(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127796
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】縦型洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/02 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
D06F39/02 A
D06F39/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024025772
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2023035106の分割
【原出願日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】伏谷 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大智
(72)【発明者】
【氏名】秦泉寺 歩
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AA12
3B166AA15
3B166AE02
3B166BA84
3B166CA02
3B166CA15
3B166CA17
3B166CB01
3B166CB12
3B166CB14
3B166DC45
3B166DC47
3B166FA01
3B166FA02
3B166FA05
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB02
3B166FB05
3B166FB08
3B166JM01
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【解決手段】縦型洗濯機は、水槽111と水槽111内に回転可能に設けられる回転槽113とを含む洗濯槽11と、洗濯槽11を収容する本体部180と、本体部180の上側に設けられる上カバー部181と、複数のタンク27に収容された洗濯処理剤を洗濯槽11に投入する自動投入部21と、を備え、複数のタンク27の下側に自動投入部21が存在する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
を備え、
前記複数のタンクの下側に前記自動投入部が存在する、
縦型洗濯機。
【請求項2】
前記自動投入部と連通する自動投入経路を有する注水部を前記複数のタンクの下側に備える、
請求項1に記載の縦型洗濯機。
【請求項3】
前記自動投入部と連通する自動投入経路を有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンクと前記注水部の間に存在する、
請求項1に記載の縦型洗濯機。
【請求項4】
前記複数のタンクそれぞれは、前側に位置する前底面部よりも後側に位置する後底面部の方が底面の高さが高く、
前記自動投入部は、前記複数のタンクそれぞれについて、前記タンク内の洗濯処理剤を投入する自動投入手段を有し、
前記自動投入手段は、対応する前記タンクの前記後底面部の下側に位置する、
請求項1~3のいずれかに記載の縦型洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯槽を備える洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドラム式の洗濯機においては、手動用の洗剤収容ケースに加えて、洗剤や柔軟仕上剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に、ポンプの駆動により必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入装置を設けることが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の洗濯機では、自動投入装置を縦型洗濯機に設ける場合、ドラム式洗濯機よりも狭い空間に組込まなければならないといった問題がある。
本発明は、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る縦型洗濯機は、水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、前記洗濯槽を収容する本体部と、前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、を備え、前記複数のタンクの下側に前記自動投入部が存在する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、限られたスペースであっても自動投入部を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】洗濯機の蓋部が開いた状態の拡大斜視図である。
【
図3】前後方向と直交する断面を前側から見た図である。
【
図4】左右方向と直交する断面を右側から見た図である。
【
図5】上カバー部と蓋部とを分離させた状態の斜視図である。
【
図6】自動投入部及びその周辺部の分解状態を上方から見た斜視図である。
【
図7】自動投入部及びその周辺部の分解状態を下方から見た斜視図である。
【
図8】供給部の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図9】蓋を取り外した手動投入部の図であり、(a)は上方から見た図であり、(b)は(a)のA-A断面を矢印側から見た断面図である。
【
図10】蓋を取り外した手動投入部の分解斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図11】(a)は注水部を上方から見た図であり、(b)は上形成体を取り外した状態を上方から見た図であって投入経路を説明する図である。
【
図12】注水部の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側下方から見た図である。
【
図13】自動投入部とその周辺部における左右方向と直交する断面を前側上方から見た斜視図である。
【
図14】分解状態のタンク収容部及びタンクを前側上方から見た斜視図である。
【
図15】分解状態のタンク収容部及びタンクを後側下方から見た斜視図である。
【
図16】タンク体からフィルタを取り外した状態の斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
【
図17】注水部と自動投入部との接続部分の断面図である。
【
図18】他の形態の注水部の投入経路を説明する図である。
【0008】
<実施形態>
1.概要
洗濯機1は、
図1に示すように、縦型タイプである。
洗濯機1は、
図3及び
図4に示すように、洗濯槽11と、洗濯槽11等を回転駆動するモータ12と、洗濯処理の運転コースの入力や選択を行うための操作部13、洗濯処理の運転状況等を表示するための表示部14と、洗濯槽11に給水するための給水部15(
図5参照)と、給水された水を洗濯槽11に注水するための注水部16と、洗濯槽11から排水する排水部17と、注水部16に洗剤、柔軟仕上剤等の洗濯処理剤を投入する処理剤投入部と、モータ12等を制御して洗濯処理等を行う制御部と、モータ12や制御部等の駆動手段に給電するための電源部と、を筐体18に備える。
なお、縦型タイプ、つまり、縦型洗濯機は、洗濯槽11の中心軸が上下方向(垂直方向)に延伸する、又は上下方向に対して所定角度、例えば10度以内の角度で傾斜している洗濯機をいう。
【0009】
処理剤投入部は、複数のタンク27に収容された洗濯処理剤を自動で投入するための自動投入部21と、手動により洗濯処理剤を投入するための手動投入部23とを備える。タンク27には、複数回の洗濯運転のための洗濯処理剤が貯留される。
洗濯機1は、風呂水を吸引して洗濯槽11に投入する風呂水投入部25(
図5参照)を備える。制御部は、自動投入部21の投入量や投入タイミングを制御し、ここでは、電源部と共に回路構成されて回路ユニット26として設けられている。
ここで、
図1に示すように、給水部15がある側を前後方向の後側とすると、上下方向と前後方向とに直交する方向を左右方向とする。操作部13や表示部14は、洗濯物を投入する開口部181aを開閉するための蓋部182を挟んで、前側に存在する場合を例に説明するが、この位置に限定されるものではない。なお、左右方向は、前後方向の前側から見た状態を基準とする。
