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特開2024-127711光起電力カーテンウォール及び光起電力カーテンウォールの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127711
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】光起電力カーテンウォール及び光起電力カーテンウォールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20240912BHJP
   E04B 2/88 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L31/04 560
E04B2/88
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135940
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】202320509104.X
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202310246932.3
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202310254785.4
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522171073
【氏名又は名称】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】陶春華
(72)【発明者】
【氏名】方能
(72)【発明者】
【氏名】肖鵬軍
(72)【発明者】
【氏名】崔標
(72)【発明者】
【氏名】王娟
(72)【発明者】
【氏名】楊森
(72)【発明者】
【氏名】戴智剛
(72)【発明者】
【氏名】李波
【テーマコード(参考)】
2E002
5F251
【Fターム(参考)】
2E002NB02
2E002WA03
2E002XA01
5F251BA03
5F251BA16
5F251BA18
5F251JA03
5F251JA04
5F251JA05
5F251JA06
5F251JA08
5F251JA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】発電パワーの向上に役立つ光起電力カーテンウォール及び光起電力カーテンウォールの製造方法を提供する。
【解決手段】第1方向に沿って順次積層して設置された第1カバープレート101、セルストリング103及び第2カバープレート105と、封止フィルム1004であって、第2カバープレート105の厚さは等価厚さ以上であり、且つ、第1カバープレート101の厚さは第2カバープレート105の厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、第2カバープレート105の材料と同じであり、前記予め設定された条件は、予め設定された荷重で前記ターゲットカバープレートに発生した予め設定された曲げ変形量を含む。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って順次積層して設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、
封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆し、前記封止フィルムが、前記第1カバープレートと貼り合わせられる第1接着フィルムと、前記第2カバープレートと貼り合わせられる第2接着フィルムとを含む封止フィルムと、を備え、
ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量を発生させたターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、前記第2カバープレートの材料と同じである、
ことを特徴とする光起電力カーテンウォール。
【請求項2】
前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mmより大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項3】
前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mm~15mmである、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項4】
前記第1カバープレートの厚さは1mm~4mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項5】
前記セルストリングは、前記第1カバープレートに向かう第1表面と、前記第2カバープレートに向かう第2表面と、を備え、
前記第1方向において、前記第1カバープレートと前記第1表面との間隔は0.35mm~1.2mmであり、前記第2カバープレートと前記第2表面との間隔は0.75mm~3mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項6】
前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、
前記第2方向において、前記複数のサブセルストリングのうち、任意の2つの隣接するサブセルストリング間の間隔は3mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項7】
各前記サブセルストリングは、第3方向に沿って配列された複数の電池セルを含み、
前記第3方向において、前記複数の電池セルのうち、任意の2つの隣接する電池セル間の間隔は、-1.5mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項8】
前記電池セルは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項9】
前記電池セルは、間隔をあけて配列された複数のメイングリッドを含み、前記メイングリッドの数は2~20である、
ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項10】
前記第1カバープレートの前記封止フィルムから離れた表面に位置する第1機能性フィルムをさらに含み、
前記第1機能性フィルムは、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項11】
前記封止フィルムは、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に敷設される第3接着フィルムをさらに含み、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていない、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項12】
前記第3接着フィルムの幅は10mm以上であり、
前記光起電力カーテンウォールは、セルストリングの複数のサブセルストリングのうちのターゲットサブセルストリング間に位置する第4接着フィルムをさらに含み、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ、ここで、前記ターゲットサブセルストリングが前記複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリングである、
ことを特徴とする請求項11に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項13】
前記セルストリングは出力リード線を含み、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートには、前記出力リード線を引き出すための引き出し開口が開設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項14】
前記第1接着フィルムが前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆い、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きく、
前記第2接着フィルムが前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆い、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項15】
請求項1に記載の光起電力カーテンウォールを製造するための光起電力カーテンウォールの製造方法であって、
第1カバープレートを提供することと、
第1接着フィルムを提供し、前記第1接着フィルムと前記第1カバープレートを貼り合わせることと、
対向する第1表面と第2表面を備えるセルストリングを提供し、前記セルストリングの前記第1表面と前記第1接着フィルムの前記第1カバープレートから離れた表面を貼り合わせることと、
第2接着フィルムを提供し、前記第2接着フィルムと前記セルストリングの前記第2表面を貼り合わせることと、
第2カバープレートを提供し、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を貼り合わせ、かつ、第1カバープレート、第1接着フィルム、セルストリング、第2接着フィルム及び第2カバープレートに対して積層工程を行うことによって前記光起電力カーテンウォールを形成することと、を含む、
ことを特徴とする光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項16】
前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に第3接着フィルムを敷設し、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていないことをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項17】
前記第3接着フィルムの幅は10mm以上である、
ことを特徴とする請求項16に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項18】
前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、
ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルムを敷設し、且つ、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ、ここで、前記ターゲットサブセルストリングが前記複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリングであることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項19】
前記セルストリングは出力リード線を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートに前記出力リード線を引き出すための引き出し開口を開設することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項20】
前記第1接着フィルムを提供することは、前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第1接着フィルムを提供し、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きいことを含み、
前記第2接着フィルムを提供することは、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第2接着フィルムを提供し、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きいことを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、太陽電池の技術分野に関し、特に光起電力カーテンウォールの製造方法及び光起電力カーテンウォールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石エネルギーは大気汚染、限られていた埋蔵量という特徴があるが、太陽エネルギーはクリーンで、汚染がなく、資源が豊かであるなどの利点を持っている。このため、太陽エネルギーは徐々に化石エネルギーに代わる核心的なクリーンエネルギーになりつつあり、太陽電池が良好な光電変換効率を有するため、太陽電池はクリーンエネルギー利用の最も重要な一環となっている。
【0003】
二酸化炭素排出量を低減するために、光起電力建築一体化は建築の重要な省エネ方向になっており、現在の光起電力建築一体化は主にカーテンウォール、工業用および商業用屋根、建物の屋根に応用されている。その中で、光起電力カーテンウォールは光起電力建築一体化の応用方式の一つであり、つまり、従来のカーテンウォールに光起電力モジュールを有機的に組み合わせて、カーテンウォールに発電能力を持たせる。現在、よく使用されている方式は光起電力セルストリングを2層カバープレートの間に挟んでカーテンウォールモジュールを形成することである。
【0004】
しかしながら、従来の光起電力カーテンウォールは、光電変換効率が低くて、発電パワーが限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例には、少なくとも光起電力カーテンウォールの光電変換効率及び発電パワーの向上に役立つ光起電力カーテンウォール及び光起電力カーテンウォールの製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例には、光起電力カーテンウォールが提供され、この光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って順次積層して設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆し、前記封止フィルムが、前記第1カバープレートと貼り合わせられる第1接着フィルムと、前記第2カバープレートと貼り合わせられる第2接着フィルムとを含む封止フィルムと、を備え、ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、前記第2カバープレートの材料と同じであり、前記予め設定された条件は、予め設定された荷重で前記ターゲットカバープレートに発生した予め設定された曲げ変形量を含む。
【0007】
また、前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mmより大きい。
【0008】
また、前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mm~15mmである。
【0009】
また、前記第1カバープレートの厚さは1mm~4mmである。
【0010】
また、セルストリングは、前記第1カバープレートに向かう第1表面と、前記第2カバープレートに向かう第2表面と、を備え、前記第1方向において、前記第1カバープレートと前記第1表面との間隔は0.35mm~1.2mmであり、前記第2カバープレートと前記第2表面との間隔は0.75mm~3mmである。
【0011】
また、前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記第2方向において、前記複数のサブセルストリングのうち、任意の2つの隣接するサブセルストリング間の間隔は3mm~200mmである。
【0012】
また、前記サブセルストリングは、第3方向に沿って配列された複数の電池セルを含み、前記第3方向において、前記複数の電池セルのうち、任意の2つの隣接する電池セル間の間隔は、-1.5mm~200mmである。
【0013】
また、前記電池セルは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池を含む。
【0014】
また、前記電池セルは、間隔をあけて配列された複数のメイングリッドを含み、前記メイングリッドの数は2~20である。
【0015】
また、前記第1カバープレートの前記封止フィルムから離れた表面に位置する第1機能性フィルムをさらに含み、前記第1機能性フィルムは、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムを含む。
【0016】
また、前記封止フィルムは、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に敷設される第3接着フィルムをさらに含み、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていない。
【0017】
また、前記第3接着フィルムの幅は10mm以上であり、前記光起電力カーテンウォールは、ターゲットサブセルストリング間に位置する第4接着フィルムをさらに含み、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ、ここで、前記ターゲットサブセルストリングが前記複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリングである。
【0018】
また、前記セルストリングは出力リード線を含み、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートには、前記出力リード線を引き出すための引き出し開口が開設されている。
【0019】
また、前記第1接着フィルムが前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆い、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きく、前記第2接着フィルムが前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆い、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きい。
【0020】
本願の実施例には、上記の実施例の光起電力カーテンウォールを製造するための光起電力カーテンウォールの製造方法が提供され、この光起電力カーテンウォールの製造方法は、第1カバープレートを提供することと、第1接着フィルムを提供し、前記第1接着フィルムと前記第1カバープレートを貼り合わせることと、対向する第1表面と第2表面を備えるセルストリングを提供し、前記セルストリングの前記第1表面と前記第1接着フィルムの前記第1カバープレートから離れた表面を貼り合わせることと、第2接着フィルムを提供し、前記第2接着フィルムと前記セルストリングの前記第2表面を貼り合わせることと、第2カバープレートを提供し、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を貼り合わせ、かつ、第1カバープレート、第1接着フィルム、セルストリング、第2接着フィルム及び第2カバープレートに対して積層工程を行うことによって前記光起電力カーテンウォールを形成することと、を含み、ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、前記第2カバープレートの材料と同じであり、前記予め設定された条件は、予め設定された荷重で前記ターゲットカバープレートに発生した予め設定された曲げ変形量を含む。
