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特開2024-127736コンピュータ・プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127736
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】コンピュータ・プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9535 20190101AFI20240912BHJP
   G06Q 30/0242 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
G06F16/9535
G06Q30/0242
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214140
(22)【出願日】2023-12-19
(62)【分割の表示】P 2023035796の分割
【原出願日】2023-03-08
(71)【出願人】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐佐 將行
(72)【発明者】
【氏名】老後 徐
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175HA02
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】メディアオーナ、広告主、ユーザが有する広告に関する情報の利用および評価を支援するための情報処理装置および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】広告管理システムは、メディアオーナ装置、広告主装置、ユーザ端末、広告管理装置を備え、広告管理装置は、ユーザ端末からの一次広告の検索要求に応答して、メディアオーナから取得した一次広告掲示情報に基づいて一次広告を検索する一次広告検索部と、検索された一次広告および当該一次広告に関連した二次広告を含む商材SNSサイトをユーザ端末に提供する商材SNSサイト支援部と、一次広告の検索および商材SNSサイトの閲覧に係るユーザの行動情報に基づいて、一次広告を掲示した広告媒体が持つ広告効果を測定する広告効果測定部と、商材に対するユーザニーズと広告主の理解の関連性を示す商材力を測定する商材力測定部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からの一次広告の検索要求に応答して、メディアオーナから取得した一次広告掲示情報に基づいて一次広告を検索する一次広告検索部と、
前記検索された一次広告および当該一次広告に関連した二次広告を含む商材SNSサイトを前記ユーザ端末に提供する商材SNSサイト支援部と、
前記一次広告の検索および前記商材SNSサイトの閲覧に係るユーザの行動情報に基づいて、前記一次広告を掲示した広告媒体が持つ広告効果を測定する広告効果測定部と、
商材に対するユーザニーズと広告主の理解の関連性を示す商材力を測定する商材力測定部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザの行動情報は、前記一次広告の検索に係る検索履歴と前記商材SNSサイトの閲覧に係る閲覧履歴を含み、
前記広告効果測定部は、前記検索履歴および前記閲覧履歴に基づいて、前記広告効果を測定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザの行動情報は、広告の対象となっているブランド、商材あるいはサービスに対するユーザの反応書込み行為を含み、
前記広告効果測定部は、前記反応書込み行為に基づいて、前記広告効果を測定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記広告効果測定部は、前記検索履歴から判定された広告印象度と、前記閲覧履歴から判定された広告閲覧アクションとに基づいて、前記一次広告を表示した媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す情報発信力を算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記広告効果測定部は、前記情報発信力に対する一日当たりの広告出稿費に係るコストパフォーマンスを評価することで、前記一次広告を表示した広告媒体が持つ広告効果を算出する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記広告効果測定部は、さらに、特定の広告媒体の前記情報発信力が、同一または類似した広告媒体の情報発信力から乖離している度合いを示す媒体所在適合偏差値を測定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商材力は、広告主の商材重視ポイントと消費者の商材重視ポイントの一致度を示す市場適合度、商材に対する嗜好度の度合いを示す消費者の商材評価点、および、ターゲットとなる消費者を重視する度合いを示すターゲット属性係数に基づいて算出される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータ・プログラムであって、コンピュータに、
ユーザ端末からの一次広告の検索要求に応答して、メディアオーナから取得した一次広告掲示情報に基づいて一次広告を検索することと、
前記検索された一次広告および当該一次広告に関連した二次広告を含む商材SNSサイトを前記ユーザ端末に提供することと、
前記一次広告の検索および前記商材SNSサイトの閲覧に係るユーザの行動情報に基づいて、前記一次広告を掲示した広告媒体が持つ広告効果を測定することと、
商材に対するユーザニーズと広告主の理解の関連性を示す商材力を測定することと、を実行させるためのコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告に関する情報の利用および評価を支援するための情報処理装置および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザへ商品や役務に関する情報を提供するための手段として、インターネット等で提供されるオンライン広告や、テレビ、新聞、チラシなどの広告媒体、鉄道、バス、駅などに取り付けられている広告媒体などのオフライン広告が利用されている。近年では、デジタルサイネージのような映像表示装置を用いたオフライン広告も普及している。
【0003】
ユーザは、日々いたるところで多様な広告を目にしている。ユーザは、目にした広告の中で気になったものがあっても、そのまま通り過ぎて忘れてしまうことも多い。しかし、後になって気になった広告を思い出すこともあり、過去に見た広告を再見したいというニーズがあった。また、メディアオーナや広告主にとっては、広告媒体がユーザの興味をどの程度引いているのか、あるいは、ユーザの嗜好性にあった広告情報を提供しているのかを把握したいというニーズがあった。
【0004】
特許文献1には、ユーザが気になる広告を発見した場合には、ユーザ端末に保持されている広告登録アプリケーションプログラムを起動して、現在の位置データ、日時データおよび広告媒体を登録しておき、購買の際に登録された広告の場所のデータや広告媒体などを提供することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、交通媒体広告や屋内外デジタルサイネージ広告を検索できるポータルサイトを構築し、ポータルサイトから直接商品を購入できるようにするために、広告の管理番号を直接入力するか、あるいは、車両の端・中央など広告の掲示場所を絞り込むことでファジー的に目的とする広告を探し出すことにより、電車の中で偶然見合わせた広告を後ほど容易に検索できるようにし、また、実物広告をサムネイル化して実際の広告を掲示している空間情報と同じ秩序で表示し、サムネイルを実広告元会社のホームページにリンクさせることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、同じ広告コンテンツを視聴できる視聴エリアに一定の時間存在していることが複数回検出されたときに、ユーザがその広告コンテンツを視聴したものとして判断することにより、広告コンテンツの視聴者数、関連情報に対してアクションを起こしたユーザの数等の広告効果を測定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-204021号公報
【特許文献2】特開2010-250810号公報
【特許文献3】特許第5410229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ユーザが歩行中や移動中にオフライン広告の位置データや日時データを登録したり、オフライン広告の管理番号を入力したりすることは手間がかかり、また、いたるところで目にする広告をファジー的に探す手段は知られていないことから、ユーザが一度見た広告を後になって再見することは困難であった。一方、広告媒体の提供者であるメディアオーナや広告主にとっては、広告を見た後にユーザがその広告に興味を示したとしても、そのときのユーザによる広告に対する関心度を知ることはできないから、広告媒体がユーザにアピールしたのか、広告効果はあったのか、あるいは、商材はユーザニーズにマッチしていたのかを分析することはできなかった。
【0009】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、メディアオーナ、広告主、ユーザが有する広告に関する情報の利用および評価を支援するための情報処理装置および情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置またはコンピュータ・プログラムの第1態様は、ユーザ端末からの一次広告の検索要求に応答して、メディアオーナから取得した一次広告掲示情報に基づいて一次広告を検索する一次広告検索部と、前記検索された一次広告および当該一次広告に関連した二次広告を含む商材SNSサイトを前記ユーザ端末に提供する商材SNSサイト支援部と、前記一次広告の検索および前記商材SNSサイトの閲覧に係るユーザの行動情報に基づいて、前記一次広告を掲示した広告媒体が持つ広告効果を測定する広告効果測定部と、商材に対するユーザニーズと広告主の理解の関連性を示す商材力を測定する商材力測定部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本開示に係る情報処理装置の第2態様は、前記ユーザの行動情報は、前記一次広告の検索に係る検索履歴と前記商材SNSサイトの閲覧に係る閲覧履歴を含み、前記広告効果測定部は、前記検索履歴および前記閲覧履歴に基づいて、前記広告効果を測定することを特徴とする。
【0012】
本開示に係る情報処理装置の第3態様は、前記ユーザの行動情報は、広告の対象となっているブランド、商材あるいはサービスに対するユーザの反応書込み行為を含み、前記広告効果測定部は、前記反応書込み行為に基づいて、前記広告効果を測定することを特徴とする。
【0013】
本開示に係る情報処理装置の第4態様は、前記広告効果測定部は、前記検索履歴から判定された広告印象度と、前記閲覧履歴から判定された広告閲覧アクションとに基づいて、前記一次広告を表示した媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す情報発信力を算出することを特徴とする。
【0014】
本開示に係る情報処理装置の第5態様は、前記広告効果測定部は、前記情報発信力に対する一日当たりの広告出稿費に係るコストパフォーマンスを評価することで、前記一次広告を表示した広告媒体が持つ広告効果を算出することを特徴とする。
【0015】
本開示に係る情報処理装置の第6態様は、さらに、特定の広告媒体の前記情報発信力が、同一または類似した広告媒体の情報発信力から乖離している度合いを示す媒体所在適合偏差値を測定することを特徴とする。
【0016】
本開示に係る情報処理装置の第7態様は、前記商材力は、広告主の商材重視ポイントと消費者の商材重視ポイントの一致度を示す市場適合度、商材に対する嗜好度の度合いを示す消費者の商材評価点、および、ターゲットとなる消費者を重視する度合いを示すターゲット属性係数に基づいて算出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示の第1態様によれば、メディアオーナの一次広告掲示情報、広告主の商材情報、一次広告の検索や商材情報の閲覧に係るユーザの行動情報を統合して管理することにより、ユーザは、一次広告を再見したいときに、その一次広告の内容をオンラインで見ることができ、さらに、その一次広告に関連した二次広告もオンラインで閲覧できるため、その広告がアピールしている商材や事柄にさらに興味を覚えるかどうかを自覚することができる。一方、広告主にとっては、一次広告や二次広告を含む商材情報を効率的に提供することができ、商機を増やすこともできる。また、メディアオーナにとっては、保有している広告媒体の分析、評価が容易になり、広告主にとっても、消費者が広告の興味を引いているのかを数値で把握することができる。さらに、広告主は、商材力を分析することにより、商材の改善にかけるコストや販売計画を見直すことができる。
