(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127835
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】液体加熱容器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A47J27/21 101S
A47J27/21 101C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033435
(22)【出願日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】202320427056.X
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518198750
【氏名又は名称】ゼジアン シャオシン スーポア ドメスティック エレクトリカル アプライアンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワチン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ザイシャン シュー
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA34
4B055BA03
4B055CB08
4B055CD01
4B055GA07
4B055GB34
(57)【要約】
【課題】排出される蒸気の温度が高いという問題を解決する液体加熱容器を提供する。
【解決手段】本発明は、液体加熱容器に関し、液体加熱容器は、液体保持室を備えて形成された容器本体と、容器本体を覆うことができる上蓋と、容器本体および上蓋に接続された取手と、その一端が容器本体の底部まで延びることができ、外部と連通して蒸気を排出するために使用される、蒸気ラインと、を含み、上蓋に近接する取手の一端は、蒸気スイッチを設けられ、液体保持室と連通して、蒸気スイッチをトリガーするために使用される、蒸気室を備え、蒸気ラインの他端は、蒸気室と連通する。そのような設計は、蒸気が排出されるときに蒸気の温度を下げるのに役立ち、それにより、使用者が蒸気によって火傷を負わされる可能性を減らし、これは、液体加熱容器の使用の安全性にとって有益である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体加熱容器であって、前記液体加熱容器は、
液体保持室(11)を備えて形成された容器本体(1)と、
前記容器本体(1)を覆うことができる上蓋(2)と、
前記容器本体(1)と前記上蓋(2)に接続された取手(3)と、
蒸気ライン(6)であって、その一端は、前記容器本体(1)の底部まで延びることができ、外部と連通して蒸気を排出するために使用される、前記蒸気ライン(6)と、を含み、
前記上蓋(2)に近接する、取手(3)の一端は、蒸気スイッチ(4)を設けられ、前記液体保持室(11)と連通し、前記蒸気スイッチ(4)をトリガーするために使用される、蒸気室(41)を備え、前記蒸気ライン(6)の他端は、前記蒸気室(41)と連通することを特徴とする液体加熱容器。
【請求項2】
請求項1に記載の液体加熱容器であって、前記蒸気ライン(6)は、前記蒸気室(41)の底壁に接続され、前記液体加熱容器の高さ方向に延びることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項3】
請求項1に記載の液体加熱容器であって、前記蒸気室(41)の側壁は、第1の通路(51)と第2の通路(52)とを含む蒸気通路(5)を設けられ、前記第1の通路(51)の一端は、前記蒸気室(41)と連通し、一方、他端は、前記第2の通路(52)と連通し、前記第2の通路(52)は、前記蒸気ライン(6)と連通するように使用され、前記第1の通路(51)と前記第2の通路(52)との間に、角度が存在することを特徴とする液体加熱容器。
【請求項4】
請求項3に記載の液体加熱容器であって、前記蒸気ライン(6)は、前記蒸気通路(5)とスリーブ結合されることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項5】