なお、例えば、「AがB方向の一方(他方)側に位置する」は、AにおけるB方向の中心が、洗濯機におけるB方向の中心よりも一方(他方)側に位置している場合を含み、「AがB方向の一方(他方)側にある(存在する)」も同様とする。
また、例えば、「AがCの後(左)側に位置する」とは、Aにおける前後方向(左右方向)の中心が、Cにおける前後方向(左右方向)方向の中心よりも後(左)側に位置している場合を含み、「AがCの後(左)側にある(存在する)」も同様とし、「前(右)側」も同様とする。
さらに、「Dの後(左)側」には、Dの後部(左部)及びDの後方(左側方)を含む場合がある。
以下、要部について説明する。
【0010】
2.要部
(1)洗濯槽
洗濯槽11は、洗濯水を貯留するための水槽111と、水槽111内に回転可能に支持された回転槽113と備える。
【0011】
(2)筐体
筐体18は、本体部180と、本体部180の上側に設けられる上カバー部181と、上カバー部181の洗濯物投入及び取出用の開口部181aを開閉するための蓋部182とを備える。
本体部180は、上面が開放する箱状をし、主に、洗濯槽11を収容する。本体部180は、上方から見ると方形状又はこれに近い形状をしている。本体部180の上端は、洗濯槽11の上端よりも上方に位置する。
【0012】
上カバー部181は、
図5に示すように、開口部181aを有し且つ上方から見ると方形又はこれに近い形状をしている。天壁部181eは前側下がりに傾斜している。これにより、洗濯物の洗濯槽11への投入及び洗濯槽11から取り出しを容易とさせる。
上カバー部181は、天壁部181eの開口縁から下方に延伸する内周壁部181fと、天壁部181eの外周縁から下方に延伸する外周壁部181gとを有し、内周壁部181fと外周壁部181gとの間の空間を利用して、操作部13及び表示部14が前側に、自動投入部21、手動投入部23、タンク27、給水部15、注水部16及び風呂水投入部19が後側に、回路ユニット26(
図3参照)が左右方向の他方側(右側である)に、それぞれ配される。
つまり、自動投入部21とタンク27とが後側に位置し、手動投入部23が左右方向の一方側(左側である)であって複数のタンク27が並ぶ方向の端に位置するタンク27と並んで位置する。これにより、限られたスペースに、自動投入部21、タンク27、手動投入部23を配置できる。
また、自動投入部21及びタンク27の少なくとも1つが後側に位置し、手動投入部23が左右方向の一方側に位置し、風呂水投入部25が左右方向の他方側に位置する。これにより、限られたスペースに、自動投入部21及びタンク27の少なくとも1つ、手動投入部23、風呂水投入部25を配置できる。
また、自動投入部21及びタンク27の少なくとも1つが後側に位置し、手動投入部23及び給水部15が左右方向の一方側に位置し、風呂水投入部25が左右方向の他方側に位置し、注水部16が自動投入部21及びタンク27の少なくとも1つの下側に位置し、手動投入部23が給水部15の前側に位置する。これにより、限られたスペースに、自動投入部21、手動投入部23、給水部15、注水部16、風呂水投入部25を配置できる。なお、天壁部181eが後上がり状に傾斜しているため、必要な洗濯処理剤の量を自動投入部21及び自動投入部21に収容できる。
自動投入部21とタンク27が後側に位置し、タンク27が洗濯槽11側に露出し、自動投入部21をタンク27の後側近傍に配されている。タンク27の操作性を向上できると共に自動投入部21とタンク27との接続を容易に行える。
上カバー部181は、水道の蛇口と接続するための蛇口接続部151用の開口部、風呂水の吸引ホースと接続するためのホース接続用の開口部、手動投入部23への洗濯処理剤の投入用の開口部、自動投入部21のタンク27の出し入れ用の開口部181dが設けられている。
【0013】
蓋部182は、
図5に示すように、上カバー部181の開口部181aを開閉する蓋部分182aと、蓋部分182aの後端部から後方に張り出す張出部分182bとを有し、張出部分182bが、ダンパ付きの回転軸183により回転可能に支持される。なお、回転軸は、左右方向に延伸し、上カバー部181の後部側に位置する。
蓋部182は、
図2に示すように、開状態を維持するための維持手段184を備えている。維持手段184は、板状体、所謂、フラップである。蓋部182が開状態において、維持手段184の上端部が、左右方向を回転軸として回転可能に蓋部182に支持されている。維持手段184は、蓋部182が開くと、自重により下部側が前側に移動するように回動し、上カバー部181の溝部分181bに嵌る。なお、溝部分181bの前側には、維持手段184が溝部分181bから外れるのを防止するための突条部分181cを有する。溝部分181b及び突条部分181cは、左右方向に延伸する。
【0014】
(3)給水部
給水部15は、
図5~
図7に示すように、自動投入部21の左側であって、手動投入部23の後側に配されている。給水部15は、筐体18の本体部180の後部上端に架設された支持フレーム31に、給水ベース33を介して固定される。
給水部15は、
図8に示すように、蛇口接続部151と、複数(例えば3個)の水路部152,153,154と、蛇口接続部151から給水された水を各水路部152,153,154に分配する分配部155と、各水路部152,153,154に設けられた開閉弁156とを備える。
水路部152は自動投入部21側にホース157を介して接続され、水路部153は手動投入部23にホース158を介して接続され、水路部154は、手動投入部23に直接接続される。水路部154の筒状の給水口154aは、
図10に示すように、外ケース231の第1流入口231c内に挿入する。
分配部155と水路部152,153,154は、内部に水路を有する樹脂製の箱体により構成されている。当該箱体が給水ベース33に固定される。
【0015】
(4)手動投入部
手動投入部23は、筐体18の上カバー部181の内側に設けられている。手動投入部23は、1回の洗濯運転に使用する洗剤処理剤を使用者が洗濯毎にセットし、洗濯運転が始まると、給水部15から水が供給されて洗濯槽11に洗濯処理剤が投入される。
手動投入部23は、給水部15から供給される水の流路において注水部16の上流側に位置し、上下方向の位置(高さ)において注水部16よりも上側に位置する。これにより、手動投入部23内の水が流れやすくなり、手動投入部23内に水が残存し難くできる。なお、他の観点では、上述のような高低差で、手動投入部23が上カバー部181の前後方向の後側に存在すれば、上カバー部181の前側の高さを低くできるため、コンパクト化が可能となる。
手動投入部23は、
図9及び
図10に示すように、外ケース231と、外ケース231内に配され且つ洗濯処理剤を一旦収容する内ケース233と、外ケース231の開口231aを塞ぐ蓋235(
図6参照)とを備える。なお、蓋235は、手動投入部でなく、上カバー部181の構成としてもよい。
【0016】
外ケース231は、上端に開口231aを有する箱状をし、上カバー部181の内周壁部181fと対向する側壁部が円弧状に湾曲する。外ケース231は、水道水流入用の第1流入口231cを後側壁部231bに、水道水流入用の第2流入口231eを左右方向の外方側(洗濯槽11から遠い側)の側壁部231dに、水道水流出量の流出口231fを底壁部231gに、それぞれ有している。
第1流入口231cは給水部15の水路部154と接続し、第2流入口231eは水路部153と接続し、独立して2つの経路から水が供給される。なお、第2流入口231eには、給水部15と接続するホース158(
図7参照)と接続するための接続具238が設けられている。
手動投入部23の流出口231fに接続されるホース239(
図6及び
図7参照)は、注水部16の手動投入経路164の第2入口164a(筒部分162e)に接続される。また、手動投入部23と注水部16とは高低差があるため、ホース239は手動投入部23から注水部16に向けて下っていることが好ましいが、ホース239において部分的に高低差がないよう(一部が水平になるよう)引き回してもよい。なお、ホース239は、発明3「管部」の一例に相当するが、ホース239の代わりとして、湾曲不可能なパイプを利用することもできる。
【0017】
内ケース233は、処理剤用の第1収容部233aと、処理剤用の第2収容部233bとを前後方向に有する。第1収容部233aは、後側に位置し、第2収容部233bより左右方向の寸法が大きい。
