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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127810
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】医療デバイスおよび再処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240912BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20240912BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20240912BHJP
   A61B 17/42 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B1/307
A61B1/018 515
A61B17/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028635
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】63/488,859
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケスター ジュリアン バチェラー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エー. ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】テオドール シー. ブラス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーイ マグノ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイク テッラヴェッキア
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ディー. ホルトン
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160HH20
4C160KK04
4C160KK12
4C160KK16
4C160KK54
4C161AA16
4C161CC06
4C161FF43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な外科的処置に使用され、特に女性患者の生殖器系を治療するために使用され得る、外科手術用デバイスを提供する。
【解決手段】医療デバイスは、細長い外側部材と、細長い外側部材内の細長い内側部材とを含むことができる。細長い外側部材は、第1のルーメンを画定し、第1のルーメンと流体連通する側方吸引ポートを含む。細長い内側部材は、細長い外側部材に対して回転可能であり、第2のルーメンを画定する。第2のルーメンは、細長い内側部材の遠位端に、第2のルーメンへの流体の通過を可能にするための開口部を含む。細長い内側部材は、第1の側方通路を有し、第1の側方通路は、側方吸引ポートと部分的に位置合わせするように回転可能であって、側方吸引ポートと第2のルーメンとの間の吸引または他の流体連通を提供または制御する。医療デバイスはまた、内側部材の遠位端に電極を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、前記外側部材が、前記外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、前記細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、前記側方吸引ポートが、前記外側ルーメンと流体連通しており、前記内側部材が、前記内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、
前記内側部材が、前記内側ルーメンと流体連通する前記内側部材の遠位端部上の第1の通路と、前記外側部材の前記側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、前記側方吸引ポートと前記内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを備える、細長い内側部材と、
前記内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、
を備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の通路は、前記内側部材の遠位端における前部開口部と、前記第2のルーメンと流体連通する前記遠位端部における前記内側部材の側壁上の側部開口部とを備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
細長い外側部材と、前記細長い外側部材の遠位端におけるカメラとをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記内側部材の前記遠位端に位置する位置合わせマーカをさらに備え、前記位置合わせマーカは、前記第2の通路と位置合わせ可能であり、前記カメラの視野内に位置決め可能である、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記内側部材は、後退位置と伸長位置との間で前記外側部材に対して摺動可能である、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記内側部材の前記遠位端に位置する位置合わせマーカをさらに備え、前記位置合わせマーカは、前記第2の通路と位置合わせ可能であり、前記カメラの視野内に位置決め可能である、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記外側部材の内面と前記内側部材の外面との間に位置する作業チャネルをさらに備え、前記作業チャネルは、前記側方吸引ポートと流体連通している、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第2の通路は、前記第1の通路よりも近位に配置され、前記第1の通路と前記第2の通路との間の長さは、前記外側部材の遠位端と前記側方吸引ポートとの間の長さよりも長い、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記エンドエフェクタは、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記内側部材を前記エンドエフェクタから分離するように前記内側部材に結合されたセラミック絶縁体をさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記エンドエフェクタは、前記セラミック絶縁体上に位置し、前記エンドエフェクタは、前記エンドエフェクタを通って、前記内側部材によって画定された前記内側ルーメンへの流体流入を可能にする流体流入ポートを含み、前記セラミック絶縁体は、前記内側部材内の前記内側ルーメンと流体連通するセラミック絶縁体開口部を画定する、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記電極は、前記セラミック絶縁体開口部にわたって広がるグリルを含む、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記セラミック絶縁体は、前記内側部材によって画定された前記内側ルーメンと流体連通する流入ポートを含む、請求項11に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記外側部材の内面と前記内側部材の外面との間に位置する作業チャネルをさらに備え、前記作業チャネルは、前記側方吸引ポートと流体連通している、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記エンドエフェクタは、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記第2の通路よりも近位に配置されたシールをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項17】
前記内側部材の外面と前記外側部材の内面との間に配置され、前記第2の通路よりも近位に配置されたシールをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項18】
手術用器具を処理するための方法であって、前記方法は、
請求項1に記載の医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、
を含む、方法。
【請求項19】
細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、前記外側部材が、前記外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、前記細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、前記側方吸引ポートが、前記外側ルーメンと流体連通しており、前記内側部材が、前記内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、
前記内側部材が、前記内側ルーメンと流体連通する前記内側部材の遠位端部上の第1の通路と、前記外側部材の前記側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、前記側方吸引ポートと前記内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを備える、細長い内側部材と、
前記外側ルーメンの内面と前記内側ルーメンの外面との間に配置された作業チャネルであって、前記吸引ポートと流体連通する作業チャネルと、
を備える、医療デバイス。
【請求項20】
手術用器具を処理するための方法であって、前記方法は、
請求項19に記載の医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、限定ではないが、様々な外科的処置に使用され得る、外科手術用デバイスに関する。より具体的には、限定ではないが、本出願は、女性患者の生殖器系を治療するために使用され得る、外科手術用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
子宮の内膜で腫瘍が生じることがあり、これは、処置されないままである場合、不快感を引き起こすことがあり、月経および受精能に支障をきたすことがある。腫瘍には、ポリープおよび筋腫が含まれ得る。子宮ポリープは、子宮の内膜に形成され得る腫瘍である。子宮ポリープは、典型的には、子宮内膜組織の異常増殖が生じるときに形成される。ポリープは、子宮内膜に付着し、次いで子宮内に広がり得る。
【0003】
子宮筋腫は、子宮の壁に発生し得る非癌性腫瘍である。異なるタイプの子宮筋腫には、筋層内、粘膜下、漿膜下、および有茎性が含まれる。筋層内子宮筋腫は、子宮の筋肉壁内に発生し、大量出血を引き起こすことがある。粘膜下子宮筋腫は、子宮腔の内側に発生することがあり、または子宮腔に隣接することがある。粘膜下子宮筋腫はまた、大量出血を引き起こすことがある。漿膜下子宮筋腫は、子宮の外壁に発生することがあり、典型的には、バルク症状または圧迫症状を引き起こすことがある。有茎性子宮筋腫は、肉茎と呼ばれる茎状の腫瘍によって子宮壁に付着することがある。
【0004】
患者が粘膜下子宮筋腫を有する場合、子宮鏡下手術を使用して子宮の内側を検査し、子宮鏡下切除術によって子宮筋腫を除去することができる。子宮鏡は、膣を通って、かつ子宮頸部の自然開口部を通って挿入することができる。典型的には、子宮鏡の直径により、子宮頸部が拡張されなければならず、これは、痛みを伴い、患者が全身麻酔を受けることを必要とし得る。その結果、手術室が必要になり、拡張による回復期間が長くなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、必要とされるのは、子宮頸部のより少ない拡張およびより少ない麻酔を可能にする、直径がより小さい子宮鏡である。この問題は、外側部材の長手方向軸に沿って外側ルーメンを画定する外側部材を有する子宮鏡を提供することによって対処することができる。内側部材は、外側ルーメン内に部分的に配置することができる。外側部材は、外側ルーメンと流体連通することができる側方吸引ポートを有する。外側部材内で回転することができる内側部材は、内側部材の長手方向軸に沿って内側ルーメンを画定することができる。
【0007】