請求項4に記載の液体加熱容器であって、前記上蓋(2)は、コネクタ(25)を設けられ、その一端が、前記蒸気ライン(6)に接続され、その他端が、前記蒸気通路(5)に接続されることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項6】
請求項1-5のいずれか一項に記載の液体加熱容器であって、前記上蓋(2)は、空気入口(21)と空気案内ライン(22)を設けられ、前記空気入口(21)は、前記液体保持室(11)と連通し、前記上蓋(2)は、前記蒸気室(41)と連通する第1の室(23)を備えて形成され、前記空気案内ライン(22)の一端は、前記空気入口(21)と連通し、他端は、前記第1の室(23)と連通することを特徴とする液体加熱容器。
【請求項7】
請求項6に記載の液体加熱容器であって、前記上蓋は、少なくとも2つの空気入口(21)、および、少なくとも2つの空気案内ライン(22)を設けられ、前記空気入口(21)は、対応する前記空気案内ライン(22)と連通することを特徴とする液体加熱容器。
【請求項8】
請求項6記載の液体加熱容器であって、前記上蓋(2)は、さらに、連通部材(24)を設けられ、前記連通部材(24)は、連通路(241)を設けられ、その一端は、前記蒸気室(41)に連通し、その他端は、前記第1の室(23)に連通することを特徴とする液体加熱容器。
【請求項9】
請求項8に記載の液体加熱容器であって、前記連通路(241)は、前記蒸気室(41)の蒸気通路(5)の一側で、前記容器本体(1)の高さ方向において前記蒸気ライン(6)から離れて配置されることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項10】
請求項1-5のいずれか一項に記載の液体加熱容器であって、さらに、前記上蓋(2)から離れた前記容器本体(1)の一側に、底蓋(7)を備え、前記底蓋(7)は、第2の室(71)を備えて形成され、前記蒸気ライン(6)は、前記第2の室(71)に延びることができ、前記底蓋(7)は、前記第2の室(71)に連通する空気出口を設けられることを特徴とする液体加熱容器。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の液体加熱容器であって、前記蒸気ライン(6)は、前記容器本体(1)の内部に配置されることを特徴とする液体加熱容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電製品の技術分野、特に、液体加熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
技術が発展するにつれて、電気ケトルは、液体が加熱された後に生成される蒸気によってトリガーされ得、その電源を切断することを制御するために使用される、蒸気スイッチを備えられる。今のところ、蒸気スイッチがトリガーされると、蒸気は、一般には、注ぎ口を介して排出される。このときの蒸気の高温により、使用者は、蒸気によって、容易に火傷を負わされ、これは、電気ケトルの使用に安全上の問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、液体加熱容器から排出される蒸気の温度が高いという問題を解決するための、液体加熱容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施形態は、液体加熱容器を提供し、液体加熱容器は、液体保持室を備えて形成された容器本体と、容器本体を覆うことができる上蓋と、容器本体及び上蓋に接続された取手と、蒸気ラインであって、蒸気ラインの一端は、容器本体の底部まで延びることができ、蒸気を排出するために、外部との連通のために使用される、蒸気ラインと、を含み、上蓋に近接する取手の一端は、蒸気スイッチを備え、液体保持室と連通し、蒸気スイッチをトリガーするために使用される、蒸気室を含み、蒸気ラインの他端は、蒸気室と連通する。
【0005】
