(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127734
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】SPH基盤の超弾性シミュレーション方法及び装置、並びに方法を行う、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されているコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/25 20200101AFI20240912BHJP
G06T 13/20 20110101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F30/25
G06T13/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209270
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0030018
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510273880
【氏名又は名称】コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン, ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キ, ミン ヒョン
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
【Fターム(参考)】
5B050BA08
5B050BA09
5B146DJ02
5B146DJ11
(57)【要約】
【課題】SPH基盤の超弾性シミュレーション方法及び装置を提供する。
【解決手段】プロセッサと、プロセッサに連結されるメモリと、を備えるが、メモリは、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間でのm個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義し、m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及びベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似し、近似された超弾性エネルギーを用いてヘッセ行列の初期近似を探索し、探索された初期近似に基づいて、SPH基盤の変形体をシミュレーションするように、プロセッサによって実行されるプログラム命令語を保存したSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)基盤の超弾性シミュレーション装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに連結されるメモリと、を備え、
前記メモリは、
m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間での前記m個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義し、
前記m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、前記m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム(rest-pose volume)、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及び前記ベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似し、
近似された超弾性エネルギーを用いて、ヘッセ行列(Hessian matrix)の初期近似を探索し、
前記探索された初期近似に基づいて、前記SPH基盤の変形体をシミュレーションするように、
前記プロセッサによって実行されるプログラム命令語を保存した、ことを特徴とするSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【請求項2】
前記変形勾配は、次の数学式で定義される、ことを特徴とする請求項1に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【数1】
【請求項3】
前記超弾性エネルギーは、次の数学式で定義される、ことを特徴とする請求項2に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【数4】
ここで、Ψは、弾性エネルギー密度関数を示し、前記変形体の弾性材料の類型によって変わる。
【請求項4】
前記変形勾配は、ゼロエネルギーモードを通じて近似される、ことを特徴とする請求項3に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【請求項5】
前記新たな状態は、次の数式で表現される、ことを特徴とする請求項4に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【数7】
【請求項6】
内部力は、負の傾きで評価され、前記新たな状態は、次の数式で表現される、ことを特徴とする請求項5に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【数8】
【請求項7】
前記目的関数の最適化問題は、次の数式で再公式化される、ことを特徴とする請求項6に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【数9】
【請求項8】
前記プログラム命令語は、
L-BFGS(Limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)アルゴリズムを用いた繰り返し接近方式により、前記目的関数を最適化する、ことを特徴とする請求項1に記載のSPH基盤の超弾性シミュレーション装置。
【請求項9】
プロセッサ及びメモリを備える装置において、SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)基盤の超弾性シミュレーションする方法であって、
m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体を生成するステップと、
前記m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間での前記m個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義するステップと、
前記m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、前記m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム(rest-pose volume)、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及び前記ベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似するステップと、
近似された超弾性エネルギーを用いて、ヘッセ行列(Hessian matrix)の初期近似を探索するステップと、
前記探索された初期近似に基づいて、前記SPH基盤の変形体をシミュレーションするステップと、を含む、ことを特徴とするSPH基盤の超弾性シミュレーション方法、
【請求項10】
