IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイサー インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-127745セル切り替え手順の実施方法およびユーザー機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127745
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】セル切り替え手順の実施方法およびユーザー機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240912BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20240912BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20240912BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W36/08
H04W72/23
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000147
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/450,675
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/398,154
(32)【優先日】2023-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509024640
【氏名又は名称】エイサー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】林 榮懋
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
【目的】セル切り替え手順の実施方法およびユーザー機器(UE)を提供する。
【解決手段】この方法は、ソースセルからセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信し、セル切り替え設定が、早期アップリンク同期(EUS)手順のためのEUS設定を含むことと、EUS設定に基づいてEUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値およびソースセルからのセル切り替えコマンドを取得することと、セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、TA値に基づいてターゲットセルへのセル切り替え手順を実行することと、セル切り替え手順を完了した後に、ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信することと、を含む。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー機器(UE)に適用されるセル切り替え手順の実施方法であって、
前記UEにより、ソースセルから前記セル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信し、前記セル切り替え設定が、早期アップリンク同期(EUS)手順のためのEUS設定を含むことと、
前記UEにより、前記EUS設定に基づいて前記EUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値および前記ソースセルからのセル切り替えコマンドを取得することと、
前記セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、前記UEにより、前記TA値に基づいて前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行することと、
前記セル切り替え手順を完了した後、前記UEにより、前記ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記EUS手順が、
前記ソースセルからEUS要求を受信し、前記EUS要求が、前記ターゲットセルに関連する候補設定インデックスを含むことと、
プリアンブルを送信するように構成されたリソースに基づいて、前記ターゲットセルに前記プリアンブルを送信することと、
前記ソースセルから前記セル切り替えコマンドを受信し、前記セル切り替えコマンドが、前記TA値を運ぶことと、
前記セル切り替えコマンドから前記ターゲットセルに関連する前記TA値を取得することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリアンブルを送信するように構成された前記リソースが、前記EUS設定および前記EUS要求のうちの少なくとも1つに含まれた請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記EUS手順が、さらに、
前記EUS要求を受信したとき、それに応答して、EUS障害(EUSF)タイマを開始することと、
前記ソースセルから前記セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、前記EUSFタイマを停止することと、
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記EUSFタイマが切れたと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順が失敗したと判断し、接続再確立手順をトリガするか、または前記ソースセルに障害情報を提供することをさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記EUS設定が、EUS条件を含み、前記EUS手順が、
前記ターゲットセルが前記EUS条件を満たしていると判断したとき、それに応答して、前記ソースセルにEUS指示子を送信することと、
前記EUS条件を満たす前記ターゲットセルにプリアンブルを送信することと、
前記ターゲットセルに関連する前記TA値を取得することと、
前記ソースセルから前記セル切り替えコマンドを受信することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのターゲットセルのそれぞれの信号品質を判断することと、
前記少なくとも1つのターゲットセルの中の第1ターゲットセルの信号品質が前記EUS条件を満たしていると判断したとき、それに応答して、前記第1ターゲットセルが前記EUS条件を満たす前記ターゲットセルであると判断することと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲットセルに関連する前記TA値を取得する前記ステップが、前記ターゲットセルから前記TA値を受信するか、または前記ソースセルから前記TA値を受信することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記EUS手順が、さらに、
前記ターゲットセルから前記TA値を受信した後、前記ソースセルにEUS終了指示子を送信することを含み、前記EUS終了指示子が、前記EUS手順が終了したことを示す請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記セル切り替えコマンドが、前記TA値を運び、前記ターゲットセルに関連する前記TA値を取得する前記ステップが、前記セル切り替えコマンドから前記ターゲットセルに関連する前記TA値を取得することを含む請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記UEが、待機フラグで構成され、前記方法が、さらに、
前記待機フラグが有効化された判断したとき、それに応答して、前記ターゲットセルから前記TA値を受信することと、
前記待機フラグが無効化されたと判断したとき、それに応答して、前記ソースセルから前記TA値を受信することと、
を含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記待機フラグが有効化された事象において、前記ターゲットセルから前記TA値を受信したと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順が終了したことを前記ソースセルに通知することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ソースセルに前記EUS指示子を送信したとき、それに応答して、EUSタイマを開始することと、
前記TA値を取得したとき、それに応答して、前記EUSタイマを停止することと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記EUSタイマが切れたと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順が失敗したと判断し、前記ソースセルにEUS終了指示子を送信することをさらに含み、前記EUS終了指示子が、前記EUS手順が終了したことを示す請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行する前に、前記TA値が有効であるかどうかを判断することと、
