(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127646
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】表示駆動装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240912BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20240912BHJP
H04N 3/12 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G09G3/20 631V
G09G3/36
G09G3/20 R
G09G3/20 631M
G09G3/20 670C
G09G3/20 670N
H04N3/12 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036982
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 啓太
【テーマコード(参考)】
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
5C006AF03
5C006AF04
5C006AF13
5C006AF65
5C006AF78
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC06
5C006BF02
5C006BF04
5C006BF05
5C006BF08
5C006BF14
5C006BF37
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD09
5C080FF11
5C080GG12
5C080GG15
5C080GG17
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ07
(57)【要約】
【課題】ノイズが発生した場合でも正常な動作が可能な表示駆動装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】レジスタ値を記憶するレジスタを有するロジック回路と、レジスタに記憶されているレジスタ値を記憶するバックアップメモリと、ロジック回路において発生したノイズを検知するノイズ検知部と、ノイズ検知部によりノイズが検知された場合に、レジスタに記憶されているレジスタ値を、バックアップメモリに記憶されているレジスタ値に変更する変更部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスタ値を記憶するレジスタを有するロジック回路と、
前記レジスタに記憶されているレジスタ値を記憶するバックアップメモリと、
前記ロジック回路において発生したノイズを検知するノイズ検知部と、
前記ノイズ検知部によりノイズが検知された場合に、前記レジスタに記憶されているレジスタ値を、前記バックアップメモリに記憶されているレジスタ値に変更する変更部と、
を備える表示駆動装置。
【請求項2】
前記ノイズ検知部によりノイズが検知された場合、前記ノイズ検知部はカウンタの値に基づいて前記変更部にノイズの検知を通知する
請求項1に記載の表示駆動装置。
【請求項3】
前記バックアップメモリは、キャパシタを備える
請求項1又は2に記載の表示駆動装置。
【請求項4】
前記レジスタは、機能のオン又はオフの設定状態を示す情報を記憶するレジスタである
請求項1又は2に記載の表示駆動装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示駆動装置と、
前記表示駆動装置から信号線を介して表示信号電圧が供給される表示パネルと、
を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示駆動装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液晶表示装置を駆動するための表示駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置等の表示装置を駆動するための表示駆動装置において、例えばESD(Electro-Static Discharge)等が原因で電源ノイズが発生すると、表示駆動装置内のレジスタに記憶されているレジスタ値が変化してしまい、正常な動作が行えなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の事情を踏まえ、ノイズが発生した場合でも正常な動作が可能な表示駆動装置及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示駆動装置は、レジスタ値を記憶するレジスタを有するロジック回路と、前記レジスタに記憶されているレジスタ値を記憶するバックアップメモリと、前記ロジック回路において発生したノイズを検知するノイズ検知部と、前記ノイズ検知部によりノイズが検知された場合に、前記レジスタに記憶されているレジスタ値を、前記バックアップメモリに記憶されているレジスタ値に変更する変更部と、を備える。
【0007】
