(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127622
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】医療従事者支援プログラム、患者支援プログラム、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20240912BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036899
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】町田 佳士
(72)【発明者】
【氏名】吉川 亜莉紗
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードの期限管理を可能にする。
【解決手段】医療従事者支援プログラムは、複数の患者について、各患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかどうかについての問合せをサーバに送信することと、前記問合せに対する回答を前記サーバから受信することと、前記回答を参照して、前記複数の患者のうち、いずれの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかに関する情報、及び前記複数の患者のうち、1人以上の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されていない場合は、当該1人以上の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を含む連携状況情報を、各患者を識別する識別情報とともに出力機器を介して出力することとを含む動作をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに当該患者の端末から受信すると、当該患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を当該医療従事者に付与するサーバと通信可能なコンピュータに、
複数の患者について、各患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかどうかについての問合せを前記サーバに送信することと、
前記問合せに対する回答を前記サーバから受信することと、
前記回答を参照して、前記複数の患者のうち、いずれの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかに関する情報、及び前記複数の患者のうち、1人以上の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されていない場合は、当該1人以上の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を含む連携状況情報を、各患者を識別する識別情報とともに出力機器を介して出力することと
を含む動作を実行させる医療従事者支援プログラム。
【請求項2】
前記連携状況情報は、前記複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されておらず、かつ当該少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていない場合は、当該少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限までの期間の長さを示す情報を含む請求項1に記載の医療従事者支援プログラム。
【請求項3】
前記動作は、
前記複数の患者について、各患者に紐付く連携コードを発行することを更に含む請求項1に記載の医療従事者支援プログラム。
【請求項4】
前記発行することは、前記複数の患者について、各患者に紐付く連携コードを前記サーバに送信するとともに、各患者に紐付く連携コードをディスプレイに表示又はプリンタで印刷することを含む請求項3に記載の医療従事者支援プログラム。
【請求項5】
前記動作は、
前記複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与された場合は、当該少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を要求する操作を、入力機器を介して受け付けると、当該少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を前記サーバから取得し、取得した患者情報を、前記出力機器を介して出力することを更に含む請求項1に記載の医療従事者支援プログラム。
【請求項6】
患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに当該患者の端末から受信すると、当該患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を当該医療従事者に付与するサーバと通信可能なコンピュータに、
前記連携コードを入力する操作を、入力機器を介して受け付けることと、
前記連携コードを前記サーバに送信することと、
前記患者情報へのアクセスの権限が前記医療従事者に付与されたかどうかについての通知を前記サーバから受信することと、
前記通知を、前記医療従事者を識別する識別情報とともに出力機器を介して出力することと
を含む動作を実行させる患者支援プログラム。
【請求項7】
前記連携コードを入力する操作は、前記連携コードが前記患者の介護者の端末に表示されているときに前記連携コードを読み取る操作である請求項6に記載の患者支援プログラム。
【請求項8】
前記動作は、
前記患者の身体、バイタルサイン、又は症状に関する情報を入力する操作を、前記入力機器を介して受け付けると、前記患者情報として、入力された情報を前記サーバに送信することを更に含む請求項6に記載の患者支援プログラム。
【請求項9】
前記動作は、
前記患者の身体に関する測定の結果を、当該測定を行う測定機器から受信すると、前記患者情報として、受信した結果を前記サーバに送信することを更に含む請求項6に記載の患者支援プログラム。
【請求項10】
患者の端末及び医療従事者の端末と通信を行う通信部と、
前記患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限が前記医療従事者に付与されたかどうかについての問合せを、前記通信部を介して前記医療従事者の端末から受信すると、前記権限が付与されたかどうかについての回答を、前記通信部を介して前記医療従事者の端末に送信し、前記患者と前記医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに前記通信部を介して前記患者の端末から受信すると、前記権限を前記医療従事者に付与するとともに、前記権限が前記医療従事者に付与されたことについての通知を、前記通信部を介して前記患者の端末に送信する制御部と
を備えるサーバ。
【請求項11】
前記制御部は、前記権限を前記医療従事者に付与した場合は、前記医療従事者の端末からの要求に応じて、前記患者情報を前記ストレージから取得して、前記患者情報を、前記通信部を介して前記医療従事者の端末に送信する請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
