IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2024-127820プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機
<>
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図1
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図2
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図3
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図4
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図5
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図6
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図7
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図8
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図9
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図10
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図11
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図12
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図13
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図14
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図15
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図16
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図17
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図18
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図19
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図20
  • 特開-プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127820
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】プレート形状ヒータ、加熱ユニットおよび熱収縮機
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20240912BHJP
   H05B 3/40 20060101ALI20240912BHJP
   H05B 3/44 20060101ALI20240912BHJP
   B65G 1/16 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
H05B3/10 A
H05B3/40 Z
H05B3/10 B
H05B3/44
B65G1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024031826
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】202310213145.9
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン ワン
(72)【発明者】
【氏名】イーチュイン チャム ヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】ヂァン グゥー
【テーマコード(参考)】
3F022
3K092
【Fターム(参考)】
3F022AA05
3F022CC01
3F022MM11
3K092PP09
3K092QA02
3K092QB26
3K092RB23
3K092VV22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】熱収縮機において、上部ヒータおよび下部ヒータの両端部における開口部を通して熱が失われ、不均一な加熱になるのを防止する。
【解決手段】熱収縮機において、プレート形状ヒータ31,32は、長手方向に両端部を有するハウジング301と、ハウジングに設けられる複数の加熱管302と、複数の加熱管に設けられる熱線とを備え、加熱管は、ハウジングの横方向に沿って延び、複数の加熱管は、ハウジングの長手方向に沿って一列に配置される。ハウジングの2つの端部の近くの2つの端部領域における加熱管の配置密度は、ハウジングの2つの端部領域の間の中間領域における加熱管の配置密度よりも大きいので、プレート形状ヒータの端部領域における加熱温度がプレート形状ヒータの中間領域におけるものと同じになり、それにより、プレート形状ヒータの加熱均一性が向上する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの熱収縮チューブを加熱するためのプレート形状ヒータであって、
前記プレート形状ヒータは、
- 長手方向(Y’)に両端部を有するハウジング(301)と、
- 前記ハウジング(301)に設けられている複数の加熱管(302)と、
- 前記複数の加熱管(302)に設けられている熱線(304)と
を備え、

前記加熱管(302)は、前記ハウジング(301)の横方向(X’)に沿って延び、前記複数の加熱管(302)は、前記ハウジング(301)の前記長手方向(Y’)に沿って一列に配置され、
前記ハウジング(301)の2つの端部の近くの2つの端部領域(Z1、Z2)における前記加熱管(302)の配置密度は、前記ハウジング(301)の前記2つの端部領域(Z1、Z2)の間の中間領域(Z3)における前記加熱管(302)の配置密度よりも大きい、
プレート形状ヒータ。
【請求項2】
前記端部領域(Z1、Z2)における前記加熱管(302)に設置されている前記熱線(304)の長さは、前記中間領域(Z3)における前記加熱管(302)に設置されている前記熱線(304)の長さよりも長い、
請求項1に記載のプレート形状ヒータ。
【請求項3】
ケーブルクランプ(40)にクランプされている全てのケーブルの前記熱収縮チューブが前記プレート形状ヒータ(31、32)により均一に加熱されるように、前記複数の加熱管(302)の加熱領域は、全てのケーブルクランプ(40)を覆う、
請求項1に記載のプレート形状ヒータ。
【請求項4】
前記ハウジング(301)の一端部は、ベースプレート(33)に接続するために用いられ、前記2つの端部領域(Z1、Z2)は、前記ハウジング(301)の一端部の近くの第1の端部領域(Z1)、および前記ハウジング(301)の他端部の近くの第2の端部領域(Z2)を含み、
前記第1の端部領域(Z1)における前記加熱管(302)の配置密度は、前記第2の端部領域(Z2)における前記加熱管(302)の配置密度よりも小さいかまたはそれに等しい、
請求項1に記載のプレート形状ヒータ。
【請求項5】
前記第1の端部領域(Z1)における前記加熱管(302)に設置されている前記熱線(304)の長さは、前記第2の端部領域(Z2)における前記加熱管(302)に設置されている前記熱線(304)の長さよりも短いかまたはそれに等しい、
請求項4に記載のプレート形状ヒータ。
【請求項6】
熱が前記加熱管(302)から前記ハウジング(301)に伝達されることを防止するために、前記ハウジング(301)と前記加熱管(302)との間に設けられている断熱スポンジ(303)と、
前記ハウジング(301)の開口部に設置されているパネル(305)と
をさらに備え、

前記パネル(305)と前記加熱管(302)との間には、断熱スポンジ(303)が設けられず、前記プレート形状ヒータ(31、32)により生成される熱は、前記ケーブルの前記熱収縮チューブを加熱するために前記パネル(305)から外方に放射する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のプレート形状ヒータ。
【請求項7】
ベースプレート(33)と、
一端部が前記ベースプレート(33)に接続されている一対のプレート形状ヒータ(31、32)と
を備える加熱ユニットであって、

前記プレート形状ヒータ(31、32)は、請求項1から6に記載の前記プレート形状ヒータのうちのいずれかであり、
前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)は、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間に配置されているケーブルの前記熱収縮チューブを加熱するために、前記プレート形状ヒータ(31、32)の長手方向(Y’)および横方向(X’)に垂直な高さ方向において対向した状態で離隔しかつ互いに平行である、