第1収容部233aは、後壁部分233dの上部側に流入口233eを、後壁部分233dの上部側に流出口233fを、側壁部分233g,233hに流出口233j,233kを、底壁部分233mに流出口233nをそれぞれ有する。第1収容部233aには、洗剤(液体又は粉末)若しくは漂白剤の少なくとも一方が投入される。処理剤は、水の供給により、第1収容部233a内から、流出口233f,233j,233k,233nから外ケース231側へと流出する。なお、第1流入口231cには、流入してきた水を下方へ案内する案内部233oが設けられている。また、側壁部分233g,233h及び後壁部分233dに流出口233f,233j,233kが存在するのは、周壁に洗剤が残るのを抑制するためである。
第2収容部233bは、側壁部分233pの上部側に流入口233qを、側壁部分233p,233rに流出口233s,233tをそれぞれ有する。第2収容部233bには、柔軟剤が投入される。処理剤は、底壁部分233uに貯留され、水の供給により第2収容部233b内に水が溜まり、筒状のガイド具237の内部から外ケース231側へと流出する。つまり、サイフォン現象を利用して処理剤を排出するために、排出口を上端に有する筒部を上方から覆うガイド具237が第2収容部233bに設けられている。なお、側壁部分233p,233rに流出口233s,233tが存在するのは、周壁に柔軟剤が残るのを抑制するためである。
蓋235は、上カバー部181に開閉可能に取り付けられている。ここでは、後端部が、左右方向の回転軸周りに回転可能に支持されている。
【0018】
(5)風呂水投入部
風呂水投入部25は、
図6及び
図7に示すように、ポンプ251を備え、ポンプ251が、支持フレーム31のポンプ支持台311に載置された状態で固定されている。吸引した風呂水は、ホース253を介して、注水部16に排出される。
【0019】
(6)注水部
注水部16が、水の流路において、給水部15と洗濯槽11との間に配されている。
注水部16が、洗濯槽11の後部側であって上方に配されている。注水部16は、左右方向に亘って設けられている。注水部16は、自動投入部21やタンク27の下側に位置する。これにより、自動投入部21と注水部との間の流路を短くできる。
【0020】
(6-1)経路
注水部16は、
図7に示すように、給水部15と手動投入部23と風呂水投入部25と接続する。注水部16は、
図11の(b)に示すように、自動投入部21から洗濯処理剤が投入される自動投入経路163と、手動投入部23から洗濯処理剤が投入される手動投入経路164とを別経路で有する。このように、自動投入経路163と手動投入経路164とを別経路すると、自動投入経路と手動投入経路とを同じ経路とした場合よりも、自動投入経路163と手動投入経路164とが細くなり、経路を流れる水に勢いがあり、経路に水が残るのを抑制できる。
ここでは、注水部16は、さらに、風呂水が流れる風呂水投入経路165を有する。
なお、自動投入経路163は自動投入部21と、手動投入経路164は手動投入部23と、風呂水投入経路165は風呂水投入部25とそれぞれ連通する。
【0021】
自動投入経路163は、給水部15から水が流入する第1入口163aを有し且つタンク27の並び方向(ここでは左右方向である)に沿って延伸する第1経路163bと、第1経路163bと連通し且つ洗濯槽11に洗濯処理剤を排出するための第1排出口163cを有する第2経路163dとを有している。
なお、「A方向に沿って延伸する」とは、A方向に延伸する場合、A方向と平行な方向に延伸する場合、A方向に対して45°以内の角度で交差する方向に延伸する場合を含む。
【0022】
第1経路163bは、給水部15が位置する一方側から他方側に延伸し、第1入口163aは、一方側に位置する。これにより、給水部15との距離を近づけることができ、ホース等の接続具を利用する場合に短くできる。第1経路163bには、自動投入部21から洗濯処理剤が投入される入口163eが左右方向に沿って複数個形成されている。ここではタンク27が4個であるため、その数に合わせて4個であるが、タンク27は2個以上であればよいので、その数に対応して設ければよいし、隣り合う2個のタンク27に対して1個の入口があってもよい。
第1経路163bは、
図17に示すように、経路を構成する底面が左右方向の一方側よりも他方側が低くなるように傾斜している。これにより、第1経路163b内を水がスムーズに流れる。ここでは、第1経路163bの上下方向の隙間(上下幅)は一方側から他方側に移るにしたがって大きくなっている。
注水部16の入口163eは、第1経路163bの上側に、上下方向に向けて(上下方向と直交するように)形成され、自動投入手段28によりその出口282aから洗剤処理剤を投入する。これにより、経路内をスムーズに流れる水に対して洗濯処理剤が投入されることとなり、投入された洗濯処理剤を洗濯槽11側に流すことができる。なお、出口282aは、筒状(例えば円筒状)の吐出側接続部282の先端部分に構成される。
【0023】
第1経路163bは、第1入口163aから水が供給されると、洗剤処理剤が投入される少なくとも1つの入口163eに水が到達するように構成されている。給水部15から水が供給されると複数の入口163eの少なくとも1つが水に浸かるように構成されている。具体的には、第1入口163aに接続する給水部15の水路部152の流量を多くしたり、第1経路163bの断面積を小さくしたりしている。これにより、
図17の拡大図に示すように、少なくとも1つの入口163eに洗濯処理剤が付着するのを防止でき、当該入口163eの衛生面を向上できる。なお、多くの入口163eに水が到達する方が衛生面の観点からより一層好ましい。
自動投入手段28の吐出側接続部282の出口282aも水で浸かるようにすることで、出口282aに付着した洗濯処理剤を流す(洗浄する)ことができ、出口282aや入口163eが洗濯処理剤で詰まるようなことを防止できる。
なお、
図11の(b)の第1入口163a、入口163e及び第3入口165aは、その位置が分かるように示している。
【0024】
第2経路163dは、第1経路163bの左右方向の他方側の端部から前後方向に沿って前側に延伸する。ここでは、第2経路163dは、前側に移るにしたがって左右方向の一方側(手動投入経路164側)に近づくように、延伸する。これにより、第1経路163bの前側であって左右方向の他方側に空間を形成できる。別の表現をすれば、注水部16の前側における左右方向の幅を短くできる。
【0025】
手動投入経路164は、洗濯処理剤が流入する第2入口164aと、洗濯槽11に洗濯処理剤を排出するための第2排出口164bとを有している。手動投入経路164は、第2入口164aを有し且つ自動投入経路163の第1経路の前側を左右方向に沿って延伸する第1経路164cと、第1経路164cと連通し且つ第2排出口164bを有する第2経路164dとを有している。第2経路164dは、第1経路164cの左右方向の他方側の端部から前後方向に沿って前側に延伸する。ここでは、第2経路164dは、前側に移るにしたがって左右方向の他方側(自動投入経路163の第2経路163d側)に近づくように、延伸する。
第2入口164aは、注水部16の左右方向の一方側に位置する。第2排出口164bは、第2入口164aと比べて左右方向に沿った他方側に位置する。第2排出口164bは、第1排出口163cに対して左右方向の一方側に位置する。これにより、第1排出口163cと第2排出口164bとを左右方向に設けることができる。
上方から経路を見ると、自動投入経路163は「L」字又は「し」字状をし、手動投入経路164は「へ」字状をしている。これにより、「L」字で形成される矩形状の領域の内、自動投入経路163が存在しない領域に、「へ」字状の手動投入経路164を配置することができる。このように、「L」字又は「し」字状の自動投入経路163の内側のスペースを有効に利用できる。
【0026】
風呂水投入経路165は、風呂水投入部25から風呂水が流入する第3入口165aを有する。第3入口165aは、発明1の「風呂水投入経路の入口」の一例に相当する。第3入口165aは、自動投入経路163の第1経路163bと比べて、左右方向に沿った他方側に位置する。風呂水投入経路165は、前後方向に沿って延伸し、自動投入経路163の第2経路163dに合流する。このため、第1排出口163cは、風呂水投入経路165の第3排出口を兼用する。
第1排出口163cと第2排出口164bは、左右方向に沿った長孔状をしている。これにより、排出開口を大きくできると共に、前後方向の寸法を小さくできる。なお。第1排出口163cと第2排出口164bは、洗濯槽11の上方に位置する。
【0027】
(6-2)経路の形成
注水部16は、
図12に示すように、自動投入経路163、手動投入経路164、風呂水投入経路165等の経路を形成する経路形成体を有する。ここでの経路形成体は、自動投入経路163、手動投入経路164及び風呂水投入経路165を一体で有する。経路形成体は、上形成体161と下形成体162とを有している。なお、上形成体161と下形成体162は、ねじ等により一体化されている。
