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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127855
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】歯車ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/18 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
F04C2/18 311D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024034637
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 105 504.6
(32)【優先日】2023-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】513287336
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー クライメット コントロール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Eberspaecher Climate Control Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Eberspaecher Strasse 24, D-73730 Esslingen am Neckar, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルセル シャルラ
【テーマコード(参考)】
3H041
【Fターム(参考)】
3H041AA00
3H041BB02
3H041CC13
3H041DD07
3H041DD09
3H041DD21
3H041DD33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動軸に支持された圧送歯車の領域における過剰な摩耗を回避する。
【解決手段】特に燃料運転式の加熱装置内で液体燃料を圧送するための歯車ポンプであって、ポンプハウジング(20)内の圧送室(22)と、圧送室(22)を少なくとも部分的に閉鎖するハウジングカバー(40)と、圧送室(22)内で回転軸線(D)を中心として回転可能な圧送歯車(24)と、圧送歯車(24)に回転軸線(D)を中心として共に回転するように結合された駆動軸(26)と、駆動軸(26)を、圧送歯車(24)の第1の軸線方向側において支持する第1の軸受ユニット(28)と、駆動軸(26)を、圧送歯車(24)の第2の軸線方向側において支持する第2の軸受ユニット(44)と、を含む、歯車ポンプ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に燃料運転式の加熱装置内で液体燃料を圧送するための歯車ポンプであって、
-ポンプハウジング(20)内の圧送室(22)と、
-前記圧送室(22)を少なくとも部分的に閉鎖するハウジングカバー(40)と、
-前記圧送室(22)内で回転軸線(D)を中心として回転可能な圧送歯車(24)と、
-前記圧送歯車(24)に前記回転軸線(D)を中心として共に回転するように結合された駆動軸(26)と、
-前記駆動軸(26)を、前記圧送歯車(24)の第1の軸線方向側において支持する第1の軸受ユニット(28)と、
-前記駆動軸(26)を、前記圧送歯車(24)の第2の軸線方向側において支持する第2の軸受ユニット(44)と、
を含む、歯車ポンプ。
【請求項2】
前記駆動軸(26)は、前記第1の軸受ユニット(28)を介して前記ポンプハウジング(20)に対して支持されているか、または/かつ前記駆動軸(26)は、前記第2の軸受ユニット(44)を介して前記ハウジングカバー(40)に対して支持されている、請求項1記載の歯車ポンプ。
【請求項3】
前記駆動軸(26)は、前記第1の軸受ユニット(28)と前記第2の軸受ユニット(44)との間では支持されていない、請求項1または2記載の歯車ポンプ。
【請求項4】
前記第2の軸受ユニット(44)の、前記圧送歯車(24)からの軸線方向距離は、前記第1の軸受ユニット(28)の、前記圧送歯車(24)からの軸線方向距離よりも小さい、請求項1から3までのいずれか1項記載の歯車ポンプ。
【請求項5】