蒸気室に連通する蒸気ラインを設けることにより、蒸気室内の蒸気は、容器本体の底部に導かれ得る。したがって、蒸気は、液体加熱容器の底部から排出され得る。蒸気ラインを通って流れるその行程の間に、蒸気は、冷えるための、いくらかの時間を有し得、それにより、排出される時の、その温度を低下させるのに役立ち、ひいては、使用者が、蒸気によって火傷を負わされる可能性を減少させ、これは、液体加熱容器の使用の安全性にとって有益である。また、蒸気ラインを容器本体内に配置することは、蒸気ラインが、取手の形状および構造に制限を課する可能性を軽減するのに役立ち、使用者が、取手を握った際に、火傷を負わされる可能性を低減するのに役立ち、これは、さらに、ユーザー体験を向上させるのに役立つ。
【0006】
実現化の可能な形態では、蒸気ラインは、蒸気室の底壁に接続され、液体加熱容器の高さ方向に延びる。
【0007】
そのような設計は、容器本体内の蒸気ラインによって占められる容積を減らすのに役立ち、容器本体の容積を温存するのに役立つ一方で、容器本体内への液体の収容を容易にする。他方で、そのような設計は、また、蒸気ラインの長さを減らすのに役立ち、したがって、蒸気が蒸気ライン内で冷える時間を短縮するのに役立ち、それにより、凝縮水を生成する可能性を減少させるのに役立ち、ひいては、液体加熱容器上での凝縮水の悪影響の可能性を減少させることに役立つ。
【0008】
実現化の可能な形態では、蒸気室の側壁は、第1の通路と第2の通路とを備える蒸気通路を設けられ、第1の通路の一端は、蒸気室に連通し、一方で、他端は、第2の通路に連通し、第2の通路は、蒸気ラインと連通するように使用され、第1の通路と第2の通路との間に、角度が存在する。
【0009】
第1の通路と第2の通路を設けることは、蒸気通路の長さを増大させるのに役立ち、したがって、蒸気が蒸気通路を通過する時間を長くするのに役立ち、それにより、蒸気ラインに入る前に、蒸気が、蒸気通路内で予備的に冷えるのに役立ち、これは、さらに、液体加熱容器から排出される蒸気の温度を下げるのに役立ち、使用者が、蒸気によって火傷を負わされる可能性を減らし、ひいては、使用者の安全性とユーザー体験を向上させる。
【0010】
実現化の可能な形態では、蒸気ラインは、蒸気通路とスリーブ結合される。
【0011】
この設計は、蒸気通路と蒸気ライン間の接続の安定性と信頼性を向上させるのに役立ち、蒸気通路と蒸気ラインが互いに外れる可能性を低減するのに役立ち、蒸気が、蒸気通路を介して蒸気ラインに安定して流入することを可能にし、ひいては、蒸気の排出を容易にする。
【0012】
実現化の可能な形態では、上蓋は、コネクタを設けられ、コネクタの一端は、蒸気ラインに接続され、その他端は、蒸気通路に接続される。
【0013】
コネクタを設けることは、蒸気ラインと蒸気通路との接続の安定性、信頼性を向上させるのに役立ち、一方、蒸気ラインと蒸気通路との間のシール性を向上させるのに役立ち、蒸気ラインと蒸気通路との接続部からの蒸気の流出の可能性を低減し、これは、ひいては、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0014】
実現化の可能な形態では、上蓋は、空気入口および空気案内ラインを設けられ、空気入口は、液体保持室と連通し、上蓋は、蒸気室と連通する第1の室を備えて形成され、空気案内ラインの一端は、空気入口と連通し、他端は、第1の室と連通する。
【0015】
空気案内ラインを設けることにより、空気入口から入る蒸気は、蒸気が、空気入口から第1の室に向かって流れることを可能にするように案内され得、それにより、蒸気が、スムーズに蒸気室に入って、蒸気スイッチをトリガーし、液体加熱容器の電源の切断を実現することを可能にし、これは、ひいては、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0016】
実現化の可能な形態では、上蓋は、少なくとも2つの空気入口および少なくとも2つの空気案内ラインを設けられ、空気入口は、対応する空気案内ラインと連通する。
【0017】