【0028】
上形成体161は、上板状部161aと、上板状部161aから下方に突出する上側突出部とを有している。
上側突出部は、自動投入経路163の側壁の上側部分を形成する上側突出部161bと、手動投入経路164の側壁の上側部分を形成する上側突出部161cと、風呂水投入経路165の側壁の上側部分を形成する上側突出部161dとを有する。
上板状部161aは、給水部15から供給される水用の第1入口163aと自動投入部21から投入される洗濯処理剤用の入口163eとを、上側突出部161bに囲まれた領域内に有している。第1入口163aと入口163eはそれぞれ、上方へ延伸する筒部分161e,161fにより構成される。上板状部161aは、風呂水投入部25から供給される風呂水用の第3入口165aを、上側突出部161dに囲まれた領域内に有している。第3入口165aは上方へ延伸する筒部分161gにより構成される。
【0029】
下形成体162は、下板状部162aと、下板状部162aから上方に突出する下側突出部とを有している。
下側突出部は、自動投入経路163の側壁の下側部分を形成する下側突出部162bと、手動投入経路164の側壁の下側部分を形成する下側突出部162cと、風呂水投入経路165の側壁の下側部分を形成する下側突出部162dとを有する。
下板状部162aは、手動投入部23から投入される水(水道水又は洗濯処理剤を含んだ水道水)用の第2入口164aを下側突出部162cに囲まれた領域に接続するようにその領域の上流側に有している。第2入口164aは左右方向の一方側に延伸する筒部分162eにより構成される。
下板状部162aは、下側突出部162bに囲まれた領域内に第1排出口163cを有している。下板状部162aは、下側突出部162cに囲まれた領域内に第2排出口164bを有している。
下板状部162aは、自動投入経路163、手動投入経路164及び風呂水投入経路165を構成する部分が、水の流路において、下流側に移るにしたがって低くなっている。
図12の(a)において、下側突出部162b、下側突出部162c及び下側突出部162dの突出量が、各経路の上流側よりも下流側が大きくなっている。これにより、自動投入経路163、手動投入経路164及び風呂水投入経路165内を水がスムーズに流れる。
【0030】
(7)タンク
タンク27は、洗濯処理剤を貯留する収容部と、収容部に設けられるカバー部とを有している。なお、複数個(ここでは、4個)のタンク27は、タンク部を構成する。
タンク27は、
図13に示すように、収容部を構成するタンク体270と、カバー部を構成する上カバー体271とを少なくとも備える。ここでのタンク27は、タンク体270内の洗濯処理剤を吸引するための吸引管272と、吸引管272にごみ等が吸引されるのを防止するフィルタ273とをタンク体270に備える。
タンク27は、上カバー体271をタンク体270に装着するための装着具274をタンク体270に備える。なお、装着具274は、後述するが、取手部としても機能可能である。
タンク27は、内部に洗濯処理剤を補充するための開口部271aを覆う蓋体275を上カバー体271に備える。
【0031】
タンク体270は、
図16に示すように、上方が開放する箱状をし、前室276と後室277とを有している。後室277は、前室276の上部から後方に延伸し、左右方向から見ると「L」を回転させたような形状をしている。つまり、前室276の前底壁部(前底面)276aよりも、後室277の後底壁部(後底面)277aが高くなっている。なお、後底壁部277aは、前側下がりに傾斜している。これにより、洗濯処理剤が後室277に残り難くできる。なお、前室276の後側であって後室277の下側に自動投入手段28が配されている。
前室276の後壁部276bには、吸引管272が取り付けられる。吸引管272は、前方に延伸した後に湾曲して下方へと延伸する。吸引管272の基部(前方に延伸する筒状部)272aには、タンク収容部35へのタンク27の着脱に合わせて開閉する開閉弁278(
図13参照)が設けられている。なお、吸引管272は、基部272aの後端からの上下方向等に張り出す取付部272cを利用して取り付けられる。
タンク体270は、前壁部270bの外面(前面)に、上下方向に延伸し且つ左右方向に間隔をおいた複数の縦リブ部270cと、縦リブ部270cの下端を左右方向に連結する横リブ部270eとを有する。
【0032】
フィルタ273は、吸引管272を囲むように設けられている。ここでは、タンク体270の一方側の側壁部(左側壁部)270aを利用しているため、フィルタ273は、前壁部273aと、他方側の側壁部273bと、上壁部273cとを少なくとも有する。ここでは、上壁部273cと前壁部273aとの間に傾斜壁部273dを有する。
前壁部273a、側壁部273b、上壁部273cには、洗濯処理剤用の貫通孔273eが形成されている。フィルタ273は着脱可能に設けられ、前壁部273aの下端部分及び上壁部273cの後端部分が、前室276の前底壁部(前底面)276a及び後壁部276bの係合部分276cにより係合される。係合は、前壁部273aの下端が前底壁部276aの溝部分276dに嵌った状態で、一対の弾性片の間にフィルタ273の前壁部273aと上壁部273cとの端部分が挿入されることで行わる(挟持される)。
【0033】
上カバー体271は、
図14及び
図15に示すように、板状部271bを有し、板状部271bの前部に開口部271aを有している。これにより、タンク27をタンク収容部35から引き出した状態で、洗濯処理剤を補充できる。なお、蓋体275は、上カバー体271における開口部271aの後部側の一対の凸部を回転軸として開閉可能に構成されている。
【0034】
装着具274は、板状部274aと、板状部の274aの左右両端から後方に延伸する一対の側板部274bと、板状部274aの上端に形成され且つ上カバー体271の被係合部271cに係合する係合部274cとを有している。
装着具274は、側板部274bの下端部で、左右方向を回転軸として回転可能にタンク体270に取り付けられる。装着具274が回転することで、係合部274cが上カバー体271の被係合部271cに係合する。
なお、上カバー体271は、前端の被係合部271cが装着具274の係合部274cに係合され、後端の係合部271d(弾性片と当該弾性片に形成された貫通孔)が、タンク体270の被係合部270fに係合することで、タンク体270に装着される。
【0035】
装着具274は、使用者の指を挿入するための開口部274dを構成する開口縁部274eを板状部274aに有している。これにより、タンク27の引き出しを容易に行うことができる。また、タンク体270の前壁部270bと板状部274aとの間には、縦リブ部270cによって空間が形成され、指が入りやすく構成されている。
タンク体270は、透明な樹脂材料により構成されることで、装着具274の開口部274dを介して、タンク27内の洗濯処理剤の量を視認できる。換言すると、タンク体270の前壁部270bにおける、装着具274の開口部274dの奥側に位置する部分は、透過性を有する窓部270gといえる。また、この窓部270gに目盛を設けて残量を分かり易くしてもよい。ここでいう「透明」とは、貯留する洗濯処理剤の量を視認可能な程度をいう。なお、タンク体270の複数の縦リブ部270cは、開口部274dと重ならないように設けられ、係合状態の装着具274では、窓部270gは板状部274aの開口部274dと対向する。
装着具274は、係合状態において、上方に移るにしたがって後方に下がるように傾斜している。これにより、タンク収容部35に収容された状態であっても、使用者はタンク27内の洗剤処理剤の量を窓部270gから確認しやすい。
【0036】
(8)液剤自動投入部
自動投入部21は、筐体18の上カバー部181の後側に設けられている。自動投入部21は左右方向の中央に位置し、その左右方向の両側に手動投入部23と風呂水投入部25とが位置する。これにより、本体部180と洗濯槽11との間の空間であって本体部180の後部の隅部分の広い空間を有効に利用できる。
自動投入部21は、複数回の洗濯運転に使用する洗剤処理剤を使用者がセットし、洗濯運転が始まると、給水部15から水が供給されて洗濯槽11に自動的に洗濯処理剤が投入される。より具体的には、給水されて注水部16の自動投入経路163を流れる水に対して、自動投入部21が洗濯処理剤を投入する。
自動投入部21は、
図5~
