(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127635
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】検体分析装置および検体処理システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01N35/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】40
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036935
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】中西 利志
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝明
(72)【発明者】
【氏名】三澤 浩太
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CA02
2G058CB08
2G058CB11
2G058CB15
2G058CB20
2G058CF18
2G058EA08
2G058GA01
2G058GA11
2G058GC02
2G058GC05
2G058GC06
(57)【要約】
【課題】オペレータが検体ラックを載置する頻度を減らすことを可能にした検体分析装置および検体処理システムを提供する。
【解決手段】複数の検体容器110を保持可能な検体ラック100を用いて、検体容器110内の検体を分析する検体分析装置は、検体を測定する測定ユニット10と、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域201と、載置領域201に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域221とを含み、載置領域201、221に載置された検体ラック100を、測定ユニット10が測定を開始するための開始位置P32へと搬送する搬送ユニット20と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検体容器を保持可能な検体ラックを用いて、前記検体容器内の検体を分析する検体分析装置であって、
前記検体を測定する測定ユニットと、
前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第1載置領域と、前記第1載置領域に対し左右方向に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第2載置領域とを含み、前記第1載置領域および前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記測定ユニットが測定を開始するための開始位置へと搬送する搬送ユニットと、を備える、
検体分析装置。
【請求項2】
複数の検体容器を保持可能な検体ラックを用いて、前記検体容器内の検体を分析する検体分析装置であって、
前記検体を測定する測定ユニットと、
前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第1載置領域と、前記第1載置領域に対し上下方向に配置され、複数の前記検体ラックを載置可能な第2載置領域とを含み、前記第1載置領域および前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記測定ユニットが測定を開始するための開始位置へと搬送する搬送ユニットと、を備える、
検体分析装置。
【請求項3】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1載置領域との間に左右に延びて配置されている、
請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記搬送ユニットは、前記第1載置領域および前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に搬送する搬送部を備える、
請求項3に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記搬送部は、前記第1載置領域および前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、単一の前記所定位置に搬送する、
請求項4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1載置領域および前記第2載置領域との間に左右に延びて配置され、
前記第2載置領域は、前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に接続し、
前記第1載置領域および前記第2載置領域は、前記第1載置領域側の搬送開始位置および前記第2載置領域側の搬送終了位置において互いに接続し、
前記搬送ユニットは、
前記第2載置領域にある前記検体ラックを前記所定位置に搬送する第1搬送部と、
前記搬送開始位置から前記搬送終了位置へと前記検体ラックを搬送する第2搬送部と、を備える、
請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項7】
前記搬送ユニットは、前記第1載置領域に載置された前記検体ラックを、前記搬送開始位置へと搬送する第3搬送部を備える、
請求項6に記載の検体分析装置。
【請求項8】
前記第1搬送部と前記第3搬送部とは、互いに反対の方向に前記検体ラックを搬送する、
請求項7に記載の検体分析装置。
【請求項9】
前記搬送ユニットは、前記第1載置領域に載置された前記検体ラックを前記第2載置領域に搬送する第2搬送路を備え、前記第1載置領域に載置された前記検体ラックを、前記第2搬送路および前記第2載置領域を介して前記開始位置へと搬送し、前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記第2搬送路および前記第1載置領域を介さずに前記開始位置へと搬送する、
請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項10】
前記搬送ユニットは、
前記測定ユニットと、前記第1載置領域および前記第2載置領域と、の間に左右に延びて配置され、前記開始位置を含む搬送路と、
前記第1載置領域にある前記検体ラックを前方または後方に搬送する第1搬送部と、
前記第1載置領域および前記第2載置領域の前端に配置され、前記第1載置領域と前記第2載置領域との間で前記検体ラックを搬送する第2搬送部と、
前記第2載置領域にある前記検体ラックを第1搬送部による搬送方向と反対の方向に搬送する第3搬送部と、を備える、
請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項11】
前記第1載置領域に載置された前記検体ラックを搬送する第1搬送部と、
前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを搬送する第2搬送部と、
前記第1載置領域に載置された前記検体ラックを検知する第1検知部と、
前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを検知する第2検知部と、
前記第1検知部が前記検体ラックを検知すると、前記第1搬送部により前記検体ラックを搬送し、前記第2検知部が前記検体ラックを検知すると、前記第2搬送部により前記検体ラックを搬送するよう、前記第1および第2搬送部を制御する制御部と、を備える、
請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項12】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1載置領域との間に左右に延びて配置され、
前記搬送ユニットは、
前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記搬送路と同じ高さの位置に搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部により搬送された前記検体ラックを、前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に搬送する第2搬送部と、を備える、
請求項2に記載の検体分析装置。
【請求項13】
前記搬送ユニットは、前記第2載置領域に載置された前記検体ラックを、前記第1搬送部による搬送開始位置へと搬送する第3搬送部を備える、
請求項12に記載の検体分析装置。
に記載の検体分析装置。
【請求項14】
前記第2搬送部と前記第3搬送部とは、互いに反対の方向に前記検体ラックを搬送する、
請求項13に記載の検体分析装置。
【請求項15】
前記搬送ユニットは、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第1回収領域と、前記第1回収領域に対し左右方向に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第2回収領域と、をさらに含む、
請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項16】
前記搬送ユニットは、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第1回収領域と、前記第1回収領域に対し上下方向に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第2回収領域と、をさらに含む、
請求項2に記載の検体分析装置。
【請求項17】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1回収領域との間に左右に延びて配置されている、
請求項15または16に記載の検体分析装置。
【請求項18】
前記搬送ユニットの載置領域が載置可能な前記検体ラックの数と、前記搬送ユニットの回収領域が回収可能な前記検体ラックの数との数は、互いに同数である、
請求項15または16に記載の検体分析装置。
【請求項19】
前記搬送ユニットの回収領域が回収可能な前記検体ラックの数は、前記搬送ユニットの載置領域が載置可能な前記検体ラックの数よりも大きい、
請求項15または16に記載の検体分析装置。
【請求項20】
前記搬送ユニットは、前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に位置付けられた前記検体ラックを、前記第1回収領域および前記第2回収領域に搬送する搬送部を備える、
請求項17に記載の検体分析装置。
【請求項21】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1回収領域および前記第2回収領域との間に左右に延びて配置され、
前記第2回収領域は、前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に接続し、
前記搬送ユニットは、
前記所定位置にある前記検体ラックを前記第2回収領域に搬送する第1搬送部と、
前記第2回収領域にある前記検体ラックを前記第1回収領域に向けて搬送する第2搬送部と、を備える、
請求項15に記載の検体分析装置。
【請求項22】
前記搬送ユニットは、前記第2搬送部により前記第1回収領域に向けて搬送された前記検体ラックを、前記第1回収領域内に搬送する第3搬送部を備える、
請求項21に記載の検体分析装置。
【請求項23】
前記第2搬送部は、前記第2回収領域内の複数の前記検体ラックを一括して前記第1回収領域に向けて搬送し、
前記第3搬送部は、前記第2搬送部により一括して搬送された複数の前記検体ラックを一括して前記第1回収領域内に搬送する、
請求項22に記載の検体分析装置。
【請求項24】
前記搬送ユニットは、前記第1回収領域と前記第2回収領域との間で前記検体ラックの搬送の可否を設定するためのシャッターを備える、
請求項23に記載の検体分析装置。
【請求項25】
前記搬送ユニットは、前記開始位置を含む搬送路を備え、
前記搬送路は、前記測定ユニットと前記第1回収領域との間に左右に延びて配置され、
前記搬送ユニットは、
前記搬送路上の前記開始位置から離れた所定位置に位置付けられた前記検体ラックを、前記搬送路と同じ高さの位置に搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部により搬送された前記検体ラックを、前記第2回収領域と同じ高さの位置に搬送する第2搬送部と、を備える。
請求項16に記載の検体分析装置。
【請求項26】
前記搬送ユニットは、第2搬送部により搬送された前記検体ラックを、前記第2回収領域に搬送する第3搬送部を備える、
請求項25に記載の検体分析装置。
【請求項27】
前記第1搬送部と前記第3搬送部とは、互いに反対の方向に前記検体ラックを搬送する、
請求項26に記載の検体分析装置。
【請求項28】
前記第1載置領域の少なくとも一部は、前記測定ユニットの前方側において、前記測定ユニットの底面の左右幅の範囲内に配置されている、
請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項29】
前記第1回収領域の少なくとも一部は、前記測定ユニットの前方側において、前記測定ユニットの底面の左右幅の範囲内に配置されている、
請求項15または16に記載の検体分析装置。
【請求項30】
前記検体分析装置は、血液検体中の血球を計数する血球計数装置である、
請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項31】
前記測定ユニットは、2台以上配置されている、
請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項32】
前記第1載置領域および前記第2載置領域に一度に載置可能な前記検体容器の数が160以上800以下であり、
前記検体分析装置が1時間あたりに分析可能な検体数が130以上400以下である、
請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項33】
請求項1または2に記載の検体分析装置と、
塗抹標本作製装置と、を備える、
検体処理システム。
【請求項34】
前記塗抹標本作製装置は、
前記検体容器内の検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製ユニットと、
前記検体分析装置から搬送された前記検体ラックを前記塗抹標本作製ユニットが塗抹標本の作製を開始するための開始位置へと搬送する搬送ユニットと、を備え、
前記塗抹標本作製装置の前記搬送ユニットは、前記塗抹標本作製ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第3回収領域と、前記第3回収領域に対し左右方向に配置され、複数の前記検体ラックを回収可能な第4回収領域と、を含む、
請求項33に記載の検体処理システム。
【請求項35】
前記塗抹標本作製装置は、
前記検体容器内の検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製ユニットと、
前記検体分析装置から搬送された前記検体ラックを前記塗抹標本作製ユニットが塗抹標本の作製を開始する開始位置へと搬送ユニットと、を備え、
前記塗抹標本作製装置の前記搬送ユニットは、前記塗抹標本作製ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第3回収領域と、前記第3回収領域に対し上下方向に配置され、複数の前記検体ラックを回収可能な第4回収領域と、を含む、
請求項33に記載の検体処理システム。
【請求項36】
複数の検体容器を保持可能な検体ラックを用いて、前記検体容器内の検体を分析する検体分析装置であって、
前記検体を測定する測定ユニットと、
複数の前記検体ラックを載置可能な載置領域を含み、前記載置領域に載置された前記検体ラックを、前記測定ユニットが測定を開始するための開始位置へと搬送する搬送ユニットと、を備え、
前記載置領域に一度に載置可能な前記検体容器の数が160以上800以下であり、
前記検体分析装置が1時間あたりに分析可能な検体数が130以上400以下である、
検体分析装置。
【請求項37】
前記載置領域は、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第1載置領域と、前記第1載置領域に対し左右方向に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第2載置領域と、を含む、
請求項36に記載の検体分析装置。
【請求項38】
前記載置領域は、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第1載置領域と、前記第1載置領域に対し上下に配置され複数の前記検体ラックを載置可能な第2載置領域と、を含む、
請求項36に記載の検体分析装置。
【請求項39】
前記搬送ユニットは、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第1回収領域と、前記第1回収領域に対し左右方向に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第2回収領域と、をさらに含む、
請求項37に記載の検体分析装置。
【請求項40】
前記搬送ユニットは、前記測定ユニットの前方に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第1回収領域と、前記第1回収領域に対し上下方向に配置され複数の前記検体ラックを回収可能な第2回収領域と、をさらに含む、
請求項38に記載の検体分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の検体容器を保持可能な検体ラックを用いて検体容器内の検体を分析する検体分析装置および検体分析装置を備えた検体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、分析装置本体と、分析装置本体の前方に配置されたサンプラからなる分析装置が記載されている。このサンプラは、オペレータによって載置された検体ラックを、分析装置本体の吸引ノズルによるサンプリング位置に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、分析装置本体が時間当たりに処理可能な検体の件数が増加している。そのため、上記特許文献1に記載の分析装置のサンプラを、時間当たりの検体の処理可能件数が増加した分析装置本体に適用すると、オペレータがサンプラに検体ラックを載置する頻度が増加してしまう。
【0005】
本発明は、オペレータが検体ラックを載置する頻度を減らすことを可能にした検体分析装置および検体処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の検体容器(110)を保持可能な検体ラック(100)を用いて、検体容器(110)内の検体を分析する検体分析装置(1)に関する。本発明の検体分析装置(1)は、検体を測定する測定ユニット(10)と、測定ユニット(10)の前方に配置され複数の検体ラック(100)を載置可能な第1載置領域(201)と、第1載置領域(201)に対し左右方向に配置され複数の検体ラック(100)を載置可能な第2載置領域(221)とを含み、第1載置領域(201)および第2載置領域(221)に載置された検体ラック(100)を、測定ユニット(10)が測定を開始するための開始位置(P32、P32a、P32b)へと搬送する搬送ユニット(20)と、を備える。
【0007】