前記制御部は、前記患者情報として、前記患者の身体、バイタルサイン、若しくは症状に関する情報、又は前記患者の身体に関する測定の結果を、前記通信部を介して前記患者の端末から受信する請求項10に記載のサーバ。
【請求項13】
医療従事者端末に、
患者と医療従事者との組み合わせに紐付けられた有効期限付きの連携コードを発行する連携コード発行手順と、
前記連携コード発行手順により発行された連携コードが患者端末に入力された場合、前記医療従事者端末に当該患者端末を使用する患者の患者情報へのアクセスの権限を付与するアクセス権限付与手順と、
前記アクセス権限付与手順によりアクセス権限が付与された患者の患者情報を、当該患者の識別情報とともに前記医療従事者端末の出力機器を介して出力する患者情報出力手順と、
前記アクセス権限付与手順によりアクセス権限が付与されていない患者について、前記連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を含む連携状況情報を、当該患者の識別情報とともに前記医療従事者端末の出力機器を介して出力する連携状況情報表示手順と、
を含む動作を実行させる医療従事者支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療従事者支援プログラム、患者支援プログラム、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、患者端末、サーバ、及び医療従事者端末を備えるシステムが開示されている。このシステムにおいて、患者端末は、医療従事者に開示する患者情報の選択を受け付ける。患者端末は、選択された患者情報の開示を要求する要求情報をサーバに送信する。サーバは、患者端末から送信された要求情報に基づいて、選択された患者情報の開示を許可する許可情報を患者端末に提供する。医療従事者端末は、患者端末に提供された許可情報の入力を受け付ける。医療従事者端末は、入力された許可情報をサーバに送信する。サーバは、医療従事者端末から送信された許可情報に基づいて、選択された患者情報の開示を許可する。医療従事者端末は、選択された患者情報を取得して出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムのような許可情報の代わりに、有効期限付きの連携コードを患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行し、医療従事者端末の患者一覧画面で「連携中」マークを表示することが考えられる。「連携中」マークは、連携コードが有効期限までに患者端末からサーバに送信され、対応する患者情報へのアクセスの権限が医療従事者に付与された、ということを示すマークである。
【0005】
従来のシステムのように許可情報を医療従事者端末からサーバに送信する代わりに、有効期限付きの連携コードを患者端末からサーバに送信するようにした場合、患者が連携コードを有効期限までに送信するのを忘れ、連携コードが無効になってしまう、ということが頻繁に起こり得る。そこで、医療従事者が適切なタイミングで連携コードの送信を患者に促すことができるように、医療従事者端末の患者一覧画面で「連携中」マークを表示するだけではなく、連携コードの期限管理もできるようにすることが望ましい。
【0006】
本開示の目的は、患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードの期限管理を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の幾つかの態様を以下に示す。
【0008】
[1]
患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに当該患者の端末から受信すると、当該患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を当該医療従事者に付与するサーバと通信可能なコンピュータに、
複数の患者について、各患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかどうかについての問合せを前記サーバに送信することと、
前記問合せに対する回答を前記サーバから受信することと、
前記回答を参照して、前記複数の患者のうち、いずれの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかに関する情報、及び前記複数の患者のうち、1人以上の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されていない場合は、当該1人以上の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を含む連携状況情報を、各患者を識別する識別情報とともに出力機器を介して出力することと
を含む動作を実行させる医療従事者支援プログラム。
【0009】
[2]
前記連携状況情報は、前記複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されておらず、かつ当該少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていない場合は、当該少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限までの期間の長さを示す情報を含む[1]に記載の医療従事者支援プログラム。
【0010】
[3]
前記動作は、
前記複数の患者について、各患者に紐付く連携コードを発行することを更に含む[1]又は[2]に記載の医療従事者支援プログラム。
【0011】
[4]
前記発行することは、前記複数の患者について、各患者に紐付く連携コードを前記サーバに送信するとともに、各患者に紐付く連携コードをディスプレイに表示又はプリンタで印刷することを含む[3]に記載の医療従事者支援プログラム。
【0012】
[5]
前記動作は、
前記複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与された場合は、当該少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を要求する操作を、入力機器を介して受け付けると、当該少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を前記サーバから取得し、取得した患者情報を、前記出力機器を介して出力することを更に含む[1]から[4]のいずれか1項に記載の医療従事者支援プログラム。
【0013】
[6]
患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに当該患者の端末から受信すると、当該患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を当該医療従事者に付与するサーバと通信可能なコンピュータに、
前記連携コードを入力する操作を、入力機器を介して受け付けることと、
前記連携コードを前記サーバに送信することと、
前記患者情報へのアクセスの権限が前記医療従事者に付与されたかどうかについての通知を前記サーバから受信することと、
前記通知を、前記医療従事者を識別する識別情報とともに出力機器を介して出力することと