図7に示すように、洗濯槽11に自動投入するための洗濯処理剤を収容するタンク27内の洗濯処理剤を投入する自動投入手段28を有する。ここでは、タンク27が複数個(ここでは4個)あり、左右方向に並んでいる。複数のタンク27のすべてに洗剤が貯留されてもよいし、複数のタンク27のうちx個(x=1以上の整数)のタンク27に柔軟剤が貯留され、残りのy個(y=1以上の整数)のタンク27に洗剤が貯留されていてもよい。自動投入手段28は、タンク27のそれぞれについて設けられ、合計でタンク27と同じ個数あり、タンク27の並び方向に沿って並んでいる。
タンク27はタンク収容部35に収容され、タンク収容部35に自動投入手段28が設けられている。
【0037】
自動投入手段28は、
図13に示すように、タンク27の後部の下部に位置する状態で、タンク収容部35に設けられている。具体的には、タンク27の後底壁部277a(後室277)の下側(直下)に位置する。これにより、洗濯処理剤の貯留量を確保しつつ、自動投入部21の前後方向の寸法を小さくできる。
自動投入手段28は、洗濯処理剤の吸引及び吐出を行うポンプを利用できる。自動投入手段28は、装着状態のタンク27の吸引管272と接続する吸引側接続部281と、注水部16と接続する吐出側接続部282と、吸引側接続部281と吐出側接続部282とに連通するシリンダ283と、シリンダ283内を移動するピストン284と、ピストン284を移動させるモータ285とを備える。
吸引側接続部281は、
図14に示すように、タンク収容部35の下収容体37の立設壁部371cから延出する。延出方向は、タンク27を装着する際のタンク27の移動方向と反対方向であり、具体的には前方である。吸引側接続部281は、タンク27の着脱に合わせて、タンク27の開閉弁278(
図13参照)を開閉する開閉ピン286を有している。
【0038】
吐出側接続部282は注水部16に向かって延伸する。
図17に示すように、より具体的には、下方に向かって延伸し、注水部16の筒部分161f(自動投入経路163)に接続(嵌合)する。ここでは、筒部分161fと、吐出側接続部282との間にパッキン288が配され、密閉性を高めている。吐出側接続部282には、ピストン284の動きに合わせて開閉する開閉弁287(
図17参照)が設けられている。
シリンダ283は前後方向に延伸し、ピストン284がモータ285により前後移動する。ピストン284が後方へ移動する際に洗濯処理剤を吸引し、前方に移動する際に開閉弁287が開状態となって洗濯処理剤を吐出する。
開閉弁287は、
図17に示すように、各吐出側接続部282の先端から内側に入った部位にスナップリング等の固定具289により固定されている。つまり、開閉弁287の開口である吐出口282bと、吐出側接続部282の出口282aとの間に空間部282cが存在する。複数の空間部282cの少なくとも1つに、給水部15から水が自動投入経路163(第1経路163b)に供給されると、進入するように構成されている。これにより、給水が止まった際に、空間部282cに進入した水が、吐出側接続部282の出口282aや注水部16の入口163eを通って第1経路163b(洗濯槽11)に流れるため、出口282aや入口163eをきれいに維持でき、衛生面を向上できる。なお、多くの空間部282cに水が到達する方が衛生面上より好ましい。
【0039】
(9)タンク収容部
タンク収容部35は、タンク27を前側から出し入れ可能に収容する収容部と、収容部に設けられるカバー部とを有している。タンク収容部35は、
図2及び
図5に示すように、上カバー部181の内周壁部181fの開口部181dの後側に設けられている。
タンク収容部35は、
図14及び
図15に示すように、収容部を構成する下収容体37と、カバー部を構成する上収容体39とを備える。タンク収容部35は、
図13に示すように、注水部16の上側(直上)に位置し、注水部16に固定される。また、本実施形態では、注水部16の上側(直上)に自動投入部21及びタンク27が位置するが、注水部16を後側に後退させたり、タンク27の前後幅を縮めると共に、タンク27の後室277の前後長さを縮める又は後室277をなくして、注水部16とタンク27とが上下方向に重ならないようにすることも可能である。この場合、注水部16に繋がるホース、パイプ、ノズル又はこれらの組み合わせによって別流路を構成することで、回転槽114に排出する構成とすればよい。
【0040】
(9-1)下収容体
下収容体37は、タンク27の底壁部を支持する支持部371と、支持部371におけるタンク27の並び方向の両端に設けられた側壁部372と、支持部371の後端に設けられた後壁部373とを有する。下収容体37は、隣接するタンク27の並び方向の位置決めを行う位置決め部374を支持部371に有する。位置決め部374は、上方と前後方向とに延伸するリブ部分により構成されている。
支持部371は、タンク27の前底壁部276a及び後底壁部277a、前室276の後壁部276bに対向するように、前底壁部371a、後底壁部371b、立設壁部371cを有している。なお、後底壁部371bは、前底壁部371aよりも高い位置にあり、立設壁部371cは、前底壁部371aの後端と後底壁部371bの前端とを接続する。
支持部371には、自動投入手段28の吸引側接続部281が延出するように、自動投入手段28が後側から取り付けられている。
側壁部372及び後壁部373の上端は、支持部371上に載置されたタンク27の上面と一致する。
【0041】
(9-2)上収容体
上収容体39は天壁部391を有している。上収容体39が下収容体37を覆う状態では、天壁部391とタンク27の上面とが近接して対向する。これにより、タンク27の出し入れの際に上下方向のタンク27のガタツキ(遊び)を小さくできる。
上収容体39は、天壁部391の左右方向の両端及び後端から下方に屈曲する屈曲部392を有する。上収容体39は、屈曲部392が下収容体37の外面の上端部に当接する状態で、下収容体37に取り付けられる。取り付けは、係合構造を利用し、下収容体37の被係合部(凸部)376に、上収容体39の係合部(弾性片部に形成された開口)393が係合することにより、行われる。
タンク収容部35とタンク27は、タンク収容部35からタンク27が引き出された状態(引き出し状態)で、タンク収容部35に対するタンク27の抜け止めとなるストッパ構造を有する。タンク収容部35側のストッパ構造は、上収容体39の天壁部391に形成された収容側係合部394であり、タンク27側のストッパ構造は、上カバー体271に形成されたタンク側係合部271fである。収容側係合部394は、下方に板状に張り出し、上下方向に弾性変形可能に構成され、タンク側係合部281fは、上方に突出している。ストッパ構造は、1個のタンク27に対して、左右方向の両側の2箇所に設けられている。
【0042】
<注水部>
注水部16は、自動投入経路163と手動投入経路164とを別経路で有していたが、自動投入経路と手動投入経路とが合流する合流経路を有してもよい。
【0043】
1.例1
注水部1016は、
図18の(a)に示すように、自動投入経路1163と手動投入経路1164とを少なくとも備え、ここでは、風呂水投入経路1165も備える。
自動投入経路1163は、給水による水が流入する第1入口1163aを有し且つタンク27の並び方向に沿って延伸する第1経路1163bを少なくとも有し、ここでは、第1経路1163bと連通し且つ前後方向に沿って延伸する第2経路1163dを有している。
手動投入経路1164は、洗濯処理剤が流入する第2入口1164aを有し、タンク27の並び方向に延伸する第1経路1164cを有している。
合流経路1166は、自動投入経路1163の下流部と、手動投入経路1164の下流部とが合流する経路であり、洗濯槽11に洗濯処理剤を排出するための第3排出口1166aを有している。合流経路1166は、タンク27の並び方向に沿って延伸し、並び方向に間隔をおいて複数の第3排出口1166a(複数の排出口を1つに纏めて長孔形状としても良い)を有している。
合流経路1166が自動投入経路1163と手動投入経路1164と合流する部分は、前側に移るにしたがって両者が近づく、例えば「V」字状をしているため、自動投入経路1163及び手動投入経路1164を流れる洗濯処理剤をスムーズに洗濯槽11に投入できる。第3排出口1166aは、自動投入経路1163の第1入口1163a及び手動投入経路1164の第2入口1164aの少なくとも一方に比べて並び方向の他方側に位置している。これにより、手動投入経路1164の長さを確保できる。
なお、風呂水投入経路1165は、自動投入経路1163の第2経路116dに接続する。