本発明の検体分析装置によれば、搬送ユニットが第1載置領域と第2載置領域とを含むため、オペレータが両方の載置領域に検体ラックを載置することが可能となり、検体ラックを載置する頻度を減らすことができる。
【0008】
本発明は、複数の検体容器(110)を保持可能な検体ラック(100)を用いて、検体容器(110)内の検体を分析する検体分析装置(1)に関する。本発明の検体分析装置(1)は、検体を測定する測定ユニット(10)と、測定ユニット(10)の前方に配置され複数の検体ラック(100)を載置可能な第1載置領域(201、221)と、第1載置領域(201、221)に対し上下方向に配置され、複数の検体ラック(100)を載置可能な第2載置領域(501)とを含み、第1載置領域(201、221)および第2載置領域(501)に載置された検体ラック(100)を、測定ユニット(10)が測定を開始するための開始位置(P32、P32a、P32b)へと搬送する搬送ユニット(20)と、を備える。
【0009】
本発明の検体分析装置によれば、搬送ユニットが第1載置領域と第2載置領域とを含むため、オペレータが両方の載置領域に検体ラックを載置することが可能となり、検体ラックを載置する頻度を減らすことができる。
【0010】
本発明の検体処理システム(3)は、上記の検体分析装置(1)と、塗抹標本作製装置(2)と、を備える。
【0011】
本発明の検体処理システムによれば、検体分析装置において、搬送ユニットが第1載置領域と第2載置領域とを含むため、オペレータが両方の載置領域に検体ラックを載置することが可能となり、検体ラックを載置する頻度を減らすことができる。
【0012】
本発明は、複数の検体容器(110)を保持可能な検体ラック(100)を用いて、検体容器(110)内の検体を分析する検体分析装置(1)に関する。本発明の検体分析装置(1)は、検体を測定する測定ユニット(10)と、複数の検体ラック(100)を載置可能な載置領域(201、221、501)を含み、載置領域(201、221、501)に載置された検体ラック(100)を、測定ユニット(10)が測定を開始するための開始位置(P32、P32a、P32b)へと搬送する搬送ユニット(20)と、を備える。載置領域(201、221、501)に一度に載置可能な検体容器(100)の数が160以上800以下であり、検体分析装置(1)が1時間あたりに分析可能な検体数が130以上400以下である。
【0013】
本発明の検体分析装置によれば、検査室に設置するのに適したサイズであり、かつ、オペレータが検体ラックを載置する頻度を減らしつつ、時間当たりの検体の処理件数を増加することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オペレータが検体ラックを載置する頻度を減らすことを可能にした検体分析装置および検体処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、検体分析装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、検体ラックおよび検体容器の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、搬送ユニットが収容可能な検体ラックの数と、測定ユニット、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る、搬送ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る、測定ユニットの内部の構成を模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る、検体ラックが回収領域に搬送される手順を説明する。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る、検体ラックが回収領域に搬送される手順を説明する。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る、制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る、測定ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る、搬送ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係る、検体ラックを左側の載置領域から手前側の搬送路に押し出す処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態1に係る、手前側の搬送路において検体ラックを横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態1に係る、検体ラックを手前側の搬送路から右側の載置領域に押し出す処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、実施形態1に係る、検体ラックを右側の載置領域から後方の搬送路に押し出す処理を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態1に係る、後方の搬送路において検体ラックを横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態1に係る、検体ラックを後方の搬送路から左側の回収領域に押し出す処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態1に係る、検体ラックを左側の回収領域から右側の回収領域に横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、実施形態2に係る、検体分析装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図19】
図19は、実施形態2に係る、搬送ユニットが収容可能な検体ラックの数と、測定ユニット、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図20】
図20は、実施形態2に係る、搬送ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
【
図21】
図21は、実施形態3に係る、検体処理システムの構成を模式的に示す側面図である。
【
図22】
図22は、実施形態3に係る、右側の搬送ユニットが収容可能な検体ラックの数と、測定ユニットおよび載置領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図23】
図23は、実施形態3に係る、左側の搬送ユニットが収容可能な検体ラックの数と、塗抹標本作製ユニットおよび回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図24】
図24は、実施形態3に係る、右側の搬送ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
【
図25】
図25は、実施形態3に係る、左側の搬送ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
【
図26】
図26は、実施形態3に係る、塗抹標本作製ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【
図27】
図27は、実施形態3に係る、左側の搬送ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【
図28】
図28は、実施形態4に係る、検体分析装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図29】
図29は、実施形態4に係る、ラックホルダの構成を模式的に示す斜視図である。
【
図30】
図30は、実施形態4に係る、搬送ユニットの第1階層で収容可能な検体ラックの数と、測定ユニット、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図31】
図31は、実施形態4に係る、搬送ユニットの第2~第4階層で収容可能な検体ラックの数と、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図32】
図32は、実施形態4に係る、搬送ユニットの第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図33】
図33は、実施形態4に係る、昇降機構の構成を模式的に示す側面図である。
【
図34】
図34は、実施形態4に係る、搬送ユニットの第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図35】
図35は、実施形態4に係る、第2~第4階層の載置領域において検体ラックが搬送される手順を模式的に示す側面図である。
【
図36】
図36は、実施形態5に係る、検体分析装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図37】
図37は、実施形態5に係る、搬送ユニットの第1階層で収容可能な検体ラックの数と、測定ユニット、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図38】
図38は、実施形態5に係る、搬送ユニットの第2~第4階層で収容可能な検体ラックの数と、載置領域および回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図39】
図39は、実施形態5に係る、搬送ユニットの第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図40】
図40は、実施形態5に係る、搬送ユニットの第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図41】
図41は、実施形態6に係る、検体処理システムの構成を模式的に示す側面図である。
【
図42】
図42は、実施形態6に係る、右側の搬送ユニットが第1階層で収容可能な検体ラックの数と、測定ユニットおよび載置領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図43】
図43は、実施形態6に係る、右側の搬送ユニットの第2~第4階層で収容可能な検体ラックの数と、載置領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図44】
図44は、実施形態6に係る、左側の搬送ユニットの第1階層で収容可能な検体ラックの数と、塗抹標本作製ユニットおよび回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図45】
図45は、実施形態6に係る、左側の搬送ユニットの第2~第4階層で収容可能な検体ラックの数と、回収領域の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【
図46】
図46は、実施形態6に係る、右側の搬送ユニットの第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図47】
図47は、実施形態6に係る、右側の搬送ユニットの第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図48】
図48は、実施形態6に係る、左側の搬送ユニットの第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図49】
図49は、実施形態6に係る、左側の搬送ユニットの第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【
図50】
図50は、載置可能数および処理速度の検討に係る、発明者らが主として想定した検体分析装置の構成を模式的に示す図である。
【
図51】
図51は、載置可能数および処理速度の検討に係る、
図50の構成によって得られた載置頻度指数の値をまとめた表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、便宜上、各図には上下方向、左右方向および前後方向が付記されている。オペレータは、検体分析装置および検体処理システムの前方から、搬送ユニットに検体ラックを載置し、搬送ユニットから検体ラックを取り出す。
【0017】
<実施形態1>
図1は、検体分析装置1の構成を模式的に示す側面図である。
【0018】
検体分析装置1は、測定ユニット10と、搬送ユニット20と、制御装置30と、架台40と、を備える。
【0019】
検体分析装置1は、検体を自動で分析する装置である。検体は、被検者から採取された全血である。検体分析装置1は、検体と試薬とから測定試料を調製し、測定試料を測定して測定データを取得し、取得した測定データに基づいて検体に含まれる血球を計数する。検体を収容した検体容器110は、検体ラック100に保持された状態で搬送される。
【0020】
測定ユニット10は、検体容器110から検体を吸引し、吸引した検体を試薬と混合して測定試料を調製し、調製した測定試料を測定して、測定データを生成する。搬送ユニット20は、検体容器110を保持した検体ラック100を搬送する。制御装置30は、測定ユニット10および搬送ユニット20を制御する。制御装置30は、測定ユニット10で得られた測定データに基づいて検体の分析を行う。架台40は、測定ユニット10および搬送ユニット20の下方を支持する。
【0021】
測定ユニット10は、前面上部に開閉可能な前面カバー10bを備える。オペレータは、前面カバー10bを開放し、測定試料の調製に用いられる試薬である染色液を収容した試薬容器701を、測定ユニット10の内部に前方から配置する。架台40は、箱体40aを備える。箱体40aは、前方に引き出し可能であり、上面が開放されている。オペレータは、箱体40aを前方に引き出し、測定試料の調製に用いられる試薬である溶血剤を収容した試薬容器702を、箱体40a内に前方から配置し、測定ユニット10の配管を試薬容器702内に挿入する。
【0022】
オペレータは、検体を収容した検体容器110を検体ラック100にセットし、検体ラック100を搬送ユニット20の載置領域201、221(
図3参照)に載置する。これにより、検体ラック100が搬送ユニット20により搬送され、測定ユニット10の前方の開始位置P32(
図3参照)で検体容器110が検体ラック100から取り出される。検体ラック100から取り出された検体容器110は、当該検体容器110内の検体の吸引が終了すると、開始位置P32において検体ラック100に戻される。1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な分析が終わると、この検体ラック100は搬送ユニット20の回収領域241、251(
図3参照)に搬送される。オペレータは、回収領域241、251に搬送された検体ラック100を取り出す。
【0023】
検体分析装置1は、搬送ユニット20を用いずに検体を分析することもできる。測定ユニット10は、前面下部左寄りに、前方に引き出し可能な容器保持部10cを備える。容器保持部10cには、後述する前後移送部320(
図5参照)が設けられており、容器保持部10cが前方に引き出されると、保持部321(
図5参照)が測定ユニット10の前面において露出する。オペレータは、容器保持部10cを前方に引き出して保持部321に検体容器110を前方から配置し、測定ユニット10による測定を開始させる。
【0024】
図2は、検体ラック100および検体容器110の構成を示す斜視図である。
【0025】
検体ラック100は、検体容器110を保持できる10個の穴101と、バーコードラベル102と、を備える。バーコードラベル102は、検体ラック100の後方側の面に貼り付けられている。バーコードラベル102には、検体ラック100を個別に識別可能な識別情報として、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0026】
検体容器110は、胴部111と、バーコードラベル112と、蓋部113と、を備える。胴部111は、上端が開放された管状容器であり、内部に検体を収容する。バーコードラベル112は、胴部111の側面に貼り付けられている。バーコードラベル112には、内部の検体を個別に識別可能な識別情報として、検体IDを示すバーコードが印刷されている。蓋部113は、胴部111の内部を密封するよう胴部111の上端に設置されている。蓋部113は、測定ユニット10に設けられたピアサ341(
図5参照)が上下に貫通可能となるよう構成されている。
【0027】
図3は、搬送ユニット20が収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10、載置領域201、221および回収領域241、251の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0028】
搬送ユニット20は、オペレータが検体ラック100を載置するための載置領域201、221と、分析が終了した検体ラック100を収容するための回収領域241、251と、を備える。載置領域201、221は、最大数の検体ラック100が載置されたときに検体ラック100が存在する領域であり、回収領域241、251は、最大数の検体ラック100が回収されたときに検体ラック100が存在する領域である。
【0029】
図3は、載置領域201、221および回収領域241、251に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。この例では、載置領域201、221は、それぞれ、最大8個の検体ラック100を収容可能であり、回収領域241、251は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。したがって、オペレータは、載置領域201、221に対して最大で計16個の検体ラック100(160個の検体容器110)を同時に載置でき、回収領域241、251から最大で計20個の検体ラック100(200個の検体容器110)を同時に取り出すことができる。
【0030】
オペレータが、回収領域241、251を空にした状態で、載置領域201、221に検体ラック100を載置すると、搬送ユニット20による検体ラック100の搬送が開始され、測定ユニット10による検体の測定および制御装置30による検体の分析が行われる。載置領域201、221に対して同時に最大の16個の検体ラック100が載置された場合、全ての検体ラック100について必要な分析が終了すると、回収領域241、251に計16個の検体ラック100が回収される。
【0031】
ここで、全ての回収領域241、251で収容可能な検体ラック100の合計数は、全ての載置領域201、221で収容可能な検体ラック100の合計数より4個多いため、オペレータは、処理開始後に、さらに載置領域201、221に4個の検体ラック100を載置できる。この場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域241、251に計20個の検体ラック100が回収される。
【0032】
このように、搬送ユニット20の載置領域201、221および回収領域241、251は多数の検体ラック100を収容可能である。このため、オペレータが載置領域201、221に検体ラック100を載置する頻度と、回収領域241、251から検体ラック100を取り出す頻度とを減らすことができる。
【0033】
測定ユニット10の上部は、
図5の破線に示すように、搬送ユニット20の搬送路231の前方に突出しているが、測定ユニット10の底面10aは、
図3の一点鎖線に示すように、搬送路231の後方において架台40(
図1参照)に設置されている。
【0034】