前記TA値が有効であると判断したとき、それに応答して、前記TA値に基づいて前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行することと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記TA値を取得したとき、それに応答して、TA有効性タイマを開始することと、
前記TA値に基づいて前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行する前に前記TA有効性タイマが切れなかったと判断したとき、それに応答して、前記TA値が有効であると判断することと、
前記TA値に基づいて前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行する前に前記TA有効性タイマが切れたと判断したとき、それに応答して、前記TA値が無効であると判断することと、
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記TA値を取得してから、前記ターゲットセルの信号品質変動が閾値を超えたかどうかを判断することと、
前記TA値を取得した際に前記ターゲットセルの前記信号品質変動が前記閾値を超えていないと判断したとき、それに応答して、前記TA値が有効であると判断することと、
前記TA値を取得した時点で前記ターゲットセルの前記信号品質変動が前記閾値を超えていると判断したとき、それに応答して、前記TA値が無効であると判断することと、
をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記EUS指示子が、前記EUS条件を満たす前記ターゲットセルの識別子を運ぶ請求項6に記載の方法。
【請求項19】
前記ソースセルからEUS要求を受信し、前記EUS要求が、前記プリアンブルを送信するように構成されたリソースを含むことと、
前記リソースに基づいて、前記EUS条件を満たす前記ターゲットセルに前記プリアンブルを送信することと、
を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ターゲットセルが、第1ターゲットセルおよび第2ターゲットセルを含み、前記第1ターゲットセルと前記第2ターゲットセルが、前記TA値を共有し、前記方法が、
前記第1ターゲットセルにプリアンブルを送信することと、
前記TA値に基づいて前記第2ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記セル切り替え手順を完了した後に前記ターゲットセルに前記セル切り替え完了情報を送信する前記ステップが、
前記セル切り替え設定または前記セル切り替えコマンドからアップリンクグラントを取得することと、
前記アップリンクグラントに基づいて、前記セル切り替え手順を完了した後に前記ターゲットセルに前記セル切り替え完了情報を送信することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
トランシーバと、
前記トランシーバに接続され、
ソースセルからセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信するように前記トランシーバを制御し、前記セル切り替え設定が、早期アップリンク同期(EUS)手順のためのEUS設定を含むことと、
前記EUS設定に基づいて前記EUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値および前記ソースセルからのセル切り替えコマンドを取得することと、
前記セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、前記TA値に基づいて前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行することと、
前記セル切り替え手順を完了した後に、前記ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信するように前記トランシーバを制御することと、
を実行するプロセッサと、
を含むユーザー機器(UE)。
【請求項23】
ソースセルに適用されるセル切り替え手順の実施方法であって、
前記ソースセルにより、ユーザー機器(UE)に前記セル切り替え手順のためのセル切り替え設定を送信し、前記セル切り替え設定が、前記UEが早期アップリンク同期(EUS)手順を実行するためのEUS設定を含むことと、
前記EUS手順の間に前記ターゲットセルがタイミングアドバンス(TA)値を提供したと判断したとき、それに応答して、前記ソースセルにより、前記UEにセル切り替えコマンドを送信し、前記セル切り替えコマンドが、前記EUS手順において前記ターゲットセルによって提供された前記TA値に基づいて、前記ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行するように前記UEを制御することと、
を含む方法。
【請求項24】
前記EUS手順の間に前記UEにEUS要求を送信し、前記EUS要求が、前記ターゲットセルに関連する候補設定インデックスを含むことと、
前記EUS手順の間に前記ターゲットセルから前記TA値を受信したと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順の間に前記ターゲットセルが前記TA値を提供したと判断し、前記TA値を前記セル切り替えコマンドの中に含ませることと、
を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記EUS要求を送信したとき、それに応答して、EUS障害(EUSF)タイマを開始することと、
前記ターゲットセルから前記TA値を受信したとき、それに応答して、前記EUSFタイマを停止することと、
をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記EUS障害タイマが切れたと判断したとき、それに応答して、前記UEに別のEUS要求を送信するか、または別のセル切り替えコマンドを送信して、通常のセル切り替え手順を実行するように前記UEを制御することをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記EUS設定が、EUS条件を含み、前記方法が、さらに、
前記UEからEUS指示子を受信することを含み、前記EUS指示子が、前記EUS手順が前記UEによってトリガされたことを示す請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記UEからEUS終了指示子を受信したと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順の間に前記ターゲットセルが前記TA値を提供したと判断することをさらに含み、前記EUS終了指示子が、前記EUS手順が終了したことを示す請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲットセルから前記TA値を受信したと判断したとき、それに応答して、前記EUS手順の間に前記ターゲットセルが前記TA値を提供したと判断し、前記UEに前記TA値を提供することをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記TA値が、前記セル切り替えコマンドにおいて運ばれる請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記EUS指示子が、前記EUS条件を満たす前記ターゲットセルの識別子を運び、前記方法が、さらに、
前記ターゲットセルからプリアンブルを送信するように構成されたリソースを取得することと、
前記UEにEUS要求を送信し、前記EUS要求が、前記プリアンブルを送信するように構成された前記リソースを含むことと、
を含む請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記ターゲットセルが、第1ターゲットセルおよび第2ターゲットセルを含み、前記第1ターゲットセルと前記第2ターゲットセルが、前記TA値を共有し、前記方法が、
前記EUS手順の間に前記第1ターゲットセルが前記TA値を提供したと判断したとき、それに応答して、前記ターゲットセルが前記EUS手順の間に前記TA値を提供したと判断することと、
前記UEに前記セル切り替えコマンドを送信し、前記セル切り替えコマンドが、前記EUS手順において前記第1ターゲットセルによって提供された前記TA値に基づいて、前記第2ターゲットセルへの前記セル切り替え手順を実行するように前記UEを制御することと、
