(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127739
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240912BHJP
H05K 3/32 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L23/12 W
H05K3/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215502
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0030514
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 啓 ファン
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA01
5E319AC11
5E319BB20
5E319CC12
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】ワイヤボンディング時にワイヤ間の短絡を防止し製造費用を節減し、ボンディング信頼性を向上させることができる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層の上に位置し複数の開口部を有するソルダレジスト層と、前記絶縁層の上の前記複数の開口部内にそれぞれ位置する複数の接続パッドと、前記複数の接続パッドの上に位置し、前記ソルダレジスト層の上部面よりさらに突出し少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層と、を含み、前記導電層は前記接続パッドの上に位置する下部導電層、および前記下部導電層の上部面の上にのみ位置する上部導電層を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の上に位置し複数の開口部を有するソルダレジスト層と、
前記絶縁層の上の前記複数の開口部内にそれぞれ位置する複数の接続パッドと、
前記複数の接続パッドの上に位置し、前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出し少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層と、を含み、
前記導電層は前記接続パッドの上に位置する下部導電層、および前記下部導電層の上部面の上にのみ位置する上部導電層を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記導電層は前記開口部を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記下部導電層の側面の一部は前記ソルダレジスト層と接触し、
前記上部導電層の側面は前記ソルダレジスト層と分離されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記上部導電層は、前記下部導電層の側面を覆わないことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項5】
前記接続パッドの上部面を基準とする少なくとも2つの前記下部導電層の厚さは互いに異なることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項6】
前記上部導電層の上部面は扁平であり、前記絶縁層の一面と平行であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項7】
前記絶縁層の一面に垂直な方向に沿って前記上部導電層は前記ソルダレジスト層の上部面よりも高い位置に位置することを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記上部導電層の幅は、前記接続パッドの最大幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記下部導電層と前記上部導電層の境界面で、前記下部導電層の幅は前記接続パッドの最大幅よりも広いことを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
絶縁層の上に複数の接続パッドを形成し、
前記絶縁層の上に前記複数の接続パッドと重畳する複数の開口部を有するソルダレジスト層を形成し、
前記複数の接続パッドの上に、前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出し少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層を形成すること、
を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記複数の導電層を形成することは、
前記複数の開口部のうちの一部開口部を遮断する感光フィルムを形成する第1工程を行い、
メッキ工程を用いて前記複数の開口部のうちの前記感光フィルムによって遮断されていない残り開口部にのみ導電層を形成する第2工程を行い、
前記感光フィルムを除去する第3工程を行い、
前記第1工程、前記第2工程、および前記第3工程を繰り返して前記複数の開口部を少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層で満たし、
前記ソルダレジスト層の厚さを薄くすること、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記ソルダレジスト層の厚さを薄くすることは、
前記複数の導電層が前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記導電層は前記接続パッドの上に形成する下部導電層、および前記下部導電層の上部面の上に形成する上部導電層を含み、
前記複数の導電層が前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出することは、
前記下部導電層の側面の一部が前記ソルダレジスト層と接触し、前記上部導電層の側面が前記ソルダレジスト層と分離されることを含むことを特徴とする請求項12に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記導電層は前記第2工程で前記開口部を満たし、
