(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127653
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】センスアンプ回路
(51)【国際特許分類】
G11C 7/06 20060101AFI20240912BHJP
G11C 16/26 20060101ALI20240912BHJP
G11C 7/12 20060101ALI20240912BHJP
G11C 16/24 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G11C7/06 130
G11C16/26 120
G11C7/12
G11C16/24 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023036994
(22)【出願日】2023-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 浩明
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA21
5B225EE06
5B225EE09
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】スタンバイ状態から復帰する際のセンスアンプ回路の動作速度を改善する。
【解決手段】センスアンプ回路21は、ビットラインBLに流れる電流の値を電圧信号に変換すると共にスイッチングトランジスタ33及びプリチャージ回路24を含む変換回路23、並びにスイッチングトランジスタ33を制御するビット電位制御回路27であって、ビット電位制御回路27は、第1電流ミラー回路39、基準電圧CDVを受ける第1入力トランジスタ35、並びにビットラインBLに接続されたゲートを有する第2入力トランジスタ37を有する、ビット電位制御回路27を備え、ビット電位制御回路27は、第1電流ミラー回路39と第1入力トランジスタ35との間の第1制御トランジスタ41、第1制御トランジスタ41と第2電源線VSSとの間の第2制御トランジスタ43、及び第1制御トランジスタ41と第1電源線VDDとの間のキャパシタ45を更に含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルに接続されたビットラインに流れる電流の値を電圧信号に変換するように構成されると共に、負荷回路、スイッチングトランジスタ及びプリチャージ回路を含む変換回路であって、前記スイッチングトランジスタは、前記電流に応答して前記負荷回路を前記ビットラインに接続し、前記プリチャージ回路は前記負荷回路に並列に接続される、変換回路と、
前記変換回路からの前記電圧信号を受けるように構成される出力回路と、
前記スイッチングトランジスタのゲートに接続される出力を有するビット電位制御回路であって、前記ビット電位制御回路は、第1電源線に接続された電源端子、第1端子、及び第2端子を有すると共に前記第1端子から前記第2端子への向きに電流をミラーする第1電流ミラー回路、基準電圧を受けるゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第1端子に接続された第1入力トランジスタ、並びに前記ビットラインに接続されたゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第2端子に接続された第2入力トランジスタを有する、ビット電位制御回路と、
を備え、
前記ビット電位制御回路は、
前記第1電流ミラー回路の前記第1端子と前記第1入力トランジスタとの間に接続された第1制御トランジスタ、
前記第1入力トランジスタと前記第1制御トランジスタとの共有ノードと前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続された第2制御トランジスタ、及び
前記共有ノードと前記第1電源線との間に接続されたキャパシタ、
を更に含み、
前記ビット電位制御回路の前記出力は、前記第1電流ミラー回路の前記第2端子からの信号を受け、
前記第1制御トランジスタのゲートは、第1アクティブ信号を受けると共に、前記第2制御トランジスタのゲートは、前記第1アクティブ信号の反転信号を受け、
前記プリチャージ回路は、前記第1アクティブ信号と異なる第2アクティブ信号によって規定された期間にプリチャージ動作を行い、
前記出力回路は、前記第2アクティブ信号に応答して、前記プリチャージ動作の後に活性化される、
センスアンプ回路。
【請求項2】
前記第1電流ミラー回路は、前記第1電流ミラー回路の前記第1端子に接続されたゲート及びドレインを有する第1トランジスタと、前記第1トランジスタの前記ゲートからの信号に応答して動作するように構成される第2トランジスタと、を含み、
前記ビット電位制御回路は、前記第1電源線と前記第1電流ミラー回路の前記第1端子との間に接続される第3制御トランジスタを更に含み、
前記第3制御トランジスタのゲートは、前記第1アクティブ信号を受ける、
請求項1に記載されたセンスアンプ回路。
【請求項3】
前記ビット電位制御回路は、前記第2電源線と前記第1電流ミラー回路の前記第2端子との間に接続される第4制御トランジスタを更に含み、
前記第4制御トランジスタのゲートは、前記反転信号を受ける、
請求項2に記載されたセンスアンプ回路。
【請求項4】
前記負荷回路は、前記スイッチングトランジスタを介して前記ビットラインに接続されるゲート及びドレインを有する負荷トランジスタを含み、
前記出力回路は、前記メモリセルの記憶内容を判定するように規定される参照レベル電圧と、前記負荷トランジスタの前記ゲートからの電圧信号とに基づいて、前記メモリセルの記憶内容を判定するように構成される判定回路を含む、
請求項1に記載されたセンスアンプ回路。
【請求項5】
前記判定回路は、
前記参照レベル電圧を受けるゲートを有する参照トランジスタと、
前記負荷トランジスタの前記ゲートからの信号に応答した電流を流す第3トランジスタであっで、前記負荷トランジスタ及び前記第3トランジスタは、前記負荷トランジスタから前記第3トランジスタへの向きに電流をミラーする第2電流ミラー回路を構成する、第3トランジスタと、