加熱ユニット。
【請求項8】
前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間の間隔を前記ケーブルの直径に合致するように調節することが可能であるように、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)のうちの少なくとも一方は、前記高さ方向に沿って前記ベースプレート(33)に対して移動可能である、
請求項7に記載の加熱ユニット。
【請求項9】
前記高さ方向に沿って直線状に延び、前記ベースプレート(33)に固定されているガイドレール(331)と、
前記ガイドレール(331)に摺動可能に設置されている第1のスライダ(311)と、
前記ガイドレール(331)に摺動可能に設置されている第2のスライダ(321)と
をさらに備え、

前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)が前記ガイドレール(331)に沿って移動可能であるように、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)のうちの一方は、前記第1のスライダ(311)に固定的に接続され、他方は、前記第2のスライダ(321)に固定的に接続されている、
請求項8に記載の加熱ユニット。
【請求項10】
前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の一端部における開口部に設けられ、前記ベースプレート(33)に固定されている第1の熱反射プレート(35)
をさらに備え、
前記第1の熱反射プレート(35)は、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間の加熱領域に熱を反射して、熱が前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の一端部における前記開口部から前記加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる、
請求項7から9のいずれか一項に記載の加熱ユニット。
【請求項11】
待機ステーションに配置されている格納チャンバ(13)および加熱ステーションに配置されている支持プラットフォーム(11、12)を含む本体(1)と、
熱収縮チューブを有するケーブルをクランプするために前記支持プラットフォーム(11、12)に設置されているケーブルクランプ(40)と、
前記ケーブルの前記熱収縮チューブを加熱するための、請求項7から10のいずれか一項に記載の前記加熱ユニット(3)と、
前記加熱ユニット(3)が前記待機ステーションと前記加熱ステーションとの間で移動し待機姿勢と加熱姿勢との間で切り替わるように前記加熱ユニット(3)を駆動するために、前記加熱ユニット(3)の前記ベースプレート(33)に接続されている動作機構(2)と
を備える熱収縮機であって、

前記加熱ユニット(3)が前記待機ステーションに移動すると、前記加熱ユニット(3)は、前記格納チャンバ(13)に前記待機姿勢で配置され、
前記加熱ユニット(3)が前記加熱ステーションに移動すると、前記加熱ユニット(3)は、前記支持プラットフォーム(11、12)に前記加熱姿勢で配置される、
熱収縮機。
【請求項12】
前記動作機構(2)は、
- 駆動機構と共に移動するように前記駆動機構に接続されている第1の接続ロッド(21)と、
- 前記第1の接続ロッド(21)に対して旋回軸周りで回転するように前記第1の接続ロッド(21)に旋回可能に接続されている第2の接続ロッド(22)と、
- 前記第2の接続ロッド(22)に固定されているガイドピン(23)と、
- 前記ガイドピン(23)をガイドスロット(240)に沿って移動するように案内するために用いられる、前記ガイドピン(23)と摺動可能に嵌合する前記ガイドスロット(240)が形成されているスロットレール(24)と
を備え、
前記第2の接続ロッド(22)の端部は、前記加熱ユニット(3)の前記ベースプレート(33)に固定的に接続されている、
請求項11に記載の熱収縮機。
【請求項13】
前記プレート形状ヒータ(31、32)は、前記ベースプレート(33)に接続されている第1の端部、および前記第1の端部の反対側の第2の端部を有し、
前記加熱ユニット(3)が前記待機ステーションから前記加熱ステーションに移動する間に、前記ケーブルクランプ(40)は、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の前記第2の端部における開口部を通して前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間の加熱領域に入る、
請求項11に記載の熱収縮機。
【請求項14】
前記加熱ユニット(3)は、
前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の前記第1の端部における開口部に設けられている第1の熱反射プレート(35)
を備え、

前記第1の熱反射プレート(35)は、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間の加熱領域に熱を反射して、熱が前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の前記第1の端部における前記開口部から前記加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる、
請求項13に記載の熱収縮機。
【請求項15】
前記支持プラットフォーム(11、12)または前記プレート形状ヒータ(31、32)の前記ハウジング(301)に固定されている第2の熱反射プレート(34、34’)
をさらに備え、

前記加熱ユニット(3)が前記加熱ステーションに移動すると、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の間の前記加熱領域に熱を反射するために用いられる前記第2の熱反射プレート(34、34’)は、前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の前記第2の端部における前記開口部を覆い、熱が前記一対のプレート形状ヒータ(31、32)の前記第2の端部における前記開口部から前記加熱領域の外側に流れることを防止する、
請求項13または14に記載の熱収縮機。
【請求項16】
前記第2の熱反射プレート(34、34’)は、
前記支持プラットフォーム(11、12)の上方に配置され、前記支持プラットフォーム(11、12)に固定されている上部反射プレート(34)と、
前記支持プラットフォーム(11、12)の下方に配置され、前記支持プラットフォーム(11、12)に固定されている下部反射プレート(34’)と
を備える、
請求項15に記載の熱収縮機。
【請求項17】
前記本体(1)に設置される安全カバー(110、120、110’、120’)
をさらに備え、

前記ケーブルの前記熱収縮チューブを加熱するとき、前記加熱ユニット(3)は、前記加熱ユニット(3)を外気から隔離するために、前記安全カバー(110、120、110’、120’)に収容される、
請求項15に記載の熱収縮機。
【請求項18】
前記安全カバー(110、120、110’、120’)は、
前記支持プラットフォーム(11、12)の上方に配置され、開閉することが可能な上部安全カバー(110、120)と、
前記支持プラットフォーム(11、12)の下方に配置され、前記支持プラットフォーム(11、12)に固定されている下部安全カバー(110’、120’)と
を備える、
請求項17に記載の熱収縮機。
【請求項19】
前記加熱ユニット(3)が前記待機ステーションから前記加熱ステーションに移動するのにかかる時間、または、前記加熱ステーションから前記待機ステーションに移動するのにかかる時間は、1秒を超えない、
請求項18に記載の熱収縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国国家知識産権局において2023年3月7日に出願された中国特許出願第CN202310213145.9号の利益を主張し、その全開示が本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、プレート形状ヒータ、プレート形状ヒータを備える加熱ユニット、および加熱ユニットを備える熱収縮機に関する。
【背景技術】
【0003】
熱収縮機の加熱ユニットは通常、上部および下部の2つのプレート形状ヒータを含む。先行技術において、加熱ユニットにおける一様な温度を有する加熱領域は、加熱ユニットの中間領域に限定され、その結果、その2つの端部をワイヤハーネス熱収縮チューブの加熱に用いることができない。それにより、生産効率が低減するのみならず、いくらかのエネルギー消費の無駄も生じる。加えて、先行技術においては、構造的限界により、ヒータの両端部における熱線の密度を増大させることができず、その結果、加熱ユニットの両端部における温度が常に中間の温度よりも低くなり、それにより、2つの端部をワイヤハーネス熱収縮チューブの加熱に用いることができず、生産効率の向上に影響を及ぼす。