載置領域201の一部および回収領域251の一部は、測定ユニット10の前方に配置されている。測定ユニット10の前方とは、測定ユニット10の前方側において、測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R1内を意味する。すなわち、載置領域201および回収領域251が、左右方向において範囲R1に重なるように配置されている。これにより、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0035】
なお、測定ユニット10の前方に、載置領域201の一部が配置されることに限らず、載置領域201の全部が配置されてもよい。この場合、測定ユニット10の前方に、載置領域221の一部が配置されてもよく、載置領域221の全部が配置されてもよい。同様に、測定ユニット10の前方に、回収領域251の一部が配置されることに限らず、回収領域251の全部が配置されてもよい。この場合、測定ユニット10の前方に、回収領域241の一部が配置されてもよく、回収領域241の全部が配置されてもよい。
【0036】
図4は、搬送ユニット20の構成を模式的に示す平面図である。
【0037】
搬送ユニット20は、載置領域201、搬送機構202、センサ203と、ストッパ204と、搬送路211と、センサ212、213、搬送機構214と、載置領域221と、センサ222と、搬送機構223と、ストッパ224と、センサ225と、搬送路231と、センサ232と、2つの読取ユニット233と、センサ234と、搬送機構235と、回収領域241と、ストッパ242と、4つのセンサ243と、搬送機構244と、回収領域251と、搬送路252と、シャッター253と、センサ254、255と、を備える。
【0038】
載置領域201は、上面が水平面に平行な板部材により構成される。搬送機構202は、検体ラック100の後方の側面を押すための一対の部材および当該一対の部材を駆動するモータを備え、載置領域201に載置された検体ラック100を前方に押し出し、搬送路211の位置P11に搬送する。センサ203は、透過型の光電センサであり、載置領域201および位置P11に位置付けられた検体ラック100を検出する。ストッパ204は、載置領域201の上面に対して上下に移動する一対の部材および当該一対の部材を駆動するモータを備え、ストッパ204の真上およびストッパ204の後方に位置する検体ラック100の前方への移動を防止する。
【0039】
搬送路211は、左右方向に延び、載置領域201、221の前側に配置されている。搬送路211は、左右方向に移動するコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成され、搬送路211の左端の位置P11に位置付けられた検体ラック100を右方向に搬送し、搬送路211の右端の位置P12に位置付ける。センサ212は、透過型の光電センサであり、位置P11の検体ラック100を検出する。センサ213は、透過型の光電センサであり、位置P12の検体ラック100を検出する。搬送機構214は、検体ラック100の前方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、位置P12の検体ラック100を後方に押し出し、載置領域221の位置P21に搬送する。
【0040】
載置領域221は、載置領域201の右側に配置されている。載置領域221は、上面が水平面に平行な板部材により構成される。センサ222は、透過型の光電センサであり、載置領域221の位置P21に位置付けられた検体ラック100を検出する。搬送機構223は、検体ラック100の前方の側面を押すための一対の部材および当該一対の部材を駆動するモータを備え、載置領域221に載置された検体ラック100を後方に押し出し、搬送路231の右端の位置P31に搬送する。ストッパ224は、載置領域221の上面に対して上下に移動する一対の部材および当該一対の部材を駆動するモータを備え、ストッパ224の真上およびストッパ224の前方に位置する検体ラック100の後方への移動を防止する。センサ225は、透過型の光電センサであり、載置領域221、搬送路211の位置P12および搬送路231の位置P31に位置付けられた検体ラック100を検出する。
【0041】
搬送路231は、測定ユニット10の前方に配置され、かつ、載置領域201、221および回収領域241、251の後方に配置されている。搬送路231は、左右方向に独立して移動する2つのコンベアベルト231a、231bおよび当該2つのコンベアベルト231a、231bをそれぞれ駆動する2つのモータにより構成され、搬送路231上の検体ラック100を左右方向に搬送する。センサ232は、透過型の光電センサであり、搬送路231の右端の位置P31に位置付けられた検体ラック100を検出する。読取ユニット233は、搬送路231上の検体ラック100および検体容器110から、ラックIDおよび検体IDを読み取る。
【0042】
搬送路231上には、測定ユニット10が測定を開始するための開始位置P32が設けられている。検体容器110が開始位置P32に位置付けられると、測定ユニット10は、この検体容器110を検体ラック100から取り出し、取り出した検体容器110を測定ユニット10内に取り込んで、検体容器110内の検体を吸引し、吸引した検体を試薬と混合して測定試料を調製し、測定試料から測定データを取得する。その後、制御装置30は、測定データに基づいて検体の分析を行う。測定ユニット10は、取り込んだ検体容器110について吸引が終了すると、この検体容器110を検体ラック100の元の穴101に戻す。検体ラック100に保持された全ての検体容器110について必要な分析が終了すると、この検体ラック100は、搬送路231の左端の位置P33に搬送される。
【0043】
センサ234は、透過型の光電センサであり、位置P33に位置付けられた検体ラック100を検出する。搬送機構235は、検体ラック100の後方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、位置P33の検体ラック100を前方に押し出し、回収領域241のストッパ242の前方まで搬送する。
【0044】
回収領域241は、上面が水平面に平行な板部材により構成される。ストッパ242は、回収領域241の上面に対して上下に移動する一対の部材および当該部材を駆動するモータを備え、ストッパ242の前方に位置する検体ラック100の後方への移動を防止する。4つのセンサ243は、反射型の光電センサであり、回収領域241に回収された10個の検体ラック100のうち、前方から1、4、7、10番目の検体ラック100を検出する。搬送機構244は、回収領域241内の最大10個の検体ラック100の左側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、回収領域241内の最大10個の検体ラック100を一括して回収領域251に向けて搬送する。
【0045】
回収領域251は、左右方向に移動する搬送路252の上面により構成され、搬送路252はコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成される。回収領域251は、回収領域241の右側に配置されている。搬送路252は、回収領域241から押し出された最大10個の検体ラック100を右方向に搬送し、回収領域251内に位置付ける。
【0046】
シャッター253は、回収領域251の前端から後端まで延び、かつ、回収領域241と回収領域251との間に配置されている。シャッター253は、回収領域241、251の上面に対して上下に移動する部材および当該部材を駆動するモータを備え、回収領域241の検体ラック100が回収領域251に移動することを防止し、回収領域251の検体ラック100が回収領域241に移動することを防止する。センサ254は、透過型の光電センサであり、シャッター253が下降しているときにシャッター253上を通る検体ラック100を検出する。センサ255は、透過型の光電センサであり、回収領域251の検体ラック100を検出する。
【0047】
図5は、測定ユニット10の内部の構成を模式的に示す平面図である。
図5には、便宜上、搬送ユニット20の搬送路231が合わせて示されている。
【0048】
測定ユニット10は、攪拌機構310と、前後移送部320と、読取ユニット331と、ピアサ341と、ピアサ駆動部342と、を備える。
【0049】
攪拌機構310は、前後方向から検体容器110を挟む一対の把持部311を備える。攪拌機構310は、開始位置P32に位置付けられた検体容器110を、一対の把持部311により把持した状態で検体ラック100から取り出し、検体容器110が傾くように回転させて検体容器110内の検体を攪拌する。
【0050】
前後移送部320は、検体容器110を鉛直に保持可能な保持部321と、保持部321を支持し前後方向に延びた板部材322と、板部材322を前後方向に移動させるための機構と、を備える。攪拌機構310による攪拌動作が終了すると、平面視において保持部321が開始位置P32に重なるよう、板部材322が前方に移送される。この状態で、攪拌機構310は、一対の把持部311を下方向に移動させ、把持した検体容器110を上側から保持部321にセットする。その後、前後移送部320は、板部材322を後方に移送し、保持部321の検体容器110を読取ユニット331の読取位置P34に位置付ける。
【0051】
読取ユニット331は、ローラ331a、331bおよびバーコードリーダ331cを備える。検体容器110が読取位置P34に位置付けられると、検体容器110がローラ331a、331bに挟まれた状態でローラ331aにより回転され、バーコードリーダ331cにより、検体容器110から検体IDが読み取られる。なお、搬送路231に設けられた2つの読取ユニット233も、ローラ233a、233bおよびバーコードリーダ233cを備え、読取ユニット331と同様の構成である。
【0052】
ピアサ341は、上下方向に延びた剛性の高い吸引管である。検体容器110がピアサ341の真下に位置付けられると、ピアサ駆動部342は、ピアサ341の下端が検体容器110の蓋部113を貫通するよう、ピアサ341を下方向に移動させる。そして、検体容器110内の検体が、ピアサ341を介して吸引される。
【0053】
検体容器110に対する検体の吸引が終わると、前後移送部320は、板部材322を前方に移送し、保持部321の検体容器110を、平面視において開始位置P32と重なる位置に位置付ける。攪拌機構310は、開始位置P32に位置付けられた検体容器110を把持して上方向に持ち上げ、板部材322が後方に移送された後、把持した検体ラック100を元の穴101に戻す。
【0054】
次に、
図6、7を参照して、回収領域241の検体ラック100が回収領域251に搬送される手順を説明する。
【0055】
図6の上段に示すように、搬送路231の左端の位置P33(
図4参照)から回収領域241の後端の位置に検体ラック100が搬送されると、回収領域241の後方から順に検体ラック100が押し出され前方に移動する。これにより、
図6の下段に示すように、回収領域241の前端の位置まで検体ラック100が搬送され、回収領域241に、最大10個の検体ラック100が収容される。
【0056】
図7の上段に示すように、回収領域241に10個の検体ラック100が収容されると、シャッター253が下降状態とされ、搬送機構244が、回収領域241の左右方向の中央位置付近まで右方向に移動される。これにより、10個の検体ラック100が、回収領域251に向かって右方向に搬送され、回収領域241、251の中間位置付近に位置付けられる。その後、搬送路252が駆動される。これにより、回収領域241、251の中間位置付近まで搬送された検体ラック100が、さらに右方向に搬送され、
図7の下段に示すように、10個の検体ラック100が回収領域251に回収される。そして、シャッター253が上昇状態とされる。
【0057】
その後、
図6に示したように、搬送路231から回収領域241にさらに最大10個の検体ラック100が搬送される。
【0058】
図8は、制御装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0059】
制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、表示入力部33と、通信部34と、を備える。
【0060】
制御部31は、例えば、CPUにより構成される。制御部31は、記憶部32に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、制御装置30の各部、測定ユニット10および搬送ユニット20を制御する。記憶部32は、例えば、SSD、HDD、ROM、RAMなどにより構成される。表示入力部33は、例えば、タッチパネル式のディスプレイにより構成される。表示入力部33は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部と、マウスやキーボードなどの入力部とに分かれていてもよい。通信部34は、例えば、USBインターフェースにより構成され、測定ユニット10および搬送ユニット20と通信可能に接続される。
【0061】
図9は、測定ユニット10の機能構成を示すブロック図である。
【0062】
測定ユニット10は、攪拌機構310と、前後移送部320と、読取ユニット331と、ピアサ駆動部342と、液体移送部11と、試料調製部12と、測定部13と、通信部14と、を備える。
【0063】
液体移送部11は、測定ユニット10内において、流路に圧力を付与して流路内の液体を移送するためのポンプやバルブなどを含む。液体移送部11は、検体容器110内に挿入されたピアサ341(
図5参照)を介して検体を吸引し、吸引した検体を試料調製部12に移送する。試料調製部12は、検体および試薬を混合するためのチャンバを含む。液体移送部11は、試料調製部12において検体および試薬を混合して得られた測定試料を測定部13に送る。
【0064】
測定部13は、電気抵抗式検出部と、ヘモグロビン検出部と、光学式検出部と、を含む。電気抵抗式検出部は、シースフローDC検出法により血球の測定を行う。ヘモグロビン検出部は、SLS-ヘモグロビン法によりヘモグロビンの測定を行う。光学式検出部は、フローサイトメトリー法により血球の測定を行う。測定部13は、測定試料を測定して測定データを取得する。通信部14は、例えば、USBインターフェースにより構成され、制御装置30と通信可能に接続される。測定部13で得られた測定データは、通信部14を介して制御装置30に送信される。測定ユニット10として、例えば、米国特許第9,448,247号公報に記載の装置が使用でき、当該公報は参照により本明細書に組み込まれる(U.S. Patent No. 9,448,247 is hereby incorporated by reference)。
【0065】
図10は、搬送ユニット20の機能構成を示すブロック図である。
【0066】
搬送ユニット20は、搬送機構202、214、223、235、244と、センサ203、212、213、222、225、232、234、243、254、255と、読取ユニット233と、他の機構21と、通信部22と、を備える。
【0067】
他の機構21は、搬送路211、231、252、ストッパ204、224、242、およびシャッター253を含む。通信部22は、例えば、USBインターフェースにより構成され、制御装置30と通信可能に接続される。
【0068】
次に、
図11~17のフローチャートを参照して、搬送ユニット20の制御について説明する。
【0069】
以下の処理は、制御装置30の制御部31が搬送ユニット20の各部を制御することにより行われる。搬送ユニット20の各部の制御、すなわち、
図11~17のフローチャートに示したそれぞれの処理は並行して実行される。なお、搬送ユニット20が制御部を備える場合には、搬送ユニット20の制御部が、以下の処理を行ってもよく、制御装置30の制御部31および搬送ユニット20の制御部が、分担して以下の処理を行ってもよい。
【0070】
図11は、検体ラック100を載置領域201から搬送路211に押し出す処理を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS11において、制御部31は、センサ203、212の検出信号に基づいて、載置領域201に検体ラック100があり、かつ、搬送路211の左端の位置P11に検体ラック100がないと判定すると、処理をステップS12に進める。具体的には、センサ203による検出結果がONで、かつ、センサ212による検出結果がOFFである場合、ステップS11の判定結果がYESとなる。
【0072】
ステップS12において、制御部31は、載置領域201の最前方の検体ラック100が位置P11に搬送されるよう、搬送機構202を制御する。載置領域201に複数の検体ラック100が収容されている場合、搬送機構202は、最後方の検体ラック100を前方に押し出すことにより、最前方の検体ラック100を前方に搬送する。その後、ステップS13において、制御部31は、搬送機構202を初期位置に戻す。この場合の初期位置は、載置領域201の後端である。ステップS13の実行後、および、ステップS11の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS11に戻す。
【0073】
図12は、搬送路211において検体ラック100を横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS21において、制御部31は、センサ212、213の検出信号に基づいて、搬送路211の左端の位置P11に検体ラック100があり、かつ、搬送路211の右端の位置P12に検体ラック100がないと判定すると、処理をステップS22に進める。具体的には、センサ212による検出結果がONで、かつ、センサ213による検出結果がOFFである場合、ステップS21の判定結果がYESとなる。ステップS22において、制御部31は、位置P11の検体ラック100が位置P12に搬送されるよう、搬送路211を制御する。ステップS22の実行後、および、ステップS21の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS21に戻す。
【0075】
図13は、検体ラック100を搬送路211から載置領域221に押し出す処理を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS31において、制御部31は、センサ213、222の検出信号に基づいて、搬送路211の右端の位置P12に検体ラック100があり、かつ、載置領域221の位置P21に検体ラック100がないと判定すると、処理をステップS32に進める。具体的には、センサ213による検出結果がONで、かつ、センサ222の検出結果がOFFであるである場合、ステップS31の判定結果がYESとなる。
【0077】
ステップS32において、制御部31は、位置P12の検体ラック100が位置P21に搬送されるよう、搬送機構214を制御する。その後、ステップS33において、制御部31は、搬送機構214を初期位置に戻す。この場合の初期位置は、位置P12の前方の位置である。ステップS33の実行後、および、ステップS31の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS31に戻す。
【0078】
図14は、検体ラック100を載置領域221から搬送路231に押し出す処理を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS41において、制御部31は、センサ222、232の検出信号に基づいて、載置領域221の位置P21に検体ラック100があり、かつ、搬送路231の右端の位置P31に検体ラック100がないと判定すると、処理をステップS43に進める。具体的には、センサ222による検出結果がONで、かつ、センサ232の検出結果がOFFである場合、ステップS31の判定結果がYESとなる。ステップS31の判定結果がNOの場合、処理がステップS42に進められる。
