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特開2024-127843タバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127843
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】タバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20240912BHJP
   B65G 47/80 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A24D3/02
B65G47/80 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033916
(22)【出願日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】102023000004170
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】セルミ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】パストーレ,フルヴィオ
【テーマコード(参考)】
3F072
4B045
【Fターム(参考)】
3F072AA13
3F072KB03
3F072KD19
4B045BD34
4B045BD50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を効率的且つ正確に挿入するための方法を提供する。
【解決手段】連続したストランドBに個別部品C、特にカプセルを挿入するためのドラム100であって、回転軸Xを中心に回転する外側マントル200は、その周辺部分200aに、回転軸Xの周りに角度的に分散され且つ空気圧吸引源に接続、または接続可能な吸引ダクトと連通する少なくとも1つの穴が設けられた一連の受入シートが備わっている。各受入シートは、それぞれの個別部品Cを収容するように構成され且つ球面の一部に沿って延びており、各受入シートの直径は、外側マントルの周辺部分の、回転軸Xに平行に測定された、幅よりも大きく、一連の受入シートの一つに収容される球形の個別部品Cであって、周辺部分の幅よりも大きく、最大で当該受入シートの直径に等しい直径を有する個別部品Cは、周辺部分から軸方向に突出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業の連続したストランド(B)に個別部品(C)、特にカプセル、を挿入するためのドラム(100)であって、
回転軸(X)を中心に回転する外側マントル(200)であって、その周辺部分(200a)に、前記回転軸(X)の周りに角度的に分散され且つ空気圧吸引源に接続された、または接続可能な、吸引ダクト(400’、400’’)と連通する少なくとも1つの穴(300a)が設けられた一連の受入シート(300)が備わっている外側マントル(200)を備え、
各受入シート(300)は、それぞれの個別部品(C)を収容するように構成され且つ球面(300’)の一部に沿って延びており、
各受入シート(300)の直径は、前記外側マントル(200)の前記周辺部分(200a)の、前記回転軸(X)に平行に測定された、幅よりも大きく、前記一連の受入シート(300)の一つに収容される球形の個別部品(C)であって、前記周辺部分(200a)の幅よりも大きく、最大で当該受入シート(300)の直径に等しい直径を有する個別部品(C)は、前記周辺部分(200a)から軸方向に突出する、ドラム(100)。
【請求項2】
各受入シート(300)に、前記周辺部分(200a)は、前記個別部品(C)が横方向に突出することを可能にする対向する側方凹部(300c)を有し、特に、前記側方凹部(300c)は、前記周辺部分(200a)の外縁(200a’’)から半径方向内側に延びる、請求項1に記載のドラム。
【請求項3】
各側方凹部(300c)は、弓形のプロファイルを有し、好ましくは、前記受入シート(300)上に位置し且つ前記受入シート(300)と同一の直径を有する仮想球と、前記周辺部分(200a)の対向する側壁(200a’)との交差部分から得られる、請求項2に記載のドラム。
【請求項4】
前記周辺部分(200a)は、前記回転軸(X)に対して垂直に方向付けられた平面状の平行な側壁(200a’)を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項5】
各受入シート(300)の直径は2.5mmから5mmの間であり、好ましくは前記個別部品(C)の直径に0.3mmを加えた値とほぼ同一であり、前記回転軸(X)に平行に測定された、前記外側マントル(200)の前記周辺部分(200a)の前記幅は、1.5mmから3.5mmの間であり、好ましくは前記個別部品(C)の前記直径の3分の2にほぼ等しい、請求項1から4のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項6】
各受入シート(300)は環状形状である、請求項1から5のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項7】
前記外側マントル(200)は、半径方向内側のベース部分(200b)であって、前記回転軸(X)に平行に測定されたその幅が前記周辺部分(200a)よりも大きい、ベース部分(200b)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項8】
前記周辺部分(200a)に関連付けられた少なくとも1つの脱離要素(500)であって、前記ドラム(100)が前記回転軸(X)を中心に回転する間に前記個別部品(C)をそれぞれの受入シート(300)から機械的に取り外すように構成された少なくとも1つの作業部分(500a)を有する、少なくとも1つの脱離要素(500)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項9】
前記脱離要素(500)は、固定構造に片持ち梁状に固定するための固定端(500b)を有し、前記少なくとも1つの作業部分(500a)は、前記固定端(500b)の反対側の自由端によって規定される、請求項8に記載のドラム。
【請求項10】
前記脱離要素(500)は、各個別部品(C)の両側に作用するように、前記周辺部分(200a)の両側に配置された2つの作業部分(500a)を有する、請求項8または9に記載のドラム。