本発明の表示装置は、本発明の表示駆動装置と、前記表示駆動装置から信号線を介して表示信号電圧が供給される表示パネルと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ノイズが発生した場合でも正常な動作が可能な表示駆動装置及び表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の液晶表示装置の全体構成を示す概略構成図である。
【
図2】ソースドライバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】バックアップメモリを備えていないデータレジスタ内のレジスタの概略構成図である。
【
図4】バックアップメモリを備えていないデータレジスタ内のレジスタ周辺の詳細な構成図である。
【
図5】バックアップメモリを備えていないデータレジスタ内において、グランドラインにノイズが発生した場合の、データレジスタにおける動作のタイミングチャートである。
【
図6】実施形態のデータレジスタ内のレジスタの概略構成図である。
【
図7】実施形態のデータレジスタ内のレジスタ周辺の詳細な構成図である。
【
図8】実施形態のデータレジスタ内において、グランドラインにノイズが発生した場合の、データレジスタにおける動作のタイミングチャートである。
【
図9】バックアップメモリを備えていないデータレジスタ内において、グランドラインにノイズが発生した場合の、動作状況を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態のデータレジスタ内において、グランドラインにノイズが発生した場合の、動作状況を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の全体構成を示す概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置は、液晶表示パネル100と、ゲートドライバ10と、ソースドライバ20と、システムコントローラ30と、を備える。液晶表示装置は、本開示の技術における表示装置の一例である。また、ソースドライバ20は、本開示の技術における表示駆動装置の一例である。
【0012】
液晶表示パネル100は、マトリクス状に配置された液晶画素90と、マトリクスの行方向に延伸する複数の走査ラインと、マトリクスの列方向に延伸する複数の信号ラインと、を備える。
【0013】
ゲートドライバ10は、後述のシステムコントローラ30から供給される垂直制御信号に基づいて、各走査ラインに走査信号を順次印加して選択状態とする。
【0014】
ソースドライバ20は、後述のシステムコントローラ30から供給される水平制御信号に基づいて、システムコントローラ30から与えられる表示データに対応する表示信号電圧を、ゲートドライバ10により選択状態とされた各液晶画素90に対して、信号ラインを介して供給する。
【0015】
システムコントローラ30は、システムクロックpclk(
図3、6参照)に基づいて垂直制御信号及び水平制御信号を生成し、ゲートドライバ10及びソースドライバ20に各々供給することにより、所定のタイミングで液晶画素90に表示信号電圧を印加して、液晶表示パネル100に所望の画像情報を表示させる制御を行う。
【0016】
すなわち、システムコントローラ30は、外部から供給される表示データに基づいて、液晶表示パネル100に所望の画像情報を表示させるための種々の制御信号を生成して、ゲートドライバ10及びソースドライバ20に出力する。
【0017】
図2は、ソースドライバ20の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、ソースドライバ20は、インタフェースブロック(以下、IFブロックと記載)21と、データレジスタ22と、ラインラッチ23と、レベルシフタ24と、RDAC(Register string Digital Analog Converter)25と、出力バッファ26と、を備える。
【0018】
IFブロック21は、システムコントローラ30から水平制御信号として供給されるシフトレジスタスタート信号によりスタートし、同じく水平制御信号として供給されるクロックで順次シフト動作を行って、システムコントローラ30から供給される表示データを順次出力する。
【0019】
データレジスタ22は、IFブロック21から供給される表示データを取り込むものである。
【0020】
ラインラッチ23は、データレジスタ22に取り込まれた表示データのうちの1ライン分の表示データを一斉に取り込み、保持する。
【0021】
レベルシフタ24は、ラインラッチ23に保持されている表示データの信号レベルを、ロジック電圧レベルからソースドライバの電源電圧レベルにレベルシフトするものである。
【0022】
RDAC25は、システムコントローラ30から供給される水平制御信号等に基づいて、レベルシフタ24によりレベルシフトされたデジタルRGB信号からなる表示データを、アナログRGB信号に変換して出力するためのデジタル/アナログコンバータである。
【0023】
出力バッファ26は、RDAC25の出力を増幅し、液晶表示パネル100に対して表示信号電圧として出力する。
【0024】
上記のようなソースドライバ20において、例えばESD等が原因で電源ノイズが発生すると、表示駆動装置内のレジスタに記憶されているレジスタ値が変化してしまい、正常な動作が行えなくなるおそれがある。
