1に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図7】実施の形態1に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャート。
【
図8】実施の形態1に係る通知メッセージの例を示す図。
【
図10】実施の形態1に係る履歴情報の例を示す図。
【
図11】実施の形態1に係る履歴情報の例を示す図。
【
図12】実施の形態1に係る過去のスケジュール情報の例を示す図。
【
図13】実施の形態1に係る過去の履歴情報の例を示す図。
【
図14】実施の形態1に係るステータス共有画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を図を用いて説明する。以下の実施の形態の説明及び図面において、同一の符号を付したものは、同一の部分又は相当する部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係るシステム構成例を示す。
情報処理装置100と複数のユーザ端末200は、社内ネットワーク300及びインターネット400を介して接続されている。
情報処理装置100は、リモートワークを実現するためのサーバ装置(コンピュータ)である。
また、ユーザ端末200は、ユーザ500が利用する端末装置(コンピュータ)である。
情報処理装置100とユーザ端末200の詳細は後述する。
なお、情報処理装置100の動作手順は、情報処理方法に相当する。また、情報処理装置100の動作を実現するプログラムは、情報処理プログラムに相当する。
【0013】
本実施の形態では、各ユーザ500は、企業における職場の同僚である。つまり、同僚である複数のユーザ500がユーザ端末200を用いてリモート環境で勤務している。各ユーザ500は、
図14のステータス共有画面をユーザ端末200に表示して他のユーザのステータスを把握できるものとする。
つまり、本実施の形態では、ユーザ500は、
図14に示す「川崎花子」、「横浜太郎」、「東京次郎」等の各々である。
【0014】
ここで、
図1に示す情報処理装置100の機能構成の詳細を説明する前に、先ず、情報処理装置100のハードウェア構成を説明する。
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示す。
【0015】
情報処理装置100は、ハードウェアとして、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903及び通信装置904を備える。
また、情報処理装置100は、機能構成として、
図1に示すように、判定部101、通知部102、履歴情報記憶部103、スケジュール記憶部104及びプラットフォーム提供部105を備える。判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能は、例えば、プログラムにより実現される。
補助記憶装置903には、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能を実現するプログラムが記憶されている。
これらプログラムは、補助記憶装置903から主記憶装置902にロードされる。そして、プロセッサ901がこれらプログラムを実行して、後述する判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の動作を行う。
図2は、プロセッサ901が判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能を実現するプログラムを実行している状態を模式的に表している。
また、履歴情報記憶部103及びスケジュール記憶部104は、主記憶装置902又は補助記憶装置903により実現される。
【0016】
次に、
図1に示す情報処理装置100の機能構成を説明する。
【0017】
プラットフォーム提供部105は、リモートワークを実現するためのプラットフォームを提供する。
プラットフォーム提供部105は、プラットフォームの提供として、各ユーザ500のステータスを管理する。また、プラットフォーム提供部105は、各ユーザ500のスケジュール(オンライン会議の出席予定等)を管理する。また、プラットフォーム提供部105は、オンライン会議システム106を含む。
各ユーザ500のスケジュールは、スケジュール記憶部104にスケジュール情報として記憶されている。
スケジュール記憶部104は、例えば、
図3に示すスケジュール情報を記憶する。
【0018】
プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200との通信を通じてユーザ500のステータスを認識する。
図4の(a)は、プラットフォーム提供部105が認識するステータスの例を示す。
【0019】
ユーザ500は在宅での始業時にユーザ端末200からプラットフォーム提供部105にアクセスし、プラットフォーム提供部105にログインする。プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200からのログインにより、ユーザ500のステータスを「連絡可能」と認識する。