前記第3トランジスタに流れる電流を流す第1端子及び前記参照トランジスタに流れる電流を流す第2端子を有すると共に、前記第1端子から前記第2端子への向きに電流をミラーする第3電流ミラー回路と、
を含む、
請求項4に記載されたセンスアンプ回路。
【請求項6】
前記出力回路の前記第3電流ミラー回路は、前記第3トランジスタに流れる電流を流す第4トランジスタと、前記第4トランジスタに流れる電流からのミラー電流を流す第5トランジスタとを含み、
前記参照トランジスタは、前記スイッチングトランジスタの導電型と異なる導電型を有する、
請求項5に記載されたセンスアンプ回路。
【請求項7】
前記参照トランジスタは前記判定回路の出力と前記第1電源線との間に接続され、
前記出力回路は、前記第2アクティブ信号に応答して、前記出力回路の前記出力に前記第1電源線の電位を提供するスイッチ回路を更に含む、
請求項6に記載されたセンスアンプ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センスアンプ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、消費電流を低減しつつメモリセルからの読出データを検出することが可能なセンスアンプ回路を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気的に書き換え可能な不揮発性半導体メモリ及び読み出し専用メモリといった半導体メモリアレイは、ビットラインの各々に接続された複数のメモリセルを備える。ビットラインの寄生キャパシタンスは、必然的に大きくなる。センスアンプ回路は、半導体メモリアレイ内のメモリセルの記憶内容を読み出すために用いられる。ビットラインの電位は、センスアンプが順次に半導体メモリアレイ内のメモリセルの記憶内容を読み出す際には、あるビット電位の辺りに維持されている。しかしながら、センスアンプ回路がスタンバイ状態から復帰する際には、ビットラインの電位は、不明であり、多くの場合、ビットラインの寄生キャパシタンスをチャージすること、及び更に高速動作のために、ビットラインのプリチャージを必要とする。
【0005】
本発明は、スタンバイ状態から復帰する際のセンスアンプ回路の動作速度を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るセンスアンプ回路は、メモリセルに接続されたビットラインに流れる電流の値を電圧信号に変換するように構成されると共に、負荷回路、スイッチングトランジスタ及びプリチャージ回路を含む変換回路であって、前記スイッチングトランジスタは、前記電流に応答して前記負荷回路を前記ビットラインに接続し、前記プリチャージ回路は前記負荷回路に並列に接続される、変換回路と、 前記変換回路からの前記電圧信号を受けるように構成される出力回路と、前記スイッチングトランジスタのゲートに接続される出力を有するビット電位制御回路であって、前記ビット電位制御回路は、第1電源線に接続された電源端子、第1端子、及び第2端子を有すると共に前記第1端子から前記第2端子への向きに電流をミラーする第1電流ミラー回路、基準電圧を受けるゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第1端子に接続された第1入力トランジスタ、並びに前記ビットラインに接続されたゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第2端子に接続された第2入力トランジスタを有する、ビット電位制御回路と、を備え、前記ビット電位制御回路は、前記第1電流ミラー回路の前記第1端子と前記第1入力トランジスタとの間に接続された第1制御トランジスタ、前記第1入力トランジスタと前記第1制御トランジスタとの共有ノードと前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続された第2制御トランジスタ、及び 前記共有ノードと前記第1電源線との間に接続されたキャパシタ、を更に含み、前記ビット電位制御回路の前記出力は、前記第1電流ミラー回路の前記第2端子からの信号を受け、前記第1制御トランジスタのゲートは、第1アクティブ信号を受けると共に、前記第2制御トランジスタのゲートは、前記第1アクティブ信号の反転信号を受け、前記プリチャージ回路は、前記第1アクティブ信号と異なる第2アクティブ信号によって規定された期間にプリチャージ動作を行い、前記出力回路は、前記第2アクティブ信号に応答して、前記プリチャージ動作の後に活性化される。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、スタンバイ状態から復帰する際のセンスアンプ回路の動作速度を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る半導体メモリ回路を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る半導体メモリ回路のセンスアンプ回路の主要部を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る半導体メモリ回路の出力回路の主要部を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る半導体メモリ回路の主要ノードのための制御回路の出力波形を示す図面である。
【
図5】
図5は、スタートアップ回路を含まないセンスアンプ回路の回路図を示す。
【
図6】
図6は、
図5のセンスアンプ回路の動作波形を示す図面である。
【
図7】
図7は、
図5のセンスアンプ回路及び実施例に係るセンスアンプ回路の回路シミュレーションの波形を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。引き続く説明において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して複写的な説明を省略する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る半導体メモリ回路を示すブロック図である。