【0018】
本開示の第2態様によれば、一次広告検索時のユーザによる検索履歴、および、広告閲覧時のユーザによる閲覧履歴をユーザの行動情報として利用することにより、過去に見た広告を再見しようとしたときのユーザの行動情報から一次広告の効果を測定することができる。
【0019】
本開示の第3態様によれば、ユーザの行動情報として、商材SNSサイトに対するユーザの反応書込みも加味することにより、ユーザがどのような反応をしたのかを見極めることで、商材・事柄にどの程度興味を持ってもらえたのか、あるいは、持ってもらえているのかを分析できることから、ユーザの反応を直接的に反映した広告効果を測定することができる。
【0020】
本開示の第4態様によれば、ユーザの行動情報から広告印象度と広告閲覧アクションを特定できることから、メディアオーナは、広告媒体の管理を客観的データに基づいて行うことができる。また、広告主に対して、広告媒体の情報発信力を算出することにより、保有広告媒体の有利性を数値でアピールすることができる。
【0021】
本開示の第5態様によれば、メディアオーナは、広告実施のコストパフォーマンスを知ることができ、広告の認知拡大と商材の理解促進というテーマについて広告を評価することができる。
【0022】
本開示の第6態様によれば、絶対的な指標である情報発信力に加えて、同一あるいは類似した広告と対比した相対的な情報発信力を示す媒体所在適合偏差値を取得できるため、広告媒体の取捨選択やコストパフォーマンスを検討することできる。
【0023】
本開示の第7態様によれば、広告主は、同種の商材の商材力の平均、最大、最小のデータと、評価対象としている商材の商材力を比較することで、市場における商材の現在位置と今後の商材の補強要素であるバージョンアップや刷新の検討、売り方の改善、撤退、維持の判断材料として利用できる。また、時系列で商材力を比較することで、その商材の持つ価値の推移を評価することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本開示の実施形態に係る情報処理装置および情報処理プログラムが適用された広告管理システム1の全体構成の一例を示す俯瞰図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係るメディアオーナ装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、メディアオーナ装置により管理される一次広告掲示テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る広告主装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、ユーザ端末に表示される一次広告検索画面の一例を説明するための図である。
図8図8は、ユーザ端末に表示される商材SNSサイト閲覧画面の一例を説明するための図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る広告管理システム全体の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、本開示の実施形態に係る情報処理装置における一次広告検索部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図11図11は、一次広告検索部による一次広告検索に利用される広告インデックス(公共交通機関)の一例を説明する図である。
図12図12は、一次広告検索部による一次広告検索に利用される広告インデックス(車、徒歩)の一例を説明する図である。
図13図13は、広告インデックス(公共交通機関)のデータ構造の一例を説明する図である。
図14図14は、本開示の実施形態の情報処理装置における商材SNSサイト支援部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図15図15は、本開示の実施形態の情報処理装置における広告効果測定部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図16図16は、広告効果測定部による情報発信力算出に利用される情報発信力配点表の一例を示す図である。
図17図17は、本開示の実施形態の情報処理装置における商材力測定部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図18図18は、商材力測定部による市場適合度と市場ニーズの算出例を説明するための図である。
図19図19は、商材力測定部による商材力の算出例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施形態の情報処理装置および情報処理プログラムについて、図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、既に説明済みである構成と同一または類似した構成及び要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
(1)広告管理システム1の全体構成
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理装置および情報処理プログラムが適用された広告管理システム1の全体構成の一例を示す俯瞰図である。図1に示す広告管理システム1は、広告管理装置2と、メディアオーナ装置3Aと、メディアオーナ装置3Bと、広告主装置4Xと、広告主装置4Yと、ユーザ(または、消費者ともいう。)が使用するユーザ端末5を備えており、これらの装置は、インターネットのようなネットワーク6を介して接続されている。
【0027】
広告管理装置2は、メディアオーナ装置3、広告主装置4およびユーザ端末5と通信可能に接続されており、メディアオーナが管理する広告媒体に関する情報、広告主が管理する一次広告、二次広告を含む商材情報、一次広告の検索や商材情報の閲覧時における各ユーザの要求操作をトランザクションとする行動情報を取得して統合的に管理することにより、ユーザには、商材SNSサイトを通じて一次広告の検索や二次広告を含む商材情報の閲覧を可能にし、メディアオーナには、ユーザの行動情報を利用して測定された広告媒体の持つ効果を提供し、広告主には、ユーザの期待やニーズに基づいて測定された商材力を提供する。
【0028】
ここで、オフライン広告は、例えば、オフライン媒体上の広告、具体的には、駅や空港、バス停、街頭、各種施設、乗り物車両内などの場所で掲示あるいはビデオ表示されたり、新聞・雑誌あるいはダイレクトメール等の紙面で掲示されたり、テレビやラジオなどで放送されたりする広告などが含まれる。一方、オンライン広告は、例えば、インターネット媒体上の広告であり、具体的には、Web上の広告、メール配信された広告、アプリにより表示された広告、SNSサイトにおいて提示された広告などが含まれる。
【0029】
一次広告は、ユーザ自身が見たり聞いたりして体験した広告を意味しており、例えば、ユーザが、オフライン媒体の広告スペースに掲示・表示された広告を見た場合、この広告は一次広告となりうる。二次広告は、一次広告に関連し、文字や図形や音声・動画による説明・補足・補追情報を掲示した広告であり、例えば、ユーザが、一次広告を見た後、一次広告に関連するオンライン広告を閲覧した場合、このオンライン広告は二次広告となりうる。
【0030】
本実施形態では、メディアオーナ装置3が管理する一次広告はオフライン広告であり、一次広告に紐づけられた二次広告は、オフライン広告に関連するオンライン広告であるとして説明する。しかし、一次広告は、オフライン媒体に掲示された広告に限らず、オンライン媒体に掲示された広告であってもよい。二次広告も、同様に、オフライン媒体あるいはオンライン媒体のいずれに掲示された広告であってもよい。なお、一次広告がオンライン媒体の場合、オンラインサービスの提供者がメディアオーナに該当する。
【0031】
メディアオーナ装置3は、メディアオーナが所有する一次広告媒体に関する情報を管理するための装置であり、広告主装置4および広告管理装置2とネットワーク6を介して通信可能に接続されている。メディアオーナ装置3Aは、メディアオーナAの広告媒体を管理するための装置であり、管理装置31Aと記憶装置32Aを備える。記憶装置32Aは、一次広告掲示情報、広告掲示スケジュール、媒体情報、広告実績などの一次広告媒体に関する情報を記憶する。メディアオーナ装置3Aの管理装置31Aは、広告管理装置2からの要求に応答して、一次広告媒体に関する情報を広告管理装置2に提供する。また、管理装置31Aは、広告管理装置2から広告媒体評価レポートを受信する。メディアオーナ装置3Bは、メディアオーナBの一次広告媒体を管理する装置であり、メディアオーナ装置3Aと同様の構成を有している。
【0032】
広告主装置4は、広告主が取り扱う商材を管理するための装置であり、広告管理装置2、メディアオーナ装置3とネットワーク6を介して通信可能に接続されている。広告主装置4Xは、広告主Xが取り扱う商材を管理するための装置であり、管理装置41Xと記憶装置42Xを備える。記憶装置42Xは、商材SNSサイトに掲示するための商材情報などを記憶する。管理装置41Xは、一次広告のコンテンツをメディアオーナ装置3に提供し、また、商材SNSサイトを構築するための商材情報を広告管理装置2に提供する。また、広告主装置4Xは、広告管理装置2から消費者評価レポートや商材評価レポートを受信する。広告主装置4Yは、広告主Yの商材を管理する装置であり、広告主装置4Xと同様の構成を有している。
【0033】
ユーザ端末5は、広告管理装置2とネットワーク6を介して通信可能に接続されており、一次広告検索を実行する一次広告検索アプリケーションがインストールされている。一次広告検索アプリケーションは、一次広告を検索するための検索条件をユーザから取得し、一次広告の検索要求を広告管理装置2に送信したり、広告管理装置2から一次広告検索結果リストを受信して表示したり、一次広告検索結果リストに基づいて一次広告を参照するための一次広告参照要求を広告管理装置2に送信したりする機能を備えている。また、ユーザ端末5には、ウェブブラウザがインストールされており、広告管理装置2が提供する商材SNSサイト(アプリでもSNSサイトにアクセスできる)にアクセスして、一次広告や二次広告の閲覧、あるいは、評価情報の書込みなどを行うことができる。なお、本実施形態では、ユーザ端末5に一次広告検索アプリケーションがインストールされているとして説明するが、一次広告検索アプリケーションに代えて、ユーザ端末5のウェブブラウザにより広告管理装置2が提供する一次広告検索サイトにアクセスするように構成してもよい。
【0034】
(2)ハードウェア構成
(2-1)広告管理装置2
広告管理装置2は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース(通信I/F)24と、入出力インタフェース(入出力I/F)25と、これらを接続するバス26とを備えている。プロセッサ21は、広告管理装置2全体の動作を制御する。プロセッサ21は、例えば、CPU、MPU、GPU等の汎用プロセッサであってもよいが、汎用プロセッサに限らず、ASICまたはFPGA等の専用プロセッサであってもよい。メモリ22は、主記憶装置であり、RAM等を含む。ストレージ23は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性記憶装置を含む。通信インタフェース(通信I/F)24は、有線または無線の通信インタフェースであり、ネットワーク6を介してメディアオーナ装置3、広告主装置4、ユーザ端末5等の装置と通信するためのモジュールである。なお、ネットワーク6は、例えばインターネットであり、LAN、WAN、移動通信網、有線電話網、FTTH、CATV網等のアクセス網を含み得る。入出力インタフェース(入出力I/F)25は、外部装置から入力データを取り込んだり、出力データを外部装置に出力したりする。
【0035】
(2-2)メディアオーナ装置3
メディアオーナ装置3は、少なくとも、プロセッサと、メモリと、ストレージと、通信インタフェース(通信I/F)と、入出力インタフェース(入出力I/F)と、これらを接続するバスとを備える。
【0036】
(2-3)広告主装置4
広告主装置4は、少なくとも、プロセッサと、メモリと、ストレージと、通信インタフェース(通信I/F)と、入出力インタフェース(入出力I/F)と、これらを接続するバスとを備える。
【0037】
(2-4)ユーザ端末5
ユーザ端末5は、プロセッサ51と、メモリ52と、ストレージ53と、カメラ54と、通信インタフェース(通信I/F)55と、入出力インタフェース(入出力I/F)56と、タッチスクリーン57と、これらを接続するバス50とを備える。ここで、ストレージ53は、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザ、一次広告検索アプリケーションなどのプログラム、各種データを記憶する。また、タッチスクリーン57は、入力部58と表示部59を備える。ユーザ端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ端末5は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型コンピュータであってもよい。
