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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127775
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】菓子類のグループ分けシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20240912BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
B65G47/30 D
B65G43/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024020165
(22)【出願日】2024-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2023036321
(32)【優先日】2023-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591006391
【氏名又は名称】古河工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】古河 博
【テーマコード(参考)】
3F027
3F081
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA04
3F027DA07
3F027DA12
3F027DA14
3F027EA01
3F027EA05
3F027FA14
3F081AA47
3F081BA02
3F081BD08
3F081BD15
3F081CC08
3F081CE13
3F081EA09
3F081EA13
3F081FA03
3F081FB03
3F081FB08
(57)【要約】
【課題】菓子類である被搬送物を、ベルトコンベアによる搬送中に、一定個数ずつにグループ分けする。
【解決手段】第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部上から被搬送物Aを、第2搬送ベルトコンベア手段3の上流端部上に移載して、一定個数ずつにグループ分けする。第1及び第2搬送ベルトコンベア手段2,3の第1及び第2の回転ローラ5,7を回転可能に支持する可動部材9が、搬送方向において第1及び第2の回転ローラ5,7とともに、往復移動可能に設けられている。第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部の上方に、被搬送物Aの通過を検出する通過検出センサ13が配置され、被搬送物Aの通過を検出するごとに、可動部材9を、第1搬送コンベア2の反搬送方向に第1設定量ずつ移動させる一方、前記一定個数の被搬送物Aの通過を検出すると、初期位置に可動部材9を移動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
菓子類である被搬送物を搬送する第1搬送ベルトコンベア手段の下流端部上から、前記被搬送物を第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に移載して、一定個数ずつにグループ分けする菓子類のグループ分けシステムであって、
前記第1搬送ベルトコンベア手段は、第1コンベアベルトが巻き掛けられている第1の回転ローラを前記下流端部に有し、前記第1コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、
前記第2搬送ベルトコンベア手段は、第2コンベアベルトが巻き掛けられている第2の回転ローラを前記上流端部に有し、前記第2コンベアベルトが前記被搬送物を搬送する状態と前記被搬送物の搬送を停止する状態とを選択的にとるものであり、
前記第1及び第2の回転ローラを回転可能に支持する可動部材と、
前記可動部材を、搬送方向において、前記第1及び第2の回転ローラとともに往復移動させる可動部材駆動手段と、
前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部の上方に配置され、前記被搬送物の通過を検出する通過検出センサと、
前記通過検出センサからの信号を受け、前記被搬送物の通過を検出するごとに、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第1設定量ずつ移動させる一方、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、初期位置に前記可動部材を戻す駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする菓子類のグループ分けシステム。
【請求項2】
前記通過検出センサは、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部付近の上方に位置するように前記可動部材に設けられている、請求項1記載の菓子類のグループ分けシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2搬送ベルトコンベア手段は、第1及び第2の駆動手段に連係され、
前記第1駆動手段は、前記第1搬送ベルトコンベア手段の第1コンベアベルトを回転駆動するものであり、
前記第2駆動手段は、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、前記第2搬送ベルトコンベア手段を一定時間だけ駆動するものである、請求項1に記載の菓子類のグループ分けシステム。
【請求項4】
前記可動部材駆動手段は、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、前記可動部材を、前記初期位置に復帰させるものである、請求項1に記載の菓子類のグループ分けシステム。
【請求項5】
前記第2搬送ベルトコンベア手段は、前記被搬送物が移載される搬送手段に接続されるものであり、