を含む請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記UEにアップリンクグラントを送信することをさらに含み、前記アップリンクグラントが、前記セル切り替え設定または前記セル切り替えコマンドの中に含まれ、前記セル切り替え手順を完了した後に、前記アップリンクグラントを使用して、前記UEが、前記ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信する請求項23に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、通信メカニズムに関するものであり、特に、セル切り替え手順の実施方法およびユーザー機器(user equipment, UE)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新しい無線(new radio, NR)規格において、プロトコルスタックは、L1/L2/L3構造として理解することができる。ここで、L1は、物理(physical, PHY)層を含み、L2は、媒体アクセス制御(medium access control, MAC)層、無線リンク制御(radio link control, RLC)層、およびパケットデータ収束プロトコル(packet data convergence protocol, PDCP)層を含み、L3は、無線リソース制御(radio resource control, RRC)層を含む。
【0003】
現在、サービングセル変更手順は、L3測定によってトリガされ、L3シグナリングトリガされたモビリティによって行われる。しかしながら、現在のサービスセル変更手順は、完全なL2(およびL1)リセットを伴うため、オーバーヘッドが大きくなり、中断時間が長くなる可能性がある。
【0004】
したがって、サービングセル変更手順の効率を向上させるために、モビリティレイテンシ(mobility latency)減少のための「L1/L2トリガされたモビリティ」が提案されている。
【0005】
図1Aおよび図1Bを参照すると、図1Aは、L1/L2トリガされたモビリティに基づくサービングセル変更手順のフローを示したものであり、図1Bは、図1Aに関連するタイミングダイアグラムを示したものである。
【0006】
ステップS101において、UEは、プライマリセル(primary cell, PCell)から候補ターゲットセル設定(candidate target cell configuration)(例えば、RRCメッセージ)を受信し、UEは、候補ターゲットセルの信号品質を測定することができる。ステップS102において、UEは、PCellに測定報告(例えば、L1測定報告)を提供する。ここで、測定報告は、候補ターゲットセルの測定された信号品質を含むことができる。
【0007】
この場合、PCellは、受信した測定報告に基づいて、UEにサービスを提供するための適切なターゲットセルがあるかどうかを判断することができる。もしある場合、PCellは、ステップS103において、UEにセル切り替えコマンド(例えば、L2シグナリング(例えば、MAC制御要素(control element, CE))を送信し、ターゲットセルに切り替えるようにUEに要求することができる。
【0008】
図1Bにおいて、セル切り替えコマンド(ターゲットセルを示す)に応答して、UEは、ダウンリンク(downlink, DL)同期およびアップリンク(uplink, UL)同期を実行する必要がある。ここで、UL同期は、ランダムアクセス(random access, RA)手順のランダムアクセスプリアンブルをターゲットセルに送信することを含む。UEからのランダムアクセスプリアンブルに応答して、ターゲットセルは、UEにランダムアクセス応答(random access response, RAR)を提供する。ここで、RARは、タイミングアドバンス(timing advance, TA)値を運ぶことができるため、UEは、それに応じて、そのULデータをターゲットセルに送信することができる。
【0009】
図1Bからわかるように、UEがセル切り替えコマンドを受信してからUEが第1ULデータを送信するまでの期間を中断時間(interruption time)と呼ぶ。この中断時間は、UEがターゲットセルへのハンドオーバー手順を終了するために必要な期間のことである。
【0010】
中断時間を短縮するために、早期RA(early RA)の概念が提案されているが、これは、セル切り替えコマンドを受信する前にRAを実行するようにUEを制御することによって実施される。
【0011】
図2A図2Bを参照すると、図2Aは、早期RAに基づくサービングセル変更手順のフローを示したものであり、図2Bは、早期RAのタイミングダイアグラムを示したものである。図2Aおよび図2Bからわかるように、早期RAの中断時間は、図1Bの中断時間と比較して短いが、スケジューリングギャップ(scheduling gap)も導入される。ここで、スケジューリングギャップとは、サービングセルがUEをスケジューリングできない期間のことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本分野の技術者にとって、早期RAを適用しながら、同時に、スケジューリングギャップを短縮することのできるメカニズムを設計することが有益である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、上記の技術課題を解決するために使用することのできるセル切り替え手順の実施方法およびUEに関するものである。
【0014】
本発明の実施形態は、ユーザー機器(UE)に適用され、UEにより、ソースセルからセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信し、セル切り替え設定が、早期アップリンク同期(early-uplink synchronization, EUS)手順のためのEUS設定を含むことと、UEにより、EUS設定に基づいてEUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値およびソースセルからのセル切り替えコマンドを取得することと、セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、UEにより、TA値に基づいてターゲットセルへのセル切り替え手順を実行することと、UEにより、セル切り替え手順を完了した後に、ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信することと、を含むセル切り替え手順の実施方法を提供する。
【0015】
本発明の実施形態は、トランシーバおよびプロセッサを含むユーザー機器(UE)を提供する。プロセッサは、トランシーバに接続され、ソースセルからセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信するようにトランシーバを制御し、セル切り替え設定が、早期アップリンク同期(EUS)手順のためのEUS設定を含むことと、EUS設定に基づいてEUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値およびソースセルからのセル切り替えコマンドを取得することと、セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、TA値に基づいてターゲットセルへのセル切り替え手順を実行することと、セル切り替え手順を完了した後に、ターゲットセルにセル切り替え完了情報を送信するようにトランシーバを制御することと、を実行する。
【0016】
本発明の実施形態は、ソースセルに適用され、ソースセルにより、ユーザー機器(UE)にセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を送信し、セル切り替え設定が、UEが早期アップリンク同期(EUS)手順を実行するためのEUS設定を含むことと、EUS手順の間にターゲットセルがタイミングアドバンス(TA)値を提供したと判断したとき、それに応答して、ソースセルにより、UEにセル切り替えコマンドを送信し、セル切り替えコマンドが、EUS手順においてターゲットセルによって提供されたTA値に基づいて、ターゲットセルへのセル切り替え手順を実行するようにUEを制御することと、を含むセル切り替え手順の実施方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
したがって、本発明の実施形態は、スケジューリングギャップを短縮して、レイテンシ(latency)を減らすために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図面は、本発明の原理をさらに理解するために含まれており、本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たして。
【0019】
図1A】L1/L2トリガされたモビリティに基づくサービングセル変更手順のフローを示したものである。
図1B図1Aに関連するタイミングダイアグラムを示したものである。
図2A】早期RAに基づくサービングセル変更手順のフローを示したものである。
図2B】早期RAのタイミングダイアグラムを示したものである。
図3】本発明の実施形態に係る通信デバイスの機能ブロック図を示したものである。
図4】本発明の実施形態に係るEUS手順の概略図を示したものである。
図5】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図6A】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローを示したものである。
図6B図6Aに基づくセル切り替え手順の実施方法のフローを示したものである。