内側部材はまた、吸引ポートと位置合わせして回転することができる第1の側方通路を有することができる。したがって、内側部材内の流体およびデブリは、側方通路を介して吸引ポート内に出ることができる。内側部材が外側ルーメンに対して回転可能であるため、内側部材は、第1の側方通路が吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせされるように、吸引ポートとの第1の側方通路の位置合わせを調整するように回転することができる。位置合わせの程度は、第1の側方通路を通過する吸引の量を確立または調整するために使用され得る。より具体的には、内側部材は、標的部位における吸引の量を調整するように回転させることができる。
【0008】
内側部材は、内側部材の遠位端に位置する第2の側方通路を有することができる。第2の側方通路は、内側部材の内側ルーメンへの開口部を提供することができる。第2の側方通路は、内側ルーメンの遠位端の開口部と内側ルーメンの閉鎖端との間に延在することができる。内部空洞は、第2の側方通路において内側ルーメンに入る流体およびデブリが第1の側方通路において内側ルーメンを出て側方吸引ポート内に入ることができるように、スロットと流体連通することができる。したがって、デブリを除去するための二次的な器具使用の必要性を低減または排除することができる。
【0009】
内側部材はまた、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを有することができる。位置合わせマーカは、第1の側方通路と位置合わせすることができ、位置合わせマーカの位置は、第1の側方通路の位置と相関する。位置合わせマーカが第1の位置にあるとき、これは、第1の側方通路が第1の位置にあり、側方吸引ポートと位置合わせされていることと相関することができる。位置合わせマーカが第2の位置にあるとき、これは、第1の側方通路が第2の位置にあり、側方吸引ポートと位置ずれしていることと相関することができる。
【0010】
さらに、内側部材は、内側部材開口部とボタン先端部との間に延在する、内側部材開口部に配置された電極を含むことができる。電極は、標的部位において組織を切除するために使用され得る、螺旋状部分を含むことができる。電極の螺旋状部分は、流体が、離間した螺旋状部分の間を移動し、内側部材の遠位端における内側部材開口部に入ることを可能にするように、互いに離間することができる。内側部材開口部は、内側部材開口部に入る流体が、第1の側方通路において内側ルーメンを介して内側部材を出て、吸引ポート内に入ることができるように、内側ルーメンと流体連通することができる。
【0011】
潜在的な利点は、子宮鏡を使用する内視鏡のカメラを介して見ることができる位置合わせマーカを用いて子宮鏡の第1の側方通路の位置を制御することによって吸引を制御する能力を含むことができる。
【0012】
別の潜在的な利点は、電極効率を提供または最適化しながら、吸引を可能にすることができる。
【0013】
さらなる潜在的な利点は、子宮鏡を用いて標的部位で生じる吸引の量の調整を可能にすることによって、ユーザが標的部位の明瞭な視野を維持することを可能にすることに関する。
【0014】
別の潜在的な利点として、本子宮鏡は、第2の側方通路を介してデブリを子宮鏡内に引き込むことができるため、標的部位からデブリを除去するための追加の器具の必要性をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】子宮鏡の部分の一例を示す図である。
【0016】
図2図1の子宮鏡の内側部材の一例を示す図である。
【0017】
図3図1の内側部材の第2の側方通路の一例を示す図である。
【0018】
図4図1の子宮鏡の電極の一例を示す図である。
【0019】
図5図1の子宮鏡の外側部材の上面図の一例を示す図である。
【0020】
図6図2に示す位置とは異なる位置における図2の内側部材の一例を示す図である。
【0021】
図7図1の子宮鏡の外側部材の上面図の別の例を示す図である。
【0022】
図8】伸長位置における図4の電極の一例を示す図である。
図9】後退位置における図4の電極の一例を示す図である。
【0023】
図10図1の内側部材の第2の側方通路の代替例を示す図である。
【0024】
図11図1の子宮鏡とともに使用することができる電極の代替例である。
図12図1の子宮鏡とともに使用することができる電極の代替例である。
【0025】
図13図1の子宮鏡の再処理方法を示すフローチャートである。
【0026】
図14】近位通路を側方吸引ポートと位置合わせする追加の方法を示す図である。
図15】近位通路を側方吸引ポートと位置合わせする追加の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
子宮鏡は、外側部材の長手方向軸に沿って外側ルーメンを画定する外側部材を有することができる。内側部材は、外側ルーメン内に少なくとも部分的に配置することができる。外側部材は、外側ルーメンと流体連通することができる吸引ポートを有することができる。内側部材は、外側部材内で回転するように構成することができる。内側部材は、内側部材の長手方向軸に沿って内側ルーメンを画定する。内側部材はまた、吸引ポートと位置合わせして回転することができる第1の側方通路を有することができる。したがって、内側部材内の流体およびデブリは、側方通路を介して吸引ポート内に出ることができる。内側部材が外側ルーメンに対して回転可能であることによって、内側部材は、第1の側方通路が吸引ポートと少なくとも部分的と位置合わせされるように、吸引ポートとの第1の側方通路の位置合わせを調整するために回転することができる。
【0028】
図1は、剛性または可撓性子宮鏡100の部分の一例を示す。子宮鏡100は、ハウジング102を含むことができ、これは子宮鏡100の様々な構成要素を受け入れるように構成することができる。このような構成要素の例としては、内視鏡、光源、流入チャネル、および流出チャネルを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0029】
細長い外側部材104は、ハウジング102から延在することができる。外側部材104は、吸引源接続部108を有する側方吸引ポート106を含むことができる。吸引源接続部108は、側方吸引ポート106と、側方吸引ポート106から流体を排出することができる吸引源との流体結合を容易にすることができる。したがって、標的部位から除去された物質などの流体およびデブリは、側方吸引ポート106を介して標的部位および子宮鏡100から除去することができる。特に、流体およびデブリは、側方吸引ポート106から吸引ポートネック108に沿って吸引源まで移動することができる。
【0030】
子宮鏡100はまた、ハンドル112を含むことができる。ハンドル112は、図2に示すように、細長い内側部材200を制御するために使用することができる。内側部材200は、外側部材104内に配置され、方向Xまたは方向Yに沿って外側部材104に対して回転可能であり得る。内側部材200は、近位端200Aで閉鎖され、遠位端200Bで開放され得る。内側部材200は、閉塞部202を含むことができ、これは内側部材200内に、かつ長手方向軸205に沿って画定された内側ルーメン204を閉鎖することができる。閉塞部202は、スポンジ、シール、ストッパ、壁などであり得る。内側ルーメン204は、内側部材200内の近位通路206を介して側方吸引ポート106と流体連通することができる。近位通路206は、内側ルーメン204に入る流体Fおよびデブリ208の通路が内側ルーメン204から出て側方吸引ポート106に入ることを可能にする、内側ルーメン204内の開口部であり得る。
【0031】
近位通路206は、異なる位置にあり得る。第1の位置では、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と少なくとも部分的に位置合わせされるように、吸引部分106と位置合わせする。第2の位置では、近位通路206は、側方吸引ポート106と部分的に位置合わせすることができる。内側ルーメン204が閉塞部202によって閉鎖されることによって、側方吸引ポート106を介して吸引を適用すると、内側ルーメン204内の流体Fおよびデブリ208は、内部ルーメン204から側方吸引ポート106内に引き込まれ得る。
【0032】
流体Fおよびデブリ208は、内側ルーメン遠位端200Bにおいて内側ルーメン204内に入ることができる。内側部材200は、流体Fおよびデブリ208が標的部位から内側ルーメン204内に入ることができる内側ルーメン204への開口部を提供する遠位部分通路210を含むことができる。遠位部分開口部210は、内側ルーメン204と流体連通することができる。したがって、流体Fおよびデブリ208が標的部位から遠位部分開口部210に入ると、流体Fおよびデブリ208は、図2に示すように、内側ルーメン204内に入ることができる。遠位部分開口部210は、標的部位からデブリ208を除去するために、把持具またはバスケットなどの二次器具を使用する必要性を低減または排除するのに役立ち得る。
【0033】
図3は、約2ミリメートル~約7ミリメートルの範囲の長さLを有することができる、遠位部分開口部210を示す。さらに、遠位部分開口部210は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲の幅Wを有することができる。遠位部分開口部210に加えて、内側部材200は、図3に示すように、内側部材端部遠位端200Bにおける内側部材面302に開口部300を含むことができる。遠位端通路300は、内側部材遠位端200Bに位置することができる。遠位部分通路210に加えて、流体Fは、遠位端通路300を通って内側ルーメン204に入ることができる。内側部材200は、遠位部分開口部210および遠位端通路300の両方を有するものとして示されているが、代替例では、内側部材は、遠位端通路300を有さずに遠位部分開口部210のみを有することができる。加えて、代替例では、内側部材は、遠位部分通路210を有さずに遠位端通路300のみを有することができる。加えて、遠位部分開口部210と遠位端通路300との組み合わせは、内側ルーメン204に対する単一の開口部と見なすことができる。さらに、図2を参照して示すように、遠位端通路300と側方吸引ポート106との間の長さL1は、側方吸引ポート106と外側部材104の遠位端との間の長さL2よりも大きい。
【0034】
図2では、子宮鏡100はまた、内側部材遠位端200Bにエンドエフェクタ212を含むことができる。エンドエフェクタ212は、電極であり得、内側部材面302とボタン先端部214との間に延在することができる。電極に加えて、エンドエフェクタは、標的部位から組織を除去することが可能な任意のタイプの器具であり得る。図2の例では、エンドエフェクタ212は、螺旋状電極であり得る。エンドエフェクタ212は、子宮などの標的部位からポリープおよび子宮筋腫などの組織を切除するために使用することができる。エンドエフェクタ212は、組織の針状切開を行うことができ、または組織を蒸発させるために使用することができる。蒸発中、エンドエフェクタ212に印加されるエネルギーが制御され得る。エンドエフェクタ212によって標的部位に印加される、結果として生じるエネルギーは、蒸気ポケットまたは蒸気泡を生成することができる。蒸気ポケットまたは蒸気泡が、ポリープまたは子宮筋腫などの組織に接触すると、細胞破裂による止血が起こり得る。乾燥中、エンドエフェクタ212からの双極エネルギーは、ポリープまたは子宮筋腫などの組織に流れ、それによって細胞を脱水し、止血を引き起こすことができる。螺旋状電極が示されているが、エンドエフェクタ212は、ばね電極、バイポーラループ電極、ツイズル電極、ワイヤグリル電極(図11)、または組織切除が可能な任意の他の器具のうちの1つもしくは複数を追加的にまたは代替的に含むことができる。
【0035】
閉塞部202に加えて、子宮鏡100は、シール216を含むことができる。シール216は、内側部材200の外面220と外側部材104の内面222との間に形成された作業チャネル218を閉鎖することができる。作業チャネル218は、側方吸引ポート106と流体連通することができる。作業チャネル218がシール216によって閉鎖されているため、内側ルーメン204内から側方吸引ポート106内への流体Fおよびデブリ208の引き込みがさらに強化される。シール216は、方向XおよびYに沿った外側部材104に対する内側部材200の回転を可能にすることができる、内側部材外面220と外側部材内面222との間の任意のタイプの流体密封シールを含むことができる。シール216の例としては、ポリマーOリング、セラミックOリング、鋼Oリングなどが挙げられ得る。
【0036】
流体Fは、内側部材遠位端200Bにおいて遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に入ることができる。流体Fは、図4に示すように、電極212の螺旋状ループ400の間を移動することによって開口部内に入ることができる。螺旋状ループ400の一方は、内側部材面302と結合することができるが、螺旋状ループ400の他方は、ボタン先端部214と結合することができる。螺旋状ループ400の一方は、内側部材200内に配置された電気リード402と電気的に結合することができる。電気リード402は、内側部材200内に埋め込むことができる。あるいは、内側部材200は、内部に電気リード402が配置される通路を含むことができる。電気リード402は、制御された電源と電気的に通信し、螺旋状ループ400に電力を供給することができる。