この配置は、蒸気の流れを向上させるのに役立ち、容器本体内で生成された蒸気が、蒸気室に向かって急速に流れて、蒸気スイッチをトリガーし、それにより、蒸気スイッチをトリガーするのに必要とされる作動時間を短縮するのに役立ち、これは、ひいては、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。さらに、この配置は、また、液体保持室内での大量の蒸気の蓄積の可能性を低減し、これは、ひいては、蒸気が、液体加熱容器にとっての安全上の問題を引き起こす可能性を低減するのに役立つ。
【0018】
実現化の可能な形態では、上蓋は、さらに、連通部材を設けられ、連通部材は、その一端が蒸気室と連通し、その他端が、第1の室と連通する、連通路を設けられる。
【0019】
連通部材を設けることにより、蒸気が、第1の室から蒸気室へ流れるための、通路が設けられ、それにより、蒸気室へ向かう蒸気の流れを実現し、第1の室での蒸気の蓄積の可能性を低減するのに役立ち、蒸気による蒸気スイッチのトリガーを容易にし、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0020】
実現化の可能な形態では、連通路は、蒸気室の蒸気通路の一側で、容器本体の高さ方向において蒸気ラインから離れて配置される。
【0021】
この配置は、蒸気室の蒸気が、連通路に逆流する可能性を低減するのに役立ち、蒸気室内の蒸気が、蒸気ラインにスムーズに流入することを可能にし、それにより、蒸気が、液体加熱容器から排出されるのに役立ち、これは、ひいては、液体加熱容器の使用安全性を向上させるのに役立つ。
【0022】
実現化の可能な形態では、液体加熱容器は、さらに、上蓋から離れた容器本体の側に配置される底蓋を備え、底蓋は、第2の室を備えて形成され、蒸気ラインは、第2の室内に延びることができ、底蓋は、第2の室と連通する空気出口を設けられる。
【0023】
この配置は、蒸気が、空気出口を介して液体加熱容器から排出され、第2の室での蒸気の蓄積の可能性を低減することを可能にし、それにより、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0024】
本出願の実施形態は、液体保持室が形成された容器本体と、容器本体を覆うことができる上蓋と、容器本体及び上蓋に接続された取手と、その一端が、容器本体の底部まで延びることができ、外部と連通して蒸気を排出するために使用される、蒸気ラインと、を備えた、液体加熱容器を提供し、上蓋に近接する取手の一端は、蒸気スイッチを設けられ、液体保持室と連通し、蒸気スイッチをトリガーするために使用される蒸気室を備え、蒸気ラインの他端は、蒸気室と連通する。この設計は、蒸気が排出されるときに、蒸気の温度を下げるのに役立ち、それにより、使用者が蒸気によって火傷を負わされる可能性を減らし、これは、液体加熱容器の使用の安全性にとって有益である。
【0025】
上記の一般的な説明、および、以下の本文中の詳細な説明は、単なる例示であり、本出願を限定し得ないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1の実施形態での、本出願により提供される液体加熱容器の断面図である。
【
図2】第1の実施形態での、本出願により提供される液体加熱容器の部分概略図である。
【
図3】第2の実施形態での、本出願により提供される液体加熱容器の断面図である。
【
図4】第2の実施形態での、本出願により提供される液体加熱容器の部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する、添付図面は、本出願による実施形態を示し、本明細書とともに本出願の原理を説明するのに役立つ。
実施形態の詳細な説明
本出願の技術的解決策をよりよく理解するために、本出願の実施形態が、添付の図面に関連して以下に詳細に説明される。
【0028】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単なる例示であり、本出願を限定し得ないことが理解されるべきである。
【0029】
説明される実施形態は、本出願の実施形態の全てというよりはむしろ、ほんの一部にすぎないことは明らかなはずである。創造的な努力をすることなく、本出願の実施形態に基づき、当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本出願の保護の範囲内に置かれる。
【0030】
