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特開2024-127738シミュレーションディスプレイシステム、空間画像輝度均一性
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127738
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】シミュレーションディスプレイシステム、空間画像輝度均一性
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/10 20060101AFI20240912BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240912BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240912BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G09G5/10 B
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
H04N5/74 D
H04N9/31 820
H04N9/31 790
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214913
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】63/488,781
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/507,540
(32)【優先日】2023-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・トーマス・ビーツ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ヴィンセント・ローア
(72)【発明者】
【氏名】ハロルド・アール・ストレイド
【テーマコード(参考)】
5C058
5C060
5C182
【Fターム(参考)】
5C058BA05
5C058BA35
5C058EA01
5C060JA11
5C060JA19
5C060JB06
5C182AA04
5C182AA12
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA25
5C182BA56
5C182BB01
5C182BB11
5C182CA01
5C182CB55
5C182CC24
5C182DA44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、スクリーンの前の設計眼位置に対して計算することを含む。基準線輝度は、輝度に従って各原色について決定される。スクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線に向かって補正される。補正は、光学フィルタと電子補正との間に割り当てられる。輝度は、スクリーン上の較正点で測定される。カラー画像の電子補正は、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って調整される。補正されたカラー画像は、プロジェクタから光学フィルタを通して投影される。光学フィルタは、割り当てに従って、補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成する方法(800)であって、前記方法は、
プロジェクタ(402)によってリアプロジェクションスクリーン(400)上に生成される輝度(112)を、前記リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置(416)に対して計算するステップ(802)と、
前記計算された輝度に従って各原色(110)の基準線輝度値(140)を決定するステップ(804)であって、前記リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、前記基準線輝度値に向かって補正される、ステップ(804)と、
前記基準線輝度値に対して前記補正を実施するために、光学フィルタ(404)と電子補正(128)との間の割り当て(150)を決定するステップ(806)と、
前記リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点(602)における輝度を測定するステップ(808)であって、前記較正点は、前記リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角(206)及び仰角(208)の箇所にある、ステップ(808)と、
前記プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像(414)を生成するために、前記較正点における前記割り当て及び前記輝度に従って、カラー画像(126)のための前記電子補正を調整するステップ(810)と、
前記プロジェクタから、前記光学フィルタを通して前記補正されたカラー画像を投影するステップ(812)であって、前記光学フィルタは、前記割り当てに従って、前記補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される、ステップ(812)と、を含む、方法(800)。
【請求項2】
前記光学フィルタと電子補正との間の前記割り当てを決定するステップは、
全ての3原色に共通する全ての輝度補正を前記光学フィルタに割り当てるステップ(902)と、
全ての残りの必要な輝度補正を原色ごとに電子補正に割り当てるステップ(904)と、を含み、かつ/又は前記光学フィルタと電子補正との間の前記割り当てを決定するステップは、
それを超えると全ての輝度補正が電子的に実施される前記リアプロジェクションスクリーン上の空間箇所に従って、前記光学フィルタによる輝度補正のためのカットオフ値を決定するステップ(1002)と、
前記カットオフ値未満で、前記光学フィルタによって実施される対応する残りの輝度補正値を決定するステップ(1004)と、
前記光学フィルタの前記輝度補正値に基づいて、原色ごとに前記電子補正のための最終輝度補正値を決定するステップ(1006)と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子補正は、前記プロジェクタのアルファ平面(130)に従って実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電子補正を調整するステップは、前記較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいて、前記プロジェクタによって生成される原色に対応する複数の補正マップ(152)を作成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記較正点の各々について、それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて収集されたデータは、前記プロジェクタのラスタ空間(124)にマッピングされて戻され、かつ/又は、前記方法は、前記較正点についての結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張するために、補間及び/又は外挿(154)を実施するステップを更に含み、前記補間及び/又は外挿は、必要とされる強度減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各原色についての前記基準線輝度値は、各原色についての最小強度を含み、前記リアプロジェクションスクリーン上の各点において適用されるパーセンテージ補正は、その点における前記輝度と前記基準線輝度値との間の比である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プロジェクタによって生成される輝度を計算するステップは、前記プロジェクタの較正中に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記光学フィルタは、前記割り当てに基づいた計算パターン(502)に従って空間的に変化する不透明度(134)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するシステム(100)であって、前記システムは、
プログラム命令を記憶するストレージデバイス(1116)と、
前記ストレージデバイスに動作可能に接続され、前記システムに、
プロジェクタ(402)によってリアプロジェクションスクリーン(400)上に生成される輝度(112)を、前記リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置(416)に対して計算させ(802)、
前記計算された輝度に従って各原色(110)の基準線輝度値(140)を決定させ(804)、前記リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、前記基準線輝度値に向かって補正され、
前記基準線輝度値に対して前記補正を実施するために、光学フィルタ(404)と電子補正(128)との間の割り当て(150)を決定させ(806)、
前記リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点(602)における輝度を測定させ(808)、前記較正点は、前記リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角(206)及び仰角(208)の箇所にあり、
前記プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像(414)を生成するために、前記較正点における前記割り当て及び前記輝度に従って、カラー画像(126)のための前記電子補正を調整させる(810)、前記プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ(162)と、