前記第1の軸受ユニット(28)は、第1の転動体軸受(34)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の歯車ポンプ。
【請求項6】
前記第1の転動体軸受(34)は、玉軸受を含む、請求項5記載の歯車ポンプ。
【請求項7】
前記第1の軸受ユニット(28)は、軸線方向において前記第1の転動体軸受(34)と前記圧送歯車(24)との間に、前記ポンプハウジング(20)に対する前記駆動軸(26)の流体密な接続を提供する第1の軸シール(36)を有している、請求項2を引用する請求項5または6記載の歯車ポンプ。
【請求項8】
前記第2の軸受ユニット(44)は、第2の転動体軸受(48)を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の歯車ポンプ。
【請求項9】
前記第2の転動体軸受(48)は、玉軸受を含む、請求項8記載の歯車ポンプ。
【請求項10】
前記第2の軸受ユニット(44)は、軸線方向において前記第2の転動体軸受(48)と前記圧送歯車(24)との間に、前記ハウジングカバー(40)に対する前記駆動軸(26)の流体密な接続を提供する第2の軸シール(50)を有している、請求項2を引用する請求項7または8記載の歯車ポンプ。
【請求項11】
前記第2の軸受ユニット(44)は、滑り軸受ブシュ(46)を含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の歯車ポンプ。
【請求項12】
前記滑り軸受ブシュ(46)は、ポリマー材料または複合材料によって形成されている、請求項11記載の歯車ポンプ。
【請求項13】
燃料運転式の車両加熱装置であって、ファン(17)を介して燃焼空気(L)を、かつ請求項1から12までのいずれか1項記載の歯車ポンプ(12)を介して液体燃料を供給すべきバーナ領域(14)を有する、燃料運転式の車両加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば燃料運転式の加熱装置内で液体燃料を圧送するために使用することができる歯車ポンプに関する。このような燃料運転式の加熱装置は、例えば建物用ヒータとして定置で運転することができ、または例えば車両内室内に導入しようとする空気を加熱するために、例えば車両における補助ヒータまたはパーキングヒータとして利用することができる。
【背景技術】
【0002】
このような歯車ポンプは、一般に圧送室内に互いに噛み合って配置された2つの歯車を有している。2つの歯車を回転させるために駆動し、このとき圧送室内に存在する液状媒体を圧送するために、これらの歯車のうちの一方は、例えば電動モータ式の駆動装置によって回転駆動可能な駆動軸に支持されている。例えば圧送室も提供するポンプハウジング内に配置された駆動軸は、軸線方向において駆動装置と、駆動軸と共に回転するように結合された圧送歯車との間の領域において、ポンプハウジングに対して回転可能に支持されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、このような歯車ポンプを、例えば非潤滑性の燃料等の非潤滑性の媒体を圧送する際に、特に駆動軸に支持された圧送歯車の領域における過剰な摩耗が回避されるように形成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明に基づき、特に燃料運転式の加熱装置内で液体燃料を圧送するための歯車ポンプであって、
-ポンプハウジング内の圧送室と、
-圧送室を少なくとも部分的に閉鎖するハウジングカバーと、
-圧送室内で回転軸線を中心として回転可能な圧送歯車と、
-圧送歯車に回転軸線を中心として共に回転するように結合された駆動軸と、
-駆動軸を、圧送歯車の第1の軸線方向側において支持する第1の軸受ユニットと、
-駆動軸を、圧送歯車の第2の軸線方向側において支持する第2の軸受ユニットと、
を含む、歯車ポンプによって解決される。
【0005】
駆動軸を、この駆動軸に共に回転するように結合された圧送歯車の両軸線方向側において支持することにより、特に、圧送運転中に生じる、圧送される液状媒体の比較的高い圧力によって誘発される、圧送歯車が回転軸線に対して横方向に動いた場合に、圧送室を画定するポンプハウジングの壁に接触することにつながる恐れがある、駆動軸の横方向負荷を回避することができる。これにより、特に圧送歯車の歯の領域における圧送歯車の過剰な摩耗を回避することができる。
【0006】
駆動軸は、第1の軸受ユニットを介してポンプハウジングに対して支持されていてよい。さらに、駆動軸は、第2の軸受ユニットを介してハウジングカバーに対して支持されていてよい。