また、ユーザ500は終業時にプラットフォーム提供部105からログアウトする。プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200によるログアウトにより、ユーザ500のステータスを「オフライン」と認識する。また、通信障害等によりユーザ端末200がログアウトした場合にも、プラットフォーム提供部105はユーザ500のステータスを「オフライン」と認識する。
【0020】
また、あるユーザ500が出席予定のオンライン会議の開始予定時刻が到来したら、プラットフォーム提供部105は、当該ユーザ500のステータスを「会議中」と認識する。
また、あるユーザ500が出席しているはずの会議の開始終了時刻が到来したら、プラットフォーム提供部105は、当該ユーザ500のステータスを「連絡可能」と認識する。
【0021】
また、ユーザ500は一時的に離席する場合又は一時的に他のユーザ500からの問い合わせに応答できない場合に、一時離席又は応答不可を通知するコマンドをユーザ端末200からプラットフォーム提供部105に送信する。プラットフォーム提供部105は、当該コマンドの受信により、ユーザ500のステータスを「一時離席中」又は「応答不可」と認識する。
また、「一時離席中」又は「応答不可」のユーザ500が連絡可能な状態になった場合は、ユーザ500は連絡可能になったことを通知するコマンドをユーザ端末200からプラットフォーム提供部105に送信する。プラットフォーム提供部105は、当該コマンドの受信により、ユーザ500のステータスを「連絡可能」と認識する。
【0022】
更に、プラットフォーム提供部105は、ユーザ500からユーザ端末200を用いたオンライン会議システム106への接続の開始及び終了を検知する。
ユーザ500はオンライン会議に出席する際に、ユーザ端末200を用いて、オンライン会議システム106へアクセスするための接続通信(以下、会議接続通信という)を行う。プラットフォーム提供部105は、会議接続通信の開始を検知する。
また、ユーザ500はオンライン会議から退席する際は、会議接続通信を終了する。プラットフォーム提供部105は、会議接続通信の終了を検知する。
プラットフォーム提供部105は、会議接続通信の開始を検知した場合に、ユーザ500のステータスを「会議接続」と認識する。
【0023】
プラットフォーム提供部105は、以上のようにして各ユーザ500のステータスを把握し、各ユーザ500の現在のステータスを反映するステータス共有画面を生成する。そして、プラットフォーム提供部105は、各ユーザ端末200にステータス共有画面を提示する。
【0024】
また、プラットフォーム提供部105は、イベントの発生を認識する。
図4の(b)は、プラットフォーム提供部105が認識するイベントの例を示す。
【0025】
プラットフォーム提供部105は、ユーザ500のステータスが変更になった場合に、「ステータス変更」というイベントが発生したと認識する。
また、プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200からオンライン会議システム106への会議接続通信が開始した場合に、「会議接続通信開始」というイベントが発生したと認識する。
また、プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200からオンライン会議システム106への会議接続通信が終了した場合に、「会議接続通信終了」というイベントが発生したと認識する。
また、プラットフォーム提供部105は、ユーザ500がユーザ端末200を用いた音声通話を開始した場合に、「通話開始」というイベントが発生したと認識する。
また、プラットフォーム提供部105は、ユーザ500がユーザ端末200を用いた音声通話を終了した場合に、「通話終了」というイベントが発生したと認識する。
また、プラットフォーム提供部105は、ユーザ500がユーザ端末200を用いて他のユーザ500のユーザ端末200へチャットを行った場合に、「チャット」というイベントが発生したと認識する。
【0026】
プラットフォーム提供部105は、イベントの発生に伴って、イベントとステータスを、履歴情報記憶部103が記憶する履歴情報に記入する。
【0027】
図5は、履歴情報の例を示す。
履歴情報は、ユーザ500ごとに管理されている。
図5は、横浜太郎についての履歴情報を示す。
「イベントID」の欄には、イベントの識別子が記載される。
「発生日時」の欄には、イベントの発生日時が記載される。
「イベント」の欄には、発生したイベントが記載される。
「通信先」の欄には、発生したイベントが「会議接続通信開始」、「通話開始」及び「チャット」のいずれかである場合に、通信の相手先が記載される。
「ステータス」の欄には、イベントごとのステータスが記載される。
「場所」の欄には、ユーザ500の物理的な所在場所が記載される。
【0028】
ここでは、「1/7 9:00」に、横浜太郎がユーザ端末200からプラットフォーム提供部105にログインしたものとする。
図3の「スケジュールID:0001」に示すように、横浜太郎は「1/7 13:00~14:00」のオンライン会議への出席がスケジュールされている。
また、横浜太郎はオンライン会議に出席するために「1/7 12:58」にオンライン会議システム106への会議接続通信を行ったものとする。