【0038】
(3)機能構成
(3-1)広告管理装置2
図2は、本実施形態に係る情報処理装置(広告管理装置2)の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の広告管理装置2は、機能構成として、広告管理制御部200と、広告管理のための記憶部210と、通信制御部220を備える。通信制御部220は、広告管理制御部200からの指示にしたがって、メディアオーナ装置3、広告主装置4、ユーザ端末5とのネットワーク6を介した通信を制御する。
【0039】
(3-1-1)広告管理のための記憶部210
広告管理のための記憶部210は、一次広告検索用記憶部211、商材SNSサイト用記憶部212、広告効果測定用記憶部213、商材力測定用記憶部214および外部提供データ記憶部215を備える。
【0040】
一次広告検索用記憶部211は、メディアオーナ装置3から取得された一次広告掲示情報を一元的に保管、保持するための記憶部であり、一次広告掲示情報は、広告インデックスの形式に変換されて記憶される。広告インデックスは、検索対象となる一次広告を効率的に検索するための索引であり、掲示されている一次広告に到達するためのアクセス経路を階層的に特定できるデータ構造を備える。メディアオーナ装置3がそれぞれ異なった形式の一次広告メディア情報を保有している場合であっても、一次広告検索用記憶部211には、標準化されたデータ構造を有する広告インデックスとして記憶される。
【0041】
商材SNSサイト用記憶部212は、広告主装置4から取得された商材SNSサイトを生成するための商材情報を記憶する。商材情報は、一次広告情報、一次広告に関連する二次広告情報、クーポン情報、アンケート情報、モニタ情報などを含む。また、商材SNSサイト用記憶部212は、商材評価者から取得したカタログ情報、消費者から取得した評価情報などを記憶する。
【0042】
カタログ情報は、商材評価者により作成された商材の価格や機能を説明した情報であり、商材の機能、品質、コスト、デザイン、新規性などについての商材評価者による分析や評価も含まれる。カタログ情報は、商材SNSサイトユーザの中の自発的志願者によって自主的に当該特定の商材について評価レポートを作成してもらうことにより生成される情報であり、その作成者は商材評価者として一般ユーザとは区別されるのであって、このユーザは、あくまでも本人が自主的、主体的にSNSに参画することが前提となる。なお、特定のユーザ個人を見た場合には、ある商材については商材評価者であり、別の商材に関しては一般ユーザであるという2面性を持つことになる。広告主は、カタログ情報を利用することで、広告対象の商材に対する消費者評価を取得できる。また、一般ユーザにとっては、商材を調べる時間や学習する時間を短縮でき、購買意思決定が容易になる。
【0043】
評価情報は、消費者がカタログや商材あるいは広告主の企画に対して直接評価したときの情報である。評価情報は、カタログに対するカタログ評価情報も含む。消費者は、評価情報により、ほかの消費者が商材の何をどのように評価しているのか把握でき、消費者としても人気のある商材やその評価レポートを知ることができる。また、広告主は、消費者が商材の何をどのように評価しているのかを把握することができる。
【0044】
広告効果測定用記憶部213は、一次広告検索や広告閲覧に係るユーザの行動情報、メディアオーナ装置3から取得した広告掲示期間や広告出稿費などの広告実績、媒体所在適合偏差値の算出に用いられる広告媒体の媒体情報を記憶している。ユーザの行動情報は、ユーザが、ユーザ端末5を操作して一次広告を検索したときの検索履歴、ユーザ端末5を操作して一次広告を参照したり、二次広告を閲覧したりしたときの閲覧履歴を含む。検索履歴は、例えば、一次広告を検索するためにユーザが入力した検索条件の内容、入力にかかった時間などの情報を含む。閲覧履歴は、ユーザが一次広告検索結果リストにおいて一次広告の「参照」ボタンを押下したときなどの各種操作のトランザクションあるいは商材SNSサイトにおいてユーザが一次広告や二次広告あるいはカタログ等の評価情報を閲覧したときなどの各種操作のトランザクションに関する情報を含む。ユーザの行動情報は、ユーザによる商材評価、コメント、質問、カタログ評価などの商材SNSサイトへの書込み(以下、SNS書込みともいう。)を含んでもよい。ユーザの行動情報は、ユーザ端末5に対する各ユーザのトランザクションをユーザIDに紐づけて記録したものである。なお、ユーザの行動情報とは別に、各ユーザによるトランザクションを後から履歴として参照するための行動履歴ログを記録してもよい。
【0045】
商材力測定用記憶部214は、クーポン利用実績、モニタ参加実績、アンケート回答実績、ヒヤリング回答実績などを記憶する。クーポン利用実績やモニタ利用実績は、消費者がクーポンを利用したり、モニタ参加したりすることで自動的に記憶される。アンケート回答実績は、例えば、消費者や広告主に対して任意のタイミングで実施された種々のアンケートに対する回答実績を含む。ヒヤリング回答実績は、例えば、消費者や広告主に対して任意のタイミングで実施された種々のヒヤリングに対する回答実績を含む。アンケート回答実績は、ブランドや商材・サービスに対する消費者による商材重視ポイントに関するアンケート回答実績、ブランドや商材・サービスに対する広告主による商材重視ポイントに関するアンケート回答実績を含む。また、ヒヤリング回答実績は、広告主に対するターゲット属性係数などのヒヤリング回答実績を含む。クーポン利用実績、モニタ参加実績、アンケート回答実績、ヒヤリング回答実績は、広告主装置4が収集し、広告管理装置2が広告主装置4から取得したものでもよいし、広告管理装置2が自ら収集して記憶したものでもよい。これらの情報は、商材力のポジティブ評価あるいはネガティブ評価を行う場合に利用することができる。アンケート回答実績により、商材力があるにもかかわらず売上が期待値に届かない商材、あるいは、売上は良いものの競争力が把握しにくい商材なども分析することができる。
【0046】
商材力測定用記憶部214は、さらに、利用者属性情報を記憶する。利用者属性情報は、消費者が商材SNSサイトに会員登録したときに取得される消費者の属性情報である。属性情報には、会員氏名、会員番号、性別、年齢、誕生日、出身地といった静的属性、趣味、価値観、住所、役職、関心といった動的属性などが含まれる。属性情報は、商材力を消費者のセグメント別に求めるために利用することができ、また、消費者によるクーポン受領やモニタ参加を容易にすることができる。
【0047】
外部提供データ記憶部215は、購買ログや外部会員情報を記憶する。購買ログは、広告主あるいは第三者から取得した購買情報である。購買ログを用いることにより、購入者の属性に基づいた売上分析とは異なり、そうした従来の分析成果に加えて、どのような経緯で商材を購入したのか、あるいは、何と比較して商材を購入したのかも評価することができる。外部会員情報は、例えば、ソーシャルメディアに登録されているログイン情報や会員情報であり、外部会員情報を使用することにより、他の商材SNSサイトにログインや会員登録した外部会員についても商材力を評価することができ、また、商材力をセグメント別に求めることができる。消費者にとっても、会員登録やログインをそれぞれのサイトで行う手間を省くことができる。
【0048】
(3-1-2)広告管理制御部200
広告管理制御部200は、プロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより、一次広告検索部201、商材SNSサイト支援部202、広告効果測定部203、商材力測定部204として機能する。
【0049】
一次広告検索部201は、メディアオーナ装置3が管理する一次広告掲示情報を取得する。一次広告検索部201は、メディアオーナ装置3から取得した一次広告掲示情報を特定のデータ構造を有する広告インデックスに変換して、一次広告検索用記憶部211に記憶する。メディアオーナ装置3から一次広告掲示情報を取得するタイミングは任意でよいが、例えば、定期的あるいは一次広告掲示情報の更新時など、広告インデックスを最新に維持できるタイミングあればよい。
【0050】
ユーザ端末5にインストールされた一次広告検索アプリケーションは、ユーザにより起動されたとき、ユーザにより入力されたログイン情報を一次広告検索部201に送信し、ログイン認証要求を行う。一次広告検索部201は、一次広告検索アプリケーションからユーザのログイン認証要求を受信すると、ログイン認証処理を実行する。なお、一次広告検索アプリケーションがユーザ端末5に新規にインストールされた場合には、一次広告検索部201は、当該ユーザの新規会員登録を実行してもよい。
【0051】
一次広告検索部201は、ユーザ端末5から一次広告の検索要求および一次広告の検索条件を含む検索履歴を受信すると、一次広告検索用記憶部211に記憶された広告インデックスを利用して、一次広告の検索条件を満足する一次広告を検索する。一次広告検索部201は、ユーザ端末5に一次広告の検索結果リストを送信し、ユーザ端末5に表示させる。一次広告検索結果リストには、検索された一次広告のそれぞれについて、該当する一次広告を参照するための「参照」ボタンが設けられており、ユーザは、「参照」ボタンを押下することで一次広告を再度参照することができる。なお、検索条件を満足する一次広告を見いだせない場合には、検索結果画面に該当する一次広告が見つからない旨の表示を行う。一方、検索された一次広告数が事前に設定された最大数を超えるような場合には、全ての検索結果を表示できない旨の表示を行ってもよい。
【0052】
一次広告検索部201は、ユーザが所望する一次広告の「参照」ボタンを押下したことに応答して、ユーザ端末5より一次広告参照要求を受信した場合には、当該一次広告参照要求を商材SNSサイト支援部202へ引き継ぐ。このとき、一次広告検索部201は、ユーザ端末5から受信した当該ユーザのログイン情報を商材SNSサイト支援部202に引き継いでもよい。一次広告検索部201は、ユーザ端末5から一次広告検索要求とともに送信された検索履歴を、ユーザのログイン情報に関連付けて、ユーザの行動情報として、広告効果測定用記憶部213に格納する。
【0053】
一次広告検索部201は、ユーザ端末5だけではなく他のプログラムからも呼び出されるように構成してもよい。この場合には、一次広告検索要求の発行元から検索結果の出力先を指定できるようにしておき、一次広告検索部201は、指定された出力先に検索結果を送信してもよい。例えば、一次広告検索部201は、検索結果の出力先が指定されていない場合には、デフォルトの出力先である一次広告検索の要求元に検索結果リストを送信する。一方、一次広告検索部201に対してその検索結果の出力先を指定した場合には、指定された出力先に検索結果リストを送信する。出力先としては、ユーザが他にログインしている特定のアドレス、例えば、特定のサイト、ユーザのメール、インターフェースプロセスなどを指定することもできる。これにより、ユーザが他のプログラムのためのログイン情報を利用した場合であっても、ユーザは本情報処理装置を用いた一次広告検索を実行でき、広告管理装置2側でも他のプログラムの会員によるデータを分析評価することができる。
【0054】
商材SNSサイト支援部202は、ユーザからの一次広告の参照要求を一次広告検索部201から引き継いだ場合、あるいは、ユーザから商材SNSサイトへのアクセス要求を受信した場合に起動される。商材SNSサイト支援部202は、一次広告および当該一次広告に関連した二次広告を含む商材SNSサイトを前記ユーザ端末に提供する。
【0055】
商材SNSサイト支援部202は、一次広告検索部201より一次広告の参照要求を引き継いだ場合には、一次広告検索部201に対して送信されたログイン情報を引き継いでもよい。一方、商材SNSサイト支援部202がユーザから商材SNSサイトへのアクセス要求を受信したときには、ユーザに対して、新規会員登録あるいは事前に登録したアカウントによるログイン情報を要求することができる。商材SNSサイト支援部202は、引き継いだログイン情報あるいはユーザ端末5から送信されたログイン情報に基づいてユーザのログイン認証を行うと、商材SNSサイトをユーザ端末5に提供する。
【0056】
商材SNSサイトは、メディアオーナ、広告主、ユーザの間のコミュニケーションを実現するためのサイトであり、一次広告、一次広告と関連する二次広告、クチコミ情報、Q&A欄、SNS連携ボタン、評価ボタンなどを含む。例えば、商材SNSサイトは、一次広告の対象となるブランドや商材・サービスなどに紐づく二次広告やその製造販売提供者とのQA情報を提供したり、消費者による評価情報(レポート、コメント、いいね等)を参照したり、あるいは、これら評価情報への反応(書込み、申し込み、いいね付け等)を書き込み可能とする。すなわち、商材SNSサイトは、これらの情報を商材SNSサイトへの参加者間(ユーザ、メディアオーナ、広告主)で共有できるように構成されており、商材に関するSNSとしての利用形態を有している。
【0057】