を含む動作を実行させる患者支援プログラム。
【0014】
[7]
前記連携コードを入力する操作は、前記連携コードが前記患者の介護者の端末に表示されているときに前記連携コードを読み取る操作である[6]に記載の患者支援プログラム。
【0015】
[8]
前記動作は、
前記患者の身体、バイタルサイン、又は症状に関する情報を入力する操作を、前記入力機器を介して受け付けると、前記患者情報として、入力された情報を前記サーバに送信することを更に含む[6]又は[7]に記載の患者支援プログラム。
【0016】
[9]
前記動作は、
前記患者の身体に関する測定の結果を、当該測定を行う測定機器から受信すると、前記患者情報として、受信した結果を前記サーバに送信することを更に含む[6]から[8]のいずれか1項に記載の患者支援プログラム。
【0017】
[10]
患者の端末及び医療従事者の端末と通信を行う通信部と、
前記患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限が前記医療従事者に付与されたかどうかについての問合せを、前記通信部を介して前記医療従事者の端末から受信すると、前記権限が付与されたかどうかについての回答を、前記通信部を介して前記医療従事者の端末に送信し、前記患者と前記医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを当該有効期限までに前記通信部を介して前記患者の端末から受信すると、前記権限を前記医療従事者に付与するとともに、前記権限が前記医療従事者に付与されたことについての通知を、前記通信部を介して前記患者の端末に送信する制御部と
を備えるサーバ。
【0018】
[11]
前記制御部は、前記権限を前記医療従事者に付与した場合は、前記医療従事者の端末からの要求に応じて、前記患者情報を前記ストレージから取得して、前記患者情報を、前記通信部を介して前記医療従事者の端末に送信する[10]に記載のサーバ。
【0019】
[12]
前記制御部は、前記患者情報として、前記患者の身体、バイタルサイン、若しくは症状に関する情報、又は前記患者の身体に関する測定の結果を、前記通信部を介して前記患者の端末から受信する[10]又は[11]に記載のサーバ。
【0020】
[13]
医療従事者端末に、
患者と医療従事者との組み合わせに紐付けられた有効期限付きの連携コードを発行する連携コード発行手順と、
前記連携コード発行手順により発行された連携コードが患者端末に入力された場合、前記医療従事者端末に当該患者端末を使用する患者の患者情報へのアクセスの権限を付与するアクセス権限付与手順と、
前記アクセス権限付与手順によりアクセス権限が付与された患者の患者情報を、当該患者の識別情報とともに前記医療従事者端末の出力機器を介して出力する患者情報出力手順と、
前記アクセス権限付与手順によりアクセス権限が付与されていない患者について、前記連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を含む連携状況情報を、当該患者の識別情報とともに前記医療従事者端末の出力機器を介して出力する連携状況情報表示手順と、
を含む動作を実行させる医療従事者支援プログラム。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードの期限管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施形態に係る連携システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る医療従事者端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る患者端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る連携システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る連携システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る医療従事者端末の画面例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施形態に係る連携システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る医療従事者端末の動作を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の実施形態に係る医療従事者端末の画面例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係るサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図13】本開示の実施形態に係る医療従事者端末の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照して説明する。
【0024】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0025】
図1を参照して、本実施形態に係る連携システム10の構成を説明する。
【0026】
連携システム10は、サーバ20と、医療従事者端末30と、患者端末40と、介護者端末50とを備える。サーバ20は、ネットワーク60を介して、医療従事者端末30、患者端末40、及び介護者端末50と通信可能である。医療従事者端末30は、ネットワーク60を介して、患者端末40及び介護者端末50と通信可能であってもよい。患者端末40は、ネットワーク60を介して、介護者端末50と通信可能であってもよい。
【0027】
サーバ20は、データセンターなどの施設に設置された、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するコンピュータである。サーバ20は、患者情報を保管するサービスを提供する事業者によって運用される。患者情報は、患者の身体、バイタルサイン、若しくは症状に関する情報、又は患者の身体に関する測定の結果を含む。身体に関する情報は、体重、身長、又は腹囲に関する情報を含む。バイタルサインとは、人間が生きている状態であることを示す兆候のことである。バイタルサインに関する情報は、血圧、脈拍、体温、又は呼吸速度に関する情報を含む。
【0028】
医療従事者端末30は、医師などの医療従事者のクリニック又は病院に設置された、PCなどの汎用端末である。「PC」は、personal computerの略語である。あるいは、医療従事者端末30は、医療従事者が所有する、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレットなどの携帯端末でもよい。
【0029】
患者端末40は、心不全などの病気を患っている患者が所有する、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレットなどの携帯端末である。あるいは、患者端末40は、患者の自宅に設置された、PCなどの汎用端末でもよい。
【0030】