これにより、自動投入部21は、タンク27内の洗濯処理剤を自動投入経路1163及び合流経路1166を通って洗濯槽11に投入し、手動投入部23は、自動投入経路1163とは異なる経路である手動投入経路1164(第1経路1164c)と合流経路1166とを通って洗濯処理剤を洗濯槽11に投入する。また、風呂水投入部25は、風呂水投入経路1165と合流経路1166とを通って、洗濯処理剤を洗濯槽11に投入する。
【0044】
2.例2
注水部2016は、
図18の(a)に示すように、自動投入経路2163と手動投入経路2164と風呂水投入経路2165を備える。
自動投入経路2163は、給水用の第1入口2163aを有し且つタンク27の並び方向に沿って延伸する第1経路2163bと、第1経路2163bと連通し且つ前後方向に沿って延伸する第2経路2163dを有している。
手動投入経路2164は、洗濯処理剤用の第2入口2164aを有し、タンク27の並び方向に延伸する第1経路2164cを有している。
合流経路2166は、自動投入経路2163の下流部と、手動投入経路2164の下流部と、風呂水投入経路2165の下流部とが合流する経路であり、洗濯槽11に洗濯処理剤を排出するための第3排出口2166aを有している。第3排出口2166aは、自動投入経路2163の第1入口2163a及び手動投入経路2164の第2入口2164aの少なくとも一方に比べて並び方向の他方側に位置している。
これにより、自動投入部21は、タンク27内の洗濯処理剤を自動投入経路2163及び合流経路2166を通って洗濯槽11に投入し、手動投入部23は、自動投入経路2163とは異なる経路である手動投入経路2164(第1経路2164c)と合流経路1166とを通って、洗濯処理剤を洗濯槽11に投入する。
【0045】
<変形例>
各実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0046】
(1)手動投入部23は上カバー部181の後側に配されていたが、上カバー部181の左右方向のいずれか又は、前後方向の前側に存在してもよい。
(2)手動投入部23は、タンク27の並び方向(左右方向)の外側(端側)に位置するタンク27に対して、並び方向に並ぶように配置されていたが、手動投入部23は並び方向の外側のタンク27に並ばなくてもよく、例えば、手動投入部23とタンク27との間に給水部15や風呂水投入部25が配置されてもよい。
手動投入部23は、タンク27の並び方向の一方側に位置しているが、他方側であってよいし、又は、前後方向の前側であってもよい。
(3)注水部16は、自動投入経路163と手動投入経路164と風呂水投入経路165とを一体で有しているが、注水部16に風呂水投入経路165を有さずに風呂水投入経路165を独立した経路としてもよいし、注水部16に自動投入経路163と風呂水投入経路165とを有し、注水部16に手動投入経路164を有さずに手動投入経路164を独立した経路にしてもよいし、注水部16に手動投入経路164と風呂水投入経路165とを有さずに、注水部16に自動投入経路163を有するようにしてもよい。
【0047】
(4)注水部16は、自動投入経路163と手動投入経路164とを別経路で有していたが、これらの経路を同一経路で有してもよく、例えば、一方の投入経路の下流に他方の投入経路を接続してもよいし、自動投入部21は手動投入経路164に洗濯処理剤を投入してもよいし、手動投入部23は自動投入経路163に洗濯処理剤を投入してもよい。
(5)複数個の自動投入手段28は、複数のタンク27の並び方向に沿って配されているが、並び方向に沿って配されなくてもよい。第1例として、複数の自動投入手段28は上下方向に沿って配され、ホース等によりタンク27と接続するようにしてもよい。第2例として、左右方向の両側の自動投入手段28を、並び方向の中間の自動投入手段28の下方又は上方に配されてもよい。また、自動投入部21とタンクと27とが前後方向の離れて配されてもよい。
(6)自動投入経路163において、第1入口163aを有する第1経路163bは並び方向に沿って延伸しているが、第1経路163bを前後方向に沿って延伸し、第2経路163dを並び方向に沿って延伸するようにしてもよい。
(7)注水部16は、風呂水投入経路165の入口(第3入口)165aを、並び方向の一方側に配された手動投入部23との位置関係で、並び方向の他方側に有しているが、手動投入部23が並び方向の一方側に設けられていない場合、風呂水投入経路165の入口165aを他方側に有してもよいし、有しなくてもよい。他方側に有しない場合、ホース等を利用することで実施できる。
【0048】
(8)注水部1016は、第3排出口1166aを、自動投入経路1163の第1入口1163aと、手動投入経路1164の第2入口1164aと比べて並び方向の他方側に有しているが、並び方向の一方側に有してもよい。
(9)給水部15は風呂水投入部25とで自動投入部21(タンク27を含めてもよいし、含めなくてもよい)を挟むように配され、給水部15の前側に手動投入部23が配されている。しかしながら、手動投入部23と風呂水投入部25とで自動投入部21を挟むように配し、蛇口接続部151を除いた給水部15を手動投入部23の下側に配してもよい。
(10)手動投入部23と注水部16とは管部(ホース239)で接続しているが、そのような接続をせずに手動投入部23から直接洗濯槽11に投入するようにしてもよい。この直接手動投入の形態の場合、注水部16内の手動投入経路164,1164,2164はなくすことができる。また、直接手動投入の形態において手動投入部23は、前側に配されてもよい(但し、手動投入部23の排出口164b,1166a,2166aが洗濯槽11の上方に位置するため、洗濯槽11側への張り出しが大きくなる)。
(11)自動投入部21は、上カバー部181の後側であって左右方向の中間部位に配されているが、前後方向の後側にあればよく、左右方向の一方側、中央側、他方側に配されてもよい。同様に、タンク27は、上カバー部181の後側であって左右方向の中間部位に配されているが、前後方向の後側にあればよく、左右方向の一方側、中央側、他方側に配されてもよい。
【0049】
(12)注水部16は、上形成体161と下形成体162との2部材により構成されていたが、3以上の部材により構成されてもよく、例えば、上形成体161に相当する部材として、各経路163,164,165に対応した部材を下形成体162に取り付けるようにしてもよいし、下形成体162に相当する部材として、各経路163,164,165に対応した部材を上形成体161に取り付けるようにしてもよい。
(13)注水部16は、上形成体161と下形成体162とを備えていたが、他の部材に兼用してもよい。第1例として、上形成体161における上側突出部161b,161c,161dをタンク収容部35の下収容体37に設けてもよい。第2例として、下形成体162の下側突出部162b,162c,162dを支持フレーム31に設けてもよい。
(14)注水部16は、自動投入経路163の第1経路163bを後側に、手動投入経路164の第1経路164cを前側にそれぞれ有していたが、前後逆であってもよい。但し、自動投入経路163に投入する洗濯処理剤の種類(タンク数)を考慮すると、後側に自動投入経路163を有する方が、経路を長くできる点で好ましい。
【0050】
(15)注水部16は、風呂水投入経路165を、自動投入経路163の第2経路163dに接続するように有しているが、手動投入経路164に接続するようにしてもよいし、風呂水投入経路165は洗濯槽11に風呂水を直接排出するための排出口を有することで注水部16とは独立して存在することにより実施してもよい。この場合、注水部16の風呂水投入経路165はなくすことができる。
(16)注水部1016,2016は、自動投入経路1163,2163、手動投入経路1164,2164、風呂水投入経路1165,2165、合流経路1166,2166を有していたが、少なくとも、自動投入経路1163,2163と手動投入経路1164,2164と合流経路1166,2166を有していればよい。
注水部1016は、第3排出口1166aをタンク27の並び方向に複数個有していたが、並び方向に長い長孔を1個又は複数個有してもよい。
(17)複数のタンク27は、左右方向(並び方向)に隣接して並んでいるが、左右方向に離間して並んでもよいし、左右方向の2領域に分けて並ぶように配されてもよい。
【0051】
<<発明>>
上記の実施形態及び変形例には、以下の複数の発明が少なくとも含まれている。
以下の複数の発明のそれぞれは、他の発明の発明特定事項や実施形態の構成に拘束されない。
【0052】
<発明1>
1.先行技術