図7A】本発明の実施形態に係るソースセルによりEUS障害(EUSF)タイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図7B】本発明の実施形態に係るソースセルによりEUS障害(EUSF)タイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図7C】本発明の実施形態に係るソースセルによりEUS障害(EUSF)タイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図8A】本発明の実施形態に係るUEによりEUSFタイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図8B】本発明の実施形態に係るUEによりEUSFタイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図8C】本発明の実施形態に係るUEによりEUSFタイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
図9】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図10】本発明の実施形態に係るEUSタイマを適用したときのシナリオを示したものである。
図11】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順を実行する前にTA値を検証するときのフローチャートを示したものである。
図12】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図13】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順を実行する前にTA値を検証するときのフローチャートを示したものである。
図14】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図15】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図16】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
図17A】本発明の実施形態に係るCTCGの情報が暗黙的に示されるシナリオを示したものである。
図17B】本発明の実施形態に係るCTCGの情報が明示的に示されるシナリオを示したものである。
図18】本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を例として、本発明の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一の、または類似する構成要素には、同一の参照番号を使用する。
【0021】
図3を参照すると、図3は、本発明の実施形態に係る通信デバイスの機能ブロック図を示したものである。
【0022】
図3において、通信デバイス300は、トランシーバ302およびプロセッサ304を含む。トランシーバ302は、そのカバレッジエリア内の他のデバイスから信号を送受信するように構成することができる。トランシーバ302は、アナログからデジタルへの信号変換(analog to digital signal conversion, ADC)、デジタルからアナログへの信号変換(digital to analog signal conversion, DAC)、変調、復調、信号増幅、ローパスフィルタリング、およびバンドパスフィルタリングを実行することができる。例えば、トランシーバ302は、受信した信号の情報をプロセッサ304に提供し、プロセッサ304から受信したデータを変調信号に変調し、変調信号を他のデバイスに送信するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態において、通信デバイス300は、さらに、トランシーバ302およびプロセッサ304の上記の機能を実施するためのアンテナモジュールなどの他の構成要素を含むことができる。
【0024】
プロセッサ304は、トランシーバ302と結合することができ、プロセッサ304は、例えば、汎用プロセッサ、特殊プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array, FPGA)回路、任意の他の種類の集積回路(integrated circuit, IC)、状態機械(state machine)などであってもよい。
【0025】
本発明の実施形態において、通信デバイス300は、UEおよび/または通信ノードなどのデバイスを実施するために使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明における通信ノードは、ソースセル、ターゲットセルなどを含むことができ、各通信ノードの意味は、関連する通信規格(例えば、3GPP(登録商標) Rel-17/Rel-18)の仕様書を参照することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0026】
本発明の実施形態において、「早期UL同期(EUS)」手順と名付けたメカニズムを提案し、例えば、UEにより、サービングセルからセル切り替えコマンドを受信する前にターゲットセルのTA値を取得する早期RA概念を実施する。
【0027】
図4を参照すると、図4は、本発明の実施形態に係るEUS手順の概略図を示したものである。図4において、UE410、ソースセル420、およびターゲットセル430ののうちの少なくとも1つによって実行されるEUS手順は、例示的に、(1)EUS初期段階、および(2)EUS実行段階の2つの段階を含むことができる。
【0028】
1つの実施形態において、ソースセル420は、UE410にサービスを提供するPCellまたはプライマリセカンダリセル(Primary Secondary cell, PSCell)であってもよく、ターゲットセル430は、UE410がハンドオーバーするのに適していると判断された候補セルであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
1つの実施形態において、EUS手順は、周波数内(intra-frequency)および周波数間(inter-frequency)のセル切り替えの事例に適用することができる。
【0030】
1つの実施形態において、EUS初期段階は、ソースセル420(例えば、PCellまたはPSCell)によってUE410のためのEUS手順を構成するために使用することができる。1つの実施形態において、EUS初期段階において、UE410は、ソースセル420からのCTCCメッセージにより少なくとも1つの候補ターゲットセル(candidate target cell, CTC)設定(CTC configuration, CTCC)で構成されてもよい。
【0031】
1つの実施形態において、CTCCは、各CTCに関する次の情報のうちの少なくとも1つを含むことができる:(1)各CTCのMAC、RLC、PHY設定、(2)各CTCまたはCTCグループ(CTC group, CTCG)のEUS設定。本実施形態において、EUS設定は、次の種類の情報のうちの少なくとも1つを含むことができる:(1)EUSリソース設定、(2)EUS手順設定。
【0032】
EUSリソース設定は、次の種類の情報のうちの少なくとも1つを含むことができる:RACHリソース設定、またはサウンディング参照信号(sounding reference signal, SRS)リソース設定。EUS手順設定は、次の種類の情報のうちの少なくとも1つを含むことができる:EUS有効化設定(enable EUS configuration)、TA有効性タイマ(TA validity timer)、EUS障害(EUS failure, EUSF)タイマ、EUSタイマ、またはEUS障害処理設定(ただし、本発明はこれに限定されない)。
【0033】
1つの実施形態において、UE410は、EUS実行段階において、ターゲットセル430に関連するTA値を取得することができる。
【0034】
図5を参照すると、図5は、本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0035】
S510のステップにおいて、UE410は、ソースセルからセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を受信する。S520のステップにおいて、UE410は、EUS設定に基づいてEUS手順を実行し、ターゲットセルに関連するタイミングアドバンス(TA)値およびソースセル420からのセル切り替えコマンドを取得する。S530のステップにおいて、セル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、UE410は、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する。S540のステップにおいて、UE410は、セル切り替え手順を完了した後に、ターゲットセル430にセル切り替え完了情報を送信する。
【0036】
さまざまな実施形態において、ステップS520のEUS手順は、異なる方法で実施してもよいが、関連する詳細については、後で説明する。
【0037】
図6Aを参照すると、図6Aは、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローを示したものである。
【0038】