前記プロジェクタの光路に配置された前記光学フィルタ(132)であって、前記光学フィルタは、前記割り当てに従って前記補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される、光学フィルタ(132)と、を備える、システム(100)。
【請求項10】
前記光学フィルタと電子補正との間の前記割り当てを決定することは、
全ての3原色に共通する全ての輝度補正を前記光学フィルタに割り当てること(902)と、
全ての残りの必要な輝度補正を原色ごとに電子補正に割り当てること(904)と、を含み、かつ/又は前記光学フィルタと電子補正との間の前記割り当てを決定することは、
それを超えると全ての輝度補正が電子的に実施される前記リアプロジェクションスクリーン上の空間箇所に従って、前記光学フィルタによる輝度補正のためのカットオフ値を決定すること(1002)と、
前記カットオフ値未満で、前記光学フィルタによって実施される対応する残りの輝度補正値を決定すること(1004)と、
前記光学フィルタの前記輝度補正値に基づいて、原色ごとに前記電子補正のための最終輝度補正値を決定すること(1006)と、を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
電子補正は、前記プロジェクタのアルファ平面(130)に従って実施される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記電子補正を調整することは、前記較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいて、前記プロジェクタによって生成される原色に対応する複数の補正マップ(152)を作成することを更に含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記較正点の各々について、それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて収集されたデータは、前記プロジェクタのラスタ空間(124)にマッピングされて戻され、かつ/又は、前記較正点についての結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張するために、補間及び/又は外挿(154)を実施することを更に含み、前記補間及び/又は外挿は、必要とされる強度減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
各原色についての前記基準線輝度値は、各原色についての最小強度を含み、前記リアプロジェクションスクリーン上の各点において適用されるパーセンテージ補正は、その点における前記輝度と前記基準線輝度値との間の比である、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記光学フィルタは、前記割り当てに基づいた計算パターン(502)に従って空間的に変化する不透明度(134)を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するためのコンピュータプログラム製品(1122)であって、前記コンピュータプログラム製品は、
プロジェクタ(402)によってリアプロジェクションスクリーン(400)上に生成される輝度(112)を、前記リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置(416)に対して計算するステップ(802)と、
前記計算された輝度に従って各原色(110)の基準線輝度値(140)を決定するステップ(804)であって、前記リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、前記基準線輝度値に向かって補正される、ステップ(804)と、
前記基準線輝度値に対して前記補正を実施するために、光学フィルタ(404)と電子補正(128)との間の割り当て(150)を決定するステップ(806)と、
前記リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点(114)における輝度を測定するステップ(808)であって、前記較正点は、前記リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角(206)及び仰角(208)の箇所にある、ステップ(808)と、
前記プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像(414)を生成するために、前記較正点における前記割り当て及び前記輝度に従って、カラー画像(126)のための前記電子補正を調整するステップ(810)と、
前記割り当てに基づいて、前記光学フィルタの空間的に変化する不透明度(134)のパターン(502)を計算するステップと、
を実施するプログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体(1124)を備える、コンピュータプログラム製品(1122)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、リアプロジェクションディスプレイシステムに関し、より具体的には、輝度均一性を生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輝度均一性は、視覚ディスプレイの望ましい特性である。これは、ディスプレイの表示領域にわたって輝度がどの程度変化するかの尺度であり、通常、ディスプレイのある公称点からのパーセント変化、又はディスプレイの全領域にわたって取られた輝度変化の平均として表されている。
【0003】
プロジェクションディスプレイシステムは、本質的に、輝度に関してある程度の不均一性を有している。湾曲したスクリーンを利用する、アマチュアフライトシミュレーションシステム用などのリアプロジェクションシステムは、材料の不透明度、非ユニティゲイン拡散、及び有効投影距離の変化などの種々のパラメータにより、この現象を悪化させる可能性がある。
【0004】
したがって、上記で論じた問題の少なくとも一部、並びに他の起こり得る問題を考慮に入れる方法及び装置を有することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な例は、リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成する方法を提供する。この方法は、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算することを含む。基準線輝度値は、計算された輝度に従って各原色について決定される。リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正される。基準線値に対する補正は、光学フィルタと電子補正との間に割り当てられる。輝度は、リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点で測定され、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にある。カラー画像の電子補正は、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って調整される。補正されたカラー画像は、プロジェクタから光学フィルタを通して投影される。光学フィルタは、割り当てに従って、補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される。
【0006】
別の例示的な例は、リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するシステムを提供する。システムは、プログラム命令を記憶するストレージデバイスと、ストレージデバイスに動作可能に接続され、システムに、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算させ、計算された輝度に従って各原色の基準線輝度値を決定させ、リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正され、基準線輝度値に対して補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定させ、リアプロジェクションスクリーン上の一部の較正点における輝度を測定させ、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にあり、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像のための電子補正を調整させる、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサと、を備える。光学フィルタが、プロジェクタの光路に配置され、光学フィルタは、割り当てに従って、補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される。
【0007】
別の例示的な例は、リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するためのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算するステップと、計算された輝度に従って各原色の基準線輝度値を決定するステップであって、リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正される、ステップと、基準線輝度値に対して補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定するステップと、リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点における輝度を測定するステップであって、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にある、ステップと、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像のための電子補正を調整するステップと、割り当てに基づいて、光学フィルタの空間的に変化する不透明度のパターンを計算するステップと、を実施するプログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備える。