介護者端末50は、患者の介護者が所有する、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレットなどの携帯端末である。あるいは、介護者端末50は、患者などの被介護者が入所する介護施設に設置された、PCなどの汎用端末でもよい。
【0031】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0032】
本実施形態の概要を説明する。
【0033】
患者端末40は、患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードを入力する操作を、入力機器、例えば患者端末40のカメラを介して受け付けると、入力された連携コードを、ネットワーク60を介してサーバ20に送信する。本実施形態では、患者以外の第三者が医療従事者と連携しないように、セキュリティの観点から連携コードに有効期限が設定されている。有効期限は、例えば連携コードの発行から5日間である。サーバ20は、連携コードを有効期限までに患者端末40から受信すると、患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を医療従事者に付与するとともに、権限が医療従事者に付与されたことについての通知を、ネットワーク60を介して患者端末40に送信する。ストレージは、サーバ20に備えられてもよいし、又はサーバ20がネットワーク60を介してアクセス可能な別の装置に備えられてもよい。サーバ20は、連携コードを有効期限切れ後に患者端末40から受信した場合は、権限が医療従事者に付与されていないことについての通知を、ネットワーク60を介して患者端末40に送信する。患者端末40は、患者情報へのアクセスの権限が医療従事者に付与されたかどうかについての通知をサーバ20から受信すると、受信した通知を、医療従事者を識別する識別情報とともに出力機器、例えば患者端末40のディスプレイを介して出力する。
【0034】
医療従事者端末30は、複数の患者について、各患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかどうかについての問合せを、ネットワーク60を介してサーバ20に送信する。サーバ20は、問合せを医療従事者端末30から受信すると、権限が付与されたかどうかについての回答を、ネットワーク60を介して医療従事者端末30に送信する。医療従事者端末30は、問合せに対する回答をサーバ20から受信すると、受信した回答を参照して、連携状況情報を、各患者を識別する識別情報とともに出力機器、例えば医療従事者端末30のディスプレイを介して出力する。連携状況情報は、複数の患者のうち、いずれの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかに関する情報を含む。連携状況情報は、複数の患者のうち、1人以上の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されていない場合は、1人以上の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を更に含む。
【0035】
本実施形態によれば、患者と医療従事者との組合せに紐付けて発行された有効期限付きの連携コードの期限管理が可能になる。例えば、医療機関が患者との連携の状況を正確に把握できるだけでなく、連携できていない患者、特に、もうすぐ連携コードの有効期限が切れる患者に対して適切なタイミングで連携を促すことができるようになる。
【0036】
患者情報へのアクセスの権限が付与された場合にアクセス可能な範囲、すなわち、情報開示範囲は、本実施形態では、全患者共通であるが、個別の患者によって調整されてもよい。連携コードの有効期間も、本実施形態では、発行から5日間など、全患者共通であるが、患者の属性によって調整されてもよいし、又は情報開示範囲が調整される場合は、情報開示範囲が広いほど短く設定されてもよい。連携コードは、本実施形態では、医療従事者側で発行されて患者側に提供されるが、患者側で独自に発行されてもよい。権限付与のための認証として、本実施形態では、連携コードによる認証のみが適用されているが、他の方式による認証を組み合わせた多要素認証が適用されてもよい。
【0037】
図2を参照して、本実施形態に係るサーバ20の構成を説明する。
【0038】
サーバ20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0039】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、サーバ20の各部を制御しながら、サーバ20の動作に関わる処理を実行する。
【0040】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM、又はフラッシュメモリである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。フラッシュメモリは、例えば、SSDである。「SSD」は、solid-state driveの略語である。磁気メモリは、例えば、HDDである。「HDD」は、hard disk driveの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、サーバ20の動作に用いられるデータと、サーバ20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0041】
通信部23は、少なくとも1つの通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば、Ethernet(登録商標)などの有線LAN通信規格、又はIEEE802.11などの無線LAN通信規格に対応したモジュールである。「IEEE」は、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略称である。通信部23は、医療従事者端末30、患者端末40、及び介護者端末50と通信を行う。通信部23は、サーバ20の動作に用いられるデータを受信し、またサーバ20の動作によって得られるデータを送信する。
【0042】
サーバ20の機能は、本実施形態に係るサーバプログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、サーバ20の機能は、ソフトウェアにより実現される。サーバプログラムは、サーバ20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータをサーバ20として機能させる。すなわち、コンピュータは、サーバプログラムに従ってサーバ20の動作を実行することによりサーバ20として機能する。
【0043】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0044】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0045】
サーバ20の一部又は全ての機能が、制御部21としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、サーバ20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0046】
図3を参照して、本実施形態に係る医療従事者端末30の構成を説明する。
【0047】