図6Aにおいて、UE410は、EUS初期段階において、ステップS510において、ソースセル420からセル切り替え設定を受信することができる。この場合、セル切り替え設定は、ソースセル420からのCTCCメッセージにおいて運ぶことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
CTCCメッセージからCTCCを取得した後、UE410は、関連する測定を実行し、それに応じて、ソースセル420に測定報告を提供することができる。
【0040】
1つの実施形態において、ソースセル420は、測定報告に基づいて、UE410がセル切り替え手順を実行するための適切なターゲットセルがあるかどうかを判断することができる。もしある場合、ソースセル420は、EUS手順のEUS実行段階をトリガすることを決定することができる。
【0041】
本実施形態において、ソースセル420は、ステップS611において、UE410にEUS要求を送信することができる。ここで、EUS要求は、ターゲットセル430に関連する候補設定インデックスを含む。
【0042】
1つの実施形態において、EUS要求は、指示されたターゲットセルへのEUS手順を実行するようにUE410をトリガするために使用することができる。EUS要求は、EUS手順のターゲットでもあるターゲットセル430のID情報を少なくとも含むことができる。EUS要求は、また、セル切り替え完了情報を送信するためのアップリンクリソース(例えば、アップリンクグラント(uplink grant))を含むこともできる。EUS要求メッセージは、変更された物理ダウンリンク制御チャネル(physical DL control channel, PDCCH)命令、新しいMAC CE、または新しく定義されたRRCメッセージであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
変更されたPDCCH命令を使用してEUS要求を実施する実施形態において、EUS要求に対し、セル無線ネットワーク一時識別子(cell radio network temporary identifier, C-RNTI)によってスクランブルされた巡回冗長検査(cyclic redundancy check, CRC)を有するダウンリンク制御情報(DL control information, DCI)フォーマット1_0を使用することができる。EUS要求に使用される変更されたPDCCH命令は、EUS手順のターゲットである候補ターゲットセル情報を運ぶことができる。
【0044】
新しいMAC CEを使用してEUS要求を実施する実施形態において、EUS要求MAC CEに対し、新しい論理チャネルID(logical channel ID, LCID)を予約(reserve)することができる。EUS要求に使用される新しいMAC CEは、EUS手順のターゲットである候補ターゲットセル情報を運ぶことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0045】
ステップS611においてソースセル420からEUS要求を受信した後、UE410は、ステップS612において、プリアンブル(例えば、RAプリアンブルおよび/またはSRS)を送信するように構成されたリソースに基づいて、ターゲットセル430にプリアンブルを送信することができる。
【0046】
プリアンブルを送信した後、UE410は、ソースセル420に戻ることができる。つまり、UE410は、プリアンブルを送信した後、ターゲットセル430からのTA値を待つ必要はない。
【0047】
本実施形態において、プリアンブルを送信するように構成されたリソースをCTCCメッセージのEUS設定の中に含めることができるが、本発明はこれに限定されない。別の実施形態において、プリアンブルを送信するように構成されたリソースをEUS要求の中に含めてもよい(図6Bにおいて説明する)。
【0048】
図6Aにおいて、ターゲットセル430は、プリアンブルに基づいてターゲットセル430に関連するTA値を決定し、ステップS613において、ソースセル420にTA値を提供することができる。
【0049】
1つの実施形態において、ソースセル420がCTC EUSリソース設定(例えば、プリアンブルを送信するように構成されたリソース)を有さない場合、ステップS613においてターゲットセルからTA値を受信した後に、スケジューリングギャップが終了する。別の実施形態において、ソースセル420がCTC EUSリソース設定を有する場合、ステップS612においてUEがターゲットセル430にプリアンブルを送信した後に、スケジューリングギャップが終了する。スケジューリングギャップのこれら2つの側面は、図6Aにおいて観察することができる。
【0050】
ステップS613においてターゲットセル430からTA値を取得した後、ステップS614において、ソースセル420は、セル切り替えコマンド(ターゲットセル430に関連するTA値を運ぶことができる)を送信し、セル切り替えコマンドからターゲットセル430に関連するTA値を取得することができる。
【0051】
ターゲットセル430に関連するTA値により、UE410は、それに応じて、ステップS530を実行することができる。具体的に説明すると、UE410は、TA取得を行わずにステップS530を実行することができる。その後、UE410は、ステップS540を実行することができる。
【0052】
1つの実施形態において、UE410は、セル切り替え設定またはセル切り替えコマンドからアップリンクグラントを取得し、アップリンクグラントに基づいて、セル切り替え手順を完了した後に、ターゲットセル430にセル切り替え完了情報を送信することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0053】
具体的に説明すると、UE410がTA取得を実行せずにステップS530を実行したとき、ターゲットセル430は、UE410がセル切り替え手順をいつ終了したのかを知ることができない可能性がある。したがって、UE410は、ターゲットセル430にセル切り替え完了情報を送信して、UE410がセル切り替え手順を終了したことをターゲットセル430に通知することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
図6Bを参照すると、図6Bは、図6Aに基づくセル切り替え手順の実施方法のフローを示したものである。図6Aとは異なり、図6Bのソースセル420がEUS手順のEUS実行段階をトリガすることを決定したとき、ソースセル420は、EUS手順のEUS実行段階が開始されたことをターゲットセル430に通知することができる。この場合、ターゲットセル430は、プリアンブルを送信するように構成されたリソースとしてEUSリソースを予約し、ソースセル420にEUS応答を提供することができる。ここで、EUS応答は、EUSリソースを運ぶことができる。
【0055】
次に、ソースセル420は、ステップS611のEUS要求を使用してEUSリソースを運ぶことができるため、UE410は、ステップS612においてEUSリソースを使用してプリアンブルを送信することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0056】
本発明の実施形態において、ステップS611、S612、S614は、ステップS520においてUE410により実行されるEUS手順に属するものと理解することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0057】
図7A図7Cを参照すると、図7A図7Cは、本発明の実施形態に係るソースセルによりEUS障害(EUSF)タイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。
【0058】
図7Aにおいて、ソースセル420は、ステップS711において、EUS要求を送信したとき、それに応答して、EUS障害(EUSF)タイマを開始し、ステップS712において、ターゲットセル430からTA値を受信したとき、それに応答して、EUSFタイマを停止することができる。
【0059】
本実施形態において、ソースセル420がターゲットセル430からTA値を受信する前にEUSFタイマが切れなかった場合は、EUS手順が成功したことを示すことができるため、ソースセル420は、続いて、上述したステップS614を実行することができる。
【0060】
一方、ソースセル420がターゲットセル430からTA値を受信する前にEUSFタイマが切れた場合は、EUS手順が失敗したことを示すことができる。この場合、ソースセル420は、図7Bに示すように、UE410に別のEUS要求を送信してもよく、または図7Cに示すように、別のセル切り替えコマンドを送信して、通常のセル切り替え手順を実行するようにUE410を制御してもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0061】
図8A図8Cを参照すると、図8A図8Cは、本発明の実施形態に係るUEによりEUSFタイマを適用したときの異なるシナリオを示したものである。図8Aにおいて、UE410は、ステップS811において、EUS要求を受信したとき、それに応答して、EUSFタイマを開始し、ステップS812において、ソースセル420からセル切り替えコマンドを受信したとき、それに応答して、EUSFタイマを停止することができる。
【0062】
本実施形態において、UE410がソースセル420からセル切り替えコマンドを受信する前にEUSFタイマが切れなかった場合は、EUS手順が成功したことを示すことができるため、UE410は、続いて、上述したステップS530を実行することができる。