また、横浜太郎はオンライン会議から退席するために「1/7 13:59」にオンライン会議システム106への会議接続通信を切断したものとする。
【0029】
以上を反映して、
図5では、「1/7 9:00」にプラットフォーム提供部105へのログインにより横浜太郎のステータスが「連絡可能」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「連絡可能」を示すレコードが追加される。
また、「1/7 12:58」にオンライン会議ステム106への会議接続通信の開始により横浜太郎のステータスが「会議接続」になったため、イベント「会議接続通信開始」、連絡先「オンライン会議室」、ステータス「会議接続」を示すレコードが追加される。なお、「オンライン会議室」はオンライン会議ステム106のことである。
また、「1/7 13:00」に会議開始予定時刻の到来により横浜太郎のステータスが「会議中」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「会議中」を示すレコードが追加される。
更に、「1/7 13:59」に横浜太郎が会議接続通信を終了したが会議終了予定時刻が到来していないため、横浜太郎のステータスは「会議中」のままであり、イベント「会議接続通信終了」とステータス「会議中」を示すレコードが追加される。
最後に、「1/7 14:00」に会議終了予定時刻の到来により横浜太郎のステータスが「連絡可能」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「連絡可能」を示すレコードが追加される。
【0030】
プラットフォーム提供部105は、ユーザ端末200の通信履歴及びユーザ500のスケジュールに基づき、イベントの発生と現在のステータスを認識し、
図5に示すように履歴情報を更新する。
【0031】
判定部101は、オンライン会議の開催時間中に、オンライン会議に出席中と推定されるユーザ500(推定出席者という)の通信履歴を解析する。そして、判定部101は、オンライン会議に出席していないユーザ500(非出席者という)からの音声通話への推定出席者の応答可能性を判定する。
オンライン会議の開催時間中とは、オンライン会議の開始予定時刻から終了予定時刻の間の時間である。
判定部101は、より詳細には、通信履歴の解析として、履歴情報に記載されている「会議接続通信開始」及び「会議接続通信終了」の少なくともいずれかを解析する。
より具体的には、会議接続通信が推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が存在し、終了予定時刻よりも前に推定出席者により会議接続通信が切断されていることを示す通信履歴が存在する場合に、判定部101は、終了予定時刻よりも前に推定出席者がオンライン会議の出席を終了していると判定する。
また、会議接続通信が推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が開始予定時刻以降の既定の猶予時間を経過しても存在しない場合に、判定部101は、推定出席者がオンライン会議に出席していないと判定する。
判定部101は、これらの場合には、非出席者からの音声通話に推定出席者が応答する可能性が高いと判定する。
判定部101により行われる処理は、判定処理に相当する。
【0032】
通知部102は、判定部101の判定結果をユーザ500に通知する。つまり、通知部102は、判定部101の判定結果を示す通知メッセージを対応するユーザ端末200又はすべてのユーザ端末200に送信する。
通知部102により行われる処理は、通知処理に相当する。
【0033】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る情報処理装置100の動作例を説明する。
図6及び
図7は、本実施の形態に係る情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0034】
図6のフローは、判定部101が、いずれかのユーザ端末200からの問い合わせを通知部102経由で受信した場合(ステップS101でYES)に開始する。
なお、ユーザ端末200からの問い合わせには、ユーザ端末200のユーザ500(非出席者)が音声通話を行いたい相手(推定出席者)の名前が記載されている。ここでは、1/10の13:00~14:00のいずれかの時刻に、
図14に示す静岡良子が横浜太郎に音声通話を行いたいものとする。このため、静岡良子からの問い合わせには横浜太郎の名前が記載されている。
図3のスケジュール情報の「スケジュールID:0002」に示すように、1/10の13:00~14:00に横浜太郎はオンライン会議である定例会議に出席する予定となっている。このため、13:00~14:00には横浜太郎はオンライン会議に出席中であると推定される。このため、横浜太郎は推定出席者である。一方、静岡良子は当該オンライン会議に出席しておらず、非出席者である。
13:00~14:00の間は、
図14のステータス共有画面の横浜太郎のステータス表示700は「会議中」になっている。静岡良子は横浜太郎が「会議中」であることを認識しているが、伝えたいことがあるため、情報処理装置100に問い合わせを行った。
【0035】