【0080】
ステップS42において、制御部31は、センサ213、225、232の検出信号に基づいて、搬送路211の右端の位置P12、載置領域221および搬送路231の右端の位置P31のうち、載置領域221のみに検体ラック100があると判定すると、処理をステップS43に進める。具体的には、センサ213の検出結果がOFFで、センサ225の検出結果がONで、センサ232の検出結果がOFFである場合、ステップS42の判定結果がYESとなる。
【0081】
ステップS41およびステップS42のいずれかの判定結果がYESであると、ステップS43において、制御部31は、載置領域221の最後方の検体ラック100が位置P31に搬送されるよう、搬送機構223を制御する。載置領域221に複数の検体ラック100が収容されている場合、搬送機構223は、最前方の検体ラック100を後方に押し出すことにより、最後方の検体ラック100を後方に搬送する。その後、ステップS44において、制御部31は、搬送機構223を初期位置に戻す。この場合の初期位置は、載置領域221の前端である。ステップS44の実行後、および、ステップS42の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS41に戻す。
【0082】
図15は、搬送路231において検体ラック100を横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS51において、制御部31は、センサ232の検出信号に基づいて、搬送路231の右端の位置P31に検体ラック100があると判定すると、処理をステップS52に進める。具体的には、センサ232の検出結果がONである場合、ステップS51の判定結果がYESとなる。ステップS52において、制御部31は、位置P31の検体ラック100が読取ユニット233の位置に搬送されるよう、搬送路231を制御し、検体ラック100および検体容器110からラックIDおよび検体IDを読み取るよう、読取ユニット233を制御する。
【0084】
ステップS53において、制御部31は、検体容器110が開始位置P32に位置付けられるように検体ラック100が搬送されるよう、搬送路231を制御する。測定ユニット10は、開始位置P32に位置付けられた検体容器110内の検体を測定し、制御装置30の制御部31は、測定により得られた測定データに基づいて検体を分析する。ステップS54において、制御部31は、対象の検体ラック100について全検体の分析が終了したか否かを判定する。全検体の分析が終了していない場合、処理がステップS53に戻され、対象の検体ラック100に保持された検体容器110に対して、順次測定および分析が行われる。
【0085】
対象の検体ラック100について全検体の分析が終了すると、ステップS55において、制御部31は、対象の検体ラック100が搬送路231の左端の位置P33に位置付けられるよう、搬送路231を制御する。ステップS55の実行後、および、ステップS51の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS51に戻す。
【0086】
なお、搬送路231のコンベアベルト231a、231bは左右方向に独立して移動可能であるため、
図15の処理は、コンベアベルトごとに並行して行われる。
【0087】
図16は、検体ラック100を搬送路231から回収領域241に押し出す処理を示すフローチャートである。
【0088】
ステップS61において、制御部31は、センサ234および最前方のセンサ243の検出信号に基づいて、搬送路231の左端の位置P33に検体ラック100があり、かつ、回収領域241の最前方に検体ラック100がないと判定すると、処理をステップS62に進める。具体的には、センサ234の検出結果がONで、最前方のセンサ243の検出結果がOFFである場合、ステップS61の判定結果がYESとなる。
【0089】
ステップS62において、制御部31は、位置P33の検体ラック100が回収領域241の後端に搬送されるよう、搬送機構235を制御する。その後、ステップS63において、制御部31は、搬送機構235を初期位置に戻す。この場合の初期位置は、位置P33の後方の位置である。ステップS63の実行後、および、ステップS61の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS61に戻す。
【0090】
図17は、検体ラック100を回収領域241から回収領域251に横方向に送る処理を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS71において、制御部31は、最前方のセンサ243の検出信号に基づいて、回収領域241の最前方に検体ラック100があると判定すると、処理をステップS72に進める。具体的には、最前方のセンサ243の検出結果がONである場合、ステップS71の判定結果がYESとなる。回収領域241の最前方に検体ラック100がある場合、回収領域241には、最大収容数である10個の検体ラック100が収容された状態である。
【0092】
ステップS72において、制御部31は、センサ255の検出信号に基づいて、回収領域251に検体ラック100があると判定すると、処理をステップS73に進める。具体的には、センサ255の検出信号がONである場合、ステップS72の判定結果がYESとなる。ステップS72の判定結果がNOの場合、処理がステップS74に進められる。
【0093】
回収領域251に検体ラック100があると、回収領域241の検体ラック100を回収領域251に送れないため、ステップS73において、制御部31は、回収領域241、251が満杯状態であることを示すアラートを、表示入力部33(
図8参照)に出力する。その後、処理がステップS72に戻される。
【0094】
なお、制御部31は、表示入力部33にアラートを表示させることに代えて、検体分析装置1に設けられたスピーカからアラート音を出力させてもよく、検体分析装置1以外の装置にアラート情報を送信してもよい。
【0095】
回収領域251に検体ラック100がないと、ステップS74において、制御部31は、シャッター253が下降するよう、シャッター253を制御する。ステップS75において、制御部31は、回収領域241の検体ラック100が右方向に搬送され、回収領域251内に位置付けられるよう、搬送機構244および搬送路252を制御する。ステップS76において、制御部31は、搬送機構244を初期位置に戻し、シャッター253を上昇させる。搬送機構244の初期位置は、回収領域241の左方の位置である。ステップS76の実行後、および、ステップS71の判定結果がNOとなったときは、制御部31は、処理をステップS71に戻す。
【0096】
<実施形態1による検体分析装置の効果>
図3に示したように、搬送ユニット20は、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域201(第1載置領域)と、載置領域201に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域221(第2載置領域)と、を含む。また、搬送ユニット20は、載置領域201、221に載置された検体ラック100を、測定ユニット10が測定を開始するための開始位置P32へと搬送する。
【0097】
この構成によれば、搬送ユニット20が載置領域201と載置領域221とを含むため、オペレータが両方の載置領域201、221に検体ラック100を載置することが可能となり、検体ラック100を載置する頻度を減らすことができる。また、載置領域201が測定ユニット10の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の載置と測定ユニット10に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。測定ユニット10に対する操作として、例えば、搬送ユニット20を用いずにオペレータが測定ユニット10の容器保持部10cを引き出し、保持部321に検体容器110をセットして検体を測定するマニュアル測定、試薬容器701、702の交換、測定ユニット10で発生した不具合の解消などが挙げられる。
【0098】
図3に示したように、搬送ユニット20は、開始位置P32を含む搬送路231を備え、搬送路231は、測定ユニット10と載置領域201(第1載置領域)との間に左右に延びて配置されている。
【0099】
この構成によれば、載置領域201、221の後方側に搬送路231があるため、載置領域201、221の検体ラック100を、搬送路231へと容易に送り出すことができる。また、搬送路231に送り出された検体ラック100を、順次円滑に開始位置P32へと搬送できる。
【0100】
図4に示したように、搬送機構202、搬送路211、搬送機構214および搬送機構223(搬送部)は、載置領域201(第1載置領域)および載置領域221(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P31(所定位置)に搬送する。
【0101】
この構成によれば、先行する検体ラック100が測定のために開始位置P32に位置付けられていても、載置領域201、221に載置された測定前の検体容器110を保持する検体ラック100を、搬送路231上の位置P31に送り出して待機させることができる。これにより、検体ラック100の搬送効率を高めることができ、結果、検体分析装置1による分析効率を高めることができる。
【0102】
図4に示したように、搬送機構202、搬送路211、搬送機構214および搬送機構223(搬送部)は、載置領域201(第1載置領域)および載置領域221(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、単一の位置P31(所定位置)に搬送する。
【0103】
この構成によれば、載置領域201、221に載置された検体ラック100を、載置領域221に載置された検体ラック100から順番に搬送路231上の位置P31に送り出すことができる。
【0104】
図4に示したように、載置領域221(第2載置領域)は、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P31(所定位置)に接続している。載置領域201(第1載置領域)および載置領域221(第2載置領域)は、載置領域201側の位置P11(搬送開始位置)および載置領域221側の位置P12(搬送終了位置)において互いに接続している。搬送機構223(第1搬送部)は、載置領域221にある検体ラック100を位置P31に搬送し、搬送路211(第2搬送部)は、位置P11から位置P12へと検体ラック100を搬送する。
【0105】
この構成によれば、載置領域201、221に載置された検体ラック100を、載置領域221に載置された検体ラック100から順番に搬送路231上の位置P31に送り出すことができる。また、載置領域221に空きが生じると、載置領域201に載置された検体ラック100を載置領域221に搬送できる。
【0106】
図4に示したように、搬送機構202(第3搬送部)は、載置領域201(第1載置領域)に載置された検体ラック100を、位置P11(搬送開始位置)へと搬送する。
【0107】
この構成によれば、載置領域221に空きが生じた場合に、載置領域201に載置された検体ラック100を位置P11に搬送できるため、載置領域201の検体ラック100を円滑に載置領域221に搬送できる。
【0108】
図4に示したように、搬送機構223(第1搬送部)と搬送機構202(第3搬送部)とは、互いに反対の方向に検体ラック100を搬送する。
【0109】
この構成によれば、例えば、載置領域201と載置領域221とが、最も手前側で接続されることになる。これにより、載置領域201、221の検体ラック100を、順番に搬送路231上の位置P31へと搬送できる。
【0110】
図4に示したように、搬送ユニット20は、載置領域201(第1載置領域)に載置された検体ラック100を載置領域221(第2載置領域)に搬送する搬送路211(第2搬送部)を備え、載置領域201に載置された検体ラック100を、搬送路211および載置領域221を介して開始位置P32へと搬送し、載置領域221に載置された検体ラック100を、搬送路211および載置領域201を介さずに開始位置P32へと搬送する。
【0111】
この構成によれば、載置領域201に載置された検体ラック100と、載置領域221に載置された検体ラック100と、を同じルートを介して開始位置P32に搬送することが可能となり、検体ラック100の搬送制御を簡略化できる。
【0112】
制御部31は、センサ203(第1検知部)が検体ラック100を検知すると、搬送機構202(第1搬送部)により検体ラック100を搬送し(
図11のステップS12)、センサ225(第2検知部)が検体ラック100を検知すると、搬送機構223(第2搬送部)により検体ラック100を搬送するよう(
図14のステップS43)、搬送機構202、223(第1および第2搬送部)を制御する。
【0113】
この構成によれば、オペレータは、載置領域201、221に検体ラック100を載置することにより、この検体ラック100の搬送を開始させることができる。
【0114】
図3に示したように、搬送ユニット20は、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域251(第1回収領域)と、回収領域251に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域241(第2回収領域)と、を含む。
【0115】
この構成によれば、搬送ユニット20が回収領域251と回収領域241とを含むため、両方の回収領域251、241に検体ラック100が回収されてから、オペレータが検体ラック100を取り出すことが可能となり、検体ラック100を取り出す頻度を減らすことができる。また、回収領域251が測定ユニット10の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の取り出しと測定ユニット10に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。
【0116】
図3に示したように、搬送路231は、測定ユニット10と回収領域251(第1回収領域)との間に左右に延びて配置されている。
【0117】
この構成によれば、回収領域251の後方側に搬送路231があるため、開始位置P32に位置付けられた検体ラック100を、回収領域241、251へと容易に送り出すことができる。また、送り出された検体ラック100を、順次円滑に回収領域241、251へと回収できる。
【0118】
回収領域241、251が回収可能な検体ラック100の数(
図3に示す例では計20個)は、載置領域201、221が載置可能な検体ラック100の数(
図3に示す例では計16個)よりも大きい。
【0119】
この構成によれば、回収領域241、251に回収された検体ラック100をオペレータが取り出す頻度を、減少させることができる。
【0120】
なお、載置領域201、221が載置可能な検体ラック100の数と、回収領域241、251が回収可能な検体ラック100の数は、互いに同数でもよい。
【0121】
この場合、載置領域201、221に載置された検体ラック100を、過不足なく回収領域241、251に回収できる。これにより、検体分析装置1を小型化できる。
【0122】
図4に示したように、搬送機構235、244および搬送路252(搬送部)は、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P33(所定位置)に位置付けられた検体ラック100を、回収領域251(第1回収領域)および回収領域241(第2回収領域)に搬送する。
【0123】
この構成によれば、後行する検体ラック100が測定のために開始位置P32に位置付けられていても、分析が終了した検体容器110を保持する検体ラック100を、搬送路231上の位置P33を介して回収領域241、251に回収できる。これにより、検体ラック100の搬送効率を高めることができ、結果、検体分析装置1による分析効率を高めることができる。
【0124】
図4に示したように、回収領域241(第2回収領域)は、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P33(所定位置)に接続している。搬送機構235(第1搬送部)は、位置P33にある検体ラック100を回収領域241に搬送する。搬送機構244(第2搬送部)は、回収領域241にある検体ラック100を回収領域251(第1回収領域)に向けて搬送する。
【0125】
この構成によれば、搬送路231上の検体ラック100を回収領域251まで円滑に搬送できる。
【0126】
図7に示したように、搬送路252(第3搬送部)は、搬送機構244(第2搬送部)により回収領域251(第1回収領域)に向けて搬送された検体ラック100を、回収領域251内に搬送する。
【0127】
この構成によれば、回収領域251に向けて搬送された検体ラック100を、最終的に回収領域251内に位置付けることができる。
【0128】
図7に示したように、搬送機構244(第2搬送部)は、回収領域241(第2回収領域)内の複数の検体ラック100を一括して回収領域251(第1回収領域)に向けて搬送する。搬送路252(第3搬送部)は、搬送機構244により一括して搬送された複数の検体ラック100を一括して回収領域251内に搬送する。
【0129】
この構成によれば、回収領域251への検体ラック100の回収が複数の検体ラック100単位で行われるため、オペレータは、複数の検体ラック100を効率よくまとめて取り出しやすくなる。
【0130】
図7に示したように、シャッター253は、回収領域251(第1回収領域)と回収領域241(第2回収領域)との間で、検体ラック100の搬送の可否を設定する。
【0131】
この構成によれば、回収領域241、251に回収された検体ラック100が、意図せず左右方向に移動してしまうことを防止できる。
【0132】
検体分析装置1は、血液検体中の血球を計数する血球計数装置である。
【0133】
血球計数検査は、検体検査の中で検査数が非常に多い検査であるため、オペレータによる検体ラック100の載置頻度は特に多くなる。これに対し、上記構成によれば、オペレータが検体ラック100を載置する頻度を減らすことができるため、血球計数検査において上記構成が特に有用となる。
【0134】
<実施形態2>
実施形態1では、検体分析装置1は1台の測定ユニット10を備えたが、実施形態2では、検体分析装置1は2台の測定ユニット10を備える。
【0135】
図18は、実施形態2に係る、検体分析装置1の構成を模式的に示す側面図である。
【0136】
実施形態2の検体分析装置1は、実施形態1と比較して、さらに1台の測定ユニット10が追加されている。追加された測定ユニット10は、実施形態1の測定ユニット10と同様の構成である。2台の測定ユニット10は、架台40上において左右方向に配置されている。制御装置30は、2台の測定ユニット10に接続されており、2台の測定ユニット10を個別に制御する。
【0137】
図19は、搬送ユニット20が収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10、載置領域201、221および回収領域241、251の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0138】