【請求項11】
前記脱離要素(500)は、フォーク形状を有する、請求項10に記載のドラム。
【請求項12】
少なくとも1つの作業部分(500a)は、前記回転軸(X)に沿って測定された距離(d)だけ前記周辺部分(200a)から離れており、前記距離(d)は、1mm未満、および/または前記受入シート(300)の前記直径と前記周辺部分(200a)の前記幅との差の半分未満である、請求項8から11のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項13】
前記脱離要素(500)は、動作可能なように固定されており、好ましくは、前記周辺部分(200a)に対して位置を調整可能であり、および/または、前記個別部品(C)を前記受入シート(300)から脱離させるに適した作業位置と、前記周辺部分(200a)から離れた非作業位置との間で移動可能である、請求項8から12のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項14】
前記外側マントル(200)が回転可能に取り付けられる固定中央ハブ(600)をさらに備え、
前記受入シート(300)の前記吸引ダクト(400’、400’’)は、互いに交互に配置された第1および第2の一連の吸引ダクト(400’、400’’)に分割され、前記第1および第2の一連の吸引ダクト(400’、400’’)の一方の各吸引ダクト(400’’)は、前記第1および第2の一連の吸引ダクト(400’、400’’)の他方の2つの吸引ダクト(400’’)の間に角度的に交互に配置され、
前記ハブ(600)は、前記回転軸(X)の周りの角度区間に沿って前記吸引ダクト(400’、400’’)と流体連通するのに適した少なくとも1つの固定吸引チャンバを有し、
前記少なくとも1つの吸引チャンバは、異なる角度位置で前記第1の一連の吸引ダクト(400’)および前記第2の一連の吸引ダクト(400’’)と流体連通するように配置および/または構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のドラム。
【請求項15】
各吸引ダクト(400’、400’’)は、それぞれの受入シート(300)の前記穴(300a)から前記中央ハブ(600)に面する出口区域(300b’、300b’’)まで延び、
前記受入シート(300)の前記穴(300a)は、同一の周方向に沿って整列し、
前記第1の一連の吸引ダクト(400’)の前記出口区域(300b’)と前記第2の一連の吸引ダクト(400’’)の前記出口区域(300b’’)は、互いに軸方向にずらされた周方向の軌道に沿って配置される、請求項14に記載のドラム。
【請求項16】
前記ハブ(600)は、前記回転軸(X)の周りの異なる角度展開を持つ2つの隣接するゾーン(700’、700’’)を有する単一の吸引チャンバを有し、前記2つの隣接するゾーンのうちの第1のゾーン(700’)は前記第1の一連の吸引ダクト(400’)の前記周方向の軌道と整列し、前記2つの隣接するゾーンのうちの第2のゾーン(700’’)は前記第2の一連の吸引ダクト(400’’)の前記周方向の軌道と整列し、または、前記ハブ(600)は、前記回転軸(X)に沿って軸方向に並置された2つの吸引チャンバであって、前記回転軸(X)の周りの異なる角度展開を有する2つの吸引チャンバを有し、第1の吸引チャンバは前記第1の一連の吸引ダクト(400’)の前記周方向の軌道と整列し、第2の吸引チャンバは前記第2の一連の吸引ダクト(400’’)の前記周方向の軌道と整列する、請求項15に記載のドラム。
【請求項17】
タバコ産業の連続したストランド(B)に個別部品、特にカプセル(C)、を挿入するためのユニット(U)であって、
請求項1から16のいずれか一項または複数に記載のドラム(100)であって、前記個別部品(C)が受け入れられる少なくとも1つの受入ゾーン(R1、R2)から前記個別部品(C)が放出される放出ゾーン(S)まで前記回転軸(X)の周りの前記受入シート(300)の移動経路を規定するドラム(100)と、
前記放出ゾーン(S)を横切る連続したストランドを案内するためのガイド手段と、
前記少なくとも1つの受入ゾーン(R1、R2)に配置され且つ順序付けられた一連の個別部品(C)を前記ドラム(100)に供給するように構成された少なくとも1つの供給ドラム(T1、T2)と、を備えるユニット(U)。
【請求項18】
前記受入シート(300)の前記移動経路に沿って互いに対して角度をなして配置された2つの受入ゾーン(R1、R2)を備え、
前記ユニット(U)は、前記受入ゾーン(R1、R2)の各々に配置された供給ドラム(T1、T2)を備え、
前記供給ドラムのうちの第1の供給ドラム(T1)は、前記第1の一連の吸引ダクト(400’)に関連付けられた前記受入シート(300)に一連の個別部品(C)を供給するように配置および/または構成され、
前記供給ドラムのうちの第2の供給ドラム(T2)は、前記第2の一連の吸引ダクト(400’’)に関連付けられた前記受入シートに一連の個別部品(C)を供給するように配置および/または構成される、請求項14に従属する場合の請求項17に記載のユニット。
【請求項19】
タバコ産業の連続したストランド(B)に個別部品(C)、特にカプセル、を挿入するための方法であって、特に請求項17または18に記載のユニットによって実施され、
ドラム(100)を回転軸(X)を中心に回転させるステップであって、前記ドラム(100)が、前記回転軸(X)の周りを回転する外側マントル(200)であって、その周辺部分(200a)に、前記回転軸(X)の周りに角度的に分散され且つ吸引ダクト(400’、400’’)と連通する少なくとも1つの穴(300a)が設けられた一連の受入シート(300)が備わっている外側マントル(200)を備える、ステップと、
前記ドラム(100)が回転している間に、少なくとも1つの受入ゾーン(R1、R2)において前記ドラム(100)の前記受入シート(300)に少なくとも1つの一連の個別部品(C)を供給するステップと、
少なくとも、前記少なくとも1つの受入ゾーン(R1、R2)から前記個別部品(C)の放出ゾーン(S)まで、前記吸引ダクト(400’、400’’)に加えられる空気圧吸引によって前記受入シート(300)内に前記個別部品(C)を保持するステップと、
前記受入シート(300)に保持された前記個別部品(C)を前記少なくとも1つの受入ゾーン(R1、R2)から前記放出ゾーン(S)に移送するステップと、