【0063】
一方、UE410がソースセル420からセル切り替えコマンドを受信する前にEUSFタイマが切れた場合は、EUS手順が失敗したことを示すことができる。この場合、UE410は、図8Bに示すように、接続再確立手順をトリガしてもよく、または図8Cに示すように、ソースセル420に障害情報を提供してもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0064】
本発明の実施形態において、図6A図8CにおけるEUS手順のEUS実行段階は、ソースセル420によってトリガされるものと理解することができる。以下の実施形態において、EUS手順のEUS実行段階は、UE410によってトリガされるものと理解することができるが、詳しい説明については、以下に提供する。
【0065】
図9を参照すると、図9は、本発明の実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0066】
図9において、UE410は、EUS初期段階において、ステップS510においてソースセル420からセル切り替え設定を受信することができる。この場合、セル切り替え設定をソースセル420からのCTCCメッセージで運ぶことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0067】
CTCCメッセージからCTCCを取得した後、UE410は、関連する測定を実行し、それに応じて、CTCのうちのいずれかがEUS条件を満たしているかどうかを判断することができる。
【0068】
本実施形態において、EUS条件は、EUS設定の中に含まれていてもよく、EUS条件は、UE410がEUS手順を実行することのできる条件であってもよい。例えば、UE410は、測定された信号品質が信号品質閾値よりも優れているCTCがあるかどうかを判断することができる。もしある場合、UE410は、このCTCがEUS条件を満たしていると判断することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0069】
別の観点から見ると、UE410は、少なくとも1つのターゲットセルのそれぞれの信号品質を決定することができる。少なくとも1つのターゲットセルのうちの第1ターゲットセルの信号品質がEUS条件を満たしていると判断したとき、それに応答して、UE410は、第1ターゲットセルがEUS条件を満たすターゲットセル430であると判断することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0070】
ステップS911において、UE410は、ターゲットセル430がEUS条件を満たしていると判断することができる。ステップS912において、ターゲットセル430がEUS条件を満たしていると判断したとき、それに応答して、UE410は、ソースセル420にEUS指示子を送信することができる。ここで、EUS指示子は、EUS手順がUE410によってトリガされたことを示すことができる。
【0071】
1つの実施形態において、EUS指示子は、UE410がCTC(例えば、ターゲットセル430)へのEUSを実行することをソースセルに通知するために使用することができる。いくつかの実施形態において、EUS指示子は、EUS条件を満たすターゲットセル430の識別子を含むことができる。
【0072】
1つの実施形態において、EUS指示子を送信するためのULリソースは、CTC設定によって事前に構成されてもよい。1つの実施形態において、ソースセル420は、EUS指示子を受信した後、UE410をスケジュールすべきではない。
【0073】
ステップS913において、UE410は、EUS条件を満たすターゲットセル430にプリアンブル(例えば、RAプリアンブルまたはSRS)を送信する。
【0074】
ステップS914において、UE410は、ターゲットセル430に関連するTA値を取得する。異なる実施形態において、UE410は、ターゲットセル430からTA値を受信してもよく、またはソースセル420からTA値を受信してもよいが、関連する詳細については、後で説明する。
【0075】
UE410がターゲットセル430からTA値を受信する実施形態において、UE410は、ターゲットセル430からTA値を受信した後、さらに、ステップS915を実行して、ソースセル420にEUS終了指示子を送信することができる。ここで、EUS終了指示子は、EUS手順が終了したことを示す。したがって、UE410からEUS終了指示子を受信したと判断したとき、それに応答して、ソースセル420は、ターゲットセル430がEUS手順の間にTA値を提供したと判断することができる。ここで、EUS終了指示子は、EUS手順が終了したことを示す。この場合、ソースセル420は、EUS終了指示子を受信した後にUE410のスケジューリングを開始すべきである。
【0076】
UE410がソースセル420からTA値を受信する実施形態において、UE410は、TA値を取得した後にEUS終了指示子を送信しなくてもよいが、関連する詳細については、後で説明する。
【0077】
ステップS916において、UE410は、ソースセル420からセル切り替えコマンドを受信することができる。1つの実施形態において、ステップS914においてUE410がターゲットセル430からTA値を受信する実施形態において、セル切り替えコマンドは、TA値を含まなくてもよい。ステップS914においてUE410がソースセル420からTA値を受信する別の実施形態において、セル切り替えコマンドは、TA値を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0078】
ステップS916の後、ステップS530、S540を実行することができる。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0079】
本発明の実施形態において、ステップS912、S913、S914(およびS915)は、ステップS520のUE410によって実行されるEUS手順に属するものと理解することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0080】
図10を参照すると、図10は、本発明の1つの実施形態に係るEUSタイマを適用したときのシナリオを示したものである。本実施形態において、UE410がステップS914aにおいてターゲットセル430からTA値を直接受信すると仮定する。1つの実施形態において、ステップS914aは、ステップS914を実施するための手段として理解することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0081】
ステップS1011において、UE410は、ステップS913においてソースセル420にEUS指示子を送信したとき、それに応答して、EUSタイマを開始し、ステップS1012において、ターゲットセル430からTA値を取得したとき、それに応答して、EUSタイマを停止することができる。
【0082】
本実施形態において、EUSタイマは、UE410で保持され、EUS手順が失敗したかどうかを検出するために使用される。
【0083】
1つの実施形態において、EUSタイマが切れた、または停止したとき、UE410は、ソースセル420に戻り、ソースセル420にEUS終了指示子を送信する。
【0084】
本実施形態において、UE410がターゲットセル430からTA値を受信する前にEUSタイマが切れなかった場合は、EUS手順が成功したことを示すことができる。この場合、UE410は、ターゲットセル430の情報をEUS終了指示子の中に含ませて、ターゲットセル430を選択するようにソースセル420を補助することができる。
【0085】
一方、UE410がターゲットセル430からTA値を受信する前にEUSタイマが切れた場合は、EUS手順が失敗したことを示すことができる。この場合、UE410は、ターゲットセル430の情報をEUS終了指示子の中に含ませないで、EUS手順が失敗したことを示唆することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0086】
1つの実施形態において、UE410は、ターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する前に、TA値が有効(valid)であるかどうかを判断することができる。TA値が有効であると判断したとき、それに応答して、UE410は、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行することができる。
【0087】
1つの実施形態において、UE410は、ステップS1013においてTA値を取得したとき、それに応答して、TA有効性タイマを開始し、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する前に、TA有効性タイマが切れたかどうかを判断することができる。
【0088】