【0021】
また、光起電力カーテンウォールを形成するステップは、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に第3接着フィルムを敷設し、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていないことをさらに含む。
【0022】
また、前記第3接着フィルムの幅は10mm以上である。
【0023】
また、前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルムを敷設し、且つ、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ、ここで、前記ターゲットサブセルストリングが前記複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリングであることをさらに含む。
【0024】
また、前記セルストリングは出力リード線を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートに前記出力リード線を引き出すための引き出し開口を開設することをさらに含む。
【0025】
また、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートは、前記セルストリングに近接する第3表面を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、第5接着フィルムを提供し、前記第3表面における開口エリアは、前記第5接着フィルムの前記第3表面における正投影内に位置することをさらに含む。
【0026】
また、前記第1接着フィルムを提供することは、前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第1接着フィルムを提供し、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きいことを含む。
【0027】
また、前記第2接着フィルムを提供することは、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第2接着フィルムを提供し、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きいことを含む。
【0028】
また、前記積層工程は、ラミネート機および/またはオートクレーブを用いて積層することを含む。
【0029】
また、前記セルストリングに少なくとも1つのバイパスダイオードを設けることをさらに含む。
【発明の効果】
【0030】
本願の実施例に提供された技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0031】
本願の実施例に提供された光起電力カーテンウォールの製造方法では、光起電力カーテンウォールを形成する過程において、第1カバープレート、第1接着フィルム、セルストリング、第2接着フィルム及び第2カバープレートを提供し、第1接着フィルムをそれぞれ第1カバープレート及びセルストリングと貼り合わせ、第2接着フィルムをそれぞれ第2カバープレート及びセルストリングと貼り合わせ、そして、積層工程によって光起電力カーテンウォールを形成する。第1カバープレートと第2カバープレートを提供する前に、まず、予め設定された荷重で発生する曲げ変形量を予め設定された曲げ変形量とし、且つ第2カバープレートと同じ材料のターゲットプレートが持つ厚さを等価厚さとし、次に、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートおよび厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレーを提供して光起電力カーテンウォールを製造する。第2カバープレートと同じ材料で、且つ予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量が発生したターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートを選択して、光起電力カーテンウォールの製造を行い、これによって、第2カバープレートが単独で光起電力カーテンウォールに対する強度要求を支えることができ、ひいては第1カバープレートを選択する時、厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレートを選択することができ、且つ選択された第1カバープレートの厚さをできるだけ小さくすることができ、第1カバープレートの光透過率を高め、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保した上で、セルストリングが受ける光エネルギーを増大させ、セルストリングに発生する光生成キャリアの数を増やし、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高める。
【図面の簡単な説明】
【0032】
一つ又は複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は比例上の制限を形成しない。
図1図1は、本願の一実施例により提供される光起電力カーテンウォールの製造方法のフローチャートである。
図2図2は、本願の一実施例により提供される光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図3図3は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図4図4は、本願の一実施例により提供される第3接着フィルムの平面構造を示す図である。
図5図5は、本願の一実施例により提供される第4接着フィルムの平面構造を示す図である。
図6図6は、本願の一実施例により提供される第3接着フィルムと第4接着フィルムを組み合わせた平面構造を示す図である。
図7図7は、本願の一実施例により提供される第4接着フィルムの平面構造を示す図である。
図8図8は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図9図9は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図10図10は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図11図11は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図12図12は、本願の別の実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの半製品の構成を示す図である。
図13図13は、本願の一実施例により提供されるセルストリングの構成を示す図である。
図14図14は、本願の一実施例により提供される別のセルストリングの構成を示す図である。
図15図15は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの構成を示す図である。
図16図16は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの構成を示す図である。
図17図17は、本願の一実施例により提供される別の光起電力カーテンウォールの構成を示す図である。
図18図18は、本願の一実施例により提供される引き出し開口の平面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
背景技術から分かるように、従来の光起電力カーテンウォールモジュールは光電変換効率が低く、発電量が限られている。
【0034】
本願の第1面によれば、本願の実施例には、光起電力カーテンウォールが提供され、この光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って積層して設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆する封止フィルムと、を備え、ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量を発生させたターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、前記第2カバープレートの材料と同じである。
【0035】
また、前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mmより大きい。
【0036】
また、前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mm~15mmである。
【0037】
また、前記第1カバープレートの厚さは1mm~4mmである。
【0038】
また、前記セルストリングは、前記第1カバープレートに向かう第1表面と、前記第2カバープレートに向かう第2表面と、を備え、前記第1方向において、前記第1カバープレートと前記第1表面との間隔は0.35mm~1.2mmであり、前記第2カバープレートと前記第2表面との間隔は0.75mm~3mmである。
【0039】
また、前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記第2方向において、前記複数のサブセルストリングのうち、任意の2つの隣接するサブセルストリング間の間隔は3mm~200mmである。
【0040】
また、光起電力カーテンウォールは、前記第1カバープレートの前記封止フィルムから離れた表面に位置する第1機能性フィルムをさらに含み、前記第1機能性フィルムは、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムを含む。
【0041】
また、各前記サブセルストリングは、第3方向に沿って配列された複数の電池セルを含み、前記第3方向において、前記複数の電池セルのうち、任意の2つの隣接する電池セル間の間隔は、-1.5mm~200mmである。
【0042】
また、前記電池セルは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池を含む。
【0043】
また、電池セルは、間隔をあけて配列された複数のメイングリッドを含み、前記メイングリッドの数は2~20である。
【0044】
本願の実施例に提供された技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0045】
本願の実施例に提供される光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って積層して設置された第1カバープレート、セルストリングと第2カバープレート、および第1カバープレートと第2カバープレートの間に位置する封止フィルムから構成される。第2カバープレートを選択する過程において、予め設定された荷重で発生する曲げ変形量を予め設定された曲げ変形量とし、且つ第2カバープレートと同じ材料のターゲットプレートが持つ厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートおよび厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレーを選択して光起電力カーテンウォールを形成する。第2カバープレートと同じ材料で、且つ予め設定された荷重での曲げ変形量が予め設定された曲げ変形量であるターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートを選択して、光起電力カーテンウォールの製造を行い、これによって、第2カバープレートが単独で光起電力カーテンウォールに対する強度要求を支えることができ、ひいては第1カバープレートを選択する時、厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレートを選択することができ、且つ選択された第1カバープレートの厚さをできるだけ小さくすることができ、第1カバープレートの光透過率を高め、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保した上で、セルストリングが受ける光エネルギーを増大させ、セルストリングに発生する光生成キャリアの数を増やし、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高める。
【0046】
本願の第2面によれば、本願の実施例には、光起電力カーテンウォールの製造方法が提供され、この光起電力カーテンウォールの製造方法は、第1カバープレートを提供することと、第1接着フィルムを提供し、前記第1接着フィルムと前記第1カバープレートを貼り合わせることと、対向する第1表面と第2表面を備えるセルストリングを提供し、前記セルストリングの前記第1表面と前記第1接着フィルムの前記第1カバープレートから離れた表面を貼り合わせることと、第2接着フィルムを提供し、前記第2接着フィルムと前記セルストリングの前記第2表面を貼り合わせることと、第2カバープレートを提供し、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を貼り合わせ、かつ積層工程によって光起電力カーテンウォールを形成することと、を含み、ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量を発生させたターゲットカバープレートの持った厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は、前記第2カバープレートの材料と同じである。
【0047】
また、前記光起電力カーテンを形成するステップは、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に第3接着フィルムを敷設し、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていないことをさらに含む。
【0048】
また、前記第3接着フィルムの幅は10mm以上である。
【0049】
また、前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルムを敷設し、且つ、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ、ここで、前記ターゲットサブセルストリングが複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリングであることをさらに含む。
【0050】
また、前記セルストリングは出力リード線を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートに前記出力リード線を引き出すための引き出し開口を開設することをさらに含む。
【0051】
また、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートは、前記セルストリングに近接する第3表面を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、第5接着フィルムを提供し、前記第3表面における開口エリアは、前記第5接着フィルムの前記第3表面における正投影内に位置することをさらに含む。
【0052】
また、前記第1接着フィルムを提供することは、前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第1接着フィルムを提供し、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きいことを含む。
【0053】
また、前記第2接着フィルムを提供することは、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第2接着フィルムを提供し、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きいことを含む。
【0054】
また、前記積層工程は、ラミネート機および/またはオートクレーブを用いて積層することを含む。
【0055】
また、前記セルストリングに少なくとも1つのバイパスダイオードを設けることをさらに含む。
【0056】
第3面によれば、本願の実施例には、上記の第2面の光起電力カーテンウォールの製造方法を用いて形成された光起電力カーテンウォールが提供され、この光起電力カーテンウォールは、順次積層して設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆する封止フィルムと、を備える。
【0057】
本願の実施例には、光起電力カーテンウォールの製造方法及び光起電力カーテンウォールが提供され、光起電力カーテンウォールを形成する過程において、第1カバープレート、第1接着フィルム、セルストリング、第2接着フィルム及び第2カバープレートを提供し、第1接着フィルムをそれぞれ第1カバープレート及びセルストリングと貼り合わせ、第2接着フィルムをそれぞれ第2カバープレート及びセルストリングと貼り合わせ、そして、積層工程によって光起電力カーテンウォールを形成する。第1カバープレートと第2カバープレートを提供する前に、まず、予め設定された荷重で発生する曲げ変形量を予め設定された曲げ変形量とし、且つ第2カバープレートと同じ材料のターゲットプレートが持つ厚さを等価厚さとし、次に、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートおよび厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレーを提供して光起電力カーテンウォールを製造する。第2カバープレートと同じ材料で、且つ予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量が発生したターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレートを選択して、光起電力カーテンウォールの製造を行い、これによって、第2カバープレートが単独で光起電力カーテンウォールに対する強度要求を支えることができ、ひいては第1カバープレートを選択する時、厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレートを選択することができ、且つ選択された第1カバープレートの厚さをできるだけ小さくすることができ、第1カバープレートの光透過率を高め、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保した上で、セルストリングが受ける光エネルギーを増大させ、セルストリングに発生する光生成キャリアの数を増やし、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高める。
【0058】
第4面によれば、本願の実施例には、光起電力カーテンウォールが提供され、この光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って積層して設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆する封止フィルムと、を備え、第1方向において、前記第1カバープレートの厚さは、前記第2カバープレートの厚さより小さく、且つ前記第1カバープレートの厚さは1mm~4mmであり、前記第1カバープレートと前記封止フィルムが接触する表面と前記セルストリングとの間隔は0.35mm~1.2mmである。