前記導電層の幅は前記開口部の幅と同一であることを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子産業が発達するにつれて電子機器が次第に高性能化されることにより、半導体パッケージは小型化および薄形化されると同時に高密度化されている。半導体パッケージの高密度化のために実装される集積回路(Integrated Circuit、IC)の個数が増えるにつれて入出力(Input/Output)接続端子の個数も増加した。したがって、ボンディングパッド(bonding pad)のピッチ(pitch)が減少した微細回路を実現しなければならず、そのための高密度半導体パッケージの製造方法が必要となった。
【0003】
高密度半導体パッケージの製造方法で、集積回路の実装方法としてワイヤボンディング(wire bonding)方式とフリップボンディング(flip bonding)方式が使用されている。入出力接続端子の個数が増加するようになるのにつれて、集積回路の実装時、製造費用を考慮してフリップボンディング方式が好まれている。しかし、ワイヤボンディングチップを実装する場合にも回路基板に微細回路パターンで実現されたボンドフィンガー(bond finger)は必要である。
【0004】
ワイヤボンディング環境を備えることができるように、埋め込み配線基板(Embedded Trace Substrate、ETS)方法で形成されたボンドフィンガーのニッケルメッキ層の厚さを確保しなければならないが、この場合、増加されたニッケルメッキ層の厚さによってボンドフィンガー間の間隔を維持しにくい。また、厚くなったニッケルメッキ層によってボンドフィンガーのエッジがラウンドされるので、ワイヤボンディング時、接着面積が減少してボンディング信頼性が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2016-0140184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ワイヤボンディング時にワイヤ間の短絡を防止し製造費用を節減し、ボンディング信頼性を向上させることができる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
しかし、本発明が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層の上に位置し複数の開口部を有するソルダレジスト層と、前記絶縁層の上の前記複数の開口部内にそれぞれ位置する複数の接続パッドと、前記複数の接続パッドの上に位置し、前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出し少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層と、を含み、前記導電層は前記接続パッドの上に位置する下部導電層、および前記下部導電層の上部面の上にのみ位置する上部導電層を含む。
【0009】
前記導電層は前記開口部を満たすことができる。
前記下部導電層の側面の一部は前記ソルダレジスト層と接触し、前記上部導電層の側面は前記ソルダレジスト層と分離され得る。
前記上部導電層は、前記下部導電層の側面を覆わなくてもよい。
前記接続パッドの上部面を基準とする少なくとも2つの前記下部導電層の厚さは互いに異なってもよい。
前記上部導電層の上部面は扁平であり、前記絶縁層の一面と平行であってもよい。
前記絶縁層の一面に垂直な方向に沿って前記上部導電層は前記ソルダレジスト層の上部面よりも高い位置に配置することができる。
前記上部導電層の幅は、前記接続パッドの最大幅よりも広くてもよい。
前記下部導電層と前記上部導電層の境界面で、前記下部導電層の幅は前記接続パッドの最大幅よりも広くてもよい。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板の製造方法は、絶縁層の上に複数の接続パッドを形成し、前記絶縁層の上に前記複数の接続パッドと重畳する複数の開口部を有するソルダレジスト層を形成し、前記複数の接続パッドの上に、前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出し少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層を形成することを含む。
【0011】
複数の導電層を形成することは、前記複数の開口部のうちの一部開口部を遮断する感光フィルムを形成する第1工程を行い、メッキ工程を用いて前記複数の開口部のうちの前記感光フィルムによって遮断されていない残り開口部にのみ導電層を形成する第2工程を行い、前記感光フィルムを除去する第3工程を行い、前記第1工程、前記第2工程、および前記第3工程を繰り返して前記複数の開口部を少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層で満たし、前記ソルダレジスト層の厚さを薄くすることを含むことができる。
前記ソルダレジスト層の厚さを薄くすることは、前記複数の導電層が前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出することを含むことができる。
前記導電層は前記接続パッドの上に形成する下部導電層、および前記下部導電層の上部面の上に形成する上部導電層を含み、前記複数の導電層が前記ソルダレジスト層の上部面よりも突出させることは、前記下部導電層の側面の一部が前記ソルダレジスト層と接触し、前記上部導電層の側面が前記ソルダレジスト層と分離されることを含むことができる。
前記導電層は前記第2工程で前記開口部を満たし、前記導電層の幅は前記開口部の幅と同一であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ボンドフィンガーを成す複数の接続パッドに電気的に連結された複数の導電層をソルダレジスト層の上部面よりもさらに突出するように形成することによって、キャピラリツール(capillary tool)のようなワイヤボンディング補助道具を使用しなくてもワイヤボンディングが可能である。
また、複数の接続パッドに電気的に連結された複数の導電層の厚さを互いに異なるようにすることにより、ワイヤボンディング時に隣接するワイヤ間の短絡(short)を防止することができるので、微細回路のボンドフィンガーを形成することができ、組み立てマージンを確保することができる。
【0013】
