(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127718
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240912BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20240912BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20240912BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20240912BHJP
H10N 30/88 20230101ALI20240912BHJP
H10N 30/87 20230101ALI20240912BHJP
H10N 30/853 20230101ALI20240912BHJP
H10N 30/50 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
H01G4/30 201H
H01G2/06 500
H01G4/30 513
H01G2/06 B
H01G4/228 A
H01G4/228 B
H01G4/228 W
H01F27/29 125
H10N30/88
H10N30/87
H10N30/853
H10N30/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176749
(22)【出願日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0029934
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】金 相▲ヨプ▼
(72)【発明者】
【氏名】田 起熏
(72)【発明者】
【氏名】趙 範俊
【テーマコード(参考)】
5E001
5E070
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AC10
5E001AD04
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF01
5E001AF02
5E001AF03
5E001AF06
5E001AJ03
5E070AA01
5E070AB01
5E070DB02
5E070EA02
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG26
5E082GG03
5E082GG05
5E082GG08
5E082GG10
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板実装時に積層セラミックキャパシタのたわみクラックの発生を防ぎ、堅固に支持する金属フレームを含む電子部品を提供する。
【解決手段】電子部品100は、積層セラミックキャパシタ10並びに第1金属フレーム18及び第2金属フレーム19を含む。第1金属フレーム18は、第1接続部181、第1支持部183、第1連結部185及び第1基底部187を含む。第1接続部181は、第1外部電極13の、内部電極と連結する第1全面部に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在し、第1導電性接合層151により第1外部電極13に接合される。第1支持部183は、第1接続部181の下端でセラミック本体12の長さ方向に沿って延在して第1外部電極13を支持する。第1支持部183と第1外部電極13とが接する部分には、別途の接合部材が備えられない。つまり、第1支持部183と第1外部電極13とは互いに直接接触する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されたサイズの長さ、幅、および厚さを有するセラミック本体と、
前記セラミック本体の長さ方向に沿って互いに離隔した両端部面にそれぞれ備えられる第1および第2外部電極と、
前記第1外部電極に接合される第1接続部、前記第1接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延在して前記第1外部電極を支持する第1支持部、前記第1支持部に平行な第1基底部、および前記第1支持部と前記第1基底部を連結する第1連結部を含む第1金属フレームと、
前記第2外部電極に接合される第2接続部、前記第2接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延在して前記第2外部電極を支持する第2支持部、前記第2支持部に平行な第2基底部、および前記第2支持部と前記第2基底部を連結する第2連結部を含む第2金属フレームと、
を含み、
前記第1連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の一端部から離隔した地点に連結され、
前記第2連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の一端部から離隔した地点に連結される電子部品。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1基底部の一端部に連結され、
前記第2連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2基底部の一端部に連結される、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第1基底部は、一端部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って前記第1接続部側に延在し、
前記第2基底部は、一端部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って前記第2接続部側に延在する、請求項2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第1金属フレームの第1連結部と前記第2金属フレームの第2連結部とは、前記セラミック本体の長さ方向に沿って第1距離(A)だけ互いに離隔される、請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記第1金属フレームの第1支持部と前記第2金属フレームの第2支持部とは、前記セラミック本体の長さ方向に沿って第2距離(B)だけ互いに離隔される、請求項4に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1距離(A)は、前記第2距離(B)と同じかまたは第2距離(B)より大きい、請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1外部電極は、前記第1金属フレームの第1支持部に接触する第1バンド部を含み、
前記第2外部電極は、前記第2金属フレームの第2支持部に接触する第2バンド部を含む、請求項4に記載の電子部品。
【請求項8】
前記第2距離(B)は、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第1バンド部と前記第2バンド部との間の距離(G)より小さい、請求項7に記載の電子部品。
【請求項9】
前記第1支持部の長さ(F)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の両端部間の距離であり、
第3距離(C)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の両端部のうち、前記第1接続部の反対側端部から前記第1連結部が前記第1支持部に連結される地点までの距離であり、
第4距離(E)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1接続部の外周面のうち、前記セラミック本体からより遠い外周面またはその仮想の延長面から前記第1連結部が前記第1支持部に連結される地点までの距離であり、