【0025】
このような問題を解消するため、本実施形態の液晶表示装置におけるソースドライバ20のデータレジスタ22は、レジスタ値を記憶するレジスタを有するロジック回路部22aと、レジスタに記憶されているレジスタ値を記憶するバックアップメモリ22bと、ロジック回路部22aにおいて発生したノイズを検知するノイズ検知部65と、ノイズ検知部65によりノイズが検知された場合に、レジスタに記憶されているレジスタ値を、バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値に変更するメモリリード指令部(変更部)67と、を備える。
【0026】
以下、データレジスタ22におけるバックアップメモリ22bの構成、及び、バックアップメモリ22bの作用について、詳細に説明する。なお、バックアップメモリ22bが記憶するレジスタ値は、どのレジスタのレジスタ値としてもよい。ここでは、一例として、データレジスタ22における画像データのエラー検知オン/オフ設定レジスタに対してバックアップメモリ22bを組み合わせた場合について説明する。
【0027】
先ず、データレジスタ22がバックアップメモリ22bを備えていない場合の動作について説明する。
図3は、バックアップメモリを備えていないデータレジスタ122内のレジスタの概略構成図である。
図4は、データレジスタ122内のレジスタ周辺の詳細な構成図である。
【0028】
図3に示すように、データレジスタ122内の画像データのエラー検知オン/オフ設定レジスタ160は、システムコントローラ30から供給されるシステムクロックpclkに同期して、オン/オフ設定部161から入力された設定値をレジスタ値として記憶する。
【0029】
エラー検知オン/オフ設定レジスタ160は、詳細には、
図4に示すように、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)160aを備える。このCMOS160aは、前段から入力されたハイレベル又はロウレベルのレジスタ値を保持するが、例えば、CMOS160aがロウレベルを保持した状態でグランドラインに電源電圧方向のノイズ(例えば、ESDによる電源ノイズ等)が発生すると、CMOS160aが保持している信号のレベルがロウレベルからハイレベルに反転してしまう。
【0030】
エラー検知オン/オフ設定レジスタ160において、このようなレベルの反転が生じると、システムクロックpclkが再始動するまで、永久に反転したレベルが保持されてしまい、デッドロックを引き起こすことになる。
【0031】
図5は、グランドラインにノイズが発生した場合の、データレジスタ122における動作のタイミングチャートである。
【0032】
図5において、GNDは、グランドラインの信号状態を示している。ノイズが発生していない通常状態では、グランドラインはロウレベル状態となる。ノイズ検知は、グランドラインで発生したノイズの検知状態を示している。ノイズ検知において、ロウレベルはノイズが検知されていない状態、ハイレベルはノイズが検知された状態を示している。データ種別は、システムコントローラ30から供給される表示データの種別を示している。データ種別には複数の種別が存在するが、複数の種別のうち「rgb(fail data)」は、異常データを示している。
【0033】
pclkは、システムコントローラ30から供給されるシステムクロックpclkの信号状態を示している。oclkは、データレジスタ122の内部クロックの信号状態を示している。flockは、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160のデータ保持状態を示している。flockにおいて、ロウレベルはデータを保持していない状態、ハイレベルはデータを保持した状態を示している。
【0034】
レジスタアドレスは、設定対象のレジスタのアドレスを周期的に設置する。レジスタは、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160が保持しているレジスタ値を示している。
【0035】
図5に示すように、グランドラインにノイズが発生すると、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160のレジスタ値が「8h’3(エラー検知オン)」から「8h’0(エラー検知オフ)」に変化してしまう。この状態で、システムクロックpclkが正常に動作していると、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160がデッドロックしてしまい、それ以降は永久に画像データのエラー検知ができなくなる。
【0036】
次に、データレジスタ22がバックアップメモリ22bを備える場合の動作について説明する。
図6は、バックアップメモリ22bを備えるデータレジスタ22内のレジスタの概略構成図である。
図7は、バックアップメモリ22b周辺の詳細な構成図である。
【0037】
図6に示すように、データレジスタ22のロジック回路部22aは、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60と、オン/オフ設定部61と、セレクタ62、63、64と、ノイズ検知部65と、メモリライト指令部66と、メモリリード指令部67と、等を備える。