本出願の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本出願を限定することを意図されない。実施形態および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「一つ(a)/一つ(an)」、「上記(said)」および「その(the)」は、文脈が、明らかに別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図される。
【0031】
本明細書で使用される用語「および/または」は、関連するオブジェクトを説明する単なる関連の関係であり、3つの関係が存在し得ることを示すことが理解されるべきである。例えば、「Aおよび/またはB」は、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合の、3つの状況を意味する。なお、本明細書での記号「/」は、一般的に、その前後のオブジェクトが、「または」の関係にあることを示す。
【0032】
本出願の実施形態で使用される「上」、「下」、「左」、「右」などの方向を示す用語は、図面に示される視点から説明され、本出願の実施形態を限定していると理解されるべきではない。さらに、文脈において、ある要素が、別の要素の「上」または「下」に接続されると言及される場合、それは、別の要素の「上」または「下」に直接に接続されるだけでなく、中間要素を介して、別の要素の「上」または「下」に、間接的に接続され得ることが理解されるべきである。
【0033】
図1に示されるように、本出願の一実施形態は、容器本体1、上蓋2、取手3、及び、蒸気ライン6を備える、液体加熱容器を提供する。容器本体1は、液体保持室11を備えて形成される。上蓋2は、容器本体1を覆い得る。取手3は、容器本体1および上蓋2に接続される。蒸気ライン6の一端は、容器本体1の底部まで延び得、蒸気を排出するために、外部と連通して使用される。上蓋2に近接する取手3の一端は、蒸気スイッチ4を備え、液体保持室11と連通し、蒸気スイッチ4をトリガーするために使用される蒸気室41を備える。蒸気ライン6の他端は、蒸気室41と連通する。
【0034】
具体的には、液体加熱容器は、電気ケトルであり得る。液体保持室11は、液体を収容するために使用される。上蓋2は、容器本体1を開閉するために、容器本体1に対して回動可能である。容器本体1は、片側に、取手3を備え、取手3は、使用者による保持と操作を容易にする。蒸気スイッチ4は、取手3の上方端に取り付けられる。液体加熱容器が、液体保持室11内の液体を、一定の温度まで加熱すると、液体は、蒸気を発生するであろうし、そのとき、液体保持室11内の蒸気は、蒸気室41に入り、したがって、蒸気スイッチ4をトリガーして、液体加熱容器の電源の切断を達成し、したがって、液体加熱容器が、液体の加熱を停止させることをもたらし得、これは、液体加熱容器の使用の安全性を高めるのに役立つ。蒸気室41内の蒸気は、蒸気ライン6に流入し得、蒸気ライン6の一端は、容器本体1の底部まで延び得て、外部と連通するので、蒸気は、液体加熱容器の内部から排出され得る。具体的には、蒸気ライン6は、ステンレス鋼製のパイプであり得る。
【0035】
関連技術では、蒸気室内の蒸気は、一般に、注ぎ口またはケトルの蓋の空気出口を介して排出されるであろう。注ぎ口、または、ケトルの蓋の空気出口は、蒸気室に近接しているため、液体加熱容器から排出される蒸気は、蒸気室を出た後、ただ短い経路を進みさえすればよい。しかし、この時点では、蒸気は、まだ、高い温度を有する。その結果、排出された後、蒸気は、使用者に容易に火傷を負わせ得、使用者に対して安全上のリスクを引き起こし、液体加熱容器の使用の安全性を低下させ、したがって、ユーザー体験を劣化させる。他方で、現時点において、蒸気ラインは、取手内部に設けられる。したがって、取手の両端は、ケトル本体に接続されて、蒸気が循環するループを形成する必要がある。そのような設計は、取手の構造および形状に一定の制限を引き起こす。さらに、使用者が、取手を握ると、彼または彼女は、蒸気によって拡散された熱により、容易に火傷を負わされ得、これは、また、使用者の利用の安全性に影響を与える。
【0036】
