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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127605
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示パネルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20240912BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20240912BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240912BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20240912BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G09F13/04 K
B32B7/023
B32B27/00 B
B29C51/10
B29C45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036864
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美藤 亮
【テーマコード(参考)】
4F100
4F206
4F208
5C096
【Fターム(参考)】
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK25
4F100AK42
4F100AK45
4F100AK74
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100AR00D
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA31A
4F100BA31B
4F100DC11
4F100DC11B
4F100GB48
4F100HB00
4F100HB00D
4F100JB16C
4F100JN01A
4F100JN01C
4F100JN02B
4F100YY00C
4F206AA11
4F206AA13
4F206AA24
4F206AA28
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD20
4F206AD27
4F206AF10
4F206AG03
4F206AH25
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB13
4F206JF05
4F206JL02
4F208AC03
4F208AG03
4F208MA03
4F208MB01
4F208MC01
4F208MG04
4F208MH06
5C096AA14
5C096BA01
5C096CA02
5C096CA13
5C096CA22
5C096CA32
5C096CB01
5C096CC06
5C096EB02
5C096EB15
5C096EB16
5C096FA11
5C096FA12
5C096FA17
5C096FA18
(57)【要約】
【課題】表示パネルの透光部に凹みが生じるのを抑制し、表示パネルの見栄えを向上させる。
【解決手段】表示パネル(10)は、透光性を有する樹脂製の基材(12)と、基材(12)の表面に設けられる表層シート(22)とを備える。表層シート(22)は、透光性を有する表皮層(30)と、表皮層(30)の裏面に積層された遮光層(40)とを含む。遮光層(40)には、光を通す透孔(42)が形成される。表示パネル(10)は、基材(12)の裏側から照射された光が透孔(42)を通じて表層シート(22)を透過することで、表層シート(22)の一部を点灯させることが可能である。透孔(42)には、基材(12)が充填される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する樹脂製の基材(12)と、
前記基材(12)の表面に設けられる表層シート(22)と、を備え、
前記表層シート(22)は、透光性を有する表皮層(30)と、該表皮層(30)の裏面に積層された遮光層(40)と、を含み、
前記遮光層(40)には、光を通す透孔(42)が形成され、
前記基材(12)の裏側から照射された光が前記透孔(42)を通じて前記表層シート(22)を透過することで、該表層シート(22)の一部を点灯させることが可能な表示パネルであって、
前記透孔(42)には、前記基材(12)が充填される、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
請求項1に記載の表示パネルにおいて、
前記表層シート(22)は、前記基材(12)の表面に合わせた立体形状をなす、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示パネルにおいて、
前記表皮層(30)は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム層(32)と、該樹脂フィルム層(32)の表面に設けられた意匠層(34)と、を含み、
前記樹脂フィルム層(32)の厚さは、0.1mm以上且つ2.0mm以下である、