前記第4距離(E)は、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第1支持部の長さ(F)より小さい、請求項1に記載の電子部品。
【請求項10】
前記第3距離(C)は、前記第4距離(E)より小さい、請求項9に記載の電子部品。
【請求項11】
前記第2支持部の長さ(F’)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の両端部間の距離であり、
第3距離(C’)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の両端部のうち、前記第2接続部の反対側端部から前記第2連結部が前記第2支持部に連結される地点までの距離であり、
第4距離(E’)は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2接続部の外周面のうち、前記セラミック本体からより遠い外周面またはその仮想の延長面から前記第2連結部が前記第2支持部に連結される地点までの距離であり、
前記第4距離(E’)は、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第2支持部の長さ(F’)より小さい、請求項1に記載の電子部品。
【請求項12】
前記第3距離(C’)は、前記第4距離(E’)より小さい、請求項10に記載の電子部品。
【請求項13】
前記第1接続部は、第1導電性接合層により前記第1外部電極に接合され、
前記第2接続部は、第2導電性接合層により前記第2外部電極に接合される、請求項1に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック材料を使用する電子部品としてキャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタまたはサーミスタなどがある。このようなセラミック電子部品のうち積層セラミックキャパシタ(Multilayer Ceramic Capacitor、MLCC)は、小型でありながら、高容量が保障され、実装が容易であるという長所により多様な電子装置に使用することができる。
【0003】
例えば、積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(liquid crystal display、LCD)、プラズマ表示装置パネル(plasma display panel、PDP)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯用端末およびスマートフォンのような多くの電子製品の基板に装着されて電気を充電させたり放電させたりする役割を果たすチップ形態のコンデンサに使用することができる。
【0004】
最近は、環境にやさしい自動車および電気自動車が急速に拡大し、自動車内部の電力駆動システムに対する重要度が増加しており、そのため、電力駆動システムに必要な積層セラミックキャパシタの需要も増加している。
【0005】
積層セラミックキャパシタが自動車用部品として使用されるためには、高い水準の熱信頼性、電気的信頼性および機械的信頼性が要求される。特に、自動車内部の部品実装密度が増加することに伴い、限定された空間に設置が容易であると共に、高容量の実現が可能であり、振動および変形に対する耐久性に優れた積層型キャパシタが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態の一側面の目的は、基板実装時に積層セラミックキャパシタのたわみクラックの発生の可能性を低くした電子部品を提供することにある。
実施形態の他の側面の目的は、積層セラミックキャパシタを堅固に支持することができる金属フレームを含む電子部品を提供することにある。
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態による電子部品は、予め設定されたサイズの長さ、幅、および厚さを有するセラミック本体と、前記セラミック本体の長さ方向に沿って互いに離隔した両端部面にそれぞれ備えられる第1および第2外部電極と、前記第1外部電極に接合される第1接続部、前記第1接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延在して前記第1外部電極を支持する第1支持部、前記第1支持部に平行な第1基底部、および前記第1支持部と前記第1基底部を連結する第1連結部を含む第1金属フレームと、前記第2外部電極に接合される第2接続部、前記第2接続部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って延在して前記第2外部電極を支持する第2支持部、前記第2支持部に平行な第2基底部、および前記第2支持部と前記第2基底部を連結する第2連結部を含む第2金属フレームと、を含み、前記第1連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の一端部から離隔した地点に連結され、前記第2連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の一端部から離隔した地点に連結され得る。
【0008】
また、前記第1連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1基底部の一端部に連結され、前記第2連結部は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2基底部の一端部に連結され得る。
【0009】
また、前記第1基底部は、一端部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って前記第1接続部側に延在し、前記第2基底部は、一端部から前記セラミック本体の長さ方向に沿って前記第2接続部側に延在することができる。
【0010】
また、前記第1金属フレームの第1連結部と前記第2金属フレームの第2連結部とは、前記セラミック本体の長さ方向に沿って第1距離Aだけ互いに離隔され得る。
【0011】
前記第1金属フレームの第1支持部と前記第2金属フレームの第2支持部とは、前記セラミック本体の長さ方向に沿って第2距離Bだけ互いに離隔され得る。
【0012】
前記第1距離Aは、前記第2距離Bと同じかまたは第2距離Bより大きくてもよい。
【0013】
また、前記第1外部電極は、前記第1金属フレームの第1支持部に接触する第1バンド部を含み、前記第2外部電極は、前記第2金属フレームの第2支持部に接触する第2バンド部を含むことができる。
【0014】
また、前記第2距離Bは、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第1バンド部と前記第2バンド部との間の距離Gより小さくてもよい。
【0015】
また、前記第1支持部の長さFは、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の両端部間の距離であり、第3距離Cは、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1支持部の両端部のうち、前記第1接続部の反対側端部から前記第1連結部が前記第1支持部に連結される地点までの距離であり、第4距離Eは、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第1接続部の外周面のうち、前記セラミック本体からより遠い外周面またはその仮想の延長面から前記第1連結部が前記第1支持部に連結される地点までの距離であり、第4距離Eは、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第1支持部の長さFより小さくてもよい。
【0016】
また、前記第3距離Cは、前記第4距離Eより小さくてもよい。
【0017】