【0007】
可能な限り簡単かつ廉価に実現すべき構成を得るために、駆動軸は、第1の軸受ユニットと第2の軸受ユニットとの間では支持されていなくてよい。駆動歯車の軸線方向両側において2つの軸受箇所でのみ支持することにより、側方変位運動に対する駆動軸の、ひいては圧送歯車の確実な支持が保証される。
【0008】
この場合、圧送歯車の領域におけるこのような側方変位運動を回避するためには、第2の軸受ユニットの、圧送歯車からの軸線方向距離が、第1の軸受ユニットの、圧送歯車からの軸線方向距離よりも小さいと、特に有利である。
【0009】
長い運転寿命を保証するために、第1の軸受ユニットは、第1の転動体軸受を有していることを提案する。例えばこの場合、第1の転動体軸受は、玉軸受を含み得る。
【0010】
この転動体軸受を、圧送すべき液状媒体に対して遮蔽するために、第1の軸受ユニットは、軸線方向において第1の転動体軸受と圧送歯車との間に、ポンプハウジングに対する駆動軸の流体密な接続を提供する第1の軸シール、例えば軸シールリングを有していることを提案する。
【0011】
第2の軸受ユニットは、第2の転動体軸受、例えば玉軸受を含み得る。
【0012】
この転動体軸受も、圧送すべき液状媒体に対して遮蔽するために、第2の軸受ユニットは、軸線方向において第2の転動体軸受と圧送歯車との間に、ハウジングカバーに対する駆動軸の流体密な接続を提供する第2の軸シール、例えば軸シールリングを有していることを提案する。
【0013】
特に必要とされる構成空間および製造コストに関して有利な1つの代替的な構成では、第2の軸受ユニットは、滑り軸受ブシュを有していてよい。
【0014】
滑り軸受ブシュは、ポリマー材料または複合材料によって構成されていてよい、つまり、特にこのような滑り軸受ブシュを非潤滑環境または完全に乾燥した環境で使用するために適した材料によって形成されていてよい。
【0015】
本発明はさらに、燃料運転式の車両加熱装置であって、ファンを介して燃焼空気を、かつ本発明により形成された歯車ポンプを介して液体燃料を供給すべきバーナ領域を有する、燃料運転式の車両加熱装置に関する。バーナ領域は、好適には霧化バーナを有しており、霧化バーナ内では、噴霧ノズルを介した燃料の噴射によって、燃料と燃焼空気とから成る混合物が生ぜしめられる。
【0016】
以下に、本発明を添付の図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】歯車ポンプの部分断面図である。
図2】代替的な構成を示す、図1に対応する図である。
図3】燃料運転式の車両加熱装置の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下で図1および図2を参照しながら歯車ポンプの構成について詳しく説明する前に、図3を参照しながら、全体的に符号10を付した燃料運転式の車両加熱装置の基本的な構成を説明する。この車両加熱装置では、このような歯車ポンプ12を、液状媒体としての液体燃料を圧送するために使用することができる。
【0019】
車両加熱装置10は、バーナ領域14と、熱交換器領域16とを有している。バーナ領域14には、燃焼空気ファン17を介して燃焼空気Lが供給される。さらに、バーナ領域14には、歯車ポンプ12を介して液体燃料Bが供給され、液体燃料Bは、噴霧ノズルによって噴射されて燃料/燃焼空気混合物を形成する。バーナ領域14の燃焼室18内で、燃焼空気Lは、例えば多孔質の気化媒体を介して気化された燃料Bと混合され、これにより、燃焼空気Lと燃料Bとから成る燃焼可能な混合物が生じる。燃焼時に発生した燃焼排気Aは、周囲に放出される前に熱交換器領域16内へ流入し、熱交換器領域16において、燃焼排気A中で運ばれた熱が被加熱媒体Mに伝達される。この被加熱媒体Mは、例えば車両内室内に導入すべき空気であってよい。しかしまた基本的に、媒体Mは、液状媒体、例えば車両の内燃機関の冷却媒体回路内に存在する液状の冷却媒体であってもよい。
【0020】
歯車ポンプ12は、全体的に符号20を付したポンプハウジングを有している。ポンプハウジングの一方の側において、全体的に符号22を付した圧送室内に、平歯車として形成された圧送歯車24が配置されている。圧送歯車24は、実質的にポンプハウジング20内に延在する駆動軸26に不動に支持されており、これにより、駆動軸26が駆動装置(図2には図示せず)、例えば電動モータによって回転されると、駆動軸26と圧送歯車24とは共に回転軸線Dを中心として回転する。
【0021】