ことを特徴とする表示パネル。
【請求項4】
透光性を有する樹脂フィルム(32)の裏面に遮光層(40)が設けられてなるベースシート(100)を立体形状に賦形する工程と、
前記ベースシート(100)の立体形状を基準として前記遮光層(40)の除去部位を位置決めし、該除去部位の前記遮光層(40)を除去することにより透孔(42)を形成する工程と、
前記透孔(42)を形成した前記ベースシート(100)を、射出成形型(600)に対して、前記遮光層(40)がキャビティ(C)の内方に向く姿勢で立体形状がキャビティ(C)を区画する内面(612)に沿うようにセットし、当該ベースシート(100)の裏面に透光性を有する樹脂製の基材(12)を一体成形する工程と、
前記基材(12)が一体成形された成形品(80)の前記樹脂フィルム(32)の表面に、透光性を有する意匠層(34)を形成する工程と、を含む、
ことを特徴とする表示パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、文字や図柄を点灯表示する表示パネルが知られている。そうした表示パネルは、例えば特許文献1に加飾パネルとして開示される。特許文献1に開示の加飾パネルは、透光性を有する基材と、基材の表面に積層された第1コート層、遮光層、および第2コート層とを備える。
【0003】
第1コート層は、透明性を有する樹脂材料からなり、基材の表面に薄肉のシート状に形成される。遮光層は、黒色のインキからなり、第1コート層の表面にグラビア印刷などにより形成される。遮光層には、レーザー加工により開口が形成される。この開口の形状は、点灯表示する所定の文字に対応する形状とされる。第2コート層は、透明性を有する塗料からなり、遮光層の表面を覆い遮光層の開口を埋めるように形成される。
【0004】
当該加飾パネルは、LEDと組み合わせられる。LEDは、加飾パネルの背面側に配置される。LEDが点灯すると、LEDからの光が、基材、第1コート層、遮光層の開口、および第2コート層を通じて、加飾パネルを表側に透過する。これにより、遮光層の開口に対応する部分が光った状態となり、所定の文字が加飾パネルに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-149052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の加飾パネルでは、第2コート層が、遮光層上および第1コート層において遮光層の開口と対応する部分上に塗装を施すことにより形成される。このとき、第2コート層を、遮光層の開口と対応する部分上のみ、他の部分よりも厚く塗布することは困難である。よって、遮光層の開口に係る段差を反映した凹みが、表示パネルにおける遮光層の開口に対応する透光部に生じる。
【0007】
また、第2コート層を、遮光層の開口に対応する部分と遮光層上に設けられた部分とで表面を均すように塗装できたとしても、第2コート層の厚さが、遮光層の開口に対応する部分でその他の部分に比べて厚くなる。このため、第2コート層にヒケが現れると、そのヒケによる凹みが、表示パネルの透光部に生じる。表示パネルの透光部に生じる凹みが視認できるレベルであると、表示パネルの見栄えが損なわれてしまう。
【0008】
本発明の目的は、表示パネルの透光部に凹みが生じるのを抑制し、表示パネルの見栄えを向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明では、遮光層が透光性を有する表皮層の裏面に積層されてなる表層シートを用い、表層シートの裏面側に基材を一体成形するなどして、基材が遮光層に形成された透孔に充填される構成を採用する。
【0010】
具体的には、第1の発明は、表示パネルを対象とする。第1の発明に係る表示パネルは、透光性を有する樹脂製の基材と、前記基材の表面に設けられる表層シートとを備える。前記表層シートは、透光性を有する表皮層と、該表皮層の裏面に積層された遮光層とを含む。前記遮光層には、光を通す透孔が形成される。当該表示パネルは、前記基材の裏側から照射された光が前記透孔を通じて前記表層シートを透過することで、該表層シートの一部を点灯させることが可能である。前記透孔には、前記基材が充填される。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の表示パネルにおいて、前記表層シートが、前記基材の表面に合わせた立体形状をなす、表示パネルである。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明の表示パネルにおいて、前記表皮層が、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム層と、該樹脂フィルム層の表面に設けられた意匠層とを含む、表示パネルである。前記樹脂フィルム層の厚さは、0.1mm以上且つ2.0mm以下である。
【0013】