【0004】
先行技術においては、熱収縮機のヒータの通常動作温度は500~600℃の間であり、外部環境との温度差が大きすぎる。したがって、加熱中に、上部ヒータおよび下部ヒータの両端部における開口部を通して熱が失われ、その結果、ヒータの2つの端部における温度がより低くなり、これはさらに、不均一な加熱をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の難点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するためのプレート形状ヒータが提供される。プレート形状ヒータは、長手方向に両端部を有するハウジングと、ハウジングに設けられる複数の加熱管と、複数の加熱管に設けられる熱線とを備える。加熱管は、ハウジングの横方向に沿って延び、複数の加熱管は、ハウジングの長手方向に沿って一列に配置される。ハウジングの2つの端部の近くの2つの端部領域における加熱管の配置密度は、ハウジングの2つの端部領域の間の中間領域における加熱管の配置密度よりも大きい。
【0007】
本発明の例示的実施形態によれば、端部領域における加熱管に設置される熱線の長さは、中間領域における加熱管に設置される熱線の長さよりも長い。
【0008】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ケーブルクランプにクランプされる全てのケーブルの熱収縮チューブがプレート形状ヒータにより均一に加熱されるように、複数の加熱管の加熱領域は、全てのケーブルクランプを覆う。
【0009】
本発明の別の例示的実施形態によれば、ハウジングの一端部は、ベースプレートに接続するために用いられ、2つの端部領域は、ハウジングの一端部の近くの第1の端部領域、およびハウジングの他端部の近くの第2の端部領域を含み、第1の端部領域における加熱管の配置密度は、第2の端部領域における加熱管の配置密度よりも小さいかまたはそれに等しい。
【0010】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第1の端部領域における加熱管に設置される熱線の長さは、第2の端部領域における加熱管に設置される熱線の長さよりも短いかまたはそれに等しい。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によれば、プレート形状ヒータは、熱が加熱管からハウジングに伝達されることを防止するために、ハウジングと加熱管との間に設けられる断熱スポンジ(adiabatic sponge)と、ハウジングの開口部に設置されるパネルとをさらに備える。パネルと加熱管との間には、断熱スポンジが設けられず、プレート形状ヒータにより生成される熱は、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するためにパネルから外方に放射する。
【0012】
本発明の別の態様によれば、加熱ユニットが提供される。加熱ユニットは、ベースプレートと、一端部がベースプレートに接続される一対のプレート形状ヒータとを備える。一対のプレート形状ヒータは、一対のプレート形状ヒータの間に配置されるケーブルの熱収縮チューブを加熱するために、プレート形状ヒータの長手方向および横方向に垂直な高さ方向において反対側に離隔しかつ互いに平行である。
【0013】
本発明の例示的実施形態によれば、一対のプレート形状ヒータの間の間隔をケーブルの直径に合致するように調節することが可能であるように、一対のプレート形状ヒータのうちの少なくとも一方は、高さ方向に沿ってベースプレートに対して移動可能である。
【0014】
本発明の別の例示的実施形態によれば、加熱ユニットは、高さ方向に沿って直線状に延び、ベースプレートに固定されるガイドレールと、ガイドレールに摺動可能に設置される第1のスライダと、ガイドレールに摺動可能に設置される第2のスライダとをさらに備える。一対のプレート形状ヒータがガイドレールに沿って移動可能であるように、一対のプレート形状ヒータのうちの一方は、第1のスライダに固定的に接続され、他方は、第2のスライダに固定的に接続される。
【0015】
本発明の別の例示的実施形態によれば、加熱ユニットは、一対のプレート形状ヒータの一端部における開口部に設けられ、ベースプレートに固定される第1の熱反射プレートをさらに備える。第1の熱反射プレートは、一対のプレート形状ヒータの間の加熱領域に熱を反射して、熱が一対のプレート形状ヒータの一端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる。
【0016】
本発明の別の態様によれば、熱収縮機が提供される。熱収縮機は、待機ステーション(standby station)に配置される格納チャンバ(containment chamber)および加熱ステーションに配置される支持プラットフォームを含む本体と、熱収縮チューブを有するケーブルをクランプするために支持プラットフォームに設置されるケーブルクランプと、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するための上記の加熱ユニットと、加熱ユニットを待機ステーションと加熱ステーションとの間で移動し待機姿勢(standby orientation)と加熱姿勢(heating orientation)との間で切り替わるように駆動するために、加熱ユニットのベースプレートに接続される動作機構とを備える。加熱ユニットが待機ステーションに移動すると、加熱ユニットは、格納チャンバに待機姿勢で配置され、加熱ユニットが加熱ステーションに移動すると、加熱ユニットは、支持プラットフォームに加熱姿勢で配置される。
【0017】
本発明の例示的実施形態によれば、動作機構は、駆動機構と共に移動するように駆動機構に接続される第1の接続ロッドと、第1の接続ロッドに対して旋回軸周りで回転するように第1の接続ロッドに旋回可能に接続される第2の接続ロッドと、第2の接続ロッドに固定されるガイドピンと、ガイドピンをガイドスロットに沿って移動するように案内するために用いられる、ガイドピンと摺動可能に嵌合するガイドスロットが形成されるスロットレールとを備える。第2の接続ロッドの端部は、加熱ユニットのベースプレートに固定的に接続される。
【0018】
本発明の別の例示的実施形態によれば、プレート形状ヒータは、ベースプレートに接続される第1の端部、および第1の端部の反対側の第2の端部を有し、加熱ユニットが待機ステーションから加熱ステーションに移動する間に、ケーブルクランプは、一対のプレート形状ヒータの第2の端部における開口部を通して一対のプレート形状ヒータの間の加熱領域に入る。
【0019】
本発明の別の例示的実施形態によれば、加熱ユニットは、一対のプレート形状ヒータの第1の端部における開口部に設けられる第1の熱反射プレートを備える。第1の熱反射プレートは、一対のプレート形状ヒータの間の加熱領域に熱を反射して、熱が一対のプレート形状ヒータの第1の端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる。
【0020】
本発明の別の例示的実施形態によれば、熱収縮機は、支持プラットフォームまたはプレート形状ヒータのハウジングに固定される第2の熱反射プレートをさらに備える。加熱ユニットが加熱ステーションに移動すると、一対のプレート形状ヒータの間の加熱領域に熱を反射するために用いられる第2の熱反射プレートは、一対のプレート形状ヒータの第2の端部における開口部を覆い、熱が一対のプレート形状ヒータの第2の端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止する。
【0021】
本発明の別の例示的実施形態によれば、第2の熱反射プレートは、支持プラットフォームの上方に配置され、支持プラットフォームに固定される上部反射プレートと、支持プラットフォームの下方に配置され、支持プラットフォームに固定される下部反射プレートとを備える。
【0022】
本発明の別の例示的実施形態によれば、熱収縮機は、本体に設置される安全カバーをさらに備える。ケーブルの熱収縮チューブを加熱するとき、加熱ユニットは、加熱ユニットを外気から隔離するために、安全カバーに収容される。
【0023】
本発明の別の例示的実施形態によれば、安全カバーは、支持プラットフォームの上方に配置され、開閉することが可能な上部安全カバーと、支持プラットフォームの下方に配置され、支持プラットフォームに固定される下部安全カバーとを備える。
【0024】
本発明の別の例示的実施形態によれば、加熱ユニットが待機ステーションから加熱ステーションに移動するのにかかる時間、または、加熱ステーションから待機ステーションに移動するのにかかる時間は、1秒を超えない。
【0025】
本発明の上記の例示的実施形態においては、プレート形状ヒータの端部領域における加熱管の配置密度がプレート形状ヒータの中間領域におけるものよりも大きく、これにより、プレート形状ヒータの端部領域における加熱温度がプレート形状ヒータの中間領域における加熱温度と基本的に合致し、それにより、プレート形状ヒータの加熱均一性が向上する。
【0026】
本発明の上記および他の特徴が、添付の図面を参照してその例示的実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明斜視図である。