前記ドラム(100)の前記受入シート(300)から前記放出ゾーン(S)内の連続したストランド(B)に前記個別部品(C)を放出するステップと、を含み、
移送する前記ステップ中、各個別部品(C)は、前記ドラム(100)の少なくとも片側から横方向に突出する、方法。
【請求項20】
各個別部品(C)はそれぞれの受入シート(300)に、当該個別部品(C)が当該受入シート(300)から半径方向に、特に当該個別部品(C)の半径方向の寸法の30%から70%の距離だけ、突出するように、挿入される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ドラム(100)の前記受入シート(300)から連続したストランド(B)に前記個別部品(C)を放出する前記ステップは、前記ドラム(100)から横方向に突出する前記個別部品(C)の一部に加えられる機械的作用によって少なくとも部分的に達成される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記個別部品(C)は、好ましくは、球状カプセルである、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムに関する。
【0002】
特に、本発明のドラムは、カプセルを挿入するためのドラムである。
【0003】
本発明はさらに、タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を挿入するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
現在までに、個別部品(例えば、香料のカプセル)を、個別部品がドラムに供給される供給ゾーンから、個別部品が、例えばフィルタリング材料の連続したストランド内に、放出される放出ゾーンに運ぶための、回転軸を中心に回転するドラムが知られている。
【0005】
既知のドラムには、ドラムの外側マントルに設けられ且つ各々が個別部品を収容するように適合された複数のシートが設けられている。
【0006】
より具体的には、外側マントルは、周辺部分であって、それに沿ってシートが配された周辺部分を備える。
【0007】
図1に例示されるように、従来技術のドラムのシートは半球形であり、周辺部分の、回転軸に平行な方向に沿って測定された、幅よりも小さい直径を有する。
【0008】
このような状況においては、シートは、個別部品がその半径方向の寸法の少なくとも半分にわたってシート内に挿入され且つシートの壁によって側方で「包まれる」ように、形作られる(図1)。
【0009】
既知のドラムでは、各個別部品は放出ゾーンに向かう移動の間保持されるように吸引システムによってそれぞれのシートに保持される。特に、図1に示されるように、各シートは、底部に、吸引源に接続された吸引孔を有する。このような吸引源は、吸引による保持作用を、シート内に収容された個別部品に伝達することによって、作動させることができ、個別部品が放出ゾーンに運ばれると、シートからの個別部品の脱離を促進するために作動を停止させることもできる。これを実現するために、ドラムには、供給ゾーンと放出ゾーンの間の区域に対応する、シートの円形経路の角度部分にわたって延びる吸引チャンバが内部に設けられている。
【0010】
放出ゾーンにおいて、吸引の中断、および、提供されている場合には追加の空気圧ジェットは、シートからの個別部品の脱離を促進し、個別部品はシートの下を通過するストランド内で放出される。
【0011】
ストランド内の個別部品の位置決めの正確さは、例えば、生産速度(すなわち、ドラムの回転速度とストランドの前進速度の組み合わせ)、個別部品が挿入されるストランドの材料の種類、個別部品自体の形状、およびそれらの形成材料など、いくつかの要因に依存する。
【0012】
これらの要因の組み合わせは、しばしば、個別部品が正確に配置されていない製品の実現につながる。このような状況においては、不適合製品、すなわち、個別部品が適切に配置されていない製品は排除されなければならず、その結果、除外される製品の数が増加し、結果として関連コストが増加する。
【0013】
特に、既知のドラムにおいて、各個別部品が周辺部分の幅よりも小さい直径を有する半球状またはカップ状のシート内に収容されるという事実は、個別部品とシートとの間の接触面が特に拡張されることを意味する。シートからの個別部品の脱離のときに、すなわち、放出ゾーンの吸引の中断および空気圧ジェットの作動のときに、個別部品はベンチュリ効果の影響を受け得る。このような状況においては、ストランドへの個別部品の放出(したがって「落下」)の間、ベンチュリ効果により、吸引効果の結果として個別部品が振動し、その結果、個別部品が連続したストランド内で不適切な位置に配置される。これにより、ドラムの動作精度が低下し、廃棄物とみなされる製品が増加する。
【0014】
言い換えれば、シートの形状の結果として、吸引の中断のときに、ベンチュリ効果が生じる可能性があり、すなわち、個別部品の吸引がシートに向かって起こり、したがって、最適な軌道の逸脱が起こり、その結果、個別部品が下方のストランド内に不適切に配置される。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明の技術的課題は、従来技術の欠点を克服することができる、タバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムおよび方法を提供することである。
【0016】
したがって、本発明の目的は、個別部品のより正確且つ効率的な位置決めを可能にする、タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を挿入するためのドラムを提供することである。
【0017】
本発明のさらなる目的は、タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を効率的且つ正確に挿入するための方法を提供することである。
【0018】
特定された技術的課題および目的は、請求項1および19にそれぞれ提示された技術的特徴、および/または1つまたは複数の従属請求項に提示された技術的特徴を備える、タバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムおよび方法によって実質的に達成される。
【0019】