商材SNSサイト支援部202は、ユーザが一次広告検索結果リストから一次広告の「参照」ボタンを押下したという情報、および、ユーザ端末5に表示された商材SNSサイトページに対して入力された選択情報(クリック情報)やテキスト情報などを含む閲覧履歴を、当該ユーザの行動情報として広告効果測定用記憶部213に格納する。また、ユーザによる商材評価、コメント、質問、カタログ評価などの商材SNSサイトへの書込み(以下、SNS書込みともいう。)などの反応書込み行為を当該ユーザの行動情報として広告効果測定用記憶部213に格納してもよい。商材SNSサイト支援部202により記録された閲覧履歴や反応書込み行為は、一次広告検索部201により記録された検索履歴とともに、各ユーザのログイン情報と関連付けて、各ユーザの行動情報として記録される。
【0058】
広告効果測定部203は、一次広告の検索および商材SNSサイトの閲覧に係るユーザの行動情報に基づいて、一次広告を掲示した広告媒体が持つ広告効果を測定する。ここで、ユーザの行動情報には、一次広告の検索に係る検索履歴、前記商材SNSサイトの閲覧に係る閲覧履歴、および、広告の対象となっているブランド、商材あるいはサービスに対するユーザの反応書込み行為を含む。広告効果測定部203は、検索履歴から広告印象度を算出し、および、閲覧履歴から広告閲覧アクションを判定し、当該広告印象度と広告閲覧アクションに基づいて、一次広告を表示した媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す情報発信力を算出する。広告効果測定部203は、情報発信力に対する一日当たりの広告出稿費に係るコストパフォーマンスを評価することで、一次広告を表示した広告媒体が持つ広告効果を算出する。また、広告効果測定部203は、反応書き込み行為に基づいて、広告効果を測定することもできる。さらに、広告効果測定部203は、特定の広告媒体の情報発信力が、同一または類似した広告媒体の情報発信力から乖離している度合いを示す媒体所在適合偏差値を測定する。
【0059】
情報発信力は、一次広告を表示した媒体が持つ広告効果を表すための指標であり、特定のオフライン広告を表示した媒体が持つユーザへの到達度合い(一次情報発信力)と浸透度合い(二次情報発信力)を示す絶対的な指標である。情報発信力は、ユーザによる一次広告の検索履歴および商材SNSサイトの閲覧履歴から算出される。すなわち、ユーザによる検索履歴から、一次広告をいつどこで見た広告なのかをどの程度詳しく記憶しているかを示す広告印象度を判定することができる。また、ユーザの閲覧履歴から、ユーザが一次広告や二次広告をどの程度詳しく閲覧したかを示す広告閲覧アクションを判定することができる。情報発信力は、評価対象商材に対して検索を行った各ユーザについての一次情報発信力と二次情報発信力をユーザにわたって総計し、この総計を広告掲示期間で割ることにより求められる。
【0060】
広告効果測定部203は、ユーザの行動情報であるSNS書込みから反応書込みを特定し、反応書込みの記録と履歴に基づいて広告効果を測定することもできる。ここで、反応書込み行為は、例えば、指定された検索条件のような検索履歴とは異なり、SNS商材サイト上でのユーザの振る舞い(入力)を指しており、例えば、「いいね」、商材に関するレポートやコメント、メーカーの催すイベントやキャンペーンへの申し込み、質問や回答の入力などを含む。反応書込みは、ユーザのアクティビティとしての価値(意思)が発露したものであるため、広告媒体、一次広告あるいは二次広告に対するユーザの意思や評価を表す情報として収集することにより、広告効果を測定することができる。例えば、情報発信力の算出において、広告をどの程度詳しく閲覧したかを測定するにあたり、閲覧履歴に加えて反応書込みを算出根拠に加えることもできる。また、広告の対象(ブランド、商品、商材)に対するユーザの評価情報として、マーケティング分析に活用することができる。
【0061】
媒体所在適合偏差値は、ある広告を表示した特定の媒体が、同一あるいは類似した広告を表示している広告媒体と比べて、どの程度ターゲットグループに訴求できたかを示す相対的な指標である。情報発信力は絶対値であるため、広告掲示媒体の地域、あるいは、広告掲示媒体の前を通過する延べ人数(通過人流)や混雑度と相関してしまう傾向にある。一方、媒体所在適合偏差値は、広告媒体が掲示された地区、通過人流や混雑条件(公共交通機関、高速道路等)、同一商材の実績などが類似するなど、所定の条件を満足する広告媒体グループの情報発信力から、分析対象となるオフライン広告媒体の情報発信力がどの程度乖離するかを表す指標であり、例えば、所定の条件を満足する広告媒体グループの情報発信力の平均からの偏差値あるいは標準偏差により表すことができる。なお、乖離を表す度合いとして、平均以外にも中央値や最頻値などの統計値を用いてもよい。
【0062】
商材力測定部204は、商材に対するユーザニーズと広告主の理解の関連性を示す商材力を測定する。商材力は、商材に対する消費者のニーズと広告主の理解の関連性、すなわち、「商材に対する消費者の多様化する期待やニーズを、作り手やサービス提供者側が理解し、重視している商材は価値がある」という考えのもとに算出される。商材力は、例えば、広告主の商材重視ポイントと消費者の商材重視ポイントの一致度を示す市場適合度、商材に対する嗜好度の度合いを示す消費者の商材評価点、および、ターゲットとなる消費者を重視する度合いを示すターゲット属性係数に基づいて算出される。
【0063】
市場適合度は、「消費者の商材重視ポイントと広告主の商材重視ポイントの一致度が高く、なおかつ販売ボリュームがある商材は市場適合度が高い」という考え方で求められる指標である。消費者の商材重視ポイントは、消費者重要度として表され、商材SNSサイトにおいて収集されるカタログ評価情報から得ることができる。広告主の商材重視ポイントは、広告主重要度として表され、広告主に対するアンケートやヒヤリング結果から得られる。消費者の商材評価点は、消費者によるアンケート回答情報から得られる商材の観点別嗜好性の度合いであり、消費者の属性ごとに、商材の機能(パフォーマンス)、品質、コスト、デザイン、新規性の観点について、たとえば5段階評価(非常に魅力的⇒5点、良い⇒3点、まあまあ⇒1点、今一つ⇒-3点、論外⇒-5点)したアンケート結果を集計することにより算出される。ターゲット属性係数は、広告主がターゲットとして重視する消費者の属性(ターゲット属性)に対して、そのターゲット属性の重要度に応じて設定される重み係数であり、広告主による商材のターゲット属性に関するヒヤリング結果から得られる。
【0064】
(3-2)メディアオーナ装置3
図3は、本実施形態に係るメディアオーナ装置3の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のメディアオーナ装置3は、機能構成として、一次広告管理部300と、一次広告記憶部310と、通信制御部320を備える。
【0065】
一次広告管理部300は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、一次広告情報管理部301、一次広告情報提供部302として機能する。
【0066】
一次広告情報管理部301は、広告主から広告媒体の利用要求があった場合、利用要求された広告媒体の広告掲示スケジュールを一次広告記憶部310に記憶する。一次広告情報管理部301は、広告掲示スケジュールに記録された広告のうち広告掲示日になった広告を、一次広告掲示情報として一次広告記憶部310に記憶する。また、一次広告情報管理部301は、広告媒体に関する媒体情報および広告実績も管理する。
【0067】
一次広告情報提供部302は、広告管理装置2から、メディアオーナ装置3が管理する一次広告掲示情報、媒体情報、広告実績など、一次広告に係る情報の取得要求を受信した場合には、要求された情報を広告管理装置2に提供する。このとき、一次広告情報提供部302は、以前の取得要求以降に新たに更新された情報を提供するようにしてもよい。
【0068】
一次広告記憶部310は、一次広告掲示情報、広告掲示スケジュール、媒体情報および広告実績を格納する。一次広告掲示情報は、例えば、掲示される一次広告の情報を一次広告掲示テーブルの形式で記憶することができる。一次広告掲示テーブルは、メディアオーナが管理する一次広告媒体の掲示情報を記憶するテーブルであり、広告媒体ID、広告主、広告日時、広告掲示場所、掲示内容、広告媒体を含む。広告掲示スケジュールは、メディアオーナが所有する一次広告媒体ごとの掲示スケジュールであり、広告媒体ID、広告掲示期間、掲示予定場所、広告コンテンツ等を含む。ここで、広告コンテンツには、一次広告への掲示内容(例えば、婦人服に関する一次広告であれば、婦人服、セータ、マフラーなどの掲示内容)が含まれる。媒体情報は、広告媒体IDごとに、その広告媒体の種類、サイズなどが記憶されている。広告媒体の種類には、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのほか、インターネット(バナー広告等)、屋外広告媒体(ポスター、ネオンサイン、大型ビジョン)、デジタルサイネージ(電子看板)、交通広告媒体(中吊り広告等)、チラシなどがある。また、媒体情報には、広告媒体が設置されている地区、通過人流、混雑条件(公共交通機関、高速道路等)などの情報も含む。広告実績は、各広告媒体の広告掲示期間や広告出稿費を含む。
【0069】
図4は、一次広告記憶部310に記憶される一次広告掲示テーブル311の一例である。一次広告掲示テーブル311には、広告媒体IDごとに、広告主、広告日時、広告掲示場所、掲示内容、広告媒体の項目を記入できるように構成されている。広告媒体IDは、広告主から依頼を受けたときに付与される広告媒体識別番号である。広告主は、広告媒体への広告の掲示を依頼した者の名称である。広告日時は、該当広告を掲示している日時あるいは期間である。広告掲示場所は、掲示された広告に到達するためのアクセス経路を階層的に指定する項目であり、「住所」、「路線名/道路名」、「駅名、空港名」、「施設名/建物名」、「掲示位置」を指定する。「住所」には、広告媒体が設置されている都道府県、市区町村、番地が記入される。「路線名/道路名」には、例えば、アクセス経路として公共交通機関を使用した場合には路線名や駅名が記入され、徒歩や車を使用した場合には道路名が記入される。「施設/建物名」には、例えば、駅の構内、ビル名が記入される。「掲示位置」には、1番線ホーム、C1バス停のように、広告媒体が掲示されている位置が記入される。掲示内容には、広告コンテンツの内容を表すキーワードが記入される。キーワードは、予め決められたカテゴリから選択されたものであってもよいし、任意のフリーワードであってもよい。あるいは、広告掲示スケジュールに広告コンテンツの掲示内容の詳細が記載されている場合には、広告掲示スケジュールへのリンクを記入してもよい。
【0070】
一次広告掲示テーブル311の入力項目は、広告インデックスのデータ構造に含まれるすべての項目に対応していることが望ましい。しかし、例えば、駅名を特定すれば公知の経路検索を用いて交通機関や電車路線を予測することができるような場合には、一次広告掲示テーブル311は、広告インデックスを生成するために必要な最低限の項目のみを入力できるように構成することができる。
【0071】
図4に示す一次広告掲示テーブル311には、広告媒体ID01~広告媒体ID03が例示されている。広告媒体ID01は、A線、A1駅、構内、1番線ホームに配置された婦人服などのポスターである。広告媒体ID02は、A線、A1駅までは広告媒体ID01と同じだが、A1駅ビルの壁面に設置された、ホテル等を掲示するデジタルサイネージである。広告媒体ID03は、バス路線であるC路線のC1バス停に設置された食品等のチラシである。広告媒体ID03については、「駅名/空港名」、「施設/建物名」は該当しないため空欄(N/A)となっている。
【0072】
一次広告掲示テーブル311の各項目については、メディアオーナが自由記入できるようにしてもよいが、後述する広告インデックスのデータ構造と整合した内容を記入できるように、各項目にプルダウンメニューを表示し、入力内容を選択できるようにしてもよい。例えば、「路線名/道路名」に多階層のプルダウンメニューを適用し、第1階層で公共交通機関と道路の選択肢として「電車路線、バス路線、航空会社、タクシー、道路」を選択可能に表示し、「電車路線」を選択した場合には、第2階層で各鉄道会社の路線名を選択可能に表示してもよい。なお、図4において、アクセス経路として公共交通機関を利用した場合の一次広告掲示情報と、車・徒歩を利用した場合の一次広告掲示情報の両方をそれぞれ別の行で記入できるようにしてもよい。
【0073】
(3-3)広告主装置4
図5は、本実施形態に係る広告主装置4の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の広告主装置4は、機能構成として、商材情報管理部400と、商材情報記憶部410と、通信制御部420を備える。
【0074】