ステップS102では、判定部101は、推定出席者(横浜太郎)の履歴情報とスケジュール情報を参照し、スケジュール情報において横浜太郎の出席予定の会議がオンライン会議のみであることを確認する。そして、横浜太郎の出席予定の会議がオンライン会議のみである場合に、判定部101は、出席予定のオンライン会議について、(会議開始予定時刻-m分)から現在の時刻(ユーザ端末200から問い合わせがあった時刻)の間に横浜太郎からの「会議接続通信開始」があるか否かを判定する。なお、
図6では、「会議開始予定時刻」は「開始時刻」と短縮表記し、「会議接続通信開始」は「会議接続開始」と短縮表記している。
「m分」は余裕時間であり、例えば、5~10分である。ユーザ500が会議開始予定時刻のどの程度前に会議接続通信を行うのが一般的かを考慮して「m分」を決定する。
(会議開始予定時刻-m分)から現在の時刻の間に横浜太郎からの「会議接続通信開始」がある場合(ステップS102でYES)は、処理がステップS103に進む。
一方、(会議開始予定時刻-m分)から現在の時刻の間に横浜太郎(推定出席者)からの「会議接続通信開始」がない場合(ステップS102でNO)は、処理がステップS104に進む。
【0036】
ステップS103では、判定部101は、現在の時刻までに横浜太郎からの「会議接続通信終了」があり、「会議接続通信終了」の後に「会議接続通信開始」がないかどうかかを判定する。なお、
図6では、「会議接続通信終了」は「会議接続終了」と短縮表記している。
現在の時刻までに横浜太郎からの「会議接続通信終了」があり、「会議接続通信終了」の後に「会議接続開始」がない場合(ステップS103でYES)は、判定部101はステップS105において、横浜太郎への音声通話が可能(横浜太郎が音声通話に応答する可能性が高い)と判定する。ステップS103でYESとなる場合は、会議終了予定時刻よりも前に横浜太郎がオンライン会議への出席を終了している状態と推測される。
そして、ステップS106において、通知部102が横浜太郎への音声通話が可能と通知する。例えば、通知部102は、
図14のステータス共有画面に横浜太郎への音声通話が可能である旨の通知メッセージを表示する。
一方、現在の時刻までに横浜太郎からの「会議接続通信終了」がない、または、「会議接続通信終了」の後に「会議接続通信開始」がある場合(ステップS103でNO)は横浜太郎が音声通話の発呼に応答する可能性が低く、処理が
図7のステップS107に進む。「会議接続通信終了」の後に「会議接続通信開始」がある場合は、例えばマイク、通信機器等に問題があるため、いったん「会議接続通信終了」を行った後に再度オンライン会議に出席するために「会議接続通信開始」を行った場合等が考えられる。
【0037】
ステップS104では、判定部101は、スケジュール情報において横浜太郎が出席予定のオンライン会議について、(開始時刻+n分)が経過しても横浜太郎からの「会議接続通信開始」がないかどうかを判定する。
「n分」は、猶予時間であり、例えば、15~20分である。ユーザ500が遅刻してオンライン会議に出席する場合に会議開始予定時刻から最大どの程度遅れて出席するのが一般的かを考慮して「n分」を決定する。
(開始時刻+n分)が経過しても横浜太郎からの「会議接続通信開始」がない場合(ステップS104でYES)は、判定部101はステップS105において、横浜太郎への音声通話が可能(横浜太郎が音声通話に応答する可能性が高い)と判定する。ステップS104でYESとなる場合は、横浜太郎がオンライン会議に出席していない状態と推測される。
そして、ステップS106において、通知部102が横浜太郎への音声通話が可能と通知する。
一方、(開始時刻+n分)が経過する前に横浜太郎からの「会議接続通信開始」がある場合(ステップS104でNO)は横浜太郎が音声通話の発呼に応答する可能性が低く、処理が
図7のステップS107に進む。
【0038】
図7のステップS107では、判定部101は、スケジュール情報を参照して、横浜太郎が会議の主催者であるか否かを判定する。
横浜太郎が会議の主催者であれば(ステップS107でYES)、処理が終了する。つまり、横浜太郎が音声通話に応答する可能性が低く、また、チャットに応答する可能性が低いと考えられるため、判定部101は、
図14のステータス共有画面に通知メッセージを表示しないことを決定する。ここでは、ステータス共有画面に通知メッセージを表示しないこととしているが、判定部101は、横浜太郎が音声通話にもチャットにも応答する可能性が低い旨の通知メッセージを表示するようにしてもよい。
一方、横浜太郎が会議の主催者でなければ(ステップS107でNO)、処理がステップS108に進む。
【0039】
ステップS108では、判定部101は、横浜太郎に過去の類似のオンライン会議でチャットの送信履歴があるか否かを判定する。なお、
図7では、「チャットの送信履歴」を「チャット履歴」と短縮表記している。
横浜太郎に過去の類似のオンライン会議でチャットの送信履歴がある場合(ステップS108でYES)は、判定部101はステップS109で、横浜太郎へのチャットが可能(横浜太郎がチャットに応答する可能性が高い)と判定する。
そして、ステップS110において、通知部102が横浜太郎へのチャットが可能と通知する。