特に、特定された技術的課題および目的は、回転軸を中心に回転する外側マントルであって、その周辺部分に、回転軸の周りに角度的に分散された一連の受入シートが設けられた外側マントルを備える、タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を挿入するためのドラムによって達成される。各受入シートには、空気圧吸引源に接続された、または接続可能な、吸引ダクトと連通する少なくとも1つの穴が設けられている。各受入シートは、それぞれの個別部品を収容するように構成され且つ球面の一部に沿って延びる。
【0020】
好ましくは、各シートは環状形状である。
【0021】
各受入シートの直径は、受入シートの1つに収容され且つ受入シートの直径に等しい直径を有する球形の個別部品が周辺部分から軸方向に突出するように、外側マントルの周辺部分の、回転軸に平行に測定された、幅よりも大きい。
【0022】
言い換えれば、各シートは、そこに保持される個別部品が少なくとも片側で、好ましくは両側で、横方向に突出するように、形作られており、ここで「横方向」とは、シートがたどる軌道、したがって、ドラムの回転軸に沿った軌道を意味するものと理解される。
【0023】
好ましくは、各受入シートにおいて、周辺部分は、個別部品が横方向に突出することを可能にするように、少なくとも1つの側方凹部、好ましくは対向する側方凹部、を有する。特に、側方凹部は、周辺部分の外縁から半径方向内側に延び、周辺部分の外側円筒面に対して半径方向内側に凹んだ空洞を画定する。
【0024】
特定された技術的課題および目的はさらに、タバコ産業の連続したストランドに個別部品、特にカプセル、を挿入するための方法によって達成される。本方法は、ドラムを回転軸の周りで回転させるステップを含み、当該ステップにおいて、ドラムは、回転軸の周りで回転する外側マントルであって、その周辺部分に、回転軸の周りで角度的に分散され且つ吸引ダクトと連通する少なくとも1つの穴が設けられた一連の受入シートが備わっている外側マントルを備える。
【0025】
本方法はさらに、ドラムが回転している間に、少なくとも1つの受入ゾーンにおいてドラムの受入シートに少なくとも1つの一連の個別部品を供給するステップを含む。
【0026】
本方法はさらに、少なくとも、少なくとも1つの受入ゾーンから個別部品の放出ゾーンまで、吸引ダクトに加えられる空気圧吸引によって、受入シート内に個別部品を保持するステップを含む。
【0027】
本方法はさらに、それぞれの受入シートに保持された個別部品を少なくとも1つの受入ゾーンから放出ゾーンに移送するステップと、個別部品をドラムの受入シートから放出ゾーンの連続したストランドに解放するステップとを含む。移送ステップ中、各個別部品はドラムの少なくとも片側から横方向に突出する。
【0028】
有利なことに、各個別部品がドラムの少なくとも片側から横方向に突出するという事実は、受入シートからのそれらの抜け出しを容易にし、空気圧吸引に必要な力を低減する。この効果は、個別部品と受入シートの間の接触面の減少と相まって、ベンチュリ効果によって引き起こされる不都合を解消する。特に、本方法は、放出ゾーンのシートから個別部品を機械的に取り外すステップを含む。
【0029】
このような機械的な取り外しは、好ましくは、ダイバータ部材であって、好ましくは固定され且つ個別部品の少なくとも1つの横方向に突出する部分を遮って接触するのに適したダイバータ部材によって実施される。このような状況においては、個別部品の位置決めの再現可能な品質を連続したストランド内で確保することができる。
【0030】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明によるタバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのドラムおよび方法の実施形態の例示的、したがって非限定的な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
このような説明は、添付図面を参照して以下に示されており、添付図面は、単に非限定的な例として提供される。
図1】従来技術のドラムの詳細、特に個別部品を収容するためのシートを示す。
図2】本発明によるタバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するためのユニットを示す。
図3】本発明によるタバコ産業の連続したストランドに個別部品を挿入するための拡大図を示す。
図4A】本発明の対象であるドラムの一部の正面図を示す。
図4B図4Aの断面図を示す。
図5A】本発明の対象であるドラムの一部の側面図を示す。
図5B図5Aの断面図を示す。
図6】本発明の対象であるドラムの分解図を示す。
図7A図2のユニットのさらなる図を示す。
図7B図7Aの詳細の拡大図を示す。
図7C】ユニットの動作状態の図7Bの詳細の別の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付図面を参照すると、タバコ産業の連続したストランド「B」に個別部品「C」を挿入するためのドラムは100で示される。
【0033】
個別部品「C」という用語は、カプセル、より正確には、実質的に球形を有するカプセルを意味するものと理解される。
【0034】
ドラム100は、回転軸「X」の周りで回転する外側マントル200を備える。
【0035】
より具体的には、ドラム100は、外側マントル200が回転可能に取り付けられた固定中央ハブ600を備える。
【0036】
外側マントル200は、好ましくは、例えば図2および図6に示されるように、ベース部分200bと周辺部分200aとを備える。
【0037】
ベース部分200bは、周辺部分200aに対して半径方向内側にあり、周辺部分200aよりも大きい、回転軸「X」に平行に測定された、幅を持つ。
【0038】
添付図面に示される実施形態に示されるように、周辺部分200aはベース部分200bから延びており、隆起した形状または半径方向のリブを有する。
【0039】
より具体的には、周辺部分200aは、回転軸「X」に対して垂直に方向付けられた、平面状の平行な側壁200a’を有する。このような状況においては、周辺部分200aは、ベース部分200bの幅よりも狭い、回転軸「X」に平行に測定された、幅であって、ベース部分200bの周方向の展開全体に沿って延びる幅を有する一種の半径方向の突起である。
【0040】
図示されていない実施形態によれば、外側マントル200の全体は、周辺部分200aの幅と等しい、半径方向に実質的に均一な幅を有する。
【0041】