実施形態2の搬送ユニット20は、実施形態1と同様である。このため、載置領域201、221は、それぞれ、最大8個の検体ラック100を収容可能であり、回収領域241、251は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0139】
2台の測定ユニット10の底面10aは、一点鎖線に示すように、搬送路231の後方において架台40(
図18参照)に設置されている。載置領域201の全部および回収領域251の一部は、測定ユニット10の前方(2台の測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R2内)に配置されている。これにより、実施形態1と同様、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0140】
なお、測定ユニット10の前方に、載置領域201に加えて、載置領域221の一部が配置されてもよく、載置領域221の全部が配置されてもよい。また、測定ユニット10の前方に、載置領域201の一部が配置されてもよい。同様に、測定ユニット10の前方に、回収領域251の全部が配置されてもよい。この場合、測定ユニット10の前方に、回収領域241の一部が配置されてもよく、回収領域241の全部が配置されてもよい。
【0141】
図20は、搬送ユニット20の構成を模式的に示す平面図である。
【0142】
実施形態2の搬送ユニット20は、
図4に示した実施形態1と比較して、搬送路231に、1つの開始位置P32に代えて2つの開始位置P32a、P32bが設けられている。開始位置P32a、P32bは、それぞれ、左側および右側の測定ユニット10が測定を開始するための位置である。実施形態2では、搬送路231上において2つの開始位置P32a、P32bに同時に検体容器110を位置付けて、2台の各測定ユニット10において同時に測定動作を実行できる。
【0143】
<実施形態2による検体分析装置の効果>
図18に示したように、測定ユニット10は、2台配置されている。
【0144】
この構成によれば、検体分析装置1による時間当たりの検体の処理件数を増加させることができる。なお、測定ユニット10が、3台以上配置されてもよい。これにより、検体分析装置1による検体の時間当たりの検体の処理件数をさらに増加させることができる。
【0145】
<実施形態3>
実施形態3では、実施形態2の検体分析装置1に隣接して塗抹標本作製装置2が配置される。検体分析装置1および塗抹標本作製装置2により、検体処理システム3が構成される。
【0146】
図21は、実施形態3に係る、検体処理システム3の構成を模式的に示す側面図である。
【0147】
検体処理システム3は、左右に隣接して並んだ検体分析装置1および塗抹標本作製装置2を備える。実施形態3の検体分析装置1は、
図18に示した実施形態2と同様の構成を備える。ただし、実施形態3の検体分析装置1の搬送ユニット20は、4つの載置領域を備え、後述するように、塗抹標本作製装置2の搬送ユニット60と検体ラック100の受け渡しが可能となるよう、搬送ユニット60に接続されている。
【0148】
塗抹標本作製装置2は、塗抹標本作製ユニット50と、搬送ユニット60と、架台70と、を備える。塗抹標本作製装置2は、検体から塗抹標本を自動で作製する装置である。塗抹標本作製ユニット50は、検体容器110から検体を吸引し、吸引した検体から塗抹標本を作製する。搬送ユニット60は、検体容器110を保持した検体ラック100を搬送する。架台70は、塗抹標本作製ユニット50および搬送ユニット60の下方を支持する。
【0149】
架台70は、箱体70aを備える。箱体70aは、前方に引き出し可能であり、上面が開放されている。オペレータは、箱体70aを前方に引き出し、塗抹標本の作製に用いられる試薬を収容した試薬容器を、箱体70a内に前方から配置し、塗抹標本作製ユニット50の配管を試薬容器内に挿入する。
【0150】
オペレータは、検体ラック100を搬送ユニット20の載置領域201、221(
図22参照)に載置する。これにより、検体ラック100が搬送ユニット20により搬送され、測定ユニット10の前方の開始位置P32a、P32b(
図22参照)で検体容器110が検体ラック100から取り出される。1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な分析が終わると、この検体ラック100は、搬送ユニット20から搬送ユニット60に搬送される。
【0151】
搬送ユニット60に搬送された検体ラック100は、搬送ユニット60により搬送され、塗抹標本作製ユニット50の前方の開始位置P53(
図23参照)で検体容器110が検体ラック100から取り出される。検体ラック100から取り出された検体容器110は、当該検体容器110内の検体の吸引が終了すると、開始位置P53において検体ラック100に戻される。1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な塗抹標本の作製が終わると、この検体ラック100は、搬送ユニット60の回収領域431、441(
図23参照)に搬送される。オペレータは、回収領域431、441に搬送された検体ラック100を取り出す。
【0152】
図22は、搬送ユニット20が収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10および載置領域201、221の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0153】
実施形態3の搬送ユニット20は、オペレータが検体ラック100を載置するための3つの載置領域201および1つの載置領域221を備える。3つの載置領域201および1つの載置領域221は、左右方向に配置されている。
【0154】
図22は、載置領域201、221に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。この例では、左端の載置領域201は、最大7個の検体ラック100を収容可能であり、中央の2つの載置領域201は、それぞれ、最大8個の検体ラック100を収容可能であり、右端の載置領域221は、最大8個の検体ラック100を収容可能である。したがって、オペレータは、載置領域201、221に対して最大で計31個の検体ラック100(310個の検体容器110)を同時に載置できる。
【0155】
左から3番目の載置領域201の全部および左から2番目の載置領域201の一部は、測定ユニット10の前方(2台の測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R2内)に配置されている。これにより、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0156】
図23は、搬送ユニット60が収容可能な検体ラック100の数と、塗抹標本作製ユニット50および回収領域431、441の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0157】
搬送ユニット60は、必要な処理が終了した検体ラック100を収容するための1つの回収領域431および3つの回収領域441を備える。1つの回収領域431および3つの回収領域441は、左右方向に配置されている。
【0158】
図23は、回収領域431、441に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。この例では、1つの回収領域431および3つの回収領域441は、それぞれ、最大9個の検体ラック100を収容可能である。したがって、オペレータは、回収領域431、441から最大で計36個の検体ラック100(360個の検体容器110)を同時に取り出すことができる。
【0159】
塗抹標本作製ユニット50の上部は、測定ユニット10と同様、搬送ユニット60の搬送路411の前方に突出しているが、塗抹標本作製ユニット50の底面50aは、一点鎖線に示すように、搬送路411の後方において架台70(
図21参照)に設置されている。
【0160】
右端の回収領域441の一部、右から2番目の回収領域441の全部、および、右から3番目の回収領域441の一部は、塗抹標本作製ユニット50の前方に配置されている。塗抹標本作製ユニット50の前方とは、塗抹標本作製ユニット50の前方側において、塗抹標本作製ユニット50の底面50aの左右幅の範囲R3内を意味する。すなわち、回収領域441が、左右方向において範囲R3に重なるように配置されている。これにより、塗抹標本作製装置2の左右方向の幅を短くできるため、塗抹標本作製装置2を小型化できる。
【0161】
なお、塗抹標本作製ユニット50の前方に、3つの回収領域441の全体が配置されてもよく、回収領域431の一部または全体が配置されてもよい。
【0162】
図22、23を参照して、オペレータが、回収領域431、441を空にした状態で、載置領域201、221に検体ラック100を載置すると、搬送ユニット20による検体ラック100の搬送が開始され、測定ユニット10による検体の測定および制御装置30による検体の分析が行われる。続いて、搬送ユニット60により検体ラック100が搬送され、塗抹標本作製ユニット50により塗抹標本の作製が行われる。載置領域201、221に対して同時に最大の31個の検体ラック100が載置された場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域431、441に計31個の検体ラック100が回収される。
【0163】
ここで、全ての回収領域431、441で収容可能な検体ラック100の合計数(36個)は、全ての載置領域201、221で収容可能な検体ラック100の合計数(31個)より5個多いため、オペレータは、処理開始後に、さらに載置領域201、221に5個の検体ラック100を載置できる。この場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域431、441に計36個の検体ラック100が回収される。
【0164】
このように、搬送ユニット20の載置領域201、221および搬送ユニット60の回収領域431、441は多数の検体ラック100を収容可能であるため、オペレータが載置領域201、221に検体ラック100を載置する頻度と、回収領域431、441から検体ラック100を取り出す頻度とを減らすことができる。
【0165】
図24は、実施形態3に係る、搬送ユニット20の構成を模式的に示す平面図である。
【0166】
実施形態3の搬送ユニット20は、
図20に示した実施形態2と比較して、回収領域241、ストッパ242、センサ243、搬送機構244、回収領域251、搬送路252、シャッター253およびセンサ254、255が省略されている。また、搬送路211は、左端の載置領域201の前方から右端の載置領域221の前方まで、左右方向に延びて配置されている。3つの載置領域201には、実施形態1の載置領域201と同様、搬送機構202、センサ203およびストッパ204が配置されている。ただし、左端の載置領域201には、センサ203に代えて、センサ205が配置されている。センサ205は、透過型の光電センサであり、左端の載置領域201に位置付けられた検体ラック100を検出する。
【0167】
3つの載置領域201に載置された検体ラック100は、それぞれ、対応する搬送機構202により前方に押されて、搬送路211上の位置P11に搬送され、実施形態1、2と同様にして、載置領域221に搬送される。
【0168】
搬送路231の左端と、左端の載置領域201の後端との間には、搬送路236が配置されている。搬送路236は、左右方向に移動するコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成されている。搬送機構235は、搬送路231の左端の位置P33に位置付けられた検体ラック100を前方に押し出し、搬送路236上の位置P41に位置付ける。搬送路236の近傍には、センサ237が配置されている。センサ237は、透過型の光電センサであり、位置P41の検体ラック100を検出する。搬送路236は、位置P41の検体ラック100を、搬送ユニット60の搬送路401(
図25参照)に向けて左方向に搬送する。
【0169】
図25は、搬送ユニット60の構成を模式的に示す平面図である。
【0170】
搬送ユニット60は、搬送路401と、センサ402と、搬送機構403と、搬送路411と、センサ412と、2つの読取ユニット413と、センサ414と、搬送機構415と、搬送路421と、回収領域431と、ストッパ432と、5つのセンサ433と、搬送機構434と、回収領域441と、搬送路442と、シャッター443と、センサ444、445と、を備える。回収領域441、搬送路442、シャッター443およびセンサ444、445からなる3つの組は、回収領域431の右側において左右方向に配置されている。
【0171】
搬送路401は、搬送路411の右端と、右端の回収領域441の後端との間に配置されている。搬送路401は、左右方向に移動するコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成され、搬送ユニット20から搬送された検体ラック100を左方向に搬送し、搬送路401上の位置P51に位置付ける。搬送路401の近傍には、センサ402が配置されている。センサ402は、透過型の光電センサであり、位置P51の検体ラック100を検出する。搬送機構403は、検体ラック100の前方の側面を押すための部材を備え、位置P51の検体ラック100を後方に押し出し、搬送路411の右端の位置P52に搬送する。
【0172】
搬送路411、センサ412、2つの読取ユニット413、センサ414および搬送機構415は、それぞれ、
図4に示した搬送路231、センサ232、2つの読取ユニット233、センサ234および搬送機構235と同様の構成である。
【0173】
搬送路411は、塗抹標本作製ユニット50の前方に配置され、かつ、回収領域431、441の後方に配置されている。搬送路411上には、塗抹標本作製ユニット50が塗抹標本の作製を開始するための開始位置P53が設けられている。検体容器110が開始位置P53に位置付けられると、塗抹標本作製ユニット50は、この検体容器110を検体ラック100から取り出し、取り出した検体容器110を塗抹標本作製ユニット50内に取り込んで、検体容器110内の検体を吸引し、検体容器110内の検体の塗抹標本を作製する。塗抹標本作製ユニット50は、取り込んだ検体容器110について吸引が終了すると、この検体容器110を検体ラック100の元の穴101に戻す。検体ラック100に保持された全ての検体容器110について、必要な塗抹標本の作製が終了すると、この検体ラック100は、搬送路411の左端の位置P54に搬送される。
【0174】
搬送機構415は、位置P54の検体ラック100を前方に押し出し、搬送路421を経由して、回収領域431のストッパ432の前方まで搬送する。
【0175】
回収領域431、ストッパ432、センサ433および搬送機構434は、それぞれ、
図4に示した回収領域241、ストッパ242、センサ243および搬送機構244と同様の構成である。また、回収領域441、搬送路442、シャッター443およびセンサ444、445は、それぞれ、
図4に示した回収領域251、搬送路252、シャッター253およびセンサ254、255と同様の構成である。
【0176】
回収領域431に最大収容個数の9個の検体ラック100が回収されると、これら9個の検体ラック100は、
図6、7と同様の手順で、回収領域431から、中央の2つの回収領域441を経由して、右端の回収領域441まで搬送される。このとき、検体ラック100は、各シャッター443が下降した状態で、回収領域431の中央付近まで搬送機構434により右方向に搬送され、その後、3つの回収領域441の搬送路442により右方向に搬送される。その後、このような搬送が繰り返される。
【0177】
図26は、塗抹標本作製ユニット50の機能構成を示すブロック図である。
【0178】
塗抹標本作製ユニット50は、制御部51と、記憶部52と、表示入力部53と、内部機構54と、引きガラス駆動部55と、通信部56と、を備える。
【0179】
制御部51は、例えば、CPUにより構成される。制御部51は、記憶部52に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、塗抹標本作製ユニット50および搬送ユニット60を制御する。記憶部52は、例えば、SSD、HDD、ROM、RAMなどにより構成される。表示入力部53は、例えば、タッチパネル式のディスプレイにより構成される。表示入力部53は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部と、マウスやキーボードなどの入力部とに分かれていてもよい。
【0180】
内部機構54は、検体ラック100から検体容器110を取り出し、検体容器110内の検体をピアサにより吸引する。吸引された検体は、スライドガラス上に吐出される。引きガラス駆動部55は、塗抹標本を作製するための引きガラスを駆動させる。通信部56は、例えば、USBインターフェースにより構成され、制御装置30および搬送ユニット60と通信可能に接続される。塗抹標本作製ユニット50として、例えば、米国特許第10,801,929号公報に記載の装置が使用でき、当該公報は参照により本明細書に組み込まれる(U.S. Patent No. 10,801,929 is hereby incorporated by reference)。
【0181】
図27は、搬送ユニット60の機能構成を示すブロック図である。
【0182】
搬送ユニット60は、搬送機構403、415、434と、センサ402、412、414、433、444、445と、読取ユニット413と、他の機構61と、通信部62と、を備える。
【0183】
他の機構61は、搬送路401、411、442、ストッパ432、およびシャッター443を含む。通信部62は、例えば、USBインターフェースにより構成され、塗抹標本作製ユニット50と通信可能に接続される。
【0184】
実施形態3においても、搬送ユニット20の制御は、
図11~17に示した搬送ユニット20の制御と同様に行われる。また、搬送ユニット60の制御も、
図11~17に示した搬送ユニット20の制御と同様に行われる。この場合、搬送ユニット60の制御は、塗抹標本作製ユニット50の制御部51が搬送ユニット60の各部を並行して制御することにより行われる。なお、搬送ユニット60が制御部を備える場合には、搬送ユニット60の制御部が、搬送ユニット60の制御を行ってもよく、塗抹標本作製ユニット50の制御部51および搬送ユニット60の制御部が、分担して搬送ユニット60の制御を行ってもよい。
【0185】
<実施形態3による検体分析装置および検体処理システムの効果>
図21に示したように、検体処理システム3は、検体分析装置1と、塗抹標本作製装置2と、を備える。
【0186】
この構成によれば、検体の分析とともに、塗抹標本も作製できる。
【0187】
図23に示したように、搬送ユニット60は、塗抹標本作製ユニット50の前方に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域441(第3回収領域)と、回収領域441に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域431(第4回収領域)と、を含む。
【0188】