また、前記第2支持部の長さF’は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の両端部間の距離であり、第3距離C’は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2支持部の両端部のうち、前記第2接続部の反対側端部から前記第2連結部が前記第2支持部に連結される地点までの距離であり、第4距離E’は、前記セラミック本体の長さ方向に沿った前記第2接続部の外周面のうち、前記セラミック本体からより遠い外周面またはその仮想の延長面から前記第2連結部が前記第2支持部に連結される地点までの距離であり、第4距離E’は、前記セラミック本体の長さの10%以上であり、前記第2支持部の長さF’より小さくてもよい。
【0018】
また、前記第3距離C’は、前記第4距離E’より小さくてもよい。
【0019】
また、前記第1接続部は、第1導電性接合層により前記第1外部電極に接合され、前記第2接続部は、第2導電性接合層により前記第2外部電極に接合され得る。
【発明の効果】
【0020】
実施形態における電子部品によれば、積層セラミックキャパシタの外部電極に金属フレームを接合して外部からのストレスを低減することによって、たわみクラックの発生の可能性を低くすることができる。
【0021】
また、実施形態における電子部品によれば、積層セラミックキャパシタを金属フレームが堅固に支持することによって不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態に適用される積層セラミックキャパシタを概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
【
図3】一実施形態における電子部品を概略的に示した斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV’線に沿って切断した断面図である。
【
図5】
図3に示す電子部品を回路基板に実装した状態を示す概略断面図である。
【
図6】他の実施形態における電子部品を概略的に示した断面図である。
【
図7】また他の実施形態における電子部品を概略的に示した断面図である。
【
図8】金属フレームの連結部の位置におけるたわみ強度ピーク(peak)の発生を比較して示すグラフである。
【
図9】金属フレームの連結部の位置における等価直列抵抗(ESR)測定値を比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように本発明の実施形態を詳しく説明する。図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付図面において一部の構成要素は誇張され、省略され、または概略的に図示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを全面的に反映するものではない。
【0024】
添付した図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面により本明細書に開示された技術的な思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0025】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は前記用語により限定されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0026】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0027】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0028】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「連結される」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により相異なる名称で称されたが一体であることを意味し得る。
【0030】
図1は、一実施形態に適用される積層セラミックキャパシタを概略的に示した斜視図であり、
図2は、
図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
【0031】
図1および
図2を参照すれば、積層セラミックキャパシタ10は、セラミック本体12、第1および第2外部電極13、14並びに複数の第1および第2内部電極21、22を含む。
【0032】
セラミック本体12は、複数の誘電体層124を厚さ方向Tに積層した後に焼成して形成され得る。ここで、セラミック本体12の互いに隣接する複数の誘電体層124のそれぞれは、互いに境界が不明確な状態で一体化され得る。例えばセラミック本体12の互いに隣接するそれぞれの誘電体層124の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難い程度に一体化され得る。
【0033】
セラミック本体12は、互いに交差する方向に沿って予め設定されたサイズの長さ、幅、および厚さを有するほぼ六面体形状からなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。例えばセラミック本体12は、ほぼ直六面体形状であるが、角部や頂点に該当する部分が丸い形状であり得る。
【0034】
本実施形態では、説明の便宜のために、セラミック本体12の誘電体層124が積層された厚さ方向Tの互いに向き合う面を上面121および下面122と定義し、上面121と下面122とを連結するセラミック本体12の長さ方向Lの互いに向き合う面を第1および第2端部面128、129と定義し、第1および第2端部面128、129と垂直に交差する幅方向Wの互いに向き合う面を第1および第2側面126、127と定義する。
【0035】
一方、セラミック本体12内でセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って複数の第1および第2内部電極21、22の外側かつ両側に第1および第2カバー層123、125がそれぞれ配置され得る。
【0036】
つまり、セラミック本体12内で最上部にある内部電極の上部に所定厚さの第1カバー層123が備えられ、最下部にある内部電極の下部に第2カバー層125が備えられ得る。第1カバー層123および第2カバー層125は、誘電体層124と同一の組成を有することができ、内部電極を含まない誘電体層をセラミック本体12の最上部の内部電極の上部と、最下部の内部電極の下部とにそれぞれ1個以上積層して形成され得る。
【0037】
第1および第2カバー層123、125は、物理的または化学的ストレスによる第1および第2内部電極21、22の損傷を防止する役割をもつ。
【0038】
誘電体層124は、高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、セラミック材料は、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これら成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含むことができる。例えば、誘電体層は、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などがあるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0039】
また誘電体層124にはセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤のうちの一つ以上がさらに含まれ得る。セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などであり得る。
【0040】
一例として、誘電体層124の平均厚さは、0.5μm乃至10μmであり得るが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0041】