【0037】
螺旋状ループ400は、距離Sだけ互いに分離され得る。空間Sは、約0.25ミリメートル~約0.75ミリメートルの範囲内であり得る。流体Fは、空間Sを通り、遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に移動することができる。流体Fが遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に移動すると、流体Fは、近位通路206および側方吸引ポート106を通って内側ルーメン204から出ることができる。螺旋状ループ400は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。
【0038】
螺旋状ループ400の周りの流体Fの流れは、いくつかの潜在的な利点を提供するのに役立ち得る。流体Fが螺旋状ループ400を越えて遠位端通路300内に流れるとき、流体Fは、手術中に螺旋状ループ400を冷却することができる。このような冷却は、電極212の効率を高めるのに役立ち得る。これは、より効率的な組織切除をもたらし、それによって、子宮鏡100を用いて処置を行うために必要な時間を短縮することができる。螺旋状ループ400の周りの流体Fの流れはまた、電極212の使用中に生成される気泡の量を低減させることもでき、そうでなければ、視野を妨害するかまたは閉塞し得る。
【0039】
上述のように、近位通路206は、近位通路206と側方吸引ポート106との位置合わせに関連するいくつかの位置を有することができる。第1の位置では、図2および図5に示すように、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置合わせすることができる。参照を容易にするために、吸引ポート接続部108は示されていない。第1の位置では、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせされると、近位通路206は、スロット106のどの部分も閉塞されないように、側方吸引ポート106と位置合わせされる。したがって、近位通路206は、側方吸引ポート106と少なくとも部分的に位置合わせされる。
【0040】
図5では、内側部材200は、外側部材104によって画定され、かつ側方吸引ポート106と流体連通する、ルーメン500内に存在することができる。ルーメン500は、外側部材104とともに、長手方向軸502を画定することができる。内側部材200は、ルーメン500内に少なくとも部分的に配置することができる。
【0041】
第2の位置では、図6および図7に示すように、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置ずれしている。より具体的には、近位通路206の第1の部分600は、外側部材104によって閉塞される。したがって、第1の側方通路の第2の部分700のみが、側方吸引ポート106に対して閉塞されない。近位通路206は、側方吸引ポート106よりも小さいものとして示されているが、近位通路206は、側方吸引ポート106と同じ大きさであってもよく、または側方吸引ポート106よりも大きくてもよい。加えて、近位通路206の2つの位置が図5図7に示されているが、近位通路206は任意の数の位置を有することができる。さらに例示すると、近位通路206は、近位通路206のどの部分も側方吸引ポート106と位置合わせされないように位置決めすることができる。
【0042】
内側部材200は、第1の位置および第2の位置などの、側方吸引ポート106に対して異なる位置に近位通路206を移動させるために、方向Xまたは方向Yに沿って回転させることができる。上述したように、内側部材200は、ハンドル112と結合することができる。子宮鏡100のユーザは、ハンドル112を回転させ、それによって、外側部材104が静止したままである間に、方向Xまたは方向Yに沿って内側部材200を回転させることができる。内側部材200が回転すると、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせする第1の位置に配置することができる。さらに、内側部材200が回転すると、近位通路206もまた、近位通路206が側方吸引ポート106と位置ずれした第2の位置に近位通路206が移動するように回転することができる。側方吸引ポート106から近位通路206に送られる吸引の程度は、それらの間の位置ずれの程度を制御することなどによって制御することができる。
【0043】
近位通路206を第1の位置に移動させるのを助けるために、子宮鏡100は、図8を参照して示すように、内側部材200の遠位端200Bに位置する位置合わせマーカ800を含むことができる。位置合わせマーカ800は、近位通路206と位置合わせ可能であり得、近位通路206の位置に対応することができる。位置合わせマーカ800が図8に示す位置を有するとき、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせされる第1の位置にあり得る。さらに、位置合わせマーカ800が点線802で示される位置にあると、近位通路206は吸引ポート106と位置ずれし得る。
【0044】
子宮鏡100は、外側部材104の遠位端に視野806を有するカメラ804を含むことができる。カメラ804を使用して、子宮鏡100のユーザは、位置合わせマーカ800の位置が視野806内にあるときを見ることができる。これは、ユーザが、側方吸引ポート106に対する近位通路206の位置、例えば、近位通路206が、本明細書に記載される第1もしくは第2の位置のうちの1つ、または任意の他の位置にあるか否かを判定することに役立ち得る。視野806内で所望されるように位置合わせマーカ800を位置決めすることによって、ユーザは、位置合わせマーカ800を使用して標的部位における吸引の量を制御することができる。したがって、視野806が曇った場合、ユーザは、ハンドル112を回転させることによって吸引量を低減することができ、このハンドルは、最終的に、内側部材200および近位通路206を回転させて、側方吸引ポート106に対する近位通路206の位置ずれを生じさせるか、または増加させる。位置ずれが発生または増大すると、吸引率が低下する可能性がある。したがって、子宮鏡100の流出ポート808から標的部位に提供される潅注液は、視野806をクリアにするために使用することができる。
【0045】
図8では、子宮鏡100は伸長位置に示されている。この伸長位置では、内側部材200は、外側部材104の面810から延出する。内側部材200は、伸長位置と後退位置との間で外側部材104に対して摺動可能であり得る。ユーザが、子宮鏡100を患者の膣管および子宮頸部を通って移動させるなど、子宮鏡100を患者内に位置決めするとき、子宮鏡100は、後退位置を有することができる。この後退位置では、内側部材200は、図9に示すように、子宮鏡100内に後退させられる。後退位置では、内側部材200は、ボタン先端部214が外側ルーメン面810と同一平面になるように、外側部材104の内に後退させられる。したがって、子宮鏡100を患者内に位置決めする間に内側部材200が患者と接触する可能性が低減されるかまたは最小限に抑えられる。これは、内側部材200が患者に外傷を引き起こす可能性を最小限に抑えるのに役立ち得る。
【0046】
内側部材200は、任意のタイプの鋼、アルミニウムなどの金属から形成することができる。内側部材200は、セラミック絶縁体812を含むことができる。セラミック絶縁体812は、カラーの形状であり得る。セラミック絶縁体812は、エンドエフェクタ212を内側部材200から分離し、電気的に絶縁するのに役立ち得る。セラミック絶縁体812は、内側ルーメン遠位端200Bに位置することができる。セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と結合し、それによって内側部材200と結合することができる。セラミック絶縁体812は、内側ルーメン204と流体連通する流入ポート814を有することができる。流体Fは、子宮鏡下手術中にセラミック絶縁体流入ポート814を通って内側ルーメン204内に移動することができる。これは、子宮鏡100の吸引能力を増加させ、改善するのに役立ち得る。加えて、セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と流体連通することができる開口部(図11)を画定することができる。
【0047】
近位通路206は、内側ルーメン遠位端200Bに位置することができる。あるいは、子宮鏡100は、図10に示すように、内側ルーメン遠位端200Bから終端1002まで延在することができる、側方通路1000を含むことができる。側方通路1000は、内側部材遠位端200Bから、終端1002における側方吸引ポート106および近位通路206まで連続的に延在することができる。側方通路1000は、遠位部分通路210よりも大きくすることができる。
【0048】
図1図10では、エンドエフェクタ212は、螺旋状構成で示されている。しかし、子宮鏡100は、異なる構成を有する電極を含むことができる。図11は、内側部材200がグリル構成要素1100から形成されたグリルを含むことができる一例を示す。グリルは、子宮鏡100の電極として機能するなど、導電性であり得る。セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と流体連通することができる開口部1102を画定することができる。グリル構成要素1100は、図11に示すように、グリル構成要素1100によって形成されたグリルがセラミック絶縁体開口部1102にわたって広がることができるように、セラミック絶縁体開口部1102にわたって広がることができる。グリル構成要素1100は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。
【0049】
図11は、外側部材104内に後退することができ、標的部位において外側部材104から延在することができる、内側部材200を示す。流体Fは、螺旋状ループ400を参照して上述したものと同様に、グリル構成要素1100上を移動することができる。これは、電極212を参照して上記で詳述したように、グリル構成要素1100およびグリル構成要素1100によって形成されたグリルに同様の利点を提供することができる。図11に示す子宮鏡100はまた、位置合わせマーカ800およびカメラ804とともに、近位通路206(図示)または側方通路1000を含むことができる。
【0050】
エンドエフェクタ212およびグリル構成要素1100によって画定されたグリルに加えて、子宮鏡100はまた、図12に示すように、流入ポート1202を含む電極1200を有することができる。電極1200は、セラミック絶縁体812上に位置することができる。流入ポートは、電極1200を通って内側ルーメン204内への流体の流入を可能にすることができる。電極1200は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。電極1200は、子宮鏡100の使用中に標的部位から組織を切除するために使用することができる。図12の内側部材200は、上記で詳述したように、外側部材104内に後退し、また、上記で論じたように、標的部位において外側部材104から延在することができる。流体Fは、電極1200上を移動し、電極流入ポート1202内に移動することができる。電極1200上の流体Fの通過は、電極212を参照して上記で詳述したように、電極1200に利点を提供することができる。図12に示す子宮鏡100はまた、位置合わせマーカ800およびカメラ804とともに、近位通路206(図示)または側方通路1000を含むことができる。
【0051】
子宮鏡100は、1回の使用後に廃棄することができる。あるいは、子宮鏡100は、複数回繰り返して使用することができる。子宮鏡100を複数回繰り返して使用することができる場合、図13に示すように、子宮鏡100の再処理方法を示すフローチャートである方法1300を子宮鏡100に行うことができる。上述した子宮鏡100は、1回の使用後に廃棄されてもよく、または、複数回繰り返して使用されてもよい。複数回繰り返して使用される場合、図13の再処理方法が使用され得る。デバイスを再製造するオペレータは、治療のために使用された後に使用された子宮鏡100を回収することができ、1302において子宮鏡100を工場または他の施設に輸送することができる。使用された子宮鏡100は、他の治療からの汚染を防止するのに役立つように、専用の容器で輸送することができる。
【0052】
1304では、オペレータは、使用された子宮鏡100を洗浄および滅菌する。洗浄中、ブラシなどを使用して子宮鏡100の部分に付着した付着物を除去する。子宮鏡100には、血液、体液などに由来する病原微生物などを除去するために、イソプロパノール含有洗浄剤、タンパク質分解酵素洗剤、およびアルコールのいずれかの洗浄液を塗布することができる。洗浄剤は、上述した洗浄液に限定されず、他の洗浄剤を使用することができる。滅菌中、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌、過酸化水素滅菌、および過酸化水素低温滅菌を子宮鏡100に適用することができる。上述した構造を有する子宮鏡100により、子宮鏡100の洗浄が容易である。