特開2017-74080号公報には、ドラム式の洗濯機においては、手動用の洗剤収容ケースに加えて、洗剤や柔軟仕上剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に、ポンプの駆動により必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入装置を設けることが提案されている。
2.発明1が解決しようとする課題
上記の洗濯機では、自動投入装置を縦型洗濯機に設ける場合、ドラム式洗濯機よりも狭い空間に組込まなければならないといった問題がある。
発明1は、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【0053】
3.発明1
(1)第1の縦型洗濯機
第1の縦型洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
1回分の洗濯処理剤が投入される手動投入部と、
を備え、
前記自動投入部は、前記上カバー部の前後方向の後側に位置し、
前記手動投入部は、前記上カバー部の前記タンクの並び方向のいずれか一方側、又は、前後方向における前側に存在する。
これにより、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能となる。
【0054】
(2)第2の縦型洗濯機
第2の縦型洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
1回分の洗濯処理剤が投入される手動投入部と、
を備え、
前記自動投入部は、前記上カバー部の前後方向の後側に位置し、
前記手動投入部は、前記複数のタンクよりタンクの並び方向の外側であって、前記並び方向の端に位置するタンクと前記並び方向に並ぶように存在する、
縦型洗濯機である。
これにより、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能となる。また、自動投入部と手動投入部とがタンクの並び方向に大きくなるのを抑制できる。
ここでいう「タンクと並び方向に並ぶ」とは、並び方向から見たときに、手動投入部とタンクとが少なくとも一部で重なることをいう。
【0055】
(3)第3の縦型洗濯機
第3の縦型洗濯機は、第1又は第2の縦型洗濯機において、
自動投入経路と手動投入経路とを有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンク内の洗濯処理剤を、前記自動投入経路から前記洗濯槽に投入し、
前記手動投入部は、前記自動投入経路とは異なる経路である前記手動投入経路から洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する。
これにより、自動投入経路と手動投入経路とが別経路となり、各投入経路を流れる水に勢いがあり、投入経路内の残水対策となる。
【0056】
(4)第4の縦型洗濯機
第4の縦型洗濯機は、第1~第3の縦型洗濯機において、
前記自動投入部は、前記複数のタンクそれぞれについて、前記タンク内の洗濯処理剤を投入する自動投入手段を有し、
前記複数の自動投入手段は、前記タンクの並び方向に沿って並ぶ。
これにより、自動投入手段を複数のタンクの近くに配することができる。
【0057】
(5)第5の縦型洗濯機
第5の縦型洗濯機は、第3の縦型洗濯機において、
前記自動投入経路は、給水による水が流入する第1入口を有し且つ前記タンクの並び方向に沿って延伸する第1経路と、前記第1経路と連通する第2経路であって前記洗濯槽に洗濯処理剤を排出するための第1排出口を有する第2経路とを有し、
前記第1排出口は、前記第1入口と比べて前記並び方向に沿った他方側に位置し、
前記手動投入経路は、洗濯処理剤が流入する第2入口を有し、前記洗濯槽に洗濯処理剤を排出するための第2排出口を前記第2入口と比べて前記並び方向に沿った他方側に有し、
前記第1排出口は、前記第2排出口と比べて前記並び方向に沿った他方側に存在する。
これにより、第1排出口と第2排出口とが並び方向に配され、注水部の前後方向が大きくなるのを抑制できる。
【0058】
(6)第6の縦型洗濯機
第6の縦型洗濯機は、第3の縦型洗濯機において、
前記注水部は、風呂水が流れる風呂水投入経路を有し、
前記自動投入経路は、前記並び方向に沿って延伸する第1経路を有し、
前記風呂水投入経路の入口は、前記第1経路と比べて、前記並び方向に沿った他方側に位置する。
これにより、複数の投入経路が複雑な経路にならず、複数のタンクの並び方向と直交する方向の寸法が大きくなるのを抑制できる。
【0059】
(7)第7の縦型洗濯機
第7の縦型洗濯機は、第1又は第2の縦型洗濯機において、
自動投入経路、手動投入経路及び合流経路を有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンク内の洗濯処理剤を前記自動投入経路及び前記合流経路を通って前記洗濯槽に投入し、
前記手動投入部は、前記自動投入経路とは異なる経路である前記手動投入経路と前記合流経路とを通って洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入し、
前記合流経路は、前記自動投入経路と前記手動投入経路とが合流する経路である。
これにより、経路を共通化でき、投入経路が複雑となるのを防止できる。
【0060】
(8)第8の縦型洗濯機
第8の縦型洗濯機は、第7の縦型洗濯機において、
前記自動投入経路は、給水による水が流入する第1入口を有し且つ前記タンクの並び方向に沿って延伸する第1経路を有し、
前記手動投入経路は、洗濯処理剤が流入する第2入口を有し、
前記合流経路は、前記洗濯槽に洗濯処理剤を排出するための第3排出口を有し、
前記第3の排出口は、前記第1入口及び前記第2入口の少なくとも一方と比べて前記並び方向に沿った他方側に存在する。
これにより、複数のタンクの並び方向と直交する方向の寸法が大きくなるのを抑制できる。
(9)第9の縦型洗濯機
第9の縦型洗濯機は、第3、第5~第8の縦型洗濯機において、
前記注水部は、前記自動投入部の下側に存在する。
【0061】
<発明2>
1.先行技術
特開2017-74080号公報には、ドラム式の洗濯機においては、手動用の洗剤収容ケースに加えて、洗剤や柔軟仕上剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に、ポンプの駆動により必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入装置を設けることが提案されている。
2.発明2が解決しようとする課題
上記の洗濯機では、自動投入装置を縦型洗濯機に設ける場合、ドラム式洗濯機よりも狭い空間に組込まなければならないといった問題がある。
発明2は、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【0062】
3.発明2
(1)第1の縦型洗濯機
第1の縦型洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
1回分の洗濯処理剤が投入される手動投入部と、
前記洗濯槽に給水する給水部と、
風呂水を吸水し、前記洗濯槽に投入する風呂水投入部と、
を備え、
前記給水部と前記風呂水投入部との間に前記自動投入部が存在する。
これにより、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能となる。
【0063】
(2)第2の縦型洗濯機
第2の縦型洗濯機は、第1の縦型洗濯機において、
前記給水部の前側に前記手動投入部が位置する。
これにより、自動投入部の横側のスペースを有効に利用できる。
(3)第3の縦型洗濯機
第3の縦型洗濯機は、第1又は第2の縦型洗濯機において、
自動投入経路と、風呂水が流れる風呂水投入経路とを有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンク内の洗濯処理剤を、前記自動投入経路を通って前記洗濯槽に投入し、
前記自動投入経路は、前記タンクの並び方向に沿って延伸する第1経路を有し、
前記自動投入部を基準に、前記給水部に向かう方向が前記並び方向の一方とし、前記風呂水投入部に向かう方向が前記並び方向の他方とした場合、前記風呂水投入経路の入口は、前記第1経路と比べて、前記並び方向に沿った他方側に位置する。
これにより、複数の投入経路が複雑な経路にならず、複数のタンクの並び方向と直交する方向の寸法が大きくなるのを抑制できる。
(4)第4の縦型洗濯機
第4の縦型洗濯機は、第1又は第2の縦型洗濯機において、
自動投入経路と、風呂水が流れる風呂水投入経路とを有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンク内の洗濯処理剤を、前記自動投入経路を通って前記洗濯槽に投入し、