医療従事者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35とを備える。
【0048】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部31は、医療従事者端末30の各部を制御しながら、医療従事者端末30の動作に関わる処理を実行する。
【0049】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM、又はフラッシュメモリである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。フラッシュメモリは、例えば、SSDである。磁気メモリは、例えば、HDDである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、医療従事者端末30の動作に用いられるデータと、医療従事者端末30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0050】
通信部33は、少なくとも1つの通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば、Ethernet(登録商標)などの有線LAN通信規格、IEEE802.11などの無線LAN通信規格、又はLTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したモジュールである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、サーバ20と通信を行う。通信部33は、患者端末40と通信を行ってもよい。通信部33は、介護者端末50と通信を行ってもよい。通信部33は、医療従事者端末30の動作に用いられるデータを受信し、また医療従事者端末30の動作によって得られるデータを送信する。
【0051】
入力部34は、少なくとも1つの入力機器を含む。入力機器は、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、又はマイクロフォンである。入力部34は、医療従事者端末30の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部34は、医療従事者端末30に備えられる代わりに、外部の入力機器として医療従事者端末30に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0052】
出力部35は、少なくとも1つの出力機器を含む。出力機器は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescentの略語である。出力部35は、医療従事者端末30の動作によって得られるデータを出力する。出力部35は、医療従事者端末30に備えられる代わりに、外部の出力機器として医療従事者端末30に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0053】
医療従事者端末30の機能は、本実施形態に係る医療従事者支援プログラムを、制御部31としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、医療従事者端末30の機能は、ソフトウェアにより実現される。医療従事者支援プログラムは、医療従事者端末30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを医療従事者端末30として機能させる。すなわち、コンピュータは、医療従事者支援プログラムに従って医療従事者端末30の動作を実行することにより医療従事者端末30として機能する。医療従事者端末30は、サーバ20の機能を有していてもよい。医療従事者端末30は、サーバ20を兼ねていてもよい。
【0054】
医療従事者端末30の一部又は全ての機能が、制御部31としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、医療従事者端末30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0055】
図4を参照して、本実施形態に係る患者端末40の構成を説明する。
【0056】
患者端末40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45とを備える。
【0057】
制御部41は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部41は、患者端末40の各部を制御しながら、患者端末40の動作に関わる処理を実行する。
【0058】
記憶部42は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM、又はフラッシュメモリである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。フラッシュメモリは、例えば、SSDである。磁気メモリは、例えば、HDDである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42には、患者端末40の動作に用いられるデータと、患者端末40の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0059】
通信部43は、少なくとも1つの通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格、IEEE802.11などの無線LAN通信規格、又はEthernet(登録商標)などの有線LAN通信規格に対応したモジュールである。通信部43は、サーバ20と通信を行う。通信部43は、医療従事者端末30と通信を行ってもよい。通信部43は、介護者端末50と通信を行ってもよい。通信部43は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格に対応したモジュールを更に含んでもよい。通信部43は、患者の身体に関する測定を行う測定機器と更に通信を行ってもよい。通信部43は、患者端末40の動作に用いられるデータを受信し、また患者端末40の動作によって得られるデータを送信する。
【0060】
入力部44は、少なくとも1つの入力機器を含む。入力機器は、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラ、又はマイクロフォンである。入力部44は、患者端末40の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部44は、患者端末40に備えられる代わりに、外部の入力機器として患者端末40に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0061】
出力部45は、少なくとも1つの出力機器を含む。出力機器は、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部45は、患者端末40の動作によって得られるデータを出力する。出力部45は、患者端末40に備えられる代わりに、外部の出力機器として患者端末40に接続されてもよい。接続用インタフェースとしては、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの規格に対応したインタフェースを用いることができる。