【0011】
図1を参照すると、半導体メモリ回路11は、メモリアレイ13、ビットラインセレクタ15、列デコーダ回路17、行デコーダ回路19、及びセンスアンプ回路21を含む。
【0012】
メモリアレイ13は、一次元又は二次元に配列されたメモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)を含む。メモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)は、例えばn型トランジスタを含むことができる。メモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)のドレインは、それぞれのビットライン(SBL0、SBL1)に接続される。メモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)のソースは、共通のソースライン(SL0)に接続される。メモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)のゲートは、それぞれのワードライン(WL0、WL1)に接続される。
【0013】
ビットラインセレクタ15は、センスアンプ回路21に接続されるべきビットライン(SBL0又はSBL1)を選択する。ビットラインセレクタ15は、ビットライン(SBL0、SBL1)毎に設けられたセレクタトランジスタ(NS0、NS1)を含む。本実施例では、メモリセル(MC0、MC2)が、ビットライン(SBL0)に接続される。ビットライン(SBL0)は、セレクタトランジスタ(NS0)を介してセンスアンプ回路21に接続される。また、メモリセル(MC1、MC3)がビットライン(SBL1)に接続される。ビットライン(SBL1)は、セレクタトランジスタ(NS1)を介してセンスアンプ回路21に接続される。さらに、メモリセル(MC0、MC1)が、ワードライン(WL0)に接続される。メモリセル(MC2、MC3)が、ワードライン(WL1)に接続される。
【0014】
列デコーダ回路17及び行デコーダ回路19は、それぞれ、読み出されるべきメモリセルを示すアドレス線20から列アドレスSADY及び行アドレスSADXを受ける。
【0015】
列デコーダ回路17は、列アドレスSADYに応答して、セレクタライン(Y0、Y1)の1つを駆動する。この駆動によって、単一のセンスアンプ回路21に接続されたビットラインセレクタ15内のセレクタトランジスタ(NS0又はNS1)の1つが選択されて、セレクタトランジスタ(NS0又はNS1)を導通させる。導通したセレクタトランジスタ(例えばNS0)は、ビットライン(例えばSBL0)をセンスアンプ回路21に接続する。列アドレスSADYがn本であるとき、ビットラインセレクタ15は、セレクタトランジスタを用いて2n本のビットラインのうち1つをセンスアンプ回路21に接続する。センスアンプ回路21は、ビットラインセレクタ15からのライン(BL)に接続される。引き続く説明では、ライン(BL)をビットラインとして参照する。
【0016】
また、行デコーダ回路19は、行アドレスSADXに応答して、ワードライン(WL0又はWL1)のいずれか1本を選択する。メモリセル(MC0、MC1、MC2、MC3)の各々は、ワードライン(WL0又はWL1)が選択された際に電流を流すこと又は電流を流さないことに対応する記憶状態を有する。一般には、ワードライン(WL0又はWL1)は、選択の際に高電位信号によって駆動される。
【0017】
高電位信号をゲートに受けるメモリトランジスタ10が電流を流すと、その電流はビットライン(BL)に流れてビットライン(BL)の電位を変化させる。ビットライン(BL)の電位変化は、選択されたセレクタトランジスタを介してセンスアンプ回路21に伝わる。この電位変化に応答して、センスアンプ回路21に電流が流れる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る半導体メモリ回路のセンスアンプ回路の主要部を示すブロック図である。
図3は、本実施形態に係る半導体メモリ回路の出力回路の主要部を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係るセンスアンプ回路のための制御回路の出力波形を示す図面である。
【0019】
引き続く説明において、例示的なセンスアンプ回路21を説明する。例示的なセンスアンプ回路21は、相補型MOSトランジスタを用いて構成される。MOSトランジスタのゲート、ドレイン及びソースは、それぞれ、「G」、「D」及び「S」の符号によって参照される。
【0020】
図4において、第1アクティブ信号(SENSE1)は、読出期間TCYCの前半において活性化され、読出期間TCYCの後半において非活性化される。また、第2アクティブ信号(SENSE2)は、時間順に、AMPOFF1期間、AMPON期間及びAMPOFF2期間を有する。「WL0」、「WL1」、「Y0」及び「Y1」は、
図1に示されるデコーダ回路の出力を示す。ビットライン(BL)が、p型トランジスタPM4及びn型トランジスタNM5を介してプリチャージされる。
【0021】
第2アクティブ信号(SENSE2)のAMPOFF1期間及びAMPON期間は、第1アクティブ信号(SENSE1)の活性化期間に位置し、AMPOFF2期間は、非活性化期間内の残りの期間内の読出期間TCYCの残りの期間に位置する。
【0022】
図2を参照すると、センスアンプ回路21は、変換回路23、出力回路25、及びビット電位制御回路27を備える。センスアンプ回路21は、制御回路30からの第1アクティブ信号(
図4のSENSE1)に応答して、アクティブ状態及び非アクティブ状態の何れかに設定される。
【0023】
変換回路23は、負荷回路31及びスイッチングトランジスタ33を含む。変換回路23は、メモリトランジスタ10に接続されたビットライン(BL)に流れる電流IBの値を電圧信号SVに変換するように構成される。スイッチングトランジスタ33は、電流IBに応答して負荷回路31をビットライン(BL)に接続する。変換回路23は、プリチャージ回路24を更に含み、プリチャージ回路24は、負荷回路31に並列に第1電源線VDDとスイッチングトランジスタ33との間に接続される。プリチャージ回路24は、第2アクティブ信号(