第4の発明は、表示パネルの製造方法を対象とする。第4の発明に係る表示パネルは、透光性を有する樹脂フィルムの裏面に遮光層が設けられてなるベースシートを立体形状に賦形する工程と、前記ベースシートの立体形状を基準として前記遮光層の除去部位を位置決めし、該除去部位の前記遮光層を除去することにより透孔を形成する工程と、前記透孔を形成した前記ベースシートを、射出成形型に対して、前記遮光層がキャビティの内方に向く姿勢で立体形状がキャビティを区画する内面に沿うようにセットし、当該ベースシートの裏面に透光性を有する樹脂製の基材を一体成形する工程と、前記基材が一体成形された成形品の前記樹脂フィルムの表面に、透光性を有する意匠層を形成する工程とを含む。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、基材が、表層シートをなす遮光層の透孔に充填されるので、表層シートにおいて遮光層の表側に位置する表皮層が、遮光層に透孔に対応する透光部でその他の部分に比べて厚くならないようにし、ヒケが表皮層に現れるのを回避できる。これにより、表示パネルの透光部に凹みが生じるのを抑制し、表示パネルの見栄えを向上させることができる。
【0015】
第2の発明によれば、表層シートが基材の表面に合わせた立体形状をなすので、表示パネルの製造において、表層シートの立体形状を基準に遮光層における透孔の形成位置を位置決めできる。それにより、表示パネルの透光部の位置精度を確保できる。
【0016】
第3の発明によれば、樹脂フィルム層が比較的薄いので、表層シートの透光部において、当該樹脂フィルム層内を面方向に伝搬される光が少なくなり、透孔の形状に応じて表示パネルに点灯表示される図柄や文字などのサインに滲みが生じるのを抑制できる。また、表層シートが基材の外面に合わせた立体形状をなす場合、表示パネルの製造において、表層シートを立体形状に賦形しやすい。
【0017】
第4の発明によれば、ベースシートを立体形状に賦形した後に、遮光層の一部を除去する透孔を形成する。このとき、透孔の形成部位、つまり遮光層の除去部位は、ベースシートの立体形状を基準として位置決めする。これにより、表示パネルの透光部の位置精度を確保できる。そして、透孔を形成したベースシートを射出成形型にセットし、ベースシートの裏面に基材を一体成形するので、基材の成形時、キャビティ内に射出された透光性を有する樹脂材料は、遮光層の透孔内にも入り込んで充填される。これにより、表示パネルの透光部に凹みが生じるのを抑制し、表示パネルの見栄えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、表示灯装置が組み込まれたインストルメントパネルを例示する斜視図である。
図2図2は、図II-II線における表示灯装置の断面図である。
図3図3は、図2のIIIで囲んだ表示パネルの要部を例示する断面図である。
図4図4は、表示パネルの製造におけるプリフォーム工程の一部を示す断面図である。
図5図5は、表示パネルの製造におけるプリフォーム工程の一部を示す断面図である。
図6図6は、表示パネルの製造におけるプリフォーム工程の一部を示す断面図である。
図7図7は、表示パネルの製造におけるプリフォーム工程の一部を示す断面図である。
図8図8は、表示パネルの製造における透孔形成工程を示す断面図である。
図9図9は、表示パネルの製造における透孔形成後の表層シートの後処理を示す断面図である。
図10図10は、表示パネルの製造における基材成形工程の一部を示す断面図である。
図11図11は、表示パネルの製造における基材成形工程の一部を示す断面図である。
図12図12は、表示パネルの製造における基材成形工程で得られる成形品の後処理を示す断面図である。
図13図13は、表示パネルの製造における意匠層形成工程の一部(水圧転写工程)を示す図である。
図14図14は、表示パネルの製造における意匠層形成工程の一部(水圧転写工程)を示す図である。
図15図15は、表示パネルの製造における意匠層形成工程の一部(クリア塗装工程)を示す図である。
図16図16は、表示灯装置の製造における組立て工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明に係る表示パネルについて、車両の表示灯装置に組み込まれた態様を例に挙げて説明する。なお、説明の便宜上、車両前方を向いて車幅方向における左側を「左」、右側を「右」と称し、車高方向における上側を「上」、下側を「下」と称する。
【0020】
《実施形態》
この実施形態では、本発明に係る表示パネル10について、スイッチ機能を有する表示灯装置1に適用した場合を例に挙げて説明する。図1に示すように、表示灯装置1は、車両のインストルメントパネル3の右側のエアコン吹出口5の真下のクラスタースイッチ7を構成する。なお、図1では、便宜上、スイッチの操作部52の縁を示すが、実際にはスイッチの操作部52の縁は外観に現れない。
【0021】
-表示灯装置の構成-
図2に示すように、表示灯装置1は、表示パネル10と、タッチセンサシート50と、照明ユニット60とを備える。
【0022】
〈表示パネル〉
表示パネル10は、クッション層なしの内装材である。表示パネル10には、表示灯を表示する表示部24が設けられる。表示パネル10は、スイッチの操作部52を兼ねる。表示パネル10は、基材12と、表層シート22とを備える。
【0023】
〈基材〉
基材12は、表層シート22を支持する樹脂製の板状物である。基材12は、透光性を有する。ここでいう透光性とは、可視光を透過させる性質を意味する。透明性を有するとは、透明または半透明であることを含む。基材12の厚さは、例えば1mm以上且つ5mm以下である。基材12は、表板部14と、側板部16とを備える。
【0024】