【0062】
患者端末40の機能は、本実施形態に係る患者支援プログラムを、制御部41としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、患者端末40の機能は、ソフトウェアにより実現される。患者支援プログラムは、患者端末40の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを患者端末40として機能させる。すなわち、コンピュータは、患者支援プログラムに従って患者端末40の動作を実行することにより患者端末40として機能する。
【0063】
患者端末40の一部又は全ての機能が、制御部41としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、患者端末40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0064】
図5から
図13を参照して、本実施形態に係る連携システム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る連携方法に相当する。
【0065】
図5に示したステップS101において、患者端末40の制御部41は、患者情報を入力する操作を、入力機器を介して受け付ける。あるいは、患者端末40の制御部41は、患者情報を、通信部43を介して測定機器から受信してもよい。患者端末40の制御部41は、入力された患者情報、又は受信した患者情報を、通信部43を介してサーバ20に送信する。サーバ20の制御部21は、患者情報を、通信部23を介して患者端末40から受信する。サーバ20の制御部21は、受信した患者情報を患者に紐付けてストレージに保管する。
【0066】
例えば、患者端末40の制御部41は、患者端末40のユーザである患者Y1の在宅時の身体に関する情報として、体重値を入力する操作を、入力部44を介して受け付ける。あるいは、患者端末40の制御部41は、患者Y1の在宅時のバイタルサインに関する情報として、血圧値又は脈拍値を入力する操作を、入力部44を介して受け付けてもよい。あるいは、患者端末40の制御部41は、患者Y1の自覚症状に関する情報として、息切れ、むくみ、疲れやすさ、食欲低下、又は不眠の有無を入力する操作を、入力部44を介して受け付けてもよい。あるいは、患者端末40の制御部41は、患者Y1の測定結果として、体重値、血圧値、又は脈拍値を、通信部43を介して体重計、血圧計、又は脈拍計から受信してもよい。あるいは、患者端末40の制御部41は、その他の患者情報として、患者Y1の服薬又は運動に関する情報を入力する操作を、入力部44を介して受け付けてもよい。患者端末40の制御部41は、患者情報として、患者Y1の在宅時の身体若しくはバイタルサインに関する情報、患者Y1の自覚症状に関する情報、患者Y1の測定結果、又は患者Y1の服薬若しくは運動に関する情報を、通信部43を介してサーバ20に送信する。患者端末40の制御部41は、患者情報とともに、患者識別情報として、患者Y1を識別する識別情報を、通信部43を介してサーバ20に送信する。サーバ20の制御部21は、患者情報及び患者識別情報を患者端末40から受信すると、受信した患者情報を、受信した患者識別情報に紐付けて又は関連付けて記憶部22に記憶する。あるいは、サーバ20の制御部21は、受信した患者情報を、受信した患者識別情報に紐付けて又は関連付けて、通信部23を介して外部のストレージに記憶してもよい。
【0067】
図6に示したステップS201において、医療従事者端末30の制御部31は、複数の患者について、各患者と医療従事者との組合せに紐付く有効期限付きの連携コードを発行する。具体的には、医療従事者端末30の制御部31は、複数の患者について、各患者に紐付く連携コードを、通信部33を介してサーバ20に送信するとともに、各患者に紐付く連携コードを出力部35としてのディスプレイに表示するか、又は出力部35としてのプリンタで印刷する。あるいは、医療従事者端末30の制御部31は、各患者に紐付く連携コードを、通信部33を介して介護者端末50に送信してもよい。サーバ20の制御部21は、各患者に紐付く連携コードを、通信部23を介して医療従事者端末30から受信する。サーバ20の制御部21は、受信した連携コードを各患者と医療従事者との組合せに紐付けてストレージに保管する。
【0068】
例えば、医療従事者端末30の制御部31は、
図7に示すような患者情報画面70を出力部35としてのディスプレイに表示する。患者情報画面70には、患者Y1に関する種々の情報が表示される。患者情報画面70には、連携情報表示領域71、連携コード発行ボタン72、及び患者情報表示領域73が含まれる。連携情報表示領域71は、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者端末30のユーザである医療従事者X1に付与されたかどうかを表示するための領域である。
図7に示した例では、病院のアイコンと患者Y1のアイコンとの間に「未連携」と表示されている。これは、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されていないことを示している。
図7に示した例では、患者Y1のアイコンと介護者端末50のユーザである介護者Z1のアイコンとの間にも「未連携」と表示されている。これは、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が介護者Z1に付与されていないことを示している。介護者Z1への権限付与は、医療従事者X1への権限付与と同様の方法で行われてもよいし、又は別の方法で行われてもよい。患者情報表示領域73は、患者Y1に紐付く患者情報を表示するための領域である。
図7に示した例では、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されていないため、「表示できる患者情報はありません」と表示されている。医療従事者端末30の制御部31は、連携コード発行ボタン72を選択する操作を、入力部34を介して受け付けると、「2689-7431-3209-8427」などの連携IDを生成する。「ID」は、identifierの略語である。医療従事者端末30の制御部31は、連携コードとして、生成した連携IDを、通信部33を介してサーバ20に送信する。医療従事者端末30の制御部31は、連携コードとともに、患者識別情報として、患者Y1を識別する識別情報を、通信部33を介してサーバ20に送信する。医療従事者端末30の制御部31は、連携コードとともに、医療従事者識別情報として、医療従事者X1を識別する識別情報を、通信部33を介してサーバ20に更に送信する。医療従事者端末30の制御部31は、連携コードとして、生成した連携ID、若しくはその連携IDを含む2次元コードをディスプレイに表示するか、又はプリンタで印刷する。あるいは、医療従事者端末30の制御部31は、連携コードとして、生成した連携IDを、通信部33を介して介護者端末50に送信してもよい。サーバ20の制御部21は、連携コード、患者識別情報、及び医療従事者識別情報を患者端末40から受信すると、受信した連携コードを、受信した患者識別情報及び医療従事者識別情報の組合せに紐付けて記憶部22に記憶する。あるいは、サーバ20の制御部21は、受信した連携コードを、受信した患者識別情報及び医療従事者識別情報の組合せに紐付けて、通信部23を介して外部のストレージに記憶してもよい。