関連技術に比べて、蒸気室41に連通する蒸気ライン6を設けることによって、蒸気室41内の蒸気が、容器本体1の底部に導かれることを可能にし、したがって、蒸気は、液体加熱容器の底部から排出され得る。蒸気ライン6を通って流れるとき、蒸気は、冷えるためのある程度の時間を有し得、それによって、排出されるとき、蒸気の温度を下げるのに役立つ。したがって、使用者に火傷を負わす可能性が減り、これは、液体加熱容器の使用の安全性を高めるのに役立つ。また、蒸気ライン6を容器本体1の内部に配置することは、蒸気ライン6が、取手3の形状および構造を制限する可能性を低減するのに役立ち、そして、取手3を握る際に、使用者が火傷を負わせられる可能性を低減するのに役立ち、これは、さらに、ユーザー体験を向上させるのに役立つ。
【0037】
図1に示されるように、実現化の可能な態様では、蒸気ライン6は、蒸気室41の底壁に接続され、液体加熱容器の高さ方向に延びる。
【0038】
蒸気ライン6が、蒸気室41に連通した後、蒸気ライン6は、容器本体1の側壁に沿って、容器本体1の底部に向かってスムーズに延び得る。すなわち、蒸気ライン6の延在の方向は、液体加熱容器の高さ方向と実質的に平行であり得る。蒸気は、蒸気ライン6を介して蒸気室41から出て、蒸気通路5を通って、容器本体1の底部に向かって流れて、外部に排出され得る。具体的には、蒸気ライン6は、容器本体1とは別体に設けられ得る。代わりに、それは、容器本体1の側壁と一体に形成され得る。
【0039】
そのような設計は、容器本体1内において蒸気ライン6によって占められる容積を低減するのに役立ち、容器本体1の容積を温存するのに役立つと同時に、容器本体1内における液体の収容を容易にする。他方では、この設計は、また、蒸気ライン6の長さを減少させることに対して有益であり、これは、蒸気ライン6内の蒸気の冷却時間を短縮するのに貢献し、それによって、凝縮水を生成する可能性を減少させ、ひいては、液体加熱容器に対する凝縮水の悪影響の可能性を減少させる。
【0040】
図3および
図4に示されるように、実現化の可能な形態では、蒸気室41の側壁は、第1の通路51および第2の通路52を含む、蒸気通路5を備える。第1の通路51の一端は、蒸気室41と連通し、一方、他端は、第2の通路52と連通する。第2の通路52は、蒸気ライン6との連通のために使用され、第1の通路51と第2の通路52との間には角度が存在する。
【0041】
蒸気通路5は、上蓋2に近接して、蒸気室41の側部に配置され得る。蒸気通路5は、第1の通路51と第2の通路52とを含む。第1の通路51と第2の通路52は、互いに連通し、両者の間の角度は90°であり得る。具体的には、第2の通路52は、上蓋2の内部に配置され得、第1の通路51は、上蓋2の内部まで延びて、第2の通路52に連通し得る。したがって、蒸気が、蒸気室41から蒸気通路5に流れるとき、蒸気は、まず、蒸気通路5を通って上蓋2の内部に入り、次に、蒸気ライン6に入り得る。つまり、蒸気室41内の蒸気は、容器本体1の底部に向かって、直接には流れないであろう。その代わりに、蒸気は、蒸気ライン6を介して排出される前に、まず、蒸気通路5を介して上蓋2の内部に戻るであろう。第1の通路51は、容器本体1の半径方向に蒸気室41から遠ざかる方向に延び得、蒸気ライン6が、蒸気通路5に接続された後、蒸気ライン6と容器本体1の側壁との間には一定の隙間があり、これは、蒸気ライン6と容器本体1との接触の可能性を低減させ、それにより、容器本体1の構造に対する蒸気ライン6の潜在的な影響を軽減するのに貢献し、ひいては容器本体1の構造的強度を向上させるのに有益である。
【0042】
第1の通路51および第2の通路52を備えることは、蒸気通路5の長さを増大させるのに役立ち、すなわち、蒸気が、蒸気通路5を通過する時間を長くするのに役立ち、それにより、蒸気が、蒸気ライン6に入る前に、蒸気通路5内で、予備的に冷えることを可能にし、これは、さらに、液体加熱容器から排出される蒸気の温度を下げるのに役立ち、使用者が蒸気によって火傷を負わされる可能性を減少させ、したがって、使用者の安全性とユーザー体験を向上させる。
【0043】
実現可能な形態では、蒸気ライン6は、蒸気通路5とスリーブ嵌めされる。