【0059】
また、前記第1方向において、前記第2カバープレーの厚さは等価厚さ以上であり、前記等価厚さとは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートが持つ厚さであり、前記ターゲットカバープレートの材料は前記第2カバープレートの材料と同じであり、前記予め設定された条件は、予め設定された荷重で前記ターゲットカバープレートに生じた予め設定された曲げ変形量を含む。
【0060】
また、前記第1カバープレートの厚さが2mm以下である場合、前記封止フィルムの前記第1カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは0.3mm~1.2mmである。
【0061】
また、前記第1カバープレートの厚さが2mmより大きく、かつ4mm以下である場合、前記封止フィルムの前記第1カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは、0.75mm~1.2mmである。
【0062】
また、前記封止フィルムの前記第2カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは、0.75mm~3mmである。
【0063】
また、前記第2カバープレートの厚さが6mm以下である場合、前記封止フィルムの前記第2カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは、0.7mm~1.6mmである。
【0064】
また、前記第2カバープレートの厚さが8mmより大きく、且つ12mm以下である場合、前記封止フィルムの前記第2カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは1.1mm~1.6mmである。
【0065】
また、前記第2カバープレートの厚さが15mm以上である場合、前記封止フィルムの前記第2カバープレートと前記セルストリングの間における厚さは1.5mm~3mmである。
【0066】
また、前記サブセルストリングは、第3方向に沿って配列された複数の電池セルを含み、前記第3方向において、前記複数の電池セルのうち、任意の2つの隣接する電池セル間の間隔は、-1.5mm~200mmである。
【0067】
また、前記セルストリングは出力リード線を含み、前記光起電力カーテンウォールは、引き出し開口をさらに含み、前記引き出し開口は前記第1カバープレート、前記第2カバープレートまたは前記封止フィルムに位置し、前記引き出し開口は前記出力リード線を引き出すために使われる。
【0068】
本願の実施例に提供された技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0069】
本願の実施例に提供される光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って積層して設置された第1カバープレート、セルストリングと第2カバープレート、および第1カバープレートと第2カバープレートの間に位置する封止フィルムから構成される。光起電力カーテンウォールを構成するカバープレートを選択する過程において、厚さが第2カバープレートより小さく、かつ厚さが1mm~4mmである第1カバープレートを選択して光起電力カーテンウォールを形成し、封止フィルムの第1カバープレートとセルストリングとの間における厚さを0.35mm~1.2mmの間に設定する。厚さの範囲が1mm~4mmであり、かつ厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレートを選択して光起電力カーテンウォールを製造することで、第1カバープレートの光透過率を効果的に高めることができる。封止フィルムの第1カバープレートとセルストリングとの間における厚さを0.35mm~1.2mmの範囲内に設定することで、光起電力カーテンウォールの接着安定性を確保するとともに、第1カバープレートを通過する入射光に対する封止フィルムの光吸収量を効果的に制御し、第1カバープレートの光透過率の向上と組み合わせて、第1カバープレートにおける入射光が第1カバープレートと封止フィルムを通過してセルストリングに到着する時のエネルギー損失を低下させ、セルストリングの受ける光エネルギーを高め、セルストリングに発生する光生成キャリアを増やし、光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを向上させる。
【0070】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる。
【0071】
本願の一実施例には、光起電力カーテンウォールの製造装置に適用される光起電力カーテンウォールの製造方法が提供される。光起電力カーテンウォールの具体的な製造プロセスは図1を参照することができる。
【0072】
図1図2に示すように、第1カバープレート101を提供する。ここで、図2は積層前の光起電力カーテンウォールの構成を示す図である。
【0073】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、光起電力カーテンウォールの後続の応用シーンと光起電力カーテンウォールに対する性能需要に応じて、適切な材質のカバープレートを選択して第1カバープレート101とし、第1カバープレート101をプロセスエリアに置くことができる。例えば、第1カバープレート101は、エンボスガラス、強化ガラス、半強化ガラス、有機ガラス、曲面ガラスなどのガラスカバープレートであってもよいし、または、ポリフッ化ビニルフィルム、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのプラスチックカバープレートであってもよい。
【0074】
また、第1カバープレート101を提供するときに、溶液洗浄または高圧エアブローなどの方式で第1カバープレート101の表面を洗浄することもでき、第1カバープレート101表面の清浄度を高め、形成された光起電力カーテンウォールに不純物などの影響によって明らかな欠陥が生じることを避けることができる。ここで、溶液洗浄は、水またはアルコールなどを利用して洗浄することができ、高圧エアブローは、気圧が1~3気圧の圧縮空気または不活性ガスでブローすることができる。
【0075】
第1接着フィルム102を提供し、第1接着フィルム102と第1カバープレート101を貼り合わせる。
【0076】
光起電力カーテンウォールは通常、接着フィルムを中間層として構築されるため、光起電力カーテンウォールの強度または性能要求に応じて、適切な材質の接着フィルムを選択して第1接着フィルム102とし、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-オクテン共重合体(POE)またはポリビニルブチラール(PVB)からなる接着フィルムを第1接着フィルム102とすることができる。そして、第1接着フィルム102と第1カバープレート101を貼り合わせる。
【0077】
対向する第1表面と第2表面を備えるセルストリング103を提供し、セルストリング103の第1表面と第1接着フィルム102の第1カバープレート101から離れた表面を貼り合わせる。
【0078】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、まず、複数枚の適切な太陽電池を選択して直列および/または並列方式で光起電力カーテンウォールにおけるセルストリング103を構築することができる。電池セルを選択する時に、光起電力カーテンウォールの厚さ、パワーなどに対する要求に応じて選択することができる。例えば、光起電力カーテンウォールのパワーと厚さを両立させることが要求される場合、結晶シリコン太陽電池を優先的に選択することができ、結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン電池であってもよいし、多結晶シリコン電池であってもよい。光起電力カーテンウォールの厚さをできるだけ小さくする必要がある場合、フィルム型太陽電池、例えば、テルル化カドミウムフィルム型太陽電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型太陽電池、シリコンベ系フィルム型太陽電池またはペロブスカイトフィルム型太陽電池などを選ぶことができる。光起電力カーテンウォールのパワーをできるだけ大きくすることが要求される場合、積層型の太陽電池または両面受光型の結晶シリコン電池または積層型電池の電池を選ぶことができる。したがって、セルストリング103を構築する電池セルのタイプは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池と積層型太陽電池のいずれか1つまたは複数の組み合わせであってもよい。
【0079】
セルストリング103の構築を予め完了した後、セルストリング103の第1表面と第1接着フィルム102の第1カバープレート101から離れた表面を貼り合わせる。セルストリング103と第1接着フィルム102を貼り合わせる過程において、セルストリング103における電池セルの受光面がいずれも同じ側に位置する場合、第1表面はセルストリング103における各電池セルの受光面であり、セルストリング103における電池セルの受光面が同じ側に位置しない場合、第1表面はセルストリング103における多数の電池セルの受光面からなる表面またはセルストリング103のうち、合計パワーがより大きな多数の電池セルの受光面からなる表面である。セルストリング103の受光面または光電変換パワーのより大きな面を第1カバープレート101に向けることで、薄い第1カバープレート101にて光起電力カーテンウォールを構築する時に光起電力カーテンウォール全体の発電パワーを上げるのに役立つ。
【0080】
第2接着フィルム104を提供し、第2接着フィルム104とセルストリング103の第2表面を貼り合わせる。
【0081】
光起電力カーテンウォールでは、接着フィルムを中間層として、それぞれセルストリング103と両側のカバープレートを貼り合わせる必要があるため、光起電力カーテンウォールの強度または性能要求に応じて、適切な材質の接着フィルムを選択して第2接着フィルム104とし、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-オクテン共重合体(POE)またはポリビニルブチラール(PVB)からなる接着フィルムを第2接着フィルム104とする。そして、第2接着フィルム104とセルストリング103の第2表面を貼り合わせる。第1接着フィルム102と第2接着フィルム104を選ぶ過程において、同じ材質の接着フィルムを選択してそれぞれ第1接着フィルム102と第2接着フィルム104としてもよいし、異なる材質の接着フィルムを選択してそれぞれ第1接着フィルム102と第2接着フィルム104としてもよい。
【0082】
第2カバープレート105を提供し、第2カバープレート105と第2接着フィルム104のセルストリング103から離れた表面を貼り合わせ、かつ、第1カバープレート101、第1接着フィルム102、セルストリング103、第2接着フィルム104及び第2カバープレート105に対して積層工程を行うことによって光起電力カーテンウォールを形成する。
【0083】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、まず、光起電力カーテンウォールに対する強度要求に応じて、第1カバープレート101と第2カバープレート105を選択し、選択された第2カバープレート105の厚さは等価厚さ以上であり、且つ第1カバープレート101の厚さは第2カバープレート105の厚さより小さい。そして、選択された第2カバープレート105と第2接着フィルム104のセルストリング103から離れた表面を貼り合わせて、光起電力カーテンウォールの基礎構造の組み立てを完了し、その後、積層工程によって基礎構造を加工して、光起電力カーテンウォールの作製を完了する。ここで、等価厚さとは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートが持つ厚さであり、ターゲットカバープレートの材料は第2カバープレートの材料と同じであり、予め設定された条件は、予め設定された荷重でターゲットカバープレートに生じた予め設定された曲げ変形量を含む。
【0084】
つまり、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、光起電力カーテンウォールに対する強度要求、即ち予め設定された荷重で光起電力カーテンウォールに生じた曲げ変形量を予め設定された曲げ変形量とし、そして、予め設定された荷重で第2カバープレート105の材料と同じであるターゲットカバープレートに予め設定された曲げ変形量が生じた時の厚さを等価厚さとすることができる。第1カバープレート101と第2カバープレート105を選択する過程において、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレート105と、厚さが第2カバープレートより小さい第1カバープレート101を選択して光起電力カーテンウォールを製造する。
【0085】
予め光起電力カーテンウォールのターゲット強度に基づいて、第2カバープレート105の材料と同じで、且つ単独で強度要求を満たすことができるターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレート105を選択して光起電力カーテンウォールを製造することで、光起電力カーテンウォールの強度要求が第2カバープレート105で単独で支えられることができ、第1カバープレート101を選択する時、厚さが第2カバープレート105より小さい第1カバープレート101を選択することができ、且つ選択された第1カバープレート101の厚さをできる限り小さくすることができ、第1カバープレート101の光透過率を高め、光起電力カーテンウォール全体の重量を下げ、それによって、光起電力カーテンウォールの機械的強度を保つ上で、セルストリング103が受ける光エネルギーを増大させ、セルストリング103が発生する光生成キャリアの数を増やし、光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高めることができる。
【0086】
なお、光起電力カーテンウォール出荷時に規格パラメーターの標定を行い、標定される規格パラメーターは一般的に光起電力カーテンウォールの寸法、強度、発電パワーなどの複数のパラメーターを含み、予め設定された荷重と予め設定された曲げ変形量は光起電力カーテンウォールの強度パラメーターに属し、予め設定された荷重は規格パラメーターの中で標定される荷重であり、光起電力カーテンウォールの曲げ変形量を標定する時に採用される荷重の大きさを標記しており、予め設定された曲げ変形量は規格パラメーターの中で標定される曲げ変形量であり、光起電力カーテンウォールが予め設定された荷重を受けた時に生じる曲げ変形量の具体的な大きさを標記している。
【0087】
また、従来の光起電力カーテンウォールは、強度パラメーターの標定を行う時に、2層のカバープレートが共に構造計算に関与する方式に基づいて、光起電力カーテンウォールの強度を決定しているが、本願の実施例における光起電力カーテンウォールは、第2カバープレート105が単独で構造計算に関与して荷重を受ける方式によって設定されているため、第2カバープレート105の厚さだけで強度パラメーターの標定を行うことができる。
【0088】
また、第2カバープレート105は、強化ガラス、半強化ガラス、曲面ガラスまたは有機ガラスなどのガラスカバープレートであってもよいし、高強度のプラスチックカバープレート、複合ガラスなどの高い強度を有するカバープレートであってもよい。第1カバープレート101と第2カバープレート105の材質は同じであってもよいし、異なってもよい。本願の実施例では、第1カバープレート101と第2カバープレート105の具体的な材質について制限しない。
【0089】
光起電力カーテンを製造する過程で選択される第1カバープレート101の厚さは、1mm~4mmであり、例えば、1.1mm、1.35mm、1.75mm、2.5mm、2.75mm、3mm、3.5mmまたは3.8mmなどであってもよく、第1カバープレート101の光透過性を高めると同時に、第1カバープレート101が十分な保護能力を備えることを保つことができる。第2カバープレート105と第1カバープレート101の厚さの差を3mm~15mmに制御し、例えば、厚さの差を3.5mm、3.75mm、4.5mm、5.75mm、6.5mm、7.75mm、9mm、12mm、13.5mmまたは14.75mmなどに制御することができる。第2カバープレート105の具体的な厚さは応用シーンと光起電力カーテンウォールの強度要求に応じて調整することができ、例えば、光起電力カーテンウォールの強度が、カバープレートの厚さが5mm+5mmである従来の光起電力カーテンウォール以上であることを要求する場合、厚さが6.3mm以上である第2カバープレート105を選択することができる。光起電力カーテンウォールの強度が、カバープレートの厚さが6mm+6mmである従来の光起電力カーテンウォール以上であることを要求する場合、厚さが7.56mm以上である第2カバープレート105を選択することができる。光起電力カーテンウォールの強度が、カバープレートの厚さが10mm+10mmである従来の光起電力カーテンウォール以上であることを要求する場合、厚さが12.6mm以上である第2カバープレート105を選択することができる。光起電力カーテンウォールの強度が、カバープレートの厚さが12mm+12mmである従来の光起電力カーテンウォール以上であることを要求する場合、厚さが15.12mm以上である第2カバープレート105を選択することができる。
【0090】
いくつかの実施例では、積層工程は、ラミネート機および/またはオートクレーブを用いて積層することを含む。
【0091】
積層工程を行う過程において、選択された第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の具体的な材質に応じて、積層工程で採用される積層方式を選択することができ、例えば、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104がいずれもPVB接着フィルムでない場合、直接にラミネート機で積層工程を行うことができる。第1接着フィルム102と第2接着フィルム104のいずれか一方がPVB接着フィルムである場合、オートクレーブで積層したり、ラミネート機で1回積層してからオートクレーブで2回積層したりすることができる。接着フィルムの材質に応じて異なる積層方式を選択して積層することで、形成される光起電力カーテンウォールの信頼性を高めることができる。
【0092】
また、積層加工を行う前に、高耐熱テープを用いて積層される光起電力カーテンウォールの基礎構造のエッジを封止することもできる。つまり、光起電力カーテンウォールの基礎構造のエッジを包んだ後、光起電力カーテンウォールの基礎構造のエッジに積層ツーリングを取り付け、積層ツーリングを取り付けた光起電力カーテンウォールの基礎構造をラミネート機に入れて積層することもできる。ここで、積層ツーリングの材質はエポキシ樹脂、アルミニウム、高耐熱樹脂材料などを採用することができ、積層ツーリングの幅は10mmより大きいことを選択することができ、積層ツーリングの高さは光起電力カーテンウォールの基礎構造の合計厚さより大きくすべきであり、例えば、光起電力カーテンウォールの基礎構造の合計厚さより1~5mm大きい。