また、導電層の上部導電層は下部導電層の上部面の上にのみ位置し、下部導電層の側面を覆わないので、単価の高い金(Au)を含む上部導電層の量を最少化することができて、製造費用を節減することができる。
また、接続パッドの側面は傾斜して形成されるが、接続パッドの上に位置する上部導電層の上部面は扁平(flat)なので、ワイヤが上部導電層の上部面にボンディングされる場合、ワイヤと上部導電層の上部面との間の接着面積が増加する。したがって、ワイヤと導電層間の接着不良が最少化されてボンディング信頼性を向上させることができる。
【0014】
しかし、本発明の効果は上述の効果に限定されるものではなく、本発明の思想および領域から逸脱しない範囲で多様に拡張できるのが自明である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1の回路基板にワイヤをボンディングした状態の断面図である。
【
図3】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【
図4】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【
図5】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【
図6】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【
図7】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【
図8】一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0017】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付ける。
【0018】
また、図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0019】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0020】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するものではない。
【0021】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0022】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0023】
また、明細書全体で、“連結される”という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、または位置や機能によって異なる名称で称されたが一体であることを意味する。
【0024】
以下、図面を参照して多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0025】
【0026】
図1に示すように、一実施形態による回路基板は、絶縁層100、ソルダレジスト層200、複数の接続パッド300、および複数の導電層400を含む。ここで、接続パッド300と導電層400は共にボンドフィンガー(bond finger)を成す。
【0027】
絶縁層100は所定の厚さを有するので、互いに離隔して互いに対向する一面100aと他面100bを有する。絶縁層100は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂、またはこれらと共にガラス繊維または無機フィラーのような補強材を含む樹脂などを含む。例えば、絶縁層100は、プレプレグ(Prepreg)、ABF(Ajinomoto Buildup Film(登録商標))、PID(Photo Image-able Dielectric)などを含む。
【0028】
ソルダレジスト層200は、第1ソルダレジスト層210、および第2ソルダレジスト層220を含む。
【0029】
第1ソルダレジスト層210は、絶縁層100の一面100aを覆う。第1ソルダレジスト層210は複数の接続パッド300と重複する複数の開口部OHuを有する。複数の開口部OHuは、互いに離隔して配置される。
【0030】
第2ソルダレジスト層220は、絶縁層100の他面100bを覆う。第2ソルダレジスト層220は、絶縁層100の他面100bの上に位置する複数のサブ接続パッド30と重畳する複数の開口部OHdを有する。複数の開口部OHdは互いに離隔して配置される。
【0031】
ソルダレジスト層200は、ソルダレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含む。
【0032】
複数の接続パッド300は、絶縁層100の一面100aの上に位置し、複数の開口部OHu内にそれぞれ配置される。複数の接続パッド300は、第1接続パッド310、第2接続パッド320、および第3接続パッド330を含む。本実施形態では説明の便宜のために3つの接続パッドを例に挙げて説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0033】
第1接続パッド310、第2接続パッド320、および第3接続パッド330の高さは互いに同一であってもよい。この時、それぞれの接続パッド310、320、330の側面swは傾斜して形成される。
【0034】
接続パッド300は、絶縁層100の一面100aの上に多様なパターンで配置される。接続パッド300は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0035】
複数の導電層400は、第1ソルダレジスト層210の複数の開口部OHuを満たしながら複数の接続パッド300の上に配置される。このような複数の導電層400のうちの少なくとも2つは互いに異なる厚さを有する。
【0036】
例えば、第1接続パッド310の上に位置する第1導電層410の厚さである第1厚さT1は、第2接続パッド320の上に位置する第2導電層420の厚さである第2厚さT2よりも薄く、第3接続パッド330の上に位置する第3導電層430の厚さである第3厚さT3よりも薄くてもよい。そして、第2厚さT2は第3厚さT3よりも薄くてもよい。ここで、第1厚さT1、第2厚さT2、および第3厚さT3は、それぞれ第1接続パッド310、第2接続パッド320、および第3接続パッド330の上部面を基準にして設定した厚さである。
【0037】
このように、複数の導電層400の厚さを互いに異なるようにすることにより、ワイヤボンディング時に隣接するワイヤ間の短絡(short)を防止することができるので、組み立てマージンを確保することができる。