【0044】
具体的には、蒸気通路5の一端は、蒸気ライン6内に延び得、それによって、蒸気ライン6とのスリーブ協働を達成する。この設計は、蒸気通路5と蒸気ライン6との間の接続の安定性および信頼性を高めるのに役立ち、蒸気通路5と蒸気ライン6とが互いに離脱する可能性を低減し、蒸気が、蒸気通路5を介して、蒸気ライン6に安定して流入することを可能にし、したがって、蒸気の排出を容易にする。
【0045】
図3および
図4に示されるように、実現化の可能な形態では、上蓋2は、コネクタ25を備え、コネクタ25の一端は蒸気ライン6に接続され、コネクタ25の他端は蒸気通路5に接続される。
【0046】
コネクタ25の両端は、それぞれ、蒸気ライン6および蒸気通路5と協働し得る。コネクタ25では、蒸気ライン6の一端が、蒸気通路5の一端とスリーブ嵌めされ得、それにより、蒸気ライン6と蒸気通路5との間の連通を達成する。あるいは、蒸気ライン6の一端は、蒸気通路5の一端と直接的には接触しない。蒸気は、蒸気通路5から排出された後、最初に、コネクタ25に入り得、その後、コネクタ25を介して蒸気ライン6に入り、それにより、蒸気ライン6と蒸気通路5との連通を達成する。
【0047】
コネクタ25を備えることは、蒸気ライン6と蒸気通路5との間の接続の安定性及び信頼性を向上させるのに役立ち、一方で、蒸気ライン6と蒸気通路5との間の密封性を向上させ、蒸気ライン6と蒸気通路5との間の接続部から蒸気が漏れる可能性を低減させ、したがって、液体加熱容器の使用の安全性を向上させる。
【0048】
図2および
図4に示されるように、実現化の可能な形態では、上蓋2は、空気入口21および空気案内ライン22を設けられる。空気入口21は、液体保持室11と連通する。上蓋2は、液体保持室11と連通する第1の室23を備えて形成される。空気案内ライン22の一端は、空気入口21と連通し、他端は、第1の室23と連通する。
【0049】
空気案内ライン22は、上蓋2内に流入した蒸気の循環通路を備える。すなわち、空気案内ライン22は、蒸気を案内し得、空気入口21から流入した蒸気は、空気案内ライン22を介して、第1の室23に向かって流れ得、第1の室23に流入した蒸気は、次いで、蒸気室41に流入し得、したがって、蒸気スイッチ4をトリガーし得、液体加熱容器の電源を切断する。
【0050】
空気案内ライン22を備えることにより、空気入口21から入る蒸気は、蒸気が、空気入口21から第1の室23に向けて流れることを可能にするように案内され得、それにより、蒸気が、スムーズに蒸気室41に流入し、蒸気スイッチ4をトリガーして液体加熱容器の電源を切断することを実現し、したがって、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0051】
図2および
図4に示されるように、実現化の可能な形態では、上蓋は、少なくとも2つの空気入口21および少なくとも2つの空気案内ライン22を設けられる。空気入口21は、対応する空気案内ライン22と連通する。
【0052】
空気案内ライン22の数は、空気入口21の数に対応し得る。具体的には、空気案内ライン22は、2本であり、それぞれ、上蓋2の両側に配置され得る。空気案内ライン22は、対応する空気入口21と連通し得る。
【0053】
この配置は、蒸気の流れを向上させるのに役立ち、容器本体1内で発生した蒸気が、蒸気室41に向かって急速に流れることを可能にして、蒸気スイッチ4をトリガーし、それにより、蒸気スイッチ4をトリガーするのに必要とされる時間を短縮するのに役立ち、ひいては、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。さらに、この配置は、また、液体保持室11内に蓄積する大量の蒸気の可能性を低減し、ひいては、蒸気が、液体加熱容器に対する安全上の問題を引き起こす可能性を低減するのに役立つ。
【0054】
図1-
図4に示されるように、実現化の可能な形態では、上蓋2は、さらに、連通部材24を設けられる。連通部材24は、連通路241を備え、その一端は、蒸気室41に連通し、その他端は、第1の室23に連通する。
【0055】