【0093】
いくつかの実施例では、ラミネート機を用いて積層を行う工程パラメーターは、120℃~165℃の積層温度、40分~120分の積層時間、0.1標準大気圧~1標準大気圧の積層圧力を含む。
【0094】
ラミネート機を採用して積層加工を行う過程において、光起電力カーテンウォールの信頼性を確保するために、光起電力カーテンウォールの規格に基づいて積層過程における一部のパラメーターを特別に限定する必要がある。例えば、光起電力カーテンウォールの面積が大きいほど、カバープレートの厚さが大きいほど、またはフィルムの厚さが大きいほど、接着フィルムが溶融しないことを避けるために、積層時間を長く設定する必要がある。同様に、光起電力カーテンウォールの面積が大きいほど、カバープレートの厚さが大きいほど、または接着フィルムの厚さが大きいほど、積層の圧力を大きく設定し、積層過程における真空引き時間を長く設定することもできる。
【0095】
したがって、よく使用されている光起電力カーテンウォールの規格を考慮して、ラミネート機を用いて積層加工を行う過程において、ラミネート機の積層温度を120℃~165℃、例えば、125℃、135℃または155℃などに設定し、積層時間を40分~120分、例えば、45分、60分、75分、90分または110分などに設定し、積層圧力を0.1標準大気圧~1標準大気圧、例えば、0.2標準大気圧、0.35標準大気圧、0.5標準大気圧、0.75標準大気圧または0.9標準大気圧などに設定する。
【0096】
また、ラミネート機で積層加工を行う時い、シングルキャビティラミネート機を使う場合、積層時間を25分以上、真空引き時間を15分以上に設定する必要があり、デュアルキャビティラミネート機を使う場合、各層の真空引き時間を10分以上、各層の積層時間を15分以上に設定する必要がある。積層過程において、ラミネート機内部の加熱アリアの面積を光起電力カーテンウォールモジュールの面積より大きく設定し、接着フィルムを加熱溶融できることを確保する。
【0097】
いくつかの実施例では、オートクレーブを用いて積層を行う工程パラメーターは、120℃~180℃の積層温度、3標準大気圧~6標準大気圧の積層圧力、10分~30分の積層時間を含む。
【0098】
ラミネート機による積層工程と類似しているように、オートクレーブを採用して積層加工を行う時に、光起電力カーテンウォールの規格に応じて、一部の積層パラメーターを設定する必要もあり、例えば、オートクレーブの積層温度を120℃~180℃、例えば125℃、135℃、155℃または175℃などに設定し、積層時間を10分~30分、例えば、12分、15分、20分、25分または28分などに設定し、積層圧力を3標準大気圧~6標準大気圧、例えば、3.5標準大気圧、4標準大気圧、4.75標準大気圧、5.25標準大気圧または5.65標準大気圧などに設定する。光起電力カーテンウォールの規格に応じて積層過程における積層パラメーターを適切な大きさに設定することで、光起電力カーテンウォールの信頼性を確保することができる。
【0099】
図1図4に示すように、図3は、第3接着フィルム106を含んだ光起電力カーテンウォールの構成を示す図であり、図4は、第3接着フィルム106の平面構造を示す図である。いくつかの実施例では、光起電力カーテンを製造するステップは、さらに、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間に第3接着フィルム106を敷設し、第3接着フィルム106が第2カバープレート105のエッジに正対し、且つ第2カバープレート105のエッジがセルストリング103の第2カバープレート105における正投影によって覆われていないことを含む。
【0100】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、セルストリング103は、通常、光起電力カーテンウォールの一部のエリアだけを遮る。つまり、セルストリング103の第1カバープレート101と第2カバープレート105における投影は第1カバープレート101と第2カバープレート105を完全に覆っていない。セルストリング103に含まれた電池セル自体も一定の厚さを持っているため、セルストリング103を設置することは第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間にキャビティを生じさせることを引き起こし、積層過程で接着剤不足または気泡の発生を招き、形成された光起電力カーテンウォールの封止フィルムの第1カバープレート101と第2カバープレート105に対する接合効果に影響するおそれがある。
【0101】
したがって、光起電力カーテンを製造する過程において、セルストリング103の第1カバープレート101または第2カバープレート105における正投影に基づいて、セルストリング103の正投影がカバーできないカバープレートエッジ30を特定することができる。そして、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、カバープレートエッジ30の直上に第3接着フィルム106を形成し、第3接着フィルム106を利用してセルストリング103の設置によるキャビティを充填し、接着剤不足によるカバープレート間に形成された封止フィルムの不均一さ、さらに気泡の発生を避け、完成された光起電力カーテンウォールの信頼性と美観性を高める。
【0102】
なお、本願の実施例では、理解の便宜上、形成された第3接着フィルム106がセルストリング103を完全に取り囲み、且つ第3接着フィルム106のカバープレートにおける正投影がカバープレートエッジを完全に覆っていない場合を例に説明している。ここで、カバープレートエッジ30は、第1カバープレート101のエッジであってもよいし、第2カバープレート105のエッジであってもよい。第3接着フィルム106を製造する過程において、第3接着フィルム106は、複数の不連続な接着テープで構成されてもよいし、複数の接着テープで構成された閉鎖パターンであってもよい。第3接着フィルム106はカバープレートエッジ30を完全に覆ってもよいし、カバープレートエッジ30の一部のエリアだけを覆っていてもよい。本願の実施例では、第3接着フィルム106の具体的な製造方法について制限しない。
【0103】
いくつかの実施例では、第3接着フィルム106の幅は10mm以上である。
【0104】
第3接着フィルム106の幅とは、第3接着フィルム106の第2カバープレート105における正投影のパターン幅wを指す。第3接着フィルム106の幅が小さすぎる場合、第3接着フィルム106が提供できる接着フィルム量が限られており、セルストリング103を設置する時に第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間に形成されるキャビティを効果的に充填することができないため、第3接着フィルム106の幅を10mm以上に設定することができ、例えば、第3接着フィルム106の幅を11mm、12.5mm、15mm、18mmまたは20mmなどに設定してもよい。第3接着フィルム106の幅を適切な範囲内に設定することにより、第3接着フィルム106の提供できる接着フィルム量を高め、セルストリング103を設けることで形成されたキャビティが効果的に充填されることをできるだけ確保し、ひいては光起電力カーテンウォールの信頼性を向上させる。
【0105】
図1図5に示すように、図5は、第4接着フィルム107の平面構造を示す図であり、図5に示すY方向は第2方向である。いくつかの実施例では、セルストリング103は、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリング31を含み、光起電力カーテンウォールを形成するステップは、ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルム107を敷設し、且つ、第4接着フィルム107がそれぞれ第1接着フィルム102及び第2接着フィルム104と貼り合わせられ、ここで、ターゲットサブセルストリングが複数のサブセルストリングのうち、第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリング31であることをさらに含む。
【0106】
隣接するサブセルストリング31間の間隔とは、隣接する2つのサブセルストリング31のカバープレートにおける正投影のうち、対向する2つの辺の間の間隔を指す。光起電力カーテンウォールを製造する前に、各サブセルストリング31を予め第2方向に沿って配列してから、複数のサブセルストリング31を直列および/または並列に接続してセルストリング103を形成することができ、第2方向において、隣接するサブセルストリング31間の間隔が大きすぎると、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間に体積の大きなキャビティを形成し、積層過程に第1接着フィルム102と第2接着フィルム104からなる封止フィルムがキャビティの位置するエリアまたはキャビティの位置するエリアの上方に気泡を形成し、光起電力カーテンウォールの信頼性と美観性に影響する。
【0107】
したがって、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、隣接するサブセルストリング31間の第2方向における間隔を検出し、セルストリング103を構成する複数のサブセルストリング31のうち、第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリング31があれば、間隔が予め設定された値以上である隣接のサブセルストリング31をターゲットサブセルストリングとし、ターゲットサブセルストリングの位置に応じて、ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルム107を形成する。ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルム107を形成することにより、サブセルストリング31間のキャビティが充填され、積層後に形成された封止フィルムの品質と光起電力カーテンウォールの信頼性を高める。
【0108】
ここで、ターゲットサブセルストリングの第2方向における間隔の予め設定された値は、5mm~200mmであり、例えば、予め設定された値は5mm、7.5mm、10mm、15mm、25mm、35mm、50mm、75mm、100mm、130mm、150mm、175mmまたは190mmであってもよい。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0109】
なお、本願の実施例では、理解の便宜上、形成された第4接着フィルム107がターゲットサブセルストリング間のエリアを完全に覆っていない場合を例に説明している。第4接着フィルム107を製造する過程において、第4接着フィルム107はターゲットサブセルストリング間のエリアを完全に覆うことができ、また、ターゲットサブセルストリング間のエリアを完全に覆いながら、外側に延び続けることができる。図6は第4接着フィルム107と第3接着フィルム106を組み合わせた構成を示す図であり、即ち、第4接着フィルム107はセルストリング103を完全に取り囲む第3接着フィルム106と接触する位置まで延びる。
【0110】
いくつかの実施例では、セルストリング103は出力リード線を含み、光起電力カーテンウォールを形成するステップは、第1カバープレート101または第2カバープレート105に出力リード線を引き出すための引き出し開口を開設することをさらに含む。
【0111】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、光起電力カーテンウォールの強度、信頼性などを確保するだけでなく、光起電力カーテンウォールから生じる電気エネルギーを活用できるように確保する必要がある。したがって、セルストリング103を製造する過程において、セルストリング103に生じた電気エネルギーを出力するための出力リード線を予め取り置く。第1カバープレート101と第2カバープレート105を選択した後、セルストリング103の光起電力カーテンウォールにおける予め設定された配置位置に基づいて、第1カバープレート101または第2カバープレート105においてセルストリング103に生じた電気エネルギーを引き出すための出力リード線のターゲット位置を決定する。そして、第1カバープレート101または第2カバープレート105におけるターゲット位置に穴を開け、出力リード線を引き出す引き出し開口を開設し、引き出し開口の数は少なくとも1つである。
【0112】
なお、引き出し開口のカバープレート表面における形状は、円形、楕円形であってもよいし、多角形であってもよく、引き出し開口の延在方向はカバープレートの表面に垂直な方向(即ち、第1方向)を優先的に考慮する。引き出し開口による光起電力カーテンウォール強度へのダメージを低減するために、開口が円形の場合、開口の直径は5mm~10mmであり、開口が多角形の場合、カバープレートの片側の表面における開口の任意の2点間の最大間隔は10mmを超えない。また、引き出し開口を製造する過程において、引き出し開口が光起電力カーテンウォールの強度に影響することを避けるように、第1カバープレート101に引き出し開口を形成することを優先的に考慮することができる。
【0113】
また、引き出し開口を製造する過程において、引き出し開口を光起電力カーテンウォールの側面に直接に設けることができ、つまり、積層後に形成された封止フィルムから露出した表面に引き出し開口を形成し、側面引き出しの方式で光起電力カーテンウォールの電気エネルギーの出力を行うことができる。側面引き出しの方式で引き出し開口を設ける場合、引き出し開口による第1カバープレート101または第2カバープレート105自体の強度へのダメージをできるだけ低減し、第1カバープレート101または第2カバープレート105の安全性を高めることができる。
【0114】
図1図4及び図7に示すように、図7は、第5接着フィルム108の第3表面40における平面構造を示す図であり、いくつかの実施例では、第1カバープレート101または第2カバープレート105は、セルストリング103に近接する第3表面40を含み、引き出し開口を形成した後、第5接着フィルム108を提供し、第3表面40における開口エリア41は、第5接着フィルム108の第3表面における正投影内に位置することをさらに含む。
【0115】
第1カバープレート101または第2カバープレート105に引き出し開口を形成した後、積層する過程において、接着フィルムが溶融して流れるようになり、且つ引き出し開口が大きな空きであるため、引き出し開口の位置するエリアで溶融した接着フィルムが引き出し開口の内部に流れるようになり、第1カバープレート101と第2カバープレート105の間の接着フィルムが少なくなり、ひいては、引き出し開口付近のエリアに接着剤が不足になったり、接着フィルムの分布が不均一になったりするという問題を引き起こし、積層後に形成される封止フィルムに気泡または接着剤不足が発生する問題を招く。
【0116】
したがって、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、引き出し開口が形成された第1カバープレート101または第2カバープレート105のセルストリング103に近接する第3表面40に第5接着フィルム108を予め形成し、第5接着フィルム108は、第3表面40における開口エリア41の上方に位置し、且つ第5接着フィルム108の第3表面40における正投影が開口エリア41を完全に被覆することができ、つまり、第3表面40における開口エリア41が第5接着フィルム108の第3表面における正投影内に位置する。ここで、第3表面40は第1カバープレート101のセルストリング103に近接する表面であってもよいし、第2カバープレート105のセルストリング103に近接する表面であってもよい。
【0117】
また、第5接着フィルム108は、さらに、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間に直接設け、且つ引き出し開口に正対することもできる。本願の実施例では、第5接着フィルム108の具体的な設置位置について制限せず、第5接着フィルム108の第3表面40における正投影は開口エリア41を完全に被覆することができることを確保すればよい。
【0118】
なお、第5接着フィルム108を形成する過程において、第5接着フィルム108の厚さを制御する必要もあり、第5接着フィルム108の厚さが大きすぎると、積層中に第5接着フィルム108または第5接着フィルム108と接触する接着フィルムには、接着フィルムが溶融しない状況が生じる可能性があり、形成された光起電力カーテンウォールの信頼性に影響してしまう。第5接着フィルム108が薄すぎると、第5接着フィルム108から提供できる接着フィルム量が少なく、積層中に引き出し開口から流失した接着フィルムを効果的に補充することができないおそれがあり、封止フィルムにある気泡または接着剤不足を低減する能力が限られている。したがって、第5接着フィルム108の厚さを、第5接着フィルム108に近接する第1接着フィルム102または第2接着フィルム104の厚さの1/4~3/4に設定することができる。
【0119】
また、第5接着フィルム108が提供できる接着フィルム量に影響するもう一つの要因は、第5接着フィルム108の第3表面40における正投影の面積である。第5接着フィルム108の第3表面40における正投影の面積を、開口エリア41の面積の1.5倍~2.5倍に設定することで、第5接着フィルム108は積層中に引き出し開口から流失した接着フィルムを効果的に補充することができる。
【0120】
図1図8に示すように、いくつかの実施例では、第1接着フィルム102を提供することは、第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面を完全に覆うことができる第1接着フィルム102を提供し、且つ第1接着フィルム102のエッジと第1カバープレート101のエッジとの間の間隔が3mmより大きいことを含む。
【0121】
光起電力カーテンウォールを形成する過程において、積層時に第1接着フィルム102は熱を受けるによって変形したり、収縮したりする可能性があり、第1接着フィルム102は元々第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面を覆うことができない場合、または、第1接着フィルム102が丁度第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面を完全に覆うことができる場合、変形後または収縮後の第1接着フィルム102によって、第1カバープレート101と第2カバープレート105の間にキャビティが形成され、且つその後の積層過程で形成されたキャビティを充填することができないおそれがあり、ひいては第1カバープレート101と第2カバープレート105の間に形成された封止フィルムに気泡が発生し、光起電力カーテンウォールの信頼性を低下させてしまう。
【0122】