好ましくは、回転軸「X」に平行に測定された、外側マントル200の周辺部分200aの幅は、1.5mmから3.5mmの間である。
【0042】
より好ましくは、回転軸「X」に平行に測定された、外側マントル200の周辺部分200aの幅は、個別部品「C」の直径の3分の2にほぼ等しい。
【0043】
ドラム100には、周辺部分200aに、回転軸「X」の周りに角度的に分散され、特に、互いに等間隔に間隔をあけて配置された一連の受入シート300が設けられている。
【0044】
各受入シート300は、それぞれの個別部品「C」を受け入れるように構成される。
【0045】
各受入シート300は、球面300’の一部に沿って延びる。実際、図3に示されるように、各受入シート300は、後で詳しく説明されるように、一種の環状の中空体またはカップを形成するように、周辺部分200aを事実上「掘る」ことによって周辺部分200aから得られる。
【0046】
本発明の一態様によれば、各受入シート300は、受入シート300の1つに収容され且つ周辺部分200aの幅よりも大きく、最大で受入シート300の直径に等しい直径を有する球形の個別部品「C」が、周辺部分200aから軸方向に突出するように、外側マントル200の周辺部分200aの、回転軸「X」に平行に測定された、幅よりも大きい直径を有する。
【0047】
このような状況においては、図3および図5Aに示されるように、受入シート300の球面300’の一部に載るように受入シート300に収容された個別部品「C」は、周辺部分200aから軸方向に突出する。
【0048】
言い換えれば、シートの直径が周辺部分の、ドラムの回転軸に平行に測定された、幅よりも小さい既知の技術のドラムの受入シート(図1)とは異なり、本発明のドラム100の受入シート300は、外側マントル200の周辺部分200aの幅よりも大きい(少なくとも事実上の)直径を有するように設けられる。このような状況においては、個別部品「C」は、受入シート300の球面300’の一部に載っているが、軸方向に沿って、すなわち回転軸「X」に平行な方向に沿って受入シート300から突出する。
【0049】
好ましくは、各受入シート300の直径は2.5mmから5mmの間であり、より好ましくは、個別部品「C」の直径に0.3mmを加えた値にほぼ等しい。
【0050】
図3および図4Aに示されるように、個別部品「C」が横方向に突出することを可能にするように、周辺部分200aは、各受入シート300に対向する側方凹部300cを有する。特に、側方凹部300cは、周辺部分200aの外縁200a’’から半径方向内側に延びる。
【0051】
好ましい実施形態では、各側方凹部300cは、弓形のプロファイルを有し、好ましくは、受入シート300上に位置し且つ受入シート300と同一の直径(すなわち、周辺部分200aの、回転軸「X」に平行に測定された、幅よりも大きい直径)を有する仮想球と、周辺部分200aの対向する側壁200a’との交差部分から得られる。
【0052】
このような状況においては、例えば図4Aに示されるように、周辺部分200aの各側壁200a’は、個別部品「C」が受入シート300から横方向に突出するように受入シート300に収容される個別部品「C」の側方領域を自由にするために、外縁200a’’から、半円状に、一連の側方凹部300aを有する。
【0053】
個別部品「C」がシートによって側方で「包まれた」既知の技術のドラムの受入シート(図1)とは異なり、本発明のドラム100の受入シート300は、個別部品「C」が受入シート300から軸方向に突出するように受入シート300に収容された個別部品「C」の側方領域を自由にするので、個別部品「C」と受入シート300との間の接触面を最小限に抑えることを可能にする(図5A)。
【0054】
使用時には、少なくとも1つの一連の個別部品「C」が、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」においてドラム100の受入シート300に供給される。図2に示されるように、一例として、このような受入ゾーン「R1」、「R2」において、順序付けられた一連の個別部品「C」をドラム100に供給するように構成された1つの供給ドラム「T1」、「T2」を配置することができる。このような状況においては、各個別部品「C」は、ドラム100の少なくとも片側から横方向に突出するように、それぞれの受入シート300に供給される。より正確には、各個別部品「C」は、それがドラム100の回転方向に沿って受入シート300と接触している間、回転軸「X」に平行な方向に沿って周辺部分200aから軸方向に突出する。
【0055】
個別部品「C」を配置した後、ドラム100を回転させることにより、各個別部品「C」は放出ゾーン「S」に運ばれ、ここで個別部品「C」はドラム100の受入シート300から連続したストランド「B」に徐々に放出される。
【0056】
個別部品「C」が少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」と放出ゾーン「S」との間を移動する間に受入シート300から落下するのを防止するために、個別部品「C」は空気圧吸引作用を受ける。
【0057】
前述の空気圧吸引を作動させるために、図3および図4Bに示されるように、各受入シート300には、空気圧吸引源に接続された、または接続可能な吸引ダクト400’、400’’と連通する少なくとも1つの穴300aが設けられている。
【0058】
好ましくは、受入シート300の穴300aは、同一の周方向に沿って整列される。
【0059】
図3に詳細に示されるように、各穴300aは、それぞれの吸引ダクト400’、400’が吸引による保持作用を個別部品「C」に伝達することができるように、受入シート300の底部に形成される。
【0060】
さらに詳細には、各吸引ダクト400’、400’’は、周辺部分200a内で、それぞれの受入シート300の穴300aから、中央ハブ600に面して配置された出口区域300b’、300b’’まで延びる。
【0061】
このような状況においては、中央ハブ600には、回転軸「X」の周りの角度区間に沿って吸引ダクト400’、400’’と流体連通するのに適した少なくとも1つの固定吸引チャンバが設けられている。
【0062】