第1および第2外部電極13、14は、導電性金属を含む導電性ペーストにより形成され得る。第1および第2外部電極13、14は、例えばセラミック本体を導電性ペーストにディッピング(dipping)する方式で形成され得る。導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0042】
第1および第2外部電極13、14は、セラミック本体12の長さ方向Lの両端部に配置され、第1および第2全面部131、141と第1バンド部133、143および第2バンド部135、145をそれぞれ含む。
【0043】
第1全面部131は、セラミック本体12の長さ方向Lの第1端部面128を覆い、第1および第2内部電極21、22の露出した端部と接続されて電気的に連結される部分である。
【0044】
第2全面部141は、セラミック本体12の長さ方向Lの第2端部面129を覆い、第1および第2内部電極21、22の露出した端部とそれぞれ接続されて電気的に連結される部分である。
【0045】
第1バンド部133、143は、第1および第2全面部131、141からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在し、セラミック本体12の上面121のうちセラミック本体12の両端部側一部と第1および2側面126、127のうちセラミック本体12の両端部側一部とを覆うことができる。
【0046】
第2バンド部135、145は、第1および第2全面部131、141からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在し、セラミック本体12の下面122のうちセラミック本体12の両端部側一部とセラミック本体12の第1および第2側面126、127のうちセラミック本体12の両端部側一部とを覆うことができる。
【0047】
第1および第2外部電極13、14は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、金(Au)またはこれらの合金を含むことができる。一方、第1および第2外部電極13、14は、複数の層を含むことができる。例えば、第1および第2外部電極13、14は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ニッケル/銅(Ni/Cu)、パラジウム/ニッケル(Pd/Ni)、パラジウム/ニッケル/銅(Pd/Ni/Cu)、銅/ニッケル/銅(Cu/Ni/Cu)形態の組み合わせからなることができる。
【0048】
場合によっては、第1および第2外部電極13、14の最外側層をスズ(Sn)メッキ層から構成することもできる。スズメッキ層は、相対的に低い溶融点を有するため、第1および第2外部電極13、14の基板実装の容易性を向上させることができる。
【0049】
一般的に、スズメッキ層は、スズ(Sn)-銅(Cu)-銀(Ag)合金ペーストを含むはんだ(solder)を通じて基板上の電極パッドに結合され得る。つまり、スズメッキ層は、熱処理(reflow)工程時に、はんだと互いに溶融して結合され得る。
【0050】
複数の第1および第2内部電極21、22は、誘電体層124を介して交互に積層される。第1および第2内部電極21、22は、誘電体層124を形成するセラミックシート上に形成されて積層された後、焼成により一つの誘電体層124を間においてセラミック本体12内部に厚さ方向Tに交互に配置され得る。このような第1および第2内部電極21、22は、互いに異なる極性を有する電極であって、誘電体層124の積層方向に沿って互いに対向するように配置され、中間に配置された誘電体層124により互いに電気的に絶縁され得る。
【0051】
第1および第2内部電極21、22は、誘電体層124を間において互いに長さ方向にずらして配置され、その一端がセラミック本体12の長さ方向Lの第1および第2端部面128、129を通じてそれぞれ露出する。このようにセラミック本体12の長さ方向の第1および第2端部面128、129を通じて交互に露出した第1および第2内部電極21、22の端部は、セラミック本体12の長さ方向Lの第1および第2端部面128、129で、第1および第2外部電極13、14の第1および第2全面部131、141とそれぞれ接続されて電気的に連結され得る。また、第1および第2内部電極21、22は、導電性金属から形成され、例えばニッケル(Ni)またはニッケル(Ni)合金などを含むことができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0052】
前記のような構成により、第1および第2外部電極13、14に所定の電圧を印加すると互いに対向する第1および第2内部電極21、22の間に電荷が蓄積される。このとき、積層セラミックキャパシタ10の静電容量は、誘電体層124の積層方向に沿って互いに重なる第1および第2内部電極21、22の重なった(overlap)面積に比例する。
【0053】
図3は、一実施形態による電子部品を概略的に示した斜視図であり、
図4は、
図3のIV-IV’線に沿って切断した断面図である。
【0054】
図3と
図4とを参照すれば、電子部品100は、積層セラミックキャパシタ10並びに第1および第2金属フレーム18、19を含む。
【0055】
積層セラミックキャパシタ10は、前述したため、それに関する説明は省略する。
【0056】
第1金属フレーム18は、第1接続部181、第1支持部183、第1連結部185および第1基底部187を含む。
【0057】
第1接続部181は、第1外部電極13の第1全面部131に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第1接続部181は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0058】
第1接続部181は、第1導電性接合層151により第1外部電極13に接合される。第1導電性接合層151は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0059】
第1支持部183は、第1接続部181の下端でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第1外部電極13を支持する。第1支持部183と第1外部電極13とが接する部分には、別途の接合部材が備えられない。つまり、第1支持部183と第1外部電極13とは互いに直接接触することができる。
【0060】
積層セラミックキャパシタを基板に実装した後、基板がたわむと、外部電極の周縁とセラミック本体とが接する部位付近でたわみクラック(flex crack)が発生することがある。しかし、本実施形態でのように第1支持部183が第1外部電極13を支持する構造になると、たわみクラックが発生する可能性がある部位を保護することができる。したがって、本実施形態によれば、たわみクラックの発生の可能性を低くすることができる。
【0061】
一方、電子部品が温度サイクル(cycle)評価で高温と低温環境に反復的に晒されると、金属フレームと積層セラミックキャパシタの外部電極とを接合する導電性接合層の接合力が弱くなって、金属フレームが積層セラミックキャパシタの外部電極から分離されることもある。しかし、本実施形態でのように第1支持部183が第1外部電極13を支持する構造では、導電性接合層151の接合力が弱くなっても金属フレーム18が外部電極13から分離される可能性を低くすることができる。後述する第2支持部193も第1支持部183と同じ方式で第2外部電極14を支持するため、同一の効果を有する。
【0062】
第1連結部185は、第1支持部183からセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って延在して、第1支持部183と第1基底部187とを連結する。第1連結部185は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1基底部187の一端部に連結され、第1基底部187は、一端部からセラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面128方向に延在する。