図4のSENSE2)に応答して、スイッチングトランジスタ33を第1電源線VDDに接続する。プリチャージ回路24は、スイッチングトランジスタ33が導通すると、ビットライン(BL)にプリチャージ電流を供給する。また、変換回路23の出力信号(電圧信号SV)に第1電源線VDDの電圧レベルを与える。この電圧レベルは、引き続く説明から理解されるように、出力回路25を非活性化することに役立つので、プリチャージ回路24は第1スイッチ回路(24)として動作する。このプリチャージ回路24は、第2アクティブ信号(SENSE2)によって規定された期間にプリチャージ動作を行う。出力回路25は、第2アクティブ信号(SENSE2)に応答して、プリチャージ動作の後に活性化される。
【0024】
出力回路25は、変換回路23からの電圧信号SVを受けると共にメモリトランジスタ10の記憶内容を示す出力信号DOUTを生成するように構成される。ビット電位制御回路27は、スイッチングトランジスタ33のゲート(G)に接続される出力27b、及びビットライン(BL)に接続された入力27cを有する。ビット電位制御回路27は、ビットライン(BL)の電位の変化に応答して、スイッチングトランジスタ33のゲート(G)を制御する。具体的には、ビットライン(BL)の電位が、メモリトランジスタ10の導通に応答して変化すると、ビット電位制御回路27の入力27cに伝わって、ビット電位制御回路27は、出力27bを介してスイッチングトランジスタ33を導通させる。
【0025】
ビット電位制御回路27は、第1入力トランジスタ35及び第2入力トランジスタ37を有する。第1入力トランジスタ35は、基準電圧CDVを受けるゲート(G)を有する。第2入力トランジスタ37は、ビットライン(BL)に接続されたゲート(G)を有する。
【0026】
ビット電位制御回路27は、第1入力トランジスタ35に流れる電流と第2入力トランジスタ37に流れる電流とを関連付ける第1電流ミラー回路39を含む。第1電流ミラー回路39は、第1電源線VDDに接続された電源端子39b、第1端子39c、及び第2端子39dを有する。第1電流ミラー回路39は、第1端子39cから第2端子39dへの向きに電流をミラーする。第1電流ミラー回路39の第1端子39cは、第1入力トランジスタ35に流れる電流を流す。第1電流ミラー回路39の第2端子39dは、第2入力トランジスタ37に流れる電流を流す。
【0027】
ビット電位制御回路27は、スイッチングトランジスタ33が導通している際に、ビットライン(BL)の電位を基準電圧CDVに関連付けることができる。
【0028】
ビット電位制御回路27は、第1制御トランジスタ41、第2制御トランジスタ43、及びキャパシタ45を更に含む。第1制御トランジスタ41は、第1電流ミラー回路39の第1端子39cと第1入力トランジスタ35との間に接続される。第2制御トランジスタ43は、第1入力トランジスタ35と第1制御トランジスタ41との共有ノードSN1と第2電源線VSSとの間に接続される。第2電源線VSSは、第1電源線VDDと異なる電位にある。キャパシタ45は、共有ノードSN1と第1電源線VDDとの間に接続される。第1制御トランジスタ41のゲート(D)は、第1アクティブ信号(SENSE1)を受けると共に、第2制御トランジスタ43のゲート(G)は、インバータINV7を介して第1アクティブ信号(SENSE1)の反転信号を受ける。
【0029】
ビット電位制御回路27の出力27bは、第1電流ミラー回路39の第2端子39dに接続される。具体的には、ビット電位制御回路27の出力27bは、スイッチングトランジスタ33のゲート(G)に接続される。
【0030】
このセンスアンプ回路21によれば、ビット電位制御回路27は、消費電流を低減するために非アクティブ状態において第1電流ミラー回路39の第1端子39cに電流を流さない。ビット電位制御回路27が非アクティブ状態からアクティブ状態に復帰する際に、ビット電位制御回路27内のノードをアクティブ状態の電位を速やかに復帰させることが望まれる。
【0031】
速やかな復帰は、ビット電位制御回路27に、第1制御トランジスタ41、第2制御トランジスタ43、及びキャパシタ45を追加することによって可能になる。具体的には、第1制御トランジスタ41は、第1電流ミラー回路39の第1端子39cと第1入力トランジスタ35との間に接続される。第2制御トランジスタ43は、第1入力トランジスタ35と第1制御トランジスタ41との共有ノードSN1と第2電源線VSSとの間に接続される。また、キャパシタ45の一端が、共有ノードSN1に接続されると共に、キャパシタ45の他端が第1電源線VDDに接続される。
【0032】
非アクティブ状態において、第1制御トランジスタ41は、第1電流ミラー回路39の第1端子39cを共有ノードSN1から切り離すと共に、第2制御トランジスタ43は、共有ノードSN1を第2電源線VSSに接続する。この結果、キャパシタ45の一端は、第2制御トランジスタ43を介して第2電源線VSSの電位になった共有ノードSN1に接続され、キャパシタ45の他端は、第1電源線VDDに接続される。これによって、キャパシタ45は、電荷を蓄積する。
【0033】
アクティブ状態において、第2制御トランジスタ43は、共有ノードSN1を第2電源線VSSから切り離すと共に、第1制御トランジスタ41は、第1電流ミラー回路39の第1端子39cを共有ノードSN1に接続する。アクティブ状態になった直後には、第1電流ミラー回路39の第1端子39cは、共有ノードSN1に接続されて、キャパシタ45の端子電圧である第2電源線VSSの電位を受けて、第1電流ミラー回路39は、第1端子39cに電流を流す。第1電流ミラー回路39のミラー電流は、第2端子39dに流れて、スイッチングトランジスタ33のゲート(G)の電位をアクティブ状態への速やかな復帰のために変化させる。
【0034】