したがって、第1接着フィルム102を選択する時、第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面より大きな接着フィルムを選択して第1接着フィルム102とし、貼り合わせられた第1接着フィルム102のエッジと第1カバープレート101のエッジとの間隔が3mmより大きいことを確保することができる。例えば、第1接着フィルム102のエッジと第1カバープレート101のエッジとの間隔を3.5mm、5mm、7.5mm、10mm、12mmまたは15mmなどに設定する。ここで、第1接着フィルム102のエッジと第1カバープレート101のエッジとの間隔とは、第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面に平行な方向において、第1接着フィルム102の最外側のエッジと第1カバープレート101の最外側のエッジとの間隔L1を指す。
【0123】
第1カバープレート101と第1接着フィルム102が接触する表面を完全に覆うことができ、且つ第1接着フィルム102のエッジと第1カバープレート101のエッジとの間隔が3mmより大きい接着フィルムを提供して第1接着フィルム102とすることにより、積層時に接着フィルムの収縮変形による接着剤不足または接着フィルムの不均一さという問題をできるだけ低減し、形成される封止フィルムの品質と光起電力カーテンウォールの信頼性を高めることができる。
【0124】
いくつかの実施例では、図1図9に示すように、第2接着フィルム104を提供することは、第2カバープレート105と第2接着フィルム104が接触する表面を完全に覆うことができる第2接着フィルム104を提供し、且つ第2接着フィルム104のエッジと第2カバープレート105のエッジとの間隔が3mmより大きいことを含む。
【0125】
第2接着フィルム104のエッジと第2カバープレート105のエッジとの間隔とは、第2カバープレート105と第2接着フィルム104が接触する表面に平行な方向において、第2接着フィルム104の最外側のエッジと第2カバープレート105の最外側のエッジとの間隔L2を指す。第1接着フィルム102を提供する場合と類似して、第2接着フィルム104の寸法が不足になる場合、積層後に、第1カバープレート101と第2カバープレート105の間に形成された封止フィルムに気泡が存在する確率が高くなる。したがって、第2接着フィルム104を提供する時、少なくとも第2カバープレート105と第2接着フィルム104が接触する表面を完全に覆うことができる1つの接着フィルムを選択し、第2接着フィルム104のエッジと第2カバープレート105のエッジとの間隔を3mmより大きい範囲内に制御する。例えば、第2接着フィルム104のエッジと第2カバープレート105のエッジとの間隔を3.5mm、5mm、7.5mm、10mm、12mmまたは15mmなどに設定することで、積層中、接着フィルムの収縮変形による接着剤不足または接着フィルムの不均一さという問題をできるだけ低減し、形成される封止フィルムの品質と光起電力カーテンウォールの信頼性を高めることができる。第1接着フィルム102を提供するメカニズムと類似しているため、ここでは繰り返して説明する必要がない。図10は、寸法が第1カバープレート101より大きい第1接着フィルム102と、寸法が第2カバープレート105より大きい第2接着フィルム104を同時に提供する光起電力カーテンウォール積層前の構成を示す図である。
【0126】
いくつかの実施例では、セルストリング103に少なくとも1つのバイパスダイオードを設けることをさらに含む。
【0127】
光起電力カーテンウォールは使用中にセルストリング103における一部の電池セルが遮蔽されることがある。この場合、遮蔽された電池セルが作動できないと、他の正常に作動している電池セルは電気エネルギーを出力することができなくなり、ひいては大量の熱が生じて、セルストリング103乃至光起電力カーテンウォールを損傷させてしまう。
【0128】
したがって、積層工程を行う前に、セルストリング103に少なくとも1つのバイパスダイオードを設けることができ、バイパスダイオードは代替用の電気エネルギー出力経路として使用されることができ、並列の電池セルが遮蔽された場合、バイパスダイオードを通じてキャリア輸送を行い続け、光起電力カーテンウォールの安全性と耐用寿命を高めることができる。
【0129】
バイパスダイオードは引き出し開口を介してセルストリング103に接続されることができ、バイパスダイオードを光起電力ジャンクションボックスに設ける。光起電力ジャンクションボックスはバイパスダイオードと出力リード線の絶縁と安全を確保することができ、第2カバープレート105の裏面または光起電力カーテンウォールの側面の片隅に設けることができる。
【0130】
また、バイパスダイオードの数は必要に応じて設定されることができ、バイパスダイオードを利用してセルストリング103を複数の電池セルに分割し、各電池セルは少なくとも1つの電池セルを含み、バイパスダイオードは1つの電池セルと並列に接続され、残りの電池セルと直列に接続されている。本願の実施例では、設けられたバイパスダイオードの具体的な数について制限しない。
【0131】
対応する本願の他の実施例では、上記の光起電力カーテンウォールの製造方法によって形成された光起電力カーテンウォールが提供され、光起電力カーテンウォールの具体的な構造は、図11を参照することができ、第1方向に沿って順次積層して設置された第1カバープレート101、セルストリング103及び第2カバープレート105と、封止フィルム1004であって、封止フィルム1004が第1カバープレート101と第2カバープレート105の間に位置し、且つセルストリング103を被覆し、封止フィルムが、前記第1カバープレート101と貼り合わせられる第1接着フィルムと、前記第2カバープレート105と貼り合わせられる第2接着フィルムとを含む封止フィルム1004と、を備える。
【0132】
また、図12に示すように、第1方向(即ちx方向)に沿って、第2カバープレート105の厚さDは等価厚さ以上であり、且つ、第1カバープレート101の厚さdは第2カバープレート103の厚さDより小さい。等価厚さは、予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートの持った厚さであり、ターゲットカバープレートの材料は、第2カバープレート105の材料と同じであり、予め設定された条件は、予め設定された荷重でターゲットカバープレートに生じた予め設定された曲げ変形量を含む。
【0133】
光起電力カーテンウォールは、第1カバープレート101、第1接着フィルム、セルストリング103、第2接着フィルムおよび第2カバープレート105を順次積層した後、積層などの工程によって形成されることができ、ここで、第1接着フィルムと第2接着フィルムは、積層後に第1カバープレート101と第2カバープレート105の間にセルストリング103を被覆する封止フィルム1004を形成する。
【0134】
ここで、第1カバープレート101の厚さdとは、第1方向において、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面と第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面との間隔を指し、第2カバープレート105の厚さDとは、第1方向において、第2カバープレート105と封止フィルム1004が接触する表面と第2カバープレート105の封止フィルム1004から離れた表面との間隔を指す。第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面とセルストリング103との間隔とは、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面とセルストリング103の第1カバープレート101に向かう表面(即ち後述する第1表面)との間隔aを指す。
【0135】
第1方向において、第1カバープレート101の厚さは、第2カバープレート105の厚さより小さく、且つ第1カバープレート101の厚さは1mm~4mmであり、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面とセルストリング103との間隔は0.35mm~1.2mmである。
【0136】
第2カバープレート105を選択する過程において、まず、第2カバープレート105と材料が同じで、且つ予め設定された条件を満たすターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、予め設定された条件とは、予め設定された荷重でターゲットカバープレートに生じる予め設定された曲げ変形量を指し、ここで、予め設定された荷重と予め設定された曲げ変形量は、光起電力カーテンウォールのターゲット強度に基づいて決定される。そして、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレート105を選んで光起電力カーテンウォールを製造し、第2カバープレート105は光起電力カーテンウォールのターゲット強度の要求を単独で満たすことを確保し、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保する。第1カバープレート101を選択する過程において、第2カバープレート105は既に光起電力カーテンウォールの強度要求を単独で満たすことができるため、厚さが第2カバープレート105より小さい第1カバープレート101を選択する時に、選択された第1カバープレート101の厚さをできる限り小さくすることができ(例えば、厚さが1mm~4mmの第1カバープレート101を選択して、ターゲット強度が大きい光起電力カーテンウォールの第1カバープレート101の厚さを著しく小さくすることができる) 、第1カバープレート101側における光起電力カーテンウォールの光透過率を高め、セルストリング103が受けた光エネルギーを増やし、セルストリング103に生じる光生成キャリアの数を増やし、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高める。
【0137】
なお、光起電力カーテンウォールは出荷時に規格パラメーターの標定を行い、標定された規格パラメーターは、一般的に光起電力カーテンウォールの寸法、強度、発電パワーなどの複数種のパラメーターを含み、予め設定された荷重と予め設定された曲げ変形量は、光起電力カーテンウォールの強度パラメーターであり、予め設定された荷重は、規格パラメーターに標定される荷重であり、光起電力カーテンウォールの曲げ変形量を標定する時に採用される荷重の大きさを標記しており、予め設定された曲げ変形量は、規格パラメーターに標定される曲げ変形量であり、光起電力カーテンが予め設定された荷重を受けた時に生じる曲げ変形量の具体的な大きさを標記している。光起電力カーテンウォールを製造する過程において、まず光起電力カーテンウォールのターゲット規格における強度パラメーターに基づいて、第2カバープレート105の厚さ範囲を決定し、そして適切な厚さを選択して光起電力カーテンウォールの製造を行い、光起電力カーテンウォールが強度要求を正確に満たすことを確保する。
【0138】
従来の光起電力カーテンウォールでは、強度パラメーターを標定する時、2層のカバープレートがともに構造計算に関与することに基づいて、光起電力カーテンウォールの強度を決定しており、それに対し、本願の実施例における光起電力カーテンウォールでは、第2カバープレート105が単独で構造計算に関与して荷重を支える方式によって設計されているため、第2カバープレート105の厚さだけに基づいて強度パラメーターの標定を行うことができる。
【0139】
なお、光起電力カーテンウォールによってパラメーターが異なっている。本願の実施例における光起電力カーテンウォールは、第1カバープレート101の厚さdが第2カバープレート105の厚さDより小さく、且つ第2カバープレート105の厚さDが単独で強度要求を満たすことができるターゲットカバープレートの等価厚さ以上であるればよい。第1カバープレート101の厚さdと第2カバープレート105の厚さDの具体的な数値について、本願の実施例では制限しない。
【0140】
光起電力カーテンウォールの製造過程において、厚さが第2カバープレート105より小さく、且つ厚さが1mm~4mmの範囲内にある第1カバープレート101を選択しているため、第1カバープレート101の光吸収量が大幅に減少し、第1カバープレート101の光透過率を効果的に高めている。同時に、光起電力カーテンウォールでは、セルストリング103を被覆しかつ第1カバープレート101と第2カバープレート105を接着する封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間の厚さ、即ち第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面とセルストリング103の間隔を0.35mm~1.2mmの範囲内に設定することで、封止フィルム1004の第1カバープレート101に対する良好な接着効果を確保しながら、第1カバープレート101を通過する入射光に対する封止フィルム1004の光吸収量を効果的に制御し、第1カバープレート101の光透過率の向上と組み合わせて、第1カバープレート101における入射光が第1カバープレート101と封止フィルム1004を通過してセルストリング103に到着する時のエネルギー損失を低下させ、セルストリング103の受ける光エネルギーを高め、セルストリング103に発生する光生成キャリアを増やし、光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを向上させる。
【0141】
また、第1カバープレート101は、エンボスガラス、強化ガラス、半強化ガラス、セルフクリーニングガラス、アンチグレアガラス、反射防止ガラス、有機ガラス、または曲面ガラスなどのガラスカバープレートであってもよいし、ポリフッ化ビニルフィルム、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体フィルムなどのプラスチックカバープレートであってもよい。第2カバープレート105は強化ガラス、半強化ガラス、曲面ガラス、色釉ガラスまたは有機ガラスなどのガラスカバープレートであってもよいし、高強度プラスチックカバープレート、複合ガラスなどの、高強度を持つ他の材質のカバープレートであってもよい。第1カバープレート101と第2カバープレート105の材質は同じであってもよいし、異なってもよい。本願の実施例では、第1カバープレート101と第2カバープレート105の具体的な材質について、制限しない。
【0142】
また、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、セルストリング103のうちの各セルが片面受光のセルである場合、セルストリング103の受光面を第1カバープレート101に向けることができ、セルストリング103のうちの各セルが両面受光のセルである場合、セルストリング103において合計発電パワーがより高いターゲット受光面を第1カバープレート101に向けることができ、即ち、優先的にセルストリング103の光電変換効率向上の大きさに応じて、セルストリング103の受光面の向きを設け、光起電力カーテンウォールの光電変換効率をできる限り向上させる。
【0143】
光起電力カーテンウォールにおいて、セルストリング103を被覆する第1カバープレート101と第2カバープレート105の間の封止フィルム1004は積層によって形成され、封止フィルム1004を製造する過程において、それぞれ第1カバープレート101および第2カバープレート105と貼り合わせる接着フィルムを積層することで得られることができる。しかし、セルストリング103が厚さを持っており、且つセルストリング103のカバープレートにおける正投影がカバープレートを完全に覆っていないため、セルストリング103によって接着フィルム間にキャビティが生じ、ひいては形成される封止フィルム1004に接着フィルムの不均一さ、気泡または接着剤不足などの問題が生じることを招く。ここで、カバープレートは、第1カバープレート101であってもよいし、第2カバープレート105であってもよい。
【0144】
図11、12、図3図4に示すように、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、第1カバープレート101と貼り合わせる接着フィルム(第1接着フィルム102)および第2カバープレート105と貼り合わせる接着フィルム(第2接着フィルム104)の間に、第2カバープレート105のエッジに正対するエリアに第3接着フィルム106を敷設することができ、ここで、第2カバープレート105のエッジのエリアとは、セルストリング103の第2カバープレート105における正投影が覆うことができないエリアを指す。第3接着フィルム106を利用してセルストリング103の設置によるキャビティを充填し、接着剤不足による封止フィルム1004の接着フィルムには、不均一になる、さらに気泡が生じるという問題を避け、出来上がった光起電力カーテンウォールの信頼性と美観性を高める。
【0145】
本願の実施例では、理解の便宜上、形成された第3接着フィルム106がセルストリング103を取り囲み、且つ第3接着フィルム106の第2カバープレート105における正投影がカバープレートのエッジを完全に覆っていない場合を例に説明しているが、具体的な応用において、第3接着フィルム106はカバープレートのエッジを完全に覆うことができる。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0146】
また、第3接着フィルム106の幅は、即ち第3接着フィルム106の第2カバープレート105における正投影のパターンの幅wであり、10mm以上の範囲内に設定されることができ、例えば、第3接着フィルム106の幅を11mm、12.5mm、15mm、18mmまたは20mmなどに設定する。第3接着フィルム106の幅を適切な範囲内に設定することで、第3接着フィルム106の提供できる接着フィルム量を高め、セルストリング103の設置によって形成されるキャビティが効果的に充填されることをできる限り確保し、ひいては光起電力カーテンウォールの信頼性を向上させる。
【0147】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差は3mmより大きい。
【0148】
光起電力カーテンウォールの重要な指標の一つは、カーテンウォールモジュールの強度であり、従来の光起電力カーテンウォールを製造する過程において、カバープレートの受ける力が不均一であることによる破断を防ぐように、通常、第1カバープレート101と第2カバープレート105はともに荷重を受けて、且つ第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差が大きすぎてはならない。このため、従来の光起電力カーテンウォールでは、モジュールのターゲット強度に基づいて、2層の厚さが一致したカバープレート、または厚さの差が小さいカバープレートを選択して光起電力カーテンウォールを製造する。光起電力カーテンウォールの最低限の強度要求に基づいて、通常、厚さが5mm以上であるカバープレートを選択して、光起電力カーテンウォールを製造することができ、例えば、カバープレートの厚さが5mm+5mm、6mm+6mm、8mm+8mm、10mm+10mm、12mm+12mmまたは15mm+15mmなどの組み合わせの2層カバープレートを選択してターゲット強度の光起電力カーテンウォールを製造する。光起電力カーテンウォールのターゲット強度が大きい場合、選択された第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さが非常に大きく、第1カバープレート101と第2カバープレート105の光透過率が非常に低く、光起電力カーテンウォールの強度要求が次第に高くなるにつれて、カバープレートの光透過率が次第に減少し、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーが低下してしまう。