好ましくは、角度区間は、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」と放出ゾーン「S」との間の区間である。このような状況においては、個別部品「C」が少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」において受入シート300に徐々に供給されるとき、対応する吸引ダクト400’、400’’は、個別部品「C」が放出ゾーン「S」に到達するまで保持作用を個別部品「C」に伝達するように、外側マントル200の回転のおかげで、吸引チャンバと流体連通する。このような状況においては、放出ゾーン「S」に到達した個別部品「C」に関連する吸引ダクト400’、400’’と吸引チャンバとの間の流体連通を中断し、個別部品「C」を放出することができる。
【0063】
図示されていない可能な実施形態によれば、吸引ダクト400’、400’’は、周辺部分200a内で回転軸「X」に対して半径方向に延び、中央ハブ600に面して配置され、1つの同一の周方向に沿って整列されたそれぞれの出口区域300b’、300b’’を有する。このような状況においては、中央ハブ600には、すべての吸引ダクト400’、400’’との流体連通に適した、ただ一つの固定吸引チャンバが設けられている。このような実施形態は、例えば、図1の場合のように、ただ一つの一連の個別部品「C」のみがドラム100に供給される場合に、特に適している。
【0064】
さらなる可能な図示された実施形態によれば、代わりに、吸引ダクト400’、400’’は、互いに交互に配置された第1の一連の吸引ダクト400’と第2の一連の吸引ダクト400’’に分割され、第1の一連の吸引ダクト400’と第2の一連の吸引ダクト400’’の一方の各吸引ダクト400’’は、第1の一連の吸引ダクト400’と第2の一連の吸引ダクト400’’の他方の2つの吸引ダクト400’の間に角度的に交互に配置される(図4B)。
【0065】
図6に示されるように、第1の一連の吸引ダクト400’の出口区域300b’と、第2の一連の吸引ダクト400’’の出口区域300b’’は、互いに軸方向にオフセットされた周方向の軌跡に沿って相互に配置される。
【0066】
第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’の出口区域300b’、300b’’は、互いに軸方向にオフセットされた周方向の軌跡に沿って配置されているが、受入シート300の穴300aは1つの同一の周方向に沿って整列されているので、第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’は傾斜しており、すなわち、ベース部分200bに対して、およびドラムの回転軸に垂直な半径方向平面に対して、角度が付けられている。
【0067】
このような実施形態では、少なくとも1つの吸引チャンバは、異なる角度位置で第1の一連の吸引ダクト400’および第2の一連の吸引ダクト400’’と流体連通するように配置および/または構成される。このような実施形態は、例えば、図7Aに示されるように、2つの一連の個別部品「C」がドラム100に供給される場合に、特に適している。
【0068】
このような状況においては、少なくとも1つの吸引チャンバは、第1の供給ドラム「T1」が第1の一連の個別部品「C」を供給する第1の受入ゾーン「R1」から第1の一連の吸引ダクト400’と流体連通するように構成される一方、第1の受入ゾーン「R1」に対して角度的にオフセットされた位置を有し且つ第2の供給ドラム「T2」が第2の一連の個別部品「C」を供給する第2の受入ゾーン「R2」からのみ第2の一連の吸引ダクト400’’と流体連通するように構成される。
【0069】
第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’が交互に吸引チャンバと流体連通するように、ハブ600は、回転軸「X」の周りの異なる角度展開を持つ2つの隣接するゾーン700’、700’’(図7A)を有する単一の吸引チャンバを備えることができる。このような状況においては、第1のゾーン700’は、第1の一連の吸引ダクト400’の周方向の軌道と整列され、第2のゾーン700’’は、第2の一連の吸引ダクト400’’の周方向の軌道と整列される。
【0070】
添付図面を参照すると、第1のゾーン700’は、回転軸「X」の周りに、少なくとも第1の受入ゾーン「R1」と放出ゾーン「S」の間の角度距離に等しい角度展開を有し、第2のゾーン700’’は、回転軸「X」の周りに、少なくとも第2の受入ゾーン「R2」と放出ゾーン「S」の間の角度距離に等しい角度展開を有する。このような状況においては、第1および第2のゾーン700’、700’’は、少なくとも第2の受入ゾーン「R2」と放出ゾーン「S」の間の角度距離に等しい角度展開にわたって、互いに隣接している。このように、回転軸「X」の周りの角度軌道に沿って、第1の受入ゾーン「R1」と第2の受入ゾーン「R2」の間で、第1の供給ドラム「T1」から供給される個別部品「C」を保持するように、第1の一連の吸引ダクト400’のみが吸引チャンバと流体連通する。一方、第2の供給ドラム「T2」から供給される個別部品「C」を保持するように、第2の受入ゾーン「R2」から、第2の一連の吸引ダクト400’’も吸引チャンバと流体連通する。
【0071】
有利なことに、第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’をドラム100の所定の角度位置から接続するオプションにより、圧力損失を低減することが可能となり、ひいては吸引作用に必要な電力を低減することが可能となる。
【0072】
図7Aの実施形態の代替として、ハブ600は、回転軸「X」に沿って軸方向に並置され且つ回転軸「X」の周りの異なる角度展開を持つ2つの異なる吸引チャンバを備えることができる。この場合には、第1の吸引チャンバは、第1の一連の吸引ダクト400’の周方向の軌道と整列され、第2の吸引チャンバは、第2の一連の吸引ダクト400’’の周方向の軌道と整列される。このようにして、回転軸「X」の周りの角度軌道に沿って、第1の受入ゾーン「R1」と第2の受入ゾーン「R2」の間で、第1の一連の吸引ダクト400’は第1の吸引チャンバと流体連通しているが、第2の一連の吸引ダクト400’’は第2の吸引チャンバと流体連通していない。一方、第2の受入ゾーン「R2」から、第2の一連の吸引ダクト400’’は、第2の供給ドラム「T2」から供給される個別部品「C」を保持するように、第2の吸引チャンバと流体連通する。
【0073】
個別部品「C」が放出ゾーン「S」に運ばれると、個別部品「C」は下方の連続したストランド「B」に放出される。
【0074】