この構成によれば、搬送ユニット60が回収領域441と回収領域431とを含むため、全ての回収領域441、431に検体ラック100が回収されてから、オペレータが検体ラック100を取り出すことが可能となり、検体ラック100を取り出す頻度を減らすことができる。また、回収領域431が塗抹標本作製ユニット50の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の取り出しと塗抹標本作製ユニット50に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。塗抹標本作製ユニット50に対する操作として、例えば、搬送ユニット60を用いずにオペレータが塗抹標本作製ユニット50に検体容器110をセットして塗抹標本を作製するマニュアル標本作製、塗抹標本作製ユニット50にセットされた試薬容器、スライドガラス、引きガラス等の交換、塗抹標本作製ユニット50で発生した不具合の解消などが挙げられる。
【0189】
<実施形態4>
実施形態1では、
図3に示したように、2つの載置領域が左右方向に配置され、2つの回収領域が左右に配置された。これに対し、実施形態4では、4つの載置領域が上下方向に配置され、4つの回収領域が上下方向に配置される。
【0190】
図28は、実施形態4に係る、検体分析装置1の構成を模式的に示す側面図である。
【0191】
実施形態4の検体分析装置1は、
図1に示した実施形態1と比較して、架台40が省略されており、搬送ユニット20は、上下方向に長く構成され、測定ユニット10の下方を支持している。搬送ユニット20には、第1~第4階層が設けられており、第1階層には、載置領域221および回収領域241(
図30参照)が配置され、第2~第4階層には、載置領域501および回収領域531(
図31参照)が配置されている。第2~第4階層の載置領域501および回収領域531は、搬送ユニット20の前方に形成された開口20aを介して前方に開放されている。
【0192】
オペレータは、検体を収容した検体容器110を検体ラック100にセットし、検体ラック100を第1~第4階層の載置領域221、501にセットする。オペレータは、第2~第4階層に検体ラック100をセットする際には、検体ラック100をラックホルダ130に収容させ、検体ラック100を保持したラックホルダ130を、開口20aを介して載置領域501にセットする。また、オペレータは、第2~第4階層の回収領域531に空のラックホルダ130をセットする。こうして、検体ラック100が搬送ユニット20により搬送され、検体容器110内の検体の測定が、測定ユニット10の前方の開始位置P32(
図30参照)において開始される。
【0193】
1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な分析が終わると、この検体ラック100は第1~第4階層の回収領域241、531に搬送される。第2~第4階層の回収領域531に検体ラック100が搬送される場合、検体ラック100は、回収領域531内に予めセットされたラックホルダ130内に搬送される。そして、オペレータは、回収領域241、531に搬送された検体ラック100を取り出す。オペレータは、第2~第4階層の回収領域531から検体ラック100を取り出す際には、回収領域531に回収された検体ラック100を、ラックホルダ130ごと取り出す。
【0194】
図29は、ラックホルダ130の構成を模式的に示す斜視図である。
【0195】
ラックホルダ130は、長方形形状であり、上方が開放された凹部131を備える。凹部131の底面131aは、水平面に平行である。底面131aには、底面131aを上下に貫通し、前後方向に延びた一対の開口131bが形成されている。ラックホルダ130において検体ラック100が搬送される場合、検体ラック100の底面を前後方向に摺動させるための昇降部503(
図34参照)が、開口131bを介して底面131aから上方に突出する。ラックホルダ130の前面には、オペレータがラックホルダ130を、載置領域501にセットし回収領域531から取り出す際に把持するため、取っ手132が設置されている。
【0196】
図30は、搬送ユニット20の第1階層で収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10、載置領域221および回収領域241の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0197】
実施形態4の搬送ユニット20は、第1階層において、1つの載置領域221および1つの回収領域241を備える。
図30は、載置領域221および回収領域241に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。この例では、載置領域221および回収領域241は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0198】
測定ユニット10の底面10aは、一点鎖線に示すように、搬送路231の後方において搬送ユニット20に設置されている。載置領域221の一部および回収領域241の一部は、測定ユニット10の前方(測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R1内)に配置されている。これにより、実施形態1と同様、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0199】
図31は、搬送ユニット20の第2~第4階層で収容可能な検体ラック100の数と、載置領域501および回収領域531の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0200】
実施形態4の搬送ユニット20は、第2~第4階層において、1つの載置領域501および1つの回収領域531を備える。
図31は、載置領域501および回収領域531に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。この例では、載置領域501および回収領域531は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0201】
図31には、便宜上、測定ユニット10の底面10aの位置が、一点鎖線で示されている。平面視において、第2~第4階層の載置領域501は、第1階層の載置領域221と略同じ位置にあり、第2~第4階層の回収領域531は、第1階層の回収領域241と略同じ位置にある。
【0202】
図30、31を参照して、オペレータは、回収領域241を空にし、第2~第4階層の回収領域531に空のラックホルダ130をセットした状態で、載置領域221、501に検体ラック100を載置すると、搬送ユニット20による検体ラック100の搬送が開始され、測定ユニット10による検体の測定が行われる。載置領域221、501に対して同時に最大の40個の検体ラック100が載置された場合、全ての検体ラック100について必要な分析が終了すると、第1~第4階層の回収領域241、531に40個の検体ラック100が回収される。
【0203】
このように、搬送ユニット20の第1~第4階層の載置領域221、501および回収領域241、531は多数の検体ラック100を収容可能であるため、オペレータが載置領域221、501に検体ラック100を載置する頻度と、回収領域241、531から検体ラック100を取り出す頻度とを減らすことができる。
【0204】
図32は、搬送ユニット20の第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0205】
搬送ユニット20の第1階層には、
図4に示した実施形態1と比較して、載置領域201、搬送機構202、センサ203、ストッパ204、搬送路211、センサ212、213、搬送機構214、センサ222、225、搬送機構235、回収領域251、搬送路252、シャッター253およびセンサ254、255が省略されている。また、搬送ユニット20は、第1階層において、実施形態1と比較して、センサ226と、昇降機構260と、センサ271と、搬送機構272と、搬送機構281と、センサ282と、昇降機構290と、を備える。なお、昇降機構260、290は、第1~第4階層に跨がる機構である。
【0206】
センサ226は、透過型の光電センサであり、載置領域221に載置された検体ラック100を検出する。
【0207】
昇降機構260は、搬送路231の右端の位置P31の後方に配置されている。昇降機構260は、検体ラック100の底面を支持するための支持部260a、260bおよび支持部260a、260bを駆動するモータを備える。昇降機構260は、支持部260a、260bに検体ラック100を載せた状態で支持部260a、260bを上下に昇降させることにより、第1階層の昇降位置P61と、第2~第4階層の昇降位置P71(
図34参照)との間で、検体ラック100を昇降させる。センサ271は、反射型の光電センサであり、昇降位置P61に位置付けられた検体ラック100を検出する。搬送機構272は、検体ラック100の後方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、昇降位置P61の検体ラック100を前方に押し出し、搬送路231の右端の位置P31に搬送する。
【0208】
第1階層の載置領域221に載置された検体ラック100は、実施形態1と同様にして、搬送路231に搬送され、その後、開始位置P32に位置付けられる。一方、第2~第4階層の載置領域501に載置された検体ラック100は、昇降機構260により上昇され、昇降位置P61に位置付けられる。この検体ラック100は、搬送機構272により前方に押し出されて搬送路231の位置P31に位置付けられ、その後、搬送路231によって開始位置P32に位置付けられる。
【0209】
搬送機構281は、検体ラック100の後方および前方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備える。搬送機構281は、搬送路231の左端の位置P33に位置付けられた検体ラック100を前方または後方に押し出して、それぞれ、回収領域241および昇降位置P62に搬送する。センサ282は、反射型の光電センサであり、昇降位置P62に位置付けられた検体ラック100を検出する。昇降機構290は、搬送路231の左端の位置P33の後方に配置されている。昇降機構290は、昇降機構260と同様の構成である。昇降機構290は、第1階層の昇降位置P62と、第2~第4階層の昇降位置P72(
図34参照)との間で、検体ラック100を昇降させる。
【0210】
搬送路231の左端の位置P33に位置付けられた検体ラック100が、第1階層の回収領域241に回収される場合、位置P33の検体ラック100は、搬送機構281により前方に押し出され、回収領域241に回収される。一方、搬送路231の左端の位置P33に位置付けられた検体ラック100が、第2~第4階層の回収領域531に回収される場合、位置P33の検体ラック100は、搬送機構281により後方に押し出され、昇降位置P62に位置付けられる。この検体ラック100は、昇降機構290により第2~第4階層のいずれかの昇降位置P72に下降され、その後、回収領域531に回収される。
【0211】
図33は、昇降機構260の構成を模式的に示す側面図である。
【0212】
昇降機構260は、モータ261と、一対のプーリ262と、ベルト263と、レール264と、接続部材265と、固定部材266と、支持部材267と、を備える。
【0213】
モータ261は、ステッピングモータにより構成される。一対のプーリ262は、上下に配置されている。一方のプーリ262は、モータ261の軸に設置されている。ベルト263は、一対のプーリ262に接続されている。レール264は、上下方向に延びている。接続部材265の右端は、固定部材266によりベルト263に固定されている。接続部材265は、上下方向に移動可能となるようレール264に支持されている。接続部材265の左端は、支持部材267に固定されている。支持部材267は、上端に水平面に平行な部材からなる支持部260a、260bを備える。
【0214】
モータ261が駆動すると、ベルト263が上下に移動し、ベルト263の移動に合わせて、支持部260a、260bが上下に移動する。これにより、
図33の白矢印に示すように、検体ラック100は、第1階層の昇降位置P61と、第2~第4階層の昇降位置P71との間で昇降可能となる。
【0215】
図34は、搬送ユニット20の第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0216】
搬送ユニット20は、第2~第4階層において、載置領域501と、一対の支持部材502と、昇降部503と、搬送機構504と、センサ505と、センサ511と、センサ521と、搬送機構522と、回収領域531と、一対の支持部材532と、昇降部533と、4つのセンサ534と、を備える。
【0217】
一対の支持部材502の上面は、載置領域501にセットされたラックホルダ130の左右方向の端部付近を支持する。昇降部503は、前後方向に延び上下に移動可能な一対の部材および当該部材を駆動するモータを備える。昇降部503の一対の部材の上面は、載置領域501にセットされたラックホルダ130の上端よりも高い位置と、ラックホルダ130の下面より低い位置との間で昇降する。
【0218】
搬送機構504は、検体ラック100の前方の側面を押すための一対の部材および当該一対の部材を駆動するモータを備え、載置領域501において昇降部503により持ち上げられた状態の検体ラック100を後方に押し出し、昇降機構260の昇降位置P71に搬送する。センサ505は、透過型の光電センサであり、載置領域501に載置された検体ラック100を検出する。センサ511は、反射型の光電センサであり、昇降機構260の昇降位置P71に位置付けられた検体ラック100を検出する。
【0219】
センサ521は、反射型の光電センサであり、昇降機構290の昇降位置P72に位置付けられた検体ラック100を検出する。搬送機構522は、検体ラック100の後方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、昇降位置P72の検体ラック100を前方に押し出し、回収領域531の後端まで搬送する。
【0220】
回収領域531、一対の支持部材532および昇降部533は、それぞれ、載置領域501、一対の支持部材502および昇降部503と同様の構成である。昇降部533の一対の部材の上面が回収領域にセットされたラックホルダ130の上端よりも高い位置に位置付けられた状態で、昇降位置P72の検体ラック100が回収領域531に搬送される。10個の検体ラック100が回収領域531に回収されると、昇降部533が下降される。4つのセンサ534は、反射型の光電センサであり、回収領域531に回収された10個の検体ラック100のうち、前方から1、4、7、10番目の検体ラック100を検出する。
【0221】
図35は、第2~第4階層の載置領域501において検体ラック100が搬送される手順を模式的に示す側面図である。
【0222】
図35の上段に示すように、通常、昇降部503の一対の部材の上面503aは、ラックホルダ130の下面の下方に位置付けられている。この状態で、オペレータは、ラックホルダ130を載置領域501に対して出し入れする。
【0223】
載置領域501の検体ラック100が搬送される場合、昇降部503の一対の部材の上面503aが、ラックホルダ130の上端より高い位置まで上昇される。これにより、
図35の下段に示すように、検体ラック100の下面が、ラックホルダ130の上端より高い位置に位置付けられるため、この状態で搬送機構504が検体ラック100の前方の側面を後方に押し出すことにより、検体ラック100が昇降位置P71まで搬送される。このとき、昇降機構260の支持部260a、260bの上面が、予め、昇降部503の上面503aと同じ高さに位置付けられる。これにより、載置領域501から後方に押し出された検体ラック100が、昇降位置P71の支持部260a、260b上に円滑に搬送される。
【0224】
<実施形態4による検体分析装置の効果>
図30、31に示したように、搬送ユニット20は、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域221(第1載置領域)と、載置領域221に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域501(第2載置領域)と、を含む。また、搬送ユニット20は、載置領域221、501に載置された検体ラック100を、測定ユニット10が測定を開始するための開始位置P32へと搬送する。
【0225】
この構成によれば、搬送ユニット20が載置領域221と載置領域501とを含むため、オペレータが両方の載置領域221、501に検体ラック100を載置することが可能となり、検体ラック100を載置する頻度を減らすことができる。また、載置領域221が測定ユニット10の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の載置と測定ユニット10に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。
【0226】
図30、31に示したように、搬送ユニット20は、開始位置P32を含む搬送路231を備え、搬送路231は、測定ユニット10と載置領域221(第1載置領域)との間に左右に延びて配置されている。
【0227】
この構成によれば、載置領域221の後方側に搬送路231があるため、載置領域221の検体ラック100を、搬送路231へと容易に送り出すことができる。また、搬送路231に送り出された検体ラック100を、順次円滑に開始位置P32へと搬送できる。
【0228】
図32、34に示したように、搬送機構223、272、昇降機構260および搬送機構504(搬送部)は、載置領域221(第1載置領域)および載置領域501(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P31(所定位置)に搬送する。
【0229】
この構成によれば、先行する検体ラック100が測定のために開始位置P32に位置付けられていても、載置領域221、501に載置された測定前の検体容器110を保持する検体ラック100を、搬送路231上の位置P31に送り出して待機させることができる。これにより、検体ラック100の搬送効率を高めることができ、結果、検体分析装置1による分析効率を高めることができる。
【0230】
図32、34に示したように、搬送機構223、272、昇降機構260および搬送機構504(搬送部)は、載置領域221(第1載置領域)および載置領域501(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、単一の位置P31(所定位置)に搬送する。
【0231】
この構成によれば、載置領域221、501に載置された検体ラック100を、所定の順番で搬送路231上の位置P31に送り出すことができる。
【0232】
図32、34に示したように、昇降機構260(第1搬送部)は、載置領域501(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、搬送路231と同じ高さの昇降位置P61(位置)に搬送する。搬送機構272(第2搬送部)は、昇降機構260により搬送された検体ラック100を、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P31に搬送する。
【0233】
この構成によれば、検体ラック100を搬送路231上の位置P31に円滑に搬送できる。
【0234】
図34に示したように、搬送機構504(第3搬送部)は、載置領域501(第2載置領域)に載置された検体ラック100を、昇降機構260(第1搬送部)による昇降位置P71(搬送開始位置)へと搬送する。
【0235】
この構成によれば、載置領域501に載置された検体ラック100を、順次、昇降位置P71に位置付け、搬送路231上の位置P31に搬送できる。