【0008】
特徴及び機能は、本開示の種々の例において独立して達成されることができるか、又は更に他の例において組み合わせられてもよく、更なる詳細は、以下の説明及び図面を参照して理解されることができる。
【0009】
例示的な例の特徴と考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な例、並びにその好ましい使用モード、更なる目的及び特徴は、添付の図面と併せて読まれるとき、本開示の例示的な例の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的な例による輝度補正システムのブロック図である。
図2】リアプロジェクションスクリーン全体の輝度の変化を示す図である。
図3】プロジェクタのラスタ空間を示す図である。
図4】例示的な例による光学フィルタを用いたリアプロジェクタシステムを示す。
図5】例示的な例による、光学フィルタの絵画的表現である。
図6】例示的な例による、複数の較正点を伴う、リアプロジェクションスクリーンのセクションの例を示す。
図7】例示的な例による、リアプロジェクションスクリーンにわたる輝度均一性を示す図である。
図8】例示的な例によるリアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するためのプロセスのフローチャートを示す。
図9】例示的な例による、光学フィルタと電子補正との間の輝度補正の割り当てのためのプロセスのフローチャートを示す。
図10】例示的な例による、光学フィルタと電子補正との間の割り当て輝度補正のための代替的なプロセスのフローチャートを示す。
図11】例示的な例によるデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な例は、本明細書に記載される1つ以上の異なる考慮事項を認識し、考慮に入れる。例えば、例示的な例は、プロジェクションディスプレイシステムが本質的に輝度に関してある程度の不均一性を有することを認識し、考慮している。湾曲したスクリーンを利用する、アマチュアフライトシミュレーションシステム用などのリアプロジェクションシステムは、材料の不透明度、非ユニティゲイン拡散、及び有効投影距離の変化などの種々のパラメータにより、この現象を悪化させる可能性がある。
【0012】
例示的な例はまた、既存の画像補正ソリューションが電子補正又は光学補正を活用することを認識し、考慮に入れる。光学補正は、何らかの種類の電気光学変換器を通して光を変調する電子信号に対してではなく、光学手段(すなわち、反射、屈折、回折、吸収など)によってプロジェクタによって放出された光に対して直接作用することを含む。この場合、投影円錐の2次元断面にわたって選択的に光を吸収する。光学補正は、より高いコントラスト比と、プロジェクションデバイスの全ダイナミックレンジを利用する能力とをもたらす。
【0013】
電子補正とは、システム内の電子デバイスが、画像に対するプロジェクタの意図された光出力を変更するために、ビデオ信号を変換する方法を指す。電子補正は、より柔軟性があり、リアルタイム操作を可能にするが、プロジェクションデバイスがその黒レベル輝度を下げることができないため、コントラストの低下を引き起こす。リアプロジェクションとともに使用されるタイプのビデオプロジェクタは、フル輝度の白色の投影された光円錐から色及び輝度において光を変調することによって画像を生成する。この変調は、画像内の任意の特定の箇所で望ましくない輝度及び色を除去することによって実施される。種々の理由で、プロジェクタは、輝度をゼロに低減することができず、「黒レベル」と称される光の残留量を残す。
【0014】
ダイナミックレンジは、通常、デジタルデータのビット数として表される、明から暗までの全範囲にわたってディスプレイの輝度を制御するために行使され得る、離散的なインクリメントの精度又は数である。電子的方法を使用して輝度を低下させることにより、プロジェクションデバイスのダイナミックレンジの上端を犠牲にすることが必要となり、ダイナミックレンジは影響を受け、電子補正は信号の全範囲を効果的に制限するため、プロジェクションデバイスはもはやビデオ信号の最高ビットレベルを利用しない。例えば、プロジェクションデバイスは、典型的には、ビデオ信号を処理するためのインクリメントのための数値として0~255を使用し得る。電子補正が適用される場合、その範囲は、0~200に制限され得る。
【0015】
色ビット深度は、その輝度を制御するために使用されるビット数として表現される各色のダイナミックレンジである。電子補正はまた、実装状況に依存して制限された色ビット深度に起因してバンディングを引き起こす可能性があり、より大きな量の補正が含まれるにつれて可能性が増加する。
【0016】
例示的な例は、リアプロジェクションスクリーンから構成される視覚ディスプレイシステム上の任意の所与の点に必要な輝度均一性の補正を計算する方法を提供する。この方法は、光学補正を電子的アルファ平面補正と組み合わせて、電子補正単独よりも良好なコントラスト及びダイナミックレンジ性能を提供する。アルファ平面は、光を空間的に変調するために電子的手段によって適用される輝度変調の記憶されたパターンである。
【0017】
ここで図1を参照すると、例示的な例による輝度補正システムのブロック図が示されている。
【0018】
輝度補正システム100は、リアプロジェクションスクリーン102と、複数のプロジェクタ120とを備える。複数のプロジェクタ122の各プロジェクタ120は、リアプロジェクションスクリーン102上に投影される投影カラー画像126を生成する。
【0019】
リアプロジェクションスクリーン102は、複数のスクリーンセクション104を含む。各スクリーンセクション106は、プロジェクタ120のうちの対応するプロジェクタ122によってその上に投影されたそれぞれの投影カラー画像126を有する。スクリーンセクション104のうちのスクリーンセクション106から発する光は、そのスクリーンセクション上に投影される投影カラー画像126を構成する原色108(赤、緑、青(RGB))を有する。各原色110は、スクリーンセクション106にわたって変化し得る(フットランベルト又はニットで測定された)輝度値112を有する。複数の較正点114を各スクリーンセクション106上に指定することができる。これらの較正点114は、ユーザの視点と位置合わせし、光度計のスポットサイズなどを調和させるように選択することができる。
【0020】
リアプロジェクションスクリーン102上の箇所は、デカルトXYZ座標116、並びにリアプロジェクションスクリーン102の前の設計眼位置138に対する方位角及び仰角118によって定義することができる。設計眼位置は、航空人間工学において概して使用される用語であり、オペレータの公称アイポイントを指す。それは、コックピットディスプレイ及びアビオニクスのための基準として、並びに航空機及びキャノピー構造によって制限されるような外部環境のオペレータの視界を説明するために使用される(図7参照)。
【0021】
各投影カラー画像126は、各プロジェクタ122のラスタ空間124に従って定義される。プロジェクタ122は、定義されたアルファ平面130に従って、投影カラー画像126の電子補正128を実施することができる。アルファ平面130は、連続体上の不透明度のグラデーションを可能にする各原色チャネルに対するアルファ透明度値のルックアップテーブルを含む。
【0022】
輝度の補正は、投影画像126の光路に配置された光学フィルタ132によっても実施することができる。光学フィルタ132の不透明度(透過値)134は、補正割り当て150によって決定された計算パターン136に従って空間的に変化する。補正割り当て150は、補正アルゴリズム148によって作成された透過値を表すデータ記述又はファイルを含む。
【0023】
コンピュータシステム160は、リアプロジェクションスクリーン102にわたる原色108の各々に対する基準線輝度値140を決定し、それによって、赤色基準線輝度142、緑色基準線輝度144、及び青色基準線輝度146を確立するようにプログラムされる。これらの基準線輝度値140から、コンピュータシステム160は、リアプロジェクションスクリーン102の全てのスクリーンセクション104にわたって均一な輝度を生成するための補正マップ152を作成することができる。コンピュータシステム160は、光学フィルタ132と電子補正128との間の最適な補正割り当て150を決定することができる。コンピュータシステム160はまた、プロジェクタラスタ空間124内の任意の箇所に対する較正点114の補間/外挿154を実施することができる。
【0024】
コンピュータシステム160は、物理ハードウェアシステムであり、1つ以上のコンピューティングデバイスを含む。2つ以上のコンピューティングデバイスがコンピュータシステム160内に存在するとき、それらのコンピューティングデバイスは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体はネットワークとすることができる。コンピューティングデバイスは、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は何らかの他の適切なコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0025】
図示されるように、コンピュータシステム160は、例示的な例におけるプロセスを実装するプログラムコード164を実行することができる複数のプロセッサユニット162を含む。本明細書で使用される場合、任意の数のプロセッサユニット162のうちの1つのプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のものなどのハードウェア回路から構成される。複数のプロセッサユニット162がプロセスのためのプログラムコード164を実行するとき、複数のプロセッサユニット162は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上にあり得る1つ以上のプロセッサユニットである。換言すれば、プロセスは、コンピュータシステム内の同じ又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット間で分散させることができる。更に、複数のプロセッサユニット162は、同じタイプ又は異なるタイプのプロセッサユニットとすることができる。例えば、複数のプロセッサユニットは、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、又は何らかの他のタイプのプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択され得る。