図2】本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の本体の説明斜視図である。
図3】第1の支持プラットフォームにおける第1の上部安全カバーが開いており、第2の支持プラットフォームにおける第2の上部安全カバーが閉じている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明斜視図である。
図4】本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明斜視図である。
図5】一方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の動作機構の説明斜視図である。
図6】他方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の動作機構の説明斜視図である。
図7】本発明の例示的実施形態に係る動作機構のスロットレールの説明斜視図である。
図8】一方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明斜視図である。
図9】他方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明斜視図である。
図10】第1のクロスビーム310が取り除かれている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明斜視図である。
図11】加熱デバイスが第1の支持プラットフォームに配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明図である。
図12】加熱デバイスが第1の加熱ステーションに第1の加熱姿勢で配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明図である。
図13】加熱デバイスが第2の加熱ステーションに第2の加熱姿勢で配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明図である。
図14】加熱ユニットが加熱ステーションに配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の断面図である。
図15】加熱ユニット、熱反射プレート、および安全カバーを示す、図14に示す熱収縮機の部分拡大模式図である。
図16】本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱ユニットの説明斜視図である。
図17】本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータの説明斜視図である。
図18】本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータの長手方向断面図である。
図19】本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータの縦断面図である。
図20】本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータの水平方向に沿った断面図である。
図21】本発明の例示的実施形態に係る加熱ユニットおよび熱反射プレートの模式的配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
添付の図面を参照して、本開示の例示的実施形態を以下で詳細に説明する。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように提供されており、本開示の概念を当業者に十分に伝達するであろう。
【0029】
以下の詳細な説明においては、説明の目的で、多数の具体的な詳細事項が、開示の実施形態の完全な理解をもたらすために記載されている。しかしながら、1つまたは複数の実施形態がこれらの具体的な詳細事項なしで実施されてもよいことは明らかであろう。他の例において、図面を簡略化するために、周知の構造および装置は模式的に示されている。
【0030】
本発明の一般概念によれば、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するためのプレート形状ヒータが提供される。プレート形状ヒータは、長手方向に両端部を有するハウジングと、ハウジングに設けられる複数の加熱管と、複数の加熱管に設けられる熱線とを備える。加熱管は、ハウジングの横方向に沿って延び、複数の加熱管は、ハウジングの長手方向に沿って一列に配置される。ハウジングの2つの端部の近くの2つの端部領域における加熱管の配置密度は、ハウジングの2つの端部領域の間の中間領域における加熱管の配置密度よりも大きい。
【0031】
本発明の別の一般概念によれば、加熱ユニットが提供される。加熱ユニットは、ベースプレートと、一端部がベースプレートに接続される一対のプレート形状ヒータとを備える。一対のプレート形状ヒータは、一対のプレート形状ヒータの間に配置されるケーブルの熱収縮チューブを加熱するために、プレート形状ヒータの長手方向および横方向に垂直な高さ方向において反対側に離隔しかつ互いに平行である。
【0032】
本発明の別の一般概念によれば、熱収縮機が提供される。熱収縮機は、待機ステーションに配置される格納チャンバおよび加熱ステーションに配置される支持プラットフォームを含む本体と、熱収縮チューブを有するケーブルをクランプするために支持プラットフォームに設置されるケーブルクランプと、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するための上記の加熱ユニットと、加熱ユニットを待機ステーションと加熱ステーションとの間で移動し待機姿勢と加熱姿勢との間で切り替わるように駆動するために、加熱ユニットのベースプレートに接続される動作機構とを備える。加熱ユニットが待機ステーションに移動すると、加熱ユニットは、格納チャンバに待機姿勢で配置され、加熱ユニットが加熱ステーションに移動すると、加熱ユニットは、支持プラットフォームに加熱姿勢で配置される。
【0033】
本発明の別の一般概念によれば、動作機構が提供される。動作機構は、駆動機構と共に移動するように駆動機構に接続される第1の接続ロッドと、第1の接続ロッドに対して旋回軸周りで回転するように第1の接続ロッドに旋回可能に接続される第2の接続ロッドと、第2の接続ロッドに固定されるガイドピンと、ガイドピンをガイドスロットに沿って移動するように案内するためにガイドピンと摺動可能に嵌合するガイドスロットが形成されるスロットレールとを備える。第1の接続ロッドが移動するように駆動されると、第2の接続ロッドは、それに接続された動作ユニットを異なる姿勢の間で切り替わるように駆動し、それにより、駆動された動作ユニットは、異なる姿勢を有する。
【0034】
本発明の別の一般概念によれば、加熱デバイスが提供される。加熱デバイスは、加熱のための加熱ユニットと、加熱ユニットが異なる姿勢を有するように加熱ユニットを異なる姿勢の間で切り替わるように駆動するために第2の接続ロッドが加熱ユニットに固定的に接続される、上記の動作機構とを備える。
【0035】
本発明の別の一般概念によれば、熱収縮機が提供される。熱収縮機は、待機ステーションに配置される格納チャンバおよび加熱ステーションに配置される支持プラットフォームを備える本体と、熱収縮チューブを有するケーブルをクランプするために支持プラットフォームに設置されるケーブルクランプと、クランプされたケーブルの熱収縮チューブを加熱するために本体に設置される上記の加熱デバイスとを備える。動作機構は、加熱ユニットを待機ステーションと加熱ステーションとの間で移動し待機姿勢と加熱姿勢との間で切り替わるように駆動するために用いられる。加熱ユニットが待機ステーションに移動すると、加熱ユニットは、格納チャンバに待機姿勢で配置され、加熱ユニットが加熱ステーションに移動すると、加熱ユニットは、支持プラットフォームに加熱姿勢で配置される。
【0036】
本発明の別の全体的な技術概念によれば、動作機構が提供される。動作機構は、駆動機構と共に移動するように駆動機構に接続される第1の接続ロッド21と、第1の接続ロッド21に対して旋回軸周りで回転するように第1の接続ロッド21に旋回可能に接続される第2の接続ロッド22と、第2の接続ロッド22に固定されるガイドピン23と、ガイドピン23をガイドスロット240に沿って移動するように案内するためにガイドピン23と摺動可能に嵌合するガイドスロット240が形成されるスロットレール24とを備える。第1の接続ロッド21が移動するように駆動されると、第2の接続ロッド22は、それに接続された動作ユニットを異なるワークステーションの間で移動し異なる姿勢の間で切り替わるように駆動し、それにより、駆動された動作ユニットは、異なるワークステーションにおいて異なる姿勢を有する。