【0053】
洗浄および滅菌の後、1306において、子宮鏡100の受け入れチェックを行うことができる。受け入れチェック中、子宮鏡100の検査を行って、子宮鏡100が何らかの重大な欠陥を有するかどうかを判定することができる。さらに、子宮鏡100が再処理された回数を判定することができる。子宮鏡100が再処理された回数を閾値と比較して、子宮鏡100が再処理された回数が閾値を超え、もはや使用すべきではないかどうかを判定することができる。
【0054】
次に、1308において、子宮鏡100を分解することができ、外側部材104、内側部材200、電極212および1200、またはグリル構成要素1100などの子宮鏡100の様々な構成要素が子宮鏡100から取り外される。外側部材104、内側部材200、電極212および1200、ならびにグリル構成要素1100のみが、除去されるものとして参照されるが、1308において、本明細書に記載される子宮鏡100の任意の部分を取り外すことができる。
【0055】
1308における分解の後、1310において、欠陥と見なされる子宮鏡100の任意の構成要素を交換することができる。さらに例示すると、エンドエフェクタ212が欠陥と見なされる場合、1310において、エンドエフェクタ212を交換することができる。エンドエフェクタ212は交換されるものとして言及されているが、1310において、本明細書に記載される子宮鏡100の任意の部分を交換することができる。
【0056】
1310において子宮鏡100の構成要素が交換された後、1312において、子宮鏡100を再組み立てすることができる。再組み立て中、子宮鏡100が交換部品を含むようにその元の状態から修正されたことを示すことができる識別子を追加することができる。識別子は、子宮鏡100を再処理、再生、または再製造されたものとして示す表示または任意の他のタイプの標識を含むことができる。
【0057】
次いで、1314において、子宮鏡100を検査および試験する。具体的には、ユーザは、様々な機能試験によって、新しく形成された子宮鏡100が元の製品と同じ有効性および安全性を有することを検証することができる。検査後、1316において、子宮鏡100を滅菌および保管することができる。子宮鏡100は、エチレンオキサイドガスまたはプロピレンオキサイドガスなどの滅菌ガスによって滅菌することができる。滅菌後、1316において子宮鏡100を保管し、その後、1318において出荷することができる。
【0058】
位置合わせマーカ800は、近位通路206を側方吸引ポート106と位置合わせするために使用されるものとして上述された。さらなる例では、図14に示すように、外側部材内面222は溝1400を含むことができ、内側部材外面220は突起1402を含むことができる。突起1402は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせするとき、溝1400内に静止することができる。突起1402は、突起1402が溝1400と位置合わせされると溝1400内に移動するように、ばね荷重され得る。さらに、図15に示すように、突起1402が溝1400内に配置されていないとき、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置ずれ状態であってもよい。
【0059】
本主題の様々な態様および特徴を記載してきたが、以下の番号を付した実施例は、例示的な実施形態として提供される。
【0060】
実施例1は、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った外側の第1のルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、外側ルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、内側部材が、内側ルーメンと流体連通する内側部材の遠位端部上の第1の通路と、第2の通路と、内側部材内の第1の側方通路開口部とを含み、開口部の第1の側方通路が、外側部材ルーメンの側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと第2の内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように回転可能、廃棄可能、構成可能である、細長い内側部材と、内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、を含む、医療デバイスである。
【0061】
実施例2では、実施例1に記載の主題は、第1の通路が、内側部材の遠位端における前部開口部と、第2のルーメンと流体連通する遠位端部における内側部材の側壁上の側部開口部とを含むことを含む。
【0062】
実施例3では、実施例1~2に記載の主題は、細長い外側部材と、細長い外側部材の遠位端におけるカメラとを含む。
【0063】
実施例4では、実施例3に記載の主題は、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを含み、位置合わせマーカは、第2の通路と位置合わせ可能であり、カメラの視野内に位置決め可能である。
【0064】
実施例5では、実施例3~4に記載の主題は、内側部材が、後退位置と伸長位置との間で外側部材に対して摺動可能であることを含む。
【0065】
実施例6では、実施例3~5に記載の主題は、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを含み、位置合わせマーカは、第2の通路と位置合わせ可能であり、カメラの視野内に位置決め可能である。
【0066】
実施例7では、実施例3~6に記載の主題は、外側部材の内面と内側部材の外面との間に位置する作業チャネルを含み、作業チャネルは、側方吸引ポートと流体連通している。
【0067】
実施例8では、実施例3~7に記載の主題は、第2の通路が、第1の通路よりも近位に配置され、第1の通路と第2の通路との間の長さが、外側部材の遠位端と側方吸引ポートとの間の長さよりも長いことを含む。
【0068】
実施例9では、実施例1~8に記載の主題は、エンドエフェクタが、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極であることを含む。
【0069】
実施例10では、実施例1~9に記載の主題は、内側部材をエンドエフェクタから分離するように内側部材に結合されたセラミック絶縁体を含む。
【0070】
実施例11では、実施例9~10に記載の主題は、エンドエフェクタが、セラミック絶縁体上に位置し、エンドエフェクタが、エンドエフェクタを通って、内側部材によって画定された内側ルーメンへの流体流入を可能にする流体流入ポートを含み、セラミック絶縁体が、内側部材内の内側ルーメンと流体連通するセラミック絶縁体開口部を画定することを含む。
【0071】
実施例12では、実施例11に記載の主題は、電極が、セラミック絶縁体開口部にわたって広がるグリルを含むことを含む。
【0072】
実施例13では、実施例11~12に記載の主題は、セラミック絶縁体が、内側部材によって画定された内側ルーメンと流体連通する流入ポートを含むことを含む。
【0073】
実施例14では、実施例1~13に記載の主題は、外側部材の内面と内側部材の外面との間に位置する作業チャネルを含み、作業チャネルは、側方吸引ポートと流体連通している。
【0074】
実施例15では、実施例1~14に記載の主題は、エンドエフェクタが、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極であることを含む。
【0075】
実施例16では、実施例1~15に記載の主題は、第2の通路よりも近位に配置されたシールを含む。
【0076】
実施例17では、実施例1~16に記載の主題は、内側部材の外面と外側部材の内面との間に配置され、第2の通路よりも近位に配置されたシールを含む。
【0077】
実施例18は、手術用器具を処理するための方法であって、実施例1に記載の医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することとを含む方法である。
【0078】
実施例19は、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、外側ルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、内側部材が、内側ルーメンと流体連通する内側部材の遠位端部上の第1の通路と、外側部材の側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを含み、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った第1のルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、第1のルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った第2のルーメンを画定し、内側部材が、内側部材内の開口部を含み、開口部が、外側ルーメンの側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと第2のルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能である、細長い内側部材と、内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、外側ルーメンの内面と内側ルーメンの外面との間に配置された作業チャネルであって、吸引ポートと流体連通する作業チャネルと、を含む、医療デバイスである。
【0079】
実施例20は、手術用器具を処理するための方法であって、実施例19に記載の医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することとを含む方法である。
【0080】
実施例21は、命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体であって、命令が、処理回路によって実行されると、処理回路に、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための動作を実行させる、少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0081】
実施例22は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0082】
実施例23は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するためのシステムである。
【0083】
実施例24は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための方法である。
【0084】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の例を示す。これらの例は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような例は、図示または記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者はまた、図示または記載された要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者はまた、特定の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、または本明細書で図示または記載された他の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、図示または記載された要素(またはその1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせまたは並べ替えを使用する例を企図する。
【0085】
本明細書では、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つまたは複数の(one or more)」の任意の他の事例または用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、「AまたはB」が、別段の指示がない限り、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、非排他的な、または、を指すために使用される。本明細書では、「含む(including)」および「そこで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてこのような用語の後に列挙されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、またはプロセスは、依然として、その請求項の範囲内に入ると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単に表示として使用され、それらの対象に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0086】