【0149】
それに対して、本願の実施例における光起電力カーテンウォールの製造方法では、第2カバープレート105が単独で構造計算に関与して荷重を負い、第1カバープレート101が構造計算に関与しないため、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差を3mmよりも大きい範囲内に設定することができ、例えば、3.5mm、4mm、5.5mmまたは7.5mmなどに設定して、第1カバープレート101の厚さdを明らかに小さくし、第1カバープレート101の光透過率を効果的に向上させることができる。
【0150】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差は3mm~15mmである。
【0151】
光起電力カーテンウォールは異なる応用シーンで異なる強度要求を満たす必要があり、例えば、現在よく使用されている光起電力カーテンウォールに採用されている第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの組み合わせは、5mm+5mm、6mm+6mm、8mm+8mm、10mm+10mmまたは12mm+12mmである。応用シーンの光起電力カーテンウォールに対する強度要求を満たすために、各光起電力カーテンウォールの強度パラメーター及び等価厚さの計算式に基づいて、第2カバープレート105と同じ材料を持つターゲットカバープレートが同じ強度に達した時の等価厚さが通常大きいことを算出する。したがって、本願の実施例では第2カバープレート105の厚さDは一般的に大きい。第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差が小さすぎる場合、第1カバープレート101の光透過率の向上に限界があり、光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電量を効果的に高めることができない。第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差が大きすぎる場合、第1カバープレート101の厚さdが小さすぎて、保護効果を効果的に果たすことができず、衝突または紗石の衝突後に、第1カバープレート101が破損しやすくなり、光起電力カーテンウォールの破損率が高くなってしまう。
【0152】
したがって、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、第1カバープレート101と第2カバープレート105を選択する時、第2カバープレート105の厚さDを決定した後に、第2カバープレート105との厚さの差が3mm~15mmの範囲内にある第1カバープレート101を選択することができ、例えば、第2カバープレート105との厚さの差が3.5mm、3.75mm、4.5mm、5.75mm、6.5mm、7.75mm、9mm、12mm、13.5mmまたは14.75mmなどの値である第1カバープレート101を選択することができる。第1カバープレート101と第2カバープレート105の厚さの差を適切な範囲内に保つことで、第1カバープレート101の光透過率を効果的に高めると同時に、第1カバープレート101は衝突または紗石の衝突時に光起電力カーテンウォールを効果的に保護し、光起電力カーテンウォールの使用中の損傷確率を下げることができる。
【0153】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101の厚さdは1mm~4mmである。
【0154】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、異なる応用シーンの光起電力カーテンウォールの強度に対する要求が大きく異なるため、第2カバープレート105の厚さDの変化範囲も大きい。ただし、第1カバープレート101は構造計算に関与せず、第1カバープレート101の主な役割は、保護層としてセルストリング103と光起電力カーテンウォール全体の構造の損傷を避けることであり、第1カバープレート101の光透過率と第1カバープレート101の厚さには負の相関がある。第1カバープレート101の厚さdが小さすぎる場合、第1カバープレート101の光透過率は明らかに向上するが、保護能力が限らており、セルストリング103と光起電力カーテンウォールの安全を効果的に保護することができない。第1カバープレート101の厚さdが大きすぎる場合、第1カバープレート101の保護能力が要求を満たすことができるが、光透過率の向上が小さく、セルストリング103の受け入れる光エネルギーを効果的に向上させることができず、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電量を効果的に高めることができない。
【0155】
したがって、第1カバープレート101を選択して光起電力カーテンウォールを製造する過程において、選択された第1カバープレート101の厚さdを1mm~4mmに設定することができ、例えば、第1カバープレート101の厚さdを1.1mm、1.35mm、1.75mm、2.5mm、2.75mm、3mm、3.5mmまたは3.8mmなどに設定することができる。第1カバープレート101の厚さdを適切な範囲内に設定することで、第1カバープレート101が厚すぎる場合に光透過率の向上が限られているという問題と、第1カバープレート101が薄すぎる場合にカバープレートの保護能力が限られているという問題を避け、第1カバープレート101の光透過率を効果的に向上させ、セルストリング103の光吸収量と光起電力カーテンウォールの光電変換効率を高めると同時に、第1カバープレート101が光起電力カーテンウォールに対して十分な保護能力を持ち、使用中の光起電力カーテンウォールの破損の確率を下げる。
【0156】
いくつかの実施例では、セルストリング103は、第1カバープレート101に向かう第1表面と、第2カバープレート105に向かう第2表面と、を備え、第1方向において、第1カバープレート101と第1表面との間隔aは0.35mm~1.2mmであり、第2カバープレート105と第2表面との間隔bは0.75mm~3mmである。
【0157】
光起電力カーテンウォールを製造する過程において、封止フィルム1004の役割の1つはセルストリング103と第1カバープレート101を接着することであり、セルストリング103と第1カバープレート101を接着する効果は、第1カバープレート101の厚さ、寸法及び封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さに関わっている。封止フィルム1004のもう一つの役割は、セルストリング103と第2カバープレート105を接着することであり、セルストリング103と第2カバープレート105を接着する効果は同様に、第2カバープレート105の厚さ、寸法および封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さに関わっている。
【0158】
封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さとは、第1方向において、セルストリング103の第1カバープレート101に向かう第1表面と、第1カバープレート101と封止フィルム1004とが接触する表面との間の間隔aを指す。封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さとは、第1方向において、セルストリング103の第2カバープレート105に向かう第2表面と第2カバープレート105との間の間隔bを指す。
【0159】
封止フィルム1004は、第1カバープレート101とセルストリング103の間に貼り合わせられた第1接着フィルム102と、第2カバープレート105とセルストリング103の間に貼り合わせられた第2接着フィルム104とを積層した後に融合することで形成され、このため、封止フィルム1004のセルストリング103と第1カバープレート101の間における厚さが大きすぎると、第1接着フィルム102には接着フィルムが溶融しない状況が生じ、封止フィルム1004のセルストリング103と第1カバープレート101に対する接着効果が良くないおそれがある。また、光が第1カバープレート101を通ってセルストリング103に到着する過程において、封止フィルム1004は過剰な光エネルギーを吸収し、セルストリング103が受ける光エネルギーを低下させる。封止フィルム1004のセルストリング103と第1カバープレート101の間における厚さが小さすぎる場合、第1接着フィルム102自体の厚さも小さいことを示し、積層中に一部のエリアに接着剤不足または気泡などの問題が発生しやすく、ひいては接着効果が良くなく、且つ封止フィルム104の提供する第1カバープレート101の脱落阻止力の上限が小さい。
【0160】
類似しているように、封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105の間における厚さが大きすぎると、第2接着フィルム104には接着フィルムが溶融しない状況が生じる可能性があり、封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105に対する接着効果が劣ってしまう。封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105の間における厚さが小さすぎると、第2接着フィルム104自体の厚さも小さいことを示し、積層中に一部のエリアに接着剤不足または気泡などの問題が発生しやすく、接着効果も劣ってしまう。
【0161】
したがって、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さ、即ち第1方向において、第1カバープレート101とセルストリング103の第1表面の間隔aを0.35mm~1.2mmに設定することができ、例えば、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さを0.36mm、0.38mm、0.55mm、0.75mm、0.76mm、0.88mm、1.1mm、1.14mmまたは1.18mmなどに設定することができる。また、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さ、即ち第1方向において、第2カバープレート105とセルストリング103の第2表面の間隔bを0.75mm~3mmに設定することができ、例えば、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを0.76mm、0.85mm、0.95mm、1.13mm、1.14mm、1.25mm、1.5mm、1.52mm、1.8mm、1.9mm、2.26mm、2.28mm、2.5mm、2.88mmまたは2.9mmなどに設定することができる。
【0162】
封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さ、および封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを適切な範囲内に設定することにより、封止フィルム1004は第1カバープレート101と第2カバープレート105に対して良好な接着効果を備え、光起電力カーテンウォールの故障率を低減すると同時に、第1カバープレート101と第2カバープレート105を通過する光に対する封止フィルム1004のエネルギー吸収をできるだけ低減し、セルストリング103の受ける光エネルギーを高め、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と信頼性を向上させる。
【0163】
なお、封止フィルム1004の質量、即ち2つの接着フィルムの融合効果は、第1カバープレート101の厚さ、寸法および封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さに関わっている。積層工程のメカニズムに基づいて、第1接着フィルム102を設置する過程において、第1カバープレート101の厚さd及び第1カバープレート101の寸法に基づいて、第1接着フィルム102(封止フィルム1004のセルストリング102と第1カバープレート101の間における厚さ)を選択することができる。第2接着フィルム104を設置する過程において、第2カバープレート105の厚さDおよび第2カバープレート105の寸法に基づいて第2接着フィルム104を選択することができ、ここで、第1カバープレート101または第2カバープレート105の寸法は、第1カバープレート101または第2カバープレート105と封止フィルム1004が接触する表面が矩形である場合、カバープレート自体の幅を指し、第1カバープレート101または第2カバープレート105と封止フィルム1004が接触する表面が円形である場合、カバープレート自体の直径を指す。
【0164】
例えば、積層工程のメカニズムに基づいて、封止フィルム1004のセルストリング103と第1カバープレート101の間における厚さと第1カバープレート101の厚さおよび寸法には正の相関がある。ここで、第1カバープレート101の寸法は、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面の形状に関わっており、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面が矩形である場合、第1カバープレート101の寸法とは、第1カバープレート101自体の幅を指し、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面が円形である場合、第1カバープレート101の寸法とは、第1カバープレート101自体の直径を指し、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面が不規則的なものである場合、第1カバープレート101の寸法とは、第1カバープレート101と封止フィルム104が接触する表面における任意の2つの点の間隔の最大値を指す。
【0165】
第1カバープレート101の厚さと寸法がいずれも小さい場合、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さを小さく設定し、セルストリング103の受ける光エネルギーをできるだけ高めることができる。第1カバープレート101の厚さおよび/または寸法が大きい場合、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さを相応的に増やすことができ、セルストリング103の受ける光エネルギーを高めると同時に、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保することができる。
【0166】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101の厚さが2mm以下である場合、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さは0.3mm~1.2mmである。
【0167】
第1カバープレート101の厚さが2mm以下である場合、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103との間における厚さに対する要求が低いため、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103との間における厚さを0.3mm~1.2mmの範囲内に設定し、例えば、0.35mm、0.36mm、0.5mm、0.65mm、0.75mm、0.76mm、0.9mm、1.1mm、1.14mmまたは1.16mmなどに設定することができる。封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さは、第1カバープレート101の具体的な寸法に応じて選択されることができる。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0168】
いくつかの実施例では、第1カバープレート101の厚さが2mmより大きく、かつ4mm以下である場合、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さは、0.75mm~1.2mmである。
【0169】
第1カバープレート101の厚さが2mmより大きい場合、封止フィルム1004と第1カバープレート101の接着効果を確保するために、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さに対する第1カバープレート101の要求は高い。したがって、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さを0.75 mm~1.2mmの範囲内に設定し、例えば、0.75mm、0.76mm、0.9mm、1.1mm、1.14mmまたは1.16mmなどに設定することができる。封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さは、第1カバープレート101の具体的な寸法に応じて選択されることができる。本願の実施例ではこれについて制限しない。
【0170】
よく使用される接着フィルムの厚さが通常0.38mmの整数倍であるため、第1カバープレート101の厚さと寸法に基づいて、封止フィルム1004を形成する第1接着フィルム102の厚さを設定する方法は表1を参照することができる。
【0171】
表1
【0172】
封止フィルム1004は積層によって形成されるものであり、積層中に第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が溶融したり流れたりするため、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さは、接着フィルムの流れによって第1接着フィルム102の元々おの厚さ付近にてわずかに変化する。また、他の厚さの第1接着フィルム102を利用して封止フィルム1004を製造することもできる。
【0173】
封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さとは、第1方向において、セルストリング103の第2カバープレート105に向かう表面と、第2カバープレート105と封止フィルム1004が接触する表面との間隔bを指す。封止フィルム1004の役割の一つは、第2カバープレート105を接着することであり、類似した理由に基づいて、封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105の間における厚さが大きすぎる場合、第2カバープレート105の接着効果が良くなく、セルストリング103が受けた光エネルギーを低下させるおそれがある。封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105の間における厚さが小さすぎる場合、接着効果が良くなく、光起電力カーテンウォールの安全性が低下してしまうという問題を招く。
【0174】
したがって、第2カバープレート105の接着効果と光起電力カーテンウォールの安全性を確保しながら、セルストリング103の受けた光エネルギーへの影響を低減するために、第2カバープレート105の厚さと第2カバープレート105の寸法に応じて、封止フィルム1004のセルストリング103と第2カバープレート105の間における厚さを設定することができる。ここで、第2カバープレート105の寸法と第1カバープレート101の寸法との定義が類似しているため、ここでは繰り返して説明する必要がない。