【0037】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明斜視図を示す。図2は、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の本体1の説明斜視図を示す。図3は、第1の支持プラットフォーム11における第1の上部安全カバー110が開いており、第2の支持プラットフォーム12における第2の上部安全カバー120が閉じている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明斜視図を示す。図4は、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明斜視図を示す。
【0038】
図1図4に示すように、例示の実施形態において、熱収縮機は、本体1、複数のケーブルクランプ40、および加熱デバイスを主に備える。熱収縮機本体1は、待機ステーションに配置される格納チャンバ13、および加熱ステーションに配置される支持プラットフォーム11、12を含む。複数のケーブルクランプ40は、熱収縮チューブを有する複数のケーブル(不図示)をクランプするために支持プラットフォーム11、12に設置される。加熱デバイスは、クランプされたケーブルの熱収縮チューブを加熱することで熱収縮チューブをケーブルへと収縮させるために、本体1に設置される。
【0039】
図1図4に示すように、例示の実施形態において、加熱デバイスは、動作機構2および加熱ユニット3を主に備える。動作機構2は、加熱ユニット3を待機ステーションと加熱ステーションとの間で移動するように駆動し、加熱ユニット3を待機姿勢と加熱姿勢との間で切り替わるように駆動するために用いられる。
【0040】
図11は、加熱ユニット3が第1の支持プラットフォーム11に配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の説明図を示す。図12は、加熱ユニット3が第1の加熱ステーションに第1の加熱姿勢で配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明図を示す。図13は、加熱ユニット3が第2の加熱ステーションに第2の加熱姿勢で配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱デバイスの説明図を示す。
【0041】
図1図4から図11図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が待機ステーションに移動すると、加熱ユニット3は、格納チャンバ13に待機姿勢で配置される。加熱ユニット3は、加熱ステーションに移動すると、支持プラットフォーム11、12に加熱姿勢で配置される。
【0042】
図1図4から図11図13に示すように、例示の実施形態において、支持プラットフォーム11、12は、それぞれ第1の加熱ステーションおよび第2の加熱ステーションに配置される第1の支持プラットフォーム11および第2の支持プラットフォーム12を含む。第1の支持プラットフォーム11および第2の支持プラットフォーム12は、横並びで配置され、それぞれ格納チャンバ13の左側および右側に配置される。
【0043】
図1図4から図11図13に示すように、例示の実施形態において、動作機構2は、加熱ユニット3を待機ステーション、第1の加熱ステーション、および第2の加熱ステーションの間で移動するように駆動し、加熱ユニット3を待機姿勢、第1の加熱姿勢、および第2の加熱姿勢の間で切り替わるように駆動するために用いられる。
【0044】
図1図4から図11図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第1の加熱ステーションに移動すると、加熱ユニット3は、第1の支持プラットフォーム11に第1の加熱姿勢で配置される。
【0045】
図1図4から図11図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第2の加熱ステーションに移動すると、加熱ユニット3は、第2の支持プラットフォーム12に第2の加熱姿勢で配置される。
【0046】
図5は、一方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の動作機構2の説明斜視図を示す。図6は、他方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の動作機構2の説明斜視図を示す。図7は、本発明の例示的実施形態に係る動作機構2のスロットレール24の説明斜視図を示す。
【0047】
図1図7から図11図13に示すように、本発明の例示的実施形態においては、第1の接続ロッド21、第2の接続ロッド22、ガイドピン23、およびスロットレール24を主に備える動作機構2も開示される。第1の接続ロッド21は、第1の方向Yにおいて直線状に移動可能である。第2の接続ロッド22は、第1の方向Yに垂直な旋回軸の周りで第1の接続ロッド21に対して回転可能であるように、第1の接続ロッド21に回転自在に接続される。例示の実施形態において、第2の接続ロッド22は、旋回軸221を介して第1の接続ロッド21に回転可能に接続される。ガイドピン23は、第2の接続ロッド22に固定される。スロットレール24には、ガイドピン23に嵌合するガイドスロット240が形成されており、ガイドスロット24はガイドピン23をガイドスロット240に沿って移動するように案内するために用いられる。
【0048】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、第1の接続ロッド21が第1の方向Yにおいて直線状に移動するように駆動されると、第2の接続ロッド22は、接続された動作ユニット(例示の実施形態における加熱ユニット3など)を異なるワークステーションの間で移動し異なる姿勢の間で切り替わるように駆動し、それにより、駆動された動作ユニットは、異なるワークステーションにおいて異なる姿勢を有する。
【0049】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、ガイドスロット240は、ヘリンボーン形状である。ガイドスロット240は、第1の方向Yに沿って延びる第1のスロット241と、第1のスロット241と同一直線上にあり、第1の方向Yにおいて第1のスロット241から分離する第2のスロット242と、第1の方向Yおよび旋回軸に垂直な第2の方向Xに沿って延びる第3のスロット243と、第1のスロット241の一端部と第3のスロット243の一端部との間に配置される第1の移行スロット244と、第2のスロット242の一端部と第3のスロット243の一端部との間に配置される第2の移行スロット245とを含む。
【0050】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、ガイドピン23が第1のスロット241における第1の所定位置に移動すると、第2の接続ロッド22に接続された動作ユニットは、第1の動作ステーション(例えば例示の実施形態における第1の加熱ステーション)に移動し、第1の動作姿勢(例えば例示の実施形態における第1の加熱姿勢)に転換される。
【0051】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、ガイドピン23が第2のスロット242における第2の所定位置に移動すると、第2の接続ロッド22に接続された動作ユニットは、第2の動作ステーション(例えば例示の実施形態における第2の加熱ステーション)に移動し、第2の動作姿勢(例えば例示の実施形態における第2の加熱姿勢)に転換される。
【0052】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、ガイドピン23が第3のスロット243における第3の所定位置に移動すると、第2の接続ロッド22に接続された動作ユニットは、待機ステーションに移動し、待機姿勢に転換される。
【0053】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、第1のスロット241および第2のスロット242は、第1の方向Yに平行な第1の直線上に延び、旋回軸は、第1の直線と交差する。
【0054】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、待機姿勢における動作ユニットは、第2の接続ロッド22の旋回軸の周りで一方向に90度回転した後、第1の動作姿勢に転換される。
【0055】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、待機姿勢における動作ユニットは、第2の接続ロッド22の旋回軸の周りで反対方向に90度回転した後、第2の動作姿勢に転換される。
【0056】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、動作機構2は、第1の方向Yにおいて直線状に延びるガイドレール212と、摺動自在にガイドレール212に設置されるスライダ211とをさらに備える。スライダ211は、第1の接続ロッド21に固定的に接続され、それにより、スライダ211を駆動することによって第1の接続ロッド21を第1の方向Yにおいて直線状に移動するように駆動することができる。
【0057】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、動作機構2は、スライダ211をガイドレール212に沿って直線状に移動するように駆動するための駆動装置をさらに含む。