【0069】
図6に示したステップS202において、患者端末40の制御部41は、ステップS201で発行された連携コードを入力する操作を、入力機器を介して受け付ける。具体的には、患者端末40の制御部41は、ステップS201で表示又は印刷された連携コードを入力する操作を、入力部44を介して受け付ける。あるいは、患者端末40の制御部41は、ステップS201で介護者端末50に送信された連携コードが介護者端末50に表示されているときに、その連携コードを読み取る操作を、入力部44を介して受け付けてもよい。患者端末40の制御部41は、入力された連携コード、又は読み取られた連携コードを、通信部43を介してサーバ20に送信する。
【0070】
例えば、患者端末40の制御部41は、ステップS201で表示又は印刷された連携IDを入力する操作を、入力部44としてのタッチスクリーンを介して受け付ける。あるいは、患者端末40の制御部41は、ステップS201で表示又は印刷された2次元コードを読み取る操作を、入力部44としてのカメラを介して受け付けてもよい。あるいは、患者端末40の制御部41は、ステップS201で介護者端末50に送信された連携コードを含む2次元コードを介護者端末50の画面から読み取る操作を、入力部44としてのカメラを介して受け付けてもよい。患者端末40の制御部41は、連携コードとして、入力された連携ID、又は読み取られた2次元コードに含まれる連携IDを、通信部43を介してサーバ20に送信する。
【0071】
図8に示したように、ステップS211において、サーバ20の制御部21は、連携コードを、通信部23を介して患者端末40から受信する。ステップS212において、サーバ20の制御部21は、ステップS211で受信した連携コードの有効期限が切れていないかどうかを判定する。有効期限が切れていないと判定した場合、ステップS213において、サーバ20の制御部21は、患者に紐付けてストレージに保管している患者情報へのアクセスの権限を医療従事者に付与する。ステップS214において、サーバ20の制御部21は、権限が医療従事者に付与されたことについての通知を、通信部23を介して患者端末40に送信する。ステップS212で有効期限が切れていると判定した場合、ステップS215において、サーバ20の制御部21は、権限が医療従事者に付与されていないことについての通知を、通信部23を介して患者端末40に送信する。
【0072】
例えば、サーバ20の制御部21は、有効期限内の連携コードを患者端末40から受信すると、受信した連携コードが紐付いた患者識別情報を記憶部22又は外部のストレージから取得する。サーバ20の制御部21は、取得した患者識別情報に紐付けて又は関連付けて記憶部22又は外部のストレージに記憶した患者情報へのアクセスの権限を医療従事者X1に付与する。サーバ20の制御部21は、権限を医療従事者X1に付与したという通知を、通信部23を介して患者端末40に送信する。一方、サーバ20の制御部21は、期限切れの連携コードを患者端末40から受信すると、権限を医療従事者X1に付与していないという通知を、通信部23を介して患者端末40に送信する。
【0073】
図6に示したステップS203において、患者端末40の制御部41は、患者情報へのアクセスの権限が医療従事者に付与されたかどうかについての通知を、通信部43を介してサーバ20から受信する。患者端末40の制御部41は、受信した通知を医療従事者識別情報とともに出力機器を介して出力する。
【0074】
例えば、患者端末40の制御部41は、権限を医療従事者X1に付与したという通知をサーバ20から受信すると、受信した通知を出力部45としてのディスプレイに表示する。患者端末40の制御部41は、受信した通知とともに、医療従事者識別情報として、医療従事者X1を識別する識別情報をディスプレイに表示する。患者端末40の制御部41は、権限を医療従事者X1に付与していないという通知をサーバ20から受信した場合も、受信した通知とともに、医療従事者識別情報をディスプレイに表示する。
【0075】
図9に示したステップS301において、医療従事者端末30の制御部31は、複数の患者について、各患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかどうかについての問合せを、通信部33を介してサーバ20に送信する。サーバ20の制御部21は、問合せを、通信部23を介して医療従事者端末30から受信する。
図9に示したステップS302において、サーバ20の制御部21は、ステップS301で受信した問合せに対する回答を、通信部23を介して医療従事者端末30に送信する。
【0076】
例えば、医療従事者端末30の制御部31は、患者識別情報として、患者Y1,・・・,Ynを識別する識別情報を含むとともに、医療従事者識別情報として、医療従事者X1を識別する識別情報を含む問合せを、通信部33を介してサーバ20に送信する。ここで、nは2以上の自然数である。サーバ20の制御部21は、問合せを医療従事者端末30から受信すると、受信した問合せに含まれる患者識別情報及び医療従事者識別情報の組合せに紐付けて記憶部22又は外部のストレージに記憶した患者情報へのアクセスの権限を医療従事者X1に付与したかどうかを確認する。サーバ20の制御部21は、患者識別情報として、患者Y1,・・・,Ynを識別する識別情報を含むとともに、各患者について得られた確認結果を含む回答を、通信部23を介して医療従事者端末30に送信する。
【0077】
図10に示したように、ステップS311において、医療従事者端末30の制御部31は、問合せに対する回答を、通信部33を介してサーバ20から受信する。ステップS312において、医療従事者端末30の制御部31は、ステップS311で受信した回答を参照して、連携状況情報を生成する。連携状況情報は、複数の患者のうち、いずれの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されたかに関する情報を含む。連携状況情報は、複数の患者のうち、1人以上の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されていない場合は、1人以上の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていないかどうかに関する情報を更に含む。本実施形態では、連携状況情報は、複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与されておらず、かつ少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限が切れていない場合は、少なくとも1人の患者に紐付く連携コードの有効期限までの期間の長さを示す情報を更に含む。ステップS313において、医療従事者端末30の制御部31は、ステップS312で生成した連携状況情報を患者識別情報とともに出力機器を介して出力する。
【0078】
例えば、医療従事者端末30の制御部31は、問合せに対する回答をサーバ20から受信すると、受信した回答を参照して、