1つの実施形態において、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する前にTA有効性タイマが切れなかったと判断したとき、それに応答して、UE410は、TA値が有効であると判断し、それに応じて、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行することができる。一方、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する前にTA有効性タイマが切れたと判断したとき、それに応答して、UE410は、TA値が無効(invalid)であると判断し、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行しなくてもよい。
【0089】
別の実施形態において、UE410は、TA値を取得してから、ターゲットセル430の信号品質変動が閾値を超えたかどうかを判断することができる。1つの実施形態において、TA値を取得した時点でターゲットセル430の信号品質変動が閾値を超えていないと判断したとき、それに応答して、UE410は、TA値が有効であると判断し、それに応じて、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行することができる。一方、TA値を取得した時点でターゲットセル430の信号品質変動が閾値を超えていると判断したとき、それに応答して、UE410は、TA値が無効であると判断し、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行しなくてもよい。
【0090】
1つの実施形態において、ターゲットセル430からのTA値は、RARまたは新しいMAC CEによって運ぶことができる。TA値を受信した後、UE410は、以下の動作のうちの少なくとも1つを実行することができる:(1)ソースセル420に戻る、(2)ソースセル420にEUS終了指示子を送信する、(3)TA値を保存する、(4)EUSタイマを停止する、(5)TA有効性タイマを開始する。
【0091】
1つの実施形態において、UE410は、TA有効性タイマ情報をEUS終了指示子の中に含ませて、ターゲットセル430のTA有効性を検証するようにソースセル420を補助することもできるが、本発明はこれに限定されない。
【0092】
図11を参照すると、図11は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順を実行する前にTA値を検証するときのフローチャートを示したものである。
【0093】
図11において、ステップS914およびS916を実行した後、UE410は、上述したメカニズムに基づいて、ステップS1111においてTA値が有効であるかどうかを判断し、それに応じて、セル切り替え手順を実行するか否かを判断することができる。詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0094】
図12を参照すると、図12は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0095】
図12において、UE410は、EUS初期段階において、ステップS510においてソースセル420からセル切り替え設定を受信することができる。この場合、セル切り替え設定をソースセル420からのCTCCメッセージで運ぶことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0096】
CTCCメッセージからCTCCを取得した後、UE410は、関連する測定を実行し、それに応じて、CTCのうちのいずれかがEUS条件を満たしているかどうかを判断することができる。
【0097】
次に、ステップS911~S913を実行することができる。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0098】
本実施形態において、UE410がステップS914bにおいてソースセル420からターゲットセル430に関連するTA値を受信すると仮定する。ここで、ターゲットセル430に関連するTA値は、ターゲットセル430がステップS1211においてプリアンブルを受信したとき、それに応答して、ターゲットセル430によってソースセル420に提供される。1つの実施形態において、ステップS914bは、ステップS914を実施するための手段として理解することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0099】
この場合、プリアンブルを送信した後、UE410は、ソースセル420に戻ることができる。つまり、UE410は、プリアンブルを送信した後、ターゲットセルからのTA値を待たない。
【0100】
本実施形態において、ソースセル420は、新しいMAC CEを使用して、UE410にTA値を提供することができる。1つの実施形態において、UE410は、ソースセル420からTA値を受信した後、TA値を保存することができる。
【0101】
1つの実施形態において、ターゲットセル430からTA値を受信したと判断したとき、それに応答して、ソースセル420は、EUS手順の間にターゲットセル430がTA値を提供したと判断し、ステップS914bにおいてUE410にTA値を提供することができる。
【0102】
図12において、UE410は、ステップS1013においてTA値を取得したとき、それに応答して、TA有効性タイマを開始し、TA値に基づいてターゲットセル430へのセル切り替え手順を実行する前にTA有効性タイマが切れるかどうかを判断する。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0103】
図13を参照すると、図13は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順を実行する前にTA値を検証するときのフローチャートを示したものである。
【0104】
図13において、ステップS911~S913、S914b、およびS916を実行した後、UE410は、上述したメカニズムに基づいて、ステップS1111においてTA値が有効であるかどうかを判断し、それに応じて、セル切り替え手順を実行するか否かを判断することができる。詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0105】
図14を参照すると、図14は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。本実施形態において、ソースセル420がステップS1211においてターゲットセル430からTA値を受信した後、ソースセル420は、ステップS916においてUE410にセル切り替えコマンドを送信することができる。ここで、セル切り替えコマンドは、ターゲットセル430に関連するTA値を運ぶことができる。つまり、UE410は、セル切り替えコマンドからターゲットセル430に関連するTA値を取得することができる。
【0106】
その後、UE410は、ステップS530およびS540を実行することができる。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0107】
1つの実施形態において、UE410がターゲットセル430またはソースセル420からTA値を受信するメカニズムは、UE410が保持する待機フラグ(waiting flag)によって構成することができる。
【0108】
1つの実施形態において、待機フラグが有効化された(enabled)と判断したとき、それに応答して、UE410は、ターゲットセル430からTA値を受信することができる。さらに、待機フラグが有効化された事象において、UE410は、ターゲットセル430からTA値を受信したと判断したとき、それに応答して、EUS手順が終了したことをソースセル420に通知することができる。例えば、UE410は、上述したEUS終了指示子を使用することによって、EUS手順が終了したことをソースセル420に通知することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0109】
別の実施形態において、待機フラグが無効化された(disabled)と判断した場合、それに応答して、UE410は、ソースセル420からTA値を受信することができる。
【0110】
別の観点から見ると、待機フラグが有効化された場合、UE410は、図10および図11の実施形態に基づいて操作することができる。待機フラグが無効化された場合、UE410は、図12図14の実施形態に基づいて操作することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0111】
図15を参照すると、図15は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0112】
本実施形態において、ソースセル420がステップS912においてUE410からEUS指示子を受信したとき、ソースセル420は、EUS手順のEUS実行段階が開始されたことをターゲットセル430に通知することができる。この場合、ターゲットセル430は、プリアンブルを送信するように構成されたリソースとしてEUSリソースを予約し、ソースセル420にEUS応答を提供することができる。ここで、EUS応答は、EUSリソースを運ぶことができる。
【0113】