【0058】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、上記の駆動装置は、ブラケット20と、回転自在にブラケット20に設置される一対のプーリ261および262と、一対のプーリ261および262の間に接続される駆動ベルト263と、ブラケット20に固定されるモータ26およびプーリ261に接続されるその出力シャフトと、駆動ベルト263およびスライダ211に固定される接続部品25とを備える。例示の実施形態において、ガイドレール212は、ブラケット20に固定される。
【0059】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、モータ26は回転すると、駆動ベルト263を移動するように駆動し、駆動ベルト263を介してスライダ211をガイドレール212に沿って直線状に移動するように駆動する。
【0060】
図1図7から図11図13に示すように、例示の実施形態において、動作機構2は、設置プレート200をさらに備える。スロットレール24、ガイドレール212、およびブラケット20は、設置プレート200に固定される。例示の実施形態において、設置プレート200は、熱収縮機の本体1に固定され、熱収縮機の底部台座を形成する。
【0061】
図8は、一方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱ユニット3の説明斜視図を示す。図9は、他方側から見た場合の、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱ユニット3の説明斜視図を示す。図10は、第1のクロスビーム310が取り除かれている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱ユニット3の説明斜視図を示す。
【0062】
図1図13に示すように、本発明の例示的実施形態においては、加熱デバイスも開示される。加熱デバイスは、加熱ユニット3および上記の動作機構2を主に含む。加熱ユニット3は、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するために用いられる。異なるワークステーションにおいて加熱ユニット3の姿勢が異なるように、加熱ユニット3を異なるワークステーションの間で移動し異なる姿勢の間で切り替わるように駆動するために用いられる動作機構2の第2の接続ロッド22は、加熱ユニット3に固定的に接続される。
【0063】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3は、一対のプレート形状ヒータ31、32、およびベースプレート33を備える。ベースプレート33は、動作機構2の第2の接続ロッド22に固定的に接続され、第2の接続ロッド22の旋回軸に平行な第3の方向Zに延びる。一対のプレート形状ヒータ31および32は、ベースプレート33において第3の方向Zに垂直に設置される。一対のプレート形状ヒータ31および32の間の間隔をケーブルの直径に合致するように調節することが可能であるように、一対のプレート形状ヒータ31および32のうちの少なくとも一方は、第3の方向Zに沿って移動可能である。
【0064】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3は、第3の方向Zに沿って直線状に延びるガイドレール331と、ガイドレール331に摺動可能に設置される第1のスライダ311と、ガイドレール331に摺動可能に設置される第2のスライダ321とをさらに備える。一対のプレート形状ヒータ31および32のうちの一方は、第1のスライダ311に固定的に接続され、他方は、第2のスライダ321に固定的に接続される。
【0065】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、第3の方向Zにおいて互いに離隔する複数のロック孔3eが、ベースプレート33に形成される。加熱ユニット3はまた、第1のクロスビーム310、第2のクロスビーム320、第1のロックピン3a、および第2のロックピン3bを含む。第1のクロスビーム310は、一方のプレート形状ヒータ31の一端部および第1のスライダ311に固定的に接続される。第1の貫通孔3cが、第1のクロスビーム310に形成される。第2のクロスビーム320は、他方のプレート形状ヒータ32の一端部および第2のスライダ321に固定的に接続され、第2の貫通孔3dが、第2のクロスビーム320に形成される。第1のロックピン3aは、一方のプレート形状ヒータ31を第1の位置に固定するために、第1の貫通孔3cおよび対応するロック孔3eに挿入される。第2のロックピン3bは、他方のプレート形状ヒータ32を第2の位置に固定するために、第2の貫通孔3dおよび対応するロック孔3eに挿入される。
【0066】
本発明は、例示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、加熱ユニット3は、第1の昇降デバイス(不図示)および第2の昇降デバイス(不図示)を含んでよい。第1のスライダ311をガイドレール331に沿って移動するように駆動するために用いられる第1の昇降デバイスは、ベースプレート33に設置され、第1のスライダ311に接続される。例えば、第1の昇降デバイスは、ベースプレート33に固定される第1のモータ、および、第1のモータの出力シャフトと第1のスライダ311との間に接続される第1の伝達機構を含んでよい。第2のスライダ321をガイドレール331に沿って移動するように駆動するための第2の昇降デバイスは、ベースプレート33に設置され、第2のスライダ321に接続される。例えば、第2の昇降デバイスは、ベースプレート33に固定される第2のモータ、および、第2のモータの出力シャフトと第2のスライダ321との間に接続される第2の伝達機構を含んでよい。
【0067】
本発明は、例示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、加熱ユニット3は、駆動モータおよびねじ付きロッドを含んでよい。駆動モータは、ベースプレート33に設置され、ねじ付きロッドを回転するように駆動するためにねじ付きロッドに接続される。ねじ付きロッドの上部および下部には、それぞれ第1のねじ山および第2のねじ山が形成され、第1のねじ山および第2のねじ山のねじ山方向は反対であり、それぞれ第1のスライダ311および第2のスライダ321のねじ山に接続される。駆動モータが回転すると、ねじ付きロッドは、一対のプレート形状ヒータ31および32の間の間隔を調節するために、一対のプレート形状ヒータ31および32を互いに向かうまたは離れる方向に移動するように駆動する。
【0068】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、待機姿勢における加熱ユニット3は、第2の接続ロッド22の旋回軸の周りで左方に90度回転した後、第1の加熱姿勢に転換される。
【0069】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、待機姿勢における加熱ユニット3は、第2の接続ロッド22の旋回軸の周りで右方に90度回転した後、第2の加熱姿勢に転換される。
【0070】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、一列のケーブルクランプ40が、第1の支持プラットフォーム11の前側、後側、および左側のうちの少なくとも1つの側の頂面に配置される。一列のケーブルクランプ40が、第2の支持プラットフォーム12の前側、後側、および右側のうちの少なくとも1つの側の頂面に配置される。
【0071】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第1の支持プラットフォーム11に移動すると、ケーブルが、第1の支持プラットフォーム11の前側、後側、または左側のうちのいずれかの側から加熱ユニット3の一対のプレート形状ヒータ31および32の間の加熱領域に入ることができる。これにより、熱収縮機の適用範囲を拡張することができる。
【0072】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第2の支持プラットフォーム12に移動すると、ケーブルが、第2の支持プラットフォーム12の前側、後側、および右側のうちのいずれかの側から加熱ユニット3の一対のプレート形状ヒータ31および32の間の加熱領域に入ることができる。これにより、熱収縮機の適用範囲を拡張することができる。
【0073】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が格納チャンバ13に出入りすることを可能とするために、開口部131がそれぞれ格納チャンバ13の左壁および右壁に形成される。開口部131を開閉することが可能な安全ドア132が、それぞれ格納チャンバ13の左壁および右壁に設置される。
【0074】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第1の支持プラットフォーム11において熱収縮チューブを加熱するとき、左壁に設置された安全ドア132が引っ込んで左壁における開口部131を開き、右壁に設置された安全ドア132が伸張して右壁における開口部131を閉じる。加熱ユニット3が第2の支持プラットフォーム12において熱収縮チューブを加熱するとき、右壁に設置された安全ドア132が引っ込んで右壁における開口部131を開き、左壁に設置された安全ドア132が伸張して左壁における開口部131を閉じる。