一方、横浜太郎に過去の類似のオンライン会議でチャットの送信履歴がない場合(ステップS108でNO)は横浜太郎がチャットに応答する可能性が低いと考えられるため、判定部101は、
図14のステータス共有画面に通知メッセージを表示しないことを決定する。ここでは、ステータス共有画面に通知メッセージを表示しないこととしているが、判定部101は、横浜太郎が音声通話にもチャットにも応答する可能性が低い旨の通知メッセージを表示するようにしてもよい。
【0040】
図8の(a)は、ステップS106で表示される、横浜太郎への音声通話が可能と通知する通知メッセージの例である。
図8の(b)は、ステップS110で表示される、横浜太郎へのチャットが可能と通知する通知メッセージの例である。
図8の(a)及び(b)の通知メッセージは、問い合わせを行ったユーザ500(静岡良子)のユーザ端末200にのみ表示するようにしてもよいし、全てのユーザ500のユーザ端末200に表示するようにしてもよい。
【0041】
次に、
図6及び
図7に示す処理を具体例(1)~(3)を用いて説明する。
【0042】
**具体例(1)**
ここでは、静岡良子から1/10の13:42に横浜太郎への通話の可能性についての問い合わせがあったとする。また、13:42時点での横浜太郎の履歴情報は
図9に示すものであるとする。また、前述したように、
図3のスケジュール情報の「スケジュールID:0002」に示すように、1/10の13:00~14:00に横浜太郎はオンライン会議である定例会議に出席する予定となっている。
また、
図6のステップS102の「m分」は「5分」であるものとする。
【0043】
図9では、「1/10 9:00」にプラットフォーム提供部105へのログインにより横浜太郎のステータスが「連絡可能」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「連絡可能」を示すレコードが追加されている。
また、「1/10 12:58」にオンライン会議ステム106への会議接続通信の開始により横浜太郎のステータスが「会議接続」になったため、イベント「会議接続通信開始」、連絡先「オンライン会議室」、ステータス「会議接続」を示すレコードが追加されている。
また、「1/10 13:00」に会議開始予定時刻の到来により横浜太郎のステータスが「会議中」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「会議中」を示すレコードが追加されている。
更に、「1/7 13:40」に横浜太郎が会議接続通信を終了したが会議終了予定時刻が到来していないため、横浜太郎のステータスは「会議中」のままであり、イベント「会議接続通信終了」とステータス「会議中」を示すレコードが追加されている。
【0044】
判定部101は、
図6のステップS102では、「1/10 12:58」に「会議接続通信開始」があるため、YESと判定する。
そして、判定部101は、
図6のステップS103では、「1/10 13:40」に「会議接続通信終了」があり、その後に「会議接続通信開始」がないため、YESと判定する。
つまり、
図9の例では、会議が予定より早期に終了したか、横浜太郎が途中退席したかにより、会議終了予定時刻よりも前に横浜太郎が会議への出席を終了している状態と推測される。
この結果、判定部101は
図6のステップS105において横浜太郎への通話が可能と判定し、ステップS106において通知部102が横浜太郎への通話が可能と通知する。
【0045】
静岡良子から13:40よりも前の時刻、例えば、13:20に問い合わせがあった場合は、「会議接続通信終了」とのイベントが発生していないので、ステップS103でNO判定となり、処理が
図7にステップS107に進む。なお、ステップS107以降の処理については具体例(3)において説明する。
【0046】
会議終了予定時刻である14:00が到来すると、
図9の履歴情報に、
図10に示すように、「1/10 14:00」のレコードが履歴情報に追加される。つまり、会議終了予定時刻が到来したため、「1/10 14:00」のレコードとして、イベント「ステータス変更」とステータス「連絡可能」を示すレコードが追加されている。
【0047】
**具体例(2)**
ここでは、静岡良子から1/10の13:25に横浜太郎への通話の可能性についての問い合わせがあったとする。また、13:25時点での横浜太郎の履歴情報は
図11に示すものであるとする。また、前述したように、
図3のスケジュール情報の「スケジュールID:0002」に示すように、1/10の13:00~14:00に横浜太郎はオンライン会議である定例会議に出席する予定となっている。
また、
図6のステップS104の「n分」は「15分」であるものとする。
【0048】
図11では、「1/10 9:00」にプラットフォーム提供部105へのログインにより横浜太郎のステータスが「連絡可能」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「連絡可能」を示すレコードが追加されている。
また、「1/10 13:00」に会議開始予定時刻の到来により横浜太郎のステータスが「会議中」になったため、イベント「ステータス変更」とステータス「会議中」を示すレコードが追加されている。
【0049】
判定部101は、