【0038】
本実施形態では複数の導電層400を成す第1導電層410、第2導電層420、および第3導電層430の厚さが全て異なるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、このうちの一部の導電層の厚さのみが互いに異なる実施形態も可能である。
【0039】
それぞれの導電層410、420、430は、接続パッド310、320、330の上に位置する下部導電層411、421、431、および下部導電層411、421、431の上部面411u、421u、431uの上に位置する上部導電層412、422、432を含む。本実施形態で、下部導電層411、421、431はニッケル(Ni)を含み、上部導電層412、422、432は金(Au)を含むが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な導電性物質からなり得る。
【0040】
この時、上部導電層412、422、432は、下部導電層411、421、431の上部面411u、421u、431uの上にのみ配置され、下部導電層411、421、431の側面を覆わなくてもよい。
【0041】
例えば、第1導電層410の第1上部導電層412は、第1導電層410の第1下部導電層411の上部面411uの上にのみ位置し、第1下部導電層411の側面を覆わなくてもよい。第2導電層420の第2上部導電層422は、第2導電層420の第2下部導電層421の上部面421uの上にのみ位置し、第2下部導電層421の側面を覆わなくてもよい。第3導電層430の第3上部導電層432は、第3導電層430の第3下部導電層431の上部面431uの上にのみ位置し、第3下部導電層431の側面を覆わなくてもよい。
【0042】
したがって、単価の高い金(Au)を含む上部導電層412、422、432の量を最少化することができるので、製造費用を節減することができる。
【0043】
複数の導電層400は、第1ソルダレジスト層210の上部面210aよりも突出している。即ち、下部導電層411、421、431の側面の一部は第1ソルダレジスト層210と接触する。そして、上部導電層412、422、432の側面は第1ソルダレジスト層210と接触することなく分離される。また、絶縁層100の一面100aに垂直な方向Zに沿って、上部導電層412、422、432の上部面412u、422u、432uは、第1ソルダレジスト層210の上部面210aよりも高い位置に配置される。
【0044】
このように、ボンドフィンガーを成す複数の接続パッド300に電気的に連結された複数の導電層400を第1ソルダレジスト層210の上部面210aよりも突出するように形成することによって、キャピラリツール(capillary tool)のようなワイヤボンディング補助道具を使用しなくてもワイヤボンディングを容易に行うことができる。
【0045】
この時、絶縁層100の一面100aを基準にした、第1上部導電層412の上部面412uの高さh1は、第2上部導電層422の上部面422uの高さh2よりも低く、第2上部導電層422の上部面422uの高さh2は、第3上部導電層423の上部面423uの高さh3よりも低い。
【0046】
また、上部導電層412、422、432の上部面412u、422u、432uは扁平であり、絶縁層100の一面100aと平行である。
【0047】
図2は、
図1の回路基板にワイヤをボンディングした状態の断面図である。
【0048】
図2に示すように、接続パッド310、320、330の側面swは傾斜して形成されるが、接続パッド310、320、330の上に位置する上部導電層412、422、432の上部面412u、422u、432uは扁平なので、ワイヤWIが上部導電層412、422、432の上部面412u、422u、432uにボンディングされる場合、ワイヤWIと上部導電層412、422、432の上部面412u、422u、432uとの間の接着面積が増加する。したがって、ワイヤWIと導電層400との間の接着不良が最少化されてボンディング信頼性を向上させることができる。
【0049】
本実施形態で導電層400は、ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)などの無電解メッキ工程で形成される。即ち、金属塩溶液から金属イオンを被メッキ体表面に還元させて金属被膜を形成させる方法でニッケルを含む下部導電層411、421、431および金を含む上部導電層412、422、432を形成する。
【0050】
上部導電層412、422、432の幅uw1、uw2、uw3(
図1参照)は、接続パッド310、320、330の最大幅cp1、cp2、cp3(
図1参照)よりも広い。そして、下部導電層411、421、431と上部導電層412、422、432の境界面で、下部導電層411、421、431の幅dw1、dw2、dw3(
図1参照)は接続パッド310、320、330の最大幅cp1、cp2、cp3よりも広い。そして、下部導電層411、421、431と上部導電層412、422、432の境界面で、下部導電層411、421、431の幅dw1、dw2、dw3は、上部導電層412、422、432の幅uw1、uw2、uw3と同一であってもよい。
【0051】
一方、第2ソルダレジスト層220の複数の開口部OHd内には、サブ接続パッドと電気的に連結されるサブ導電層40、50が配置される。サブ導電層40、50は、下部導電層411、421、431と同一の物質からなるサブ下部導電層40、および上部導電層412、422、432と同一の物質からなるサブ上部導電層50を含む。このようなサブ導電層40、50は別途のソルダボール(図示せず)を用いて他の回路基板、電子部品などと電気的に連結される。
【0052】
以下、
図1と共に
図3~
図8を参照して、一実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
【0053】
図3~
図8は、一実施形態による回路基板の製造方法を順に示した断面図である。
【0054】
図3に示すように、絶縁層100の上に互いに離隔した複数の接続パッド300を形成する。複数の接続パッド300は、第1接続パッド310、第2接続パッド320、および第3接続パッド330を含む。本実施形態では説明の便宜のために3つの接続パッドを例に挙げて説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】