請求項9に記載の方法を行う、ことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されているコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理基盤のアニメーション技法に係り、さらに詳細には、SPHに基づいて超弾性変形体をシミュレーションするための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)基盤の変形体シミュレーションの従来技術としては、国際ジャーナルであるPACMCGIT(Proceedings of the ACM on Computer Graphics and Interactive Techniques)に掲載された、「Fast Corotated Elastic SPH Solids with Implicit Zero-Energy Mode Control」(以下、既存技法)論文の技術が代表的である。
【0003】
該技術は、パーチクルからなる変形体の次の位置及び速度を近似するために、後退オイラー法を適用するが、二つのリニアシステムを順番に解くようにして、それらを近似する。
【0004】
ここで、二つのリニアシステムの解は、それぞれコレスキー分解(Cholesky Factorization)と、調整した共役残差(Preconditioned Conjugate Gradient)である。
【0005】
既存技法は、超弾性モデルのうち最も単純な同行回転(Corotated)モデルを表現するのに最適化した技法であるため、ネオ・フッキアン(neo-Hookean)やサン-ブナン・キルヒホッフ(St.Venant-Kirchoff)などの、さらに精巧なモデルを適用した、SPH基盤の変形体の動きをシミュレーションすることができない。
また、高い弾性係数や大きい時間間隔を使えば、シミュレーション結果が不安定になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Fast Corotated Elastic SPH Solids with Implicit Zero-Energy Mode Control論文
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、複雑度は低めながら正確度を高めることができるSPH基盤の超弾性シミュレーションのための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した技術的課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、SPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)基盤の超弾性シミュレーション装置であって、プロセッサと、前記プロセッサに連結されるメモリを備えるが、前記メモリは、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間での前記m個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義し、前記m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、前記m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム(rest-pose volume)、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及び前記ベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似し、前記近似された超弾性エネルギーを用いてヘッセ行列(Hessian matrix)の初期近似を探索し、前記探索された初期近似に基づいて、前記SPH基盤の変形体をシミュレーションするように、前記プロセッサによって実行されるプログラム命令語を保存したSPH基盤の超弾性シミュレーション装置が提供される。
【0009】
前記変形勾配は、次の数学式で定義される。
【数1】
【0010】
前記超弾性エネルギーは、次の数式で定義される。
【数4】
ここで、Ψは、弾性エネルギー密度関数を示し、前記変形体の弾性材料の類型によって変わる。
前記変形勾配は、ゼロエネルギーモードを通じて近似される。
【0011】
前記新たな状態は、次の数式で表現される。
【数7】
ここで、hは、時間段階サイズ、Mは、質量行列、f
extは、外部力を示し、f
int(x)は、SPHフレームワークの弾性力及びゼロエネルギーモード抑制力を含む内部力を示し、
【0012】
前記内部力は、負の傾きで評価され、前記新たな状態は、次の数式で表現される。
【数8】
【0013】
前記目的関数の最適化問題は、次の数式で再公式化される。
【数9】
【0014】
前記プログラム命令語は、L-BFGS(Limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)アルゴリズムを用いた繰り返し接近方式により、前記目的関数を最適化することができる。
【0015】
本発明の他の側面によれば、プロセッサ及びメモリを備える装置において、SPH基盤の超弾性シミュレーションする方法であって、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体を生成するステップと、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間での前記m個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義するステップと、前記m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、前記m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム(rest-pose volume)、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及び前記ベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似するステップと、前記近似された超弾性エネルギーを用いてヘッセ行列(Hessian matrix)の初期近似を探索するステップと、前記探索された初期近似に基づいて、前記SPH基盤の変形体をシミュレーションするステップと、を含むSPH基盤の超弾性シミュレーション方法が提供される。
【0016】
本発明のさらに他の側面によれば、前記方法を行う、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されているコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ネオ・フッキアン(neo-Hookean)やサン-ブナン・キルヒホッフ(St.Venant-Kirchoff)などの、さらに精巧なモデルを適用した、SPH基盤の変形体の動きをシミュレーションすることができる。
【0018】
また、本発明によれば、既存技法を最適化問題に確張し、これをL-BFGS(Limited-Memory BFGS)で解いて、既存技法に比べて高い弾性係数や大きい時間ステップ(time step)を使っても、安定したシミュレーション結果を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の望ましい一実施形態による、SPH基盤の超弾性シミュレーション装置の構成を示す図面である。
【
図2】本実施形態による、A0に基づいたL-BFGSアルゴリズムを示す図面である。
【
図3】多様な弾性モデルでテストしたソルバの結果を示す図面である。
【
図4】本実施形態によるシミュレーション結果と、既存技法のシミュレーション結果を示す図面である。
【
図5】本実施形態によるL-BFGSアルゴリズムを適用した結果と、既存のニュートン(Newton)法のシミュレーション結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、多様な変更を加えることができ、かつ様々な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0021】