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。例えば、上述の例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記の説明を検討すると、他の例が当業者などによって使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の性質を速やかに確認することを可能にするように、37 C.F.R.§1.72(b)に準拠して提供される。要約書は、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴が、本開示を合理化するためにともにグループ化され得る。これは、特許請求されない開示された特徴が、いずれかの請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。そうではなく、発明の主題は、特定の開示された実施例のすべての特徴よりも少ないものに存在し得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施例として発明を実施するための形態に本明細書によって組み込まれ、各請求項は、別個の実施例として単独で成り立ち、このような実施例は、様々な組み合わせまたは並べ替えで互いに組み合わせることができることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材と、
前記内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、
を備え、
前記外側部材は、前記外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、前記外側部材における側方吸引ポートとを画定し、
前記側方吸引ポートは、前記外側ルーメンと流体連通しており、
前記内側部材は、前記内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定するとともに、前記内側ルーメンと流体連通する前記内側部材の遠位端部上の第1の通路と、前記側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、前記側方吸引ポートと前記内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを備える、医療デバイス。
【請求項2】
前記第1の通路は、前記内側部材の前記遠位端における前部開口部と、前記内側ルーメンと流体連通する前記遠位端部における前記内側部材の側壁上の側部開口部とを備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記外側部材と、前記外側部材の遠位端におけるカメラとをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記内側部材の前記遠位端に位置する位置合わせマーカをさらに備え、
前記位置合わせマーカは、前記側方吸引ポートに対して前記第2の通路位置合わせ可能であり、前記カメラの視野内に位置決め可能である、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記内側部材は、後退位置と伸長位置との間で前記外側部材に対して摺動可能である、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記外側部材の内面と前記内側部材の外面との間に位置する作業チャネルをさらに備え、前記作業チャネルは、前記側方吸引ポートと流体連通している、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記第2の通路は、前記第1の通路よりも近位に配置され、前記第1の通路と前記第2の通路との間の長さは、前記外側部材の遠位端と前記側方吸引ポートとの間の長さよりも長い、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記エンドエフェクタは、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、前記螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記内側部材を前記エンドエフェクタから分離するように前記内側部材に結合されたセラミック絶縁体をさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記エンドエフェクタは、前記セラミック絶縁体上に位置し、
前記セラミック絶縁体は、前記内側部材によって画定された前記内側ルーメンへの流体流入を可能にする流体流入ポートを含み、前記内側部材内の前記内側ルーメンと流体連通するセラミック絶縁体開口部を画定する、請求項9に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記セラミック絶縁体は、前記内側部材内の前記内側ルーメンと流体連通するセラミック絶縁体開口部を画定し、
前記エンドエフェクタは、前記セラミック絶縁体開口部にわたって広がるグリルを含む、請求項に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記セラミック絶縁体は、前記内側部材によって画定された前記内側ルーメンと流体連通する流体流入ポートを含む、請求項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記外側部材の内面と前記内側部材の外面との間に位置する作業チャネルをさらに備え、前記作業チャネルは、前記側方吸引ポートと流体連通している、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記第2の通路よりも近位に配置されたシールをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記内側部材の外面と前記外側部材の内面との間に配置され、前記第2の通路よりも近位に配置されたシールをさらに備える、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項16】
手術用器具を処理するための再処理方法であって
求項1に記載の医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、
を含む、再処理方法。
【請求項17】
細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材と、
業チャネルと、
を備え、
前記外側部材は、前記外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、前記外側部材における側方吸引ポートとを画定し、
前記側方吸引ポートは、前記外側ルーメンと流体連通しており、
前記内側部材は、前記内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定するとともに、前記内側ルーメンと流体連通する前記内側部材の遠位端部上の第1の通路と、前記外側部材の前記側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、前記側方吸引ポートと前記内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを備え、
前記作業チャネルは、前記外側ルーメンの内面と前記内側ルーメンの外面との間に配置され、前記側方吸引ポートと流体連通する、医療デバイス。
【請求項18】
手術用器具を処理するための再処理方法であって、
請求項17に記載の医療デバイスを滅菌することと、
前記医療デバイスを滅菌容器内に保管することと、
を含む、再処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概して、限定ではないが、様々な外科的処置に使用され得る、外科手術用デバイスに関する。より具体的には、限定ではないが、本出願は、女性患者の生殖器系を治療するために使用され得る、外科手術用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
子宮の内膜で腫瘍が生じることがあり、これは、処置されないままである場合、不快感を引き起こすことがあり、月経および受精能に支障をきたすことがある。腫瘍には、ポリープおよび筋腫が含まれ得る。子宮ポリープは、子宮の内膜に形成され得る腫瘍である。子宮ポリープは、典型的には、子宮内膜組織の異常増殖が生じるときに形成される。ポリープは、子宮内膜に付着し、次いで子宮内に広がり得る。
【0003】
子宮筋腫は、子宮の壁に発生し得る非癌性腫瘍である。異なるタイプの子宮筋腫には、筋層内、粘膜下、漿膜下、および有茎性が含まれる。筋層内子宮筋腫は、子宮の筋肉壁内に発生し、大量出血を引き起こすことがある。粘膜下子宮筋腫は、子宮腔の内側に発生することがあり、または子宮腔に隣接することがある。粘膜下子宮筋腫はまた、大量出血を引き起こすことがある。漿膜下子宮筋腫は、子宮の外壁に発生することがあり、典型的には、バルク症状または圧迫症状を引き起こすことがある。有茎性子宮筋腫は、肉茎と呼ばれる茎状の腫瘍によって子宮壁に付着することがある。
【0004】
患者が粘膜下子宮筋腫を有する場合、子宮鏡下手術を使用して子宮の内側を検査し、子宮鏡下切除術によって子宮筋腫を除去することができる。子宮鏡は、膣を通って、かつ子宮頸部の自然開口部を通って挿入することができる。典型的には、子宮鏡の直径により、子宮頸部が拡張されなければならず、これは、痛みを伴い、患者が全身麻酔を受けることを必要とし得る。その結果、手術室が必要になり、拡張による回復期間が長くなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、必要とされるのは、子宮頸部のより少ない拡張およびより少ない麻酔を可能にする、直径がより小さい子宮鏡である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題は、外側部材の長手方向軸に沿って外側ルーメンを画定する外側部材を有する子宮鏡を提供することによって対処することができる。内側部材は、外側ルーメン内に部分的に配置することができる。外側部材は、外側ルーメンと流体連通することができる側方吸引ポートを有する。外側部材内で回転することができる内側部材は、内側部材の長手方向軸に沿って内側ルーメンを画定することができる。
【0007】
内側部材はまた、側方吸引ポートと位置合わせして回転することができる第1の側方通路を有することができる。したがって、内側部材内の流体およびデブリは、第1の側方通路を介して側方吸引ポート内に出ることができる。内側部材が外側ルーメンに対して回転可能であるため、内側部材は、第1の側方通路が側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせされるように、吸引ポートとの第1の側方通路の位置合わせを調整するように回転することができる。位置合わせの程度は、第1の側方通路を通過する吸引の量を確立または調整するために使用され得る。より具体的には、内側部材は、標的部位における吸引の量を調整するように回転させることができる。
【0008】
内側部材は、内側部材の遠位端に位置する第2の側方通路を有することができる。第2の側方通路は、内側部材の内側ルーメンへの開口部を提供することができる。第2の側方通路は、内側ルーメンの遠位端の開口部と内側ルーメンの閉鎖端との間に延在することができる。内部空洞は、第2の側方通路において内側ルーメンに入る流体およびデブリが第1の側方通路において内側ルーメンを出て側方吸引ポート内に入ることができるように、スロットと流体連通することができる。したがって、デブリを除去するための二次的な器具使用の必要性を低減または排除することができる。
【0009】
内側部材はまた、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを有することができる。位置合わせマーカは、第1の側方通路と位置合わせすることができ、位置合わせマーカの位置は、第1の側方通路の位置と相関する。位置合わせマーカが第1の位置にあるとき、これは、第1の側方通路が第1の位置にあり、側方吸引ポートと位置合わせされていることと相関することができる。位置合わせマーカが第2の位置にあるとき、これは、第1の側方通路が第2の位置にあり、側方吸引ポートと位置ずれしていることと相関することができる。
【0010】