【0236】
図32、34に示したように、搬送機構272(第2搬送部)と搬送機構504(第3搬送部)とは、互いに反対の方向に検体ラック100を搬送する。
【0237】
この構成によれば、平面視において、載置領域501と、搬送路231の右端の位置P31とを重ねることができる。これにより、前後方向のスペースを効率よく利用でき、載置領域501に多数の検体ラック100を載置できる。
【0238】
図30、31に示したように、搬送ユニット20は、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域241(第1回収領域)と、回収領域241に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域531(第2回収領域)と、を含む。
【0239】
この構成によれば、搬送ユニット20が回収領域241と回収領域531とを含むため、両方の回収領域241、531に検体ラック100が回収されてから、オペレータが検体ラック100を取り出すことが可能となり、検体ラック100を取り出す頻度を減らすことができる。また、回収領域241が測定ユニット10の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の取り出しと測定ユニット10に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。
【0240】
図30に示したように、搬送路231は、測定ユニット10と回収領域241(第1回収領域)との間に左右に延びて配置されている。
【0241】
この構成によれば、回収領域241の後方側に搬送路231があるため、開始位置P32に位置付けられた検体ラック100を、回収領域241へと容易に送り出すことができる。また、送り出された検体ラック100を、順次円滑に回収領域241へと回収できる。
【0242】
1つの載置領域221および3つの載置領域501が載置可能な検体ラック100の数(
図30、31に示す例では計40個)と、1つの回収領域241および3つの回収領域531が回収可能な検体ラック100の数(
図30、31に示す例では計40個)は、互いに同数である。
【0243】
この構成によれば、載置領域221、501に載置された検体ラック100を、過不足なく回収領域241、531に回収できる。これにより、検体分析装置1を小型化できる。
【0244】
なお、1つの回収領域241および3つの回収領域531が回収可能な検体ラック100の数は、1つの載置領域221および3つの載置領域501が載置可能な検体ラック100の数よりも大きくてもよい。
【0245】
この場合、回収領域241、531に回収された検体ラック100をオペレータが取り出す頻度を、減少させることができる。
【0246】
図32、34に示したように、搬送機構281、昇降機構290および搬送機構522(搬送部)は、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P33(所定位置)に位置付けられた検体ラック100を、回収領域241(第1回収領域)および回収領域531(第2回収領域)に搬送する。
【0247】
この構成によれば、後行する検体ラック100が測定のために開始位置P32に位置付けられていても、分析が終了した検体容器110を保持する検体ラック100を、搬送路231上の位置P33を介して回収領域241、531に回収できる。これにより、検体ラック100の搬送効率を高めることができ、結果、検体分析装置1による分析効率を高めることができる。
【0248】
図32に示したように、搬送機構281(第1搬送部)は、搬送路231上の開始位置P32から離れた位置P33(所定位置)に位置付けられた検体ラック100を、搬送路231と同じ高さの昇降位置P62(位置)に搬送する。
図34に示したように、昇降機構290(第2搬送部)は、搬送機構281により搬送された検体ラック100を、回収領域531(第2回収領域)と同じ高さの昇降位置P72(位置)に搬送する。
【0249】
この構成によれば、搬送路231上の検体ラック100を回収領域531まで円滑に搬送できる。
【0250】
図34に示したように、搬送機構522(第3搬送部)は、昇降機構290(第2搬送部)により搬送された検体ラック100を、回収領域531(第2回収領域)に搬送する。
【0251】
この構成によれば、昇降機構290により対象の階層に搬送した検体ラック100を、最終的に回収領域531内に位置付けることができる。
【0252】
図32、34に示したように、搬送機構281(第1搬送部)と搬送機構522(第3搬送部)とは、互いに反対の方向に検体ラック100を搬送する。
【0253】
この構成によれば、平面視において、回収領域531と、搬送路231の左端の位置P33とを重ねることができる。これにより、前後方向のスペースを効率よく利用でき、回収領域531に多数の検体ラック100を載置できる。
【0254】
<実施形態5>
実施形態4では、検体分析装置1は1台の測定ユニット10を備えたが、実施形態5では、検体分析装置1は2台の測定ユニット10を備える。また、実施形態5では、1つの階層において、2つの載置領域および2つの回収領域が左右方向に配置される。
【0255】
図36は、実施形態5に係る、検体分析装置1の構成を模式的に示す側面図である。
【0256】
実施形態5の検体分析装置1は、
図28に示した実施形態4と比較して、さらに1台の測定ユニット10が追加されている。追加された測定ユニット10は、実施形態4の測定ユニット10と同様の構成である。2台の測定ユニット10は、測定ユニット10上において左右方向に配置されている。
【0257】
搬送ユニット20には、第1~第4階層が設けられており、第1階層には、載置領域201、221および回収領域241、251(
図37参照)が配置され、第2~第4階層には、2つの載置領域501および2つの回収領域531(
図38参照)が配置されている。第2~第4階層の載置領域501および回収領域531は、搬送ユニット20の前方に形成された開口20aを介して前方に開放されている。
【0258】
オペレータは、第2~第4階層の載置領域501に検体ラック100を載置する場合、実施形態4と同様、ラックホルダ130を用いる。また、オペレータは、第2~第4階層の回収領域531に空のラックホルダ130をセットする。こうして、検体ラック100が搬送ユニット20により搬送され、検体容器110内の検体の測定が、測定ユニット10の前方の開始位置P32a、P32b(
図37参照)において開始される。
【0259】
1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な分析が終わると、この検体ラック100は第1~第4階層の回収領域241、251、531に搬送される。そして、オペレータは、回収領域241、251、531に搬送された検体ラック100を取り出す。
【0260】
図37は、搬送ユニット20の第1階層で収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10、載置領域201、221および回収領域241、251の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0261】
実施形態5の搬送ユニット20は、第1階層において、載置領域201、221および回収領域241、251を備える。
図37は、載置領域201、221および回収領域241、251に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。搬送路231の前側の構成は、
図19に示した実施形態2と同様であるため、載置領域201、221は、それぞれ、最大8個の検体ラック100を収容可能であり、回収領域241、251は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0262】
2台の測定ユニット10の底面10aは、一点鎖線に示すように、搬送路231の後方において搬送ユニット20に設置されている。載置領域201の全部および回収領域251の一部は、測定ユニット10の前方(2台の測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R2内)に配置されている。これにより、実施形態2と同様、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0263】
図38は、搬送ユニット20の第2~第4階層で収容可能な検体ラック100の数と、載置領域501および回収領域531の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0264】
実施形態5の搬送ユニット20は、第2~第4階層において、2つの載置領域501および2つの回収領域531を備える。
図38には、載置領域501および回収領域531に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。載置領域501および回収領域531は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0265】
図38には、便宜上、測定ユニット10の底面10aの位置が、一点鎖線で示されている。平面視において、第2~第4階層の2つの載置領域501は、第1階層の載置領域201、221と略同じ位置にあり、第2~第4階層の2つの回収領域531は、第1階層の回収領域241、251と略同じ位置にある。
【0266】
図37、38を参照して、オペレータは、回収領域241、251、531を空にし、第2~第4階層の回収領域531に空のラックホルダ130をセットした状態で、載置領域201、221、501に検体ラック100を載置すると、搬送ユニット20による検体ラック100の搬送が開始され、測定ユニット10による検体の測定が行われる。載置領域201、221、501に対して同時に最大の76個の検体ラック100が載置された場合、全ての検体ラック100について必要な分析が終了すると、第1~第4階層の回収領域241、251、531に76個の検体ラック100が回収される。
【0267】
ここで、全ての回収領域241、251、531で収容可能な検体ラック100の合計数は、全ての載置領域201、221、501で収容可能な検体ラック100の合計数より4個多いため、オペレータは、処理開始後に、さらに載置領域201、221、501に4個の検体ラック100を載置できる。この場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域241、251、531に計80個の検体ラック100が回収される。
【0268】
このように、搬送ユニット20の第1~第4階層の載置領域201、221、501および回収領域241、251、531は多数の検体ラック100を収容可能であるため、オペレータが載置領域201、221、501に検体ラック100を載置する頻度と、回収領域241、251、531から検体ラック100を取り出す頻度とを減らすことができる。
【0269】
図39は、実施形態5に係る、搬送ユニット20の第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0270】
実施形態5の搬送ユニット20は、
図20に示した実施形態2の搬送路231および搬送路231の前側の構成と同様の構成を備える。ただし、載置領域221の近傍には、
図20のセンサ225に代えて、センサ227が配置されている。センサ227は、透過型の光電センサであり、載置領域221に位置付けられた検体ラック100を検出する。また、実施形態5の搬送ユニット20は、
図32に示した実施形態4の搬送路231の後ろ側の構成と同様の構成を備える。
【0271】
図40は、搬送ユニット20の第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0272】
実施形態5の搬送ユニット20は、
図34に示した実施形態4と比較して、載置領域501、一対の支持部材502、昇降部503、搬送機構504およびセンサ505からなる組が、左右方向に2つ配置されており、回収領域531、一対の支持部材532、昇降部533および4つのセンサ534からなる組が、左右方向に2つ配置されている。
【0273】
また、実施形態5の搬送ユニット20は、
図34に示した実施形態4と比較して、搬送路541と、センサ542と、搬送路551と、センサ552と、搬送機構553と、を備え、搬送機構522に代えて搬送機構523を備える。
【0274】
搬送路541は、右方向に移動するコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成され、左側の載置領域501の後方、かつ、昇降機構260の左方に配置されている。左側の載置領域501に載置された検体ラック100は、後方に押し出され、搬送路541の左端の位置P81に搬送される。センサ542は、反射型の光電センサであり、位置P81の検体ラック100を検出する。搬送路541は、位置P81の検体ラック100を右方向に搬送して、昇降位置P71に位置付ける。
【0275】
搬送機構523は、検体ラック100の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備える。搬送機構523は、昇降位置P72の検体ラック100を前方に押し出して回収領域531の後端まで搬送するとともに、昇降位置P72の検体ラック100を右方に押し出して搬送路551に向けて搬送する。
【0276】
搬送路551は、右方向に移動するコンベアベルトおよび当該コンベアベルトを駆動するモータにより構成され、右側の回収領域531の後方、かつ、昇降機構290の右方に配置されている。搬送路551は、昇降位置P72から搬送された検体ラック100を右方向に搬送して、搬送路551の右端の位置P82に位置付ける。センサ552は、反射型の光電センサであり、位置P82の検体ラック100を検出する。搬送機構553は、検体ラック100の後方の側面を押すための部材および当該部材を駆動するモータを備え、位置P81の検体ラック100を前方に押し出して右側の回収領域531の後端まで搬送する。
【0277】
<実施形態5による検体分析装置の効果>
図37、38に示したように、搬送ユニット20は、測定ユニット10の前方に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域201(第1載置領域)と、載置領域201に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域501(第2載置領域)と、載置領域201に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域221と、載置領域221に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な載置領域501と、を含む。
【0278】
この構成によれば、第1階層において、2つの載置領域201、221が左右方向に配置されており、第2~第4階層において、2つの載置領域501が左右方向に配置されている。これにより、実施形態1、4に比べて、さらに検体ラック100の載置数を増大させることができる。
【0279】
<実施形態6>
実施形態6では、実施形態5の検体分析装置1に隣接して塗抹標本作製装置2が配置される。検体分析装置1および塗抹標本作製装置2により、検体処理システム3が構成される。また、実施形態6では、搬送ユニット60の4つの回収領域が、上下方向に配置される。
【0280】
図41は、実施形態6に係る、検体処理システム3の構成を模式的に示す側面図である。
【0281】
実施形態6の検体処理システム3は、左右に隣接して並んだ検体分析装置1および塗抹標本作製装置2を備える。検体分析装置1は、
図36に示した実施形態5と比較して、搬送ユニット20の第1~第4階層に、それぞれ4つの載置領域が配置されている。塗抹標本作製装置2は、
図21に示した実施形態3と比較して、架台70が省略されており、搬送ユニット60は、上下方向に長く構成され、塗抹標本作製ユニット50の下方を支持している。搬送ユニット60には第1~第4階層が設けられており、第1~第4階層に、それぞれ4つの回収領域が配置されている。搬送ユニット60の第2~第4階層の回収領域は、搬送ユニット60の前方に形成された開口60aを介して前方に開放されている。
【0282】
オペレータは、検体ラック100を搬送ユニット20の第1~第4階層の載置領域201、221、501(
図42、43参照)に載置し、搬送ユニット60の第2~第4階層の回収領域601(
図45参照)に空のラックホルダ130をセットする。こうして、検体ラック100が搬送ユニット20、60により搬送され、検体容器110内の検体の測定が、測定ユニット10の前方の開始位置P32a、P32b(
図42参照)において開始され、検体容器110内の検体の塗抹標本の作製が、塗抹標本作製ユニット50の前方の開始位置P53(
図44参照)において開始される。
【0283】
1つの検体ラック100上の全ての検体容器110について必要な処理が終わると、検体ラック100は搬送ユニット60の第1~第4階層の回収領域431、441、601(
図44、45参照)に搬送される。そして、オペレータは、搬送ユニット60の回収領域431、441、601に搬送された検体ラック100を取り出す。
【0284】
図42は、搬送ユニット20が第1階層で収容可能な検体ラック100の数と、測定ユニット10および載置領域201、221の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0285】
実施形態6の搬送ユニット20は、第1階層において、
図22の実施形態3と同様、3つの載置領域201および1つの載置領域221を備える。
図42は、載置領域201、221に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。左端の載置領域201は、最大7個の検体ラック100を収容可能であり、中央の2つの載置領域201は、それぞれ、最大8個の検体ラック100を収容可能であり、右端の載置領域221は、最大8個の検体ラック100を収容可能である。
【0286】
2台の測定ユニット10の底面10aは、一点鎖線に示すように、搬送路231の後方において搬送ユニット20に設置されている。中央の2つの載置領域201は、測定ユニット10の前方(2台の測定ユニット10の底面10aの左右幅の範囲R2内)に配置されている。これにより、検体分析装置1の左右方向の幅を短くできるため、検体分析装置1を小型化できる。
【0287】
図43は、搬送ユニット20の第2~第4階層で収容可能な検体ラック100の数と、載置領域501の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0288】
実施形態6の搬送ユニット20は、第2~第4階層において、左右方向に配置された4つの載置領域501を備える。
図43は、4つの載置領域501に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。4つの載置領域501は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0289】
図44は、搬送ユニット60の第1階層で収容可能な検体ラック100の数と、塗抹標本作製ユニット50および回収領域431、441の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0290】
実施形態6の搬送ユニット60は、第1階層において、
図23の実施形態3と同様、1つの回収領域431および3つの回収領域441を備える。