図4に示すように、絶縁層100の上にソルダレジスト層200を形成する。そして、ソルダレジスト層200をパターニングしてソルダレジスト層200に複数の接続パッド310、320、330と重畳する複数の開口部OH1、OH2、OH3を形成する。この時、複数の開口部OH1、OH2、OH3の幅w1、w2、w3は、複数の接続パッド310、320、330の最大幅cp1、cp2、cp3よりも大きい。
【0056】
図5~
図8に示すように、複数の接続パッド310、320、330の上に、第1ソルダレジスト層210の上部面210aよりも突出し、少なくとも2つが互いに異なる厚さを有する複数の導電層410、420、430を形成する。
【0057】
これについて、以下で3つの導電層を形成する実施形態を用いてより詳しく説明する。
【0058】
図5に示すように、複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第2開口部OH2および第3開口部OH3を遮断する第1感光フィルムDF1を形成する第1工程を行う。第1感光フィルムDF1は、第1ソルダレジスト層210の上に形成される。そして、メッキ工程を用いて複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第1感光フィルムDF1によって遮断されていない第1開口部OH1にのみ第1導電層410を形成する第2工程を行う。
【0059】
図6に示すように、第1感光フィルムDF1を除去する第3工程を行う。そして、複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第1開口部OH1および第3開口部OH3を遮断する第2感光フィルムDF2を形成する第1工程を再び行う。第2感光フィルムDF2は第1ソルダレジスト層210の上に形成される。そして、メッキ工程を用いて複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第2感光フィルムDF2によって遮断されていない第2開口部OH2にのみ第2導電層420を形成する第2工程を再び行う。この時、第2導電層420の厚さである第2厚さT2は第1導電層410の厚さである第1厚さT1よりも厚い。
【0060】
図7に示すように、第2感光フィルムDF2を除去する第3工程を再び行う。そして、複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第1開口部OH1および第2開口部OH2を遮断する第3感光フィルムDF3を形成する第1工程を再び行う。第3感光フィルムDF3は第1ソルダレジスト層210の上に形成される。そして、メッキ工程を用いて複数の開口部OH1、OH2、OH3のうちの第3感光フィルムDF3によって遮断されていない第3開口部OH3にのみ第3導電層430を形成する第2工程を再び行う。この時、第3導電層430の厚さである第3厚さT3は第2導電層420の厚さである第2厚さT2よりも厚い。
【0061】
このように、第1工程、第2工程、および第3工程を繰り返して複数の開口部OH1、OH2、OH3を互いに異なる厚さを有する複数の導電層410、420、430で満たす。
【0062】
この時、下部導電層411、421、431と上部導電層412、422、432を含む導電層410、420、430は開口部OH1、OH2、OH3を満たすので、下部導電層411、421、431の幅dw1、dw2、dw3(
図1参照)または上部導電層412、422、432の幅uw1、uw2、uw3(
図1参照)は開口部OH1、OH2、OH3の幅w1、w2、w3と同一である。
【0063】
図8に示すように、第1ソルダレジスト層210の厚さDを薄くする。
【0064】
ソルダレジスト層の薄形化(thinning)は、化学的工程で行う。化学的工程では次の順序によってソルダレジスト層の薄形化を行う。
【0065】
まず、ソルダレジストを化学的エッチング溶液(例:RT-300(chemical))に浸漬し、ソルダレジストの一部を薬品処理して解離させる。化学的エッチング溶液は、ソルダレジストのバインダーポリマー(Binder polymer)間結合を誘導してカルボキシ基を置換することによって反応性を除去する。したがって、光硬化性モノマー(Photo-crosslinking monomer)と光重合開始剤(Photopolymerization initiator)がバインダーポリマーのカルボキシ基と結合しないようにする。
【0066】
その次に、薬品処理されて解離したソルダレジストは、エッチングスプレー(例:R溶液(Spray))で溶解させることによって除去される。光硬化性モノマーと光重合開始剤が作用しなければ光硬化が不能になり、ミセル(Micelle)状態であるバインダーポリマーは、エッチングスプレーで溶解が可能である。最後に、最終水洗を経ると、ソルダレジスト層の一部のみが残るようになる。
【0067】
一方、他の例として、ソルダレジスト層の薄形化は、レーザを用いた物理的工程でも可能である。
【0068】
このように、第1ソルダレジスト層210の厚さを薄くすることによって、互いに異なる厚さを有する複数の導電層410、420、430が、第1ソルダレジスト層210の上部面210aよりも突出する。即ち、下部導電層411、421、431の側面の一部は第1ソルダレジスト層210と接触し、上部導電層412、422、432の側面は第1ソルダレジスト層210と接触せず分離される。
【0069】
このように、接続パッド300と重畳する開口部を有する第1ソルダレジスト層210が接続パッド300の上に形成される導電層400を支えるダムの役割を果たすので、メッキ工程で形成される導電層400のオーバーハング(overhang)を防止することができる。したがって、ボンドフィンガーとして使用される接続パッド300間の間隔が近くても導電層400のオーバーハングによる導電層400間の短絡を最少化することができる。
【0070】
以上を通じて本発明の好ましい一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、発明の詳細な説明、および図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0071】
100:絶縁層
200:ソルダレジスト層
210:第1ソルダレジスト層
220:第2ソルダレジスト層
300:複数の接続パッド
400:複数の導電層
411、421、431:下部導電層
412、422、432:上部導電層