ビット電位制御回路27は、ビットライン(BL)の電位を第2入力トランジスタ37のゲート(G)に受けると共に、ビットライン(BL)の電位は、第1入力トランジスタ37に与えられる基準電圧CDVと比較される。ビットライン(BL)に電流が流れると、ビットライン(BL)の電位は変化する。この電位変化は、第2入力トランジスタ37のゲート(G)に与えられる。ビット電位制御回路27は、ビットライン(BL)の電位を基準電圧CDVと比較して、スイッチングトランジスタ33のゲート(G)を制御する。ビットライン(BL)に電流が流れると、スイッチングトランジスタ33は導通になる。
【0035】
また、ビットライン(BL)に電流が流れなくなっても、ビットライン(BL)の電位は変化する。導通するスイッチングトランジスタ33に流れる電流は、スイッチングトランジスタ33のソース(S)の電位を変化させる。ビットライン(BL)の電位変化は、第2入力トランジスタ37のゲート(G)に与えられる。ビット電位制御回路27は、ビットライン(BL)の電位を基準電圧CDVと比較して、スイッチングトランジスタ33を非導通する。ビットライン(BL)に電流が流れなくなると、スイッチングトランジスタ33は非導通になる。
【0036】
具体的には、ビット電位制御回路27では、第1トランジスタ51及び第2トランジスタ53を含む。第1トランジスタ51は、第1電流ミラー回路39の第1端子39cに接続されたゲート(G)及びドレイン(D)を有する。第2トランジスタ53は、第1トランジスタ51のゲート(G)からの信号(CLPMREF)に応答して動作するように構成される。
【0037】
ビット電位制御回路27は、第3制御トランジスタ47を更に含み、第3制御トランジスタ47は、第1電源線VDDと第1電流ミラー回路39の第1端子39cとの間に接続される。第3制御トランジスタ47のゲート(G)は、第1アクティブ信号(SENSE1)を受ける。
【0038】
このセンスアンプ回路21によれば、第3制御トランジスタ47は、非アクティブ状態において、第1電流ミラー回路39の第1トランジスタ51のゲート(G)を制御して、第1電流ミラー回路39の第1端子39cに電流を流さないことを確実にする。この制御は、第1電流ミラー回路39の第2トランジスタ53に伝搬して、ミラー電流が第2端子39dに流れない。
【0039】
ビット電位制御回路27は、第4制御トランジスタ49を更に含み、第4制御トランジスタ49は、第2電源線VSSと第1電流ミラー回路39の第2端子39dとの間に接続される。第4制御トランジスタ49のゲート(G)は、インバータINV7を介して第1アクティブ信号(SENSE1)の反転信号を受ける、
【0040】
このセンスアンプ回路21によれば、スタンバイ状態において、スイッチングトランジスタ33は、ビットライン(BL)の電位に関係なく、第4制御トランジスタ49を用いて非導通にされる。
【0041】
変換回路23では、負荷回路31は、本実施例では、負荷トランジスタ55を含み、負荷トランジスタ55は、スイッチングトランジスタ33を介してビットライン(BL)に接続されるゲート(G)及びドレイン(D)を有する。
【0042】
変換回路23では、プリチャージ回路24は、スイッチトランジスタ56を含み、スイッチトランジスタ56は、スイッチングトランジスタ33を介してビットライン(BL)に接続されるドレイン(D)を有する。スイッチトランジスタ56は、ビットライン(BL)のプリチャージに利用される。スイッチトランジスタ56は、第2アクティブ信号(SENSE2)のAMPOFF1期間に応答してプリチャージ回路として動作する。
【0043】
図3を参照すると、出力回路25は、判定回路61を含む。判定回路61は、参照レベル電圧(SENREF)及び電圧信号SVに基づいて、メモリトランジスタ10の記憶内容を判定するように構成される。参照レベル電圧(SENREF)は、メモリトランジスタ10の記憶内容を判定するように規定される。電圧信号SVは、負荷トランジスタ55のゲート(G)から提供される。
【0044】
このセンスアンプ回路21によれば、出力回路25は、参照レベル電圧(SENREF)を用いてメモリトランジスタ10の記憶内容を判定するように構成される。
【0045】
判定回路61は、第3トランジスタ63を含むことができる。第3トランジスタ63は、ゲート(G)に負荷トランジスタ55のゲート(G)からの電圧信号SVを受ける。第3トランジスタ63は、負荷トランジスタ55に流れる電流に応答した電流を流す。負荷トランジスタ55及び第3トランジスタ63は、負荷トランジスタ55から第3トランジスタ63への向きに電流をミラーする第2電流ミラー回路65を構成する。
【0046】
判定回路61は、参照トランジスタ67を含むことができる。参照トランジスタ67は、参照レベル電圧(SENREF)を受けるゲート(G)を有する。また、判定回路61は、第3電流ミラー回路69を含み、第3電流ミラー回路69は、第3トランジスタ63に流れる電流を流す第1端子69b及び参照トランジスタ67に流れる電流を流す第2端子69cを有すると共に、第1端子69bから第2端子69cへの向きに電流をミラーする。
【0047】
このセンスアンプ回路21によれば、メモリトランジスタ10に流れる電流は、参照レベル電圧(SENREF)を受ける参照トランジスタ67によって規定される電流と比較されて、出力回路25は、参照レベル電圧(SENREF)を用いて記憶内容を判定することができる。
【0048】
出力回路25の第3電流ミラー回路69は、第4トランジスタ71及び第5トランジスタ73を含むことができ、第4トランジスタ71から第5トランジスタ73への向きに電流をミラーする。具体的には、第4トランジスタ71は、第3トランジスタ63に流れる電流を流し、第5トランジスタ73は、第4トランジスタ71に流れる電流からのミラー電流を流す。
【0049】
このセンスアンプ回路21によれば、メモリトランジスタ10に流れる電流は、2段の電流ミラー回路(65、69)によって電流増幅される。
【0050】
参照トランジスタ67は、スイッチングトランジスタ33の導電型と異なる導電型を有し、参照トランジスタ67は、出力回路25の出力と第1電源線VDDとの間に接続される。
【0051】
半導体メモリ回路11は、基準電圧CDVを生成するように構成された第1基準電位生成回路75を更に備えることができる。
【0052】