本発明の一態様によれば、それぞれの受入シート300と個別部品「C」との間の脱離作業を容易にするために、ドラム100は、周辺部分200aに関連付けられた少なくとも1つの脱離要素500を備える。
【0075】
好ましくは、脱離要素500は、放出ゾーン「S」に近い外側マントル200の周辺部分200aに関連付けられ、そのような位置で固定されている。
【0076】
例えば、図7Aに示されるように、脱離要素500は、固定構造に片持ち梁状に固定するための固定端500bを備える。
【0077】
脱離要素500は、固定端500bの反対側の自由端によって規定される少なくとも1つの作業部分500aをさらに備える。
【0078】
作業部分500aは、ドラム100が回転軸「X」の周りを回転する間、それぞれの受入シート300から個別部品「C」を機械的に取り外すように構成される。
【0079】
好ましくは、少なくとも1つの作業部分500aは、回転軸「X」に沿って測定された、周辺部分200aから距離「d」だけ離れており、距離「d」は1mm未満、および/または受入シート300の直径と周辺部分200aの幅との差の半分未満である(図7C)。
【0080】
このような状況においては、個別部品「C」は、放出ゾーン「S」の近くで、作業部分500aに徐々に接触する。より具体的には、各個別部品「C」は、作業部分500aに、それぞれの受入シート300から軸方向に突出したその部分によって当接する。このような状況においては、作業部分500aは、脱離対象の個別部品「C」の「ガイド」または「レール」として機能する。
【0081】
好ましくは、脱離要素500は、周辺部分200aに対して位置を調整可能である。このような態様は、脱離要素500がそれぞれの受入シート300から軸方向に突出した部分に好都合に作用できるように、取り扱われる個別部品「C」の直径に応じて脱離要素500を位置決めすることが可能になるので、特に有利である。
【0082】
好ましくは、脱離要素500を調整するオプションに加えて、またはその代わりに、脱離要素500は、受入シート300から個別部品「C」を脱離させるのに適した作業位置と、周辺部分200aから離れた非作業位置との間で移動可能であってもよい。
【0083】
図7Bに示されるように、外側マントル200の回転中、放出ゾーン「S」の近くで、個別部品「C」は脱離要素500の作業部分500aに当接する。特に、個別部品「C」は、受入シート300から軸方向に突出した部分によって脱離要素500と接触する。このような状況においては、外側マントル200が回転する間、個別部品「C」は作業部分500aにわずかに接触し、徐々に受入シート300から押し出される。
【0084】
受入シート300からの個別部品「C」の引き出し作用は、個別部品「C」が作業部分500aの端部に到達したときに、終了する。このような状況においては、受入シート300からの個別部品「C」の引き出しが完了し、個別部品「C」は、例えば長手方向溝が予め形成されている下方の連続したストランド「B」に落下する(図7B)。
【0085】
可能な実施形態によれば、脱離要素500は、各個別部品「C」の両側に作用するように、周辺部分200aの両側に配置された2つの作業部分500aを有する。このような状況においては、作業部分500aは、好ましくは周辺部分200aに対して対称的な位置を占めるように、各個別部品「C」の両側に同時に作用するように、相互に一体的で且つ互いに独立して調節可能なそれぞれの固定端500bを有する。
【0086】
より好ましくは、脱離要素500はフォーク形状を有する。このような状況においては、脱離要素500は、周辺部分200aの両側に配置された2つの作業部分500aと、単一の固定端500bとを備える。
【0087】
言い換えれば、フォーク形状の場合、脱離要素500の2つの作業部分500aは、1つの共通の固定端500bから互いに平行に延びる。
【0088】
このような状況においては、2つの作業部分500aは、脱離要素500がドラム100を跨いで取り付けられ得るように、2つの作業部分500aの間に、外側マントル200の周辺部分200aを収容するためのシートを画定する。
【0089】
脱離要素500は、吸引ダクト400’、400’’による放出ゾーン「S」での吸引作用が導入されるドラム100の実施形態と、吸引ダクト400’、400’’を通過する空気流が反転されてそれぞれの受入シート300から個別部品「C」を押し出すドラム100の実施形態の両方において、それぞれの受入シート300からの個別部品「C」の脱離を決定できる。
【0090】
前述の実施形態の両方において、脱離要素500は、個別部品「C」の脱離を促進し、連続したストランド「B」に向かう個別部品「C」の落下の間、個別部品「C」を案内するように構成された「ガイド」または「スライド」として機能する。
【0091】
脱離要素500は、また、放出ゾーン「S」での吸引作用が中断されないドラム100の実施形態においても、それぞれの受入シート300からの個別部品「C」の脱離を決定できる。この状況においても、脱離要素500は、個別部品「C」が吸引作用の影響を受けなくなるまで空気圧吸引作用に打ち勝つように、受入シート300から個別部品「C」を徐々に遠ざけるように構成された「ガイド」または「スライド」として機能する。
【0092】
タバコ産業の連続したストランド「B」に個別部品「C」、特にカプセル、を挿入するためのユニット「U」も本発明の目的である。
【0093】
図7Aに例示されるように、ユニット「U」は、上記の説明によるドラム100を備える。
【0094】
ドラム100は、個別部品「C」の少なくとも1つの受入ゾーン「R1、R2」から個別部品「C」の放出ゾーン「S」までの回転軸「X」の周りの受入シート300の移動経路を規定する。
【0095】
ユニット「U」は、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」に配置され且つ順序付けられた一連の個別部品「C」をドラム100に供給するように構成された少なくとも1つの供給ドラム「T1」、「T2」を備える。
【0096】
図示の実施形態では、ユニット「U」は、各々が対応する受入ゾーン「R1」、「R2」に配置され且つドラム100に、それぞれの順序付けられた一連の個別部品「C」を供給するように構成された2つの供給ドラム「T1」、「T2」を備える。
【0097】
このような状況においては、受入シート300の移動経路に沿って互いに対して角度をなして配置された2つの受入ゾーン「R1」、「R2」が設けられる。
【0098】