【0038】
エラー検知オン/オフ設定レジスタ60は、上記で説明したエラー検知オン/オフ設定レジスタ160と同様の構成である。オン/オフ設定部61は、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に対してレジスタ値を設定する。セレクタ62、63、64は、外部からの指示入力に基づいて、入力された2系統の信号のうちの1系統の信号を出力する。
【0039】
ノイズ検知部65は、データレジスタ22のグランドラインに重畳したノイズを検知する。メモリライト指令部66は、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に記憶されているレジスタ値を、後述のバックアップメモリ22bに書き込む制御を行う。メモリリード指令部67は、後述のバックアップメモリ22bから当該バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値を読み出し、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に書き込む制御を行う。メモリリード指令部67は、本開示の技術における変更部に相当する。
【0040】
また、データレジスタ22のバックアップメモリ22bは、キャパシタ70と、書き込み用のスイッチングトランジスタ71と、読み出し用のスイッチングトランジスタ72と、等を備える。
【0041】
キャパシタ70は、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60から出力されたレジスタ値を記憶する。
図7に示すように、キャパシタ70によりレジスタ値を記憶することにより、グランドラインに電源電圧方向のノイズが発生した場合でも、キャパシタに記憶されているレジスタ値は変化しない。
【0042】
スイッチングトランジスタ71は、メモリライト指令部66からの制御に基づき、スイッチのオン/オフの状態を切り替える。スイッチングトランジスタ71がオンの状態の際に、キャパシタ70へのレジスタ値の書き込みが行われる。
【0043】
スイッチングトランジスタ72は、メモリリード指令部67からの制御に基づき、スイッチのオン/オフの状態を切り替える。スイッチングトランジスタ72がオンの状態の際に、バックアップメモリ22bからキャパシタ70に記憶されているレジスタ値の出力が行われる。
【0044】
データレジスタ22のエラー検知オン/オフ設定レジスタ60は、通常時は、システムコントローラ30から供給されるシステムクロックpclkに同期して、オン/オフ設定部61から入力された設定値をレジスタ値として記憶する。
【0045】
また、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60の出力は、バックアップメモリ22bに接続されており、メモリライト指令部66は、スイッチングトランジスタ71をオンにして、キャパシタ70にエラー検知オン/オフ設定レジスタ60から出力されたレジスト値を記憶させる。
【0046】
データレジスタ22において電源ノイズが生じると、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に記憶されているレジスト値が変化するおそれがある。
【0047】
しかしながら、本実施形態のデータレジスタ22においては、ノイズ検知部65でノイズを検知すると、ノイズ検知部65はメモリリード指令部67にノイズ検知を通知する。
【0048】
メモリリード指令部67は、ノイズ検知の通知を受信すると、スイッチングトランジスタ72をオンにし、キャパシタ70に記憶されているレジスタ値をバックアップメモリ22bから出力させる。また、メモリリード指令部67は、セレクタ64の出力をシステムクロックpclkからデータレジスタ22の内部クロックoclkに切り替える。
【0049】
バックアップメモリ22bから出力されたレジスタ値は、ロジック回路部22aに入力され、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60のレジスト値が、入力されたレジスト値に書き換えられる。
【0050】
図8は、グランドラインにノイズが発生した場合の、データレジスタ22における動作のタイミングチャートである。
【0051】
図8において、GNDは、グランドラインの信号状態を示している。ノイズが発生していない通常状態では、グランドラインはロウレベル状態となる。ノイズ検知は、グランドラインで発生したノイズのノイズ検知部65における検知状態を示している。ノイズ検知において、ロウレベルはノイズが検知されていない状態、ハイレベルはノイズが検知された状態を示している。データ種別は、システムコントローラ30から供給される表示データの種別を示している。データ種別には複数の種別が存在するが、複数の種別のうち「rgb(fail data)」は、異常データを示している。
【0052】
pclkは、システムコントローラ30から供給されるシステムクロックpclkの信号状態を示している。oclkは、データレジスタ22の内部クロックの信号状態を示している。flockは、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60のデータ保持状態を示している。flockにおいて、ロウレベルはデータを保持していない状態、ハイレベルはデータを保持した状態を示している。