【0075】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、熱収縮機は、第1の上部安全カバー110、第2の上部安全カバー120、および第3の安全カバー130をさらに備える。第1の安全カバー110は、格納チャンバ13の左壁に回転可能に接続され、回転して開閉することが可能である。第2の上部安全カバー120は、格納チャンバ13の右壁に回転可能に接続され、回転して開閉することが可能である。
【0076】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第1の支持プラットフォーム11において熱収縮チューブを加熱するとき、第1の上部安全カバー110が閉じて、第1の支持プラットフォーム11に配置された加熱ユニット3、ケーブルクランプ40、およびケーブルの熱収縮チューブを覆い、第2の上部安全カバー120が開いて、ケーブルが第2の支持プラットフォーム12にクランプされることを可能とする。
【0077】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が第2の支持プラットフォーム12において熱収縮チューブを加熱するとき、第2の上部安全カバー120が閉じて、第2の支持プラットフォーム12に配置された加熱ユニット3、ケーブルクランプ40、およびケーブルの熱収縮チューブを覆い、第1の上部安全カバー110が開いて、ケーブルが第1の支持プラットフォーム11にクランプされることを可能とする。
【0078】
図1図13に示すように、例示の実施形態において、第3の安全カバー130は、格納チャンバ13の頂部開口部に設置され、開閉可能である。
【0079】
図14は、加熱ユニット3が加熱ステーションに配置されている、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の断面図を示す。図15は、加熱ユニット3、熱反射プレート34、34’、35、および安全カバー110、120、110’、120’を示す、図14に示す熱収縮機の部分拡大模式図を示す。図16は、本発明の例示的実施形態に係る熱収縮機の加熱ユニット3の説明斜視図を示す。図17は、本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータ31および32の説明斜視図を示す。図18は、本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータ31および32の長手方向断面図を示す。図19は、本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータ31および32の縦断面図を示す。図20は、本発明の例示的実施形態に係るプレート形状ヒータ31および32の水平方向に沿った断面図を示す。図21は、本発明の例示的実施形態に係る加熱ユニット3および熱反射プレート34、34’、35の模式的配置図を示す。
【0080】
図1図21に示すように、本発明の例示的実施形態においては、プレート形状ヒータ31および32が開示される。プレート形状ヒータ31および32は、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するために用いられる。プレート形状ヒータ31および32は、ハウジング301、複数の加熱管302、および熱線304を含む。ハウジング301は、その長手方向Y’に両端部を有する。複数の加熱管302は、ハウジング301に設置される。熱線304は、複数の加熱管302に配置される。熱線304は、複数の加熱管302を順に通過する単一の熱線であってもよく、または複数の加熱管302に別個に挿入される複数の熱線であってもよい。加熱管302は、ハウジング301の水平方向X’に沿って延び、複数の加熱管302は、ハウジング301の長手方向Y’に沿って一列に配置される。
ハウジング301の近くの2つの端部領域Z1およびZ2における加熱管302の配置密度は、ハウジング301の2つの端部領域Z1およびZ2の間の中間領域Z3におけるものよりも高い。すなわち、プレート形状ヒータ31および32の端部領域における加熱管302の配置密度は、プレート形状ヒータ31および32の中間領域におけるものよりも高い。これにより、プレート形状ヒータ31および32の端部領域における加熱温度がプレート形状ヒータ31および32の中間領域における加熱温度と基本的に合致し、それにより、プレート形状ヒータ31および32の加熱均一性が向上する。
【0081】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、端部領域Z1およびZ2における加熱管302に設置される熱線304の長さは、中間領域Z3における加熱管302に設置される熱線304の長さよりも長い。これにより、プレート形状ヒータ31および32の加熱均一性をさらに向上させることができる。
【0082】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、ケーブルクランプ40にクランプされる全てのケーブルの熱収縮チューブをプレート形状ヒータ31および32により均一に加熱することが可能であるように、複数の加熱管302の加熱領域は、全てのケーブルクランプ40を覆ってよい。
【0083】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、ハウジング301の一端部は、ベースプレート33に接続するために用いられる。上記の2つの端部領域Z1およびZ2は、ハウジング301の一端部の近くの第1の端部領域Z1、およびハウジング301の他端部の近くの第2の端部領域Z2を含む。
【0084】
図1図21に示すように、実際の応用においては、第1の端部領域Z1に配置される熱収縮チューブがまず一対のプレート形状ヒータ31および32の間の加熱領域に入り、次いで第2の端部領域Z2に配置される熱収縮チューブが一対のプレート形状ヒータ31および32の間の加熱領域に入る。この結果、第2の端部領域Z2に配置される熱収縮チューブの加熱時間は、第1の端部領域Z1に配置される熱収縮チューブの加熱時間よりも短い。第1の端部領域Z1の加熱温度が第2の端部領域Z2の加熱温度と基本的に同じであることを確実にするために、例示の実施形態において、第1の端部領域Z1における加熱管302の配置密度は、第2の端部領域Z2における加熱管302の配置密度よりも低い。
【0085】
ただし、本発明は、例示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、第1の端部領域Z1における加熱管302の配置密度は、第2の端部領域Z2における加熱管302の配置密度に等しくなるように設定されてもよい。
【0086】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、第1の端部領域Z1における加熱管302に設置される熱線304の長さは、第2の端部領域Z2における加熱管302に設置される熱線304の長さよりも短い。
【0087】
ただし、本発明は、例示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的実施形態において、第1の端部領域Z1の加熱管302における熱線304の長さは、第2の端部領域Z2の加熱管302における熱線304の長さに等しくなるように設定されてもよい。
【0088】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、プレート形状ヒータ31および32は、断熱スポンジ303およびパネル305をさらに含む。断熱スポンジ303は、熱が加熱管302からハウジング301に伝達されることを防止するために、ハウジング301と加熱管302との間に設置される。パネル305は、ハウジング301の開口部に設置され、パネル305と加熱管302との間には断熱スポンジ303が設置されない。プレート形状ヒータ31および32により生成される熱は、パネル305に対向するケーブルの熱収縮チューブを加熱するために、パネル305から外方に放射する。
【0089】
図1図21に示すように、本発明の別の例示的実施形態においては、加熱ユニット3も開示される。加熱ユニット3は、ベースプレート33ならびに一対のプレート形状ヒータ31および32を含む。一対のプレート形状ヒータ31および32の一端部は、ベースプレート33に接続される。一対のプレート形状ヒータ31および32の間のケーブルの熱収縮チューブを加熱するために用いられる一対のプレート形状ヒータ31および32は、その長手方向Y’および横方向X’に垂直な高さ方向において対向した状態で離隔しかつ互いに平行である。
【0090】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、一対のプレート形状ヒータ31および32の間の間隔をケーブルの直径に合致するように調節することが可能であるように、一対のプレート形状ヒータ31および32のうちの少なくとも一方は、ベースプレート33に対して高さ方向Z’に移動可能である。