表板部14は、基材12の本体部分である。表板部14は、車内側に臨む表面を有し、その表面が車内側に緩やかな凸面をなすように若干湾曲した形状とされる。側板部16は、表板部14の周端部分から基材12の裏面側に延びる。側板部16は、基材12の外周側に臨む表面を有し、基材12の周縁に枠状に設けられる。表板部14の裏面における表示部24に対応する部位には、表側へ凹む凹部18が形成される。この凹部18は、基材12に対する照明ユニット60の組み付けに利用される。
【0025】
表板部14の凹部18が形成された部分の厚さは、表板部14のその他の部分の厚さに比べて薄い。そのことで、表板部14における可視光の透過率は、凹部18が形成された部分でその他の部分よりも高くなっている。凹部18の深さは、例えば0.5mm以上且つ3.0mm以下である。
【0026】
表板部14の裏面には、複数のボス20(図2には2つのみ示す)が一体に形成される。各ボス20は、表板部14における凹部18の周囲に設けられ、基材12の裏側に突出する。本例では、複数のボス20は、凹部18の上下方向における両側に分けて設けられる。複数のボス20は、基材12に対する照明ユニット60の固定部として利用される。また、図示しないが、表板部14の裏面には、上記ボス20とは別にインストルメントパネル本体への組み付け用ボスが複数設けられる。
【0027】
基材12は、合成樹脂からなり、射出成形によって成形される。基材12の材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネット(PC)とポリエチレンテレフタレート(PET)との複合物(PC-PET)、アルニロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)とアルニロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)との複合物(PC-ABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)が挙げられる。
【0028】
〈表層シート〉
表層シート22は、基材12の表側を覆うように設けられる。表層シート22は、基材12の表面に合わせた立体形状をなす。表層シート22の立体形状は、基材12の表板部14の表面から側板部16の表面に沿った凹状である。表層シート22は、基材12の周縁に対応する部分で折り曲げられ、基材12の表板部14の表面と側板部16の表面とに亘り接合される。
【0029】
表層シート22は、図1に示す表示部24を有する。表示部24には、複数の透光部26が設けられる。複数の透光部26はそれぞれ、表層シート22において裏側から照射された光を透過させる部分である。複数の透光部26は、左右方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0030】
それら各透光部26は、表示灯を構成し、所定のアイコン28を点灯表示する。複数の透光部26が表示するアイコン28は、互いに異なる図形であり、別々の車載システムを示す。各透光部26がなす表示灯は、アイコン28の点灯の有無により、対応する車載システムの作動状態(作動中/停止)を表してもよい。
【0031】
図2および図3に示すように、表層シート22は、表皮層30と、遮光層40とを含む。表皮層30は、透光性を有する層である。表皮層30は、樹脂フィルム層32と、意匠層34とを含む。樹脂フィルム層32および遮光層40は、後述する表示パネル10の製造工程で用いるベースシート100からなる。
【0032】
樹脂フィルム層32は、表層シート22の基体を構成する。樹脂フィルム層32は、透明または半透明のフィルムからなる。樹脂フィルム層32の厚さは、例えば0.1mm以上且つ2.0mm以下である。樹脂フィルム層32の厚さは、樹脂フィルム層32内を面方向に伝搬される光を少なくし、表示パネル10に点灯表示されるアイコン28に滲みが生じるのを抑制する観点から、0.1mm以上且つ0.3mm以下であることが好ましい。
【0033】
樹脂フィルム層32は、熱可塑性樹脂からなる。樹脂フィルム層32の材料としては、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネット(PC)とポリエチレンテレフタレート(PET)との複合物(PC-PET)、アルニロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)とアルニロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)との複合物(PC-ABS)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)が挙げられる。
【0034】
意匠層34は、樹脂フィルム層32の表面に設けられる。意匠層34は、表示パネル10の外観に装飾性を付与する層である。意匠層34は、装飾層36と、クリア層38とを含む。
【0035】
装飾層36は、意匠層34が表現する木目模様や幾何学模様などの装飾模様を呈する層である。装飾層36の厚さは、例えば1μm以上且つ2μm以下である。クリア層38は、装飾層36を覆うように設けられる。クリア層38は、透光性を有する層である。クリア層38は、半透明であってもよいが、透明であることが好ましい。クリア層38の厚さは、例えば15μm以上且つ30μm以下である。意匠層34において、装飾層36が呈する装飾模様は、クリア層38を通して視認される。
【0036】