【0175】
いくつかの実施例では、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは、0.75mm~3mmである。
【0176】
封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは、第2カバープレート105の厚さと寸法に応じて設定される必要があり、よく使用される光起電力カーテンウォールのカバープレートの厚さの組み合わせは、5mm+5mm、6mm+6mm、8mm+8mm、10mm+10mm、12mm+12mm及び15mm+15mmである。したがって、第2カバープレート105を設置する過程において、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さに対して高い要求があり、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを0.75mm~3mmの範囲内に設定し、例えば、0.76mm、0.85mm、0.95mm、1.13mm、1.14mm、1.25mm、1.5mm、1.52mm、1.8mm、1.9mm、2.26mm、2.28mm、2.5mm、2.88mmまたは2.9mmなどに設定することができる。封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを適切な範囲に設定することで、封止フィルム1004が第2カバープレート105とセルストリング103に対して良好な接着効果を持ち、光起電力カーテンウォールの故障率を下げ、封止フィルム1004の光吸収を低下させ、セルストリング103の受けた光エネルギーを高めることができる。
【0177】
いくつかの実施例では、第2カバープレート105の厚さが6mm以下である場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは、0.7mm~1.6mmである。
【0178】
カバープレートの厚さが4mmより大きい場合、異なる厚さのカバープレートの接着要求は、勾配区間によって変化し、第2カバープレート105の厚さが6mm以下である場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さに対する第2カバープレート105の要求は、相対的に低く、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを0.7mm~1.6mmの範囲内に設定し、例えば、0.75mm、0.76mm、0.85mm、0.95mm、1.1mm、1.14mm、1.25mm、1.35mm、1.48mm、1.52mmまたは1.55mmなどに設定するすることができる。封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは、第2カバープレート105の具体的な寸法に基づいて選択されることができる。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0179】
いくつかの実施例では、第2カバープレート105の厚さが8mmより大きく、且つ12mm以下である場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは1.1mm~1.6mmである。
【0180】
第2カバープレート105の厚さが8mm~12mmの範囲内にある場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さに対する第2カバープレート105の要求は安定しており、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを1.1mm~1.6mmの範囲内に設定し、例えば、1.14mm、1.25mm、1.35mm、1.48mm、1.52mmまたは1.55mmなどに設定することができる。封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは第2カバープレート105の具体的な寸法によって選択されることができる。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0181】
いくつかの実施例では、第2カバープレート105の厚さが15mm以上である場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは1.5mm~3mmである。
【0182】
第2カバープレート105の厚さが15mmより大きい場合、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さに対する第2カバープレート105の要求は高く、封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さを1.5mm~3mmの範囲内に設定し、例えば、1.52mm、1.55mm、1.75mm、2.0mm、2.18mm、2.35mm、2.55mm、2.88mmまたは2.92mmなどに設定することができる。封止フィルム1004の第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは第2カバープレート105の具体的な寸法によって選択されることができる。本願実施例では、これについて制限しない。
【0183】
よく使用される接着フィルムの厚さが一般的に0.38mmの整数倍であるため、第2カバープレート105の厚さと寸法に基づいて、封止フィルム1004を形成する第2接着フィルム104の厚さを設定する方法は表2を参照することができる。
【0184】
表2
【0185】
封止フィルム1004は、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104を積層することで形成されるものであり、積層中に第1接着フィルム102と第2接着フィルム104が溶融したり、流れたりするため、封止フィルム1004の第1カバープレート101とセルストリング103の間における厚さおよび第2カバープレート105とセルストリング103の間における厚さは、接着フィルムの流れにしたがって、第1接着フィルム102の元々の厚さおよび第2接着フィルム104の元々の厚さの付近にてわずかに変化する。また、他の厚さの第1接着フィルム102および/または第2接着フィルム104を利用して封止フィルム1004を製造することもできる。
【0186】
図12図13に示すように、いくつかの実施例では、セルストリング103は、第2方向(図中のY方向)に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリング31を含む。第2方向において、複数のサブセルストリング31のうち、任意の2つの隣接するサブセルストリング31間の間隔cは3mm~200mmである。ここで、図13はセルストリング103の構成を示す図であり、Y方向は第2方向である。
【0187】
第2方向に沿って、隣接するサブセルストリング31間の間隔とは、隣接する2つのサブセルストリング31の対向する両側の第2方向における間隔cを指す。光起電力カーテンウォールを製造する過程において、光起電力カーテンウォールにおけるセルストリング103は、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリング31から構成することができ、1つのセルストリング103が提供できる発電パワーが低いため、直列に接続された複数のサブセルストリング31を利用して光起電力カーテンウォールの発電パワーを高めることができる。セルストリング103を設置する過程において、第2方向において、隣接する各サブセルストリング31間の間隔が小さすぎると、光起電力カーテンウォールにおけるセルストリング103が位置するエリアの光線透過率が低くなり、セルストリング103が位置するエリアとそれ以外のエリアとに明らかな輝度差が生じ、ユーザーの使用体験に影響する。隣接する各サブセルストリング31間の間隔が大きすぎると、光起電力カーテンウォール自体の寸法に制限され、セルストリング103を構成するサブセルストリング31の数が少なくなり、セルストリング103の発電パワーが限られている。
【0188】
したがって、セルストリング103を設置する過程において、第2方向に沿って、隣接するサブセルストリング31間の間隔を3mm~200mmに設定し、例えば、隣接するサブセルストリング31間の間隔を4mm、5mm、7.5mm、15mm、30mm、50mm、75mm、110mm、145mm、175mmまたは190mmなどに設定する。隣接するサブセルストリング31の第2方向における間隔を適切な値に設定することで、光起電力カーテンウォールの光透過均一性を高め、各サブセルストリング31の配列が密になりすぎて、光起電力カーテンウォールの異なるエリア間の輝度差が明らかになりすぎ、ユーザーの体験に影響することを避けると同時に、セルストリング103が含めることができるサブセルストリング31の数をできるだけ増やし、セルストリング103と光起電力カーテンウォールの発電パワーを効果的に向上させる。
【0189】
また、第2方向においてセルストリング103に含まれる各サブセルストリング31と隣接するサブセルストリング31との間隔は、同じであってもよいし、異なってもよい。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0190】
図11、12、図5に示すように、第2方向において、隣接するサブセルストリング31間の間隔が大きすぎる場合、第1接着フィルム102と第2接着フィルム104の間に体積の大きなキャビティが形成され、形成された封止フィルム1004には、接着フィルムが不均一になったり、気泡が発生したりするなどの問題が生じることを招く。ここで、図5は、第4接着フィルム107の平面構造を示す図である。
【0191】
隣接するサブセルストリング31間の間隔とは、隣接する2つのサブセルストリング31のカバープレートにおける正投影によって形成されたパターンにおいて、正対する2辺間の間隔を指す。光起電力カーテンウォールを製造する過程において、近接するサブセルストリング31との間隔が予め設定された値より大きい2つのサブセルストリング31をターゲットサブセルストリングとし、ターゲットサブセルストリング間に第4接着フィルム107を敷設することができる。第4接着フィルム107は、ターゲットサブセルストリング間のキャビティを充填するために使われ、形成される封止フィルム1004の品質を高めることができる。
【0192】
ここで、間隔の予め設定された値は、5mm~200mmであってもよく、例えば、予め設定された値は5mm、7.5mm、10mm、15mm、25mm、35mm、50mm、75mm、100mm、130mm、150mm、175mmまたは190mmなどであってもよい。また、本願の実施例では、理解の便宜上、第4接着フィルム107がターゲットサブセルストリング間のエリアを完全に覆っていない場合を例に説明しているが、第4接着フィルム107はターゲットサブセルストリング間のエリアを完全に覆い、さらに引き続き外側に延びて第3接着フィルム106と接触してもよい。第4接着フィルム107と第3接着フィルム106が接触して形成する閉鎖接着フィルムエリアの構成を示す図は、図6を参照することができる。
【0193】
図11図14に示すように、いくつかの実施例では、各サブセルストリング31は、第3方向に沿って配列された複数の電池セル220を含む。第3方向において、複数の電池セル220のうち、任意の2つの隣接する電池セル220間の間隔は、-1.5mm~200mmである。ここで、図14は、セルストリング103における各サブセルストリングに含まれる電池セルの構成を示す図であり、Z方向は第3方向である。
【0194】
第3方向において、隣接する電池セル220間の間隔とは、隣接する2つの電池セル220が正対する(対向する)両側の第3方向における間隔eを指す。セルストリング103を構築する過程において、複数の電池セル220を直列に溶接して形成することができる。即ち、全体、半分分割、複数分割などの形で、1つのセル全体を少なくとも1つの分割セルに分割し、各分割セルをそれぞれ独立した電池セル220とすることができる。そして、各電池セル220を第3方向に沿って逐次に配列し、直列溶接の方式によって各電池セル220を溶接することで、サブセルストリング31の構築を完了する。セルストリング103のサブセルストリング31を構築する過程において、第3方向において、隣接する電池セル220間の間隔が小さすぎると、隣接する電池セル220間に遮蔽が起こりやすくなり、遮蔽された電池セル220の光吸収能力と発電パワーが低下し、セルストリング103全体の発電パワーが低下する。隣接する電池セル220間の間隔が大きすぎると、光起電力カーテンウォールの寸法に制限され、セルストリング103における各サブセルストリング31が含めることができる電池セル220の数は、隣接する電池セル220間の間隔が大きくなるにつれて減少し、セルストリング103が含めることができる電池セルの数が少なくなり、セルストリング103の発電パワーが低くなる。
【0195】
したがって、セルストリング103を製造する過程において、第3方向において電池セル220を設置する場合、隣接する電池セル220間の間隔を-1.5mm~200mm、例えば、-1.3mm、-1mm、-0.75mm、0mm、2mm、5mm、10mm、17.5mm、30mm、55mm、80mm、110mm、145mm、175mmまたは190mmなどに設定することができる。セルストリング103を構成する複数の電池セル220のうち、隣接する2つの電池セル220間の第3方向における間隔を適切な大きさに設定することで、セルストリング103の発電パワーを高め、隣接する電池セル220間の距離が近すぎて遮蔽が発生することに起因して遮蔽された電池セル220の発電パワーが低下し、かつセルストリング103全体の発電パワーが低下することを避けると同時に、セルストリング103の出力上限を高め、隣接する電池セル220間の間隔が大きすぎることによるセルストリング103に含まれる電池セル220数の減少およびセルストリング103の最大発電パワーの低下を避ける。
【0196】
また、第3方向において、セルストリング103に含まれる各電池セル220と隣接する電池セル220との間の間隔は、同じであってもよいし、異なってもよい。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0197】
なお、第3方向において、隣接する2つのサブ電池セル220間の間隔が0mmより小さいことは、隣接する2つのサブ電池セル220間の溶接方式がステッチ溶接工程であることを示しており、即ち、2つの電池セル220が部分的に重なり合っていた後、重なり合うエリアで溶接を行う。電池セル220のエッジ部分でのキャリア収集と輸送能力が低いため、複数の電池セル220のエッジエリアをステッチ溶接することで、単位長さ当たりのセルストリング103に含まれる電池セル220の数を増やしたり、含まれる電池セル220の数が同じである場合、セルストリング103の第3方向における長さを減らしたりして、セルストリング103の発電時のエネルギー密度を高めることができる。つまり、ステッチ溶接工程を利用して単位長さ当たりのセルストリング103の発電のエネルギー密度を高め、ひいては光起電力カーテンウォールの発電パワーを向上させると同時に、同じパワーで光起電力カーテンウォール中のセルストリング103に必要な面積を小さくし、光起電力カーテンウォールの光透過性を高める。
【0198】
また、電池セル220を利用してセルストリング103を構築する過程において、長さまたは幅が125mm~220mmの電池セル220を選択してもよく、例えば、第3方向における長さが125mm、156mm、158.75mm、166mm、182mmまたは210mmの電池セル220を選択したり、第3方向に垂直な方向(電池セルの長手方向)における幅が125mm、156mm、158.75mm、166mm、182mmまたは210mmの電池セル220を選択したりしてもよい。損失が低く、利用可能率が高い標準寸法の電池セル220を利用してセルストリング103を構築することで、セルストリング103のパワーと光電変換効率を可能な限り向上させることができる。
【0199】
いくつかの実施例では、セルストリング103に含まれる電池セル220は、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池を含む。
【0200】
また、セルストリングを構築する過程において、光起電力カーテンウォールの厚さ、パワーなどに対する要求に応じて、異なる電池セル220を選択してセルストリング103の構築を行うことができ、例えば、光起電力カーテンウォールのパワーと厚さの両立が要求される場合、結晶シリコン太陽電池を優先的に選択してセルストリング103の構築を行うことができ、結晶シリコン太陽電池は単結晶シリコン電池であってもよいし、多結晶シリコン電池であってもよい。光起電力カーテンウォールの厚さができるだけ小さくなるように要求される場合、フィルム型太陽電池、例えば、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池またはペロブスカイトフィルム型太陽電池などを選択してセルストリング103の構築を行うことができる。光起電力カーテンウォールのパワーができるだけ大きくなるように要求される場合、積層型太陽電池または両面受光の結晶シリコン電池または積層型電池を選択してセルストリング103の構築を行うことができる。これにより、セルストリング103を構築する電池セル220のタイプは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池のいずれか1つまたは複数種類の組み合わせであってもよい。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0201】
いくつかの実施例では、電池セル220は、間隔をあけて配列された複数のメイングリッドを含み、メイングリッドの数は2~20である。
【0202】
電池セル220に複数のメイングリッドを設ける目的は、メイングリッドを利用して電池セル220に発生したキャリアを集めることであり、メイングリッドの数は、電池セル220のキャリアの収集能力と光電変換効率に影響を及ぼす。電池セル220に設けられたメイングリッドの数が多すぎる場合、メイングリッドは電池セル220の表面に照射された光を遮り、電池セル220の光吸収能力が低下することを招き、ひいては電池セル220の光電変換効率に影響する。電池セル220に設けられたメイングリッドの数が少なすぎる場合、電池セル220のキャリア収集能力が低く、光生成キャリアを効率的に集めることができず、電池セル220の光電変換効率が低下することを招く。
【0203】
したがって、電池セル220を設置する過程において、電池セル220の表面におけるメイングリッド数を2~20に設定し、例えば、メイングリッド数を3、5、7、8、10、12、15、18または19などに設定する。メイングリッド数を適切な範囲内に設定することにより、電池セル220の光吸収能力を高め、メイングリッド数が多すぎる時のメイングリッド設置による電池セル220の光吸収面積への影響を避けるとともに、電池セル220の光電変換効率を向上させ、メイングリッド数が少なすぎることによる電池セル220のキャリア収集能力の低下を避けることができる。