図6のステップS102では、現在までに「会議接続通信開始」がないため、NOと判定する。
そして、判定部101は、
図6のステップS104では、(開始時刻+n分)は13:15であり、現在は13:25であり、現在でも「会議接続通信開始」がないため、YESと判定する。
つまり、
図11の例では、会議が直前にキャンセルされたか、横浜太郎が会議を欠席したかにより、横浜太郎が会議に出席していない状態と推測される。
この結果、判定部101は
図6のステップS105において横浜太郎への通話が可能と判定し、ステップS106において通知部102が横浜太郎への通話が可能と通知する。
【0050】
静岡良子から13:15よりも前の時刻、例えば、13:10に問い合わせがあった場合は、ステップS104でNO判定となり、処理が
図7にステップS107に進む。なお、ステップS107以降の処理については具体例(3)において説明する。
【0051】
**具体例(3)***
ここでは、
図6のステップS103又はステップS104でNOと判定され、処理が
図7のステップS107に進んだものとする。
また、過去のスケジュール情報として、
図12のスケジュール情報がスケジュール記憶部104に記憶されているものとする。
また、横浜太郎の過去の履歴情報として、
図13の履歴情報が履歴情報記憶部103に記憶されているものとする。
図12のスケジュール情報では、横浜太郎は「12/10 13:00~14:00」のオンライン会議への出席がスケジュールされていた。
図12のオンライン会議は、件名が定例会議であり、内容がZZZ進捗確認である。また、主催者は埼玉一郎であり、出席者は横浜太郎と栃木三郎である。つまり、
図12のオンライン会議は、
図3の「スケジュールID:0002」のオンライン会議と、件名、内容、主催者及び参加者が共通している。このように、
図12のオンライン会議は、
図3の「スケジュールID:0002」のオンライン会議の類似する過去のオンライン会議である。
図13は、12/10の横浜太郎の履歴情報である。
【0052】
図13では、「イベントID:0004」及び「イベントID:0005」以外は、
図5、
図9及び
図11で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
「イベントID:0004」では、「12/10 13:12」に横浜太郎が東京次郎からのチャットを受信したため、イベント「チャット」、通信先「東京次郎(受信)」、ステータス「会議中」を示すレコードが追加されている。なお、会議開催時間内であるため、ステータスは「会議中」のままである。
また、「イベントID:0005」では、「12/10 13:12」に横浜太郎が東京次郎へチャットを送信したため、イベント「チャット」、通信先「東京次郎(送信)」、ステータス「会議中」を示すレコードが追加されている。ここでも、会議開催時間内であるため、ステータスは「会議中」のままである。
【0053】
判定部101は、
図7のステップS107では、
図3のスケジュール情報の「スケジュールID:0002」のレコードを参照した結果、主催者が横浜太郎ではないため、NOと判定する。
そして、判定部101は、スケジュール記憶部104の過去のスケジュール情報を検索し、類似する過去のオンライン会議として、
図12に示すオンライン会議を抽出する。また、判定部101は、
図12に示すオンライン会議の開催日である12/10の横浜太郎の履歴情報(
図13)を履歴情報記憶部103から抽出する。更に、判定部101は、
図13の履歴情報においてチャットの送信履歴があるため、ステップS108においてYESと判定する。
この結果、判定部101はステップS109において横浜太郎へのチャットが可能と判定し、ステップS110において通知部102が横浜太郎へのチャットが可能と通知する。
【0054】
なお、具体例(3)では、判定部101は、どの時間帯であっても過去の類似するオンライン会議の間にチャットの送信履歴があればステップS108でYESと判定している。しかし、判定部101は、現在の時刻に類似する時間帯にチャットの送信履歴がある場合のみステップS108でYESと判定してもよい。
例えば、判定部101は、会議開催時間を3等分する。
図3の「スケジュールID:0002」のオンライン会議も
図12のオンライン会議も会議開催時間は60分である。このため、判定部101は、2つのオンライン会議ともに、会議開催時間を20分ごとに3分割する。例えば、現在の時刻(ユーザ端末200から問い合わせがあった時刻)が13:15であれば、現在の時刻は3つの時間帯のうちの1つ目の時間帯に属する。
そして、判定部101は、
図13の履歴情報において1つ目の時間帯にチャット履歴があれば、ステップS108でYESと判定する。一方、チャット履歴があっても、2つ目の時間帯又は3つ目の時間帯であれば、判定部101は、ステップS108でNOと判定する。
図13では、13:12にチャットの送信履歴があり、13:12は3つの時間帯のうちの1つ目の時間帯に属するため、判定部101は、ステップS108でYESと判定する。
【0055】
また、本実施の形態では、判定部101が、件名、内容、主催者及び参加者が共通する過去のオンライン会議を類似の過去のオンライン会議として抽出する例を説明した。
類似の過去のオンライン会議の抽出基準として異なる基準を用いてもよい。