次に、ソースセル420は、ステップS611においてEUS要求を使用してEUSリソースを運ぶことができるため、UE410は、ステップS913においてEUSリソースを使用してプリアンブルを送信することができるが、本発明はこれに限定されない。ステップS913の後、ステップS914~S916(ステップS915は、UE410がターゲットセル430からTA値を受信するかどうかによって選択的に実行される)およびステップS530とS540を実行することができる。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0114】
図16を参照すると、図16は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0115】
本実施形態において、複数のCTCが同じTA値を共有している場合、これらのCTCは、同じCTCGに属するものと見なすことができる。
【0116】
図16において、第1ターゲットセル431および第2ターゲットセル432が同じCTCGに属し、UE410が第1ターゲットセル431にプリアンブルを送信した後に第1ターゲットセル431に関連するTA値を取得すると仮定する。
【0117】
本実施形態において、ソースセル420からのセル切り替えコマンドが第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行するようにUE410を制御した場合、第1ターゲットセル431と第2ターゲットセル432は、同じTA値を共有しているため、UE410は、TA値に基づいて第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行することができる。
【0118】
つまり、UE410は、第2ターゲットセル432に関連するTA値を追加で取得する必要がなく、第1ターゲットセル431に関連するTA値に基づいて、第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0119】
異なる実施形態において、CTCGの情報は、明示的に(explicitly)または暗黙的に(implicitly)示すことができる。
【0120】
図17Aを参照すると、図17Aは、本発明の1つの実施形態に係るCTCGの情報が暗黙的に示されるシナリオを示したものである。
【0121】
図17Aにおいて、ソースセル420は、EUS初期段階において、UE410にCTCCメッセージを送信することができる。ここで、CTCCメッセージは、CTCGの情報を含まない。つまり、UE410は、どのCTCが同じCTCGに属しているのかをCTCCメッセージから知ることはできない。
【0122】
本実施形態において、第1ターゲットセル431がEUS条件を満たしているとソースセル420が判断した場合、ソースセル420は、ステップS1711において、UE410にEUS要求を送信することができ、UE410は、それに応じて、ステップS1712を実行し、第1ターゲットセル431にプリアンブルを送信することができる。
【0123】
プリアンブルに応答して、第1ターゲットセル431は、ステップS1713において、ソースセル420に第1ターゲットセル431に関連するTA値を提供することができる。
【0124】
本実施形態において、ステップS1713においてTA値を受信した後、何らかの理由で第2ターゲットセル432(第1ターゲットセル431と同じCTCGに属す)へのセル切り替え手順を実行するようにUE410に要求することをソースセル420が決定したと仮定すると、ソースセル420は、ステップS1714において、UE410にセル切り替えコマンドを送信することができる。ここで、セル切り替えコマンドは、第1ターゲットセル431に関連するTA値に基づいて、第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行するようにUE410に要求することができる。
【0125】
次に、UE410は、ステップS530およびS540を実行することができる。具体的に説明すると、ステップS530において、UE410は、第1ターゲットセル431に関連するTA値に基づいて、第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0126】
つまり、UE410がCTCGの情報を知らなくても、EUS要求とセル切り替えコマンドにおいて示されるターゲットセル430が異なるため、UE410は、第1ターゲットセル431と第2ターゲットセル432が同じCTCGに属していることを暗黙的に知ることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0127】
図17Bを参照すると、図17Bは、本発明の1つの実施形態に係るCTCGの情報が明示的に示されるシナリオを示したものである。
【0128】
図17Bにおいて、ソースセル420は、EUS初期段階において送信されたCTCCメッセージにCTCGの情報を含めることができる。例えば、第1ターゲットセル431と第2ターゲットセル432が同じCTCGに属している場合、ソースセル420は、CTCCメッセージにCTCGの識別子を提供することができる。この場合、UE410は、どのCTCが同じCTCGに属しているかをCTCCメッセージから知ることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0129】
本実施形態において、ステップS911の後、UE410は、ステップS912において、ソースセル420にEUS指示子を送信することができる。ここで、EUS指示子は、第1ターゲットセル431の識別子および/またはターゲットセル430が属するCTCGの識別子を含むことができる。
【0130】
この場合、ステップS915においてEUS終了指示子を受信した後、または第1ターゲットセル431からTA値を受信した後、何らかの理由で第2ターゲットセル432(第1ターゲットセル431と同じCTCGに属する)へのセル切り替え手順を実行するようにUE410に要求することをソースセル420が決定したと仮定すると、ソースセル420は、ステップS916において、UE410にセル切り替えコマンドを送信することができる。ここで、セル切り替えコマンドは、第1ターゲットセル431に関連するTA値に基づいて、第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行するようにUE410に要求することができる。
【0131】
次に、UE410は、ステップS530およびS540を実行することができる。具体的に説明すると、ステップS530において、UE410は、第1ターゲットセル431に関連するTA値に基づいて、第2ターゲットセル432へのセル切り替え手順を実行することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0132】
1つの実施形態において、UE410がステップS916においてセル切り替えコマンドを受信した後、UE410は、さらに、図11のステップS1111を実行して、TA値が有効であるかどうかを判断することができる。関連する詳細については、上述した実施形態を参照することができる。
【0133】
図18を参照すると、図18は、本発明の1つの実施形態に係るセル切り替え手順の実施方法のフローチャートを示したものである。
【0134】
ステップS1810において、ソースセル420は、UEにセル切り替え手順のためのセル切り替え設定を送信する。ここで、セル切り替え設定は、UEがEUS手順を実行するためのEUS設定を含む。
【0135】
ステップS1820において、EUS手順の間にターゲットセルがTA値を提供したと判断したとき、それに応答して、ソースセル420は、UEにセル切り替えコマンドを送信する。ここで、セル切り替えコマンドは、EUS手順においてターゲットセルによって提供されたTA値に基づいて、ターゲットセルへのセル切り替え手順を実行するようにUEを制御する。
【0136】
図18の各ステップの詳細については、上述した実施形態を参照することができるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0137】
以上のように、本発明の実施形態は、スケジューリングギャップを短縮して、レイテンシを減らすために使用することのできる早期RAの概念を実施するためのいくつかの技術方案を提供する。
【0138】
本分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲または精神から逸脱せずに、開示された実施形態に対してさまざまな修正および変更が可能であることが理解されよう。これを考慮して、本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にある修正および変更を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明のセル切り替え手順の実施方法およびUEは、通信システムにおいて適用することができる。
【符号の説明】
【0140】
S101~S103、S510~S540、S611~S614、S711、S712、S811、S812、S911~S916、S914a、S914b、S1011~S1013、S1111、S1211、S1711~S1714、S1810、S1820 ステップ
300 通信デバイス
302 トランシーバ
304 プロセッサ
410 ユーザー機器(UE)
420 ソースセル
430 ターゲットセル
431 第1ターゲットセル
432 第2ターゲットセル

図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
【外国語明細書】