【0026】
図2は、リアプロジェクションスクリーン全体の輝度の変化を示す図である。リアプロジェクションスクリーン200は、複数のスクリーンセクション(例えば、図6のセクション600を参照)を含む。セグメントは、互いに接続されると、湾曲したリアプロジェクションスクリーン200を形成し、これは、例えば、卵形又は球形であってもよい。本例では、湾曲したリアプロジェクションスクリーン200は、世界地図と同様に2次元に展開されて提示される。
【0027】
図2に示すように、輝度値は、リアプロジェクションスクリーン200にわたって変化し、典型的には、複数のプロジェクタからの各投影の中心において最も高い値を有し、エッジに向かって調光される。図2は、画像輝度のトポグラフィマップと考えることができる。同心円202は、空間的に発生する特定の光強度の等高線を表す。この円202の間の陰影領域204は、最も近い等高線の間に入る光強度を示している。
【0028】
例えば、一定解像度視覚システム(CRVS)などの一部の投影システムでは、スクリーンは、卵形幾何学形状(湾曲)を有する一方、投影された光は、図3に示すように、個々の光線トレースからなる各スクリーンと交差する、直線ピラミッド形状と見なすことができる。スクリーン上の任意の所与の点の1つ以上の輝度を計算するために、これらの特徴の幾何学的形状及び箇所が、それぞれに対して特徴付けられる。この特徴付けにより、光線トレーシング方程式又は線-表面交差方程式をスクリーン上の離散箇所で利用することが可能になる。
【0029】
例示的な例は、3つの空間参照フレーム間の交差又は変換を求める。
【0030】
第1の基準フレームは、プロジェクタラスタ空間である。図3は、プロジェクタの一次光軸に直交する座標系をバイセクション化することによって求められ得る2D投影を含むプロジェクタラスタ空間を示す図である。このラスタ空間は有界であり、典型的にはxピクセル及びyピクセル箇所に関して記述される。境界の範囲は、典型的には、それぞれx方向及びy方向に0から固有ピクセル数まで記述される。
【0031】
ボックス300は、画像を表し、プロジェクタ302からの投影のバイセクションを表す。ボックス300は、境界範囲として機能する。変数Qx及びQyは、ラスタ空間内の箇所を記述する順序対として一緒に使用することができる。Qh及びQvは、それぞれX及びY方向の固有ピクセル数として決定された境界値を表す。
【0032】
第2の基準フレームは、デカルトXYZ空間であり、これは、ある原点からのx、y、及びzオフセット距離として与えられる実3D空間内の投影点の物理的箇所を定義する3D座標系を含む。この空間は、境界がなく、本目的のために、設計眼位置(投影シミュレータ内のユーザの位置)は、この基準フレームの基準又は原点と見なされる。
【0033】
第3の基準フレームは、方位角及び仰角であり、これは、設計眼位置を起点とし、空間内の特定の箇所(典型的には、スクリーン上の箇所)への方向を定義するが、ベクトルの距離又は大きさに関係しない、ベクトル又はベクトルの範囲を含む。この基準座標系は、図2に示すように、方位角において-180°から+180°、仰角において-90°から+90°に制限された、半径が定義されていない典型的な球座標と考えることができる。方位角は、リアプロジェクションスクリーン200の上部から下部に移動する線206によって表される。方位角は、中心の0から各端部の+/-180までリアプロジェクションスクリーン200を横切って水平に増加する。仰角は、リアプロジェクションスクリーン200を横切って左から右に移動する線208によって表される。仰角は、中心の0から上部及び下部の+/-90まで垂直に増加する。
【0034】
中心が設計眼位置から既知のオフセットにある球の一部である投影スクリーンと、ある距離だけ離れ(球中心と比較してスクリーン表面の反対側に位置する)、スクリーン表面に向かう所与の方向に向けられたプロジェクタとを考えると、プロジェクタラスタ空間と、デカルトXYZ空間と、方位角/仰角空間との間の幾何学的相関を計算することが可能である。
【0035】
ラスタ空間内の所与のピクセル箇所に対して、スクリーン表面との対応するXYZ交点を決定し、そこから、設計眼位置に対する対応する方位角及び仰角を決定することが可能である。この決定は、入力ピクセル箇所、並びに投射比、画像アスペクト比、及び画像/レンズオフセットなどの光錐の形状及び姿勢を規定するパラメータに基づいて、プロジェクタに対する所与の光線の方向を決定することによって開始する。本説明は、プロジェクタ302の光軸がそれ自体のローカル座標系のX軸線と同一直線上にあり、ピクセルの行がそのローカルX-Y平面に平行であり、ピクセルの列がそのローカルX-Z平面に平行であると仮定する。
【0036】
光線は、標準的な方位、ピッチ、ロール補正マトリクスを使用して、グローバル座標系に対してプロジェクタが向いている方向に基づいて変換され得る。原点ベクトルは、合成ベクトルを設計眼箇所に対して適切に配置するために追加される。
【0037】
設計眼位置に対するスクリーンの幾何学的形状及び箇所は、CRVSシステムなどの単一の投影スクリーンの形態を表すため、中心が設計眼位置からオフセットされた球として定義することができる。平坦な平面、円環、設計眼位置を中心とする球などを含む他のスクリーン形状を利用することができる。
【0038】
光線のベクトル及びスクリーン表面の定義から、交点のデカルト座標を求めることが可能である。X、Y、及びZデカルト箇所から方位角及び仰角への変換は、原点が設計眼位置に相関するという事実に起因して、単純である。
【0039】
補正の前に、リアプロジェクションスクリーン全体の全体的な輝度(フットランバート又はニット単位)が計算される。輝度は、各色の偏光に対する反射損失及びスペクトル依存損失の依存性により、各色について個別に計算することができる。
【0040】
平坦な(プロジェクタによって意図的に空間的に変調されていない)ホワイトフィールド及びピーク照明設定を有するプロジェクタからの投影光の量は、単位時間当たりに放射される光の尺度である(ルーメンで測定される)光束で考えると、一定であると見なすことができる。この値は、通常、単位としてルーメンを用いて提供され、プロジェクタによって提供される全光エネルギーの量と見なすことができる。この総光エネルギーは、投影距離及び画像サイズに関係なく一定のままである。しかしながら、投影光円錐(図3において点線で表される)が広がり、倍率の変化から増加する画像領域をカバーするにつれて、光エネルギーは異なる領域にわたって広がる。所与の点について、典型的にはフートキャンドルとして測定される照度の公称瞬間量は、光束と、その対応する倍率について生成される投影円錐の面積との関数として求めることができる。
【0041】
図3に示される例は、1つの潜在的なバイセクションである。また、画像をプロジェクタのより近くで、又はより遠くでバイセクション化することも可能であり、その結果、画像の幾何学的サイズがより小さく、又はより大きくなる。各可能なバイセクションにおいて、光束は一定のままであるが、光の他の特性(照度、フートキャンドルなど)は変化するが、幾何学的形状及び一定の光束に基づいて計算することができる。
【0042】
湾曲したスクリーンは、もはや、倍率が視野にわたって同じである画像の単純な平坦なバイセクションではない。その代わりに、依然として一定の光束が存在するが、より大きな領域にわたって広がり、より低い倍率を有するスクリーンの他の領域よりも輝度を低くする画像範囲において、より大きな倍率が存在する。多くのシミュレーション投影スクリーンの湾曲した性質に起因して、倍率は、画像範囲の近くで実質的に増加し、倍率が増加すると表示された画像の輝度の減少をもたらすため、考慮されるべきである。
【0043】
いくつかの入力パラメータに基づいてスクリーン上の任意の箇所の点における輝度を計算した後、例示的な例は、スクリーン上の各点に適用される補正を決定する。基準線輝度値が選択され、それに対して残りの測定値が正規化される。図2に示すように、リアプロジェクション、ブレンドされていない球面スクリーンの場合、最低輝度を有するスクリーン上の箇所は、典型的には、コーナーエッジ及び境界箇所である。
【0044】
スクリーン上の他の箇所点を正規化するための基準線輝度値として各色の最小輝度を選択することにより、制限された視野のスクリーン上に実際に投影されない画像の極端な広がりに基づく過剰補正が防止される。スクリーン上の各点に適用されるパーセンテージ補正は、その点における輝度と確立された基準線との間の単純な比であり、最大値は1である。
【0045】
例示的な例によって提供される輝度均一性の補正は、光路内の光学フィルタとプロジェクタ内の電子補正とを組み合わせる。光学フィルタと電子補正との間で補正を分割することは、アルファ平面において必要とされる減衰の量を制限することによって、プロジェクタにおけるダイナミックレンジを保存する能力を提供する。ダイナミックレンジを維持することは、例えば、夜景及びNVG(暗視ゴーグル)刺激のより正確な表現を可能にする。
【0046】
図4は、例示的な例による光学フィルタを使用するリアプロジェクタシステムを示している。図示のように、光学フィルタ404は、プロジェクタ402の光路406内に配置される。光学フィルタ404を通過した後、光は、本例に示すように、リアプロジェクションスクリーン400のセクション412上への補正されたカラー画像414のリアプロジェクションのために、複数のミラー408、410によって反射され得る。
【0047】
また、図4には、セクション412の前のオペレータの位置を表す設計眼位置416が示されている。
【0048】
図5は、例示的な例による光学フィルタの絵画的表現である。光学フィルタ500は、図4の光学フィルタ404の一例であり得る。光学フィルタ500は、投影カラー画像内の特定の領域を調光するためにプロジェクタ光路に挿入される。調光パターン502は、本質的に静的であり、空間的に変化する不透明度を有する図1の計算パターン136の一例である。光学フィルタ500は、プロジェクタの後で画像を調光するため、コントラスト及びビット深度を維持する。