また、AI(Artificial Intellignece)を用いた機械学習により類似の過去のオンライン会議を抽出してもよい。機械学習による場合は、件名、内容、主催者及び参加者が多少異なっても類似のオンライン会議を抽出することができる。このため、過去実績が少ない場合でも、類似のオンライン会議を抽出することができる。また、機械学習による場合は、類似度合いを例えばパーセントで表示することができる。このようなパーセントの表示は、例えば、Softmax関数を用いることで実現可能である。
【0056】
また、チャットを受信すると、通常、ユーザ端末200のバナー(画面上の通知ポップアップ)及び/又はフィード(アクティビティ一覧)に通知が表示される。しかし、ユーザ500が会議中であったり、ユーザ500の設定によってはチャットの通知がなされない場合がある。このような場合は、緊急のチャットを送信しても送信先のユーザ500にチャット気づいてもらえない可能性が高い。
そこで、緊急の連絡が必要な場合に、いかなる状況においてもバナー及び/又はフィードにチャットの受信を表示する「強制通知チャット」を情報処理装置100からユーザ端末200に指示してもよい。
このような「強制通知チャット」により、システム障害で緊急対応が必要な際に、会議中の上長や同僚に緊急連絡を取ることができる。
【0057】
***実施の形態の効果の説明***
このように、本実施の形態では、話しかけたい相手がオンライン会議に出席中と推定される場合に、情報処理装置100が当該相手の音声通話への応答可能性を非出席者に通知する。このため、音声通話を行うことに対する非出席者の心理的なハードルが下がり、音声通話を躊躇してチャットにて用件を伝えることが減る。この結果、チャットを繰り返すことによる無駄な通信を低減することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、リモートワークが普及した結果、同僚間の会話が減少し、同僚間の関係性が希薄になっているという課題も解決することができる。
更に、本実施の形態によれば、同僚間の会話が減少し、情報伝達が停滞することにより作業が滞り、労働生産性が低下するという課題も解決することができる。
【0059】
なお、本実施の形態で説明した手順は一例である。
このため、本実施の形態で説明した手順の一部のみを実施しても構わない。
また、本実施の形態で説明した手順の少なくとも一部と、本実施の形態で説明していない手順とを組み合わせて実施しても構わない。
また、本実施の形態に記載された構成及び手順を必要に応じて変更してもよい。
【0060】
***ハードウェア構成の補足説明***
ここで、最後に、情報処理装置100のハードウェア構成の補足説明を行う。
図2に示すプロセッサ901は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ901は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図2に示す主記憶装置902は、RAM(Random Access Memory)である。
図2に示す補助記憶装置903は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
図2に示す通信装置904は、データの通信処理を実行する電子回路である。
通信装置904は、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
【0061】
また、補助記憶装置903には、OS(Operating System)も記憶されている。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ901により実行される。
プロセッサ901はOSの少なくとも一部を実行しながら、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能を実現するプログラムを実行する。
プロセッサ901がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、主記憶装置902、補助記憶装置903、プロセッサ901内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の機能を実現するプログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
【0062】
また、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105の少なくともいずれかの「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」又は「サーキットリー」に読み替えてもよい。
また、情報処理装置100は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)である。
この場合は、判定部101、通知部102及びプラットフォーム提供部105は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
【0063】
最後に、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