さらに、内側部材は、内側部材開口部とボタン先端部との間に延在する、内側部材開口部に配置された電極を含むことができる。電極は、標的部位において組織を切除するために使用され得る、螺旋状部分を含むことができる。電極の螺旋状部分は、流体が、離間した螺旋状部分の間を移動し、内側部材の遠位端における内側部材開口部に入ることを可能にするように、互いに離間することができる。内側部材開口部は、内側部材開口部に入る流体が、第1の側方通路において内側ルーメンを介して内側部材を出て、側方吸引ポート内に入ることができるように、内側ルーメンと流体連通することができる。
【0011】
潜在的な利点は、子宮鏡を使用する内視鏡のカメラを介して見ることができる位置合わせマーカを用いて子宮鏡の第1の側方通路の位置を制御することによって吸引を制御する能力を含むことができる。
【0012】
別の潜在的な利点は、電極効率を提供または最適化しながら、吸引を可能にすることができる。
【0013】
さらなる潜在的な利点は、子宮鏡を用いて標的部位で生じる吸引の量の調整を可能にすることによって、ユーザが標的部位の明瞭な視野を維持することを可能にすることに関する。
【0014】
別の潜在的な利点として、本子宮鏡は、第2の側方通路を介してデブリを子宮鏡内に引き込むことができるため、標的部位からデブリを除去するための追加の器具の必要性をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】子宮鏡の部分の一例を示す図である。
【0016】
図2図1の子宮鏡の内側部材の一例を示す図である。
【0017】
図3図1の内側部材の第2の側方通路の一例を示す図である。
【0018】
図4図1の子宮鏡の電極の一例を示す図である。
【0019】
図5図1の子宮鏡の外側部材の上面図の一例を示す図である。
【0020】
図6図2に示す位置とは異なる位置における図2の内側部材の一例を示す図である。
【0021】
図7図1の子宮鏡の外側部材の上面図の別の例を示す図である。
【0022】
図8】伸長位置における図4の電極の一例を示す図である。
図9】後退位置における図4の電極の一例を示す図である。
【0023】
図10図1の内側部材の第2の側方通路の代替例を示す図である。
【0024】
図11図1の子宮鏡とともに使用することができる電極の代替例である。
図12図1の子宮鏡とともに使用することができる電極の代替例である。
【0025】
図13図1の子宮鏡の再処理方法を示すフローチャートである。
【0026】
図14】近位通路を側方吸引ポートと位置合わせする追加の方法を示す図である。
図15】近位通路を側方吸引ポートと位置合わせする追加の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
子宮鏡は、外側部材の長手方向軸に沿って外側ルーメンを画定する外側部材を有することができる。内側部材は、外側ルーメン内に少なくとも部分的に配置することができる。外側部材は、外側ルーメンと流体連通することができる吸引ポートを有することができる。内側部材は、外側部材内で回転するように構成することができる。内側部材は、内側部材の長手方向軸に沿って内側ルーメンを画定する。内側部材はまた、吸引ポートと位置合わせして回転することができる第1の側方通路を有することができる。したがって、内側部材内の流体およびデブリは、側方通路を介して吸引ポート内に出ることができる。内側部材が外側ルーメンに対して回転可能であることによって、内側部材は、第1の側方通路が吸引ポートと少なくとも部分的と位置合わせされるように、吸引ポートとの第1の側方通路の位置合わせを調整するために回転することができる。
【0028】
図1は、剛性または可撓性子宮鏡100の部分の一例を示す。子宮鏡100は、ハウジング102を含むことができ、これは子宮鏡100の様々な構成要素を受け入れるように構成することができる。このような構成要素の例としては、内視鏡、光源、流入チャネル、および流出チャネルを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0029】
細長い外側部材104は、ハウジング102から延在することができる。外側部材104は、吸引源接続部108を有する側方吸引ポート106を含むことができる。吸引源接続部108は、側方吸引ポート106と、側方吸引ポート106から流体を排出することができる吸引源との流体結合を容易にすることができる。したがって、標的部位から除去された物質などの流体およびデブリは、側方吸引ポート106を介して標的部位および子宮鏡100から除去することができる。特に、流体およびデブリは、側方吸引ポート106から吸引源接続部108に沿って吸引源まで移動することができる。
【0030】
子宮鏡100はまた、ハンドル112を含むことができる。ハンドル112は、図2に示すように、細長い内側部材200を制御するために使用することができる。内側部材200は、外側部材104内に配置され、方向Xまたは方向Yに沿って外側部材104に対して回転可能であり得る。内側部材200は、近位端200Aで閉鎖され、遠位端200Bで開放され得る。内側部材200は、閉塞部202を含むことができ、これは内側部材200内に、かつ長手方向軸205に沿って画定された内側ルーメン204を閉鎖することができる。閉塞部202は、スポンジ、シール、ストッパ、壁などであり得る。内側ルーメン204は、内側部材200内の近位通路206を介して側方吸引ポート106と流体連通することができる。近位通路206は、内側ルーメン204に入る流体Fおよびデブリ208の通路が内側ルーメン204から出て側方吸引ポート106に入ることを可能にする、内側ルーメン204内の開口部であり得る。
【0031】
近位通路206は、異なる位置にあり得る。第1の位置では、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と少なくとも部分的に位置合わせされるように、吸引部分106と位置合わせする。第2の位置では、近位通路206は、側方吸引ポート106と部分的に位置合わせすることができる。内側ルーメン204が閉塞部202によって閉鎖されることによって、側方吸引ポート106を介して吸引を適用すると、内側ルーメン204内の流体Fおよびデブリ208は、内部ルーメン204から側方吸引ポート106内に引き込まれ得る。
【0032】
流体Fおよびデブリ208は、内側ルーメン遠位端200Bにおいて内側ルーメン204内に入ることができる。内側部材200は、流体Fおよびデブリ208が標的部位から内側ルーメン204内に入ることができる内側ルーメン204への開口部を提供する遠位部分開口部210を含むことができる。遠位部分開口部210は、内側ルーメン204と流体連通することができる。したがって、流体Fおよびデブリ208が標的部位から遠位部分開口部210に入ると、流体Fおよびデブリ208は、図2に示すように、内側ルーメン204内に入ることができる。遠位部分開口部210は、標的部位からデブリ208を除去するために、把持具またはバスケットなどの二次器具を使用する必要性を低減または排除するのに役立ち得る。
【0033】
図3は、約2ミリメートル~約7ミリメートルの範囲の長さLを有することができる、遠位部分開口部210を示す。さらに、遠位部分開口部210は、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲の幅Wを有することができる。遠位部分開口部210に加えて、内側部材200は、図3に示すように、内側部材端部遠位端200Bにおける内側部材面302に遠位端通路300を含むことができる。遠位端通路300は、内側部材遠位端200Bに位置することができる。遠位部分開口部210に加えて、流体Fは、遠位端通路300を通って内側ルーメン204に入ることができる。内側部材200は、遠位部分開口部210および遠位端通路300の両方を有するものとして示されているが、代替例では、内側部材200は、遠位端通路300を有さずに遠位部分開口部210のみを有することができる。加えて、代替例では、内側部材200は、遠位部分開口部210を有さずに遠位端通路300のみを有することができる。加えて、遠位部分開口部210と遠位端通路300との組み合わせは、内側ルーメン204に対する単一の開口部と見なすことができる。さらに、図2を参照して示すように、遠位端通路300と側方吸引ポート106との間の長さL1は、側方吸引ポート106と外側部材104の遠位端との間の長さL2よりも大きい。
【0034】
図2では、子宮鏡100はまた、内側部材遠位端200Bにエンドエフェクタ212を含むことができる。エンドエフェクタ212は、電極であり得、内側部材面302とボタン先端部214との間に延在することができる。電極に加えて、エンドエフェクタ212は、標的部位から組織を除去することが可能な任意のタイプの器具であり得る。図2の例では、エンドエフェクタ212は、螺旋状電極であり得る。エンドエフェクタ212は、子宮などの標的部位からポリープおよび子宮筋腫などの組織を切除するために使用することができる。エンドエフェクタ212は、組織の針状切開を行うことができ、または組織を蒸発させるために使用することができる。蒸発中、エンドエフェクタ212に印加されるエネルギーが制御され得る。エンドエフェクタ212によって標的部位に印加される、結果として生じるエネルギーは、蒸気ポケットまたは蒸気泡を生成することができる。蒸気ポケットまたは蒸気泡が、ポリープまたは子宮筋腫などの組織に接触すると、細胞破裂による止血が起こり得る。乾燥中、エンドエフェクタ212からの双極エネルギーは、ポリープまたは子宮筋腫などの組織に流れ、それによって細胞を脱水し、止血を引き起こすことができる。螺旋状電極が示されているが、エンドエフェクタ212は、ばね電極、バイポーラループ電極、ツイズル電極、ワイヤグリル電極(図11)、または組織切除が可能な任意の他の器具のうちの1つもしくは複数を追加的にまたは代替的に含むことができる。
【0035】
閉塞部202に加えて、子宮鏡100は、シール216を含むことができる。シール216は、内側部材200の外面220と外側部材104の内面222との間に形成された作業チャネル218を閉鎖することができる。作業チャネル218は、側方吸引ポート106と流体連通することができる。作業チャネル218がシール216によって閉鎖されているため、内側ルーメン204内から側方吸引ポート106内への流体Fおよびデブリ208の引き込みがさらに強化される。シール216は、方向XおよびYに沿った外側部材104に対する内側部材200の回転を可能にすることができる、内側部材200の外面220と外側部材104の内面222との間の任意のタイプの流体密封シールを含むことができる。シール216の例としては、ポリマーOリング、セラミックOリング、鋼Oリングなどが挙げられ得る。
【0036】
流体Fは、内側部材遠位端200Bにおいて遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に入ることができる。流体Fは、図4に示すように、エンドエフェクタ212の螺旋状ループ400の間を移動することによって開口部内に入ることができる。螺旋状ループ400の一方は、内側部材面302と結合することができるが、螺旋状ループ400の他方は、ボタン先端部214と結合することができる。螺旋状ループ400の一方は、内側部材200内に配置された電気リード402と電気的に結合することができる。電気リード402は、内側部材200内に埋め込むことができる。あるいは、内側部材200は、内部に電気リード402が配置される通路を含むことができる。電気リード402は、制御された電源と電気的に通信し、螺旋状ループ400に電力を供給することができる。
【0037】
螺旋状ループ400は、距離Sだけ互いに分離され得る。空間Sは、約0.25ミリメートル~約0.75ミリメートルの範囲内であり得る。流体Fは、空間Sを通り、遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に移動することができる。流体Fが遠位端通路300を介して内側ルーメン204内に移動すると、流体Fは、近位通路206および側方吸引ポート106を通って内側ルーメン204から出ることができる。螺旋状ループ400は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。
【0038】
螺旋状ループ400の周りの流体Fの流れは、いくつかの潜在的な利点を提供するのに役立ち得る。流体Fが螺旋状ループ400を越えて遠位端通路300内に流れるとき、流体Fは、手術中に螺旋状ループ400を冷却することができる。このような冷却は、エンドエフェクタ212の効率を高めるのに役立ち得る。これは、より効率的な組織切除をもたらし、それによって、子宮鏡100を用いて処置を行うために必要な時間を短縮することができる。螺旋状ループ400の周りの流体Fの流れはまた、エンドエフェクタ212の使用中に生成される気泡の量を低減させることもでき、そうでなければ、視野を妨害するかまたは閉塞し得る。
【0039】