【0049】
全体的な輝度均一性の補正は、問題となっている投影システムについて理解されていることに基づいており、スクリーン、プロジェクタ、ミラー、レンズ、及び機械的セットアップにおける製造公差を考慮するための較正を必要とする。
【0050】
光学フィルタは、プロジェクタからの光を過度に減衰させることなく、可能な限り多くの補正を提供する。このアプローチは、プロジェクタによって生成される画像のダイナミックレンジを維持しながら、プロジェクタの光パワーからスクリーン上で最高の画像輝度を得るという目標を提供する。光学フィルタの特性は、色変化の量を制限し、一貫したNVG/明所視比を有し、経年変化による変化を制限し、合理的に完全なコントラスト変調を提供し、設計データに基づく正確な減衰勾配を提供するように設計される。光学フィルタは、公称光学補正からの助けなしに必要な補正の全てを実施するためにアルファ平面補正が増加された場合にプロジェクタの制限されたダイナミックレンジによって引き起こされる可能性がある視覚的アーチファクトを導入することなく、プロジェクタに設計されたアルファ平面において全ての残りの輝度均一性の補正が実施されることを可能にする。かかるアーチファクトの一例は、バンディング(連続階調のトーンをより少ないトーンの一部の領域に変換することによる、あるトーンから別のトーンへの急激な変化)である。
【0051】
光学フィルタの輝度補正プロファイルを決定する際には、各方法によって実施される補正量の急激な変化など、電子補正と組み合わされたときの不連続性又は急激な過渡現象を回避するように注意が払われる。突然の変化は、意図された結果を連続的に提供するために、電子的方法と光学的方法との間の極めて正確な位置合わせ及び製造能力を必要とする。位置合わせ不良は、リング又は三日月形状であり得るより暗い又はより明るい領域の外観として現れる場合がある。
【0052】
特に興味深いのは、必要とされる減衰の量が非常に小さくなり、ゼロに近づく、スクリーンの外側角(例えば、図6の点2、3、4、及び5を参照)又は投影範囲(図7の線702を参照)にマッピングする領域であり、公称補正は、光学製造プロセスの精度よりも小さく、おそらく、過剰減衰を防止するために電子的にのみ実施される。光学補正は本質的に静的であり、製造公差の影響を受ける。したがって、電子補正は調整可能であるため、過剰補正及び全体の補正目標の欠落を防止するために、それらの領域の近くでのみ電子補正を利用することが推奨される。遷移は、画像内の顕著なリング又はパターンを回避するように、光学減衰を段階的に変化させるために必要とされ得る。
【0053】
異なる方法を使用して、光学フィルタと電子補正との間で補正を割り当てることができる。1つのアプローチは、実施される共通の補正量が個々の色の間で計算される等容量を利用する。3原色の全てに共通する全ての補正は、光学フィルタに割り当てられる。均一な色を提供するために色ごとに必要とされる残りの補正は、プロジェクタアルファ平面において電子的に実施される。この方法は、プロジェクタのダイナミックレンジ及び潜在的なコントラストを最大化する一方で、ヘッドルーム(マージン)が、物理システムに組み込まれた制限に起因して、又は光学フィルタを含む製造ばらつきから生じる制限に起因して、電子的に調整することを可能にするという利点を有する。
【0054】
このアプローチは、変動性を可能にするためにヘッドルームを追加するためにシステムの最大輝度を犠牲にする。ヘッドルームを追加するために、電子補正部分は、全ての値に対してあるパーセンテージだけディレーティングされ、光源電力出力は、その同じ量だけ増加される(事実上、システムに組み込まれた任意のエージングファクタ又は他のヘッドルームを減少させる)。
【0055】
等容量アプローチは、最初に、各箇所における各色のプロジェクタアルファ平面に必要な総透過量を決定する。各色の最大透過は、「共通アルファ補正」(画像を過度に減衰させることなく3原色全てが達成する透過/減衰の量)として知られる各アルファ平面箇所に対して取られる。
【0056】
commonalpha=max(ηalpha,Rηalpha,Gηalpha,B
【0057】
光学中心軸からの傾斜角(f(ζ))の関数として共通のアルファ補正をプロットすることにより、光学フィルタが実際に投影軸の周りに放射状の形状を有するかどうかが判定される。プロットは、特定の傾斜角ごとに最大値に補正される。
【0058】
変更された曲線は、3原色の各々に対して生成され、共通の屈折値を導入する。
【0059】
alphaaltered,Common=min[max(alphaaltered,R alphaaltered,Gηalphaaltered,B),1]
【0060】
光学フィルタ値は、変更された共通曲線に等しく設定される。
【0061】
f(ζ)=alphaaltered,Common
【0062】
各色の補正の電子部分は、元の補正値を光学フィルタ値で除算することによって再計算される。
【0063】
【数1】
【0064】
【数2】
【0065】
【数3】
【0066】
光学フィルタと電子補正との間で補正を割り当てる別のアプローチは、スケーリングされた予備容量(対数)を含む。このアプローチでは、ある近似補正量が電子的に実施されるために確保され、次いで、光学フィルタを介して実施される対応する量が決定され、最後に、光学フィルタ値が、色ごとに実際のプロジェクタ補正量を決定するために使用される。その結果、システムは、適切な輝度均一性と、公称色ずれの補正とを有する。確保される量は、設計に依存し、例えば、電子補正のために確保された10%~30%との間で変化し得る。
【0067】
スケーリングされた予備容量アプローチは、光源電力制御又は他の手段を通して光出力を増加させる必要なく、システム内の変動を可能にするように協働するために利用可能なある量の補正が存在することを確実にしながら、光学フィルタとプロジェクタとの間の平滑な遷移を提供するという利点を有する。この結果は、システムが等容量アプローチよりも高い最大輝度を達成することを可能にする。
【0068】
スケーリングされた予備容量は、ユーザが見る時間の大部分を費やすことになる画像の中心において、ある程度のダイナミックレンジを失う。また、予約されるオーバーヘッドの量にも柔軟性がない。
【0069】
スケーリングされた予備容量アプローチは、最初に、各箇所における各色のプロジェクタアルファ平面に必要な総透過量を決定する。各色の最大透過率は、各アルファ平面箇所に対して取られる(共通アルファ補正)。
【0070】
commonalpha=max(ηalpha,Rηalpha,Gηalpha,B
【0071】
再び、光学中心軸からの傾斜角(f(ζ))の関数として共通のアルファ補正をプロットすることにより、光学フィルタが実際に投影軸の周りに放射状の形状を有するかどうかが判定される。
【0072】
所望のカットオフレベルは、光学フィルタが画像を過度に減衰させることを防止するために、プロジェクタ(電子補正)が補正の全てを行うべき場所に対して決定される。この値(END_PCT)は、パーセント(例えば、90%)として表され得る。
【0073】
画像の中心でプロジェクタにおいて実施する補正の量は、中心から画像範囲への滑らかな遷移を可能にするために、END_PCTよりも低い/小さい値(START_PCT)、例えば70%を選択することによって決定される。
【0074】
変更された曲線は、3原色の各々に対して生成され、共通の屈折値を導入し、任意の目の位置オフセットを除去する。
【0075】
alphaaltered,Common=min[max(alphaaltered,R alphaaltered,Gηalphaaltered,B),1]
【0076】
END_PCTと変更された色曲線の1つとの交点(CUTOFF_ANGLE)が求められる。この交点は、START_PCTとEND_PCTとの間の対数関数g(ζ)を構築するために使用される。
【0077】
変更された共通曲線及び対数曲線から、光学フィルタによって実施される補正量が、単純な除算によって得られる。
【0078】
【数4】
【0079】
この場合も、電子補正の量は色ごとに再計算される。
【0080】
【数5】
【0081】
【数6】
【0082】
【数7】
【0083】
原色ごとに輝度を補正することによって、例示的な例は、全体的な輝度補正に加えて色均一性を達成することができる。
【0084】
プロジェクタ上に存在するプロジェクタアルファ平面は、入力に対して出力画像に空間的に依存する減衰を割り当てる能力によって特徴付けられる、例えば光学シェーディング補正などの種々の名前で称されることがある。しかしながら、能力の詳細は、プロジェクタ間で著しく異なる場合がある。同様に、機能の符号化及び範囲は、製造業者ごとに異なり得る。
【0085】
マッピングは、プロジェクタのアスペクト比と、アルファ平面の垂直要素及び水平要素の数とに依存し得る。アルファ平面内のデータは、このマッピングに基づいて出力画像の照度を制御するために使用され得る。
【0086】
輝度均一性に影響を及ぼすシステムの変動に起因して、例示的な例は、数学的に導出された補正マップ(デフォルトマップ)の上で機能する調整マップを提供する。このデフォルトマップは、光路内に光学フィルタを含むシステムの既知の特性に基づいて生成される。
【0087】
図6は、例示的な例による、複数の較正点を有するリアプロジェクションスクリーンのセクションの図を示している。スクリーンセクション600全体にわたって離間された較正点602のセットを使用して、投影光の原色に対応する3つの補正マップのセットが、較正プロセスを通して較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいて生成され得る。固定された方位角及び仰角の箇所に配置された複数の点は、このデータの収集のためのデータ点を提供する。
【0088】
方位角/仰角空間内の較正点(ユーザの視野と位置合わせし、光度計のスポットサイズなどを調和させるように選択される)を使用して、これらの較正点において計算され、適用される公称補正プロファイルに対して能動的補正を実施することが可能である。ユーザは、所与の方位角及び仰角における輝度及び色を能動的に測定することができる。アルファ平面を直接使用して、又はアルファ平面符号化の知識若しくはプロジェクタの他の関連する制御(同じ機能を効果的に行うグローバル値など)を使用して、ユーザは、問題の較正点が所望の測定値を有するまで、プロジェクタに設定を反復的に適用することができる。アルファ平面が直接利用されない場合、利用される他の設定又はパラメータは、復号化され、アルファ平面値に再符号化され、アルファ平面に適用され、他の設定は、それらの初期状態に戻され得る。