前記注水部は、前記自動投入部の下側に存在する。
これにより、自動投入部と注水部とを近づけることができる。また、自動投入部と注水部とを直接接続することも可能となる。
【0064】
<発明3>
1.先行技術
特開2017-74080号公報には、ドラム式の洗濯機においては、手動用の洗剤収容ケースに加えて、洗剤や柔軟仕上剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に、ポンプの駆動により必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入装置を設けることが提案されている。
2.発明3が解決しようとする課題
上記の洗濯機では、自動投入装置を縦型洗濯機に設ける場合、ドラム式洗濯機よりも狭い空間に組込まなければならないといった問題がある。
発明3は、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【0065】
3.発明3
(1)第1の縦型洗濯機
第1の縦型洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
1回分の洗濯処理剤が投入される手動投入部と、
前記自動投入部と連通する自動投入経路と、前記手動投入部と連通する手動投入経路とを有する注水部と、
を備え、
前記手動投入部と前記注水部とは管部によって接続される。
これにより、手動投入部から直接洗濯槽に投入する場合、手動投入部が洗濯槽の上方に張り出してしまうが、手動投入部から注水部へと投入するため、手動投入部の張り出しを抑制でき、小スペースにも配置可能となる。
【0066】
(2)第2の縦型洗濯機
第2の縦型洗濯機は、第1の縦型洗濯機において、
前記上カバー部の後側に前記手動投入部が位置する。
これにより、上カバー部の前側が簡素化され、洗濯物の出し入れが容易にできる。
【0067】
(3)第3の縦型洗濯機
第3の縦型洗濯機は、第1又は第2の縦型洗濯機において、
前記手動投入部は、前記注水部より上側に、洗濯処理剤が投入される手動投入用ケースを有する。
これにより、高低差によって水が流れやすくでき、手動投入用ケース内に水が残るのを防止できる。
(4)第4の縦型洗濯機
第4の縦型洗濯機は、第1~3の縦型洗濯機において、
前記注水部は、前記自動投入部の下側に存在する。
これにより、自動投入部と注水部とを近づけることができる。また、自動投入部と注水部とを直接接続することも可能となる。
【0068】
<発明4>
1.先行技術
特開2017-74080号公報には、ドラム式の洗濯機においては、手動用の洗剤収容ケースに加えて、洗剤や柔軟仕上剤などの洗濯処理剤をタンク内に予め複数回分貯留しておき、洗濯運転中に、ポンプの駆動により必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する自動投入装置を設けることが提案されている。
2.発明4が解決しようとする課題
上記の洗濯機では、自動投入装置を縦型洗濯機に設ける場合、ドラム式洗濯機よりも狭い空間に組込まなければならないといった問題がある。
発明4は、限られたスペースであっても自動投入部を設けることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【0069】
3.発明4
(1)第1の縦型洗濯機
第1の縦型洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽を収容する本体部と、
前記本体部の上側に設けられる上カバー部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
を備え、
前記複数のタンクの下側に前記自動投入部が存在する。
これにより、自動投入部の前後方向の寸法を小さくでき、小スペースでも配置可能となる。
なお、発明4は、自動投入部及びタンクに着目した発明であり、手動投入部が存在しない構成を含んでいてもよい。
【0070】
(2)第2の縦型洗濯機
第2の縦型洗濯機は、第1の縦型洗濯機において、
前記自動投入部と連通する自動投入経路を有する注水部を前記複数のタンクの下側に備える。
これにより、注水部の前後方向及びタンクの並ぶ方向の寸法を小さくできる。
【0071】
(3)第3の縦型洗濯機
第3の縦型洗濯機は、第1の縦型洗濯機において、
前記自動投入部と連通する自動投入経路を有する注水部を備え、
前記自動投入部は、前記タンクと前記注水部の間に存在する。
これにより、自動投入部の上下方向の寸法を小さくできる。
(4)第4の縦型洗濯機
第4の縦型洗濯機は、第1~第3の縦型洗濯機において、
前記複数のタンクそれぞれは、前側に位置する前底面部よりも後側に位置する後底面部の方が底面の高さが高く、
前記自動投入部は、前記複数のタンクそれぞれについて、前記タンク内の洗濯処理剤を投入する自動投入手段を有し、
前記自動投入手段は、対応する前記タンクの前記後底面部の下側に位置する。
これにより、自動投入手段をコンパクトに設けることができる。
【0072】
<発明5>
1.先行技術
特開2020-80920号公報には、「水槽と、外部の水源に接続されて外部の水源からの水を水槽に給水する給水経路と、給水経路を開閉する給水弁と、複数回分の洗濯処理剤を貯留可能な処理剤タンクと、処理剤タンクと給水経路とを接続し処理剤タンク内の洗濯処理剤を給水経路に注入するための処理剤注入経路と、を有し、処理剤タンク内に貯留された洗濯処理剤のうち所定量を処理剤注入経路から給水経路を介して水槽内に投入することができる自動投入装置と、を備える。給水経路は、給水弁を閉じた場合に水が残留する水残留部を有する。処理剤注入経路の出口となる注入口は、水残留部に設けられている」洗濯機が提案されている。
この構成により、洗濯処理剤を自動で投入する機能を備えたものにおいて、注入口周辺に残された処理剤が乾燥し、固化して詰まるのを抑制できる。
2.発明5が解決しようとする課題
上記の洗濯機では、水残留部と連通する注入口から処理剤注入経路へ水が常に浸入した状態となるため、カビ等、微生物の温床となる虞がある(衛生上問題がある)。
発明5は、自動投入部から洗濯処理剤が吐出される部分の衛生面を向上させることが可能な縦型洗濯機を実現することである。
【0073】
3.発明5
(1)第1の洗濯機
第1の洗濯機は、
水槽と前記水槽内に回転可能に設けられる回転槽とを含む洗濯槽と、
前記洗濯槽に給水する給水部と、
複数のタンクに収容された洗濯処理剤を自動投入経路を経て前記洗濯槽に投入する自動投入部と、
前記自動投入経路と、上下方向に向けて開口され、前記自動投入経路に洗濯処理剤を排出するための複数の入口とを有する注水部と、
を備え、
前記自動投入経路に給水されることで、前記複数の入口の少なくとも1つに水が到達する。
これにより、入口の周辺の衛生面を向上できる。
【0074】
(2)第2の洗濯機
第2の洗濯機は、第1の洗濯機において、
前記自動投入部は、
前記複数の入口それぞれについて、前記入口と対向し、前記入口に向けて洗濯処理剤を吐出する吐出口と、
前記入口と、前記入口と対向する前記吐出口との間で構成された複数の空間部とを有し、
前記自動投入経路に給水されることで、前記複数の空間部の少なくとも1つに水が進入する。
これにより、入口の周辺の衛生面を向上できる。
【0075】
(3)第3の洗濯機
第3の洗濯機は、第1又は第2の洗濯機において、
前記自動投入経路は、前記複数のタンクの並び方向に沿って延びる第1経路を含み、前記複数の入口は前記並び方向に沿って並び、
前記第1経路の上下方向の幅は、上流側から下流側に向けて大きくなる。
これにより、第1経路内を水が流れやすくできる。
【0076】
<その他>
発明1では自動投入部を上カバー部の後側に備えている。
発明2では、風呂水投入部を備え、給水部と風呂水投入部との間に自動投入部が存在している。
発明3では、手動投入部と注水部とが管部により接続されている。
発明4では、複数のタンクの下側に自動投入部が存在する。
発明5では、自動投入部から注水部へ入口を介して洗濯処理剤を投入する。
各発明は、上記の発明特定事項に着目するものであり、他の発明の発明特定事項を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、発明1~5以外の明細書に記載の発明に対しても同様である。
【符号の説明】
【0077】
1 洗濯機
11 洗濯槽
15 給水部
16 注水部
21 自動投入部
23 手動投入部
25 風呂水投入部
27 タンク
28 自動投入手段
35 タンク収容部
180 本体部
181 上カバー部