上述のように、近位通路206は、近位通路206と側方吸引ポート106との位置合わせに関連するいくつかの位置を有することができる。第1の位置では、図2および図5に示すように、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置合わせすることができる。参照を容易にするために、吸引接続部108は示されていない。第1の位置では、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせされると、近位通路206は、側方吸引ポート106のどの部分も閉塞されないように、側方吸引ポート106と位置合わせされる。したがって、近位通路206は、側方吸引ポート106と少なくとも部分的に位置合わせされる。
【0040】
図5では、内側部材200は、外側部材104によって画定され、かつ側方吸引ポート106と流体連通する、ルーメン500内に存在することができる。ルーメン500は、外側部材104とともに、長手方向軸502を画定することができる。内側部材200は、ルーメン500内に少なくとも部分的に配置することができる。
【0041】
第2の位置では、図6および図7に示すように、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置ずれしている。より具体的には、近位通路206の第1の部分600は、外側部材104によって閉塞される。したがって、近位通路206の第2の部分700のみが、側方吸引ポート106に対して閉塞されない。近位通路206は、側方吸引ポート106よりも小さいものとして示されているが、近位通路206は、側方吸引ポート106と同じ大きさであってもよく、または側方吸引ポート106よりも大きくてもよい。加えて、近位通路206の2つの位置が図5図7に示されているが、近位通路206は任意の数の位置を有することができる。さらに例示すると、近位通路206は、近位通路206のどの部分も側方吸引ポート106と位置合わせされないように位置決めすることができる。
【0042】
内側部材200は、第1の位置および第2の位置などの、側方吸引ポート106に対して異なる位置に近位通路206を移動させるために、方向Xまたは方向Yに沿って回転させることができる。上述したように、内側部材200は、ハンドル112と結合することができる。子宮鏡100のユーザは、ハンドル112を回転させ、それによって、外側部材104が静止したままである間に、方向Xまたは方向Yに沿って内側部材200を回転させることができる。内側部材200が回転すると、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせする第1の位置に配置することができる。さらに、内側部材200が回転すると、近位通路206もまた、近位通路206が側方吸引ポート106と位置ずれした第2の位置に近位通路206が移動するように回転することができる。側方吸引ポート106から近位通路206に送られる吸引の程度は、それらの間の位置ずれの程度を制御することなどによって制御することができる。
【0043】
近位通路206を第1の位置に移動させるのを助けるために、子宮鏡100は、図8を参照して示すように、内側部材200の遠位端200Bに位置する位置合わせマーカ800を含むことができる。位置合わせマーカ800は、近位通路206と位置合わせ可能であり得、近位通路206の位置に対応することができる。位置合わせマーカ800が図8に示す位置を有するとき、近位通路206は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせされる第1の位置にあり得る。さらに、位置合わせマーカ800が点線802で示される位置にあると、近位通路206は側方吸引ポート106と位置ずれし得る。
【0044】
子宮鏡100は、外側部材104の遠位端に視野806を有するカメラ804を含むことができる。カメラ804を使用して、子宮鏡100のユーザは、位置合わせマーカ800の位置が視野806内にあるときを見ることができる。これは、ユーザが、側方吸引ポート106に対する近位通路206の位置、例えば、近位通路206が、本明細書に記載される第1もしくは第2の位置のうちの1つ、または任意の他の位置にあるか否かを判定することに役立ち得る。視野806内で所望されるように位置合わせマーカ800を位置決めすることによって、ユーザは、位置合わせマーカ800を使用して標的部位における吸引の量を制御することができる。したがって、視野806が曇った場合、ユーザは、ハンドル112を回転させることによって吸引量を低減することができ、このハンドル112は、最終的に、内側部材200および近位通路206を回転させて、側方吸引ポート106に対する近位通路206の位置ずれを生じさせるか、または増加させる。位置ずれが発生または増大すると、吸引率が低下する可能性がある。したがって、子宮鏡100の流出ポート808から標的部位に提供される潅注液は、視野806をクリアにするために使用することができる。
【0045】
図8では、子宮鏡100は伸長位置に示されている。この伸長位置では、内側部材200は、外側部材104の面810から延出する。内側部材200は、伸長位置と後退位置との間で外側部材104に対して摺動可能であり得る。ユーザが、子宮鏡100を患者の膣管および子宮頸部を通って移動させるなど、子宮鏡100を患者内に位置決めするとき、子宮鏡100は、後退位置を有することができる。この後退位置では、内側部材200は、図9に示すように、子宮鏡100内に後退させられる。後退位置では、内側部材200は、ボタン先端部214が外側ルーメン面810と同一平面になるように、外側部材104の内に後退させられる。したがって、子宮鏡100を患者内に位置決めする間に内側部材200が患者と接触する可能性が低減されるかまたは最小限に抑えられる。これは、内側部材200が患者に外傷を引き起こす可能性を最小限に抑えるのに役立ち得る。
【0046】
内側部材200は、任意のタイプの鋼、アルミニウムなどの金属から形成することができる。内側部材200は、セラミック絶縁体812を含むことができる。セラミック絶縁体812は、カラーの形状であり得る。セラミック絶縁体812は、エンドエフェクタ212を内側部材200から分離し、電気的に絶縁するのに役立ち得る。セラミック絶縁体812は、内側ルーメン遠位端200Bに位置することができる。セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と結合し、それによって内側部材200と結合することができる。セラミック絶縁体812は、内側ルーメン204と流体連通する流入ポート814を有することができる。流体Fは、子宮鏡下手術中に流入ポート814を通って内側ルーメン204内に移動することができる。これは、子宮鏡100の吸引能力を増加させ、改善するのに役立ち得る。加えて、セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と流体連通することができる開口部(図11)を画定することができる。
【0047】
近位通路206は、内側ルーメン遠位端200Bに位置することができる。あるいは、子宮鏡100は、図10に示すように、内側ルーメン遠位端200Bから終端1002まで延在することができる、側方通路1000を含むことができる。側方通路1000は、内側部材遠位端200Bから、終端1002における側方吸引ポート106および近位通路206まで連続的に延在することができる。側方通路1000は、遠位部分開口部210よりも大きくすることができる。
【0048】
図1図10では、エンドエフェクタ212は、螺旋状構成で示されている。しかし、子宮鏡100は、異なる構成を有する電極を含むことができる。図11は、内側部材200がグリル構成要素1100から形成されたグリルを含むことができる一例を示す。グリルは、子宮鏡100の電極として機能するなど、導電性であり得る。セラミック絶縁体812は、遠位端通路300と流体連通することができる開口部1102を画定することができる。グリル構成要素1100は、図11に示すように、グリル構成要素1100によって形成されたグリルが開口部1102にわたって広がることができる。グリル構成要素1100は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。
【0049】
図11は、外側部材104内に後退することができ、標的部位において外側部材104から延在することができる、内側部材200を示す。流体Fは、螺旋状ループ400を参照して上述したものと同様に、グリル構成要素1100上を移動することができる。これは、エンドエフェクタ212を参照して上記で詳述したように、グリル構成要素1100およびグリル構成要素1100によって形成されたグリルに同様の利点を提供することができる。図11に示す子宮鏡100はまた、位置合わせマーカ800およびカメラ804とともに、近位通路206(図示)または側方通路1000を含むことができる。
【0050】
エンドエフェクタ212およびグリル構成要素1100によって画定されたグリルに加えて、子宮鏡100はまた、図12に示すように、流入ポート1202を含む電極1200を有することができる。電極1200は、セラミック絶縁体812上に位置することができる。流入ポート1202は、電極1200を通って内側ルーメン204内への流体の流入を可能にすることができる。電極1200は、任意のタイプの鋼、アルミニウム、銅などの任意のタイプの導電性材料から形成することができる。電極1200は、子宮鏡100の使用中に標的部位から組織を切除するために使用することができる。図12の内側部材200は、上記で詳述したように、外側部材104内に後退し、また、上記で論じたように、標的部位において外側部材104から延在することができる。流体Fは、電極1200上を移動し、流入ポート1202内に移動することができる。電極1200上の流体Fの通過は、エンドエフェクタ212を参照して上記で詳述したように、電極1200に利点を提供することができる。図12に示す子宮鏡100はまた、位置合わせマーカ800およびカメラ804とともに、近位通路206(図示)または側方通路1000を含むことができる。
【0051】
子宮鏡100は、1回の使用後に廃棄することができる。あるいは、子宮鏡100は、複数回繰り返して使用することができる。子宮鏡100を複数回繰り返して使用することができる場合、図13に示すように、子宮鏡100の再処理方法を示すフローチャートである方法1300を子宮鏡100に行うことができる。上述した子宮鏡100は、1回の使用後に廃棄されてもよく、または、複数回繰り返して使用されてもよい。複数回繰り返して使用される場合、図13の再処理方法が使用され得る。デバイスを再製造するオペレータは、治療のために使用された後に使用された子宮鏡100を回収することができ、1302において子宮鏡100を工場または他の施設に輸送することができる。使用された子宮鏡100は、他の治療からの汚染を防止するのに役立つように、専用の容器で輸送することができる。
【0052】
1304では、オペレータは、使用された子宮鏡100を洗浄および滅菌する。洗浄中、ブラシなどを使用して子宮鏡100の部分に付着した付着物を除去する。子宮鏡100には、血液、体液などに由来する病原微生物などを除去するために、イソプロパノール含有洗浄剤、タンパク質分解酵素洗剤、およびアルコールのいずれかの洗浄液を塗布することができる。洗浄剤は、上述した洗浄液に限定されず、他の洗浄剤を使用することができる。滅菌中、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌、過酸化水素滅菌、および過酸化水素低温滅菌を子宮鏡100に適用することができる。上述した構造を有する子宮鏡100により、子宮鏡100の洗浄が容易である。
【0053】
洗浄および滅菌の後、1306において、子宮鏡100の受け入れチェックを行うことができる。受け入れチェック中、子宮鏡100の検査を行って、子宮鏡100が何らかの重大な欠陥を有するかどうかを判定することができる。さらに、子宮鏡100が再処理された回数を判定することができる。子宮鏡100が再処理された回数を閾値と比較して、子宮鏡100が再処理された回数が閾値を超え、もはや使用すべきではないかどうかを判定することができる。
【0054】
次に、1308において、子宮鏡100を分解することができ、外側部材104、内側部材200、エンドエフェクタ212および電極1200、またはグリル構成要素1100などの子宮鏡100の様々な構成要素が子宮鏡100から取り外される。外側部材104、内側部材200、エンドエフェクタ212および電極1200、ならびにグリル構成要素1100のみが、除去されるものとして参照されるが、1308において、本明細書に記載される子宮鏡100の任意の部分を取り外すことができる。
【0055】
1308における分解の後、1310において、欠陥と見なされる子宮鏡100の任意の構成要素を交換することができる。さらに例示すると、エンドエフェクタ212が欠陥と見なされる場合、1310において、エンドエフェクタ212を交換することができる。エンドエフェクタ212は交換されるものとして言及されているが、1310において、本明細書に記載される子宮鏡100の任意の部分を交換することができる。
【0056】