【0089】
較正点の実際の箇所は、スクリーン及びシステムの形状、サイズ、カバレッジ領域、及び他の幾何学的制約(例えば、パイロットが問題のコックピットに座っているときに見えるように較正点を移動させることを必要とする異なるコックピット形状及びサイズ)に基づいて調整され得る。測定ターゲットのサイズは、誤り防止を提供するために同様に考慮され調整されてもよい。測定される較正点の正確な箇所にできるだけ小さい測定パターンを配置することによって(光度計の照準における合理的な機械的/人員関連のドリフトを可能にしながら)、方位角及び仰角のみからピクセル箇所を決定することに関連する以前の計算を使用することができる。例えば、1°の測定角度の光度計では、5°程度の直径のターゲットサイズを使用して、2°までの照準公差を可能にすることができる。
【0090】
それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて較正点の各々について収集されたデータは、プロジェクタラスタ空間にマッピングされて戻され、その結果、上述の数学的関係を使用して、プロジェクタアルファ平面内の空間的に正しい箇所に適用することができる。
【0091】
上述の方法は、ラスタ空間におけるプロジェクタアルファ平面の調整箇所が、較正点の選択された方位角及び仰角と位置合わせされ、それらの特定の箇所のみを補正する場合に適用される。視野全体の補正マップを求め、それをプロジェクタの許容される調整箇所に適切にマッピングするために、補間及び外挿が使用される。
【0092】
較正点の設定の知識を用いて、2D精密補間器/外挿器は、結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張することができる。プロセスをプロジェクタ制御方式にとらわれないようにするために、補間は、実際の符号化された値ではなく、必要とされる減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施され得る。この補間器/外挿器モデルから、補間/外挿モデルにプロジェクタのアルファ平面の座標箇所を供給することによって、実際のプロジェクタのアルファ平面において減衰させる値を決定することができる。次に、出力減衰値を値に再符号化し、プロジェクタに適用することができる。
【0093】
図7は、例示的な例によるリアプロジェクションスクリーン全体の輝度均一性を示す図である。上述の方法に従って光学フィルタと電子補正とを組み合わせることによって、リアプロジェクションスクリーン700上に投影される光の輝度は、図2とは対照的に均一である。線704は、オペレータの視界を制限する可能性のある天蓋及び航空機構造を表している。
【0094】
図8は、例示的な例によるリアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するためのプロセスのフローチャートを示している。図8のプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装されるとき、プロセスは、1つ以上のコンピュータシステム内の1つ以上のハードウェアデバイス内に位置する1つ以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、このプロセスは、図1の輝度補正システム100において実装することができる。
【0095】
プロセス800は、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算することによって開始する(動作802)。輝度の計算は、1回のセットアップ手順として、又はプロジェクタを定期的に再較正するために、プロジェクタの較正中に実施することができる。
【0096】
各原色の基準線輝度値は、計算された輝度に従って決定される(動作804)。リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正される。各原色の基準線輝度値は、各原色の最小輝度を含み得る。スクリーン上の各点において適用されるパーセンテージ補正は、その点における輝度と基準線輝度値との間の比を含み得る。
【0097】
プロセス800は、基準線輝度値に向けて補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定する(動作806)。
【0098】
輝度は、リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点で測定される(動作808)。較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にある。
【0099】
プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像に対する電子補正が調整される(動作810)。電子補正は、プロジェクタのアルファ平面に従って実施されてもよい。
【0100】
電子補正を調整することは、較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいてプロジェクタによって生成された原色に対応する複数の補正マップを作成することを備え得る。
【0101】
それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて較正点の各々について収集されたデータは、プロジェクタのラスタ空間にマッピングされて戻され得る。較正点の結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張するために、補間及び/又は外挿が実施され得、補間及び/又は外挿は、必要とされる輝度減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施される。
【0102】
プロジェクタは、光学フィルタを通して補正されたカラー画像を投影し、光学フィルタは、割り当てに従って補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される(動作812)。光学フィルタは、割り当てに基づいた計算パターンに従って空間的に変化する不透明度を含み得る。
【0103】
その後、プロセス800は終了する。
【0104】
図9は、例示的な例による、光学フィルタと電子補正との間の輝度補正の割り当てのためのプロセスのフローチャートを示している。プロセス900は、図8の動作806の例示的な実装形態である。
【0105】
プロセス900は、3原色の全てに共通する全ての輝度補正を光学フィルタに割り当てることによって開始される(動作902)。全ての残りの必要な輝度補正は、原色ごとに電子補正に割り当てられる(動作904)。その後、プロセス900は終了する。
【0106】
図10は、例示的な例による、光学フィルタと電子補正との間の割り当て輝度補正のための代替的なプロセスのフローチャートを示している。プロセス1000は、図8の動作806の代替的な実装形態の一例である。
【0107】
プロセス1000は、リアプロジェクションスクリーン上の空間箇所に従って光学フィルタによる輝度補正のためのカットオフ値を決定することによって開始され、このカットオフ値を超えて全ての輝度補正が電子的に実施される(動作1002)。カットオフ値未満では、対応する残りの輝度補正値が、光学フィルタによって実施されるように決定される(動作1004)。光学フィルタの補正値に基づいて、原色ごとに電子補正のための最終輝度補正値が決定される(動作1006)。その後、プロセス1000は終了する。
【0108】
異なる図示された例におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な例における装置及び方法の一部の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表すことができる。例えば、ブロックのうちの1つ以上は、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコードとハードウェアとの組み合わせとして実装され得る。ハードウェアで実装される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1つ以上の動作を実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。プログラムコードとハードウェアとの組み合わせとして実装される場合、実装形態はファームウェアの形態をとってもよい。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、異なる動作を実施する専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組み合わせを使用して実装することができる。
【0109】
例示的な例の一部の代替的な実装形態では、ブロックに記載された1つ以上の機能は、図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、場合によっては、関与する機能に応じて、連続して示される2つのブロックが実質的に同時に実施されてもよく、又はブロックが時には逆の順序で実施されてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0110】
次に図11を参照すると、例示的な例によるデータ処理システムのブロック図が示されている。データ処理システム1100は、図1のコンピュータシステム160を実装するために使用され得る。この例示的な例では、データ処理システム1100は、プロセッサユニット1104、メモリ1106、持続性ストレージ1108、通信ユニット1110、入力/出力(I/O)ユニット1112、及びディスプレイ1114の間の通信を提供する通信フレームワーク1102を含む。この例では、通信フレームワーク1102はバスシステムの形態をとる。
【0111】