前記搬送手段による搬送に対し、前記積載される被搬送物のグループ分けが連動されている、請求項1記載のグループ分けシステム。
【請求項6】
菓子類である被搬送物を搬送する第1搬送ベルトコンベア手段の下流端部上から、前記被搬送物を第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に移載して、一定個数ずつにグループ分けする菓子類のグループ分けシステムであって、
前記第1搬送ベルトコンベア手段は、第1コンベアベルトが巻き掛けられている第1の回転ローラを前記下流端部に有し、前記第1コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、
前記第2搬送ベルトコンベア手段は、第2コンベアベルトが巻き掛けられている第2の回転ローラを前記上流端部に有し、前記第2コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、
前記第1及び第2の回転ローラを回転可能に支持する可動部材と、
前記可動部材を、搬送方向において、前記第1及び第2の回転ローラとともに往復移動させる可動部材駆動手段と、
前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部の上方に配置され、前記被搬送物の通過を検出する通過検出手段と、
前記通過検出手段からの信号を受け、前記被搬送物の通過を検出するごとに、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量移動させ、前記移載の際に前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量移動させる一方、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、初期位置に前記可動部材を戻す駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする菓子類のグループ分けシステム。
【請求項7】
前記通過検出手段は、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部から離れて配置され被搬送物の通過を検出する第1検出器と、前記第1検出器より下流側に配置され被搬送物の通過を検出する第2検出器とを有し、
前記第1検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量移動させる信号を発するものであり、
前記第2検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量移動させる信号を発するものである、
請求項1記載の菓子類のグループ分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1搬送ベルトコンベア手段から第2搬送ベルトコンベア手段上に、菓子類である被搬送物を一定個数ずつにグループに分けて移載する菓子類のグループ分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、成形された菓子類(被搬送物)をオーブンで焼成する際に、トレイ上に一定個数ずつ列状に並べ、そのトレイをオーブン内に投入することが行われる。その場合、前記菓子類を搬送する第1搬送ベルトコンベア手段のコンベアベルト上から、第2搬送ベルトコンベア手段のコンベアベルト上に移載する際に、前記菓子類を一定個数ずつにグループ分けできれば、トレイ上に一定個数ずつ並べるのに便利であることから、そのようにグループ分けしたいという要求がある。
【0003】
従来、ポテトチップス等のスナック菓子を、重量に基づいてグループ分けすることは知られている(例えば,特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-296363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の重量に基づくグループ分けでは、第1搬送ベルトコンベア手段のコンベアベルト上から、第2搬送ベルトコンベア手段のコンベアベルト上に移載する際に行うことは困難である。
【0006】
本発明は、菓子類である被搬送物を、搬送ベルトコンベア手段による搬送中に、一定個数ずつにグループ分けすることができる菓子類のグループ分けシステムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、菓子類である被搬送物を搬送する第1搬送ベルトコンベア手段の下流端部上から、前記被搬送物を第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に移載して、一定個数ずつにグループ分けする菓子類のグループ分けシステムであって、前記第1搬送ベルトコンベア手段は、第1コンベアベルトが巻き掛けられている第1の回転ローラを前記下流端部に有し、前記第1コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、前記第2搬送ベルトコンベア手段は、第2コンベアベルトが巻き掛けられている第2の回転ローラを前記上流端部に有し、前記第2コンベアベルトが前記被搬送物を搬送する状態と前記被搬送物の搬送を停止する状態とを選択的にとるものであり、前記第1及び第2の回転ローラを回転可能に支持する可動部材と、前記可動部材を、搬送方向において、前記第1及び第2の回転ローラとともに往復移動させる可動部材駆動手段と、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部の上方に配置され、前記被搬送物の通過を検出する通過検出センサと、前記通過検出センサからの信号を受け、前記被搬送物の通過を検出するごとに、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第1設定量ずつ移動させる一方、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、初期位置に前記可動部材を戻す駆動制御手段と、を備える、ことを特徴とする。ここで、菓子類は、一定の形状を有するものであればよく、焼成のためにオーブンに移動中であるような、製品となる前のものも含まれる。