【0063】
第1基底部187は、第1支持部183に対して平行になり得る。つまり、第1基底部187は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在することができる。
【0064】
第2金属フレーム19は、第2接続部191、第2支持部193、第2連結部195および第2基底部197を含む。
【0065】
第2接続部191は、第2外部電極14の第2全面部141に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第2接続部191は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0066】
第2接続部191は、第2導電性接合層153により第2外部電極14に接合される。第2導電性接合層153は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0067】
第2支持部193は、第2接続部191の下端でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第2外部電極14を支持する。第2支持部193と第2外部電極14とが接する部分には、別途の接合部材が備えられない。つまり、第2支持部193と第2外部電極14とは互いに直接接触することができる。
【0068】
第2連結部195は、第2支持部193からセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って延在して第2支持部193と第2基底部197とを連結する。第2連結部195は、第2基底部197の一端部に連結され、第2基底部197は、一端部からセラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面129方向に延在する。
【0069】
第2基底部197は、第2支持部193に対して平行になり得る。つまり、第2基底部197は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在することができる。
【0070】
第1金属フレーム18の第1連結部185と第2金属フレーム19の第2連結部195とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第1距離Aだけ互いに離隔することができる。
【0071】
第1金属フレーム18の第1支持部183と第2金属フレーム19の第2支持部193とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第2距離Bだけ互いに離隔することができる。ここで、第2距離Bは、セラミック本体12の長さL0の10%以上であり得る。第2距離Bがセラミック本体12の長さLの10%未満であればアーク(arc)放電の電流値が高くなるため、焼損され得る。
【0072】
第2距離Bは、第1外部電極13の第1バンド部135と第2外部電極14の第2バンド部145との間の距離Gより小さくてもよい。第2距離Bが距離Gより大きければ金属フレームが外部電極を十分に保護し難いこともある。
【0073】
ここで、第1距離Aは、第2距離Bと同じかまたは第2距離Bより大きくてもよい。
【0074】
一方、第1距離Aと、第1金属フレーム18の第1支持部183および第1基底部187の間隔Dとの比(A/D)により電子部品100の特性が変化することができる。ここで間隔Dは、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1基底部187の両面のうち、第1支持部183からより遠い側の面と、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1支持部183の両面のうち、第1基底部187からより遠い側の面との間の距離を意味する。
【0075】
A/Dが小さいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて小さいほど、たわみ強度特性が向上する。第1距離Aが相対的に小さければ第1基底部187と第1連結部185とを通じて、また第2基底部197と第2連結部195とを通じて伝達される外力を金属フレーム18、19がより良好に耐えることができるため、電子部品100のたわみ強度特性がより良好になることができる。
【0076】
ただし、第1距離Aが小さいほどアーク放電の電流値は大きくなるため、焼損確率が高くなり、間隔Dが大きくなれば電流が通過する経路が長くなるため、等価直列抵抗(ESR、Equivalent Series Resistance)が大きくなり、チップの厚さが増加する。
【0077】
一方、A/Dの大きいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて大きいほど、たわみ強度特性は低下する反面、ESRは小さくなり、チップの厚さは減少する。
【0078】
第1金属フレーム18の第1連結部185は、第1支持部183の一端部から離隔した地点に連結される。
【0079】
第1連結部185が第1支持部183に連結される地点は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1支持部183の両端部のうち、第1接続部181の反対側端部から第3距離Cだけ離隔した地点である。言い換えると、当該地点は、第1接続部181からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って第4距離Eだけ離隔した地点である。
【0080】
第1連結部185の厚さを無視すれば第1支持部183の長さFは、第3距離Cと第4距離Eとの合計であり得る。つまり、E+C=Fであり得る。ここで、第3距離Cは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1支持部183の両端部のうち、第1接続部181の反対側端部から第1連結部185が第1支持部183に連結される地点までの距離を意味し、第4距離Eは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1接続部181の外周面のうち、セラミック本体12からより遠い外周面またはその仮想の延長面から第1連結部185が第1支持部183に連結される地点までの距離を意味し、第1支持部183の長さFは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1支持部183の両端部間の距離を意味する。
【0081】
第4距離Eは、セラミック本体12の長さLの10%以上であり、第1支持部183の長さFより小さくてもよい。第4距離Eがセラミック本体12の長さL0の10%以上であってこそ電子部品100を基板に付着できる接触面が確保され得る。
【0082】
第3距離Cが第4距離Eより大きくなれば第1距離Aも大きくなるため、たわみ強度特性が低下するが、アーク放電の電流値は減少する。その反面、第3距離Cが第4距離Eより小さくなれば第1距離Aも小さくなるため、たわみ強度特性が向上するが、アーク放電の電流値が増加して焼損確率が高くなる。
【0083】
一方、第2金属フレーム19の第2連結部195は、第2支持部193の一端部から所定距離だけ離隔した部分に連結される。
【0084】
第2連結部195が第2支持部193に連結される地点は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2支持部193の両端部のうち、第2接続部191の反対側端部から第3距離C’だけ離隔した地点である。言い換えると、当該地点は第2接続部191からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って第4距離E’だけ離隔した地点である。
【0085】