図44は、回収領域431、441に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。回収領域431、441は、それぞれ、最大9個の検体ラック100を収容可能である。
【0291】
2台の塗抹標本作製ユニット50の底面10aは、一点鎖線に示すように、搬送路411の後方において搬送ユニット60に設置されている。右側の3つの回収領域441は、塗抹標本作製ユニット50の前方(塗抹標本作製ユニット50の底面50aの左右幅の範囲R3内)に配置されている。これにより、塗抹標本作製装置2の左右方向の幅を短くできるため、塗抹標本作製装置2を小型化できる。
【0292】
図45は、搬送ユニット60の第2~第4階層で収容可能な検体ラック100の数と、回収領域601の配置位置と、を模式的に示す平面図である。
【0293】
実施形態6の搬送ユニット60は、第2~第4階層において、左右方向に配置された4つの回収領域601を備える。
図45は、回収領域601に対して、最大数の検体ラック100が収容された状態を示している。4つの回収領域601は、それぞれ、最大10個の検体ラック100を収容可能である。
【0294】
図42~45を参照して、オペレータが、搬送ユニット20の第1~第4階層の載置領域201、221、501に検体ラック100を載置すると、搬送ユニット20による検体ラック100の搬送が開始され、測定ユニット10による検体の測定および制御装置30による検体の分析が行われる。続いて、搬送ユニット60により検体ラック100が搬送され、塗抹標本作製ユニット50により塗抹標本の作製が行われる。載置領域201、221、501に対して同時に最大の151個の検体ラック100が載置された場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域431、441、601に計151個の検体ラック100が回収される。
【0295】
ここで、全ての回収領域で収容可能な検体ラック100の合計数(156個)は、全ての載置領域で収容可能な検体ラック100の合計数(151個)より5個多いため、オペレータは、処理開始後に、さらに載置領域201、221、501に5個の検体ラック100を載置できる。この場合、全ての検体ラック100について必要な処理が終了すると、回収領域431、441、601に計156個の検体ラック100が回収される。
【0296】
このように、搬送ユニット20、60の載置領域201、221、501および回収領域431、441、601は多数の検体ラック100を収容可能であるため、オペレータが載置領域201、221、501に検体ラック100を載置する頻度と、回収領域431、441、601から検体ラック100を取り出す頻度とを減らすことができる。
【0297】
図46は、実施形態6に係る、搬送ユニット20の第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0298】
実施形態6の搬送ユニット20の第1階層は、
図24に示した実施形態3と比較して、
図39に示した実施形態5の昇降機構260、センサ271および搬送機構272が追加されている。第1階層の載置領域201、221に載置された検体ラック100は、実施形態3と同様、位置P31を経て開始位置P32a、P32bに位置付けられる。また、昇降機構260により第2~第4階層から搬送された検体ラック100は、実施形態5と同様、昇降位置P61および位置P31を経て開始位置P32a、P32bに位置付けられる。
【0299】
図47は、搬送ユニット20の第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0300】
実施形態6の搬送ユニット20の第2~第4階層は、
図40に示した実施形態5と比較して、回収領域531、支持部材532、昇降部533およびセンサ534に代えて、載置領域501、支持部材502、昇降部503、搬送機構504およびセンサ505が配置されている。また、搬送路541の左端が、搬送ユニット60の左端付近まで延びている。左側の2つの載置領域501の後方の搬送路541上の位置は位置P83である。2つの位置P83の近傍には、位置P83の検体ラック100を検出するためのセンサ543が配置されている。
【0301】
右端の載置領域501に配置された検体ラック100は、搬送機構504により昇降位置P71に位置付けられる。左側の3つの載置領域501に載置された検体ラック100は、搬送機構504により搬送路541上の位置P81、P83に搬送され、搬送路541により昇降位置P71に位置付けられる。昇降位置P71に位置付けられた検体ラック100は、昇降機構260により第1階層に搬送される。
【0302】
図48は、実施形態6に係る、搬送ユニット60の第1階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0303】
実施形態6の搬送ユニット60の第1階層は、
図25に示した実施形態3と比較して、搬送機構415が省略され、搬送機構451、センサ452および昇降機構460が追加されている。搬送機構451、センサ452および昇降機構460は、それぞれ、
図39に示した実施形態5の搬送機構281、センサ282および昇降機構290と同様の構成である。これにより、搬送路411の左端の位置P54に搬送された検体ラック100は、搬送機構451によって前方に押され、左端の回収領域431に搬送される。その後、回収領域431の検体ラック100は、右側の3つの回収領域441に搬送される。また、位置P54に搬送された検体ラック100は、搬送機構451によって後方に押され、昇降機構460の昇降位置P91に位置付けられ、昇降機構460により第2~第4階層に搬送される。
【0304】
図49は、搬送ユニット60の第2~第4階層の構成を模式的に示す平面図である。
【0305】
実施形態6の搬送ユニット60の第2~第4階層は、回収領域601、一対の支持部材602、昇降部603および4つのセンサ604からなる組を4つ備え、これらの組が左右方向に配置されている。回収領域601、支持部材602、昇降部603およびセンサ604は、
図40に示した実施形態5の回収領域531、支持部材532、昇降部533およびセンサ534と同様の構成である。
【0306】
また、左端の回収領域601の後方には、昇降機構460、センサ611および搬送機構612が配置されており、昇降機構460の右側には、左右方向に延びた搬送路621が配置されている。右側の3つの回収領域601の後方には、それぞれ、センサ622および搬送機構623が配置されている。センサ611および搬送機構612は、それぞれ、
図40に示した実施形態5のセンサ521および搬送機構523と同様の構成である。センサ622および搬送機構623は、それぞれ、
図40に示したセンサ552および搬送機構553と同様の構成である。
【0307】
第1階層から搬送され昇降位置P101に位置付けられた検体ラック100は、搬送機構612により前方に押され、左端の回収領域601に搬送される。また、昇降位置P101に位置付けられた検体ラック100は、搬送機構612および搬送路621により右方向に搬送され、3つの位置P102のいずれかに位置付けられる。位置P102の検体ラック100は、搬送機構623により前方に押され、回収領域601搬送される。
【0308】
<実施形態6による検体分析装置および検体処理システムの効果>
検体処理システム3は、検体分析装置1と、塗抹標本作製装置2と、を備える。
【0309】
この構成によれば、検体の分析とともに、塗抹標本も作製できる。
【0310】
搬送ユニット60は、塗抹標本作製装置2の前方に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域441(第3回収領域)と、回収領域441に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域601(第4回収領域)と、回収領域441に対し左右方向に配置され複数の検体ラック100を回収可能な回収領域431と、回収領域431に対し上下方向に配置され複数の検体ラック100を載置可能な回収領域601と、を含む。
【0311】
この構成によれば、搬送ユニット60が回収領域441と回収領域601とを含むため、全ての回収領域441、601に検体ラック100が回収されてから、オペレータが検体ラック100を取り出すことが可能となり、検体ラック100を取り出す頻度を減らすことができる。また、回収領域441が塗抹標本作製ユニット50の前方に配置されているため、オペレータは、検体ラック100の取り出しと塗抹標本作製ユニット50に対する操作とを同じ場所で実施することができ、作業性が向上する。
【0312】
<検体の載置可能数と検体の処理速度の検討>
実施形態1~6に示したように、上記の検体分析装置1は多数の検体ラック100および検体容器110を載置可能に構成された。これにより、オペレータが載置領域に検体ラック100を載置する頻度を減らすことができる。一方、検体分析装置1では、検体を高速に分析することも重要である。しかしながら、検体の分析が高速になると、載置領域から回収領域へと検体ラック100が早く流れるため、オペレータが載置領域に検体ラック100を載置する頻度が増加する。
【0313】
このような事情から、発明者らは、オペレータが検体分析装置1に検体容器110を載置する頻度を示す載置頻度指数を算出し、検体分析装置1に載置可能な検体容器110の数と、検体分析装置1の処理速度(1時間当たりに分析可能な検体数)との関係を検討した。以下、このような検討について説明する。
【0314】
図50は、載置可能数および処理速度の検討において、発明者らが主として想定した検体分析装置1の構成1~4を模式的に示す図である。
【0315】
構成1~4は、以下のように構成される。
【0316】
(構成1:比較例)
・1台の測定ユニット10
・1階層に1列の載置領域
・10個の検体ラック100を載置可能(100個の検体を載置可能)
・1時間あたり100個の検体を分析可能
【0317】
(構成2:実施形態2)
・2台の測定ユニット10
・1階層に2列の載置領域
・16個の検体ラック100を載置可能(160個の検体を載置可能)
・1時間あたり200個の検体を分析可能
【0318】
(構成3:実施形態4の変更例)
・2台の測定ユニット10
・第1~第4階層にそれぞれ1列の載置領域
・40個の検体ラック100を載置可能(400個の検体を載置可能)
・1時間あたり200個の検体を分析可能
【0319】
構成3では、
図28に示した実施形態4の構成と比較して、測定ユニット10が2台設けられている。
【0320】
(構成4:実施形態5の変更例)
・2台の測定ユニット10
・第1~第4階層にそれぞれ2列の載置領域
・80個の検体ラック100を載置可能(800個の検体を載置可能)
・1時間あたり200個の検体を分析可能
【0321】
構成4では、
図36に示した実施形態5と比較して、第1階層の2つの載置領域が、それぞれ10個の検体ラック100を載置可能に構成されている。
【0322】
発明者らは、上記の構成1~4の検体分析装置1において、1時間あたりの検体の処理数を載置可能な検体の数で除算し、載置頻度指数を算出した。構成1~4の載置頻度指数は、それぞれ、1.00、1.25、0.50、0.25であった。載置頻度指数が小さいほど、オペレータが検体容器110を載置する頻度が小さくなくなるため好ましい。
【0323】
図51は、本検討において、上記構成1~4によって得られた載置頻度指数の値をまとめた表である。
【0324】
構成1~4により算出された載置頻度指数の値が、一点鎖線で囲まれている。その他の載置頻度指数は、例えば、上記構成1~4において検体分析装置1の処理速度を上げる、または、下げることにより得られる値である。
【0325】
この表によれば、処理速度を下げて、検体の載置可能数を上げれば、載置頻度指数を下げることはできる。しかしながら、検体分析装置1においては、載置頻度指数が小さいだけではなく、検体の処理速度を高め、設置面積を抑制しながら検体の載置可能数を高める必要がある。そこで、発明者らは、
図51の破線で囲んだ範囲を、一度に載置可能な検体容器110の数および1時間あたりに分析可能な検体数の好ましい範囲とした。
【0326】
一度に載置可能な検体容器110の数が160未満であると、載置頻度指数が高くなってしまう。例えば、一度に載置可能な検体容器110の数が100であり、1時間あたりに分析可能な検体数が400の場合、載置頻度指数は4.00である。これは、オペレータが1時間に4回の頻度で検体ラック100を載置する必要があることを意味し、検査業務に支障が生じる可能性がある。逆に、一度に載置可能な検体容器110の数が800を超えると、検体分析装置1の設置面積が増大してしまい、検査室に設置場所を確保することが難しくなってしまう。また、1時間あたりに分析可能な検体数が130を下回ると、規模が比較的大きい検査施設では分析が追い付かなくなってしまう。逆に1時間あたりに分析可能な検体数が400を超えると、載置頻度指数を減少させるために一度に載置可能な検体容器110の数を増加させる必要が生じ、検体分析装置1の設置面積が増大してしまう。
【0327】
<本検討による効果>
図51に示したように、検体分析装置1の搬送ユニット20に設けられた全ての載置領域(第1載置領域および第2載置領域)に一度に載置可能な検体容器110の数は、160以上800以下であることが好ましい。また、検体分析装置1が1時間あたりに分析可能な検体数が130以上400以下であることが好ましい。これにより、検体分析装置1の設置面積を抑制しながら、オペレータが検体容器110を設置する頻度を減少させ、検体の処理速度を高めることができる。
【0328】
<その他の変更例>
検体分析装置1は、検体に含まれる血球を計数する血球計数装置に限らない。例えば、検体分析装置1は、尿分析装置、生化学分析装置、免疫測定装置、血液凝固測定装置等の分析装置でもよい。これらの場合も、各分析装置に対応して配置される搬送ユニットの前方に、実施形態1、2、4、5と同様、左右方向または上下方向に載置領域および回収領域が配置され、実施形態3、6と同様、左右方向または上下方向に載置領域が配置されてもよい。
【0329】
検体処理システム3は、塗抹標本作製装置2に代えて、または、塗抹標本作製装置2に加えて、上記に例示した分析装置のうち、少なくとも1つ以上の分析装置を備えてもよい。これにより、検体に対する様々な分析を行うことができる。この場合、最も下流側に配置された分析装置に対応して配置される搬送ユニットに、実施形態3、6と同様、左右方向または上下方向に回収領域が配置されてもよい。
【0330】
実施形態1、2、5において、左側の載置領域201に載置された検体ラック100が、後方に押し出され、搬送路231に搬送されてもよい。この場合、右側の載置領域221に載置された検体ラック100が、搬送路211を介して左側の載置領域201に搬送されてもよい。また、右側の回収領域251の後方の搬送路231に位置付けられた検体ラック100が、前方に押し出され、回収領域251内に搬送されてもよい。この場合、回収領域251に回収された検体ラック100が、左側の回収領域241に搬送されてもよい。
【0331】
実施形態3、6において、左側の3つの載置領域201に載置された検体ラック100が、後方に押し出され、搬送路231、236に搬送されてもよい。また、右側の3つの回収領域441の後方の搬送路401、411に位置付けられた検体ラック100が、前方に押し出され、回収領域441内に搬送されてもよい。
【0332】
実施形態4~6において、搬送ユニット20の第2~第4階層は、搬送路231が配置された第1階層の上方に配置されてもよい。また、実施形態6において、搬送ユニット60の第2~第4階層は、搬送路411が配置された第1階層の上方に配置されてもよい。
【0333】
昇降機構260、290、460は、検体ラック100の下面を支持するための支持部を上下に移動させることにより、検体ラック100を昇降させた。しかしながら、これに限らず、昇降機構260、290、460は、検体ラック100の左右または前後の側面を把持する把持部を上下に移動させることにより、検体ラック100を昇降させてもよい。
【0334】
載置領域201、221および回収領域241、431は、上面が水平面に平行な板部材により構成されたが、前後方向に移動するコンベアベルトにより構成されてもよい。また、回収領域251、441は、左右方向に移動するコンベアベルトにより構成されたが、上面が水平面に平行な板部材により構成されてもよい。この場合、例えば、検体ラック100を右方向に押し出す搬送機構により、回収領域251、441に検体ラック100が搬送される。
【0335】
実施形態1、2において、
図4に示したように、載置領域201、221は、載置領域201側の位置P11(搬送開始位置)および載置領域221の位置P12(搬送終了位置)において互いに接続された。しかしながら、これに限らず、載置領域201、221は、載置領域201上の所定位置(搬送開始位置)および載置領域221上の所定位置(搬送終了位置)において互いに接続されてもよい。この場合、例えば、2つの所定位置の間に上面が水平面に平行な搬送路が配置され、検体ラック100の左側の側面を押すための部材を備えた搬送機構により、検体ラック100が、載置領域201上の所定位置から載置領域221上の所定位置まで搬送される。
【0336】
実施形態1、2、5では、1つの階層において、2つの載置領域が左右方向に配置されたが、3つ以上の載置領域が左右方向に配置されてもよい。また、実施形態1、2、5では、1つの階層において、2つの回収領域が左右に配置されたが、3つ以上の回収領域が左右方向に配置されてもよい。
【0337】
実施形態3、6では、搬送ユニット20の1つの階層において、4つの載置領域が左右方向に配置されたが、5つ以上の載置領域が左右方向に配置されてもよい。また、実施形態3、6では、搬送ユニット60の1つの階層において、4つの回収領域が左右方向に配置されたが、5つ以上の載置領域が左右方向に配置されてもよい。
【0338】
実施形態3~6では、載置領域および回収領域は、4つの階層にそれぞれ配置されたが、5つ以上の階層にそれぞれ配置されてもよい。
【0339】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0340】
1 検体分析装置
2 塗抹標本作製装置
3 検体処理システム
10 測定ユニット
20、60 搬送ユニット
50 塗抹標本作製ユニット
100 検体ラック
110 検体容器
201 載置領域(第1載置領域)
202 搬送機構(搬送部、第3搬送部)
211 搬送路(搬送部、第2搬送部)
214 搬送機構(搬送部)
223 搬送機構(搬送部、第1搬送部)
221 載置領域(第1載置領域、第2載置領域)
231 搬送路
235 搬送機構(搬送部、第1搬送部)
241 回収領域(第1回収領域、第2回収領域)
244 搬送機構(搬送部、第2搬送部)
251 回収領域(第1回収領域)
252 搬送路(搬送部、第3搬送部)
253 シャッター
260 昇降機構(搬送部、第1搬送部)
272 搬送機構(搬送部、第2搬送部)
281 搬送機構(搬送部、第1搬送部)
290 昇降機構(搬送部、第2搬送部)
431 回収領域(第4回収領域)
441 回収領域(第3回収領域)
501 載置領域(第2載置領域)
504 搬送機構(搬送部、第3搬送部)
522、523 搬送機構(搬送部、第3搬送部)
531 回収領域(第2回収領域)
P11 位置(搬送開始位置)
P12 位置(搬送終了位置)
P31 位置(所定位置)
P32、P32a、P32b、P53 開始位置
P33 位置(所定位置)
P61 昇降位置(位置)
P62 昇降位置(位置)
P71 昇降位置(搬送開始位置)
P72 昇降位置(位置)
R1、R2 範囲