【0008】
このようにすれば、菓子類である被搬送物を、ベルトコンベアによる搬送中に、一定個数ずつにグループ分けすることができ、グループ分けされた、被搬送物のグループごとに次の工程(箱詰、焼成など)に進めることができる。
【0009】
前記通過検出センサは、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部付近の上方に位置するように前記可動部材に設けられている、ことが望ましい。このようにすれば、通過検出センサを、可動部材に対して簡単に設置することができる。
【0010】
前記第1及び第2搬送ベルトコンベア手段は、第1及び第2の駆動手段に連係され、前記第1駆動手段は、前記第1搬送ベルトコンベア手段の第1コンベアベルトを回転駆動するものであり、前記第2駆動手段は、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、前記第2搬送ベルトコンベア手段を一定時間だけ駆動するものである、ことが望ましい。
【0011】
前記可動部材駆動手段は、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、前記可動部材を、前記初期位置に復帰させるものである、ことが望ましい。このようにすれば、可動部材をベルトの駆動と関係なく移動させ、初期位置に復帰させることができる。
また、前記第2搬送ベルトコンベア手段は、前記被搬送物が移載される搬送手段に接続されるものであり、前記搬送手段による搬送に対し、前記積載される被搬送物のグループ分けが連動されている、ようにすることも可能である。
このようにすれば、搬送手段による搬送に対し、積載される被搬送物のグループ分けが連動されているので、搬送手段上に移載により被搬送物があふれるのが防止される。
さらに、本発明は、菓子類である被搬送物を搬送する第1搬送ベルトコンベア手段の下流端部上から、前記被搬送物を第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に移載して、一定個数ずつにグループ分けする菓子類のグループ分けシステムであって、前記第1搬送ベルトコンベア手段は、第1コンベアベルトが巻き掛けられている第1の回転ローラを前記下流端部に有し、前記第1コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、前記第2搬送ベルトコンベア手段は、第2コンベアベルトが巻き掛けられている第2の回転ローラを前記上流端部に有し、前記第2コンベアベルトが前記被搬送物を搬送するものであり、前記第1及び第2の回転ローラを回転可能に支持する可動部材と、前記可動部材を、搬送方向において、前記第1及び第2の回転ローラとともに往復移動させる可動部材駆動手段と、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部の上方に配置され、前記被搬送物の通過を検出する通過検出手段と、前記通過検出手段からの信号を受け、前記被搬送物の通過を検出するごとに、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量ずつ移動させ、前記移載の際に前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量ずつ移動させる一方、前記一定個数の被搬送物の通過を検出すると、初期位置に前記可動部材を戻す駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
この場合、前記通過検出手段は、前記第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部から離れて配置され被搬送物の通過を検出する第1検出器と、前記第1検出器より下流側に配置され被搬送物の通過を検出する第2検出器とを有し、前記第1検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量移動させる信号を発するものであり、前記第2検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量移動させる信号を発するものである、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、菓子類である被搬送物を、ベルトコンベア手段による搬送中に、一定個数ずつにグループ分けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る菓子類のグループ分けシステムの構成を示し、(a)はシステム要部の斜視図、(b)は制御系のブロック図である。
図2】第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に被搬送物を1個移載した状態を示す動作説明図である。
図3】第2搬送ベルトコンベア手段の上流端部上に被搬送物を2個移載した状態を示す動作説明図である。
図4】別の実施の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0015】
図1は本発明に係る菓子類のグループ分けシステムの構成を示し,(a)はシステム要部の斜視図、(b)は制御系のブロック図である。
【0016】
図1(a)に示すように、本発明に係る菓子類のグループ分けシステム1は、菓子類である被搬送物Aを搬送する第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部上から、被搬送物Aを、第2搬送ベルトコンベア手段3の上流端部上に移載し、その際に、一定個数ずつにグループ分けするものである。つまり、一定個数の被搬送物Aを1つのグループとする、グループ分けするものである。なお、第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部と第2搬送ベルトコンベア手段3の上流端部との間は、被搬送物Aの移載ができれば、多少の段差や隙間があってもよい。