第2連結部195の厚さを無視すれば第2支持部183の長さF’は、第3距離C’と第4距離E’との合計であり得る。つまり、E’+C’=F’であり得る。ここで、第3距離C’は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2支持部193の両端部のうち、第2接続部191の反対側端部から第2連結部195が第2支持部193に連結される地点までの距離を意味し、第4距離E’は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2接続部191の外周面のうち、セラミック本体12からより遠い外周面またはその仮想の延長面から第2連結部195が第2支持部193に連結される地点までの距離を意味し、第2支持部193の長さF’は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2支持部193の両端部間の距離を意味する。
【0086】
第4距離E’は、セラミック本体12の長さLの10%以上であり、第2支持部193の長さF’より小さくてもよい。第4距離E’がセラミック本体12の長さLの10%以上であってこそ電子部品100を基板に付着できる接触面が確保され得る。
【0087】
第3距離C’が第4距離E’より大きくなれば第1距離Aも大きくなるため、たわみ強度特性が低下するが、アーク放電の電流値は減少する。その反面、第3距離Cが第4距離Eより小さくなれば第1距離Aも小さくなるため、たわみ強度特性が向上するが、アーク放電の電流値が増加して焼損確率が高くなる。
【0088】
図5は、
図3に示す電子部品を回路基板に実装した状態を示す概略断面図である。
【0089】
図5を参照すれば、電子部品100は、回路基板200の上面に備えられた第1および第2電極パッド211、213に導電性接合部材215を通じて連結される。つまり、電子部品100は、回路基板200上で第1および第2電極パッド211、213を通じて実装され得る。
【0090】
第1および第2電極パッド211、213は、回路基板200の上面で互いに離隔して配置され得る。電子部品100の第1および第2金属フレーム18、19の第1および第2基底部187、197は、第1および第2電極パッド211、213と接触するように配置された状態で導電性接合部材215を利用して回路基板200に固定され得る。そのために、電子部品100は、回路基板200の第1および第2電極パッド211、213に電気的に接続され得る。導電性接合部材215は、一例としてはんだ(solder)を含むことができる。
【0091】
本実施形態で電子部品100の第1および第2金属フレーム18、19のそれぞれは、導電性接合部材215により第1および第2電極パッド211、213に固定されることによって回路基板200に実装される。
【0092】
図6は、他の実施形態による電子部品を概略的に示した断面図である。
【0093】
図6を参照すれば、電子部品200は、積層セラミックキャパシタ10並びに第1および第2金属フレーム118、119を含む。
【0094】
積層セラミックキャパシタ10は、前述したため、それに関する説明は省略する。
【0095】
第1金属フレーム118は、第1接続部1181、第1支持部1183、第1連結部1185および第1基底部1187を含む。
【0096】
第1接続部1181は、第1外部電極13の第1全面部131に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第1接続部1181は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0097】
第1接続部1181は、第1導電性接合層151により第1外部電極13に接合される。第1導電性接合層151は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0098】
第1支持部1183は、第1接続部1181の下端でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第1外部電極13を支持する。
【0099】
第1支持部1183と第1外部電極13とが接する部分には別途の接合部材が備えられない。つまり、第1支持部1183と第1外部電極13とは互いに直接接触することができる。
【0100】
積層セラミックキャパシタを基板に実装した後、基板がたわむと外部電極の周縁とセラミック本体とが接する部位付近でたわみクラック(flex crack)が発生することがある。しかし、本実施形態でのように第1支持部1183が第1外部電極13を支持する構造になると、たわみクラックが発生する可能性がある部位を保護することができる。したがって、本実施形態によれば、たわみクラックの発生の可能性を低くすることができる。
【0101】
一方、電子部品が温度サイクル(cycle)評価で高温と低温環境に反復的に晒されると金属フレームと積層セラミックキャパシタの外部電極とを接合する導電性接合層の接合力が弱くなって、金属フレームが積層セラミックキャパシタの外部電極から分離されることもある。しかし、本実施形態でのように第1支持部1183が第1外部電極13を支持する構造では、導電性接合層151の接合力が弱くなっても金属フレーム18が外部電極13から分離される可能性を低くすることができる。後述する第2支持部1193も第1支持部1183と同じ方式で第2外部電極14を支持するため、同一の効果を有する。
【0102】
第1連結部1185は、第1接続部1181からセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って延在して第1基底部1187の一端部に連結される。第1接続部1181と第1連結部1185とは、同一の板状部材の互いに異なる領域であり得る。第1基底部1187は、第1連結部1185が連結される地点でセラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面128の反対方向に延在する。
【0103】
第2金属フレーム119は、第2接続部1191、第2支持部1193、第2連結部1195および第2基底部1197を含む。
【0104】
第2接続部1191は、第2外部電極14の第2全面部141に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第2接続部1191は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0105】
第2接続部1191は、第2導電性接合層153により第2外部電極14に接合される。第2導電性接合層153は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0106】
第2支持部1193は、第2接続部1191からセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第2外部電極14を支持する。
【0107】
第2支持部1193と第2外部電極14とが接する部分には別途の接合部材が備えられない。つまり、第2支持部1193と第2電極14とは互いに直接接触することができる。
【0108】
第2連結部1195は、第2接続部1191からセラミック本体12の厚さ方向Tに沿って延在して第2基底部1197の一端部に連結される。第2接続部1191と第2連結部1195とは、同一の板状部材の互いに異なる領域であり得る。第2基底部1197は、第2連結部1195が連結される地点でセラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面129の反対方向に延在する。
【0109】
第1金属フレーム118の第1連結部1185と第2金属フレーム119の第2連結部1195とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第1距離Aだけ互いに離隔することができる。
【0110】