【0053】
レジスタアドレスは、設定対象のレジスタのアドレスを周期的に設置する。レジスタは、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60が保持しているレジスタ値を示している。
【0054】
メモリライト指令は、メモリライト指令部66から出力されるメモリライト指令の信号状態を示している。メモリライト指令は、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60へのレジスタ値の記憶と対応して、バックアップメモリ22bにエラー検知オン/オフ設定レジスタ60から出力されたレジスト値を記憶させる指令を送信するための信号である。メモリライト指令において、ロウレベルはメモリライト指令を出力していない状態、ハイレベルはメモリライト指令を出力している状態を示している。
【0055】
バックアップメモリは、バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値を示している。カウンタは、外部からの指示に基づいて、0から265までカウントアップする。
【0056】
メモリリード指令は、メモリリード指令部67から出力されるメモリリード指令の信号状態を示している。メモリリード指令は、バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値をバックアップメモリ22bから出力させるとともに、セレクタ64の出力をシステムクロックpclkからデータレジスタ22の内部クロックoclkに切り替える指令を送信するための信号である。メモリリード指令において、ロウレベルはメモリリード指令を出力していない状態、ハイレベルはメモリリード指令を出力している状態を示している。
【0057】
図8に示すように、グランドラインにノイズが発生すると、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160のレジスタ値が「8h’3(エラー検知オン)」から「8h’0(エラー検知オフ)」に変化して、画像データのエラー検知ができなくなる。
【0058】
しかしながら、本実施形態のデータレジスタ22においては、ノイズ検知部65によりノイズが検知された場合、ノイズ検知部65はカウンタの値に基づいてメモリリード指令部67にノイズの検知を通知する。具体的な処理の一例として、ノイズ検知部65によるノイズ検知がハイレベルになると、ノイズ検知部65は、カウンタを起動してカウントアップを開始し、カウンタの数値が設定された数値になった時点で、メモリリード指令部67に通知し、メモリリード指令部67からメモリリード指令を出力させる。
【0059】
これにより、バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値「8h’3(エラー検知オン)」が、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に書き込まれ、画像データのエラー検知が再開される。
【0060】
以上で説明の通り、バックアップメモリを備えていないデータレジスタ122においては、
図9に示すように、ESD等による電源ノイズが発生すると(ステップS11)、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160のレジスト値がオフを示す値に変化する(ステップS12)。これにより、IFブロック21からデータレジスタ22へ正常に画像データを送信することができなくなる。
【0061】
また、電源ノイズによりエラー検知オン/オフ設定レジスタ60のレジスト値がオフに変化すると、その後、永久に異常画像データの検知ができず(ステップS13)、エラー検知オン/オフ設定レジスタ160においてデッドロックが発生してしまう(ステップS14)。
【0062】
これに対して、本実施形態のデータレジスタ22においては、
図10に示すように、ESD等による電源ノイズが発生し、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60のレジスト値がオフを示す値に変化した場合でも(ステップS21)、ノイズ検知部65によりノイズを検知して(ステップS22)、バックアップメモリ22bに記憶されているレジスタ値を、エラー検知オン/オフ設定レジスタ60に書き込む(ステップS23)。
【0063】
これにより、画像データのエラー検知が再開され(ステップS24)、デッドロックが回避される(ステップS25)。
【0064】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【符号の説明】
【0065】
10 ゲートドライバ
20 ソースドライバ
21 ブロック
22 データレジスタ
22a ロジック回路部
22b バックアップメモリ
23 ラインラッチ
24 レベルシフタ
25 RDAC
26 出力バッファ
30 システムコントローラ
60 エラー検知オン/オフ設定レジスタ
61 オン/オフ設定部
62、63、64 セレクタ
65 ノイズ検知部
66 メモリライト指令部
67 メモリリード指令部
70 キャパシタ
71、72 スイッチングトランジスタ
100 液晶表示パネル