【0204】
また、メイングリッド数は、メイングリッドが設置される電池セル220の表面の寸法に応じて設定されることができる。例えば、メイングリッドの位置する表面の寸法が約180mm×31mmの場合、12本のメイングリッドを交互に設置してキャリアの収集を行うことができ、メイングリッドの位置する表面の寸法が約31mm×240mmの場合、18本のメイングリッドを交互に設置してキャリアの収集を行うことができる。電池セルの基板の寸法によって、適切な数のメイングリッドを設けることで、電池セル220のキャリア収集能力と光電変換効率を高めることができると同時に、極性の異なるメイングリッド間の電気的絶縁の程度を確保することもできる。
【0205】
図12図15に示すように、いくつかの実施例では、光起電力カーテンウォールは、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面に位置する第1機能性フィルム111をさらに含み、第1機能性フィルム111は、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムを含む。
【0206】
光起電力カーテンウォールの役割が主に壁面または屋根などであるため、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面に、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面の少なくとも一部のエリアを覆う第1機能性フィルム111を形成することができ、光起電力カーテンウォールの美観性または実用性を高めることができる。異なる機能のニーズに応じて、第1機能性フィルム111は、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムなどを含む。例えば、光起電力カーテンウォールの光電変換効率を高め、光起電力カーテンウォールの反射光の周辺環境に与える影響を低減する必要がある場合、反射防止フィルムを第1機能性フィルム111として使うことができ、光起電力カーテンウォールの反射光によるグレアがユーザーまたは歩行者に与える干渉を低減し、安全上の懸念を下げるために、アンチグレアフィルムを第1機能性フィルム111として使うことができ、光起電力カーテンウォールの外観の美観性を確保するために、セルフクリーニングフィルムを第1機能性フィルム111として使うことができる。
【0207】
また、第1機能性フィルム111を構築する過程において、単一の機能性フィルムだけを利用してもよいし、順次積層して設置された複数の機能性フィルムを利用してもよい。例えば、まず、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面に反射防止フィルムを形成し、そして、反射防止フィルムの第1カバープレート101から離れた表面にセルフクリーニングフィルムを形成し、反射防止フィルムとセルフクリーニングフィルムの両方を利用して第1機能性フィルム111とする。あるいは、まず、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面にアンチグレアフィルムを形成し、そして、アンチグレアフィルムの第1カバープレート101から離れた表面にセルフクリーニングフィルムを形成し、アンチグレアフィルムとセルフクリーニングフィルムの両方を利用して第1機能性フィルム111とする。あるいは、まず、第1カバープレート101の封止フィルム1004から離れた表面に反射防止フィルムを形成し、そして、反射防止フィルムの第1カバープレート101から離れた表面にアンチグレアフィルムを形成し、反射防止フィルムとアンチグレアフィルムの両方を利用して第1機能性フィルム111とする。本願の実施例では、第1機能性フィルム111の具体的な構築方式について、制限しない。
【0208】
図12図16に示すように、いくつかの実施例では、光起電力カーテンウォールは、第2カバープレート105の封止フィルム1004から離れた表面に位置する第2機能性フィルム112をさらに含み、第2機能性フィルム112は色釉フィルム、エンボスフィルムまたは紫外線防止フィルムを含む。
【0209】
第1機能性フィルム111の設置と類似しているように、第2機能性フィルム112を設置する過程において、異なる機能のニーズに基づいて、第2カバープレート105の封止フィルム1004から離れた表面に第2機能性フィルム112を形成することができる。例えば、光起電力カーテンウォールの美観性を高める必要がある場合、色釉フィルムを第2機能性フィルム112とすることができ、ここで、色釉フィルムは異なる色と模様からなる耐摩耗性に優れたフィルム層である。ユーザーの使用体験を高めるためには、エンボスフィルムを第2機能性フィルム112とすることができる。ユーザーの受ける紫外線を減らすためには、紫外線防止フィルムを第2機能性フィルム112とすることができる。
【0210】
また、図12図17に示すように、図17は、第1機能性フィルム111と第2機能性フィルム112の両方を含んだ光起電力カーテンウォールの構成を示す図であり、光起電力カーテンウォールを製造する過程において、光起電力カーテンウォールのために第1機能性フィルム111と第2機能性フィルム112をそれぞれ製造してもよいし、光起電力カーテンウォールのために第1機能性フィルム111または第2機能性フィルム112だけを製造してもよいし、第1機能性フィルム111と第2機能性フィルム112の両方も製造しなくてもよい。具体的な機能性フィルムの製造選択は応用シーンに応じて調整されることができる。本願の実施例では、これについて制限しない。
【0211】
また、光起電力カーテンウォールを製造する場合、第1カバープレート101、第2カバープレート105または封止フィルム1004に少なくとも1つの引き出し開口を製造し、セルストリング103の出力回線を引き出し開口から引き出すことができる。また、引き出し開口を通じてサブセルストリング(セルユニット)にバイパスダイオードを並列に接続することもできる。バイパスダイオードと出力回線は光起電力ジャンクションボックスに接続されることができ、光起電力ジャンクションボックスはバイパスダイオードと出力回線の絶縁と安全を確保するために使われ、第2カバープレート105の裏面または光起電力カーテンウォールの側面の片隅に設けられることができる。
【0212】
また、図12図18に示すように、いくつかの実施例では、セルストリング103は出力リード線230を含み、光起電力カーテンウォールは、引き出し開口41をさらに含み、引き出し開口41は第1カバープレート101、第2カバープレート105または封止フィルム1004に位置し、引き出し開口41は出力リード線230を引き出すために使われる。ここで、図18は引き出し開口41の平面構造を示す図である。
【0213】
光起電力カーテンウォールは作動している時、セルストリング103に発生した電気エネルギーは、出力リード線230を通じて出力される。このため、光起電力カーテンウォールに出力リード線230を引き出す引き出し開口41を予め形成し、引き出し開口41は第1カバープレート101に位置してもよいし、第2カバープレート105に位置してもよいし、封止フィルム1004に位置してもよい。
【0214】
また、図12図18図7に示すように、第1カバープレート101または第2カバープレート105に引き出し開口を形成した後、積層中に溶融した接着フィルムが引き出し開口を通って流失しやすいため、封止フィルム1004に接着フィルムの不均一さ、接着剤不足または気泡などの問題が生じやすい。したがって、接着フィルムの敷設過程において、第1カバープレート101と第2カバープレート105の間で、引き出し開口に正対する位置に第5接着フィルム108を敷設することができ、第5接着フィルム108のカバープレート表面40(上記の第3表面)における正投影は、カバープレート表面40に形成した引き出し開口の開口エリア41を完全に被覆することができ、積層中に引き出し開口から流失した接着フィルムを効果的に補充し、封止フィルム1004の品質を高めることができる。
【0215】
ここで、カバープレートの表面40は、第1カバープレート101と封止フィルム1004が接触する表面であってもよいし、第2カバープレート105と封止フィルム1004が接触する表面であってもよい。
【0216】
以上により、本願の実施例によって提供される光起電力カーテンウォールは、第1方向に沿って積層して設置された第1カバープレート101、セルストリング103と第2カバープレート105、および第1カバープレート101と第2カバープレート105の間に位置する封止フィルム1004から構成される。第2カバープレート105を選択する過程において、予め設定された荷重で発生する曲げ変形量を予め設定された曲げ変形量とし、且つ第2カバープレート105と同じ材料のターゲットプレートが持つ厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレート105および厚さが第2カバープレート105より小さい第1カバープレート101を選択して光起電力カーテンウォールを形成する。第2カバープレート105と同じ材料で、且つ予め設定された荷重での曲げ変形量が予め設定された曲げ変形量であるターゲットカバープレートの厚さを等価厚さとし、厚さが等価厚さ以上である第2カバープレート105を選択して、光起電力カーテンウォールの製造を行い、これによって、第2カバープレート105が単独で光起電力カーテンウォールに対する強度要求を支えることができ、ひいては第1カバープレート101を選択する時、厚さが第2カバープレート105より小さい第1カバープレート101を選択することができ、且つ選択された第1カバープレート101の厚さをできるだけ小さくすることができ、第1カバープレート101の光透過率を高め、光起電力カーテンウォールの機械的強度を確保した上で、セルストリング103が受ける光エネルギーを増大させ、セルストリング103に発生する光生成キャリアの数を増やし、ひいては光起電力カーテンウォールの光電変換効率と発電パワーを高める。
【0217】
本願は、好適な実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、いずれの当業者も、本願の着想から逸脱することなく、若干の可能な変動および修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって限定される範囲を基準にすべきである。
【0218】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者も、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って設置された第1カバープレート、セルストリング及び第2カバープレートと、
封止フィルムであって、前記封止フィルムが前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの間に位置し、且つ前記セルストリングを被覆し、前記封止フィルムが、前記第1カバープレートと貼り合わせる第1接着フィルムと、前記第2カバープレートと貼り合わせる第2接着フィルムとを含む封止フィルムと、を備え、
ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、前記第2カバープレートの材料と同じであるカバープレートが予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量を発生させたときに持った厚さである
ことを特徴とする光起電力カーテンウォール。
【請求項2】
前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mmより大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項3】
前記第1カバープレートと前記第2カバープレートの厚さの差は3mm~15mmである、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項4】
前記第1カバープレートの厚さは1mm~4mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項5】
前記セルストリングは、前記第1カバープレートに向かう第1表面と、前記第2カバープレートに向かう第2表面と、を備え、
前記第1方向において、前記第1カバープレートと前記第1表面との間隔は0.35mm~1.2mmであり、前記第2カバープレートと前記第2表面との間隔は0.75mm~3mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項6】
前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、
前記第2方向において、前記複数のサブセルストリングのうち、任意の2つの隣接するサブセルストリング間の間隔は3mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項7】
各前記サブセルストリングは、第3方向に沿って配列された複数の電池セルを含み、
前記第3方向において、前記複数の電池セルのうち、任意の2つの隣接する電池セル間の間隔は、-1.5mm~200mmである、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項8】
前記電池セルは、結晶シリコン電池、テルル化カドミウムフィルム型電池、銅インジウムガリウムセレンフィルム型電池、シリコン系フィルム型太陽電池または積層型太陽電池を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項9】
前記電池セルは、間隔をあけて配列された複数のメイングリッドを含み、前記メイングリッドの数は2~20である、
ことを特徴とする請求項7に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項10】
前記第1カバープレートの前記封止フィルムから離れた表面に位置する第1機能性フィルムをさらに含み、
前記第1機能性フィルムは、反射防止フィルム、アンチグレアフィルムまたはセルフクリーニングフィルムを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項11】
前記封止フィルムは、前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に敷設される第3接着フィルムをさらに含み、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていない、
ことを特徴とする請求項に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項12】
前記第3接着フィルムの幅は10mm以上であり、
前記光起電力カーテンウォールは、前記セルストリングの複数のサブセルストリングのうち、前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接の前記サブセルストリング間に位置する第4接着フィルムをさらに含み、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられ
ことを特徴とする請求項11に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項13】
前記セルストリングは出力リード線を含み、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートには、前記出力リード線を引き出すための引き出し開口が開設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力カーテンウォール。
【請求項14】
第1カバープレートを提供することと
第1接着フィルムを提供し、前記第1接着フィルムと前記第1カバープレートを貼り合わせることと、
対向する第1表面と第2表面を備えるセルストリングを提供し、前記セルストリングの前記第1表面と前記第1接着フィルムの前記第1カバープレートから離れた表面を貼り合わせることと、
第2接着フィルムを提供し、前記第2接着フィルムと前記セルストリングの前記第2表面を貼り合わせることと、
第2カバープレートを提供し、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムの前記セルストリングから離れた表面を貼り合わせ、かつ、第1カバープレート、第1接着フィルム、セルストリング、第2接着フィルム及び第2カバープレートに対して積層工程によって前記光起電力カーテンウォールを形成することと、を含
ここで、前記第2カバープレートの厚さは等価厚さ以上であり、且つ、前記第1カバープレートの厚さは前記第2カバープレートの厚さより小さく、前記等価厚さは、前記第2カバープレートの材料と同じであるカバープレートが予め設定された荷重で予め設定された曲げ変形量を発生させたときに持った厚さである、
ことを特徴とする光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項15】
前記第1接着フィルムと前記第2接着フィルムの間に第3接着フィルムを敷設し、前記第3接着フィルムが前記第2カバープレートのエッジに正対し、且つ前記第2カバープレートのエッジが前記セルストリングの前記第2カバープレートにおける正投影によって覆われていないことをさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項16】
前記第3接着フィルムの幅は10mm以上である、
ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項17】
前記セルストリングは、第2方向に沿って間隔をあけて配列された複数のサブセルストリングを含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、
前記第2方向における間隔が予め設定された値以上である隣接の前記サブセルストリング間に第4接着フィルムを敷設し、且つ、前記第4接着フィルムがそれぞれ前記第1接着フィルム及び前記第2接着フィルムと貼り合わせられることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項18】
前記セルストリングは出力リード線を含み、前記光起電力カーテンウォールを形成するステップは、前記第1カバープレートまたは前記第2カバープレートに前記出力リード線を引き出すための引き出し開口を開設することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。
【請求項19】
前記第1接着フィルムを提供することは、前記第1カバープレートと前記第1接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第1接着フィルムを提供し、且つ前記第1接着フィルムのエッジと前記第1カバープレートのエッジとの間の間隔が3mmより大きいことを含み、
前記第2接着フィルムを提供することは、前記第2カバープレートと前記第2接着フィルムが接触する表面を完全に覆うことができる前記第2接着フィルムを提供し、且つ前記第2接着フィルムのエッジと前記第2カバープレートのエッジとの間隔が3mmより大きいことを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力カーテンウォールの製造方法。