商材情報記憶部410は、一次広告情報、一次広告に関連する二次広告情報、クーポン情報、アンケート情報、モニタ情報などを含む商材情報を記憶する記憶部である。一次広告情報は、メディアオーナによって掲示された一次広告を商材SNSサイトで再見できるようにするための情報である。二次広告情報は、一次広告に関連付けられたコンテンツを有する二次広告を提供するための情報である。クーポン情報は、クーポン利用者、クーポンを利用した日時、店舗、商材名などのクーポンの利用実績等の情報である。アンケート情報は、ユーザ、広告主等に対する各種アンケートに関する情報である。モニタ情報は、消費者による商材のモニタ結果すなわち消費者がモニタの対象となる商材を使用したときのコメントとともに、モニタ参加条件、参加した消費者の属性、モニタ対象の商品情報などを含む。広告主は、複合企業合同参画型の商材SNSサイトを通じて、消費者とも直接コミュニケーションできる機会を得られる。消費者にとっては、興味を持った一次広告から商材の詳細を取得することができる。
【0075】
商材情報管理部400は、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、商材SNSページ情報提供部401、商材情報編集部402、イベント管理部403として機能する。商材SNSページ情報提供部401は、広告管理装置2がユーザ端末5に提供する商材SNSサイトを構築するための情報を、広告管理装置2に提供する。商材情報編集部402は、商材情報の作成、更新、削除などの編集を行う。イベント管理部403は、クーポン、アンケートあるいはモニタの実施にあたり、スケジュール、配布資料、配布先の準備を支援し、消費者あるいは店舗等からのクーポン実施状況取得、消費者あるいは広告主からのアンケート結果やヒヤリング結果の収集、記憶、分析といった処理を行う。
【0076】
(3-4)ユーザ端末5
図6は、本実施形態に係るユーザ端末5の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のユーザ端末5は、機能構成として、広告検索閲覧部500、広告検索履歴記憶部510、通信制御部520を備える。広告検索閲覧部500は、一次広告検索参照部501、商材SNSサイト閲覧部502を備える。本実施形態では、一次広告検索参照部501は、ユーザ端末5にインストールされた一次広告検索アプリケーションにより実現される機能であり、商材SNSサイト閲覧部502は、ユーザ端末5にインストールされたウェブブラウザにより実現される機能として説明する。なお、ユーザ端末5の機能は、アプリケーションあるいはウェブブラウザのいずれによって実現されてもよい。
【0077】
本実施形態では、一次広告検索アプリケーションのダウンロード時に会員登録が行われ、ログインIDとパスワードがユーザに割り当てられているとする。会員登録は、利用者識別子として登録され、原則として、端末に対して一意である。利用者識別子に対する個人情報の登録は、一次広告検索アプリケーションのダウンロード時だけではなく、一次広告検索アプリケーションの初回起動時に行ってもよいし、これらのタイミングとは別に、商材SNSサイトに対してアクセスしたときに行ってもよい。また、利用者識別子を第三者管理の異なる識別子と連携登録させてもよい。
【0078】
一次広告検索参照部501は、ユーザにより起動されたとき、ユーザに対してログインを要求し、ログイン情報の入力画面をユーザ端末5の表示部59に表示してもよい。ユーザがログインIDとパスワードを入力すると、ログイン情報が広告管理装置2に送信され、広告管理装置2においてユーザのログイン認証が行われ、認証結果がユーザ端末5に送信される。一次広告検索アプリケーションは、ユーザのログイン認証が成功したことに応答して、ユーザ端末5の表示部59に一次広告検索画面を表示する。
【0079】
一次広告検索参照部501は、ユーザからの一次広告検索条件の入力操作を受け付けて検索履歴として広告検索履歴記憶部510に記憶し、ユーザから一次広告の検索要求指示を受け付けたとき、一次広告検索要求と検索履歴を広告管理装置2に送信する。また、一次広告検索参照部501は、広告管理装置2から受信した一次広告検索結果リストを表示部59に表示し、ユーザによる一次広告参照要求を広告管理装置2に送信する。
【0080】
商材SNSサイト閲覧部502は、広告管理装置2から送信される商材SNSサイトを閲覧するためのブラウザであり、広告管理装置2から提供される商材SNSサイトを表示し、ユーザによる商材SNSサイトの閲覧操作に基づいて、商材SNSサイトにおける一次広告や二次広告の閲覧、あるいは、評価情報の書込みなどを可能にする。
【0081】
図7は、一次広告検索参照部501によりユーザ端末5に表示される一次広告検索画面の一例を示す図である。
図7(a)は、商材SNSサイト入り口ページの一例を示す図である。商材SNSサイト入り口ページには、一次広告検索のための「検索」ボタンのほか、「あなたへのおすすめ」として、デジタルサイネージ広告1~3が表示され、各々に関して商材ページ、イベントページ、カタログ一覧にジャンプするためのボタンが表示されている。「あなたへのおすすめ」として表示されるデジタルサイネージ広告としては、会員の購買情報に基づいて分析される購買傾向などに適合するものを選択すればよい。商材SNSサイト入り口ページでユーザが「検索」ボタンを押下すると、一次広告検索入力画面が表示される。一方、ユーザが「あなたへのおすすめ」として表示されているボタンを押下すると、商材SNSサイト閲覧部502が起動され、商材SNSサイトにおける所望の内容を閲覧することができる。
【0082】
図7(b)は、一次広告検索入力画面の一例を示す図である。一次広告検索入力画面には、「日時」、「路線名/道路名」、「駅名/空港名」、「掲示位置」の各項目について入力ボックスが表示され、キーワード入力欄として、「広告媒体」、「商材カテゴリ」、「フリーワード」の各入力項目が表示されている。一次広告検索画面の入力項目は、広告インデックスのデータ構造に含まれるすべての項目に対応していることが望ましい。しかし、例えば、駅名を特定すれば公知の経路検索を用いて交通機関や電車路線を予測することができるような場合には、一次広告検索画面は、広告インデックスを生成するために必要な最低限の項目のみを入力できるように構成することができる。
【0083】
ユーザは、自分が過去に見て気になる一次広告について、覚えている内容を検索条件として入力する。ユーザは、例えば、「日時」として2023年1月10日、「路線名/道路名」として、地下鉄A線、「駅名/空港名」としてA1駅、「掲示位置」としてホームを入力する。なお、一次広告検索入力画面の各項目には、ユーザが覚えている範囲で入力すればよく、例えば、一次広告について、日時、駅名しか覚えていなければ、2023年1月、A1駅といったように該当する項目のみ入力すればよい。入力方式としては、プルダウンメニューの中から該当するデータを選択するようにしてもよいし、テキストを入力するようにしてもよい。なお、入力方式としてプルダウンメニューを採用する場合、広告インデックスのデータ構造にしたがって入力できるように、多階層の選択肢を表示することができる。
【0084】
一次広告検索参照部501は、図7(b)の一次広告検索入力画面に対して入力された検索条件、入力に掛った時間、入力の修正回数などの検索履歴を広告検索履歴記憶部510に記憶する。一次広告検索参照部501は、ユーザが「検索実行」ボタンを押下したことを検出したとき、一次広告検索要求と広告検索履歴記憶部510に記憶した検索履歴を広告管理装置2に送信する。
【0085】
広告管理装置2は、ユーザ端末5からの一次広告検索要求に応答して、一次広告検索部201を起動する。一次広告検索部201は、一次広告検索要求に関連した検索履歴から検索条件を抽出し、一次広告検索用記憶部211に記憶された広告インデックスを用いて検索条件を満足する一次広告を検索する。一次広告検索部201は、一次広告の検索実行後、ユーザ端末5に一次広告検索結果リストを送信する。図7(c)は、ユーザ端末5に表示される一次広告検索結果リストの一例を示す図である。一次広告検索結果リストには、広告の掲示場所、広告媒体、広告内容が表示される。一次広告検索結果リストに表示された一次広告の各々には、一次広告を参照するための「参照」ボタンが表示される。
【0086】
図7(c)の一次広告の検索結果リストに表示された「参照」ボタンがユーザにより押下されると、一次広告検索参照部501は、広告管理装置2に対して一次広告参照要求を送信する。広告管理装置2の一次広告検索部201は、一次広告参照要求に応答して商材SNSサイト支援部202を起動し、当該ユーザのログイン情報と受信した一次広告参照要求を商材SNSサイト支援部202に引き継ぐ。商材SNSサイト支援部202は、一次広告参照要求に従って、該当する一次広告を含む商材SNSページをユーザ端末5に表示させる。
【0087】
図8は、ユーザ端末5の商材SNSサイト閲覧部502により表示された商材SNSサイト閲覧画面の一例を示す図であり、二次広告閲覧トップページ、カタログページ、イベントページを含む。図8(a)は、商材SNSサイトの二次広告閲覧トップページの一例を示す図であり、例えば、一次広告コンテンツ領域、二次広告領域、クチコミ一覧&クチコミ登録領域から構成される。一次広告コンテンツ領域には、ユーザが押下した「参照」ボタンに対応する一次広告コンテンツが表示され、ユーザは気になった一次広告を再見することができる。一次広告コンテンツ領域に隣接して、当該一次広告に関するQ&A、SNSメッセージ、いいね評価の項目も表示される。二次広告領域には、一次広告に関連した1または複数の二次広告が表示される。一次広告がセータの場合には、セータに関する詳細な情報が提供される。クチコミ一覧&クチコミ登録領域には、商材SNSサイト用記憶部212に記憶された評価情報に基づいてクチコミ情報が表示され、クチコミ登録も可能とされる。また、ユーザは、二次広告閲覧トップページから、所定のボタン(図示せず)を押下するなどして、カタログページやイベントページに移行することができる。
【0088】
図8(b)は、カタログページの一例を示す図であり、広告別カタログ一覧のインデックスが表示され、ユーザがこのカタログ一覧の中から所望のカタログを選択すると、該当するカタログページに遷移する。カタログページには、消費者による商材評価レポートが分類ごとに表示されており、体験動画、商材比較、レポート、お勧め購買、Q&A、広告スペース、クチコミ一覧&登録といった内容が表示されている。また、カタログページは、お気に入り登録やいいね評価もできるように構成されている。カタログページは、商材SNSサイト用記憶部212に記憶されたカタログ情報に基づいて表示される。
【0089】
図8(c)は、イベントページの一例を示す図である。イベントページには、キャンペーンやクーポン、アンケート、モニタへの入り口が表示されている。また、広告主とのコミュニケーションツールとして、広告主へのQ&A、広告主とのPMへの入り口が設けられている。イベントページは、広告主装置4から取得して商材SNSサイト用記憶部212に記憶されたクーポン情報、アンケート情報、モニタ情報に基づいて表示される。
【0090】
(4)広告管理システム1の動作
(4-1)広告管理システム1全体の動作
図9は、本実施形態の広告管理システム1全体の動作の一例であり、広告管理システム1を構成する広告管理装置2、メディアオーナ装置3、広告主装置4、ユーザ端末5のそれぞれが協働する動作フローの一例を示す図である。
【0091】
一次広告検索部201は、所定のタイミングにおいて、メディアオーナ装置3から一次広告掲示情報を受信し、広告インデックスのデータ構造に変換して一次広告検索用記憶部211に格納する(ステップS900)。所定のタイミングは、広告管理装置2の起動時、定期的など、最新の広告インデックスを維持できるようなタイミングであればよい。
【0092】
一次広告検索部201は、ユーザ端末5からログイン要求を受信すると(ステップS901)、ユーザ認証を行う。次に、一次広告検索部201は、ユーザ端末5の一次広告検索アプリケーションから一次広告検索要求および検索条件を含む検索履歴を受信すると(ステップS902)、一次広告検索用記憶部211に記憶された広告インデックスを検索して、一次広告の検索条件にマッチする一次広告を抽出し、抽出された一次広告を一次広告検索結果リストとしてユーザ端末5に送信する(ステップS903)。ユーザにより、一次広告検索結果リストに含まれる一次広告のうち、所望の一次広告に対応する「参照」ボタンが押下されると、ユーザ端末5から広告管理装置2に対して一次広告参照要求が送信される(ステップS904)。一次広告検索部201は、送信された一次広告参照要求およびユーザのログイン情報を商材SNSサイト支援部202に引き継ぐ。一次広告検索部201は、ユーザ端末5から受信した検索条件を含む検索履歴を、ユーザの行動情報として広告効果測定用記憶部213に記憶する。
【0093】
商材SNSサイト支援部202は、所定のタイミングにおいて、広告主装置4から商材SNSサイトを構築するための商材情報を取得し、商材SNSサイト用記憶部212に格納する(ステップS905)。所定のタイミングとしては、広告管理システム1起動時、定期的など、ユーザに最新の商材SNSサイトを提供できるようなタイミングであればよい。なお、ユーザが、一次広告検索時に一次広告検索部201に対してログインを行った場合には、商材SNSサイト支援部202は、一次広告検索部201よりログイン情報を引き続く。また、ユーザ端末5から商材SNSサイトへ直接アクセス要求があった場合には、ユーザにログイン操作を要求し、ユーザのログイン認証が行われると、ログイン情報を取得するとともにユーザ端末5に商材SNSサイトを提供する。