半導体メモリ回路11は、参照レベル電圧(SENREF)を生成するように構成された第2基準電位生成回路76を更に備えることができる。
【0053】
半導体メモリ回路11は、出力回路25の出力に接続されたラッチ回路77を更に含み、ラッチ回路77は、第2アクティブ信号(SENSE2)に応答して、判定回路61の出力からの信号をラッチする。
【0054】
出力回路25の入力には、第1スイッチ回路(24)として動作可能なプリチャージ回路24が接続されている。第1スイッチ回路(24)は、第2アクティブ信号(SENSE2)に応答して、第2電流ミラー回路69に流れる電流を遮断するように構成される。
【0055】
出力回路25は、第2スイッチ回路83を更に含み、第2スイッチ回路83は、第2アクティブ信号(SENSE2)の反転信号に応答して、第3電流ミラー回路69に流れる電流を遮断するように構成される。
【0056】
出力回路25は、第3スイッチ回路85を更に含み、第3スイッチ回路85は、出力回路25の出力(N3)に第1電源線VDDの電位を提供する。
【0057】
引き続き、
図2及び
図3を参照しながら、センスアンプ回路21におけるトランジスタの接続を説明する。例示的なセンスアンプ回路21は、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタを用いて構成される。記載の簡略のために、p型MOSトランジスタ及びn型MOSトランジスタは、それぞれ、p型トランジスタ及びn型トランジスタとして記載される。既に説明したように、メモリトランジスタ10は、n導電性のトランジスタ構造を含む。
【0058】
センスアンプ回路21では、変換回路23は、メモリトランジスタ10からの電流を電圧信号に変換する。変換回路23ではn型トランジスタNM1及びp型トランジスタPM1を含む。n型トランジスタNM1のソース(S)は、ビットライン(BL)に接続され、n型トランジスタNM1のドレイン(D)は、p型トランジスタPM1のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。p型トランジスタPM1のソースは、第1電源線VDDに接続される。
【0059】
ビット電位制御回路27では、n型トランジスタNM0のゲート(G)は、ビットライン(BL)に接続され、n型トランジスタNM0のソース(S)は、第2電源線VSSに接続される。n型トランジスタNM0のドレイン(D)は、p型トランジスタPM0のドレイン(D)に接続される。n型トランジスタNM0のドレイン(D)及びp型トランジスタPM0のドレイン(D)は、変換回路23内のn型トランジスタNM1のゲート(G)に接続される。
【0060】
n型トランジスタNM4のゲート(G)は、基準電圧CDVを生成する基準電圧生成回路75に接続され、n型トランジスタNM4のソース(S)は、第2電源線VSSに接続される。n型トランジスタNM4のドレイン(D)は、n型トランジスタNM5のソース(S)に接続される。n型トランジスタNM5のゲート(G)は、制御回路30に接続される。n型トランジスタNM5のドレイン(D)は、p型トランジスタPM7のドレイン(D)及びゲート(G)に接続される、p型トランジスタPM7のドレイン(D)及びゲート(G)は、p型トランジスタPM0のゲート(G)に接続される。p型トランジスタPM7及びp型トランジスタPM0のソース(S)は、第1電源線VDDに接続される。
【0061】
p型トランジスタPM4のドレイン(D)は、p型トランジスタPM7のドレイン(D)及びゲート(G)並びにp型トランジスタPM0のゲート(G)に接続される。p型トランジスタPM4のソース(S)は、第1電源線VDDに接続される。p型トランジスタPM4のゲート(G)は、制御回路30に接続される。
【0062】
n型トランジスタNM8のドレイン(D)は、n型トランジスタNM5のソース(S)及びにn型トランジスタNM4のドレイン(D)接続される。制御回路30は、インバータINV7を介してn型トランジスタNM8のゲート(D)に接続される。n型トランジスタNM6のドレイン(D)は、n型トランジスタNM0のドレイン(D)及びp型トランジスタPM0のドレイン(D)に接続される。n型トランジスタNM6及びn型トランジスタNM8のソース(S)は、第2電源線VSSに接続される。制御回路30は、インバータINV7を介してn型トランジスタNM6のゲート(G)に接続される。
【0063】
出力回路25では、p型トランジスタPM2のゲート(G)は、p型トランジスタPM1のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。p型トランジスタPM2のドレイン(D)は、n型トランジスタNM2のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。n型トランジスタNM2のゲート(G)及びドレイン(D)は、n型トランジスタNM3のゲート(G)に接続される。n型トランジスタNM3のドレイン(D)は、p型トランジスタPM3のドレイン(D)に接続される。p型トランジスタPM2及びp型トランジスタPM3のソース(S)は、第1電源線VDDに接続される。n型トランジスタNM2及びn型トランジスタNM3のソース(S)は、第2電源線VSSに接続される。
【0064】
p型トランジスタPM5のドレイン(D)は、p型トランジスタPM2のゲート(G)、並びにp型トランジスタPM1のゲート(G)及びドレイン(D)に接続される。p型トランジスタPM5のゲート(G)は、制御回路30(
図2)に接続される。p型トランジスタPM5のソース(S)は、第1電源線VDDに接続される。n型トランジスタNM7のドレイン(D)は、n型トランジスタNM2のゲート(G)及びドレイン(D)並びにn型トランジスタNM3のゲート(G)に接続される。n型トランジスタNM7のゲート(G)は、インバータINV0を介して制御回路30(
図2)に接続される。
【0065】
p型トランジスタPM6のドレイン(D)は、n型トランジスタNM3及びp型トランジスタPM3のドレイン(D)に接続される。p型トランジスタPM5のゲート(G)は、制御回路30(
図2)に接続される。p型トランジスタPM6のソース(S)は、第1電源線VDDに接続される。