図1には認められない別の圧送歯車も、圧送歯車24と同様に圧送室22内に配置されており、この別の圧送歯車が圧送歯車24と噛み合うように、回転軸線Dに対して側方において圧送歯車24に隣接して位置している。よって、回転軸線Dを中心として圧送歯車24が回転すると、この、図1には認められない別の圧送歯車も回転駆動され、これにより、圧送室22内に存在する、圧送すべき液状媒体が圧送室22から押し退けられ、ひいては供給すべきシステム領域、つまり例えば燃焼室18に向かって放出される。
【0022】
ポンプハウジング20の内部に位置する延在領域において、駆動軸26は第1の軸受ユニット28を介して支持されている。第1の軸受ユニット28は、ポンプハウジング20の、駆動軸26を収容する軸開口32の半径方向拡張領域30内に配置されている。第1の軸受ユニット28は、半径方向において駆動軸26をポンプハウジング20に対して回転可能に支持する、例えば玉軸受として形成された第1の転動体軸受34を有している。この第1の転動体軸受34を、圧送すべき媒体に対して遮蔽し、特に軸開口32を介した圧送すべき媒体の流出をも阻止するために、第1の軸受ユニット28は、軸線方向において圧送歯車24と第1の転動体軸受34との間に、例えば軸シールリングとして形成された軸シール36を有している。この軸シール36は、駆動軸26の外周面にも、軸開口32の半径方向拡張領域30の内周面にも当接しており、ひいては回転軸線Dを中心として回転可能な駆動軸26の、ポンプハウジング20に対する液密な接続を実現している。
【0023】
ポンプハウジング20の、基本的に圧送室22も開いている端面38には、ハウジングカバー40が配置されており、ポンプハウジング20と固く結合されており、その結果、ハウジングカバー40によって圧送室22は回転軸線Dの方向において閉鎖されている。
【0024】
駆動軸26は、軸線方向において圧送歯車24を越えて、ハウジングカバー40内に形成された切欠き42内へ延びている。この切欠き42内には、駆動軸26が、ハウジングカバー40に対して第2の軸受ユニット44を介して回転可能に支持されている。図1に示す実施例では、第2の軸受ユニット44は、滑り軸受ブシュ46を有している。滑り軸受ブシュ46は、特に非潤滑環境または乾式運転環境に関係する使用に適した材料によって形成されている。例えば、滑り軸受ブシュ46は、少なくともその、駆動軸26を半径方向において支持する表面領域において、ポリマー材料によって形成またはコーティングされていてよい。少なくとも駆動軸26を半径方向において支持する表面領域において、複合材料を使用することも可能である。このような複合材料は、例えば固形潤滑材粒子が埋め込まれたキャリア体またはキャリア層を含んでいてよい。このようなキャリア材料は、例えば鉛または銅であってよく、このキャリア材料内に埋め込まれた固形潤滑材粒子は、PTFE材料から形成されていてよい。歯車ポンプと共に使用するために特に適したこのような滑り軸受ブシュは、例えばGGB Heilbronn GmbHにより、商標または商品名DUブシュで販売されている。この場合は、鋼材料から形成された基体を備えて形成された滑り軸受ブシュのことである。この鋼基体には、多孔質の焼結青銅中間層が被着されており、焼結青銅中間層もやはり、支持を想定された側において、PTFEと鉛とから成る滑動層混合物によって被覆されている。
【0025】
駆動軸26を、圧送歯車24の両軸線方向側で支持することにより、また特に第2の軸受ユニット44が軸線方向において、第1の軸受ユニット28よりも大幅に圧送歯車24の近くに位置決めされていることにより、駆動軸26ひいては圧送歯車24の側方変位運動が、圧送歯車24が駆動軸26に支持されている軸線方向領域において実質的に完全に排除される。つまり、圧送歯車24が、その半径方向外側の、図1において線Iによって囲まれた領域において、その歯列でもってポンプハウジング20の、圧送室22を画定する壁にぶつかり、これにより、圧送歯車24の過剰な摩耗が生じる危険を排除することができる。これにより、歯車ポンプ12は、非潤滑性の媒体または燃料、例えばケロシン、ガソリン等と共に使用するために、特に適している。したがって、潤滑添加剤の添加を省くことができる。駆動軸26を、圧送歯車24の両軸線方向側において2つの軸受ユニット28,44によって支持することにより、追加的な支持手段、例えば第1の軸受ユニット28と圧送歯車24との間の別の軸受ユニットまたは/および第1の軸受ユニット28と駆動装置(図示せず)との間の別の軸受ユニットを省くことができる。
【0026】