【0017】
第1搬送ベルトコンベア手段2は、第1コンベアベルト4が、定速度で被搬送物Aを搬送するものであり、第1コンベアベルト4が第1の回転ローラ5に巻き掛けられて第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部が形成されている。
【0018】
第2搬送ベルトコンベア手段3は、第2コンベアベルト6が、定速度で搬送する状態と被搬送物Aの搬送を停止する状態とを選択的にとるものであり、第2コンベアベルト6が
第2の回転ローラ7に巻き掛けられて上流端部が形成されている。なお、第2コンベアベルト6は、第2の回転ローラ7の下側で別の回転ローラ8に巻き掛けられ、第2コンベアベルト6の上流端部付近が、被搬送物Aの移載による影響を受けないテンションを維持するようにされている。
【0019】
第1及び第2の回転ローラ5,7が支持軸11,12に回転可能に支持され、両支持軸11,12は可動部材9に平行に並んで設けられている。この可動部材9は、被搬送物Aの搬送方向において、第1及び第2の回転ローラ5,7とともに往復移動可能に設けられている。
【0020】
また、第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部付近の上方に、被搬送物Aの通過を検出する通過検出センサ13が配置されている。つまり、通過検出センサ13は、第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部の上方に位置するように可動部材9に支持部材14を介して設けられ、初期位置では、通過検出センサ13と第1搬送ベルトコンベア手段2の下流端部との間は、被搬送物Aを1個置ける程度の距離が設けられている。
【0021】
第1及び第2搬送ベルトコンベア手段2,3には、それらを駆動する第1及び第2の駆動手段21,22(たとえば、駆動モータを含む駆動機構)に連係され、第1駆動手段21は、搬送中は、第1搬送コンベア手段2を回転駆動し、第2駆動手段22は、第1の通過検出センサ13が被搬送物Aの一定個数の通過を検出すると、第2搬送ベルトコンベア手段3を一定時間だけ駆動するようになっている。この一定時間の間に、グループ分けされた被搬送物Aの群の間に間隔が設けられる。
【0022】
また、可動部材9は、搬送方向において、可動部材9を往復移動させる、第1及び第2の駆動手段21,22とは異なる可動部材駆動手段23(例えば、駆動モータを含むチェーン駆動機構)に連係されている。
【0023】
第1及び第2駆動手段21,22,可動部材駆動手段23は、図1(b)に示すように、これらを駆動制御する制御手段24に連係されている。駆動制御手段24は、通過検出センサ13からの信号を受ける信号検知手段24Aと、信号検知手段24Aからの信号を受け、通過した被搬送物Aの数をカウントするカウント手段24Bと、第1及び第2の駆動手段21,22,可動部材駆動手段23の駆動を制御する駆動制御手段24Cとを備える。
【0024】
そして、駆動制御手段24Cは、カウント手段24Bからの信号を受け、被搬送物Aの通過を検出するごとに、可動部材9を、第1搬送コンベア手段2の上流端部を、第1搬送ベルトコンベア手段2の反搬送方向に第1設定量ずつ移動させる一方、一定個数の被搬送物Aの通過を検出すると、可動部材駆動手段23を制御して、可動部材9を前記初期位置に復帰(移動)させる。
【0025】
第1及び第2搬送ベルトコンベア手段2,3は、それぞれ、周知のベルトたわみ吸収機構を備え、可動部材9の移動に伴う第1及び第2コンベアベルト4,6のたわみを吸収するようになっている。よって、第1及び第2コンベアベルト4,6のたわみが吸収され、スムーズなグループ分けが実現される。ここで、周知のベルトたわみ吸収機構は、例えば、特開2016-37363号公報に記載されるように、上下方向に延びるガイドレールが設けられ、前記ガイドレールに、コンベアベルトの途中が巻き掛けられている移動部材が上下方向に移動可能に係合している。そして、この移動部材が、搬送ベルトコンベア手段(コンベアベルト)の端部の移動に同期して、昇降あるいは進退することで、コンベヤベルトの撓みが吸収されるようになっている。
【0026】
上記システムによれば、まず、第1コンベアベルト4上を被搬送物Aが搬送されてくる
が、グループの最初の被搬送物Aが通過検出センサ13にて検出されるまでは、第2コンベアベルト6の下流端部は、図1(a)に示す初期位置にあり、回転していない。
【0027】
通過検出センサ13にて、グループの最初の被搬送物Aが検出されると、検出信号が制御手段24の信号検知手段24Aに送られ、それに基づく信号検知手段24Aからの信号にて、カウント手段24Bが、移載数が1であるとカウントする。
【0028】
また、前記検出信号を受けた駆動制御手段24Cにて第1の駆動手段21が制御され、可動部材9が第1ベルトコンベア手段2の反搬送方向に移動せしめられ、第1及び第2ベルトコンベア手段2,3の端部(可動部材9)が反搬送方向に移動せしめられる。つまり、第1搬送ベルトコンベア手段2の上流端部が被搬送物A1個分に対応する距離だけ反搬送方向に後退し、それと共に第2搬送ベルトコンベア手段3の下流端部も被搬送物A1個分に対応する距離だけ反搬送方向に前進して、図2に示すように、第2ベルトコンベア手段3への最初の1個の移載が完了する。このとき、第1コンベアベルト4は回転しているが、第2コンベアベルト6は、移載の際には回転せず、第2搬送ベルトコンベア手段3の下流端部が、被搬送物A1個分のスペースを確保するために反搬送方向に移動するだけである。
【0029】
それに続いて,次の被搬送物Aが通過検出センサ13にて検出されると、前回と同様、可動部材9が反搬送方向に移動せしめられ、第1ベルトコンベア手段2の上流端部が被搬送物A1個分に対応する距離だけ反搬送方向に後退する一方、第2ベルトコンベア手段3の下流端部が被搬送物A1個分に対応する距離だけ反搬送方向に前進して、図3に示すように、第2ベルトコンベア手段3に、次の1個の移載が完了する。カウント手段24Bにおいて、1が加算され、移載数が2とされる。