1310において子宮鏡100の構成要素が交換された後、1312において、子宮鏡100を再組み立てすることができる。再組み立て中、子宮鏡100が交換部品を含むようにその元の状態から修正されたことを示すことができる識別子を追加することができる。識別子は、子宮鏡100を再処理、再生、または再製造されたものとして示す表示または任意の他のタイプの標識を含むことができる。
【0057】
次いで、1314において、子宮鏡100を検査および試験する。具体的には、ユーザは、様々な機能試験によって、新しく形成された子宮鏡100が元の製品と同じ有効性および安全性を有することを検証することができる。検査後、1316において、子宮鏡100を滅菌および保管することができる。子宮鏡100は、エチレンオキサイドガスまたはプロピレンオキサイドガスなどの滅菌ガスによって滅菌することができる。滅菌後、1316において子宮鏡100を保管し、その後、1318において出荷することができる。
【0058】
位置合わせマーカ800は、近位通路206を側方吸引ポート106と位置合わせするために使用されるものとして上述された。さらなる例では、図14に示すように、外側部材内面222は溝1400を含むことができ、内側部材外面220は突起1402を含むことができる。突起1402は、近位通路206が側方吸引ポート106と位置合わせするとき、溝1400内に静止することができる。突起1402は、突起1402が溝1400と位置合わせされると溝1400内に移動するように、ばね荷重され得る。さらに、図15に示すように、突起1402が溝1400内に配置されていないとき、近位通路206は、側方吸引ポート106と位置ずれ状態であってもよい。
【0059】
本主題の様々な態様および特徴を記載してきたが、以下の番号を付した実施例は、例示的な実施形態として提供される。
【0060】
実施例1は、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った外側の第1のルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、外側ルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、内側部材が、内側ルーメンと流体連通する内側部材の遠位端部上の第1の通路と、第2の通路と、内側部材内の第1の側方通路開口部とを含み、開口部の第1の側方通路が、外側部材ルーメンの側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと第2の内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように回転可能、廃棄可能、構成可能である、細長い内側部材と、内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、を含む、医療デバイスである。
【0061】
実施例2では、実施例1に記載の主題は、第1の通路が、内側部材の遠位端における前部開口部と、第2のルーメンと流体連通する遠位端部における内側部材の側壁上の側部開口部とを含むことを含む。
【0062】
実施例3では、実施例1~2に記載の主題は、細長い外側部材と、細長い外側部材の遠位端におけるカメラとを含む。
【0063】
実施例4では、実施例3に記載の主題は、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを含み、位置合わせマーカは、第2の通路と位置合わせ可能であり、カメラの視野内に位置決め可能である。
【0064】
実施例5では、実施例3~4に記載の主題は、内側部材が、後退位置と伸長位置との間で外側部材に対して摺動可能であることを含む。
【0065】
実施例6では、実施例3~5に記載の主題は、内側部材の遠位端に位置する位置合わせマーカを含み、位置合わせマーカは、第2の通路と位置合わせ可能であり、カメラの視野内に位置決め可能である。
【0066】
実施例7では、実施例3~6に記載の主題は、外側部材の内面と内側部材の外面との間に位置する作業チャネルを含み、作業チャネルは、側方吸引ポートと流体連通している。
【0067】
実施例8では、実施例3~7に記載の主題は、第2の通路が、第1の通路よりも近位に配置され、第1の通路と第2の通路との間の長さが、外側部材の遠位端と側方吸引ポートとの間の長さよりも長いことを含む。
【0068】
実施例9では、実施例1~8に記載の主題は、エンドエフェクタが、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極であることを含む。
【0069】
実施例10では、実施例1~9に記載の主題は、内側部材をエンドエフェクタから分離するように内側部材に結合されたセラミック絶縁体を含む。
【0070】
実施例11では、実施例9~10に記載の主題は、エンドエフェクタが、セラミック絶縁体上に位置し、エンドエフェクタが、エンドエフェクタを通って、内側部材によって画定された内側ルーメンへの流体流入を可能にする流体流入ポートを含み、セラミック絶縁体が、内側部材内の内側ルーメンと流体連通するセラミック絶縁体開口部を画定することを含む。
【0071】
実施例12では、実施例11に記載の主題は、電極が、セラミック絶縁体開口部にわたって広がるグリルを含むことを含む。
【0072】
実施例13では、実施例11~12に記載の主題は、セラミック絶縁体が、内側部材によって画定された内側ルーメンと流体連通する流入ポートを含むことを含む。
【0073】
実施例14では、実施例1~13に記載の主題は、外側部材の内面と内側部材の外面との間に位置する作業チャネルを含み、作業チャネルは、側方吸引ポートと流体連通している。
【0074】
実施例15では、実施例1~14に記載の主題は、エンドエフェクタが、互いに隣接して離間した螺旋状ループを画定して、それらの螺旋状ループの間の流体の流れを可能にする、螺旋状電極であることを含む。
【0075】
実施例16では、実施例1~15に記載の主題は、第2の通路よりも近位に配置されたシールを含む。
【0076】
実施例17では、実施例1~16に記載の主題は、内側部材の外面と外側部材の内面との間に配置され、第2の通路よりも近位に配置されたシールを含む。
【0077】
実施例18は、手術用器具を処理するための方法であって、実施例1に記載の医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することとを含む方法である。
【0078】
実施例19は、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った外側ルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、外側ルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った内側ルーメンを画定し、内側部材が、内側ルーメンと流体連通する内側部材の遠位端部上の第1の通路と、外側部材の側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと内側ルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能な第2の通路とを含み、細長い外側部材内に少なくとも部分的に配置された細長い内側部材であって、外側部材が、外側部材の長手方向軸に沿った第1のルーメンと、細長い外側部材における側方吸引ポートとを画定し、側方吸引ポートが、第1のルーメンと流体連通しており、内側部材が、内側部材の長手方向軸に沿った第2のルーメンを画定し、内側部材が、内側部材内の開口部を含み、開口部が、外側ルーメンの側方吸引ポートと少なくとも部分的に位置合わせして、側方吸引ポートと第2のルーメンとの間に流体連通を提供するように構成可能である、細長い内側部材と、内側部材の遠位端におけるエンドエフェクタと、外側ルーメンの内面と内側ルーメンの外面との間に配置された作業チャネルであって、吸引ポートと流体連通する作業チャネルと、を含む、医療デバイスである。
【0079】
実施例20は、手術用器具を処理するための方法であって、実施例19に記載の医療デバイスを滅菌することと、医療デバイスを滅菌容器内に保管することとを含む方法である。
【0080】
実施例21は、命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体であって、命令が、処理回路によって実行されると、処理回路に、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための動作を実行させる、少なくとも1つの機械可読媒体である。
【0081】
実施例22は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0082】
実施例23は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するためのシステムである。
【0083】
実施例24は、実施例1~20に記載のいずれかを実施するための方法である。
【0084】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実施することができる特定の例を示す。これらの例は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような例は、図示または記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者はまた、図示または記載された要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者はまた、特定の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、または本明細書で図示または記載された他の例(またはその1つもしくは複数の態様)に関して、図示または記載された要素(またはその1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせまたは並べ替えを使用する例を企図する。
【0085】
本明細書では、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つまたは複数の(one or more)」の任意の他の事例または用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という用語は、「AまたはB」が、別段の指示がない限り、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、非排他的な、または、を指すために使用される。本明細書では、「含む(including)」および「そこで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同義語として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてこのような用語の後に列挙されるものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、配合物、またはプロセスは、依然として、その請求項の範囲内に入ると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単に表示として使用され、それらの対象に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0086】
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図される。例えば、上述の例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。上記の説明を検討すると、他の例が当業者などによって使用され得る。要約書は、読者が技術的開示の性質を速やかに確認することを可能にするように、37 C.F.R.§1.72(b)に準拠して提供される。要約書は、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態では、様々な特徴が、本開示を合理化するためにともにグループ化され得る。これは、特許請求されない開示された特徴が、いずれかの請求項に必須であることを意図するものとして解釈されるべきではない。そうではなく、発明の主題は、特定の開示された実施例のすべての特徴よりも少ないものに存在し得る。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施例として発明を実施するための形態に本明細書によって組み込まれ、各請求項は、別個の実施例として単独で成り立ち、このような実施例は、様々な組み合わせまたは並べ替えで互いに組み合わせることができることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、このような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに決定されるべきである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正の内容】
図11
【外国語明細書】