図2には、特に非潤滑性の圧送すべき媒体と共に使用するための、このような歯車ポンプ12の代替的な実施形態が示されている。図2に示す実施形態では、第2の軸受ユニット44が、第2の転動体軸受48を備えて形成されており、第2の転動体軸受48によって、駆動軸26がハウジングカバー40に半径方向において支持されている。軸線方向において、例えばやはり玉軸受として形成された第2の転動体軸受48と圧送歯車24との間には、第2の転動体軸受48を圧送すべき媒体に対して遮蔽するために、例えばやはり軸シールリングの形態の第2の軸シール50が配置されている。
【0027】
この構成の場合も、圧送歯車24の側方変位運動が実質的に完全に排除され、これにより、特に圧送歯車24の半径方向外側に位置する歯の領域における過剰な摩耗を排除することができる。
【0028】
本発明により形成された歯車ポンプにより、特に、この歯車ポンプが例えば燃料運転式の車両加熱装置において、非潤滑性または難潤滑性の燃料と共に、この燃料を燃焼室内に圧送するために使用される場合に、駆動軸に支持された圧送歯車と、圧送室を取り囲む壁との非潤滑式の接触を回避することに基づき、このような歯車ポンプの運転寿命を大幅に延ばすことができ、このために比較的複雑な構成手段が必要とされることはないか、または圧送効率の妨害につながる、圧送歯車の歯と、ポンプハウジングの、圧送室を取り囲む壁との間の半径方向の中間スペースが必要とされることはない。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に燃料運転式の加熱装置内で液体燃料を圧送するための歯車ポンプであって、
-ポンプハウジング(20)内の圧送室(22)と、
-前記圧送室(22)を少なくとも部分的に閉鎖するハウジングカバー(40)と、
-前記圧送室(22)内で回転軸線(D)を中心として回転可能な圧送歯車(24)と、
-前記圧送歯車(24)に前記回転軸線(D)を中心として共に回転するように結合された駆動軸(26)と、
-前記駆動軸(26)を、前記圧送歯車(24)の第1の軸線方向側において支持する第1の軸受ユニット(28)と、
-前記駆動軸(26)を、前記圧送歯車(24)の第2の軸線方向側において支持する第2の軸受ユニット(44)と、
を含む、歯車ポンプ。
【請求項2】
前記駆動軸(26)は、前記第1の軸受ユニット(28)を介して前記ポンプハウジング(20)に対して支持されているか、または/かつ前記駆動軸(26)は、前記第2の軸受ユニット(44)を介して前記ハウジングカバー(40)に対して支持されている、請求項1記載の歯車ポンプ。
【請求項3】
前記駆動軸(26)は、前記第1の軸受ユニット(28)と前記第2の軸受ユニット(44)との間では支持されていない、請求項1または2記載の歯車ポンプ。
【請求項4】
前記第2の軸受ユニット(44)の、前記圧送歯車(24)からの軸線方向距離は、前記第1の軸受ユニット(28)の、前記圧送歯車(24)からの軸線方向距離よりも小さい、請求項1記載の歯車ポンプ。
【請求項5】
前記第1の軸受ユニット(28)は、第1の転動体軸受(34)を有している、請求項記載の歯車ポンプ。
【請求項6】
前記第1の転動体軸受(34)は、玉軸受を含む、請求項5記載の歯車ポンプ。
【請求項7】
前記第1の軸受ユニット(28)は、軸線方向において前記第1の転動体軸受(34)と前記圧送歯車(24)との間に、前記ポンプハウジング(20)に対する前記駆動軸(26)の流体密な接続を提供する第1の軸シール(36)を有している、請求項5または6記載の歯車ポンプ。
【請求項8】
前記第2の軸受ユニット(44)は、第2の転動体軸受(48)を有している、請求項1記載の歯車ポンプ。
【請求項9】
前記第2の転動体軸受(48)は、玉軸受を含む、請求項8記載の歯車ポンプ。
【請求項10】
前記第2の軸受ユニット(44)は、軸線方向において前記第2の転動体軸受(48)と前記圧送歯車(24)との間に、前記ハウジングカバー(40)に対する前記駆動軸(26)の流体密な接続を提供する第2の軸シール(50)を有している、請項8記載の歯車ポンプ。
【請求項11】
前記第2の軸受ユニット(44)は、滑り軸受ブシュ(46)を含む、請求項1記載の歯車ポンプ。
【請求項12】
前記滑り軸受ブシュ(46)は、ポリマー材料または複合材料によって形成されている、請求項11記載の歯車ポンプ。
【請求項13】
燃料運転式の車両加熱装置であって、ファン(17)を介して燃焼空気(L)を、かつ請求項1記載の歯車ポンプ(12)を介して液体燃料を供給すべきバーナ領域(14)を有する、燃料運転式の車両加熱装置。
【外国語明細書】