液体保持室11内の蒸気は、空気案内ライン22を通って第1の室23に入った後、それから、連通路241を通って蒸気室41に入り得る。具体的には、連通部材24は、蒸気通路5にスリーブ嵌めされ得、連通路241は、上蓋2の半径方向に延び得る。
【0056】
連通部材24を設けることにより、蒸気が、第1の室23から蒸気室41へ流れる通路が提供され、それにより、蒸気室41へ向かう蒸気の流れを達成するのに役立ち、第1の室23内に蓄積する蒸気の可能性を低減し、これは、蒸気による蒸気スイッチ4のトリガー作動を容易にし、ひいては、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0057】
図3に示されるように、実現化の可能な形態では、連通路241は、蒸気室41の蒸気通路5の一側で、容器本体1の高さ方向において蒸気ライン6から離れて配置される。
【0058】
連通路241は、蒸気通路5の上方に配置される。蒸気は、連通路241を通って蒸気室41に入った後、それから、蒸気通路5を通って蒸気ライン6に向かって流れ得る。この配置は、蒸気室41内の蒸気が連通路241に逆流する可能性を低減するのに役立ち、蒸気室41内の蒸気が、蒸気ライン6にスムーズに流れ込み、それにより、蒸気が、液体加熱容器から排出されるのに役立ち、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0059】
図1および
図3に示されるように、実現化の可能な形態では、液体加熱容器は、さらに、容器本体1の上蓋2から離れた側に位置する底蓋7を備える。底蓋7は、第2の室71を備えて形成される。蒸気ライン6は、第2の室71内に延在することが可能である。底蓋7は、第2の室71に連通する排気口(図示されず)を設けられる。
【0060】
上蓋2は、容器本体1の一側に配置され、一方、底蓋7は、他側に配置される。具体的には、液体加熱容器は、さらに、基部8を備え得る。底蓋7は、基部8に接続され得る。蒸気ライン6は、第2の室71内に延び得る。第2の室71は、その底部に空気出口を設けられ得る。蒸気ライン6内の蒸気は、空気出口を介して排出され得る。具体的には、容器本体1は、さらに、容器本体1の液体保持室11内に配置される加熱部材12を備え得る。蒸気ライン6は、加熱部材12に固定的に接続され得、加熱部材12を通過して、第2の室71まで延び得る。
【0061】
この配置は、蒸気が、液体加熱容器から、空気出口を介して排出されることを可能にし、第2の室71内に蓄積する蒸気の可能性を低減し、それにより、液体加熱容器の使用の安全性を向上させるのに役立つ。
【0062】
本出願の実施形態は、容器本体1、上蓋2、取手3、及び、蒸気ライン6を備える、液体加熱容器を提供し、容器本体1は、液体保持室11を備えて形成され、上蓋2は、容器本体1を覆うことができ、取手3は、容器本体1と上蓋2に接続され、蒸気ライン6の一端は、容器本体1の底部まで延びることが可能であり、蒸気を排出するために外部と連通して使用され、取手3の上蓋2に近接する一端は、蒸気スイッチ4を備え、液体保持室11と連通し、蒸気スイッチ4を作動させるために使用される、蒸気室41を備え、蒸気ライン6の他端は、蒸気室41と連通する。この設計は、蒸気が排出されるときの蒸気の温度を下げるのに役立ち、それにより、使用者が蒸気によって火傷を負わされる可能性を減らし、これは、液体加熱容器の使用の安全性を向上させる。
【0063】
上記は本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図されない。当業者にとって、本出願は、様々な修正および変更を有し得る。本出願の精神および原理内でなされる、あらゆる修正、同等物置換、改良などは、本出願の保護範囲に含まれるであろう。
【符号の説明】
【0064】
参照番号:
1 - 容器本体
11 - 液体保持室
12 - 加熱部材
2 - 上蓋
21 - 空気入口
22 - 空気案内ライン
23 - 第一の室
24 - 連通部材
241 - 連通路
25 - コネクタ
3 - 取手
4 - 蒸気スイッチ
41 - 蒸気室
5 - 蒸気通路
51 - 第1の通路
52 - 第2の通路
6 - 蒸気ライン
7 - 底蓋
71 - 第二の室
8 - 基部
【外国語明細書】