【0066】
図2、
図3及び
図4を参照しながら、センスアンプ回路21の動作を説明する。センスアンプ回路21は、基本クロックREBの読出期間TCYCに従って動作する。第1アクティブ信号(SENSE1)は、読み出し完了までの期間にセンスアンプ回路21を活性化する。第2アクティブ信号(SENSE2)は、ビット電位制御回路27の起動及びビットライン(BL)のプリチャージの際に利用される。
【0067】
センスアンプ回路21では、ビット電位制御回路27は、AMPOFF1期間にローレベル信号(以下、“L”)を受けており、スタンバイモードにある。ビット電位制御回路27は、制御回路30から第1アクティブ信号(SENSE1)のハイレベル信号(以下、“H”)を受けると、AMPON期間にアクティブモードになる。アクティブモードの定常状態では、n型トランジスタNM0に流れる電流が基準電圧CDVに応じた電流と比較されて、ビット電位制御回路27の出力27b(ノードN0)の電位が定まる。
【0068】
ビット電位制御回路27のアクティブ状態の前半期間では、ビット電位制御回路27が活性化されている一方で、出力回路25は、第2アクティブ信号(SENSE2)に応答してp型トランジスタPM5、PM6及びn型トランジスタNM7の動作により不活性の状態である。しかしながら、この期間に、ビットライン(BL)が、変換回路23のn型トランジスタNM1及びp型トランジスタPM5を介して充電される。充電電流は、第2アクティブ信号(SENSE2)を受けるp型トランジスタPM5によって供給される。ビットライン(BL)の電位は、ビット電位制御回路27の入力27cから帰還されて、ビットライン(BL)はある電位(例えば、基準電圧CDVに近い値)に制御される。
【0069】
ビット電位制御回路27は、具体的には以下のように動作する。電流ミラー回路39及びn型トランジスタNM1の動作により、n型トランジスタNM4のゲート(G)に受ける基準電圧CDVにビットライン(BL)の電位が近づく。また、ビットライン(BL)の電位に応じて、ノードN0の電位が変動する。ビット電位制御回路27は、n型トランジスタNM1を用いてビットライン(BL)の電位を制御する。
【0070】
図4を参照すると、読出期間TCYC中に、第2アクティブ信号(SENSE2)の波形がレベル“L”から、順にレベル“H”及びレベル“L”に変化する。この変化に応答して、ビット電位制御回路27は、読出期間TCYCの開始時点でスタンバイモードからアクティブモードへ変化すると共に、読出期間TCYCの終わりに再びスタンバイモードへ変化する。
【0071】
スタンバイモードでは、ノードN0及びノードN4はともにレベル“L”であり、ノードCLMPREFはレベル“H”である。
【0072】
アクティブモードの開始に応答して、ノードN0及びノードN4の電位はレベル“L”から上昇して、ビット電位制御回路27は、ビットライン(BL)の電位を基準電圧CDVに近づけるように動作する。
【0073】
スタンバイモードでは、キャパシタCAP0の端子間電圧は第1電源線VDDと第2電源線VSSとの電位差に等しいので、キャパシタCAP0はフルの電荷を蓄えている。アクティブモードの開始の時点で、キャパシタCAP0は、ノードN4においてレベル“L”を維持している。また、ノードCLMPREFの電位は、レベル“H”から下降し始める。ノードCLMPREFの電位は、キャパシタCAP0による共有ノードSN1のレベル “L”に応答して、急激に下がる。この低下に応答して、p型トランジスタPM7は、定常状態より多くの電流を一時的に流して、共有ノードSN1の電位は急峻に上昇する。
【0074】
p型トランジスタPM0も、定常状態より多くの電流を一時的に流して、ノードN0の電位も急峻に上昇する。
【0075】
図5は、スタートアップ回路を含まないセンスアンプ回路の回路図を示す。
図5のトランジスタは、
図2及び
図3のトランジスタと同じ符号によって参照されている。
図6は、
図5のセンスアンプ回路の制御信号の波形を示す図面である。
【0076】
図5のセンスアンプ回路の動作を説明する。
図6を参照すると、読出期間TCYCが開始されると、第1アクティブ信号(SENSE1)が活性化されて、ノードN0が定常状態の電位に向けて変化する。AMPOFF1期間に、n型トランジスタNM1のゲートの電位が上昇して、n型トランジスタNM1が導通する。
【0077】
次いで、AMPON期間に、
図5のセンスアンプ回路の全体が活性化される。メモリトランジスタ(10)の記憶内容が読み出される。
【0078】
図5のセンスアンプ回路は、メモリトランジスタ(10)の記憶内容の読み出しが完了する期間を経過すると、後半のAMPOFF2期間に入って消費電流の低減に寄与する。
【0079】
図7は、
図5のセンスアンプ回路及び実施例に係るセンスアンプ回路の回路シミュレーションの波形を示す。
【0080】
センスアンプ回路21の動作では、第1アクティブ信号(SENSE1)の活性化に応答して、ノードCLMPREFが急峻にノードN4の電位に向けて変化する。ノードCLMPREFの変化に応答して、p型トランジスタPM0に電流が流れて、ノードN0を大きく変化させる。ノードN0の変化に応答して、n型トランジスタNM1が導通して、ビットライン(BL)が、p型トランジスタPM5及びn型トランジスタNM1を介して、プリチャージされる。ビットライン(BL)の電位の上昇に応答して、n型トランジスタNM0が導通して、ノードN0を定常状態へ向けて変化させる。
【0081】
図7の波形は、本実施例に係るセンスアンプ回路21は、ビットライン(BL)のプリチャージの高速化及びノードN0の定常状態への遷移時間の短縮を示す。AMPOFF期間においてビットライン(BL)のプリチャージを行う際に、波形のオーバーシュートを防いている。
【0082】
本実形態によれば、スタンバイ状態から復帰する際のセンスアンプ回路の動作速度を改善できる。また、本実形態によれば、半導体記憶素子の読み出し動作において、高速読み出しに必要なビットラインのプリチャージを高速化する回路及び方法を提供できる。
【0083】
いくつかの実施形態は、様々な側面を有する。
【0084】