樹脂フィルム層32と意匠層34とを合わせた表皮層30の全光線透過率は、例えば3%以上且つ60%以下である。全光線透過率は、対象となる物体に入射した光の量に対する、対象となる物体を透過する光の量の割合である。全光線透過率は、JISK 7361に準拠して測定される。全光線透過率の測定には、市販の測定装置(例えば、トプコン社製、製品番号:SR-LEDW)を使用することが可能である。
【0037】
遮光層40は、表皮層30の裏面に積層される。遮光層40は、表示パネル10の裏側から表側へ抜けようとする光を遮る層である。遮光層40は、黒色顔料を含む塗膜により構成され、遮光性を有する。遮光層40の厚さは、例えば3μm以上且つ10μm以下である。遮光層40の各透光部26を構成する部分には、光を通す透孔42が形成される。透孔42は、アイコン28と同一形状に形成される。遮光層40は、透孔42を通じて光を透過させる。それら各透孔42には、基材12が充填される。
【0038】
表示パネル10では、基材12の裏側から照射された光が透孔42を通じて表層シート22を透過することで、その光によりアイコン28が映し出される。これによって、表示部24は、アイコン28を点灯表示する。このように、表示パネル10は、表層シート22の一部を点灯させることが可能に構成される。
【0039】
〈タッチセンサシート〉
タッチセンサシート50は、表示パネル10の各透光部26に対するタッチ操作を検出するための部品である。図2に示すように、タッチセンサシート50は、基材12の凹部18に収容される。タッチセンサシート50は、接着剤や両面粘着テープなどにより凹部18の底に接着され、静電容量式のスイッチを構成する。タッチセンサシート50は、透光性を有する。
【0040】
タッチセンサシート50は、図示しない検出電極を含む。検出電極は、タッチ操作を検出するための電極である。検出電極は、各透光部26に対応する箇所に位置する。タッチセンサシート50は、図示しないタッチ検出回路に接続される。タッチ検出回路は、ユーザによる透光部26へのタッチ操作を、検出電極が形成する静電容量の変化に基づいて検出する。
【0041】
〈照明ユニット〉
照明ユニット60は、表示パネル10の表示部24を背面側から照明する部品である。図2に示すように、照明ユニット60は、表示パネル10の裏面側に配置される。照明ユニット60は、支持パネル62と、複数のLED(Light Emitting Diode)66とを有する。
【0042】
支持パネル62は、基材12における複数のボス20にタッピングネジ70を用いて固定される。支持パネル62は、表示パネル10周辺の他の車両内装品を構成するパネルや、インストルメントパネル3の一部であってもよい。支持パネル62は、遮光性を有する。支持パネル62は、合成樹脂からなり、射出成形によって成形される。
【0043】
支持パネル62には、遮光壁64が設けられる。遮光壁64は、支持パネル62の表側(表示パネル10側)に突出し、凹部18の内周部位に対応するように枠状に形成される。遮光壁64は、LED66を収容する空間を仕切る。複数の透光部26に対応する遮光壁64は、互いに連続するように一体に設けられる。遮光壁64は、透光部26ごとに個別に設けられてもよい。遮光壁64の先端部分は、基材12の凹部18に嵌め込まれ、タッチセンサシート50を基材12(凹部18の底面)との間に挟み込む。
【0044】
複数のLED66は、支持パネル62の表面に設置される。LED66は、光源の一例である。LED66は、透光部26ごとに設けられ、支持パネル62の遮光壁64で囲まれた各部分に配置される。各LED66は、透光部26に向けて光を発する。各LED66が発した光は、表示パネル10側に向かうにつれて広がるが、遮光壁64に遮られるため、当該LED66が対応する透光部26以外の透光部26に漏れることはない。
【0045】
上記構成の表示灯装置1では、照明ユニット60の動作により、各透光部26が点灯状態とされる。透光部26においても、対応するLED66が点灯していない状態では、表示パネル10の意匠層34が呈する模様や色のみが視認される。照明ユニット60に含まれる複数のLED66は、選択的に点灯されてもよい。これにより、例えば、各透光部26は、アイコン28が対応する車載システムの作動状態などに応じて、点灯状態と消灯状態とで切り換えられる。また、本例の表示灯装置1では、表示パネル10の各透光部26が、ユーザによるタッチ操作を受け付けるスイッチの操作部52としても機能する。
【0046】
-表示灯装置の製造方法-
表示灯装置1の製造方法は、表示パネル製造工程と、組立て工程とを含む。
【0047】
〈表示パネル製造工程〉
表示パネル製造工程は、表示パネル10を製造する工程である。表示パネル製造工程では、まず、遮光層40が樹脂フィルム層32の裏面に設けられてなるベースシート100を準備する。このとき準備するベースシート100の遮光層40には、透孔42が未だ形成されていない。そして、表示パネル製造工程は、プリフォーム工程と、透孔形成工程と、基材成形工程と、意匠層形成工程とを含む。
【0048】
〈プリフォーム工程〉
プリフォーム工程は、ベースシート100を立体形状に賦形する工程である。図4に示すように、プリフォーム工程では、まず、ベースシート100の周端部分をクランプ200で挟み込んで、ベースシート100を広げた状態に保持する。その状態で、ベースシート100を加熱装置300に搬入し、ヒータ302により両側から加熱することにより軟化させる。