第1金属フレーム118の第1支持部1183と第2金属フレーム119の第2支持部1193とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第2距離Bだけ互いに離隔することができる。ここで、第2距離Bは、セラミック本体12の長さL0の10%以上であり得る。第2距離Bがセラミック本体12の長さLの10%未満であればアーク(arc)放電の電流値が高くなるため、焼損され得る。
【0111】
第2距離Bは、第1外部電極13の第1バンド部135と第2外部電極14の第2バンド部145との間の距離Gより小さくてもよい。第2距離Bが距離Gより大きければ金属フレームが外部電極を十分に保護し難いこともある。
【0112】
ここで、第1距離Aは、第2距離Bより大きくてもよい。
【0113】
一方、第1距離Aと、第1金属フレーム118の第1支持部1183および第1基底部1187の間隔Dとの比(A/D)により電子部品の特性が変化することができる。ここで間隔Dは、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1基底部1187の両面のうち、第1支持部1183からより遠い側の面と、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1支持部1183の両面のうち、第1基底部1187からより遠い側の面との間の距離を意味する。
【0114】
A/Dが小さいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて小さいほどたわみ強度特性が向上する。第1距離Aが相対的に小さければ第1基底部1187と第1連結部1185とを通じて、また第2基底部1197と第2連結部1195とを通じて伝達される外力を金属フレーム18、19がより良好に耐えることができるため、電子部品200のたわみ強度特性がより良好になることができる。ただし、間隔Dが大きくなれば電流が通過する経路が長くなるため、等価直列抵抗(ESR、Equivalent Series Resistance)が大きくなり、チップの厚さが増加する。
【0115】
一方、A/Dの大きいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて大きいほど、たわみ強度特性は低下する反面、ESRは小さくなり、チップの厚さは減少する。
【0116】
図7は、また他の実施形態による電子部品を概略的に示した断面図である。
【0117】
図7を参照すれば、電子部品300は、積層セラミックキャパシタ10並びに第1および第2金属フレーム218、219を含む。
【0118】
積層セラミックキャパシタ10は、前述したため、それに関する説明は省略する。
【0119】
第1金属フレーム218は、第1接続部2181、第1支持部2183、第1連結部2185および第1基底部2187を含む。
【0120】
第1接続部2181は、第1外部電極13の第1全面部131に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第1接続部2181は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0121】
第1接続部2181は、第1導電性接合層151により第1外部電極13に接合される。第1導電性接合層151は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0122】
第1支持部2183は、第1接続部2181の下端でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第1外部電極13を支持する。
【0123】
第1支持部2183と第1外部電極13とが接する部分には、別途の接合部材が備えられない。つまり、第1支持部2183と第1外部電極13とは互いに直接接触することができる。
【0124】
積層セラミックキャパシタを基板に実装した後、基板がたわむと外部電極の周縁とセラミック本体とが接する部位付近でたわみクラック(flex crack)が発生することがある。しかし、本実施形態でのように第1支持部2183が第1外部電極13を支持する構造になると、たわみクラックが発生する可能性がある部位を保護することができる。したがって、本実施形態によればたわみクラックの発生の可能性を低くすることができる。
【0125】
一方、電子部品が温度サイクル(cycle)評価で高温と低温環境に反復的に晒されると金属フレームと積層セラミックキャパシタの外部電極とを接合する導電性接合層の接合力が弱くなって、金属フレームが積層セラミックキャパシタの外部電極から分離されることもできる。しかし、本実施形態でのように第1支持部2183が第1外部電極13を支持する構造では、導電性接合層151の接合力が弱くなっても金属フレーム18が外部電極13から分離される可能性を低くすることができる。後述する第2支持部2193も第1支持部2183と同じ方式で第2外部電極14を支持するため、同一の効果を有する。
【0126】
第1連結部2185は、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿って第1支持部2183から延在して第1基底部2187に連結される。セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1支持部218の両端部のうち、セラミック本体12の端部面128の反対側端部と、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第1基底部2187の両端部のうち、セラミック本体12の端部面128の反対側端部とが第1連結部2185により互いに連結される。第1基底部2187は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面128方向に延在する。
【0127】
第1基底部2187は、第1支持部2183に対して平行になり得る。つまり、第1基底部2187は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在することができる。
【0128】
第2金属フレーム2119は、第2接続部2191、第2支持部2193、第2連結部2195および第2基底部2197を含む。
【0129】
第2接続部2191は、第2外部電極14の第2全面部141に接合され、セラミック本体12の厚さ方向Tに延在する。一例として第2接続部2191は、厚さが均一な板状部材であり得る。
【0130】
第2接続部2191は、第2導電性接合層153により第2外部電極14に接合される。第2導電性接合層153は、高温はんだ(solder)または導電性接合部材などからなることができるが、本発明はこれに限定されるのではない。
【0131】
第2支持部2193は、第2接続部2191の下端でセラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在して第2外部電極14を支持する。
【0132】
第2支持部2193と第2外部電極14とが接する部分には別途の接合部材が備えられない。つまり、第2支持部2193と第2外部電極14とは互いに直接接触することができる。
【0133】
第2連結部2195は、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿って第2支持部2193から延在して第2基底部2197に連結される。セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2支持部2193の両端部のうち、セラミック本体12の端部面129の反対側端部と、セラミック本体12の長さ方向Lに沿った第2基底部2197の両端部のうち、セラミック本体12の端部面129の反対側端部とが第2連結部2195により互いに連結される。第2基底部2197は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿ってセラミック本体12の端部面129方向に延在する。
【0134】