【0091】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3は、ガイドレール331、第1のスライダ311、および第2のスライダ321をさらに含む。ガイドレール331は、高さ方向に沿って直線状に延び、ベースプレート33に固定される。第1のスライダ311は、ガイドレール331に摺動可能に設置される。第2のスライダ321は、ガイドレール331に摺動可能に設置される。一対のプレート形状ヒータ31および32のうちの一方は、第1のスライダ311に固定的に接続され、他方は、第2のスライダ321に固定的に接続され、それにより、一対のプレート形状ヒータ31および32がそれぞれガイドレール331に沿って移動することが可能となる。
【0092】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3は、第1の熱反射プレート35をさらに備える。第1の熱反射プレート35は、一対のプレート形状ヒータ31および32の一端部における開口部に設けられ、ベースプレート33に固定される。第1の熱反射プレート35は、一対のプレート形状ヒータ31,32の間の加熱領域に熱を反射して、熱が一対のプレート形状ヒータ31,32の一端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる。これにより、加熱の効率および均一性を向上させることができる。
【0093】
図1図21に示すように、本発明の別の例示的実施形態においては、熱収縮機も開示される。熱収縮機は、本体1、ケーブルクランプ40、加熱ユニット3、および動作機構2を含む。熱収縮機本体1は、待機ステーションに配置される格納チャンバ13、および加熱ステーションに配置される支持プラットフォーム11、12を含む。ケーブルクランプ40は、熱収縮チューブを有するケーブルをクランプするために支持プラットフォーム11、12に設置される。加熱ユニット3は、ケーブルの熱収縮チューブを加熱するために用いられる。加熱ユニット3を待機ステーションと加熱ステーションとの間で移動し待機姿勢と加熱姿勢との間で切り替わるように駆動するために用いられる動作機構2は、加熱ユニット3のベースプレート33に接続される。
【0094】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3が待機ステーションに移動すると、加熱ユニット3は、格納チャンバ13に待機姿勢で配置され、加熱ユニット3が加熱ステーションに移動すると、加熱ユニット3は、支持プラットフォーム11、12に加熱姿勢で配置される。
【0095】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、動作機構2は、第1の接続ロッド21、第2の接続ロッド22、ガイドピン23、およびスロットレール24を備える。第1の接続ロッド21は、駆動機構に接続され、それに応じて移動可能である。第2の接続ロッド22は、第1の接続ロッド21に対して旋回軸の周りで回転するように第1の接続ロッド21に旋回可能に接続される。ガイドピン23は、第2の接続ロッド22に固定される。スロットレール24には、ガイドピン23をガイドスロット240に沿って移動するように案内するために用いられる、ガイドピン23に摺動可能に嵌合するガイドスロット240が形成される。第2の接続ロッド22の端部は、加熱ユニット3のベースプレート33に固定的に接続される。
【0096】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、一対のプレート形状ヒータ31および32は、ベースプレート33に接続される第1の端部、および第1の端部の反対側の第2の端部を有する。加熱ユニット3が待機ステーションから加熱ステーションに移動する間に、ケーブルクランプ40が、一対のプレート形状ヒータ31および32の第2の端部の間の開口部を通して一対のプレート形状ヒータ31および32の間に入る。
【0097】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、加熱ユニット3は、第1の熱反射プレート35を備える。第1の熱反射プレート35は、一対のプレート形状ヒータ31,32の第1の端部における開口部に設けられる。第1の熱反射プレート35は、一対のプレート形状ヒータ31,32の間の加熱領域に熱を反射して、熱が一対のプレート形状ヒータ31,32の第1の端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止するために用いられる。これにより、加熱の効率および均一性を向上させることができる。
【0098】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、熱収縮機は、第2の熱反射プレート34、34’をさらに備える。第2の熱反射プレート34および34’は、支持プラットフォーム11、12またはプレート形状ヒータ31および32のハウジング301に固定される。加熱ユニット3が加熱ステーションに移動すると、一対のプレート形状ヒータ31,32の間の加熱領域に熱を反射するために用いられる第2の熱反射プレート34および34は、一対のプレート形状ヒータ31および32の第2の端部の開口部を覆い、熱が一対のプレート形状ヒータ31,32の第2の端部における開口部から加熱領域の外側に流れることを防止する。これにより、加熱の効率および均一性を向上させることができる。
【0099】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、第2の熱反射プレート34、34’は、上部反射プレート34および下部反射プレート34’を含む。上部反射プレート34は、支持プラットフォーム11、12の上方に配置され、支持プラットフォーム11、12に固定される。下部反射プレート34’は、支持プラットフォーム11、12の下方に配置され、支持プラットフォーム11、12に固定される。
【0100】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、熱収縮機は、安全カバー110、120、110’、および120’をさらに備える。安全カバー110、120、110’、および120’は、本体1に設置される。ケーブルの熱収縮チューブを加熱するとき、加熱ユニット3は、外気から隔離するために安全カバー110、120、110’、120’に収容される。
【0101】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、安全カバー110、120、110’、120’は、上部安全カバー110、120、および下部安全カバー110’、120’を含む。上部安全カバー110および120は、支持プラットフォーム11、12の上方に配置され、開閉可能である。下部安全カバー110’および120’は、支持プラットフォーム11、12の下方に配置され、支持プラットフォーム11、12に固定される。
【0102】
図1図21に示すように、例示の実施形態において、動作機構2の駆動速度を増大させることにより、加熱ユニット3が待機ステーションから加熱ステーションに移動するのにかかる時間、または、加熱ステーションから待機ステーションに移動するのにかかる時間が1秒を超えない。これにより、プレート形状ヒータ31および32の2つの端部の間での加熱時間の差を低減することができ、それにより、加熱均一性がさらに向上する。
【0103】
本発明の熱収縮機の構造は、例示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明において、加熱ユニット3における一対のプレート形状ヒータ31および32は、支持プラットフォーム11、12の横方向に沿って(図における第2の方向Xにおいて)一方側から他方側に移動してもよい。
【0104】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的ではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0105】
いくつかの例示的な実施形態について図示および説明したが、本開示の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0106】
本明細書で用いられるように、単数形で記載され、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語で始まる要素は、特に明記しない限り、この要素またはステップの複数形を除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」に対する参照は、記載した特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものと解釈されることを意図してはいない。さらに、特に断りのない限り、特定の特性を有する要素または複数の要素を「備える(comprising)」、または「有する(having)」実施形態は、その特性を有さない追加のこのような要素を含んでもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】