【0049】
次に、図5に示すように、軟化したベースシート100をプリフォーム型400にセットする。プリフォーム型400は、真空圧空成形によりベースシート100を賦形するための金型である。プリフォーム型400は、成形型402と、圧空ボックス410とを備える。
【0050】
成形型402は、表示パネル10(表層シート22)の表面形状に合わせた凹状の成形面404を有する。成形型402には、通気路406と、排気ポート408とが設けられる。通気路406は、成形面404と排気ポート408との間を連通させる流路である。通気路406は、成形面404に開口する複数の微細な真空成形孔405を有する。排気ポート408には、真空ポンプ(不図示)が接続される。他方、圧空ボックス410には、給気ポート412が設けられる。給気ポート412には、エアポンプ(不図示)が接続される。なお、上記成形型402は真空成形孔40に代えて、通気性を有するポーラス型で設けてもよい。
【0051】
プリフォーム型400へのベースシート100のセット状態は、成形型402に対して成形面404がなす凹状部分を覆うようにベースシート100を載置した状態である。このとき、ベースシート100を、遮光層40の設けられた裏面が成形面404とは反対側(つまり型閉め後の圧空ボックス410側)を向く姿勢とする。
【0052】
続いて、図6に示すように、プリフォーム型400を型閉めすることにより、圧空ボックス410をベースシート100を介して成形型402に押し付けて、圧空ボックス410と成形型402との間にベースシート100を挟み込む。プリフォーム型400が型閉めされると、圧空ボックス410とベースシート100との間に加圧空間S1が形成される。また、成形型402の成形面404とベースシート100との間には、減圧空間S2が形成される。
【0053】
そして、図7に示すように、エアポンプを作動させて、圧空ボックス410の給気ポート412から加圧空間S1に加熱空気を供給する。そのことで、ベースシート100の加圧空間S1側に空気圧(正圧)を作用させる。それと共に、真空ポンプを作動させて、減圧空間S2の空気を通気路406を介して排気ポート408から排出する。そのことで、ベースシート100の成形面404側に真空圧(負圧)を作用させる。このようにして、ベースシート100は、その両側に発生する差圧により、成形型402の成形面404に押し付けられて密着し、成形面404に対応する形状に賦形される。
【0054】
その後、通気路406を外気と連通させて通気路406を大気圧に開放し、圧空ボックス410を成形型402から離間させてプリフォーム型400を型開きする。そして、賦形したベースシート100を冷却して立体形状を定着させる。ベースシート100の冷却は、自然放冷でもよいし、風冷による強制冷却であってもよい。
【0055】
〈透孔形成工程〉
透孔形成工程は、賦形したベースシート100の遮光層40の一部を除去することにより、透孔42を形成する工程である。図8に示すように、本例の透孔形成工程は、ベースシート100が成形型402にセットされたままの状態で行う。
【0056】
透孔形成工程では、ベースシート100の立体形状を基準として、遮光層40の除去部位を位置決めする。本例では、遮光層40の除去部位の位置決めを、成形型402の位置に基づいて行う。この場合も、成形型402にはベースシート100がセットされた状態にあるので、ベースシート100の立体形状を基準として位置決めすることに該当する。次いで、レーザー照射装置500を用い、ベースシート100裏面の遮光層40における位置決めした除去部位に対して、レーザー光Lを照射することにより、遮光層40をアイコン28の形状に除去する。そうすることで、アイコン28に対応する形状の透孔42を遮光層40に形成する(図9の拡大部参照)。
【0057】
その後、ベースシート100を保持するクランプ200を上昇させるか、または成形型402を下降させることにより、ベースシート100を成形型402から引き上げて離型させる。そして、図9に示すように、ベースシート100の外周にある不要部分102を切断し、射出成形型600へのセットに向けて形状を整える。
【0058】
〈基材成形工程〉
基材成形工程は、透孔42を形成したベースシート100の裏面に基材12を一体成形する工程である。図10に示すように、基材成形工程では、ベースシート100を射出成形型600にセットする。射出成形型600は、可動型602と、固定型610とを備える。可動型602は、基材12の裏面形状に合わせた成形面604を有する。可動型602には、成形面604に開口するトンネルゲート606を含む樹脂流路608が形成される。樹脂流路608には、樹脂射出機(不図示)が接続される。他方、固定型610は、表示パネル10(表層シート22)の表面形状に合わせた凹状のセット面612を有する。
【0059】
可動型602の成形面604および固定型610のセット面612はそれぞれ、射出成形型600のキャビティCを区画する内面である。射出成形型600へのベースシート100のセット状態は、固定型610のセット面612にベースシート100を宛がった状態である。このとき、ベースシート100を、遮光層40がキャビティCの内方に向く姿勢、つまり型閉め状態で可動型602の成形面604と対向する姿勢とし、立体形状がセット面612を沿うようにセットする。
【0060】