プロセッサユニット1104は、メモリ1106にロードされ得るソフトウェアのための命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット1104は、特定の実装形態に応じて、複数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は何らかの他のタイプのプロセッサであり得る。一例では、プロセッサユニット1104は、1つ以上の従来の汎用中央処理装置(CPU)を備える。代替例では、プロセッサユニット1104は、1つ以上のグラフィカル処理装置(GPU)を備える。
【0112】
メモリ1106及び持続性ストレージ1108は、ストレージデバイス1116の例である。ストレージデバイスは、例えば、限定するものではないが、データ、関数形式のプログラムコード、又は他の適切な情報のうちの少なくとも1つなどの情報を、一時的に、永続的に、又は一時的及び永続的の両方で記憶することができる任意のハードウェアである。ストレージデバイス1116は、これらの例示的な例では、コンピュータ可読ストレージデバイスと称されることもある。メモリ1106は、これらの例では、例えば、ランダムアクセスメモリ又は任意の他の好適な揮発性若しくは不揮発性ストレージデバイスであってもよい。持続性ストレージ1108は、特定の実装形態に応じて種々の形態をとることができる。
【0113】
例えば、持続性ストレージ1108は、1つ以上の構成要素又はデバイスを含み得る。例えば、持続性ストレージ1108は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換え可能光ディスク、書換え可能磁気テープ、又はこれらの何らかの組み合わせとすることができる。持続性ストレージ1108によって使用される媒体は、取り外し可能であってもよい。例えば、取り外し可能なハードドライブを持続性ストレージ1108に使用することができる。通信ユニット1110は、これらの例示的な例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信ユニット1110はネットワークインターフェースカードである。
【0114】
入力/出力ユニット1112は、データ処理システム1100に接続され得る他のデバイスとのデータの入力及び出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット1112は、キーボード、マウス、又は何らかの他の適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを通じてユーザ入力のための接続を提供することができる。更に、入力/出力ユニット1112は、プリンタに出力を送ることができる。ディスプレイ1114は、ユーザに情報を表示する機構を提供する。
【0115】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つのための命令は、通信フレームワーク1102を介してプロセッサユニット1104と通信するストレージデバイス1116内に配置することができる。異なる例のプロセスは、メモリ1106などのメモリ内に配置することができるコンピュータ実装命令を使用して、プロセッサユニット1104によって実施することができる。
【0116】
これらの命令は、プロセッサユニット1104内のプロセッサによって読み取られ、実行され得るプログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、又はコンピュータ可読プログラムコードと称される。異なる例におけるプログラムコードは、メモリ1106又は持続性ストレージ1108などの異なる物理記憶媒体又はコンピュータ可読媒体上に具現化されてもよい。
【0117】
プログラムコード1118は、選択的に取り外し可能なコンピュータ可読媒体1120上に機能的な形態で配置され、プロセッサユニット1104による実行のためにデータ処理システム1100にロード又は転送され得る。プログラムコード1118及びコンピュータ可読媒体1120は、これらの例示的な例ではコンピュータプログラム製品1122を形成する。一例では、コンピュータ可読媒体1120は、コンピュータ可読記憶媒体1124又はコンピュータ可読信号媒体1126であってもよい。
【0118】
これらの例示的な例では、コンピュータ可読記憶媒体1124は、プログラムコード1118を伝播又は送信する媒体ではなく、プログラムコード1118を記憶するために使用される物理的又は有形のストレージデバイスである。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体1124は、電波若しくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号など、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体は、電波若しくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号など、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0119】
あるいは、プログラムコード1118は、コンピュータ可読信号媒体1126を使用してデータ処理システム1100に転送されてもよい。コンピュータ可読信号媒体1126は、例えば、プログラムコード1118を含む伝搬データ信号であってもよい。例えば、コンピュータ可読信号媒体1126は、電磁信号、光信号、又は任意の他の適切なタイプの信号のうちの少なくとも1つであり得る。これらの信号は、ワイヤレス通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、ワイヤ、又は任意の他の適切なタイプの通信リンクなどの通信リンクのうちの少なくとも1つを介して送信され得る。
【0120】
更に、本開示は、以下の条項による例を含む。
条項1.リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成する方法であって、方法は、
プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算するステップと、計算された輝度に従って各原色の基準線輝度値を決定するステップであって、リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正される、ステップと、基準線輝度値に対して補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定するステップと、リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点における輝度を測定するステップであって、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にある、ステップと、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像のための電子補正を調整するステップと、プロジェクタから、光学フィルタを通して補正されたカラー画像を投影するステップであって、光学フィルタは、割り当てに従って、補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される、ステップと、を含む、方法。
条項2.光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定することは、3つ全ての原色に共通である全ての輝度補正を光学フィルタに割り当てることと、全ての残りの必要な輝度補正を原色ごとに電子補正に割り当てることとを含む、条項1に記載の方法。
条項3.光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定するステップは、それを超えると全ての輝度補正が電子的に実施されるリアプロジェクションスクリーン上の空間箇所に従って、光学フィルタによる輝度補正のためのカットオフ値を決定するステップと、カットオフ値未満で、光学フィルタによって実施される対応する残りの輝度補正値を決定するステップと、光学フィルタの輝度補正値に基づいて、原色ごとに電子補正のための最終輝度補正値を決定するステップと、を含む、条項1又は2に記載の方法。
条項4.電子補正は、プロジェクタのアルファ平面に従って実施される、条項1から3のいずれか一項に記載の方法。
条項5.電子補正を調整するステップは、較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいて、プロジェクタによって生成される原色に対応する複数の補正マップを作成するステップを更に含む、条項1から4のいずれか一項に記載の方法。
条項6.較正点の各々について、それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて収集されたデータは、プロジェクタのラスタ空間にマッピングされて戻される、条項5に記載の方法。
条項7.較正点の結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張するために、補間及び/又は外挿を実施するステップを更に含み、補間及び/又は外挿は、必要とされる輝度減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施される、条項5又は6に記載の方法。
条項8.各原色についての基準線輝度値は、各原色についての最小輝度を含み、スクリーン上の各点において適用されるパーセンテージ補正は、その点における輝度と基準線輝度値との間の比である、条項1に記載の方法。
条項9.プロジェクタによって生成される輝度を計算するステップは、プロジェクタの較正中に実施される、条項1から8のいずれか一項に記載の方法。
条項10.光学フィルタは、割り当てに基づいた計算パターンに従って空間的に変化する不透明度を含む、条項1から9のいずれか一項に記載の方法。