【0094】
商材SNSサイト支援部202は、一次広告検索部201よりユーザからの一次広告参照要求(ステップS904)を引き継いだ場合、ユーザの一次広告参照要求に応答して、一次広告を含む商材SNSサイトをユーザ端末5に提供する(ステップS906)。次に、ユーザ端末5から商材SNSサイトに含まれる二次広告に対する閲覧要求を受信すると(ステップS907)、閲覧要求があった二次広告を含む商材SNSサイトをユーザ端末5に提供する(ステップS908)。ユーザから、商材SNSサイト上での閲覧要求があったとき、該当するページをユーザ端末5に提供する(S909)。
【0095】
商材SNSサイト支援部202は、一次広告と二次広告に対するユーザの閲覧履歴を、当該ユーザの行動情報として広告効果測定用記憶部213に格納する。また、商材SNSサイト支援部202は、商材SNSサイトに対するユーザによる反応書込みの記録と履歴も、当該ユーザの行動情報として広告効果測定用記憶部213に格納する。
【0096】
広告効果測定部203は、ユーザのログイン情報、例えばユーザIDに基づいて、一次広告検索や二次広告閲覧に係るユーザの行動情報を広告効果測定用記憶部213から取得する。広告効果測定部203は、行動情報に含まれる検索履歴から生成された広告印象度と、閲覧履歴から生成された広告閲覧アクションとに基づいて、当該ユーザの情報発信力を算出する。広告効果測定部203は、情報発信力に加えて、メディアオーナ装置3から広告実績と媒体情報を取得して(ステップS910)、広告媒体の広告効果あるいは媒体所在適合偏差値を算出する。また、広告効果測定部203は、当該ユーザの行動情報に含まれる反応書込みの記録と履歴に基づいて広告効果を測定する。これらの算出結果は、広告媒体評価レポートとしてメディアオーナ装置3に送信される(ステップS911)。
【0097】
商材力測定部204は、ユーザによるカタログ評価情報やアンケート回答情報、および、広告主によるヒヤリング回答情報を、商材力測定用記憶部214から取得する(ステップS912、S913)。商材力測定部204は、これらの回答情報に基づいて、商材の現在の価値を表す指標である商材力を算出し、商材力測定結果を消費者評価レポートおよび商材評価レポートとして広告主装置4に送信する(ステップS914)。
【0098】
(4-2)一次広告検索部201の動作
図10は、一次広告検索部201の動作フローの一例を示す図である。図10に示されるように、一次広告検索部201は、メディアオーナ装置3から一次広告掲示情報を取得することと(ステップS100)、取得した一次広告掲示情報から広告インデックスを生成して一次広告検索用記憶部211に記憶することと(ステップS101)、ユーザから一次広告検索要求と検索条件を取得することと(ステップS102)、一次広告検索用記憶部211に記憶された広告インデックスに基づいて一次広告検索要求に係る検索条件を満足する一次広告を検索することと(ステップS103)、検索された一次広告をユーザに提示することと(ステップS104)、検索履歴を広告効果測定用記憶部213に格納することと、をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラムを備える。
【0099】
一次広告検索部201は、メディアオーナ装置3から、一次広告掲示情報として、図4に示す一次広告掲示テーブル311を取得する。一次広告検索部201は、一次広告掲示テーブル311から広告インデックスを生成し、生成された広告インデックスを一次広告検索用記憶部211に格納する。広告インデックスは、公共交通機関を利用するときの広告インデックス、車または徒歩を利用するときの広告インデックスを含む。
【0100】
図11は、公共交通機関を利用するときの広告インデックスの一例であり、図12は、車あるいは徒歩を利用するときの広告インデックスの一例である。広告インデックスは、最上層のルートノード(親ノードを持たないノード)、最下層のリーフノード(子ノードを持たないノード)、その間のノードであるブランチノード(親ノードと子ノードを持つノード)を有するデータ構造から構成されている。
【0101】
図11の例では、ルートノードとして「日時」、ブランチノードとして「交通機関」、「電車路線」、「駅/空港」など、リーフノードとして「バス停」、「車内」、「機内」、「ドア・窓上」、「座席」、「ホーム(番線)」、「コンコース・通路」などが配列されている。各ノードは、データ部とポインタ部の組(データ部、ポインタ部)を含んでいる。データ部はそのノードに含まれる要素を示しており、ポインタ部は当該ノードより一つ下層に位置するノードへのポインタを示している。リーフノードのポインタ部には、一次広告のシリアル管理番号へのポインタが設定されている。一次広告のシリアル管理番号は、広告管理装置2が管理している広告媒体ごとに付与されたユニークなシリアル番号であり、広告管理装置2における広告媒体の管理、統計処理などのために使用される。図12の車または徒歩を利用するときの広告インデックスも同様のデータ構造を有している。
【0102】
図13は、図4に示される一次広告掲示テーブル311を広告インデックスに変換した例を示している。例えば、図4に示す広告媒体ID01については、「日時」ノードに(2023年1月10日、地区110)、「地区110」ノードに(関東、交通機関1102)、「交通機関1102」ノードに(電車、電車路線11022)、「電車路線11022」ノードに(地下鉄A線、駅/空港A)、「駅/空港A」ノードに(A1駅、駅・空港A1)、「駅・空港A1」ノードに(構内、構内A1)、「構内A1」ノードに(ホーム、ホームA11)、「ホームA11」のリーフノードに(1番線ホーム、広告A111)が設定されており、広告A111は、地下鉄A線A1駅の1番線ホームに掲示された一次広告のシリアル管理番号へのポインタとなっている。広告媒体ID02については、「日時」から「電車路線」までは広告ID01と同じリンクを経由するが、「駅/空港A1」ノードから、「改札外A1」ノードに分岐し、「駅ビルA11」ノード、「壁面A112」ノードへのリンクが形成され、「壁面A112」のリーフノードに広告媒体ID02のシリアル管理番号へのポインタが設定される。広告媒体ID03については、バスのC路線C1バス停に掲示された広告媒体のシリアル管理番号までのリンクが形成されている。
【0103】
次に、広告インデックスを利用してユーザの一次広告検索要求を満足する一次広告を検索する例を説明する。一次広告検索部201は、ユーザ端末5から一次広告検索要求とともに送信された検索履歴から、一次広告検索入力画面(図7(b))に入力された検索条件を取得する。一次広告検索部201は、検索条件で指定されたアクセス経路に沿って広告インデックスのルートノードからリーフノードまで辿り、リーフノードに設定されたポインタから、検索条件を満足する一次広告を特定する。図4の検索条件の場合、図13における日時、地区、交通機関、電車路線、駅、構内、ホームの各ノードを辿り、リーフノードである「ホームA11」に含まれている要素から広告A111、広告A112、広告A113によりポイントされる一次広告を抽出し、さらに、検索条件で指定された商材カテゴリやフリーワードにしたがって検索結果を決定する。
【0104】
一次広告検索部201は、ユーザが一次広告までのすべての経路を思い出せない場合であっても、曖昧な検索条件から検索結果を出力することができる。例えば、ユーザが、検索条件として日時とA1駅のみを入力した場合、一次広告検索部201は、広告インデックスの「日時」ノードから「駅・空港A1」ノードまで辿り、「駅・空港A1」ノードにリンクしているすべてのリーフノード(「ホームA11」ノードと「壁面A11」ノード)からポイントされている一次広告を検索結果として決定する。すなわち、ユーザが曖昧に検索条件を指定した場合であっても、広告インデックスのルートノードから検索条件に該当するノードまでを探索し、当該ノードにリンクしている全てのリーフノードから一次広告検索結果を生成することができる。なお、検索結果の件数が膨大となる場合は、それをそのまま出力せず、さらに絞り込むまたは条件設定の見直しを要求してもよい。
【0105】
このように、一次広告検索部201は、ユーザが一次広告を見た日時や場所が曖昧であっても、その一次広告を検索できる機能を備えることから、ユーザは、過去に見た一次広告を再度見たいときに、簡単にその一次広告に到達することができる。また、ユーザは、一次広告検索結果から二次広告の閲覧も可能になることから、一次広告の検索から商材の深堀や購買までを一連の操作で行うことができる。
【0106】
(4-3)商材SNSサイト支援部202の動作
図14は、商材SNSサイト支援部202の動作フローの一例を示す図である。商材SNSサイト支援部202は、広告主が管理する商材情報を広告主装置4から取得して商材SNSサイト用記憶部212に記憶することと(S140)、ユーザのログイン情報を取得することと(S141)、ユーザによる一次広告参照要求に応答して一次広告を含む商材SNSページを提供することと(S142)、ユーザの二次広告閲覧要求に応答して二次広告を含む商材SNSページを提供することと(S143)、ユーザによる商材SNSサイトの閲覧要求やSNS書込みに応答することと(S144)、ユーザ端末5から、一次広告参照要求があったこと、参照要求があった一次広告に対応する二次広告が閲覧されたことを含む閲覧履歴、あるいは、ユーザによる反応書込みを、当該ユーザの行動情報として、広告効果測定用記憶部213に記憶することと(ステップS144)、をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラムを備える。
【0107】
商材SNSサイト支援部202は、商材SNSサイトを介して、メディアオーナが管理する一次広告の情報や広告主が管理する商材情報を利用して、一次広告および二次広告の閲覧、商材に関する評価、クーポン、アンケートなどの情報を総合的に提供する。商材SNSサイト支援部202は、商材SNSサイト用記憶部212内のディレクトリに商材SNSサイト用コンテンツを記憶しており、商材SNSサイトにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)をユーザから受信すると、当該URLに対応した商材SNSサイト用記憶部212内のディレクトリから商材SNSサイト用コンテンツを取得し、商材SNSサイトをユーザ端末5に表示させる。商材SNSサイト支援部202は、広告主装置4から取得した商材情報などにより、このディレクトリに格納されるコンテンツを生成したり、更新したりすることにより、ユーザ端末5に提供する商材SNSサイトを構築する。
【0108】
商材SNSサイト支援部202は、一次広告検索部201よりユーザの一次広告参照要求があったことが通知された場合には、一次広告検索部201より、当該ユーザのログイン情報および一次広告参照要求を引き継ぎ、参照要求があった一次広告を含む商材SNSサイト閲覧画面(図8)をユーザ端末5に提供する。一方、ユーザから商材SNSサイトに直接アクセスがあった場合には、商材SNSサイトのトップページ((図示せず)をユーザに提供する。
【0109】
商材SNSサイト支援部202は、商材SNSサイトに対するユーザの入力操作に基づいた動作を実行する。例えば、商材SNSサイト閲覧画面(図8)において、ユーザから一次広告、あるいは、当該一次広告に関連する二次広告の閲覧要求を受信した場合には、対応するコンテンツを商材SNSサイト用記憶部212内のディレクトリから読み出し、当該コンテンツを含む商材SNSページをユーザ端末5に提供する。また、商材SNSサイトに掲示された種々のコンテンツに対する閲覧要求があった場合にも、要求されたコンテンツをユーザ端末5に送信する。また、商材SNSサイトに対するユーザのSNS書込みなどの反応書込みがあった場合には、SNS書込みの保存処理や統計処理などの応答を行う。
【0110】
ユーザにとっては、商材SNSサイトにより、広告に関する詳細情報や評価などを1つのサイトで確認できるため、購入の意思決定が容易になる。また、商材SNSサイトに対するユーザの操作履歴、比較検討度を示す「いいね」ログや画面操作ログなどを利用して、商材ごとの広告効果の測定を行うことにより、メディアオーナは、ある商材に関して一次広告媒体の費用対効果を把握しやすくなる。また、広告主にとっても、ユーザに対して商材情報を提供するだけではなく商材力の評価も利用できることから、市場の反応を直接入手でき、市場概観を手に入れることができる。
【0111】
(4-4)広告効果測定部203の動作