続いて、図11の左図に示すように、射出成形型600を型閉めすることにより、固定型610にセットされたベースシート100の外周部分を可動型602と固定型610との間に挟み込むと共に、可動型602の成形面604とベースシート100との間にキャビティCを形成する。そして、樹脂射出機を作動させて、図11の右図に示すように、樹脂流路608を通じてキャビティCに、基材12の材料である透光性を有する溶融樹脂Rを射出する。キャビティCに射出された溶融樹脂Rは、キャビティC全体に行き渡るように充填される。このとき、溶融樹脂Rは、遮光層40の透孔42にも入り込んで充填される(図12の拡大部参照)。
【0061】
次に、射出成形型600を冷却することで、キャビティCに充填された溶融樹脂Rが固化されて基材12を形成する。このようにして、ベースシート100の裏面に基材12を一体成形する。そして、可動型602を固定型610から離間させて、射出成形型600を型開きする。さらに、基材12がベースシート100に一体成形された成形品80を、型開きした射出成形型600から離型させて取り出す。その後、図12に示すように、成形品80の外周にあるベースシート100の不要部分104と、ゲートに付随する基材12の不要部分105とを切断して除去する。
【0062】
〈意匠層形成工程〉
意匠層形成工程は、基材成形工程で得られた成形品80の表面に、透光性を有する意匠層34を形成する工程である。本例の意匠層形成工程では、水圧転写工程と、クリア塗装工程とを含む。
【0063】
水圧転写工程は、周知の水圧転写法を用いて、成形品80の表面に装飾層36を形成する工程である。水圧転写工程では、図13に示す転写フィルム700を使用する。転写フィルム700は、水溶性フィルム702と、非水溶性の塗膜704とで構成される。水溶性フィルム702は、ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性材料からなる。塗膜704は、水溶性フィルム702の表面に塗布されて設けられ、装飾模様をなすものである。
【0064】
図13に示すように、水圧転写工程では、まず、転写フィルム700を水溶性フィルム702を下に向けた状態で水槽710に貯留された水Wの水面に浮かべる。このとき、スプレー装置を用いて接着剤を塗膜704に吹き付けてもよい。しばらくすると、水溶性フィルム702だけが水Wに溶けて塗膜704が水面に浮かんだ状態となる。
【0065】
また、水槽710の上方に配置された取付治具720に、表面が下方に向くように成形品80を取り付ける。次いで、図14に示すように、成形品80を、取付治具720により水面に対して所定の傾斜角度だけ傾けた状態とし、その状態で、タイミングを見計らって下方へと移動させる。そのことで、水面に浮かんでいる塗膜704に成形品80の表面を押し当る。さらに、成形品80を斜め下方にやや回転させるように移動させて、水中に没入させる。そうすることで、塗膜704が水圧により成形品80の表面に押し付けられて密着し、樹脂フィルム層32の表面に転写される。
【0066】
しかる後、水圧が成形品80の表面に均等に掛かるように、成形品80を水平姿勢にして水中から引き上げる。そして、塗膜704が転写された成形品80の表面を洗浄した後に乾燥させる。このようにして、樹脂フィルム層32の表面に装飾層36を形成する。
【0067】
クリア塗装工程は、装飾層36が形成された成形品80の表面にクリア層48を形成する工程である。図15に示すように、クリア塗装工程では、スプレー装置800を用いて、透光性を有するクリア塗料Pを成形品80の表面に吹き付ける。クリア塗料Pの吹き付けは、装飾層36が形成されたベースシート100の表面全体に亘って実施する。そうすることで、成形品80の表面に、装飾層36を覆うようにクリア層48を形成する。これら水圧転写工程およびクリア塗装工程の実施により、意匠層34が形成される。そして、基材12の表側に表層シート22が構成される。
【0068】
以上のようにして、表示パネル10を製造することができる。
【0069】
〈組立て工程〉
組立て工程は、表示パネル10に照明ユニット60を組み付けて、表示灯装置1を組み立てる工程である。組立て工程では、タッチセンサシート50と、予めLED66が支持パネル62に設置されてなる照明ユニット60とを準備しておく。
【0070】
図16に示すように、まず、タッチセンサシート50を基材12の凹部18に嵌め込んで、凹部18の底に接着剤により固定する。次に、表示パネル10に照明ユニット60を組み付ける。具体的には、支持パネル62の遮光壁64の先端部分を凹部18に嵌め込んで、表示パネル10に対して照明ユニット60を位置決めする。そして、支持パネル62を、タッピングねじ70を用いて基材12の各ボス20に固定することにより、表示パネル10に取り付ける。
【0071】
以上のようにして、表示灯装置1を製造することができる。
【0072】
-実施形態の特徴-
この実施形態の表示パネル10では、基材12が、表層シート22をなす遮光層40の透孔42に充填される。そのことで、表層シート22において遮光層40の表側に位置する表皮層30が、遮光層40に透孔42に対応する透光部26でその他の部分に比べて厚くならないようにし、ヒケが表皮層30に現れるのを回避できる。これにより、表示パネル10の透光部26に凹みが生じるのを抑制し、表示パネル10の見栄えを向上させることができる。
【0073】