【0030】
このようにして、一定回数だけ同様の動作が繰り返され、それが終了すると、カウント手段24Bが、移載数が一定個数(1グループに属する被搬送物Aの数に対応する数)に
達したと判定し、駆動制御手段24が可動部材駆動手段23を制御して、可動部材9を初期位置に復帰するように移動せしめる。このとき、第2コンベアベルト6は、グループ分けられた一定個数の被搬送物Aが落ちないように、次のグループ分けされる一定個数の被搬送物との間に一定の間隔が開くように回転し、次の処理が行われる場所(例えば、焼成を行うオーブンの設置場所)に向かって搬送される。このような動作が繰り返される。
また、図4に示すように、2つのグループ分けシステム1A,1Bを有し、それぞれが、自動整列機31A,31Bを介して、被搬送物が移載されるキャタピラ32aの上に載せオーブン32b内を通過させるキャタピラオーブン32に接続される場合、キャタピラ32a上に被搬送物があふれるのを防止するために、一定時間内において、グループ分けシステム1A,1Bを通じてキャタピラオーブン32上に搬入される被搬送物の総数は、キャタピラオーブン32のキャタピラ32aにて搬送されオーブン32b内を通過させる被搬送物の数より少なくなるように予め設定されている。
そのため、キャタピラオーブン32は、例えば、キャタピラ32aが通過するごとにグループ分けシステム1A,1B(第1及び第2搬送ベルトコンベア手段)に信号が送られ、一定数の被搬送物がグループ分けされるが、前記信号を受けないと、グループ分けが行われない。よって、グループに属する被搬送物の数が少なくなる場合もある。このように、キャタピラ32aによる搬送に対し、積載される被搬送物のグループ分けが連動されると、キャタピラ32aによる搬送状況に応じてグループ分けが制御されるので、キャタピラ32a上に被搬送物が移載によりあふれるのが防止される。ここで、キャタピラオーブンに代えて、スチールベルトの上に被搬送物を載せるバンドオーブンを用いることもできるのはいうまでもない。
図4に示す形態では、2列の搬送ラインが設けられ、一方の自動整列機31Aが右半分に、他方の自動整列機31Bが左半分にそれぞれ一定数の被搬送物を移載するようになっているが、1列の搬送ラインとすることも可能である。
前記実施の形態では、第2搬送ベルトコンベア手段3は、第2コンベアベルト4が被搬送物Aを搬送する状態と被搬送物Aの搬送を停止する状態とを選択的にとるようにしているが、第2コンベアベルト4が被搬送物を搬送する状態だけをとるようにすることも可能である。この場合は、第1搬送ベルトコンベア手段の下流端部の上方に配置され被搬送物の通過を検出する通過検出手段を有し、この通過検出手段からの信号を受け、駆動制御手段が、被搬送物の通過を検出するごとに、可動部材を、第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量ずつ移動させ、前記移載の際に第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量ずつ移動させる一方、一定個数の被搬送物の通過を検出すると、初期位置に可動部材を戻すように制御するようにすればよい。この場合、前記通過検出手段は、第1搬送ベルトコンベア手段の前記下流端部から離れて配置され被搬送物の通過を検出する第1検出器と、前記第1検出器より下流側に配置され被搬送物の通過を検出する第2検出器とを有することが望ましい。この場合、第1及び第2検出器は、前述した実施の形態と同様な、通過検出センサを用いることができる。
そして、前記第1検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の搬送方向に第2設定量移動させる信号を発するものであり、前記第2検出器は、前記可動部材を、前記第1搬送コンベア手段の反搬送方向に第3設定量移動させる信号を発するものである。
これにより、第1検出器により被搬送物の通過が検知されると、可動部材が被搬送物と一緒に搬送方向に第2設定量移動し、第2検出器が前記被搬送物を検知すると、可動部材が、被搬送物の移載を助けるように反搬送方向に第3設定量移動し、被搬送物の移載がスムーズに行われる。
【0031】
なお、本発明は、前記実施の形態に制限されず、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更が可能である。
(i)ベルトコンベア手段2,3のコンベアベルト4,6は、それぞれ、回転速度が一定速度であるが、本発明はそれに限らず、被搬送物の搬送能力に応じて、コンベアベルト4,6の間に速度差があるようにすることも可能である。例えば、コンベアベルト6の速度をコンベアベルト4の速度よりも速くすることができる。
(ii)第2ベルトコンベア手段3を移載にだけ用い、第2ベルトコンベア手段3に続けて、次の処理が行われる場所に向かって、グループ分けられた被搬送物Aを、グループごとに搬送する別の搬送用ベルトコンベア手段を設けるようにすることもできる。
(iii)例えば、通過検出センサを2つ並べて配置し、2つの通過検出センサから同時に信号が発信されるような場合には、2つの被搬送物が連続して搬送されていると判断し、積載数に2を加算したり、ベルトコンベア手段2,3を一時停止させ整列したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0032】
1,1A,1B グループ分けシステム
2,3 搬送ベルトコンベア手段
4,6 コンベアベルト
5,7,8 回転ローラ
9 可動部材
11,12 支持軸
13 通過検出センサ
14 支持部材
21,22 駆動手段
23 可動部材駆動手段
24 制御手段
24A 信号検知手段
24B カウント手段
24C 駆動制御手段
31A,31B 自動整列機
32 オーブン
32a キャタピラ
32b オーブン
A 被搬送物
図1
図2
図3
図4