図15は、広告効果測定部203の動作フローの一例を示す図である。広告効果測定部203は、広告効果測定用記憶部213からユーザの行動情報を読み出し、当該ユーザ行動情報に含まれる検索履歴および閲覧履歴を取得する(ステップS150)。広告効果測定部203は、ユーザの検索履歴に基づいて広告印象度を特定し、閲覧履歴に基づいて広告閲覧アクションを特定する。広告効果測定用記憶部213は、情報発信力配点表を用いて、当該ユーザの広告印象度と広告閲覧アクションにより、広告を掲示した広告媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す一次情報発信力と二次情報発信力を算出し(ステップS151)、算出された一次情報発信力と二次情報発信力と、広告効果測定用記憶部213より読み出した広告掲示期間に基づいて、情報発信力を算出する(ステップS152)。また、広告効果測定部203は、広告効果測定用記憶部213に記憶された広告出稿費を用いて広告効果を測定する(ステップS153)。また、広告効果測定部203は、広告の媒体情報を用いて媒体所在適合偏差値を測定する(ステップS154)。広告効果測定部203は、これらの測定結果を広告媒体評価レポートとしてメディアオーナ装置3に提供する(ステップS155)。
【0112】
(4-4-1)情報発信力の測定
情報発信力は、測定対象となる一次広告を掲示した広告媒体について、ユーザが当該一次広告を検索したときの検索履歴から判定される広告印象度と、閲覧履歴から判定される広告閲覧アクションに対して、「情報発信力配点表」を適用することにより算出される。
【0113】
図16は、情報発信力配点表の一例を示す図である。情報発信力配点表の横軸には、ユーザによる広告印象度に関する項目として、キーワード検索、場所検索、日時場所検索が配置されている。広告印象度は、ユーザが広告を検索する方法によって配点が異なるように設定されており、ユーザがいつどこで見たのかを詳しく記憶している広告については、その広告が印象に残っていることになるから、詳細な検索条件を指定するほど配点が高くなるように設定されている。また、縦軸には、ユーザの広告閲覧アクションに関する項目として、検索のみ、一次広告参照、二次広告閲覧という広告閲覧アクションが配置されている。広告閲覧アクションは、ユーザが広告を閲覧する度合いによって配点が異なるように設定されており、広告を詳細に閲覧するほど配点が高くなるように設定されている。
【0114】
広告印象度は、広告効果測定用記憶部213に記録されたユーザの行動情報のうち、一次広告検索に係るユーザの行動情報である検索履歴を抽出し、ユーザがキーワード検索、場所検索、日時場所検索のいずれを行ったのかを判定することにより求められる。広告閲覧アクションは、広告効果測定用記憶部213に記録されたユーザの行動情報のうち、商材SNSサイトの閲覧に係る行動情報である閲覧履歴を抽出し、ユーザが「検索のみ」を行ったのか、「一次広告参照」を行ったのか、「二次広告閲覧」を行ったのかを判定することによりアクションが決定される。ここで、「検索のみ」は、ユーザによる検索履歴は存在するものの、商材SNSサイト支援部202がユーザからの一次広告参照要求を受信しなかった場合に相当し、「一次広告参照」は、商材SNSサイト支援部202が一次広告参照要求を受信した場合に相当し、「二次広告閲覧」は、当該一次広告に対応する二次広告閲覧要求を受信した場合に相当する。
【0115】
情報発信力配点表は、一次情報発信力と二次情報発信力のそれぞれの配点を含んでいる。一次情報発信力は、広告閲覧アクションの「検索のみ」および「一次広告参照」に関する配点表部分を使用して算出される。二次情報発信力は、広告閲覧アクションの「二次広告閲覧」に関する配点表部分を使用して算出される。例えば、ユーザが、一次広告を検索するためにキーワード検索を1回実行し、商材SNSサイトで一次広告参照を2回行った場合、一次情報発信力は(1×1)+(1×2)=3点となり、その後、2次広告閲覧を4回行った場合には、当該ユーザについての二次広告情報発信力は(3×4)=12点となる。また、一次広告を場所検索し、商材SNSサイトで二次広告を閲覧した場合には、二次情報発信力は6点となる。同様に、一次広告を日時場所検索し、商材SNSサイトで二次広告を閲覧した場合には、二次情報発信力は12点となる。なお、キーワード検索とともに、場所検索あるいは日時場所検索を組み合わせた検索が行われた場合には、場所検索あるいは日時場所検索の配点が適用される。また、場所検索と日時場所検索を組み合わせた検索が行われた場合には、日時場所検索の配点が適用される。
【0116】
図16の情報発信力配点表では、広告印象度をキーワード検索、場所検索、日時場所検索という3つの行為に分類し、また、広告閲覧アクションを検索のみ、一次広告参照、二次広告閲覧という3つの行為に分類しているが、広告印象度や広告閲覧アクションを更に細かく分類することにより、さらに詳細な情報発信力を算出できるように構成してもよい。例えば、広告印象度の分類として「路線名/道路名」、「駅名/空港名」、「掲示位置」などを採用し、例えばこの順に配点が高くなるように情報発信力配点表を設定してもよい。同様に、広告閲覧アクションについても、商材に対するユーザの反応書込み行為に配点をつけてもよい。また、一次広告や二次広告に関するカタログ情報、評価情報を参照するなど、一次広告や二次広告に高い関心を示しているほど配点を高く設定してもよい。さらに、一次広告検索にかかった時間や検索条件の修正頻度に基づき、ユーザが検索条件をスムーズに入力するほど広告印象度の配点を高く設定してもよい。あるいは、広告を長時間閲覧するほど広告閲覧アクションの配点を高くなるように設定してもよい。
【0117】
情報発信力は、ユーザごとに算出された一次情報発信力と二次情報発信力を対象となるユーザ全体にわたって総計し、当該総計を広告掲示期間で割った一日当たりの点数として算出される。例えば、広告掲示期間が15日で、一次情報発信力と二次情報発信力の総合計が30,000点の場合、一日あたりの情報発信力は30,000÷15=2,000点となる。なお、広告掲示期間や広告出稿費を含む広告実績は、メディアオーナ装置3から取得され、広告効果測定用記憶部213に記憶されている。情報発信力は基本的には広告の掲示期間で評価するが、長期で見ると広告に関心のある層も変わってくるため、消費者のタイプ(アーリアダプターなど)ごとの傾向も分析することができる。情報発信力を分析することにより、メディアオーナにとっては、保有広告媒体の情報発信力を広告主に数値でアピールすることができる。
【0118】
(4-4-2)広告効果の測定
広告効果は、広告の「認知拡大/イメージづくり」と「商材の理解促進」という2つのテーマを評価するための指標であり、以下の式のように、情報発信力(1点)あたりの広告出稿費として測定することができる。
広告効果=(広告出稿費÷広告掲示日数)÷((一次情報発信力+二次情報発信力)÷広告掲示期間)
=一日当たりの広告出稿費÷一日当たりの情報発信力
広告効果のうち、一次情報発信力の割合は、「認知拡大/イメージづくり」の指標、すなわち、消費者に存在や名前を知らせる指標に相当する。また、広告効果のうち、二次情報発信力の割合は、「商材の理解促進」の指標、すなわち、消費者に商材のメリットを伝える指標に相当する。「認知拡大/イメージづくり」の指標と、「商材の理解促進」の指標の大きさを比較し、「商材の理解促進」の指標が大きければ、単価としては安くなるがハイパフォーマンスの広告として評価できる。
【0119】
(4-4-3)媒体所在適合偏差値の測定
媒体所在適合偏差値を求めるために、まず、偏差値を測定したい媒体グループと、媒体グループから無作為に所定件数(例えば30件以上)をサンプリングした特定媒体グループのそれぞれについて、標本平均を求める。媒体グループの標本平均は、媒体グループに含まれる媒体の情報発信力の数値をすべて足し合わせ、その和を媒体の個数で割ることにより計算される。同様に、サンプリングした30件以上の特定媒体についても、情報発信力の数値をすべて足し合わせ、その和を媒体の個数で割ることにより、情報発信力の標本平均を求める。そして、次の式により、特定媒体の媒体所在適合偏差値を求める。
媒体所在適合偏差値=(特定媒体の標本平均-媒体グループの標本平均の平均)÷標準偏差×10+50
ここで、標準偏差は、「媒体グループの標本平均の平均」からの乖離の平均であり、「×10」はスケールを10にすること、「+50」は平均を50にすることを示す。 媒体所在適合偏差値を分析することにより、広告配置場所としての適合度を偏差値で提示することができる。
【0120】
(4-4-4)情報発信力と媒体所在適合偏差値の活用方法
情報発信力と媒体所在適合偏差値を活用した媒体の分析結果は、広告媒体評価レポートとして、メディアオーナに提供される。メディアオーナは、情報発信力と媒体所在適合偏差値を活用して、広告媒体を分析できる。薄利多売の商材の場合、「情報発信力」の大きい順に予算の範囲で広告媒体を選べばよく、高付加価値商材の場合、「媒体所在適合偏差値」の大きい順に予算の範囲で広告媒体を選べばよい。応用的な活用方法として、広告費の評価が可能となる。すなわち、「オフライン広告媒体への広告出稿費÷媒体所在適合偏差値」により、特定の期間の媒体所在適合偏差値1ポイントあたりの広告出稿費がわかるため、複数の媒体を比較することで広告費が割高なのか割安なのか判別することできる。また、広告期間妥当性の評価ができる。すなわち、情報発信力を1日あたりの平均値ではなく、端末ごとの日々の配点の合計値を時系列でグラフ化すると広告期間妥当性の評価ができる。例えば、ある媒体の情報発信力が日ごとに低下している場合には、その媒体の広告効果が弱くなってきたことがわかるため、媒体の広告を止めるという判断ができる。一方、情報発信力が横ばいの媒体、あるいは上昇傾向にある媒体については、これら媒体の広告を継続するという判断ができる。
【0121】
(4-5)商材力測定部204の動作
図17は、商材力測定部204の動作フローの一例を示す図である。商材力測定部204は、商材SNSサイト用記憶部212に記憶されたカタログ評価情報に基づいて、商材に対する消費者の重視ポイント(観点別消費者重要度)を算出することと(ステップS170)、商材力測定用記憶部214に記憶されたアンケート回答情報に基づいて、商材に対する広告主の重視ポイント(観点別広告主重要度)を算出することと(ステップS171)、商材に対する消費者と広告主の重視ポイントに基づいて市場適合度を算出することと(ステップS172)、市場ニーズを算出することと(ステップS173)、商材力測定用記憶部214に記憶されたアンケート回答情報およびヒヤリング回答情報に基づいて、消費者の商材評価と広告主のターゲット属性係数を取得することと(ステップS174)、市場適合度、消費者の商材評価および広告主のターゲット属性係数に基づいて商材力を算出することと(ステップS175)をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラムを備える。
【0122】
(4-5-1)消費者の商材重視ポイント(観点別消費者重要度)の算出(ステップS170)
ブランドや商材・サービスに対する消費者の重視ポイントは、その商材の機能(パフォーマンス)、品質、コスト、デザイン、新規性の観点のそれぞれに対する消費者の重要度の割合を示す観点別消費者重要度として算出される。観点別消費者重要度は、商材SNSサイト用記憶部212に記憶されたカタログ評価情報から生成することができる。対象商材に関して、商材評価者によるカタログ作成から観点別消費者重要度を集計するまでのステップの一例は以下のとおりである。
1)カタログ作成
商材評価者は、広告商材に関するカタログを作成し、商材の重視した項目を「機能(パフォーマンス)」、「品質」、「コスト」、「デザイン」、「新規性」のうちから選択する(複数選択可であり、選択したものが各種「いいね」ボタンの表示条件となる。)。このようなカタログは、定期的あるいは任意のタイミングにて作成、更新され、商材SNSサイト用データ記憶装置に格納される。
2)カタログ表示
商材SNSサイト支援部202は、広告主からヒヤリングした消費者属性別の重視項目や消費者が登録した好み(機能優先など)に応じて、カタログをソートして表示する。これにより、カタログに反応した会員属性の分析や、時系列の分析、地域別等のカスタム分析などを可能にする。
3)カタログ評価
消費者がカタログを評価する際、「機能(パフォーマンス)」、「品質」、「コスト」、「デザイン」、「新規性」の「いいね」ボタンを押下する(複数選択可)。これにより、消費者が何を評価したのかを判定することができる。消費者による「いいね」評価は、カタログ評価情報として商材SNSサイト用記憶部212に記憶される。ここで、例えば、1)で商材評価者(カタログオーナー)が重視した項目として登録したものだけについて、「いいね」ボタンが押せるようにする。また、「いいね」で評価した場合、ブックマークに追加することができ、後で見たい場合は「お気に入りに登録」ボタンでお気に入りリストに入れることができる。
4)観点別消費者重要度
商材SNSサイト用記憶部212に記憶されたカタログ評価情報を読み出し、カタログ評価を行った消費者を、たとえば、未成年女性、未成年男性、成人女性、成人男性の属性別にグループ分けする。そして、商材に対するユーザが着眼した観点を機能、品質、コスト、デザイン、新規性に分類し、属性別観点別に商材の全カタログの「いいね」の合計を求め、それぞれのグループが何を重視しているのかを集計する。集計結果は、商材力測定用記憶部214に属性別観点別消費者重要度として記憶される。
【0123】
図18(a)は、観点別消費者重要度の一例を説明する図である。観点別の消費者重要度は、観点別に消費者の全属性の「いいね」の合計を求め、観点別の合計を「いいね」の総数(2126)で割ることにより算出される。なお、観点別の消費者重要度の合計は1となる。