図示の実施形態では、供給ドラム「T1」、「T2」は、それぞれの受入ゾーン「R1」、「R2」に供給される個別部品「C」が、相互に連続していない受入シート300を占有するように構成される。言い換えれば、個別部品「C」は、2つの供給ドラム「T1」、「T2」の一方から供給される2つの個別部品「C」の間に個別部品「C」が交互に且つ2つのドラム「T1」、「T2」の他方に供給されるように、供給される。
【0099】
上述のように、個別部品「C」の二重供給の場合、個別部品「C」を受入シート300に保持するために、ドラム100の吸引ダクト400’、400’’は、好ましくは、互いに交互に配置された第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’に分割される。
【0100】
このような状況においては、第1の供給ドラム「T1」は、第1の一連の吸引ダクト400’に関連付けられた受入シート300に一連の個別部品「C」を供給するように配置および/または構成され、第2の供給ドラム「T2」は、第2の一連の吸引ダクト400’’に関連付けられた受入シート300に一連の個別部品「C」を供給するように配置および/または構成される。
【0101】
ユニット「U」は、放出ゾーン「S」を横切る連続したストランド「B」を案内するための(既知のタイプの)ガイド手段をさらに備える。
【0102】
したがって、使用時には、連続したストランド「B」が徐々に放出ゾーン「S」に前進させられる間、第1および第2の供給ドラム「T1」、「T2」は、ドラム100の受入シート300にそれぞれの一連の個別部品「C」を配置する。
【0103】
第1の受入ゾーン「R1」では、第1の供給ドラム「T1」は、第1の一連の吸引ダクト400’、すなわち、第1の受入ゾーン「R1」から少なくとも1つの吸引チャンバと流体連通するように配置された吸引ダクト400’に関連付けられた受入シート300に個別部品「C」を配置する。
【0104】
第2の受入ゾーン「R2」では、第2の供給ドラム「T2」は、第1の供給ドラム「T1」から供給された個別部品「C」によって空のままにされた受入シート300に個別部品「C」を配置する。このような受入シート300は、第2の一連の吸引ダクト400’’と関連付けられており、これらは第2の受入ゾーン「R2」から少なくとも1つの吸引チャンバと流体連通するように配置される。
【0105】
個別部品「C」を、それらが連続したストランド「B」内に徐々に落下する放出ゾーン「S」まで、受入シート300内に保持するために、第2の受入ゾーン「R2」から、第1および第2の一連の吸引ダクト400’、400’’の両方が、少なくとも1つの吸引チャンバと流体連通するように配置される。
【0106】
タバコ産業の連続したストランド「B」に個別部品「C」、特にカプセル、を挿入するための方法も本発明の目的である。
【0107】
このような方法は、上記の説明による「U」字型ユニットによって実施することができる。
【0108】
本方法は、ドラム100を回転軸「X」の周りで回転させるステップを含む。ドラム100は、回転軸「X」の周りを回転する外側マントル200であって、その周辺部分200aに、回転軸「X」の周りに角度的に分散された一連の受入シート300が設けられた外側マントル200を備える。
【0109】
受入シート300には、吸引ダクト400’、400’’と連通する少なくとも1つの穴300aが設けられている。
【0110】
本方法はさらに、ドラム100が回転している間に、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」においてドラム100の受入シート300に少なくとも1つの一連の個別部品「C」を供給するステップを含む。
【0111】
好ましくは、供給するステップは、各受入シート300に1つの個別部品「C」を放出する少なくとも1つの供給ドラム「T1」、「T2」によって実行される。
【0112】
各個別部品「C」は、当該個別部品「C」が受入シート300から、特に、個別部品「C」の、半径方向における、寸法の30%から70%の間の距離だけ、前記方向に突出するように、それぞれの受入シート300に挿入される(図5B)。
【0113】
本方法はさらに、少なくとも、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」から個別部品「C」の放出ゾーン「S」まで、吸引ダクト400’、400’’に加えられる空気圧吸引によって受入シート300内に個別部品「C」を保持するステップを含む。
【0114】
言い換えれば、個別部品「C」を受入シート300に放出するときに、受入シート300に吸引により個別部品「C」を保持するように、空気圧吸引が作動される。
【0115】
このような状況においては、このように収容され且つ保持された個別部品「C」は、少なくとも1つの受入ゾーン「R1」、「R2」から放出ゾーン「S」に移送される。移送中、各個別部品「C」はドラム100の少なくとも片側から横方向に突出する。
【0116】
好ましくは、各個別部品「C」はカプセルであり、より好ましくは球状カプセルである。このような状況においては、受入シート300の直径は、受入シート300の1つに収容され且つ受入シート300の直径に等しい直径を有する個別部品「C」が周辺部分200aから軸方向に突出するように、周辺部分200aの、回転軸「X」に平行に測定された、幅よりも大きい。
【0117】
放出ゾーン「S」に到達すると、個別部品「C」はドラム100の受入シート300から連続したストランド「B」に放出される。
【0118】
好ましくは、個別部品「C」を放出するステップは、ドラム100から横方向に突出する個別部品「C」の一部に加えられる機械的作用によって少なくとも部分的に達成される。
【0119】
好ましい実施形態では、このようなステップは、前述の説明による脱離要素500によって加えられる機械的作用によって達成される。
【0120】
本発明は、従来技術の欠点を克服し、意図した目的を達成する。
【0121】
特に、本発明は、個別部品を、より高い正確さおよび制御で連続したストランドに移送できるような構成で、ドラム上で搬送することを可能にする。
【0122】
特に、個別部品がドラムの少なくとも片側から横方向に突出するという事実は、ドラムによる保持作用を最適化し、同時に、放出ゾーンでの空気圧吸引の中断に加えて、または中断がない場合でも、機械的な脱離システムを使用することを可能にする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A-7B】
図7C
【外国語明細書】