図11に示すような患者一覧画面80を出力部35としてのディスプレイに表示する。患者一覧画面80には、患者ごとに、少なくとも、名前81、患者ID82、及び連携状況83が表示される。患者ID82は、回答に含まれる患者識別情報に相当する。連携状況83は、回答に含まれる確認結果を参照して生成された連携状況情報に相当する。
図11に示した例では、患者Y1,・・・,Y9のうち、患者Y1,Y5について「OK」と表示されている。これは、患者Y1,Y5に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されたことを示している。患者Y3については「期限間近」と表示されている。これは、患者Y3に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されておらず、かつ患者Y3に紐付く連携コードの有効期限が切れていないこと、及びその有効期限までの期間の長さが短いことを示している。「期限まで残り1日」など、具体的な期間の長さが表示されてもよい。患者Y4については「期限切れ」と表示されている。これは、患者Y4に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されておらず、かつ患者Y4に紐付く連携コードの有効期限が切れていることを示している。残りの患者については「未連携」と表示されている。これは、残りの患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されていないこと、及び残りの患者に紐付く連携コードが発行されてもいないことを示している。「コード発行前」など、連携コードが発行されていないことが明示的に表示されてもよい。本実施形態では、一旦連携が開始されると、連携が中止されることはないが、連携を中止するという選択肢が設けられてもよく、「連携中止」など、その旨を表示できるようにしてもよい。連携コードの有効期間とは別に、連携自体の有効期間が設定されてもよい。
【0079】
図9に示したステップS303において、医療従事者端末30の制御部31は、複数の患者のうち、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報へのアクセスの権限が付与された場合は、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を要求する操作を、入力機器を介して受け付ける。医療従事者端末30の制御部31は、その操作に応じて、少なくとも1人の患者に紐付く患者情報を、通信部33を介してサーバ20に要求する。
【0080】
例えば、医療従事者端末30の制御部31は、患者一覧画面80で患者Y1を選択する操作を、入力部34を介して受け付けると、患者識別情報として、患者Y1を識別する識別情報を含むとともに、医療従事者識別情報として、医療従事者X1を識別する識別情報を含む要求を、通信部33を介してサーバ20に送信する。
【0081】
図12に示したように、ステップS321において、サーバ20の制御部21は、要求を、通信部23を介して医療従事者端末30から受信する。ステップS322において、サーバ20の制御部21は、ステップS321で要求された患者情報へのアクセスの権限を医療従事者に付与したかどうかを判定する。権限を医療従事者に付与したと判定した場合、ステップS323において、サーバ20の制御部21は、ステップS321で要求された患者情報をストレージから取得する。ステップS324において、サーバ20の制御部21は、ステップS323で取得した患者情報を応答として、通信部23を介して医療従事者端末30に送信する。ステップS322で権限を医療従事者に付与していないと判定した場合、ステップS325において、サーバ20の制御部21は、権限が医療従事者に付与されていないことについての通知を応答として、通信部23を介して医療従事者端末30に送信する。
【0082】
例えば、サーバ20の制御部21は、患者識別情報として、患者Y1を識別する識別情報を含むとともに、医療従事者識別情報として、医療従事者X1を識別する識別情報を含む要求を医療従事者端末30から受信すると、受信した要求に含まれる患者識別情報及び医療従事者識別情報の組合せに紐付けて記憶部22又は外部のストレージに記憶した患者情報へのアクセスの権限を医療従事者X1に付与したかどうかを確認する。サーバ20の制御部21は、権限を医療従事者X1に付与したことを確認した場合は、患者識別情報として、患者Y1を識別する識別情報を含むとともに、受信した要求に含まれる患者識別情報及び医療従事者識別情報の組合せに紐付けて記憶部22又は外部のストレージに記憶した患者情報を含む応答を、通信部23を介して医療従事者端末30に送信する。
【0083】
図9に示したステップS304において、医療従事者端末30の制御部31は、ステップS303で要求した患者情報を、通信部33を介してサーバ20から取得する。医療従事者端末30の制御部31は、取得した患者情報を、出力機器を介して出力する。医療従事者端末30の制御部31は、ステップS303で要求した患者情報を取得できず、その患者情報へのアクセスの権限が医療従事者に付与されていないことについてサーバ20から通知された場合は、その通知を、出力機器を介して出力する。
【0084】
例えば、医療従事者端末30の制御部31は、要求に対する応答をサーバ20から受信すると、受信した応答を参照して、
図13に示すような患者情報画面70を出力部35としてのディスプレイに表示する。
図13に示した例では、連携情報表示領域71、連携コード発行ボタン72、及び患者情報表示領域73の表示が
図7に示した例とは異なる。連携情報表示領域71では、病院のアイコンと患者Y1のアイコンとの間に「連携済」と表示されている。これは、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が医療従事者X1に付与されたことを示している。
図13に示した例では、患者Y1のアイコンと介護者端末50のユーザである介護者Z1のアイコンとの間にも「連携済」と表示されている。これは、患者Y1に紐付く患者情報へのアクセスの権限が介護者Z1に付与されたことを示している。ここでは、介護者Z1への権限付与が、医療従事者X1への権限付与と同様に既に完了しているものとする。連携コード発行ボタン72は、選択できないように無効化されている。患者情報表示領域73では、応答に含まれる患者情報が表示されている。
【0085】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の2つ以上のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の2つ以上のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 連携システム
20 サーバ
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
30 医療従事者端末
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
40 患者端末
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 出力部
50 介護者端末
60 ネットワーク
70 患者情報画面
71 連携情報表示領域
72 連携コード発行ボタン
73 患者情報表示領域
80 患者一覧画面
81 名前
82 患者ID
83 連携状況