本実施形態に係る第1側面のセンスアンプ回路は、メモリセルに接続されたビットラインに流れる電流の値を電圧信号に変換するように構成されると共に、負荷回路、スイッチングトランジスタ及びプリチャージ回路を含む変換回路であって、前記スイッチングトランジスタは、前記電流に応答して前記負荷回路を前記ビットラインに接続し、前記プリチャージ回路は前記負荷回路に並列に接続される、変換回路と、前記変換回路からの前記電圧信号を受けるように構成される出力回路と、前記スイッチングトランジスタのゲートに接続される出力を有するビット電位制御回路であって、前記ビット電位制御回路は、第1電源線に接続された電源端子、第1端子、及び第2端子を有すると共に前記第1端子から前記第2端子への向きに電流をミラーする第1電流ミラー回路、基準電圧を受けるゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第1端子に接続された第1入力トランジスタ、並びに前記ビットラインに接続されたゲートを有すると共に前記第1電流ミラー回路の前記第2端子に接続された第2入力トランジスタを有する、ビット電位制御回路と、を備え、前記ビット電位制御回路は、前記第1電流ミラー回路の前記第1端子と前記第1入力トランジスタとの間に接続された第1制御トランジスタ、前記第1入力トランジスタと前記第1制御トランジスタとの共有ノードと前記第1電源線と異なる第2電源線との間に接続された第2制御トランジスタ、及び前記共有ノードと前記第1電源線との間に接続されたキャパシタ、を更に含み、前記ビット電位制御回路の前記出力は、前記第1電流ミラー回路の前記第2端子からの信号を受け、前記第1制御トランジスタのゲートは、第1アクティブ信号を受けると共に、前記第2制御トランジスタのゲートは、前記第1アクティブ信号の反転信号を受け、前記プリチャージ回路は、前記第1アクティブ信号と異なる第2アクティブ信号によって規定された期間にプリチャージ動作を行い、前記出力回路は、前記第2アクティブ信号に応答して、前記プリチャージ動作の後に活性化される。
【0085】
第1側面に従う第2側面のセンスアンプ回路では、前記第1電流ミラー回路は、前記第1電流ミラー回路の前記第1端子に接続されたゲート及びドレインを有する第1トランジスタと、前記第1トランジスタの前記ゲートからの信号に応答して動作するように構成される第2トランジスタと、を含み、前記ビット電位制御回路は、前記第1電源線と前記第1電流ミラー回路の前記第1端子との間に接続される第3制御トランジスタを更に含み、前記第3制御トランジスタのゲートは、前記第1アクティブ信号を受けることができる。
【0086】
第1側面又は第2側面に従う第3側面のセンスアンプ回路では、前記ビット電位制御回路は、前記第2電源線と前記第1電流ミラー回路の前記第2端子との間に接続される第4制御トランジスタを更に含み、前記第4制御トランジスタのゲートは、前記反転信号を受けることができる。
【0087】
第1側面から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のセンスアンプ回路では、前記負荷回路は、前記スイッチングトランジスタを介して前記ビットラインに接続されるゲート及びドレインを有する負荷トランジスタを含み、前記出力回路は、前記メモリセルの記憶内容を判定するように規定される参照レベル電圧と、前記負荷トランジスタの前記ゲートからの電圧信号とに基づいて、前記メモリセルの記憶内容を判定するように構成される判定回路を含むことができる。
【0088】
第4側面に従う第5側面のセンスアンプ回路では、前記判定回路は、前記参照レベル電圧を受けるゲートを有する参照トランジスタと、前記負荷トランジスタの前記ゲートからの信号に応答した電流を流す第3トランジスタであっで、前記負荷トランジスタ及び前記第3トランジスタは、前記負荷トランジスタから前記第3トランジスタへの向きに電流をミラーする第2電流ミラー回路を構成する、第3トランジスタと、前記第3トランジスタに流れる電流を流す第1端子及び前記参照トランジスタに流れる電流を流す第2端子を有すると共に、前記第1端子から前記第2端子への向きに電流をミラーする第3電流ミラー回路と、を含むことができる。
【0089】
第5側面に従う第6側面のセンスアンプ回路では、前記出力回路の前記第3電流ミラー回路は、前記第3トランジスタに流れる電流を流す第4トランジスタと、前記第4トランジスタに流れる電流からのミラー電流を流す第5トランジスタとを含み、前記参照トランジスタは、前記スイッチングトランジスタの導電型と異なる導電型を有することができる。
【0090】
第6側面に従う第7側面のセンスアンプ回路では、前記参照トランジスタは前記判定回路の出力と前記第1電源線との間に接続され、前記出力回路は、前記第2アクティブ信号に応答して、前記出力回路の前記出力に前記第1電源線の電位を提供するスイッチ回路を更に含むことができる。
【0091】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
10・・・メモリトランジスタ、11・・・半導体メモリ回路、13・・・メモリアレイ、15・・・ビットラインセレクタ、17・・・列デコーダ回路、19・・・行デコーダ回路、20・・・アドレス線、21・・・センスアンプ回路、23・・・変換回路、24・・・プリチャージ回路、25・・・出力回路、27・・・ビット電位制御回路、27b・・・出力、27c・・・入力、30・・・制御回路、31・・・負荷回路、33・・・スイッチングトランジスタ、39・・・電流ミラー回路、39b・・・電源端子、39c・・・第1端子、39d・・・第2端子、41・・・第1制御トランジスタ、43・・・第2制御トランジスタ、45・・・キャパシタ、47・・・第3制御トランジスタ、49・・・第4制御トランジスタ、55・・・負荷トランジスタ、56・・・スイッチトランジスタ、61・・・判定回路、65・・・電流ミラー回路、67・・・参照トランジスタ、69・・・電流ミラー回路、69b・・・第1端子、69c・・・第2端子、75・・・第1基準電位生成回路、76・・・第2基準電位生成回路、77・・・ラッチ回路、CAP0・・・キャパシタ、CDV・・・基準電圧、CLMPREF・・・ノード、DOUT・・・出力信号、IB・・・電流。