第2基底部2197は、第2支持部2193に対して平行になり得る。つまり、第2基底部2197は、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って延在することができる。
【0135】
第1金属フレーム218の第1連結部2185と第2金属フレーム2119の第2連結部2195とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第1距離Aだけ互いに離隔することができる。
【0136】
第1金属フレーム218の第1支持部2183と第2金属フレーム2119の第2支持部2193とは、セラミック本体12の長さ方向Lに沿って第2距離Bだけ互いに離隔することができる。ここで、第2距離Bは、セラミック本体12の長さL0の10%以上であり得る。第2距離Bがセラミック本体12の長さLの10%未満であればアーク(arc)放電の電流値が高くなるため、焼損され得る。
【0137】
第2距離Bは、第1外部電極13の第1バンド部135と第2外部電極14の第2バンド部145との間の距離Gより小さくてもよい。第2距離Bが距離Gより大きければ金属フレームが外部電極を十分に保護し難いこともある。
【0138】
ここで、第1距離Aは、第2距離Bと同じであってもよい。
【0139】
一方、第1距離Aと、第1金属フレーム218の第1支持部2183および第1基底部1187の間隔Dとの比(A/D)により電子部品の特性が変化することができる。ここで間隔Dは、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1基底部2187の両面のうち、第1支持部2183からより遠い側の面と、セラミック本体12の厚さ方向Tに沿った第1支持部2183の両面のうち、第1基底部2187からより遠い側の面との間の距離を意味する。
【0140】
A/Dが小さいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて小さいほど、たわみ強度特性が向上する。第1距離Aが相対的に小さければ第1基底部2187と第1連結部2185とを通じて、また第2基底部2197と第2連結部2195とを通じて伝達される外力を金属フレーム18、19がより良好に耐えることができるため、電子部品300のたわみ強度特性がより良好になることができる。
【0141】
ただし、第1距離Aが小さいほどアーク放電の電流値は大きくなるため、焼損確率が高くなり、間隔Dが大きくなれば電流が通過する経路が長くなるため、等価直列抵抗(ESR、Equivalent Series Resistance)が大きくなり、チップの厚さが増加する。
【0142】
一方、A/Dの大きいほど、つまり、第1距離Aが間隔Dに比べて大きいほど、たわみ強度特性は低下する反面、ESRは小さくなり、チップの厚さは減少する。
【0143】
表1は、実施形態による電子部品の金属フレームの連結部の位置におけるたわみ強度を示す表であり、
図8は、電子部品の金属フレームの連結部の位置におけるたわみ強度ピーク(peak)の発生を比較して示すグラフである。
【0144】
長さ×幅が3.2mm×2.5mmである積層セラミックキャパシタに金属フレームが接合された電子部品を条件別に各60個ずつ(水平方向の実装30個、垂直方向の実装30個)、標準たわみ強度評価用基板に実装してたわみ強度を測定した。
【0145】
本技術分野において通常要求される積層セラミックキャパシタのたわみ強度保証ピーク(peak)値は、約6mmに該当し、積層セラミックキャパシタに金属フレームが接合された電子部品のたわみ強度保証ピーク値も、約6mm以上を満たさなければならない。
【表1】
(E+C=F=100%)
【0146】
表1と
図8とを参照すれば、金属フレームの第3距離C(
図4参照)に対する第4距離E(
図4参照)の比率に関係なしにたわみ強度保証ピーク値(約6mm以上)を満たすことを確認できる。
【0147】
ただし、金属フレームの第3距離C(
図4参照)に対する第4距離E(
図4参照)の比率が大きくなるほど、たわみ強度が増加することが分かる。
【0148】
第3距離Cに対する第4距離Eの比率が増加することは、第1距離Aが小さくなることを意味する。第1距離Aが相対的に小さくなれば金属フレームの基底部と連結部とを通じて伝達される外力を金属フレームがより良好に耐えることができるため、電子部品のたわみ強度特性がより良好になることができる。つまり、金属フレームの連結部が積層セラミックキャパシタの長さ方向に沿った中心に近く配置されるほど電子部品のたわみ強度特性が良好になることができる。
【0149】
表2は、実施形態による電子部品の金属フレームの連結部の位置における等価直列抵抗(ESR)測定値を示す表であり、
図9は、電子部品の金属フレームの連結部の位置におけるESR水準を比較して示すグラフである。
【0150】
ここで、各電子部品のESR測定値は、本技術分野の通常の方法でLCRメーターを利用して測定した結果を示す。
【表2】
【0151】
図9と表2とを参照すれば、金属フレームの第3距離C(
図4参照)に対する第4距離E(
図4参照)の比率が大きくなるほどESR測定値が高くなることが分かる。
【0152】
第3距離Cに対する第4距離Eの比率が増加することは、第1距離Aが小さくなることを意味する。第1距離Aが相対的に小さくなれば電流が通過する経路が長くなるため、ESR測定値が高くなり得る。反対に、第1距離Aが相対的に大きくなれば電流が通過する経路が短くなるため、ESR測定値が低くなり得る。
【0153】
言い換えると、電子部品の金属フレームの連結部が積層セラミックキャパシタの長さ方向に沿った中心部から遠いほど、つまり、外部電極に近いほど電流が通過する経路が短くなるため、ESR測定値が低くなり得、金属フレームの連結部が積層セラミックキャパシタの長さ方向に沿った中心部に近いほど電流が通過する経路が長くなるため、ESR測定値が高くなり得る。
【0154】
前述のように、実施形態による電子部品は、積層セラミックキャパシタの外部電極に金属フレームを接合した構造を有する。
【0155】
この構造によれば、金属フレームの第3距離C(
図4参照)に対する第4距離E(
図4参照)の比率が大きくなるほどたわみ強度が増加する。金属フレームの第3距離C(
図4参照)に対する第4距離E(
図4参照)の比率が大きくなるほどESR測定値は高くなる。
【0156】
つまり、金属フレームの連結部が、積層セラミックキャパシタの長さ方向に沿った中心部に近く配置されるほど、電子部品のたわみ強度特性が改善される反面、金属フレームの連結部が、積層セラミックキャパシタの長さ方向に沿った中心部に近く配置されるほど、電流が通過する経路が長くなるため、ESR測定値は高くなり得る。このように、たわみ強度特性とESR測定値との間には、相反(trade-off)関係が成立するため、電子部品の要求される特性に合うように金属フレームの連結部の位置を調整することができる。
【0157】
以上を通じて本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0158】
10:積層セラミックキャパシタ
12:セラミック本体
13:第1外部電極
14:第2外部電極
121:上面
122:下面
21、22:内部電極
123:第1カバー層
124:誘電体層
125:第2カバー層
126:第1側面
127:第2側面
100、1100、2100:電子部品
18、118、218:第1金属フレーム
19、119、219:第2金属フレーム
181、191、1181、1191、2181、2191:接続部
183、193、1183、1193、2183、2193:支持部
185、195、1185、1195、2185、2195:連結部
187、197、1187、1197、2187、2197:基底部
151、153:導電性接合層
131:第1全面部
141:第2全面部
133、143:第1バンド部
135、145:第2バンド部
128:第1端部面
129:第2端部面
200:回路基板
211、213:第1および第2電極パッド
215:導電性接合部材