条項11.リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するシステムであって、システムは、プログラム命令を記憶するストレージデバイスと、ストレージデバイスに動作可能に接続され、システムに、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算させ、計算された輝度に従って各原色の基準線輝度値を決定させ、リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正され、基準線輝度値に対して補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定させ、リアプロジェクションスクリーン上の一部の較正点における輝度を測定させ、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にあり、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像のための電子補正を調整させる、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサと、プロジェクタの光路に配置された光学フィルタであって、光学フィルタは、割り当てに従って補正されたカラー画像内の指定された領域を調光するように構成される、光学フィルタと、を備える、システム。
条項12.光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定することは、3つ全ての原色に共通する全ての輝度補正を光学フィルタに割り当てることと、全ての残りの必要な輝度補正を原色ごとに電子補正に割り当てることと、を含む、条項11に記載のシステム。
条項13.光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定することは、それを超えると全ての輝度補正が電子的に実施されるリアプロジェクションスクリーン上の空間箇所に従って、光学フィルタによる輝度補正のためのカットオフ値を決定することと、カットオフ値未満で、光学フィルタによって実施される対応する残りの輝度補正値を決定することと、光学フィルタの輝度補正値に基づいて、原色ごとに電子補正のための最終輝度補正値を決定することと、を含む、条項11又は12に記載のシステム。
条項14.電子補正は、プロジェクタのアルファ平面に従って実施される、条項11から13のいずれか一項に記載のシステム。
条項15.電子補正を調整することは、較正点の各々における測定された輝度及び色に基づいて、プロジェクタによって生成される原色に対応する複数の補正マップを作成することを更に含む、条項11から14のいずれか一項に記載のシステム。
条項16.較正点の各々について、それらの方位角及び仰角の箇所に基づいて収集されたデータは、プロジェクタのラスタ空間にマッピングされて戻される、条項15に記載のシステム。
条項17.較正点の結果をプロジェクタラスタ空間内の任意の箇所に拡張するために、補間及び/又は外挿を実施することを更に含み、補間及び/又は外挿は、必要とされる輝度減衰の復号化されたパーセンテージに対して実施される、条項15又は16に記載のシステム。
条項18.各原色についての基準線輝度値は、各原色についての最小輝度を含み、スクリーン上の各点において適用されるパーセンテージ補正は、その点における輝度と基準線輝度値との間の比である、条項11から17のいずれかに記載のシステム。
条項19.光学フィルタは、割り当てに基づいた計算パターンに従って空間的に変化する不透明度を含む、条項11から18のいずれかに記載のシステム。
条項20.リアプロジェクションディスプレイシステムにおいて輝度均一性を生成するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品は、プロジェクタによってリアプロジェクションスクリーン上に生成される輝度を、リアプロジェクションスクリーンの前の設計眼位置に対して計算するステップと、計算された輝度に従って各原色の基準線輝度値を決定するステップであって、リアプロジェクションスクリーン上の全ての箇所の輝度は、基準線輝度値に向かって補正される、ステップと、基準線輝度値に対して補正を実施するために、光学フィルタと電子補正との間の割り当てを決定するステップと、リアプロジェクションスクリーン上の複数の較正点における輝度を測定するステップであって、較正点は、リアプロジェクションスクリーン上の固定された方位角及び仰角の箇所にある、ステップと、プロジェクタからの投影のための補正されたカラー画像を生成するために、較正点における割り当て及び輝度に従って、カラー画像のための電子補正を調整するステップと、割り当てに基づいて、光学フィルタの空間的に変化する不透明度のパターンを計算するステップと、を実施するプログラム命令が具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【0121】
データ処理システム1100に関して例示される異なる構成要素は、異なる例が実装され得る方法に対してアーキテクチャ上の限定を提供することを意図していない。異なる例示的な例は、データ処理システム1100に関して示された構成要素に加えて、又はその代わりの構成要素を含むデータ処理システムにおいて実装され得る。図11に示す他の構成要素は、図示の例示的な例から変更することができる。異なる例は、プログラムコード1118を実行することが可能な任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装され得る。
【0122】
本明細書で使用される場合、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストとともに使用されるとき、列挙された項目のうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト中の各項目のうちの1つのみが必要とされ得ることを意味する。換言すれば、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組み合わせ及び項目の数がリストから使用され得るが、リスト中の項目の全てが必要とされるとは限らないことを意味する。項目は、特定の物体、物、又はカテゴリとすることができる。
【0123】
例えば、非限定的に、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得る。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は項目B及び項目Cを含み得る。当然ながら、これらの項目の任意の組み合わせが存在し得る。一部の例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組み合わせとすることができる。
【0124】
本明細書で使用される場合、「複数の」は、項目に関して使用されるとき、1つ以上の項目を意味する。例えば、「複数の異なるタイプのネットワーク」は、1つ以上の異なるタイプのネットワークである。例示的な例では、参照項目とともに使用される「のセット」は、1つ以上の項目を意味する。例えば、メトリックのセットは、メトリックのうちの1つ以上である。
【0125】
種々の例示的な例の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的であること、又は開示された形態の例に限定されることを意図するものではない。異なる例示的な例は、アクション又は動作を実施する構成要素を説明する。例示的な例では、構成要素は、説明されたアクション又は動作を実施するように構成され得る。例えば、構成要素は、例示的な例において構成要素によって実施されるものとして説明されるアクション又は動作を実施する能力を構成要素に提供する構造の構成又は設計を有することができる。更に、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「含有する(contains)」という用語、及びそれらの変形が本明細書で使用される限り、かかる用語は、いかなる追加の要素又は他の要素も排除することなく、オープンな移行語としての「備える(comprises)」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0126】
当業者には、多くの修正及び変形が明らかであろう。更に、異なる例示的な例は、他の望ましい例と比較して異なる特徴を提供することができる。選択された1つ以上の例は、例の原理、実際の適用を最もよく説明するために、及び他の当業者が、企図される特定の使用に適した種々の修正を有する種々の例の開示を理解することを可能にするために、選択され、記載される。
【符号の説明】
【0127】
100 輝度補正システム
102 リアプロジェクションスクリーン
104 スクリーンセクション
106 スクリーンセクション
108 原色
110 原色
112 輝度値
114 較正点
116 デカルトXYZ座標
118 方位角及び仰角
120 プロジェクタ
122 プロジェクタ
124 ラスタ空間
126 投影カラー画像
128 電子補正
130 アルファ平面
132 光学フィルタ
134 空間的に変化する不透明度
136 計算パターン
138 設計眼位置
140 基準線輝度値
142 赤色基準線輝度
144 緑色基準線輝度
146 青色基準輝度
148 補正アルゴリズム
150 補正割り当て
152 補正マップ
154 補間/外挿
160 コンピュータシステム
162 プロセッサユニット
164 プログラムコード
200 リアプロジェクションスクリーン
202 同心円
204 陰影領域
208 線
300 ボックス
302 プロジェクタ
400 リアプロジェクションスクリーン
402 プロジェクタ
404 光学フィルタ
406 光路
408 ミラー
410 ミラー
412 セクション
414 カラー画像
416 設計眼位置
500 光学フィルタ
502 調光パターン
600 セクション
602 較正点
700 リアプロジェクションスクリーン
702 線
800 プロセス
900 プロセス
1000 プロセス
1100 データ処理システム
1102 通信フレームワーク
1104 プロセッサユニット
1106 メモリ
1108 持続性ストレージ
1112 入力/出力ユニット
1114 ディスプレイ
1116 ストレージデバイス
1118 プログラムコード
1120 コンピュータ可読媒体
1122 コンピュータプログラム製品
1124 コンピュータ可読記憶媒体
1126 コンピュータ可読信号媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】