本明細書で使う用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われるものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は文脈上明らかに表さない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「持つ」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定するためのものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないと理解されねばならない。
【0022】
また、各図面を参照して説明する実施形態の構成要素が、該実施形態のみに制限的に適用されるものではなく、本発明の技術的思想が維持される範囲内で他の実施形態に含まれるように具現され、また別途の説明が省略されるとしても、複数の実施形態が統合された一つの実施形態に再び具現されることもあるということは言うまでもない。
【0023】
また、添付図面を参照して説明するに際して、図面符号にかかわらず同一の構成要素には同一のまたは関連する参照符号を与え、これについての重なる説明は省略する。本発明を説明するに際して、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明の望ましい一実施形態による、SPH基盤の超弾性シミュレーション装置の構成を示す図面である。
図1に示されたように、SPH基盤の超弾性シミュレーション装置は、プロセッサ100及びメモリ102を備える。
【0025】
プロセッサ100は、コンピュータプログラムを実行するCPU(central processing unit)やGPU(graphics processing unit)、その他に仮想マシンなどを含む。
メモリ102は、固定式ハードドライブや着脱自在の保存装置などの揮発性保存装置を含む。着脱自在の保存装置は、コンパクトフラッシュ(登録商標)ユニット、USBメモリスティックなどを含む。メモリ102は、各種ランダムアクセスメモリなどの揮発性メモリを含んでもよい。
【0026】
本実施形態によるメモリ102には、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体のシミュレーションのためのプログラム命令語が保存される。
これらのプログラム命令語は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存される。
【0027】
本実施形態によるプログラム命令語は、m個のパーチクルで構成されるSPH基盤の変形体について、離散時間での前記m個のパーチクルそれぞれの状態を、位置及び速度集合と定義し、前記m個のパーチクルそれぞれの新たな状態を解くための目的関数を最適化するために、前記m個のパーチクルそれぞれの超弾性エネルギーを、残りのポーズボリューム(rest-pose volume)、材料パラメータ、ベクトル化された変形勾配、及び前記ベクトル化された変形勾配の投映を用いて近似し、前記近似された超弾性エネルギーを用いてヘッセ行列(Hessian matrix)の初期近似を探索し、前記探索された初期近似に基づいて、前記SPH基盤の変形体をシミュレーションする。
【0028】
本実施形態によれば、L-BFGS(Limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)アルゴリズムを用いた繰り返し接近方式により、前記目的関数を最適化する。
【0029】
以下では、本実施形態によるSPH基盤の超弾性シミュレーション過程を詳細に説明する。
本実施形態によるSPH基盤の超弾性シミュレーションは、変形勾配(Deformation Gradient)及びゼロエネルギーモード抑制(Zero-Energy Mode Suppression)に基づく。
【0030】
以下では、これらについて詳細に説明する。
弾性エネルギーモデル(corotated、Neo-Hookean及びSt.Venant-Kirchoffなど)は、弾性を持つ変形体に広く使われる。
【0031】
【0032】
既存のSPH基盤の変形体についての変形勾配は、次のように表現される。
【数1】
【0033】
【数2】
【数3】
ここで、回転運動を正しくキャプチャすることが重要である。
で表示される超弾性エネルギーは、数式1で与えられた変形勾配を用いて定義される。
【数4】
ここで、Ψは、弾性エネルギー密度関数を示し、変形体の弾性材料の類型によって変わる。
数式1に与えられた変形勾配近似の周知の問題が、ゼロエネルギーモードである。
【0034】
次は、以前に提案されたゼロエネルギーモードを抑制する暗黙のペナルティ力(implicit penalty Forces)を示す。
【数5】
数式5は、行列-ベクトル積形式で示すことができる。
【数6】
【0035】
以下では、最適化過程を詳細に説明する。
tnの状態が与えられれば、陰的オイラー式(implicit Euler scheme)は、次のようにt
n+1の次の状態を近似する。
【数7】
ここで、hは、時間ステップサイズ、Mは、質量行列、f
extは、外部力(例えば、重力)を示し、f
int(x)は、SPHフレームワークの弾性力及びゼロエネルギーモード抑制力を含む内部力を示す。
【数8】
【0036】
数式8で新たな状態xn+1を解くために、次の目的関数g(x)を最小化するxn+1を見つける最適化の問題で再公式化される。
【数9】
表記を単純化するために、これからxn+1の代わりにxを使う。
数式9で与えられた目的関数を最適化する問題は、ニュートン法などの繰り返しの接近方式を使って解決することができる。
【数10】
ここで、添字は、繰り返し回数を示し、
である。
【0037】
ニュートン法の早い収斂特性にもかかわらず、ソルバ(solver)の繰り返し当りヘッセ行列
を計算し、因数分解をせねばならないため、効率性が劣る。
【0038】
本実施形態では、L-BFGS(Limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)アルゴリズムを用いる。
【0039】
以下、本実施形態についての行列の効果的な近似値を示し、実験で最適化に基づいた弾性SPHソリッド・ソルバの効率を示す。
【0040】
以下では、ヘッセ行列の初期近似を説明する。
A
0で表示するヘッセ行列の初期近似は、L-BFGSの収斂速度に相当な影響を及ぼす。
【数11】
【0041】
【数12】
本実施形態では、Bで表示する、所望の“定数近似”を、次のように定義する。
【数13】
最後に、ヘッセ行列A0の初期近似は、Bで完了する。
【数14】
【0042】
図2は、本実施形態による、A
0に基づいたL-BFGSアルゴリズムを示す図面である。
図3は、多様な弾性モデルでテストしたソルバの結果を示す図面である。
【0043】
図3を参照すれば、左側の同行回転モデル(corotated model)よりは、本実施形態によるモデルが、弾性ビームの捻れをさらによく表現するということが分かる。
【0044】
図4は、本実施形態によるシミュレーション結果と、既存技法のシミュレーション結果を示す図面である。
図4の(a)のように、L-BFGSを1回進行した場合、シミュレーションが多少不安定ではあるが、
図4の(b)のように、L-BFGSの進行回数を2回に増加させれば、直ぐシミュレーションが安定するということが分かる。
図4の(c)のように、既存技法でシミュレーションを進行した場合、不安定であり、
図4の(d)のように、既存技法でシミュレーションを安定させるためには、hのサイズを縮めねばならず、これは、複雑度が大きくなるという問題点がある。
【0045】
図5は、本実施形態によるL-BFGSアルゴリズムを適用した結果と、既存のニュートン法のシミュレーション結果を示すた図面であり、これを通じて、本実施形態によるL-BFGSアルゴリズムを適用しても、既存のニュートン法とあまり差がないということが分かる。
【0046】
前記本発明の実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、当業者ならば、本発明の思想及び範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、これらの修正、変更及び付加は、下記の特許請求の範囲に属すると見なせねばならない。
【符号の説明】
【0047】
100 プロセッサ
102 メモリ