オンライン会議の開催時間中に、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定部と、
前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知部とを有する情報処理装置。
(付記2)
前記判定部は、
前記オンライン会議の終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了しているか否かを判定し、前記オンライン会議の終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了していると判定した場合に、前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記判定部は、
オンライン会議システムへの接続通信である会議接続通信が前記推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が存在し、前記終了予定時刻よりも前に前記推定出席者により前記会議接続通信が切断されていることを示す通信履歴が存在する場合に、前記終了予定時刻よりも前に前記推定出席者が前記オンライン会議の出席を終了していると判定する付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記判定部は、
前記推定出席者の前記オンライン会議への出席有無を判定し、前記推定出席者が前記オンライン会議に出席していないと判定した場合に、前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する付記1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記5)
前記判定部は、
オンライン会議システムへの接続通信である会議接続通信が前記推定出席者により実行されたことを示す通信履歴が前記オンライン会議の開始予定時刻以降の既定の猶予時間を経過しても存在しない場合に、前記推定出席者が前記オンライン会議に出席していないと判定する付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記判定部は、
前記非出席者からの音声通話に前記推定出席者が応答する可能性が低いと判定した場合に、前記非出席者からのチャットへの前記推定出席者の応答可能性を判定する付記1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7)
前記判定部は、
前記推定出席者が前記オンライン会議の主催者であるか否かを判定し、前記推定出席者が前記オンライン会議の主催者でない場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記判定部は、
前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議における前記推定出席者のチャットの送信履歴の有無を調査し、前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議において前記推定出席者のチャットの送信履歴がある場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する付記6に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記判定部は、
前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議における現在時刻と同じ時間帯での前記推定出席者のチャットの送信履歴の有無を調査し、前記オンライン会議に類似する過去のオンライン会議において現在時刻と同じ時間帯での前記推定出席者のチャットの送信履歴がある場合に、前記非出席者からのチャットに前記推定出席者が応答する可能性が高いと判定する付記8に記載の情報処理装置。
(付記10)
オンライン会議の開催時間中に、コンピュータが、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定処理と、
前記コンピュータが、前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知処理とを有する情報処理方法。
(付記11)
オンライン会議の開催時間中に、前記オンライン会議に出席中と推定される推定出席者の通信履歴を解析し、前記オンライン会議に出席していない非出席者からの音声通話への前記推定出席者の応答可能性を判定する判定処理と、
前記推定出席者の前記音声通話への応答可能性を前記非出席者に通知する通知処理とをコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0064】
100 情報処理装置、101 判定部、102 通知部、103 履歴情報記憶部、104 スケジュール記憶部、105 プラットフォーム提供部、106 オンライン会議システム、200 ユーザ端末、300 社内ネットワーク、400 インターネット、500 ユーザ、700 ステータス表示、901 プロセッサ、902 主記憶装置、903 補助記憶装置、904 通信装置。