【0124】
(4-5-2)広告主の商材重視ポイント(観点別広告主重要度)の算出(ステップS171)
ブランドや商材・サービスに対する広告主の重視ポイントは、その商材の機能(パフォーマンス)、品質、コスト、デザイン、新規性の観点のそれぞれに対する広告主の重要度の割合を示す観点別広告主重要度により表される。観点別広告主重要度は、広告主に対するアンケートにより取得され、アンケート回答情報として、商材力測定用記憶部214に記憶される。
【0125】
図18(b)は、アンケート回答情報から取得した観点別広告主重要度の一例を説明するための図である。観点別広告主重要度は、商材の「機能(パフォーマンス)」、「品質」、「コスト」、「デザイン」、「新規性」に関する広告主にとっての重要度の割合として求められる。広告主重要度の合計は1となる。
【0126】
(4-5-3)市場適合度の算出(ステップS172)
市場適合度と市場ニーズは、商材の市場シンクロニシティ、すなわち、無駄のない消費社会の実現度を示す指標である。市場適合度について、消費者の重視ポイントと広告主の重視ポイントが一致し、なおかつボリュームがある商材は市場適合度が高いとし、以下のように求める。
観点別市場適合度=観点別消費者重要度×観点別広告主重要度
市場適合度=観点別市場適合度の合計
図18(c)は、市場適合度算出の一例を示す図であり、例えば、ある商材の「機能」に関する市場適合度は、当該商材の「機能」に関する消費者重要度0.12(図18(a))と、広告主重要度0.2(図18(b))を掛けることにより、「機能」に関する市場適合度が0.02として算出される。他の観点についても同様に算出され、観点別市場適合度を合計すると、最終的な市場適合度は0.23として算出される。
【0127】
(4-5-4)市場ニーズの算出(ステップS173)
市場ニーズは、以下の式のように、市場適合度に、その商材に関する通算参照者数ランキングの上位TOP3のカタログの平均参照者数(UU数)を掛けることで求められる。なお、UU数(ユニークユーザ数)は、そのカタログを参照したユーザ数である。
市場ニーズ=市場適合度×平均参照者数(UU数)
通算参照者数ランキングTOP3のカタログ参照者数を利用した理由は、消費者は、参照者数が多いカタログを購買の参考とする可能性が高いためである。
【0128】
図18(d)は、平均参照者数UUの一例を示す図であり、1つの商材についてのカタログA~Eについて、PV数、UU数、および、そのカタログに対して押下された「いいね」の数の一例を示している。なお、PV数(ページビュー数)は、ウェブサイト内の特定のページをユーザが閲覧した回数であり、何度もカタログを見る行為がカウントされる。図18(d)の例では、図18(c)で求めた市場適合度0.23と、UUのTOP3の合計である6,696を掛けることにより、市場ニーズは以下のように求められる。 市場ニーズ=0.23×6,696=1,540
市場適合度や市場ニーズを分析することにより、広告主にとっては、オフライン広告が消費者の興味をどの程度引いているのかを具体的な数値で把握することができる。
【0129】
(4-5-5)商材力の算出(ステップS174、S175)
商材力は、以下の計算式で求められる。
属性別観点別商材力=観点別市場適合度×属性別観点別商材評価点×ターゲット属性係数(1.0~1.5)
商材力=属性別観点別商材力の合計
観点別市場適合度は、観点別消費者重要度×観点別広告主重要度で求められ、図18(c)に例示した値である。属性別観点別商材評価点は、対象商材の「機能(パフォーマンス)」、「品質」、「コスト」、「デザイン」、「新規性」の観点に関する消費者の5段階評価による評価点を集計したものであり、消費者に対するアンケートにより取得され、商材力測定用記憶部214にアンケート回答情報として格納されている。5段階評価では、各観点について、「非常に魅力的である(5点)、良い(3点)、まあまあ(1点)、今一つ(-3点)、論外(-5点)」による評価がなされ、アンケート回答情報は、アンケート対象者の属性別に、評価点の総合計、観点別評価点の中計、属性別評価点の小計を含む。
【0130】
広告主のターゲット属性係数は、広告主がターゲットとして重視する消費者属性に対して設定される重み係数である。広告主は、例えば、成人女性をターゲットとする場合、成人女性に高いターゲット属性係数を設定する。広告主ターゲット属性係数は、広告主からのヒヤリングにより取得され、商材力測定用記憶部214にヒヤリング回答情報として格納されている。広告主ターゲット属性係数は、すべての消費者属性をターゲットとする場合、および、特定の消費者属性のみをターゲットとする場合は”1.0”、消費者属性間で優先順位付けをしたい場合は”1.0~1.5”の間の任意の係数を設定する。
【0131】
図19(a)~(d)は、属性別観点別商材力の例であり、消費者の属性別(未成年女性、未成年男性、成人女性、成人男性)に、観点別(機能、品質、コスト、デザイン、新規性)の商材力が算出されている。属性別観点別商材力は、属性別観点別に、市場適合度、商材評価点、ターゲット属性係数を掛け算することにより算出される。
【0132】
図19(a)は、未成年女性について属性別観点別商材力を算出した例である。市場適合度は、図18(c)で例示した市場適合度と同じ値であり、未成年女性商材評価点とターゲット属性係数の値は、商材力測定用記憶部214に記憶されたアンケート回答情報から取得される。図19(a)において、「機能」についての商材力は0.02×120×1.0=2.40と算出され、他の観点についても同様に算出される。そして、未成年女性に関する属性別観点別商材力は、各観点の商材力を小計し、86.31と算出されている。図19(b)~(d)についても、同様に属性別観点別商材力が算出される。ここで、広告主は「成人女性」をターゲットとして重視していることから、図19(c)における成人女性に関するターゲット属性係数が1.5と高く設定されている。対象となる商材の総合的な商材力は、4つの属性別観点別商材力の小計を合計した値326.53(86.31+55.59+131.30+53.33)として算出される。
【0133】
商材力測定部204は、商材についての市場適合度、消費者による商材評価点、広告主によるターゲット属性係数に基づいて商材力を算出し、消費者評価レポートや商材評価レポートを広告主装置4に送信する。
【0134】
商材力を分析することにより、広告主にとっては、広告の対象商材が「商材力」が高いのに売上が伴わないのか、売上があるのに「商材力」が乏しいのかなどを評価することができ、商材の改善にかける予算の配分や販売計画の見直しを具体的な根拠を持って行うことができる。
【0135】
また、商材力の算出過程を利用して、商材の改善点を分析することもできる。商材に対する属性別消費者重要度の各点数の割合と、広告主が商材について期待しているターゲット属性の重要度の割合に差異が生じた場合には、その差異を分析することで商材の改善点を抽出できる。例えば、広告主が、成人女性をターゲット属性とし、商材の重要度について、機能=20%、品質=10%、コスト=10%、デザイン=50%、新規性=10%という割合を想定したとする。一方、商材に関する成人女性の消費者重要度は、図18(a)に例示されるように、機能=52(8%)、品質=185(28%)、コスト=277(42%)、デザイン=99(15%)、新規性=43(7%)、合計評価数656となっていたとする。成人女性の合計評価数656は他の属性に比べて多いことから、ターゲッティングは成人女性で成功しているといえる。しかし、成人女性は、製品開発で重視したデザインではなく、コストを重視したと分析できる。
【0136】
本実施形態では、1つの広告管理装置、2つのメディアオーナ装置、2つの広告主装置、1つのユーザ端末を備えた広告管理システムを例示したが、これらの装置の数は任意でよい。また、広告管理装置、メディアオーナ装置、広告主装置がそれぞれ有する機能を1つあるいは2つの装置に集約してもよいし、あるいは、さらに多くの装置に分散してもよい。また、広告管理者、メディアオーナ、広告主は、それぞれ別個の主体として説明したが、例えば、メディアオーナと広告主が同一の者であってもよい。また、広告管理装置、メディアオーナ装置、広告主装置のそれぞれが記憶部を備え、記憶部には特定のデータを記憶する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、ネットワーク上で必要なデータをアクセスできるように構成されていればよい。
【0137】
本開示は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0138】
1…広告管理システム、2…広告管理装置、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信I/F、25…入出力I/F、3…メディアオーナ装置、31…管理装置、32…記憶装置、4…広告主装置、41…管理装置、42…記憶装置、5…ユーザ端末、50…バス、51…プロセッサ、52…メモリ、53…ストレージ、54…カメラ、55…通信I/F、56…入出力I/F、57…タッチスクリーン、58…入力部、59…表示部、6…ネットワーク、200…広告管理制御部、201…一次広告検索部、202…商材SNSサイト支援部、203…広告効果測定部、204…商材力測定部、210…記憶部、211…一次広告検索用記憶部、212…商材SNSサイト用記憶部、213…広告効果測定用記憶部、214…商材力測定用記憶部、215…外部提供データ記憶部、220…通信制御部、300…一次広告管理部、301…一次広告情報管理部、302…一次広告情報提供部、310…一次広告記憶部、320…通信制御部、311…一次広告掲示テーブル、400…商材情報管理部、401…商材SNSページ情報提供部、402…商材情報編集部、403…イベント管理部、410…商材情報記憶部、420…通信制御部、500…広告検索閲覧部、501…一次広告検索参照部、502…商材SNSサイト閲覧部、510…広告検索履歴記憶部、520…通信制御部
図1
図2
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図4
図5
図6
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図19
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告効果を測定するためのコンピュータ・プログラムであって、
広告を掲示した広告媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す情報発信力を算出することと、
前記情報発信力あたりの広告出稿費として、広告効果を測定することと、
をコンピュータに実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項2】
前記情報発信力は、前記広告を掲示した広告媒体が持つ前記ユーザへの到達度合いを表す一次情報発信力と、前記広告を掲示した広告媒体が持つ前記ユーザへの浸透度合いを表す二次情報発信力を示す指標である、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項3】
前記一次情報発信力と前記二次情報発信力は、前記ユーザの広告検索履歴に基づいて特定される広告印象度と、前記ユーザの広告閲覧履歴に基づいて特定される広告閲覧アクションに基づいて算出される、請求項2に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項4】
前記情報発信力は、前記ユーザごとに算出された前記一次情報発信力と前記二次情報発信力をユーザ全体にわたって総計し、当該総計を広告掲示期間で割ることにより算出される、請求項2に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項5】
前記情報発信力は、さらに、所定のサイト上での前記ユーザの振る舞いを示す反応書込みに基づいて算出される、請求項4に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータ・プログラムは、さらに、特定の広告を表示した広告媒体の情報発信力が、当該特定の広告と同一または類似した広告を表示している広告媒体の情報発信力から乖離している度合いを示す媒体所在適合偏差値を算出することをコンピュータに実行させる、請求項1に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項7】
広告効果を測定するための情報処理方法であって、
広告を掲示した広告媒体が持つユーザへの到達度合いと浸透度合いを示す情報発信力を算出することと、
前記情報発信力あたりの広告出稿費として、広告効果を測定することと、
を備える、情報処理方法。
【請求項8】
広告効果を測定するための情報処理装置であって、
請求項1~6のいずれか一項に記載のコンピュータ・プログラムを記録するメモリと、
前記メモリに結合された1または複数のプロセッサと、を備え、
前記1または複数のプロセッサは、前記メモリに記録されたコンピュータ・プログラムを実行するように構成される、情報処理装置。