この実施形態の表示パネル10では、表層シート22が基材12の表面に合わせた立体形状をなす。このような表層シート22を備えれば、表示パネル10の製造において、表層シート22の立体形状を基準に遮光層40における透孔42の形成位置を位置決めできる。それにより、表示パネル10の透光部26の位置精度を確保できる。
【0074】
この実施形態の表示パネル10では、樹脂フィルム層32が0.1mm以上且つ2.0mm以下である。このように樹脂フィルム層32が比較的薄いと、表層シート22の透光部26において、当該樹脂フィルム層32内を面方向に伝搬される光が少なくなり、透孔42の形状に応じて表示パネル10に点灯表示されるアイコン28に滲みが生じるのを抑制できる。また、表示パネル10の製造において、樹脂フィルム層32を含むベースシート100を立体形状に賦形しやすい。
【0075】
この実施形態の表示パネル10の製造方法では、ベースシート100を立体形状に賦形した後に、遮光層40の一部を除去する透孔42を形成する。このとき、透孔42の形成部位、つまり遮光層40の除去部位は、ベースシート100の立体形状を基準として位置決めする。これにより、表示パネル10の透光部26の位置精度を確保できる。そして、透孔42を形成したベースシート100を射出成形型600にセットし、表層シート22の裏面に基材12を一体成形する。ベースシート100は、遮光層40がキャビティCの内方に向く姿勢でセットされる。よって、基材12の成形時、キャビティC内に射出された樹脂材料は、遮光層40の透孔42内にも入り込んで充填される。このようにして表示パネル10を製造すれば、表示パネル10の透光部26に凹みが生じるのを抑制し、表示パネル10の見栄えを向上させることができる。
【0076】
《その他の実施形態》
上記実施形態では、表示パネル10の表皮層30が、樹脂フィルム層32および意匠層34を含むとしたが、これに限らない。当該表皮層30は、樹脂フィルム層32のみで構成されるなど、1層のみからなる構成でもよい。また、表皮層30は、樹脂フィルム層32および意匠層34に加えてさらに別の機能層を1層含むなど、3層以上の構成であってもよい。
【0077】
上記実施形態では、表示パネル10がタッチセンサシート50を備え、各透光部26がスイッチの操作部52として機能するとしたが、これに限らない。表示パネル10は、スイッチ機能を有さず、表示灯の表示機能のみを発揮するように構成されてもよい。この場合、タッチセンサシート50は不要であるので、表示パネル10はタッチセンサシート50を備えなくてよい。
【0078】
上記実施形態では、表示パネル10の製造において水圧転写法を用いて装飾層36を形成するとしたが、これに限らない。装飾層36は、一般的な塗装、金型内塗装、蒸着、フィルム接着、またはそれらの手法の組合せにより形成してもよい。
【0079】
上記実施形態では、基材12の側板部16は、枠状に設けられるとしたが、これに限らない。例えば、基材12の側板部16は、基材12の上下方向における端縁のみ、または基材12の左右方向における端端のみに、一対に設けられてもよい。
【0080】
上記実施形態では、表層シート22の立体形状が基材12の表板部14の表面から側板部16の表面に沿った凹状であるとしたが、これに限らない。例えば、基材12の表板部14の表面に凹部または凸部が存在する場合、表層シート22の立体形状は、その凹部または凸部に沿うように折り曲げられた形状であってもよい。この場合、表層シート22は、基材12の表板部14の表面のみに設けられてもよい。
【0081】
上記実施形態では、透孔42の形状に応じて表示パネル10に点灯表示されるものがアイコン28である場合を例に挙げたが、これに限らない。表示パネル10に点灯表示されるものとしては、アイコン28以外の記号や図形、図柄、文字などであってもよく、任意のサインを採り得る。
【0082】
上記実施形態では、表示灯装置1がインストルメントパネル3に組み込まれた場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。本発明に係る表示パネル10およびそれを備える表示灯装置1は、コンソールボックスのリッドやドアトリム、ピラートリム、サンバイザーなど、他の車両用の内装品にも組み込むことが可能である。また、本発明に係る表示灯装置1は、車両用途以外にも家電製品やゲーム機などの様々な製品に広く適用できる。
【0083】
以上のように、本発明の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。上記実施形態について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてさらに色々な変形が可能なこと、またそうした変形も本発明の範囲に属することは、当業者に理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明は、表示パネルおよびその製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0085】
C キャビティ
12 基材
22 表層シート
30 表皮層
32 樹脂フィルム層
34 意匠層
40 遮光層
42 透孔
80 成形品
100 ベースシート
600 射出成形型
612 セット面(内面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16